説明

置換されたピロリジン−2−カルボキサミド

本発明は、mdm2相互作用のアンタゴニストとして作用し、よって、強力な選択的抗癌剤として有用である、次の式:


[上式中、R、R、R、R、R、Rは、ここに定められたものである]
のピロリジン-2-カルボキサミド誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、mdm2相互作用のアンタゴニストとして作用し、よって、強力な選択的抗癌剤として有用であるピロリジン−2−カルボキサミド誘導体Iに関する。本化合物は、次の一般式:

[上式中、R、R、R、R、R、Rは、ここに記載の通りである]
のもの、及びそのエナンチオマー、及び製薬的に許容可能な塩及びエステルである。
【背景技術】
【0002】
p53は、癌発生に対する保護において中心的役割を担っている腫瘍サプレッサータンパク質である。それは、細胞完全性を保護し、増殖停止又はアポトーシスの誘導により、永続的にダメージを受けた細胞クローンの増殖を防止する。分子レベルでは、p53は、細胞周期及びアポトーシスの調節に関連した遺伝子パネルを活性化することができる転写因子である。p53は、細胞レベルでは、MDM2により厳密に調節される強力な細胞周期インヒビターである。MDM2とp53はフィードバック制御ループを形成する。MDM2はp53に結合し、そのp53調節遺伝子を転写活性化する能力を阻害しうる。さらに、MDM2はp53のユビキチン依存性分解を媒介する。p53はMDM2遺伝子の発現を活性化することができ、よってMDM2タンパク質の細胞レベルを上昇させる。このフィードバック制御ループは、MDM2及びp53の双方が、正常な増殖している細胞において低レベルで維持されていることを保証するものである。また、MDM2はまた細胞周期の調節において中心的役割を担っているE2Fの補助因子である。
【0003】
p53(E2F)に対するMDM2の比率は、多くの癌では調節不全である。例えば、p16INK4/p19ARF座位における頻繁に起こる分子欠損は、MDM2タンパク質分解に影響を及ぼすことが示されている。腫瘍細胞における野生型p53とのMDM2-p53相互作用の阻害により、p53の蓄積、細胞周期停止及び/又はアポトーシスを生じる。よって、MDM2アンタゴニストは、単一の薬剤として、又は広範囲の他の抗腫瘍治療との併用での癌治療に対する新規なアプローチを提供しうる。この方法の実現可能性は、MDM2-p53相互作用の阻害に対する、種々の高分子ツール(例えば、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド)の使用により示されている。また、MDM2は、p53として保存された結合領域を介してE2Fに結合し、サイクリンAのE2F依存性転写を活性化させ、MDM2アンタゴニストがp53変異細胞において効果を有しているかもしれないことを示唆している。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明は、mdm2相互作用のアンタゴニストとして作用し、よって、強力な選択的抗癌剤として有用であるピロリジン−2−カルボキサミド誘導体Iに関する。本化合物は、一般式

[上式中、


から選択される置換又は未置換のヘテロアリールであり;
Xは、H、F、Cl、Br及びIからなる群から選択され、
Yは、H又はFであり、
は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群から選択され、
及びRは、(CH)−R'、(CH)−NR'R''、(CH)−NR'COR''、(CH)−NR'SOR''、(CH)−COOH、(CH)−COOR'、(CH)−CONR'R''、(CH)−OR'、(CH)−SR'、(CH)−SOR'、(CH)−SOR'、(CH)−COR'、(CH)−SOH、(CH)−SONR'R''、(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−R'、(CHCHO)−(CH)−OH、(CHCHO)−(CH)−OR'、(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CHCHO)−(CH)−COOH、(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CHCHO)−(CH)−COR'、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−R'、(CH)− (CHCHO)−(CH)−OH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−OR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''からなる群から選択され、
R'及びR''は独立して、H、低級アルキル、置換低級アルキル、低級シクロアルキル、置換低級シクロアルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、低級シクロアルケニル、置換低級シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、又は置換複素環から選択され、
R'及びR''の場合には、独立して結合し、置換又は未置換のシクロアルキル、置換又は未置換のシクロアルケニル、置換又は未置換のヘテロアリール、又は置換又は未置換の複素環から選択される環状構造を形成してもよく、
m、n及びpは独立して、0〜6である]
のもの、及びその製薬的に許容可能な塩及びエステルである。
【0005】
上述したものでも好ましくは、Rが置換アリール、すなわち

[上式中、
WはF、Cl又はBrであり、
VはH又はFである]
から選択される置換フェニルであり、


[上式中、
、Rは双方ともメチルであるか、又は結合してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基を形成し、
は(CH)−Rであり、
qは0、1又は2であり、
は、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環又は置換複素環から選択される]
から選択される置換低級アルキルである、式Iの化合物である。
【0006】
好ましいものは、式II

[上式中、
は、

から選択される置換又は未置換のヘテロアリールであり、
XはH、F、Cl、Br及びIからなる群から選択され、
YはH又はFであり、
は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群から選択され、
及びRは、(CH)−R'、(CH)−NR'R''、(CH)−NR'COR''、(CH)−NR'SOR''、(CH)−COOH、(CH)−COOR'、(CH)−CONR'R''、(CH)−OR'、(CH)−SR'、(CH)−SOR'、(CH)−SOR'、(CH)−COR'、(CH)−SOH、(CH)−SONR'R''、(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−R'、(CHCHO)−(CH)−OH、(CHCHO)−(CH)−OR'、(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CHCHO)−(CH)−COOH、(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CHCHO)−(CH)−COR'、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−R'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−OH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−OR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''からなる群から選択され、
R'及びR''は独立して、H、低級アルキル、置換低級アルキル、低級シクロアルキル、置換低級シクロアルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、低級シクロアルケニル、置換低級シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、又は置換複素環から選択され、
R'及びR''の場合には、独立して結合し、置換又は未置換のシクロアルキル、置換又は未置換のシクロアルケニル、置換又は未置換のヘテロアリール、又は置換又は未置換の複素環から選択される環状構造を形成してもよく、
m、n及びpは独立して、0〜6である]
に示すような立体化学構造を有する式Iの化合物、及びその製薬的に許容可能な塩及びエステルである。
【0007】
上記で好ましいものは、Rが、

から選択される置換されたフェニルであり、
WはF、Cl又はBrであり、
VはH又はFであり、
は、

から選択される置換低級アルキルであり、
ここで、R、Rは双方ともメチルであるか、又は結合してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基を形成し、
は(CH)−Rであり、
qは0、1又は2であり、
は、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環又は置換複素環から選択される式IIの化合物である。
【0008】
さらに好ましいのは、
が、

から選択される置換又は未置換のヘテロアリールであり、
XはF、Cl、Brからなる群から選択され、
YはH又はFであり、
は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群から選択され、
は水素であり、Rは(CH)−R'であり、
nは0又は1であり、
R'は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環又は置換複素環から選択される式IIの化合物、及びその製薬的に許容可能な塩及びエステルである。
【0009】
より好ましい上述の式IIの化合物は、Rが、

から選択される置換アリール、すなわち置換フェニルであり、
WはF、Cl又はBrであり、
VはH又はFであり、
は、

から選択される置換低級アルキルであり、
ここで、R、Rは双方ともメチルであるか、又は結合してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基を形成し、
は(CH)−Rであり、
qは0、1又は2であり、
は、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環又は置換複素環から選択されるものである。
【0010】
特に好ましいのは、
rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
キラル−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸、
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−22−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド、
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸メチルエステル、及び
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−フルオロ−安息香酸メチルエステル
からなる群から選択される化合物である。
【0011】
本発明の他の態様は、エミンII

