説明

繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法

【課題】既存の二軸スクリュ押出機を用い、熱可塑性樹脂中に分散させる繊維状フィラーの短繊維化を抑制する。
【解決手段】二軸スクリュ押出機の投入口2より熱可塑性樹脂を供給し、可塑化部Aで完全に溶融させて樹脂発泡体形成部Bに移送する。樹脂発泡体形成部Bにおいて、ガス供給装置5で加圧した不活性気体(もしくは超臨界流体)を注入し、溶融樹脂中に分散または溶解させる。そののち溶融樹脂は、樹脂発泡体形成部下流側端のシール機構14を通過して脱気口にて急激に降圧されることで、部分的に不活性気体を含んだ樹脂発泡体が形成される。この樹脂発泡体にサイドフィーダー9により繊維状フィラーを添加して解繊および混練を行い、真空脱気口10から真空ポンプ11を用いて溶融樹脂中に残存した不活性気体および水分を強制的に除去し、ダイ12より繊維状フィラー含有樹脂複合材料を押し出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーが均一に分散された繊維状フィラー含有樹脂複合材料を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車産業を中心に繊維状フィラー(炭素繊維、ガラス繊維など)を用いた樹脂複合材料が注目を集めている。例えば、炭素繊維含有樹脂複合材料では、鉄に匹敵する機械的強度を有しながらも、その重量は極めて小さいといった特徴を有する。ただし、これらの諸特性を向上させるためには、多くの場合、樹脂複合材料中の繊維状フィラーの繊維長が長い状態を維持する必要があると言われている。押出機を用いた繊維状フィラーおよび熱可塑性樹脂からなる樹脂複合材料の製造には、金属微粒子やカーボンブラックといった従来のフィラーと同様に次に説明する方法が使用されてきた。
(1)熱可塑性樹脂を連続式同方向回転二軸押出機に供給・溶融させた後、サイドフィーダーから強制的に押出機シリンダ内にカーボンブラックを供給し、カーボンブラックが熱可塑性樹脂内に完全に分散する前に押出機に設けた脱気口より脱気し、その後先端ダイからカーボンブラック含有樹脂複合材料を得る方法(特許文献1参照)。
(2)熱可塑性樹脂を押出機に供給・溶融させた後、添加口より強化繊維を添加し、スクリュ表面および(もしくは)シリンダの内壁の少なくとも一部が表面異形化加工されたスクリュおよび(または)シリンダで形成される制御機構部を通過させ、強化繊維の開繊度合および(または)繊維長を制御する方法(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−53767号公報
【特許文献2】特開平7−80838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術のうちの(1)では、カーボンブラックに比べてかさ密度の小さい繊維状フィラーを供給する場合、押出機シリンダ内での溶融樹脂の粘度が増大するため、繊維状フィラーの解繊および熱可塑性樹脂中への分散を促進するために設けられた混練部で発生するせん断応力が高まる。その結果、繊維状フィラーの破断および短繊維化が進行し、製造された繊維状フィラー含有樹脂複合材料の物性が低下するといった問題点がある。
【0005】
上記(2)では、繊維状フィラーの繊維長を維持することに対しては有効であるが、フィラー供給口の下流に配置された制御機構部のスクリュおよび(または)シリンダには特殊な加工が必要であり、既存の押出機のスクリュ・シリンダを用いてこれを実現することは困難であるといった問題点がある。またシリンダ表面、およびバレル内面に施される表面異形化加工は繊維が絡み易い形状であるため、操業停止時や、樹脂と強化繊維の組み合わせを変更する際、バレルとスクリュを分解してクリーニングする必要がある。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の有する問題点を鑑みてなされたものであって、スクリュやシリンダに特殊な加工を必要としない既存の二軸スクリュ押出機を用いて、熱可塑性樹脂中に均一分散させる繊維状フィラーの短繊維化を抑制した繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法は、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーが分散された繊維状フィラー含有樹脂複合材料を製造する方法であって、シリンダと、前記シリンダ内に回転自在に配備された2本のスクリュと、前記スクリュを回転させる回転駆動機構とを有し、上流に設けられた供給口から下流に設けられたダイに向かって順次可塑化部、樹脂発泡体形成部、混練部、脱気部を備えた二軸スクリュ押出機を用い、前記供給口より熱可塑性樹脂を前記シリンダ内に投入して前記可塑化部で溶融させたのち前記樹脂発泡体形成部へ移送し、前記樹脂発泡体形成部で不活性気体または超臨界流体を注入して溶融樹脂中に分散または溶解させたのち脱気口にて急激に降圧することで樹脂発泡体を形成し、前記混練部に配備されたサイドフィーダーを介して繊維状フィラーを投入し、前記樹脂発泡体中に分散・混練を行ったのち、前記脱気部にて脱気することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
