説明

繊維強化樹脂複合材料

【課題】 繊維強化樹脂複合材料の最大荷重までの吸収エネルギー(弾性エネルギー)と最大荷重後の吸収エネルギー(進展エネルギー)とを同時に向上させることのできる樹脂強化用繊維と、該樹脂強化用繊維を用いた繊維強化樹脂複合材料を提供する。
【解決手段】 繊維をエポキシ化ポリジエン系樹脂で表面処理した樹脂強化用繊維。前記繊維として、炭素繊維又はガラス繊維が好ましい。本発明の繊維強化樹脂複合材料は、前記樹脂強化用繊維とマトリックス樹脂とで構成される。前記マトリックス樹脂としてエポキシ系熱硬化性樹脂が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化複合材料を製造する上で有用な樹脂強化用繊維と、該樹脂強化用繊維を用いた繊維強化樹脂複合材料、及び該繊維強化樹脂複合材料で構成されている構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化樹脂複合材料は、強化繊維とマトリックス樹脂とからなる複合材料であり、自動車部品、土木建築用品、風力発電のブレード、スポーツ用品、航空機、船舶、ロボット、ケーブル材料等の分野で広く利用されている。強化繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊維等が用いられる。マトリックス樹脂としては、強化繊維への含浸が容易な熱硬化性樹脂が用いられることが多い。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等が用いられるが、なかでも優れた耐熱性、弾性率、耐薬品性を有し、かつ硬化収縮が小さいエポキシ樹脂が最もよく用いられる。
【0003】
特許第3136883号公報(特許文献1)には、耐衝撃性に優れた炭素繊維強化樹脂複合材料を提供することを課題として、比重が1.75以下、引張弾性率、引張強度が特定値以上、表面窒素濃度N/Cおよび表面酸素濃度O/Cが特定の範囲であり、複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物からなるエポキシ系サイジング剤を炭素繊維単位重量当たり0.01〜5%付与してなり、板端剥離強度が22kgf/mm2以上である炭素繊維で強化することを特徴とする炭素繊維強化樹脂複合材料が開示されている。前記エポキシ系サイジング剤としては、エポキシ基の数が2〜4個、分子量が100〜2000である脂肪族化合物が用いられる。
【0004】
特許第3003521号公報(特許文献2)には、サイジング剤が付着した炭素繊維であって、接着力のバラツキが小さく、炭素繊維とマトリックス樹脂との接着力を向上させ、複合材料の機械的特性を安定して良好なものとしうる炭素繊維を提供することを課題として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル又は複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物からなるサイジング剤が付着した炭素繊維であって、該サイジング剤の厚みが特定の範囲内であり、且つ該サイジング剤の厚みの最大値と最小値の比が特定の範囲内にある炭素繊維が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3136883号公報
【特許文献2】特許第3003521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記文献に記載の強化繊維では、繊維に付着させるサイジング剤の分子中にエポキシ基の数が少なく、またサイジング剤の分子量も小さいため、強化繊維とマトリックス樹脂との密着性を十分高くすることが困難である。また、従来、繊維強化樹脂複合材料の耐衝撃性に関し、最大荷重までの吸収エネルギー(弾性エネルギー)と最大荷重後の吸収エネルギー(進展エネルギー)とを同時に向上させることが困難であった。すなわち、繊維とマトリックス樹脂との密着性を高くして最大荷重までの吸収エネルギーを高くしようとすると最大荷重後の吸収エネルギーが低下し、逆に最大荷重後の吸収エネルギーを高くしようとすると最大荷重までの吸収エネルギーが低下するという二律背反があった。
【0007】
本発明の目的は、繊維強化樹脂複合材料の最大荷重までの吸収エネルギー(弾性エネルギー)と最大荷重後の吸収エネルギー(進展エネルギー)とを同時に向上させることのできる樹脂強化用繊維と、該樹脂強化用繊維を用いた繊維強化樹脂複合材料、及び該繊維強化樹脂複合材料で構成されている構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、表面をエポキシ化ポリジエン系樹脂で処理した繊維を強化繊維として用いると、繊維強化樹脂複合材料の最大荷重までの吸収エネルギーと最大荷重後の吸収エネルギーとを同時に向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、繊維をエポキシ化ポリジエン系樹脂で表面処理した樹脂強化用繊維を提供する。
【0010】
前記繊維は炭素繊維又はガラス繊維であることが好ましい。
【0011】
本発明は、また、前記樹脂強化用繊維とマトリックス樹脂とで構成される繊維強化樹脂複合材料を提供する。
【0012】
前記マトリックス樹脂はエポキシ系熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0013】
