説明

繊維性構造体及びその作製方法

その繊維性構造体に存在する全細孔の容積の少なくとも25%、及び/又は少なくとも43%が、半径91μm〜140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体と、そのような繊維性構造体を作製する方法とを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維性構造体、更に詳細には、その繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも25%、及び/又は少なくとも43%が、半径91μm〜140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体と、そのような繊維性構造体を作製する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
繊維性構造体、特にペーパータオルの消費者は、その繊維性構造体に吸収特性(吸収能力及び/又は吸収速度など)を求める。繊維性構造体における細孔容積分布は、その繊維性構造体の吸収特性に影響を及ぼす。従来から、吸収能力を最適化する細孔容積分布を示す繊維性構造体もあれば、吸収速度を最適化する細孔容積分布を示す繊維性構造体もある。今日まで、繊維性構造体の示す細孔容積分布を介して、吸収能力の特性と吸収速度及び表面乾燥性とのバランスを取る既知の繊維性構造体はない。
【0003】
既知の繊維性構造体は様々な細孔容積分布を示す。例えば、現在市販されている木材パルプベースのペーパータオルは、実質的に均一な細孔容積分布を示す。別の例では、現在市販されている拭き取り製品では、その拭き取り製品に存在する全細孔容積の55%を大きく超える部分が、半径100μm未満の細孔で存在する。更に別の例では、現在市販されている非テキスタイルの洗面タオルでは、その拭き取り製品における全細孔容積の55%を大きく超える部分が、半径200μm超の細孔で存在する。
【0004】
配合者が直面する問題は、消費者のニーズを満たす吸収特性(すなわち、吸収能力、並びに、吸収速度及び表面乾燥性)のバランスを取る細孔容積分布を有する繊維性構造体をいかに製造するかという点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、その繊維性構造体にある全細孔容積の少なくとも25%、及び/又は少なくとも43%が、半径91μm〜約140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体と、そのような繊維性構造体を作製する方法とに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、新規の細孔容積分布を示す繊維性構造体と、そのような繊維性構造体を作製する方法とを提供することで、消費者のニーズを満たすことによって、上で特定した問題を解決する。
【0007】
本発明の1つの実施例では、複数のフィラメントを含む繊維性構造体であって、本明細書に記載されている細孔容積分布試験方法によって割り出した場合に、その繊維性構造体にある全細孔容積の少なくとも43%、及び/又は少なくとも45%、及び/又は少なくとも50%、及び/又は少なくとも55%、及び/又は少なくとも60%、及び/又は少なくとも75%が、半径91μm〜約140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体を提供する。
【0008】
本発明の別の実施例では、微小領域からなる非ランダム反復パターンを含む繊維性構造体であって、本明細書に記載されている細孔容積分布試験方法によって割り出した場合に、その繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも25%、及び/又は少なくとも30%、及び/又は少なくとも43%、及び/又は少なくとも45%、及び/又は少なくとも50%、及び/又は少なくとも60%、及び/又は少なくとも75%が、半径91μm〜140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体を提供する。
【0009】
本発明の更に別の実施例では、繊維性構造体を作製する方法であって、複数のフィラメントを組み合わせて、前記細孔容積分布試験方法によって割り出した場合に、その繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも43%、及び/又は少なくとも45%、及び/又は少なくとも50%、及び/又は少なくとも55%、及び/又は少なくとも60%、及び/又は少なくとも75%が、半径91μm〜140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体を形成する工程を含む方法を提供する。
【0010】
本発明の更に別の例では、繊維性構造体を作製する方法であって、繊維性構造体中に微小領域からなる非ランダム反復パターンを形成できる回収装置上で複数のフィラメントを組み合わせて、微小領域からなる非ランダム反復パターンを含む繊維性構造体であって、本明細書に記載されている細孔容積分布試験方法によって割り出した場合に、その繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも25%、及び/又は少なくとも30%、及び/又は少なくとも43%、及び/又は少なくとも45%、及び/又は少なくとも50%、及び/又は少なくとも60%、及び/又は少なくとも75%が、半径91μm〜140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体を形成する工程を含む方法を提供する。
【0011】
本発明の更に別の例では、本発明による繊維性構造体を含む衛生ティッシュ製品を提供する。
【0012】
したがって、本発明は、その繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも25%、及び/又は少なくとも43%が、半径91μm〜140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体を提供することによって、上記の問題を解決する繊維性構造体と、そのような繊維性構造体を作製する方法とを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による繊維性構造体を含む様々な繊維性構造体の細孔容積分布のグラフであり、1μm〜1000μmの末端細孔半径と、細孔水分容量が示されている。
【図2】本発明による繊維性構造体を含む様々な繊維性構造体の細孔容積分布のグラフであり、1μm〜400μmの末端細孔半径と、細孔水分容量が示されている。
【図3】本発明による繊維性構造体の実施例の概略図。
【図4】図3を線4−4で切断した概略断面図。
【図5】本発明による繊維性構造体の別の実施例の断面の走査電子顕微鏡写真。
【図6】本発明による繊維性構造体の別の実施例の概略図。
【図7】本発明による繊維性構造体の別の実施例の概略断面図。
【図8】本発明による繊維性構造体の別の実施例の概略断面図。
【図9】本発明による繊維性構造体を作製するプロセスの実施例の概略図。
【図10】本発明によるプロセスで用いるパターン付きベルトの実施例の概略図。
【図11】本発明による繊維性構造体を作製するのに有用である、好適なダイからのフィラメント形成穴と流体放出穴の実施例の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
