羽根駆動装置
【課題】補助部材に複数の機能をもたせることにより、外径方向の小型化はもとより、光軸方向の薄型化を図ることができる羽根駆動装置を提供する。
【解決手段】開口部1aを有するシャッタ地板1と開口部2aを有するカバー板2の夫々の開口部を重ねるようにして羽根室を構成する。前記羽根室内には、小絞り径を規制する開口部5aを有する絞り羽根5と、シャッタ羽根7,8,9と、絞り羽根5とシャッタ羽根7,8,9との間に配置され開口部5aよりも口径が大きく開口部1a,2aと重なる位置に配置される開口部6aを有する絞り補助羽根6と、が配置されている。羽根駆動アクチュエータ4は、絞り羽根5の開口部5aを開口部6aに進入させたときに、絞り補助羽根6によって絞り羽根5と開口部1a,2aの縁との間に形成される隙間を覆うように絞り補助羽根6を作動させる。
【解決手段】開口部1aを有するシャッタ地板1と開口部2aを有するカバー板2の夫々の開口部を重ねるようにして羽根室を構成する。前記羽根室内には、小絞り径を規制する開口部5aを有する絞り羽根5と、シャッタ羽根7,8,9と、絞り羽根5とシャッタ羽根7,8,9との間に配置され開口部5aよりも口径が大きく開口部1a,2aと重なる位置に配置される開口部6aを有する絞り補助羽根6と、が配置されている。羽根駆動アクチュエータ4は、絞り羽根5の開口部5aを開口部6aに進入させたときに、絞り補助羽根6によって絞り羽根5と開口部1a,2aの縁との間に形成される隙間を覆うように絞り補助羽根6を作動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルカメラ、特に小型携帯機器に内蔵されるデジタルカメラに最適な小型の羽根駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレンズシャッタの絞り機構は、露光用開口部よりも小さな開口、即ち小絞り径で撮影する時には、その小絞り部材が小絞り開口径を除き、露光用開口部を完全に塞ぐようにしているため、その小絞り部材は少なくとも露光用開口部より大きな外形となる。このため、小絞り径で撮影しない場合には、小絞り部材を露光用開口部から退避させ、露光用開口部の側方から外形端縁の間に収容しておく必要があるので、その収容面積は、小絞り径が形成された小絞り部材の大きさによって制約を受け、どうしても径方向の寸法を小さくすることができない。
【0003】
また薄型化の要求として、レンズ長を短縮するために撮影レンズ群中のレンズシャッタユニットにおいて、シャッタより被写体側の前群レンズ端と絞り部材との距離、およびシャッタより像面側の後群レンズ端とシャッタ部材との距離を近づけるように配置される。このため、前群レンズ端と絞り羽根との間隔、後群レンズ端とシャッタ羽根の間隔が狭くなるので、前群レンズ側に対向するカバー板と、後群レンズ側に対向するシャッタ地板の露光開口部径を大きくし、レンズ端部を逃げるようにして、露光開口部周りの厚さを薄くする手法がとられている。そして光学開口径が、絞り部材とシャッタ部材とを分ける仕切り板に設けられている。
【0004】
近年、デジタルカメラの一層の小型化が求められ、デジタルカメラに搭載されるレンズシャッタも必然的に小型化、薄型化が強く要求されている。特に、携帯電話機に搭載されるデジタルカメラに至っては、さらなる小型化、薄型化の要求が強く、レンズの光軸方向の投影面積をできるだけ小さくすることが求められている。このため従来のレンズシャッタのような光軸中心の円形状ではなく、光軸非対称の異形状のレンズシャッタとならざるを得ない状況にある。
【0005】
図26は、携帯機器に内蔵される従来の一般的な羽根駆動装置の構造を説明するための図である。図27は、携帯機器に内蔵される従来の一般的な羽根駆動装置の構造を示す部分断面図である。この羽根駆動装置は、シャッタ地板1とカバー板2との間に、シャッタ機能を実現するシャッタ羽根7,8,9と、光量制御機能を実現する絞り羽根5、絞り補助羽根6を備えている。シャッタ羽根7,8,9と絞り羽根5、絞り補助羽根6は、仕切り板13により仕切られている。すなわち、従来の羽根駆動装置は、二つの地板の間に羽根室を形成して、その羽根室内にシャッタ羽根と絞り羽根を配置するとともに、絞り羽根とシャッタ羽根との間に仕切板を配置して、互いの羽根の作動時に互いの羽根が干渉しないように構成しているものが一般的である(たとえば、特許文献1,2を参照。)。
【0006】
ところで、昨今、携帯機器のさらなる小型化が要求されている。このため、携帯機器に内蔵されるデジタルカメラにおいても、光軸方向の投影面積(地板外径)の小径化や薄型化といった小型化の要求がより強くなり、羽根駆動装置も同様に小型化の必要性がより増大してきた。そこで、各羽根の大きさ(作動方向の幅)を小さくして、開口部から退避したときの羽根の収容面積が小さくなるようにして絞り径方向の小型化を図るとともに、絞り羽根とシャッタ羽根との間に配置されている仕切り板を排除することで光軸方向の薄型化を促進した技術がある(たとえば、特許文献3,4を参照。)。
【0007】
また、従来の羽根駆動装置における羽根駆動アクチュエータを固定する手法は、ボビンにヨークを組み付けた後に、さらに別個に形成された押さえ板を用いて全体をネジで固定するため、組み付け作業が煩雑であり、部品点数も多いため、部品管理コスト増、製造コスト増といった問題があった。そこで、かかる問題を解決するため、組み付けのための部品点数を削減したり、組み付け作業の簡易化を図ったりして、部品管理コストや、製造コストなどを削減した技術も提案されている(たとえば、特許文献5〜8を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3954349号公報
【特許文献2】実用新案登録第2521238号公報
【特許文献3】特開2002−14387号公報
【特許文献4】特開2002−139765号公報
【特許文献5】特許第4163904号公報
【特許文献6】特開2009−53433号公報
【特許文献7】特開2006−33914号公報
【特許文献8】特開2008−139405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献3,4に記載の技術では、光軸方向の薄型化を阻む大きな要因となっていた仕切り板を排除することには成功している。しかし、露出開口径内に小絞り径を有する絞り羽根を進入させたときに、絞り羽根と露出開口の縁との間に隙間が形成されてしまうという問題を、当該隙間を覆うことだけを目的とした新たな部材を追加することにより回避したため、新たな部材を追加した分だけ光軸方向の厚みが増すという問題が発生する。
【0010】
また、上記特許文献5〜8に記載の技術では、いくつかの部品を一体化することで部品点数の削減を図ったり、熱溶解や接着によりボビン、ヨークなどを羽根駆動装置に固定したりすることで組み付け作業の簡易化を図ったりして、部品管理コストや、製造コストなどを削減している。しかしながら、かかる従来技術は、携帯電話などに搭載されるデジタルカメラに用いられる、極めて小型の羽根駆動装置には、固定用のネジを入れるスペースや大きさがないなどの理由により不向きである。また、熱溶解や接着による取り付けは、装置の厚みを薄くしたり、落下衝撃などの耐久力を備えたりするには好都合であるが、修理などで装置を分解、再組することができなくなるという不都合がある。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、補助部材に複数の機能をもたせることにより、外径方向の小型化はもとより、光軸方向の薄型化を図ることができる羽根駆動装置を提供することを目的とする。また、組み付けのための部品点数を削減し、組み立て、分解が容易で、落下などの衝撃に強い耐久性を備えた羽根駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる羽根駆動装置は、夫々の開口部を重ねるようにして両者間に羽根室を構成する二つの地板と、前記羽根室内に作動可能に配置され小絞り口径を規制する絞り開口を有する絞り羽根と、前記羽根室内に配置されたシャッタ羽根と、前記羽根室内において前記絞り羽根と前記シャッタ羽根との間に配置され、前記絞り開口よりも口径が大きく前記開口部と重なる位置に配置される露出開口を有する補助部材と、前記絞り開口を前記露出開口に対して進退するように前記絞り羽根を駆動する絞り羽根駆動手段と、前記シャッタ羽根が前記露出開口を開閉作動するように、前記シャッタ羽根を駆動するシャッタ羽根駆動手段と、を備え、前記補助部材は、前記絞り羽根駆動手段による前記絞り羽根の駆動に応じて作動可能に設けられており、前記絞り羽根駆動手段は、前記絞り羽根の絞り開口を前記露出開口に進入させたときに、前記補助部材によって前記絞り羽根と前記開口部の縁との間に形成される隙間を覆うように前記補助部材を作動させることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる羽根駆動装置は、前記絞り羽根駆動手段が前記羽根室の外側の前記地板の一方に取り付けられ、また、前記シャッタ羽根駆動手段が前記羽根室の外側の前記地板の他方に取り付けられており、前記絞り羽根駆動手段と前記シャッタ羽根駆動手段とは、光軸と直交する方向において少なくともその一部が重なる位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる羽根駆動装置は、前記羽根室が、外側に取り付けられた前記絞り羽根駆動手段および前記シャッタ羽根駆動手段とともに、弾性を備えた非磁性金属材で形成されたコの字形状のクリップで固定されることを特徴とする。
【0015】
さらに、この発明にかかる羽根駆動装置は、前記羽根室の内側に、前記地板の基底面に対して突起した摺動面が形成されており、前記絞り羽根、前記補助部材、前記シャッタ羽根の一部の面が前記摺動面に当接しながら摺動することにより、当該部材のスラスト方向が規制されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明にかかる羽根駆動装置によれば、補助部材を、羽根室内に配置される絞り羽根とシャッタ羽根の収納領域を仕切る仕切板としての機能を持たせるとともに、露出開口径内に絞り羽根を進入させたときに形成される絞り羽根と露出開口の縁との隙間を覆うように作動させるように構成したので、光軸方向の投影面積(地板の外径)を小さくすることができるとともに光軸方向の薄型化を実現できるという効果を奏する。また、前記羽根室を固定するために弾性を有するクリップを用いているため、組み付けのための部品点数が削減でき、組み立て、分解が容易で、落下などの衝撃に強い耐久性を備えることができるという効果を奏する。さらに、前記羽根室の内側に、各羽根の摺動面を形成し、前記各羽根を前記摺動面に当接させて摺動することにより、カメラの姿勢差によるシャッタ羽根の作動時間のバラつきをなくすことができ、露出ムラを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を説明するための被写体側から見た正面図である。
【図2】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を説明するための被写体側から見た正面図である。
【図3】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を説明するための被写体側から見た正面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う部分断面図である。
【図5】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の組み立て工程を説明するための図である。
【図6】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の組み立て工程を説明するための図である。
【図7】カバー板に羽根駆動アクチュエータを取り付けた状態を示す被写体側から見た正面図である。
【図8】シャッタ地板に羽根駆動アクチュエータを取り付けた状態を示す像側から見た正面図である。