本発明は、さらに、前記繊維強化樹脂複合材料で構成されている構造物を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の樹脂強化用繊維によれば、繊維表面が分子主鎖自体にゴム弾性を有し且つ分子内にエポキシ基を多数有するエポキシ化ポリジエン系樹脂で処理されているため、これを強化繊維として用いた繊維強化樹脂複合材料において、繊維とマトリックス樹脂との間に、マトリックス樹脂に対する接着性(密着性)が極めて高く、しかも柔軟性に著しく優れた界面相が形成される。そのため、繊維強化樹脂複合材料の最大荷重までの吸収エネルギー(弾性エネルギー)と最大荷重後の吸収エネルギー(進展エネルギー)とを同時に向上させることができる。すなわち、これまで両立が困難であった動的強度と静的強度を同時に改善することが可能となった。このため、従来、瞬間的な衝撃に強いものは一般に衝撃を受けた後には脆くなるという欠点を有していたのに対し、本発明の繊維強化樹脂複合材料は、粘り強さを有しており、強い衝撃に耐えられるだけでなく、強い衝撃を受けた後でも高い強度を保持できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[樹脂強化用繊維]
本発明の樹脂強化用繊維は、繊維をエポキシ化ポリジエン系樹脂で表面処理したものである。繊維としては、繊維強化樹脂複合材料に通常用いられる繊維であれば特に限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維などが挙げられる。これらのなかでも、炭素繊維、ガラス繊維が特に好ましい。繊維は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0016】
前記炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維などを用いることができる。ガラス繊維としては、樹脂強化用に通常用いられるガラス繊維を使用できる。
【0017】
エポキシ化ポリジエン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン又は分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体のエポキシ化物を使用できる。分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体のエポキシ化物としては、ブタジエン構造を有する共重合ポリエンのエポキシ化物(例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体のエポキシ化物等)、イソプレン構造を有する共重合ポリエンのエポキシ化物(例えば、スチレン/イソプレン/スチレン共重合体のエポキシ化物等)などが例示できる。前記ポリブタジエン、ポリイソプレン、分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体の末端基は、水素原子のほか、水酸基、シアノ基などであってもよい。末端基としては、特に、水素原子、水酸基が好ましい。エポキシ化ポリジエン系樹脂としては、これらの中でも、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレン、エポキシ化スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体、エポキシ化スチレン/イソプレン/スチレン共重合体が好ましく、特にエポキシ化ポリブタジエンが好ましい。エポキシ化ポリジエン系樹脂は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0018】
エポキシ化ポリジエン系樹脂は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体にエポキシ化剤を反応させることによって得ることができる。
【0019】
原料であるポリブタジエン、ポリイソプレン、分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体において、二重結合部位の立体構造は、シス−1,4、トランス−1,4、トランス−1,2、シス−1,2のいずれであってもよい。また、それらの比率は任意でよい。
【0020】
エポキシ化剤としては、過酢酸、過ギ酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸、過プロピオン酸などの有機過酸類、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなどの有機ヒドロパーオキサイド類などが挙げられる。有機過酸としては、目的物のオキシラン酸素濃度を高めるため、実質的に水を含まないもの(例えば、水分含有量が0.8重量%以下)が好ましい。上記エポキシ化剤の中でも、工業的に安価に入手でき、且つ安定度の高い点から、過酢酸が特に好ましい。
【0021】
エポキシ化の際には触媒を用いることができる。エポキシ化剤として有機過酸を使用する場合は、炭酸ナトリウム等のアルカリや、硫酸などの酸を触媒として用いることができる。また、エポキシ化剤として過酸化水素を用いる場合は、タングステン酸と水酸化ナトリウムの混合物や有機酸を触媒として用いることができる。さらに、t−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機ヒドロパーオキサイド類を使用する場合は、モリブデンへキサカルボニルを触媒として使用できる。
【0022】
