説明

耐熱性ポリエステル容器の製造方法

【課題】 生産工程でのエネルギー効率が良く、且つ、アニーリング時に歪み難い耐熱性ポリエステル容器の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 80℃以上130℃以下に加熱したポリエステル製プリフォームを金型内で延伸ブロー成形した後、130℃以上180℃以下の高温で熱固定を行い、得られた成形体内側表面を延伸ロッドの長手方向に沿って設けられた複数の吹き出し孔から冷却流体を吹き付けることで冷却し、金型から前記成形体を取り出して放冷雰囲気中でアニーリングして前記金型内容積に対する前記成形体外容積の収縮率が3.0%より大きく6.0%以下となるように自由収縮させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性ポリエステル容器の製造方法に関する。さらに詳しくは、耐熱性のポリエチレンテレフタレート製ボトル容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート製の延伸ブロー成形容器(PETボトル)は、極めて優れた透明性を有し、ガスバリヤー性、水分不透過性に優れており、耐内容物性及び保存性に優れていることから、飲料用を始めとする多くの用途に多量に使用されている。
【0003】
しかし、通常のPETボトルは、熱収縮変形をおこすなど耐熱性に劣るという欠点がある。このため、熱殺菌した飲料等を高温のままで充填する用途に対しては、熱変形や容積の収縮変形(以下、単に「熱変形等」と言う。)を生じる。そのため、このような用途に対しては、延伸ブロー成形体を成形後の熱固定(ヒート・セット)により結晶化させて耐熱性を高めた耐熱PETボトル(耐熱性ポリエステル容器)が使用されている。
【0004】
このような耐熱PETボトルの製造方法としては、熱固定後の成形体をある程度冷却し、まだ比較的高温の状態で金型から取り出した後、取り出した成形体を放冷雰囲気中でアニーリング(除冷による歪み取り)して成形体の容積を収縮(自由収縮)させることで耐熱PETボトルを得る方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開昭58−162321号公報
【特許文献2】特開昭63−185620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら従来の製造方法では、熱固定後に金型から取り出しても所望の形状を保つ(維持する)ことができるように、成形体全体をある程度冷却して硬化させる必要がある。そこで、金型から取り出す前に、冷却エアー等の冷却流体を成形体内部の底部から内部へ循環させて冷却することが提案された。
【0006】
しかし、成形体底部に吹き付けられた冷却流体は、循環して上部に到達するまでに熱せられてしまう。そのため、金型から取り出しても所望の形状を保つことができるように、成形体上部までを十分に冷却するためには、多量の冷却流体を循環させることが必要となる。その結果、耐熱性ポリエステル容器の生産工程でのエネルギー効率は、非常に悪くなる。
【0007】
さらに、従来の冷却流体を循環させて冷却する製造方法によって製造された成形体では、該成形体上部まで冷却されてほぼ全体が十分硬化してからアニーリングを行わなければ、その際の自由収縮によって全体形状(特に上部形状)が大きく歪む場合があり、不良品が多量に発生してしまうといった問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、生産工程でのエネルギー効率が良く、且つ、アニーリング時にも歪み難い耐熱性ポリエステル容器の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係るポリエステル容器の製造方法では、80℃以上130℃以下に加熱したポリエステル製プリフォームを金型内で延伸ブロー成形した後、130℃以上180℃以下の高温で熱固定を行い、得られた成形体内側表面を延伸ロッドの長手方向に沿って設けられた複数の吹き出し孔から冷却流体を吹き付けることで冷却し、金型から前記成形体を取り出して放冷雰囲気中でアニーリングして前記金型内容積に対する前記成形体外容積の収縮率が3.0%より大きく6.0%以下となるように自由収縮させることを特徴とする。
