絶縁された電気導体のための接続装置、および接続システム
【課題】 高い伝送速度に対し、小さな寸法で、規格に従った申し分のないデータ伝送の機密保護を確実にする接続装置を提供する。
【解決手段】 この発明に従った接続装置はハウジング(2)を含み、そこに複数の接点要素(3)が延在し、その各々は、少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の圧接点または穿孔接点(3.1、3.2)を含む。すべての接点要素(3)の第1および第2の接点(3.1、3.2)は互いに電気的に接続される。接点要素はそれ自体の公知の態様で対で配置される。この発明に従うと、接点要素は、対(11)になった両方の接点要素の遷移部分(3.3)が、異なる対(11)の隣接する接点要素の遷移部分よりも互いに近接するように圧接点または穿孔接点間に延在する遷移部分(3.3)が構成されるような態様で、非対称にされる。
【解決手段】 この発明に従った接続装置はハウジング(2)を含み、そこに複数の接点要素(3)が延在し、その各々は、少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の圧接点または穿孔接点(3.1、3.2)を含む。すべての接点要素(3)の第1および第2の接点(3.1、3.2)は互いに電気的に接続される。接点要素はそれ自体の公知の態様で対で配置される。この発明に従うと、接点要素は、対(11)になった両方の接点要素の遷移部分(3.3)が、異なる対(11)の隣接する接点要素の遷移部分よりも互いに近接するように圧接点または穿孔接点間に延在する遷移部分(3.3)が構成されるような態様で、非対称にされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の電気的に絶縁された導体のための接続装置および接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話交換または配電系統における電話線またはデータ線の接続のために、しばしば、接続装置、たとえばコネクタブロックが設けられる。これらは、一般に、第1の線(「入力線」)のための複数のガイド、第2の線(「出力線」)のための複数のガイド、および、第1の線を第2の線とそれぞれ接続するための接点要素を含む。絶縁された導体のためにはんだが使用されておらず、「圧接(IDC)」技術に基づいた接続装置が好ましい。接点要素は各々、好ましくは少なくとも2つの圧接点を有するか、または、さほど好ましくはないが、2つの穿孔接点、もしくは1つの圧接点および1つの穿孔接点を有する。
【0003】
この種類の装置はさまざまな実施例において公知であり、これらのうちの多くは市販されている。この種類の装置を説明する文書として、たとえば、EP−A−0 321 151、DE−A−2 301 398およびDE−A−196 52 422が挙げられる。
【0004】
欧州公開文書0 994 528から公知である多重コネクタブロックは、圧接技術に基づいており、その一部がハウジングであることを特徴とする。(入力線側にある)一方側の圧接点に加えて、刃がまた、接点要素に付与される。これにより、複雑な工具を必要とすることなく、接続すべき導体の接続時に、当該導体を必要な長さに同時に切断することが可能になる。US4,964,812から一体型の端子箱も公知である。
【0005】
上述の種類の接続装置の場合、以下の問題の範囲のうちの少なくともいくつかがそれぞれ含まれる。
【0006】
1.隣接した接点要素対の間におけるクロストーク挙動。これは、特にデータ伝送の場合に重要である。データ伝送速度が高ければ高いほど、問題は大きくなる。従って、データ伝送の機密保護を確実にするために、より高い伝送周波数用の接続装置の接点要素を可能な限り離して配置しなければならないか、または、補償機能をすべての接点バンクに備えなければならない。しかしながら、これは望ましくないか、または、多くの場合、スペースおよびコストの理由から実現不可能である。
【0007】
2.容易な接続可能性。当然、接続手順を可能な限り容易かつ無理のないものにする必要がある。複雑な工具を必要としないようにすべきである。
【0008】
3.製造コスト。市場では、電気通信機器のための価格に対し多大な圧力がかけられている。
【0009】
米国特許文書5,556,296および米国特許文書5,160,273には、切断接点を備えた接続装置が開示される。この種類の切断接点は2つの別個の接点要素を含み、その各々は圧接点およびばね式の端部接点を備え、両方の接点要素のばね式の端部接点は、ばねの力によって互いに押し合わされる。2つの端部接点間には別個の要素が挿入されてもよい。このような要素は電気的に絶縁されている可能性があり、その結果、電気回路を切断することができる。この種類の別個の要素がたとえばプリント回路として設計され、たとえば過負荷防止としての機能または信号を受信するための機能を取入れることも可
能である。上述された2つの文書に従うと、2つの接点要素がここでは非対称に形成されるため、切断接点対の内部における端部接点間の距離が、切断接点対間の隣接する端部接点間の距離よりも短くなり、結果として、クロストークが低減される。
【0010】
これに加えて変形例が説明されているUS5,967,826において同様の接続装置を見出すことができる。ここでは、互いに対向する2つの接点要素がブリッジによって接続されるため、1体型でU字型の接続接点要素が形成される。
【0011】
切断接点を備えたこの種類の接続装置はそれらの融通性のある機能に基づいた特殊な用途には有利であるが、複雑に製造されており、多くの個々の構成要素を含み、幾何学的な理由から、いくつかの部分でできたハウジングを必要とする。これに加えて、同様に幾何学的な理由から、入力線および出力線はハウジングの同じ側で同じ方向に通されており、別個のカッターによって当該線が正確に切断されることを必要とするが、導体間の接触が制御されなくなる可能性がある。
【0012】
上述の文書に従ったすべての装置に共通する点は、これら装置が、非常に大きな寸法にされない限り、クロストーク挙動に基づいた、たとえば100Mbit/s以上の高い伝送速度に適さなくなる点である。加えて、当該装置は、製造が部分的に非常に複雑であり(すなわち費用がかかり)、配線が部分的に精密である。
【0013】
従って、この発明の目的は、高い伝送速度に対し、小さな寸法で、規格に従った申し分のないデータ伝送の機密保護を確実にする接続装置を製造することである。好ましくは、容易な接続可能性および低い製造コストも確実にされるべきである。
【特許文献1】EP−A−0 321 151
【特許文献2】DE−A−2 301 398
【特許文献3】DE−A−196 52 422
【特許文献4】欧州公開文書0 994 528
【特許文献5】US4,964,812
【特許文献6】米国特許文書5,556,296
【特許文献7】米国特許文書5,160,273
【特許文献8】US5,967,826
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に従った装置は、その一部であるハウジングを有し、そこには複数の一体型の接点要素があり、その各々は、少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の圧接点または穿孔接点をそれぞれ含む。各々の接点要素の第1の接点と第2の接点との間には遷移部分がある。接点要素はそれ自体の公知の態様で対で配置される。この発明に従うと、接点要素はここでは、対になった両方の接点要素の遷移部分が、異なる対の隣接する接点要素の遷移部分よりも近接するように当該遷移部分が構成されるような態様で、非対称にされる。
【0015】
遷移部分間のこれらの距離が異なっていることにより、隣接する対の間におけるクロストーク挙動は、接点間の距離を一定にすると低減される。遷移部分間の距離が異なっているのは、接点要素の設計が非対称であることに起因する。これにより、一連の利点がもたらされる。第1の利点は、圧接点または穿孔接点が、そのように所望されれば、等間隔をあけて配置され得ることである。非対称な形状にすることにより、クロストーク挙動に主に関連し電流が流れる部分である接点要素の部分が、それにもかかわらず最適化されること、すなわち、異なる対の間で互いから可能な限り間隔を空けて配置されること、が確実にされる。これにより、既存の接続装置と比べて寸法を変えることなく、より高いデータ