エポキシ化反応は、不活性溶媒中で行うことができる。不活性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エーテル類;酢酸エチルなどのエステル類;クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;これらの混合溶媒などが挙げられる。
【0023】
エポキシ化の反応温度は、エポキシ化剤の種類に応じて適宜選択できる。エポキシ化剤として過酢酸を用いる場合には、反応温度は、例えば20〜80℃である。エポキシ化剤としてt−ヒドロパーオキサイドを用いる場合には、反応温度は、例えば20〜150℃である。
【0024】
原料(ポリブタジエン、ポリイソプレン、分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体)に対するエポキシ化剤の仕込みモル比は、目的とするエポキシ化度に応じて適宜選択することができる。原料が有する二重結合1モルに対して、エポキシ化剤を1〜2モル加えるのが好ましい。
【0025】
生成したエポキシ化ポリジエン系樹脂は、適当な方法、例えば、貧溶媒で沈殿させる方法、重合体を熱水中に撹拌下に投入し、溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒する方法等により単離できる。
【0026】
エポキシ化ポリジエン系樹脂の数平均分子量は、例えば、500〜50000、好ましくは2500〜30000、さらに好ましくは3500〜20000である。エポキシ化ポリジエン系樹脂のオキシラン酸素濃度は、例えば、3〜15%、好ましくは5〜12%である。1分子中のエポキシ基の数は5個以上(例えば、5〜200個)が好ましく、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは20個以上である。
【0027】
[樹脂強化用繊維の調製]
本発明の樹脂強化用繊維は、繊維をエポキシ化ポリジエン系樹脂によって表面処理することにより得ることができる。繊維の形態としては、特に限定されず、例えば、単繊維、ヤーン、ストランド、織物、ニット、マット、ブレイド等のいずれの形態であってもよい。表面処理の方法としては、特に限定されず、例えば、繊維をエポキシ化ポリジエン系樹脂の溶液又は分散液に浸漬させたり、繊維にエポキシ化ポリジエン系樹脂の溶液又は分散液を噴霧して、繊維の表面にエポキシ化ポリジエン系樹脂を付着させる方法などを用いることができる。浸漬、噴霧等の操作後は、適当な温度で乾燥して、溶媒を除去する。乾燥温度は、溶剤の種類等により適宜選択でき、例えば、35〜350℃、好ましくは40〜250℃程度である。
【0028】
エポキシ化ポリジエン系樹脂の溶液又は分散液の調製に用いる溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド又はラクタム;アセトン等のケトン;エステル又はラクトン;これらの混合液などが挙げられる。
【0029】
エポキシ化ポリジエン系樹脂の溶液又は分散液の調製には、必要に応じて(特に、水を溶媒として用いる場合には)、界面活性剤、乳化剤、分散剤等を用いることができる。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等のいずれを用いてもよい。界面活性剤、乳化剤、分散剤等は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、前記繊維の表面処理には、エポキシ化ポリジエン系樹脂をカプセル乳化した分散液を用いることもできる。
【0030】
樹脂強化用繊維において、エポキシ化ポリジエン系樹脂の処理量(付着量)としては、繊維100重量部に対して、例えば、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。この量が少なすぎると、繊維強化樹脂複合材料を製造する際、繊維とマトリックス樹脂との接着性が低下しやすくなり、多すぎると、繊維とマトリックス樹脂間にエポキシ化ポリジエン系樹脂の硬化物の厚い層が占めることになり、複合材料としての特性が変化するおそれがある。
【0031】
[繊維強化樹脂複合材料]
本発明の繊維強化樹脂複合材料は、前記樹脂強化用繊維とマトリックス樹脂とで構成される。マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよいが、強化繊維への含浸が容易な点で、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等が用いられる。マトリックス樹脂としては、上記樹脂の中でも、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れており、また硬化収縮が小さい点で、エポキシ系熱硬化性樹脂が好ましい。
【0032】
前記エポキシ系熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、硬化前のエポキシ化合物として、分子内にエポキシ基を2以上有するエポキシ化合物が好ましい。前記エポキシ化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0033】
前記分子内にエポキシ基を2以上有するエポキシ化合物としては、特に限定されず、例えば、脂環式エポキシ化合物、ビスフェノール型ジエポキシ化合物、脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂などを使用できる。
【0034】
