説明

耐伸長性コイル装置

【課題】耐伸長性コイル装置を提供する。
【解決手段】このコイル装置は耐伸長性の機能を備えている。この装置は、内腔を画定している巻線状コイルと、当該内腔の中に少なくとも部分的に受容されている耐伸長部材と、を含んでいる。制限部材も、内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、巻線状コイルが伸びて長くなることを可能にするために、耐伸長部材の一部分を移動可能に受容するように構成されている孔、を画定している。耐伸長部材は、上記孔よりも大きくて、巻線状コイルの伸びを阻止するかまたは妨げるために、制限部材に係合するように構成されている、拡大部分、を含んでいる。この制限部材は、コイルのワイヤに固定して取り付けられる、分離している要素として、備えられていてもよく、あるいは、コイル・ワイヤは、制限部材の機能を果たすように構成されている1個以上の副巻線を含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、一般に、人間の被験者の、体内の脈管および脈管の欠陥部分の中に植え込み可能な医療装置、に関連している。特に、本発明は、耐伸長性の機能(stretch resistant feature)を有する塞栓コイル、に関連している。
【0002】
〔関連技術の説明〕
人体の脈管構造の中における塞栓コイルの使用は、脈管内の病気を治療するための標準的な手法、になってきている。また、これらの装置が、例えば、頭蓋血管の中の動脈瘤の治療における等の、従来の手術処置が、不可能であるか、または患者に大きな危険を引き起こす、治療領域において、特に有用であること、が分かってきている。頭蓋血管を囲っている傷つきやすい組織、特に、例えば、脳組織、により、それらの頭蓋血管の欠陥部分を治療するために、外科処置を行なうことが極めて困難であり、多くの場合に危険である。しかしながら、カテーテル配備システムの進歩は、このような場合において、代わりの治療を与えてきている。カテーテル送達システムの進歩の一部は、これらのシステムが、周囲の組織に対する外傷の危険性を減少させることが分かっている方法により血管を治療するための方法を提供していて、これらのシステムが、過去において手術不可能であろうと考えられていた、血管の治療、も可能にすること、である。
【0003】
一般的に、上記の処置は、送達カテーテルの遠位端部を患者の脈管の中に挿入する処理と、その遠位端部を、動脈瘤等のような、所定の送達部位に、脈管を通して案内する処理と、を含む。塞栓コイル等のような、脈管閉塞装置が、送達部材の端部に取り付けられており、この送達部材は、上記コイルを、上記カテーテルを通して、押し込み、当該カテーテルの遠位端部から、送達部位の中に、押し出す。この場合に、動脈瘤の中への血流を制限するかまたは阻止するために、多数のコイルを動脈瘤の中に詰め込むことができる。これらの処置に伴っていた問題の幾つかは、塞栓コイルの伸び、に関連している。例えば、伸ばされたコイルは、減少された押出性および/または後退性、を示す可能性がある。さらに、過度に伸ばされたコイルは、緩められたまたは伸ばされていないコイルよりも、少ない容積を占めることになり、これにより、動脈瘤の中の比較的に少ない空間を占めるので、このことは、動脈瘤に十分に詰め込んでその中への血流を阻止するために、必要とされるコイルの数、を増やす。
【0004】
これらの関心事に対応して、伸びに対抗するコイルを提供することを企図して、装置が開発されている。1つのこのような装置は、ケン(Ken)に対する米国特許第5,582,619号、において開示されており、この文献は、これにより、参照により本明細書に組み込まれている。このケン(Ken)において記載されているコイルは、当該コイルの内腔の中に受容されていて、そのコイルの各端部において固定されている、細長い耐伸長部材、を含んでいる。この耐伸長部材は過度の伸びを妨げるが、コイルの全長に沿って延びているので、当該コイルの柔軟性に悪影響を及ぼす可能性がある。また、塞栓コイルは、これらのコイルが、標的部位の形状およびあらゆる他の既に配置されているコイルに対して、適合する必要があるので、柔軟であることが重要である。
【0005】
上記ケン(Ken)のコイルに伴う柔軟性の関心事に対する1つの方法が、ルロ(Lulo)に対する米国特許第6,183,491号、において記載されており、この文献は、これにより、参照により本明細書に組み込まれている。このルロは、コイルの近位端部と、当該コイルの遠位端部の近位側の、コイルの中間部分と、に固定して取り付けられている、支持ワイヤ、を伴う、コイル、を提供している。それゆえ、ルロのコイルは、支持ワイヤの各端部を互いにしっかりと固定することにより、その支持ワイヤの端部の間におけるコイルの巻線の伸びを阻止するために、提案されている。しかしながら、高められた柔軟性のためには、上記支持ワイヤの端部の間におけるコイルの巻線の、いくらか制限された伸びを可能にすることも、望ましくなる可能性がある。
【0006】
それゆえ、耐伸長性と柔軟性との最適な組み合わせを有する塞栓コイルに対して、要望が依然として存在している。
【0007】
〔発明の概要〕
本発明の1つの実施形態または態様によれば、塞栓コイルは、内腔を画定している複数の巻線を有する巻線状コイルを備えている。この塞栓コイルは、上記内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、近位端部、遠位端部、近位側の拡大部分、および遠位側の拡大部分、を有している、耐伸長部材、をさらに含んでいる。近位側および遠位側の制限部材も、上記内腔の中に少なくとも部分的に受容されており、近位側の制限部材は上記近位側の拡大部分よりも小さい孔を画定しており、遠位側の制限部材は、遠位側の拡大部分よりも小さい孔を画定している。これにより、上記近位側の拡大部分が上記近位側の制限部材に係合して、上記遠位側の拡大部分が上記遠位側の制限部材に係合することにより、上記巻線状コイルのさらなる伸びを制限するまで、当該巻線状コイルの伸びを可能にするために、上記耐伸長部材の一部分は、上記各孔を通って移動可能である。
