説明

縮合複素環化合物及びMGLUR5モジュレーターとしてのその使用

本発明は、新規化合物、その製造方法、その治療における使用及び新規化合物を含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、治療におけるその使用及び前記の新規化合物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
グルタミン酸は、哺乳動物の中枢神経系(CNS)における主要な興奮性神経伝達物質である。グルタミン酸は、細胞表面の受容体に結合し、これによりそれを活性化することで中枢神経系のニューロンにおいてその効果を生じる。これらの受容体は、受容体タンパク質の構造的特徴、受容体が細胞にシグナルを伝達する手段、及び薬理学的プロファイルに基づいて、2つの主な種類、イオンチャネル型及び代謝調節型のグルタミン酸受容体に分けられている。
【0003】
代謝調節型グルタミン酸受容体(mGluR)は、グルタミン酸の結合後に種々の細胞内セカンドメッセンジャー系を活性化するGタンパク質共役受容体である。哺乳動物の無損傷のニューロンにおいてmGluRを活性化すると、以下の1つ又はそれ以上の応答が誘発される:ホスホリパーゼCの活性化;ホスホイノシチド(PI)の加水分解における増大;細胞内カルシウム放出;ホスホリパーゼDの活性化;アデニルシクラーゼの活性化又は阻害;環状アデノシン一リン酸(cAMP)の形成における増加又は減少;グアニリルシクラーゼの活性化;環状グアノシン一リン酸(cGMP)の形成における増加;ホスホリパーゼA2の活性化;アラキドン酸放出における増加;並びに電位及びリガンド依存性イオンチャネルの活性における増加又は減少。Schoepp et al., Trends Pharmacol. Sci. 14: 13 (1993), Schoepp, Neurochem. Int. 24: 439 (1994), Pin et al., Neuropharmacology 34:1 (1995), Bordi and Ugolini, Prog. Neurobiol. 59:55 (1999)。
【0004】
分子クローニングでは、mGluR1〜mGluR8と称する8つの明確なmGluRサブタイプが特定されている。Nakanishi, Neuron 13:1031 (1994), Pin et al., Neuropharmacology 34:1 (1995), Knopfel et al., J. Med. Chem. 38:1417 (1995)。さらなる受容体の多様性は、ある種のmGluRサブタイプの選択的スプライスド・フォーム(alternatively spliced forms)の発現を経て生じる。Pin et al., PNAS 89:10331 (1992), Minakami et al., BBRC 199:1136 (1994), Joly et al., J. Neurosci. 15:3970 (1995)。
【0005】
代謝調節型グルタミン酸受容体サブタイプは、アミノ酸配列相同性、受容体によって利用されるセカンドメッセンジャー系、及びその薬理学的特性に基づいて、3つのグループ、グループI、グループII及びグループIIIのmGluRにさらに分けることができる。グループIのmGluRには、mGluR1、mGluR5及びそれらの選択的スプライスド・バリアント(alternatively spliced variants)が含まれる。これらの受容体にアゴニストが結合すると、ホスホリパーゼCの活性化及びその後の細胞内カルシウムの動員を生じる。
【0006】
神経学的、精神医学的及び疼痛障害
グループI mGluRの生理学的役割を解明する試みは、この受容体の活性化がニューロンの興奮を誘発することを示唆している。種々の研究は、海馬、大脳皮質、小脳及び視床だけでなく他のCNS領域においても、グループI mGluRアゴニストがニューロンに適用されるとシナプス後興奮を生じうることを示している。この励起がシナプス後mGluRの直接活性化のためであることは、証拠により示されているが、また、シナプス前mGluRの活性化が生じて、神経伝達物質放出が高まることが示唆されている。Baskys, Trends Pharmacol. Sci. 15: 92 (1992), Schoepp, Neurochem. Int. 24: 439 (1994), Pin et al., Neuropharmacology 34:1(1995), Watkins et al., Trends Pharmacol.
Sci. 15: 33 (1994)。
【0007】
代謝調節型グルタミン酸受容体は、哺乳動物のCNSにおける多くの正常なプロセスに関与している。mGluRの活性化は、海馬長期増強の誘発及び小脳性の長期的なうつ病に必要であることが示されている。Bashir et al., Nature 363:347 (1993), Bortolotto
et al., Nature 368:740 (1994), Aiba et al., Cell 79:365 (1994), Aiba et al., Cell 79:377 (1994).また、侵害受容及び痛覚脱失におけるmGluR活性化の役割も示されているMeller et al., Neuroreport 4: 879 (1993), Bordi and Ugolini, Brain Res. 871: 223 (1999)。さらに、mGluR活性化は、シナプス伝達、ニューロンの発達、アポトーシスのニューロン死、シナプス可塑性、空間学習、嗅覚の記憶、心臓活動の中枢制御、覚醒、運動調節及び前庭眼球反射の制御を含む種々の他の正常なプロセスにおいて調節的な役割を果たすことが示唆されている。Nakanishi, Neuron 13: 1031 (1994), Pin et al., Neuropharmacology 34:1, Knopfel et al., J. Med. Chem. 38:1417 (1995)。
【0008】
さらに、グループI代謝調節型グルタミン酸受容体及び特にmGluR5は、種々の病態生理学的プロセス及びCNSに影響を及ぼす障害において役割を果たすことが示唆されている。これらには、脳卒中、頭部外傷、酸素欠乏性及び虚血性損傷、低血糖、てんかん、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、並びに疼痛が含まれる。Schoepp et al., Trends Pharmacol. Sci. 14: 13 (1993), Cunningham et al., Life Sci. 54: 135 (1994), Hollman et al., Ann. Rev. Neurosci. 17:31 (1994), Pin et al., Neuropharmacology 34:1 (1995), Knopfel et al., J. Med. Chem. 38:1417 (1995), Spooren et al., Trends Pharmacol. Sci. 22: 331 (2001), Gasparini et al. Curr. Opin. Pharmacol. 2:43 (2002), Neugebauer Pain 98:1 (2002).これらの状態の病理の多くは、過剰のグルタミン酸に誘発されたCNSニューロンの興奮のためであると考えられる。グループI mGluRは、シナプス後機構及び高められたシナプス前グルタミン酸放出を経て、グルタミン酸が介在するニューロンの興奮を高めると考えられるため、それらの活性化がおそらく病理の原因である。従って、グループI mGluR受容体の選択的アンタゴニストは、具体的には神経保護剤、鎮痛剤又は抗痙攣剤として治療上有益でありうる。
【0009】
一般に代謝調節型グルタミン酸受容体、そして特にグループIの神経生理学役割の解明における最近の進歩により、これらの受容体は、急性及び慢性の神経学的及び精神障害並びに慢性及び急性の疼痛障害の治療における将来有望な薬物ターゲットとして確立されている。
【0010】
胃腸障害
下部食道括約筋(LES)は、断続的に弛緩する傾向がある。その結果、このようなときに一時的に機械的関門(mechanical barrier)が失われて胃からの流動物が食道に移ることがあり、イベントを以下、「逆流」と称する。
【0011】
胃食道逆流性疾患(GERD)は、最も一般的な上部消化管疾患である。現在の薬物療法は、胃酸分泌を減少させる又は食道中の酸を中和することを目的としている。逆流の裏にある主な機構は、低緊張の下部食道括約筋によると考えられている。しかしながら、例えばHolloway & Dent (1990) Gastroenterol. Clin. N. Amer. 19, pp. 517-535は、ほとんどの逆流エピソードが、一過性下部食道括約筋弛緩(TLESR)、すなわち、嚥下によって誘発されるのではなく弛緩中に生じることを示している。また、GERDの患者では、胃酸分泌は、通常、正常であることがわかっている。
【0012】
本発明の新規化合物は、一過性下部食道括約筋弛緩(TLESR)の阻害、及び従って
胃食道逆流性障害(GERD)の治療に有用であると考えられる。
【0013】
ある種の化合物が、ヒトの心再分極において望ましくない効果を生じうることはよく知られており、これは心電図(ECG)においてQT間隔の延長として観察される。極端な状況では、この薬剤に誘発されたQT間隔の延長は、トルサード・ド・ポワント(TdP; Vandenberg et al. hERG K+ channels: friend and foe. Trends Pharmacol Sci 2001; 22: 240-246)と称する一種の心不整脈に至り、最終的に心室細動及び突然死に至ることがある。この症候群における第一次イベント(primary event)は、これらの化合物による遅延整流カリウム電流(IKr)の速い成分の阻害である。化合物は、ヒト・エーテル・ア・ゴー・ゴー・関連遺伝子(human ether-a-go-go-related gene)(hERG)をコードする、この電流サブユニットを担持するチャネルタンパク質の開口形成アルファサブユニット(aperture-forming alpha sub-units)に結合する。
【0014】
IKrは心臓の活動電位の再分極において重要な役割を果たすため、その阻害は、再分極を遅らせ、そしてこれはQT間隔の延長として現れる。QT間隔の延長は、それ自体で安全性に対する懸念とはならないが、心血管副作用の危険性を有し、そして少ないパーセンテージの人々においてTdP及び変性から心室細動に至ることがある。
一般に、本発明の化合物は、hERGをコードするカリウムチャネルに対して低い活性を有する。これに関して、hERGに対する低いインビトロ活性は、低いインビボ活性を示す。
【0015】
また、薬物の有効性を高めるには薬物が良好な代謝安定性を有することが望ましい。ヒトミクロソームの代謝に対するインビトロ安定性は、代謝に対するインビボ安定性を示す。
【0016】
mGluRサブタイプ、特にグループI受容体サブタイプ、最も具体的にはmGluR5について選択性を示す、新しい強力なmGluRアゴニスト及びアンタゴニストは、それらの生理学的及び病態生理学的に重要であるため、必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、代謝調節型グルタミン酸受容体(mGluR)、特にmGluR5受容体で活性を示す化合物を提供することである。特に、本発明の化合物は、主に末梢に作用し、すなわち、血液脳関門を通過する限られた能力を有する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、式Iの化合物:
【化1】

