説明

耐食性の、厚みを増大させたファブリックを含む、外面仕上げ系及び建造物用壁並びにその製法

外面仕上げ系、例えばスタッコ系及び外面断熱及び仕上げ系(EIFS)において使用するための、耐食性ラスを提供する。このラスは、第一の態様では、目の粗い織布を含み、この織布はガラス繊維等の非-金属繊維を含む、緯糸及び経糸を含有する。該緯糸の一部には、起伏が与えられて、該ファブリックに対して増大された厚みをもたらす。該起伏状態にある該緯糸を、実質的に結合するために、該ファブリックをポリマー樹脂で被覆する。本発明は、また外面仕上げ系の製法及びこのようなラスを用いた外面仕上げ系を含む建造物用の壁をも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外面仕上げ材料のマトリックスを強化する上で有用な、厚みを増大させたファブリックを含む、外面断熱及び仕上げ系及び建造物用壁材、及び特にスタッコ等の外面仕上げ材料を支持するための耐食性ラスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
硬質コートのスタッコは、古くから使用されており、一方合成スタッコ及び外面断熱並びに仕上げ系(EIFS)は、第II次世界大戦以降の北米及び欧州の建造物において使用されている。最も一般的なEIFSは、基板に接着又は締結されるポリスチレンボード、例えば配向ストランド(OSB)石膏又は合板シージングの周りに形成される。次いで、このポリスチレンボードを、アクリルポリマーと混合したセメントを含む、少なくとも約1.59mm(1/16 in)なる厚みを持つ「ベースコート(base coat)」層で被覆する。このベースコートは、一般的に、該コートの割れに対する強化を助ける、埋設されたガラス繊維の強化メッシュと共に層上に形成される。「仕上げコート(finish coat)」は、典型的に少なくとも約1.59mm(1/16 in)又はそれ以上の厚みを持ち、該ベースコート上に噴霧、コテ塗り、又はロール塗りされる。この仕上げコートは、典型的にこの構造体に色及び肌理を与える。
【0003】
スタッコ用途にとって、該ラス又はワイヤメッシュは、典型的に該ポリスチレンボードの表面に、あるいはその適用がなければ、該スタッコに対して十分な機械的締結をもたらすことのない、任意の他の表面に適用される。メタルラス強化は、しばしばスタッコが開放フレーム構造、シースで覆われたフレーム構造、又は不十分な結合を与える表面を持つ中実基材上に適用される。フレーム構造に適用する場合、プラスタの2つのベースコートは、約9.5mm〜約19mm(約3/8〜約3/4 in)なる範囲の全厚みを持ち、装飾仕上げコート用の中実基材を与えるべきである。
【0004】
メタルラス強化は、また古いコンクリート又は組積壁に対しては、特に該表面が汚染されている場合、あるいは該基材層に対する相溶性が劣る場合には、スタッコ及びプラスタの適用を推奨している。また、同様な目的に対して利用できる、プラスチックラスも存在する。
【0005】
2002年10月1日に実施された、セメント含有外壁被覆に対する、建築主事許容基準に関する、国際会議(International Conference of Building Officials Acceptance Criteria for Cementitious Exterior Wall Coatings) AC 11及び2003年7月1日付の評価報告NER-676によれば、ワイヤファブリック製のラスは、最低でもNo. 20ゲージの、約25.4mm(1 in)(なる間隔)の、亜鉛鋼製の織り-ワイヤ布でなければならない。このラスは、裏地のないポリスチレンボードを除き、自己-起毛性の(self-furred)あるいはあらゆる基板上に適用する際には、起毛性のものでなければならない。被覆用の自己-起毛性ラスは、以下のような要件に従う必要がある:(1)最大の全塗膜の厚みは、25.4〜50.8mm(1/2 インチ);(2) 起毛クリンプは、各々最大約15.2cm(6 インチ)で与えられるべきであり;及び(3)該クリンプは、据付後、該基板から、最低約3.18mm(1/8 インチ)、該ラスの本体を起毛する必要がある。NER-676コードに加えて、メタルラス(ASTM C847-95)、及び溶接ワイヤラス(ASTM C933-96A)、及び織りワイヤプラスタ基材(ASTM C1032-96)に関する建築コードを満たすためには、スタッコ系用のラスは、典型的には厚みが、少なくとも約3.14mm(0.125 インチ)である必要がある。
【0006】
亜鉛鍍金メタルラスは、硬化するまで、スタッコの脱落又は垂落ちを実質的に防止することを可能とするが、これは鋼を含み、該鋼はいつかは錆び、また仕上げコートにおける変色を起こす可能性がある。事実、沿岸部コミュニティーにおけるスタッコで使用するための、メタルラスの欠点の一つは、塩水及び土砂降りの雨が、鋼成分の腐食を促進することである。ワイヤラスに係るもう一つの欠点は、切断及び起毛が、しばしば鋭利な金属ワイヤを露出させ、これが製造作業者の皮膚又は手袋を突き抜ける可能性があることである。
【0007】
従って、傷害発生の危険性を最小限に維持しつつ、耐食性の、かつ据付が容易な、スタッコ系用の改善されたラスに対する需要がある。
【発明の開示】
【0008】
外面仕上げ系、例えばスタッコ系又は外面断熱、かつ仕上げ系は、外面仕上げ材料のマトリックスを強化し、かつ支持するための、増大された厚みを持つファブリックを含んでいる。この増大された厚みを持つファブリックは、スタッコ系において使用するための、増大された厚みを持つラスとして、あるいは外面断熱、かつ仕上げ系用の、増大された厚みを持つ強化メッシュとして存在し得る。
【0009】
第一の態様においては、耐食性のラスを含む外面仕上げ系を提供する。このラスは、非-金属繊維を含む多孔質層;及び該繊維の少なくとも一部上に配置されたポリマー塗膜を含む。このポリマーで被覆した多孔質層は、少なくとも約3.18mm(約0.125 インチ)なる厚みを持ち、また脱落又は垂落ちを伴うこと無しに、外面仕上げ材料、例えば湿ったスタッコマトリックス、又はこれに適用されたEIFS基材コートの重さを保持し、維持することを可能とする。
【0010】
この耐食性のラス構造物は、鋼製のメッシュ又は鋼製ラス設備において固有の、腐食及びこれに続く変色の問題を排除する。これらの構造物は、また鋼製ラスよりも切断及び据付が一層容易であり、また作業者の皮膚を損傷する危険性を、最小化する。非-金属繊維を含む該ラスのもう一つの利点は、このラスの切断及び取扱いの容易さが、伝統的なメタルラス及びワイヤメッシュと比較して、より一層迅速な据付を可能とするという事実にある。これらのラス構造体は、最低建築法規を満たすのに十分な厚みを持ち、しかもこれらは、鋼製ラスとの競争を可能とするように、コスト的に有利な方法で製造される。
【0011】
好ましい一態様においては、外面仕上げ系を提供する。これは高強度の非-金属製緯糸及び経糸を含む、目の粗い織布を含有するラスを含み、それにより該糸の一部を、機械的に処理して、少なくとも約50%、及び好ましくは約100%を越えて、該ファブリックの厚みを増大する。この態様のラスは、外面仕上げ材料、例えばその表面に適用された、湿ったスタッコの重さを、該スタッコが硬化するまで保持し、維持することを可能とする。
【0012】