前記脂環式エポキシ化合物としては、分子内に環状脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよく、特に限定されないが、(i)エポキシ基が環状脂肪族骨格を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を2以上有するエポキシ化合物が好ましい。このような脂環式エポキシ化合物として下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0035】
【化1】

【0036】
上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物は、対応する脂環式オレフィン化合物を脂肪族過カルボン酸等によって酸化することにより製造され、実質的に無水の脂肪族過カルボン酸を用いて製造されたものが高いエポキシ化率を有する点で好ましい。
【0037】
上記式(1)において、Yは単結合又は連結基を示す。連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びこれらが複数個連結した基などが挙げられる。上記2価の炭化水素基としては、炭素数1〜18(特に1〜6)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基や2価の脂環式炭化水素基(特に2価のシクロアルキレン基)等が好ましく例示される。前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などが挙げられる。また、2価の脂環式炭化水素基としては、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、シクロペンチリデン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン、シクロヘキシリデン基などが挙げられる。
【0038】
式(1)で表される脂環式エポキシ化合物としては、具体的には、下記の化合物が例示される。
【0039】
【化2】

【0040】
上記式中、nは1〜30の整数である。
【0041】
脂環式エポキシ化合物としては、上記(i)のほか、(ii)2つのエポキシ基のうち1つのみが環状脂肪族骨格を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基であるエポキシ化合物(例えば、リモネンジエポキシド)、(iii)エポキシ基を構成する炭素原子が環状脂肪族骨格を構成する炭素原子と単結合で結合しているエポキシ化合物、(iv)グリシジルエーテル化合物(例えば、環状脂肪族骨格とグリシジルエーテル基を有するグリシジルエーテル型エポキシ化合物など)も使用可能である。上述の化合物としては、具体的には下記の化合物が例示される。
【0042】
【化3】

【0043】
上記式中、Rはq価のアルコール[R−(OH)q]からq個のOHを除した基、pは1〜50の整数、qは1〜10の整数を示す。q個の括弧内の基において、pはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。q価のアルコール[R−(OH)q]としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等の1価のアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価のアルコール;グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどの3価以上のアルコールが挙げられる。前記アルコールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等であってもよい。前記アルコールとしては、炭素数1〜10の脂肪族アルコール(特に、トリメチロールプロパン等の脂肪族多価アルコール)が好ましい。
【0044】
さらに、その他にも、(v)3以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物を用いることも可能である。具体的には下記の化合物が例示される。
【0045】
【化4】

【0046】
上記式中、a、b、c、d、e、fは、0〜30の整数である。
【0047】
前記ビスフェノール型ジエポキシ化合物としては、公知のものを使用でき、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル;両末端にグリシジルエーテル基を有する、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合生成物等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ビスフェノールFジグリシジルエーテル;両末端にグリシジルエーテル基を有する、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンとの縮合生成物等)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(ビスフェノールSジグリシジルエーテル;両末端にグリシジルエーテル基を有する、ビスフェノールSとエピクロロヒドリンとの縮合生成物等)などが挙げられる。
【0048】
前記脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテルとしては、特に限定されない。該脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテルにおける「脂肪族多価アルコール」としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価のアルコール;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコールが挙げられる。