【0008】
本発明の別の実施形態または態様によれば、塞栓コイルは、内腔を画定している複数の巻線を有する巻線状コイルを備えている。さらに、ヘッドピースがこの巻線状コイルの近位側部分に配置されており、エンドキャップが当該巻線状コイルの遠位側部分に配置されている。上記塞栓コイルは、上記内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、近位端部、遠位端部、拡大部分、およびアンカー部分、を有している、耐伸長部材、をさらに含んでいる。上記アンカー部分は、上記巻線状コイル、上記ヘッドキャップ、または上記エンドキャップ、に固定して取り付けられている。また、制限部材が上記内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、上記拡大部分よりも小さい孔を画定している。これにより、上記拡大部分が上記制限部材に係合することにより、上記巻線状コイルのさらなる伸びを制限するまで、当該巻線状コイルの伸びを可能にするために、上記耐伸長部材の一部分は、上記孔を通って移動可能である。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態または態様によれば、塞栓コイルは、内腔を画定している複数の主巻線を有する巻線状コイルを備えている。この塞栓コイルは、上記内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、近位端部、遠位端部、および拡大部分、を有している、耐伸長部材、をさらに含んでいる。上記巻線状コイルの副巻線は、上記拡大部分よりも小さい孔を画定していて、制限部材を画定している。これにより、上記拡大部分が上記副巻線に係合して、上記巻線状コイルのさらなる伸びを制限するまで、当該巻線状コイルの伸びを可能にするために、上記耐伸長部材の一部分は、上記孔を通って移動可能である。1つの実施形態において、上記耐伸長部材は上記塞栓コイルの残りの部分から分離しており、上記内腔の中において「自由浮動」することが可能になっている。また、別の実施形態において、上記耐伸長部材の一部分は、近位側または遠位側において固定される耐伸長部材を提供するために、上記巻線状コイル、ヘッドピース、またはエンドキャップ、に固定して取り付けられている。
【0010】
〔好ましい実施形態の説明〕
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態がここに開示されているが、これらの開示されている実施形態は、単に、本発明の例示であること、を理解されるべきであり、これらはさまざまな形態で具体化できる。それゆえ、ここに開示されている具体的な詳細は、限定として、解釈されるべきではなく、単に、各特許請求項の基礎として、さらに、事実上、任意の適当な様式で、本発明を多様に用いるために、当業界における熟練者を教示するための代表的な基礎として、解釈されるべきである。
【0011】
図1および図2は、本発明の1つの態様による塞栓コイル10、を示している。この塞栓コイル10は、中央内腔16を画定している複数の巻線14を含む巻線状コイル12、を備えている。なお、この巻線状コイル12は、実質的に一様の螺旋状コイルとして、示されているが、異なるピッチまたは不規則な形状の形態を有するコイル等のような、事実上、任意の形態、を採ることも可能である。また、上記の巻線状コイル12は任意の材料により構成可能であるが、プラチナ等のような、放射線不透過性の材料を使用すること、あるいは、体の脈管の中における追跡可能性を改善するために、放射線不透過性の層またはマーカーを、巻線状コイル12に少なくとも供給すること、が好ましいと考えられる。
【0012】
上記巻線状コイル12は、近位側部分18から、遠位側部分20まで、延びており、図示の実施形態においては、近位側部分18に配置されているヘッドピース22と、遠位側部分20に配置されているエンドキャップ24と、により、境界が定められている。この巻線状コイル12に対してヘッドピース22およびエンドキャップ24を固定するための手段は、それぞれのために用いられる材料に応じて決まることになるが、適当な手段は、溶接、クリンプ処理、接着、ボンディング、およびプレス嵌め、を含むことができる。また、エンドキャップ24は、装置が、送達中および送達後に、体の脈管または標的部位に穴あけすること、を防ぐ、非外傷性の先端部分を塞栓コイル10に設けるために、丸くてもよく、あるいは、概ね半球状であってもよい。また、ヘッドピース22は、送達装置の性質に従って構造が変わるように、標的部位への塞栓コイル10の配備中に、カテーテル等のような送達装置に対して、相互作用するように構成されている。
【0013】
