説明

繊維ウエブへの薬液塗布方法および薬液塗布装置

【課題】原反ロールから繰り出される繊維ウエブの製品化過程において、均一に薬液を塗布するとともに、迅速に繊維ウエブに薬液を含浸させる。
【解決手段】原反ロール2から繰り出された繊維ウエブが製品化される工程において、薬液塗工ロール6と、繊維ウエブ押圧ロール7とを対面状態で備えるとともに、両者を交互に異なる面側に配備した第1の薬液塗布装置Fと、第2の薬液塗布装置Fとを設備し、前記第1の薬液塗布装置Fにおいて前記薬液塗工ロール6により繊維ウエブの一方面側に薬液を塗布すると同時に、前記繊維ウエブ押圧ロール7による加圧により薬液を含浸させ、前記第2の薬液塗布装置Fにおいて、前記薬液塗工ロール6により前記繊維ウエブの他方面側に薬液を塗布すると同時に、前記繊維ウエブ押圧ロール7による加圧によって薬液を含浸させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化される工程における繊維ウエブへの薬液塗布方法および薬液塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ティッシュペーパーやトイレットペーパー等の家庭用薄葉紙に代表されるような繊維ウエブよりなる製品においては、吸湿性や柔軟性を付与するためにローション薬液等の薬液が塗布されたものが知られている。この繊維ウエブに薬液を塗布する方法としては、例えば繊維ウエブに薬液をスプレーしたり、繊維ウエブを薬液に浸漬したり、塗工ロールによって薬液を塗布したりする方法が採用されている。後者の塗工ロールによる方法としては、例えば下記特許文献1に示されるように、グラビア版ロールおよびオフセット塗工ロール(転写ロール)からなる塗布装置を繊維ウエブを挟んで対峙させた状態で配置した、所謂グラビア転写方式のローション薬液塗布装置により、繊維ウエブの両面にそれぞれ同時的にローション薬液を塗布する方法が記載されている。
【0003】
また、下記特許文献2では、薬液を繊維ウエブに含浸させるに当たり、加工装置上で、ウエブに薬液をスプレーしたり、薬液中に浸漬したり、印刷機によるウエブに印刷する等の方法により含浸させ得ること、すなわちオンライン上で薬液の含浸を行い得ることが記載されている。
【特許文献1】特表平10−501853号公報
【特許文献2】特開平5−156596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示される方法は、原反ロールから繰り出された繊維ウエブに薬液を塗布したならば、再びロール状に巻き取るもので、所謂オフラインでの工程となる。従って、製品化ラインとは別の処理となるため、処理が煩雑であるとともに、製品化までに長時間を要する等、製品化までのコストが嵩むなどの問題があった。また、グラビア転写方式の場合は、塗布量を多くすると、転写ロール上でムラや波紋が生じ、塗布ムラが発生する。特に、70m/分以上の高速塗布になると、バウンシングが発生し、縞状のムラになるなどの問題があった。
【0005】
一方、上記特許文献2に示される方法では、製品化工程(オンライン)において薬液の塗布を行い得ることが記載されているけれども、実際にオンライン上で薬液の塗布を行う場合には、塗布直後に、切断工程、折り工程等を経て製品化されることになるが、薬液が十分に繊維ウエブに含浸されず、薬液の塗布度合いにムラが生じる、或いはしっとり感の立ち上がりが遅いなどの問題があった。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、原反ロールから繰り出される繊維ウエブの製品化過程において、高速下であって均一に薬液を塗布することができるとともに、繊維ウエブに薬液を迅速に含浸させ、しっとり感を早期に立ち上げできる繊維ウエブへの薬液塗布方法および薬液塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための請求項1に係る発明として、原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化されるライン工程において、
前記ライン中に、繊維ウエブの一方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールに対面させた状態で繊維ウエブの他方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロールとからなる第1の薬液塗布装置と、
繊維ウエブの他方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールに対面させた状態で繊維ウエブの一方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロールとからなる第2の薬液塗布装置とを備え、
前記第1の薬液塗布装置において、前記薬液塗工ロールにより繊維ウエブの一方面側に薬液を塗布すると同時に、前記繊維ウエブ押圧ロールによる加圧により前記薬液を繊維ウエブ中に含浸させ、
次いで、前記第2の薬液塗布装置において、前記薬液塗工ロールにより前記繊維ウエブの他方面側に薬液を塗布すると同時に、前記繊維ウエブ押圧ロールによる加圧により前記薬液を繊維ウエブ中に含浸させることを特徴とする繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0008】
請求項2に係る発明として、原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化されるライン工程において、
