説明

耐熱性に優れる導電性不織布

【課題】 耐熱性に極めて優れ、電磁波遮蔽材などの導電材として使用することができる導電性不織布を提供する。
【解決手段】 310℃における溶融粘度が20Pa・s以下である溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを主成分とし、平均繊維径が1〜20μmである実質的に連続したフィラメントからなる不織布表面に金属被膜が形成された導電性不織布。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性に優れた導電性不織布に関するものであり、より詳しくは、耐熱性に優れた液晶形成性全芳香族ポリエステル極細繊維不織布に金属被膜を形成した導電性不織布に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器からの電磁波の漏洩や電磁波により通信される情報の漏洩を防止する目的で、電磁波遮蔽材が用いられている。このうち、ポリエステルやナイロン、アクリルなどの合成繊維の織物や不織布上に金属被膜を形成させた材料は、繊維材料のもつ柔軟性、可撓性と被覆された金属が有する電磁波遮蔽性を兼ね備えることから、電磁波シールディングシート、ガスケット、テープ、バッグ等として広く利用されており、例えば、綿目付け量が35〜600g/mの不織布に、無電解メッキにより金属成分を付着させたポリエステルないしアクリル繊維をベースとする電磁波遮蔽材が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、一方では、ポリアクリロニトリルやアクリロニトリル/塩化ビニル共重合体の繊維に金属を付着させた金属メッキ繊維と熱接着繊維からなる難燃性不織布を電磁波遮蔽材として用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
しかしながら、これら特許文献1〜2の電磁波遮蔽材は、基材であるポリエステルやナイロン、アクリルなどの合成繊維自体の耐熱性に乏しく、高い耐熱性を要求される用途、例えば、電子回路基板における電子部品の実装工法であるフロー工程やリフロー工程に対応することができず、電子部品実装工程に先立って、これらの電磁波遮蔽材を回路基板上に搭載しておくことは困難であった。また、これらの電磁波遮蔽材はハンダ耐熱性を有しておらず、それ自体は高い電気導通性を有しているものの、他の金属材料と電気的な接続をしたい場合でも、これをハンダ付けで実施することは困難であった。
【0004】
【特許文献1】特開昭62−238698号公報
【特許文献2】特開昭63−262900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は上記の課題を解消し、耐熱性に極めて優れた導電性不織布を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、一定の溶融粘度を有する溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを繊維化することによって得られる極細繊維からなる不織布に、金属被膜を形成することにより、極めて高い耐熱性を備える導電性不織布が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、310℃における溶融粘度が20Pa・s以下である溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを主成分とし、平均繊維径が1〜20μmである実質的に連続したフィラメントからなる不織布表面に金属被膜が形成された導電性不織布であり、好ましくは不織布がメルトブローン法により製造された不織布である上記の導電性不織布であり、より好ましくは金属被膜が銅、ニッケル、金、銀、コバルト、錫、亜鉛のいずれかからなるか、あるいは金属被膜が銅、ニッケル、金、銀、コバルト、錫、亜鉛のうち、少なくとも2種以上からなる合金あるいは積層被膜からなる上記の導電性不織布である。
【発明の効果】
【0008】
一定の溶融粘度を有する溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを繊維化することによって得られる極細繊維からなる不織布に、金属被膜を形成することにより、極めて高い耐熱性を備える導電性不織布が得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルは、その分子骨格から融点が高く、耐熱性に優れているばかりでなく、耐薬品性や耐熱水性にも優れており、エンジニアリングプラスチックスとして利用されているが、溶融液晶を形成するために繊維化、特に細繊度の繊維とすることは一般的には困難である。
本発明において不織布に用いる溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルは、耐熱性、耐薬品性に優れた樹脂である。本発明にいう溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルとは、溶融相において光学的異方性(液晶性)を示す芳香族ポリエステルであり、例えば試料をホットステージに載せ窒素雰囲気下で加熱し、試料の透過光を観察することで認定できる。
【0010】
