説明

繊維から成形品を製造するための装置

本発明は、その内側面(1a,2a)によって少なくとも部分的には成形品の輪郭が決定づけられる多分割成形型(1,2)を使用して繊維から三次元成形品(30)を成形するための装置であって、繊維は空気流によって少なくとも1個のノズル(4)を通じて成形型内に吹き込まれ、空気流が成形型の孔を通って排気されることで繊維は成形型の内側面に付着し、前記繊維は、熱供給によって互いに接着されて最後に成形品(30)として前記成形型(1,2)から取り出される前に、必要に応じさらに局所的に圧縮可能なように構成した装置に関する。この場合に重要なのは、ノズル(4,24,34)の吹込み方向が揺動軸心回りで揺動調節可能であり、揺動軸は前記成形品の外周面の近傍に位置していることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その内側面によって少なくとも部分的には成形品の輪郭が決定づけられる多分割成形型を使用して繊維(繊維材料)から三次元成形品を製造するための装置であって、繊維は空気流によって少なくとも1個のノズルを通じて成形型内に吹き込まれ、空気はその後に成形型の孔を通って排気されることで前記繊維は成形型の内側面に付着し、前記繊維は、熱供給によって互いに接着されて最後に成形品として成形型から取り出される前に、必要に応じ局所的に圧縮可能なように構成した装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置はドイツ特許第10324735号公報明細書から公知である。無駄な繰返しを避けるため、上記文献の開示内容は本出願の内容に含まれているものとする。
【0003】
その他に、ドイツ特許第2318501号公報明細書により、合成樹脂繊維製の中空品を製造するにあたり、回転する孔あき成形型を用いてプレフォームを製造することが知られている。この成形型は一端が開いており、同所に成形型の内部に繊維ならびに接着剤の双方を吹き込むための横断管が配置される。この管は成形型の回転中に徐々に成形型から抜き出され、こうして、成形型の全長にわたって繊維が被着される。したがって、この方法は、一端が開き、同所に吹込み管を配置することのできる中空品にしか適していない。さらに、吹込み管の可動性は非常に限定されているため、成形型を均等に満たすことは困難である。とりわけ、この成形型は吹込みの間ずっと回転していなければならず、これによって製造コストはさらに増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ特許第10324735号公報明細書
【特許文献2】ドイツ特許第2318501号公報明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対して本発明の主題は、基本的に定置静止した成形型を用いて閉鎖成形品を製造することである。
本発明は、ドイツ特許第10324735号公報明細書において一定の成形型にあっては均一な繊維分布を実現しもしくは意図的に異なった密度の領域を有する成形品を製造することに難点があるとの認識を出発点としている。それゆえ、本発明の目的は、成形型が非常に不規則な三次元輪郭を有している場合にも成形型内の繊維分布を個別に制御することが可能な装置を提供することである。さらに本発明は、コスト的に有利かつ信頼性の高い構造を実現しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、本発明によれば、ノズルの吹込み方向が揺動軸心回りで揺動調節可能であり、前記揺動軸は成形品の外周面近傍に位置していることにより解決される。
【0007】
本発明では、ドイツ特許第10324735号公報明細書と同様に、閉じた定置成形型を用いて閉じた非中空成形品を製造することができ、しかも、吹込み方向を広範に調節することができることにより、複雑な輪郭であれノズルの側方でも成形型内部への遥かに適確な充填が可能であり、特に、成形型内部の個々の領域への繊維の付着量をより多くまたはより少なくすることができるという利点が得られる。これにより、成形品内部における付着密度の個別制御を達成することができる。さらにまた、成形品の肉厚に局所的に影響を与えることもできる。
【0008】
吹込み方向の揺動は、左右または上下でノズルに隣接している成形型壁面領域にも吹込みが行われるように選択される必要があるので、好適には揺動運動は少なくとも1/4Hzで行われ、換言すれば、吹込み方向は遅くとも4秒後には再び当初の方向に戻ってくる。より好ましくは1/2Hz〜5Hzの周波数が採用される。
【0009】
吹込み方向の調節に関するさまざまな形態が当業者にしられている。一つには、ノズル自体が揺動されることによって吹込み方向の変更が可能であることである。揺動運動は定置固定された揺動軸を中心にして行わせることができるが、ただし、それに代えて、ノズルが相応して延びる案内溝に沿ってガイドされるようにした、移動式の揺動軸を用いることも可能である。
【0010】
また、ノズルの噴射領域内に調節式の可変翼体を配置することによって吹込み方向に影響を与えることも可能である。この場合、ノズルは成形型に固定取り付けされていてよい。ただしまた、ノズルの調節式支持に加えてさらに可変翼体を用いることにより、これら2つの対策の組み合わせによって吹込み方向の特に広範な偏向を実現することも可能である。