本明細書で使用するとき、「繊維性構造体」は、1本以上のフィラメント及び/又は繊維を含む構造体を意味する。1つの実施例では、本発明による繊維性構造体は、ある機能を行う目的で、構造体内にフィラメント及び/又は繊維が規則的に配列されたものを意味する。別の実施例では、本発明による繊維性構造体は不織布である。
【0015】
繊維性構造体を作製するプロセスの非限定的な例としては、既知の湿式抄紙法及びエアレイド抄紙法が挙げられる。このようなプロセスは典型的には、湿式媒質、より具体的には水性媒質、又は乾式媒質、より具体的には気体媒質、すなわち空気を媒質としたもののいずれかの媒質中の懸濁液の形状の繊維組成物を調製する工程を含む。湿式法で用いる水性媒質は、繊維スラリーと称する場合が多い。続いて、繊維スラリーを用いて、フォーミングワイヤ又はベルトに複数の繊維を堆積させ、初期の繊維性構造体が形成されるようにし、その後、繊維を合わせて乾燥及び/又は接着することによって、繊維性構造体を得る。繊維性構造体の更なる加工を行って、最終的な繊維性構造体を形成させるようにしてもよい。例えば、典型的な抄紙法では、最終的な繊維性構造体は、抄紙の最後にリールに巻きつけられると共に、その後、最終製品、例えば衛生ティッシュ製品に変換してよい繊維性構造体である。
【0016】
本発明の繊維性構造体は均質であっても、層状であってもよい。層状の場合、繊維性構造体は、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つ、及び/又は少なくとも4つ、及び/又は少なくとも5つの層を含んでよい。
【0017】
本発明の繊維性構造体は、同時形成した繊維性構造体であってよい。
【0018】
本明細書で使用するとき、「同時形成した繊維性構造体」は、その繊維性構造体が、少なくとも2つの異なる材料の混合物であって、その材料の少なくとも1つが、ポリプロピレンフィラメントのようなフィラメントを含み、その第1の材料とは異なる少なくとも1つの他の材料が、繊維及び/又は微粒子のような固体添加物を含む混合物を含むことを意味する。1つの実施例では、同時形成した繊維性構造体は、繊維(木材パルプ繊維、及び/又は吸収性ゲル材、及び/又は充填剤粒子、及び/又は微粒子点接着粉末、及び/又は粘土)、並びにフィラメント(ポリプロピレンフィラメントなど)のような固体添加物を含む。
【0019】
本明細書で使用するとき、「固体添加物」は繊維及び/又は微粒子を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「微粒子」は、粒状の物質又は粉末を意味する。
【0021】
本明細書で使用するとき、「繊維」及び/又は「フィラメント」は、見掛け上の長さが見掛け上の幅を大きく上回っている、すなわち、長さと直径との比が少なくとも約10である細長い微粒子を意味する。本発明の目的では、「繊維」は、上記のような細長い微粒子のうち、長さが5.08cm(2インチ)未満の微粒子であり、「フィラメント」は、上記のような細長い微粒子のうち、長さが5.08cm(2インチ)以上の微粒子である。
【0022】
繊維は典型的には、本質上は不連続的とみなされている。繊維の非限定的な例としては、木材パルプ繊維、ポリエステル繊維のような合成ステープルファイバーが挙げられる。
【0023】
フィラメントは典型的には、本質上は連続的又は実質的に連続的とみなされている。フィラメントは繊維よりも比較的長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローン及び/又はスパンボンドフィラメントを含む。紡糸してフィラメントにできる材料の非限定的な例としては、天然ポリマー(デンプン、デンプン誘導体、セルロース及びセルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、キチン、キトサン、ポリイソプレン(シス及びトランス)、ペプチド、ポリヒドロキシアルカノエートなど)と、合成ポリマー(ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィンのような熱可塑性ポリマーを含む熱可塑性ポリマーフィラメント、例えば、ポリプロピレンフィラメント、ポリエチレンフィラメント、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム(吸収性ゲル材)フィラメント、並びに、ポリエチレン−オクテンのようなポリオレフィンのコポリマー、ポリ乳酸フィラメント、ポリビニルアルコールフィラメント、及びポリカプロラクトンフィラメントのような生分解性又はたい肥化可能熱可塑性繊維が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。フィラメントは、モノコンポーネントであってもマルチコンポーネントであってもよく、例えばバイコンポーネントフィラメントであってよい。
【0024】
本発明の1つの実施例では、「繊維」は抄紙用繊維を指す。本発明で有用な製紙用繊維には、木材パルプ繊維として一般的に既知のセルロース繊維が含まれる。利用可能な木材パルプには、クラフト(Kraft)パルプ、亜硫酸パルプ、及び硫酸塩パルプなどの化学パルプ、並びに例えば、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、及び化学的に改質したサーモメカニカルパルプを包含するメカニカルパルプが挙げられる。しかしながら、化学パルプが、これから作製されたティッシュシートに触知できる優れた柔軟性を付与することから、好ましいことがある。落葉樹(以下、「広葉樹材」とも呼ばれる)及び針葉樹(以下、「針葉樹材」とも呼ばれる)の両方に由来するパルプが使用できる。広葉樹繊維及び針葉樹繊維は、混合することができ、あるいは、複数の層に堆積させて、層状ウェブを提供することができる。広葉樹及び針葉樹繊維の層状化を開示する目的で、米国特許第4,300,981号及び同第3,994,771号を本明細書に参考として組み込む。また、上記部類のいずれか又は全て、並びに元々の抄紙を容易にするために使用された充填剤及び接着剤などの他の非繊維性物質を含有し得るリサイクル紙から得られる繊維も、本発明に適用可能である。
【0025】
様々な木材パルプ繊維に加えて、他のセルロース系繊維、例えば、綿リンター、レーヨン、リヨセル、及びバガスを本発明で使用することができる。繊維の形状であるか、又は紡糸して繊維にすることができる他のセルロース源としては、草及び穀物源が挙げられる。
【0026】
本明細書で使用するとき、「衛生ティッシュ製品」は、排尿後及び排便後の清浄用の拭き取り用具(トイレットペーパー)、耳鼻咽喉からの排泄物用の拭き取り用具(ティッシュペーパー)、及び多機能の吸収及び清浄用の拭き取り用具(吸収性タオル)として有用である柔らかく密度の低い(すなわち<約0.15g/cm3)ウェブを意味する。本発明の好適な衛生ティッシュ製品の非限定的な例としては、ペーパータオル、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ナプキン、乳児用拭き取り用品、成人用拭き取り用品、ウェット拭き取り用品、清浄用拭き取り用品、研磨用拭き取り用品、化粧用拭き取り用品、カーケア用拭き取り用品、特定の機能を発揮する活性剤を含む拭き取り用品、用具と一緒に用いる清浄用基材、例えばSwiffer(登録商標)の拭き取り用品/パッドが挙げられる。衛生ティッシュ製品は、芯の周りに、又は芯の無い状態で輪状に巻き込んで、衛生ティッシュ製品のロールを形成させてもよい。