自由浮動式の耐伸長部材26は、巻線状コイル12の内腔16の中に、少なくとも部分的に受容されている。この用語の「自由浮動式の」は、耐伸長部材26が、巻線状コイル12または塞栓コイル10のあらゆる他の部品、に少しも固定して取り付けられていないという事実、を言及している。図1および図2の実施形態において、耐伸長部材26は、細長い、フィラメント状の中間部分32により接合されている、近位側の拡大部分28と遠位側の拡大部分30と、を伴っている概ねダンベル形状の形態、を有している。なお、近位側の拡大部分28は耐伸長部材26の近位端部において示されていて、遠位側の拡大部分30は耐伸長部材26の遠位端部において示されているが、これらはそれぞれの端部から離間されていてもよい。また、これらの拡大部分28および30は、好ましくは、図1および図2において示されているように、同一の球体であるが、これらは、本発明の範囲から逸脱することなく、異なっている大きさおよび/または形状に作ること、も可能である。さらに、上記の拡大部分28および30は、中間部分32よりも大きいが、巻線状コイル12が伸び始めた後の、内腔16の減少される直径を考慮して、巻線状コイル12が、図2の伸ばされた状態、に到達するまで、当該巻線状コイル12の内腔16の中を通る軸方向の移動のために、拡大部分28および30は、当該内腔16の中に適合するような大きさに作られている。
【0014】
上記の耐伸長部材26は、好ましくは、巻線状コイル12を伸ばすことに伴う力を受けると、実質的に非延性になる比較的に柔軟な材料により、構成されている。適当な材料は、スチール鋼、プラチナ、ならびにニチノールおよびその他の合金、等を含むがこれらに限定されない金属と、ポリエチレン・テレフタレート(PET)またはその他のポリエステル、等を含むがこれらに限定されないポリマーと、を含む。また、例えば、高分子の中間部分32と、金属の拡大部分28および30と、を有している、複合的な耐伸長部材、を提供することも本発明の範囲内である。この耐伸長部材26の柔軟性および延性は、材料の組成により、部分的に、決まることになるが、スチール鋼およびオーステナイト相のニチノール、等のような、比較的に高い剛性の材料は、比較的に低い柔軟性を必要とする適用において好まれ、PETおよびマルテンサイト相のニチノール、等のような、比較的に高い柔軟性の材料は、比較的に高い柔軟性を必要とする適用において好まれる。
【0015】
上記の耐伸長部材26は、単一片として形成されていてもよく、多数個の部品で設けることも可能であり、例えば、上記拡大部分28および30の一方または両方は中間部分32から分離していて当該中間部分32に接合可能である。多数個の部品で設けられている場合に、中間部分32と、拡大部分28および30とを接合するための手段は、それぞれのために用いられる材料により変わることになる。金属の耐伸長部材の構成部品は、溶接、クリンプ処理、またはその他の既知の手段、により接合可能であるが、高分子の耐伸長部材の構成部品は、ボンディング、接着、またはその他の既知の手段、により接合可能である。
【0016】
上記耐伸長部材の中間部分32の全長「i」は、以下においてさらに詳細に説明されているように、利用可能な伸びの度合を限定するために、巻線状コイル12の最大の伸ばされた長さよりも短く、好ましくは、図1の緩められたまたは伸ばされていない状態にある巻線状コイル12の長さよりも短い。耐伸長部材26の長さと材料の組成とに応じて、中間部分32におけるゆるみは、塞栓コイル10が図1の緩められた状態にある時に、当該中間部分32に垂れた状態(図示せず)を採らせる可能性があるが、このことは装置の動作に影響を及ぼさないであろう。
【0017】
例えば、図1および図2の実施形態において、耐伸長部材26の中間部分32は、近位側制限部材34と遠位側制限部材36とにより、移動可能に受容されている。これらの制限部材34および36は互いに離間されていて、拡大部分28および30の間に配置されている。図1および図2の実施形態の例示において、制限部材34および36は、一般に、巻線状コイル12の巻線14の内の少なくとも1つの内周部「c」に、固定して取り付けられている管状の部材、である。それぞれの制限部材は、耐伸長部材26の中間部分32を受容するために十分な大きさに作られている、孔38,40、を画定している。好ましくは、制限部材34および36は、関連する巻線の伸びおよび半径方向における収縮の傾向により、つぶされるか、あるいはその他の様式で変形されること、に対して抵抗するために、十分に丈夫であり、この理由は、これらの制限部材を耐伸長部材26の中間部分にそのように接触させることが、塞栓コイル10の予期される動作に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
【0018】
近位側制限部材34の孔38は近位側拡大部分28よりも小さく、遠位側制限部材36の孔40は遠位側拡大部分30よりも小さい。それゆえ、孔38および40が中間部分32を案内している状態で、耐伸長部材26は内腔16を通って軸方向に移動することが可能になっているが、拡大部分28および30の移動によるそれぞれの制限部材34および36に対する係合(図2)は、移動の範囲を耐伸長部材26とコイル巻線14との間に制限すること、が分かるであろう。
【0019】
上記用語の「孔」は広く解釈されるべきであり、完全に境界が定められている孔に限定されず、関連の拡大部分の通過を可能にすることなく、耐伸長部材の中間部分の移動を可能にするように構成されている、任意の孔、に限定されている。例えば、C字形状の制限部材(図示せず)も、本発明による塞栓コイルに、含まれてもよい。別の適当な形態は、互いに接触しているかまたは離間している関係にある、弓形でU字形状の下方片と逆U字形状の上方片と(図示せず)、を有するツーピースの制限部材、である。上記孔の具体的な形状にかかわらず、上記制限部材は、好ましくは、耐伸長部材の中間部分32がその孔から脱出することを阻止するように構成されており、このような脱出は耐伸長部材26の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。上記の塞栓コイル10および耐伸長部材26は多数の曲がっている面の中において柔軟になることが意図されており、完全に境界が定められている開口部として設けられている孔38、40は、あらゆる曲がりの状態において、離脱の危険性を排除することが好まれる。