と活性化オレフィンIII

を収束性[2+3]環化付加反応させ、ピロリジン−3−カルボニトリル化合物IV

を生成させることを含む、上で定義された化合物を調製するための方法に関し、ここで、
Rは低級アルキルであり、
、R及びRは上で定義された通りである。
【0012】
本発明の他の態様は、治療的に活性な化合物として使用するための、上で定義された化合物に関する。
【0013】
本発明のさらなる態様は、細胞増殖性疾患、特に乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍を処置又は予防するための、上で定義された化合物の使用に関する。
【0014】
本発明の他の態様は、細胞増殖性疾患、特に乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍を処置又は予防する医薬を調製するための、上で定義された化合物の使用に関する。
【0015】
本発明の他の態様は、細胞増殖性疾患、特に乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍を処置又は予防するための、上で定義された化合物の使用に関する。
【0016】
本発明の他の態様は、細胞増殖性疾患、特に乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍を処置又は予防するための方法であって、上で定義された化合物を有効量投与することを含む方法に関する。
【0017】
(定義)
特に、種々の基は、低級アルキル、低級-アルケニル、低級-アルキニル、ジオキソ-低級-アルキレン(例えば、ベンゾジオキシル基を形成)、ハロゲン、ヒドロキシ、CN、CF、NH、N(H、低級-アルキル)、N(低級-アルキル)、アミノカルボニル、カルボキシ、NO、低級-アルコキシ、チオ-低級-アルコキシ、低級-アルキルスルホニル、アミノスルホニル、低級-アルキルカルボニル、低級-アルキルカルボニルオキシ、低級-アルコキシカルボニル、低級-アルキル-カルボニル-NH、フルオロ-低級-アルキル、フルオロ-低級-アルコキシ、低級-アルコキシ-カルボニル-低級-アルコキシ、カルボキシ-低級-アルコキシ、カルバモイル-低級-アルコキシ、ヒドロキシ-低級-アルコキシ、NH-低級-アルコキシ、N(H、低級-アルキル)-低級-アルコキシ、N(低級-アルキル)-低級-アルコキシ、低級-アルキル-1-オキシラニル-低級-アルコキシ-低級-アルキル、2-オキソ-ピロリジン-1-イル、(1,1-ジオキソ)-2-イソチアゾリジン、3-低級-アルキルスルフィニル、置換又は未置換の複素環、置換又は未置換のアリール環、置換又は未置換のヘテロアリール環、トリフルオロ-低級-アルキルスルホニルアミノ-アリール、低級-アルキルスルホニルアミノカルボニル、低級-アルキルスルホニルアミノカルボニル-アリール、ヒドロキシカルバモイル-フェニル、ベンジルオキシ-低級-アルコキシ、モノ-又はジ-低級アルキルの置換されたアミノ-スルホニル及び低級-アルキルで、場合によってはハロゲン、ヒドロキシ、NH、N(H、低級-アルキル)又はN(低級-アルキル)で置換可能なものからなる群から独立して選択される、1−5、又は好ましくは1−3の置換基で置換されてもよいことが示されている。シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール及び複素環のための好ましい置換基は、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキル、ヒドロキシカルボニル、カルボキシ、カルボキシ低級アルコキシ、オキソ及びCNである。アルキルのための好ましい置換基は、アルコキシ及びN(低級アルキル)である。
【0018】
「アルキル」なる用語は、1から約7の炭素原子を有する基を含む、1から約20の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状鎖の飽和した炭化水素基を称する。ある種の実施態様において、アルキル置換基は低級アルキル置換基であってよい。「低級アルキル」なる用語は、1〜6の炭素原子、ある種の実施態様においては1〜4の炭素原子を有するアルキル基を称する。アルキル基の例には、限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、及びs-ペンチルが含まれる。
【0019】
ここで使用される場合、「シクロアルキル」とは、炭素原子のみからなる、任意の安定した単環系又は多環系で、任意の環が飽和しているものを称し、「シクロアルケニル」なる用語は、炭素原子のみからなり、その少なくとも一の環が部分的に不飽和である、任意の安定した単環系又は多環系を称することを意図している。シクロアルキルの例には、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、ビシクロオクタン類を含むビシクロアルキル、例えば[2.2.2]ビシクロオクタン又は[3.3.0]ビシクロオクタン、ビシクロノナン、例えば[4.3.0]ビシクロノナン、及びビシクロデカン、例えば[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、又はスピロ化合物が含まれる。シクロアルケニルの例には、限定されるものではないが、シクロペンテニル又はシクロヘキセニルが含まれる。
【0020】
ここで使用される場合、「アルケニル」なる用語は、1つの二重結合を含み、2〜6、好ましくは2〜4の炭素原子を有する、不飽和で直鎖状鎖又は分枝状の脂肪族炭化水素基を意味する。このような「アルケニル基」の例は、ビニル、エテニル、アリル、イソプロペニル、1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル及び5-ヘキセニルである。
【0021】
ここで使用される場合、「アルキニル」なる用語は、1つの三重結合を含み、2〜6、好ましくは2〜4の炭素原子を有する、不飽和で直鎖状鎖又は分枝状の脂肪族炭化水素基を意味する。このような「アルキニル基」の例は、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル及び5-ヘキシニルである。
【0022】
定義で使用される場合、「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素、好ましくはフッ素及び塩素を意味する。
【0023】
「アリール」なる用語は、一価、単環又は二環、芳香族炭素環式の炭化水素基、好ましくは6−10員の芳香環系を意味する。好ましいアリール基には、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、トリル、及びキシリルが含まれる。
【0024】
「ヘテロアリール」は、2つまでの環を含む芳香族の複素環系を意味する。好ましいヘテロアリール基には、限定されるものではないが、チエニル、フリル、インドイル、ピロリル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアキソリル、キノリニル、ピリミジニル、イミダゾリル、及びテトラゾリルが含まれる。
【0025】
二環式であるアリール又はヘテロアリールのケースにおいて、一方の環はアリールであってよく、他方の環はヘテロアリールであり、双方が置換又は未置換であってよいと理解すべきである。
【0026】
「複素環」なる用語は、置換又は未置換で、5〜8員であり、単環又は二環式の非芳香族炭化水素を意味し、ここで1〜3の炭素原子は、窒素、酸素又は硫黄原子から選択されるヘテロ原子で置き換えられている。具体例には、ピロリジン-2-イル;ピロリジン-3-イル;ピペリジニル;モルホリン-4-イル等が含まれる。
【0027】
「ヘテロ原子」とは、N、O及びSから選択される原子を意味する。
【0028】
「アルコキシ、アルコキシル又は低級アルコキシとは、酸素原子に結合した任意の上述の低級アルキル基を称する。典型的な低級アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ又はプロポキシ、ブチルオキシ等が含まれる。さらにアルコキシの意味には、多くのアルコキシ側鎖、例えばエトキシエトキシ、メトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシ等、及び置換されたアルコキシ側鎖、例えばジメチルアミノエトキシ、ジエチルアミノエトキシ、ジメトキシ-ホスホリルメトキシ等が含まれる。
【0029】
「製薬的に許容可能」、例えば製薬的に許容可能な担体、賦形剤等は、特定の化合物が投与される被験者に対して、薬理学的に許容可能で、実質的に無毒であることを意味する。
【0030】
「製薬的に許容可能な塩」とは、本発明の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、適切な無毒の有機又は無機酸、もしくは有機又は無機塩基から形成される、従来からの酸付加塩又は塩基付加塩を称する。見本となる酸付加塩には、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、及び硝酸から誘導されるもの、及び有機酸、例えばp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸等から誘導されるものが含まれる。
【0031】
例示の塩基付加塩には、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、及び第4級水酸化アンモニウム、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロオキシドから誘導されるものが含まれる。塩における製薬用化合物(例えば、薬剤)の化学的修飾は、化合物の改善された物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性及び溶解性を得るための、製薬用化学でよく知られている技術である。例えば、Anselら, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (第6版. 1995) pp. 196 及び 1456-1457を参照。
【0032】
式I及びIIの化合物、並びに少なくとも一の不斉炭素原子を有するその塩は、ラセミ混合物又は種々の立体異性体として存在する可能性がある。種々の異性体は、公知の分離方法、例えばクロマトグラフィーにより単離することができる。
【0033】
ここに開示され、上述した式I及びIIに含まれる化合物は、互変異性又は構造異性を示す可能性がある。本発明は、これらの化合物の任意の互変異性又は構造異性の形態、又はこれらの形態の混合物を含み、上述した式に示される任意の互変異性又は構造異性の形態に限定されるものではない。
【0034】
本発明の化合物は、細胞増殖性疾患、特に腫瘍性疾患の処置又は制御に有用である。これらの化合物及び該化合物を含有する製剤は、固形腫瘍、例えば乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍の処置又は制御に特に有用である可能性がある。
【0035】
この発明の化合物の治療的有効量は、処置される被験者の疾患の兆候を予防、軽減又は寛解し、又は生存期間を延長させるのに有効な化合物の量を意味する。治療的有効量の決定は、当業者の裁量の範囲内である。
【0036】
この発明の化合物の治療的有効量又は投与量は広範囲で変えることができ、当該技術分野で公知の方法により決定することができる。このような投与量は、投与される特定の化合物(類)、投与経路、処置される病状、並びに処置される患者を含む、各々特定のケースにおいて、個々の必要量に調節されるであろう。一般的に、約70kgの体重の成人における経口又は非経口投与における場合、毎日の投与量は、約10mgから約10000mg、好ましくは約200mgから約1000mgであるのが適切であるが、上限は示したものを超過してよい。毎日の投与量は、単一投与又は分割投与、もしくは非経口投与として投与可能であり;連続注入として付与することもできる。
【0037】
本発明の製剤には、経口、鼻、局所(頬及び舌下を含む)、直腸、膣及び/又は非経口投与に適したものが含まれる。製剤は、便宜的に単位投与形態で提供することができ、薬学の分野でよく知られている任意の方法により調製することもできる。単一投与形態を生成するためのキャリア物質と組合せることができる活性成分の量は、処置される宿主、並びに投与される特定の方式に応じて変化するであろう。単一投与形態を生成するためのキャリア物質と組合せることができる活性成分の量は、一般的に、治療効果を生み出す式Iの化合物の量であろう。一般的に、100パーセントの中から、この量は、活性成分の約1パーセントから約99パーセント、好ましくは約5パーセントから約70パーセント、最も好ましくは約10パーセントから約30パーセントの範囲内である。
【0038】
これらの製剤又は組成物を調製する方法には、担体、場合によっては一又は複数の副成分と、本発明の化合物とを会合させる工程を含む。一般的に、製剤は、液状担体、又は微細に分割された固形担体、もしくは双方と、本発明の化合物とを、均質に本質的に会合させ、ついで必要ならば生成物に成形することによって調製される。
【0039】
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル、カシェー、小袋、丸剤、錠剤、トローチ剤(風味基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカントを使用)、パウダー、顆粒の形態で、又は水性もしくは非水性液体の溶液又は懸濁液として、又は水中油型もしくは油中水型液状エマルションとして、又はエリキシル剤又はシロップとして、又はトローチ(不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアを使用)として、及び/又は口腔洗浄剤等であってよく、それぞれは、活性成分として本発明の化合物を所定量含有する。また本発明の化合物は、ボーラス、舐剤又はペーストとして投与することもできる。
【0040】
「有効量」とは、処置される被験者の疾患の兆候を予防、軽減又は寛解し、又は生存期間を延長させるのに有効な量を意味する。
【0041】
「IC50」とは、特定の測定された活性を50%を阻害するのに必要な特定の化合物の濃度を称する。IC50は、とりわけ、以下に記載されるようにして測定可能である。
【0042】
(合成方法)
本発明は、置換されたピロリジン−2−カルボキサミドを合成するための方法を提供する。本発明の化合物は、当該技術分野で公知のプロセスにより調製可能である。これらの化合物を合成するための適切なプロセスは、実施例において提供される。
【0043】
この発明の化合物は、以下の一般的スキームに従い合成することができる。キーとなる変換は、エミンIIと活性化オレフィンIIIとの収束性[2+3]環化付加反応であり、立体選択的で効果的な方式で、ピロリジン−3−カルボニトリル化合物IVが生じる。
【0044】
出発物質は商業的に入手可能であるか、又は当業者に公知の方法により合成することができる。中間体II及びIIIの調製を、スキーム1及び2に例証する。一般的に、適切に選択されたアルデヒドをグリシン-tert-ブチルエステル又はグリシンメチルエステルと反応させ、イミンIIを生じさせることが可能であり、粗生成物として使用した(スキーム1)。