溶融異方性ポリエステルは芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸の反復構成単位を主成分とするものが好ましい。
これらの中でも、本発明の導電性不織布で使用される溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルは、310℃における溶融粘度が20Pa・s以下であれば特に制限はないが、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸と1,6−ヒドロキシナフトエ酸の縮合体やその共重合体等、また、次項に示すジカルボン酸、ジオール、ヒドロキシ酸、アミノアルコール、アミノカルボン酸により導入しうる構成単位を有するポリエステルが挙げられ、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、4,4’−メチレンジ安息香酸、4,4’−スルホニルジ安息香酸などのジカルボン酸、ハイドロキノン、4,4’−ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのジオール、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、p−ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシ酸、p−アミノフェノールなどのアミノアルコール、p−アミノ安息香酸などのアミノカルボン酸などにより導入しうる構造単位を例示することができる。
なお、上記溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルには、必要に応じて着色剤、無機フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常使用されている添加剤および熱可塑性エラストマーを本発明の機能を阻害しない範囲で添加してもよい。
【0011】
次に本発明の導電性不織布を構成する溶融液晶形成性全芳香族ポリエステル不織布の製造方法はフラッシュ紡糸法、メルトブロー法等を例示することができるが、極細繊維からなる不織布の製造が比較的容易であり、紡糸時に溶剤を必要とせず環境への影響を最小限とすることができる点からメルトブロー法で製造された不織布であることが好ましい。
メルトブロー法は公知の方法を採用することができ、例えば、溶融した溶融液晶形成性ポリエステルを、一列に配列した複数のノズル孔から溶融ポリマーとして吐出し、オリフィスダイに隣接して設備した噴射ガス口から高温高速空気を噴射せしめて、吐出された溶融ポリマーを細繊維化し、次いで細繊維化物をコレクタであるコンベヤネット上等に捕集して不織布を製造する方法が挙げられる。
【0012】
メルトブロー法にて製造する場合、紡糸装置は従来公知のメルトブロー装置を用いることができる。紡糸条件としては、紡糸温度310〜360℃、熱風温度(一次エアー温度)310〜380℃、ノズル長1m当りのエアー量10〜50Nmとすることが好ましい。またこのようにして製造される本発明の不織布を構成する繊維の平均繊維径は1〜20μmであることが好ましい。平均繊維径が1μm未満では風綿が発生し繊維塊となりやすく、一方20μmを越えるとウェブの形成が困難となり好ましくない。
なお、本発明において平均繊維径は、不織布を走査型電子顕微鏡で拡大撮影し、任意の100本の繊維径を測定した値の平均値を示す。
【0013】
上記したような方法にて不織布を製造するにあたり、本発明で使用される溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルは、310℃での溶融粘度が20Pa・s以下であることが必要である。310℃での溶融粘度が20Pa・sを越えると極細繊維化が困難であったり、重合時のオリゴマー発生、重合時や造粒時のトラブル発生等の理由から好ましくない。一方、溶融粘度が低すぎる場合も繊維化が困難であるため、310℃における溶融粘度が5Pa・s以上であることが好ましい。
かかる溶融粘度を有する溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルは、従来公知の全芳香族ポリエステルの重合技術によりって製造することができ、例えばポリプラスチックス社から「ベクトラ」(登録商標)A、Lタイプ等で提供されている。
【0014】
本発明においては、所定の粘度を有する溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを用いることによって、極細繊維からなる繊維不織布が得られるものの、用途によっては、ポリマーの重合度が不足するために不織布の強度が不足することがある。この課題は、得られた不織布を熱処理して固相で重合を進めることにより、解決することができる。
固相重合に当たっては、使用する溶融液晶形成性ポリエステルの特性により、窒素のごとき不活性気体を用いたり、空気中での処理を行ったり、また最初は不活性気体中で固相重合を行い、更に空気中で固相重合を完結させるなど、適宜選択することが可能である。
【0015】
固相重合の温度は、使用する溶融液晶形成性ポリエステルによって変わりうるが、一般的には溶融液晶形成性ポリエステルの融点以下の温度、好ましくは融点−50℃の温度から融点までの範囲の温度で実施するとよい。固相重合の温度が、溶融液晶形成性ポリエステルの融点を超えると、繊維間の融着などの問題が起こり、好ましくない。本発明で用いる繊維不織布では、比表面積が著しく増大しており、重合反応に伴って生成する副生物が容易に離脱するため、重合反応は極めて効率的に進行する。