【0011】
最後にまた、側方から到来し、それによって元の吹込み方向を変化させることになる付加的な偏向流を用いることによって、吹込み方向に影響を与えることも可能である。この偏向流は、それぞれの成形型の要件に適合し得るように、その強度または吹込み方向あるいはその両方が自動的に調節可能であるのが好適である。
【0012】
ノズルの調整または可変翼体の調節またはあるいはその両方偏向流の励起および場合によりその調節は好適にはモータにより、プログラム制御によって行われる。このプログラム制御は、先ず、成形品が所望の製品特性を有するようになるまで、さまざまに異なったパラメータによって試運転を実施することができるという利点を有している。こうして、適切なパラメータがプログラム制御に記憶格納される。
【0013】
ノズルの支持は好適には成形型自体で、特に、もっぱら垂直上下動を実施する上型で行われる。ただしまた、ノズルを別個に、例えばプレスフレームに取り付けて、充填時に初めて成形型の当該吹込み孔にノズルを移動させ、場合により、同所に連結するようにすることも本発明の範囲に含まれる。
【0014】
本発明の特に好適な実施形態の基本は、複数のノズルが好ましくはそれぞれ弁を介して、特にピンチ弁を介して1本の共通の環状管に接続されている点にある。これにより、成形型は単一のブロワーを用い、複数のノズルを通じて、さまざまなポジションから充填されることができる。さらにこの環状管は、上記の弁が充填プロセスの時間的逐次制御に使用されるため、繊維流は持続的に保持されることができるという利点を有している。これにより、繊維が送り管内に付着してしまうことが防止されることになる。
同じ目的のために、ノズルまたはノズルの前に、管と場合によりそれにつながるノズル領域への自由吹込みを可能にする密閉可能な孔を設けることも好適である。
【0015】
さらに、繊維の吹込み中に空気圧測定が行われ、一定の限界圧力に達すると充填プロセスが終了するようにすれば好適であることが判明した。この場合、圧力は成形型のさまざまな箇所またはノズルの近傍あるいは供給管領域内で測定することができる。特に好適なのは、直接ノズル内に圧力センサを取り付けることである。一般に空気圧は、孔あけされた成形型を透過する透過抵抗が付着厚さに応じて増大するために、成形型の繊維付着が高まると共に上昇する。これにより、成形型の付着厚さを検知して、充填プロセスを適切な時点に終了させるための、精密に応答する判定基準が得られる。
【0016】
本発明のさらに別の好適な実施形態では、異なった時点に作動させられる複数のノズルを通じて繊維を吹き込むように構成されている。これにより、異なったポジションから同時に吹き込まれる繊維の相互干渉は排除されることになる。
【0017】
さらに、ノズルまたは少なくともノズルの吹込み方向は吹込み時に少なくとも周波数0.3Hzの往復揺動(回動)運動を実施すれば好適である。若干センチメートルないし若干角度にしか達せず、好適には垂直方向、ただし同じく水平方向もしくは中間方向にも行なわれることのできるこの運動は冒頭に述べた揺動運動と重なり合って、充填プロセスを促進する。
【0018】
充填プロセスを繊維密度の点で局所的に異なった仕様に個別に適合させるため、成形型はその孔あけされた領域に、局所的な空気排出をその多少にかかわらず絞ることができるようにする調節式スロットルを有していてよい。これらのスロットルは特に仮の補助成形型が用いられる場合に使用することができる。
【0019】
最後に、繊維の接着前、特に繊維の終期圧縮前に、少なくとも1つの被覆層を成形型の少なくとも一方に装填するかまたはすでに吹き込まれた繊維上に載置することも本発明の範囲に含まれる。この被覆層は外観を美化するための装飾フィルムとして使用することができるが、ただし同じく、例えばすべり防止層または耐摩耗層を形成するかあるいは成形品に均質な平滑外周面を付与するという付加的な機能も有している。
【0020】
方法技術的には、上記被覆層は繊維の吹込み前に成形型に装填されれば特に好適である。その際、上記被覆層は、続いての繊維の吹込みに際してずれることがないように、低圧によって下型または上型あるいはその両方に吸着されて保持されるかまたは局所的に締結またはスナップ連結によって成形型内に固定されることができる。
【0021】
上記被覆層は、材料的には、ほぼ任意の選択が可能である。ただし、基本的には、吹込みプロセスならびにその後の熱風の透過が損なわれないようにするため、一定の空気透過性を有する材料でなければならないであろう。特に、織布層、編布層、メッシュ層またはカーペット状のマット等の形のフリース層も適切な材料と考えられる。ただし、被覆層が繊維の吹込み後に初めて成形型内に装填される場合には、比較的高密度の被覆層も使用することが可能である。
その他の特徴および利点は図面に基づく下記実施形態の説明から判明する通りである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】成形型とこの成形型に配置された吹込みノズルの概略的な側面図である。