(式中、
1は、メチル、ハロゲン又はシアノであり;
2は、水素又はフルオロであり;
3は、水素、フルオロ又はC1−C3アルキルであり;
4は、水素又はC1−C3アルキルであり;
Xは、
【化2】

であり;
そしてZは、
【化3】

であり;
5は、水素、C1−C3アルキル、C1−C3ハロアルキル、C1−C3アルコキシ;又はC1−C3ハロアルコキシであり;
6は、水素、C1−C3アルキル、C1−C3ハロアルキル、又はC1−C3ハロアルコキシであり;
7は、水素、フルオロ又はC1−C3アルキルである)
並びにその医薬上許容しうる塩、水和物、アイソフォーム、互変異性体及び/又は鏡像異性体に関する。
【0019】
一実施態様においてR1は、ハロゲン又はシアノである。
さらなる実施態様において、R1は、クロロである。さらなる実施態様において、R1は、シアノである。
さらなる実施態様において、R2は、水素である。
さらなる実施態様において、R3は、水素又はフルオロである。
さらなる実施態様において、R4は、水素又はメチルである。
【0020】
さらなる実施態様において、R5は、水素、C1−C2アルキル又はC1−C2アルコキシである。
さらなる実施態様において、R6は、水素、C1−C2アルキル又はC1−C2アルコキシである。
さらなる実施態様において、R7は、C1−C2アルキル又はC1−C2アルコキシである。
【0021】
別の実施態様は、活性成分として治療上有効量の式Iの化合物を1つ又はそれ以上の医薬上許容しうる賦形剤、添加剤及び/又は不活性担体と共に含む医薬組成物である。
【0022】
以下、更に詳細に記載された別の実施態様は、治療において、mGluR5が介在する障害の治療において、mGluR5が介在する障害を治療する薬剤の製造において使用するための式Iの化合物に関する。
【0023】
さらに他の実施態様は、治療上有効量の式Iの化合物を哺乳動物に投与することを含む、mGluR5が介在する障害の治療方法に関する。
【0024】
別の実施態様において、前記受容体を含む細胞を有効量の式Iの化合物で治療すること
を含む、mGluR5受容体の活性化を阻害する方法が提供される。
【0025】
本発明の化合物は、治療、特に神経学的、精神医学的、疼痛及び胃腸障害の治療に有用である。
また、本発明のある種の化合物は、非溶媒和形態と同様に溶媒和形態、例えば水和形態で存在することができることは、当業者に理解される。本発明は、式Iの化合物の全てのこのような溶媒和形態を包含することが更に理解される。
【0026】
また、式Iの化合物の塩は、本発明の範囲内にある。一般に、本発明の化合物の医薬上許容しうる塩は、当分野でよく知られている標準方法を使用して、例えば、十分に塩基性の化合物、例えばアルキルアミンを適切な酸、例えばHCl、酢酸又はメタンスルホン酸と反応させて生理学上許容しうるアニオンとの塩を生じることによって得られる。また、カルボン酸又はフェノールのような適切な酸性プロトンを有する本発明の化合物を、水性媒体中で1当量のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属水酸化物若しくはアルコキシド(例えばエトキシド又はメトキシド)、又は適切に塩基性の有機アミン(例えばコリン又はメグルミン)で処理し、続いて慣用の精製技術によって対応するアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム又はリチウム)又はアルカリ土類金属(例えばカルシウム)塩を製造することもできる。さらに、第四級アンモニウム塩は、アルキル化剤を、例えば中性アミンに添加することによって製造することができる。
【0027】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、その医薬上許容しうる塩又は溶媒和物、特に酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩又はp−-トルエンスルホン酸塩に変換することができる。
【0028】
式Iの定義に使用される一般的な用語は、以下の意味を有する:
本明細書に使用されるハロゲンは、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素から選ばれる。
1−C3アルキルは、1〜3個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピルである。
1−C3アルコキシは、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ又はn−プロポキシである。
1−C3ハロアルコキシは、少なくとも1個の炭素原子がハロゲン原子によって置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ又はn−プロポキシである。
【0029】
全ての化学名は、ISIS drawを通してアクセスしたAutoNomとして知られているソフトウェアを使用して作成した。
上の式Iにおいて、Xは、2つの可能な配向性のいずれかで存在することができる。
【0030】
医薬組成物
本発明の化合物は、式Iの化合物、又はその医薬上許容しうる塩若しくは溶媒和物を医薬上許容しうる担体又は添加剤と共に含む慣用の医薬組成物に処方することができる。医薬上許容しうる担体は、固体又は液体のいずれかであることができる。固形製剤には、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤及び坐剤が含まれるが、これらに制限されるわけではない。
【0031】
固形担体は、賦形剤、着香剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤又は錠剤崩壊剤としても作用しうる1つ又はそれ以上の物質であることができる。固形担体は、封入材料であることもできる。
散剤では、担体は微粉砕された固形物であり、これは微粉砕された本発明の化合物又は
活性成分との混合物中にある。錠剤では、活性成分を、適切な比率で必要な結合性を有する担体と混合し、そして所望の形状及びサイズに成形する。
【0032】
坐剤組成物を製造するには、低融点ワックス、例えば脂肪酸グリセリドとカカオ脂との混合物を最初に融解し、そして例えば撹拌によって活性成分をその中に分散させる。次いで、溶融した均一な混合物を、都合のよいサイズの金型に注ぎ、そして冷却して凝固させる。
【0033】
適切な担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、砂糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂、などが含まれるが、これらに制限されるわけではない。
【0034】
また、組成物なる用語は、カプセルを供給する担体として封入材料を用いた活性成分の製剤を含むことを意図し、その中で、活性成分は、(他の担体と共に又はなしで)担体によって囲まれており、そのため担体は活性成分と会合している。同様に、カシェ剤が含まれる。
【0035】
錠剤、散剤、カシェ剤及びカプセル剤は、経口投与に適した固形剤形として使用することができる。
【0036】
液状組成物には、液剤、懸濁剤及び乳剤が含まれる。例えば活性化合物の滅菌水又は水プロピレングリコール溶液は、非経口投与に適した液体製剤であることができる。液体組成物は、ポリエチレングリコール水溶液中に溶液で処方することもできる。
【0037】
経口投与のための水性液剤は、水中に活性成分を溶解し、そして所望により、適切な着色剤、着香剤、安定剤及び増粘剤を加えることによって製造することができる。経口使用のための水性懸濁剤は、微粉砕された活性成分を粘稠材料、例えば天然合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、及び医薬製剤分野で知られている他の懸濁化剤と共に水中で分散することによって製造することができる。経口使用を意図する典型的な組成物は、1つ又はそれ以上の着色剤、甘味剤、着香剤及び/又は保存剤を含むことができる。
【0038】
投薬様式に応じて、医薬組成物は、本発明の化合物約0.05%w(質量%)〜約99%wを含む、又は約0.10%w〜50%wを含み、全ての質量パーセントは、組成物の全質量に基づく。
本発明を実施するための治療上有効量は、個々の患者の年齢、体重及び反応を含む、知られている基準を使用して当業者が決定することができ、そして治療又は予防する疾患の枠の中で解釈される。
【0039】
医学的な使用
本発明の化合物は、mGluR5の興奮性活性化と関連する状態の治療及びmGluR5の興奮性活性化によって生じるニューロン損傷を阻害するのに有用である。化合物は、ヒトを含む哺乳動物においてmGluR5の阻害作用をもたらすために使用することができる。
【0040】
mGluR5を含むグループIのmGluR受容体は、中枢神経系及び末梢神経系並びに他の組織において高度に発現される。従って、本発明の化合物は、mGluR5が介在する障害、例えば急性及び慢性の神経学的及び精神医学的障害、胃腸障害並びに慢性及び急性の疼痛障害の治療に十分に適していることが期待される。
【0041】
本発明は、治療に使用するための上に定義された式Iの化合物に関する。
本発明は、mGluR5が介在する障害の治療に使用するための上に定義された式Iの化合物に関する。
本発明は、アルツハイマー病老年認知症、AIDS−誘発性認知症、パーキンソン病、筋萎縮側索硬化症、ハンチントン舞踏病、片頭痛、てんかん、統合失調症、うつ病、不安、急性不安、眼科的障害、例えば網膜症、糖尿病性網膜症、緑内障、神経性聴覚障害(auditory neuropathic disorders)、例えば耳鳴、化学療法誘発性神経障害、ヘルペス後神経痛及び三叉神経痛、耐性、依存性、脆弱X、自閉症、精神遅滞、統合失調症及びダウン症候群の治療に使用するための上に定義された式Iの化合物に関する。
【0042】