伝送速度の要件を満たすことが可能となる。たとえば、この発明に基づくと、接続装置が、ISO/IEC 11801(2002)に従ったカテゴリ5に対応し、これが、カテゴリ3の既存の装置から公知の寸法を有することが可能となる。従って、既存のシステムのプラグ、ソケットなどが、より高いカテゴリ5のために利用されてもよい。この発明ではまた、カテゴリ6の接続装置を狭い空間において実現することができ、このために、好ましくは、スクリーニングプレートを接点要素対の間において用いる。
【0016】
この発明に従った方策により、ハウジングを単一の部分にすることが可能となる。ハウジングを、単一の、たとえば射出成形された部分として製造することには大きな利点がある。すなわち、製造コストが、複数の部分からなるハウジングの場合よりも低くなる。この発明に従った構造により、接点要素を単一部分のハウジングに簡単に挿入することが可能となる。従って、接続装置を組立てるために、単一部分のハウジングにおいて、接点要素のためのチャンバを単独で設けなければならない。
【0017】
これに加えて、さらなる利点として、接点要素は平面として設計されてもよく、共通の平面に位置することが可能である。このことは特に製造に好都合である。つまり、すべての接点要素または少なくとも接点要素のグループを一緒に1つの金属板から打ち抜くことができる。特にエンボス加工および/または剪断による起こり得る変形の後、これら接点要素を一緒にハウジングに挿入し、搬送用細片(ブリッジ)によってともに保持することができる。
【0018】
接点要素が少なくとも1つの本質的に平坦な部分を含む場合、当該接点要素は、2つの圧接点または穿孔接点を接続し、かつ当該平坦な部分に対して垂直に延びている平面に対してたとえば非対称になる。
【0019】
接点要素が、接点要素面から突き出し、かつ、たとえばエンボス加工によって作り出される平面構成から逸れる要素を含むことが可能である。このような要素は、ハウジングに挿入される接点要素の長手方向のずれを防ぐラッチ留め具として設計されてもよい。接点要素面から突出たさらなる接触面要素として補強材があってもよく、当該補強材により、臨界点で機械的安定性が増大し、これにより、非常に薄い金属板を用いることが可能となる。この種類の補強材は、特に、圧接点の2つのフォークの力を確保する役割を果たし得る。
【0020】
第1の導体および第2の導体が、それらが接触している区域においてそれ自体の公知の態様で、互いに対して本質的に平行に、かつ接点要素に対して垂直に延びることが可能である。これに加えて、これらの第1および第2の導体は、互いに接触している場合、概してハウジングの両側(「前部」および「後部」)に通される。この種類の構造が好ましいが、第1の導体および第2の導体が平行になっていない接続装置(角度が付けられた接続装置)のためにこの発明を用いることも可能である。これは、たとえば曲がった接点要素で実現され得る。
【0021】
互いに対応する各対の接点要素(すなわち、各対のすべての「左側」またはすべての「右側」の接点要素)はしばしば、全く同様に設計される。すべての対はそれぞれ第1および第2の接点要素を含み、当該第1および第2の接点要素は形状または向きが異なっている。従って、接点要素対の内部においては、向きが規定されている接点要素は、この発明に従うと同一ではない。しかしながら、多くの好ましい実施例の場合、接点要素の各対の第1および第2の接点要素は互いにミラー反転されている。
【0022】
従って、いわば2種類の接点要素、「右側」および「左側」の接点要素、または第1および第2の接点要素が存在し得る。第1および第2の接点要素は形状が同一で、単にそれ
らの向きが異なるだけであってもよい。すなわち、第2の接点要素は、たとえば長手方向の軸を中心に180度回転する第1の接点要素である。これは、特に接点要素が、平面から突出たいかなる要素(ラッチ留め具、補強材など)も含まない場合、適用可能である。
【0023】
隣接した対の接点要素の遷移部分間における(この目的のために拡大された)中間の空間にスクリーニング要素を挿入することができる。これらは接続装置の場合に特に有利であり、高いデータ伝送速度に対して予測される。すなわち、規格(たとえばカテゴリ6)に準拠しつつ、よりコンパクトな構造を可能にする。
【0024】
それ自体の公知の態様であるハウジングは、導体のための挿入スロットを含み得る。絶縁された導体を挿入スロットに挿入し、接触させるよう押込むことにより、導体同士が接触する。というのも、接点の切断端子または穿孔用先端部がこれらのスロットに突出るからである。配線工具の助けを借りて、導体を滑り込ませること、すなわち接続させることができる。
【0025】
ハウジングが、据付けチャネルに取付けるための留め具をさらに含むことが可能である。これらは、据付けチャネルに2つの向きで留めることを可能にするような態様で非対称にされてもよい。第1の向きの(第1の、ここでは「入力」線の配線のための)第1の側部と、もう一方の向きの(第2の、ここでは「出力」線の配線のための)第2の側部とが前部に位置し、この結果、容易にアクセス可能となる。この種類の留め具は、たとえばEP−A−0 994 528から公知であり、特に図1とその説明とがここで明確に参照される。
【0026】
好ましい実施例に従うと、接点要素の各々には、少なくとも1つの、しばしば2つのカッターが割り当てられる。このことまたはこれらのことにより、導体の余分な長さが配線中に直接切断される。カッターが接続装置に組込まれた結果、配線工具を非常に単純に設計することができる。それにもかかわらず、配線したり余分な長さを切断したりするために、作業ステップが1つしか必要とされない。カッターが配線工具上に設けられる場合、対照的に解決策がより複雑になる。
【0027】
カッターまたは少なくとも1つのカッターは、接点要素とは別個の構成要素として設けられてもよい。これは製造技術に関する利点を有する。すなわち、カッター(またはその刃)は、当然、圧接点または穿孔接点とは異なる平面に与えられる必要条件を満たさなければならない。カッターが接点要素とともに単一の部分として構成されることが、先行技術から公知である。この場合、(刃を備えた)接点要素が3次元に形作られ、このため単一の面には形成されない場合、上述の必要条件に従うことしかできなくなる。従って、先行技術に従って金属板から打抜くことによって製造した後、当該要素をいくらか形成し直さなければならなくなり、費用がかかる。別個の構成要素としてカッターを備えることのさらなる利点は、構成要素が接点要素およびカッターである場合の材料の選択が最適化され得ることである。こうして、たとえばカッターの場合、接点要素自体に対するよりも硬質の材料を選択することができる。
【0028】
接触している導体が、配線動作後にはカッターに接触しないような構造が特に好ましい。カッターはクロストーク挙動の一因とはならず、配置のキャパシタンスがより小さくなり、損失も最小限にされる。さらに、カッターの電位はこのとき関連がなく、原則として、隣接する接点要素のカッター間に電気接触が存在することが可能となる。切断要素がいくつかのカッターを形成し、当該切断要素が、場合によっては、導体の方向に対して横方向に延び、かついくつかの隣接する導体の余分な長さを切断する単一の共通の刃を含むような態様で、接続装置を設計してもよい。
【0029】
ハウジング、接点要素、そのように適用可能であればカッターに加えて、接続装置がさらなる構成要素を含むことが可能である。
【0030】
たとえば、当該側部のうちの一方(典型的には第2の「出力」導体側)には、書込または印刷がなされ得るカバーとしての役割を果たす配線蓋があってもよい。この構成要素でもって、挿入スロットを覆うことができ、導体の対がそれらの機能に従って書込みまたは印刷され得る。
【0031】
さらなる付加的な構成要素として、典型的には第1の「入力」導体側のための接続装置が、複数のより線ケーブルのための張力軽減要素を含み得る第2のカバーを備えることが可能である。
【0032】
加えて、腐食防止の役割を果たすゲルまたは外気による変化防止のグリースが、配線蓋および/もしくはカバーのうちの1つに存在するか、または導体のための挿入スロットに直接存在することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
この発明の実施例を添付の図面に基づいて以下に説明する。