【図2】同様な成形型を上方から眺めた図である。
【図3】駆動装置を備えた揺動ノズルの拡大図である。
【図4】成形型壁面での揺動ノズルの支持を示す図である。
【図5】揺動式可変翼体付きノズルを示す図である。
【図6】偏向流式ノズルを示す図である。
【図7】環状管を備えた装置の側面図である。
【図8】図7を上方から眺めた平面図である。
【図9】開いた成形型と別途成形品を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、上型1と下型2からなる成形型が認められ、これらの上型と下型とは対向するそれぞれの内側面1aおよび2aが閉じた中間スペース3を形成するようにして向かい合わされている。この中間スペースにより、製造さるべき三次元成形品の輪郭をすでに確定することが可能であるが、ただし、上型1と下型2とが先ずプレフォームを製造するために使用され、このプレフォームが続いて別の上型によって最終的な成形品に圧縮されるようにするのも好適である。成形型の内側面1aおよび2aはふるい状に孔あけされているため、合成樹脂繊維と共に側方から中間スペース3内に流入する空気流は中間スペース3から排気されることができ、他方、繊維は中間スペース内に付着して残存する。この場合、内壁1aおよび2aの空気透過性は、繊維被着、つまりは中間スペース3内部の繊維付着密度を可変し得るように、部分的に異なっていてもよい。
【0024】
ここで重要な点は、中間スペース3に接続されたノズル4の少なくとも幾つかは、それらの揺動軸5が成形品の外側端縁の近傍、したがって、成形型壁面の近傍に位置するようにして揺動可能に支持されていることである。
【0025】
本実施形態において、製造さるべき成形品は主として水平な延びを有している。そこで、ノズルの揺動軸5は、特に図2から理解できるように、ノズルがそれによって成形品の断面全体または部分領域全体にわたって水平に揺動されるように、垂直に走っている。ただし、これに代えてまたはこれにさらに加えて、成形品の寸法に応じ、ほぼ水平な揺動軸を中心にした揺動も好適である。
【0026】
揺動式支持は図1および図3に詳細に示されている。同図から、揺動レバー7を経てノズル4をその接続管8および接続フランジ9ともども、成形型の外側端縁とほぼ面一に整合された仮想垂直軸5を中心にして往復揺動動させる揺動モータ6が認められる。接続フランジ9自体はフレキシブル管10を経て定置継手11に接続されており、この定置継手は詳細不図示の環状管と接続されている。この環状管からノズル4に、上方から90°方向転換されて、繊維を供給する空気流が与えられる。
【0027】
図4は、下型2の上側フレーム状端縁を形成し、中間スペース3を境界付ける成形型外壁での揺動可能な支持を示している。この構成では、下型は好ましくは静止したままとし、上型は垂直方向に可動する。図中には、成形型内部に揺動進入し得る、しかも先の図面の説明において述べたように、成形型外壁13とほぼ面一に整合した垂直軸を中心に揺動して成形型内部に進入し得る、独立に調節可能な2つの偏向あご4aおよび4bからなるノズル突出先端部が内部に位置する軸受ブシュ14が認められる。
【0028】
ノズル4自体はノズル突出先端部4a内において揺動可能に、しかも同じく垂直軸を中心に揺動可能に支持されている。
【0029】
ノズル4とその突出先端部4aとは、ノズル4の揺動が突出先端部4aのさらに広範な揺動を生ずるようにして伝動変位機構を介して互いに連結されている。図4には、ノズル4が成形型壁面に対して垂直をなす中立ポジションから45°だけ側方に(図中では下方に)揺動された状態が認められる。この場合、伝動変位機構によって偏向あご4aは同じ揺動方向に90°揺動されて、内壁4a’が成形型内部で成形型壁面13とほぼ平行をなして延びる一方で、対向して配置され引っ込み側に揺動する内側縁は約30°しか揺動されずに、ほぼ軸受ブシュ14のところに留まっている。これにより、ノズルを45°揺動させるだけで、噴射される繊維が壁面13とほぼ平行な方向で成形型内に吹き込まれるようにノズル突出先端部4aを揺動させることができる。
【0030】
これはノズル4が反対方向に中立ポジションから45°揺動される場合も同様である。その場合には、繊維の噴射は図中において下側成形型壁面とほぼ平行に行われることになる。
【0031】
したがって、結果として、ノズル4の90°の揺動はノズル突出先端部4aの非常に大きな揺動をもたらすことになる。言うまでもなく、ギア比はもっと増強することができよう。ただし、通例、前方へ揺動させられた内壁4a’が成形型外壁とほぼ平行をなして延びるようになれば十分である。
【0032】
図5は、吹込み方向を揺動させるための別な実施形態を示している。この場合、ノズル24は成形型壁面13に固定取り付けされていてよい。というのも、この場合には、ノズルの噴射断面内に個別に揺動可能な可変翼体25が軸支されて設けられているからである。これらの可変翼体は調節モータ26によって所望の角度ポジションに調節される。
【0033】