本発明は、片頭痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛障害、例えば糖尿病性神経障害、関節炎及びリウマチ様疾患、腰痛、術後痛並びに癌、アンギナ、腎又は胆石仙痛、月経、片頭痛及び痛風を含む種々の状態に関連する疼痛の治療に使用するための上に定義された式Iの化合物に関する。
本発明は、脳卒中、頭部外傷、酸素欠乏性及び虚血性損傷、低血糖、心臓血管疾患並びにてんかんの治療に使用するための上に定義された式Iの化合物に関する。
【0043】
また、本発明は、mGluRグループI受容体が介在する障害及び上記のいずれかの障害を治療する薬剤の製造における上に定義された式Iの化合物の使用に関する。
【0044】
本発明の一実施態様は、胃腸障害の治療における式Iの化合物の使用に関する。
本発明の別の実施態様は、一過性下部食道括約筋弛緩の阻害、GERDの治療、胃食道逆流の予防、吐出の治療、喘息の治療、喉頭炎の治療、肺疾患の治療、成長障害の管理、過敏性腸疾患(IBS)の治療及び機能性消化不良(FD)を治療する薬剤を製造するための式Iの化合物の使用に関する。
【0045】
本発明の別の実施態様は、過活動膀胱又は尿失禁を治療するための式Iの化合物の使用に関する。
【0046】
用語「TLESR」、一過性下部食道括約筋弛緩は、本明細書において、Mittal, R.K., Holloway, R.H., Penagini, R., Blackshaw, L.A., Dent, J., 1995; Transient lower esophageal sphincter relaxation. Gastroenterology 109, pp. 601-610に従って定義される。
用語「逆流」は、本明細書において、胃からの流動物が食道に入ることができるものとして定義され、このようなときに機械的関門が一時的に失われている。
【0047】
用語「GERD」、胃食道逆流性疾患は、本明細書においてvan Heerwarden, M.A., Smout A.J.P.M., 2000; Diagnosis of reflux disease. Bailliere's Clin. Gastroenterol. 14, pp. 759-774に従って定義される。
【0048】
上の式Iの化合物は、肥満又は過体重(例えば体重減少の促進及び体重減少の維持)、体重増加の予防又は逆転(例えば、リバウンド、投薬によって誘発された又は禁煙後の)、食欲及び/又は満腹の調整のため、摂食障害(例えば過食症、食欲不振、過食症及び強迫)及び渇望(薬物、タバコ、アルコール、すべての食欲をそそる主要栄養素又は非必須の食料品)の治療又は予防に有用である。
【0049】
また、本発明は、上に定義された式Iの化合物の有効量を患者に投与することを含む、mGluR5が介在する障害及び上記のいずれかの障害にかかっている又は危険にさらされている患者における、mGluR5が介在する障害及び上記のいずれかの障害の治療方
法を提供する。
特定の障害の治療的な又は予防的な治療に必要な用量は、治療されるホスト、投与経路及び治療する疾病のひどさに応じて必然的に変化する。
【0050】
本明細書に関して、用語「治療(therapy)」及び「治療(treatment)」は、特に逆の表示がなければ、予防(prevention)又は予防(prophylaxis)を含む。従って、用語「治療的な(therapieutic)」及び「治療的に(therapeutically)」は、それに応じて解釈すべきである。
本明細書において、特に明記しない限り、用語「アンタゴニスト」及び「阻害剤」は、いずれかの手段によって、リガンドによる応答を生じる伝達経路を部分的に又は完全に阻止する化合物を意味するものとする。
【0051】
用語「障害」は、特に明記しない限り、代謝調節型グルタミン酸受容体活性に関連するすべての状態及び疾患を意味する。
【0052】
本発明の一実施態様は、式Iの化合物及び酸分泌阻害剤の組み合わせである。本発明の「組み合わせ」は、「固定の組み合わせ(fix combination)」又は「パーツの組み合わせキット(kit of parts combination)」として存在することができる。「固定の組み合わせ」は、(i)少なくとも1つの酸分泌阻害剤;及び(ii)少なくとも1つの式Iの化合物が1つの単位中に存在する組み合わせとして定義される。「パーツの組み合わせキット」は、(i)少なくとも1つの酸分泌阻害剤;及び(ii)少なくとも1つの式Iの化合物が複数の単位中に存在する組み合わせとして定義される。「パーツの組み合わせキット」の成分は、同時に、順次に、又は別々に投与することができる。本発明に従って使用される酸分泌阻害剤対式Iの化合物のモル比は、1:100から100:1まで、例えば1:50から50:1まで又は1:20から20:1まで、又は1:10から10:1までの範囲内にある。2つの薬物は、同じ比率で別々に投与することができる。酸分泌阻害剤の例は、H2遮断剤、例えばシメチジン、ラニチジン;の他にプロトンポンプ阻害剤、例えばピリジニルメチルスルフィニルベンゾイミダゾール、例えばオメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール又は関連物質、例えばレミノプラゾールである。
【0053】
非医学的な使用
式Iの化合物と同様にこのような化合物の塩及び水和物は、治療医薬品におけるそれらの使用に加えて、新しい治療剤の調査の一部として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスのような実験動物においてmGluRに関連する活性の阻害剤の効果を評価するためのインビトロ及びインビボ試験系の開発及び標準化における薬理学的手段として有用である。
【0054】
製造方法
本発明の別の態様は、式Iの化合物又はその塩若しくは水和物の製造方法を提供する。
このような方法の以下の説明を通して、必要に応じて、有機合成分野の当業者によって容易に理解されるやり方で、種々の反応体及び中間体に適切な保護基が加えられ、続いてそこから除去されることを理解すべきである。このような保護基を使用するための慣用の手法及び適切な保護基の例は、例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”, T.W. Green, P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience, New York, (1999)に記載されている。このような方法の以下の説明を通して、クロスカップリングは、有機合成の当業者によって容易に理解されるやり方で実施できることを理解すべきである。クロスカップリングの慣用の方法は、例えば“Organometallics in Synthesis”, M. Schlosser (Ed.), John Wiley and Sons (2001)に記載されている。
【0055】
略語
atm 気圧
aq. 水性
BINAP 2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル
Boc tert-ブトキシカルボニル
CDI N,N'−カルボニルジイミダゾール
DCC N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DBU ジアザ(1,3)ビシクロ[5.4.0]ウンデカン
DEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DIBAL−H ジイソブチルアルミニウムヒドリド
DIC N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPF ジフェニルホスフィノフェロセン
EA 酢酸エチル
EDCI N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
Et2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
EtI ヨードエタン
エチル エチル
Fmoc 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
h 時間
HetAr ヘテロアリール
HOBt N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチ
ルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HPLC 高速液体クロマトグラフィ
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LCMS HPLC質量スペクトル
MCPBA m−クロロ安息香酸
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
MeI ヨードメタン
MeMgCl メチルマグネシウムクロリド
Me メチル
n-BuLi 1−ブチルリチウム
NaOAc 酢酸ナトリウム
NMR 核磁気共鳴
NMP N−メチルピロリジノン
nBuLi 1−ブチルリチウム
o.n. 一夜
RT、rt、r.t. 室温
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
nBu 直鎖ブチル
OM メシレート又はメタンスルホナートエステル
OT トシレート、トルエンスルホナート又は4−メチルベンゼンスルホナートエステル
PCC クロロクロム酸ピリジニウム
PPTS ピリジニウムp−トルエンスルホナート
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
pTsOH p−トルエンスルホン酸
SPE 固相抽出(通常、ミニクロマトグラフィのためのシリカゲルを含む)
sat. 飽和
【0056】
式Iの化合物のイソオキサゾール前駆体の形成
【化4】