本発明の更なる態様においては、緯糸(横方向の糸)に巻付けられた経糸(縦方向の糸)からなるカラミ織りファブリックを提供する。該緯糸は、好ましくは規則的な間隔で、該織込まれた経糸に挿入されており、かつ機械的に所定位置に固定されている。該経糸に張力を適用した場合、該経糸自身は、巻付きが戻される傾向にあり、従って該緯糸にトルク作用を生じる。各経糸は、このトルク作用のために、巻付きが戻されるので、各緯糸は、ファブリックの面内で、又は図3の正面図において観測した場合には、正弦波パターンとなるものと推定される。従って、このファブリックの厚みは増大し、該ファブリックの幅は僅かに失われる。このような「厚み増加」作用は、例えば該経糸の総合重量が、該緯糸の総合重量よりも大きい場合に見られる、「平衡の破れた(不均衡な)」ファブリック構造によって引起こすことができ、従って正常な製造条件下におけるトルクによる変形に抵抗する、該緯糸の能力が減じられる。厚み増加を達成するもう一つの方法は、より重質の経糸を使用し、かつその縦方向におけるその密度を減じることである。このことは、経糸当たりのより大きな張力、及び該張力が作用する、より広い該緯糸のスパンを生じる。この結果は、同様に正常な製造条件下における、高いトルク作用によるものであり、ファブリックの厚みの増大を伴う。張力及び不均衡なファブリック構造両者の同時の使用も、有用である。
【0013】
本発明の外面仕上げ系の、目の粗い織布成分の糸又は繊維を被覆して、これらを固定もしくは結合状態に維持する。本発明により選択される樹脂塗膜は、好ましくは剛性であり、また外面仕上げ材料、例えば湿ったスタッコ及びEIFS基材及び仕上げコートによる柔軟化又は該材料への溶け込みに対して抵抗性である。この樹脂塗膜用の適当なポリマーは、高いスチレン含有率を持つスチレン/ブタジエン及びスチレン/アクリル系ポリマー、あるいは同様に高い靭性を持つ、任意の耐アルカリ性ポリマーを含む。ガラス繊維を使用する場合には、選択されるガラス繊維の型も重要である。該ガラス自体は、アルカリ性環境における劣化に対して耐性であるように選択することができる。例えば、このラスが、より高いポルトランドセメント含有率を持つものから製造したスタッコを含むスタッコ系において使用される場合、アルカリ耐性の又は「AR」ガラスの選択が適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
添付図面は、本発明の好ましい態様、並びに本明細書の記載と関連するその他の情報を示すものである。
耐食性のラス構造体を含む外面仕上げ系を提供する。外面仕上げ系は、一般的に負荷が掛けられていない壁、随意の断熱ボード、随意の耐候性バリヤ、及びこれらに伴う模様付きの保護仕上げコートを含む。この外面仕上げ系は、外面断熱かつ仕上げ系(EIFS)又はスタッコ系を含むことができる。一般に、EIFSは、負荷が掛けられていない壁、該壁に結合した随意の耐候性バリヤ、該壁に接着剤により又は機械的に結合した断熱ボード、この断熱ボード面に適用されたベースコート、このベースコート内に実質的に埋設された強化メッシュ及び仕上げコートを含む。スタッコ系は、典型的に負荷が掛けられていない壁、該壁に結合した随意の耐候性バリヤ、該壁に結合した随意の断熱ボード、該壁又は該断熱ボードの面に結合したラス、及び少なくとも1層のスタッコを含む。このスタッコ層も、仕上げコートを含むことができる。
【0015】
一態様において、該外面仕上げ系の該ラス成分は、スタッコ又はプラスタが、本来又はそれ自身が、該プラスタ又はスタッコに十分な機械的締結をもたらさない、ポリスチレンボード、OSB、合板又は石膏ボード基板、開放型木材フレーム又は起毛フレーム構造物、石垣、又はその他の表面に適用される場合には、メタルラス又はワイヤメッシュと置換される。これらラスは、ポルトランドセメント、砂、繊維及び特別な化学薬品のブレンドを使用して、耐久性のある、コスト的に有効な外壁処理を行う、「ワンコートスタッコ(one coat stucco)」において有用である。ワンコートスタッコ系は、「スクラッチアンドブラウン(scratch and brown)」コートを、厚み約9.53mm(約3/8 インチ)又はそれ以上の単一の適用において組み合わせ、また典型的に、殆ど全ての基板、例えばフォーム、プラスチックシージング、断熱フォーム、外部石膏、アスファルトを含浸したシージング、合板又は一時的OSB外部シージングに、手作業によるコテ塗り、又は機械による吹付けにより適用される。
【0016】
このラスは、また硬質コート、厚肉コート、セメントスタッコ又はポリマー変性スタッコとしても知られる、伝統的なスタッコ系において使用することも可能であり、ここで該系は、基板、例えば合板シージング(sheathing)、OSB又は石膏ボード、該基板に接着された又は固定された、ベースコートの厚みの約19.05mm(約3/4 インチ)までの、主としてアクリルポリマーと混合されたセメントを含む、ポリスチレン等の随意の剛性フォーム断熱ボード、及び色と肌理とを与える、該ベースコートに吹付け、コテ塗り又はロール塗布された、仕上げコートからなる。本発明のラス構造体は、通常該ベースコートを適用する前、又はワンコートスタッコ適用する前に、上記随意の断熱ボードを介して、基板にステープル止め、釘付け、又はネジ止めされる、メタルラス又はメッシュと置換するように設計されている。
【0017】
用語の定義付け
セメント含有材料:無機水硬性材料、例えば1種又はそれ以上のポルトランドセメント、モルタル、プラスタ、石膏、及び/又はその他の成分、例えば発泡剤、骨材、樹脂状添加剤、ガラス繊維、撥水剤及び耐水性添加剤、及び難燃剤を含むもの。
【0018】
複合化粧材:例えばファブリック、布、ニット、マット、織布、不織布及び/又はスクリムの、2又はそれ以上の層を含む、同一又は異なる材料の2又はそれ以上の層。
【0019】
ファブリック:織り又は不織りの可撓性材料、例えばティッシュ、布、ニット、製織品、カーディング処理したティッシュ、スパンボンド及び点結合(point-bonded)不織布、ニードルド又は編組材料。
【0020】
繊維:フィラメント状の材料を意味するのに使用される一般的な用語である。しばしば、繊維とは、フィラメントと同義語として使用される。一般的には、フィラメントとは、型通りにその径の少なくとも100倍の、有限な長さを持つものとして受入れられている。多くの場合において、これは、溶融浴から引出し、紡糸することにより、又は基板上に堆積することによって製造する。
【0021】
フィラメント:繊維状材料の最小の単位である。圧伸成形及び紡糸中に形成される基本的な単位であり、これらは、複合体において使用するために、繊維ストランドとして集められる。フィラメントは、通常極めて長く、かつ極めて小さな径を持つ。幾つかの紡織フィラメントは、これらが十分な強度及び可撓性を持つ場合に、糸として機能することができる。
【0022】
ガラス:溶融状態にある無機製品であり、結晶化すること無しに、剛性状態まで冷却されている。ガラスは、典型的に硬く、比較的脆く、また貝殻状に割れる。
【0023】
ガラスクロス:配向されたファブリックであり、例えば織られ、編まれ、ニードル処理され、又は編組処理されたガラス繊維材料であり得る。
【0024】
ガラス繊維:溶融状態にある無機製品から紡糸した繊維であり、結晶化すること無しに、剛性状態まで冷却されている。
【0025】
ガラスフィラメント:小径かつ極めて大きな長さまで圧伸成形されているガラスの一形態である。
【0026】
編成生地:フィラメント、ロービング又は糸を鎖状に編成することにより製造したファブリック。
【0027】
マット:バインダで一緒に緩く結合させた、ランダムに配向したチョップトフィラメント、短繊維、又はスワールフィラメントからなる、繊維材料である。
【0028】
ロービング:多数の糸、ストランド、トウ又は端部を殆ど又は全く捩れを与えずに、平行な束として集めたものである。
【0029】
スタッコ:砂、セメント含有物質、水、随意の石灰、及び随意の他の添加剤及び/又は添加物の混合物である。これは、強化媒体又は任意の適当な剛性基材、例えばシージング又は断熱ボード上に適用することができ、またしばしば「硬質コート又は従来のスタッコ」施工と呼ばれ、例えばスクラッチ(第一)コート、ブラウン(第二)コート、これに続く、添加された色材を含む、仕上げコート(通常、工場配合物(factory mix))と呼ばれ、又はセメント含有物質、砂、繊維及び特定の化学物質、例えばアクリル系の物質を含むブレンドであり、耐久性に富む、コスト的に有利な外壁を生成する、「ワンコート(one coat)」と呼ばれる。