【図9】実施の形態1にかかる羽根駆動装置を固定するためのクリップの機能を説明するための図である。
【図10】実施の形態1にかかる羽根駆動装置をクリップで固定した状態を示す被写体側から見た正面図である。
【図11】実施の形態1にかかる羽根駆動装置をクリップで固定した状態を示す像側から見た正面図である。
【図12】実施の形態1にかかる羽根駆動装置へのシャッタ駆動フレキシブル基板の装着を説明するための図である。
【図13】実施の形態1にかかる羽根駆動装置にシャッタ駆動フレキシブル基板が装着された状態を示す被写体側から見た正面図である。
【図14】実施の形態1にかかる羽根駆動装置にシャッタ駆動フレキシブル基板が装着された状態を示す像側から見た正面図である。
【図15】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図16】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図17】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図18】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室を構成するシャッタ地板の内側面(被写体側面)を示す図である。
【図19】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を示す被写体側から見た斜視図である。
【図20】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室を構成するカバー板の内側面(像側面)を示す図である。
【図21】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を示す像側から見た斜視図である。
【図22】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図23】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図24】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図25】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図26】携帯機器に内蔵される従来の一般的な羽根駆動装置の構造を説明するための図である。
【図27】携帯機器に内蔵される従来の一般的な羽根駆動装置の構造を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、この発明にかかる羽根駆動装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施の形態は、絞り機構とシャッタ機構とをユニット化したものであって、携帯電話機などの小型携帯機器に内蔵されるデジタルカメラに用いる。
【0019】
(実施の形態1)
図1〜図3は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を説明するための被写体側から見た正面図である。
【0020】
図1に示すように、シャッタ地板(第1の地板)1の中央部よりやや下方に、レンズ(不図示)が配置されるべき円形の開口部1aが形成されている。また、シャッタ地板1の下部中央、上部の左右端部に、それぞれフック部1b,1c,1dが設けられている。フック部1b,1c,1dは、後述するカバー板(第2の地板)2をシャッタ地板1に固定するために用いる。また、シャッタ地板1の上方部には、後述する羽根駆動ピン3a,4aが挿入される長孔1e,1mが形成されている。
【0021】
シャッタ地板1の周辺部には、ストッパ1f,1g,1hが設けられている。ストッパ1f,1g,1hは、後述する各羽根のストッパとなるとともに、カバー板2をシャッタ地板1に取り付けた際に、カバー板2とシャッタ地板1との間隔を形成するためのスペーサとしての機能も有する。シャッタ地板1の上部には、後述する各羽根を軸着するための羽根軸1i,1j,1k,1lが設けられている。なお、羽根軸1i,1j,1k,1lは、各羽根が駆動しても、当該羽根同士が光軸方向の投影面上では干渉しないような位置で、可能な限り互いに近接する位置に配置される。
【0022】
まず、シャッタ地板1の羽根軸1lにシャッタ羽根9の孔9aが軸着される。これにより、シャッタ羽根9は、羽根軸1lを中心として回動可能になる。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1kにシャッタ羽根8の孔8aが軸着される。これにより、シャッタ羽根8は、羽根軸1kを中心として回動可能になる。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1jにシャッタ羽根7の孔7aが軸着される。これにより、シャッタ羽根7は、羽根軸1jを中心として回動可能になる。そして、シャッタ羽根7,8,9は重なった状態でそれぞれの長孔7b,8b,9bにシャッタ地板1の長孔1mを貫通した羽根駆動アクチュエータ4の羽根駆動ピン4aが挿入される。羽根駆動アクチュエータ4の羽根駆動ピン4aが駆動することで、シャッタ羽根7,8,9が互いに摺動する。
【0023】
次に、図2に示すように、シャッタ羽根7の上から、シャッタ地板1の羽根軸1jに絞り補助羽根6の孔6bが軸着される。これにより、絞り補助羽根6は、羽根軸1jを中心として回動可能になる。その上から、シャッタ地板1の羽根軸1iに絞り羽根5の孔5bが軸着される。これにより、絞り羽根5は、羽根軸1iを中心として回動可能になる。
【0024】
そして、絞り羽根5と絞り補助羽根6は重なった状態でそれぞれの長孔5c,6cに後述するカバー板2の長孔(不図示)を貫通した羽根駆動アクチュエータ3の羽根駆動ピン3aが挿入される。羽根駆動アクチュエータ3の羽根駆動ピン3aが駆動することで、絞り羽根5と絞り補助羽根6は互いに摺動する。なお、絞り補助羽根6には、シャッタ地板1の開口部1aより若干小さい口径の開口部6aが形成されている。この開口部6aが光学開口径となる。また、絞り羽根5には、開口部6aより小さい口径の開口部5aが形成されている。この開口部5aが小絞り開口となる。
【0025】
続いて、図3に示すように、図2に示した状態の上から、カバー板2が取り付けられる。カバー板2の中央部よりやや下方に、絞り補助羽根6の開口部6aより若干大きく、シャッタ地板1の開口部1aと同等の大きさの開口部2aが形成されている。この開口部2aは、カバー板2をシャッタ地板1に取り付けた際に、シャッタ地板1の開口部1aと正確に重なり合う位置にある。また、開口部2aの周辺部にはシャッタ突き当て基準部2dが形成されている。さらに、カバー板2の上部両端部には、取り付け爪部2b,2cが形成されている。
【0026】
また、カバー板2の裏面には、ストッパ2eが形成されている。このストッパ2eは、前記各羽根のストッパとなるとともに、カバー板2をシャッタ地板1に取り付けた際に、カバー板2とシャッタ地板1との間隔を形成するためのスペーサとしての機能も有する。また、カバー板2の上方部には、外側にコイル10を巻回したボビン11を収容する収容部2fが形成されている。
【0027】
図4は、図3のA−A線に沿う部分断面図である。図4に示すように、実施の形態1にかかる羽根駆動装置では、シャッタ羽根7,8,9(シャッタ部材)の作動領域(シャッタ羽根室)と絞り羽根5(絞り部材)の作動領域(絞り羽根室)とを分ける仕切り板を設けていない。したがって、従来の羽根駆動装置(図27参照)と比較し、格段に光軸方向の薄型化が促進されていることがわかる。
【0028】
次に、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の組み立て方法を説明する。図5および図6は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の組み立て工程を説明するための図である。なお、図5は実施の形態1にかかる羽根駆動装置を被写体側から見た斜視図、図6は同装置を像側から見た斜視図である。また、図7は、カバー板に羽根駆動アクチュエータを取り付けた状態を示す被写体側から見た正面図である。また、図8は、シャッタ地板に羽根駆動アクチュエータを取り付けた状態を示す像側から見た正面図である。
【0029】
まず、シャッタ羽根7,8,9と、絞り羽根5、絞り補助羽根6を、シャッタ地板1上にある各羽根軸に軸着させた状態で、シャッタ地板1に組み込む。すなわち、シャッタ地板1の羽根軸1lにシャッタ羽根9の孔9aを軸着する。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1kにシャッタ羽根8の孔8aを軸着する。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1jにシャッタ羽根7の孔7aを軸着する。
【0030】
さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1jに絞り補助羽根6の孔6bを軸着する。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1iに絞り羽根5の孔5bを軸着する。この状態からシャッタ地板1のフック部1b,1c,1dと、カバー板2のストッパ2e、取付け爪部2f,2b,2cの位置を合わせて、シャッタ地板1とカバー板2とを噛み合わせ結合する。
【0031】
次に、その状態から、シャッタ羽根7,8,9の長孔部7b,8b,9bに、シャッタ地板1の長孔1mを介して羽根駆動アクチュエータ4のマグネットローラ4bに連結された羽根駆動ピン部4aを貫通させる。そして、マグネットローラ4bをシャッタ地板1上のマグネットローラ回転軸1nに嵌合させる。
【0032】
ここで、シャッタ羽根7,8,9を作動させるための羽根駆動アクチュエータ4の構成について説明する。図8に示すように、羽根駆動アクチュエータ4は、ムービングマグネット型モータであって、この固定子は、略U字形で二つの端部を磁極部とするヨーク12と、筒状部の外側にコイル10を巻いたボビン11とからなっている。ボビン11は両端にコイル巻き端子部11a,11bを有しており、また、シャッタ地板1に形成されたボビン11を収容する収容部1oにボビン11を固定するために設けられた張り出し部11c,11dを有している。ヨーク12は、シャッタ地板1に形成されたヨーク位置決めピン1p,1qの間に収容される。
【0033】
一方、図7に示すように、絞り羽根5、絞り補助羽根6の長孔5c,6cに、カバー板2の長孔(不図示)を介して羽根駆動アクチュエータ3のマグネットローラ3bに連結された羽根駆動ピン部3aを貫通させる。そして、マグネットローラ3bをカバー板2上のマグネットローラ回転軸2gに嵌合させる。なお、羽根駆動アクチュエータ3の構成は、羽根駆動アクチュエータ4と同様である。ヨーク12はカバー板2に形成されたヨーク位置決めピン2h,2iの間に収容される。
【0034】
以上のように、シャッタ羽根を駆動する羽根駆動アクチュエータ4(シャッタ羽根駆動部)と絞り羽根を駆動する羽根駆動アクチュエータ3(絞り羽根駆動部)とを、光軸と直交する方向において少なくともその一部が重なる位置に配置することで、光軸方向の投影面積(地板外径方向)を小さくすることができる。
【0035】
次に、実施の形態1にかかる羽根駆動装置全体を固定するためのクリップについて説明する。図9は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置を固定するためのクリップの機能を説明するための図である。同図(a)は当該羽根駆動装置を被写体側から見た斜視図、同図(b)は当該羽根駆動装置を像側から見た斜視図である。また、図10は、羽根駆動装置をクリップで固定した状態を示す被写体側から見た正面図である。図11は、羽根駆動装置をクリップで固定した状態を示す像側から見た正面図である。
【0036】
