説明

耳介装着具

【課題】耳介を圧迫せず、かつ耳介からの脱落を防止することが可能な耳介装着具を提供する。
【解決手段】本技術に係る耳介装着具は、素子と、本体とを具備する。上記素子は、ユーザの耳に取り付けられることが可能であり、電気変換機能を有する。上記本体は、上記素子を支持する支持部と、ユーザの耳介にそれぞれ装着されることが可能な第1の湾曲部及び第2の湾曲部とを有し、上記第1の湾曲部及び上記第2の湾曲部はそれぞれ、第1の湾曲形状を維持する第1の状態と、上記第1の湾曲形状とは異なる第2の湾曲形状を維持する第2の状態とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、非接触温度センサ等を備えた耳介装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生体リズムをモニタリングする方法として、耳からの生体信号を取得してモニタリングする方法が知られている。例えば特許文献1には、耳介周辺の骨に対向する耳介の表面に配される検出電極より脳波を検出するための耳介装着具および生体信号測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−5176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、耳介装着具を用いた長時間にわたるモニタリングでは、ユーザの頭部の動きによって装着具が耳介より脱落するおそれがあった。また、脱落を防止するために、バネやゴムなどの弾性力を用いて装着具を耳介周囲に固定しようとすると、装着具が耳介を圧迫するためにユーザが痛みや不快感を感じることがあった。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、耳介を圧迫せず、かつ耳介からの脱落を防止することが可能な耳介装着具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る耳介装着具は、素子と、本体とを具備する。
上記素子は、ユーザの耳に取り付けられることが可能であり、電気変換機能を有する。
上記本体は、上記素子を支持する支持部と、ユーザの耳介にそれぞれ装着されることが可能な第1の湾曲部及び第2の湾曲部とを有し、上記第1の湾曲部及び上記第2の湾曲部はそれぞれ、第1の湾曲形状を維持する第1の状態と、上記第1の湾曲形状とは異なる第2の湾曲形状を維持する第2の状態とを有する。
【0007】
上記耳介装着具の本体は、ユーザの耳介に装着することが可能な第1の湾曲部と第2の湾曲部とを有し、異なる湾曲形状にそれぞれ変形させ、その状態を維持することができる。すなわち、上記本体は、ユーザの耳介の2箇所の湾曲形状に対応する形状に変形できることから、耳介装着具に対して様々な方向から外力が負荷された際にも、ユーザの耳介からの脱落を抑制することができる。さらに、上記本体の第1の湾曲部と第2の湾曲部とがそれぞれの湾曲形状を維持できることから、ユーザの耳を圧迫せずに装着することが可能となる。
【0008】
上記本体は、第1の端部と第2の端部とをさらに有し、上記第1の湾曲部と上記第2の湾曲部は、上記第1の端部と上記第2の端部との間に形成されてもよい。
本体が端部を有することによって、第1の湾曲部と第2の湾曲部との湾曲形状や、第1の湾曲部と第2の湾曲部との距離を変化させることが容易になり、ユーザの多様な耳介の大きさ、形状に対応することがより容易になる。
【0009】
さらに、上記支持部が、上記第1の端部に形成されてもよい。このことから、例えば素子を支持する支持部が形成された第1の端部を外耳道や耳垂に配置することができ、素子によって耳からの生体信号のモニタリングが可能な構成とすることができる。
【0010】
上記耳介装着具は、上記素子に入力され、または上記素子から出力される信号を処理する信号処理部をさらに具備してもよく、上記信号処理部は、上記本体に接続されてもよい。
このことから、素子によって取得された生体信号等や、素子に入力される音声信号等の処理を耳介装着具内で行うことができ、耳介装着具を例えば生体信号モニタリング装置や補聴器等の装置として用いることができる。
【0011】
上記耳介装着具は、第1の端部と第2の端部とをさらに有してもよく、上記第1の湾曲部と上記第2の湾曲部は、上記第1の端部と上記第2の端部との間に形成され、上記支持部は、上記第1の端部に形成され、上記信号処理部は、上記第2の端部に接続されてもよい。
【0012】
上記耳介装着具は、上記本体の内部に配置され、上記素子と上記信号処理部とを接続する配線をさらに具備していてもよい。
配線が本体の内部に配置されているため、本体の取り扱い性を高めることができるとともに、配線の不用意な断線等を防止することができる。