【0020】
図1および図2の管状の形態に加えて、概ね環状の制限部材の形態も好ましくなる可能性がある。図3および図4は、巻線状コイル12の隣接している巻線14の間に固定して取り付けられている、概ね環状の制限部材42、を有している塞栓コイル10aおよび10b、を示している。なお、この制限部材42は、むしろ2個ではなく、巻線14の1個のみに固定されていてもよいこと、も考慮されている。図3および図4の制限部材42は、図1および図2の孔38および40と実質的に同じに機能する孔44、を有している。なお、1個のみの制限部材42が、図3および図4において、示されているが、一対の環状の制限部材42が、本発明の範囲から逸脱することなく、図1および図2の実施形態に、組み込まれてもよいこと、が認識されるであろう。さらに、別の実施形態によれば、近位側および遠位側の制限部材は互いに異なっていてよく、例えば、1つは管状の制限部材であり、他の1つは環状の制限部材であってもよい。
【0021】
上記の耐伸長部材26と、制限部材34および36との間の相互作用は、当該制限部材34と36との間の巻線状コイル12の部分46の伸びを規制し、この部分は、本明細書においては、被制限部分(restricted portion)、と言われている。特に、塞栓コイル10は伸びて長くなることが可能になっており、このことは、制限部材34および36を耐伸長部材26の中間部分32に沿って移動させて、これらの間の距離を増大させる。その後、十分に伸びると、近位側制限部材34は近位側拡大部分28に係合し、遠位側制限部材36は遠位側拡大部分30に係合して(図2)、それ以上の伸びを妨げるかまたは阻止する。それゆえ、被制限部分46が伸びることを可能にされている全体の距離は、耐伸長部材の中間部分32の長さ「i」と、各制限部材34と36との間の初期的な距離「R」と、の間の差、に等しい(図1)。
【0022】
耐伸長部材26は被制限部分46のみの伸びを規制していて、巻線状コイル12の残りの部分の伸びは他に抑制されていないこと、が分かるであろう。それゆえ、塞栓コイル10の全体の動作は、(1)全体の巻線状コイル12に対する被制限部分46の比率と、(2)被制限部分46が伸びることを可能にされている全体の距離と、(3)被制限部分46の位置と、を含む、多数の要因により、決まる。自由浮動式の耐伸長部材26は、巻線状コイル12の近位側部分18と遠位側部分20とから離間している被制限部分46に、特に適合しているが、代わりの耐伸長部材は、巻線状コイルの近位側または遠位側の部分において、被制限部分を達成するように、設けられていてもよい。
【0023】
例えば、図3は、近位側において固定されている耐伸長部材26a、を示している。この耐伸長部材26aは、上記の説明に従っている中間部分32a、遠位側拡大部分30a、さらに、アンカー部分(anchored portion)48、を含んでいる。このアンカー部分48は、ヘッドピース22(図3)または巻線状コイル12の近位側部分18(図3において仮想線で示されている)、等のような、塞栓コイル10aの一部分に、固定して取り付けられている。さらに、このアンカー部分48は、溶接、クリンプ処理、接着、ボンディング等、を含む、任意の適当な手段により、固定可能である。
【0024】
図3の塞栓コイル10aは、概ね環状の制限部材42を伴って、示されているが、この制限部材は、図1および図2の管状の形態を含む、上記の説明に従う、多数の形態の任意のものを採用できる。図3の塞栓コイル10aは、図1および図2の実施形態と同様に動作し、巻線状コイル12の被制限部分46aは、耐伸長部材のアンカー部分48と制限部材42との間の部分により、画定されている。特に、塞栓コイル10aは伸びて長くなることが可能になっており、このことは、制限部材42を、耐伸長部材26aの中間部分32aに沿って移動させて、制限部材42とアンカー部分48との間の距離を増大させる。その後、十分に伸びると、制限部材42は拡大部分30aに係合して(図示せず)、それ以上の伸びを阻止する。それゆえ、被制限部分46aが伸びることを可能にされている全体の距離は、耐伸長部材の中間部分32aの長さ「i」と、制限部材42とアンカー部分48との間の初期的な距離「R’」と、の間の差、に等しい(図3)。
【0025】
図3において仮想線で示されているように、アンカー部分48は、ヘッドピース22の代わりに、巻線状コイル12に、固定して取り付けられていてもよい。このような実施形態においては、耐伸長部材26aは、好ましくは、巻線状コイル12のコイル14の1つ以上に、溶接、接着、またはその他の方法で固定して取り付けられるように構成されている、半径方向に延びている部材49、を含んでいる。例示のために、この半径方向に延びている部材49は、概ね球形の構造として、図3において示されているが、円筒形の配向、または、複数の角度的に離間されている放射状の突出部分を伴う「花弁」の形態、を含む、多数の単純または複雑な形状のいずれかにおいて、備えられていてもよい。あるいは、上記巻線状コイル12は、耐伸長部材26aに固定して取り付けられるように構成されている、少なくとも1個の半径方向に内側に突出している部材(図示せず)、を備えていてもよい。一般的に、上記巻線状コイル12に固定されている耐伸長部材26aは、ヘッドピース48には、さらに固定されないであろうが、この部材26aは両方の場所において固定されていてもよい。図3において仮想線で示されているように、中間部分32aの長さ「i」と制限部材42とアンカー部分48との間の距離「R’」は、ヘッドピース22に固定されている耐伸長部材26aに対応する長さよりも、短くなる。
