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線維化反応を媒介するための方法
説明

線維化反応を媒介するための方法

線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を調節することにより線維化反応を媒介するための方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を調節することにより線維化反応を媒介するための方法及びそれらの利用に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症は、組織傷害又は感染に対する協調応答である。炎症は、白血球遊走因子の局所放出、血小板活性化、並びに凝固及び補体経路から始まる。これらの事象が局所内皮を刺激して、好中球及び単球の血管外遊出を促進する。炎症の第2段階は、リンパ球を含む適応免疫系細胞の組織への流入を特徴とする。その後の反応の回復期は、過剰白血球のアポトーシス及び組織マクロファージによる貪食が起こる場合、線維芽細胞などの間質細胞による組織損傷の修復によっても特徴付けられる。
【0003】
このような修復機構において、線維芽細胞は、患部の中に遊走し、過剰増殖性である又は過剰コラーゲンを生成する改変された表現型を呈し得る。線維芽細胞は、主として常在細胞であると古くから考えられているが、新たなデータは、循環線維芽細胞前駆細胞、線維芽細胞、は、修復又は損傷部位に遊走し、それらはそこで分化し、創傷治癒、組織修復及び病的線維症などの他の線維化反応を媒介するということを示した。
【0004】
線維芽細胞は骨髄に由来し、CD14+末梢血単球前駆体集団から分化し、造血細胞(CD45、MHCクラスII、CD34)、間質細胞(I及びII型コラーゲン並びにフィブロネクチン)、並びにケモカイン受容体(CCR3、CCR5、CCR7及びCXCR4)のマーカーを発現する(Abeら、J.Immunol.166:7556〜62、2001;Mooreら、Am.J.Pathol.166:675〜84、2005;Bucalaら、Mol.Medicine 1:71〜81、1994)。線維芽細胞は、種々の内皮、上皮又は平滑筋マーカーを発現せず、単球/マクロファージ及び樹枝状細胞特異的なマーカーであるCD4、CD16及びCD25に対して陰性である(Bucalaら、Mol.Med.1:71〜81,1994;Freudenthal and Steinman PNAS 87:7698〜7702、1990)。したがって、単離された線維芽細胞は、常在間葉細胞又は循環細胞から容易に識別可能な限定された表現型を有する特異な細胞型である。
【0005】
いったん骨髄から放出されると、様々な媒介物によって、線維芽細胞の遊走並びに線維芽細胞及び筋線維芽細胞への分化が誘発される。CCR2/CCL2、CXCR4/CXCL12、CCR7/CCL21受容体/リガンドペアは、線維化プロセス中の組織内への線維芽細胞の動員及び蓄積に関与してきた(Phillipsら、J.Clin.Invest.114:438〜46、2004;Sakaiら、PNAS 103:14098〜103、2006;Tacke and Randolph,Immunobiology 211:609〜18、2006)。TGF−β1、ET−1、PDGF、IL−4及びIL−13は、コラーゲン及び他のECMタンパク質の増産、CD34及びCD45の抑制、並びに筋線維芽細胞マーカーであるα−平滑筋アクチン(α−SMA)の発現を得て、線維芽細胞が成熟した線維芽細胞及び筋線維芽細胞へと分化するのを促進することが示されてきた。循環前駆体からの線維芽細胞のインビボ分化は、主に組織部位で発生し、末梢血中ではない場合がある(Haudekら、PNAS 103:18284〜289、2006;Fridら、Am.J.Pathol.168:659〜69、2006)。ECMタンパク質の生成に加え、線維芽細胞は、炎症性サイトカイン(TNF−α及びTGF−β)、造血成長因子(IL−6、IL−10、M−CSF)、成長因子(TGF−α、VEGF、PDGF−A、HGF、CNTGF、bFGF)及びケモカイン(CCL2、CCL3、CCL4、CXCL1、CXCL8)を分泌する(Abeら、J.Immunol.166:7556〜62、2001;Chesneyら、J.Immunol.160:419〜25、2006;Chesneyら、Curr.Rheumatol.Rep.2:501〜5、2000)。
【0006】
成熟した線維芽細胞は、組織傷害部位に迅速に侵入し、そこで炎症性サイトカイン、細胞外基質タンパク質、その他のサイトカイン及び血管新生促進分子を分泌して、多くのヒト疾患の一因となる。ヒト及びマウスの研究は、末梢血からの線維芽細胞が、抗原チャレンジの後、皮膚の創傷チャンバ(Bucalaら、Mol.Med.1:71〜81、1994;Chesneyら、J.Immunol.160:419〜25,1998;Abeら、J.Immunol.166:7556〜62、2001)及び気管支粘膜へ遊走することを証明した。線維芽細胞は、喘息及び特発性肺線維症などの線維性症状を有する病状において存在し(Schmidtら、J.Immunol.171:380〜89,2003;Abeら、Am.J.Prespir.Crit.Care Med.170:1158〜63,2004;Mooreら、Am.J.Pathol.166:675〜84,2005)、過剰な筋線維芽細胞の増殖はクローン病に関連している(Am.J.Physiol.Gastrointest.Liver Physiol.295:G581〜90,2008)ことが報告されている。マウスモデルでは、線維芽細胞は肺線維症及び肝臓線維症の病因に寄与し、肝線維芽細胞ではコラーゲン沈着に寄与することが示されている(Kisselvaら、J.hepatology 45:429〜38,2006;Gomperts及びStierter、J.leukocyte Biol.82:449〜56,2007)。肥厚性瘢痕又はケロイド、火傷、強皮症及び関連疾患に線維芽細胞が果たす役割の証拠が存在する。線維芽細胞はコラーゲンを生成するので、いくつかの方法で線維成長に貢献することができ、また線維芽細胞は、線維化の環境を更に悪化させる可能性がある、より常在型の筋線維芽細胞表現型へと分化することが示されている(Mooreら、Am.J.Pathol.166:675〜84,2005;Mehradら、Biochem.Biophys.Res.Commun.353:104〜8,2007;Phillipsら、J.Clin.Invest.114:438〜46,2004;Epperlyら、Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.29:213〜24,2003;Hashimotoら、J.Clin.Invest.113:243〜52,2004;Mooreら、Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.35:175〜81,2006)。線維芽細胞はまた、腫瘍浸潤に対する間質反応の一部分を成し、これらの細胞は悪性潜在力の予測因子となり得る(Barthら、J.Exp.Med.11:11,2002;Chauhanら、J.Clin.Pathol.56:271〜76、2003)。筋線維芽細胞への線維芽細胞の分化は、膀胱内で癌が浸潤する間の間質再モデル化にも関連している(Nimphiusら、Virchows Arch.450:179〜85、2007)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
線維芽細胞の増殖及び分化、サイトカイン及びケモカインの分泌、並びに遊走を調節するシグナルは、部分的に規定されているだけである。これらシグナルをより良く理解することで、例えば病的線維化などの線維芽細胞機能の変化を伴うヒト疾患又はヒト状態を予防するための新しい治療が可能になり得る。そのため、線維芽細胞機能を媒介する受容体/リガンド相互作用の同定及び調節の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を阻害することを含む、線維芽細胞の望ましくない活性の抑制方法である。
【0009】
本発明の別の態様は、被験体に治療上有効な量のIL−25シグナル伝達阻害物質を投与することを含む、線維芽細胞内の望ましくない活性に関連する病状を有する被験体の線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制する方法である。
【0010】
本発明の別の態様は、線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制するIL−25シグナル伝達のモジュレーターの同定方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】線維芽細胞内におけるIL−25、及びTNF−αを伴うIL−25に対するサイトカイン反応。
【図2A】IL−25に反応して増加した線維芽細胞増殖、及びIL−25拮抗物質による阻害。
【図2B】IL−25に反応して増加した線維芽細胞増殖、及びIL−25拮抗物質による阻害。
【図2C】IL−25に反応して増加した線維芽細胞増殖、及びIL−25拮抗物質による阻害。
【図2D】IL−25に反応して増加した線維芽細胞増殖、及びIL−25拮抗物質による阻害。
【図3A】IL−25に反応して増加した線維芽細胞分化、及びIL−25拮抗物質による阻害。
【図3B】IL−25に反応して増加した線維芽細胞分化、及びIL−25拮抗物質による阻害。
【図3C】IL−25に反応して増加した線維芽細胞分化、及びIL−25拮抗物質による阻害。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特許及び特許出願を含むがそれらに限定されない、本明細書に引用される全ての刊行文献は、参照により、完全に説明されているごとくに、本願に組み込まれる。
【0013】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、文脈で明確に指示されない限り、単数形「a」、「and」、及び「the」は、複数形の言及を含む。したがって、例えば、「ポリペプチド」への言及は1つ以上のポリペプチドへの言及であり、当業者には既知のそれらの等価物を包含する。