図1に従った接続装置1はカテゴリ5に従う。接続装置1は、それ自体の公知の態様で接点要素のための複数のチャンバを含むハウジング2を含む。チャンバは、電気的に絶縁された導体(図示せず)を接触させるためのガイドとしての役割を果たす挿入スロット2.1間に位置する。接点要素は対で配置される。図示された実施例においては、接点要素対11には2.2と番号付けされている。図示された実施例における挿入スロット2.1は等間隔をあけて配置される。すなわち、対の2つの挿入スロット2.1間の距離は、互いからの距離が、1つの挿入スロットから隣接した対の最も近接している挿入スロットまでの距離と同じになる。接点要素に対して横方向に、ハウジングは、据付けチャネルにおける取付けに役立つ留め具2.3を含む。ハウジングおよび接点要素に加えて、接続装置はカッター4、5を含む。これらの機能は後にさらに説明される。加えて、第2の線(出力線)のためのマーキングカバー6と、第1の線(入力線)のためのケーブルカバー7とが示される。ケーブルカバー7は張力軽減シャックル7.1を含み、その上には、いくつかの導体を含む入力ケーブルが機械的に案内および/または装着され得る。
【0034】
図2においては、ハウジング2の一部だけが示される。従って、互いに隣接して対で配置される接点要素3、ならびに第1のカッター4および第2のカッター5を見ることができる。接点要素ごとに第1のカッター4および第2のカッター5がある。接点要素は本質的に平坦であり、接点要素面を規定する。カッターは、好ましくは、この接点要素面と平行に配置され、接点要素から電気的に絶縁されている。接点要素対11における接点要素の構造および配置は、図3および図4において特によく見ることができる。各々の接点要素は、第1の圧接点3.1と、第2の圧接点3.2と、その間に延びる遷移部分3.3とを形成する。圧接点3.1、3.2がそれ自体の公知の態様で形作られ、ある直径または直径範囲をもつ絶縁された導体を複数回接触させるために設けられることが可能である。図示された実施例においては、圧接点は補強材3.4を有し、当該補強材3.4はエンボス加工することによって作り出されており、非常に薄い金属板を用いる場合にも機械的安定性と十分な締付け力とを確実にする。圧接点の最も密な個所の区域における(ここでは長方形の要素として)同様に見ることのできる型押し部分は、打抜き工具から独立して、接点スロットの幅を調節する役割を果たす。遷移部分3.3の区域において、接点要素は、剪断によって形成されるラッチ留め具3.5を含み、当該ラッチ留め具3.5は、接点要素をハウジング2のチャンバに挿入した後、ハウジングのラッチ歯2.4で留めて、接点要素がそれらの長手方向の軸の方にずれるのを防ぐ。打抜きとは逆に「剪断」している間、材料は完全には除去されず、このとき同時にラッチ留め具が曲げられる。接点要素ご
とに2つのラッチ留め具3.5が示される。チャンバが非対称であり、挿入中にラッチ要素のための止めを形成するように形作られている場合、各ラッチ要素に1つのラッチ留め具があれば十分である。
【0035】
接点要素は非対称に形作られ、特に等間隔を空けて圧接点を配置する場合にも、接点要素対の2つの接点要素の遷移部分3.3が、隣接する対の接点要素の遷移部分よりも、互いに近接するような態様で形作られる。これは先行技術とは対照的であり、これに従うと接点要素はそれぞれ対称形になる(ここでは、対称面は、接点要素面に対して垂直に、長手方向に延在する平面である)。
【0036】
エンボス加工によってもたらされる要素(ラッチ留め具3.5、補強材3.4)に基づくと、すべての接点要素対の第1および第2の接点要素3は、それらの向きに関して異なっているだけでなく、幾何学的にも異なっている。図示された例においては、第1および第2の接点要素は互いにミラー反転されている。
【0037】
配線動作中、導体が外部からハウジングの挿入スロット2.1に挿入され、その結果、それ自体の公知の態様で、圧接点が導体の導電性の内部と接触するように圧接点3.1、3.2のカッターによって絶縁が局所的に遮断され、ずらされる。配線中、導体の余分な長さがカッター4、5によって同時に切断される。カッターは、配線動作後、導体が接触しないような態様で構成および配置される。これは、接続された導体12、接点要素3の一部およびカッター4を図示する図5に特に明瞭に示される。
【0038】
図示される実施例におけるカッターは、導体とカッターとの間の安全距離が確保されていることに基づいて、凹み4.1を含み、その結果、導体とカッターとの間に電気的接触が起こらないことも確実にされる。
【0039】
図6は、本質的に平坦な接点要素を用いることにより、この発明に従った装置をいかに特に単純に製造することができるかを示す。ハウジング1は、好ましくは、単一の射出成形された部分として製造される。接点要素3、第1のカッター4および第2のカッター5を製造するために、打抜きの後に金属板、たとえば鋼板からそれぞれエンボス加工することによって、一次製品が製造される。これは、ブリッジ13、14または15によって一緒に保持される複数の接点要素/カッターを含む。当該一次製品は、そのように所望されれば、接続装置の長さに対応する長さに切断され、その後、図6に従った向きで、この目的のために設けられたハウジングのチャンバに押込まれる。そこで直ちにブリッジが断たれる。(バーブ(barb)により)プラスチックのハウジングにカッターを押込むことによって、カッターがハウジングに保持される。
【0040】
接点要素は、たとえばEP 0 994 528に従った接点要素とは対照的に、接点要素面に対して90度を超えて曲げられる部分を含まない。打抜きおよびエンボス加工だけで接点要素(とさらにカッターと)が製造できるようになるのはこのような場合だけである。
【0041】
図7は、据付けチャネル21にカバー6、7が取付けられた場合の2つの接続装置を示す。留め具2.3は、この目的のためにケーブルチャネルの側壁に設けられた開口部21.1において係合しており、これにより、接続装置が取付けられる。
【0042】
図8においては、この発明に従った接続装置の代替的な実施例のハウジング31が示される。この接続装置は、接点要素対(図示せず)間にそれぞれスクリーニング要素が存在するという点で上述のものとは異なる。これは、スクリーニング要素32上に存在するスクリーニング壁32.1によって形成される。ハウジング31におけるスクリーニング壁
のために、接点要素対の間に特別な挿入スロット31.1が設けられる。その結果、スクリーニング要素を外部からハウジングに挿入することも可能となる。スクリーニング壁32.1は、特に、圧接点同士が遷移部分の区域におけるよりも空間的に近接している区域において、隣接する対の接点要素を遮蔽する。スクリーニング壁32.1はすべて、互いに電気的に接続されている。これに加えて、スクリーニング要素32は全体として、当該装置が据付けられた状態で据付けチャネル21の側壁と接触するフォーク接点32.2を介して接地される。
【0043】
図8に従った実施例はたとえばカテゴリ6に対応する。接点要素は、図4に示された接点要素と同一であってもよく、接点要素対の間の距離は、場合によっては、上述の実施例の場合よりも長い。当然、異なる種類の非対称な接点要素を用いることも可能である。上述の10個の接点要素対を備えたカテゴリ5の装置とは対照的に、図8に従った、全幅が同じである装置においては、8つの対だけが設けられる。
【0044】
図9においては、入力導体および出力導体が互いに対してある角度をなしている実施例の接点要素対が示される。これらの角度をなした接点要素42を製造するために、上述の実施例の場合よりも1つ多い処理ステップが必要とされ、場合によってはハウジングが単一部分でない場合でも、この発明に従った考えがこの実施例においても実現される。ここでも(圧接点同士を接続し、平坦な部分に対して垂直に延びる平面に対して)非対称な構造に基づいた対の2つの接点要素の遷移部分41.3は、異なる対の隣接した接点要素までの距離の合計よりも近接している。
【0045】
図10および図11は、(導体に対応する)ケーブル芯線の直接接触ではなく、圧接点を介して二芯ケーブルと接点要素対との間で接触させるのに用いることのできる接続システムのプラグを示す。当該プラグは、少なくとも2つのプラグ接点52を備えたプラグハウジング51を有する。当該プラグは、たとえば出力導体側の接続装置に差込むことができ、ハウジングは、たとえば、接続装置に挿入され、そこで当該プラグを案内および保持する保持舌部51.1を含む。接続装置への挿入中、プラグ接点52と接点要素とが接触する。これは、プラグ接点52に加えて、接点要素2の一部が示されている図11において特に明瞭に見ることができる。図11においては、図Aは、プラグ接点を備えた接点要素の側面図を示す。図Bは、この配置を斜め上方から見た図であり、図Cは、この配置の(図Aにおける)線C−Cに沿った断面を上から見た図を表わす。