クリップ14は、弾性(バネ性)を備えた非磁性金属材で、シャッタ地板1とカバー板2とが結合されて構成された羽根室に、羽根駆動アクチュエータ3,4が取り付けられた状態で挟み込めるようなコの字型に形成されている。また、クリップ14には、前記羽根室を固定するための嵌合孔14a,14b,14c,14d,14e,14fが形成されている。
【0037】
そして、図10に示すように、カバー板2のマグネットローラ回転軸2g、ヨーク位置決めピン2h,2iをそれぞれクリップ14に形成された嵌合孔14a,14b,14cに嵌合する。また、図11に示すように、シャッタ地板1のマグネットローラ回転軸1n、ヨーク位置決めピン1p,1qをそれぞれクリップ14に形成された嵌合孔14d,14e,14fに嵌合する。このとき、クリップ14はボビンの張り出し部11c,11dを挟み込んでシャッタ地板1、カバー板2へ固定する。この状態で、ボビン11のコイル巻き端子部11a,11bがクリップ14の両面から突出するようになる。
【0038】
次に、実施の形態1にかかる羽根駆動装置へのシャッタ駆動フレキシブル基板の装着について説明する。図12は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置へのシャッタ駆動フレキシブル基板の装着を説明するための図である。同図(a)は当該羽根駆動装置を被写体側から見た斜視図、同図(b)は当該羽根駆動装置を像側から見た斜視図である。また、図13は、羽根駆動装置にシャッタ駆動フレキシブル基板が装着された状態を示す被写体側から見た正面図である。図14は、羽根駆動装置にシャッタ駆動フレキシブル基板が装着された状態を示す像側から見た正面図である。
【0039】
図12〜図14に示すように、シャッタ駆動フレキシブル基板15の装着は、クリップ14の両面から突出している、ボビン11のコイル巻き端子凸部11a,11bに、シャッタ駆動フレキシブル基板15に形成された回路端子孔15a,15b,15c,15dを嵌合させた状態で、コイル巻き端子部11a,11bを半田付けする。
【0040】
以上説明したように、実施の形態1にかかる羽根駆動装置では、各フック部と各取り付け爪を嵌合させることでシャッタ地板1とカバー板2を結合することができる。このように、ネジ、リベットなどを用いずに羽根室の組み立てができるので、作業が容易で、必要な部品点数を削減することができる。また、羽根室の分解も容易にできる。さらに、羽根駆動アクチュエータ4のシャッタ地板1への取り付けおよび羽根駆動アクチュエータ3のカバー板2への取付けは、弾性を有する非磁性金属部材で形成されたクリップ14で、ボビン11の張り出し部11c、11dを挟み込むことにより行われる。
【0041】
このように、羽根駆動アクチュエータの羽根室への取り付けも、熱溶解や接着によらず、クリップ14のみで行えることから、取り付け作業の簡易化が図られる。電磁アクチュエータの取り外しも容易に行える。また、弾性のあるクリップ14で羽根室を固定していることから、落下などによる衝撃に対する強い耐久性がある。さらに、シャッタ駆動フレキシブル基板15の装置への装着も金属製のクリップ14を貫通して突出しているコイル巻き線端子と、シャッタ駆動フレキシブル基板15のコイル端子嵌合孔を合わせて半田付けを行うだけで済むので、作業が容易である。
【0042】
続いて、図2、図15〜図17を参照しながら、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明する。図15〜図17は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。なお、図2は初期状態、図15は図2の状態から絞り羽根5が挿入された状態、図16は図15の状態からシャッタ羽根が挿入された状態、図17は図2の状態からシャッタ羽根を閉じた状態を示す図である。
【0043】
図2に示すように、撮影をしていないとき(初期状態)には、絞り補助羽根6を被写体光路に挿入し、シャッタ羽根7,8,9はその開口部6aを全開にしている。このとき、羽根駆動アクチュエータ3,4は非通電状態となっているが、周知のアクチュエータ構成によって、マグネットローラ3bに時計方向への回転力が付与されることになり、絞り羽根5、絞り補助羽根6がストッパ1h,1gに当接させられる。これにより、絞り羽根5の開口部5aは光路から退避することになる。また、マグネットローラ4bにも時計方向への回転力が付与されることにより、シャッタ羽根7,8,9がストッパ1g,1h,1hにそれぞれ当接させられる。
【0044】
次に、撮影状態へ移行する(被写体光量を減じて撮影する)ときは、羽根駆動アクチュエータ3のマグネットローラ3bが反時計方向へ回転することにより、絞り羽根5は時計方向へ回転させられ、ストッパ2eに当接して止まる。同時に、絞り補助羽根6も反時計方向へ回転させられ、シャッタ羽根7に対して摺動し、ストッパ1fに当接して止まる。この状態が図15で、このとき被写体光路は小絞り径である開口部5aによって規制される。また、絞り補助羽根6が反時計方向へ回転することにより、絞り補助羽根6に形成された開口部6aも反時計方向へ移動する。このようにすることにより、絞り羽根5の開口部5aを絞り補助羽根6の開口部6aに進入させたときに、絞り補助羽根6が絞り羽根5とシャッタ地板1の開口部1a(およびカバー板2の開口部2a)の縁との間に形成される隙間20を覆って露出不良を防止している。
【0045】
すなわち、絞り羽根5を露光開口部に挿入して撮影する際に、絞り補助羽根6が僅かに回転して絞り開口以外の領域であって露光開口部によって塞がれない領域を覆うようにしている。なお、この状態で羽根駆動アクチュエータ3への通電が断たれても、周知のアクチュエータの構成によって、マグネットローラ3bには反時計方向への回転力が付与され続け、絞り羽根5、絞り補助羽根6はストッパ2e,1fに当接されたままの状態を保持する。
【0046】
このようにして、小絞り状態が得られると、次に、撮影開始の信号が与えられ、所定の撮影時間が経過すると、羽根駆動アクチュエータ4に通電され、マグネットローラ4bが反時計方向に回転させられる。これにより、シャッタ羽根7とシャッタ羽根8,9とが相反する方向へ回転するが、このとき、シャッタ羽根7は絞り補助羽根6に対して摺動することになる。そして、開口部5aを閉鎖した後、ストッパ2e,1gに当接して止まる。したがって、シャッタ羽根7は、作動開始から停止するまで、シャッタ羽根8に対してと同様に、常に絞り補助羽根6との間に好適な摺動関係が維持されるので、図27に示したような仕切り板13を設けずとも、作動上、絞り羽根5と干渉することがない。この状態を示したのが図16である(シャッタ閉鎖状態)。
【0047】
この後、シャッタ閉鎖状態からシャッタ復帰動作のため、羽根駆動アクチュエータ3,4に、上記とは逆方向へ通電される。そのため、シャッタ羽根7,8,9と絞り羽根5、絞り補助羽根6は、いずれも上記とは反対方向へ回転させられるが、このときもシャッタ羽根7と絞り補助羽根6とは干渉することはない。そして、シャッタ羽根7がストッパ1gに、シャッタ羽根8,9がストッパ1hに当接し、絞り羽根5がストッパ1hに、絞り補助羽根6がストッパ1gにそれぞれ当接して止まると、その直後に、羽根駆動アクチュエータ3,4への通電が断たれて図2の初期状態に復帰する。
【0048】
ところで、被写体光が明るく、上記のように開口部5a(小絞り径)を用いないで撮影する場合は、絞り補助羽根6の開口部6aを用いて撮影することになる。よって、この場合は、図2の初期状態において、羽根駆動アクチュエータ3には通電することなく撮影が開始される。そして、所定の撮影時間が経過すると、羽根駆動アクチュエータ4に通電され、マグネットローラ4bが反時計方向へ回転させられる。そのため、図16に基づき説明した場合と同様に、シャッタ羽根7とシャッタ羽根8,9は相反する方向へ回転させられ、図17に示した状態で止められる。この閉鎖状態で撮影が完了すると、羽根駆動アクチュエータ4が逆転させられ、図2の状態に復帰する。
【0049】
以上のように、実施の形態1によれば、絞り補助羽根6を、羽根室内に配置される絞り羽根5とシャッタ羽根7,8,9の収納領域を仕切る仕切板としての機能を持たせるとともに、露出開口径内に絞り羽根5を進入させたときに形成される絞り羽根5と開口部1aや開口部2aの縁との隙間を覆うように作動させるように構成したので、光軸方向の投影面積(地板の外径)を小さくすることができるとともに光軸方向の薄型化を実現できる。
【0050】
また、仕切り板13がない分、シャッタ地板1やカバー板2を薄くしなくても、被写体側の前群レンズ端Laを絞り羽根5に近付けることが可能となり、また、像面側の後群レンズ端Lbをシャッタ羽根9に近付けることが可能となり、光軸方向の薄型化が促進される(図4参照)。また、シャッタ羽根駆動部と絞り羽根駆動部とを、光軸と直交する方向において少なくともその一部が重なる位置に配置することで、光軸方向の投影面積(地板外径方向)を小さくすることができる。さらに、前記羽根室を固定するために弾性を有するクリップを用いているため、組み付けのための部品点数が削減でき、組み立て、分解が容易で、落下などの衝撃に強い耐久性を備えることができる。
【0051】
なお、この実施の形態1では、図27に示すような仕切り板13を配置していないが、この発明は仕切り板13の配置を妨げるものではない。すなわち、仕切り板13を設けても、仕切り板13に開口部を設ける必要がない分、仕切り板13はごく薄く小さいもので済む。結果として、カバー板2の被写体側面とシャッタ地板1の像面側面との間の寸法を小さくすることが可能となり、光軸方向の薄型化を促進することができる。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態1では、光軸方向の薄型化を促進するために仕切り板を配置しない構成の羽根駆動装置の例を示した。しかし、単に仕切り板をなくすと、シャッタ羽根と仕切り板に相当する絞り補助羽根は互いに面接触し、カメラの姿勢に応じて、絞り羽根、絞り補助羽根の荷重が直接シャッタ羽根に加わる場合がある。このため、カメラの姿勢差によってシャッタ羽根の走行速度のバラツキが生じやすくなり、露光ムラが生じるおそれがある。そこで、実施の形態2では、各羽根について他の羽根の作動を妨害することがないような処置を施した。このようにすることで、カメラ姿勢差による露光ムラを防止することができる。以下、実施の形態2にかかる羽根駆動装置を詳細に説明する。
【0053】
図18は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室を構成するシャッタ地板の内側面(被写体側面)を示す図である。図19は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を示す被写体側から見た斜視図である。シャッタ地板1には、羽根室基底面Aに対して高さが異なる、絞り補助羽根6の先端像側面6dの摺動面B、絞り羽根5の孔5b周囲の像側面5dの摺動面C、シャッタ羽根8の先端像側面8cの摺動面D、シャッタ羽根9の像面側面9cの摺動面E、絞り補助羽根6の長孔6c周囲の像側面6eの摺動面Fが設けられている。
【0054】
摺動面Eは、羽根室基底面Aに対してやや高く、シャッタ地板1の開口部1aの周囲およびその周囲から右側上方へ延びた方向へ形成されている。摺動面Dは、摺動面Eよりやや高く、摺動面Eの下方から緩やかに右側上方へ形成されている。摺動面Dに対してシャッタ羽根8の先端像側面8cが摺動することにより、シャッタ羽根9の作動を妨げないようになっている。摺動面Bは、摺動面Dよりやや高く、摺動面Dの下方に形成されている。
【0055】
摺動面Fは、摺動面Bと等位の高さで、羽根軸1iと長孔1eとの間に形成されている。摺動面Bおよび摺動面Fに対して絞り補助羽根6が摺動することにより、シャッタ羽根7の作動を妨げないようになっている。また、摺動面Cは、摺動面Fよりやや高く、羽根軸1iの左側に形成されている。摺動面Cに対して絞り羽根5の孔5b周囲の像側面5dが摺動することにより、絞り羽根5が絞り補助羽根6の作動を妨げることがないようになっている。