【0030】
引張強さ:ゲージ長における、検体の単位断面積当たりの最大負荷又は力である。与えられた検体を破断するに要する引張応力を表す。(ASTM D579及びD3039を参照のこと)。
【0031】
テックス:g/1000mなる単位で表される、繊維の線形密度(又はゲージ)である。
【0032】
紡織繊維(textile fibers):加工により糸とし、あるいは織り、編み及び編組を含む様々な方法で織編することによって、ファブリックに成形することのできる、繊維又はフィラメントである。
【0033】
経糸(warp):織布における長さ方向に配置されている糸、繊維又はロービングである。ほぼ平行に、長さ方向に長い、一群の糸、繊維又はロービングである。
【0034】
製織(weave):糸、繊維又はロービングを織編することによって、ファブリックを製造する特定の方法である。通常、形式番号が与えられている。
【0035】
緯糸(weft):織布における横方向の加工糸、又は繊維である。該経糸に対して垂直方向に配列されている繊維である。同様に、ヨコ糸(fill; filling yarn又はwoof)とも呼ばれている。
【0036】
織布:糸、繊維、ロービング又はフィラメントの織編によって構築される、(通常平坦な構造を持つ)材料であって、平織り、ハーネスサテン、又はカラミ織り等のファブリックパターンを形成する。
【0037】
織りロービング:ロービング又は糸の束を、製織することによって、作られる、重質のガラス繊維ファブリックである。
【0038】
糸(yarn):巻付けられた天然の又は人工のフィラメント、繊維、又はストランドのアセンブリーであって、紡織材料に製織し、あるいは編成する際に使用するのに適した、連続する長い物質を形成する。
【0039】
ゼロツイスト糸(zero-twist-yarn):軽量のロービング、即ち殆ど捩れのない、繊維ガラス糸に典型的な線密度及びフィラメント径を持つ(しかし、実質上捩れのない)ストランドである。
【0040】
添付図及び特に図1-6を参照すると、一般的にマトリックス強化材として、及びより具体的にはメタルラス又はワイヤメッシュ、例えば外面仕上げ系、例えばEIFS、DEFS(直接外面仕上げ系、即ち断熱材の使用無しの)、及びスタッコ系において使用される、織りワイヤ亜鉛鍍金ラス又は亜鉛鍍金し、膨張させたメタルラス、又は実質的に平坦なガラス強化メッシュに対する代用品として有用なファブリック101が描かれている。ニードル処理した、織った、編んだ、及び複合材料が、これらの厳粛な強度対質量比のために、また織った及び編んだ材料の場合には、本発明の該ラス構造において扱うことのできる、緯糸及び経糸のパターン形成能力のために、好ましい。該ファブリック101及び本発明のラス30は、有機及び無機材料、例えばガラス、オレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン及びポリプロピレン)、ケブラー(KevlarTM)、グラファイト、レーヨン、ポリエステル、炭素、セラミック繊維、又はこれらの組合わせ、例えばガラス-ポリエステルブレンド、又はフランス国のサンゴベン社(Companie de Saint Gobain)から入手できる、ツインテックス(TwintexTM)ガラス-オレフィン複合体製の繊維及びフィラメントを含むことができる。これら型の繊維及びフィラメントとしては、ガラス組成物が、難燃性、低コスト及び高い機械的強度特性のために、最も望ましいものである。
【0041】
ガラス組成物
幾つかのガラス組成物が、開発されているが、連続的ガラス繊維の工業的生産のためには、ほんの幾つかのみが利用されているに過ぎない。利用されている4種の主なガラスは、高いポルトランドセメント含有率を持つスタッコ、殆どのポリマー-変性用の、電気的グレードのガラス(E-ガラス)、化学的に耐性の変性E-ガラス(ECR-ガラス)、及び高強度ガラス(S-ガラス)である。これら4種のガラスの代表的なガラス組成を、以下の表1に与える:
【0042】
【表1】

【0043】
これら組成を持つ上記4種のガラス繊維の固有の諸特性を、以下の表2に与える:
【0044】
【表2】

(a) 20℃(72°F)及び1MHzにて測定。出典:参考文献4。
【0045】
ガラスの溶融及び成形
前床における溶融ガラスの連続ガラス繊維への転化は、基本的に繊細化工程である。この溶融ガラスを、多数の穴又は末口(典型的な生産工程では400〜8000)を備えた、プラチナ-ロジウム合金ブッシュを通して流す。このブッシュを電気的に加熱し、またこの加熱を、一定のガラス粘度を保つために、極めて正確に調節する。これら繊維を引抜き、これらが該ブッシュを出たら即座に冷却する。サイズ剤の浴を介して連続的に回転している、アプリケータ上に、これら繊維を通すことによって、サイズ剤をこれら繊維の表面に適用し、通過する該ガラスフィラメントに対して、サイズ剤の薄い膜を維持する。サイズ剤を適用した後、該フィラメントを、取出し装置に到達する前に集めて、ストランドとする。フィラメントの小さな束(スプリットストランド)が必要とされる場合には、多数の捕集デバイス(しばしばシューと呼ばれる)を使用する。
【0046】
繊細化率及び結果として最終的なフィラメント径は、巻取り装置によって調節される。繊維径は、またブッシュ温度、ガラスの粘度及び該ブッシュ上の圧力ヘッドによっても影響される。最も広く利用されている巻取りデバイスは、回転コレット及び横断機構を使用して、成形パッケージの径が増大するにつれて、ランダムな様式で該ストランドを分配する、成形物巻取り器である。これは、後の加工段階、例えばロービング又はチョッピングにおいて、該パッケージからのストランドの取出しを容易にする。該成形パッケージを乾燥し、最終的なガラス繊維ロービング、マット、チョップトストランド、又は他の製品に転化するための、特定の二次加工領域に送られる。近年、成形中に、直接最終的なロービング又はチョップトストランドを製造するための、様々な方法が開発されており、かくして直接引抜きロービング又は直接チョップトストランドなる用語が導かれた。
【0047】
二次加工法(Fabrication Process)
一旦これらの連続的ガラス繊維を製造した後、該繊維を、意図した用途にとって適した形状に変換する必要がある。主な最終的形状は、連続ロービング、織りロービング、ガラス繊維マット、チョップトストランド、及び生地用途用の糸である。糸は、本発明の多くの用途において利用される。
【0048】
ガラス繊維ロービングは、ストランドの束を集めて、単一の大きなストランドとすることによって製造され、この大きなストランドは、安定な円筒形のパッケージに巻き取られる。この方法は、多重末端ロービング(multi-end roving)法と呼ばれる。この方法は、幾つかのオーブン乾燥した成形パッケージをクリールに配置することによって、開始する。次いで、該末端を張力下で一緒に集めて、綾巻数と呼ばれる、一定の横断-巻取り比を有する、正確なロービング巻取り器上に集められる。
【0049】
織りロービングは、ガラス繊維ロービングを、ファブリック形状に製織することにより作られる。これは、粗製製品を与える。そのコース表面は、スタッコ及び接着剤の適用にとって理想的なものである。というのは、これらの材料が、容易に該粗い繊維と結合できるからである。平織り及び綾織りは、あまり粗くはないので、保護手袋を用いること無しに、扱うことを容易にするが、スタッコ及び接着剤を吸収するであろう。これらは、また両方向における強度をも与え、一方で一方向に縫い合わせた又は編んだファブリックは、主として一方向における強度を与える。多くの新規なファブリックは、一般に、二軸、二重バイアス、及び3-軸織りを含む、特殊な用途に対して利用できる。
【0050】