前記ライン中に、繊維ウエブの一方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールの出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブを跨いで対面状態で設けられた一対の繊維ウエブ押圧ロールとからなる第1の薬液塗布装置と、
繊維ウエブの他方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールの出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブを跨いで対面状態で設けられた一対の繊維ウエブ押圧ロールとからなる第2の薬液塗布装置とを備え、
前記第1の薬液塗布装置において、前記薬液塗工ロールにより繊維ウエブの一方面側に薬液を塗布した後、前記一対の繊維ウエブ押圧ロールによる加圧により前記薬液を繊維ウエブ中に含浸させ、
次いで、前記第2の薬液塗布装置において、前記薬液塗工ロールにより前記繊維ウエブの他方面側に薬液を塗布した後、前記繊維ウエブ押圧ロールによる加圧により前記薬液を繊維ウエブ中に含浸させることを特徴とする繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0009】
上記請求項1および2記載の発明によれば、原反ロールから繰り出される繊維ウエブの製品化工程において、前記繊維ウエブに対して薬液塗工ロールにより薬液を塗布すると同時に、或いは塗布直後に繊維ウエブを押圧ロールによって加圧し薬液を繊維ウエブ中に含浸させるようにした。従って、その直後の製品化に際し、繊維ウエブに薬液が迅速に含浸し、早期にしっとり感が立ち上がるようになり、品質が低下することもない。また、本発明では、繊維ウエブの表裏面で塗布工程を分けるとともに、前記押圧ロールの加圧力を調整することにより、薬液の浸透性やニップ圧が制御可能となるため、高速下であっても均一に薬液を塗布することができるようになる。
【0010】
請求項3に係る発明として、前記繊維ウエブはティッシュペーパー、トイレットペーパー等の家庭用薄葉紙であり、前記原反ロールは2組備えられ、各繊維ウエブ毎に、前記第1の薬液塗布装置および第2の薬液塗布装置を備える請求項1、2いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0011】
請求項4に係る発明として、前記繊維ウエブは、クレープ率15〜25%である請求項1〜3いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0012】
請求項5に係る発明として、前記薬液は粘度1〜500cpsのローション薬液である請求項1〜4いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0013】
請求項6に係る発明として、前記ローション薬液の塗布量は、繊維ウエブの両面で2〜20g/mとした請求項1〜5いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0014】
請求項7に係る発明として、前記塗工ロールはグラビア版であるとともに、前記繊維ウエブ押圧ロールはゴム圧胴である請求項1〜6いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0015】
請求項8に係る発明として、前記グラビア版のグラビア線数は1インチあたり100〜300線の割合で設けられている請求項7記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0016】
請求項9に係る発明として、前記グラビア版は、凹溝の容積が1〜15ml/mである請求項7,8いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法が提供される。
【0017】
上記請求項5〜9記載の発明によれば、前記繊維ウエブの種類およびクレープ率、前記薬液の種類、粘度および塗布量、前記グラビア版のグラビア線数および凹部の容積を具体的に規定することで、より確実に繊維ウエブに対する塗布性能が安定し、均一性を担保することができる。
【0018】
請求項10に係る発明として、原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化されるライン設備において、
繊維ウエブの一方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールに対面させた状態で繊維ウエブの他方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロールとからなる第1の薬液塗布装置と、
繊維ウエブの他方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールに対面させた状態で繊維ウエブの一方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロールとからなる第2の薬液塗布装置とを備えたことを特徴とする繊維ウエブへの薬液塗布装置が提供される。
【0019】
請求項11に係る発明として、原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化されるライン設備において、