【0056】
図20は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室を構成するカバー板の内側面(像側面)を示す図である。図21は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を示す像側から見た斜視図である。カバー板2には、羽根室基底面Gに対して高さが異なる、絞り補助羽根6の先端被写体側面6fの摺動面H、シャッタ羽根7の長孔7b周囲の被写体側面7cの摺動面I、シャッタ羽根8の孔8a周囲の被写体側面8dの摺動面J、シャッタ羽根9の孔9a周囲の被写体側面9dの摺動面K、シャッタ羽根7の先端被写体側面7dの摺動面L、シャッタ羽根7の被写体側面7eの摺動面Pが設けられている。
【0057】
摺動面Hは、羽根室基底面Gよりもやや高く、摺動面Hに対して絞り補助羽根6の先端被写体側面6fが摺動することにより絞り羽根5の作動を妨げないような位置に形成されている。摺動面Iは、摺動面Hよりもやや高く、シャッタ羽根7の長孔7b周囲の被写体側面7cが摺動面Iに対して摺動することにより、絞り補助羽根6やシャッタ羽根8の作動を妨げないような位置に形成されている。摺動面Lも摺動面Iと同位の高さに形成されており、シャッタ羽根7の先端被写体側面7dが摺動面Lに対して摺動することにより、絞り補助羽根6やシャッタ羽根8の作動を妨げないようになっている。
【0058】
さらに、摺動面Pも摺動面Iや摺動面Lと同位の高さに形成されている。特に、この摺動面Pは、絞り補助羽根6の長孔6gを貫くように形成されている。そして、シャッタ羽根7の被写体側面7eが摺動面Pに対して摺動することにより、絞り補助羽根6やシャッタ羽根8の作動を妨げないようになっている。摺動面Jは、摺動面Iよりもやや高く、シャッタ羽根8の孔8a周囲の被写体側面8dが摺動面Jに対して摺動することにより、シャッタ羽根7やシャッタ羽根9の作動を妨げないような位置に形成されている。摺動面Kは、摺動面Jよりもやや高く、シャッタ羽根9の孔9a周囲の被写体側面9dが摺動面Kに対して摺動することにより、シャッタ羽根8の作動を妨げないような位置に形成されている。
【0059】
実施の形態2にかかる羽根駆動装置において、上記以外の構成は実施の形態1の羽根駆動装置と同様である。以下、図22〜図25を参照しながら、この実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明する。
【0060】
図22〜図25は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。なお、図22は初期状態、図23は図22の状態から絞り羽根5が挿入された状態、図24は図23の状態からシャッタ羽根が挿入された状態、図25は図22の状態からシャッタ羽根を閉じた状態を示す図である。
【0061】
図22に示すように、撮影をしていないとき(初期状態)には、絞り補助羽根6を被写体光路に挿入し、シャッタ羽根7,8,9はその開口部6aを全開にしている。このとき、羽根駆動アクチュエータ3,4は非通電状態となっているが、周知のアクチュエータ構成によって、マグネットローラ3bに時計方向への回転力が付与されることになり、絞り羽根5、絞り補助羽根6がストッパ1h,1gに当接させられる。これにより、絞り羽根5の開口部5aは光路から退避することになる。また、マグネットローラ4bにも時計方向への回転力が付与されることにより、シャッタ羽根7,8,9がストッパ1g,1h,1hにそれぞれ当接させられる。
【0062】
次に、撮影状態へ移行する(被写体光量を減じて撮影する)ときは、羽根駆動アクチュエータ3のマグネットローラ3bが反時計方向へ回転することにより、絞り羽根5は時計方向へ回転させられ、ストッパ2eに当接して止まる。同時に、絞り補助羽根6も反時計方向へ回転させられ、シャッタ羽根7に対して摺動し、ストッパ1fに当接して止まる。この状態が図23で、このとき被写体光路は小口径の開口部5aによって規制される。また、絞り補助羽根6が反時計方向へ回転することにより、絞り補助羽根6に形成された開口部6aも反時計方向へ移動する。
【0063】
このようにすることにより、絞り羽根5の開口部5aを絞り補助羽根6の開口部6aに進入させたときに、絞り補助羽根6によって絞り羽根5とシャッタ地板1の開口部1a(およびカバー板2の開口部2a)の縁との間に形成される隙間20を覆って露出不良を防止している。すなわち、絞り羽根5を露光開口部に挿入して撮影する際に、絞り補助羽根6が僅かに回転して絞り開口以外の領域であって露光開口部によって塞がれない領域を覆うようにしている。なお、この状態で羽根駆動アクチュエータ3への通電が断たれても、周知のアクチュエータの構成によって、マグネットローラ3bには反時計方向への回転力が付与され続け、絞り羽根5、絞り補助羽根6はストッパ2e,1fに当接されたままの状態を保持する。
【0064】
このとき、絞り羽根5の被写体側面がカバー板2の羽根室基底面Gに対して摺動し、像側面が絞り補助羽根6に対して摺動する。また、絞り羽根5は、孔5b周囲の像側面5dが羽根軸1iの近傍の摺動面Cに対して摺動することによって、像側へのスラスト位置範囲を規制される。また、絞り補助羽根6は、先端被写体側面6fが摺動面Hに対して摺動し、先端像側面6dが摺動面Bに対して摺動し、長孔6c周囲の像側面6eが摺動面Fに対して摺動することによって、光軸方向のスラスト位置範囲が規制される。
【0065】
このようにして、小絞り状態が得られると、次に、撮影開始の信号が与えられ、所定の撮影時間が経過すると、羽根駆動アクチュエータ4に通電され、マグネットローラ4bが反時計方向に回転させられる。これにより、シャッタ羽根7とシャッタ羽根8,9とが相反する方向へ回転し、開口部5aを閉鎖した後、ストッパ2e,1gに当接して止まる。この状態を示したのが図24である(シャッタ閉鎖状態)。
【0066】
このとき、シャッタ羽根7は、絞り補助羽根6に対して摺動することになる。同時に、被写体側面7eが絞り補助羽根6の長孔6gを貫くように形成された摺動面Pに対して摺動し、先端被写体側面7dが摺動面Lに対して摺動し、長孔7b周囲の被写体側面7cが摺動面Iに沿って摺動することにより、シャッタ羽根7の被写体側へのスラスト位置範囲が規制される。したがって、シャッタ羽根7は、作動開始から停止するまで、シャッタ羽根8に対してと同様に、常に絞り補助羽根6との間に好適な摺動関係が維持されるので、図27に示したような仕切り板13を設けずとも、作動上、絞り補助羽根6と干渉することはない。
【0067】
また、シャッタ羽根8は、その被写体側面をシャッタ羽根7に対して摺動することになるが、羽根軸1k周辺部の孔8a周囲部8dが摺動面Jに対して摺動することにより、被写体側へのスラスト位置範囲が規制される。さらに、シャッタ羽根8は、その像面側の面をシャッタ羽根9に対して摺動することになるが、先端像側面8cがシャッタ地板1に形成された摺動面Dに対しても摺動することにより、先端像側面8cのスラスト位置範囲が規制される。
【0068】
シャッタ羽根9は、像側面9cがシャッタ地板1に形成された摺動面Eに対して摺動することになるが、像側面9cと摺動面Eとの接触面積は小さいため、シャッタ羽根9作動時の摺動抵抗は低く問題はない。また、シャッタ羽根9の被写体側面がシャッタ羽根8に対して摺動することになるが、羽根軸1iの周辺部に位置する孔9a周囲の被写体側面9dがカバー板2に形成された摺動面Kに対して摺動することにより、シャッタ羽根9の被写体側へのスラスト位置範囲が規制される。
【0069】
この後、シャッタ閉鎖状態からシャッタ復帰動作のため、羽根駆動アクチュエータ3,4に、上記とは逆方向へ通電される。そのため、シャッタ羽根7,8,9と絞り羽根5、絞り補助羽根6は、いずれも上記とは反対方向へ回転させられるが、このときもシャッタ羽根7と絞り補助羽根6とは干渉することはない。そして、シャッタ羽根7がストッパ1gに、シャッタ羽根8,9がストッパ1hに当接し、絞り羽根5がストッパ1hに、絞り補助羽根6がストッパ1gにそれぞれ当接して止まると、その直後に、羽根駆動アクチュエータ3,4への通電が断たれて図22の初期状態に復帰する。
【0070】
ところで、被写体光が明るく、上記のように開口部5a(小絞り径)を用いないで撮影する場合は、絞り補助羽根6の開口部6aを用いて撮影することになる。よって、この場合は、図22の初期状態において、羽根駆動アクチュエータ3には通電することなく撮影が開始される。そして、所定の撮影時間が経過すると、羽根駆動アクチュエータ4に通電され、マグネットローラ4bが反時計方向へ回転させられる。そのため、図24に基づき説明した場合と同様に、シャッタ羽根7とシャッタ羽根8,9は相反する方向へ回転させられ、図25に示した状態で止められる。この閉鎖状態で撮影が完了すると、羽根駆動アクチュエータ4が逆転させられ、図22の状態に復帰する。このときの一連の各羽根の作動は、上記と同様に好適な状態で行われる。
【0071】
以上説明したように、実施の形態2にかかる羽根駆動装置では、羽根室の内側に羽根室の基底面に対して突起した各羽根専用の摺動面が複数形成され、それら摺動面に当接しながら前記各羽根が摺動することで、羽根同士の過度な密着を防止する。このため、カメラの姿勢差によって、各羽根が積み重なるような状態でも、特定の羽根の重量が直接他の羽根に加わって他の羽根の作動が妨げられるようなことはない。したがって、カメラの姿勢差によるシャッタ羽根の作動時間のバラつきをなくすことができ、露出ムラを防止することができる。また、高湿度の環境下で、結露による羽根同士の過度な密着、作動停止や作動時間のバラつきといった不具合を防止することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のように、この発明にかかる羽根駆動装置は、デジタルカメラに有用であり、特に、小型携帯機器に内蔵されるデジタルカメラに適している。
【符号の説明】
【0073】
1 シャッタ地板
2 カバー板
3,4 羽根駆動アクチュエータ
5 絞り羽根
6 絞り補助羽根
7,8,9 シャッタ羽根
10 コイル
11 ボビン
12 ヨーク
13 仕切り板
14 クリップ
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルカメラ、特に小型携帯機器に内蔵されるデジタルカメラに最適な小型の羽根駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレンズシャッタの絞り機構は、露光用開口部よりも小さな開口、即ち小絞り径で撮影する時には、その小絞り部材が小絞り開口径を除き、露光用開口部を完全に塞ぐようにしているため、その小絞り部材は少なくとも露光用開口部より大きな外形となる。このため、小絞り径で撮影しない場合には、小絞り部材を露光用開口部から退避させ、露光用開口部の側方から外形端縁の間に収容しておく必要があるので、その収容面積は、小絞り径が形成された小絞り部材の大きさによって制約を受け、どうしても径方向の寸法を小さくすることができない。
【0003】
また薄型化の要求として、レンズ長を短縮するために撮影レンズ群中のレンズシャッタユニットにおいて、シャッタより被写体側の前群レンズ端と絞り部材との距離、およびシャッタより像面側の後群レンズ端とシャッタ部材との距離を近づけるように配置される。このため、前群レンズ端と絞り羽根との間隔、後群レンズ端とシャッタ羽根の間隔が狭くなるので、前群レンズ側に対向するカバー板と、後群レンズ側に対向するシャッタ地板の露光開口部径を大きくし、レンズ端部を逃げるようにして、露光開口部周りの厚さを薄くする手法がとられている。そして光学開口径が、絞り部材とシャッタ部材とを分ける仕切り板に設けられている。
【0004】
近年、デジタルカメラの一層の小型化が求められ、デジタルカメラに搭載されるレンズシャッタも必然的に小型化、薄型化が強く要求されている。特に、携帯電話機に搭載されるデジタルカメラに至っては、さらなる小型化、薄型化の要求が強く、レンズの光軸方向の投影面積をできるだけ小さくすることが求められている。このため従来のレンズシャッタのような光軸中心の円形状ではなく、光軸非対称の異形状のレンズシャッタとならざるを得ない状況にある。