ガラス繊維マット、スクリム、チョップト繊維、及び製織又は編成フィラメント又はロービングも、好ましい強化ファブリック101及びラス30構造に対して使用することができる。適当な重さのガラス繊維マット(通常はチョップトストランドマット)及び織りロービングフィラメント又は粗いチョップト繊維は、化学的なバインダ又は機械的に編成し、ニードル処理し、フェルト化し、又は一緒に縫い合わされる。
【0051】
本発明の強化ファブリック101及びラス30の糸は、公知の手段により作ることができる。成形操作により得られる糸の細い繊維のストランドを、成形チューブ内で風乾して、捩り操作を行うのに十分な保全性を与えることができる。捩りは、糸を製織工程にかける前に、これに付随的な保全性を与え、典型的な捩りは、約2.54cm(1 in)当たり1回転までである。多くの例において、より重質の糸が、該製織工程において必要とされる。これは、通常2又はそれ以上の単一のストランドを一緒に捩り、次いで張合わせ操作によって達成される。張合わせは、本質的に該捩られたストランドを、元の捩り方向とは逆の方向に再度捩る工程を含む。通常使用される2種の型の捩りは、S及びZとして知られ、これらは該捩りを行った方向を示す。通常、S方向の捩りにより一緒に捩られた2以上の捩りストランドを、均合糸を与えるように、Z方向の捩りによって張合わせる。このように、該糸の特性、例えば強度、束の径、及び歩留りは、該捩り及び張合わせ操作によって調整することができる。ガラス繊維糸は、公知の製織操作によって、ファブリック形状に変換される。様々な類の織機が、工業的に利用されているが、エアージェット織機が、最も普及しているものである。
【0052】
ゼロツイスト糸も使用することができる。この投入は、細いフィラメント糸の被覆率での、(捩りのない)ロービングの展開を容易にすることができる。使用されるストランド当たりのフィラメント数は、直接多孔度に影響し、また以下のように糸の質量と関連付けられる:n=(490×テックス)/d2。ここで、dはμm単位で表した個々のフィラメントの径である。このように、粗いフィラメントを含む該ロービングが、径が1/2のフィラメントを含む、ほぼゼロツイスト糸で置換できる場合には、フィラメント数は、同一のストランドテックスにおいて、4倍に増加する。
【0053】
本発明の製織に関する態様の主な特徴は、その形式又は製織パターン、織布の打込数及び経糸と緯糸との構成を包含する。それと共に、これらの特徴は、ファブリックの特性、例えばドレープ性、及びスタッコ系における性能を決定する。該織布の打込数は、約2.54cm(1 in)当たりの経糸及び緯糸の数と等価である。経糸は、縦方向に平行に配列され、かつ緯糸はこれに垂直である。
【0054】
基本的に平織り、バスケット織り、綾織、及び朱子織りの4種の製織パターンがある。平織りは、最も単純な形状であって、一本の経糸を、一本の緯糸の上下に織編するものである。バスケット織りは、2又はそれ以上の上下に織編した、2又はそれ以上の経糸を含む。綾織では、少なくとも2本の緯糸上に、1又はそれ以上の経糸を含む。朱子織り(千鳥綾織り)は、このファブリック中に不規則なパターンを与えるために、3本の緯糸の上及び1本の緯糸の下に交錯させた、1本の経糸からなる。8ハーネス朱子織りは、特殊なケースであり、そこでは1本の経糸が、7本の緯糸上及び1本の緯糸の下に織編され、不規則なパターンを与えている。ボードを製造する際に、この朱子織りは、複雑な輪郭、例えば丸味のある角部に対して最良の適合性を示し、綾織、バスケット織り、及び平織りの順に適合性が低下する。
【0055】
模様付けは、織編用の糸を「毛羽立たせる」ために、その表面に吹付けられるエアージェットの作用下に、該糸を置く工程である。このエアージェットは、該フィラメント表面をランダムに破壊させて、該糸により嵩高な外観を与えるものである。この現象の起こる程度は、該エアージェットの速度及び該糸の供給速度によって制御することができる。等価な効果は、該繊維、糸、又はロービングの静電的な処理又は機械的な処理によっても生成し得る。
【0056】
ファブリックの設計
しばしば組織とも言われる、ファブリックのパターンは、x-y座標系で表される。そのy-軸は経糸を表し、またファブリックロール(典型的には、30〜150m、又は100〜500ft)の長手方向の軸である。x-軸は、横方向、即ち該ロールの幅(典型的には、910〜3050mm、あるいは36〜120 in)である。基本的なファブリックは、その数において少ないが、様々な経糸/緯糸打込数をもつ、異なる型及びサイズの糸の組合わせは、数百に及ぶバリエーションを可能とする。
【0057】
基本的なファブリック構造は、織り、不織り、及び編成によって作られたものを含む。本発明において好ましい設計の一つは、編成構造であり、そこでは該x-軸のストランド及び該y-軸のストランド両者が、第三のストランド又は編成用の糸によって一緒に保持されている。この型の編成は、緯糸-挿入-縦糸編成である。シフトされていない逆ハーフを用いた場合、該x-軸及び該y-軸ストランドは殆ど圧縮されず、結果的に与えられた面質量において、最良の被覆率を与える。この構造の被覆率は、更に高めることができる。即ち、当然密に捩られた糸よりも拡がりのある、ほぼゼロツイスト糸又はロービングを使用することにより、更に多孔度を減じることができる。この設計は、ファブリック製造の前後に、機械的な手段(ニードリング)により、あるいはフィラメントの高速空気分散により、該フィラメントの広がりを補助することで、更に改善することができる。
【0058】
コットン製シャツからガラス繊維製のスタジアム天蓋に至る全てのものについて使用される、最も一般的な製織組織は、平織りである。この基本的な組織は、僅かに4種の製織糸、即ち2本の経糸と2本の緯糸を必要とするに過ぎない。この基本的単位は、パターンリピートと呼ばれる。従って、最も高度に織編された平織りは、該基本的ファブリック設計において最も密であり、かつ面内剪断運動に対して最も抵抗性である。平織りの一変形である、バスケット織りは、対となっている経糸及び緯糸を含み、その2つが上部にあり、かつ他の2つが下部にある。該朱子織りは、最小の交錯数を持つ、一群の組織を表す。これらにおいて、緯糸は、幾つかの経糸上で、周期的に飛び飛びとなり、あるいは浮遊する。該朱子織りのリピートは、x-糸において長く、また該浮遊長さは、x-1糸である。即ち、糸当たり、かつパターンリピート当たりの交錯点は、僅かに1である。該ファブリックに織り込まれていない該浮遊糸は、かなりの程度の緩み及び柔軟性を生じる。該朱子織りは、剪断変形に対して低い抵抗性を示す組織を生成し、またその結果として共通の複心曲線上で、容易に成形(ドレープ成形)することができる。朱子織りは、標準的な4-、5-、又は8-ハーネス形として製造できる。このハーネス数が大きくなるにつれて、該浮遊物の長さ及び該緩みの程度は、取扱い作業中における、該ファブリックの調節をより困難にする。編織布は、一般に平織りにおいてより高い引張強さを示すが、朱子織りにおいてより高い引裂き強度を示す。(与えられたサイズの糸に対して)該糸の交錯点が多いほど、単位長さ当たりの織込む事のできる糸の数は少なくなる。糸間の必要な間隔は、一緒に包装できる糸の数を減じる。このような理由で、一方向性材料において可能な、糸の打込数(糸/2.54cm(1 in))がより高くなり、またその物性が良好となる。
【0059】
製織組織における、ガラス製緯糸及び経糸又はロービングを含む平織りは、ロッキングレノ(locking leno)として知られている。撚り合わせレノ糸の把持作用は、レピアー(rapier)織機で作られる開放耳端部を固定又は締結する。このカラミ織りは、その後の取扱い操作の際に、耳部の解れ防止を補助する。しかし、これは、著しく目の粗い(しかし、安定な)製織が望ましい場合には、EIFS及びスタッコ系等の外面仕上げ系等においても価値がある。
【0060】