【0014】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。本明細書に記載されているのと同様又は同等のあらゆる組成物及び方法を本発明を実施又は試験するために使用することが可能であるが、代表的な組成物及び方法を本明細書に記載する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「抑制する」又は「抑制」とは、刺激を部分的に又は完全に遮断すること、活性化を減少させる、防止する、遅延させること、細胞機能における測定可能な変化(例えば、IL−25シグナル伝達の変化又は線維芽細胞内の望ましくない活性の変化)を不活性化する、脱感作する、阻害する、又は下方制御することを意味する。細胞機能における測定可能な変化の抑制は、対照試料に割り当てられた相対活性値が100%である場合に、細胞機能に割り当てられた対照に対する活性値が50〜80%、所望により25〜50%又は0〜25%である場合に達成される。細胞機能における測定可能な変化の抑制は、様々な対策によって達成され得る。例えば、IL−25シグナル伝達の抑制は、IL−25及びIL−25受容体相互作用を妨害することにより、又はIL−25受容体発現を抑制することによって達成され得る。
【0016】
本明細書で使用するとき、「線維芽細胞内の望ましくない活性」とは、線維芽細胞による望ましくない測定可能な機能、例えば線維芽細胞によるコラーゲン分泌、線維芽細胞によるタンパク質分泌、線維芽細胞分化、線維芽細胞増殖、又は線維芽細胞遊走を意味する。線維芽細胞は、単球、線維芽細胞及び造血細胞の形態学的及び分子的特徴を示す間葉前駆細胞である。線維芽細胞は、循環していることができ、又は組織常在性、例えば肺、肝臓、又は腎臓に常在している線維芽細胞であり得る。CD45の表面発現及びコラーゲン生成は、インビボ及びインビトロの両方における線維芽細胞を、その他の循環又は組織常在間葉細胞と区別するための十分な判断基準であるとみなされる(Bellini及びMattoli,Lab.Investig.87:858〜870、2007)。
【0017】
本明細書で使用するとき、「線維芽細胞増殖」とは、例えばPDGF刺激を受けると分裂する線維芽細胞の能力を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「線維芽細胞分化」とは、線維細胞が筋線維芽細胞又は線維芽細胞に分化する能力を意味する。線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化は、例えばTGF−β1及びエンドセリン−1(ET−1)によって誘発されることができ、この分化は筋線維芽細胞分化マーカー(例えば、α−平滑筋アクチン(α−SMA))の発現を調べることによって評価される。
【0019】
本明細書で使用するとき、「線維芽細胞によるタンパク質分泌」とは、線維芽細胞によるタンパク質及びペプチド、例えば、IL−4、IL−5、IL−13、TNF−α及びTGF−βなどのサイトカイン、IL−6、IL−10及びM−CSFなどの造血成長因子、TGF−α、VEGF、PDGF−A、HGF、CNTGF、bFGFなどの成長因子、並びにCCL2、CCL3、CCL4、CXCL1、CXCL8、MIP−1α、MIP−1β、MCP−1、IL−8及びGROαなどのケモカインなどの誘発された又は定常状態の分泌を意味する(Chesneyら1998;Chesney及びBucala 2000;Abeら2001)。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「IL−25受容体」とは、IL−25シグナル伝達を媒介する受容体又は受容体複合体を意味する。IL−25シグナル伝達は、ヘテロマー複合体を形成することができる2つの受容体、IL17RB及びIL17RA、を必要とする。IL−25はIL17RBに高親和性で結合するのに対し、IL17RAはIL−25に結合しないが、リガンド結合の際にシグナル経路を活性化するために必要である(Rickelら、J.Immunology 181:4299〜310,2008)。したがって、「IL−25受容体」は、IL17RB及びIL17RAの両方を意図する。本明細書で使用するとき、用語「IL17RB」(IL−17BR、CRL4、EVI27、IL17RH1、又はMGC5245)とは、「インターロイキン17受容体B」(GenBank登録No.NP_061195によるアミノ酸配列を有するポリペプチド、ヒトIL17RB受容体遺伝子の生成物)を意味し、IL17RBの変異型、イソ型及び種相同体の全てを含む。IL−25及びIL−17Bは共に、IL17RBのリガンドであるが、この受容体は、より高い親和性でIL−25に結合する(Leeら、J.Biol.Chem.276,1660〜64,2001)。本明細書で使用するとき、用語「IL17RA」(CD217、IL17R、CDw217、IL−17RA、hIL−17R、又はMGC10262)とは、「インターロイキン17受容体A」(GenBank登録No.NP_055154によるアミノ酸配列を有するポリペプチド、ヒトIL17RA受容体遺伝子の生成物)を意味し、IL17RAの変異型、イソ型及び種相同体の全てを含む。IL17RB及びIL17RAの変異型はまた、可溶性の成熟受容体を含む。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「IL−25」又は「IL−25ポリペプチド」(IL17E、又はIL−17E)とは、「インターロイキン−25」(GenBank登録No.NP_073626又はNP_758525による配列を有するポリペプチド、ヒトIL−25遺伝子の生成物)を意味し、IL−25の変異型、イソ型又は種相同体の全てを含む。
【0022】
本明細書で使用するとき、「IL−25シグナル伝達」とは、IL−25、又は細胞表面上のIL−25受容体と相互作用する第2のIL−25受容体リガンドによって開始され、細胞機能に測定可能な変化をもたらすプロセスを意味する。IL−25受容体複合体は、I17RBとIL17RAとを含み、リガンド結合は、下流のシグナルトランスダクション経路、例えばアダプター分子TRAF6、JNK/p38及びERK、並びにNF−κBを活性化させて、サイトカイン及びケモカインの生成をもたらす(Maezawaら、J.Immunol.176:1013〜18,2006)。IL−25シグナル伝達は、例えば、IL−25受容体リガンドで誘発された際のサイトカイン及びケモカイン生成量を評価することによって、例えばCXCL−8、IL−6、G−CSF、MCP−1、MIP−1α、RANTES、又はCCL2の生成を測定することによって測定され得る(Caiら、Cytokine 16:10〜21,2001;Leeら、J.Biol.Chem.276:1660〜64,2001;Panら、J.Immunol.167:6559〜67,2001;Wongら、Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.33:186〜194,2005)。IL−25シグナル伝達はまた、例えばIL−25受容体リガンドが細胞増殖若しくは分化に与える影響を測定する機能アッセイ、又はNF−κBに敏感であるプロモーターと動作可能に結び付いたレポーター遺伝子及びレポーター遺伝子構築体を使用する機能アッセイによっても評価され得る。そのようなプロモーターの例には、IL−6、IL−8及びIL−12p40のプロモーターが挙げられる(Murphyら、Mol.Cell.Biol.15:5258〜67,1995;Libermann及びBaltimore、Mol.Cell.Biol.10:2327〜34,1990;Mauvielら、J.Immunol.149:2969〜76,1992)。細胞内キナーゼ、例えばJNK/p38の活性化は、ホスホ抗体(phoshpo-antibodies)によって測定され得、分泌された分子のアッセイ又は細胞増殖若しくは分化の測定は、酵素免疫測定吸着法(ELISA)又は生物学的検定法のスペクトルを用いて行われ得る。この方法及び好適な読み取り装置は当該技術分野において周知であり、市販されている。例えば、線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達は、線維芽細胞をIL−25単独で、又は第2の刺激、例えばTNF−αと一緒に刺激し、IL−25で刺激されなかった対照線維芽細胞培養物と比較した培地内の分泌されたIL−6及びRANTESの量を測定することによって、測定され得る。
【0023】
用語「リガンド」は、ペプチド若しくはポリペプチド、小分子、又はIL−25受容体若しくはその変異体と結合する若しくは複合するオリゴヌクレオチドを指す。リガンドは、IL−25受容体の拮抗物質、阻害物質、抑制物質、作動物質、刺激物質又は活性化物質等であり得る。代表的なリガンドは、IL−25及びIL−17Fである。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「薬剤」は、IL−25シグナル伝達を阻害する、ポリペプチド、ペプチド又はタンパク質、融合タンパク質、ペプチド模倣薬、抗体、抗体フラグメント、核酸、オリゴヌクレオチド、合成オリゴヌクレオチド、小分子等を指す。この薬剤は、IL−25シグナル伝達を測定する上述のアッセイを用いて同定され得る。薬剤の例には、可溶性の成熟したIL17RB、IL−25ポリペプチド、IL−25抗体、拮抗性IL−25受容体抗体、又は拮抗物質IL17RB抗体が挙げられる。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「モジュレーター」とは、ヒト又は他の動物において治療的利益を提供すると考えられている、及びある程度、線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を活性化する又は抑制することによってこの治療的利益を提供すると考えられている、分子又は製剤を意味する。用語「モジュレーター」は、阻害物質及び活性化物質を含む。「阻害物質」は、刺激を部分的に又は全体的に遮断し、活性化を減少させ、防止し、遅延させ、細胞内の測定可能なプロセス(例えばIL−25シグナル伝達)を不活性化する、脱感作する、又は下方制御する薬剤、例えば、拮抗物質又は拮抗薬(antagonistic)である。活性化物質は、細胞内の測定可能なプロセス(例えばIL−25シグナル伝達)を刺激する、増大させる、有効にする、活性化する、促進する、活性を強化する、感作する、又は上方制御する薬剤、例えば作動物質である。例えば、IL−25シグナル伝達のモジュレーターは、IL−25又はIL−25受容体の構成成分と直接相互作用することができ、通常は、IL−25受容体、IL−25受容体の任意の構成成分、又は親和定数が約10−6M、約10−8M、約10−9M、又は約10−10MであるIL−25受容体リガンドと結合する。モジュレーターは、IL−25シグナル伝達を間接的に調節することもでき、例えばIL−25受容体発現を調節する。モジュレーターには、抗体、抗体フラグメント、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、小化学分子等が挙げられる。
【0026】