【0046】
端部側のプラグ接点は、電気接点を形成する目的で圧接点3.2のフォーク間にもたらされるワイヤ状部分52.1を含む。当該ワイヤ状部分は、断面がたとえば円形または長方形であり、その直径がたとえば、絶縁体が剥がされた導体の直径に対応する。当該ワイヤ状部分は、平面を形成する2つの平行な舌部52.3間に延在する。ここで、この平面は、接点要素面に対して垂直に延在する。もう一方の端部において、プラグ接点はケーブル接触部分52.4を含み、その部分上には少なくとも1つの圧接点52.5を含み得る。
【0047】
3つ以上のプラグ接点、たとえば4つのプラグ接点を備えたプラグも想定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】2つのカバーを備えた、この発明に従った接続装置を示す図である。
【図2】いくつかの区域において接点要素およびカッターが覆われていない、この発明に従った接続装置を示す図である。
【図3】接続装置の断面を示す図である。
【図4】この発明に従った接続装置内の2つの接点要素対の配置を示す図である。
【図5】配線動作後の接点要素、ケーブルおよびカッターの相対位置を明確に示す図である。
【図6】この発明に従った接続装置のためにハウジングとともに多数の接点要素およびカッターで打抜きおよびエンボス加工することによって製造された一次製品を示す図である。
【図7】据付けチャネルにおける2つの接続装置を示す図である。
【図8】接点要素対の間に遮蔽物を備えた、この発明に従った接続装置の実施例のハウジングおよびスクリーニング要素を示す図である。
【図9】入力導体および出力導体が互いに対してある角度で位置決めされている、この発明に従った接続装置の変形例のための接点要素対を示す図である。
【図10】この発明に従った接続装置に接続するためのパッチケーブルのためのプラグを示す図である。
【図11】図10に従ったプラグのためのプラグ接点を示す3つの別個の図である。
【符号の説明】
【0049】
2 ハウジング、3 接点要素、3.1 第1の圧接点、3.2 第2の圧接点、3.3 遷移部分、3.4 補強材、3.5 ラッチ留め具、4 第1のカッター、5 第2のカッター。
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の電気的に絶縁された導体のための接続装置および接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話交換または配電系統における電話線またはデータ線の接続のために、しばしば、接続装置、たとえばコネクタブロックが設けられる。これらは、一般に、第1の線(「入力線」)のための複数のガイド、第2の線(「出力線」)のための複数のガイド、および、第1の線を第2の線とそれぞれ接続するための接点要素を含む。絶縁された導体のためにはんだが使用されておらず、「圧接(IDC)」技術に基づいた接続装置が好ましい。接点要素は各々、好ましくは少なくとも2つの圧接点を有するか、または、さほど好ましくはないが、2つの穿孔接点、もしくは1つの圧接点および1つの穿孔接点を有する。
【0003】
この種類の装置はさまざまな実施例において公知であり、これらのうちの多くは市販されている。この種類の装置を説明する文書として、たとえば、EP−A−0 321 151、DE−A−2 301 398およびDE−A−196 52 422が挙げられる。
【0004】
欧州公開文書0 994 528から公知である多重コネクタブロックは、圧接技術に基づいており、その一部がハウジングであることを特徴とする。(入力線側にある)一方側の圧接点に加えて、刃がまた、接点要素に付与される。これにより、複雑な工具を必要とすることなく、接続すべき導体の接続時に、当該導体を必要な長さに同時に切断することが可能になる。US4,964,812から一体型の端子箱も公知である。
【0005】
上述の種類の接続装置の場合、以下の問題の範囲のうちの少なくともいくつかがそれぞれ含まれる。
【0006】
1.隣接した接点要素対の間におけるクロストーク挙動。これは、特にデータ伝送の場合に重要である。データ伝送速度が高ければ高いほど、問題は大きくなる。従って、データ伝送の機密保護を確実にするために、より高い伝送周波数用の接続装置の接点要素を可能な限り離して配置しなければならないか、または、補償機能をすべての接点バンクに備えなければならない。しかしながら、これは望ましくないか、または、多くの場合、スペースおよびコストの理由から実現不可能である。
【0007】
2.容易な接続可能性。当然、接続手順を可能な限り容易かつ無理のないものにする必要がある。複雑な工具を必要としないようにすべきである。
【0008】
3.製造コスト。市場では、電気通信機器のための価格に対し多大な圧力がかけられている。
【0009】
米国特許文書5,556,296および米国特許文書5,160,273には、切断接点を備えた接続装置が開示される。この種類の切断接点は2つの別個の接点要素を含み、その各々は圧接点およびばね式の端部接点を備え、両方の接点要素のばね式の端部接点は、ばねの力によって互いに押し合わされる。2つの端部接点間には別個の要素が挿入されてもよい。このような要素は電気的に絶縁されている可能性があり、その結果、電気回路を切断することができる。この種類の別個の要素がたとえばプリント回路として設計され、たとえば過負荷防止としての機能または信号を受信するための機能を取入れることも可
能である。上述された2つの文書に従うと、2つの接点要素がここでは非対称に形成されるため、切断接点対の内部における端部接点間の距離が、切断接点対間の隣接する端部接点間の距離よりも短くなり、結果として、クロストークが低減される。
【0010】
これに加えて変形例が説明されているUS5,967,826において同様の接続装置を見出すことができる。ここでは、互いに対向する2つの接点要素がブリッジによって接続されるため、1体型でU字型の接続接点要素が形成される。
【0011】
切断接点を備えたこの種類の接続装置はそれらの融通性のある機能に基づいた特殊な用途には有利であるが、複雑に製造されており、多くの個々の構成要素を含み、幾何学的な理由から、いくつかの部分でできたハウジングを必要とする。これに加えて、同様に幾何学的な理由から、入力線および出力線はハウジングの同じ側で同じ方向に通されており、別個のカッターによって当該線が正確に切断されることを必要とするが、導体間の接触が制御されなくなる可能性がある。
【0012】
上述の文書に従ったすべての装置に共通する点は、これら装置が、非常に大きな寸法にされない限り、クロストーク挙動に基づいた、たとえば100Mbit/s以上の高い伝送速度に適さなくなる点である。加えて、当該装置は、製造が部分的に非常に複雑であり(すなわち費用がかかり)、配線が部分的に精密である。
【0013】
従って、この発明の目的は、高い伝送速度に対し、小さな寸法で、規格に従った申し分のないデータ伝送の機密保護を確実にする接続装置を製造することである。好ましくは、容易な接続可能性および低い製造コストも確実にされるべきである。
【特許文献1】EP−A−0 321 151
【特許文献2】DE−A−2 301 398
【特許文献3】DE−A−196 52 422
【特許文献4】欧州公開文書0 994 528
【特許文献5】US4,964,812
【特許文献6】米国特許文書5,556,296
【特許文献7】米国特許文書5,160,273
【特許文献8】US5,967,826
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に従った装置は、その一部であるハウジングを有し、そこには複数の一体型の接点要素があり、その各々は、少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の圧接点または穿孔接点をそれぞれ含む。各々の接点要素の第1の接点と第2の接点との間には遷移部分がある。接点要素はそれ自体の公知の態様で対で配置される。この発明に従うと、接点要素はここでは、対になった両方の接点要素の遷移部分が、異なる対の隣接する接点要素の遷移部分よりも近接するように当該遷移部分が構成されるような態様で、非対称にされる。