本発明の好ましい「カラミ織り(leno weave)」ファブリック100は、緯糸10及び経糸12からなる。この緯糸10は、横方向に延伸されており、また経糸12は、機械方向10に延伸されている。図1及び2に示したように、該緯糸10及び経糸12は、規則的な間隔で相互に巻き付けられており、初めは所定位置に固定されている。好ましくは、糸同士の間の間隔は、かなり開きがあり、孔のサイズは、面積で表して、約0.5〜102mm2(0.02〜4.0 in2)以上である。このような目の粗いファブリックは、スタッコのコテ塗り又は吹付けによる塗布して、容易に該ラス内に容易に浸透させ、もしくは「適合させる」ことを可能とする。該カラミ織り100は、一旦「厚みのある」ファブリック101に転化した場合には、硬化するまでの、湿潤スタッコの所定の質量、例えば約9.53〜約19.05mm(約3/8〜約3/4 in)なる範囲の施工に対する支持体をも与える。
【0061】
本発明の重要な特徴の一つは、図3において明らかにされており、そこでは厚みのあるファブリック101の交互の緯糸10A及び10Bは、該ファブリックの面内で観測した場合に、一般に正弦波状のプロフィールを持つものと推定され、またより好ましくは、該緯糸は、例えば緯糸10A及び10Bによって表される、少なくとも2つの異なる配向を持つ正弦波状のプロフィールを交互に取る。スタッコ系用メタルラス又はメタルワイヤメッシュは、メタルラス(ASTM C847-95)、溶接ワイヤラス(ASTM C933-96A)及び織りワイヤプラスタベース(ASTM C1032-296)に対する建築法規を満足するためには、典型的に少なくとも約3.175mm(0.125 in)の厚み、好ましくは約10mmを越える厚みを持つ必要がある。経験では、ファブリック製造の通常の手段を用いて、ガラス糸を利用する、コスト的に有効な方法では、このような厚みは、殆ど達成し得ないことが明らかにされている。特定の製織組織、例えばカラミ織りの特性を利用し、また幅出機上で該生成物を被覆及び乾燥し、該ファブリックの幅を調節することによって、上記の好ましい厚みのあるファブリック101又はラス構造30を、制御された、又は反復可能な方法で製造することができる。
【0062】
本発明の厚みのあるファブリック101又はラス30製造の第一の態様では、該カラミ織りファブリック100の経糸は、引張力の作用下に置かれる。次いで、該経糸12は、それ自体捩りから開放され、例えば緯糸10A及び10Bにトルク作用を及ぼす。各経糸12が開放されるにつれて、この総合的トルク作用は、該ファブリックの面内で観測した場合に、該緯糸10A及び10Bに正弦波状であると思われるプロフィールを生成する。これについては、図3を参照のこと。このように、この厚みのあるファブリック101の、緯糸10A及び10Bの正弦波プロフィールにおける高い点及び低い点から測定した厚み(t)は、元のカラミ織りファブリック100の幅における僅かな損失を伴って、増大する。
【0063】
該ファブリック101に関するこの「厚みの増加」は、拡大図4に示すように、樹脂のバインダ又は塗膜15によって固定することができる。該樹脂塗膜は、図5に示すように、クリップを備えた好ましい幅出機105上で乾燥される。この幅出機105は、該ファブリックの経糸に必要な張力を適用して、トルク作用を誘発するように機能する。該クリップは、該ファブリックが被覆ラインの乾燥オーブン(図示せず)を走行する際に、その端部を保持し、また必要に応じてファブリックの幅を、増減するように調節できる。一方、該クリップの利用によって、該ファブリック100の幅の僅かな低下を可能としつつ、該経糸に高い張力を印加することは、該経糸12に適用された引張力によって発生する、該緯糸に及ぼされる該トルク作用を介して、該ファブリック100の厚みを増大することができる。本発明を実施する上で、クリップを備えた幅出機は有用であるが、本発明はこれに限定されない。「クリップを含まない」乾燥装置を使用することができるが、該緯糸及び該ファブリックの厚みにおける幾分大きな変動を伴う。この厚みの大きさは、他の手段によって、更に大きくすることができるものと考えられている。このような方法の一つは、「平衡が破られた」組織を持つファブリックを製造し、結果としてその経糸の総合重量をその緯糸の総合重量よりも大きくすることである。このようにして、トルクによる変形に抵抗する、該緯糸の能力が減じられる。本発明の基板における大きな厚みを達成するもう一つの方法は、より重質の経糸を使用することであるが、経糸方向における重量を、緯糸方向における重量よりも小さくする。これにより、経糸1本当たりの張力が大きくなり、かつ緯糸のより広いスパンに作用することになる。該トルク作用は、ファブリックの厚みの増加に伴って、増大するであろう。
【0064】
本発明に適したガラスファブリックの設計は、ほんの幾つかのファブリックパラメータ:即ち、繊維の型、糸の型、製織の形式、糸の打込数、及び坪量で始まる。繊維の仕上げも重要である。というのは、しばしば苛酷な製織操作に曝されるので、これが繊維を潤滑し、保護するのを助けるからである。該織布の性能は、しばしばこの繊維仕上げの型及び性能によって決まる。しかし、仕上げの選択は、通常最終用途及び樹脂の化学的特性により指定され、また樹脂材料、例えばエポキシ、スチレン-ブタジエンポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、アクリル樹脂等による処理であり得る。
以下のファブリックの形式及びカテゴリーが、本発明の実施にとって有用である:
【0065】
【表3】

【0066】
【表4】

【0067】
坪量約102-3052 g/m2及び厚み約0.635〜6.35mm(約0.025〜0.25 in)を持つファブリックが最も好ましいことが分かった。
【0068】
コストを大幅に増大させること無しに、本発明のファブリック100の厚みを増大することによって、EIFS 200であれ、ポリマー複合体であれ、良好な長手方向における強度/剛性値を持ち、しかも横断方向(横方向)の靭性及び耐衝撃性を持つ、強化製品を製造することができる。
【0069】
3-方向製織を利用することも可能であるが、2-方向ファブリックに関しても、興味深い変更が可能である。その織機は、様々な経糸及び緯糸を使用して、無端ヘリックスを製織することも可能である。あるいはまた、ガラス紡織繊維ロービングの経糸又は緯糸、例えばE-ガラス糸及びオレフィン経糸、例えばポリエチレン又はポリスチレン繊維も使用可能である。あるいはまた、ブレンド、例えば仏国、パリのサンゴベン社(Saint-Gobain S.A.)により製造されている、ツインテックス(TwintexTM)ガラス-ポリオレフィンブレンド、又はポリマー、エラストマー、レーヨン、ポリエステル及びガラスフィラメントの別々の多数の層を、化粧材(表面仕上げ材)のロービング又は糸として、あるいは織り、編成フェルトの追加の結合又は縫い合わせ層、又は不織り層として使用することができる。
【0070】
典型的なバインダ/ガラス繊維の投入量は、約3-30質量%なる範囲にある。このようなバインダは、バリア被覆であっても、そうでなくてもよく、またスタッコ系又はEIFSの構築中に、上記外面仕上げ材料が該ラスを通り易くすることができるであろう。これらのバインダは、また該ラスの外面仕上げ繊維を完全に被覆しても、しなくても良い。様々なバインダ、例えば分子の一部として又は別の添加剤として、カルボキシレート処理したポリマーを含む、あるいは含まない、フェノール系のバインダ、ウレアフォルムアルデヒド樹脂、又はアクリル系樹脂で変性したウレアフォルムアルデヒド樹脂、スチレンアクリル系樹脂が、この目的にとって適している。更に、これらのバインダは、UV及び成形阻害剤、難燃剤等の添加剤を含んでいても良い。該バインダ樹脂へのカルボキシレート処理したポリマーの添加は、例えば石膏硬化又はポルトランドセメントを主成分とするモルタルに対するアフィニティーを大幅に改善するが、このような添加を行わなかった樹脂よりも、粘着性に乏しい。一つの特に望ましいバインダ樹脂組成物は、70質量%のウレアフォルムアルデヒド樹脂-30質量%のスチレンアクリルラテックス又はアクリル系ラテックス混合物であり、カルボキシレート処理したポリマーが添加されている。
