説明

置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体、医薬組成物、及びβ−セクレターゼ阻害剤としての使用方法

本発明は、アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素(BACE)を阻害し、BACEが関与するアルツハイマー病のような疾患の治療に有用であり得る置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体、医薬的に許容可能なその塩、及びそのような化合物又は塩の互変異性体に関するものである。また、本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、並びにBACEが関与するそのような疾患の治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)及びPCT第8条(1)に基づいて、2009年4月27日出願の米国仮特許出願第61/173,180号に対し、優先権を主張する。
【0002】
本明細書は、米国仮特許出願第61/173,180号の全体を、本明細書に完全に記載されているかのように援用する。
発明の背景
発明の分野
本発明は、アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素(BACE)であるβ−セクレターゼの阻害剤として有用な置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
アルツハイマー病は、脳内におけるβ−アミロイド(Aβ)の細胞外斑の形態での異常な沈着、及び細胞内神経原線維変化を特徴とする。アミロイド蓄積速度は、Aβ形成速度、凝集速度、及び脳からの放出速度の組み合わせである。アミロイド斑の主要構成成分は4kDのアミロイドタンパク質(βA4;Aβ、β−タンパク質、及びβAPとも称される)であり、これは、より大きいサイズの前駆体タンパク質のタンパク質分解産物であることが一般に認められている。
【0004】
アミロイド前駆体タンパク質(APP)は695〜770アミノ酸の糖タンパク質であり、末梢組織における神経細胞及びグリア細胞で発現される。APPは、大きい細胞外ドメイン、膜貫通領域、及び短い細胞質尾部を有する受容体様構造を有する。Aβは39〜42アミノ酸のペプチドであり、APPの細胞外ドメインの一部を構成し、APPの膜貫通ドメインまで部分的に伸びている。
【0005】
APPを膜から放出し、可溶性の短鎖型APP(sAPP)を産生する少なくとも2つの分泌メカニズムが存在する。APP及びその断片を膜から放出させるプロテアーゼは「セクレターゼ」と呼ばれる。大部分のsAPPは、Aβタンパク質内を切断してsAPPαを放出し、完全なAβの放出を妨げる推定α−セクレターゼにより放出される。ごく一部のsAPPは、APPのNH末端付近を切断し、完全なAβドメインを含有するCOOH末端断片(CTF)を産生するβ−セクレターゼにより放出される。
【0006】
したがって、β−セクレターゼ、即ちアミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素(「BACE」)の活性は、アルツハイマー病に特徴的な、APPの異常な切断、Aβの産生、そしてβ−アミロイド斑の脳内蓄積をもたらす。更に、APPのβ−セクレターゼによるプロセシングは、Aβ産生における律速段階であると考えられている。したがって、BACEを阻害できる治療剤は、アルツハイマー病の治療に有用であり得る。
【0007】
本発明の化合物は、BACEの活性を阻害し、したがって不溶性Aβの形成を妨げるか又は形成速度を低下させることによるアルツハイマー病の治療に有用であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,356,108号
【特許文献2】米国特許第4,166,452号
【特許文献3】米国特許第4,265,874号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】R.C.De Selms、J.Org.Chem.、1968、33、478−480
【非特許文献2】Journal of Pharmaceutical Science、66(2)、1977、1−19
【発明の概要】
【0010】
発明の簡潔な概要
本発明は、アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素(BACE)を阻害し、したがってBACEが関与するアルツハイマー病のような疾患の治療に有用であり得る置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体に係るものである。また、本発明は、置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体を含む医薬組成物、並びにこれらの化合物及び医薬組成物の、BACEが関与する疾患の治療における使用に係るものである。
【0011】
1つの側面では、本発明は、式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、及び当該化合物又は塩の互変異性体を提供するものであり、個々の置換基のアイデンティティーは、以下に更に詳細に記載される。
【0012】
【化1】

【0013】
他の側面では、本発明は、式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、及び当該化合物又は塩の互変異性体の製造方法を提供するものである。
他の側面では、本発明は、式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体を含む医薬組成物を提供するものである。1つの態様では、医薬組成物は、式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体、及び医薬的に許容可能な担体、賦形剤、希釈剤、又はそれらの混合物を含む。他の側面では、本発明は、式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体を含む医薬組成物の製造方法を提供するものである。
【0014】
他の側面では、本発明は、式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体、あるいは式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体を含む医薬組成物を、疾患、障害、又は病態を有する対象へ投与することを含む治療方法を提供するものである。
【0015】
他の側面では、本発明は、式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体、あるいは式(I)の化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体を含む医薬組成物を、疾患、障害、若しくは病態を有する対象へ、又は疾患、障害、若しくは病態を有する危険性のある対象へ投与することを含む、治療方法を提供するものであり、疾患、障害、又は病態は:アルツハイマー病、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管症、変性認知症、びまん性レビー小体型アルツハイマー病、及び中枢又は末梢のアミロイド病から成る群より選択される。
【0016】
本発明の更なる特徴を以下に記載する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
以下の定義は、規定の用語を明確にすることを意図するものである。本明細書で用いる特定の用語が具体的に規定されていない場合に、その用語は曖昧であるとみなすべきではない。むしろ、そのような規定されていない用語は、本発明に係る技術分野において熟練した技術を有する者にとって平易な通常の意味したがい解釈されるべきである。
【0018】
本明細書において「アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子を有する飽和した直鎖又は分岐鎖の炭化水素を表し、本明細書に更に記載するように置換されていてもよく、多重置換も認められる。本明細書に用いられる「アルキル」の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、及び2−エチルヘキシルが挙げられる。
【0019】
本明細書を通して用いられるように、アルキル基における炭素原子数は、「Cx−yアルキル」といった表現で表され、これはx個以上y個以下の炭素原子を含有する本明細書に規定するようなアルキル基を表す。したがって、C1−6アルキルは、1〜6個の炭素を有する上記のようなアルキル鎖を表し、例えば、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、n−ペンチル、ネオペンチル、及びn−ヘキシルが含まれる。更に、本明細書において、「低級アルキル」という用語は、1個以上6個以下の炭素原子を有する本明細書に規定するようなアルキル基を表す。
【0020】
本明細書において、「アルキレン」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する飽和した直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素ラジカルを表し、本明細書に更に記載するように置換されていてもよく、多重置換も認められる。本明細書に用いられる「アルキレン」の例としては、限定されるものではないが、メチレン、エチレン、n−プロピレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、ジメチルメチレン、n−ブチレン、1−メチル−n−プロピレン、及び2−メチル−n−プロピレンが挙げられる。
【0021】
本明細書を通して用いられるように、アルキレン基における炭素原子数は、「Cx−yアルキレン」といった表現で表され、これはx個以上y個以下の炭素原子を含有する本明細書に規定するようなアルキレン基を表す。したがって、C1−4アルキレンは、1〜4個の炭素を有する上記のようなアルキレン鎖を表し、例えば、限定されるものではないが、メチレン、エチレン、n−プロピレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、ジメチルメチレン、n−ブチレン、1−メチル−n−プロピレン、及び2−メチル−n−プロピレンが含まれる。
【0022】
本明細書において、「アルケニレン」という用語は、1〜10個の炭素原子を有し且つ少なくとも1つの炭素−炭素2重結合を含有する直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素ラジカルを表し、本明細書に更に記載するように置換されていてもよく、多重置換も認められる。本明細書に用いられる「アルケニレン」の例としては、限定されるものではないが、ビニレン、アリレン、及び2−プロペニレンが挙げられる。
【0023】
本明細書を通して用いられるように、アルケニレン基における炭素原子数は、「Cx−yアルケニレン」といった表現で表され、これはx個以上y個以下の炭素原子を含有する本明細書に規定するようなアルケニレン基を表す。したがって、C1−4アルケニレンは、1〜4個の炭素を有する上記のようなアルケニレン鎖を表し、例えば、限定されるものではないが、ビニレン、アリレン、及び2−プロペニレンが含まれる。
【0024】
本明細書において、「アルキニレン」という用語は、1〜10個の炭素原子を有し且つ少なくとも1つの炭素−炭素3重結合を含有する直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素ラジカルを表し、本明細書に更に記載するように置換されていてもよく、多重置換も可認められる。本明細書に用いられる「アルキニレン」の例としては、限定されるものではないが、エチニレン及びプロピニレンが挙げられる。
【0025】
本明細書を通して用いられるように、アルキニレン基における炭素原子数は、「Cx−yアルキニレン」といった表現で表され、これはx個以上y個以下の炭素原子を含有する本明細書に記載するようなアルキニレン基を表す。したがって、C1−4アルキニレンは、1〜4個の炭素を有する上記のようなアルキニレン鎖を表し、例えば、限定されるものではないが、エチニレン及びプロピニレンが含まれる。
【0026】
本明細書において、「シクロアルキル」という用語は、3〜12員環状炭化水素環を表し、本明細書に更に記載するように置換されていてもよく、多重置換も認められる。本明細書に用いられる「シクロアルキル」という用語には、芳香環を含有する環系は含まれないが、1以上の不飽和度を有する環系は含まれる。本明細書に用いられる「シクロアルキル」基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、1−ノルボルニル、2−ノルボルニル、7−ノルボルニル、1−アダマンチル、及び2−アダマンチルが挙げられる。
【0027】
本明細書を通して用いられるように、シクロアルキル基における炭素原子数は、「Cx−yシクロアルキル」といった表現で表され、これはx個以上y個以下の炭素原子を含有する本明細書に規定するようなシクロアルキル基を表す。類似の術語が他の用語及び範囲に同様に適用される。したがって、C3−10シクロアルキルは、3〜10個の炭素を有する上記のようなシクロアルキル基を表し、例えば、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、1−ノルボルニル、2−ノルボルニル、7−ノルボルニル、1−アダマンチル、及び2−アダマンチルが含まれる。
【0028】
本明細書において、「複素環」又は「ヘテロシクリル」という用語は、1個以上のヘテロ原子を含有する単環式、二環式、又は三環式環系を表す。そのような「複素環」基又は「ヘテロシクリル」基は、本明細書に更に記載するように置換されていてもよく、多重置換も認められる。本明細書に用いられる「複素環」又は「ヘテロシクリル」という用語には、芳香環を含有する環系は含まれないが、1以上の不飽和度を有する環系は含まれる。ヘテロ原子の例としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子が挙げられ、N−酸化物、硫黄酸化物、及び硫黄二酸化物が含まれる。環系における炭素原子も場合により酸化されて、2−オキソ−ピロリジン−1−イル又は2−オキソ−ピペリジン−1−イルのような複素環を形成することもできる。典型的には、環は3〜12員環である。そのような環は、1個以上の他の複素環又はシクロアルキル環と融合していてもよい。本明細書に用いられる「複素環」基又は「ヘテロシクリル」基の例としては、限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピラン、及びテトラヒドロチオフェンが挙げられ、結合が化学的に実行可能である限り、結合は環上のいかなる点で生ずることもできる。したがって、例えば、「モルホリン」は、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、及びモルホリン−4−イルを表すことができる。
【0029】
本明細書において、「複素環」又は「ヘテロシクリル」が可能な置換基として挙げられる場合、「複素環」基又は「ヘテロシクリル」基は、その点における結合が化学的に実行可能な範囲で炭素原子又はヘテロ原子のいずれかを介して結合することができる。例えば、「ヘテロシクリル」には、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、及びピロリジン−3−イルが含まれる。「複素環」基又は「ヘテロシクリル」基が窒素原子を環中に含有する場合、窒素原子を介した結合は、もう一つの方法として、環の名称に「−イノ」といった接尾語を用いることにより示すことができる。例えば、ピロリジノはピロリジン−1−イルを表す。
【0030】
本明細書において、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を表す。
本明細書において、「ハロアルキル」という用語は、1回以上ハロゲンで置換された本明細書に規定するようなアルキル基を表す。本明細書に用いられる分岐鎖又は直鎖「ハロアルキル」基の例としては、限定されるものではないが、独立して1個以上のハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードで置換された、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、及びt−ブチルが挙げられる。「ハロアルキル」という用語は、−CF、−CH−CF、及び−CFClのような基を含むと解釈されるべきである。
【0031】
本明細書において、「アリール」という用語は、6〜10員環状芳香族炭化水素を表し、本明細書に更に記載するように置換されていてもよく、多重置換も認められる。本明細書における「アリール」基の例としては、限定されるものではないが、フェニル及びナフチルが挙げられる。本明細書において、「アリール」という用語には、フェニル基又はナフチル基が1〜3個の非芳香族飽和又は不飽和炭素環と融合していてもよい環系も含まれる。例えば「アリール」には、芳香環にも非芳香環にも結合が可能なインデンのような環系が含まれる。
【0032】
本明細書において、「ヘテロアリール」という用語は、置換されていてもよい5〜14員単環式又は多環式環系を表し、これは少なくとも1つの芳香環を含有し且つ1個以上のヘテロ原子も含有する。そのような「ヘテロアリール」基は、本明細書に更に記載するように置換されていてもよく、多重置換も認められる。少なくとも1つの芳香環及び少なくとも1つの非芳香環を含有する多環式「ヘテロアリール」基では、芳香環はヘテロ原子を含有する必要はない。したがって、例えば本明細書に用いられる「ヘテロアリール」にはインドリニルが含まれる。更に、結合点は、結合点を含有する環が芳香環であるか又はヘテロ原子を含有するかに関係なく、環系内のいずれの環でもよい。したがって、例えば本明細書に用いられる「ヘテロアリール」には、インドリン−1−イル、インドリン−3−イル、及びインドリン−5−イルが含まれる。ヘテロ原子の例としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子が挙げられ、実行可能であればN−酸化物、硫黄酸化物、及び硫黄二酸化物が含まれる。本明細書に用いられる「ヘテロアリール」基の例としては、限定されるものではないが、フリル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プテリジニル、及びフェナジニルが挙げられ、結合は化学的に実行可能である限り環上のいかなる点でも生ずることができる。したがって、例えば「チアゾリル」は、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、及びチアゾール−5−イルを表す。
【0033】
本明細書において、「ヘテロアリール」が可能な置換基として挙げられる場合、「ヘテロアリール」基は、その点における結合が化学的に実行可能な範囲で、炭素原子又はヘテロ原子のいずれかを介して結合することができる。
【0034】
本明細書において、「直接結合」という用語は、構造的可変物の特定の一部である場合、「直接結合」とみなされる可変物に隣接している(先行及び後続)置換基の直接連結を表す。2個以上の連続した可変物がそれぞれ「直接結合」として特定される場合、それら2個以上の連続して特定された「直接結合」に隣接している(先行及び後続)それらの置換基は直接連結している。
【0035】
本明細書において、「置換された」という用語は、規定された部分の1個以上の水素の、命名された置換基による置換を表し、特に明記しない限り多重置換も認められる。但し、置換が安定な又は化学的に実行可能な化合物を生ずることを条件とする。安定な化合物又は化学的に実行可能な化合物は、水分又は他の化学的に反応性の条件の非存在下で約−80℃〜約+40℃の温度に少なくとも1週間維持しても化学構造が実質的に変化しない化合物であるか、又は患者への治療的若しくは予防的投与に有用であるようにその完全性を十分長く維持する化合物である。本明細書において、「1個以上の…で置換された」又は「1回以上…で置換された」といった表現は、利用可能な結合部位数に基づいて可能な1個〜最大数の置換基に等しい置換基数を表す。但し、上記安定性及び化学的実行可能性の条件を満たすことを条件とする。
【0036】
本明細書において、表された各種官能基は、ハイフン又はダッシュ(−)若しくはアスタリスク(*)を有する官能基において結合点を有することが理解されるであろう。換言すれば、−CHCHCHの場合、結合点は左端のCH基であることが理解されるであろう。置換基がアスタリスク又はダッシュなしで挙げられる場合、その結合点は当業者が一般にその基と関連付ける結合点である。例えば「メチル」は、メチル基とは何か一般的に理解される意味に一致する−CHである。
【0037】
可変物がいずれか1つの構成要素(例えばR)又は複数の構成要素において1回以上生ずる場合、それぞれの発生におけるその定義は、他の全ての発生におけるその定義から独立している。
【0038】
本明細書において、複数原子の2価の種は左から右へ読むべきである。例えば、明細書又は特許請求の範囲がA−D−Eを挙げ、Dが−OC(O)−として規定されている場合、Dを置き換えて得られる基はA−OC(O)−Eであり、A−C(O)O−Eではない。
【0039】
本明細書において、「場合により」という用語は、その後に記載されるイベントが生じても生じなくてもよいことを意味する。
本明細書において、「投与する」又は「投与すること」は、対象へ化合物又は組成物を導入することのような導入を意味する。この用語は特定の送達様式に限定されるものではなく、例えば皮下送達、静脈内送達、筋肉内送達、嚢内送達、注入技術による送達、経皮送達、経口送達、経鼻送達、及び直腸送達を含むことができる。更に、送達様式に応じて、例えばヘルスケアの専門家(例えば医師、看護士など)、薬剤師、又は対象(即ち自己投与)を含めたさまざまな個人により投与を行うことができる。
【0040】
本明細書において、「治療する」又は「治療すること」又は「治療」は、疾患、障害、又は病態の性質、及びその特徴的な症状に応じて:疾患、障害、又は病態の進行を遅延させること;疾患、障害、又は病態を制御すること;疾患、障害、又は病態の発症を遅延させること;疾患、障害、又は病態に特徴的な1以上の症状を改善させること;あるいは疾患、障害、若しくは病態、又はそれらに特徴的な症状の再発を遅延させること、のうち1つ以上を表すことができる。
【0041】
本明細書において、「対象」は哺乳類を表し、例えば、限定されるものではないが、ヒト、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ラット、イヌ、ネコ、並びにチンパンジー、ゴリラ、及びアカゲザルのような霊長類を表す。1つの態様では、「対象」はヒトである。他の態様では、「対象」は、疾患、障害、又は病態に特徴的な1以上の症状を呈するヒトである。他の態様では、「対象」は、BACEが関与する疾患、障害、又は病態を有するヒトである。「対象」という用語は、病院、診療所、又は研究施設に対して何らかの特定の立場(例えば投与される患者、研究の被験者などとして)を有する者である必要はない。
【0042】
本明細書において、「化合物」という用語には、遊離酸、遊離塩基、及びそれらの塩が含まれる。したがって、「態様1の化合物」又は「請求項1の化合物」のような表現は、態様1又は請求項1に包含される遊離酸、遊離塩基、及びそれらの塩を表すことが意図される。
【0043】
本明細書において、「置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体」は、以下に詳細に記載されるような、式(I)で表される2−イミダゾ[1,2−a]ピリジン カルボン酸ベンズイミダゾール−2−イルアミド又は3−イミダゾ[1,2−a]ピリジン カルボン酸ベンズイミダゾール−2−イルアミドの誘導体を表す。
【0044】
本明細書において、「医薬組成物」という用語は、例えば経口的に、局部的に、非経口的に、吸入噴霧により、又は直腸的に、慣用の非毒性担体、希釈剤、アジュバント、ビヒクルなどを含有する単位用量製剤で、哺乳類宿主へ投与することができる組成物を表示するために用いられる。本明細書において、「非経口」という用語には、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、嚢内注射、又は注入技術によるものが含まれる。
【0045】
本明細書において、本発明の化合物又は塩に関連して用いられる「互変異性体」という用語は、以下に示すように、置換ベンズイミダゾール基に関して形成することができる互変異性体を表す。
【0046】
【化2】