【0026】
図4は遠位側において固定されている耐伸長部材26bを示しており、この耐伸長部材26bは、巻線状コイルの遠位側部分20の伸びの規制を必要とする適用において、好ましくなる可能性がある。この場合に、塞栓コイル10bは、制限部材42と、中間部分32b、近位側拡大部分28aおよびアンカー部分50、を有している、耐伸長部材26bと、を含んでいる。図3の実施形態と対照的に、アンカー部分50は、遠位側の被制限部分46bを画定するためのエンドキャップ24(図4)または巻線状コイル12の遠位側部分20(図4において仮想線で示されている)等のような、制限部材42および拡大部分28aよりも遠位側の塞栓コイル10bの部分、に固定して取り付けられている。このアンカー部分50は、溶接、クリンプ処理、接着、ボンディング等、を含む、任意の適当な手段により、固定できる。
【0027】
使用において、塞栓コイル10bは伸びて長くなることが可能になっており、このことは、制限部材42を耐伸長部材26bの中間部分32bに沿って移動させて、当該制限部材42とアンカー部分50との間の距離を増大させる。その後、十分に伸びると、制限部材42は拡大部分28aに係合して(図示せず)、被制限部分46bのそれ以上の伸びを妨げるかまたは阻止する。それゆえ、図3の実施形態によるのと同様に、被制限部分46bが伸びることを可能にされている全体の距離は、耐伸長部材の中間部分32bの長さ「i」と、制限部材42とアンカー部分50との間の初期的な距離「R’’」と、の間の差、に等しい(図4)。
【0028】
図4において仮想線で示されているように、アンカー部分50は、エンドキャップ24の代わりに、巻線状コイル12に固定して取り付けられていてもよい。このような実施形態においては、耐伸長部材26bは、好ましくは、図3の半径方向に延びている部材49に実質的に類似している、半径方向に延びている部材51、を含んでいる。一般的に、このように固定されている耐伸長部材26bは、エンドキャップ24には、さらに固定されないであろうが、この部材26bは両方の場所において固定されていてもよい。図4において仮想線で示されているように、中間部分32bの長さ「i」と、制限部材42とアンカー部分50との間の距離「R’’」は、エンドキャップ24に固定されている耐伸長部材26bに対応する長さよりも、短くなる。
【0029】
図1〜図4の制限部材は分離している要素として説明されているが、上記巻線状コイルは、1個以上の制限部材様の要素を備えるように構成されてもよい。例えば、図5は、図1〜図4のコイル巻線14に概ね相当している、複数の主巻線54と、二組の副巻線56および58と、を有する巻線状コイル52、を備えている塞栓コイル10c、を示している。副巻線56および58のそれぞれの組は、2個の巻線を含んでいるように示されているが、これらは、単一の巻線として、または3個以上の巻線として、または異なる数の巻線として、備えられていてもよい。これらの副巻線56および58は、主巻線54の内部寸法に対して、減少された内部寸法、一般的に直径、を有する通路、を与えている。
【0030】
図5の塞栓コイル10cは、図1および図2の自由浮動式の耐伸長部材26、を含んでいる。副巻線56および58は、耐伸長部材26の中間部分32を受容するために十分な大きさに作られている孔60および62、をそれぞれ画定している。近位側の副巻線56の孔60は近位側拡大部分28よりも小さく、遠位側の副巻線58の孔62は遠位側拡大部分30よりも小さい。それゆえ、孔60および62が中間部分32を案内している状態で、耐伸長部材26は内腔16を通って軸方向に移動することが可能になっているが、拡大部分28および30の移動による、それぞれの副巻線56および58に対する係合(図示せず)は、耐伸長部材26の移動の範囲を制限して、近位側/遠位側の制限部材の機能を果たす。
【0031】
上記副巻線56および58の孔60および62は、一般的に、これらの副巻線56および58が伸びて長くなることができ、これにより、孔60および62の寸法を減少させるので、拡大部分等のような、装置の残りの部分に対して、図1〜図4の孔よりも、大きくてもよい。もしも、これらの孔60および62が十分に大きくなければ、これらは、耐伸長部材26の中間部分32に係合してこれを把持する箇所まで縮む可能性があり(図示せず)、このことは、耐伸長部材26の意図されている動作に悪影響を及ぼす可能性がある。もちろん、このような把持の作用は、塞栓コイル10cの設計に、要因として入れてもよいが、このような場合には、この把持の作用は、補助的なまたは代替の耐伸長性の機能として、考慮される可能性がある。
【0032】
上記の孔60および62が上記耐伸長部材の中間部分32を把持することを回避するために十分に大きければ、図5の塞栓コイル10cは、図1および図2の実施形態の上記の説明に従って、動作し、副巻線56および58は巻線状コイル52の被制限部分46cを画定していて、拡大部分28および30に、それぞれ係合することにより、被制限部分46cの伸びを阻止するかまたは妨げる。
【0033】
上記巻線状コイルが、図1および図2の制限部材34および36に類似している制限部材様の要素、を備えるように構成されてもよいように、図3および図4の制限部材42に類似している要素を備えるように構成されてもよい。特に、図6は、主巻線66および一組の副巻線68を含んでいる巻線状コイル64、を有する塞栓コイル10d、を示している。この場合に、2個の副巻線が示されているが、耐伸長性の機能は、単一の副巻線によっても、あるいは、3個以上の副巻線によっても、達成可能である。この塞栓コイル10dは、図3の近位側において固定されている耐伸長部材26a、を含んでおり、分離している制限部材42の代わりの副巻線68の使用を除いて、図6の実施形態は、図3の実施形態と同様に、動作する。なお、制限部材42を除去して、当該制限部材42を巻線状コイルの副巻線により置き換えることにより、図4の実施形態が同様に変更できること、が認識されるであろう(図示せず)。また、図3および図4の実施形態と同様に、耐伸長部材26aのアンカー部分48は、ヘッドピース22またはエンドキャップ24の代わりに、巻線状コイル12に固定されていてもよい(図6において、仮想線で示されている)。