【0071】
本発明のファブリック101又はラス30は、使用に先立って、樹脂塗膜15で処理又は被覆して、図3及び4に示したような好ましい正弦波パターンでの、該緯糸繊維10a及び10bの固定を補助することが可能である。該樹脂塗膜15は、これら繊維を一緒に結合して、上記のような個々の層を形成するために用いられる、サイズ剤又はバインダとは区別される。塗膜15は、米国特許第4,640,864号に記載されているものを含むことができる。この特許を、参考文献としてここに組み入れる。また、塗膜15は、好ましくは事実上耐アルカリ性、耐水性、及び/又は難燃性であり、あるいは該諸特性を改善するための添加剤を含む。これらは、好ましくは本発明のファブリック101又はラス30を製造する際に適用される。
【0072】
図4に示すような、本発明の該ファブリック101に適用された塗膜15は、好ましくは該繊維の一部を覆い、かつ糸10と12とを一緒に結合する。あるいはまた、該塗膜15は、該スタッコスラリーの濡れ角を増減して、該糸への浸透を減じ、もしくは接着性を高める。この塗膜15は、更にUV安定剤、成形遅延剤、撥水剤、難燃剤、及び/又はその他の随意の成分、例えば分散剤、触媒、フィラー等を含むことができる。好ましくは、該塗膜15は、液体状態にあり、該ファブリック101は、例えば幅出機105によって、張力下においてこの液体を通して導かれ、あるいはこの液体は、該ファブリック101の片側又は両側に噴霧(水噴霧プリカーサを含み又は含まない)される。その後、該ファブリック101又は該ラス30は、絞りに掛けられ、乾燥される。
【0073】
ディップコータ、ドクターブレードデバイス、ロールコータ等を包含する、該液体を適用する様々な方法を使用することができる。本発明の樹脂塗膜15で該ファブリック101を処理する好ましい方法の一つは、該液状樹脂組成物のトラフ内に、部分的に沈められた一つのロールの下方部分を準備し、しかも該ファブリック101をこの同じロールの上方部分に押し付け、所定量の該樹脂組成物を、該ファブリック101に移行させることである。該第一ロールの上方にある第二のロールが、該ファブリック101の運動及びその上に配置される樹脂塗膜15の量の均一性を調節する。その後、この被覆されたファブリック101は、好ましい方法では、スチームカンに導かれ、そこで乾燥される。この被覆したファブリックを、約100-200℃(約250-450°F)のスチームカン上に通して、ラテックスを用いた場合には、水を排除し、また付随的に繊維間の間隙を更に満たすべく、並びに更に被覆し、より均一に該ファブリック101内に浸透させるべく、該液状樹脂材料の幾分かの流動を誘発させる。この塗膜は、好ましくは目標とする表面積の約50-80%、より好ましくは該面積の約80-99%を覆う。
【0074】
本発明の好ましい樹脂塗膜15は、1種又はそれ以上の樹脂を含有する樹脂混合物を含むことができる。この樹脂は、凝集又は溶融する固体粒子又は繊維を含み、連続又は半-連続塗膜を形成することができる。この塗膜は、例えば該ファブリック101の繊維構成成分を、該塗膜15から如何なる繊維もはみ出さないように、あるいは該繊維の幾分かが、該塗膜15からはみ出す程度まで、十分に覆うような、様々な厚みで適用することができる。
【0075】
本発明の塗膜15は、実質的に耐水性樹脂から製造することができるが、良好な結果は、樹脂とフィラー、例えば珪酸塩、シリカ、石膏、二酸化チタン及び炭酸カルシウムとの混合物から該塗膜又は含浸剤を形成することにより、達成することもできる。この塗膜15は、ラテックス又は硬化性の熱硬化性形状で適用できる。利用可能な樹脂は、スチレン/ブタジエン及びスチレン/アクリル系コポリマー、アクリル系樹脂、難燃性アクリル系樹脂、ブロム化モノマーを添加したアクリル系樹脂、例えばピロポリ(Pyropoly) AC2001、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、塩化ビニリデン、シロキサン、及びポリ塩化ビニル、例えばビカー(VycarTM) 578を含む。更に、難燃剤、例えば臭素酸化リン錯体、ハロゲン化パラフィン、コロイド状五酸化アンチモン、ホウ砂、非-発泡性ヒル石、クレイ、コロイダルシリカ及びコロイド状アルミニウムを、該樹脂塗膜又は該含浸剤に添加することができる。更に、耐水性の添加剤、例えばパラフィン、及びパラフィンとアンモニウム塩との組合わせ、アルコール及び水に対する忌避性を付与するように設計された、フッ素含有化学物質、例えば3M社(3M Co.)から入手できるFC-824、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、シリコーン油、ワックス-アスファルトエマルション及び少量の(“a minor amount”なる部分が重複しています。一方を削除しました。)ポリ(酢酸ビニル)を含む、又は含まないポリ(ビニルアルコール)を添加することができる。最後に、該塗膜15は、顔料、例えばカオリン、クレイ、ランプブラック増粘剤を含むことができる。
【実施例】
【0076】
平衡の破れた組織を持つ、目の粗い、カラミ織りしたファブリックに、有意の厚み増加(“Z”座標面)を誘発する有効性を立証するために、ある試みに着手した。このようなファブリックは、外面スタッコ建築施工における、亀甲網又はメタルラスと置換するのに有用であることを立証することが望まれた。
【0077】
この試みでは、経糸の総重量が緯糸の総重量を大幅に越える場合に、検知可能なトルク作用が、仕上げ機械上で張力下にある際に、該緯糸において誘導されるという、カラミ織りした製品に関する理論をテストした。このトルク作用は、このウエブの幅を横切る正弦波形状での該緯糸の変形を引起こし、結果的に該ファブリックの厚み(t)を増大する。
【0078】
計算は、カナダ、オンタリオ州、セントカタリン(St. Catharines)のサンゴバンテクニカルファビリックス(Saint-Gobain Technical Fabrics)による、既存のファブリック形式No.0061を主成分とするファブリックが、ほぼ妥当な組織及びコストを持つ点において、有用な開発の出発点として役立つであろうことを示した。735テックスの緯糸を、275テックスの緯糸で置き換えることにより、この0061ファブリックの組織を非-平衡となるように、該ファブリックを変更した。これは、該ファブリックのコストを減じ、かつ該トルク作用が、確実に観測されることを保証した。硬い、安価なSBR(スチレン-ブタジエンゴム)ラテックスを、上記塗膜として選択した。というのは、このものが低コスト、耐アルカリ性、目の粗いファブリックと結合するのに必要な優れた靭性、及びスタッコを適用した際の、該ファブリックの脱落を防止する剛性等の利点を持つからである。部分的に図5に示した、我々のフレームDを、以下の2つの理由から、該仕上げ装置として選択した:即ち、この装置が、2枚の1.2mパネルを並行して被覆できる唯一の装置であり、また該幅出機105のクリップが、該トルク作用の発生の際に、該ファブリックの幅を調節するのに役立つからである。これらのクリップがない場合には、該ファブリックの幅は、この仕上げラインにおいて、調節することは困難であろう。
【0079】
該ファブリックの厚みが、該トルク作用のない場合の同一のファブリックの厚みの二倍に高めることができることを見出した。この観測された増加は、2.7倍の増加、即ち1.46mm(0.057 in)対元の0.54mm(0.021 in)であった。これは、フレームDにおいて、該ファブリックに掛けることのできる最大の張力を適用し、次いで該クリップの幅を徐々に減じることによって達成された。このファブリックの幅は、2465mmから2380mmまで減少(約3.4%)したが、これは85mm(3.3 in)の幅の減少である。このファブリックは、この工程によって不当に変形を受けておらず、微細なある種の調整により、この性能は許容されるはずである。長さ45.7mの2つのロール及び長さ30mの2つの該スタッコを製造した。