本明細書で使用するとき、「試験モジュレーター(test modulator)」とは、細胞内の測定可能なプロセス、例えば線維芽細胞内の望ましくない活性を、IL−25シグナル伝達を調節することによって活性化又は抑制する能力に対する評価段階にあるモジュレーターを意味する。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「抗体」は、抗原に特異的に結合する分子を指し、二重結合抗体、三重結合抗体及び多重結合抗体、並びにキメラ抗体、ヒト化抗体及び完全なヒト抗体が挙げられる。抗体は、全抗体、又は抗体分子の機能的なフラグメント、例えば少なくともその抗原結合機能を保持しているフラグメントであり得、Fab、F(ab’)、F(ab’)2、scFv、dsFv、及びダイアボディを含むことができる。例えば、抗体フラグメントは、タンパク質分解酵素を用いて得ることができる(例えば、全抗体はパパインで消化されてFabフラグメントを生成し、ペプシン処理によりF(ab’)2フラグメントが得られる)。種々の抗体を調製及び使用する技術は当該技術分野において周知である(Ausubelら編、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY 1987〜2001;Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY,1989;Harlow及びLane、Antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY,1989;Colliganら編、Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,Inc.,NY 1994〜2001;Colliganら、Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,NY,1997〜2001;Kohlerら、Nature 256:495〜497,1975;US4,816,567,Queenら、Proc.Natl.Acad.Sci.86:10029〜10033,1989)。例えば、任意の非ヒト配列を欠いている完全なヒトモノクローナル抗体は、ヒト免疫グロブリントランスジェニックマウスから、又はファージディスプレイライブラリから調製され得る(Lonbergら、Nature 368:856〜859,1994;Fishwildら、Nature Biotech.14:845〜851,1996;Mendezら、Nature Genetics 15:146〜156,1997;Knappikら、J.Mol.Biol.296:57〜86,2000;Krebsら、J.Immunol.Meth.265:67〜84,2001)。
【0028】
薬剤、モジュレーター、抗体分子等が、所与の抗原又はタンパク質を第2の同一でない抗原又はタンパク質に、より高い親和性で、非特異的なやり方でなく特異的に結合させる場合、この薬剤、モジュレーター、抗体分子等は、この抗原又はタンパク質に「特異的に結合」する。言い方を変えれば、薬剤、モジュレーター、抗体分子等の「特異的結合」を用いて、2つの異なるポリペプチドを識別することができる。
【0029】
「フラグメント」とは、本発明のいずれかのポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列のうちの一部を含むが全部は含まない、アミノ酸配列を有するポリペプチドである。フラグメントは、例えば、シグナルペプチド、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、若しくは細胞質ドメイン、又はそれらの変異型、例えば異種のアミノ−及び/又はカルボキシ−末端アミノ酸配列を含む連続した一連の残基等、に対応するアミノ酸配列の一部を有する末端切断型(trancated)ポリペプチドを含むことができる。宿主細胞によって又は宿主細胞中で生成される本発明のポリペプチドの分解形態もまた含まれる。他の代表的なフラグメントは、α−へリックス又はα−へリックス形成領域、β−シート又はβ−シート形成領域、ターン又はターン形成領域、コイル又はコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、α−両親媒性領域、β−両親媒性領域、フレキシブル領域、表面形成領域、基材結合領域、細胞外領域、及び高抗原性インデックス領域を含むフラグメントのような、構造的又は機能的属性によって特徴付けられる。本発明のポリペプチドを、フラグメントとして使用又は提供されることができる。
【0030】
用語「ポリペプチド」は、ポリペプチドを形成するためにペプチド結合によって結合された少なくとも2つのアミノ酸残基を含む分子を意味する。アミノ酸が30個未満の低分子タンパク質は、「ペプチド」と呼ばれることがある。ポリペプチドは「タンパク質」と呼ばれることもある。
【0031】
本発明は、IL−25シグナル伝達を阻害することによって線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制する方法に関する。本発明は、IL−25受容体が線維芽細胞内に存在し、IL−25シグナル伝達の阻害又は活性化が線維芽細胞内の種々の活性、例えば線維芽細胞増殖、分化、及びタンパク質分泌を調節し、したがって、IL−25はこの細胞型の炎症促進性因子、増殖誘発因子及び分化因子として機能する、という発見に基づいている。線維芽細胞は、組織傷害部位に遊走し、そこで細胞外基質タンパク質、炎症性サイトカイン、細胞外基質タンパク質、その他のサイトカイン、及び血管新生促進分子を分泌して、線維症などの多くのヒト疾患の一因となる。したがって、線維芽細胞内におけるIL−25シグナル伝達の阻害は、線維芽細胞内の望ましくない活性に関連した病状(例えば線維症)の治療のために有用であり得る。
【0032】
一実施形態において、本発明は、線維芽細胞内におけるIL−25シグナル伝達を阻害することを含む、線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制する方法を提供する。IL−17ファミリーのメンバーであるIL−25(IL−17Eとしても知られる)は、Th2細胞性免疫に関与する(Fortら、Immunity 15:985〜995 2001;Hurstら、J.Immunol.169:443〜453.2002)。IL−25動物モデル又はIL−25を投与された動物は、IL−25は、IL−4、IL−5、及びIL−13のIL−25誘導発現により、多臓器炎症、炎症性細胞浸潤、及び上皮細胞過形成に関連するTH2様反応が誘発されることを示している(Shiら、J.Biol.Chem.275:19167〜76,2000;Leeら、J.Biol.Chem.276:1660〜64,2001;Hurstら、2002;J.Immunol.169:443〜53,2002;Kimら、Blood 100:2330〜42,2002)。IL−25が2型免疫を調節する分子機構は、いまだ不明確である。非B/T細胞集団はIL−25によって調節され、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシスによる感染に反応してTh2サイトカインを生成することが分かった(Fallonら、J.Exp.Med.203:1105〜1116,2006)。しかしながら、IL17RBの幅広い発現を考えると、IL−25反応を調節するためのIL−25の更なる標的が存在し得る。インビトロで、IL−25は、活性化されたTh2細胞及び骨髄由来マスト細胞内で発現されることが認められる(Fortら、Immunity15:985〜995 2001;Ikedaら、Blood 101:3594〜96,2003)。健常被験体及びアトピー被験体から得た活性化された好酸球及び好塩基球は、生理活性IL−25タンパク質を分泌することが見出された(Wangら、J.Exp.Med.204:1837〜47,2007)。IL−25はまた、アレルゲン刺激後に、ラットの粒子誘発気道炎症モデルの肺胞マクロファージ内で、並びにマウス(MLE12細胞株)及びヒト(A549)肺上皮細胞内で上方制御される(Fortら、Immunity 15:985〜995 2001;Ikedaら、Blood 101:3594〜96,2003)。同定されたIL−25の標的細胞には、インビトロでIL17RBを発現する、別の方法で活性化されるマクロファージ、樹枝状細胞、肺線維芽細胞、気道平滑筋細胞、ナイーブT及びTh2細胞が挙げられる(Gratchevら、J.Immunol.60:233〜37,2004;Lajoie−Kadochら、Am J.Physiol.Lung細胞Mol.Physiol.290:L1238〜46,2006;Letuveら、J Allergy Clin.Immunol.117:590〜96,2006;Angkasekwinaiら、J.Exp.Med 11:11,2007)。
【0033】
線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達は、様々な薬剤及びIL−25シグナル伝達の阻害物質を使用して阻害され得る。この薬剤及び阻害物質は、IL−25及び/又はIL−25受容体を標的にすることができ、又はIL−25とIL−25受容体との相互作用を特異的に阻害することができる。このような薬剤及び阻害物質は、例えばIL−25又はIL−25受容体に対する抗体又は抗体フラグメントであり、受容体ポリペプチド、IL−25若しくはIL−25受容体遺伝子に対して意図されたアンチセンス分子若しくはsiRNA分子、又は可溶性IL17RB若しくは可溶性IL17RA受容体ポリペプチドを含む可溶性IL−25受容体の細胞外部分を認識する。IL−25とIL−25受容体との間の相互作用を遮断するペプチド、オリゴヌクレオチド又は小分子を使用することができる。このような薬剤及び阻害物質はまた、ペプチド、タンパク質、融合タンパク質、又はIL−25とIL−25受容体との相互作用を防止する小分子であり得る。IL−25を阻害する薬剤が記載されている(Gormanに付与された米国特許第6,562,578号;Shiに付与された同第6,635,443号)。先に述べた種々の方法を用いて、線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達及び線維芽細胞内の望ましくない活性を測定することができる。
【0034】