【0034】
図1〜図6の塞栓コイルは、単一の耐伸長部材のみを含むように示されているが、単一のコイルは、その内腔の長さに沿って離間されている2個以上の耐伸長部材、を含んでいてもよい。例えば、塞栓コイルは、巻線状コイルの各端部において、近位側において固定されている耐伸長部材(図3および図6)と、遠位側において固定されている耐伸長部材(図4)と、を備えていて、さらに、これらの固定されている耐伸長部材の間において離間されている自由浮動式の耐伸長部材(図1、図2および図5)、を備えていてもよい。このことは、異なる伸びと曲げの特性を伴う、巻線状コイルのさまざまな部分、を備えることにおいて有用になる可能性がある。
【0035】
説明されている本発明の実施形態は本発明の原理の適用の一部の例証であること、が理解されるであろう。ここにおいて個々に開示されていて特許請求されている特徴の組み合わせを含む、多数の変更が、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、当業界における熟練者により、行なうことが可能である。
【0036】
〔実施の態様〕
(1)塞栓コイルにおいて、
内腔を画定している複数の巻線を含む、巻線状コイルと、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、近位端部、遠位端部、近位側拡大部分、および遠位側拡大部分、を有している、耐伸長部材と、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されている、近位側制限部材および遠位側制限部材であって、
前記近位側制限部材は、前記近位側拡大部分よりも小さい孔を画定しており、
前記遠位側制限部材は、前記遠位側拡大部分よりも小さい孔を画定しており、
前記耐伸長部材の一部分は、前記巻線状コイルの伸びを可能にするために、前記孔を通って移動可能であり、
前記近位側拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記近位側制限部材に係合するように構成されており、
前記遠位側拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記遠位側制限部材に係合するように構成されている、
近位側制限部材および遠位側制限部材と、
を備えている、塞栓コイル。
(2)実施態様1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記制限部材は、前記耐伸長部材の前記拡大部分の中間にある、塞栓コイル。
(3)実施態様2に記載の塞栓コイルにおいて、
前記近位側拡大部分は、前記耐伸長部材の前記近位端部に配置されており、
前記遠位側拡大部分は、前記耐伸長部材の前記遠位端部に配置されている、塞栓コイル。
(4)実施態様1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記制限部材の少なくとも1つは、前記巻線状コイルの前記巻線の少なくとも1つの内周部に、固定して取り付けられている概ね管状の部材、を含む、塞栓コイル。
(5)実施態様1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記制限部材の少なくとも1つは、前記巻線状コイルの隣接している巻線の間に、固定して取り付けられている概ね環状の部材、を含む、塞栓コイル。
【0037】
(6)実施態様1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記拡大部分は、前記コイルの内腔を通って、移動可能である、塞栓コイル。
(7)実施態様1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、金属材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
(8)実施態様1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、高分子材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
(9)塞栓コイルにおいて、
内腔を画定している複数の巻線を含む、巻線状コイルと、
前記巻線状コイルの近位側部分に配置されているヘッドピースと、
前記巻線状コイルの遠位側部分に配置されているエンドキャップと、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されている耐伸長部材であって、
近位端部、
遠位端部、
拡大部分、および前記巻線状コイル、前記ヘッドピース、または前記エンドキャップ、に固定して取り付けられているアンカー部分、
を有している、耐伸長部材と、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されている制限部材であって、
前記制限部材は、前記耐伸長部材の前記拡大部分よりも小さい孔を画定しており、
前記耐伸長部材の一部分は、前記巻線状コイルの伸びを可能にするために、前記孔を通って移動可能であり、