【0010】
上記製造方法によれば、金型内で延伸ブロー成形された後に熱固定された成形体は、延伸ロッドの長手方向に沿って設けられた複数の吹き出し孔からほぼ一斉に吹き出される冷却流体が内側表面に吹き付けられることで、前記成形体の内側表面全体がバランス良く冷却されて硬化する。
【0011】
そうすると、成形体外側表面部が十分に冷却されず、十分に硬化していない状態であったとしても、冷却され硬化した成形体の内側表面部が他の部位(成形体外側表面部)を支えることで成形体の形状を保つ(維持する)ことができるようになるので、従来の製造方法よりも成形体全体が高温状態であっても成形体を金型から取り出すことができるようになる。
【0012】
従って、成形体全体を必要以上に冷却する必要がなくなるため、冷却に必要な冷却流体の量は、成形体の底部から冷却流体を循環させて冷却する時よりも少なくて済み、成形体の製造工程においてエネルギー効率が良好となる。
【0013】
さらに、高温状態で成形体を金型から取り出して放冷雰囲気中でアニーリングする際、従来の製造方法であれば、ある程度全体が冷却されて硬化していない限り自由収縮によって形状が大きく歪んでしまう。しかし、成形体の内側表面部が全体的にバランス良く冷却されることによって硬化している(即ち、伸縮し難くなっている)ことから、他の部位をアニーリングによって自由収縮させても大きな歪みの発生は抑制できる。
【0014】
即ち、成形体の内側表面部を全体的にバランス良く冷却して硬化させることによって、将来の熱変形等に対する耐性を強くするために、成形体を高温状態で金型から取り出して十分アニーリング(除冷による歪み取り)して自由収縮させても、全体形状が大きく歪むことなく所望の形状の成形体を得ることができるようになる。
【0015】
さらに、収縮率を3%より大きくすることで、成形体は、内容物充填時等の熱による成形体の熱変形等に対して耐性が強くなる。例えば、成形体(ポリエステル容器)は、その使用時に、熱殺菌された高温の飲料等の内容物を充填してから蓋によって密封される。その後、冷却して常温に戻してから出荷されるが、その際の内容物の高温に起因する成形体の変形に対する耐性が強くなる(即ち、変形し難くなる)。その結果、例えば、成形体にラベルを貼着する際の生産ラインや梱包作業ライン等での前記変形に起因する詰まり等のトラブルの発生を防ぐこともできる。
【0016】
また、本発明においては、成形体の内側表面部が全体的にバランス良く硬化していることから、3%より大きく収縮させても6%以下であれば、熱変形等に対する耐熱性が強くなると共にアニーリング時の成形体の大きな歪みを十分に抑制できる。
【0017】
また、前記冷却は、柱状の保形部が形成されるように冷却流体を吹き付けて集中冷却することが好ましい。
【0018】
上記製造方法によれば、前記同様、延伸ロッドの長手方向に沿って複数の吹き出し孔が設けられていることから、成形体の内側表面部全体がバランス良く冷却されて硬化している。また、得られた成形体には、その一部を柱状に冷却流体によって集中冷却されることで、他の部位よりも早く冷却が進んで硬化する柱状の保形部が形成される。
【0019】
従って、金型から取り出す際に、成形体全体の温度が高くても形状をより保ち易くなる。さらに、放冷雰囲気中でアニーリングする際にも、形状をより保ち易くなっていることから、十分に自由収縮させても大きな歪みの発生を抑制できる。従って、熱変形の少ないより耐熱性が強いポリエステル容器を得ることができるようになる。
【0020】
また、前記柱状保形部が、前記成形体の周側部に複数形成されるように冷却することが好ましい。
【0021】
上記製造方法によれば、柱状保形部が成形体の周側部に複数形成されることになるため、成形体の長さ方向の歪みに対する抑制がより強くなるため、真っ直ぐな成形体が得易くなる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明のポリエステル容器の製造方法によれば、容器(成形体)の生産工程でのエネルギー効率を良くすることができる。さらに、将来の熱変形等に対する耐性があり、且つ、アニーリングの際の自由収縮に対しても容器の形状を所望の形状に保つことができるポリエステル容器の製造方法を提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係るポリエステル容器(以下、単に「容器」と言う。)1の製造方法について添付図面に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での種々の変更が可能である。