【0027】
1つの実施例では、本発明の衛生ティッシュ製品は、本発明による繊維性構造体を含む。
【0028】
本発明の衛生ティッシュ製品の坪量は、約10g/m2〜約120g/m2、及び/又は約15g/m2〜約110g/m2、及び/又は約20g/m2〜約100g/m2、及び/又は約30〜90g/m2であってよい。加えて、本発明の衛生ティッシュ製品の坪量は、約40g/m2〜約120g/m2、及び/又は約50g/m2〜約110g/m2、及び/又は約55g/m2〜約105g/m2、及び/又は約60〜100g/m2であってもよい。
【0029】
本発明の衛生ティッシュの総乾燥引張強度は、少なくとも59g/cm(150g/インチ)、及び/又は約78g/cm(200g/インチ)〜約394g/cm(1000g/インチ)、及び/又は約98g/cm(250g/インチ)〜約335g/cm(850g/インチ)であってよい。加えて、本発明の衛生ティッシュ製品の総乾燥引張強度は、少なくとも196g/cm(500g/インチ)、及び/又は約196g/cm(500g/インチ)〜約394g/cm(1000g/インチ)、及び/又は約216g/cm(550g/インチ)〜約335g/cm(850g/インチ)、及び/又は約236g/cm(600g/インチ)〜約315g/cm(800g/インチ)であってよい。1つの実施例では、衛生ティッシュ製品の総乾燥引張強度は約394g/cm(1000g/インチ)未満、及び/又は約335g/cm(850g/インチ)未満である。
【0030】
別の実施例では、本発明の衛生ティッシュ製品の総乾燥引張強度は少なくとも196g/cm(500g/インチ)、及び/又は少なくとも236g/cm(600g/インチ)、及び/又は少なくとも276g/cm(700g/インチ)、及び/又は少なくとも315g/cm(800g/インチ)、及び/又は少なくとも354g/cm(900g/インチ)、及び/又は少なくとも394g/cm(1000g/インチ)、及び/又は約315g/cm(800g/インチ)〜約1968g/cm(5000g/インチ)、及び/又は約354g/cm(900g/インチ)〜約1181g/cm(3000g/インチ)、及び/又は約354g/cm(900g/インチ)〜約984g/cm(2500g/インチ)、及び/又は約394g/cm(1000g/インチ)〜約787g/cm(2000g/インチ)であってよい。
【0031】
本発明の衛生ティッシュ製品の初期の総湿潤引張強度は、約78g/cm(200g/インチ)未満、及び/又は約59g/cm(150g/インチ)未満、及び/又は約39g/cm(100g/インチ)未満、及び/又は約29g/cm(75g/インチ)未満であってよい。
【0032】
本発明の衛生ティッシュ製品の初期の総湿潤引張強度は、少なくとも118g/cm(300g/インチ)、及び/又は少なくとも157g/cm(400g/インチ)、及び/又は少なくとも196g/cm(500g/インチ)、及び/又は少なくとも236g/cm(600g/インチ)、及び/又は少なくとも276g/cm(700g/インチ)、及び/又は少なくとも315g/cm(800g/インチ)、及び/又は少なくとも354g/cm(900g/インチ)、及び/又は少なくとも394g/インチ(1000g/インチ)、及び/又は約118g/cm(300g/インチ)〜約1968g/cm(5000g/インチ)、及び/又は約157g/cm(400g/インチ)〜約1181g/cm(3000g/インチ)、及び/又は約196g/cm(500g/インチ)〜約984g/cm(2500g/インチ)、及び/又は約196g/cm(500g/インチ)〜約787g/cm(2000g/インチ)、及び/又は約196g/cm(500g/インチ)〜約591g/cm(1500g/インチ)であってよい。
【0033】
本発明の衛生ティッシュ製品の密度は、(95g/平方インチで測定した場合、)約0.60g/cm3未満、及び/又は約0.30g/cm3未満、及び/又は約0.20g/cm3未満、及び/又は約0.10g/cm3未満、及び/又は約0.07g/cm3未満、及び/又は約0.05g/cm3未満、及び/又は約0.01g/cm3〜約0.20g/cm3、及び/又は約0.02g/cm3〜約0.10g/cm3であってよい。
【0034】
本発明の衛生ティッシュ製品は、衛生ティッシュ製品ロールの形状であってよい。このような衛生ティッシュ製品ロールは、連結しているが穴の開いた複数のシートの繊維性構造体で、隣接したシートから離すように取り出せるシートの繊維性構造体を含んでよい。1つの実施例では、衛生ティッシュ製品のロールの末端部から繊維、特に木材パルプ繊維が喪失するのを軽減する目的で、衛生ティッシュ製品のロールの1つ以上の末端部が接着剤及び/又は乾燥紙力増強剤を含んでもよい。
【0035】
本発明の衛生ティッシュ製品は、柔軟剤、一時的湿潤紙力増強剤、恒久的湿潤紙力増強剤、バルク柔軟剤(bulk softening agents)、ローション、シリコーン、湿潤剤、ラテックス、特に表面パターンを付けるラテックス、乾燥紙力増強剤(カルボキシメチルセルロース及びデンプンなど)、並びに、衛生ティッシュ製品の中及び/又は上に含めるのに適したその他のタイプの接着剤のような接着剤を含んでよい。
【0036】
本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」は、「コロイド及び界面A、物理化学及び工学の状況(Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering Aspects)」162巻、2000、107〜121頁に見出されるプロトコルに従って、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて決定される重量平均分子量を意味する。
【0037】
本明細書で使用するとき、「坪量」は、ポンド/3000ft2又はg/m2と記録された試料の単位面積当たりの重量である。
【0038】
本明細書で使用するとき、「機械方向」又は「MD」は、繊維性構造体作製装置、及び/又は衛生ティッシュ製品製造機を通って繊維性構造体が流れる方向と平行な方向を意味する。
【0039】
本明細書で使用するとき、「機械横方向」又は「CD」は、繊維性構造体作製装置、及び/又は衛生ティッシュ製品製造機の幅と平行であり、かつ、機械方向と垂直である方向を意味する。
【0040】
本明細書で使用するとき、「プライ」は個別の一体繊維性構造体を意味する。
【0041】
本明細書で使用するとき、「複数のプライ」は、実質的に連続的で互いに向かい合わせの関係で配置された2つ以上の個別の一体繊維性構造体を意味し、多プライ型繊維性構造体及び/又は多プライ型衛生ティッシュ製品を形成する。個別の一体繊維性構造体は、例えば幾重かに折りたたむことによって、多プライ型繊維性構造体を効果的に形成できるとも考えられる。
【0042】
本明細書で使用するとき、「全細孔容積」は、半径が1μm〜1000μmの範囲である各細孔の流体を保持する空隙容積(本明細書に記載されている細孔容積試験法に従って測定した値)の和を意味する。
【0043】
本明細書で使用するとき、「細孔容積分布」は、細孔半径の関数としての、流体を保持する空隙容積の分布を意味する。繊維性構造体の細孔容積分布は、本明細書に記載されている細孔容積試験法に従って測定する。