【0005】
図26は、携帯機器に内蔵される従来の一般的な羽根駆動装置の構造を説明するための図である。図27は、携帯機器に内蔵される従来の一般的な羽根駆動装置の構造を示す部分断面図である。この羽根駆動装置は、シャッタ地板1とカバー板2との間に、シャッタ機能を実現するシャッタ羽根7,8,9と、光量制御機能を実現する絞り羽根5、絞り補助羽根6を備えている。シャッタ羽根7,8,9と絞り羽根5、絞り補助羽根6は、仕切り板13により仕切られている。すなわち、従来の羽根駆動装置は、二つの地板の間に羽根室を形成して、その羽根室内にシャッタ羽根と絞り羽根を配置するとともに、絞り羽根とシャッタ羽根との間に仕切板を配置して、互いの羽根の作動時に互いの羽根が干渉しないように構成しているものが一般的である(たとえば、特許文献1,2を参照。)。
【0006】
ところで、昨今、携帯機器のさらなる小型化が要求されている。このため、携帯機器に内蔵されるデジタルカメラにおいても、光軸方向の投影面積(地板外径)の小径化や薄型化といった小型化の要求がより強くなり、羽根駆動装置も同様に小型化の必要性がより増大してきた。そこで、各羽根の大きさ(作動方向の幅)を小さくして、開口部から退避したときの羽根の収容面積が小さくなるようにして絞り径方向の小型化を図るとともに、絞り羽根とシャッタ羽根との間に配置されている仕切り板を排除することで光軸方向の薄型化を促進した技術がある(たとえば、特許文献3,4を参照。)。
【0007】
また、従来の羽根駆動装置における羽根駆動アクチュエータを固定する手法は、ボビンにヨークを組み付けた後に、さらに別個に形成された押さえ板を用いて全体をネジで固定するため、組み付け作業が煩雑であり、部品点数も多いため、部品管理コスト増、製造コスト増といった問題があった。そこで、かかる問題を解決するため、組み付けのための部品点数を削減したり、組み付け作業の簡易化を図ったりして、部品管理コストや、製造コストなどを削減した技術も提案されている(たとえば、特許文献5〜8を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3954349号公報
【特許文献2】実用新案登録第2521238号公報
【特許文献3】特開2002−14387号公報
【特許文献4】特開2002−139765号公報
【特許文献5】特許第4163904号公報
【特許文献6】特開2009−53433号公報
【特許文献7】特開2006−33914号公報
【特許文献8】特開2008−139405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献3,4に記載の技術では、光軸方向の薄型化を阻む大きな要因となっていた仕切り板を排除することには成功している。しかし、露出開口径内に小絞り径を有する絞り羽根を進入させたときに、絞り羽根と露出開口の縁との間に隙間が形成されてしまうという問題を、当該隙間を覆うことだけを目的とした新たな部材を追加することにより回避したため、新たな部材を追加した分だけ光軸方向の厚みが増すという問題が発生する。
【0010】
また、上記特許文献5〜8に記載の技術では、いくつかの部品を一体化することで部品点数の削減を図ったり、熱溶解や接着によりボビン、ヨークなどを羽根駆動装置に固定したりすることで組み付け作業の簡易化を図ったりして、部品管理コストや、製造コストなどを削減している。しかしながら、かかる従来技術は、携帯電話などに搭載されるデジタルカメラに用いられる、極めて小型の羽根駆動装置には、固定用のネジを入れるスペースや大きさがないなどの理由により不向きである。また、熱溶解や接着による取り付けは、装置の厚みを薄くしたり、落下衝撃などの耐久力を備えたりするには好都合であるが、修理などで装置を分解、再組することができなくなるという不都合がある。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、補助部材に複数の機能をもたせることにより、外径方向の小型化はもとより、光軸方向の薄型化を図ることができる羽根駆動装置を提供することを目的とする。また、組み付けのための部品点数を削減し、組み立て、分解が容易で、落下などの衝撃に強い耐久性を備えた羽根駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる羽根駆動装置は、夫々の開口部を重ねるようにして両者間に羽根室を構成する二つの地板と、前記羽根室内に作動可能に配置され小絞り口径を規制する絞り開口を有する絞り羽根と、前記羽根室内に配置されたシャッタ羽根と、前記羽根室内において前記絞り羽根と前記シャッタ羽根との間に配置され、前記絞り開口よりも口径が大きく前記開口部と重なる位置に配置される露出開口を有する補助部材と、前記絞り開口を前記露出開口に対して進退するように前記絞り羽根を駆動する絞り羽根駆動手段と、前記シャッタ羽根が前記露出開口を開閉作動するように、前記シャッタ羽根を駆動するシャッタ羽根駆動手段と、を備え、前記補助部材は、前記絞り羽根駆動手段による前記絞り羽根の駆動に応じて作動可能に設けられており、前記絞り羽根駆動手段は、前記絞り羽根の絞り開口を前記露出開口に進入させたときに、前記補助部材によって前記絞り羽根と前記開口部の縁との間に形成される隙間を覆うように前記補助部材を作動させることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる羽根駆動装置は、前記絞り羽根駆動手段が前記羽根室の外側の前記地板の一方に取り付けられ、また、前記シャッタ羽根駆動手段が前記羽根室の外側の前記地板の他方に取り付けられており、前記絞り羽根駆動手段と前記シャッタ羽根駆動手段とは、光軸と直交する方向において少なくともその一部が重なる位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる羽根駆動装置は、前記羽根室が、外側に取り付けられた前記絞り羽根駆動手段および前記シャッタ羽根駆動手段とともに、弾性を備えた非磁性金属材で形成されたコの字形状のクリップで固定されることを特徴とする。
【0015】
さらに、この発明にかかる羽根駆動装置は、前記羽根室の内側に、前記地板の基底面に対して突起した摺動面が形成されており、前記絞り羽根、前記補助部材、前記シャッタ羽根の一部の面が前記摺動面に当接しながら摺動することにより、当該部材のスラスト方向が規制されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明にかかる羽根駆動装置によれば、補助部材を、羽根室内に配置される絞り羽根とシャッタ羽根の収納領域を仕切る仕切板としての機能を持たせるとともに、露出開口径内に絞り羽根を進入させたときに形成される絞り羽根と露出開口の縁との隙間を覆うように作動させるように構成したので、光軸方向の投影面積(地板の外径)を小さくすることができるとともに光軸方向の薄型化を実現できるという効果を奏する。また、前記羽根室を固定するために弾性を有するクリップを用いているため、組み付けのための部品点数が削減でき、組み立て、分解が容易で、落下などの衝撃に強い耐久性を備えることができるという効果を奏する。さらに、前記羽根室の内側に、各羽根の摺動面を形成し、前記各羽根を前記摺動面に当接させて摺動することにより、カメラの姿勢差によるシャッタ羽根の作動時間のバラつきをなくすことができ、露出ムラを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を説明するための被写体側から見た正面図である。
【図2】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を説明するための被写体側から見た正面図である。
【図3】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を説明するための被写体側から見た正面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う部分断面図である。
【図5】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の組み立て工程を説明するための図である。
【図6】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の組み立て工程を説明するための図である。
【図7】カバー板に羽根駆動アクチュエータを取り付けた状態を示す被写体側から見た正面図である。
【図8】シャッタ地板に羽根駆動アクチュエータを取り付けた状態を示す像側から見た正面図である。
【図9】実施の形態1にかかる羽根駆動装置を固定するためのクリップの機能を説明するための図である。
【図10】実施の形態1にかかる羽根駆動装置をクリップで固定した状態を示す被写体側から見た正面図である。
【図11】実施の形態1にかかる羽根駆動装置をクリップで固定した状態を示す像側から見た正面図である。
【図12】実施の形態1にかかる羽根駆動装置へのシャッタ駆動フレキシブル基板の装着を説明するための図である。
【図13】実施の形態1にかかる羽根駆動装置にシャッタ駆動フレキシブル基板が装着された状態を示す被写体側から見た正面図である。
【図14】実施の形態1にかかる羽根駆動装置にシャッタ駆動フレキシブル基板が装着された状態を示す像側から見た正面図である。
【図15】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図16】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図17】実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図18】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室を構成するシャッタ地板の内側面(被写体側面)を示す図である。
【図19】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を示す被写体側から見た斜視図である。
【図20】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室を構成するカバー板の内側面(像側面)を示す図である。
【図21】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を示す像側から見た斜視図である。
【図22】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図23】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図24】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図25】実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。
【図26】携帯機器に内蔵される従来の一般的な羽根駆動装置の構造を説明するための図である。
【図27】携帯機器に内蔵される従来の一般的な羽根駆動装置の構造を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、この発明にかかる羽根駆動装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施の形態は、絞り機構とシャッタ機構とをユニット化したものであって、携帯電話機などの小型携帯機器に内蔵されるデジタルカメラに用いる。
【0019】
(実施の形態1)
図1〜図3は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を説明するための被写体側から見た正面図である。
【0020】