【0047】
本発明には、そのような互変異性体の全て、並びにそれらの作製方法及び使用方法が含まれる。本明細書を通して、化学式が(一般式もそうでないものも)、1位が置換されていない1H−ベンズイミダゾール部分を有する化合物を開示する場合(真上に示される左端の構造で説明されるように)、その化学式は、ベンズイミダゾール部分が互変異性化を経て真上に示される他の2つのベンズイミダゾール互変異性体のいずれかを形成している以外は同一である化合物も黙示的に開示する。したがって、「式(I)の化合物の互変異性体」といった表現は、式(I)のR基が水素であり、当該互変異性体が真上に記載される互変異性化の関係にしたがって式(I)の化合物に関連する、式(I)の化合物を表す。
【0048】
本明細書において、「BACE阻害剤」又は「BACEの阻害剤」という用語は、BACEと相互作用してその酵素活性を阻害することが可能な、本明細書に規定するような構造を有する化合物を示すために用いられる。BACE酵素活性を阻害することは、BACEによるペプチド又はタンパク質の切断能を低下させることを意味する。ペプチド又はタンパク質はAPPであり得、BACE阻害剤は、APPのNH末端付近でAPPを切断して完全なAβドメインを含有するCOOH末端断片(CTF)を産生するBACEの能力を低下させることができる。各種態様では、そのようなBACE活性の低下は、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%である。各種態様では、BACEの酵素活性の低下に必要とされるBACE阻害剤の濃度は、約30μM未満、約10μM未満、又は約1μM未満である。
【0049】
本明細書において、「医薬組成物」という用語は、例えば経口的に、局部的に、非経口的に、吸入噴霧により、又は直腸的に、慣用の非毒性担体、希釈剤、アジュバント、ビヒクルなどを含有する単位用量製剤で、哺乳類宿主へ投与することができる組成物を表示するために用いられる。本明細書において「非経口」という用語には、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、嚢内注射、又は注入技術によるものが含まれる。
【0050】
本明細書において、「医薬的に許容可能な担体」、「医薬的に許容可能な希釈剤」、及び「医薬的に許容可能な賦形剤」という用語は、製剤の他の成分と適合し、その受容者に有害でないことを必要とする担体、希釈剤、又は賦形剤を意味する。
【0051】
また、本発明の範囲内に含まれるのは、式(I)で表される化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体の個々の鏡像異性体、及び全体的又は部分的なそれらのラセミ混合物である。本発明は、式(I)で表される化合物、医薬的に許容可能なその塩、又は当該化合物若しくは塩の互変異性体の個々の鏡像異性体、及び1つ以上の立体中心が反転しているそれらのジアステレオ異性体との混合物もカバーする。特に明記しない限り、本明細書に表現される構造は、1種以上の同位体濃縮原子の存在のみが異なる化合物が含まれることも意味する。例えば、重水素若しくはトリチウムによる水素原子の置換、又は13C若しくは14Cに富んだ炭素による炭素原子の置換以外は本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
【0052】
いくつかの側面では、本発明は、置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体、置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体を含む医薬組成物、置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体の作製方法、置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体を含む医薬組成物の作製方法、及び置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体又は置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体を含む医薬組成物の使用方法、特にBACEの酵素活性に関連し得るアルツハイマー病のような疾患、障害、又は病態を治療するための使用方法に関するものである。
【0053】
第1の側面では、本発明は、置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体、医薬的に許容可能なその塩、及び当該化合物又は塩の互変異性体を提供する。そのような化合物、塩、又はそれらの互変異性体は、以下でより詳細に考察するように、BACEのタンパク質分解活性の低下に有用である。
【0054】
第1の態様(即ち態様1)では、本発明は、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩を提供するものであり:
【0055】
【化3】