【0049】
脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテルの代表的な例として、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0050】
ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレン−ビスベンズアミンなどが挙げられる。
【0051】
前記エポキシ化合物は、調合時及び繊維強化樹脂複合材料製造時の作業性を向上させる観点から、液状であることが好ましい。ただし、単体としては固形のエポキシ化合物であっても、各成分を配合した後の硬化性組成物の粘度(25℃)として、例えば20000mPa・s以下になるものであれば使用可能である。エポキシ化合物(使用する全てのエポキシ化合物の混合物)の粘度(25℃)は、例えば、50000mPa・s以下、好ましくは30000mPa・s以下、さらに好ましくは20000mPa・s以下である。この粘度が大きすぎると、作業性等が低下しやすくなる。
【0052】
[繊維強化樹脂複合材料の製造]
本発明の繊維強化樹脂複合材料は、マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、前記本発明の樹脂強化用繊維とマトリックス樹脂を形成する硬化性組成物(硬化前の組成物)とからなる混合材料を硬化させることにより製造できる。硬化は、通常、加熱により行われる。繊維強化樹脂複合材料の製造には、公知の方法、例えば、プリプレグ法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、RTM(Resin Transfer Molding)法、引抜き成形法、バキュームインヒュージョン法等の方法を適用できる。
【0053】
前記硬化性組成物は、一般に、硬化性化合物(エポキシ化合物等)と、硬化剤及び硬化促進剤、又は硬化触媒と、必要に応じて配合される各種添加剤とで構成される。
【0054】
硬化剤としては特に限定されず、硬化性化合物の種類等に応じて適宜選択できる。硬化性化合物がエポキシ化合物等である場合には、硬化剤として酸無水物、ポリアミン等が好ましく用いられる。硬化剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0055】
酸無水物としては、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として慣用されているものの中から任意に選択して使用することができる。酸無水物としては、常温で液状のものが好ましく、具体的には、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。また、エポキシ樹脂組成物の含浸性に悪影響を与えない範囲で、常温で固体の酸無水物、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等を使用することができる。常温で固体の酸無水物を使用する場合には、常温で液状の酸無水物に溶解させ、常温で液状の混合物として使用することが好ましい。酸無水物系硬化剤として、商品名「リカシッド MH−700」(新日本理化社製)、商品名「リカシッド MH」(新日本理化社製)、商品名「HN−5500」(日立化成工業社製)などの市販品を使用することもできる。
【0056】
ポリアミンとしては、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として慣用されているものの中から任意に選択して使用することができる。ポリアミンとしては、常温で液状のものが好ましい。常温で固体のポリアミンを使用する場合は、常温で液状のポリアミンに溶解させ、常温で液状の混合物として使用することが好ましい。ポリアミンの具体例として、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン、イソホロンジアミンなどの環状脂肪族ポリアミン;ポリエーテルポリアミン[例えば、商品名「JEFFAMINE D-230」、「JEFFAMINE D-400」、「JEFFAMINE D-2000」、「JEFFAMINE D-4000」、「JEFFAMINE ED-600」、「JEFFAMINE ED-900」、「JEFFAMINE ED-2003」、「JEFFAMINE EDR-148」、「JEFFAMINE EDR-176」、「JEFFAMINE T-403」、「JEFFAMINE T-3000」、「JEFFAMINE T-5000」(以上、ハンツマン社製)等]などが挙げられる。
【0057】
酸無水物系硬化剤、ポリアミン系硬化剤等の硬化剤の配合量は、硬化剤としての効果を発揮し得る有効量、すなわち、通常、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ化合物におけるエポキシ基1当量当たり、0.5〜1.5の酸無水物当量(又は、アミン当量等)になるような割合で使用することが好ましい。
【0058】
前記硬化促進剤は、エポキシ化合物等の硬化促進に一般に使用される硬化促進剤であれば特に制限はなく、例えば、第三級アミン、第三級アミン塩、イミダゾール類、有機リン系化合物、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、有機金属塩、ホウ素化合物等を用いることができる。硬化促進剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0059】