図1に示すように、シャッタ地板(第1の地板)1の中央部よりやや下方に、レンズ(不図示)が配置されるべき円形の開口部1aが形成されている。また、シャッタ地板1の下部中央、上部の左右端部に、それぞれフック部1b,1c,1dが設けられている。フック部1b,1c,1dは、後述するカバー板(第2の地板)2をシャッタ地板1に固定するために用いる。また、シャッタ地板1の上方部には、後述する羽根駆動ピン3a,4aが挿入される長孔1e,1mが形成されている。
【0021】
シャッタ地板1の周辺部には、ストッパ1f,1g,1hが設けられている。ストッパ1f,1g,1hは、後述する各羽根のストッパとなるとともに、カバー板2をシャッタ地板1に取り付けた際に、カバー板2とシャッタ地板1との間隔を形成するためのスペーサとしての機能も有する。シャッタ地板1の上部には、後述する各羽根を軸着するための羽根軸1i,1j,1k,1lが設けられている。なお、羽根軸1i,1j,1k,1lは、各羽根が駆動しても、当該羽根同士が光軸方向の投影面上では干渉しないような位置で、可能な限り互いに近接する位置に配置される。
【0022】
まず、シャッタ地板1の羽根軸1lにシャッタ羽根9の孔9aが軸着される。これにより、シャッタ羽根9は、羽根軸1lを中心として回動可能になる。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1kにシャッタ羽根8の孔8aが軸着される。これにより、シャッタ羽根8は、羽根軸1kを中心として回動可能になる。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1jにシャッタ羽根7の孔7aが軸着される。これにより、シャッタ羽根7は、羽根軸1jを中心として回動可能になる。そして、シャッタ羽根7,8,9は重なった状態でそれぞれの長孔7b,8b,9bにシャッタ地板1の長孔1mを貫通した羽根駆動アクチュエータ4の羽根駆動ピン4aが挿入される。羽根駆動アクチュエータ4の羽根駆動ピン4aが駆動することで、シャッタ羽根7,8,9が互いに摺動する。
【0023】
次に、図2に示すように、シャッタ羽根7の上から、シャッタ地板1の羽根軸1jに絞り補助羽根6の孔6bが軸着される。これにより、絞り補助羽根6は、羽根軸1jを中心として回動可能になる。その上から、シャッタ地板1の羽根軸1iに絞り羽根5の孔5bが軸着される。これにより、絞り羽根5は、羽根軸1iを中心として回動可能になる。
【0024】
そして、絞り羽根5と絞り補助羽根6は重なった状態でそれぞれの長孔5c,6cに後述するカバー板2の長孔(不図示)を貫通した羽根駆動アクチュエータ3の羽根駆動ピン3aが挿入される。羽根駆動アクチュエータ3の羽根駆動ピン3aが駆動することで、絞り羽根5と絞り補助羽根6は互いに摺動する。なお、絞り補助羽根6には、シャッタ地板1の開口部1aより若干小さい口径の開口部6aが形成されている。この開口部6aが光学開口径となる。また、絞り羽根5には、開口部6aより小さい口径の開口部5aが形成されている。この開口部5aが小絞り開口となる。
【0025】
続いて、図3に示すように、図2に示した状態の上から、カバー板2が取り付けられる。カバー板2の中央部よりやや下方に、絞り補助羽根6の開口部6aより若干大きく、シャッタ地板1の開口部1aと同等の大きさの開口部2aが形成されている。この開口部2aは、カバー板2をシャッタ地板1に取り付けた際に、シャッタ地板1の開口部1aと正確に重なり合う位置にある。また、開口部2aの周辺部にはシャッタ突き当て基準部2dが形成されている。さらに、カバー板2の上部両端部には、取り付け爪部2b,2cが形成されている。
【0026】
また、カバー板2の裏面には、ストッパ2eが形成されている。このストッパ2eは、前記各羽根のストッパとなるとともに、カバー板2をシャッタ地板1に取り付けた際に、カバー板2とシャッタ地板1との間隔を形成するためのスペーサとしての機能も有する。また、カバー板2の上方部には、外側にコイル10を巻回したボビン11を収容する収容部2fが形成されている。
【0027】
図4は、図3のA−A線に沿う部分断面図である。図4に示すように、実施の形態1にかかる羽根駆動装置では、シャッタ羽根7,8,9(シャッタ部材)の作動領域(シャッタ羽根室)と絞り羽根5(絞り部材)の作動領域(絞り羽根室)とを分ける仕切り板を設けていない。したがって、従来の羽根駆動装置(図27参照)と比較し、格段に光軸方向の薄型化が促進されていることがわかる。
【0028】
次に、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の組み立て方法を説明する。図5および図6は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の組み立て工程を説明するための図である。なお、図5は実施の形態1にかかる羽根駆動装置を被写体側から見た斜視図、図6は同装置を像側から見た斜視図である。また、図7は、カバー板に羽根駆動アクチュエータを取り付けた状態を示す被写体側から見た正面図である。また、図8は、シャッタ地板に羽根駆動アクチュエータを取り付けた状態を示す像側から見た正面図である。
【0029】
まず、シャッタ羽根7,8,9と、絞り羽根5、絞り補助羽根6を、シャッタ地板1上にある各羽根軸に軸着させた状態で、シャッタ地板1に組み込む。すなわち、シャッタ地板1の羽根軸1lにシャッタ羽根9の孔9aを軸着する。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1kにシャッタ羽根8の孔8aを軸着する。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1jにシャッタ羽根7の孔7aを軸着する。
【0030】
さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1jに絞り補助羽根6の孔6bを軸着する。さらに、その上から、シャッタ地板1の羽根軸1iに絞り羽根5の孔5bを軸着する。この状態からシャッタ地板1のフック部1b,1c,1dと、カバー板2のストッパ2e、取付け爪部2f,2b,2cの位置を合わせて、シャッタ地板1とカバー板2とを噛み合わせ結合する。
【0031】
次に、その状態から、シャッタ羽根7,8,9の長孔部7b,8b,9bに、シャッタ地板1の長孔1mを介して羽根駆動アクチュエータ4のマグネットローラ4bに連結された羽根駆動ピン部4aを貫通させる。そして、マグネットローラ4bをシャッタ地板1上のマグネットローラ回転軸1nに嵌合させる。
【0032】
ここで、シャッタ羽根7,8,9を作動させるための羽根駆動アクチュエータ4の構成について説明する。図8に示すように、羽根駆動アクチュエータ4は、ムービングマグネット型モータであって、この固定子は、略U字形で二つの端部を磁極部とするヨーク12と、筒状部の外側にコイル10を巻いたボビン11とからなっている。ボビン11は両端にコイル巻き端子部11a,11bを有しており、また、シャッタ地板1に形成されたボビン11を収容する収容部1oにボビン11を固定するために設けられた張り出し部11c,11dを有している。ヨーク12は、シャッタ地板1に形成されたヨーク位置決めピン1p,1qの間に収容される。
【0033】
一方、図7に示すように、絞り羽根5、絞り補助羽根6の長孔5c,6cに、カバー板2の長孔(不図示)を介して羽根駆動アクチュエータ3のマグネットローラ3bに連結された羽根駆動ピン部3aを貫通させる。そして、マグネットローラ3bをカバー板2上のマグネットローラ回転軸2gに嵌合させる。なお、羽根駆動アクチュエータ3の構成は、羽根駆動アクチュエータ4と同様である。ヨーク12はカバー板2に形成されたヨーク位置決めピン2h,2iの間に収容される。
【0034】
以上のように、シャッタ羽根を駆動する羽根駆動アクチュエータ4(シャッタ羽根駆動部)と絞り羽根を駆動する羽根駆動アクチュエータ3(絞り羽根駆動部)とを、光軸と直交する方向において少なくともその一部が重なる位置に配置することで、光軸方向の投影面積(地板外径方向)を小さくすることができる。
【0035】
次に、実施の形態1にかかる羽根駆動装置全体を固定するためのクリップについて説明する。図9は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置を固定するためのクリップの機能を説明するための図である。同図(a)は当該羽根駆動装置を被写体側から見た斜視図、同図(b)は当該羽根駆動装置を像側から見た斜視図である。また、図10は、羽根駆動装置をクリップで固定した状態を示す被写体側から見た正面図である。図11は、羽根駆動装置をクリップで固定した状態を示す像側から見た正面図である。
【0036】
クリップ14は、弾性(バネ性)を備えた非磁性金属材で、シャッタ地板1とカバー板2とが結合されて構成された羽根室に、羽根駆動アクチュエータ3,4が取り付けられた状態で挟み込めるようなコの字型に形成されている。また、クリップ14には、前記羽根室を固定するための嵌合孔14a,14b,14c,14d,14e,14fが形成されている。
【0037】
そして、図10に示すように、カバー板2のマグネットローラ回転軸2g、ヨーク位置決めピン2h,2iをそれぞれクリップ14に形成された嵌合孔14a,14b,14cに嵌合する。また、図11に示すように、シャッタ地板1のマグネットローラ回転軸1n、ヨーク位置決めピン1p,1qをそれぞれクリップ14に形成された嵌合孔14d,14e,14fに嵌合する。このとき、クリップ14はボビンの張り出し部11c,11dを挟み込んでシャッタ地板1、カバー板2へ固定する。この状態で、ボビン11のコイル巻き端子部11a,11bがクリップ14の両面から突出するようになる。
【0038】
次に、実施の形態1にかかる羽根駆動装置へのシャッタ駆動フレキシブル基板の装着について説明する。図12は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置へのシャッタ駆動フレキシブル基板の装着を説明するための図である。同図(a)は当該羽根駆動装置を被写体側から見た斜視図、同図(b)は当該羽根駆動装置を像側から見た斜視図である。また、図13は、羽根駆動装置にシャッタ駆動フレキシブル基板が装着された状態を示す被写体側から見た正面図である。図14は、羽根駆動装置にシャッタ駆動フレキシブル基板が装着された状態を示す像側から見た正面図である。
【0039】
図12〜図14に示すように、シャッタ駆動フレキシブル基板15の装着は、クリップ14の両面から突出している、ボビン11のコイル巻き端子凸部11a,11bに、シャッタ駆動フレキシブル基板15に形成された回路端子孔15a,15b,15c,15dを嵌合させた状態で、コイル巻き端子部11a,11bを半田付けする。
【0040】
以上説明したように、実施の形態1にかかる羽根駆動装置では、各フック部と各取り付け爪を嵌合させることでシャッタ地板1とカバー板2を結合することができる。このように、ネジ、リベットなどを用いずに羽根室の組み立てができるので、作業が容易で、必要な部品点数を削減することができる。また、羽根室の分解も容易にできる。さらに、羽根駆動アクチュエータ4のシャッタ地板1への取り付けおよび羽根駆動アクチュエータ3のカバー板2への取付けは、弾性を有する非磁性金属部材で形成されたクリップ14で、ボビン11の張り出し部11c、11dを挟み込むことにより行われる。
【0041】
このように、羽根駆動アクチュエータの羽根室への取り付けも、熱溶解や接着によらず、クリップ14のみで行えることから、取り付け作業の簡易化が図られる。電磁アクチュエータの取り外しも容易に行える。また、弾性のあるクリップ14で羽根室を固定していることから、落下などによる衝撃に対する強い耐久性がある。さらに、シャッタ駆動フレキシブル基板15の装置への装着も金属製のクリップ14を貫通して突出しているコイル巻き線端子と、シャッタ駆動フレキシブル基板15のコイル端子嵌合孔を合わせて半田付けを行うだけで済むので、作業が容易である。
【0042】