線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を阻害するための薬剤として使用されるポリペプチド又はフラグメントの構造を、基質特異性、安定性、溶解度等を向上させるなどの目的で修飾することが可能である。例えば、例えばアミノ酸置換、欠失、又は添加によるなどしてアミノ酸配列が変更されている修飾ポリペプチドを生成することができる。ロイシンとイソロイシン若しくはバリン、アスパラギン酸塩とグルタミン酸塩、トレオニンとセリンの隔離置換、又はアミノ酸と構造的に関連したアミノ酸の類似的置換(即ち、保存的変異)は、全てではないが場合によっては、生じた分子の生物学的活性に大きな影響を与えるものではないと想到される。保存的置換とは、側鎖で関連したアミノ酸ファミリー内で起こる置換である。遺伝的に符号化されたアミノ酸は、(1)酸性(アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩)、(2)塩基性(リシン、アルギニン、ヒスチジン)、(3)非極性(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、及び(4)電荷を持たない極性(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン)、の4つのファミリーに分類され得る。フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンは、芳香族アミノ酸として連帯的に分類される場合もある。同様のやり方で、アミノ酸レパートリーを(1)酸性(アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩)、(2)塩基性(リシン、アルギニン、ヒスチジン)、(3)脂肪族(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン)(但し、セリン及びトレオニンは所望により脂肪族ヒドロキシルとして別に分類することもできる)、(4)芳香族(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)、(5)アミド(アスパラギン、グルタミン)、及び(6)硫黄含有(システイン及びメチオニン)のようにグループ分けすることができる(Stryer(ed.),Biochemistry,2nd ed,WH Freeman and Co.,1981)。ポリペプチド又はそのフラグメントのアミノ酸配列の変化が機能相同体をもたらすかどうかは、本明細書に記載のアッセイを用いて、修飾されていないポリペプチド又はフラグメントと同様のやり方で、この修飾ポリペプチド又はフラグメントが反応を生みだす能力を評価することによって、容易に判定され得る。1つを超える置換が起こったペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を、同様のやり方で容易に試験することができる。
【0035】
線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を阻害する薬剤を、第2のポリペプチドに共役させて、望ましい特性(例えば安定性の増大)を付与することができる融合タンパク質を形成することができる。代表的な融合タンパク質は、可溶性の成熟したIL17RBと、設計されたアンキリン反復タンパク質(DARPins)などの代替のスカフォールド(Stumpp and Amstutz,Curr.Opin.Durg Discov.Devel.10:153〜159,2007),MIMETIBODY(商標)construct(Pichaら、Diabetes 57:1926〜1934,2008)又は他のタンパク質ドメインとを一緒に共役することによって形成され得る。タンパク質、ペプチド又は融合タンパク質は、一般に、組み換え核酸法、又は当該技術分野において周知の化学的合成法のいずれかを用いて生成することができる。MIMETIBODY(商標)コンストラクトは、以下の一般式(I)を有する:
(Bp−Lk−V2−Hg−CH2−CH3)(t)
(I)
式中、Bpは標的分子に結合する能力を有するペプチド又はポリペプチド、Lkはポリペプチド又は化学的連鎖、V2は免疫グロブリンの可変部分のC−端末部分、Hgは免疫グロブリンの可変ヒンジ領域の少なくとも一部、CH2は免疫グロブリン重鎖のCH2定常領域、及びCH3は免疫グロブリン重鎖のCH3定常領域、並びにtは独立して1〜10の整数である。
【0036】
理論に束縛されることを望まないが、線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を阻害する方法は、組織内での線維芽細胞分化、増殖、又はサイトカイン及びケモカイン分泌を阻害して、損傷、炎症部位、又は線維化領域において線維芽細胞が生成するコラーゲン、細胞外基質タンパク質及び炎症促進性サイトカインの量を低減すると考えられる。
【0037】
本発明の別の実施形態は、線維芽細胞内の望ましくない活性に関連した病状を有する被験体において、線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制する方法であり、当該方法は、治療上有効な量のIL−25シグナル伝達阻害物質を被験体に投与することを含む。
【0038】
「被験体」は、任意の動物、好ましくはヒト患者、家畜、又は飼育されているペットを指す。特定の理論に束縛されることを望まないが、本発明の方法の治療的利益は、損傷、修復部位で又は線維症などの病的状態において、コラーゲン及び炎症促進性サイトカイン分泌の減少をもたらす、IL−25シグナル伝達の阻害に起因していると考えられる。
【0039】
本明細書で使用するとき、「線維芽細胞内の望ましくない活性に関連した病状」は、組織又は循環線維芽細胞内での異常活性に関連している病状、例えばコラーゲン分泌増加又は筋線維芽細胞への線維芽細胞分化増大に関連している病状を含む。そのような病状の例は、線維症、癌、及び創傷治癒である。
【0040】
線維症は、器官特異性線維症又は全身性線維症であり得る。器官特異性線維症は、肺線維症、肝臓線維症、腎臓線維症、心臓線維症、膵臓線維症、血管線維症、皮膚線維症、眼線維症、又は骨髄線維症であり得る。肺線維症は、特発性肺線維症、薬物誘発性肺線維症、喘息、サルコイドーシス、突発性間質性肺炎、又は慢性閉塞性肺疾患に関連し得る。肝臓線維症は、肝硬変、住血吸虫症、又は胆管炎に関連し得る。肝硬変は、肝炎後C型肝硬変、肝炎後B型肝硬変、アルコール、薬物若しくは化学的に誘発された肝硬変、又は原発性胆汁性肝硬変から選択され得る。胆管炎は硬化性胆管炎であり得る。腎臓線維症は、糖尿病性ネフロパシー、ループス糸球体硬化症、増殖性糸球体腎炎、硬化性糸球体腎炎、又は腎性線維性皮膚症に関連し得る。心臓線維症は、心筋梗塞、冠動脈再狭窄、うっ血性心筋症、又は心不全に関連し得る。膵臓線維症は、間質再モデル化、膵炎、又は間質線維症に関連し得る。血管線維症は、血管形成術後動脈再狭窄、又はアテローム性動脈硬化症に関連し得る。皮膚線維症は、火傷瘢痕化、肥厚性瘢痕化、ケロイド、強皮症、乾癬、又は腎性線維症皮膚症に関連し得る。眼線維症は、後眼窩線維症、白内障後手術、増殖性硝子体網膜症、角膜(corenal)線維症、手術に起因する角膜瘢痕、又は前嚢白内障に関連し得る。骨髄線維症は、特発性骨髄線維症、又は薬物誘発性骨髄線維症に関連し得る。その他の線維症は、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、クローン病、皮膚筋炎、関節リウマチ、日本住血吸虫感染後の線維化病変、自己免疫疾患、病原性線維症、ライム病、慢性膀胱炎、子宮筋腫、卵巣線維症、その他の線維嚢胞形成、広隅角緑内障線維柱帯切開、又は外科的処置により生じる線維性癒着に関連し得る。全身性線維症は、全身性硬化症、腎性全身性線維症、又は移植片対宿主病に関連し得る。
【0041】
例えば、喘息では、線維芽細胞は、肥厚の気管壁にとどまる筋線維芽細胞へと更に分化する。理論に束縛されることを望まないが、線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達の阻害は、筋線維芽細胞への線維芽細胞分化を抑制することができ、したがって喘息の症状を改善できると考えられる。
【0042】
例えば、肝硬変では、線維芽細胞は肝臓に遊走して、コラーゲン分泌及び線維症の一因となり得る(Kisselvaら、J.Hepatology,45:429〜438,2000)。理論に束縛されることを望まないが、線維芽細胞におけるIL−25シグナル伝達の阻害は、肝臓内での線維芽細胞のコラーゲン生成を抑制し、ひいては肝硬変(liver cirrohsis)に起因する線維化を防止又は遅延させることができると考えられる。
【0043】
代表的な癌には、白血病、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞、T細胞又はFAB ALL、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、リンパ腫、ホジキン病、悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、結腸直腸癌、膵臓癌腫、腎細胞癌、乳癌、皮膚癌、子宮頸癌、膵臓癌、鼻咽頭癌、悪性組織球増殖症、悪性の腫瘍随伴症候群/高カルシウム血症、固形腫瘍、腺癌、扁平上皮細胞癌、肉腫、悪性黒色腫、特に転移性黒色腫、血管腫、転移性疾患、癌関連骨吸収、癌関連骨痛等を挙げることができる。
【0044】
代表的な創傷治癒は、細胞、組織、器官、動物若しくは患者における、例えば胸部、腹部、頭蓋若しくは口腔外科手術を含む外科手術に付随する肉体的損傷若しくは外傷から生じる又はこれらに関連する外傷若しくは組織損傷又は慢性症状と関連する可能性があるか、あるいは創傷は非感染創、挫傷、切創、裂創、非穿通創、開放創、穿通創、穿孔創、穿刺創、感染創、栓塞及び皮下創からなる群から選択され得るか、あるいは創傷は、虚血性潰瘍、辱瘡、瘻孔、重度の咬傷、熱傷及び採取部位創からなる群から選択されるか、あるいは創傷は、アフタ創、外傷又はヘルペス関連創である。ドナー部位創傷は、例えば移植に関連して、例えば体の一部分から体の別の部分への硬組織の除去に関連して発生する創傷である。そのような手術によって生じた創傷は痛みが激しいため、治癒の改善が最も価値がある。創傷線維症は、線維芽細胞が創傷領域に遊走しコラーゲン並びに血管形成促進性(proangiongenic)因子を生成し始めるときに、IL−25シグナル伝達を阻害することによって、線維芽細胞による望ましくない活性を抑制できる。ほぼ全ての組織修復プロセスは初期結合組織形成を含んでおり、この刺激及び後続するプロセスが、組織の治癒を改善させるが、結合組織及びコラーゲンの過剰産生は、非弾性であり低酸素であるとして特徴づけられる線維性組織をもたらす可能性がある。被験体内のIL−25シグナル伝達を阻害することによって線維芽細胞がコラーゲンを生成するのを抑制することは、このような創傷治癒の後遺症を調節、治療、又は防止するのに役立つ可能性がある。
【0045】
被験体の線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制する方法に関して言えば、線維芽細胞による望ましくない活性のどのような抑制も有益な効果であり、線維芽細胞内の望ましくない活性に関連する病状を有する被検体の症状を改善する結果となり得ることを理解すべきである。したがって、本発明の方法は、臨床症状の出現を防止し、病状を阻害し、停止させ、若しくは遅延させ、又は病状を軽減させる若しくは症状の退行を引き起こす結果となり得る。