熱可塑性樹脂の可塑化後に高圧の不活性気体(もしくは超臨界流体)が溶融樹脂中に分散または溶解される。樹脂発泡体形成部内で高圧に保持された不活性気体(もしくは超臨界流体)を含む溶融樹脂は、脱気口にて大気圧に近い圧力まで急激に降圧されることで、内部の不活性気体(もしくは超臨界流体)の大部分が一気に気化し、樹脂発泡体が形成される。この樹脂発泡体は内部に気泡や空隙、そして除去されずに残存した不活性気体を含んでいるためにスポンジのように緩衝材として機能すると同時に溶融樹脂の見かけ粘度を低下させる。このような機能を有する樹脂発泡体中に繊維状フィラーを添加することで、繊維状フィラーの解繊および溶融樹脂中への分散の際に溶融材料に対して発生するせん断力が緩和され、繊維状フィラーの破断、すなわち短繊維化の進行を抑制することが可能である。また、このように柔軟性に富む材料を混練するため、低トルクでの押出機の運転が可能であり、消費電力およびランニングコストが低減される。
【0009】
また、用いるスクリュおよびシリンダ(バレル)は標準的なものを採用できるので、操業停止や、樹脂および繊維状フィラーの組み合わせを変更する際も、通常押出機の樹脂替えと同様の作業(パージ用の樹脂を押出すこと)で機内の洗浄ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法の一実施形態について説明する。
【0011】
図1は本発明に係る繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法の実施に用いる二軸スクリュ押出機の一例を示す説明図である。図1に示すように、二軸スクリュ押出機Eは、図示しない温度調整手段によって温度制御されるシリンダ1と、シリンダ1内に回転自在に配備された2本のスクリュ3と、2本のスクリュ3を回転させる回転駆動機構7とを有している。
【0012】
シリンダ1の上流端側に投入口2を配備し、シリンダ1の下流端にダイ12を配備し、投入口2からダイ12に向かって順次、可塑化部A、樹脂発泡体形成部B、混練部C、脱気部Dを備えている。
【0013】
樹脂発泡体形成部Bは、上流側のシール機構13と下流側のシール機構14とによって区切られており、シリンダ1にはガス供給装置5に流路5aを介して接続された注入ノズル4が配備されている。
【0014】
混練部Cのシリンダには、下流側のシール機構14の下流側近傍に脱気口8が設けられており、脱気口8の下流側近傍にサイドフィーダー9が配備されている。
【0015】
脱気部Dは、シリンダ1の下流端に配備されたダイ12の上流側近傍に真空脱気口10を配備し、真空脱気口10には流路11aを介して真空ポンプ11が接続されている。
【0016】
二軸スクリュ押出機Eの投入口2より熱可塑性樹脂を供給し、可塑化部Aで完全に溶融させる。上流側のシール機構13および下流側のシール機構14によって区切られた樹脂発泡体形成部Bに、ガス供給装置5でシリンダ1の内部圧力以上に加圧した不活性気体(もしくは超臨界流体)を注入ノズル4から注入し、溶融樹脂中に分散または溶解させる。樹脂発泡体形成部内で高圧に保持された不活性気体(もしくは超臨界流体)を含む溶融樹脂は、樹脂発泡体形成部Bの下流側のシール機構14を通過後に脱気口にて大気圧に近い圧力まで急激に降圧することで、樹脂内部に存在する不活性気体(もしくは超臨界流体)の大部分が気化し、部分的に不活性気体を含んだ樹脂発泡体が形成される。この樹脂発泡体にサイドフィーダー9より繊維状フィラーを強制的に供給し、繊維状フィラーの解繊および溶融樹脂中への分散混練を行ったのち、真空脱気口10から真空ポンプ11を用いて溶融樹脂中に残存した不活性気体および水分を強制的に除去し、つまり脱気してダイ12より繊維状フィラー含有樹脂複合材料を押し出す。
【0017】
本発明において対象となる熱可塑性樹脂は特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリルニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリルニトリルスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単体でも複数種類の混合物でもかまわない。また、シリンダ内に超臨界流体を注入する際に用いる流体によってはシリンダ内部を高圧に維持する必要があるため、高圧下で分解が発生する熱可塑性樹脂は用いない方が好ましい。
【0018】