【0056】
式中:
はイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル
【0057】
【化4】

【0058】
又はイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル
【0059】
【化5】

【0060】
であり、
ここで、Gは:
a) −ハロ、
b) R
c) −J−R
d) −アルキレン−J−R
e) −アルキニレン−R
f) −アルケニレン−R
g) −J−アルキレン−J−R
h) −アルキレン−J−アルキレン−J−R
i) −N(R)(R)、
j) −アルキレン−N(R)(R)、
k) −J−アルキレン−N(R)(R)、
l) −N(−アルキレン−R)(−アルキレン−R)、
m) R
n) −J−アルキレン−J−R
o) −アルキレン−J−アルキレン−R
p) −アルキレン−J−アルキレン−J−R
q) −C(O)R
r) −CO−R
s) −C(O)−N(R)(R)、
t) −SO−アルキル、
u) −SO−OR
v) −SO−N(R)(R)、
w) −J−アルキレン−C(O)R
x) −J−アルキレン−CO
y) −J−アルキレン−C(O)N(R)(R)、
z) −J−アルキレン−SO−アルキル、
aa) −J−アルキレン−SO−OR、及び
bb) −J−アルキレン−SO−N(R)(R)、
から成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
ここで、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
は−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され、
は直接結合、−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され;
及びRは:
a) −水素、
b) −ハロ、
c) −アルキル、
d) −ハロアルキル、
e) −O−アルキル、及び
f) −O−ハロアルキル;
から成る群より独立して選択され
及びRは:
a) −水素、
b) −ハロ、
c) −アルキル、
d) −ハロアルキル、
e) −O−アルキル、
f) −O−ハロアルキル、及び
g) −L−D−G
から成る群より独立して選択され、
ここで、R及びRのうち少なくとも1つは−L−D−Gであり、
は直接結合、−O−、−NH−、及び−N(R)−から成る群より選択され、Rは−D−Gであり、
は直接結合、−アルキレン−、及び−アルケニレン−から成る群より選択され、
は−フェニル及び−シクロアルキルから成る群より選択され、ここで、フェニル基及びシクロアルキル基は、−ハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−OH、−NH、−フェニル、−シクロアルキル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、−O−フェニル、−O−シクロアルキル、−O−アルキレン−フェニル、−O−アルキレン−シクロアルキル、−C(O)アルキル、及び−C(O)ハロアルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
は直接結合、−アルキレン−、及び−アルケニレン−から成る群より選択され、
は−フェニル、−シクロアルキル、−ヘテロシクリル、及び−ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、フェニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基は、−ハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−OH、−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、モルホリノ、−フェニル、−CN、−シクロアルキル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、−O−フェニル、−O−シクロアルキル、−O−アルキレン−フェニル、−O−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキレン−O−アルキル、−C(O)アルキル、−C(O)ハロアルキル、−CO−アルキル、及び−SO−アルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は水素、−ハロアルキル、−アルキル、−アルキレン−J−R、−アルキレン−N(R)(R)、−アルキレン−C(O)R、−アルキレン−CO、−アルキレン−C(O)N(R)(R)、−アルキレン−SO−アルキル、−アルキレン−SO−OR、及び−アルキレン−SO−N(R)(R)から成る群より選択され、Jは直接結合、−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され;
は−H又はアルキルであり;
はアルキル、ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、ピペリジン−4−イル、1−メチル−ピペリジン−4−イル、ピペリジン−3−イル、及びピロリジン−3−イルから成る群より選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、ピペリジン−4−イル基、1−メチル−ピペリジン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、及びピロリジン−3−イル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は水素、アルキル、ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、ピペリジン−4−イル、1−メチル−ピペリジン−4−イル、ピペリジン−3−イル、及びピロリジン−3−イルから成る群より選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、ピペリジン−4−イル基、1−メチル−ピペリジン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、及びピロリジン−3−イル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
はハロ、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、フェニル、−OH、−NH、−N(H)アルキル、−N(アルキル)、−O−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−シクロアルキル、−O−フェニル、及び−O−アルキレン−フェニルから成る群より選択され;
及びRは水素、アルキル、フェニル、及びシクロアルキルから成る群より独立して選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、及びシクロアルキル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、あるいはR及びRはそれらが結合する原子と一緒になって環を形成し、ここで、R及びRは一緒になって式−(CR−X−(CR−を有し、s及びtは独立して1、2、又は3であり、sとtとの合計は3又は4に等しく、Xは直接結合、−CH−、−O−、−S−、及び−NR−から成る群より選択され;
及びRは水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、フェニル、−OH、−NH、−N(H)アルキル、−N(アルキル)、−O−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−シクロアルキル、−O−フェニル、及び−O−アルキレン−フェニルから成る群より独立して選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;そして
はヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、ここで、それぞれの基は、Rから独立して選択される置換基で1回以上置換されていてもよい。
【0061】
態様2: 態様1の化合物、式中
は:
a) −ハロ、
b) R
c) −J−R
d) −アルキレン−J−R
e) −J−アルキレン−J−R
f) −N(R)(R)、
g) −アルキレン−N(R)(R)、
h) −J−アルキレン−N(R)(R)、
i) −N(−アルキレン−R)(−アルキレン−R)、
j) −C(O)R
k) −CO−R
l) −SO−アルキル、
m) −SO−OR
n) −SO−N(R)(R)、
o) −J−アルキレン−C(O)R
p) −J−アルキレン−CO
q) −J−アルキレン−C(O)N(R)(R)、
r) −J−アルキレン−SO−アルキル、
s) −J−アルキレン−SO−OR、及び
t) −J−アルキレン−SO−N(R)(R)、
から成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
ここで、アルキレン基はRから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
は−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され、
は直接結合、−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され、
は−フェニル及び−シクロアルキルから成る群より選択され、ここで、フェニル基及びシクロアルキル基は、−ハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−OH、−NH、−フェニル、−シクロアルキル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、−O−フェニル、−O−シクロアルキル、−O−アルキレン−フェニル、−O−アルキレン−シクロアルキル、−C(O)アルキル、及び−C(O)ハロアルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
はアルキル、ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、ピペリジン−4−イル、ピペリジン−3−イル、及びピロリジン−3−イルから成る群より選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、ピペリジン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、及びピロリジン−3−イル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は水素、アルキル、ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、ピペリジン−4−イル、ピペリジン−3−イル、及びピロリジン−3−イルから成る群より選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、ピペリジン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、及びピロリジン−3−イル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;そして
は−Hである。
【0062】
態様3: Rが水素である、態様2の化合物。
態様4: Rがメチルである、態様2の化合物。
態様5: Rが−アルキレン−J−Rである、態様2の化合物。
【0063】
態様6: Rが−アルキレン−O−Rである、態様5の化合物。
態様7: Rが−アルキレン−N(R)(R)である、態様2の化合物。
態様8: Rが−アルキレン−C(O)Rである、態様2の化合物。
【0064】
態様9: Rが−アルキレン−COである、態様2の化合物。
態様10: Rが−アルキレン−C(O)N(R)(R)である、態様2の化合物。
【0065】
態様11: Rが−アルキレン−SO−アルキルである、態様2の化合物。
態様12: Rが−アルキレン−SO−ORである、態様2の化合物。
態様13: Rが−アルキレン−SO−N(R)(R)である、態様2の化合物。
【0066】
態様14: Gが1回置換されている、態様2〜13のいずれか1つの化合物。
態様15: Gが5位でのみ置換されている、態様2〜13のいずれか1つの化合物。
【0067】
態様16: Gが2回置換されている、態様2〜13のいずれか1つの化合物。
態様17: Gが置換されていない、態様2〜13のいずれか1つの化合物。
態様18: Gが−ハロ及びRから成る群より独立して選択される置換基で置換されている、態様2〜16のいずれか1つの化合物。
【0068】
態様19: Gが:
a) −ハロ、
b) −C1−4アルキル、
c) −ハロC1−4アルキル、
d) −O−C1−4アルキル、
e) −O−ハロC1−4アルキル、
f) −O−C1−4アルキレン−フェニル、
g) −NH−C1−4アルキル、
h) −NH−C1−2アルキレン−フェニル、
i) −N−(C1−4アルキル)、及び
j) −N−(C1−2アルキレン−フェニル)
から成る群より独立して選択される置換基で置換されている、態様2〜16のいずれか1つの化合物。
【0069】
態様20: Gが−ハロ、−C1−4アルキル、−ハロC1−4アルキル、−O−C1−4アルキル、−O−ハロC1−4アルキル、−J−R、−アルキレン−J−R、及び−J−アルキレン−J−Rから成る群より独立して選択される置換基で置換されている、態様2〜16のいずれか1つの化合物。
【0070】
態様21: Gが−ハロ、−C1−4アルキル、−ハロC1−4アルキル、−O−C1−4アルキル、−O−ハロC1−4アルキル、−N(R)(R)、−アルキレン−N(R)(R)、及び−J−アルキレン−N(R)(R)から成る群より独立して選択される置換基で置換されている、態様2〜16のいずれか1つの化合物。
【0071】
態様22: Gが−ハロ、−C1−4アルキル、−ハロC1−4アルキル、−O−C1−4アルキル、−O−ハロC1−4アルキル、−C(O)R、−CO−R、−SO−アルキル、−SO−OR、及び−SO−N(R)(R)から成る群より独立して選択される置換基で置換されている、態様2〜16のいずれか1つの化合物。
【0072】
態様23: Gが−ハロ、−C1−4アルキル、−ハロC1−4アルキル、−O−C1−4アルキル、−O−ハロC1−4アルキル、−J−アルキレン−C(O)R、−J−アルキレン−CO、−J−アルキレン−C(O)N(R)(R)、−J−アルキレン−SO−アルキル、−J−アルキレン−SO−OR、及び−J−アルキレン−SO−N(R)(R)から成る群より独立して選択される置換基で置換されている、態様2〜16のいずれか1つの化合物。
【0073】
態様24: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルである、態様2〜23のいずれか1つの化合物。
態様25: Gが5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルである、態様2〜13のいずれか1つの化合物。
【0074】
態様26: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルである、態様2〜23のいずれか1つの化合物。
態様27: R及びRが−水素、−ハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−O−アルキル、及び−O−ハロアルキルから成る群より独立して選択される、態様2〜26のいずれか1つの化合物。
【0075】
態様28: R及びRのうち少なくとも1つが水素である、態様27の化合物。
態様29: R及びRが水素である、態様27の化合物。
態様30: R及びRが水素であり、R及びRのうち一方が水素であり、R及びRのうち他方が−L−D−G基である、態様2〜26のいずれか1つの化合物。
【0076】
態様31: R及びRのうち1つが−L−D−Gであり、Lは直接結合である、態様2〜30のいずれか1つの化合物。
態様32: Dが直接結合である、態様31の化合物。
【0077】
態様33: Dが−C1−3アルキレン−である、態様31の化合物。
態様34: Dが−C(H)=C(H)−である、態様31の化合物。
態様35: Gがフェニルである、態様31〜34のいずれか1つの化合物。
【0078】
態様36: Gが−フェニルであり、フェニル基は置換されていない、態様35の化合物。
態様37: Gが−フェニルであり、フェニル基はハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、及び−C(O)−ハロアルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様35の化合物。
【0079】
態様38: Gが−フェニルであり、フェニル基は−F、−Cl、−C1−3アルキル、−CF、−O−C1−3アルキル、−O−CF、−CH−CF、及び−C(O)−CFから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様35の化合物。
【0080】
態様39: Gが−シクロアルキルである、態様31〜34のいずれか1つの化合物。
態様40: Gが−シクロアルキルであり、シクロアルキル基は置換されていない、態様39の化合物。
【0081】
態様41: Gが−シクロアルキルであり、シクロアルキル基はハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、及び−C(O)−ハロアルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様39の化合物。
【0082】
態様42: Gが−シクロアルキルであり、シクロアルキル基は−F、−Cl、−C1−3アルキル、−CF、−O−C1−3アルキル、−O−CF、−CH−CF、及び−C(O)−CFから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様39の化合物。
【0083】
態様43: Gがシクロペンチル又はシクロヘキシルである、態様39〜42のいずれか1つの化合物。
態様44: R及びRのうち1つが−L−D−Gであり、ここで、Lは−O−であり、Dは直接結合又は−アルキレン−である、態様2〜30のいずれか1つの化合物。
【0084】
態様45: Dが−CH−又は−CH−CH−である、態様44の化合物。
態様46: Gがフェニルである、態様44又は45の化合物。
態様47: Gが−フェニルであり、フェニル基は置換されていない、態様46の化合物。
【0085】
態様48: Gが−フェニルであり、フェニル基はハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、及び−C(O)−ハロアルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様46の化合物。
【0086】
態様49: Gが−フェニルであり、フェニル基は−F、−Cl、−C1−3アルキル、−CF、−O−C1−3アルキル、−O−CF、−CH−CF、及び−C(O)−CFから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様46の化合物。
【0087】
態様50: Gが−シクロアルキルである、態様44又は45の化合物。
態様51: Gが−シクロアルキルであり、シクロアルキル基は置換されていない、態様50の化合物。
【0088】
態様52: Gが−シクロアルキルであり、シクロアルキル基はハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、及び−C(O)−ハロアルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様50の化合物。
【0089】
態様53: Gが−シクロアルキルであり、シクロアルキル基は−F、−Cl、−C1−3アルキル、−CF、−O−CF、−CH−CF、及び−C(O)−CFから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様50の化合物。
【0090】
態様54: Gがシクロペンチル基又はシクロヘキシル基である、態様50〜53のいずれか1つの化合物。
態様55: R及びRのうち1つが−L−D−Gであり、ここで、Lは−NH−又は−N(R)−であり、Dは直接結合又は−アルキレン−である、態様2〜30のいずれか1つの化合物。
【0091】
態様56: Dが−CH−又は−CH−CH−であり、Rが−D−Gであり、ここで、Dは−CH−又は−CH−CH−である、態様55の化合物。
態様57: G及びGがフェニルである、態様55又は56の化合物。
【0092】
態様58: G及びGが−フェニルであり、フェニル基は置換されていない、態様57の化合物。
態様59: G及びGが−フェニルであり、フェニル基はハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、及び−C(O)−ハロアルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様57の化合物。
【0093】
態様60: G及びGが−フェニルであり、フェニル基は−F、−Cl、−C1−3アルキル、−CF、−O−C1−3アルキル、−O−CF、−CH−CF、及び−C(O)−CFから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、態様57の化合物。
【0094】
態様61: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、態様1に記載のように置換されていてもよい、態様1の化合物。
態様62: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルであり、態様1に記載のように置換されていてもよい、態様1の化合物。
【0095】
態様63: Rが水素である、態様1、61、又は62の化合物。
態様64: Rがアルキルである、態様1、61、又は62の化合物。
態様65: Rがメチル、エチル、又はイソプロピルである、態様64の化合物。
【0096】
態様66: Rがメチルである、態様65の化合物。
態様67: Rが−アルキレン−J−Rであり、Jは−O−である、態様1、61、又は62の化合物。
【0097】
態様68: Rが−アルキレン−O−アルキルである、態様67の化合物。
態様69: Rが−(CH1−3−(CH0−1−CHである、態様67の化合物。
【0098】
態様70: Rが−(CH−O−CHである、態様67の化合物。
態様71: Rが−アルキレン−N(R)(R)である、態様1、61、又は62の化合物。
【0099】
態様72: Rが−CHCH−N(R)(R)である、態様71の化合物。
態様73: Rが−CHCH−ピロリジノ、−CHCH−ピペリジノ、−CHCH−モルホリノ、−CHCH−ピペラジノ、−CHCH−(4−メチル−モルホリノ)である、態様71の化合物。
【0100】
態様74: R及びRが共に水素である、態様1及び61〜73のいずれか1つの化合物。
態様75: R及びRのうち一方が−ハロであり、他方が水素である、態様1及び61〜73のいずれか1つの化合物。
【0101】
態様76: R及びRのうち一方がアルキルであり、他方が水素又は−ハロである、態様1及び61〜73のいずれか1つの化合物。
態様77: Rが水素である、態様1及び61〜76のいずれか1つの化合物。
【0102】
態様78: Rがアルキル又はハロアルキルである、態様1及び61〜76のいずれか1つの化合物。
態様79: Rが−ハロである、態様1及び61〜76のいずれか1つの化合物。
【0103】
態様80: Rが−L−D−Gである、態様1及び61〜79のいずれか1つの化合物。
態様81: Gが−フェニルであり、態様1に記載のように置換されていてもよい、態様80の化合物。
【0104】
態様82: L及びDが共に直接結合である、態様81の化合物。
態様83: Lが−O−であり、Dが直接結合である、態様81の化合物。
態様84: Lが直接結合であり、Dが−CH−である、態様81の化合物。
【0105】
態様85: Lが−O−であり、Dが−CH−である、態様81の化合物。
態様86: Lが−O−であり、Dが−CH(CH)−である、態様81の化合物。
【0106】
態様87: Lが直接結合であり、Dが−CHCH−である、態様81の化合物。
態様88: Lが直接結合であり、Dが−CH=CH−である、態様81の化合物。
【0107】
態様89: Gが−フェニルであり、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−OH、−OCF、−OCHCF、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−CH、−CN、−CO−CH、−CO−CHCH、及び−SOCHから成る群より独立して選択される置換基で1回又は2回置換されていてもよい、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
【0108】
態様90: Gが−フェニルであり、ハロ、メチル、−CF、メトキシ、及び−OCFから成る群より選択される置換基で1回置換されており、また、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−OH、−OCF、−OCHCF、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−CH、−CN、−CO−CH、−CO−CHCH、及び−SOCHから成る群より選択される置換基で1回置換されている、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
【0109】
態様91: Gが−フェニルであり、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−OH、−OCF、−OCHCF、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−CH、−CN、−CO−CH、−CO−CHCH、及び−SOCHから成る群より選択される置換基で1回置換されている、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
【0110】
態様92: Gが−フェニルであり、ハロで1回置換されており、また、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−OH、−OCF、−OCHCF、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−CH、−CN、−CO−CH、−CO−CHCH、及び−SOCHから成る群より選択される置換基で1回置換されている、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
【0111】
態様93: Gが−フェニルであり、フルオロ及びクロロから独立して選択される置換基で1回又は2回置換されている、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
態様94: Gが−フェニルであり、メチル、エチル、又はイソプロピルで1回置換されている、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
【0112】
態様95: Gが−フェニルであり、−CFで1回置換されている、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
態様96: Gが−フェニルであり、−OCFで1回置換されている、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
【0113】
態様97: Gが置換されていない−フェニルである、態様81〜88のいずれか1つの化合物。
態様98: −L−D−Gが−シクロアルキル又は−O−シクロアルキルであり、シクロアルキル基は態様1に記載のように置換されていてもよい、態様80の化合物。
【0114】
態様99: −L−D−Gがシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセン−1−イル、シクロペンチルオキシ、又はシクロヘキシルオキシであり、それぞれのシクロアルキル基は、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、−CF、−OCHCF、メトキシ、−OCF、及び−N(CHから成る群より独立して選択される置換基で1回以上置換されていてもよい、態様98の化合物。
【0115】
態様100: −L−D−Gが−ヘテロシクリルであり、ヘテロシクリル基は態様1に記載のように置換されていてもよい、態様80の化合物。
態様101: −L−D−Gがピロリジノ、ピペリジノ、又はピペラジノであり、それぞれのヘテロシクリル基は、ハロ、フェニル、メチル、エチル、イソプロピル、−CF、−OCHCF、メトキシ、−OCF、及び−N(CHから成る群より独立して選択される置換基で1回以上置換されていてもよい、態様100の化合物。
【0116】
態様102: −L−D−Gが−ヘテロアリールであり、ヘテロアリール基は態様1に記載のように置換されていてもよい、態様80の化合物。
態様103: −L−D−Gが2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピラジニル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、1H−ピロール−1−イル、1H−ピロール−2−イル、1H−ピロール−3−イル、1H−ピラゾール−1−イル、1H−ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−5−イル、1H−イミダゾール−1−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、又は1H−イミダゾール−5−イルであり、ここで、それぞれのヘテロアリール基はハロ、フェニル、メチル、エチル、イソプロピル、−CF、−OCHCF、メトキシ、−OCF、及び−N(CHから成る群より独立して選択される置換基で1回以上置換されていてもよい、態様102の化合物。
【0117】
態様104: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基の3位の置換基が、水素、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、−CF、−CHCF、−O−CF、−N(CH、フェニル、及びベンジルから成る群より選択される以外は態様1に記載のように置換されていてもよい、態様1及び62〜103のいずれか1つの化合物。
【0118】
態様105: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基の3位の置換基が、水素、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、−CF、−CHCF、−O−CF、及び−N(CHから成る群より選択される以外は態様1に記載のように置換されていてもよい、態様104の化合物。
【0119】
態様106: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基の3位の置換基が水素である以外は態様1に記載のように置換されていてもよい、態様105の化合物。
【0120】
態様107: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より独立して選択される置換基で1回又は2回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0121】
態様108: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分はフェニル又はベンジルで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0122】
態様109: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は−(CH)OH、−CHCHOH、又は−OCHCHOHで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0123】
態様110: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は−C≡C−C(CH−OH又は−C≡C−CHOHで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0124】
態様111: Gはイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、ピペリジン−4−イル、1−メチル−ピペリジン−4−イル、−O−(ピペリジン−4−イル)、又は−O−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)で1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0125】
態様112: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、ピロリジノ、3−ヒドロキシル−ピペリジノ、3−メトキシ−ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、ピペリジノ、又は4−ヒドロキシピペリジノで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0126】
態様113: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−CH−ピロリジノ、−CH−(3−ヒドロキシル−ピペリジノ)、−CH−(3−メトキシ−ピペリジノ)、−CH−モルホリノ、−CH−ピペラジノ、−CH−(4−メチル−ピペラジノ)、−CH−ピペリジノ、又は−CH−(4−ヒドロキシピペリジノ)で1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0127】
態様114: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−O−CH−ピロリジノ、−O−CH−モルホリノ、−O−CH−ピペラジノ、−O−CH−(4−メチル−ピペラジノ)、又は−O−CH−ピペリジノで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0128】
態様115: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−NH−(CH2−3−O−CH、−O−(CH2−3−O−CH、又は−O−(CH2−3−N(CHで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0129】
態様116: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−CH−NH−(CH2−3−O−CH、−CH−NH−(CH2−3−OH、−CH−O−(CH2−3−O−CH、−CH−NH−(CH2−3−N(CH、−CH−NH−(CH2−3−モルホリノ、−CH−NH−(CH2−3−ピペラジノ、−CH−NH−(CH2−3−(4−メチル−ピペラジノ)、又は−CH−O−(CH2−3−N(CHで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0130】
態様117: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−CH−N(R)(R)で1回置換されており、ここで、Rは水素又はメチルであり、Rはメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−プロピル、イソブチル、フェニル、ベンジル、4−ピリジル、−CH−(4−ピリジル)、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであり、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0131】
態様118: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−CH−N(R)(R)で1回置換されており、ここで、Rは水素であり、Rは2−ヒドロキシル−2−フェニル−エチル又は1−ヒドロキシル−3−フェニル−プロプ−2−イルであり、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0132】
態様119: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、4−ピリジル又は1−メチル−ピラゾール−4−イルで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0133】
態様120: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、
【0134】
【化6】