試薬及び条件:
Rはtert-ブチル又はメチル
CHCl、室温、一晩;
【0045】
式IIIの中間体は、適切に選択された置換されたフェニルアセトニトリル及びアルデヒドの塩基触媒性濃縮反応から作製可能である。反応は、多量又は独占的生成物として、Z−異性体を用いた、高度に立体選択的方式で進行する。

試薬及び条件:
R1は置換又は未置換のヘテロアリール
NaOH水、iPrOH、室温、又はNaOMe、MeOH、50℃、3時間
【0046】
スキーム3に例証するように、式IVのピロリジンは、ルイス酸AgF及びトリエチルアミンにより媒介される収束性1,3−双極性環化付加反応により、中間体II及びIIIから作製することができる。ピロリジン環形成を形成させるためのオレフィン性好双極子(olefinic dipolarphiles)とアゾメチンイリドの[2+3]環化付加反応は、Jorgensen, K. Aら(Org. Lett. 2005, Vol 7, No. 21, 4569-4572), Grigg, Rら(Tetrahedron, 1992, Vol 48, No. 47, 10431-10442; Tetrahedron, 2002, Vol 58, 1719-1737), SchreibeR, S. Lら(J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 10174-10175)、及びCarretero, J. Cら(Tetrahedron, 2007, 63, 6587-6602)を含む、発表された手順に記載されている。化合物IVは続いて酸Vに転換され、ついで、カップリング試薬としてHATUを使用し、種々のアミンを用いてアミド形成され、式Iの化合物が得られる。また、VからIへのアミド形成は、酸Vを活性化させるためのカップリング試薬として、EDCI及びHOBt、又は塩化オキサリル、又は塩化ジフェニルホスフィン酸を使用する他の条件下で達成することも可能である。