【0024】
まず、本実施形態に係る製造方法によって製造される容器1の基本的な構成について説明する。
【0025】
図1(イ)及び(ロ)に示す如く、容器1は、上から順に口部2と肩部3と胴部4と底部5とから構成される。
【0026】
前記口部2は、キャップ(蓋)と嵌合できるネジ山6とサポートリング7とを有し、横断面が略円形に形成される。
【0027】
前記胴部4は、横断面が角部8を短い斜辺とした略四角形状に形成される。四側辺9は、胴部周側部に設けられる減圧吸収パネル10を形成する。該減圧吸収パネル10は、内容物の熱膨張及び収縮を変形によって吸収するための部位である。
【0028】
また、前記角部8は、胴部周側部に設けられる柱部11を形成する。この柱部11は、外力に対して、容器1の形状を維持するための部位である。
【0029】
また、本実施形態においては、容器1の胴部4の横断面が略四角形状であるが、この形状に限定する必要はなく、六角等の多角形であっても良い。その場合も、角部8,8,…を柱部11,11,…とすることが好ましい。また、横断面は円形であっても良い。
【0030】
尚、本実施形態の場合、後述するように、製造時の熱固定後に集中冷却する部位が前記柱部11と同じ部位であるため、アニーリング時に他の部位より伸縮し難くなる柱状保形部11’が柱部11と同じ部位に形成されるが、柱状保形部11’と柱部11とは異なる部位に形成されても良い。
【0031】
前記肩部3は、横断面が略四角形の胴部4と、略円形の口部2とを繋ぐ部分であり、下端から上端に向かって、横断面が略四角形から略円形へと徐々に変化するように形成されている。
【0032】
次に、図2(イ)及び(ロ)に示す如く、上記容器1を成形するための二軸延伸ブロー成形装置(以下、単に「成形装置」と言う。)の金型部20の基本的な構成を説明する。
【0033】
成形装置の金型部20は、ブロー成形金型21と、底型22と、延伸ロッド23とを備えている。
【0034】
延伸ロッド23は、延伸ロッドの機能を有すると共に、成形体(容器)1の内面に冷却エアーAを吹き付ける冷却エアー供給管を兼ねているため、延伸ロッド23の軸方向に冷却エアー供給路24が形成されている。
【0035】
前記延伸ロッド23には、図2(イ)及び(ロ)に示す如く、長さ方向に沿って冷却エアーAを吹き出すためのエアー吹き出し部が複数設けられている。この、エアー吹き出し部は、冷却エアーAの吹き出しによって複数本の柱状保形部11’が形成されるように、延伸ロッド23の軸芯から放射状、且つ周縁を等間隔に分割する部位に吹き出し孔25が4つ形成されたエアー吹き出し部が長手方向に沿って複数段設けられている。
【0036】
このエアー吹き出し部からの冷却エアーAの吹き出しによって前記柱状保形部11’が形成される際には、前記延伸ロッド23の長手方向に沿って設けられた複数のエアー吹き出し部からほぼ同時に冷却エアーAが成形体1の内面に向けて吹き出される。この吹き出しによって、後述するように、柱状保形部11’が形成され、且つ成形体(容器)1の内側表面部全体がバランス良く冷却される。
【0037】
次に、二軸延伸ブロー成形に使用するプリフォーム(パリソン)30について説明する。
【0038】
プリフォーム30は、図3に示す如く、口部31を備えた試験管状に形成される。
【0039】
前記プリフォーム30は、射出成形機で溶融したポリエチレンテレフタレートを圧力をかけて金型に射出充填し、冷却後、取り出して形成されている。その際、最終容器1に対応する口部31を備えた有底プリフォーム30は、非結晶状態で形成されている。
【0040】
尚、該プリフォーム30は、ポリエチレンテレフタレートからなる熱可塑性樹脂で形成されているが、該熱可塑性樹脂は、少量の共重合成分が共重合されたポリエステルでも良く、また、安定剤、顔料、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線劣化防止剤、帯電防止剤、抗菌剤等の添加剤やその他の樹脂を適量加えられていても良い。
【0041】