【0046】
IL−25シグナル伝達の阻害物質が上述されており、例えば、IL−25抗体、IL−25受容体抗体又は可溶性の成熟したIL−25受容体ポリペプチドであり得る。被験体の線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制するのに十分な所与の阻害物質の量は、容易に決定され得る。本発明の方法では、阻害物質は、単独で又は第2の阻害物質と組み合わせて投与してもよい。このような第2の阻害物質は、抗体、抗体フラグメント、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、又はIL−25シグナル伝達を阻害する小分子であり得る。本明細書で使用するとき、「組み合わせて」とは、記載されている阻害物質を、混合物として一緒に、単一阻害物質として同時に、又は単一阻害物質として任意の順序で連続して、被験体に投与することができることを意味する。
【0047】
線維芽細胞内の望ましくない活性に関連した病状を有する被験体の線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制するための、IL−25シグナル伝達阻害物質の「治療上有効な量」は、標準的な研究技術で決定され得る。例えば、肺線維症又は肝臓線維症などの病状において、線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制するのに有効となる阻害物質の投与量は、肺線維症又は肝臓線維症の動物モデルに阻害物質を投与することによって決定され得る。
【0048】
肺線維症の代表的なモデルは、肺にブレオマイシンを注入して作られる。ブレオマイシンは、気管に注入されると、動物の肺の中に線維症を引き起こす抗腫瘍薬であり、肺線維症を研究する標準的な方法である(Crouch,Am.J.Physiol.Lung Cell Mol.Physiol.259:L159〜L184)。肝臓線維症の代表的なモデルは、総胆管の結紮によって作られ、肝臓線維症を研究する標準的な方法である(Hellebrand Cら、Hepatology 24:670〜76,1996)。
【0049】
更に、所望によりインビトロアッセイを採用して、最適な投与量域を特定するのを助けることができる。特定の有効量の選択は、いくつかの因子を考慮して当事者によって(例えば、臨床試験を介して)決定され得る。このような因子には、治療すべき又は防止すべき疾病、伴う症状、患者の体重、患者の免疫状態、及び当事者には既知のその他の因子が挙げられる。製剤において使用される正確な用量は、投与経路、及び疾患関連の消耗の重篤度にも依存し、施術者の判断及び各患者の状況に基づいて決定されなければならない。有効量は、インビトロ又は動物モデル試験系から導出される用量反応曲線から推定することができる。ヒトなどの患者に投与される阻害物質の用量はかなり広範に可変であり、独自の判断の対象となり得る。1日のうちの様々な時間に1日量の阻害物質を投与するのが実用的である場合が多い。しかしながら、任意の所与の場合、投与される阻害物質の量は、阻害物質の溶解度、使用する製剤、患者の状態(体重など)、及び/又は投与経路のような因子によって決まる。
【0050】
線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制するのを目的とした、IL−25シグナル伝達阻害物質の投与方法は、薬剤を宿主に送達する任意の好適な経路であってよい。これら阻害物質のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質、抗体及び抗体フラグメント、並びに薬学的組成物は、非経口的投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下又は鼻腔内)に特に有用である。
【0051】
IL−25シグナル伝達阻害物質は、製薬上許容できるキャリア内の活性成分として、その薬剤の有効量を含有する薬学的組成物として調製することができる。用語「キャリア」は、活性化合物と共に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、又はビヒクルを指す。こうした薬剤用ビヒクルは、落花生油、大豆油、鉱物油、ゴマ油等の、石油、動物油、植物油又は合成油由来のものを含む、水及び油などの液体であり得る。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グリシンを用いることができる。これらの溶液は殺菌され、一般には粒子状物質を含まない。これらの溶液は、従来の、周知の殺菌技術(例えば、ろ過)により殺菌されてもよい。この組成物は、生理学的状態に近づける場合に必要な、pH調整剤及び緩衝剤、安定剤、増粘剤、平滑剤並びに着色剤等の薬学上許容できる補助物質を含有することができる。そのような薬学的製剤中の本発明の薬剤の濃度は、幅広く異なっていてよく、即ち、約0.5重量%未満から、通常は約1重量%又は少なくとも約1重量%から、15又は20重量%まで異なっていてよく、主に選択された特定の投与方式に適合した流体体積、粘度などに基づいて選択される。非経口投与可能な組成物を調製するための実際の方法が周知であり、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Science」、15th ed.,Mack publishing Company,Easton,PAに、より詳細に記載されている。
【0052】
本発明の別の態様は、線維芽細胞を提供することと、試験モジュレーターを提供することと、線維芽細胞と試験モジュレーターとを接触させることと、試験モジュレーターがIL−25シグナル伝達に与える影響を判定することと、試験モジュレーターが、線維芽細胞内の望ましくない活性に与える影響を判定することと、IL−25シグナル伝達を調節し、線維芽細胞内の望ましくない活性を調節する、モジュレーターを選択することと、によって、線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制するIL−25シグナル伝達のモジュレーターを同定する方法である。これらのモジュレーターは、天然又は合成の、IL−25シグナル伝達の阻害物質又は活性化物質であってよく、上述のように線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達及び活性を評価する1つ以上のアッセイを用いて同定され得る。
【0053】
線維芽細胞は、末梢血又は組織から単離されることができ、標準方法を用いて接着培養物として精製及び培養され得る(Bucalaら、Mol.Medicine 1:71〜81,1994)。例えば、Ficoll−Paqueに重層して遠心分離することによってPBMCを単離し、接着培養で培養する。非接着性細胞を除去し、ネガティブ免疫選択によって、それぞれ抗CD2、抗CD19、及び抗CD14抗体で、汚染T細胞、B細胞及び単球から線維芽細胞を更に精製する。精製集団中のCD45、CD34及びコラーゲンIの発現で、線維芽細胞起源が確認される(Bellini及びMattoli、Lab.Investigation 87:858〜70,2007)。
【0054】
試験モジュレーターをIL−25応反応性線維芽細胞でインキュベートし、線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達及び活性の両方におけるモジュレーターの効果を評価する。試験モジュレーターは、IL−25又はIL−25受容体に直接結合することができ、又は線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を間接的に調節することができる。試験モジュレーターを実質的に精製された形で又は粗混合物でスクリーニングすることができる。試験モジュレーターは、抗体、抗体フラグメント、タンパク質、ペプチド、小分子、又はオリゴヌクレオチドであり得る。
【0055】
代表的なスクリーニングアッセイでは、培養された線維芽細胞をIL−25及び試験モジュレーターと接触させ、試験モジュレーターがIL−25で誘発されたサイトカイン分泌及び線維芽細胞分化に与える影響を測定する。測定されるサイトカインは、例えばIL−6及びRANTESであり、線維芽細胞中のα−SMAの量を評価することによって、線維芽細胞分化を測定することができる。サイトカイン分泌の検出方法及び線維芽細胞分化の評価方法が周知であり、上述されている。
【0056】
以上、本発明の全容を述べたが、添付された特許請求の範囲の趣旨又は範囲を逸脱することなく本発明に多くの変更及び修正を加えることができることは、当業者にとって明白であろう。本明細書中に記載される具体的な実施形態は、例示の手段としてのみ提供され、本発明は、このような特許請求の範囲が与える等価物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の条件によって制限されるべきであり、本発明は、例示として本明細書中に提示された具体的な実施形態によって制限されるべきではない。
【実施例】
【0057】
(実施例1)
ヒト及びげっ歯類の線維芽細胞中のIL17RB発現
筋線維芽細胞の増加の原因の1つとしての線維芽細胞を、線維性症状の顕著な特徴であるEMT由来の線維芽細胞及び常在線維芽細胞と共に説明してきた。組織傷害部位に遊走する必要がある骨髄由来の線維芽細胞は、線維化促進因子及び炎症促進性因子の生成に起因して、線維化を促進し得る。線維芽細胞分化、増殖、又は遊走を妨害することにより、様々な線維症を治療するための独特の治療方針を提供することができる。
【0058】
マウス肺及び血液線維芽細胞、並びにヒト血液線維芽細胞を、材料及び方法に従って単離し、培養した。単離細胞は、細胞型の特徴である、分枝伸長を有する不規則な星形又は紡錘状形態を示した。免疫細胞化学は、マウス肺及び血液線維芽細胞が、線維芽細胞のマーカーであるCD45及びコラーゲンIに関して陽性に共染色したことを示した(データは示されず)。マウス肺及び血液線維芽細胞を含む試験した全ての線維芽細胞クラスにおいて、共焦点顕微鏡法を使用して、IL17RB陽性発現が実証された(データは示されず)。
【0059】
IL17RBの線維芽細胞発現を定量化するために、細胞をCD45、コラーゲンI及びIL17RBで3回染色し、フローサイトメトリーによって計数した。80%のマウス肺線維芽細胞及び49%のマウス血液線維芽細胞はCD45及びコラーゲンI陽性であった。この細胞集団では、40%の肺線維芽細胞及び99%の血液線維芽細胞はIL17RB陽性であった。コラーゲンI+ CD45-(線維芽細胞)マウス肺細胞もIL17RBを発現した。IL17RB発現に関して更にヒト血液線維芽細胞を評価したところ、選択された線維芽細胞の88%はCD45及びコラーゲンI陽性であった。この細胞集団では、93%がIL17RB陽性であった。このように、マウス及びヒト血液循環線維芽細胞は、IL17RBを同程度に発現した。