試薬及び条件:
a.AgF、NEt、CHCl又はClCHCHCl、室温、18時間;
b.1)Rがtert-ブチルならば、濃HSO;又はTFA、CHCl、室温、18時間;又は
2)Rがメチルならば、NaOH又はLiOH、HO及びMeOH及びTHF、室温、18時間;
c.NHR、HATU、iPrNEt、CHCl、室温、18時間
【0047】
ピロリジン化合物I、IV、Vは、最初はラセミ混合物として調製され、キラルスーパーフルイドクロマトグラフィー(SFC)又はキラルHPLC又はキラルカラムクロマトグラフィーを使用してキラル分離させることができる。例えば、式Ia及びIa'のラセミ混合物は、キラルスーパーフルイドクロマトグラフィー(SFC)を使用する分離により、2つの光学的に純粋又は濃縮したキラルエナンチオマーに、容易に分離させることができる(スキーム4)。

【実施例】
【0048】
本発明の化合物は、公知の技術に従い合成することができる。以下の実施例及び文献は、本発明の理解を補助するものであり、その真の範囲は添付する請求の範囲に記載される。
実施例1
中間体[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステルの調製

CHCl(50mL)に、グリシンtert-ブチルエステル(Alfa)(2.71g、20.0mmol)と3,3−ジメチル−ブチルアルデヒド(Alfa)(2.21g、21.0mmol)の混合物が入ったものを、室温で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を真空で乾燥させ、さらなる精製をすることなく次の工程で使用される無色の油として、[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステル(4.29g、100%)が得られた。
【0049】
実施例2
中間体(Z)−2−(4−ブロモ−チオフェン−3−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−アクリロニトリルの調製

メタノール(200mL)に、4−ブロモチオペン−2−アセトニトリル(Matrix)(5g、24.7mmol)と3−クロロ−ベンズアルデヒド(Aldrich)(3.36mL、29.7mmol)が入った溶液に、ナトリウムメトキシド(6.2mL、27.2mmol)のメタノール溶液(Aldrich、25重量%)をゆっくりと添加した。反応混合物を加熱し、室温で1.5時間攪拌した。混合物は濁っており、濾過した。淡黄色の沈殿物を冷メタノールで洗浄し、ついで真空で乾燥させ、淡黄色の固形物として(Z)−2−(4−ブロモ−チオフェン−3−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−アクリロニトリル(6.3g、79%)が得られた。
【0050】
実施例3
中間体rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

ジクロロメタン(100mL)に、[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステル (2.13g、10mmol)と付与された(Z)−2−(4−ブロモ−チオフェン−3−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−アクリロニトリル(2.59g、8mmol)が入った溶液に、トリエチルアミン(2.73mL、19.6mmol)とAgF(1.51g、10mmol)を添加した。混合物を室温で48時間攪拌した。混合物をシリカゲルのショートパッドを通して濾過した。シリカゲルを酢酸エチルで洗浄した。濾液を濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサンに1−20%のEtOAc)により精製し、淡黄色の固形物としてrac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.6g、60%)が得られた。
【0051】
実施例4
中間体rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸の調製

ジクロロメタン(7mL)に、rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.6g、4.8mmol)が入った溶液を、トリフルオロ酢酸(3mL)に添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、ついで濃縮した。ついで、残留物を、エチルエーテルヘキサンと共に粉末状にし、濃縮し、減圧下で乾燥させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(2.5g、87%)が得られた。
【0052】
実施例5
中間体2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミンの調製

工程A.
0℃で、ジクロロメタン(250mL)に(4S)−(+)−4−(2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(Aldrich)(21.1g、0.14mol)とトリエチルアミン(40mL、0.28mol)が入った溶液に、塩化メタンスルホニル(13.4mL、0.17mol)を滴下した。反応混合物を0℃で1.5時間攪拌し、ついで水を添加した。有機層を分離させ、水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮し、黄色の油として、メタンスルホン酸 2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルエステル(31.7g、98%)が得られた。
【0053】
工程B.
N,N−ジメチルホルムアミド(200mL)に、メタンスルホン酸 2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルエステル(31.7g、0.14mol)が入った溶液に、NaN(46g、0.71mol)を添加した。反応混合物を室温で70時間攪拌した。ついて、混合物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、水、ブラインで数回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮し、黄色の油として、(S)−4−(2−アジド−エチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン(21.3g、88%)が得られた。
【0054】
工程C.
酢酸エチル(100mL)に、黄色の油としての(S)−4−(2−アジド−エチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン(18.7g、0.11mol)とPtO(2.5g)が入った懸濁液を、H(50psi)のParr雰囲気下で、18時間、激しく振揺した。混合物をセライトのショートパッドを通して濾過した。濾液を濃縮し、無色の油として、2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン(14g、88%)が得られた。
【0055】
実施例6
rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミドの調製

ジクロロメタン(10mL)に、rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(0.3g、0.5mmol)が入った混合物に、2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン(0.22g、1.5mmol)、2−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HATU)(0.34g、0.9mmol)、及びiPrNEt(0.44mL、2.5mmol)をそれぞれ添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌した。ついで、混合物をCHClで希釈し、水、ブラインで洗浄した。有機相を分離させ、濾過し、NaSO上で乾燥させた。ついで、混合物を濃縮し、SiOフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサンに20−100%のEtOAc)により精製し、淡黄色のガムとして、rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド(0.26g、84%)が得られた。
【0056】
実施例7
rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミドの調製

テトラヒドロフラン(10mL)に、rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド(0.26g、0.43mol)が入った溶液に、HCl水溶液(1N、1mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、ついで、濃縮した。ついで、残留物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、水、NaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮し、減圧下で乾燥させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.185g、75%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2531BrClNS+H[(M+H)]として算出:568.1031、実測値:568.1032。
【0057】
実施例8
中間体(Z)−2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリロニトリルの調製

実施例2に記載した方法に類似した方式で、(5−ブロモピリジン−2−イル)アセトニトリル(BetaPharma)(1g、5.1mmol)を、50℃で3時間、メタノール(30mL)にナトリウムスルホキシド(1.3mL、5.6mmol)が入ったメタノール溶液(25重量%)、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(0.96g、6.1mmol)と反応させ、グレーの固形物として、(Z)−2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリロニトリル(1.2g、71%)が得られた。
【0058】
実施例9
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

実施例3に記載した方法に類似した方式で、実施例1で調製された[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステル(1.1g、5mmol)を、室温で18時間、ジクロロメタン(80mL)に、実施例8で調製された(Z)−2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリロニトリル(1.2g、8.9mmol)、AgF(0.54g、4.3mmol)、及びトリエチルアミン(1.24mL、29mmol)が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.85g、44%)が得られた。
【0059】
実施例10
中間体rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸の調製

実施例4に記載した方法に類似した方式で、実施例9で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.85g、1.5mmol)を、室温で、ジクロロメタンにトリフルオロ酢が入ったものと反応させ、黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(0.8g、85%)が得られた。
【0060】
実施例11
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミドの調製

実施例6に記載した方法に類似した方式で、実施例10で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(0.35g、0.54mmol)を、室温で、CHClに2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン(0.24g、1.6mmol)、HATU(0.37g、0.98mmol)及びiPrNEt(0.47mL、2.7mmol)が入ったものと反応させ、白色の泡として、rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド(0.27g、75%)が得られた。
【0061】
実施例12
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミドの調製