【0015】
遷移部分間のこれらの距離が異なっていることにより、隣接する対の間におけるクロストーク挙動は、接点間の距離を一定にすると低減される。遷移部分間の距離が異なっているのは、接点要素の設計が非対称であることに起因する。これにより、一連の利点がもたらされる。第1の利点は、圧接点または穿孔接点が、そのように所望されれば、等間隔をあけて配置され得ることである。非対称な形状にすることにより、クロストーク挙動に主に関連し電流が流れる部分である接点要素の部分が、それにもかかわらず最適化されること、すなわち、異なる対の間で互いから可能な限り間隔を空けて配置されること、が確実にされる。これにより、既存の接続装置と比べて寸法を変えることなく、より高いデータ
伝送速度の要件を満たすことが可能となる。たとえば、この発明に基づくと、接続装置が、ISO/IEC 11801(2002)に従ったカテゴリ5に対応し、これが、カテゴリ3の既存の装置から公知の寸法を有することが可能となる。従って、既存のシステムのプラグ、ソケットなどが、より高いカテゴリ5のために利用されてもよい。この発明ではまた、カテゴリ6の接続装置を狭い空間において実現することができ、このために、好ましくは、スクリーニングプレートを接点要素対の間において用いる。
【0016】
この発明に従った方策により、ハウジングを単一の部分にすることが可能となる。ハウジングを、単一の、たとえば射出成形された部分として製造することには大きな利点がある。すなわち、製造コストが、複数の部分からなるハウジングの場合よりも低くなる。この発明に従った構造により、接点要素を単一部分のハウジングに簡単に挿入することが可能となる。従って、接続装置を組立てるために、単一部分のハウジングにおいて、接点要素のためのチャンバを単独で設けなければならない。
【0017】
これに加えて、さらなる利点として、接点要素は平面として設計されてもよく、共通の平面に位置することが可能である。このことは特に製造に好都合である。つまり、すべての接点要素または少なくとも接点要素のグループを一緒に1つの金属板から打ち抜くことができる。特にエンボス加工および/または剪断による起こり得る変形の後、これら接点要素を一緒にハウジングに挿入し、搬送用細片(ブリッジ)によってともに保持することができる。
【0018】
接点要素が少なくとも1つの本質的に平坦な部分を含む場合、当該接点要素は、2つの圧接点または穿孔接点を接続し、かつ当該平坦な部分に対して垂直に延びている平面に対してたとえば非対称になる。
【0019】
接点要素が、接点要素面から突き出し、かつ、たとえばエンボス加工によって作り出される平面構成から逸れる要素を含むことが可能である。このような要素は、ハウジングに挿入される接点要素の長手方向のずれを防ぐラッチ留め具として設計されてもよい。接点要素面から突出たさらなる接触面要素として補強材があってもよく、当該補強材により、臨界点で機械的安定性が増大し、これにより、非常に薄い金属板を用いることが可能となる。この種類の補強材は、特に、圧接点の2つのフォークの力を確保する役割を果たし得る。
【0020】
第1の導体および第2の導体が、それらが接触している区域においてそれ自体の公知の態様で、互いに対して本質的に平行に、かつ接点要素に対して垂直に延びることが可能である。これに加えて、これらの第1および第2の導体は、互いに接触している場合、概してハウジングの両側(「前部」および「後部」)に通される。この種類の構造が好ましいが、第1の導体および第2の導体が平行になっていない接続装置(角度が付けられた接続装置)のためにこの発明を用いることも可能である。これは、たとえば曲がった接点要素で実現され得る。
【0021】
互いに対応する各対の接点要素(すなわち、各対のすべての「左側」またはすべての「右側」の接点要素)はしばしば、全く同様に設計される。すべての対はそれぞれ第1および第2の接点要素を含み、当該第1および第2の接点要素は形状または向きが異なっている。従って、接点要素対の内部においては、向きが規定されている接点要素は、この発明に従うと同一ではない。しかしながら、多くの好ましい実施例の場合、接点要素の各対の第1および第2の接点要素は互いにミラー反転されている。
【0022】
従って、いわば2種類の接点要素、「右側」および「左側」の接点要素、または第1および第2の接点要素が存在し得る。第1および第2の接点要素は形状が同一で、単にそれ
らの向きが異なるだけであってもよい。すなわち、第2の接点要素は、たとえば長手方向の軸を中心に180度回転する第1の接点要素である。これは、特に接点要素が、平面から突出たいかなる要素(ラッチ留め具、補強材など)も含まない場合、適用可能である。
【0023】
隣接した対の接点要素の遷移部分間における(この目的のために拡大された)中間の空間にスクリーニング要素を挿入することができる。これらは接続装置の場合に特に有利であり、高いデータ伝送速度に対して予測される。すなわち、規格(たとえばカテゴリ6)に準拠しつつ、よりコンパクトな構造を可能にする。
【0024】
それ自体の公知の態様であるハウジングは、導体のための挿入スロットを含み得る。絶縁された導体を挿入スロットに挿入し、接触させるよう押込むことにより、導体同士が接触する。というのも、接点の切断端子または穿孔用先端部がこれらのスロットに突出るからである。配線工具の助けを借りて、導体を滑り込ませること、すなわち接続させることができる。
【0025】
ハウジングが、据付けチャネルに取付けるための留め具をさらに含むことが可能である。これらは、据付けチャネルに2つの向きで留めることを可能にするような態様で非対称にされてもよい。第1の向きの(第1の、ここでは「入力」線の配線のための)第1の側部と、もう一方の向きの(第2の、ここでは「出力」線の配線のための)第2の側部とが前部に位置し、この結果、容易にアクセス可能となる。この種類の留め具は、たとえばEP−A−0 994 528から公知であり、特に図1とその説明とがここで明確に参照される。
【0026】
好ましい実施例に従うと、接点要素の各々には、少なくとも1つの、しばしば2つのカッターが割り当てられる。このことまたはこれらのことにより、導体の余分な長さが配線中に直接切断される。カッターが接続装置に組込まれた結果、配線工具を非常に単純に設計することができる。それにもかかわらず、配線したり余分な長さを切断したりするために、作業ステップが1つしか必要とされない。カッターが配線工具上に設けられる場合、対照的に解決策がより複雑になる。
【0027】
カッターまたは少なくとも1つのカッターは、接点要素とは別個の構成要素として設けられてもよい。これは製造技術に関する利点を有する。すなわち、カッター(またはその刃)は、当然、圧接点または穿孔接点とは異なる平面に与えられる必要条件を満たさなければならない。カッターが接点要素とともに単一の部分として構成されることが、先行技術から公知である。この場合、(刃を備えた)接点要素が3次元に形作られ、このため単一の面には形成されない場合、上述の必要条件に従うことしかできなくなる。従って、先行技術に従って金属板から打抜くことによって製造した後、当該要素をいくらか形成し直さなければならなくなり、費用がかかる。別個の構成要素としてカッターを備えることのさらなる利点は、構成要素が接点要素およびカッターである場合の材料の選択が最適化され得ることである。こうして、たとえばカッターの場合、接点要素自体に対するよりも硬質の材料を選択することができる。
【0028】
接触している導体が、配線動作後にはカッターに接触しないような構造が特に好ましい。カッターはクロストーク挙動の一因とはならず、配置のキャパシタンスがより小さくなり、損失も最小限にされる。さらに、カッターの電位はこのとき関連がなく、原則として、隣接する接点要素のカッター間に電気接触が存在することが可能となる。切断要素がいくつかのカッターを形成し、当該切断要素が、場合によっては、導体の方向に対して横方向に延び、かついくつかの隣接する導体の余分な長さを切断する単一の共通の刃を含むような態様で、接続装置を設計してもよい。
【0029】
ハウジング、接点要素、そのように適用可能であればカッターに加えて、接続装置がさらなる構成要素を含むことが可能である。