【0135】
ピペリジン−4−イル、又は1−メチル−ピペリジン−4−イルで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0136】
態様121: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、Rで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0137】
態様122: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、J−アルキレン−J−Rで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0138】
態様123: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−CH−J−アルキレン−J−Rで1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0139】
態様124: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−J−アルキレン−N(R)(R)で1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0140】
態様125: Gがイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、−CO又は−C(O)−N(R)(R)で1回置換されており、また、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル基のピリジン環部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ハロゲン、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−NH−CH、及び−N(CHから成る群より選択される置換基で1回置換されていてもよい、態様104〜106のいずれか1つの化合物。
【0141】
態様126: Rが水素であり、ベンズイミダゾールが以下の互変異性型:
【0142】
【化7】

【0143】
で存在する、態様1〜125のいずれか1つの化合物。
態様127: Rが水素であり、ベンズイミダゾールが以下の互変異性型:
【0144】
【化8】

【0145】
で存在する、態様1〜125のいずれか1つの化合物。
態様128: Rが水素であり、ベンズイミダゾールが以下の互変異性型:
【0146】
【化9】

【0147】
で存在する、態様1〜125のいずれか1つの化合物。
態様129: その遊離の(非塩型)形態で存在する、態様1〜128のいずれか1つの化合物。
【0148】
態様130: 医薬的に許容可能な塩として存在する、態様1〜128のいずれか1つの化合物。
態様131: 塩酸塩として存在する、態様130の化合物。
【0149】
一般的実験の部
以下の手順は、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、及び/又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩の一般的合成方法を説明する。当業者は、本発明の化合物が、本明細書に具体的に記載されたもの以外の方法により、本明細書に記載の方法の適応により、及び/又は当該技術分野において公知の方法の適応により作製できることを理解するであろう。一般に、本発明の化合物は、以下に示すような多工程合成で製造することができる。示される全ての量は、概算であり、単に例証目的で与えられものである。
【0150】
以下の略語は、反応条件、一般的試薬、一般的溶媒、又は分析法を記載する際に使用され得る。
AcOH=酢酸
CDI=カルボニルジイミダゾール
Cy=シクロヘキシル
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCE=1,2−ジクロロエタン
DCM=ジクロロメタン
DIAD=ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMAP=N,N’−ジメチルアミノピリジン
DME=1,2−ジメトキシエタン
DMF=N,N’−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
DPPA=ジフェニルホスホリル アジド
EDCl=EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸
EtOAc=EA=酢酸エチル
EtOH=エタノール
H−NMR=プロトンNMR解析
HBTU=2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
HCl=塩酸
hex=ヘキサン
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
LCMS=液体クロマトグラフィ−質量分析
L−DOPA=L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン
MTBE=メチル tert−ブチルエーテル
MeOH=メタノール
NEt=トリエチルアミン
NMM=N−メチル−モルホリン
PPh=トリフェニルホスフィン
Ph=フェニル
TEA=トリエチルアミン
TBAF=テトラブチルアンモニウム フルオリド
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィ
rt=r.t.=RT=室温
h=時間
min=分
M=モル濃度
N=規定濃度
μL=μl=マイクロリットル
eq.=eq=equiv=モル当量
mL=ml=ミリリットル
μg=マイクログラム
mg=ミリグラム
g=グラム
wt=wt.=重量
置換2−アミノベンズイミダゾールの合成
一般的手順1 4−ブロモ−2−ニトロアニリン(1ミリモル)、ボロン酸(1.5ミリモル)、及びNaCO(3ミリモル)の混合物に、トルエン(10mL)及び水(5mL)を加える。得られる混合物を窒素で10分間パージする。次に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05ミリモル)を加え、反応混合物を窒素下で4時間還流させながら加熱する。次に反応混合物を室温まで冷却し、セライトでろ過し、そして酢酸エチルで洗浄する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてシリカゲル固定相及び溶離液としてヘキサン中の酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィで濃縮及び精製する。精製溶液は、4−置換−2−ニトロアニリン化合物を含有する。
【0151】
4−置換−2−ニトロアニリン化合物(1ミリモル)を酢酸エチル/メタノール混合物(約1:1)を用いた溶液にとる。この溶液にPd−Cを加え、得られる混合物を水素雰囲気下で約6時間攪拌する。次に、溶液をセライトでろ過し、メタノールで洗浄し、そしてジアミンに特徴的な暗褐色が見えるまで濃縮する。ジアミン化合物をメタノール中にとり、CNBr(1ミリモル)を加える。得られる混合物を室温にて約30分間攪拌する。次に溶液を乾燥するまで濃縮し、トルエンで約3回共蒸発させることにより残留メタノールを除去し、乾燥させ、置換2−アミノベンズイミダゾール誘導体を臭化水素酸塩として得る。以下の反応スキームは、このテキスト記述を伴って例証を与える。
【0152】
【化10】

【0153】
一般的手順2 4−ブロモ−ベンゼン−1,2−ジアミン(1ミリモル)、ボロン酸(1.5ミリモル)、及びNaCO(3ミリモル)の混合物に、トルエン(10mL)及び水(5mL)を加える。得られる混合物を窒素で10分間パージする。次にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05ミリモル)を加え、混合物を窒素下で4時間還流させながら加熱する。次に反応混合物を室温まで冷却し、セライトでろ過し、そして酢酸エチルで洗浄する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてシリカゲル固定相及び溶離液としてヘキサン中の酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィで濃縮及び精製する。精製溶液は、4−置換−1,2−ジアミノフェニル化合物を含有する。ジアミン化合物をメタノール中にとり、CNBr(1ミリモル)を加える。得られる混合物を室温で約30分間攪拌する。次に溶液を乾燥するまで濃縮し、トルエンで約3回共蒸発させることにより残留メタノールを除去し、乾燥させ、置換2−アミノベンズイミダゾール誘導体を臭化水素酸塩として得る。以下の反応スキームは、このテキスト記述を伴って例証を与える。
【0154】
【化11】

【0155】
一般的手順3 5−フルオロ−2−ニトロ−フェニルアミン(1ミリモル)、アルコール(2ミリモル)、及びカリウム tert−ブトキシド(3ミリモル)のTHF(20mL)中の混合物を約60℃で一晩加熱する。混合物を室温まで冷却後、水を加え、そして混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、そして濃縮する。粗材料をシリカゲルカラムで精製し、5−アルキルオキシ−2−ニトロ−フェニルアミンを生じさせる。5−アルキルオキシ−2−ニトロ−フェニルアミン(1.0ミリモル)を、丸底フラスコ内の酢酸エチル/メタノール混合物(約1:1、10mL)に溶解させる。この溶液にPd−Cを加え、反応を薄層クロマトグラフィ(TLC)でモニターしながら混合物を水素雰囲気下で攪拌する。TLCが反応の実質的な完了を示した後、溶液をセライトでろ過し、そしてメタノールで洗浄し、濃縮して、4−アルキルオキシ−ベンゼン−1,2−ジアミンを得る。4−アルキルオキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン(1ミリモル)をエタノールに溶解し、CNBr(1.5ミリモル)を加える。得られる暗褐色溶液を60℃で30分間加熱する。その後、混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させる。次に混合物をトルエンで約2回共蒸発させ、5−アルキルオキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミンを臭化水素酸塩として得る。以下の反応スキームは、このテキスト記述を伴って例証を与える。
【0156】
【化12】

【0157】
一般的手順4 5−フルオロ−2−ニトロ−フェニルアミン(1ミリモル)、アミン(2ミリモル)のTHF(20mL)中の混合物を約60℃で一晩加熱する。混合物を室温まで冷却後、反応混合物を濃縮する。粗材料をシリカゲルカラムで精製し、5−アミノ−2−ニトロ−フェニルアミンを生じさせる。5−アミノ−2−ニトロ−フェニルアミン(1.0ミリモル)を丸底フラスコ内の酢酸エチル/メタノール混合物(約1:1、10mL)に溶解させる。この溶液にPd−Cを加え、反応を薄層クロマトグラフィ(TLC)でモニターしながら混合物を水素雰囲気下で攪拌する。TLCが反応の完了を示した後、溶液をセライトでろ過し、そしてメタノールで洗浄し、濃縮し、4−アミノ−ベンゼン−1,2−ジアミンを得る。4−アミノ−ベンゼン−1,2−ジアミン(1ミリモル)をエタノールに溶解し、CNBr(1.5ミリモル)を加える。得られる暗褐色溶液を60℃で30分間加熱する。その後、混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させる。次に、混合物をトルエンで約2回共蒸発させ、5−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミンを臭化水素酸塩として得る。以下の反応スキームは、このテキスト記述を伴って例証を与える。
【0158】
【化13】

【0159】
置換2−アミノベンズイミダゾール アミドの合成
一般的手順5 カルボン酸(1ミリモル)、HBTU(1ミリモル)、及びDIEA(3ミリモル)のDMF(3mL)中の混合物を80℃で10分間加熱する。この反応混合物に、置換2−アミノベンズイミダゾール臭化水素酸塩(1ミリモル)を加え、混合物を80℃で30分間加熱し続ける。反応混合物を室温まで冷却後、重炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を30分間攪拌する。次に混合物をろ過し、水で洗浄し、シリカゲルカラムで精製し、置換2−アミノベンズイミダゾールアミドを生じさせる。以下の反応スキームは、このテキスト記述を伴って例証を与える。
【0160】
【化14】

【0161】
置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エステルの合成
一般的手順6 2−アミノ−ピリジン(10ミリモル)のエタノール(50mL)溶液にブロモピルビン酸エチル(12.0ミリモル)を加え、2時間還流させる。反応混合物を室温まで冷却し、揮発性物質をrotavaporで蒸発させる。次に重炭酸ナトリウム水溶液中で1時間攪拌する。次に得られる混合物をろ過し、生成物を水で洗浄し、乾燥させ、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを得る。
【0162】
【化15】

【0163】
置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸の合成
一般的手順7: 酸加水分解 イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(50ミリモル)を濃塩酸(50mL)及びジオキサン(50mL)に加え、一晩還流させる。得られる溶液を真空下で濃縮し、アセトンで洗浄し、乾燥させ、生成物イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸を得る。
【0164】
一般的手順8: 塩基性加水分解 イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1ミリモル)のメタノール/THF/水(v/v/v=2/2/1mL)中の溶液にNaOH(3ミリモル)を加え、混合物を室温で1時間攪拌する。次に反応混合物をクエン酸(1ミリモル)で中和し、rotavaporで濃縮する。得られる残渣をDCM/メタノール(1:1)中で攪拌し、次にセライトパッドでろ過し、そしてDCM/メタノール(1:1)で洗浄する。併せたろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製して生成物を得る。
【0165】
【化16】

【0166】
一般的手順9 アルコール(4.0ミリモル)の無水THF(5mL)中の攪拌溶液に、水素化ナトリウム(ミネラルオイル中の60%分散液、6.0ミリモル)を加え、次にハロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(3.0ミリモル)を加え、反応混合物を50℃まで1時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、水で注意深く急冷し、酢酸エチル中に抽出する。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。得られる粗中間体を一般的手順8を用いて加水分解し、アルコキシ−置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸を得る。
【0167】
【化17】

【0168】
アミノ置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸アミドの合成
一般的手順10 無水1−メチル−2−ピロリジノン中のハロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸アミド(0.1ミリモル)及びアミン(0.5ミリモル)を、窒素下にて90℃で8〜10時間加熱する。次に反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、次に混合物を酢酸エチル中に抽出する。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてDCM中の10%メタノールを用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで濃縮及び精製し、5−アミノ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸アミドを得る。
【0169】
【化18】

【0170】
アミノ置換イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エステルの合成
一般的手順11 ブロモ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(5.0ミリモル)、アミン(5.0ミリモル)、パラジウム(0)ビス(ジベンジリデンアセトン)(2.5ミリモル)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(2.5ミリモル)、及び炭酸セシウム(10ミリモル)の無水1−メチル−2−ピロリジノン(20mL)中の混合物を、窒素下にて100℃で8〜10時間加熱する。次に反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、得られる混合物を酢酸エチル中に抽出する。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、DCM中の10%MeOHを用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで濃縮及び精製し、アミノ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを得る。
【0171】
【化19】

【0172】
ハロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エステルの薗頭反応
一般的手順12 THF(10mL)及びトルエン(10mL)中のブロモ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(5.0ミリモル)に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)二塩化物(1.0ミリモル)、ヨウ化胴(I)(1.0ミリモル)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(10ミリモル)、及びアルキン(10ミリモル)を加える。得られる混合物を90℃で8〜10時間攪拌する。得られる混合物を真空下で濃縮し、DCM中の10%MeOHを用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、アルキニル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを生じさせる。
【0173】
【化20】