繊維ウエブの一方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールの出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブを跨いで対面状態で設けられた一対の繊維ウエブ押圧ロールとからなる第1の薬液塗布装置と、
繊維ウエブの他方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールの出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブを跨いで対面状態で設けられた一対の繊維ウエブ押圧ロールとからなる第2の薬液塗布装置とを備えたことを特徴とする繊維ウエブへの薬液塗布装置が提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上詳説のとおり本発明によれば、原反ロールから繰り出される繊維ウエブの製品化過程において、高速下であって均一に薬液を塗布できるようになるとともに、繊維ウエブに薬液を迅速に含浸させ、しっとり感を早期に立ち上がらせることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る繊維ウエブ加工装置の全体図であり、図2はその薬液塗布装置3部位の拡大図である。
【0022】
前記繊維ウエブ加工装置は主に、この繊維ウエブ1を製品化工程に繰り出す2組の原反ロール2,2と、前記原反ロール2より繰り出された繊維ウエブ1に薬液を塗布する薬液塗布装置3と、前記薬液塗布装置3を経た繊維ウエブ1に対してエンボス加工を施すエンボスユニット4と、前記エンボスユニット4を経た繊維ウエブを一定の長さに切断する切断装置5と、折り加工装置(図示せず)とから構成されている。本装置例では前記繊維ウエブ1として、2枚1組のティッシュペーパーを対象としているため、原反ロール2が2組配置され、それぞれから繰り出される繊維ウエブ1、1の表裏面に対して夫々薬液の塗布を行うようになっている。なお、上記例ではティッシュペーパーの例であるが、これ以外にトイレットペーパー等の家庭用薄葉紙を対象とすることができる。また、前記原反ロール2、エンボスユニット4および切断装置5等については、繊維ウエブの製品化工程において一般に用いられている公知の装置を用いることができる。
【0023】
前記薬液塗布装置3について詳述すると、図2に示されるように、各繊維ウエブ1,1に対し、繊維ウエブ1の一方面側に配置される薬液塗工ロール6と、この薬液塗工ロール6に対面させた状態で繊維ウエブ1の他方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロール7とからなる第1の薬液塗布装置Fと、繊維ウエブ1の他方面側に配置される薬液塗工ロール6と、この薬液塗工ロール6に対面させた状態で繊維ウエブ1の一方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロール7とからなる第2の薬液塗布装置Fとを備える。
【0024】
前記原反ロール2から繰り出された繊維ウエブ1は、先ず上段側の第1の薬液塗布装置Fにおいて、薬液塗工ロール6により一方面側に薬液が塗布されると同時に、この薬液塗工ロール6と対峙する繊維ウエブ押圧ロール7(以下、単に押圧ロールという。)により他方面側から押圧され、薬液が繊維ウエブ1中に含浸される。次いで、下段側の第2の薬液塗布装置F部位において、薬液塗工ロール6により他方面側に薬液が塗布されると同時に、この薬液塗工ロール6と対峙する押圧ロール7により一方面側から押圧され、薬液が繊維ウエブ1中に含浸されるようになっている。
【0025】
前記薬液塗布装置F(F)について更に図3に基づいて詳述すると、繊維ウエブ1の一方面側に配置される前記薬液塗工ロール6にはグラビア版が用いられ、繊維ウエブ1の他方面側に配置される前記押圧ロール7にはゴム圧胴が用いられ、この押圧ロール7は油圧ジャッキ8等のスライド制御手段により押圧力が調整可能になっている。前記押圧ロール7による押圧力(線圧)は、0.3〜2.2kgf/cm、好ましくは0.8〜1.5kgf/cmの範囲になるように調整するのが望ましい。なお、前記押圧ロール7のスライド制御手段としては、前記油圧ジャッキ8等の他、ネジ作用による進退制御としてもよい。
【0026】
前記薬液塗工ロール6のグラビア版は、周面の母線方向に沿って一定間隔で細かな凹溝が多数設けられており、この凹溝に充填された薬液が繊維ウエブ1に対して塗布されるようになっている。前記凹溝の数、すなわちグラビア線数は、1インチ当たり100〜300線の割合で設けるのが好ましい。300線を超えると繊維ウエブへの薬液塗布具合が不均一となる一方、100線未満の場合には薬液を繊維ウエブに含浸させるのに時間がかかり、品質にムラが生じる虞がある。さらに、前記グラビア線数は、繊維ウエブに薬液をより均一に塗布させるとともに、製品の品質を安定化させるために、1インチ当たり120〜225線の割合で設けるのがより好ましい。また、同様の理由から前記凹溝の容積は、1〜15ml/mとするのが好ましく、最適には2〜5ml/mである。
【0027】