実施例7に記載した方法に類似した方式で、実施例11で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.25g、0.4mmol)を、室温で、テトラヒドロフランにHCl水溶液が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.21g、91%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2631BrClFN+H[(M+H)]として算出:581.1325、実測値:581.1327。
【0062】
実施例13
中間体(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−アセトニトリルの調製

エタノール(8mL)及びHO(6mL)に、5−クロロ−2−(クロロメチル)ピリジン(CGenetech)(0.99g、6.1mmol)が入った溶液に、KCN(1.03g、15.9mmol)を添加した。反応混合物を100℃で1時間加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離させ、NaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:3)により精製し、黄色の油として、(5−クロロ−ピリジン−2−イル)アセトニトリル(0.64g、69%)が得られた。
【0063】
実施例14
中間体(Z)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−2−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−アクリロニトリルの調製

実施例2に記載した方法に類似した方式で、(5−クロロピリジン−2−イル)アセトニトリル(0.64g、4.2mmol)を、50℃で3時間、メタノール(30mL)にナトリウムメトキシド(1.1mL、4.6mmol)が入ったメタノール溶液(25重量%)、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(0.8g、5.0mmol)と反応させ、淡黄色の固形物として、(Z)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−2−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−アクリロニトリル(1.0g、81%)が得られた。
【0064】
実施例15
中間体rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

ジクロロメタン(100mL)に、実施例1で調製された[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステル(0.95g、4.3mmol)、及び実施例14で調製された(Z)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−2−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−アクリロニトリル(1.0g、3.4mmol)が入った溶液に、トリエチルアミン(1.19mL、8.5mmol)及びAgF(0.66g、5.2mmol)を連続して添加した。混合物を室温で18時間攪拌した。ついで、混合物を飽和NHClでクエンチし、CHClで抽出した。有機相を分離させ、セライトを通して濾過し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物を、tert-ブタノール(20mL)に溶解させ、DBU(3.3mL、24mmol)を添加した。混合物を100℃で18時間加熱し、ついで、室温まで冷却し、濃縮した。残留物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1;10、1:5)により精製し、淡黄色のガムとして、rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.3g、87%)が得られた。
【0065】
実施例16
中間体rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸の調製

実施例4に記載した方法に類似した方式で、実施例15で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.3g、2.6mmol)を、室温で、ジクロロメタンにトリフルオロ酢酸が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(1.15g、79%)が得られた。
【0066】
実施例17
rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミドの調製

実施例6に記載した方法に類似した方式で、実施例16で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(0.45g、0.80mmol)を、室温で、CHClに、2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン(0.35g、2.4mmol)、HATU(0.54g、1.4mmol)及びiPrNEt(0.69mL、4.0mmol)が入ったものと反応させ、淡黄色のガムとして、rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド(0.3g、65%)が得られた。
【0067】
実施例18
rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミドの調製

実施例7に記載した方法に類似した方式で、実施例17で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.3g、0.52mmol)を、室温で、テトラヒドロフランにHCl溶液が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.25g、89%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2631ClFN+H[(M+H)]として算出:537.1830、実測値:537.1828。
【0068】
実施例19
キラル−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミドの調製

Rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.22g)を、キラルSFCクロマトグラフィーにより分離させ、淡黄色の固形物として、キラル−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(63mg、29%)、及び淡黄色の固形物として、キラル−(2S,3R,4R,5R)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(62mg、28%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2631ClFN+H[(M+H)]として算出:537.1830、実測値:537.1830。
【0069】
実施例20
中間体(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アセトニトリルの調製

工程A.
0℃で、無水DMSO(30mL)にシアノ酢酸エチル(Aldrich)(4g、35.4mmol)が入った溶液に、NaH(60%、1.42g、35.6mmol)をゆっくりと添加した。混合物を0℃で0.5時間攪拌し、ついで、5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジン(Combi-Blocks)(5.3g、35.6mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌した。水を添加した。有機層を分離させ、ついで水層を酢酸エチルで2回抽出した。組合せた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:4、1:1)により精製し、黄色のガムとして、(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アセトニトリル(3.2g、37%)が得られた。
【0070】
工程B.
DMSO(30mL)に、(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アセトニトリル(2.8g、11.5mmol)が入った溶液に、NaCl(2g、34mmol)を添加した。反応混合物を170℃で2時間加熱した。混合物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、水層を酢酸エチルで抽出した。組合せた有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:4、1:3)により精製し、褐色の油として、(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アセトニトリル(0.85g、43%)が得られた。
【0071】
実施例21
中間体(Z)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−2−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アクリロニトリルの調製

実施例2に記載した方法に類似した方式で、(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アセトニトリル(0.85g、5.0mmol)を、室温で3時間、メタノール(50mL)にナトリウムメトキシド(1.1g、5mmol)が入ったメタノール溶液(25重量%)、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(0.8g、5.0mmol)と反応させ、白色の固形物として、(Z)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−2−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アクリロニトリル(1.24g、80%)が得られた。
【0072】
実施例22
中間体rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

ジクロロメタン(100mL)に、実施例1で調製された[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステル(1.1g、5mmol)、及び実施例21で調製された(Z)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−2−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アクリロニトリル(1.24g、4mmol)が入った溶液に、トリエチルアミン(1.39mL、10mmol)及びAgF(0.77g、6.1mmol)を連続して添加した。混合物を室温で18時間攪拌した。ついで、混合物を飽和NHClでクエンチし、CHClで抽出した。有機相を分離させ、セライトを通して濾過し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物を、tert-ブタノール(10mL)に溶解させ、DBU(4.8mL、32mmol)を添加した。混合物を100℃で18時間加熱し、ついで、室温まで冷却し、濃縮した。残留物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1;10、1:5)により精製し、淡黄色のガムとして、rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.0g、48%)が得られた。
【0073】
実施例23
中間体rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸の調製

実施例4に記載した方法に類似した方式で、実施例22で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.0g、1.9mmol)を、室温で、ジクロロメタンにトリフルオロ酢酸が入ったものと反応させ、黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(1.0g、90%)が得られた。
【0074】
実施例24
rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミドの調製

実施例6に記載した方法に類似した方式で、実施例23で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(0.45g、0.77mmol)を、室温で、CHClに2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン(0.34g、2.3mmol)、HATU(0.53g、1.4mmol)及びiPrNEt(0.67mL、3.9mmol)が入ったものと反応させ、淡黄色のガムとして、rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド(0.2g、44%)が得られた。
【0075】
実施例25
rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミドの調製

実施例7に記載した方法に類似した方式で、実施例24で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.2g、0.33mmol)を、室温で、テトラヒドロフランにHCl水溶液が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.1g、53%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2630Cl+H[(M+H)]として算出:555.1736、実測値:555.1736。
【0076】
実施例26
中間体(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−アセトニトリルの調製