本発明において使用する二軸スクリュ押出機は、同/異方向回転、噛み合い/非噛み合い等の軸構成やスクリュエレメントを特に限定するものではないが、同方向回転噛み合い型二軸スクリュ押出機にフルフライトスクリュなど、セルフクリーニング効果の高いことが知られている構成のスクリュを使用すれば、操業終了時や製造する樹脂とフィラーの組み合わせを変更する際に、パージ用樹脂を流す等の通常の樹脂換え作業により、機内に残留するフィラーを除去することができ、メンテナンスが容易になる。
【0019】
上流側のシール機構13および下流側のシール機構14としては、シールリング、ゲートバルブ、ロータリーゲートバルブ、逆ニーディングディスクスクリュ、逆フルフライトスクリュなど溶融樹脂の流れを堰き止めてシール機能を生じるものであればいずれでもよいが、単純な機構でかつせん断力が低いシールリングや、樹脂の流れに対して大きな抵抗となる逆フルフライトスクリュが好ましい。
【0020】
上流側のシール機構13および下流側のシール機構14で区切られた樹脂発泡体形成部B内に注入される不活性気体は特に限定されるものではないが、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、その他の希ガス、窒素、二酸化炭素などが挙げられるが、工業的に安価に製造可能かつ熱可塑性樹脂に溶解する窒素および二酸化炭素が好ましい。また、臨界圧力・臨界温度以上に加圧した状態の二酸化炭素は熱可塑性樹脂に対して高い溶解度を示すため、臨界圧力(7.4MPa)・臨界温度(31℃)以上に加圧した二酸化炭素を用いることが好ましい。
【0021】
ガス供給装置5は、耐圧容器内に貯留された二酸化炭素および窒素などの不活性気体を加圧し、必要であれば臨界圧力以上まで加圧し、超臨界流体を製造することができるものであればその種類は問わない。
【0022】
下流側のシール機構14を通過後に形成される樹脂発泡体は、上流側のシール機構13および下流側のシール機構14で区切られた樹脂発泡体形成部Bの内部圧力と大気圧との差圧に起因している。そのため、上流側のシール機構13および下流側のシール機構14で区切られた樹脂発泡体形成部Bの内部圧力および混練部内に注入される不活性気体(もしくは超臨界流体)は高圧である方が好ましい。また、脱気口8より真空発生装置を用いて強制排気を行うことも可能であるが、溶融樹脂内部に不活性気体を若干内包した状態で繊維状フィラーと混合することで、混練途中で気泡が発生し、溶融材料に対して作用するせん断力が緩和されるため、脱気口8では大気開放を行うことが好ましい。
【0023】
過飽和状態となった不活性気体(もしくは超臨界流体)が、高圧からの大気開放によって溶融樹脂内部に気泡を形成する際に、熱可塑性樹脂の溶融粘度や溶融張力が高いほど気泡や空隙などの構造が維持されやすい。そのため、本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、溶融粘度や溶融張力が高いほうが好ましく、また本発明の実施に当たっては下流側のシール機構14およびサイドフィーダー9間の混練部Cのシリンダ設定温度を低く設定することが望ましい。
【0024】
下流側のシール機構14を通過後に形成された樹脂発泡体に対して、強いせん断力を作用させると気泡が破裂し、発泡体構造が失われる。そのため、発泡体構造を維持した状態でサイドフィーダー9より繊維状フィラーを供給するためには、順フルフライトスクリュ、切欠き順フライトスクリュ、深溝の順フルフライトスクリュなどせん断力が小さく下流への送り能力を有したスクリュであればいずれでもよいが、搬送能力が高い深溝の順フルフライトスクリュが好ましい。また、下流側のシール機構14とサイドフィーダー9との間隔は可能な限り短い方が好ましい。
【0025】
本発明において対象となる繊維状フィラーは特に限定されるものではないが、例えば、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素繊維やガラス繊維、セルロース、ジュート、ケナフ、バンブー、バガスなどの天然繊維が挙げられる。これらの繊維状フィラーは単体でも複数種類の混合物でもかまわない。
【0026】
脱気口8で除去されずに溶融樹脂中に残存した不活性気体が、サイドフィーダー9以降において気泡を形成することで繊維状フィラーに作用するせん断力を緩和させることが可能であるが、これには溶融樹脂の内部まで不活性気体が浸透していることが必要である。そのため、シリンダ内に注入する不活性気体(もしくは超臨界流体)としては二酸化炭素のように熱可塑性樹脂に対して高い溶解度を示すものが好ましい。
【0027】
サイドフィーダー9より供給される繊維状フィラーを解繊し、溶融樹脂に均一分散させるために溶融樹脂および繊維状フィラーに強いせん断を作用させると、樹脂発泡体が消失し、繊維状フィラーの破断が進行する。そのため、サイドフィーダー9以降で用いるスクリュとしては、せん断力が比較的小さく、攪拌効果が高い順ニーディングディスクスクリュ、切欠き順フライトスクリュ、切欠き逆フライトスクリュなどが好ましい。
真空脱気口10から強制排気を行う真空発生手段は、真空ポンプに限らず、アスピレーター、ブロアーなど溶融樹脂がベントアップしない圧力に調整できるものであれば他の公知の手段を用いることができる。