続いて、図2、図15〜図17を参照しながら、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明する。図15〜図17は、実施の形態1にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。なお、図2は初期状態、図15は図2の状態から絞り羽根5が挿入された状態、図16は図15の状態からシャッタ羽根が挿入された状態、図17は図2の状態からシャッタ羽根を閉じた状態を示す図である。
【0043】
図2に示すように、撮影をしていないとき(初期状態)には、絞り補助羽根6を被写体光路に挿入し、シャッタ羽根7,8,9はその開口部6aを全開にしている。このとき、羽根駆動アクチュエータ3,4は非通電状態となっているが、周知のアクチュエータ構成によって、マグネットローラ3bに時計方向への回転力が付与されることになり、絞り羽根5、絞り補助羽根6がストッパ1h,1gに当接させられる。これにより、絞り羽根5の開口部5aは光路から退避することになる。また、マグネットローラ4bにも時計方向への回転力が付与されることにより、シャッタ羽根7,8,9がストッパ1g,1h,1hにそれぞれ当接させられる。
【0044】
次に、撮影状態へ移行する(被写体光量を減じて撮影する)ときは、羽根駆動アクチュエータ3のマグネットローラ3bが反時計方向へ回転することにより、絞り羽根5は時計方向へ回転させられ、ストッパ2eに当接して止まる。同時に、絞り補助羽根6も反時計方向へ回転させられ、シャッタ羽根7に対して摺動し、ストッパ1fに当接して止まる。この状態が図15で、このとき被写体光路は小絞り径である開口部5aによって規制される。また、絞り補助羽根6が反時計方向へ回転することにより、絞り補助羽根6に形成された開口部6aも反時計方向へ移動する。このようにすることにより、絞り羽根5の開口部5aを絞り補助羽根6の開口部6aに進入させたときに、絞り補助羽根6が絞り羽根5とシャッタ地板1の開口部1a(およびカバー板2の開口部2a)の縁との間に形成される隙間20を覆って露出不良を防止している。
【0045】
すなわち、絞り羽根5を露光開口部に挿入して撮影する際に、絞り補助羽根6が僅かに回転して絞り開口以外の領域であって露光開口部によって塞がれない領域を覆うようにしている。なお、この状態で羽根駆動アクチュエータ3への通電が断たれても、周知のアクチュエータの構成によって、マグネットローラ3bには反時計方向への回転力が付与され続け、絞り羽根5、絞り補助羽根6はストッパ2e,1fに当接されたままの状態を保持する。
【0046】
このようにして、小絞り状態が得られると、次に、撮影開始の信号が与えられ、所定の撮影時間が経過すると、羽根駆動アクチュエータ4に通電され、マグネットローラ4bが反時計方向に回転させられる。これにより、シャッタ羽根7とシャッタ羽根8,9とが相反する方向へ回転するが、このとき、シャッタ羽根7は絞り補助羽根6に対して摺動することになる。そして、開口部5aを閉鎖した後、ストッパ2e,1gに当接して止まる。したがって、シャッタ羽根7は、作動開始から停止するまで、シャッタ羽根8に対してと同様に、常に絞り補助羽根6との間に好適な摺動関係が維持されるので、図27に示したような仕切り板13を設けずとも、作動上、絞り羽根5と干渉することがない。この状態を示したのが図16である(シャッタ閉鎖状態)。
【0047】
この後、シャッタ閉鎖状態からシャッタ復帰動作のため、羽根駆動アクチュエータ3,4に、上記とは逆方向へ通電される。そのため、シャッタ羽根7,8,9と絞り羽根5、絞り補助羽根6は、いずれも上記とは反対方向へ回転させられるが、このときもシャッタ羽根7と絞り補助羽根6とは干渉することはない。そして、シャッタ羽根7がストッパ1gに、シャッタ羽根8,9がストッパ1hに当接し、絞り羽根5がストッパ1hに、絞り補助羽根6がストッパ1gにそれぞれ当接して止まると、その直後に、羽根駆動アクチュエータ3,4への通電が断たれて図2の初期状態に復帰する。
【0048】
ところで、被写体光が明るく、上記のように開口部5a(小絞り径)を用いないで撮影する場合は、絞り補助羽根6の開口部6aを用いて撮影することになる。よって、この場合は、図2の初期状態において、羽根駆動アクチュエータ3には通電することなく撮影が開始される。そして、所定の撮影時間が経過すると、羽根駆動アクチュエータ4に通電され、マグネットローラ4bが反時計方向へ回転させられる。そのため、図16に基づき説明した場合と同様に、シャッタ羽根7とシャッタ羽根8,9は相反する方向へ回転させられ、図17に示した状態で止められる。この閉鎖状態で撮影が完了すると、羽根駆動アクチュエータ4が逆転させられ、図2の状態に復帰する。
【0049】
以上のように、実施の形態1によれば、絞り補助羽根6を、羽根室内に配置される絞り羽根5とシャッタ羽根7,8,9の収納領域を仕切る仕切板としての機能を持たせるとともに、露出開口径内に絞り羽根5を進入させたときに形成される絞り羽根5と開口部1aや開口部2aの縁との隙間を覆うように作動させるように構成したので、光軸方向の投影面積(地板の外径)を小さくすることができるとともに光軸方向の薄型化を実現できる。
【0050】
また、仕切り板13がない分、シャッタ地板1やカバー板2を薄くしなくても、被写体側の前群レンズ端Laを絞り羽根5に近付けることが可能となり、また、像面側の後群レンズ端Lbをシャッタ羽根9に近付けることが可能となり、光軸方向の薄型化が促進される(図4参照)。また、シャッタ羽根駆動部と絞り羽根駆動部とを、光軸と直交する方向において少なくともその一部が重なる位置に配置することで、光軸方向の投影面積(地板外径方向)を小さくすることができる。さらに、前記羽根室を固定するために弾性を有するクリップを用いているため、組み付けのための部品点数が削減でき、組み立て、分解が容易で、落下などの衝撃に強い耐久性を備えることができる。
【0051】
なお、この実施の形態1では、図27に示すような仕切り板13を配置していないが、この発明は仕切り板13の配置を妨げるものではない。すなわち、仕切り板13を設けても、仕切り板13に開口部を設ける必要がない分、仕切り板13はごく薄く小さいもので済む。結果として、カバー板2の被写体側面とシャッタ地板1の像面側面との間の寸法を小さくすることが可能となり、光軸方向の薄型化を促進することができる。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態1では、光軸方向の薄型化を促進するために仕切り板を配置しない構成の羽根駆動装置の例を示した。しかし、単に仕切り板をなくすと、シャッタ羽根と仕切り板に相当する絞り補助羽根は互いに面接触し、カメラの姿勢に応じて、絞り羽根、絞り補助羽根の荷重が直接シャッタ羽根に加わる場合がある。このため、カメラの姿勢差によってシャッタ羽根の走行速度のバラツキが生じやすくなり、露光ムラが生じるおそれがある。そこで、実施の形態2では、各羽根について他の羽根の作動を妨害することがないような処置を施した。このようにすることで、カメラ姿勢差による露光ムラを防止することができる。以下、実施の形態2にかかる羽根駆動装置を詳細に説明する。
【0053】
図18は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室を構成するシャッタ地板の内側面(被写体側面)を示す図である。図19は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を示す被写体側から見た斜視図である。シャッタ地板1には、羽根室基底面Aに対して高さが異なる、絞り補助羽根6の先端像側面6dの摺動面B、絞り羽根5の孔5b周囲の像側面5dの摺動面C、シャッタ羽根8の先端像側面8cの摺動面D、シャッタ羽根9の像面側面9cの摺動面E、絞り補助羽根6の長孔6c周囲の像側面6eの摺動面Fが設けられている。
【0054】
摺動面Eは、羽根室基底面Aに対してやや高く、シャッタ地板1の開口部1aの周囲およびその周囲から右側上方へ延びた方向へ形成されている。摺動面Dは、摺動面Eよりやや高く、摺動面Eの下方から緩やかに右側上方へ形成されている。摺動面Dに対してシャッタ羽根8の先端像側面8cが摺動することにより、シャッタ羽根9の作動を妨げないようになっている。摺動面Bは、摺動面Dよりやや高く、摺動面Dの下方に形成されている。
【0055】
摺動面Fは、摺動面Bと等位の高さで、羽根軸1iと長孔1eとの間に形成されている。摺動面Bおよび摺動面Fに対して絞り補助羽根6が摺動することにより、シャッタ羽根7の作動を妨げないようになっている。また、摺動面Cは、摺動面Fよりやや高く、羽根軸1iの左側に形成されている。摺動面Cに対して絞り羽根5の孔5b周囲の像側面5dが摺動することにより、絞り羽根5が絞り補助羽根6の作動を妨げることがないようになっている。
【0056】
図20は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室を構成するカバー板の内側面(像側面)を示す図である。図21は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の羽根室の構成を示す像側から見た斜視図である。カバー板2には、羽根室基底面Gに対して高さが異なる、絞り補助羽根6の先端被写体側面6fの摺動面H、シャッタ羽根7の長孔7b周囲の被写体側面7cの摺動面I、シャッタ羽根8の孔8a周囲の被写体側面8dの摺動面J、シャッタ羽根9の孔9a周囲の被写体側面9dの摺動面K、シャッタ羽根7の先端被写体側面7dの摺動面L、シャッタ羽根7の被写体側面7eの摺動面Pが設けられている。
【0057】
摺動面Hは、羽根室基底面Gよりもやや高く、摺動面Hに対して絞り補助羽根6の先端被写体側面6fが摺動することにより絞り羽根5の作動を妨げないような位置に形成されている。摺動面Iは、摺動面Hよりもやや高く、シャッタ羽根7の長孔7b周囲の被写体側面7cが摺動面Iに対して摺動することにより、絞り補助羽根6やシャッタ羽根8の作動を妨げないような位置に形成されている。摺動面Lも摺動面Iと同位の高さに形成されており、シャッタ羽根7の先端被写体側面7dが摺動面Lに対して摺動することにより、絞り補助羽根6やシャッタ羽根8の作動を妨げないようになっている。
【0058】
さらに、摺動面Pも摺動面Iや摺動面Lと同位の高さに形成されている。特に、この摺動面Pは、絞り補助羽根6の長孔6gを貫くように形成されている。そして、シャッタ羽根7の被写体側面7eが摺動面Pに対して摺動することにより、絞り補助羽根6やシャッタ羽根8の作動を妨げないようになっている。摺動面Jは、摺動面Iよりもやや高く、シャッタ羽根8の孔8a周囲の被写体側面8dが摺動面Jに対して摺動することにより、シャッタ羽根7やシャッタ羽根9の作動を妨げないような位置に形成されている。摺動面Kは、摺動面Jよりもやや高く、シャッタ羽根9の孔9a周囲の被写体側面9dが摺動面Kに対して摺動することにより、シャッタ羽根8の作動を妨げないような位置に形成されている。
【0059】
実施の形態2にかかる羽根駆動装置において、上記以外の構成は実施の形態1の羽根駆動装置と同様である。以下、図22〜図25を参照しながら、この実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明する。
【0060】
図22〜図25は、実施の形態2にかかる羽根駆動装置の作動を説明するための図である。なお、図22は初期状態、図23は図22の状態から絞り羽根5が挿入された状態、図24は図23の状態からシャッタ羽根が挿入された状態、図25は図22の状態からシャッタ羽根を閉じた状態を示す図である。
【0061】
図22に示すように、撮影をしていないとき(初期状態)には、絞り補助羽根6を被写体光路に挿入し、シャッタ羽根7,8,9はその開口部6aを全開にしている。このとき、羽根駆動アクチュエータ3,4は非通電状態となっているが、周知のアクチュエータ構成によって、マグネットローラ3bに時計方向への回転力が付与されることになり、絞り羽根5、絞り補助羽根6がストッパ1h,1gに当接させられる。これにより、絞り羽根5の開口部5aは光路から退避することになる。また、マグネットローラ4bにも時計方向への回転力が付与されることにより、シャッタ羽根7,8,9がストッパ1g,1h,1hにそれぞれ当接させられる。