工程A.
0℃で、無水テトラヒドロフラン(100mL)に、tert-ブチルシアノアセタート(Alfa)(1.5g、11mmol)が入った溶液に、NaH(60%、1.0g、25mmol)をゆっくりと添加した。混合物を0℃で0.5時間攪拌し、ついで、5−ブロモ−2−クロロピリミジン(TCI−US)(2.5g、13mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌した。水を添加した。混合物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、ついで水層を酢酸エチルで抽出した。組合せた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物を酢酸エチルとヘキサンと共に粉末状にし、混合物を濾過し、黄色の沈殿物として、(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−シアノ−酢酸tert-ブチルエステル(3.2g、98%)が得られた。
【0077】
工程B.
ジクロロメタン(30mL)に、(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−シアノ−酢酸tert-ブチルエステル(3.2g、10mmol)が入った溶液に、トリフルオロ酢酸(10mL)を添加した。反応混合物を室温で4時間攪拌した。混合物を濃縮した。残留物に水を添加し、混合物の「pH」を、NaHCO飽和水溶液により中性に調節した。ついで、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離させ、水層を酢酸エチルで抽出した。組合せた有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:3、1:2、1;1)により精製し、白色の固形物として、(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−アセトニトリル(1.2g、71%)が得られた。
【0078】
実施例27
中間体(Z)−2−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリロニトリルの調製

実施例2に記載した方法に類似した方式で、(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−アセトニトリル(2.2g、13mmol)を、室温で3時間、メタノール(30mL)にナトリウムメトキシド(3mL、13mmol)が入ったメタノール溶液(25重量%)、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(2.2g、14mmol)と反応させ、白色の固形物として、(Z)−2−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリロニトリル(2.9g、66%)が得られた。
【0079】
実施例28
中間体rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

ジクロロメタン(100mL)に、実施例1で調製された[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステル(1.1g、5mmol)、及び実施例27で調製された(Z)−2−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリロニトリル(1.33g、4mmol)が入った溶液に、トリエチルアミン(1.39mL、10mmol)及びAgF(0.77g、6.1mmol)を連続して添加した。混合物を室温で18時間攪拌した。ついで、混合物を飽和NHClでクエンチし、CHClで抽出した。有機相を分離させ、セライトを通して濾過し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物を、tert-ブタノール(10mL)に溶解させ、DBU(4.8mL、32mmol)を添加した。混合物を100℃で18時間加熱し、ついで、室温まで冷却し、濃縮した。残留物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:3)により精製し、黄色のガムとして、rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.45g、20%)が得られた。
【0080】
実施例29
中間体rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸の調製

実施例4に記載した方法に類似した方式で、実施例28で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.45g、0.82mmol)を、室温で、ジクロロメタンにトリフルオロ酢酸が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(0.36g、88%)が得られた。
【0081】
実施例30
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミドの調製

実施例6に記載した方法に類似した方式で、実施例29で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(0.36g、0.71mmol)を、室温で、CHClに2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン(0.31g、2.1mmol)、HATU(0.48g、1.28mmol)及びiPrNEt(0.62mL、3.55mmol)が入ったものと反応させ、白色のガムとして、rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド(0.28g、64%)が得られた。
【0082】
実施例31
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミドの調製

実施例7に記載した方法に類似した方式で、実施例30で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.28g、0.45mmol)を、室温で、テトラヒドロフランにHCl水溶液が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(0.21g、81%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2530BrClFN+H[(M+H)]として算出:582.1278、実測値:582.1282。
【0083】
実施例32
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステルの調製

実施例6に記載した方法に類似した方式で、実施例16で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸を、室温で、CHClに4−アミノ安息香酸メチル(Acros)(0.12g、0.79mmol)、HATU(0.36g、0.96mmol)及びiPrNEt(0.23mL、1.3mmol)が入ったものと反応させ、白色の固形物として、rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル(50mg、16%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C3029ClFN+H[(M+H)]として算出:583.1674、実測値:583.1674。
【0084】
実施例33
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸の調製

テトラヒドロフラン(3mL)に、実施例32で調製されたrac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル(30mg、0.05mmol)が入った溶液に、メタノール(1mL)とNaOH(3mL、3mmol)の水溶液(IN)を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌し、溶液の「pH」を、HCl水溶液により5−6に調節した。混合物を酢酸エチルで2回抽出した。組合せた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をジクロロメタン及びヘキサンと共に粉末状にし、オフホワイト色の固形物として、rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸(28mg、82%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2927ClFN+H[(M+H)]として算出:569.1517、実測値:569.1518。
【0085】
実施例34
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステルの調製

実施例6に記載した方法に類似した方式で、実施例10で調製されたrac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸(0.24g、0.39mmol)を、室温で、CHClに4−アミノ安息香酸メチル(Acros)(0.59g、3.9mmol)、HATU(0.27g、0.7mmol)及びiPrNEt(0.17mL、0.98mmol)が入ったものと反応させ、白色の固形物として、rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル(50mg、20%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C3029BrClFN+H[(M+H)]として算出:627.1169、実測値:5627.1167。
【0086】
実施例35
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸の調製

テトラヒドロフラン(3mL)に、実施例34で調製されたrac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル(35mg、0.056mmol)が入った溶液に、メタノール(1mL)とNaOH(3mL、3mmol)の水溶液(IN)を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌し、溶液の「pH」を、HCl水溶液により5−6に調節した。混合物を酢酸エチルで2回抽出した。組合せた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮し、白色の固形物として、rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸(28mg、82%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2927BrClFN+H[(M+H)]として算出:627.1169、実測値:627.1167。
【0087】
実施例36
中間体(Z)−3−(3−クロロ−フェニル)−2−ピリジン−3−イル−アクリロニトリルの調製

iPrOH(20mL)に、3−クロロベンズアルデヒド(0.7g、5mmol)及び3−ピリジルアセトニトリル(TCI-Japan)(0.59g、5mmol)が入った溶液に、NaOH(0.3mL、0.6mmol)の水溶液(2N)を添加した。反応混合物を室温で48時間攪拌した。混合物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、水、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンに10−70%のAcOEt)により精製し、黄色の泡として、(Z)−3−(3−クロロ−フェニル)−2−ピリジン−3−イル−アクリロニトリル(0.33g、28%)が得られた。
【0088】
実施例37
中間体rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

実施例3に記載した方法に類似した方式で、実施例1で調製された[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステル(0.42g、2mmol)を、室温で18時間、1,2−ジクロロエタン(10mL)に、実施例36で調製された(Z)−3−(3−クロロ−フェニル)−2−ピリジン−3−イル−アクリロニトリル(0.31g、1.3mmol)、AgF(0.25g、2mmol)、及びトリエチルアミン(0.4g、4mmol)が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.29g、49%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2632ClN+H[(M+H)として算出:454.2256、実測値:454.2258。
【0089】
実施例38
中間体rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸の調製

濃HSO(2mL)に、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.25g、0.55mmol)が入った溶液を、室温で2時間攪拌した。ついで、混合物を氷に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離させ、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(ヘキサンに15−25%のEtOAc)により精製し、白色の固形物として、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸(0.19g、87%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2224ClN+H[(M−H)として算出:398.1628、実測値:398.1630。
【0090】
実施例39
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミドの調製