【0044】
本明細書で使用するとき、本明細書で用いる場合の冠詞a及びan、例えば「1つの(an)アニオン性界面活性剤」又は「1つの(a)繊維」は、特許請求又は記載されている材料1つ以上を意味するものと理解する。
【0045】
百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0046】
特に記載がない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、その構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0047】
繊維性構造体
驚くべきことに、本発明の繊維性構造体は、他の既知の構造化したか及び/又は織り込んだ繊維性構造体の細孔容積分布とは異なる細孔容積分布を示すことが分かっている。
【0048】
本発明の繊維性構造体は、複数のフィラメント、繊維などの複数の固体添加物、及び、フィラメントと固体添加物との混合物を含んでよい。
【0049】
図1及び2に示されているように、本発明による繊維性構造体の実施例(本発明品試料のプロットによって示されている)は、繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも43%が、半径91μm〜約140μmの細孔である細孔容積分布を示す。
【0050】
91μm〜140μmの範囲は、図2のグラフではっきりと確認される。91μm〜140μmの範囲の終了細孔半径の値は、末端細孔半径、すなわち140μmでプロットされていることに留意されたい。このデータは、後掲の表1に示されている値によっても裏付けられている。
【0051】
このような繊維性構造体は、消費者が認識できる有益な吸収能力と表面乾燥性を示すことが分かっている。1つの実施例では、繊維性構造体は複数の固体添加物、例えば繊維を含む。別の実施例では、繊維性構造体は複数のフィラメントを含む。更に別の実施例では、繊維性構造体は、フィラメントと固体添加物(繊維など)との混合物を含む。
【0052】
図2に示されているように、本発明による繊維性構造体の実施例(本発明品試料のプロットによって示されている)は、繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも43%が、半径91μm〜140μmの細孔であると共に、繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも2%、及び/又は少なくとも5%、及び/又は少なくとも10%が、半径100μm未満、及び/又は約80μm未満、及び/又は約50μm未満、及び/又は約1μm〜約100μm、及び/又は約5μm〜約75μm、及び/又は10μm〜約50μmの細孔である細孔容積分布を繊維性構造体が示すような二峰性の細孔容積分布を示してよい。
【0053】
上記のように二峰性の細孔容積分布を示す本発明による繊維性構造体は、半径の大きい方の細孔によって、有益な吸収能力と吸収速度を提供すると共に、半径の小さい方の細孔によって、有益な表面乾燥性を提供する。
【0054】
図3及び4は、本発明による繊維性構造体の実施例の概略図を示している。図3及び4に示されているように、繊維性構造体10は、同時形成繊維性構造体であってよい。繊維性構造体10は、ポリプロピレンフィラメントのような複数のフィラメント12と、木材パルプ繊維14のような複数の固体添加物を含む。フィラメント12は、フィラメント12を繊維性構造体10に紡糸及び/又は形成するプロセスの結果として、ランダムに配列されていてもよい。木材パルプ繊維14は、繊維性構造体10の全体に、x−y平面でランダムに分散されていてもよい。木材パルプ繊維14は、繊維性構造体全体に、z方向で非ランダムに分散されていてもよい。1つの実施例(図示せず)では、木材パルプ繊維14は、1つ以上の外側のx−y平面の表面上に、z方向沿いの繊維性構造体内部よりも高濃度で存在する。
【0055】
図5は、本発明による別の例の繊維性構造体10aの断面のSEM顕微鏡写真を示しており、微小領域15a及び15bからなる非ランダム反復パターンを含む繊維性構造体10aを示している。微小領域15a(典型的には「ピロー」と称される)は、微小領域15b(典型的には「ナックル」と称される)とは異なる共通示強性値を示す。1つの実施例では、微小領域15bは連続的又は半連続的な網状組織であり、微小領域15aは、この連続的又は半連続的な網状組織内の別個の領域である。共通示強性はキャリパーであってよい。別の実施例では、共通示教性は密度であってよい。
【0056】
図6に示されているように、本発明による繊維性構造体の別の例は、層状繊維性構造体10bである。フィラメントのような複数のフィラメント12と、複数の固体添加物(この実施例では木材パルプ繊維14)とを含む第1の層16を含む。層状繊維性構造体10bは、ポリプロピレンフィラメントのような複数のフィラメント20を含む第2の層18を更に含む。1つの実施例では、第1の層16と第2の層18は、フィラメント及び/又は固体添加物の集合体からなる、境界が明瞭なゾーンである。複数のフィラメント20を第1の層16の表面上に直接堆積して、第1の層16と第2の層18を含む層状繊維性構造体を形成してよい。
【0057】
更に、層状繊維性構造体10bは、図6に示されているように、第3の層22を含んでもよい。第3の層22は複数のフィラメント24を含んでよく、このフィラメントは、第2の層18のフィラメント20、及び/又は第1の層16のフィラメント12と同じであっても、異なっていてもよい。第3の層22を加えた結果、第1の層16は、第2の層18と第3の層22との間に配置、例えば、挟み込まれる。第2の層と対向するように、第1の層16の表面上に複数のフィラメント24を直接堆積して、第1の層16、第2の層18、第3の層22を含む層状繊維性構造体10bを形成してよい。
【0058】
図7に示されているように、層状繊維性構造体10cを含む、本発明による別の例の繊維性構造体の断面の概略図を提供する。層状繊維性構造体10cは、第1の層26と、第2の層28と、任意で第3の層30とを含む。第1の層26は、ポリプロピレンフィラメントのような複数のフィラメント12と、木材パルプ繊維14のような複数の固体添加物を含む。第2の層28は、いずれかの好適なフィラメント、固体添加物、及び/又はポリマーフィルムを含んでよい。1つの実施例では、第2の層28は複数のフィラメント34を含む。1つの実施例では、フィラメント34は、多糖類、多糖類誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択したポリマーを含む。
【0059】
本発明による繊維性構造体の別の実施例では、繊維性構造体10cの層である代わりに、材料形成層26、28、及び30が複数のプライの形状であってよく、このプライの2つ以上を組み合わせて、繊維性構造体を形成してよい。熱接着、及び/又は接着剤結合などによって、この複数のプライを合わせて接着して、多プライ繊維性構造体を形成してもよい。
【0060】