前記薬液塗工ロール6の背面側(押圧ロール7対峙面と反対側の面)には、薬液供給管9が設けられており、前記薬液供給管9に供給された薬液がリップ部10を経て薬液塗工ロール6に供給されるようになっている。前記薬液としては、一般的に使用されているものであればどのようなものであってもよい。具体的には、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類、グルコール系薬剤およびその誘導体、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール、流動パラフィンなどの1種以上を任意の組合せで用いることができる。また、これにグリシン、アスパラギン酸、アルギニン、アラニン、シスチン、システィンなどのアミノ酸、アロエエキス、アマチャエキス、アシタバエキス、カリンエキス、キュウリエキス、スギナエキス、トマトエキス、ノバラエキス、ヘチマエキス、ユリエキス、レンゲソウエキスなどの植物抽出エキスや、オリーブ油、ホホバ油、ローズヒップ油、アーモンド油、ユーカリ油、アボカド油、ツバキ油、大豆油、サフラワー油、ゴマ油、月見草油等の植物油や、ビタミン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、キトサン、尿素、ハチミツ、ローヤルゼリー、ヒアルロン酸ナトリウム、セラミド、スクワラン、ワセリンなどを配合することができる。オンライン塗布を均一に行うためには、前記薬液の粘度は1〜500cps、好ましくは50〜300cpsの範囲に調整するのがよい。粘度が500cpsを超える場合には、ブレードの掻き取り制御が難しくなり、掻き取り不良を生じ易く、また粘度が高いために転移不良が起こるなどして好ましくない。なお、前記薬液の粘性は温度や湿度等の外部条件で変化するため、この外部条件に応じて前記押圧ロール7の押圧力を調整するのが望ましい。
【0028】
一方、前記薬液塗工ロール6の下方には、前記リップ部10と薬液塗工ロール6との間隙から落下した薬液を回収する薬液受けパン11が設けられている。前記薬液受けパン11によって回収された薬液は、再度前記薬液供給管9に供給されるようになっている。
【0029】
前記薬液塗工ロール6の上方部位には、薬液掻き取り装置12が備えられている。前記薬液掻き取り装置12には前記薬液塗工ロールに先端が接触するドクターブレード13が設けられ、前記薬液塗工ロール6の表面に存在する過分な薬液を掻き取るようになっている。なお、前記薬液の塗布量としては、繊維ウエブ1の両面で2〜20g/mとなるように調整するのが望ましい。薬液塗布量が2g/m未満ではしっとり感が不足し、20g/mを超える場合にはべた付き感が出るようになる。最適範囲は6〜10g/mである。なお、繊維ウエブ1の表裏面に対する塗布量は均等とする必要はなく、むしろ2枚1組で重ねられた状態で裏面側となる面に対する塗布量を相対的に多くすることにより、べた付き感を抑えながらしっとり感を増大させるようにするのが望ましい。
前記繊維ウエブ1の薬液塗布装置3において、より均一に薬液を塗布するためには、繊維ウエブのクレープ率は好ましくは15〜25%の家庭用薄葉紙を用いるのがよい。
【0030】
〈第2形態例〉
さらに、前記薬液塗工ロール6および押圧ロール7の配置構成は図示の構成以外に、例えば図4に示されるように、繊維ウエブ1の一方面側に配置される薬液塗工ロール6と、この薬液塗工ロール6の出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブ1を跨いで対面状態で設けられた一対の押圧ロール7,7とからなる第1の薬液塗布装置Fと、繊維ウエブ1の他方面側に配置される薬液塗工ロール6と、この薬液塗工ロール6の出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブ1を跨いで対面状態で設けられた一対の押圧ロール7,7とからなる第2の薬液塗布装置Fとを備えるようにしてもよい。
【0031】
かかる構成の場合には、原反ロール2より繰り出された繊維ウエブ1は、先ず上段側の第1の薬液塗布装置Fにおいて、薬液塗工ロール6により一方面側に薬液が塗布された直後に、押圧ロール7、7により押圧され、薬液が繊維ウエブ1中に含浸される。次いで、下段側の第2の薬液塗布装置Fにおいて、薬液塗工ロール6により、他方面側に薬液が塗布された直後に、押圧ロール7、7により再度押圧され、薬液が繊維ウエブ1中に含浸されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明が適用される繊維ウエブ加工装置の全体図である。
【図2】その薬液塗布装置3部位の拡大図である。
【図3】さらにその腰部拡大図である。
【図4】薬液塗布装置3の変形例図である。
【符号の説明】
【0033】
1…繊維ウエブ、2…原反ロール、3…薬液塗布装置、6…薬液塗工ロール、7…繊維ウエブ押圧ロール、8…油圧ジャッキ、9…薬液供給管、F…第1の薬液塗布装置、F…第2の薬液塗布装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化されるライン工程において、
前記ライン中に、繊維ウエブの一方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールに対面させた状態で繊維ウエブの他方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロールとからなる第1の薬液塗布装置と、
繊維ウエブの他方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールに対面させた状態で繊維ウエブの一方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロールとからなる第2の薬液塗布装置とを備え、
前記第1の薬液塗布装置において、前記薬液塗工ロールにより繊維ウエブの一方面側に薬液を塗布すると同時に、前記繊維ウエブ押圧ロールによる加圧により前記薬液を繊維ウエブ中に含浸させ、