【0174】
フェノール化合物の光延反応
一般的手順13 アルコール(5ミリモル)の無水THF(10mL)溶液に、PhP(7.5ミリモル)及びDIAD(7.5ミリモル)を0℃にて加える。反応混合物を約20分間攪拌後、フェノールを一度に加える。LCMSが反応の実質的な完了を示すまで暗色混合物を室温で攪拌する。次に反応混合物をrotavaporで濃縮し、シリカゲルカラムで精製し、エーテルを得る。
【0175】
【化21】

【0176】
アルコールの脱保護
一般的手順14 テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ誘導体(0.1ミリモル)のメタノール(3mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(40mg)を加える。次にLCMSが反応の実質的な完了を示すまで反応混合物を攪拌する。得られる混合物を蒸発させ、実質的に全ての揮発性物質を除去する。次に混合物をDCM中の2Mアンモニア/メタノールを溶離液として用いるシリカゲルカラムで精製し、アルコールを得る。
【0177】
【化22】

【0178】
シリルオキシメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸の調製
一般的手順15 ピリジン−2−カルボン酸(5ミリモル)のメタノール(20mL)溶液に、SOCl(0.6mL)を加える。次に得られる混合物を一晩還流させる。次に反応混合物を室温まで冷却し、rotavaporで濃縮する。得られる残渣に酢酸エチル(50mL)及び飽和炭酸ナトリウム水溶液(50mL)を加える。次に有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、そしてシリカゲルカラムで精製し、メチルエステルを得る。
【0179】
無水THF(20ml)中のエステル(5ミリモル)に、THF(12ミリモル)中の2M LiAlH溶液を−78℃にて加える。反応混合物を室温までゆっくり温め、同一温度にて3時間攪拌する。次に反応混合物を氷浴中で冷却し、飽和硫酸ナトリウム水溶液の添加により急冷する。次にこの反応混合物を室温で15分間攪拌し、有機相をデカントし、残渣を酢酸エチル(50mL)でリンスする。併せた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過及び濃縮し、生成物を得る。これを精製することなく次の工程に用いる。
【0180】
2−アミノ−ピリジン(5ミリモル)のエタノール(20mL)溶液に、ブロモピルビン酸エチル(6.0モル)を加え、反応混合物を2時間還流させる。次に反応混合物を室温まで冷却し、揮発性物質をrotavaporで蒸発させる。得られる生成物を酢酸エチルを溶離液として用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、生成物を得る。
【0181】
ヒドロキシメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(2ミリモル)及びイミダゾール(0.5g)のDMF(5mL)溶液に、クロロ−トリイソプロピル−シラン(3mL)を室温にてゆっくり加える。次に反応混合物を70℃で2時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却後、飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)中に抽出する。有機相ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、rotavaporで濃縮する。得られる残渣をシリカゲルカラムで精製し、シリルオキシメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを得る。
【0182】
イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(2ミリモル)のメタノール/THF/水(v/v/v=2/2/1)溶液に、LiOH一水和物(3ミリモル)を加える。次に反応混合物を室温で1時間攪拌し、次に酢酸(0.4mL)の添加により急冷する。揮発性物質を全てrotavaporで除去する。得られる残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、酸を得る。
【0183】
【化23】

【0184】
アミノメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸アミドの合成
一般的手順16 THF中のシリル誘導体(1ミリモル)に、THF(2mL)中の1M TBAFを加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。LCMSが反応の実質的な完了を示した後、全ての揮発性物質をrotavaporで蒸発させる。得られる残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、アルコールを得る。
【0185】
アルコール(0.5ミリモル)をDCM(3mL)中のトリエチルアミン(0.4mL)と混合し、得られる混合物を氷浴中で冷却する。塩化メタンスルホニル(0.2mL)をゆっくり加える。反応混合物を室温までゆっくり温め、同一温度で1時間攪拌する。LCMSが反応の実質的な完了を示した後、アルキルアミン(10ミリモル)を加え、LCMSが反応の実質的な完了を示すまで混合物を室温で攪拌する。次に揮発性物質をrotavaporで蒸発させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、生成物を得る。
【0186】
【化24】