【0057】
式Iの化合物は、トルエンのような溶媒中、適切な温度(0℃〜100℃)で適切な塩基、例えば炭酸水素ナトリウム又はトリエチルアミンを用いて塩基性条件下で式II及びIIIの化合物間で1,3−双極子環付加することによって製造することができる。タイプIIの化合物の合成は、文献、例えばKim, Jae Nyoung; Ryu, Eung K; J. Org. Chem. (1992), 57, 6649-50中に以前に記載されている。また、タイプIIIのアセチレンを用いた1,3−双極子環付加は、タイプIVの置換されたニトロメタンを用いて高められた温度(50〜100℃)でトリエチルアミンのような塩基の存在下、PhNCOのような求電子試薬による活性化を経て実施することができる。Li, C-S.; Lacasse, E.; Tetrahedron Lett. (2002) 43; 3565 - 3568.タイプIIIのいくつかの化合物は、商業的に入手可能であるか、又は当業者に知られたような標準的な方法によって合成することができる。
【0058】
別法として、水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブトキシドのような塩基を使用する塩基性条件を用いてメチルケトンVI及びエステルのクライゼン縮合から入手可能な式Iの化合物(Xは、イソオキサゾールである)は、上昇した温度(60〜120℃)で、例えば塩酸塩の形態でヒドロキシルアミンを用いて、縮合及びその後の環化を経て式VIIIの化合物を得ることができる。
【化5】

【0059】
両方の方法について、その後の官能基変換が必要でありうることは理解される。エステル基の場合、これらの変換には、以下の3つの手法のいずれかが含まれうるが、制限されるわけではない:a)THFのような溶媒中でLAHのような適切な還元剤を用いて完全に還元する。b)DIBALのような適切な選択的還元剤を用いて部分還元した後、アルキル金属試薬を添加する。c)トルエン又はTHFのような溶媒中でアルキルマグネシウムハライドのようなアルキル金属試薬を添加した後、例えばメタノール中の水素化ホウ素ナトリウムで還元する。
【0060】
製造を以下に示す非制限的な合成経路による化合物及び対応する中間体は、式Iの化合物のさらなる製造に有用であるか、又は同様でありうる。他の出発物質は、商業的に入手可能であるか、又は文献に記載された方法により製造することができる。
【0061】
アミノ[1,2,4]トリアゾール中間体の製造
【化6】

【0062】
スキーム3に関して、アミノ[1,2,4]トリアゾールXIIIは、適切な溶媒、例えばTHF、ピリジン又はDMF中、−20〜100℃で、カルボノヒドラゾン酸ジアミドXIを、脱離基(LG)を担持する適当なアシル化剤で処理することによって得られる。反応により、まず開いた中間体XIIとなり、これは自発的にトリアゾール環を形成するか、又は例えばピリジン又はDMF中、50〜200℃で加熱することによってそのように実施する
ことができる。脱離基(LG)は、例えば対応する酸(LGは、OHである)を、ここで下に記載したような標準活性化試薬によりその場で処理することによって生成された、クロロ又は他のいずれかの適切な脱離基であることができる。カルボノヒドラゾン酸ジアミドXIは、イソチオ尿素IXから生成することができ、その際、S−アルキル(例えばスキーム4に示したS−Me)部分は、ピリジン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、THF、DMSOなどのような溶媒中、−20〜180℃で、ヒドラジンで処理すると脱離基として作用する。また、開いた中間体XIIは、ヒドラジンとの反応について記載された同じ条件下でイソチオ尿素をアシルヒドラジンで処理することによって直接生成することができる。イソチオ尿素は、アセトン、EtOH、THF、DCMなど中、−100〜100℃で、例えばMeI又はEtIを用いて対応するチオ尿素をS−アルキル化することによって得られる。
【0063】
式VIIIの化合物の官能基変換
【化7】

【0064】
スキーム4に関して、アルコールXVIは、例えば標準的な方法によって、例えばトリフェニルホスフィンをヨウ素、N−ブロモスクシンイミド若しくはN−クロロスクシンイミドのいずれかと組み合わせて使用することによって、又は別法としてトリブロモホスフィン若しくは塩化チオニルで処理することによって、対応するハライドXVII(例えばLG=Cl、Brなど)に転換することができる。同じようにアルコールXVIは、非求核性塩基の存在下でアルコールと共に適当なスルホニルハライド又はスルホニル無水物を使用して対応するスルホネートを得ることによって他の脱離基、例えばメシレート又はトシレートに変換することができる。クロリド又はスルホネートは、臭化物塩、例えばLiBr又はヨウ化物塩で処理することによって対応する臭化物又はヨウ化物に転換することができる。アルコールXVIを得るためのさらなる標準的方法には、一般的な還元剤、ボラン、リチウムボロヒドリド、リチウムアルミニウムヒドリド、又は例えばルテニウム若しくはイリジウムのような遷移金属触媒、若しくは別法として活性炭上のパラジウムの存在下での水素を用いて、XIV及びXV中のような対応するカルボニルを含む基(例えばメチル又はエチルエステル、アルデヒド(R4はHである)又はケトン(R4はHではない)を還元することが含まれる。
【0065】
式Iの化合物の一般的な合成
続いて記載する最終化合物の非限定的な製造方法を、図面によって説明及び例示し、その際、中間体の一般的な基又は他の構成要素は、式Iのものに対応する。式Iのものとは
別のいずれかの一般的な基又は構成要素を含む中間体を例示された反応に用いることができることは理解すべきであるが、但し、この基又は要素は反応を妨げず、そしてそれは、当業者に知られている後の段階で式Iの対応する基又は要素に化学的に転換することができる。
【0066】
求核性トリアゾール窒素への結合による
【化8】