【0016】
本発明の導電性不織布は、前記した不織布に金属被膜を形成することが必要である。
金属被覆を形成する方法としては、電気メッキ、無電解メッキ、スパッタリング、真空蒸着など、従来公知の方法を用いることができるが、高い導電性が得やすいとの観点から無電解メッキによる方法が好ましい。無電解メッキの方法としては従来公知の方法を用いることができ、特に制限はないが、基材となる不織布の繊維表面に触媒を付与した後、金属塩、還元剤、緩衝剤を溶解した化学メッキ浴に浸漬することによって金属被膜を形成する方法が一般的である。
【0017】
金属被膜としては、銅、ニッケル、銀、金、コバルト、錫、亜鉛のいずれかからなる積層被膜、あるいはこれらの少なくとも2種以上からなる合金や積層被膜などを挙げることができ、特に限定はないが、導電性の高さ、金属被覆の形成容易性などの点から、銅、ニッケル、金あるいはこれらの少なくとも2種以上からなる積層被膜が特に好ましい。
これらの中でも、導電性が高く電磁波遮蔽性を付与しやすい点において、銅は最も好ましい金属被膜であるが、表面酸化を抑制する目的で更にニッケルを積層したものが特に好ましい。
【0018】
本発明の導電性不織布で形成する金属被膜の厚みは、0.05〜10μmの範囲にあることが好ましい。金属被膜の厚みが0.05μmより小さいと十分な導電性が得られず、一方、10μmより大きいと不織布の柔軟性や可撓性が損なわれるので好ましくない。
【0019】
本発明の導電性不織布は、繊維表面に上記した構成の金属被膜を形成することによって、導電性を有する。その表面抵抗値は、金属被膜の種類や厚みによって変わりうるが、十分な電磁波遮蔽性を確保する観点から、表面抵抗値は10−3〜1Ω/□、好ましくは10−3〜10−1Ω/□の範囲が好ましい。
【0020】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。なお、本実施例および比較例における各種物性の測定は、以下に記載する方法により測定されたものを意味する。
【0021】
[溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの溶融粘度 Pa・s]
本実施例で用いた溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの溶融粘度は、測定に先立って120℃/10時間だけ真空乾燥し、東洋精機社製「キャピログラフ1B型」を用い、温度310℃、剪断速度1000(1/s)の条件下で測定した。
【0022】
[導電性不織布の耐熱性 ℃]
導電性不織布の耐熱性は、不織布の軟化温度を測定することにより評価した。理学電器社製の熱機器分析計(TMAと称す)を使用して、幅5mm×長さ20mmの不織布に1gの荷重をかけ、10℃/minの速度で昇温して、温度(℃)〜寸法変化率(%)曲線を作図し、この曲線において、昇温に伴って寸法変化率が負(収縮)の領域から正(膨張)の領域に転ずる直前の温度領域に認められる接線の勾配が0%/℃となる温度を軟化温度として求めた。
【0023】
[導電性不織布の電磁波遮蔽性]
関西電子工業振興センター考案による測定セル(マイクロウェーブファクトリー社製「MWF−06−P031−1」)を用い、ベクトル型ネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製「PNA−E8363B」)により発生させた100MHz〜1GHzの電磁波を上記の測定セルで発信し、不織布を介して受信した。その際の透過率を電磁波遮蔽性として測定し、周波数100MHzと1GHzにおける透過率を電磁波遮蔽性として求めた。(単位:dB)また、透過率が1%以下に相当する40dB以上の遮蔽性を示したものを○、そうでないものを×として遮蔽性評価を示した。
【0024】
[導電性不織布の表面抵抗値 Ω/□]
導電性不織布の表面抵抗値は、抵抗値測定器(ヒューレット・パッカード社製「MULTIMETER3478A」)を使用し、JIS−K−7194に準拠して四端子四探針法により測定した。
【0025】
[実施例1]
(1)溶融液晶形成性全芳香族ポリエステル(ポリプラスチックス社製「ベクトラA」;310℃での溶融粘度20Pa・s)を、低露点エアー式乾燥機にて十分に乾燥し、二軸押出機押出機により押し出して幅1m、ホール数1000のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給した。メルトブローン装置にて、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度310℃、熱風温度310℃にてブローンし、平均目付が30g/m、平均繊維径9.0μmのメルトブローン不織布を得た。この不織布を、耐熱性を高める目的で、窒素気流中で260℃にて15時間、さらに260℃の空気中で5時間、発生する副生ガスをモレキュラーシーブで吸着しつつ熱処理を行った。