【0030】
たとえば、当該側部のうちの一方(典型的には第2の「出力」導体側)には、書込または印刷がなされ得るカバーとしての役割を果たす配線蓋があってもよい。この構成要素でもって、挿入スロットを覆うことができ、導体の対がそれらの機能に従って書込みまたは印刷され得る。
【0031】
さらなる付加的な構成要素として、典型的には第1の「入力」導体側のための接続装置が、複数のより線ケーブルのための張力軽減要素を含み得る第2のカバーを備えることが可能である。
【0032】
加えて、腐食防止の役割を果たすゲルまたは外気による変化防止のグリースが、配線蓋および/もしくはカバーのうちの1つに存在するか、または導体のための挿入スロットに直接存在することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
この発明の実施例を添付の図面に基づいて以下に説明する。
図1に従った接続装置1はカテゴリ5に従う。接続装置1は、それ自体の公知の態様で接点要素のための複数のチャンバを含むハウジング2を含む。チャンバは、電気的に絶縁された導体(図示せず)を接触させるためのガイドとしての役割を果たす挿入スロット2.1間に位置する。接点要素は対で配置される。図示された実施例においては、接点要素対11には2.2と番号付けされている。図示された実施例における挿入スロット2.1は等間隔をあけて配置される。すなわち、対の2つの挿入スロット2.1間の距離は、互いからの距離が、1つの挿入スロットから隣接した対の最も近接している挿入スロットまでの距離と同じになる。接点要素に対して横方向に、ハウジングは、据付けチャネルにおける取付けに役立つ留め具2.3を含む。ハウジングおよび接点要素に加えて、接続装置はカッター4、5を含む。これらの機能は後にさらに説明される。加えて、第2の線(出力線)のためのマーキングカバー6と、第1の線(入力線)のためのケーブルカバー7とが示される。ケーブルカバー7は張力軽減シャックル7.1を含み、その上には、いくつかの導体を含む入力ケーブルが機械的に案内および/または装着され得る。
【0034】
図2においては、ハウジング2の一部だけが示される。従って、互いに隣接して対で配置される接点要素3、ならびに第1のカッター4および第2のカッター5を見ることができる。接点要素ごとに第1のカッター4および第2のカッター5がある。接点要素は本質的に平坦であり、接点要素面を規定する。カッターは、好ましくは、この接点要素面と平行に配置され、接点要素から電気的に絶縁されている。接点要素対11における接点要素の構造および配置は、図3および図4において特によく見ることができる。各々の接点要素は、第1の圧接点3.1と、第2の圧接点3.2と、その間に延びる遷移部分3.3とを形成する。圧接点3.1、3.2がそれ自体の公知の態様で形作られ、ある直径または直径範囲をもつ絶縁された導体を複数回接触させるために設けられることが可能である。図示された実施例においては、圧接点は補強材3.4を有し、当該補強材3.4はエンボス加工することによって作り出されており、非常に薄い金属板を用いる場合にも機械的安定性と十分な締付け力とを確実にする。圧接点の最も密な個所の区域における(ここでは長方形の要素として)同様に見ることのできる型押し部分は、打抜き工具から独立して、接点スロットの幅を調節する役割を果たす。遷移部分3.3の区域において、接点要素は、剪断によって形成されるラッチ留め具3.5を含み、当該ラッチ留め具3.5は、接点要素をハウジング2のチャンバに挿入した後、ハウジングのラッチ歯2.4で留めて、接点要素がそれらの長手方向の軸の方にずれるのを防ぐ。打抜きとは逆に「剪断」している間、材料は完全には除去されず、このとき同時にラッチ留め具が曲げられる。接点要素ご
とに2つのラッチ留め具3.5が示される。チャンバが非対称であり、挿入中にラッチ要素のための止めを形成するように形作られている場合、各ラッチ要素に1つのラッチ留め具があれば十分である。
【0035】
接点要素は非対称に形作られ、特に等間隔を空けて圧接点を配置する場合にも、接点要素対の2つの接点要素の遷移部分3.3が、隣接する対の接点要素の遷移部分よりも、互いに近接するような態様で形作られる。これは先行技術とは対照的であり、これに従うと接点要素はそれぞれ対称形になる(ここでは、対称面は、接点要素面に対して垂直に、長手方向に延在する平面である)。
【0036】
エンボス加工によってもたらされる要素(ラッチ留め具3.5、補強材3.4)に基づくと、すべての接点要素対の第1および第2の接点要素3は、それらの向きに関して異なっているだけでなく、幾何学的にも異なっている。図示された例においては、第1および第2の接点要素は互いにミラー反転されている。
【0037】
配線動作中、導体が外部からハウジングの挿入スロット2.1に挿入され、その結果、それ自体の公知の態様で、圧接点が導体の導電性の内部と接触するように圧接点3.1、3.2のカッターによって絶縁が局所的に遮断され、ずらされる。配線中、導体の余分な長さがカッター4、5によって同時に切断される。カッターは、配線動作後、導体が接触しないような態様で構成および配置される。これは、接続された導体12、接点要素3の一部およびカッター4を図示する図5に特に明瞭に示される。
【0038】
図示される実施例におけるカッターは、導体とカッターとの間の安全距離が確保されていることに基づいて、凹み4.1を含み、その結果、導体とカッターとの間に電気的接触が起こらないことも確実にされる。
【0039】
図6は、本質的に平坦な接点要素を用いることにより、この発明に従った装置をいかに特に単純に製造することができるかを示す。ハウジング1は、好ましくは、単一の射出成形された部分として製造される。接点要素3、第1のカッター4および第2のカッター5を製造するために、打抜きの後に金属板、たとえば鋼板からそれぞれエンボス加工することによって、一次製品が製造される。これは、ブリッジ13、14または15によって一緒に保持される複数の接点要素/カッターを含む。当該一次製品は、そのように所望されれば、接続装置の長さに対応する長さに切断され、その後、図6に従った向きで、この目的のために設けられたハウジングのチャンバに押込まれる。そこで直ちにブリッジが断たれる。(バーブ(barb)により)プラスチックのハウジングにカッターを押込むことによって、カッターがハウジングに保持される。
【0040】
接点要素は、たとえばEP 0 994 528に従った接点要素とは対照的に、接点要素面に対して90度を超えて曲げられる部分を含まない。打抜きおよびエンボス加工だけで接点要素(とさらにカッターと)が製造できるようになるのはこのような場合だけである。
【0041】
図7は、据付けチャネル21にカバー6、7が取付けられた場合の2つの接続装置を示す。留め具2.3は、この目的のためにケーブルチャネルの側壁に設けられた開口部21.1において係合しており、これにより、接続装置が取付けられる。
【0042】
図8においては、この発明に従った接続装置の代替的な実施例のハウジング31が示される。この接続装置は、接点要素対(図示せず)間にそれぞれスクリーニング要素が存在するという点で上述のものとは異なる。これは、スクリーニング要素32上に存在するスクリーニング壁32.1によって形成される。ハウジング31におけるスクリーニング壁
のために、接点要素対の間に特別な挿入スロット31.1が設けられる。その結果、スクリーニング要素を外部からハウジングに挿入することも可能となる。スクリーニング壁32.1は、特に、圧接点同士が遷移部分の区域におけるよりも空間的に近接している区域において、隣接する対の接点要素を遮蔽する。スクリーニング壁32.1はすべて、互いに電気的に接続されている。これに加えて、スクリーニング要素32は全体として、当該装置が据付けられた状態で据付けチャネル21の側壁と接触するフォーク接点32.2を介して接地される。
【0043】
図8に従った実施例はたとえばカテゴリ6に対応する。接点要素は、図4に示された接点要素と同一であってもよく、接点要素対の間の距離は、場合によっては、上述の実施例の場合よりも長い。当然、異なる種類の非対称な接点要素を用いることも可能である。上述の10個の接点要素対を備えたカテゴリ5の装置とは対照的に、図8に従った、全幅が同じである装置においては、8つの対だけが設けられる。
【0044】