本発明による本発明の繊維性構造体の別の実施例は、図8に示されている。繊維性構造体10dは、2つ以上のプライを含んでよく、1つのプライ36は、本発明によるいずれかの好適な繊維性構造体、例えば、図3及び4に示されている繊維性構造体10を含み、別のプライ38は、いずれかの好適な繊維性構造体、例えば、ポリプロピレンフィラメントのようなフィラメント12を含む繊維性構造体を含む。プライ38の繊維性構造体は、網、並びに/又はメッシュ、並びに/又は、外部環境及び/若しくは少なくとも、プライ38の繊維性構造体と少なくとも最初に接触する場合のある液体に、繊維性構造体10dの1つ以上の部分を暴露させる細孔を含むその他の構造体の形状であってよい。プライ38に加えて、繊維性構造体10dはプライ40を更に含んでもよい。プライ40は、ポリプロピレンフィラメントのようなフィラメント12を含む繊維性構造体を含んでもよいと共に、プライ38の繊維性構造体と同じであっても異なっていてもよい。
【0061】
熱接着及び/又は接着剤結合などによって、プライ36、38、及び40の2つ以上を合わせて接着して、多プライ繊維性構造体を形成してもよい。接着作業の後、特に熱接着作業の後は、繊維性構造体10dのプライを見分けるのは困難である場合があり、接着前は別々であったプライを互いから分離しようとしても困難であろうという点で、繊維性構造体10dは、視覚的及び/又は物理的に、層状の繊維構造体と似ている場合がある。1つの実施例では、プライ36は、坪量が少なくとも約15g/m2、及び/又は少なくとも約20g/m2、及び/又は少なくとも約25g/m2、及び/又は少なくとも約30g/m2、最大で約120g/m2、及び/又は100g/m2、及び/又は80g/m2、及び/又は60g/m2である繊維性構造体を含んでもよく、プライ38及び42が存在する場合、プライ38及び42は独立してかつ単独で、坪量が約10g/m2未満、及び/又は約7g/m2未満、及び/又は約5g/m2未満、及び/又は約3g/m2未満、及び/又は約2g/m2未満、及び/又は約0g/m2、及び/又は0.5g/m2である繊維性構造体を含んでよい。
【0062】
プライ38及び40が存在する場合、プライ38及び40は、固体添加物、この場合、プライ36の繊維性構造体の上及び/又は中の木材パルプ繊維14を保持するのを助ける場合があり、それによって、木材パルプ繊維14がプライ36の繊維構造体から遊離する結果、糸くず及び/又はほこりを軽減する(プライ38及び40が無いプライ36の繊維性構造体を含む単プライの繊維性構造体と比較した場合)。
【0063】
本発明の繊維性構造体は、いずれかの好適な量のフィラメントと、いずれかの好適な量の固体添加物を含んでよい。例えば、本発明の繊維性構造体は、繊維性構造体の乾燥重量比で約10%〜約70%、及び/又は約20%〜約60%、及び/又は約30%〜約50%のフィラメントと、繊維性構造体の乾燥重量比で約90%〜約30%、及び/又は約80%〜約40%、及び/又は約70%〜約50%の固体添加物(木材パルプ繊維など)を含んでよい。
【0064】
本発明のフィラメント及び固体添加物は、本発明による繊維性構造体中に、フィラメントの固体添加物に対する重量比が少なくとも約1:1、及び/又は少なくとも約1:1.5、及び/又は少なくとも約1:2、及び/又は少なくとも約1:2.5、及び/又は少なくとも約1:3、及び/又は少なくとも約1:4、及び/又は少なくとも約1:5、及び/又は少なくとも約1:7、及び/又は少なくとも約1:10であるように存在してよい。
【0065】
本発明の繊維性構造体、及び/又は本発明の繊維性構造体を含むいずれかの衛生ティッシュ製品に対して、エンボス加工作業、印刷作業、房生成作業、熱接着作業、超音波接着作業、せん孔作業、表面処理作業(ローション、シリコーン、及び/又はその他の材料、並びにこれらの混合物の塗布など)のようないずれかの後加工作業を施してよい。
【0066】
本発明のフィラメントを作製するのに適したポリプロピレンの非限定的な例は、Lyondell−Basell及びExxon−Mobilから市販されている。
【0067】
繊維性構造体内のいずれかの疎水性又は非親水性材(ポリプロピレンフィラメントなど)を親水性変性剤によって表面処理及び/又は溶融処理してもよい。表面処理用の親水性変性剤の非限定的な例としては、トリトンX−100のような界面活性剤が挙げられる。フィラメントを紡糸する前に、ポリプロピレン溶融物のような溶融物に加える溶融処理用の親水性変性剤の非限定的な例としては、Polyvel,Inc.から市販されているVW351及び/又はS−1416、並びに、Cibaから市販されているIrgasurfのような親水性変性溶融添加剤が挙げられる。親水性変性剤は、当該技術分野において既知のいずれかの好適なレベルで疎水性又は非親水性材と会合させてもよい。1つの実施例では、親水性変性剤は疎水性又は非親水性材と、その疎水性又は非親水性材の乾燥重量比で約20%未満、及び/又は約15%未満、及び/又は約10%未満、及び/又は約5%未満、及び/又は約3%未満〜0%のレベルで会合させる。
【0068】
本発明の繊維性構造体は任意の添加剤を含んでもよく、任意の添加剤が存在するとき、それぞれ、繊維性構造体の乾燥重量比で約0%、及び/又は約0.01%以上、及び/又は約0.1%以上、及び/又は約1%以上、及び/又は約2%以上、約95%以下、及び/又は約80%以下、及び/又は約50%以下、及び/又は約30%以下、及び/又は約20%以下の個々のレベルで含んでもよい。任意の添加剤の非限定的な例としては、恒久的な湿潤紙力増強剤、一時的な湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤(カルボキシメチルセルロース及び/又はデンプンなど)、柔軟剤、糸くず低減剤、不透明度向上剤、湿潤剤、臭気吸収剤、香料、示温剤、着色剤、染料、浸透性材料、微生物増殖検出剤、抗菌剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0069】
本発明の繊維性構造体は、それ自体が衛生ティッシュ製品であってよい。このような衛生ティッシュ製品が芯の周りに輪状に巻かれて、ロールを形成してもよい。上記のような衛生ティッシュ製品を1つ以上の他の繊維性構造体とプライとして組み合わせて、多プライの衛生ティッシュ製品を形成してもよい。1つの実施例では、本発明の同時形成繊維性構造体が芯の周りに輪状に巻かれて、同時形成衛生ティッシュ製品のロールを形成してもよい。衛生ティッシュ製品のロールは、芯が無くてもよい。
【0070】
本発明の繊維性構造体を更に例示する目的で、表1に、既知及び/又は市販の繊維性構造体と、本発明による繊維性構造体の平均細孔容積分布が示されている。
【0071】
【表1】

繊維性構造体を作製する方法
本発明による繊維性構造体を作製する方法の非限定的な例が図9に示されている。図9に示されている方法は、複数の固体添加物14を複数のフィラメント12と混合する工程を含む。1つの実施例では、固体添加物14は、SSK繊維及び/又はユーカリ(Eucalytpus)繊維のような木材パルプ繊維であり、フィラメント12はポリプロピレンフィラメントである。固体添加物14は、ハンマーミル42から固体添加物散布機44を介してフィラメント12の流れに送達するなどして、フィラメント12と組み合わせて、フィラメント12と固体添加物14との混合物を形成してもよい。フィラメント12は、メルトブローダイ46からメルトブローすることによって作製してもよい。固体添加物14とフィラメント12との混合物をベルト48のような回収装置上に回収して、繊維性構造体50を形成する。回収装置は、微小領域からなる非ランダム反復パターンのような表面パターンを示す繊維性構造体をもたらすパターン付きベルト及び/又は成形ベルトであってよい。成形ベルトはその上に、加工中に繊維性構造体50に付与される三次元パターンを有してよい。例えば、図10に示されているように、パターン付きベルト52は、ファブリック54のような補強構造体を含んでもよく、ファブリック54の上には、ポリマー樹脂56が、あるパターンで塗布されている。このパターンは、ポリマー樹脂56からなる連続的又は半連続的な網状組織58を含んでよく、網状組織58内には、1つ以上の別個の溝60が配列されている。