【0060】
(実施例2)
線維芽細胞内での完全IL−25シグナル伝達
線維芽細胞内での機能的IL17RB及び完全IL−25シグナル伝達経路を示すために、線維芽細胞内においてIL−25がサイトカイン放出に及ぼす影響を評価した。IL17RBの特異的なインビトロ刺激は、他の細胞型において炎症促進性サイトカインの分泌を増加させることが示されてきた。IL−25は、線維芽細胞内におけるTNF−αに誘発されたRANTES、IL−6、KC、及びCCL2分泌を増強したが、単独ではサイトカイン放出を刺激しなかった。
【0061】
IL−25単独で24時間刺激されたマウス肺線維芽細胞(図1)は、Luminexによるサイトカイン発現の増加を示さなかった。10ng/mLのTNF−α単独では、対照(p=0.022)及び3種類の濃度のIL−25(1、10及び100ng/mLのIL−25に関しそれぞれp=0.021、p=0.025、p=0.018)と比較して、RANTESを有意に増加させたが(図1A)、IL−25+10ng/mL TNF−α(p<0.001)よりも有意に低かった。IL−25及びTNF−αによる線維芽細胞の共刺激は、その他の全ての群(各群ともp<0.001)と比較して、RANTESの有意な増加をもたらした。KC(図1B)は、対照(p=0.015)、3種類の濃度のIL−25(1、10及び100ng/mLのIL−25に関しそれぞれp=0.004、p=0.009、p=0.001)、及びTNF−α単独(p=0.05)と比較して、IL−25+10ng/mL TNF−αが有意に高かった。CCL2(図1C)は、対照(p=0.012)、3種類の濃度のIL−25(1、10及び100ng/mLのIL−25に関しそれぞれp=0.002、p=0.005、p<0.001)、及びTNF−α単独(p=0.017)と比較して、IL−25+10ng/mL TNF−αが有意に高かった。IL−6の変化(図2D)は、全ての群(p=0.153)における全体的な差異に関する試験によって有意であることが見出されなかったが、TNF−αと組み合わされた10ng/mLのIL−25を、TNF−α単独ではなく、3種類の濃度のIL−25(1ng/mLのIL−25、10ng/mLのIL−25及び100ng/mLのIL−25に関しそれぞれp=0.020、p=0.048、p=0.025)と個別に比較すると、IL−6は有意に高かった。
【0062】
RANTESは、免疫調節性及び炎症プロセスに関与しており、T細胞、他の炎症性細胞及び間質細胞によって転写され、かつ分泌される。RANTESは、上皮細胞、マクロファージ、リンパ球、樹枝状細胞及び間質細胞で発現されるケモカイン受容体CCR1、CCR3、CCR4及びCCR5のリガンドである(Rusterら、Front Biosci.13:944〜55,2008;van Deventerら、Cancer Res.65:3374〜9,2005)。CXCL8は、線維芽細胞により分泌される血管新生促進因子であり、創傷治癒反応中に存在することが分かっている(Kovacsら、FASEB J.8:854〜61,1994)。CCL2は、肺線維症の発生の中心であることが知られており、肺への線維芽細胞の動員に関与しており(Mooreら、Am.J.Pathol.166:675〜84,2005)、線維症を促進する経路である可能性が高い。線維芽細胞により分泌されるCCL2は、強力なT細胞の化学誘引物質であり、組織修復環境の中にCD4+ T細胞を特異的に動員させるように作用し得る。IL−6は、血液線維芽細胞により分泌される造血成長因子であり、線維芽細胞を含む多くの細胞で活性であり、したがって、IL−6はオートクリン又はパラクリン媒介物として機能することができる(Moodleyら、Am.J.Pathol.163:345〜54,2003;Friesら、Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.11:552〜60,1994)。マクロファージ分化、リンパ球増殖、Th17発生を調節することが示され(Weaverら、Immunity 24:677〜88,2006)、線維形成促進因子であり(Moodleyら、Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.29:490〜98,2003)、一部の細胞のアポトーシスを阻害することができ、(Liuら、Am.J.respire.Cell Mol.Biol.37:121〜8,2007)、組織修復の初期段階の間に放出されることが知られている(Kishimotoら、Science 258:593〜97,1992)。RANTES、CXCL8及びCCL2は全て、IPF患者において増加することが分かっており、CCL2は慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の細気管支上皮中で増加することが分かっている(Chung、Curr.Drug Targets Inflamm.Allergy 4:619〜25,2005;Kodamaら、Am.J.Respir.Cell Mol.Boil.18:526〜31,1998;Tsoutsouら、Respir.Med.100:938〜45,Epub 2005 Oct 19)。
【0063】
TNF−αは多面発現効果を有しており、そのほとんどは、単核球、好中球、及び内皮細胞に作用することによって炎症反応を刺激する。この研究では、TNF−αは、IL−25と共に線維芽細胞内で共刺激的役割を有して炎症促進性サイトカインの分泌を増加させることが示された。TNF−αは、活性化マクロファージ及びリンパ球、上皮細胞、並びに内皮細胞によって生成される。TNF−αは、サイトカイン及びケモカイン生成カスケードに至る初期事象において中心的役割を有する。TNF−αは、TGF−β,IL−1、IL−6、CXCL8、CCL2、PDGF、及び顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子などのいくつかの因子の生成を、直接的に又は間接的に刺激する。IPF及びCOPDについて大規模に行った研究は、このサイトカインが肺線維症の領域内に存在することを実証した(Emadら、J.Interferon Cytokine Res.27:38〜43,2007;Chung、Curr.Drug Targets Inflamm.Allergy 4:619〜25,2005)。TNF−αは、IL−25と組み合わされて、ヒト肺線維芽細胞及び平滑筋細胞内でIL17RB mRNAを増加させ、かつ炎症促進性サイトカインの発現を誘発することが既に示されている(Letuveら、J.Allergy Clin.Immunol.117:590〜6,2006;Lajoie−Kadochら、Am.J.Physiol.Lung Cell Mol.Physiol.290:L1238〜46,Epubl 2006 Jan 20)。IL−25誘発細胞内シグナル伝達は、MAPKファミリー、並びにNF−κBの活性化を伴い得る(Leeら、J.Biol.Chem.276:1660〜4,2001)。TNF−αの主なシグナル経路はNF−κB経路も通っているので、この重複したシグナル経路は、線維芽細胞内でサイトカイン放出を誘発するIL−25とTNF−αとの共力効果に関与し得る。このことは、IL−25及びTNF−αが、初期線維化事象において、刺激を受けた線維芽細胞から放出された炎症促進性サイトカインを駆動するために共働し得ることを示唆している。線維芽細胞が機能的IL17RBを有するというこの研究における実証は、IL−25が、循環線維芽細胞及び常在線維芽細胞の刺激を介して線維化メディエータとして機能することを示唆し得る。
【0064】
(実施例3)
IL−25シグナル伝達の調節は線維芽細胞機能を変更する
無血清培地中で96時間にわたりIL−25単独又はPDGF−ABとの組み合わせで刺激して、IL−25が線維芽細胞増殖能に与えるの影響を研究した。PDGF−ABは、肺線維芽細胞のインビトロ増殖を促進することが示された[27]。PDGF−AB単独では、マウス肺線維芽細胞増殖を27%増加させた(p<0.001)(図2A)。IL−25単独では、全試験濃度(各比較に関してp<0.001)でマウス肺線維芽細胞増殖を有意に増加させ、1及び10ng/mL(p<0.001)のIL−25は共に線維芽細胞増殖を30%増加させた(図2A)。IL−25で刺激されたマウス肺線維芽細胞にPDGF−ABを添加すると、10ng/mLのIL−25(p=0.04)単独又は10ng/mLのPDGF−AB(p=0.02)単独と比較して、増殖活性の増加が増強された(図2A)。マウス肺線維芽細胞のPDGF−ABの増殖促進効果(p<0.02)は、BrdU取り込みによって確認された(データは示されず)。したがって、外因性IL−25及び/又はPDGF−ABはインビトロでマウス肺線維芽細胞増殖を増加させることができる。1ng/mL(p=0.006)及び10ng/mL(p=0.001)でIL−25を外から添加すると、10ng/mLのPDGF(p=0.024)と同様に、無血清対照と比べてヒト血液線維芽細胞増殖を同様に有意に増加させることができる(図2B)。
【0065】
ラット抗マウスIL−25mAb(mAb1923)を使用して、L−25の遮断がマウス肺線維芽細胞増殖に与える影響を研究した。IL−25誘発肺線維芽細胞増殖は、IL−25単独と比較すると、5.5μg/mL(p=0.011)、16.7μg/mL(p=0.026)及び50μg/mL(p=0.001)の濃度のIL−25 mAbで有意に低減された(図2C)。IL−25反応が、マウス肺線維芽細胞に対するアポトーシス効果ではなく増殖促進効果であることを検証するために、BrdU取り込み研究が線維芽細胞で行われ、結果は、マウス肺線維芽細胞内のIL−25誘発増殖を阻害するIL−25mAbの反応と同様であった(データは示されず)。ラット抗マウスIL−25mAbは、IL−25mAb濃度が3倍増加する毎に3.75%だけ増殖を低減することによって、IL−25(10ng/mL)誘発マウス肺線維芽細胞増殖に対して有意に線形の用量依存的(p<0.001)効果を生成した(図2B)。IL17RB−Fcキメラを11μg/mL以上(11、33及び100μg/mLのIL−25Rに関しp<0.001)で使用したIL−25(1ng/mL)誘発マウス肺線維芽細胞増殖において、有意な減少もまた認められた(図2D)。
【0066】