図9においては、入力導体および出力導体が互いに対してある角度をなしている実施例の接点要素対が示される。これらの角度をなした接点要素42を製造するために、上述の実施例の場合よりも1つ多い処理ステップが必要とされ、場合によってはハウジングが単一部分でない場合でも、この発明に従った考えがこの実施例においても実現される。ここでも(圧接点同士を接続し、平坦な部分に対して垂直に延びる平面に対して)非対称な構造に基づいた対の2つの接点要素の遷移部分41.3は、異なる対の隣接した接点要素までの距離の合計よりも近接している。
【0045】
図10および図11は、(導体に対応する)ケーブル芯線の直接接触ではなく、圧接点を介して二芯ケーブルと接点要素対との間で接触させるのに用いることのできる接続システムのプラグを示す。当該プラグは、少なくとも2つのプラグ接点52を備えたプラグハウジング51を有する。当該プラグは、たとえば出力導体側の接続装置に差込むことができ、ハウジングは、たとえば、接続装置に挿入され、そこで当該プラグを案内および保持する保持舌部51.1を含む。接続装置への挿入中、プラグ接点52と接点要素とが接触する。これは、プラグ接点52に加えて、接点要素2の一部が示されている図11において特に明瞭に見ることができる。図11においては、図Aは、プラグ接点を備えた接点要素の側面図を示す。図Bは、この配置を斜め上方から見た図であり、図Cは、この配置の(図Aにおける)線C−Cに沿った断面を上から見た図を表わす。
【0046】
端部側のプラグ接点は、電気接点を形成する目的で圧接点3.2のフォーク間にもたらされるワイヤ状部分52.1を含む。当該ワイヤ状部分は、断面がたとえば円形または長方形であり、その直径がたとえば、絶縁体が剥がされた導体の直径に対応する。当該ワイヤ状部分は、平面を形成する2つの平行な舌部52.3間に延在する。ここで、この平面は、接点要素面に対して垂直に延在する。もう一方の端部において、プラグ接点はケーブル接触部分52.4を含み、その部分上には少なくとも1つの圧接点52.5を含み得る。
【0047】
3つ以上のプラグ接点、たとえば4つのプラグ接点を備えたプラグも想定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】2つのカバーを備えた、この発明に従った接続装置を示す図である。
【図2】いくつかの区域において接点要素およびカッターが覆われていない、この発明に従った接続装置を示す図である。
【図3】接続装置の断面を示す図である。
【図4】この発明に従った接続装置内の2つの接点要素対の配置を示す図である。
【図5】配線動作後の接点要素、ケーブルおよびカッターの相対位置を明確に示す図である。
【図6】この発明に従った接続装置のためにハウジングとともに多数の接点要素およびカッターで打抜きおよびエンボス加工することによって製造された一次製品を示す図である。
【図7】据付けチャネルにおける2つの接続装置を示す図である。
【図8】接点要素対の間に遮蔽物を備えた、この発明に従った接続装置の実施例のハウジングおよびスクリーニング要素を示す図である。
【図9】入力導体および出力導体が互いに対してある角度で位置決めされている、この発明に従った接続装置の変形例のための接点要素対を示す図である。
【図10】この発明に従った接続装置に接続するためのパッチケーブルのためのプラグを示す図である。
【図11】図10に従ったプラグのためのプラグ接点を示す3つの別個の図である。
【符号の説明】
【0049】
2 ハウジング、3 接点要素、3.1 第1の圧接点、3.2 第2の圧接点、3.3 遷移部分、3.4 補強材、3.5 ラッチ留め具、4 第1のカッター、5 第2のカッター。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁された電気導体のための接続装置であって、単一部分のハウジング(2、31)と、前記ハウジングによって保持される複数の単一部分の接点要素(3)とを備え、その各々は、第1の導体を接触させるための少なくとも第1の圧接点または穿孔接点(3.1)を含み、第2の導体を接触させるための少なくとも第2の圧接点または穿孔接点(3.2)を含み、前記第1の圧接点または穿孔接点と前記第2の圧接点または穿孔接点との間に延在する遷移部分(3.3)を備え、前記接点要素(3)は接点要素対(11)を形成し、前記接点要素は、少なくともある区域における少なくとも1つの接点要素対(11)の2つの接点要素の前記遷移部分(3.3)が、前記2つの接点要素のうちの1つの接点要素の遷移部分(3.3)よりも、隣接した接点要素対(11)の隣りの接点要素の遷移部分(3.3)に近接して位置するような態様で非対称に形作られることを特徴とする、接続装置。
【請求項2】
前記接点要素が平坦な部分を含み、前記接点要素が、前記圧接点および/または穿孔接点(3.1、3.2)を接続しかつ前記平坦な部分に対して垂直に延在する平面に対して非対称であることを特徴とする、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記ハウジング(2)により、第1の挿入スロット(2.1)の列および第2の挿入スロット(2.1)の列が形成され、第1の絶縁された導体が、前記第1の絶縁された導体が第1の挿入スロットに挿入される第1の圧接点または穿孔接点によって接触可能となり、第2の絶縁された導体が、前記第2の絶縁された導体が第2の挿入スロットに挿入される第2の圧接点または穿孔接点によって接触可能となるような態様で前記接点要素(3)が配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の接続装置。
【請求項4】
導体の余分な長さを切断するための少なくとも1つのカッター(4、5)が、すべての接点要素に割当てられることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の接続装置。
【請求項5】
第1の導体の余分な長さを切断するための第1のカッター(4)と、第2の導体の余分な長さを切断するための第2のカッター(5)とが、すべての接点要素に割当てられることを特徴とする、請求項4に記載の接続装置。
【請求項6】
接点要素に割当てられた前記カッター(4、5)または前記接点要素に割当てられた前記カッター(4、5)のうちの少なくとも1つが別個の構成要素として構成されることを特徴とする、請求項4または5に記載の接続装置。
【請求項7】
別個の構成要素として構成された前記少なくとも1つのカッター(4、5)が平坦であり、第1の接点要素面に対して平行に配置されることを特徴とする、請求項6に記載の接続装置。
【請求項8】
別個の構成要素として構成された前記ハウジング(2)および前記カッター(4、5)は、接触している導体が余分な長さの切断後に前記カッターに接触しないような態様で形作られ、互いに配置されることを特徴とする、請求項6または7に記載の接続装置。
【請求項9】
配線動作後に接点を覆うためのカバー(6、7)を特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の接続装置。
【請求項10】
前記カバー(7)または少なくとも1つのカバーが、張力軽減装置としてケーブルを取付けるための固定要素(7.1)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の接続装置。
【請求項11】
前記接点要素(3)が、前記ハウジング(2)に配置された前記接点要素(3)の縦方向の動きを防ぐためのラッチ留め具(3.5)を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の接続装置。
【請求項12】
前記第1および第2の圧接点または穿孔接点(3.1、3.2)は、前記第1および第2の導体が互いに対向して位置する前記ハウジングの側部で案内されるような態様で配置されることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の接続装置。
【請求項13】
前記接点要素が平面として構成され、共通の平面に位置することを特徴とする、請求項12に記載の接続装置。
【請求項14】
前記接点要素(3)が、金属板から打抜きされたものをエンボス加工および/または剪断することによって作り出される起こり得る要素を除いては平坦であることを特徴とする、請求項12または13に記載の接続装置。
【請求項15】