次いで、前記第2の薬液塗布装置において、前記薬液塗工ロールにより前記繊維ウエブの他方面側に薬液を塗布すると同時に、前記繊維ウエブ押圧ロールによる加圧により前記薬液を繊維ウエブ中に含浸させることを特徴とする繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項2】
原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化されるライン工程において、
前記ライン中に、繊維ウエブの一方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールの出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブを跨いで対面状態で設けられた一対の繊維ウエブ押圧ロールとからなる第1の薬液塗布装置と、
繊維ウエブの他方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールの出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブを跨いで対面状態で設けられた一対の繊維ウエブ押圧ロールとからなる第2の薬液塗布装置とを備え、
前記第1の薬液塗布装置において、前記薬液塗工ロールにより繊維ウエブの一方面側に薬液を塗布した後、前記一対の繊維ウエブ押圧ロールによる加圧により前記薬液を繊維ウエブ中に含浸させ、
次いで、前記第2の薬液塗布装置において、前記薬液塗工ロールにより前記繊維ウエブの他方面側に薬液を塗布した後、前記繊維ウエブ押圧ロールによる加圧により前記薬液を繊維ウエブ中に含浸させることを特徴とする繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項3】
前記繊維ウエブはティッシュペーパー、トイレットペーパー等の家庭用薄葉紙であり、前記原反ロールは2組備えられ、各繊維ウエブ毎に、前記第1の薬液塗布装置および第2の薬液塗布装置を備える請求項1、2いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項4】
前記繊維ウエブは、クレープ率15〜25%である請求項1〜3いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項5】
前記薬液は粘度1〜500cpsのローション薬液である請求項1〜4いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項6】
前記ローション薬液の塗布量は、繊維ウエブの両面で2〜20g/mとした請求項1〜5いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項7】
前記塗工ロールはグラビア版であるとともに、前記繊維ウエブ押圧ロールはゴム圧胴である請求項1〜6いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項8】
前記グラビア版のグラビア線数は1インチあたり100〜300線の割合で設けられている請求項7記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項9】
前記グラビア版は、凹溝の容積が1〜15ml/mである請求項7,8いずれかに記載の繊維ウエブへの薬液塗布方法。
【請求項10】
原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化されるライン設備において、
繊維ウエブの一方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールに対面させた状態で繊維ウエブの他方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロールとからなる第1の薬液塗布装置と、
繊維ウエブの他方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールに対面させた状態で繊維ウエブの一方面側に配置される繊維ウエブ押圧ロールとからなる第2の薬液塗布装置とを備えたことを特徴とする繊維ウエブへの薬液塗布装置。
【請求項11】
原反ロールから繰り出された繊維ウエブが製品化されるライン設備において、
繊維ウエブの一方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールの出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブを跨いで対面状態で設けられた一対の繊維ウエブ押圧ロールとからなる第1の薬液塗布装置と、
繊維ウエブの他方面側に配置される薬液塗工ロールと、この薬液塗工ロールの出側位置に配設されるとともに、繊維ウエブを跨いで対面状態で設けられた一対の繊維ウエブ押圧ロールとからなる第2の薬液塗布装置とを備えたことを特徴とする繊維ウエブへの薬液塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−7218(P2006−7218A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205221(P2005−205221)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【分割の表示】特願2003−7842(P2003−7842)の分割
【原出願日】平成15年1月16日(2003.1.16)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】