【0187】
式(I)の化合物の作製方法を更に説明するために、以下の合成例を提供する。これらの実施例は例証のみとして提供するものである。手順は当業者の知識にしたがい改変することができる。本発明の他の化合物は、以下の実施例に関して示されるものと類似の様式で合成することができるが、そのような化合物は当業者の知識にしたがい他の方法で同様に合成することができる。
【実施例1】
【0188】
5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
工程1: 4−ブロモ−ベンゼン−1,2−ジアミン(0.5g)、DME(10mL)中の3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(1.01g)、及び2.0N NaCO(3.3mL)を窒素で15分間脱気した。次にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.15g)を加え、混合物を窒素下にて90℃で一晩加熱した。次に混合物を室温まで冷却し、有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、(NaSO)で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3,4−ジアミンを得た。これを更に精製することなく次の工程に用いた。
【0189】
工程2: エタノール(10mL)中の粗3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3,4−ジアミン、CNBr(0.43g)、及びHO(2.0mL)を30分間還流させた。次に混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。得られた固体を酢酸エチル、エーテルで洗浄し、そして乾燥させ、5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(0.45g)を得た。LCMS(m/z):278.7.
工程3: 5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(0.095g)、5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(0.042g)、及びHBTU(0.1g)のDMF中の攪拌溶液に、DIEA(0.051g)を加えた。反応混合物を90℃まで2.0時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、そして飽和NaHCO溶液を加え、得られた固体をろ過し、乾燥させた。固体をDCMに溶解し、DCM中の1.5%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、表題化合物を得た(20mg)。LCMS(m/z):436.7.H−NMR(400MHz,CDOD):δ2.91(3H,s),7.42(1H,d),7.09(2H,t),7.80(2H,d),7.83(2H,d),7.94−7.97(3H,m),7.98−8.02(1H,m),9.11(1H,s)ppm.
【実施例2】
【0190】
5−(ピペリジン−4−イルオキシ)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド三塩酸
工程1: エタノール(100mL)中の2−アミノ−6−クロロピリジン(12.9g)にブロモピルビン酸エチル(39.6mL)を加え、還流下で3時間攪拌した。反応混合物は褐色になった。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加え、生成物を沈殿させ、これをろ過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥させ、5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(17.2g)を得た。LCMS(m/z):225.2.
工程2: 無水THF(5mL)中の4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(804mg)の攪拌溶液に、水素化ナトリウム(ミネラルオイル中の60%分散液、240mg)を加え、次に5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(674mg)を加え、反応混合物を50℃まで1時間加熱した。得られた混合物を室温まで冷却し、氷で注意深く急冷し、酢酸エチル及び水に分配した。有機相を蒸発させ、得られた粗中間体を、1:1メタノール/水(10mL)中の水酸化リチウム(1.3g)で、100℃まで0.5時間加熱することにより加水分解した。得られた混合物を酢酸エチル及び水に分配し、有機相を蒸発させ、固体を得た。これをDMF(5mL)に溶解し、5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(878mg)、HBTU(760mg)、及びDIEA(0.70mL)を加えた。得られた混合物を90℃まで1時間加熱し、そして室温まで冷却した。水を加え、得られた固体をろ過し、乾燥させ、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、4−{2−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルカルバモイル]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(782mg)を得た。LCMS(m/z):621.8.
工程3: DCM(2mL)中の4−{2−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルカルバモイル]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(780mg)の攪拌溶液に、ジオキサン(2mL)中の4N HClを加えた。混合物を室温で1時間し、濃縮し、ヘキサンで粉末にし、表題化合物を得た(564mg)。LCMS(m/z):521.9.H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.61−1.97(4H,m),2.88−3.63(4H,m),3.93(1H,m),7.12(1H,d),7.70−8.05(10H,m),8.70(1H,s)ppm.
【実施例3】
【0191】
5−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
5−(ピペリジン−4−イルオキシ)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド三塩酸(315mg)のジクロロメタン(5mL)の溶液に、ホルムアルデヒド水溶液(37%、0.25mL)及び1適の酢酸を加えた。次にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(530mg)を加えた。次に混合物を室温で0.5時間攪拌し、そして濃縮した。次に水/EtOAcで希釈し、NaHCO粉末で中和した。溶媒を真空で除去し、残渣をDCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、表題化合物を得た(208mg)。LCMS(m/z):535.9.H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.60−1.98(4H,m),2.79(3H,s),2.86−3.63(4H,m),3.93(1H,m),7.12(1H,d),7.72−8.04(10H,m),8.70(1H,s)ppm.
【実施例4】
【0192】
5−メトキシ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
無水THF(5mL)中の5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(674mg)の攪拌溶液に、ナトリウムメトキシド(324mg)を加え、反応混合物を50℃まで1時間加熱した。得られた混合物を室温まで冷却し、氷で急冷し、酢酸エチル及び水に分配した。有機相を蒸発させ、得られた粗中間体を、1:1メタノール/水(10mL)中の水酸化リチウム(1.3g)で、100℃まで0.5時間加熱することにより加水分解した。得られた混合物を酢酸エチル及び水に分配し、有機相を蒸発させ、固体を得た。これをDMF(5mL)に溶解し、これに5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(878mg)、HBTU(760mg)、及びDIEA(0.70mL)を加えた。得られた混合物を90℃まで1時間加熱し、次に室温まで冷却した。水を加え、得られた固体をろ過し、乾燥させ、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、表題化合物を得た(311mg)。LCMS(m/z):452.9.H−NMR(400MHz,CDOD):δ3.58(3H,s),7.43(1H,d),7.68−8.05(9H,m),9.17(1H,s)ppm.
【実施例5】
【0193】
6−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
工程1: エタノール(100mL)中の6−アミノ−3−ブロモ−2−メチルピリジン(18.7g)にブロモピルビン酸エチル(39.6mL)を加え、還流下で3時間攪拌した。反応混合物は褐色になった。室温まで冷却し、酢酸エチルを加えて生成物を沈殿させた。これをろ過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥させ、6−ブロモ−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(22.9g)を得た。LCMS(m/z):283.6.H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.42(3H,t),2.90(3H,s),4.47(2H,q),7.70(1H,d),8.09(1H,d),8.95(1H,s)ppm.
工程2: 無水1−メチル−2−ピロリジノン(20mL)中の6−ブロモ−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.42g)に、(R)−(+)−3−ピロリジノール(435mg)、パラジウム(0)ビス(ジベンジリデンアセトン)(1.44g)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(1.45g)、及び炭酸セシウム(3.26g)を加え、混合物を窒素下にて100℃で8〜10時間加熱した。次に混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル及び水に分配し、有機相を蒸発させ、得られた混合物をDCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、6−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを得た。これを1:1のメタノール及び水(5mL)に懸濁させ、水酸化ナトリウム(160mg)を加えた。反応混合物を100まで1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、希塩酸水溶液でpH約6〜7まで中和した。溶媒を蒸発させ、得られた固体をTHFに溶解し、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、6−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(60mg)を得た。LCMS(m/z):262.3.
工程3: 5−(3−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(85mg)、6−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(52mg)、及びHBTU(83mg)のDMF(1mL)中の攪拌溶液に、DIEA(51mg)を加えた。反応混合物を90℃まで1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、水を加え、得られた固体をろ過し、乾燥させ、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、表題化合物を得た(62mg)。LCMS(m/z):505.8.H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.59−1.82(2H,m),2.65−2.95(8H,m),6.91(1H,d),7.29(1H,d),7.39(1H,t),7.48−7.62(5H,m),7.81(1H,s),8.60(1H,s)ppm.
【実施例6】
【0194】
6−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチ−1−イニル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
工程1: THF(10mL)中の6−ブロモ−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.42g)及びトルエン(10mL)に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)二塩化物(702mg)、ヨウ化胴(I)(190mg)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.50mL)、及び2−メチル−3−ブチニ−2−オール(0.97mL)を加え、90℃で8〜10時間攪拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、6−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチ−1−イニル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(802mg)を得た。LCMS(m/z):287.4.
工程2: 1:1のメタノール及び水(10mL)中の6−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチ−1−イニル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(593mg)攪拌懸濁液に、水酸化ナトリウム(800mg)を加えた。反応混合物を100℃まで1時間加熱した。次に室温まで冷却し、希塩酸水溶液でpH約6〜7まで中和した。溶媒を蒸発させ、得られた固体をTHFに溶解し、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、6−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチ−1−イニル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(315mg)を得た。LCMS(m/z):259.3.
工程3: 5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(95mg)、6−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチ−1−イニル)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(57mg)、及びHBTU(91mg)のDMF(1mL)中の攪拌溶液に、DIEA(51mg)を加えた。反応混合物を90℃まで1時間加熱した。次に室温まで冷却し、水を加え、得られた固体をろ過し、乾燥させ、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、表題化合物を得た(42mg)。LCMS(m/z):518.9.H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.39(6H,s),2.81(3H,s),7.22(1H,d),7.75−8.03(9H,m),8.68(1H,s)ppm.
【実施例7】
【0195】
6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
工程1: 外部氷冷で0〜5℃の温度に維持しながら、3−ヒドロキシ−2−メチルピリジン(20g)を濃硫酸(140mL)に徐々に加えた;次に硝酸(14g)と濃硫酸(33g)との混合物を2時間にわたって加えた。得られた混合物を氷上に注いだ。2,3mLの水酸化アンモニウムを添加することにより、3−ヒドロキシ−6−ニトロ−2−メチルピリジンを固体として沈殿させた(2.26g)。これをろ過し、水で洗浄し、乾燥させ、更に精製することなく次の工程に直接用いた。LCMS(m/z):155.1.(非特許文献1を参照されたい)
工程2: 無水THF(10mL)中のトリフェニルホスフィン(5.2g)に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(3.94mL)及び2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エタノール(2.71mL)を加えた。次に粗3−ヒドロキシ−6−ニトロ−2−メチルピリジン(616mg)を加え、混合物を70℃で5時間加熱した。次に室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。次に得られた混合物を、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、2−メチル−6−ニトロ−3−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジンを得、これを1:1のメタノール及び酢酸エチル中の10%パラジウム炭素触媒水素化(バルーン中の水素)で還元し、6−メチル−5−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジン−2−イルアミンを得た。これをエタノール中のブロモピルビン酸エチル(2.64mL)と還流下で3時間更に反応させ、5−メチル−6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ精製後に得た(140mg)。LCMS(m/z):349.9.
工程3: 1:1のメタノール及び水(10mL)中の5−メチル−6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(139mg)の攪拌懸濁液に、水酸化ナトリウム(160mg)を加えた。反応混合物を100℃まで1時間加熱した。次に室温まで冷却し、希塩酸水溶液でpH約6〜7まで中和した。溶媒を蒸発させ、得られた固体をTHFに溶解し、DCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、5−メチル−6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(72mg)を得た。LCMS(m/z):321.8.
工程4: 5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(95mg)、5−メチル−6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(70mg)、及びHBTU(91mg)のDMF(1mL)中の攪拌溶液に、DIEA(51mg)を加えた。反応混合物を90℃まで1時間加熱した。次に室温まで冷却し、水を加え、得られた固体をろ過し、乾燥させ、5−メチル−6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミドを得た。粗固体をメタノール(5mL)に溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物(418mg)を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。次にDCM中の10%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで濃縮及び精製し、表題化合物を得た(45mg)。LCMS(m/z):496.9.H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.77(3H,s),3.52(1H,m),3.85(2H,m),4.40(2H,t),7.14(1H,d),7.40(1H,d),7.63−7.88(6H,m),8.05(1H,s),8.17(1H,d),8.90(1H,s)ppm.
【実施例8】
【0196】
5−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
工程1: エタノール(100mL)中の2−アミノ−6−クロロピリジン(12.9g)にブロモピルビン酸エチル(39.6mL)を加え、還流下で3時間攪拌した。反応混合物は褐色になった。室温まで冷却し、酢酸エチルを加えて生成物を沈殿させた。これをろ過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥させ、5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを白色固体として得た(17.2g)。LCMS(m/z):225.2.
工程2: 濃塩酸(50mL)及びジオキサン(50mL)中の5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(11.2g)を還流下にて一晩攪拌した。得られた溶液を真空下で濃縮し、アセトンで洗浄し、乾燥させ、5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸の固体を得た(6.7g)。LCMS(m/z):197.2.
工程3: 5−(3−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(4.2g)、5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(2.0g)、及びHBTU(3.8g)のDMF(10mL)中の攪拌溶液に、DIEA(3.5mL)を加えた。反応混合物を90℃まで1時間加熱した。次に室温まで冷却し、水を加え、得られた固体をろ過し、水中の20%メタノールで洗浄し、乾燥させ、5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド(3.5g)を得た。LCMS(m/z):440.7.
工程4: 無水1−メチル−2−ピロリジノン(1mL)中の5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド(44mg)に、(R)−(+)−3−ピロリジノール(44mg)を加え、混合物を窒素下にて90℃で8〜10時間加熱した。次に室温まで冷却し、酢酸エチル及び水に分配し、有機相を蒸発させ、得られた混合物をDCM中の10%メタノールを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、表題化合物を得た(25mg)。LCMS(m/z):491.8.H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ1.95−2.12(2H,m),3.43−3.62(5H,m),7.05(1H,d),7.30(1H,d),7.48−7.92(8H,m),8.55(1H,s)ppm.
【実施例9】
【0197】
6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−クロロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
6−アミノ−ピリジン−3−オール(0.6g)のエタノール(20mL)溶液に、3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル(2mL)を加え、混合物を4時間還流させた。室温まで冷却後、溶媒をrotavaporで除去し、DCM、次にDCM中の5%メタノールを溶離液として用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、6−ヒドロキシ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを得た(0.6g)。LCMS(m/z):207.2.H−NMR(400MHz,DMSO−d),δ1.30(3H,t),4.29(2H,q),7.07(1H,d),7.48(1H,d),8.02(1H,s),8.44(1H,s),9.80(1H,bs).
2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エタノール(0.88g)の無水THF(10mL)溶液に、PhP(2.35g)及びDIAD(1.5mL)を0℃にて加えた。20分間攪拌後、6−ヒドロキシ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(0.6g)を一度に加えた。LCMSが反応の実質的な完了を示すまで(一晩)、暗色混合物を室温で攪拌した。反応混合物をrotavaporで濃縮し、シリカゲルカラムで精製し、6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを得た(0.3g)。LCMS(m/z):335.
メタノール/THF/水(v/v/v=2/2/2mL)中の6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(0.3g)の溶液に、NaOH(6ミリモル)を加え、室温で1時間攪拌した。反応マスをクエン酸(2ミリモル)で中和し、rotavaporで濃縮した。得られた残渣をDCM/メタノール(1:1、30mL)中で攪拌し、セライトパッドでろ過し、DCM/メタノール(1:1)で洗浄した。併せたろ液を濃縮し、残渣を、DCM/メタノール(v/v 5:1〜1:1)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸を得た(0.2g)。LCMS(m/z):307.7.
6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(40mg)のDMF(1mL)溶液に、HBTU(60mg)及びDIEA(0.1mL)を加えた。混合物を10分間室温で攪拌し、次に5−(3−クロロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン(20mg)を加えた。混合物を80℃で30分間攪拌し、室温まで冷却後、混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液(10ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、DCM/メタノール(v/v 100:1〜100:5)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、アミドを得た(18mg)。LCMS:532.9.
6−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−クロロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド(18mg)のメタノール(3mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(40mg)を加え、LCMSが反応の実質的な完了を示すまで混合物を攪拌した。実質的に全ての揮発性物質を蒸発させ、生成物を、DCM中の2Mアンモニア/メタノールを溶離液として用いたシリカゲルカラムで精製した(10mg)。LCMS(m/z):448.9.
【実施例10】
【0198】
5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
6−メチル−ピリジン−2−カルボン酸(5g)のメタノール(150mL)溶液に、SOCl(4mL)を加え、得られた混合物を一晩還流させた。次に反応混合物を室温まで冷却し、rotavaporで濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル(250mL)及び飽和炭酸ナトリウム水溶液(250mL)を加えた。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、酢酸エチルを溶離液として用いたシリカゲルカラムで精製し、所望のメチルエステルを得た(4.4g)。
【0199】
無水THF(100ml)中の6−メチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(4.4g)の上記溶液に、THF(30mL)中の2M LiAlH溶液を−78℃にて加えた。反応混合物を室温までゆっくり温め、同一温度で3時間攪拌した。反応混合物を氷浴中で冷却し、飽和硫酸ナトリウム水溶液(10mL)の添加により急冷した。これを室温で15分間攪拌し、有機相をデカントし、残渣を酢酸エチル(50mL)でリンスした。併せた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、所望の生成物を得た。これを精製することなく次の工程に用いた。LCMS(m/z):125.1.
(6−メチル−ピリジン−2−イル)−メタノール(上記反応由来)のエタノール(100mL)溶液に、3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル(6.6mL)を加え、4時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却した。次に揮発性物質をrotavaporで蒸発させ、酢酸エチルを溶離液として用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、所望の生成物を得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d),δ1.33(3H,t),4.39(2H,q),4.81(2H,d),5.75(1H,bt),7.02(1H,d),7.38(1H,dd),7.60(1H,d),8.45(1H,s).
DMF(5mL)中の5−ヒドロキシメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(0.55g)及びイミダゾール(0.5g)の溶液に、クロロ−トリイソプロピル−シラン(3mL)を室温でゆっくり加えた。反応混合物を70℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(150mL)中に抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、rotavaporで濃縮した。こうして得られた残渣をDCM/酢酸エチル(v/v=1:1)を溶離液として用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、シリル誘導体を得た。
【0200】
5−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(0.6g)のメタノール/THF/水(v/v/v=2/2/1)中の溶液に、LiOH一水和物(0.12g)を加え、混合物を室温で1時間攪拌し、次に酢酸(0.4mL)の添加により急冷した。溶媒をrotavapor下で除去した。残渣をDCM/メタノール(v/v 10:1〜5:1)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、所望の酸を得た。LCMS(m/z):350.H−NMR(400MHz,DMSO−d),δ1.03(18H,d),1.25(3H,m),5.07(2H,s),7.03(1H,d),7.37(1H,dd),7.57(1H,d),8.35(1H,s).
DMF(2.4mL)中の5−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(330mg)の溶液に、HBTU(400mg)及びDIEA(0.2mL)を加えた。混合物を10分間攪拌し、次に5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン(220mg)を加えた。得られた混合物を80℃で30分間加熱し、次に室温まで冷却した。生成物を酢酸エチル(50mL)で抽出し、飽和炭酸ナトリウム溶液(20mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、DCM/メタノール(v/v=100:1〜100:5)を溶離液として用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製した。LCMS(m/z):609.1.
THF中のシリル誘導体にTHF(2mL)中の1M TBAFを加え、室温で一晩攪拌した。LCMSが反応の完了を示した後、揮発性物質をrotavaporで蒸発させた。こうして得られた残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチル、次にDCM/メタノール中の2Mアンモニア(v/v=100:1〜100:12)で溶離させて精製し、所望のアルコールを得た(0.3g)。LCMS(m/z):453.
DCM(3mL)中の上記アルコール(200mg)及びトリエチルアミン(0.4mL)の溶液を氷浴中で冷却し、塩化メタンスルホニル(0.2mL)をゆっくり加えた。反応混合物を室温までゆっくり温め、同一温度で1時間攪拌した。LCMSが反応の完了を示した後、1−メチル−ピペラジン(0.5mL)を加え、LCMSが反応の実質的な完了を示すまで室温で攪拌した。揮発性物質をrotavaporで蒸発させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、所望の生成物を得た。LCMS(m/z):535.1.
【実施例11】
【0201】
5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸[1−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−アミド
工程1: 4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(1.0g)、DME(20mL)中の3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(1.28g)、及び2.0N NaCO(5.6mL)を窒素で10分間脱気し、次にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.26g)を加え、90℃で3.0時間加熱した。次に室温まで冷却し、有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、(NaSO)で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。生成物をヘキサン中の3%酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィで精製し、3−フルオロ−4−ニトロ−3’−トリフルオロメチル−ビフェニル(0.8g)を得た。
【0202】
工程2: 3−フルオロ−4−ニトロ−3’−トリフルオロメチル−ビフェニル(0.5)をTHF中の2.0Mメチルアミンに溶解した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、生成物をヘキサン中の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィで精製し、メチル−(4−ニトロ−3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−イル)−アミン(0.3g)を得た。
【0203】
工程3: メチル−(4−ニトロ−3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−イル)−アミン(0.25g)をMeOH(10mL)に溶解し、30mgのPd−C(10重量%)を加え、バルーンを用いて水素雰囲気下で3時間攪拌した。次にセライトパッドでろ過し、減圧下で濃縮し、N−メチル−3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3,4−ジアミンを得た。これを更に精製することなく次の工程に用いた。
【0204】
工程4: エタノール(10mL)中の、上記粗N−メチル−3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3,4−ジアミン、CNBr(0.135g)、及びHO(2.0mL)を30分間還流させた。次に室温まで冷却し、溶媒を蒸発させ、得られた固体をエーテルで洗浄し、乾燥させ、1−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩を得た(0.2g)。LCMS(m/z):292.6.
工程5: 1−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミン二臭化水素酸塩(0.125g)、5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(0.076g)、及びHBTU(0.16g)のDMF中の攪拌溶液に、DIEA(0.167g)を加えた。反応混合物を90℃まで2.0時間加熱した。次に室温まで冷却し、飽和NaHCO溶液を加え、得られた固体をろ過し、乾燥させた。固体をDCMに溶解し、DCM中の0.5%MeOHを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、表題化合物を得た(45mg)。LCMS(m/z):450.7.
化合物例
表1は、合成した式(I)の化合物又は医薬的に許容可能なその塩の例を示す。同定されたそれぞれの化合物は、本発明の別個の態様を構成するものであり、それらの態様には、その遊離の(非塩型)形態の化合物、その遊離の(非塩型)形態の化合物の互変異性体、及び上記いずれかの医薬的に許容可能な塩が含まれる。他の態様では、列挙されたそれぞれの化合物はその遊離の(非塩型)形態であり、それぞれの化合物の互変異性体を含めて本発明の別個の態様を構成する。他の態様では、列挙されたそれぞれの化合物の医薬的に許容可能な塩は、それぞれの化合物の互変異性体の医薬的に許容可能な塩を含めて本発明の別個の態様を構成する。他の態様では、列挙されたそれぞれの化合物の塩酸塩は、当該化合物の互変異性体の塩酸塩を含めて本発明の別個の態様を構成する。表1はそれぞれの化合物に関するLCMSデータを示す。記録されたm/zデータは約1amuまで正確である。いくつかの例について、プロトンNMRスペクトルも記録したが、そのようなデータは示していない。表1は一般構造を示し、それぞれの化合物をその置換基のアイデンティティーにより同定している。
【0205】
LCMS(m/z)データは、Mux−UV2488マルチチャネルUV−Vi検出器(215nM及び254nMにて記録)、及びSepax GP−C18、4.6×50mm;5μ粒子サイズのカラムを用いるLeap Technologies HTS PAL自動サンプラーを装備した、4つのWaters(登録商標)1525 2元HPLCポンプを作動させる、並列MUXTMシステム上での濃度勾配溶出により得る。3分間の濃度勾配は、25%のB(97.5%アセトニトリル、2.5%水、0.05%TFA)及び75%のA(97.5%水、2.5%アセトニトリル、0.05%TFA)から、100%のBまで行う。システムは、エレクトロスプレーイオン化を用いるWaters Micromass ZQ質量分析計に接続している。MassLynxソフトウェアを使用する。
【0206】
【表1−1】