図6は第三の実施形態を示しており、この場合にもノズル34は同じく成形型壁面13に固定取り付けされていてよい。この場合、吹込み方向の揺動は側方から供給される偏向流によって行なわれる。そのため、ノズルはその噴射断面近傍がリングチャンバ35によって包囲されており、このリングチャンバには円周全体にわたって分散配置された多数の空気供給管36を経てオプショナルに円周の一部に圧縮空気が供給される。こうして、この圧縮空気はノズル34の通過時に空気流を意図的に所望の方向に偏向する。
圧縮空気供給される管36の切換えによって、繊維を適確に新たな方向に向けることができる。
【0034】
図7および図8は装置の全体像を示している。先ず、図中右には、上型1と下型2からなり、中間スペース3に沿った外周に分散配置された複数のノズル4を備えた成形枠が認められる。これらのノズルはすべて、それぞれピンチ弁12を介して1本の共通の環状管15に接続されている。この環状管はブロワー40に配設されており、これによって、繊維含有空気流の供給を受ける。ブロワー40の上方には貯蔵チャンバ41が配置されており、該チャンバの上端に環状管15の戻り流れが合流する。貯蔵チャンバ41への繊維供給は、空気分離器43を経て貯蔵チャンバ41に合流する管42を経て、貯蔵チャンバ上部に公知の方法によって行われる。
【0035】
この製造方法は上述した実施形態において次の通りである:先ず、中間スペース3に成形型外周に分散配置されたノズル4を通じて、所望の充填度ならびに所望の分布が達成されるまで、繊維が供給される。繊維はヒートシール可能な材料で被覆されているかまたは接着性繊維と混合されている。
【0036】
成形品に高い密度差を実現しようとする場合には、先ず公知のように、成形品に対応するよりも大きな中間スペースを局所的につくり出す少なくとも1個の仮の上側補助形成型を使用し、この補助上型を充填作業の終了後、特に上型1を上昇させることによって取外し、その後に、内壁1aが所望の成形品の輪郭に正確に一致した別の上型を下降させ、これによって繊維の局所的圧縮が行なわれるようにするのが好適である。この場合、仮の上側補助形成型は(ただし、最終的な上型も)成形型から排気される空気を多少にかかわらず局所的に絞るための調節式スロットルを備えてもよい。
【0037】
続いて、圧縮ステーションにおいて、ただし、好ましくは上型と下型が別のステーションに移動した後、中間スペース3内に捕捉された繊維に熱風が通されて、繊維が公知の方法で互いに接着もしくは溶着され、こうして、最後に完成成形品が生ずる。
成形型を開いて成形品を取り出す前に、一般に、成形品を硬化させ、サイクル時間を短縮するために、さらに冷気貫流が行われる。
【0038】
図9は開いた成形型ならびに別途成形品の側面図を示している。図中、下側面と上側面とが装飾フィルム30aないし30bの形の被服層で外張りされた完成成形品30が認められる。この被服層は成形型内に繊維が吹き込まれる前に装填され、場合により、同所に固定されることができる。ただし、仮の補助成形型が使用される場合には、最終的な成形型が使用される際に(したがって、成形品の終期圧縮が行われる際に)初めて被服層を取り付けるのが好適である。例えば、仮の上側補助形成型が使用される場合には、装飾フィルムは先ず下型にのみ設置され、したがって、上側被覆層なしで初期圧縮が実施され、最終的な上型が使用される際に初めて上側被服層が装填される。
【0039】
被服層としては、熱風および冷風による成形品の貫流ができるだけ損なわれずに行われるように、高い空気透過性を有する材料が使用される。
被覆層と成形品との結合は接着によって行うことができ、好適には、繊維相互の接着が行われるのと同一の接着剤によってこれを行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内側面(1a,2a)によって少なくとも部分的には成形品の輪郭が決定づけられる多分割成形型(1,2)を使用して繊維から三次元成形品(30)を成形するための装置であって、
前記繊維は空気流によって少なくとも1個のノズル(4)を通じて前記成形型内に吹き込まれ、前記空気流が前記成形型の孔を通って排気されることで前記繊維は前記成形型の内側面に付着し、前記繊維は、熱供給によって互いに接着されて冷却後に成形品(30)として前記成形型(1,2)から取り出される前に、必要に応じさらに局所的に圧縮可能なように構成され、
前記ノズル(4,24,34)の吹込み方向が揺動軸心回りで揺動調節可能であり、前記揺動軸は前記成形品の外周面の近傍に位置していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記吹込み方向の調節が前記ノズル(4)の調節によって行なわれることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズル(4)がノズルに対して調節可能なノズル突出先端部(4a,4b)を有していることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ノズル突出先端部(4a,4b)が伝動変位機構を介して前記ノズルと連結されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記吹込み方向の調節が噴射領域内に配置された可変翼体(25)の調節によって行なわれることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