【0072】
本発明の1つの実施例では、フィラメントを紡糸する少なくとも1つのフィラメント形成穴、並びに/又は、2列以上及び/若しくは3列以上のフィラメント形成穴を含むダイを用いて、繊維性構造体を作製する。穴の少なくとも1列は、2つ以上、及び/又は3つ以上、及び/又は10個以上のフィラメント形成穴を含む。フィラメント形成穴に加えて、ダイは、気体放出穴(1つの実施例では、フィラメント形成穴から形成されるフィラメントを細くする空気放出穴)のような流体放出穴を含む。1つ以上の流体放出穴をフィラメント形成穴と連携させて、流体放出穴から出る流体が、フィラメント形成穴から出るフィラメントの外面に対して(ナイフエッジダイのように角度を成すのではなく)平行又は実質的に平行になるようにしてよい。1つの実施例では、流体放出穴から出る流体は、フィラメント形成穴から形成されるフィラメントの外面と、30°未満、及び/又は20°未満、及び/又は10°未満、及び/又は5°未満、及び/又は約0°の角度で接触する。フィラメント形成穴の周りに、1つ以上の流体放出穴を配列してよい。1つの実施例では、1つ以上の流体放出穴を単一のフィラメント形成穴と連携させて、その1つ以上の流体放出穴から出る流体が、その単一のフィラメント形成穴から形成される単一のフィラメントの外面と接触するようにする。1つの実施例では、流体放出穴によって、気体、例えば空気のような流体が、中空フィラメントを形成するときに起きるようにフィラメントの内面と接触するのではなく、フィラメント形成穴から形成されるフィラメントの外面と接触できるようにする。
【0073】
1つの実施例では、上記のダイは、流体放出穴の中に配置されたフィラメント形成穴を含む。流体放出穴62は、図11に示されているように、フィラメント形成穴64と同心円状に又は実質的に同心円状に配置してもよい。
【0074】
繊維性構造体50が回収装置(パターン付きベルトなど)の上に形成された後、繊維性構造体50を回収装置上に置いたまま、繊維性構造体50を例えばカレンダにかけてもよい。加えて、繊維性構造体50に、エンボス加工、熱接着、房生成作業、水分付与作業、及び表面処理作業のような後工程作業を施して、最終的な繊維性構造体を形成してもよい。繊維性構造体に施してよい表面処理作業の1つの例は、エラストマー結合剤、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)、ラテックス、及びその他のエラストマー結合剤の表面への塗布である。このようなエラストマー結合剤は、消費者が使用中に繊維性構造体から生じる糸くずを低減するのを助ける場合がある。エラストマー結合剤は、繊維性構造体の1つ以上の表面に、あるパターン、特に微小領域からなる非ランダム反復パターンで、又は、繊維性構造体の表面(単一又は複数)の全体を覆うか、若しくは実質的に覆う形で塗布してよい。
【0075】
1つの実施例では、繊維性構造体50、及び/又は最終的な繊維性構造体は、1つ以上の他の繊維性構造体と組み合わせてもよい。例えば、別の繊維性構造体、例えばフィラメントを含む繊維性構造体(ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体など)を繊維性構造体50、及び/又は最終的な繊維性構造体の表面と結合させてもよい。ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体は、ポリプロピレンフィラメント(繊維性構造体50中のフィラメントのポリマーと同じであっても異なっていてもよい第2のポリマーを含むフィラメント)を繊維性構造体50、及び/又は最終的な繊維性構造体の表面上にメルトブローすることによって形成してよい。別の実施例では、ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体は、繊維性構造体50中のフィラメントのポリマーと同じであっても異なっていてもよい第2のポリマーを含むフィラメントを回収装置の上にメルトブローして、ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体を形成することによって形成してよい。続いて、ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体を繊維性構造体50、又は最終的な繊維性構造体と組み合わせて、2プライの繊維性構造体、繊維性構造体50又は最終的な繊維性構造体が、例えば図6に示されているように、2プライのポリプロピレンフィラメント繊維性構造体の間に配置されている場合には3プライの繊維性構造体を作製してもよい。ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体は、熱接着作業によって、繊維性構造体50又は最終的な繊維性構造体に熱接着してもよい。
【0076】
更に別の実施例では、繊維性構造体50、及び/又は最終的な繊維性構造体をフィラメント含有繊維性構造体と組み合わせて、多糖類フィラメント繊維性構造体(デンプンフィラメント繊維性構造体など)のようなフィラメント含有繊維性構造体が、例えば図8に示されているように、2つの繊維性構造体50、又は2つの最終的な繊維性構造体の間に配置されるようにしてよい。
【0077】
更に別の実施例では、微小領域からなる非ランダム反復パターンを含む繊維性構造体50の2つのプライを相互に連携させて、突出微小領域(ピローなど)が、形成される2プライの繊維性構造体の内側に向くようにしてもよい。
【0078】
繊維性構造体50を作製するプロセスは、エンボス加工、印刷、変形、表面処理、又は、当業者にとって既知のその他の後形成作業を行うための変換作業と密接に連結していてもよく(この場合、繊維性構造体は、変換作業に進める前に、輪状に巻き込んでロールにする)、又は、直接連結していてもよい(この場合、繊維性構造体は、変換作業に進める前に、輪状に巻き込んでロールにはしない)。本発明の目的上は、直接的な連結は、例えば、繊維性構造体50を輪状に巻き込んでロールにしてから解いて、変換作業に進めるのではなく、繊維性構造体50を直接変換作業に進めることができることを意味する。
【0079】
本発明のプロセスは、繊維性構造体、及び/又は、消費者が使用するのに適した、当該繊維性構造体(単一又は複数)を含む衛生ティッシュ製品の個別のロールを調製することを含んでもよい。
【0080】
本発明の繊維性構造体を作製するプロセスの非限定的な例:
ポリプロピレンのLyondell−Basell PH835が20%、ポリプロピレンのLyondell−Basell Metocene MF650Wが27.5%、ポリプロピレンのExxon−Mobil PP3546が47.5%、湿潤剤のPolyvel S−1416が5%であるブレンドを乾式ブレンドして、溶融ブレンドを形成する。この溶融ブレンドを溶融押出機に通して246℃(475°F)まで加熱する。Biax Fiberfilm Corporationから市販されている幅39.4cm(15.5インチ)のBiaxという12列の紡糸口金で、横断方向1cm当たり488本のノズル(横断方向1インチ当たり192本のノズル)を有する紡糸口金を用いる。192本のノズルのうち横断方向1cm当たり102本のノズル(横断方向1インチ当たり40本のノズル)の内径は0.4mm(0.018インチ)であり、残りのノズルは非中空であり、すなわち、ノズル内に開口部がない。1つの穴当たりかつ1分当たり約0.19グラム(ghm)の上記溶融ブレンドをオープンノズルから押し出して、上記溶融ブレンドからメルトブローンフィラメントを形成する。約375 SCFMの圧縮空気を加熱して、紡糸口金の空気の温度が201.7℃(395°F)になるようにする。約475g/分のGolden Isle(Georgia Pacific製)4825という半処理SSKパルプをハンマーミルによって脱フィブリル化して、SSK木材パルプ繊維(固体添加物)を形成する。29.4〜32.2℃(85〜90°F)及び相対湿度(RH)85%の空気をハンマーミル中に取り込む。約1200 SCFMの空気によって、木材繊維を固体添加物散布機に運ぶ。固体添加物散布機は木材繊維の方向を変えて、木材繊維を横断方向に分布させ、木材繊維が10.2cm×38.1cm(4インチ×15インチ)の横断方向(CD)スロットを通じて、垂直な形でメルトブローンフィラメントの中に注入されるようにする。メルトブローンフィラメントと木材繊維を混ぜ合わせる区域を形成ボックスが取り囲んでいる。この形成ボックスは、この混ぜ合わせる区域に入るか、又はこの混ぜ合わせる区域から漏れる空気の量を減少させるように設計されているが、10.2cm×38.1cm(4インチ×15インチ)の追加の散布機が、冷却用空気を加えるように設計されている固体添加物散布機の反対側にある。この追加の散布機を通じて、約1000 SCFMの約27℃(80°F)の空気を加える。真空を形成することによって、パターン付きベルトのような回収装置に空気を吸い込むことによって、混ぜ合わせたメルトブローンフィラメントと木材繊維を回収して、非ランダム反復微小領域からなるパターンを含む繊維性構造体を形成する。このプロセスによって形成される繊維性構造体は、繊維性構造体の乾燥重量比で約75%の木材と、繊維性構造体の乾燥重量比で約25%のメルトブローンフィラメントを含む。
【0081】
任意により、上記のように形成した繊維性構造体の片側又は両側に、メルトブローンフィラメントのメルトブローン層を加えることができる。このようにメルトブローン層を加えると、消費者が使用中に繊維性構造体から生じる糸くずを低減するのを助けることができ、このようにメルトブローンを加えるのは、好ましくは、いずれかの繊維構造体熱接着作業の前に行う。外側層用のメルトブローンフィラメントは、反対側の層又は中央の層(単一若しくは複数)で用いるメルトブローンフィラメントと同じであることも、異なることもできる。
【0082】
繊維性構造体は、輪状に巻き込んで、繊維性構造体のロールを形成してもよい。繊維性構造体のロールの端縁部をある材料と接触させて、接着領域を作ってもよい。
【0083】
試験方法
別段の定めがない限り、定義の項で記載されているものを含め、本明細書に記載されている全ての試験、及び、下記の試験方法は、約23℃±2.2℃(73°F±4°F)の温度、及び50%±10%の相対湿度に調節した部屋で調整した試料に対して行う。本明細書に記載されたように調整された試料は、本発明の目的上、乾燥試料(例えば「乾燥繊維性構造体」)であるとみなされる。更に、全ての試験はこうした調節された部屋の中で行われる。
【0084】
細孔容積分布試験方法
細孔容積分布測定は、TRI/オートポロシメータ(TRI/Autoporosimeter)(ニュージャージー州プリンストン(Princeton,NJ)のTRI/プリンストン社(TRI/Princeton Inc.))上で行われる。第1のフィルター細孔容積分布の方法TRI/オートポロシメータ(TRI/Autoporosimeter)は、多孔質材料の細孔容積分布(例えば、有効細孔半径1〜1000μmの範囲内の異なるサイズの細孔容積)を測定するための自動コンピュータ制御機器である。無料配布の自動機器ソフトウェア、2000年1月配布、及びデータ処理ソフトウェア、2000年1月配布が、データの取り込み、分析及び出力のために使用される。TRI/オートポロシメータ(TRI/Autoporosimeter)についての更なる情報、その操作及びデータ処理については、本明細書に参考として組み込まれるコロイド及び界面科学誌(The Journal of Colloid and Interface Science)162巻(1994年)、163〜170ページに見出すことができる。
【0085】
本出願で使用するとき、細孔容積分布の決定は、周囲の空気圧が変化するときに多孔質材料に入る液体の増分を記録することを伴う。試験チャンバ中の試料は、精密制御された空気圧の変化に暴露される。液体を保持できる最大の孔のサイズ(半径)は、空気圧の関数である。空気圧が増加(減少)するにつれて、異なるサイズの孔グループが液体を排出(吸収)する。各グループの細孔容積は、相当する圧力で機器により測定されたときのこの液体の量と等しい。孔の有効半径は、次の関係により圧力差に関係する。
【0086】
圧力差=[(2)γcosΘ]/有効半径
式中、γ=液面張力、Θ=接触角である。
【0087】
典型的には、孔には、多孔質材料中の空隙、穴又は溝のような用語が考えられる。この方法は、定数及び装置制御圧に基づいて有効孔半径を計算するために上記の方程式を使用するということに注意することが重要である。上記の方程式は、均一の円筒形の孔を仮定している。通常、自然の孔及び製造された多孔質材料は、完全には円筒形でないし、全て均一でもない。そのため、ここで記録された有効半径は、顕微鏡使用などの他の方法により得られた空隙寸法の測定と完全に一致しない場合もある。しかしながら、これらの測定は、材料間の空隙構造の相対的な差を特徴付けるために許容できる手段を提供する。
【0088】
装置は、液体を吸収するため圧力を減少する(孔径を増加する)、又は液体を排出するため圧力を増加する(孔径を減少する)のいずれかにより、試験チャンバの空気圧をユーザー指定の増加分で変えることにより動作する。各圧力増加分での吸収液体容積は、直前の圧力設定と最新の設定との間の全ての細孔のグループの累積容積である。
【0089】
TRI/オートポロシメータ(TRI/Autoporosimeter)のこの適用では、液体は、蒸留水中のオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(コネチカット州ダンベリー(Danbury)のユニオンカーバイド・ケミカル・アンド・プラスチックス社(Union Carbide Chemical and Plastics Co.)からのトリトンX−100(Triton X-100))の0.2重量%溶液である。機器の計算の定数は、ρ(密度)=1g/cm3、γ(表面張力)=31ダイン/cosΘ=1である。0.22μmのMillipore Glass Filter(Bedford、MAのMillipore Corporation、カタログ番号GSWP09025)を試験チャンバの多孔質プレート上で用いる。約24g重量のプレキシガラスプレート(機器と共に供給された)が試料上に、試料がミリポア・フィルター上に確実に平らに置かれるように設置される。追加のおもりはサンプル上に設置されない。
【0090】