【0207】
【表1−2】

【0208】
【表1−3】

【0209】
【表1−4】

【0210】
【表1−5】

【0211】
【表1−6】

【0212】
【表1−7】

【0213】
【表1−8】

【0214】
【表1−9】

【0215】
【表1−10】

【0216】
【表1−11】

【0217】
【表1−12】

【0218】
【表1−13】

【0219】
【表1−14】

【0220】
【表1−15】

【0221】
【表1−16】

【0222】
【表1−17】

【0223】
【表1−18】

【0224】
【表1−19】

【0225】
【表1−20】

【0226】
【表1−21】

【0227】
【表1−22】

【0228】
【表1−23】

【0229】
【表1−24】

【0230】
【表1−25】

【0231】
【表1−26】

【0232】
【表1−27】

【0233】
【表1−28】

【0234】
【表1−29】

【0235】
【表1−30】

【0236】
【表1−31】

【0237】
【表1−32】

【0238】
【表1−33】

【0239】
塩基性基又は酸性基を有する表1の化合物は、遊離の塩基又は酸として表されている。反応条件及び精製条件に依存して、塩基性基を有する表1の各種化合物は、遊離塩基型で、塩(HCl塩など)として、又は両方の形態で単離された。
【0240】
以下の表2に示すように、本発明の化合物は、β−セクレターゼ酵素活性を阻害する。β−セクレターゼ酵素活性を阻害する化合物は、限定されるものではないが、アルツハイマー病、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管症、変性認知症、びまん性レビー小体型アルツハイマー病、及び中枢又は末梢のアミロイド病を含めた、β−アミロイド斑の蓄積に関連し得る疾患又は病態の治療に潜在的に有用である。
【0241】
したがって、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、及び/又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩は、1以上のこれらの疾患の治療に有用であり得る。
1つの態様では、本発明は、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する。他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩(先に列挙)を含む医薬組成物を提供する。他の態様では、医薬組成物は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩、及び医薬的に許容可能な担体、賦形剤、希釈剤、又はそれらの混合物を含む。
【0242】
1つの態様では、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩を含有する医薬組成物は、経口用途に好適な形態、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性若しくは油性の懸濁液、分散性の粉末若しくは顆粒、エマルジョン、硬若しくは軟カプセル、又はシロップ若しくはエリキシル剤であり得る。経口用途を意図した組成物は公知の方法にしたがい調製することができ、そのような組成物は、医薬的に滑らかで口当たりのいい調製品を提供するために、甘味料、着香料、着色料、及び保存剤から成る群より選択される1種以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に好適な非毒性の医薬的に許容可能な賦形剤との混合で、活性成分を含有することができる。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;造粒剤及び崩壊剤、例えばコーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えばスターチ、ゼラチン、又はアカシア;並びに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクであり得る。錠剤は、コーティングしなくても、公知技術によりコーティングして消化管における崩壊及び吸収を遅延させ、それにより持続作用を長期間にわたって提供してもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を採用することができる。それらは、特許文献1〜3に記載の技術によりコーティングされて、制御放出のための浸透性治療用錠剤を形成することもできる。
【0243】
他の態様では、経口用途製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、又は活性成分が水又は油性媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0244】
他の態様では、組成物は水性懸濁液を含むことができる。水性懸濁液は、活性化合物を、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合で含有することができる。そのような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアカシアゴムである;分散剤又は湿潤剤は、レシチンのような天然ホスファチド、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸由来部分エステル及びヘキシトールとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、又はエチレンオキシドと脂肪酸由来部分エステル及びヘキシトール無水物との縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであり得る。水性懸濁液は、1種以上の着色料、1種以上の着香料、及び1種以上のショ糖又はサッカリンのような甘味料を含有することもできる。
【0245】
また、油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、若しくはココナツ油、又は流動パラフィンのようなミネラルオイルに懸濁させることにより製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含有することができる。上記のもののような甘味料、及び着香料を加えて、口当たりがいい経口調製品を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加により保存することができる。
【0246】
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性の粉末及び顆粒は、活性化合物を、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤との混合で提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、既に上記のものにより例示される。更なる賦形剤、例えば甘味料、着香料、及び着色料が存在してもよい。
【0247】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態でもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油若しくはラッカセイ油、又はミネラルオイル、例えば流動パラフィン、又はそれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然ゴム、例えばアカシアゴム又はトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えばダイズ、レシチン、脂肪酸由来エステル又は部分エステル及びヘキシトール無水物、例えばモノオレイン酸ソルビタン、並びに当該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る。エマルジョンは、甘味料及び着香料を含有することもできる。
【0248】
他の態様では、本発明の医薬組成物は、シロップ又はエリキシル剤を含むことができる。シロップ及びエリキシル剤は、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はショ糖とともに製剤化することができる。そのような製剤は、粘滑剤、保存剤、並びに着香料及び着色料を含有することもできる。医薬組成物は、滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、上記の好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて、公知の方法にしたがい製剤化することができる。滅菌注射用調製品は、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中の滅菌注射液又は懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液でもよい。許容可能なビヒクル及び溶媒の中で、採用され得るのは、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液である。更に、滅菌固定油が溶媒又は懸濁化媒体として簡便に採用される。この目的には、合成モノグリセリド又はジグリセリドを用いたいかなるブランドの固定油も使用することができる。更に、オレイン酸のような脂肪酸は、注射物質の調製に用途がある。
【0249】
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を直腸投与するための座剤の形態でもよい。これらの組成物は、薬物を、通常温度では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸で融解して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。そのような材料には、例えばココアバター及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0250】
1つの態様では、局部用途には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、懸濁液などを使用することができる。この適用目的に関し、局部適用にはマウスウォッシュ及び口内洗浄液が含まれるであろう。
【0251】
1つの態様では、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩は、小さい単層小胞、大きい単層小胞、及び多層小胞のようなリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、又はホスファチジルコリンのようなさまざまなリン脂質から形成することができる。
【0252】
塩基性基又は酸性基が構造中に存在する、式(I)の化合物又は式(I)の化合物の互変異性体の医薬的に許容可能な塩も本発明の範囲内に含まれる。「医薬的に許容可能な塩」という用語は、生物学的に望ましくないものではなく、遊離塩基を好適な有機酸若しくは無機酸と反応させることにより、又は酸を好適な有機塩基若しくは無機塩基と反応させることにより一般に調製される本発明の化合物の塩を表す。代表的な塩には、以下の塩が含まれる:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、マレイン酸一カリウム、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、トリメチルアンモニウム、及び吉草酸塩。−COOHのような酸性置換基が存在する場合、剤形として使用するために、アンモニウム塩、モルホリニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩などを形成することができる。アミノのような塩基性基又はピリジルのような塩基性ヘテロアリールラジカルが存在する場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩などのような酸性塩を形成することができ、また、非特許文献2に列挙された医薬的に許容可能な塩に関連する酸も含まれる。
【0253】
他の態様では、本発明は、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩、及び1種以上の医薬的に許容可能な担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩、及び1種以上の医薬的に許容可能な担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0254】
他の態様では、本発明は、医療に使用するための、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、医療に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0255】
本発明は、同時投与、その後の投与、又は連続投与のための、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩の、1種以上の医学的に有効な活性化合物と組み合わせた使用を更に提供する。また、本発明は、同時投与、その後の投与、又は連続投与のための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の、1種以上の医学的に有効な活性化合物と組み合わせた使用を提供する。
【0256】
そのような医学的に有効な活性成分の例としては、限定されるものではないが、β−セクレターゼ阻害剤、γ−セクレターゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)(限定されるものではないがイブプロフェン、ナプロキセン、及びジクロフェナクが含まれる)、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アゴニスト(限定されるものではないがメマンチンが含まれる)、コリンエステラーゼ阻害剤(限定されるものではないがガランタミン、リバスティグミン、ドネペジル、及びタクリンが含まれる)、ビタミンE、CB−1受容体アンタゴニスト、CB−1受容体逆アゴニスト、抗生物質(限定されるものではないがドキシサイクリン及びリファムピンが含まれる)、Aβに結合するか又はAβに結合する抗体を誘導する薬剤、抗Aβ抗体、Aβワクチン、RAGE/RAGEリガンド相互作用アンタゴニスト、及び本発明の化合物の有効性、安全性、簡便性を増加させるか又は本発明の化合物の望ましくない副作用若しくは毒性を低下させる受容体又は酵素に影響を及ぼす他の薬物が挙げられる。1つの態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩、並びにβ−セクレターゼ阻害剤、γ−セクレターゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)(限定されるものではないがイブプロフェン、ナプロキセン、及びジクロフェナクが含まれる)、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アゴニスト(限定されるものではないがメマンチンが含まれる)、コリンエステラーゼ阻害剤(限定されるものではないがガランタミン、リバスティグミン、ドネペジル、及びタクリンが含まれる)、ビタミンE、CB−1受容体アンタゴニスト、CB−1受容体逆アゴニスト、抗生物質(限定されるものではないがドキシサイクリン及びリファムピンが含まれる)、Aβに結合するか又はAβに結合する抗体を誘導する薬剤、抗Aβ抗体、Aβワクチン、及びRAGE/RAGEリガンド相互作用アンタゴニストから選択される少なくとも1つの他の医学的に有効な活性成分を含む医薬組成物を提供するものである。他の態様では、本発明は、同時投与、その後の投与、又は連続投与のための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の、β−セクレターゼ阻害剤、γ−セクレターゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)(限定されるものではないがイブプロフェン、ナプロキセン、及びジクロフェナクが含まれる)、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アゴニスト(限定されるものではないがメマンチンが含まれる)、コリンエステラーゼ阻害剤(限定されるものではないがガランタミン、リバスティグミン、ドネペジル、及びタクリンが含まれる)、ビタミンE、CB−1受容体アンタゴニスト、CB−1受容体逆アゴニスト、抗生物質(限定されるものではないがドキシサイクリン及びリファムピンが含まれる)、Aβに結合するか又はAβに結合する抗体を誘導する薬剤、抗Aβ抗体、Aβワクチン、及びRAGE/RAGEリガンド相互作用アンタゴニストから選択される少なくとも1つの他の医学的に有効な活性成分と組み合わせた使用を提供する。
【0257】
使用方法
式(I)の化合物若しくは医薬的に許容可能なその塩、又は式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、若しくは上記いずれかの医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物は、アルツハイマー病、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管症、変性認知症、びまん性レビー小体型アルツハイマー病、及び中枢又は末梢のアミロイド病から選択される障害を治療するために用いることができる。
【0258】
1つの態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む、治療方法を提供するものである。他の態様では、本発明は、少なくとも0.1mgの態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む、治療方法を提供するものである。
【0259】
他の態様では、本発明は、アルツハイマー病、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管症、変性認知症、びまん性レビー小体型アルツハイマー病、及び中枢又は末梢のアミロイド病から選択される少なくとも1つの障害を治療するように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。他の態様では、本発明は、アルツハイマー病を治療するように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。他の態様では、本発明は、軽度認知障害を治療するように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。他の態様では、本発明は、アルツハイマー型認知症を治療するように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。他の態様では、本発明は、脳アミロイド血管症を治療するように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。
【0260】
本明細書において、「アルツハイマー病」は、NINCDS基準及びDSM基準、ミニ精神状態試験、並びに臨床的認知症尺度により、特定の限界内で診断され得る障害である。
【0261】
他の態様では、本発明は、認識能力を向上させるように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。認識能力は、当該技術分野において公知のようなアルツハイマー病評価尺度(ADAS−cog)の認知下位尺度で評価することができ、これは、認知機能を0〜70段階で採点し、より高いスコアは認知障害がより大きいことを示す。したがって、スコアの低下は認知向上を立証するものである。他の態様では、本発明は、スコアが異常に高い対象においてADAS−cogスコアを低下させるように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。他の態様では、本発明は、対象においてADAS−cogスコアを維持するように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。他の態様では、本発明は、対象におけるADAS−cogスコアの増加速度を低下させるように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む治療方法を提供する。これらの態様のそれぞれにおいて、対象は、アルツハイマー型認知症に罹患していてもよい。更なる態様では、対象は、合併症を伴わない早期発症のアルツハイマー型認知症、妄想を有する早期発症のアルツハイマー型認知症、抑鬱気分を有する早期発症のアルツハイマー型認知症、合併症を伴わない遅発性アルツハイマー型認知症、妄想を有する遅発性アルツハイマー型認知症、又は抑鬱気分を有する遅発性アルツハイマー型認知症に罹患していてもよい。
【0262】
更に、アルツハイマー病の進行は、患者の4分野の機能:一般活動、認識活動、行動の活動、及び日常生活の活動に関する試験を通して評価することもできる。そのような評価は、臨床医の面談による変化の印象(CIBIC又はCIBIC+)により行うことができる。他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む、対象の機能を向上させる方法を提供する。1つの態様では、対象の機能は、一般活動、認識活動、行動の活動、及び日常生活の活動のうち1つ以上である。
【0263】
他の態様では、本発明は、医療において使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、アルツハイマー病、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管症、変性認知症、びまん性レビー小体型アルツハイマー病、及び中枢又は末梢のアミロイド病から選択される少なくとも1つの障害の治療に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、アルツハイマー病の治療に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、軽度認知障害の治療に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、アルツハイマー型認知症の治療に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、脳アミロイド血管症の治療に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0264】
他の態様では、本発明は、アルツハイマー病、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管症、変性認知症、びまん性レビー小体型アルツハイマー病、及び中枢又は末梢のアミロイド病から選択される少なくとも1つの障害の予防に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、アルツハイマー病の予防に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、軽度認知障害の予防に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、アルツハイマー型認知症の予防に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、脳アミロイド血管症の予防に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0265】
他の態様では、本発明は、認知能力の向上に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、スコアが異常に高い対象においてADAS−cogスコアの低下に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、対象においてADAS−cogスコアの維持に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、対象においてADAS−cogスコアの増加速度の低下に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。他の態様では、本発明は、一般活動、認識活動、行動の活動、及び日常生活の活動のうち1つ以上の対象の機能の向上に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0266】
他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の、医薬を製造するための使用を提供する。他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の、アルツハイマー病、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、ダウン症候群、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血、脳アミロイド血管症、変性認知症、びまん性レビー小体型アルツハイマー病、及び中枢又は末梢のアミロイド病から選択される少なくとも1つの障害を治療するための医薬を製造するための使用を提供する。他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の、アルツハイマー病を治療するための医薬を製造するための使用を提供する。他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の、軽度認知障害を治療するための医薬を製造するための使用を提供する。他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の、アルツハイマー型認知症を治療するための医薬を製造するための使用を提供する。他の態様では、本発明は、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の、脳アミロイド血管症を治療するための医薬を製造するための使用を提供する。
【0267】
他の態様では、本発明は、認知能力を向上させるための医薬を製造するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。他の態様では、本発明は、スコアが異常に高い対象においてADAS−cogスコアを低下させるための医薬を製造するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。他の態様では、本発明は、対象においてADAS−cogスコアを維持するための医薬を製造するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。他の態様では、本発明は、対象においてADAS−cogスコアの増加速度を低下させるための医薬を製造するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。他の態様では、本発明は、一般活動、認識活動、行動の活動、及び日常生活の活動のうち1つ以上の対象の機能を向上させるための医薬を製造するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0268】
他の態様では、本発明は、BACEと生理的リガンドとの相互作用を阻害する方法を提供するものである。BACEの生理的リガンドの例には、限定されるものではないが、アミロイド前駆体タンパク質(APP)が含まれる。1つの態様では、本発明は、BACEと生理的リガンドとの相互作用を阻害するように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む、アルツハイマー病又はアルツハイマー型認知症の治療方法を提供する。1つの態様では、生理的リガンドはアミロイド前駆体タンパク質(APP)である。更なる態様では、本発明は、BACEと生理的リガンドとの相互作用の阻害に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。更なる態様では、本発明は、BACEと生理的リガンドとの相互作用を阻害するための医薬を製造するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0269】
他の態様では、本発明は、ヒト対象においてα−分泌経路を増加させる方法を提供する。1つの態様では、本発明は、α−分泌経路を増加させるように、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩をヒトへ投与することを含む、アルツハイマー病又はアルツハイマー型認知症の治療方法を提供する。更なる態様では、本発明は、ヒト対象においてα−分泌経路の増加に使用するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を提供する。更なる態様では、本発明は、ヒト対象においてα−分泌経路を増加させるための医薬を製造するための、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0270】
上記の方法又は使用のそれぞれにおいて、態様1〜131のいずれか1つの化合物、互変異性体、又は医薬的に許容可能な塩を、上記のような医薬製剤の一部として対象へ投与することができる。
【0271】
潜在的に有用な生物活性を有する本発明の式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩の例を、名称により以下の表3に列挙する。式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩によるBACEのタンパク質分解活性の阻害能は、表3に列挙した代表的な式(I)の化合物に関し、以下に記載の酵素及び細胞ベースのアッセイを用いて定めた。
【0272】
生物学的アッセイ
以下のアッセイ法を用いて、BACEのタンパク質分解活性の低下に有効な式(I)の化合物を同定及び評価した。
【0273】
BACE蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイ
以下のアッセイでは、BACEのタンパク質分解活性は、ローダミン蛍光供与体及び消光受容体を含有するペプチド基質からの蛍光基の切断を観察することにより測定する。
【0274】
式(I)の化合物の阻害活性は、スタチン由来対照阻害剤STA200(MP Biomedical、カタログ番号STA−200)と比較することができる。切断反応は、BACE−1酵素(R&Dシステムズ、カタログ番号931AS)を含有する反応混合物にBACE−1基質(インビトロジェン、カタログ番号P2986)を加え、約1.5時間放置すると生ずる。BACE活性のマーカーとして用いる蛍光は、励起波長540nm及び発光波長585nmによりモニターする(Envision、パーキンエルマー)。
【0275】
典型的なアッセイ反応は、アッセイバッファー(50mM酢酸ナトリウム、pH4〜4.5、0.01%CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート)、0.0125%TritonX−100、0.006%EDTA)中にBACE−1酵素を含み、これを7.5%DMSO中の試験化合物とともに30分間プレインキュベートする。反応は、アッセイバッファー中のBACE−1基質を添加することで開始し、室温で約1.5時間放置する。黒い384ウェルマイクロタイタープレート中でアッセイを行い、励起波長540nm及び発光波長585nmにより室温でスキャンする。
【0276】
試験化合物の活性を表2にIC50として報告する。いくつかの例では、IC50のかわりに、所定濃度の%阻害を報告する。
Aβ細胞ベースアッセイの手順
以下のアッセイでは、各種濃度の目的化合物に曝露させた細胞におけるBACEのタンパク質分解活性を、野生型ヒトAPP695タンパク質を安定に発現するHEK293細胞(ヒト胚腎臓上皮細胞株)(HEK−APPwt細胞)から分泌されるAβ1−40量を観察することにより測定する。
【0277】
HEK−APPwt細胞を、T−225フラスコ内の、25mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)(pH7.4)(インビトロジェン、カタログ番号15630−114)、0.1mM NEAA(非必須アミノ酸)(BioWhittaker、カタログ番号13−114E)、10%ウシ胎仔血清(シグマ、カタログ番号F4135)、及び250μg/mLハイグロマイシン(インビトロジェン、カタログ番号10687−010)を添加した高グルコースDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地、シグマ、カタログ番号D5796)中で、37℃、5%CO及び湿度制御にて増殖させた。
【0278】
試験化合物を初めにDMSO中で調製し、2%FBS(ウシ胎仔血清)含有DMEM培地で希釈した。10種のさまざまな濃度の標準化合物溶液を調製した。標準化合物溶液を用いて試験化合物のEC50を決定した。選択される濃度範囲は、化合物の予想される効力に依存し得る。
【0279】
アッセイ用の細胞を調製するために、HEK−APPwt細胞を含有するフラスコを短くトリプシン処理し(1mLのトリプシン)、細胞が剥がれたら、4mLの10%FBS−DMEMをフラスコに加えた。剥がれた細胞を900rpmにて5分間遠心分離し、ペレットを形成させた。
【0280】
HEK−APPwt細胞ペレットを、10mLの2%FBS含有DMEM培地に再懸濁させた。80μLの細胞懸濁液を96ウェル細胞培養プレートの各ウェルに加え、100×10細胞/mlとした。10μLの標準化合物溶液を96ウェル細胞培養プレートの各ウェルに加え、そして10μLのアラマーブルー溶液を加えた。細胞を5%COインキュベーターにて37℃で6時間インキュベートした。
【0281】
インキュベーションの終わりにプレートをインキュベーターから取り出し、上清を回収した。培地中のAβ1−40濃度を、市販のAβ1−XELISAキット(IBLジャパン、カタログ番号27729)を用いて測定した。簡潔には、ELISAプレートを、抗ヒトAβ(N)(82E1)マウスIgGモノクローナル抗体でコーティングした。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ヒトAβ11−28マウスIgGモノクローナル抗体を検出に用いた。細胞培養上清を、EIAバッファー+プロテアーゼ阻害剤(プロテアーゼ阻害剤含有キットバッファー(1mL PI/30mLバッファー))で希釈した。希釈した上清の100μLアリコートをELISAプレートの各ウェルに加え、4℃で6時間インキュベートした。ELISAプレートを、0.05%Tween20を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で8回洗浄した。
【0282】
次に100μLの検出抗体を加え、4℃で1時間インキュベートした。プレートを0.05%Tween20含有PBSバッファーで8回洗浄し、100μLの色素原テトラメチルベンジジン(TMB)を加えた。プレートを暗所にて室温で約30分間インキュベートし、停止溶液(1N HSO)を加えた。
【0283】
発色強度を450nmにて測定した。450nmにおける光学密度(OD450)は、細胞によって分泌されるヒトAb1−40の濃度に比例する。対照として、N−[N−(3,5−ジフルオロフェナセチル−L−アラニル)]−S−フェニルグリシン t−ブチルエステル(DAPT、γ−セクレターゼ阻害剤)を用いて、BACE活性の100%阻害を示した。このように、アッセイは、目的化合物によるAβ1−40分泌低下能を測定する。選択した化合物に関し、化合物の効力は、全濃度レベルにおいて%阻害を計算することによりEC50として表3に報告し、データは、GraphPad Prismを用いた非線形曲線適合アルゴリズムにより適合させた。
【0284】
【表2−1】