【0013】
上記本体は、環状に形成されてもよく、上記第1の湾曲部は、ユーザの耳介上部に装着されることが可能であり、上記第2の湾曲部は、ユーザの耳垂に装着されることが可能であってもよい。
すなわち、本体が環状に形成されていても、ユーザの耳介上部と耳垂の湾曲形状に対応して変形できることから、耳介装着具に対して様々な方向からの外力が負荷された際に、ユーザの耳介から脱落することを防ぐことができる。
【0014】
上記本体は、上記第1の状態で、上記第1の湾曲部と上記第2の湾曲部との距離が第1の距離を維持し、上記第2の状態で、上記第1の湾曲部と上記第2の湾曲部との距離が上記第1の距離とは異なる第2の距離を維持してもよい。
このことによって、本体が環状に形成されていても、ユーザの耳介の大きさに対応して第1の湾曲部と第2の湾曲部との間の距離を変化させることができる。
【0015】
上記本体は、上記第2の湾曲部に形成され、ユーザの耳垂と対向するように上記本体の内方へ突出させた状態を維持することが可能なタブ部をさらに有してもよい。
すなわち、タブ部が内方へ突出した状態を維持しつつユーザの耳垂と接触できる構成であることから、ユーザに対して圧迫感を与えることなく、より耳介装着具の脱落を抑制することができる。
【0016】
上記素子は、光電変換素子であってもよく、例えば非接触温度センサであってもよい。
このことから、上記耳介装着具は、例えば非接触式の体温計としても用いることができる。
【0017】
上記素子は、電気機械変換素子であってもよく、例えばスピーカであってもよい。このことから、上記耳介装着具は、例えばイヤホンとしても用いることができる。
【0018】
上記耳介装着具は、上記本体に接続され、上記スピーカに入力される音声信号を処理する信号処理部と、上記本体に接続され、上記信号処理部に音声信号を出力するマイクロホンとをさらに具備してもよい。
このことから、上記耳介装着具は、例えば補聴器や無線音声レシーバとしても用いることができる。
【0019】
上記本体は、金属または樹脂からなり塑性変形可能な形状保持材料で形成されてもよい。
このことから、第1の湾曲部と第2の湾曲部とをそれぞれ、第1の湾曲形状を維持する第1の状態と、上記第1の湾曲形状とは異なる第2の湾曲形状を維持する第2の状態とに変形させることが容易になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本技術によれば、耳介を圧迫せず、かつ耳介からの脱落を防止することが可能な耳介装着具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本技術の第1の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。
【図2】本技術の第1の実施形態に係る耳介装着具をユーザの耳介に装着した際の構成を示す図である。
【図3】(A)は、本技術の第1の実施形態に係る耳介装着具の本体の内部構造を示す模式図であり、(B)は、本技術の第1の実施形態に係る耳介装着具の本体の内部構造における別の例を示す模式図である。
【図4】本技術の第1の実施形態に係る耳介装着具の非接触型体温計としての回路構成を示す図である。
【図5】本技術の第2の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。
【図6】本技術の第2の実施形態に係る耳介装着具をユーザの耳介に装着し、その状態をユーザの耳介の裏側から示す図である。
【図7】本技術の第3の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。
【図8】本技術の第3の実施形態に係る耳介装着具をユーザの耳介に装着した際の構成を示す図である。
【図9】本技術の第3の実施形態に係る耳介装着具の変形例の構成を示す図である。
【図10】本技術の第3の実施形態に係る耳介装着具の変形例の構成を示す図である。
【図11】本技術の第4の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。
【図12】本技術の第5の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。
【図13】本技術の第6の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。
【図14】本技術の第6の実施形態に係る耳介装着具の補聴器としての回路構成を示す図である。
【図15】本技術の第7の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。