次に、本実施形態に係るポリエステル容器の製造方法について図2(イ)及び(ロ)を参照しつつ説明する。
【0042】
まず、プリフォーム(パリソン)30を、延伸ブロー成形機のプリフォーム加熱部で、延伸ブロー前に、延伸温度である80℃以上130℃以下に加熱する。尚、前記温度は、金型表面の温度であり、本実施形態においては100℃以上120℃以下であるのが好ましい。
【0043】
次いで、プリフォーム30を金型21及び底型22によって形成される空間内に供給し、延伸ロッド23を前記プリフォーム30内に挿入すると共に、その底部を延伸ロッド23で軸方向に延伸する。
【0044】
また、プリフォーム30の軸方向への延伸とほぼ同時に、ブローエアーによって上記プリフォーム30を径方向に延伸することにより、二軸延伸ブロー成形を行って所定の形状とし、さらに、130℃以上180℃以下に加熱して熱固定する。尚、前記温度は、金型表面の温度であり、本実施形態においては140℃以上160℃以下であるのが好ましい。
【0045】
その後、成形体1内面に前記延伸ロッド23を介して冷却エアーAを吹き付けて、角部8に柱状保形部(即ち、冷却によって他の部位よりもアニーリング時に収縮し難くなった柱状の部位)11’が形成されるように集中冷却する。
【0046】
尚、本実施形態では、成形体1を冷却するための冷却流体として冷却エアーAを使用するが、他の冷却流体でも良い。
【0047】
次いで、成形体1を金型21から取り出す。この時、本実施形態においては、取り出し約0.5秒後の保形部11’の外側表面温度が約130℃〜132℃である。
【0048】
このように成形体1の内側表面部を冷却することにより、保形部11’が形成されることで、成形体1の保形部11’以外の他の部位における外側表面温度が前記約130℃〜132℃よりも高くても成形体1の形状を保つことができ、金型21から成形体1を取り出すことができる。
【0049】
従来の製造方法では、冷却エアーAを成形体1の底部へ吹き出し、循環させて肩部までを冷却する。従って、底部が形状を保つことができる程度に冷却されても、肩部は形状を保てるほどには冷却されておらず、金型から取り出しても成形体1は、全体形状を保つことができなかった。そのため、成形体全体の温度が120℃以下になるまで冷却して硬化させた後に金型から取り出さなければ該成形体の形状が保てなかった。
【0050】
これに対し、本実施形態においては、上記の如く、成形体1の周側部に柱状の保形部11’が複数形成されるように冷却することで、成形体1の柱状保形部11’以外の外側表面温度が高くても(約130℃〜132℃より高い)全体の形状を保つことができるようになる。その結果、より高温で金型21から成形体1を取り出すことができるようになる。
【0051】
従って、同温度の冷却エアーを使用した場合、底部から肩部へ循環させて容器全体を冷却するための冷却エアーの使用量に対し、本実施形態における冷却エアーAの使用量は低減される。
【0052】
その後、金型21から取り出した成形体1を室温雰囲気中でアニーリングして成形体1を収縮率が3%より大きく6%以下となるように自由収縮させる。このアニーリングによる成形体1の自由収縮により、成形体1の周側壁中の残留歪(残留応力)が緩和され、成形体1の寸法安定性、荷重たわみ温度、機械的性質等が向上する。その結果、高温での内容物の充填や成形体1の加熱殺菌に際して、器壁の不斉変形(部分的な変形)が抑制されることになる。
【0053】
また、本実施形態では、成形体1の周側部に複数の柱状保形部11’を形成した後、金型から取り出すため、アニーリングによって収縮率が3%より大きく6%以下という範囲で前記自由収縮を行ったとしても、全体形状が大きく歪むことを抑制できる。
【実施例】
【0054】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0055】
<実施例>
(1)射出成形機によるプリフォーム成形
ポリエチレンテレフタレートを用い、射出成形機で試験管形状の有底プリフォームを射出成形した。
【0056】
(2)二軸延伸ブロー成形機によるブロー成形及び熱固定
上記(1)で得られたプリフォームを、延伸ブロー成形機で成形した。具体的には、二軸延伸ブロー成形機を用い、プリフォームを表面温度が100〜120℃になるまで加熱し、金型内で縦延伸用ロッドの上昇と共に圧力38kg/cm2の空気圧力で二軸延伸ブロー成形し、成形体(ブロー容器)1を得た。