【0080】
試みの詳細:
装置:フレームD;線速度:25m/分;オーブン温度:185/185℃;巻取り器:中心巻取り器;巻き出し圧力:約0.967MPaゲージ圧(140 psig);フロント押出圧:約0.055MPaゲージ圧(8 psig);張力:15;クリップ間隔:約236cm(93 in)
ファブリックの分析
1パネルの仕上げ製品の幅:1190mm(1202mm(フリンジのエッジを含む));
糸打込数:20.64×10.0端部/緯糸数/10cm
被覆ファブリックの重さ:113.4 g/m2
塗膜含浸量:31.9%;
厚み:1.46mm(0.058 in)
【0081】
本発明の好ましいラスは、qスタッコ系において、スタッコのベースコートの存在下で、メタルラス又はワイヤメッシュ(亀甲網)と置換するのに、理想的に適している。このラスは、また排液マットの代替品として、あるいはしばしばEIFS及びDEFS系のベースコートに挿入される、強化ガラス繊維メッシュの代替品として使用することもできる。
【0082】
例として、EIFS 200を図6に示す。これは、ガラス仕上げ面を持つ石膏ボード、例えばジョージアパシフィック(Georgia Pacific)社から入手できるデンス-グラス(DENS-GLASTM)ボード、合板シージング、又はOSBであり得る基板20を含む。この基板20上には、二次的な耐候性バリヤ28、例えばポリマーバリヤシート(ティベック(TyvekTM)シート)、防水紙、又はタール紙を配置することができる。この二次的な耐候性バリヤ28上には、随意の市販品として入手できる排液マット26を適用する。限定すること無しに、一態様において、排液マット26は、可撓性の熱的に予備成形したポリアミドマットを含む。この排液マット26は、EIFSの排液面を生成するのに使用する。図6のEIFS 200における該排液マット26上には、ファスナー及びワッシャー22によって、あるいは場合により接着剤によって、該基板20に貼り付けられている、断熱ボード24が設けられる。好ましくは、断熱ボード24は、ポリスチレン断熱ボードである。接着剤を使用した場合、シリコーンを主成分とする又はアクリルを主成分とする接着剤が好ましい。
【0083】
本発明の、増大させた厚みを持つ、好ましい強化メッシュ30は、該ポリスチレン断熱ボード24上に適用され、またステープル、ネジ又は屋根材用の釘の何れかによって該基板に貼り付けられる。この増大させた厚みを持つ、強化メッシュ30上には、少なくとも1層のEIFSベースコート32が適用される。あるいはまた、このEIFSベースコート32が、断熱ボード24上に適用され、また該増大させた厚みを持つ、強化メッシュは、実質的に該ベースコート32内に埋設される。少なくとも1層のEIFS仕上げコート36が、該増大させた厚みを持つ、強化メッシュ30及び該ベースコート32上に適用される。
【0084】
フレーム、基板及び該増大させた厚みを持つラスを含む外面仕上げ系を含有する、建造物壁構造をも提供する。該外面仕上げ系は、スタッコ系、EIFS等を含むことができる。該建造物壁は、一般に外面を持つフレーム、基板の外面に結合された基板、及び該基板上に適用される、該増大させた厚みを持つラスを含む、外面仕上げ系で作られる。
【0085】
一態様において、該壁は典型的に2x4フレーム構成を持つものであるが、他の建築技術及び構成も同様に適している。該フレームは、典型的に複数のスタッドを含み、これは一好ましい態様では、公称寸法:5.08cm×10.2cm(2”×4”)をもつ、木製又はスチール製の部材である。該スタッドは垂直に配置され、また平行であり、典型的には40.6cm×61.0cm(16”×24”)なる間隔で隔置されているが、これらの寸法及びパラメータは、新規な建築法規及び関連する技術の付随的な進歩に応じて、変更される。これらスタッド各々は、典型的にあるプレートの上端部にしっかりと取付けられ、その際に該プレートは、典型的に該スタッドと同様な寸法を持つ部材であり、またある壁内の複数の垂直なスタッドが、単一のプレートにしっかりと取付けられるように、水平に配置されている。これらスタッドは、通常機械的なファスナー、例えば釘及び/又はネジ等によって、プレートにしっかりと取付けられる。この構造は、関連技術において、「フレーム付き(framed)」壁と呼ばれる。
【0086】
このフレームは、付随的に生活領域に面する、内側表面及び外部環境に面する外側表面を持つ。基板材料層は、典型的にはこのフレームの外側表面にしっかりと取付けられる。該基板は、典型的にシート状の材料、例えば合板シージング又はOSB、あるいは他の様々な材料の何れかである。シージングの据付は、幾つかの状況においては随意であるが、このような状況は、典型的には適用可能な建築法規により指示される。このシージングは、典型的に機械的なファスナー、例えばネジ、釘、ステープル等によって、該外側表面に取付けられ、また同様に接着剤等の物質を用いて、締結することも可能であり、該物質全ては関連技術において周知である。該増大された厚みを持つファブリックを含む、該外面仕上げ系は、この基板上に適用される。
【0087】
例として、図7は、上記増大された厚みを持つラス50を組込んだスタッコ系300を示す。基板40上には、第二の耐候性バリヤ48、例えばポリマー製バリヤシート(例えば、ティベック(TyvekTM)シート)、防水紙、又はタール紙を配置することができる。この二次的な耐候性バリヤ48上には、随意の市販品として入手できるポリマー製排液マット46を適用する。一態様において、この排液マット46は、可撓性の熱的に予備成形したポリアミドマットを含む。この排液マット46は、該スタッコ系の排液面を生成するのに使用する。図7のスタッコ系300における該排液マット46上には、ポリスチレン断熱ボード等の随意の断熱ボード44が設けられる。随意の断熱ボード44は、適当なファスナー42、あるいは場合により接着剤によって、該基板40に貼り付けられる。接着剤を使用する場合、シリコーンを主成分とする、又はアクリルを主成分とする接着剤が好ましい。本発明の好ましいラス50は、該ポリスチレン断熱ボード44上に適用され、またステープル、ネジ又は屋根材用釘の何れかで、該基板に取付けられる。あるいはまた、該ラス50は、該第二の耐候性バリヤ48上に、又は直接該基板表面40に適用することができる。該ラス50には、スタッコベースコート52が適用され、このコートは、例えば強化ガラス繊維を含む、又は含まない、スクラッチアンドブラウン層(scratch and brown layers)に適用できる。最後に、スタッコ仕上げコートは、該スタッコベースコート上に適用されて、最終的な肌理及び色を与える。
【0088】
EIFSに関連して、該フレーム付き壁が先ず構築される。基板材料を、このフレームの外側表面に結合する。断熱ボードをこの基板上に貼り付ける。次いで、ベースコートを、該基板層の外側表面に適用する。上記増大された厚みを持つラスを、該ベースコート上に取付け、かつ実質的にその内部に埋設する。仕上げコートの少なくとも1層を、該ベースコート及び該ラス上に適用する。一態様において、第二の耐候性バリヤは、該断熱ボードを取付ける前に、該基板上に適用して、付随的に環境起源の要素から保護することができる。
【0089】
上記説明から、本発明が、スタッコ系及び外面断熱かつ仕上げ系を包含する、外面仕上げ系用の耐食性ラスを提供し、及び外面仕上げ系及び外面仕上げ系を含む建築物用の壁の製法を提供するものであることを認識できる。この耐食性ラスは、スタッコ仕上げ剤を含む、適用された外面仕上げ材料を支持するのに十分な強度を持ち、かつ基板から最低約3.18mm(約1/8 in)にて、該ラス本体から起毛するのに十分な起毛能力を与える。本発明の好ましい耐食性ラスは、緯糸及び経糸の位置を固定するために被覆されたAR-ガラス、又は非-金属繊維、例えばE-ガラス繊維製の、耐アルカリ性のポリマー塗膜で被覆されたほかの目の粗い織布を含むことができ、これら両者は、該ラスの好ましいガラス繊維を保護し、また該緯糸を起伏状態に固定する。様々な態様を例示してきたが、これは説明上の目的のためであり、本発明を何等限定するものではない。当業者には明白であろう、様々な変更は、添付した特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】繊維を処理する前の、本発明の耐食性ファブリック構造を示す平面図である。