前記拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記制限部材に係合するように構成されている、
制限部材と、
を備えている、塞栓コイル。
(10)実施態様9に記載の塞栓コイルにおいて、
前記拡大部分は、前記アンカー部分の遠位側に配置されている、塞栓コイル。
【0038】
(11)実施態様9に記載の塞栓コイルにおいて、
前記拡大部分は、前記アンカー部分の近位側に配置されている、塞栓コイル。
(12)実施態様9に記載の塞栓コイルにおいて、
前記制限部材は、前記巻線状コイルの前記巻線の少なくとも1つの内周部に、固定して取り付けられている概ね管状の部材、を含む、塞栓コイル。
(13)実施態様9に記載の塞栓コイルにおいて、
前記制限部材は、前記巻線状コイルの隣接している前記巻線の間に、固定して取り付けられている概ね環状の部材、を含む、塞栓コイル。
(14)実施態様9に記載の塞栓コイルにおいて、
前記拡大部分は、前記内腔を通って移動可能である、塞栓コイル。
(15)実施態様9に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、金属材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
【0039】
(16)実施態様9に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、高分子材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
(17)塞栓コイルにおいて、
内腔を画定している複数の主巻線を含む巻線状コイルと、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、近位端部、遠位端部、および第1の拡大部分、を有している、耐伸長部材であって、
前記巻線状コイルは、前記耐伸長部材の前記第1の拡大部分よりも小さい孔を画定している第1の副巻線を含み、
前記耐伸長部材の一部分は、前記巻線状コイルの伸びを可能にするために、前記孔を通って移動可能であり、
前記第1の拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記副巻線に係合するように構成されている、
耐伸長部材と、
を備えている、塞栓コイル。
(18)実施態様17に記載の塞栓コイルにおいて、
前記巻線状コイルの近位側部分に配置されているヘッドピースと、
前記巻線状コイルの遠位側部分に配置されているエンドキャップと、
前記巻線状コイル、前記ヘッドピース、または前記エンドキャップ、に固定して取り付けられている、前記耐伸長部材のアンカー部分と、
をさらに備えている、塞栓コイル。
(19)実施態様18に記載の塞栓コイルにおいて、
前記第1の拡大部分は、前記アンカー部分の遠位側に配置されている、塞栓コイル。
(20)実施態様18に記載の塞栓コイルにおいて、
前記第1の拡大部分は、前記アンカー部分の近位側に配置されている、塞栓コイル。
【0040】
(21)実施態様17に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材の第2の拡大部分と、
前記第1の副巻線から離間していて、前記第2の拡大部分よりも小さい孔を画定している第2の副巻線と、
をさらに備えており、
前記耐伸長部材の一部分は、前記巻線状コイルの伸びを可能にするために、前記副巻線の前記孔を通って移動可能であり、
前記第2の拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記第2の副巻線に係合するように構成されている、塞栓コイル。
(22)実施態様21に記載の塞栓コイルにおいて、
前記副巻線は、前記耐伸長部材の前記拡大部分の中間にある、塞栓コイル。
(23)実施態様22に記載の塞栓コイルにおいて、
前記第1の拡大部分は、前記耐伸長部材の前記近位端部および前記遠位端部のうちの一方に配置されており、
前記第2の拡大部分は、前記耐伸長部材の他方の端部に配置されている、塞栓コイル。
(24)実施態様17に記載の塞栓コイルにおいて、
前記第1の拡大部分は、前記内腔を通って移動可能である、塞栓コイル。
(25)実施態様17に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、金属材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
【0041】
(26)実施態様17に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、高分子材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】緩められたまたは伸ばされていない状態にある、本発明の1つの態様による自由浮動式の耐伸長部材、を有している塞栓コイル、の断面図である。
【図2】伸ばされている状態にある、図1の塞栓コイル、の断面図である。
【図3】本発明の1つの態様による近位側において固定されている耐伸長部材、を有している塞栓コイル、の断面図である。
【図4】本発明の1つの態様による遠位側において固定されている耐伸長部材、を有している塞栓コイル、の断面図である。
【図5】自由浮動式の耐伸長部材、を有している塞栓コイルの別の実施形態、の断面図である。
【図6】近位側において固定されている耐伸長部材、を有している塞栓コイルの別の実施形態、の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塞栓コイルにおいて、