第三級アミンとしては、例えば、ラウリルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)などが挙げられる。
【0060】
第三級アミン塩としては、例えば、前記第三級アミンのカルボン酸塩、スルホン酸塩、無機酸塩などが挙げられる。カルボン酸塩としては、オクチル酸塩等の炭素数1〜30(特に、炭素数1〜10)のカルボン酸の塩(特に、脂肪酸の塩)などが挙げられる。スルホン酸塩としては、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩などが挙げられる。第三級アミン塩の代表的な例として、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)の塩(例えば、p−トルエンスルホン酸塩、オクチル酸塩)などが挙げられる。
【0061】
イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
【0062】
有機リン系化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニルなどが挙げられる。
【0063】
第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。
【0064】
第四級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、テトラブチルホスホニウムラウリン酸塩、テトラブチルホスホニウムミリスチン酸塩、テトラブチルホスホニウムパルミチン酸塩、テトラブチルホスホニウムカチオンとビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸及び/又はメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸のアニオンとの塩、テトラブチルホスホニウムカチオンと1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸のアニオンとの塩、テトラブチルホスホニウムカチオンとメタンスルホン酸のアニオンとの塩、テトラブチルホスホニウムカチオンとベンゼンスルホン酸のアニオンとの塩、テトラブチルホスホニウムカチオンとp−トルエンスルホン酸のアニオンとの塩、テトラブチルホスホニウムカチオンと4−クロロベンゼンスルホン酸のアニオンとの塩、テトラブチルホスホニウムカチオンとドデシルベンゼンスルホン酸のアニオンとの塩などが挙げられる。
【0065】
有機金属塩としては、例えば、オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛、ジラウリン酸ジブチルスズ、アルミニウムアセチルアセトン錯体などが挙げられる。
【0066】
ホウ素化合物としては、例えば、三フッ化ホウ素、トリフェニルボレートなどが挙げられる。
【0067】
硬化促進剤として、商品名「U−CAT SA−506」、「U−CAT SA−102」、「U−CAT 5003」(以上、サンアプロ社製)などの市販品を使用することもできる。
【0068】
硬化促進剤の配合量は、硬化剤(酸無水物系硬化剤等)の種類によっても異なるが、通常、硬化剤100重量部に対して、0.01〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜8重量部である。
【0069】
硬化触媒としては、例えば、カチオン重合開始剤を使用できる。カチオン重合開始剤は、加熱によりカチオン重合を開始させる物質を放出する開始剤である。カチオン重合開始剤としては、例えば、アリールジアゾニウム塩[例えば、PP−33((株)ADEKA製)]、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩[例えば、FC−509(スリーエム(株)製)、UVE1014(G.E.(株)製)、CP−66、CP−77(以上、(株)ADEKA製)、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L(以上、三新化学工業(株)製)]などが挙げられる。
【0070】
硬化触媒の使用量は、例えば、硬化性化合物(エポキシ化合物等)100重量部に対して、0.01〜15重量部、好ましくは0.05〜12重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。
【0071】
前記各種添加剤としては、例えば、水酸基を有する低分子量化合物が挙げられる。水酸基を有する低分子化合物を配合することで、硬化反応を緩やかに進行させることができる。水酸基を有する化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどが挙げられる。
【0072】
また、硬化性組成物には、その他、硬化物(繊維強化樹脂複合材料)の物性に悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、界面活性剤、内部離型剤、着色剤、難燃剤、消泡剤、シランカップリング剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。これら各種の添加剤の配合量は硬化性組成物に対して重量基準で10%以下(特に、5%以下)であるのが好ましい。
【0073】
硬化性組成物の硬化温度は、硬化性化合物の種類によっても異なるが、例えば、40〜250℃、好ましくは80〜200℃である。