【0067】
スキーム5に関して、式Iの化合物は、脱離基(LG)の求核置換による結合形成によって製造することができ、その際、トリアゾール環外NH部分は、求核試薬として作用する。トリアゾールのそのアニオン形態の窒素原子は、対応するプロトン化された中性原子を−100〜150℃の温度で、適切な溶媒中の塩基、例えばTHF、ジエチルエーテル若しくはトルエン中のLDA若しくはnBuLi、又は例えばDMF中のNaH若しくはNaOtBu、又はアセトニトリル若しくはケトン、例えば2−ブタノン中のK2CO3で処理することによって生成される。LGは、好ましくはクロロ、ブロモ、OM及びOTである。また、求核反応は、脱離基LGが立体中心に結合した鏡像体的に純粋な又は富んだ出発物質を使用することによって立体選択的なやり方で行うことができる。場合により、触媒量又は化学量論量のアルカリ金属ヨウ化物、例えばLiIは、反応中に存在してその場で脱離基をヨードに置き換えることで反応を促進することができる。
ここで、本発明の実施態様を、以下の非限定的な実施例によって説明する。
【0068】
一般的な方法
全ての出発物質は、商業的に入手可能であるか又は以前に文献に記載されている。1H及び13CNMRスペクトルは、対照基準としてTMS又は残留溶媒シグナルを用いて300MHzでBruker 300、400MHzでBruker, DPX400又は100MHzでVarian +400分光計のうちの1つで記録した。NMR測定は、デルタスケール(δ)上で行った。質量スペクトルは、QTOF Global Micromass又はAlliance 2795(LC)及びZQ一体型四重極質量分析器からなるWaters LCMSで記録した。質量分析器は、陽又は陰イオンモード運転するエレクトロスプレーイオン源を備えていた。イオンスプレー電圧は、±3kVであり、そして質量分析器は走査時間0.8秒で、m/z100 −700で走査した。カラム:X-Terra MS, Waters、C8、2.1×50mm、3.5μm、そしてカラム温度は40℃に設定した。直線勾配を適用し、流速0.3mL/分、4分で0%〜100%アセトニトリルで運転した。移動相:アセトニトリル/MilliQ Water中5%アセトニトリル中10mM酢酸アンモニウム。分取クロマトグラフィは、ダイオードアレー検出器付きのGilson自動分取HPLCで運転した。カラム:XTerra MS C8、19×300mm、7μm。一般に、アセトニトリル/MilliQ Water中5%のアセトニトリル中0.1M酢酸アンモニウムの勾配を、13分で20%〜60%アセトニトリルで運転した。流速:20mL/分。MS-triggered prep-LCは、ダイオードアレー検出器及びZQ質量検出器を有するWaters自動精製LC―MS系であった。カラム:XTerra MS C8、19×100mm、5μm。アセトニトリル/MilliQ Water中5%アセトニトリル中0.1M酢酸アンモニウムの勾配を、10分で0%〜100%アセトニトリルで運転した。流速:20mL/分。いくつかの場合、クロマトロンによる精製は、TC Research 7924Tクロマトロンを用いて、2mmのコーティング層を有する回転しているシリカゲル/セッコウ(Merck、硫酸カルシウム入り60 PF-254)コーティングガラス板上で実施した。別法として、Chem Elut Extraction Column (Varian, cat #1219-8002)及びMega BE-SI (Bond Elut Silica) SPE Columns (Varian, cat # 12256018; 12256026; 12256034)を生成物の精製の際に用いた。マイクロ波加熱は、2450MHzで連続放射線照射をもたらすSmith Synthesizerシングルモードのマイクロ波空洞中で実施した(Personal Chemistry AB, Uppsala, Sweden)。
【実施例】
【0069】
ここで、本発明を以下の非限定的な実施例によって説明する。
実施例1:4−(3−クロロ−フェニル)−2,4−ジオキソ−酪酸エチルエステル
【化9】

水素化ナトリウム(60%油分散液,1.24g,31.1mmol)を、0℃でDMF(32mL)中の3−クロロアセトフェノン(4.0g,25.9mmol)及びシュウ酸ジエチル(4.54g,31.1mmol)の溶液に少しずつ加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、それから80℃で半時間加熱した。さました後、混合物を3M HClで処理し、それから酢酸エチルで希釈した。有機層を水及び飽和ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。次いで、生成した残留物を、ヘキサン中0〜10%酢酸エチルを用いるシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して表題化合物を得た(4.43g,67%,黄色固形物)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ15.12 (br s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.88 (d, 1H), 7.58 (d,
1H), 7.47 (t, 1H), 7.05 (s, 1H), 4.39 (m, 2H), 1.41 (m, 3H).
【0070】
実施例2:5−(3−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル及び5−(3−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸メチルエステル
【化10】

メタノール(60mL)中の実施例1の表題化合物(3.00g,11.8mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(2.46g,35.4mmol)の溶液を80℃で4時間加熱した。冷却後、混合物を濾過し、そして冷メタノールで洗浄して白色固形物として表題化合物(収率71%)2.0gを得た。メチル及びエチルエステル(主にメチル)の両方の混合物。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ7.82 (s, 1H), 7.72 (m, 1H), 7.47 (m, 2H), 4.03 (s, 3H).
【0071】
実施例3:[5−(3−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−3−イル]−メタノール
【化11】

水素化アルミニウムリチウム(320mg,8.4mmol)を室温でTHF(100mL)中の実施例2の表題化合物(2.0g,8.4mmol)の溶液にゆっくりと加えた。1時間後、反応混合物を水でクエンチし、それから酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。次いで生成した残留物を、ヘキサン中15〜40%酢酸エチルを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して黄色固形物として表題化合物(収率75%)1.32gを得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ7.78 (s, 1H), 7.68 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 6.63 (s, 1H), 4.84 (d, 2H), 2.23 (t, 1H).
【0072】
実施例4:メタンスルホン酸5−(3−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−3−イルメチルエステル
【化12】

トリエチルアミン(965mg,9.5mmol)及びメタンスルホニルクロリド(820mg,7.2mmol)を、0℃でジクロロメタン(50mL)中の実施例3の表題化合物(1.0g,4.8mmol)の溶液に加えた。1時間後、反応混合物を、冷飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、それから有機層を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。薄茶色の固形物として表題化合物1.4g(収率100%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ7.80 (s, 1H), 7.70 (m, 1H), 7.45 (m, 2H), 6.73 (s, 1H), 5.37 (s, 2H), 3.16 (s, 3H).
【0073】
実施例5:1−[5−(3−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−3−イル]−エタノン
【化13】

メチルヨウ化マグネシウム(ジエチルエーテル中3M)(0.79mL,2.38mmol)、トルエン(1mL)、テトラヒドロフラン(0.39mL,4.77mmol)及びトリエチルアミン(1mL,7.15mmol)。溶液を0℃まで冷却し、そしてそれにトルエン(5mL)中の実施例2の表題化合物(300mg,1.19mmol)の溶液を加えた。生成した混合物を0℃で5時間撹拌したままにした。反応混合物を、1M塩酸(水性,6.5mL,6.5mmol)でクエンチし、トルエン(35mL)で希釈し、水(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(水性,30mL)、水(50mL)及びブライン(30mL)で、順に洗浄した。有機相を真空で濃縮した。単離した残留物をメ
タノール(8mL)及び20%水酸化カリウム(水性,1mL)に溶解した。混合物を30分間45℃で撹拌した。ここで、混合物を真空下で濃縮した。単離した残留物をトルエン(60mL)に溶解し、水(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(水性,50mL)及び水(50mL)で順に洗浄した。有機相を真空中で濃縮し、粗残留物を、ヘキサン中2%酢酸エチルを用いてシリカゲル上で精製して白色固形物として表題化合物を単離した(156mg,収率60%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ7.77 (m, 1H), 7.66 (m, 1H), 7.42 (m, 2H), 6.90 (s, 1H), 2.69 (s, 3H).
【0074】
実施例6:メタンスルホン酸1−[5−(3−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−3−イル]−エチルエステル
【化14】

工程A,1−[5−(3−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−3−イル]−エタノール
撹拌棒を備えたねじ蓋バイアル中に、実施例5の表題化合物(100mg,0.45mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(34mg,0.90mmol)及びメタノール(3mL)を加えた。生成した混合物を室温で3時間撹拌したままにした。反応を水(30mL)及びブライン(30mL)でクエンチし、ジクロロメタン(30mL3回)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、そして真空で濃縮して白色固形物として副題化合物を単離した(110mg)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ7.69 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.37 (m, 2H), 6.59 (s, 1H), 5.07 (q, 1H), 3.45 (bs, 1H), 1.58 (d, 3H).
【0075】
工程B
撹拌棒を備えたねじ蓋バイアル中に、工程6Aの副題化合物(110mg,0.49mmol)、ジクロロメタン(3mL)及びトリエチルアミン(0.34mL,2.46mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、そしてそれにメタンスルホニルクロリド(0.080mL,0.98mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分撹拌したままにした。反応を飽和炭酸水素ナトリウム(水性,40mL)でクエンチし、そしてジクロロメタン(30mL3回)で抽出した。合わせた有機相をブライン(40mL)で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、そして真空で濃縮して褐色の油として副題化合物を単離し、それを次の工程に直接用いた。
【0076】
実施例7:3−[3−(1−ヒドロキシエチル)イソオキサゾール−5−イル]ベンゾニトリル
【化15】

【0077】
工程A:4−(3−ヨード−フェニル)−2,4−ジオキソ−酪酸メチルエステル
【化16】

水素化ナトリウム(60%油分散液,4.9g,123mmol)を0℃のDMF(125mL)中3−ヨードアセトフェノン(25.18g,102.3mmol)及びシュウ酸ジメチル(14.5g,123mmol)の溶液に少しずつ加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、それから115℃で1時間加熱した。冷却後、混合物を3M HClで処理し、それから酢酸エチルで希釈した。有機層を水及び飽和ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲル上のクロマトグラフィ、ヘキサン中0〜10%酢酸エチルにより黄色固形物として副題化合物(収率71.3%)24.2gを得、それを次の工程に直接用いた。
【0078】
工程B:5−(3−ヨード−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸メチルエステル
【化17】