内腔を画定している複数の巻線を含む、巻線状コイルと、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、近位端部、遠位端部、近位側拡大部分、および遠位側拡大部分、を有している、耐伸長部材と、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されている、近位側制限部材および遠位側制限部材であって、
前記近位側制限部材は、前記近位側拡大部分よりも小さい孔を画定しており、
前記遠位側制限部材は、前記遠位側拡大部分よりも小さい孔を画定しており、
前記耐伸長部材の一部分は、前記巻線状コイルの伸びを可能にするために、前記孔を通って移動可能であり、
前記近位側拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記近位側制限部材に係合するように構成されており、
前記遠位側拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記遠位側制限部材に係合するように構成されている、
近位側制限部材および遠位側制限部材と、
を備えている、塞栓コイル。
【請求項2】
請求項1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記制限部材は、前記耐伸長部材の前記拡大部分の中間にある、塞栓コイル。
【請求項3】
請求項2に記載の塞栓コイルにおいて、
前記近位側拡大部分は、前記耐伸長部材の前記近位端部に配置されており、
前記遠位側拡大部分は、前記耐伸長部材の前記遠位端部に配置されている、塞栓コイル。
【請求項4】
請求項1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記制限部材の少なくとも1つは、前記巻線状コイルの前記巻線の少なくとも1つの内周部に、固定して取り付けられている概ね管状の部材、を含む、塞栓コイル。
【請求項5】
請求項1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記制限部材の少なくとも1つは、前記巻線状コイルの隣接している巻線の間に、固定して取り付けられている概ね環状の部材、を含む、塞栓コイル。
【請求項6】
請求項1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記拡大部分は、前記コイルの内腔を通って、移動可能である、塞栓コイル。
【請求項7】
請求項1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、金属材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
【請求項8】
請求項1に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、高分子材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
【請求項9】
塞栓コイルにおいて、
内腔を画定している複数の巻線を含む、巻線状コイルと、
前記巻線状コイルの近位側部分に配置されているヘッドピースと、
前記巻線状コイルの遠位側部分に配置されているエンドキャップと、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されている耐伸長部材であって、
近位端部、
遠位端部、
拡大部分、および、
前記巻線状コイル、前記ヘッドピース、または前記エンドキャップ、に固定して取り付けられているアンカー部分、
を有している、耐伸長部材と、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されている制限部材であって、
前記制限部材は、前記耐伸長部材の前記拡大部分よりも小さい孔を画定しており、
前記耐伸長部材の一部分は、前記巻線状コイルの伸びを可能にするために、前記孔を通って移動可能であり、
前記拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記制限部材に係合するように構成されている、
制限部材と、
を備えている、塞栓コイル。
【請求項10】
請求項9に記載の塞栓コイルにおいて、
前記耐伸長部材は、高分子材料から実質的に構成されている、塞栓コイル。
【請求項11】
塞栓コイルにおいて、
内腔を画定している複数の主巻線を含む巻線状コイルと、
前記内腔の中に少なくとも部分的に受容されていて、近位端部、遠位端部、および第1の拡大部分、を有している、耐伸長部材であって、
前記巻線状コイルは、前記耐伸長部材の前記第1の拡大部分よりも小さい孔を画定している第1の副巻線を含み、
前記耐伸長部材の一部分は、前記巻線状コイルの伸びを可能にするために、前記孔を通って移動可能であり、
前記第1の拡大部分は、前記巻線状コイルの伸びを阻止するために、前記副巻線に係合するように構成されている、
耐伸長部材と、
を備えている、塞栓コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−114052(P2008−114052A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−263616(P2007−263616)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(506224849)コーディス・デベロップメント・コーポレイション (12)
【氏名又は名称原語表記】Cordis Development Corporation
【住所又は居所原語表記】14000 N.W. 57th Court,Miami Lakes,Florida 33014,U.S.A.
【Fターム(参考)】