残りのユーザー指定の入力は以下に記載される。この用途の細孔径(圧力)(μmを単位とする有効細孔半径)の順序は、1、2.5、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、225、250、275、300、350、400、500、600、800、1000である。この順序は、乾燥した試料で開始し、細孔の設定が大きくなるのに応じて、その試料を飽和させる(典型的には、この手順及び機器については、第1の吸収と称する)。
【0091】
試験材料に加えて、ブランク条件(プレキシガラスプレートとミリポア・フィルターとの間に試料がない)が、チャンバ内のいずれかの表面及び/又は周辺効果を明らかにするために実行される。このブランクの実行で測定されたいずれの細孔容積も、試験試料の適応可能な孔のグループから引き算される。このデータ処理は、手動で又は利用可能なTRI/オートポロシメータ(TRI/Autoporosimeter)データ処理ソフトウェア、2000年1月配布を用いて達成されることができる。
【0092】
全細孔容積率(%)は、特定の細孔半径範囲における流体の容積を全細孔容積で除した値を得ることによって計算した割合である。TRI/オートポロシメータ(TRI/Autoporosimeter)は、ある範囲内の細孔半径の流体の容積を出力する。得られる第1のデータは、細孔半径「2.5マイクロメートル」のものであり、半径1〜2.5マイクロメートルの細孔寸法で吸収される流体を含む。得られる次のデータは、細孔半径「5マイクロメートル」のものであり、半径2.5〜5マイクロメートルの細孔寸法で吸収される流体を含む。(以下同様)この論理に従うと、半径91〜140マイクロメートルの範囲内において保持される容積を得るには、「100マイクロメートル」、「110マイクロメートル」、「120マイクロメートル」、「130マイクロメートル」、及び最後に「140マイクロメートル」という表題の細孔半径範囲で得られる容積を合計することになる。例えば、91〜140マイクロメートルの細孔半径の全細孔容積率(%)=(91〜140マイクロメートルの細孔半径の流体の容積)/全細孔容積である。
【0093】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0094】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0095】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィラメントを含む繊維性構造体において、該繊維性構造体が、細孔容積分布を示し、前記繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも43%が半径91μm〜140μmの細孔である、繊維性構造体。
【請求項2】
前記繊維性構造体が、複数の固体添加物を含み、好ましくは、該固体添加物の少なくとも1つが、繊維を含み、より好ましくは、該繊維が、木材パルプ繊維を包含し、最も好ましくは、該木材パルプ繊維が、南部針葉樹クラフトパルプ繊維、北部針葉樹クラフトパルプ繊維、ユーカリパルプ繊維、アカシアパルプ繊維からなる群から選択される、請求項1に記載の繊維性構造体。
【請求項3】
前記複数のフィラメントの少なくとも1つが、熱可塑性ポリマーを含み、好ましくは、該熱可塑性ポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜2のいずれか一項に記載の繊維性構造体。
【請求項4】
前記フィラメントの少なくとも1つが、天然ポリマーを含み、好ましくは、該天然ポリマーが、デンプン、デンプン誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維性構造体。
【請求項5】
前記繊維性構造体の少なくとも1つの表面が、フィラメントからなる1つの層を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維性構造体。
【請求項6】
前記繊維性構造体が、少なくとも二峰性の細孔容積分布を有し、好ましくは、前記繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも2%が、半径100μm未満の細孔であり、より好ましくは、前記繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも2%が、半径80μm未満の細孔であり、最も好ましくは、前記繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも2%が、半径50μm未満の細孔である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維性構造体。
【請求項7】
前記繊維性構造体のVFSが少なくとも5g/gである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維性構造体。
【請求項8】
前記繊維性構造体が、ロールの形状で輪状に巻かれている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の繊維性構造体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の繊維性構造体を含む衛生ティッシュ製品。
【請求項10】
ペーパータオル、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ナプキン、乳児用拭き取り用品、成人用拭き取り用品、ウェット拭き取り用品、清浄用拭き取り用品、研磨用拭き取り用品、化粧用拭き取り用品、カーケア用拭き取り用品、特定の機能を発揮する活性剤を含む拭き取り用品、用具と一緒に用いる清浄用基材、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の衛生ティッシュ製品。
【請求項11】
前記繊維性構造体に存在する全細孔容積の少なくとも43%が半径91μm〜140μmの細孔である細孔容積分布を示す繊維性構造体を形成させるために、複数のフィラメントを組み合わせる工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の繊維性構造体を作製する方法。
【請求項12】
前記フィラメントが、熱可塑性フィラメントを包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フィラメントが、ポリプロピレンフィラメントを包含する、請求項11又は12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、前記繊維性構造体をカレンダ掛けする工程を更に含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
非ランダム反復パターンの微小領域をつくるパターン付きベルトの上に前記フィラメントを堆積させる工程を更に含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−508572(P2013−508572A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537032(P2012−537032)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/054422
【国際公開番号】WO2011/053677
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】