【0057】
次いで、金型21及び底型22の表面温度(熱固定温度)が140〜160℃となるまで加熱し、その状態で保持して成形体1の熱固定を行った。尚、底型22の表面温度は、金型21の表面温度よりも低いものとする。
【0058】
(3)成形体の冷却及びアニーリング
上記(2)で得られた成形体1を、延伸ロッド23から吹き出される冷却エアーAによって内側から柱部11を集中冷却して柱状保形部11’を形成した。その後、成形体1の柱部11の外側表面温度が約130℃〜132℃の範囲で金型21から取り出して室内雰囲気中でアニーリングした。
【0059】
前記柱部11の外側表面温度は、延伸ブロー成形機内に測定器((株)キーエンス社製の放射温度センサーFTH30)をセンサーが金型から取り出された成形体1に向くように固定し、金型から取り出してから0.5秒後の成形体1の外側表面温度を測定したものである。
【0060】
この時、冷却エアーAでの冷却時間を調整し、アニーリング時の自由収縮の収縮率を変えて収縮率の変化による冷却エアーAの使用量と不良品の発生率を測定し、その結果を表1に示した。
【0061】
<比較例>
アニーリング時の収縮率を3.0%以下、または6.0%よりも大きくなるようにした以外は、実施例と同様にして成形体を作製した。尚、実施例と同様に、冷却エアーAの使用量と不良品の発生率を測定し、その結果を表1に示した。
【0062】
【表1】

上記表1において、冷却エアーの使用量は、実施例1での使用量を1とした場合の使用量である。
【0063】
その結果、収縮率が3.0%より大きい時に冷却エアーAの使用量の削減によりエネルギー効率が良くなると評価でき、収縮率が6.0%以下の時が歪みによる不良品発生率が製造段階での許容範囲内になると評価できた。また、エネルギー効率及び不良品発生率の両方の値を検討した結果、本実施例においては、収縮率が3.2%以上とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施形態に係る製造方法によって製造されるポリエステル容器の、(イ)は正面図、(ロ)は正面図におけるα−α断面図、を示す。
【図2】同実施形態に係る製造方法で使用される二軸延伸ブロー成形機の金型部の、(イ)は縦断面の概略図、(ロ)は成形体胴部位置の横断面の概略図、を示す。
【図3】同実施形態に係る製造方法に使用されるプリフォームの正面図を示す。
【符号の説明】
【0065】
1…耐熱性ポリエステル容器(ポリエチレンテレフタレート製ボトル容器、耐熱PETボトル、又は成形体)、11’…保形部、20…二軸延伸ブロー成形機の金型部、21…金型、22…底型、23…延伸ロッド、24…冷却エアー供給路、25…冷却エアー吹き出し孔、30…プリフォーム(パリソン)、A…冷却エアー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
80℃以上130℃以下に加熱したポリエステル製プリフォームを金型内で延伸ブロー成形した後、130℃以上180℃以下の高温で熱固定を行い、得られた成形体内側表面を延伸ロッドの長手方向に沿って設けられた複数の吹き出し孔から冷却流体を吹き付けることで冷却し、金型から前記成形体を取り出して放冷雰囲気中でアニーリングして前記金型内容積に対する前記成形体外容積の収縮率が3.0%より大きく6.0%以下となるように自由収縮させることを特徴とする耐熱性ポリエステル容器の製造方法。
【請求項2】
前記冷却は、柱状の保形部が形成されるように冷却流体を吹き付けて集中冷却することを特徴とする請求項1記載の耐熱性ポリエステル容器の製造方法。
【請求項3】
前記柱状保形部が、前記成形体の周側部に複数形成されるように冷却することを特徴とする請求項2記載の耐熱性ポリエステル容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−69403(P2007−69403A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257406(P2005−257406)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000178826)日本山村硝子株式会社 (140)
【Fターム(参考)】