記吹込み方向の調節が側方から流入する付加的な偏向流によって行われることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記偏向流自体は流量または方向あるいはその両方が調節可能であることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ノズル(4)の調整、前記ノズルの可変翼体(25)の調節、偏向流の励起のうちのいずれかまたはその組み合わせがプログラム制御されたモータによって行われることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズル(4,24,34)が前記一方の成形型(1,2)自体に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
複数のノズル(4,24,34)が前記成形型(1,2)の外周全体にわたって分散配置されており、同時にまたは時間的にずらして作動させられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
複数のノズル(4,24,34)がそれぞれ弁を介して、1本の共通の環状管に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ノズル(4,24,34)にまたは前記ノズルの前に密閉可能な自由吹込み口が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記繊維の吹込み中に、前記ノズル供給管内、前記ノズル内または前記成形型内で空気圧測定が行われ、一定の限界圧力に達すると繊維充填プロセスが終了させられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記空気圧測定は動圧測定として実施されることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記繊維の吹込みが複数のノズル(4,24,34)を用いて異なる時間タイミングで実行されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ノズル(4,24,34)または前記ノズルの吹込み方向が吹込み時に少なくとも周波数0.3Hzで揺動することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記繊維の初期圧縮または終期圧縮が仮の上側補助形成型によって行われることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記成形型または前記仮の上側補助形成型が局所的な空気逃がしを制御するために調節式スロットルを有していることを特徴とする請求項1または17に記載の装置。
【請求項19】
前記繊維の接着前、特に前記繊維の終期圧縮前に、少なくとも1つの被覆層(30a,30b)が前記成形型(1,2)の少なくとも一方に装填されるかまたは吹き込まれた繊維上に載置されることを特徴とする請求項1に記載の装置を用いた方法。
【請求項20】
前記繊維の吹込み前に前記被覆層(30a,30b)が前記成形型(1,2)に装填されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記被覆層(30a,30b)が低圧の圧力付与、局所的な締結、スナップ連結のいずれかによって前記成形型(1,2)内に保持されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記被覆層(30a,30b)として空気透過性材料である織布、編布、メッシュまたはフリースなどが使用されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から18のいずれか一項に記載の装置または請求項19から22のいずれか1項に記載の方法によって製造された、不均一な密度分布を有する成形品(30)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2011−505268(P2011−505268A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533480(P2010−533480)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009459
【国際公開番号】WO2009/062646
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(599098714)ロベルト・ビュルクレ・ゲー・エム・ベー・ハー (15)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BUERKLE GMBH
【住所又は居所原語表記】STUTTGARTER STRASSE 123, D‐72250 FREUDENSTADT, BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND
【Fターム(参考)】