【実施例1】
【0028】
図1に概略図を示した同方向回転噛み合い型二軸スクリュ押出機(日本製鋼所製TEX30α、L/D:59.5)に、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)を投入口2より投入・可塑化させ、注入ノズル4からガス供給装置5としての超臨界二酸化炭素定量供給装置(昭和炭酸製)にて臨界圧力(7.4MPa)以上に加圧した二酸化炭素をPBTに対する比率が4重量部となるように注入してPBTに溶解させた。
【0029】
二酸化炭素を内包したPBTはそののち脱気口8より大気開放されることで溶融樹脂中の二酸化炭素が気化し、樹脂発泡体を形成した。樹脂発泡体形成後、サイドフィーダー9よりPBTに対して同重量(混合比率:50重量部)となるようにカーボンファイバー(CF)を強制的に供給し、その直後に配置した混練スクリュによって解繊・分散を促進し、真空脱気口10から残存した二酸化炭素および水分を除去し、ダイ12よりCF含有樹脂複合材料を押し出した。
【0030】
押し出しされたCF含有樹脂をマッフル炉にて550℃で2時間加熱処理し、CF繊維を抽出した。その後、これらのCF繊維を界面活性材水溶液に分散させ、光学顕微鏡(倍率:50倍)にてCF繊維の撮影を行った。ここで得られた分散写真から無作為に200本のCF繊維を選定し、そのときのCF繊維の測長を実施した。
【0031】
図2からは、樹脂発泡体の形成によって50μm未満の短繊維数が減少しているのに対して、250μm以上の長繊維数は増加しており、本発明の実施により繊維の破断が抑制されていることが分かる。
【0032】
繊維の破断を抑制する本発明の効果については、図3に示すようにCF全体の平均繊維長が約27%増加していることからも伺えるが、さらに、副次的な効果として、同図に示した押出機消費電流が6%減少した事実により、本発明が低抵抗の樹脂発泡を利用することにより、高い省エネ効果を得られることが示された。
【0033】
以下の表1は、実施例および比較例における実験条件、押出機消費電流、CF含有複合材料中のCF平均繊維長を表す表である。
【0034】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による、繊維状フィラーの破断を抑制した繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法の一実施例を示す説明図である。
【図2】樹脂発泡体を形成するために注入した超臨界二酸化炭素量とCF含有樹脂複合材料中のCFの特定繊維長分布の関係を示すグラフである。
【図3】樹脂発泡体を形成するために注入した超臨界二酸化炭素量と押出機の消費電流値の関係、およびCF含有樹脂複合材料中のCFの平均繊維長の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0036】
1 シリンダ
2 投入口
3 スクリュ
4 注入ノズル
5 ガス供給装置
6 圧力計
7 回転駆動機構
8 脱気口
9 サイドフィーダー
10 真空脱気口
11 真空ポンプ
12 ダイ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーが分散された繊維状フィラー含有樹脂複合材料を製造する方法であって、
シリンダと、前記シリンダ内に回転自在に配備された2本のスクリュと、前記スクリュを回転させる回転駆動機構とを有し、上流に設けられた供給口から下流に設けられたダイに向かって順次、可塑化部、樹脂発泡体形成部、混練部、脱気部を備えた二軸スクリュ押出機を用い、
前記供給口より熱可塑性樹脂を前記シリンダ内に供給して前記可塑化部で溶融させたのち前記樹脂発泡体形成部へ移送し、
前記樹脂発泡体形成部で高圧の不活性気体または超臨界流体を注入して溶融樹脂中に分散または溶解させたのち脱気口にて急激に降圧することで樹脂発泡体を形成し、
前記混練部に配備されたサイドフィーダーを介して繊維状フィラーを添加して前記樹脂発泡体中に分散・混練を行ったのち、前記脱気部にて脱気することを特徴とする繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記二軸スクリュ押出機は、噛み合い型同方向回転二軸スクリュ押出機であることを特徴とする請求項1に記載の繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂発泡体形成部の上流側端および下流側端に、それぞれシール機構を配備したことを特徴とする請求項1または2に記載の繊維状フィラー含有樹脂複合材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−46925(P2010−46925A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213502(P2008−213502)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】