(2)上記(1)で得られた不織布の繊維表面にパラジウム触媒を付与し、硫酸銅と酒石酸カリウム・ナトリウム(ロッシェル塩)を含む無電解銅メッキ液に浸漬、水洗し、不織布表面に銅被膜を形成させた。続いて、電気ニッケルメッキ液に浸漬し、電解メッキにてニッケルを被膜させた後に水洗、乾燥すると、銅被膜上に更にニッケル被膜が積層形成された導電性不織布が得られた。得られた導電性不織布の耐熱性を測定したところ、軟化温度は305℃と高く、極めて高い耐熱性が得られた。また、電磁波遮蔽性を測定したところ、周波数100MHzでは75(dB)、周波数1GHzでは71(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.047(Ω/□)であった。これらの結果を表1に示す。
【0026】
[実施例2]
溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルとしてポリプラスチックス社製「ベクトラL」(310℃での溶融粘度15Pa・s)を用い、ブローン温度、熱風温度を315℃にすること以外は実施例1と同様にして、平均目付22g/m、平均繊維径9.5μmのメルトブローン不織布を得た。また、実施例1と同様にして熱処理と繊維表面への銅/ニッケルの金属積層被膜の形成を行い、導電性不織布を得た。これらの耐熱性、電磁波遮蔽性、表面抵抗値の測定結果を表1に示す。
【0027】
[実施例3]
溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルとして実施例2と同じポリプラスチックス社製「ベクトラL」(310℃での溶融粘度15Pa・s)、ブローン温度、熱風温度を315℃にすること以外は実施例1と同様にして、平均目付40g/m、平均繊維径7.0μmのメルトブローン不織布を得た。また、実施例1と同様にして熱処理と繊維表面への銅/ニッケルの金属積層被膜の形成を行い、導電性不織布を得た。これらの耐熱性、電磁波遮蔽性、表面抵抗値の測定結果を表1に示す。
【0028】
[実施例4]
溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルとして実施例2と同じポリプラスチックス社製「ベクトラL」(310℃での溶融粘度15Pa・s)を用い、ブローン温度、熱風温度を315℃にすること以外は実施例1と同様にして、平均目付100g/m、平均繊維径15.9μmのメルトブローン不織布を得た。また、実施例1と同様にして熱処理と繊維表面への銅/ニッケルの金属被膜の形成を行い、導電性不織布を得た。これらの耐熱性、電磁波遮蔽性、表面抵抗値の測定結果を表1に示す。
【0029】
[比較例1]
310℃での溶融粘度が30Pa・sである溶融液晶形成性ポリエステルを用いた以外は実施例1と同様にしてメルトブローン不織布を得ようとしたが、ショット(繊維を形成できなかった樹脂粒)がウェブ上に多発し、良好な不織布を得ることはできず、以降の金属被膜の形成や物性評価は実施できなかった。
【0030】
[比較例2]
溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルに代えてポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.59)を用い、樹脂温度を295℃、一次エアー温度を295℃とした以外は実施例1と同様にしてメルトブローンし、平均目付60g/m、平均繊維径3.8μmの不織布を得た。該不織布に対して熱処理は実施せずに、実施例1と同様にして金属被膜を形成して導電性不織布を得た。得られた導電性不織布は、良好な電磁波遮蔽性を示し、表面抵抗値も低かったが、軟化温度は193℃と低く、耐熱性はなかった。
【0031】
[比較例3]
実施例1と同様にしてメルトブローンし、平均目付30g/m、平均繊維径9.0μmの不織布を得た。この不織布に実施例1と同様な熱処理を行い、金属被膜を形成させることなく、耐熱性、電磁波遮蔽性、表面抵抗値を測定した。これらの結果を表1に示す。表面抵抗値は、測定限界以上の>1×10(Ω/□)であった。
【0032】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の導電性不織布は、広い周波数帯にわたって電磁波遮蔽性を有し、電磁波シールディングシート、ガスケット、テープ、バッグ等の用途に広く使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
310℃における溶融粘度が20Pa・s以下である溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを主成分とし、平均繊維径が1〜20μmである実質的に連続したフィラメントからなる不織布表面に金属被膜が形成された導電性不織布。
【請求項2】
不織布がメルトブローン法により製造された不織布である請求項1記載の導電性不織布。
【請求項3】
金属被膜が銅、ニッケル、金、銀、コバルト、錫、亜鉛のいずれかからなる請求項1または2記載の導電性不織布。
【請求項4】
金属被膜が銅、ニッケル、金、銀、コバルト、錫、亜鉛のうち、少なくとも2種以上からなる合金あるいは積層被膜からなる請求項1または2記載の導電性不織布。

【公開番号】特開2008−223189(P2008−223189A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66088(P2007−66088)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】