無血清培地での96時間にわたる外因性IL−25の刺激により、筋線維芽細胞様細胞へのマウス線維芽細胞分化が促進された。組織改造に関与する重要な線維形成及び増殖調節サイトカインであるTGF−βは、培養された線維芽細胞の分化及び機能的活性を増大させる(Chesneyら、J.Immunol.160:419〜25,1998;Schmidtら、J.Immunol.171:380〜9,2003)。無血清培地で培養された線維芽細胞は、α−SMAを構成的に発現し(図3)、TGF−β処理は、マウス肺線維芽細胞におけるα−SMA発現を増加させた(p<0.001)(図3C)。マウス肺線維芽細胞では、試験された全濃度でのIL−25による刺激(図3A)は、対照と比較して、α−SMA発現を有意に増加させた(p<0.001)。評価したIL−25濃度の中では、10ng/mLのIL−25が、0.5ng/mL(p=0.010)、1ng/mL(p=0.017)、及び20ng/mL(p=0.007)のIL−25よりも有意に高いα−SMA発現を引き起こした。IL−25は、1、20、及び50ng/mLのIL−25濃度でヒト血液線維芽細胞内でもα−SMA発現を増加させたが、無血清対照と比較して、増加は50ng/mLのIL−25(p=0.025)に関してのみ有意であった(図3B)。
【0067】
IL−25誘発マウス肺線維芽細胞分化の遮断効果をラット抗マウスIL−25 mAb(mAb 1923)を使用して評価した。50μg/mLのラット抗マウスIL−25 mAb(p<0.005)は、10ng/mLのIL−25(対照と比較してp<0.001)で誘発されたマウス肺線維芽細胞分化を完全に遮断することができた(図3B)。50μg/mLのIL−25 mAb群は、他の全てのIL−25mAbの組み合わせ(各比較に関しp<0.001)及びIL−25単独群(p<0.001)と有意に異なっていた。ラット抗マウスIL−25 mAbは、16.7μg/mLのIL−25 mAb群(p=0.001)、5.5μg/mLのIL−25 mAb群(p=0.002)及び1.9μg/mLのIL−25 mAb群(p=0.040)濃度のIL−25単独群と比較して、α−SMA発現の有意な低減を依然として示した。IL−25 mAbをIL−25と組み合わせた場合、IL−25 mAb濃度とα−SMA発現との間には有意な用量反応相関が存在した(図3C)。マウス及びヒト細胞で行われたこれらの分化研究は、IL−25が、筋線維芽細胞への線維芽細胞分化を増強することができ、分化がIL−25シグナル伝達阻害物質によって遮断され得ることを実証した。
【0068】
方法論
マウス肺、並びにマウス及びヒト末梢血からの線維芽細胞単離
無菌状態でマウス肺を取り除いた。20%ウシ胎児血清含有DMEM完全培地の中で保存肺をハサミで刻んだ。100cm2組織培養皿の中の10mLの培地に肺を置いた。3日後に非接着性細胞を除去し、細胞が80〜90%集密になるまで細胞を更に4日間培養物中で増殖させた。Accutaseを使用して細胞を回収し、電磁ビーズ(Miltenyi Biotech)に結合された抗CD45 Absで染色した。次に、autoMacs装置を製造会社の使用説明書に従って用いて、標識された細胞を1回から2回陽性に選別した。この集団にフローサイトメトリー染色すると、これらの細胞がCD45+コラーゲン(col)1+であることが確認された。
【0069】
ヒト血液を収集するため、関連第三者機関である施設内治験審査委員会(IRB)によるインフォームドコンセント同意書及びプロトコルの承認、並びにIRBにより義務付けられている該当する任意の研究に関する書類を含む、全ての必要な許可、承認、及びライセンスを揃え、Centocor,R&D,Inc.の社員ボランティアから得る生体サンプルの調達、取り扱い、保管、保存、移動、又は使用のために維持された。最初に、Ficoll−Paque(Pharmacia,Uppsala,Sweden)上での遠心分離によって、製造会社の手順書に従って、ヒト又はマウス血液から全PBMCを単離した。非コート培養皿上の20% FCS(HyClone Labs,Logan,UT)で補足されたDMEM(Life Technologies,Gaithersburg,MD)で2日間培養した後、非接着性細胞を1回だけ穏やかに吸引して除去した。10〜12日間の連続培養の後、接着性細胞をAccutase(Accuatse)中でのインキュベーションにより剥離し、汚染T細胞(pan−T、抗CD2、Miltenyi Biotech)、単球(抗CD14、Miltenyi Biotech)、及びB細胞(Pan−B、抗CD19、Miltenyi Biotech)の免疫磁気的選択により枯渇させた。Guava分析により細胞の生存が>90%であると判定された。
【0070】
マウス抗IL−25モノクローナル抗体の産生
生後12〜14週の1匹のCDラット(Charles River Laboratories)が、Titermaxアジュバント中に乳化した50μgマウスIL−25(R&D Systems,Minneapolis,MN)の腹腔内(IP)注入を0日目と14日目に2回受けた。68日目に、融合のために脾臓回収する3日前に、ラットは50μgマウスIL−25皮下の最終追加免疫を受けた。脾臓を単離し、単個細胞浮遊液を調製し、De St.Grothの方法に従ってFOマウス骨髄腫細胞と生存脾臓細胞との割合を1:1として融合を実施した[25]。PEG 4000を用いて細胞融合を開始し、HAT培地[20% FBS、5% Origen、25μg/mLゲンタマイシン(Sigma)及びHAT(100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリン、及び16μMチミジン(Sigma))で補足されたGlutamax(商標)(修飾)を有するDMEM]の存在下でクローンを増殖させ、大きなペトリ皿(Genetix,Hampshire,United Kingdom)の中の半固体メチルセルロース(Medium D,StemCell Technologies)の中に蒔いた。白色光画像に基づいて単一コロニーを選択するために、プレートをClonePixFL計器(Gentix)に供した。追加試験のため単一コロニーを選択して培地E(StemCell Technologies)の中に移した。捕捉IL−25 ELISAを用いて全非希釈ハイブリドーマ上清の一次スクリーニングを行った。組換えマウスIL−25に結合する全ての細胞株を、希釈を制限することによりサブクローニングし、固形及び捕捉IL−25 ELISAの両方でスクリーニングした。L−25中和ハイブリドーマクローンを同定及び拡大培養し、発現したモノクローナル抗体mAb 1923をフラスコバッチ精製で精製した。
【0071】
免疫細胞化学
免疫蛍光検査のため、細胞を8ウェルスライドの中に1.5×104細胞/ウェルで播種し、半集密したときに(7日目)3%ホルムアルデヒドの中に室温で10分間固定し、PBS中で数回洗浄した。細胞を−20℃で10分間メタノールに浸透させ、染色緩衝液中で洗浄し、ブロックし、標準的手順を用いて検出した。用いた一次抗体は、ラット抗マウスCD45モノクローナル抗体(1:40希釈;BD Biosciences,San Jose CA)、ウサギ抗マウスコラーゲンポリクローナル抗体(1:200希釈;Chemicon,Temecula,CA)又はラット抗マウスIL−25Rモノクローナル抗体(1:50希釈;R&D Systems)であった。イソタイプ対照は、ラットIgG2bイソタイプ対照(1:320希釈;BD Biosciences)及びウサギIgGイソタイプ対照(1:300希釈;Imgenex,San Diego,CA)であった。用いた二次抗体は、Alexa Fluor(登録商標)594ヤギ抗ラットIgG(H+L)(1:250;Molecular Probes、Eugene,OR)又はAlexa Fluor(登録商標)647ヤギ抗ウサギIgG(H+L)(1:200希釈;Molecular Probes)であった。全スライドをレーザー共焦点顕微鏡(UltraVIEW ERS spinning disk;Perkin Elmer,Wellesley,MA)で調べた。
【0072】
フローサイトメトリー分析
マウス肺及び血液線維芽細胞分析のフローサイトメトリーのため、2×105生存細胞を流管に加え遠心分離した。細胞を50μLの染色緩衝液(PBS中0.2% BSA及び0.02%アジ化ナトリウム)及び1μLのFc遮断剤(BD Biosciences)の中に再懸濁し、10分間インキュベートした。PE共役抗CD45モノクローナル抗体(BD Biosciences)を加え、40分間いインキュベートし、その後細胞を洗浄し、BD cytofix/cytoperm(BD Biosciences)の中に20分間固定し透過処理した。細胞をBD緩衝液に再懸濁し、ラット抗マウスIL−25R一次抗体(1:50希釈;R&D systems)及びビオチン共役抗コラーゲンI(1:150希釈;Rockland,Gilbertsville,PA)と、その後に続くAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ラットIgG(1:200希釈;分子プローブ)及びストレプトアビジン−Allophycocyanin共役(1:150;BD Biosciences)とを用いてタンパク質を検出した。細胞を洗浄し、3%パラホルムアルデヒドで固定した。イソタイプ対照は、PE共役ラットIgG2bイソタイプ対照(BD Biosciences)、ラットIgG2bイソタイプ対照(R&D Systems)及び抗ビオチンのIgGフラクション(1:1500;Rockland)であった。
【0073】
ヒト血液線維芽細胞のフローサイトメトリーのため、2×105の生存細胞を流管に加えて遠心分離した。細胞を、50μLの染色緩衝液(PBS中の0.2% BSA及び0.02%アジ化ナトリウム)及び1μLのFc遮断剤の中に再懸濁し、10分間インキュベートした。PE共役抗CD45モノクローナル抗体(Clone HI30、eBiosciences,San Diego,CA)を加え、40分間インキュベートし、その後細胞を洗浄し、BD cytofix/cytoperm(BD Biosciences)中で20分間固定し透過処理した。細胞をBD緩衝液に再懸濁し、ラット抗マウスIL−25R一次抗体(1:50希釈;R&D systems)及びビオチン共役抗コラーゲンI(1:150希釈;Rockland,Gilbertsville,PA)と、その後に続くFluor登録商標488ヤギ抗マウスIgG(1:200希釈;Molecular Probes)ストレプトアビジン−Allophycocyanin共役(1:150希釈;BD Biosciences)を用いてタンパク質を検出した。細胞を洗浄し、3%パラホルムアルデヒドで固定した。イソタイプ対照は、マウスIgG1イソタイプ対照(BD Biosciences)、ラットIgG2bイソタイプ対照(1:320希釈;BD Biosciences)及び抗ビオチンIgGフラクション(1:1500希釈;Rockland)であった。
【0074】
タンパク質分泌研究