メタノール(450mL)中の工程7Aの副題化合物(33.9g,102mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(21.3g,306mmol)の溶液を還流で4時間加熱した。さました後、混合物を濾過し、そして冷メタノールで洗浄して副題化合物(24.1g,72%,褐色の固形物)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ8.18 (m, 1H), 7.82 (t, 2H), 7.26 (t, 1H), 6.97 (s, 1H), 4.03 (s, 3H).
【0079】
工程C:[5−(3−ヨードフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メタノール
【化18】

DIBAL(55.8mL,トルエン中1.5M,83.7mmol)を−78℃でトルエン(60mL)及びTHF(60mL)中の工程7Bの副題化合物(12g,36.5mmol)に、ゆっくりと加えた。生成した混合物を−78℃で一夜撹拌し、次いで室温にゆっくりと暖まるのにまかせた。反応を、氷及び飽和塩化アンモニウム(水性)の混合物でクエンチした。生成物を酢酸エチルで抽出し、そして有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で濃縮して表題化合物(オフホワイト固形物,10.5g,95.6%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ8.12 (m, 1H), 7.76 (ddm, 2H), 7.21 (t, 1H), 6.62 (s, 1H), 4.83 (s, 2H), 2.45 (br s, 1H).
【0080】
工程D:5−(3−ヨードフェニル)イソオキサゾール−3−カルバルデヒド
【化19】

ジクロロメタン(150mL)中の工程7Cの粗反応混合物(8.5g,28.2mmol)及びPCC(9.13g,42.3mmol)を室温で一夜撹拌した。混合物をヘキサン中15%酢酸エチルで希釈し、そしてヘキサン中さらに15%酢酸エチルで溶出してシリカゲルの短いプラグを通過させた。溶出液を真空で濃縮し、淡黄色の固形物7.0g(収率83%)として副題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ10.21 (s, 1H), 8.19 (m, 1H), 7.83 (ddm, 2H), 7.27 (m, 1H), 6.93 (s, 1H).
【0081】
工程E:1−[5−(3−ヨード−フェニル)−イソオキサゾール−3−イル]−エタノール
【化20】

ヨウ化メチルマグネシウム(33mL,ジエチルエーテル中3M,99mmol)をTHF(100mL)中の工程7Dの副題化合物(7.5g,25mmol)の冷(0℃)溶液に加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、そして飽和塩化アンモニウムでクエンチした。生成物を酢酸エチルで抽出し、そして有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム及びシリカゲルの混合物で乾燥した。濾液を真空下で濃縮し、そしてクロマトグラフィ(シリカ,ヘキサン中15〜50%酢酸エチル)により淡黄色の油、6.5gとして粗ヨード−イソオキサゾール−アルコールを得たところ、〜33%1−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)エタノールが混入していた。
【0082】
工程F:3−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−5−(3−ヨード−フェニル)−イソオキサゾール
【化21】

tert−ブチルジメチルクロロシラン(2.5g,2.3mmol)をジクロロメタン(60mL)中の工程7Eの粗物質(4.9g,15.5mmol)及びDBU(2.53g,2.13mmol)の溶液に加え、そして反応液を室温で3時間撹拌した。tert−ブチルジメチルクロロシラン(2.5g,2.3mmol)及びDBU(2.53g,2.13mmol)を加え、そしてアルコールが消費されたことをTLCが示すまで撹拌を15分間続けた。生成物を飽和塩化アンモニウムとジクロロメタンとの間で分配し、そして有機層を乾燥し、そして真空で濃縮して淡黄色の固形物として副題化合物を得た(8.4g粗製)。
【0083】
工程G:3−{3−[1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−イソオキサゾール−5−イル}−ベンゾニトリル
【化22】

DMF(100mL)中の工程7Fの粗生成物、シアン化亜鉛(1.6g,13.7mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.58g,1.37mmol)の混合物を82℃で10分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、そしてセライトを通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、そしてジクロロメタンで希釈した。溶液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濾過した。クロマトグラフィ(シリカ上に予め吸着させた,ヘキサン中1〜5%酢酸エチル)によりオフホワイト固形物として副題化合物を得た(3.83g,3工程で46.5%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ8.07 (m, 1H), 8.04 (dm, 1H), 7.73 (dm, 1H), 7.62 (t, 1H), 6.66 (s, 1H), 5.09 (q, 1H), 1.54 (d, 3H), 0.93 (s, 9H), 0.13 (s, 3H), 0.06 (s, 3H).
【0084】
工程H:3−[3−(1−ヒデロキシ−エチル)−イソオキサゾール−5−イル]−ベンゾニトリル
【化23】

TBAF(20mL,THF中1M,20mmol)を0℃でTHF(40mL)中の純粋なシアノ−イソオキサゾール−シリルエーテル(3.83g,11.7mmol)の溶液に加え、そして混合物を室温で一夜撹拌した。生成物をジクロロメタンと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルを加え、そして混合物を、ヘキサン中50%酢酸エチルを用いてシリカゲルのプラグに通過させた。溶出液を真空で濃縮し、そして残留物をヘキサンで磨砕し、オフホワイト固形物2.5g(収率100%)として表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ8.07 (m, 1H), 8.03 (dm, 1H), 7.75 (dm, 1H), 7.62 (t, 1H), 6.7 (s, 1H), 5.13 (q, 1H), 1.64 (d, 3H).
【0085】
実施例8:1−[5−(3−シアノフェニル)イソオキサゾール−3−イル]エチルメタンスルホネート
【化24】

メタンスルホニルクロリド(1.5mmol)及びトリエチルアミン(2mmol)を0℃でジクロロメタン(10〜15mL)中の実施例7の表題化合物(1mmol)の溶液に加えた。反応混合物を0℃で30分撹拌し、次いで冷飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で濃縮してオフホワイト固形物として表題化合物3.65gを得、それをさらに精製することなく使用した(収率100%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ8.09 (m, 1H), 8.04 (dm, 1H), 7.77 (dm, 1H), 7.65 (t, 1
H), 6.77 (s, 1H), 5.94 (q, 1H), 3.08 (s, 3H), 1.85 (d, 3H)。
【0086】
実施例9:環式トリアゾール中間体を形成するための一般的な手法
酸塩化物、続いてピリジン(〜0.5mL/mmol)をバイアルに加えた。次いで、ヒドラジン(1当量)を溶液に加え、そして130℃で一夜還流させた。炭酸カリウムを用いて溶液を塩基性にし、それからEtOAc、水及びブラインを用いて水性後処理を実施した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。10〜20%MeOH:EtOAc溶媒系を用いてSPE/フラッシュカラムを動かした。溶出画分を集め、そして濃縮した。以下の表は、形成されたアミノトリアゾールを示す。
【0087】
実施例9.1:3−ピリジン−4−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2,4]トリア
ゾロ[4,3−a]ピリミジン
【化25】

ピリジン3mL中の(1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イル)−ヒドラジンヨウ化水素酸塩750mg(3.1mmol)(参照 Krezel, Izabella; Pharmazie; EN; 49; 1; 1994; 27-31)及びピリジン3mL中のイソニコチノイルクロリド塩酸塩552mg(3.1mmol)の溶液を120℃で一夜加熱した。反応混合物を冷却し、そしてK2CO3(飽和)で希釈し、そしてクロロホルム10mLで3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(CH2Cl2/MeOH 10:1)により白色固形物83mg(18%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ8.65 (m, 2 H), 7.67 (m, 2 H), 4.13 (m, 2 H), 3.24 (m, 2 H), 1.91 (m, 2 H).
【0088】
同様の方法で、以下の化合物を合成した:
【表1】

【0089】
実施例10:3−(2−メトキシ−ピリジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリミジン
【化26】