【0074】
こうして得られる繊維強化樹脂複合材料(硬化物)のガラス転移温度は、例えば、90℃以上、好ましくは120℃以上である。
【0075】
また、繊維強化樹脂複合材料における繊維体積含有率(Vf)は、用途によっても異なるが、一般には、20〜80%、好ましくは35〜70%である。
【0076】
本発明の繊維強化樹脂複合材料は、弾性エネルギー及び進展エネルギーがともに向上しており、衝撃に強いだけでなく、衝撃後の強度も保持されるため、航空機の胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドアなど、宇宙機のモーターケース、主翼など、人工衛星の構体、自動車のシャシー等の自動車部品、鉄道車両の構体、自転車の構体、船舶の構体、風力発電のブレード、圧力容器、釣り竿、テニスラケット、ゴルフシャフト、ロボットアーム、ケーブルなどの構造物に好適に用いることができる。
【実施例】
【0077】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0078】
実施例1
エポキシ化ポリブタジエン[ダイセル化学工業(株)製、商品名「エポリード PB3600」、オキシラン酸素濃度7.8%、数平均分子量5900]2重量部をアセトン100重量部に溶解させた溶液中に、炭素繊維クロス[東レ(株)製、炭素繊維T700による平織物]を約10秒間浸漬して取り出し、乾燥機内で、60℃の温度で30分間乾燥させた。乾燥後の炭素繊維クロスの重量は、浸漬前に比べて1.5%増加し、エポキシ化ポリブタジエンが炭素繊維に塗布されたことを確認した。
次に浸漬乾燥後の炭素繊維クロスの単層体または12層積層体に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]100重量部に対して、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物[新日本理化(株)製、商品名「リカシッドMH−700」]130重量部、エチレングリコール0.65重量部、硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のオクチル酸塩[サンアプロ(株)製、商品名「SA−102」]0.65重量部を混合した液(硬化性組成物)をハンドレイアップ法にて含浸させ、加熱炉にて、110℃で2時間硬化させた後、さらに170℃で2時間硬化させることにより炭素繊維強化樹脂を得た。
得られた炭素繊維強化樹脂の繊維体積含有率(Vf)を測定したところ、単層体では54.0%、12層積層体では60.9%であった。
【0079】
比較例1
炭素繊維クロスをエポキシ化ポリブタジエンの溶液に浸漬する操作を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、単層体、12層積層体の炭素繊維強化樹脂を作製した。
得られた炭素繊維強化樹脂の繊維体積含有率(Vf)を測定したところ、単層体では54.0%、12層積層体では64.3%であった。
【0080】
評価試験1
実施例1及び比較例1で得られた単層体の炭素繊維強化樹脂について引張試験を行い、弾性率(GPa)と引張強度(MPa)を測定した。引張試験は、JIS K7073の方法に準じて行った。なお、単層体の試験片サイズは、長さ200mm、幅20mm、厚さ0.35mmである。結果を表1に示す。表1において、増加率は下記式により求めた。
増加率(%)=[(実施例1の値−比較例1の値)/比較例1の値]×100
【0081】
評価試験2
実施例1及び比較例1で得られた12層積層させた炭素繊維強化樹脂について落すい衝撃試験を行い、最大荷重までの吸収エネルギー(弾性エネルギー)及び最大荷重後の吸収エネルギー(進展エネルギー)を測定した。落すい衝撃試験は、JIS K7085の方法に準じて行った。なお、12層積層体の試験片サイズは、長さ100mm、幅100mm、厚さ2mmであった。結果を表2に示す。表2において、増加率は下記式により求めた。
増加率(%)=[(実施例1の値−比較例1の値)/比較例1の値]×100
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
表1及び表2より、エポキシ化ポリジエン系樹脂で表面処理した樹脂強化用繊維を用いた複合材料(実施例1)は、エポキシ化ポリジエン系樹脂で表面処理していない樹脂強化用繊維を用いた複合材料(比較例1)と比較して、引張強度が大幅に改善されるとともに、弾性エネルギー及び進展エネルギーがともに増大することが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維をエポキシ化ポリジエン系樹脂で表面処理した樹脂強化用繊維。
【請求項2】
前記繊維が炭素繊維又はガラス繊維である請求項1記載の樹脂強化用繊維。
【請求項3】
請求項1又は2記載の樹脂強化用繊維とマトリックス樹脂とで構成される繊維強化樹脂複合材料。
【請求項4】
前記マトリックス樹脂がエポキシ系熱硬化性樹脂である請求項3記載の繊維強化樹脂複合材料。
【請求項5】
請求項4記載の繊維強化樹脂複合材料で構成されている構造物。

【公開番号】特開2012−77426(P2012−77426A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226275(P2010−226275)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000002901)株式会社ダイセル (1,236)
【Fターム(参考)】