タンパク質分泌アッセイのため、選択したばかりのマウス肺及び血液線維芽細胞並びにヒト血液線維芽細胞を、96ウェル組織培養プレートに1×104生存細胞/ウェルで蒔いた。細胞を対照培地(DMEM中10%BSA)で5日間インキュベートし、24時間血清欠乏させ、IL−25単独若しくはTNF−α単独又はIL−25とTNF−αとの組み合わせの存在下で無血清DMEM中で24時間インキュベートした。マウス線維芽細胞に関してはマウスサイトカイン/ケモカインパネル−22 Plex(Millipore,Billerica,MA)を、又はヒト線維芽細胞に関してはヒトサイトカイン/ケモカインパネル−25 Plex(Millipore)を用いて、サイトカイン/ケモカイン濃度を調整培地中で測定し、Luminex Systemで分析した。データは、平均±SD(n=2)で表わされている。
【0075】
細胞増殖アッセイ
細胞増殖アッセイのため、選択したばかりのマウス肺線維芽細胞又はヒト血液線維芽細胞を、96ウェル組織培養プレートに0.5×104生存細胞/ウェルで蒔いた。細胞を対照培地(DMEM中10%BSA)で一晩インキュベートした。培地を除去し、無血清培地(DMEM中1%BSA及びITS)中IL−25単独若しくはPDGF−AB単独又はIL−25とPDGF−ABとの組み合わせと交換した。mAb 1923を0.62〜50μg/mLの濃度で用い、組換え成熟ヒトIL−25RFcキメラ(R&D systems)を1.1〜100μg/mLの濃度で用いた。線維芽細胞に加える前に、このIL−25RFc又はmAb 1923をIL−25と共に40分間インキュベートした。CellTiter−Glo(登録商標)(Promega,Madison WI)及びBrdU取り込みを用いて細胞増殖を測定した。データは、平均±SD(n=3)で表わされている。
【0076】
分化アッセイ
細胞分化アッセイのため、選択したばかりのマウス肺線維芽細胞又はヒト血液線維芽細胞を、不透明な96ウェル組織培養プレートに1.5×104生存細胞/ウェルで蒔いた。細胞を対照培地(DMEM中10%BSA)で一晩インキュベートした。培地を除去し、無血清培地(DMEM中1%BSA及びITS)中IL−25単独又はTGF−β単独と交換した。mAb 1923を0.62〜50μg/mLの濃度で用い、線維芽細胞に加える前にIL−25と共に40分間インキュベートした。細胞を37℃で96時間インキュベートし、100%メタノールの中に固定し、ブロックし、抗−α−平滑筋アクチン(1:400希釈;Sigma)と、その後に続くHRP−共役抗マウスIgG(1:2000希釈;Sigma)とで室温で60分間染色した。プレートリーダーを405nmの波長で用いてウェルの光学密度を分析した。データは、平均(men)±SD(n=3)で表わされている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線維芽細胞内のIL−25シグナル伝達を阻害することを含む、線維芽細胞内の望ましくない活性の抑制方法。
【請求項2】
前記望ましくない活性が、線維芽細胞増殖、線維芽細胞分化、又は前記線維芽細胞によるタンパク質分泌である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記IL−25シグナル伝達を阻害することが、前記線維芽細胞を、IL−25又はIL−25受容体に特異的に結合する薬剤と接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記薬剤が、
a.抗体、
b.抗体フラグメント、
c.ペプチド、
d.ポリペプチド、
e.オリゴヌクレオチド、
f.小分子、及び
g.これらの組み合わせ、
からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記薬剤が、
a.可溶性のIL−25受容体、
b.IL−25抗体、及び
c.アンタゴニストIL−25受容体抗体、
からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記IL−25受容体がIL17RBである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記線維芽細胞が、常在肺線維芽細胞又は循環線維芽細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
被験体に治療上有効な量のIL−25シグナル伝達阻害物質を投与することを含む、線維芽細胞内の望ましくない活性に関連する病状を有する前記被験体の該線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制する方法。
【請求項9】
前記阻害物質が、IL−25又はIL−25受容体に特異的に結合する薬剤である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記薬剤が、
a.抗体、
b.抗体フラグメント、
c.ペプチド、
d.ポリペプチド、
e.オリゴヌクレオチド、
f.小分子、及び
g.これらの組み合わせ、
からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記薬剤が、
a.可溶性のIL−25受容体、
b.IL−25抗体、及び
c.アンタゴニストIL−25受容体抗体、
からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記IL−25受容体がIL17RBである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記被験体がヒトである、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記線維芽細胞が、常在肺線維芽細胞又は循環線維芽細胞である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記線維芽細胞内の望ましくない活性を有する前記病状が線維症である、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記線維症が、器官特異性線維症又は全身性線維症である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記器官特異性線維症が、肺線維症、肝臓線維症、腎臓若しくは腎線維症、心臓線維症、膵臓線維症、血管線維症、皮膚線維症、眼線維症、又は骨髄線維症である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記肺線維症が、薬物誘発性肺線維症、特発性肺線維症、喘息、サルコイドーシス、突発性間質性肺炎、又は慢性閉塞性肺疾患に関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記肝臓線維症が、肝硬変、住血吸虫症又は胆管炎に関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記肝硬変が、肝炎後C型肝硬変、肝炎後B型肝硬変、アルコール、薬物若しくは化学的に誘発された肝硬変、又は原発性胆汁性肝硬変である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記胆管炎が硬化性胆管炎である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記腎臓線維症が、ループス糸球体硬化症、増殖性糸球体腎炎、硬化性糸球体腎炎、腎性線維性皮膚症、又は糖尿病性ネフロパシーに関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記心臓線維症が、心筋梗塞、冠動脈再狭窄、うっ血性心筋症、又は心不全に関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記膵臓線維症が、間質再モデル化、膵炎、又は間質線維症に関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記血管線維症が、血管形成術後動脈再狭窄、又はアテローム性動脈硬化症に関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記皮膚線維症が、火傷瘢痕化、ケロイド、強皮症、乾癬、又は腎性線維症皮膚症に関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記眼線維症が、後眼窩線維症、白内障後手術、増殖性硝子体網膜症、角膜線維症、手術に起因する角膜瘢痕、又は前嚢白内障に関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記骨髄線維症が、特発性骨髄線維症、又は薬物誘発性骨髄線維症に関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記全身性線維症が、全身性硬化症、腎性全身性線維症、又は移植片対宿主病である、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記望ましくない線維芽細胞活性を有する病状が癌である、請求項8に記載の方法。
【請求項31】
前記癌が、乳癌、皮膚癌、膵臓癌、又は子宮頸癌である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記線維芽細胞内に望ましくない活性を有する病状が、クローン病、慢性膀胱炎、自己免疫疾患、関節リウマチ、ライム病、手術後瘢痕、創傷治癒、又は放射線損傷である、請求項8に記載の方法。
【請求項33】
線維芽細胞内の望ましくない活性を抑制するIL−25シグナル伝達のモジュレーターの同定方法において、
a.線維芽細胞を提供することと、
b.試験モジュレーターを提供することと、
c.前記線維芽細胞と前記試験モジュレーターとを接触させることと、
d.前記試験モジュレーターがIL−25シグナル伝達に与える影響を判定することと、
e.前記試験モジュレーターが、前記線維芽細胞内の前記望ましくない活性に与える影響を判定することと、
f.
i.IL−25シグナル伝達を調節し、及び
ii.前記線維芽細胞内の前記望ましくない活性を調節する、前記モジュレーターを選択することと、
を含む、方法。
【請求項34】
a.IL−25シグナル伝達を阻害し、及び
b.前記線維芽細胞内の前記望ましくない活性を抑制する、前記モジュレーターを更に選択する、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公表番号】特表2012−507543(P2012−507543A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534709(P2011−534709)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/062355
【国際公開番号】WO2010/051307
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(509087759)ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド (77)
【Fターム(参考)】