【0285】
【表2−2】

【0286】
【表2−3】

【0287】
【表2−4】

【0288】
【表2−5】

【0289】
【表2−6】

【0290】
本発明を、その特定の態様を参照して記載し、説明しているが、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、それらに各種の改変、修飾、及び置換を行い得ることを理解するであろう。例えば、処置される対象の反応性における変化の結果として、本明細書に記載の用量以外の有効な用量を適用可能である。同様に、観察される特定の薬理反応は、選択される特定の活性化合物、又は医薬担体が存在するかどうか、並びに採用する製剤のタイプ及び投与様式にしたがって及び依存して変化し得るものであり、結果におけるそのような予期される変化又は相違は、本発明の目的及び実施にしたがって意図される。更に、本明細書に挙げられた全ての化合物は、本明細書及び添付の特許請求の範囲において明らかなように、挙げられた方法、プロセス、組成物、及び/又は化合物のいずれに関しても可能性のあるものとして意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性体、又は上記いずれかの医薬的に許容可能な塩である化合物:
【化1】

式中、
はイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル
【化2】

又はイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル
【化3】

であり、
ここで、Gは:
a) −ハロ、
b) R
c) −J−R
d) −アルキレン−J−R
e) −アルケニレン−R
f) −アルキニレン−R
g) −J−アルキレン−J−R
h) −アルキレン−J−アルキレン−J−R
i) −N(R)(R)、
j) −アルキレン−N(R)(R)、
k) −J−アルキレン−N(R)(R)、
l) −N(−アルキレン−R)(−アルキレン−R)、
m) R
n) −J−アルキレン−J−R
o) −アルキレン−J−アルキレン−R
p) −アルキレン−J−アルキレン−J−R
q) −C(O)R
r) −CO−R
s) −C(O)−N(R)(R)、
t) −SO−アルキル、
u) −SO−OR
v) −SO−N(R)(R)、
w) −J−アルキレン−C(O)R
x) −J−アルキレン−CO
y) −J−アルキレン−C(O)N(R)(R)、
z) −J−アルキレン−SO−アルキル、
aa) −J−アルキレン−SO−OR、及び
bb) −J−アルキレン−SO−N(R)(R)、
から成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
ここで、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基はRから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
は−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され、
は直接結合、−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され;
及びRは:
a) −水素、
b) −ハロ、
c) −アルキル、
d) −ハロアルキル、
e) −O−アルキル、及び
f) −O−ハロアルキル、
から成る群より独立して選択され;
及びRは:
a) −水素、
b) −ハロ、
c) −アルキル、
d) −ハロアルキル、
e) −O−アルキル、
f) −O−ハロアルキル、及び
g) −L−D−G
から成る群より独立して選択され;
ここで、R及びRのうち少なくとも1つは−L−D−Gであり、
は直接結合、−O−、−NH−、及び−N(R)−から成る群より選択され、Rは−D−Gであり、
は直接結合、−アルキレン−、及び−アルケニレン−から成る群より選択され、
は−フェニル及び−シクロアルキルから成る群より選択され、ここで、フェニル基及びシクロアルキル基は、−ハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−OH、−NH、−フェニル、−シクロアルキル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、−O−フェニル、−O−シクロアルキル、−O−アルキレン−フェニル、−O−アルキレン−シクロアルキル、−C(O)アルキル、及び−C(O)ハロアルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
は直接結合、−アルキレン−、及び−アルケニレン−から成る群より選択され、
は−フェニル、−シクロアルキル、−ヘテロシクリル、及び−ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、フェニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基は、−ハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−OH、−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、モルホリノ、−フェニル、−CN、−シクロアルキル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、−O−フェニル、−O−シクロアルキル、−O−アルキレン−フェニル、−O−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキレン−O−アルキル、−C(O)アルキル、−C(O)ハロアルキル、−CO−アルキル、及び−SO−アルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は水素、−ハロアルキル、−アルキル、−アルキレン−J−R、−アルキレン−N(R)(R)、−アルキレン−C(O)R、−アルキレン−CO、−アルキレン−C(O)N(R)(R)、−アルキレン−SO−アルキル、−アルキレン−SO−OR、及び−アルキレン−SO−N(R)(R)から成る群より選択され、Jは直接結合、−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され;
は−H又はアルキルであり;
はアルキル、ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、ピペリジン−4−イル、1−メチル−ピペリジン−4−イル、ピペリジン−3−イル、及びピロリジン−3−イルから成る群より選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、ピペリジン−4−イル基、1−メチル−ピペリジン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、及びピロリジン−3−イル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は水素、アルキル、ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、ピペリジン−4−イル、1−メチル−ピペリジン−4−イル、ピペリジン−3−イル、及びピロリジン−3−イルから成る群より選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、ピペリジン−4−イル基、1−メチル−ピペリジン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、及びピロリジン−3−イル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
はハロ、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、フェニル、−OH、−NH、−N(H)アルキル、−N(アルキル)、−O−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−シクロアルキル、−O−フェニル、及び−O−アルキレン−フェニルから成る群より選択され;
及びRは水素、アルキル、フェニル、及びシクロアルキルから成る群より独立して選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、及びシクロアルキル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、あるいはR及びRは、それらが結合する原子と一緒になって環を形成し、ここで、R及びRは一緒になって式−(CR−X−(CR−を有し、s及びtは独立して1、2、又は3であり、sとtとの合計は3又は4に等しく、Xは直接結合、−CH−、−O−、−S−、及び−NR−から成る群より選択され;
及びRは水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、シクロアルキル、フェニル、−OH、−NH、−N(H)アルキル、−N(アルキル)、−O−ハロアルキル、−O−アルキル、−O−シクロアルキル、−O−フェニル、及び−O−アルキレン−フェニルから成る群より独立して選択され、ここで、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;そして
はヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、ここで、それぞれの基は、Rから独立して選択される置換基で1回以上置換されていてもよい。
【請求項2】
がイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり、
a) −ハロ、
b) R
c) −J−R
d) −アルキレン−J−R
e) −アルキニレン−R
f) −J−アルキレン−J−R
g) −アルキレン−J−アルキレン−J−R
h) −N(R)(R)、
i) −アルキレン−N(R)(R)、
j) −J−アルキレン−N(R)(R)、
k) −N(−アルキレン−R)(−アルキレン−R)、
l) R
m) −J−アルキレン−J−R
n) −アルキレン−J−アルキレン−R
o) −アルキレン−J−アルキレン−J−R
p) −C(O)R
q) −CO−R
r) −C(O)−N(R)(R)、
s) −SO−アルキル、
t) −SO−OR
u) −SO−N(R)(R)、
v) −J−アルキレン−C(O)R
w) −J−アルキレン−CO
x) −J−アルキレン−C(O)N(R)(R)、
y) −J−アルキレン−SO−アルキル、
z) −J−アルキレン−SO−OR、及び
aa) −J−アルキレン−SO−N(R)(R)、
から成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
ここで、アルキレン基は、Rから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
は−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択され、
は直接結合、−O−、−NH−、及び−S−から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
がメチルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
及びRが共に水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
が−L−D−Gである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
が−フェニルであり、−ハロ、−アルキル、−ハロアルキル、−OH、−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、モルホリノ、−フェニル、−CN、−シクロアルキル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキル、−O−ハロアルキル、−O−フェニル、−O−シクロアルキル、−O−アルキレン−フェニル、−O−アルキレン−シクロアルキル、−O−アルキレン−O−アルキル、−C(O)アルキル、−C(O)ハロアルキル、−CO−アルキル、及び−SO−アルキルから成る群より独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
及びDが共に直接結合である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が−O−であり、Dが−CH−である、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
が−フェニルであり、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−OH、−OCF、−OCHCF、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−CH、−CN、−CO−CH、−CO−CHCH、及び−SOCHから成る群より独立して選択される置換基で1回又は2回置換されていてもよい、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項12】
が−フェニルであり、ハロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CF、−CHCF、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロピルオキシ、−OH、−OCF、−OCHCF、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−CH、−CN、−CO−CH、−CO−CHCH、及び−SOCHから成る群より選択される置換基で1回置換されている、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項13】
が−フェニルであり、フルオロ又はクロロから独立して選択される置換基で1回又は2回置換されている、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項14】
が−フェニルであり、−CFで1回置換されている、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項15】
が−フェニルであり、−OCFで1回置換されている、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物、及び医薬的に許容可能な担体、賦形剤、希釈剤、又はそれらの混合物を含む、医薬組成物。
【請求項17】
医学的に有効な活性成分を更に含む、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物又は組成物をヒトへ投与することを含む、アルツハイマー型認知症の治療方法。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物又は組成物をヒトへ投与することを含む、アルツハイマー病の治療方法。
【請求項20】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物又は組成物をヒトへ投与することを含む、ヒトにおいてADAS−cogスコアを低下させる方法。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物又は組成物をヒトへ投与することを含む、ヒトにおいてBACEと生理的リガンドとの相互作用を阻害する方法。
【請求項22】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物又は組成物をヒトへ投与することを含む、ヒトにおいてα−分泌経路を増加させる方法。

【公表番号】特表2012−525390(P2012−525390A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508532(P2012−508532)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/031781
【国際公開番号】WO2010/126745
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(508269525)ハイ ポイント ファーマシューティカルズ,リミティド ライアビリティ カンパニー (26)
【Fターム(参考)】