CHCl(2mL)に、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸(80mg、0.2mmol)、2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン(44mg、0.3mmol)、HATU(114mg、0.3mmol)及びiPrNEt(0.1mL、1mmol)の混合物が入ったものを、室温で1時間攪拌した。ついで、混合物をCHClで希釈し、水、ブラインで洗浄した。有機相を分離させ、濾過し、NaSO上で乾燥させた。ついで、混合物を濃縮し、PPTS(cat)及びメタノール(2mL)を残留物に添加した。反応混合物を120℃で5分、CEMマイクロ波反応器において、マイクロ波照射下で加熱した。混合物を濃縮し、残留物をEtOAcで希釈し、水、ブラインで洗浄した。有機相を分離させ、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をSiOフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAcに5%のMeOH)により精製し、白色の非晶質として、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(63mg、61%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2633ClN+H[(M+H)]として算出:485.2314、実測値:485.2311。
【0091】
実施例40
中間体(Z)−3−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−アクリロニトリルの調製

iPrOH(20mL)に、3−クロロベンズアルデヒド(1.4g、10mmol)及び2−クロロ−5−(シアノメチル)ピリジン(Matrix)(1.52g、10mmol)が入った溶液に、NaOH(0.6mL、1.2mmol)の水溶液(2N)を添加した。反応混合物を室温で20時間攪拌した。混合物を酢酸エチルと水の間に分配させた。有機層を分離させ、水、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサンに10−70%のAcOEt)により精製し、白色の固形物として、(Z)−3−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−アクリロニトリル(1.85g、67%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C14Cl+H[(M+H)として算出:275.0138、実測値:275.0137。
【0092】
実施例41
中間体rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製

実施例3に記載した方法に類似した方式で、実施例1で調製された[3,3−ジメチル−ブト−(E)−イリデンアミノ]−酢酸tert-ブチルエステル(0.53g、2.5mmol)を、室温で18時間、1,2−ジクロロエタン(20mL)に、実施例40で調製された(Z)−3−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−アクリロニトリル(0.55g、2mmol)、AgF(0.32g、2.5mmol)、及びトリエチルアミン(0.5g、5mmol)が入ったものと反応させ、淡黄色の固形物として、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.13g、14%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2631Cl+H[(M+H)として算出:488.1866、実測値:488.1864。
【0093】
実施例42
中間体rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸の調製

濃HSO(1mL)及びアセトニトリル(3mL)に、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.36g、0.73mmol)が入った溶液を、120℃で10分、マイクロ波照射下で加熱した。ついで、混合物を氷冷水に注ぎ、「pH」を、NaOH水溶液により中性に調節した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離させ、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(ヘキサンに15−25%のEtOAc)により精製し、白色の非晶質として、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸(0.21g、24%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2223Cl+H[(M+H)として算出:432.1240、実測値:432.1241。
【0094】
実施例43
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミドの調製

実施例6に記載した方法に類似した方式で、Rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸(0.2g、0.46mmol)を、室温で、CHClに2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン(0.1g、0.69mmol)、HATU(0.26g、0.69mmol)及びiPrNEt(0.12mL、0.92mmol)が入ったものと反応させ、白色の非晶質として、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド(0.21g、81%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2936Cl+H[(M+H)として算出:559.2237、実測値:559.2234。
【0095】
実施例44
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミドの調製

メタノール(2mL)に、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド(70mg、0.27mmol)が入った溶液に、PPTS(cat.)を添加した。反応混合物を120℃で5分、CEMマイクロ波反応器において、マイクロ波照射下で加熱した。混合物を濃縮し、残留物をEtOAcで希釈し、水、ブラインでで洗浄した。有機層を分離させ、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物をSiOフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサンに50−100%のEtOAc)により精製し、白色の非晶質として、rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド(47mg、73%)が得られた。
HRMS(ES)m/z C2632Cl+H[(M+H)として算出:519.1924、実測値:519.1925。
【0096】
実施例45
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸メチルエステルの調製

4mLの塩化メチレン、塩化ジフェニルホスフィン酸(Aldrich、216、0.174mL)に、(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−ネオペンチルピロリジン−2−カルボン酸(214mg、0.457mmol)が入った攪拌溶液に、DIPEA(Aldrich、177mg、0.239mL)を添加した。溶液を室温で10分攪拌し、ついで、4−アミノ−3−メトキシ安息香酸メチル(Aldrich、91mg、0.50mmol)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を約3mLまで減らし、40gのシリカゲルカラムに充填し、エスコマシン(esco machine)において溶出させると(3−5%のEtOAc/CHCl)、固形物が得られ、再度、逆相カラム(50−95%のCH3CN/H2O)においてクロマトグラフィーにかけたところ、55mgの白色の固形物が得られた。
MS(ES)m/z C3130Cl+H[(M+H)]として算出:631、実測値:631。
【0097】
実施例46
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−フルオロ−安息香酸メチルエステルの調製

25mLの丸底フラスコにおいて、(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−ネオペンチルピロリジン−2−カルボン酸 2,2,2−トリフルオロ酢酸(1:1)塩(150mg、258μmol、当量:1.00)を、CHCl(3mL)と組合せ、懸濁液を得た。N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(117mg、157μL、902μmol、当量:3.5)及び塩化ジフェニルホスフィン酸(Aldrich、152mg、123μL、644μmol、当量:2.5)を添加し、反応体を室温で10分攪拌した。4−アミノ−3−フルオロ安息香酸メチル(Aldrich、43.6mg、258μmol、当量:1.00)を添加し、反応混合物を室温で4日攪拌し、ついで、回転式真空器(Rotor Vac)において濃縮した。
【0098】
粗物質をDMSOに溶解させ、調製用HPLC(65−100%のACN/H2O、0.1%のTFA)により精製した。フラクションを組合せ、濃縮し、凍結乾燥させ、所望の生成物として、黄色の固形物(7.5mg、収率4.7%)が得られた。
MS(ES)m/z C3027Cl+H[(M+H)]として算出:619、実測値:619。
【0099】
実施例47
インビトロ活性アッセイ
p53とMDM2タンパク質との相互作用を阻害する本化合物の能力を、組換えGST-タグMDM2が、p53のMDM2-相互作用領域に類似したペプチドに結合する、HTRF(均質時間-分割蛍光)アッセイにより測定した(Laneら)。GST-MDM2タンパク質とp53-ペプチド(そのN-末端でビオチン化)との結合は、ユーロピウム(Eu)標識された抗-GST抗体と、ストレプトアビジンコンジュゲートアロフィコシアニン(APC)とのFRET(蛍光共鳴エネルギー転移)により登録される。
【0100】
試験は、90nMのビオチン化ペプチド、160ng/mlのGST-MDM2、20nMのストレプトアビジン-APC(PerkinElmerWallac)、2nMのEu-標識された抗-GST-抗体(PerkinElmerWallac)、0.2%のウシ血清アルブミン(BSA)、1mMのジチオスレイトール(DTT)、及び20mMのトリス-ボラート生理食塩水(TBS)バッファーを含有する全容量40μLにて、黒色の平らな底部を有する384-ウェルプレート(Costar)において、以下の様にして実施する:反応バッファーにおいて、10uLのGST-MDM2(640ng/mlの作業用溶液)を各ウェルに添加。10uLの希釈した化合物(反応バッファーに1:5に希釈)を各ウェルに添加し、振揺して混合。反応バッファーにおいて、20uLのビオチン化されたp53ペプチド(180nMの作業用溶液)を各ウェルに添加し、振揺器で混合。37℃で1時間インキュベート。20uLのストレプトアビジン-APC及びEu-抗-GST抗体の混合物(6nMのEu-抗-GSTと60nMのストレプトアビジン-APC作業用溶液)を、0.2%のBSAを含有するTBSバッファーに添加し、室温で30分振揺させ、665及び615nmでTRF-可能プレートリーダーを使用して読み取る(Victor 5, Perkin ElmerWallac)。特定されない場合、試薬はSigma Chemical Coから購入した。
【0101】
IC50:bsa:0.02%として表される実施例化合物のいくつかの活性データは次の通りである:


【特許請求の範囲】
【請求項1】


[上式中、


から選択される、置換又は未置換のヘテロアリールであり;
Xは、H、F、Cl、Br及びIからなる群から選択され、
Yは、H又はFであり、
は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群から選択され、
及びRは、(CH)−R'、(CH)−NR'R''、(CH)−NR'COR''、(CH)−NR'SOR''、(CH)−COOH、(CH)−COOR'、(CH)−CONR'R''、(CH)−OR'、(CH)−SR'、(CH)−SOR'、(CH)−SOR'、(CH)−COR'、(CH)−SOH、(CH)−SONR'R''、(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−R'、(CHCHO)−(CH)−OH、(CHCHO)−(CH)−OR'、(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CHCHO)−(CH)−COOH、(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CHCHO)−(CH)−COR'、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−R'、(CH)− (CHCHO)−(CH)−OH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−OR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''からなる群から選択され、
R'及びR''は独立して、H、低級アルキル、置換低級アルキル、低級シクロアルキル、置換低級シクロアルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、低級シクロアルケニル、置換低級シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、又は置換複素環から選択され、
R'及びR''の場合には、独立して結合し、置換又は未置換のシクロアルキル、置換又は未置換のシクロアルケニル、置換又は未置換のヘテロアリール、又は置換又は未置換の複素環から選択される環状構造を形成してもよく、
m、n及びpは独立して、0〜6である]
の化合物、及びその製薬的に許容可能な塩及びエステル。
【請求項2】


[上式中、
WはF、Cl又はBrであり、
VはH又はFである]
から選択され、


[上式中、
、Rは双方ともメチルであるか、又は結合してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基を形成し、
は(CH)−Rであり、
qは0、1又は2であり、
は、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環又は置換複素環から選択される]から選択される置換低級アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】


[上式中、
は、

から選択される置換又は未置換のヘテロアリールであり、
XはH、F、Cl、Br及びIからなる群から選択され、
YはH又はFであり、
は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群から選択され、
及びRは、(CH)−R'、(CH)−NR'R''、(CH)−NR'COR''、(CH)−NR'SOR''、(CH)−COOH、(CH)−COOR'、(CH)−CONR'R''、(CH)−OR'、(CH)−SR'、(CH)−SOR'、(CH)−SOR'、(CH)−COR'、(CH)−SOH、(CH)−SONR'R''、(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−R'、(CHCHO)−(CH)−OH、(CHCHO)−(CH)−OR'、(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CHCHO)−(CH)−COOH、(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CHCHO)−(CH)−COR'、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−R'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−OH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−OR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''からなる群から選択され、
R'及びR''は独立して、H、低級アルキル、置換低級アルキル、低級シクロアルキル、置換低級シクロアルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、低級シクロアルケニル、置換低級シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、又は置換複素環から選択され、
R'及びR''の場合には、独立して結合し、置換又は未置換のシクロアルキル、置換又は未置換のシクロアルケニル、置換又は未置換のヘテロアリール、又は置換又は未置換の複素環から選択される環状構造を形成してもよく、
m、n及びpは独立して、0〜6である]
の化合物、及びその製薬的に許容可能な塩及びエステル。
【請求項4】
が、

[上式中、
WはF、Cl又はBrであり、
VはH又はFである]
から選択され、
が、

[上式中、
、Rは双方ともメチルであるか、又は結合してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基を形成し、
は(CH)−Rであり、
qは0、1又は2であり、
は、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環又は置換複素環から選択される]
から選択される置換低級アルキルである]から選択される置換低級アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、

から選択される置換又は未置換のヘテロアリールであり、
XはF、Cl、Brからなる群から選択され、
YはH又はFであり、
は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群から選択され、
は水素であり、Rは(CH)−R'であり、
nは0又は1であり、
R'は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環又は置換複素環から選択される、請求項3に記載の化合物、及びその製薬的に許容可能な塩及びエステル。
【請求項6】
が、

[上式中、
WはF、Cl又はBrであり、
VはH又はFである]
から選択される置換アリールである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、

[上式中、
、Rは双方ともメチルであるか、又は結合してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基を形成し、
は(CH)−Rであり、
qは0、1又は2であり、
は、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環又は置換複素環から選択される]
から選択される置換低級アルキルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
rac−(2R,3R,4R,5S)−4−(4−ブロモ−チオフェン−2−イル)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
キラル−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−4−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−安息香酸、
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−4−ピリジン−3−イル−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル−ピロリジン−2−カルボン酸[2−((S)−22−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−アミド、
rac−(2R,3R,4R,5S)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボン酸((S)−3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−アミド、
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸メチルエステル、及び
rac−4−{[(2R,3S,4S,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−フルオロ−安息香酸メチルエステル
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】


[上式中、


から選択される、置換又は未置換のヘテロアリールであり;
Xは、H、F、Cl、Br及びIからなる群から選択され、
Yは、H又はFであり、
は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群から選択され、
及びRは、(CH)−R'、(CH)−NR'R''、(CH)−NR'COR''、(CH)−NR'SOR''、(CH)−COOH、(CH)−COOR'、(CH)−CONR'R''、(CH)−OR'、(CH)−SR'、(CH)−SOR'、(CH)−SOR'、(CH)−COR'、(CH)−SOH、(CH)−SONR'R''、(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−R'、(CHCHO)−(CH)−OH、(CHCHO)−(CH)−OR'、(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CHCHO)−(CH)−COOH、(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CHCHO)−(CH)−COR'、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−R'、(CH)− (CHCHO)−(CH)−OH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−OR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'COR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−NR'SOR''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOH、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−CONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SOR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−COR'、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''、(CH)−(CHCHO)−(CH)−SONR'R''からなる群から選択され、
R'及びR''は独立して、H、低級アルキル、置換低級アルキル、低級シクロアルキル、置換低級シクロアルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、低級シクロアルケニル、置換低級シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、又は置換複素環から選択され、
R'及びR''の場合には、独立して結合し、置換又は未置換のシクロアルキル、置換又は未置換のシクロアルケニル、置換又は未置換のヘテロアリール、又は置換又は未置換の複素環から選択される環状構造を形成してもよく、
m、n及びpは独立して、0〜6である]
の化合物、及びその製薬的に許容可能な塩及びエステルを、製薬的に許容可能な賦形剤及び/又は担体と共に含有する製薬用製剤。
【請求項10】
エミンII

と活性化オレフィンIII

を収束性[2+3]環化付加反応させ、ピロリジン−3−カルボニトリル化合物IV

を生成させることを含み、ここで、
Rは低級アルキルであり、
、R及びRは請求項1に定義された通りである、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物の調製方法。
【請求項11】
治療的に活性な物質として使用される、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
細胞増殖性疾患、特に乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍を処置又は予防するための、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
細胞増殖性疾患、特に乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍を処置又は予防する医薬を調製するための、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
細胞増殖性疾患、特に乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍を処置又は予防するための、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項10に記載の方法によって製造された場合の、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
細胞増殖性疾患、特に乳腺、結腸、肺及び前立腺の腫瘍を処置又は予防するための方法であって、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物を有効量投与することを含む方法。

【公表番号】特表2013−510828(P2013−510828A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538354(P2012−538354)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067450
【国際公開番号】WO2011/061139
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(306021192)エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト (58)
【Fターム(参考)】