実施例9.2の表題化合物(200mg)及び炭素上のパラジウム触媒10%(100
mg)を合わせた。次いで反応を水素ガスでフラッシュした。また、EtOH(3.2mL)及びトリエチルアミン(0.6mL)をバイアルに加えた。溶液を室温で一夜撹拌した。次いで、セライトを通して溶液を濾過した。すべての微量の塩を除去するためシリカフラッシュカラムCH2Cl2中の10%1MNH3(MeOH中)を動かした。溶液を濃縮し、白色固形粉末として実施例9の表題生成物を得た(163mg,収率75%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ8.27 (d, 1H), 7.28 (m, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.05 (br, 1H), 4.14 (t, 2H), 4.1 (s, 3H), 3.6 (t, 2H), 2.1 (m, 2H)
【0090】
実施例11:イソオキサゾールスルホネート及びスルホニルクロリドをN−アルキル化するための一般的な手法
イソオキサゾールメシレート又はクロリドをバイアル中に秤量し、そしてジメチルホルムアミド(3mL/mmol)を固形物に加えた。次いでバイアルをアルゴンでフラッシュした。別のバイアル中にアミノトリアゾール(1.0当量)を秤量し、そしてテトラヒドロフラン(6mL/mmol)に溶解した。このバイアルにナトリウムtertブトキシド(1.05当量)又はNaHを加え、そしてバイアルを80℃に加熱した。次いで、メシレートを含むバイアルの内容物を加熱されたバイアルに加え、そして反応物を3〜30分間撹拌した。次いで、EtOAc、水及びブラインを用いて水性後処理を実施した。次いで、Ex管(Ex-Tube)を通して有機層を運転し、そして真空で濃縮した。次いで、10gSPEカラムを用いて、形成された種々の生成物を精製した。以下の表は、各生成物に特異的なカップリング及び反応条件を示す。
【0091】
以下の化合物は、上記のように合成した:
【表2】

【0092】
実施例11.3の表題キラル化合物は、1.0mL/分の流速(Rt=6.49分)でメタノールによるChiralpak ASを用いた分離によって対応するラセミ化合物から得た。
【0093】
生物学的評価
mGluR5Dを発現する細胞系におけるmGluR5拮抗作用の機能性評価
本発明の化合物の性質は、薬理活性用の標準アッセイを用いて分析することができる。グルタミン酸受容体アッセイの例は、例えばAramori et al., Neuron 8:757 (1992), Tanabe et al., Neuron 8:169 (1992), Miller et al., J. Neuroscience 15: 6103 (1995),
Balazs, et al., J. Neurochemistry 69:151 (1997)に記載されたように当分野でよく知られている。これらの刊行物に記載された方法論は、参照により本明細書に組み込まれる。都合のよいことに、本発明の化合物は、mGluR5を発現する細胞における細胞内カルシウム[Ca2+]iの動員を測定するアッセイ(FLIPR)、又はリン酸イノシトール代謝回転を測定する別のアッセイ(IP3)によって研究することができる。
【0094】
FLIPRアッセイ
WO97/05252に記載されたようなヒトmGluR5dを発現する細胞を、黒色の側面を有するコラーゲンコーティングされた透明な底面の96ウェルプレート上でウェル当たり100,000細胞の密度で播種し、そして播種の24時間後に実験を行った。全てのアッセイは、127mM NaCl、5mM KCl、2mM MgCl2、0.7mM NaH2PO4、2mM CaCl2、0.422mg/mL NaHCO3、2.4mg/mL HEPES、1.8mg/mL グルコース及び1mg/mL BSA画分IV(pH7.4)を含む緩衝液中で行った。96ウェルプレート中の細胞培養液を、0.01%プルロニック酸(登録商標の非イオン性活性剤ポリオール−CAS番号9003−11−6)中、蛍光カルシウム指示薬フルオ−3(Molecular Probes, Eugene, Oregon)のアセトキシメチルエステル型4μMを含む上記の緩衝液中で60分間装填した。装填期間の後、フルオ−3緩衝液を除去し、そして新たなアッセイ緩衝液で置き換えた。FLIPR実験は、励起及び放射波長、それぞれ488nm及び562nmでレーザー設定0.800W及びCCDカメラシャッター速度0.4秒を用いて行った。各実験は、細胞プレートの各ウェル中にある緩衝液160μlで開始した。アンタゴニストプレートから40μl添加した後、アゴニストプレートから50μL添加した。アンタゴニスト及びアゴニストの添加は、90秒の間隔を離した。蛍光シグナルは、1秒間隔で50回、続いてそれぞれ2つを添加した直後に5秒間隔で3試料のサンプルをとった。サンプリング期間内でのアゴニストに対する応答のピーク高さとより低いバックグラウンド蛍光との間の差分として応答を測定した。線形最小2乗適合プログラムを用いてIC50測定を行った。
【0095】
IP3アッセイ
mGluR5dのさらなる機能性アッセイは、WO97/05252に記載されており、そしてホスファチジルイノシトール代謝回転に基づいている。受容体活性化は、ホスホリパーゼC活性を刺激し、そしてイノシトール1,4,5三リン酸(IP3)の形成を高める。ヒトmGluR5dを安定に発現するGHEKを1μCi/ウェル[3H]ミオ−イノシトールを含む培地中、40×104細胞/ウェルで24ウェルポリ−L−リジンコーティングされたプレート上へ播種した。細胞を一夜(16時間)インキュベートし、次いで3回洗浄し、そして1単位/mlのグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ及び2mMピルビン酸を補足されたHEPES緩衝食塩水(146mM NaCl、4.2mM KCl、0.5mM MgCl2、0.1%グルコース、20mM HEPES、pH7.4)中、37℃で1時間インキュベートした。細胞をHEPES緩衝食塩水中で1回洗浄し、そして10mM LiClを含むHEPES緩衝食塩水中で10分間プレインキュベートした。化合物を、二つ組(in duplicate)で、37℃で15分間インキュベートし、次いでグルタミン酸(80μM)又はDHPG(30μM)を加え、そしてさらに30分間インキュベートした。氷上で過塩素酸(5%)0.5mLを添加して反応を終了し、4℃で少なくとも30分間インキュベートした。試料を15mLポリプロピレン管中に集め、そしてイオン交換樹脂(Dowex AG1-X8ホルメート形態、200−400メッシュ、BIORAD)カラムを用いてリン酸イノシトールを分離した。リン酸イノシトールの分離は、最初にグリセロフォスファチジルイノシトールを30mMギ酸アンモニウム8mLで溶出することによって行った。次に、全リン酸イノシトールを、700mMギ酸アンモニウム/100mMギ酸8mLで溶出し、そしてシンチレーションバイアル中に集めた。次いで、この溶出液をシンチラント8mLと混合し、そして[3H]イノシトール取込みをシンチレーションカウントによって測定した。二つ組試料からdpmのカウントをプロットし、そして線形最小2乗適合プログラムを用いてIC50測定値を得た。
【0096】
略語
BSA ウシ血清アルブミン
CCD 電荷結合素子
CRC 濃度反応曲線
DHPG 3,5−ジヒドロキシフェニルグリシン
DPM 毎分崩壊数
EDTA エチレンジアミン四酢酸
FLIPR 蛍光定量的イメージングプレート読取装置
GHEK GLASTを含むヒト胎生腎
GLAST グルタミン酸/アスパラギン酸トランスポーター
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(緩衝液)
IP3 イノシトール三リン酸
【0097】
一般に、上のアッセイにおいて、10000nM未満のIC50値を有する化合物は、活性であった。本発明の1つの態様において、IC50値は、1000nM未満である。本発明のさらなる態様において、IC50値は、100nM未満である。
【0098】
ラットにおける脳対血漿比率の測定
脳対血漿比率は、雌のSprague Dawleyラットで評価した。化合物を水又は別の適当なビヒクル中に溶解した。脳対血漿比率を測定する際、化合物を皮下若しくは静脈内ボーラス注射、又は静脈内注入、又は経口投与として投与した。投与後の所定の時点で、心臓穿刺により血液試料を採取した。心臓を切開することによってラットを殺し、そして脳を直ちに保持した。血液細胞から血漿を分離するために、血液試料をヘパリン添加した管中に集め、そして30分以内に遠心分離した。血漿を96ウェルプレートへ移し、そして分析まで−20℃で保存した。脳を半分に分割し、そして各半分を予め風袋を量った(pre-tarred)管中に置き、そして分析まで−20℃で保存した。分析前に、脳試料を解凍し、蒸留水の3mL/g脳組織を管に加えた。試料が均一になるまで、脳試料を氷浴中で超音波処理した。脳及び血漿試料の両方をアセトニトリルで沈殿させた。遠心分離した後、上清を0.2%ギ酸で希釈した。分析は、迅速勾配溶出及びMSMS検出による短路逆相HPLCカラム上で、エレクトロスプレーイオン化及び選択反応検出(SRM)取得(Selected Reaction Monitoring acquisition)を備えた三連四重極機器を用いたMSMS検出上で実施した。液−液抽出は、試料洗浄の代替手段として使用することができる。適切な緩衝液を添加した後、振盪により、試料を有機溶媒に抽出する。有機層のアリコートを新しいバイアルへ移し、そして窒素流れ下で蒸発させて乾燥状態にした。残留物を再構成した後、試料はHPLCカラム上へ注入する準備ができた。
【0099】
一般に、本発明の化合物は、ラットでの血漿中の薬物/脳内の薬物の比率が<0.5で外延が制約される。一実施態様において、比率は、0.15未満である。
【0100】
インビトロ安定性の測定
ラット肝ミクロソームは、Sprague-Dawleyラット肝試料から調製した。ヒト肝ミクロソームは、ヒト肝試料から調製したか又はBD Gentestから入手した。pH7.4で0.1mo
l/Lリン酸カリウム緩衝液中、補因子、NADPH(1.0mmol/l)の存在下、全ミクロソームタンパク質濃度0.5mg/mlで化合物を37℃でインキュベートした。化合物の初濃度は、1.0μmol/Lであった。分析のため、インキュベーションの開始後、5つの時点0、7、15、20及び30分で試料を採取した。アセトニトリル3.5倍体積を加えることによって、集めた試料中の酵素活性を直ちに停止した。集めた試料のそれぞれの中に残っている化合物の濃度をLC−MSによって測定した。mGluR5阻害剤の排出速度定数(k)は、インキュベーション時間(分)に対するIn[mGluR5阻害剤]のプロットの勾配として算出した。次いで、排出速度定数を用いてmGluR5阻害剤の半減期(T 1/2)を算出し、続いてこれを用いて肝ミクロソーム中mGluR5阻害剤の固有クリアランス(CLint)を:
CLint.=(ln2 x インキュベーション体積)/(T 1/2 x タンパク質濃度)=μl/分/mg
として算出した。
【0101】
TLESRに対して活性な化合物についてのスクリーニング
パブロフスリング中に立つ訓練をした両性別の成体ラブラドルレトリーバーを使用した。粘膜から皮膚への食道フィステル形成を行い、そしてすべての実験を行う前にイヌを完全に回復させた。
【0102】
運動性測定
要約すると、水を自由に供給して約17時間絶食した後、マルチルーメンスリーブ/サイドホールアッセンブリー(multi lumen sleeve/ sidehole assembly)(Dentsleeve, Adelaide, South Australia)を、食道フィステル形成術によって導入して、胃の下部食道括約筋(LES)及び食道内圧を測定した。低コンプライアンスの圧力計注入ポンプ(Dentsleeve, Adelaide, South Australia)を用いてアッセンブリーに水を灌流させた。空気を灌流させた管を経口方向に通過させて嚥下を測定し、そしてLESより3cm上でアンチモン電極によりpHをモニターした。全てのシグナルを増幅し、そしてパソコン上、10Hzで入手した。
【0103】
空腹時の胃/LES第三相運動活動性がないベースライン測定が得られたときに、プラセボ(0.9%NaCl)又は試験化合物を、前脚静脈中の静脈内に投与した(i.v.、0.5mL/kg)。静脈内投与の10分後、栄養食(10%ペプトン、5%D−グルコース、5%イントラリピド、pH3.0)をアセンブリー中央のルーメンを通して100mL/分で最終体積30mL/kgまで胃に注入した。栄養食の注入に続いて、胃内圧力10±1mmHgが得られるまで500mL/分の速度で空気注入した。次いで、さらに空気注入するため又は胃から空気のガス抜きをするため、注入ポンプを用いて実験中は圧力をこのレベルで維持した。栄養分の注入開始から空気通気の終わりまでの実験時間は、45分間であった。手法は、TLESRを誘発する信頼できる手段として有効であった。
【0104】
TLESRは、>1mmHg/秒の速度で下部食道括約筋圧力(胃内圧力に関して)における低下として定義される。弛緩が嚥下に誘発されたと分類される場合、弛緩発生の≦2秒前に、咽頭シグナルが生じることはないはずである。LESと胃との間の圧力差は、2mmHg未満でなければならず、そして完全弛緩の持続時間は1秒より長くなければならない。
【0105】
試料の結果を以下の表に示した:
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
1は、メチル、ハロゲン又はシアノであり;
2は、水素又はフルオロであり;
3は、水素、フルオロ又はC1−C3アルキルであり;
4は、水素又はC1−C3アルキルであり;
Xは、
【化2】