前記接点要素対の間に配置された導電性のスクリーニング壁(32.1)を特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の接続装置。
【請求項16】
前記ハウジング(31)が挿入スロット(31.1)を含み、そこに、スクリーニング壁(31.1)を外部から挿入することができることを特徴とする、請求項15に記載の接続装置。
【請求項17】
前記スクリーニング壁(32.1)が単一のスクリーニング要素(32)上で形成され、前記スクリーニング要素(32)が好ましくは、前記スクリーニング壁(32.1)を接地するための接点手段(32.2)を含むことを特徴とする、請求項15または16に記載の接続装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の接続装置を含む接続システムであって、すべての接点要素(3)の少なくとも第2の接点(3.2)は圧接点であり、ケーブルを接続するためのプラグが少なくとも2つの導体を含み、前記プラグは、前記第2の接点(3.2)によって直接接触することが可能となるプラグ接点(52)を含むことを特徴とする、接続システム。
【請求項19】
前記プラグ接点が、前記第2の接点(3.2)のカッター間に挿入するためのワイヤ形状の部分(52.1)を含むことを特徴とする、請求項18に記載の接続システム。
【請求項1】
絶縁された電気導体のための接続装置であって、単一部分のハウジング(2、31)と、前記ハウジングによって保持される複数の単一部分の接点要素(3)とを備え、その各々は、第1の導体を接触させるための少なくとも第1の圧接点または穿孔接点(3.1)を含み、第2の導体を接触させるための少なくとも第2の圧接点または穿孔接点(3.2)を含み、前記第1の圧接点または穿孔接点と前記第2の圧接点または穿孔接点との間に延在する遷移部分(3.3)を備え、前記接点要素(3)は接点要素対(11)を形成し、前記接点要素は、少なくともある区域における少なくとも1つの接点要素対(11)の2つの接点要素の前記遷移部分(3.3)が、前記2つの接点要素のうちの1つの接点要素の遷移部分(3.3)よりも、隣接した接点要素対(11)の隣りの接点要素の遷移部分(3.3)に近接して位置するような態様で非対称に形作られることを特徴とする、接続装置。
【請求項2】
前記接点要素が平坦な部分を含み、前記接点要素が、前記圧接点および/または穿孔接点(3.1、3.2)を接続しかつ前記平坦な部分に対して垂直に延在する平面に対して非対称であることを特徴とする、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記ハウジング(2)により、第1の挿入スロット(2.1)の列および第2の挿入スロット(2.1)の列が形成され、第1の絶縁された導体が、前記第1の絶縁された導体が第1の挿入スロットに挿入される第1の圧接点または穿孔接点によって接触可能となり、第2の絶縁された導体が、前記第2の絶縁された導体が第2の挿入スロットに挿入される第2の圧接点または穿孔接点によって接触可能となるような態様で前記接点要素(3)が配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の接続装置。
【請求項4】
導体の余分な長さを切断するための少なくとも1つのカッター(4、5)が、すべての接点要素に割当てられることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の接続装置。
【請求項5】
第1の導体の余分な長さを切断するための第1のカッター(4)と、第2の導体の余分な長さを切断するための第2のカッター(5)とが、すべての接点要素に割当てられることを特徴とする、請求項4に記載の接続装置。
【請求項6】
接点要素に割当てられた前記カッター(4、5)または前記接点要素に割当てられた前記カッター(4、5)のうちの少なくとも1つが別個の構成要素として構成されることを特徴とする、請求項4または5に記載の接続装置。
【請求項7】
別個の構成要素として構成された前記少なくとも1つのカッター(4、5)が平坦であり、第1の接点要素面に対して平行に配置されることを特徴とする、請求項6に記載の接続装置。
【請求項8】
別個の構成要素として構成された前記ハウジング(2)および前記カッター(4、5)は、接触している導体が余分な長さの切断後に前記カッターに接触しないような態様で形作られ、互いに配置されることを特徴とする、請求項6または7に記載の接続装置。
【請求項9】
配線動作後に接点を覆うためのカバー(6、7)を特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の接続装置。
【請求項10】
前記カバー(7)または少なくとも1つのカバーが、張力軽減装置としてケーブルを取付けるための固定要素(7.1)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の接続装置。
【請求項11】
前記接点要素(3)が、前記ハウジング(2)に配置された前記接点要素(3)の縦方向の動きを防ぐためのラッチ留め具(3.5)を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の接続装置。
【請求項12】
前記第1および第2の圧接点または穿孔接点(3.1、3.2)は、前記第1および第2の導体が互いに対向して位置する前記ハウジングの側部で案内されるような態様で配置されることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の接続装置。
【請求項13】
前記接点要素が平面として構成され、共通の平面に位置することを特徴とする、請求項12に記載の接続装置。
【請求項14】
前記接点要素(3)が、金属板から打抜きされたものをエンボス加工および/または剪断することによって作り出される起こり得る要素を除いては平坦であることを特徴とする、請求項12または13に記載の接続装置。
【請求項15】
前記接点要素対の間に配置された導電性のスクリーニング壁(32.1)を特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の接続装置。
【請求項16】
前記ハウジング(31)が挿入スロット(31.1)を含み、そこに、スクリーニング壁(31.1)を外部から挿入することができることを特徴とする、請求項15に記載の接続装置。
【請求項17】
前記スクリーニング壁(32.1)が単一のスクリーニング要素(32)上で形成され、前記スクリーニング要素(32)が好ましくは、前記スクリーニング壁(32.1)を接地するための接点手段(32.2)を含むことを特徴とする、請求項15または16に記載の接続装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の接続装置を含む接続システムであって、すべての接点要素(3)の少なくとも第2の接点(3.2)は圧接点であり、ケーブルを接続するためのプラグが少なくとも2つの導体を含み、前記プラグは、前記第2の接点(3.2)によって直接接触することが可能となるプラグ接点(52)を含むことを特徴とする、接続システム。
【請求項19】
前記プラグ接点が、前記第2の接点(3.2)のカッター間に挿入するためのワイヤ形状の部分(52.1)を含むことを特徴とする、請求項18に記載の接続システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−27116(P2007−27116A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191761(P2006−191761)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(505095039)ライヒレ・ウント・デ−マッサーリ・アクチェンゲゼルシャフト (5)
【氏名又は名称原語表記】REICHLE & DE−MASSARI AG
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(505095039)ライヒレ・ウント・デ−マッサーリ・アクチェンゲゼルシャフト (5)
【氏名又は名称原語表記】REICHLE & DE−MASSARI AG
【Fターム(参考)】
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