【図2】図1に示したファブリック構造の正面図である。
【図3】ファブリックの厚みを増大させるために、繊維を処理した後の、図1に示したファブリック構造の正面図である。
【図4】図3に示した、処理後のファブリック構造に関連する交錯点を拡大した図である。
【図5】図1に示した、ファブリックを幅出機の一連のクリップによって保持した、好ましい製造法に関する態様を示す、正面斜視図である。
【図6】増大された厚みを持つ強化メッシュを組込んだ、好ましいEIFSの、部分的に剥ぎ取った、正面斜視図である。
【図7】増大された厚みを持つラスを組込んだ、好ましいスタッコ系の、部分的に剥ぎ取った、正面斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
10・・・緯糸;
12・・・経糸;
15・・・樹脂塗膜;
20、40・・・基板;
22、42・・・ファスナ及びワッシャー;
24、44・・・断熱ボード;
26、46・・・排液マット;
28、48・・・耐候性バリア;
30、50・・・ラス;
32、52・・・ベースコート;
36・・・EIFS仕上げコート;
100・・・カラミ織りファブリック;
101・・・厚みのあるファブリック;
105・・・幅出機;
300・・・スタッコ系;

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非-金属繊維を含み、それによって該繊維の一部分を機械的に処理して、少なくとも約50%該ファブリックの厚みを増大させる、耐食性のファブリック、及び
該ファブリックに適用された、外面仕上げ材料のマトリックス、
を含むことを特徴とする、外面仕上げ系。
【請求項2】
該耐食性ファブリックが、織布又は不織布、スクリム、メッシュ、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1記載の外面仕上げ系。
【請求項3】
該耐食性ファブリックが、非-金属製緯糸及び経糸を含む、目の粗い織布で構成され、それによって該繊維の一部分を機械的に処理して、少なくとも約50%該ファブリックの厚みを増大させる、請求項2記載の外面仕上げ系。
【請求項4】
該目の粗い織布が、カラミ織を含む、請求項3記載の外面仕上げ系。
【請求項5】
更に、以下に列挙する特徴の少なくとも一つにより特徴付けられる、請求項4記載の外面仕上げ系:
(i) 該緯糸及び経糸が、間隔を置いて配置され、約0.5〜102mm2 (約0.02-4.0 in2)なる範囲の開口部を与え;
(ii) 該経糸が、該緯糸に起伏を持たせるように、引張力の適用を受け;
(iii) 該経糸が、該緯糸の総合重量よりも大きな、総合重量を持ち;及び
(iv) 該経糸の一部が、該緯糸の一部よりも重く、しかも該経糸の本数が、該緯糸の本数よりも少ない。
【請求項6】
該耐食性ファブリックが、非-金属製緯糸及び経糸を含み、それによって該緯糸の一部が、ファブリックの厚みを少なくとも約3.175 mm(約0.125 インチ)増大させる起伏を有し、ポリマー被覆を、該糸の少なくとも一部に設けて、該緯糸を、該起伏状態に実質的に固定し、該ファブリックが、これに適用された外面仕上げ材料の脱落又は垂落ちを生じることなしに、該材料のマトリックス重量を保持し、かつ維持することができる、請求項1記載の外面仕上げ系。
【請求項7】
該非-金属繊維が、ポリマー繊維、ガラス繊維、又はこれら両者からなる群から選択される、請求項1記載の外面仕上げ系。
【請求項8】
該ガラス繊維が、E-ガラス繊維、A-ガラス繊維、ECR-ガラス繊維、S-ガラス繊維、及びAR-ガラス繊維からなる群から選択される、請求項7記載の外面仕上げ系。
【請求項9】
更に、該機械的に処理された繊維を実質的に固定するために、該繊維の少なくとも一部に設けられたポリマー塗膜を含む、請求項1記載の外面仕上げ系。
【請求項10】
該ポリマー被覆が、耐アルカリ性の塗膜である、請求項9記載の外面仕上げ系。
【請求項11】
基板と;
場合により該基板上に適用された、二次的な耐候性バリヤと;
場合により該基板上、又は該二次的耐候性バリヤが存在する場合には、該二次的耐候性バリヤ上に結合された断熱層と;
(i) 該基板上、(ii) 該二次的耐候性バリヤが存在し、該断熱層が存在しない場合には、該二次的耐候性バリヤ上、あるいは(iii) 該断熱層が存在する場合においては、該断熱層上の何れかに設けられた、請求項1〜10の何れか1項に記載の非-金属繊維製の該耐食性ファブリックと;
該ファブリックに適用された外面仕上げ材料のマトリックス
を含むことを特徴とする、外面仕上げ系。
【請求項12】
該耐食性ファブリックが、耐食性のスタッコ用ラスであり、かつ該外面仕上げ材料が、該ラスに適用されたスタッコのマトリックスを含む、請求項11記載の外面仕上げ系。
【請求項13】
該耐食性ファブリックが、EIFS用の強化メッシュであり、かつ該外面仕上げ材料が、EIFS基剤及び仕上げコートを含む、請求項11記載の外面仕上げ系。
【請求項14】
(a) 基板を、フレーム付きの建造物用壁に貼り付け;
(b) 場合により、該基板上に二次的な耐候性バリヤを配置し;
(c) 場合により、断熱層を、該基板上に、又は該二次的耐候性バリヤが存在する場合には、該二次的耐候性バリヤ上に配置し;
(d) 請求項1〜10の何れか1項に記載した非-金属繊維製の該耐食性ファブリックを、 (i) 該基板上、(ii) 該二次的耐候性バリヤが存在し、該断熱層が存在しない場合、該二次的耐候性バリヤ上、あるいは(iii) 該断熱層が存在する場合における、該断熱層上の何れかに貼り付け;及び
(e) 外面仕上げ材料のマトリックスを、該非-金属繊維製の耐食性ファブリックに適用する、
諸工程を含むことを特徴とする、外面仕上げ系の製造方法。
【請求項15】
該耐食性ファブリックが、耐食性のスタッコ用ラスであり、かつ該外面仕上げ材料のマトリックスを、該非-金属繊維製の耐食性ファブリックに適用する該工程が、該ファブリックに、少なくとも一層のスタッコ層を適用する工程を含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
該耐食性ファブリックが、EIFS用強化メッシュを含み、かつ該外面仕上げ材料のマトリックスを、該非-金属繊維製の耐食性ファブリックに適用する該工程が、EIFS基材コートの少なくとも第一層を、該強化メッシュに適用し、引続き該基材コート及び該強化メッシュ上に、少なくとも一層のEIFS仕上げコートを適用する工程を含む、請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−525603(P2007−525603A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545544(P2006−545544)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/042746
【国際公開番号】WO2005/060691
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506209695)デガッサ ウォール システムズ インコーポレイテッド (1)
【出願人】(506207277)サン−ゴバン テクニカルファブリクス カナダ リミテッド (2)
【出願人】(506209709)サーテンティード コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】