【0062】
次に、撮影状態へ移行する(被写体光量を減じて撮影する)ときは、羽根駆動アクチュエータ3のマグネットローラ3bが反時計方向へ回転することにより、絞り羽根5は時計方向へ回転させられ、ストッパ2eに当接して止まる。同時に、絞り補助羽根6も反時計方向へ回転させられ、シャッタ羽根7に対して摺動し、ストッパ1fに当接して止まる。この状態が図23で、このとき被写体光路は小口径の開口部5aによって規制される。また、絞り補助羽根6が反時計方向へ回転することにより、絞り補助羽根6に形成された開口部6aも反時計方向へ移動する。
【0063】
このようにすることにより、絞り羽根5の開口部5aを絞り補助羽根6の開口部6aに進入させたときに、絞り補助羽根6によって絞り羽根5とシャッタ地板1の開口部1a(およびカバー板2の開口部2a)の縁との間に形成される隙間20を覆って露出不良を防止している。すなわち、絞り羽根5を露光開口部に挿入して撮影する際に、絞り補助羽根6が僅かに回転して絞り開口以外の領域であって露光開口部によって塞がれない領域を覆うようにしている。なお、この状態で羽根駆動アクチュエータ3への通電が断たれても、周知のアクチュエータの構成によって、マグネットローラ3bには反時計方向への回転力が付与され続け、絞り羽根5、絞り補助羽根6はストッパ2e,1fに当接されたままの状態を保持する。
【0064】
このとき、絞り羽根5の被写体側面がカバー板2の羽根室基底面Gに対して摺動し、像側面が絞り補助羽根6に対して摺動する。また、絞り羽根5は、孔5b周囲の像側面5dが羽根軸1iの近傍の摺動面Cに対して摺動することによって、像側へのスラスト位置範囲を規制される。また、絞り補助羽根6は、先端被写体側面6fが摺動面Hに対して摺動し、先端像側面6dが摺動面Bに対して摺動し、長孔6c周囲の像側面6eが摺動面Fに対して摺動することによって、光軸方向のスラスト位置範囲が規制される。
【0065】
このようにして、小絞り状態が得られると、次に、撮影開始の信号が与えられ、所定の撮影時間が経過すると、羽根駆動アクチュエータ4に通電され、マグネットローラ4bが反時計方向に回転させられる。これにより、シャッタ羽根7とシャッタ羽根8,9とが相反する方向へ回転し、開口部5aを閉鎖した後、ストッパ2e,1gに当接して止まる。この状態を示したのが図24である(シャッタ閉鎖状態)。
【0066】
このとき、シャッタ羽根7は、絞り補助羽根6に対して摺動することになる。同時に、被写体側面7eが絞り補助羽根6の長孔6gを貫くように形成された摺動面Pに対して摺動し、先端被写体側面7dが摺動面Lに対して摺動し、長孔7b周囲の被写体側面7cが摺動面Iに沿って摺動することにより、シャッタ羽根7の被写体側へのスラスト位置範囲が規制される。したがって、シャッタ羽根7は、作動開始から停止するまで、シャッタ羽根8に対してと同様に、常に絞り補助羽根6との間に好適な摺動関係が維持されるので、図27に示したような仕切り板13を設けずとも、作動上、絞り補助羽根6と干渉することはない。
【0067】
また、シャッタ羽根8は、その被写体側面をシャッタ羽根7に対して摺動することになるが、羽根軸1k周辺部の孔8a周囲部8dが摺動面Jに対して摺動することにより、被写体側へのスラスト位置範囲が規制される。さらに、シャッタ羽根8は、その像面側の面をシャッタ羽根9に対して摺動することになるが、先端像側面8cがシャッタ地板1に形成された摺動面Dに対しても摺動することにより、先端像側面8cのスラスト位置範囲が規制される。
【0068】
シャッタ羽根9は、像側面9cがシャッタ地板1に形成された摺動面Eに対して摺動することになるが、像側面9cと摺動面Eとの接触面積は小さいため、シャッタ羽根9作動時の摺動抵抗は低く問題はない。また、シャッタ羽根9の被写体側面がシャッタ羽根8に対して摺動することになるが、羽根軸1iの周辺部に位置する孔9a周囲の被写体側面9dがカバー板2に形成された摺動面Kに対して摺動することにより、シャッタ羽根9の被写体側へのスラスト位置範囲が規制される。
【0069】
この後、シャッタ閉鎖状態からシャッタ復帰動作のため、羽根駆動アクチュエータ3,4に、上記とは逆方向へ通電される。そのため、シャッタ羽根7,8,9と絞り羽根5、絞り補助羽根6は、いずれも上記とは反対方向へ回転させられるが、このときもシャッタ羽根7と絞り補助羽根6とは干渉することはない。そして、シャッタ羽根7がストッパ1gに、シャッタ羽根8,9がストッパ1hに当接し、絞り羽根5がストッパ1hに、絞り補助羽根6がストッパ1gにそれぞれ当接して止まると、その直後に、羽根駆動アクチュエータ3,4への通電が断たれて図22の初期状態に復帰する。
【0070】
ところで、被写体光が明るく、上記のように開口部5a(小絞り径)を用いないで撮影する場合は、絞り補助羽根6の開口部6aを用いて撮影することになる。よって、この場合は、図22の初期状態において、羽根駆動アクチュエータ3には通電することなく撮影が開始される。そして、所定の撮影時間が経過すると、羽根駆動アクチュエータ4に通電され、マグネットローラ4bが反時計方向へ回転させられる。そのため、図24に基づき説明した場合と同様に、シャッタ羽根7とシャッタ羽根8,9は相反する方向へ回転させられ、図25に示した状態で止められる。この閉鎖状態で撮影が完了すると、羽根駆動アクチュエータ4が逆転させられ、図22の状態に復帰する。このときの一連の各羽根の作動は、上記と同様に好適な状態で行われる。
【0071】
以上説明したように、実施の形態2にかかる羽根駆動装置では、羽根室の内側に羽根室の基底面に対して突起した各羽根専用の摺動面が複数形成され、それら摺動面に当接しながら前記各羽根が摺動することで、羽根同士の過度な密着を防止する。このため、カメラの姿勢差によって、各羽根が積み重なるような状態でも、特定の羽根の重量が直接他の羽根に加わって他の羽根の作動が妨げられるようなことはない。したがって、カメラの姿勢差によるシャッタ羽根の作動時間のバラつきをなくすことができ、露出ムラを防止することができる。また、高湿度の環境下で、結露による羽根同士の過度な密着、作動停止や作動時間のバラつきといった不具合を防止することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のように、この発明にかかる羽根駆動装置は、デジタルカメラに有用であり、特に、小型携帯機器に内蔵されるデジタルカメラに適している。
【符号の説明】
【0073】
1 シャッタ地板
2 カバー板
3,4 羽根駆動アクチュエータ
5 絞り羽根
6 絞り補助羽根
7,8,9 シャッタ羽根
10 コイル
11 ボビン
12 ヨーク
13 仕切り板
14 クリップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々の開口部を重ねるようにして両者間に羽根室を構成する二つの地板と、
前記羽根室内に作動可能に配置され小絞り口径を規制する絞り開口を有する絞り羽根と、
前記羽根室内に配置されたシャッタ羽根と、
前記羽根室内において前記絞り羽根と前記シャッタ羽根との間に配置され、前記絞り開口よりも口径が大きく前記開口部と重なる位置に配置される露出開口を有する補助部材と、
前記絞り開口を前記露出開口に対して進退するように前記絞り羽根を駆動する絞り羽根駆動手段と、
前記シャッタ羽根が前記露出開口を開閉作動するように、前記シャッタ羽根を駆動するシャッタ羽根駆動手段と、
を備え、
前記補助部材は、前記絞り羽根駆動手段による前記絞り羽根の駆動に応じて作動可能に設けられており、
前記絞り羽根駆動手段は、前記絞り羽根の絞り開口を前記露出開口に進入させたときに、前記補助部材によって前記絞り羽根と前記開口部の縁との間に形成される隙間を覆うように前記補助部材を作動させることを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項2】
前記絞り羽根駆動手段は前記羽根室の外側の前記地板の一方に取り付けられ、また、前記シャッタ羽根駆動手段は前記羽根室の外側の前記地板の他方に取り付けられており、
前記絞り羽根駆動手段と前記シャッタ羽根駆動手段とは、光軸と直交する方向において少なくともその一部が重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の羽根駆動装置。
【請求項3】
前記羽根室は、外側に取り付けられた前記絞り羽根駆動手段および前記シャッタ羽根駆動手段とともに、弾性を備えた非磁性金属材で形成されたコの字形状のクリップで固定されることを特徴とする請求項2に記載の羽根駆動装置。
【請求項4】
前記羽根室の内側には、前記地板の基底面に対して突起した摺動面が形成されており、
前記絞り羽根、前記補助部材、前記シャッタ羽根の一部の面が前記摺動面に当接しながら摺動することにより、当該部材のスラスト方向が規制されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の羽根駆動装置。
【請求項1】
夫々の開口部を重ねるようにして両者間に羽根室を構成する二つの地板と、
前記羽根室内に作動可能に配置され小絞り口径を規制する絞り開口を有する絞り羽根と、
前記羽根室内に配置されたシャッタ羽根と、
前記羽根室内において前記絞り羽根と前記シャッタ羽根との間に配置され、前記絞り開口よりも口径が大きく前記開口部と重なる位置に配置される露出開口を有する補助部材と、
前記絞り開口を前記露出開口に対して進退するように前記絞り羽根を駆動する絞り羽根駆動手段と、
前記シャッタ羽根が前記露出開口を開閉作動するように、前記シャッタ羽根を駆動するシャッタ羽根駆動手段と、
を備え、
前記補助部材は、前記絞り羽根駆動手段による前記絞り羽根の駆動に応じて作動可能に設けられており、
前記絞り羽根駆動手段は、前記絞り羽根の絞り開口を前記露出開口に進入させたときに、前記補助部材によって前記絞り羽根と前記開口部の縁との間に形成される隙間を覆うように前記補助部材を作動させることを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項2】
前記絞り羽根駆動手段は前記羽根室の外側の前記地板の一方に取り付けられ、また、前記シャッタ羽根駆動手段は前記羽根室の外側の前記地板の他方に取り付けられており、
前記絞り羽根駆動手段と前記シャッタ羽根駆動手段とは、光軸と直交する方向において少なくともその一部が重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の羽根駆動装置。
【請求項3】
前記羽根室は、外側に取り付けられた前記絞り羽根駆動手段および前記シャッタ羽根駆動手段とともに、弾性を備えた非磁性金属材で形成されたコの字形状のクリップで固定されることを特徴とする請求項2に記載の羽根駆動装置。
【請求項4】
前記羽根室の内側には、前記地板の基底面に対して突起した摺動面が形成されており、
前記絞り羽根、前記補助部材、前記シャッタ羽根の一部の面が前記摺動面に当接しながら摺動することにより、当該部材のスラスト方向が規制されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の羽根駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2011−197082(P2011−197082A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60874(P2010−60874)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000133227)株式会社タムロン (355)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000133227)株式会社タムロン (355)
【Fターム(参考)】
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