であり;
そしてZは、
【化3】

であり;
5は、水素、C1−C3アルキル、C1−C3ハロアルキル、C1−C3アルコキシ;又はC1−C3ハロアルコキシであり;
6は、水素、C1−C3アルキル、C1−C3ハロアルキル、又はC1−C3ハロアルコキシであり;
7は、水素、フルオロ又はC1−C3アルキルである)
の化合物並びにその医薬上許容しうる塩、水和物、アイソフォーム、互変異性体及び/又は鏡像異性体。
【請求項2】
1はハロゲン又はシアノである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1はクロロである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
1はシアノである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
2は水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
3は水素又はフルオロである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
4は水素又はメチルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
5は水素、C1−C2アルキル又はC1−C2アルコキシである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
6は水素、C1−C2アルキル又はC1−C2アルコキシである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
7はC1−C2アルキル又はC1−C2アルコキシである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
8−{[5−(3−クロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−3−ピリジン−4−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリミジン;
8−{[5−(3−クロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−3−(2−メトキシピリジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリミジン;及び
3−(3−{(R)−メチル[3−(2−メトキシピリジン−4−イル)−6,7−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリミジン−8(5H)−イル]メチル}イソオキサゾール−5−イル)ベンゾニトリル
から選ばれる化合物並びにその医薬上許容しうる塩、水和物、アイソフォーム、互変異性体及び/又は鏡像異性体。
【請求項12】
治療に使用するための請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
活性成分として請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物を、薬理学上及び医薬上許容しうる担体と共に含む医薬組成物。
【請求項14】
一過性下部食道括約筋弛緩を阻害する薬剤を製造するための請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容しうる塩若しくは光学異性体の使用。
【請求項15】
胃食道逆流性疾患を治療又は予防する薬剤を製造するための請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容しうる塩若しくは光学異性体の使用。
【請求項16】
疼痛を治療又は予防する薬剤を製造するための請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容しうる塩若しくは光学異性体の使用。
【請求項17】
不安を治療又は予防する薬剤を製造するための請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容しうる塩若しくは光学異性体の使用。
【請求項18】
過敏性腸症候群(IBS)を治療又は予防する薬剤を製造するための請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容しうる塩若しくは光学異性体の使用。
【請求項19】
一過性下部食道括約筋弛緩を阻害する方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の有効量をこのような阻害を必要とする被験者に投与することによる該方法。
【請求項20】
胃食道逆流性疾患を治療又は予防する方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の有効量をこのような治療又は予防を必要とする被験者に投与することによ
る該方法。
【請求項21】
疼痛を治療又は予防する方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の有効量をこのような治療又は予防を必要とする被験者に投与することによる該方法。
【請求項22】
不安を治療又は予防する方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の有効量をこのような治療又は予防を必要とする被験者に投与することによる該方法。
【請求項23】
過敏性腸症候群(IBS)を治療又は予防する方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の有効量をこのような治療又は予防を必要とする被験者に投与することによる該方法。
【請求項24】
(i)請求項1〜11のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物、及び
(ii)少なくとも1つの酸分泌阻害剤
を含む組み合わせ。
【請求項25】
酸分泌阻害剤は、シメチジン、ラニチジン、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール又はレミノプラゾールから選ばれる、請求項24に記載の組み合わせ。
【請求項26】
3−[3−(1−ヒドロキシエチル)イソオキサゾール−5−イル]ベンゾニトリル;
1−[5−(3−ヨード−フェニル)−イソオキサゾール−3−イル]−エタノール;
3−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−5−(3−ヨード−フェニル)−イソオキサゾール;
3−{3−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−イソオキサゾール−5−イル}−ベンゾニトリル;及び
1−[5−(3−シアノフェニル)イソオキサゾール−3−イル]エチルメタンスルホン酸塩
から選ばれる化合物。

【公表番号】特表2009−536214(P2009−536214A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509958(P2009−509958)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/067372
【国際公開番号】WO2007/130825
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】