【図16】本技術の第7の実施形態に係る耳介装着具の無線音声レシーバとしての回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
【0023】
<第1の実施形態>
(耳介装着具の構成)
図1は、本技術の一実施形態に係る耳介装着具1の構成を示す図であり、図2は、耳介装着具1をユーザの左の耳介Eに装着した状態を示す図である。本実施形態において、耳介装着具1はユーザの鼓膜の温度を検出することによって体温を計測するための非接触温度計であり、本体11と、非接触温度センサ(素子)12と、信号処理部13と、イヤーピース14とを有する。
【0024】
本体11は、第1の端部111と、第2の端部112と、第1の湾曲部11aと、第2の湾曲部11bとを有する。第1の端部111には、非接触温度センサ12を支持する支持部120が形成されており、第2の端部112は、信号処理部13と接続されている。また、第1の端部111と第2の端部112との間には、ユーザの耳介E上部に装着されることが可能な第1の湾曲部11aと、ユーザの耳介Eの下部に位置する耳垂E1に装着されることが可能な第1の湾曲部11bとが形成される。
【0025】
図3(A)は、本体11の内部構造の一部を示す模式図である。本体11は、塑性変形可能な形状保持材料によって形成されており、例えば一本の針金110と、例えばシリコーン樹脂等の伸縮性素材からなるカバー114とで形成されている。また、本体11の内部には、非接触温度センサ12と信号処理部13とを接続する配線113が配置されており、針金110とともにカバー114によって被覆されている。本実施形態によれば、本体11を簡素に構成できるため、例えば4グラム程度の軽量に抑えることができる。
【0026】
また、図3(B)は、本体11の内部構造の一部における別の例を示した模式図であり、配線113が、例えば針金110の周囲に巻回された例を示している。このことによって、本体11の形状を変化させた際に配線113が断線することを防ぐことができる。非接触温度センサ12から信号処理部13にわたって、配線113の全体が巻回されてもよいし、一部のみが巻回されてもよい。
【0027】
非接触温度センサ12は、本実施形態において焦電型の赤外線センサである。非接触温度センサ12は、図2のようにユーザの外耳道C内へ挿入され、鼓膜から放射される赤外線を検出し、その検出結果を電気的な信号として配線113を介して信号処理部13へ出力する。また、第1の端部111には、非接触温度センサ12を外耳道C内に保持するためのイヤーピース14が配置されている。イヤーピース14は、例えばシリコーン樹脂等の材料で形成されている。
【0028】
信号処理部13は、本体11の第2の端部112に接続されており、耳垂E1の下部に配置されている。信号処理部13は、典型的には電子回路基板等で構成されており、非接触温度センサ12から配線113を介して出力された電気的な信号を、ユーザの体温の測定値として変換する処理等を行う。
【0029】
以上のような構成の耳介装着具1は、本体11が塑性変形可能な形状保持材料で形成された1本の線状構造を有しているため、ユーザの耳介Eに装着可能な形状に変形され、さらにその形状を維持することが可能である。次に、耳介装着具1をユーザの耳介Eに装着する方法について図1および図2を参照しながら説明する。
【0030】
(耳介装着具の装着方法)
まず、ユーザの耳介Eへ装着しやすいように、本体11を変形させる。例えば、第1の湾曲部11aおよび第2の湾曲部11bとを緩やかに湾曲させ、第1の端部111と第2の端部112との間の距離を広げることができる。また、第1の湾曲部11aと第2の湾曲部11bとの距離を耳介Eの上端から耳垂E1の下端までの距離以上に広げることもできる。この際、第1の湾曲部11aおよび第2の湾曲部11bは、変形された湾曲形状(第1の湾曲形状)を維持することができる(第1の状態)。
【0031】
次に、非接触温度センサ12を外耳道C内へ挿入し、イヤーピース14を外耳道Cの開口付近に配置する。そして、本体11をユーザの耳介Eにあわせて変形させ、耳介装着具1を装着する。
【0032】
例えば、第1の湾曲部11aと第2の湾曲部11bとの距離を、およそ耳介Eの上端から耳垂E1の下端までの距離に狭めることができる。さらに、第1の湾曲部11aの湾曲形状を、耳介E上部に掛けるような形状とし、第2の湾曲部11bの湾曲形状を、ユーザの耳介Eを軽く挟むような形状に変形させることができる。この際、第1の湾曲部11aおよび第2の湾曲部11bは、これらの湾曲形状(第2の湾曲形状)を維持することができる(第2の状態)。
【0033】
すなわち、耳介装着具1は、ユーザの耳介E周囲に圧力を加えることなく、その装着状態を維持することができる。また、第1の湾曲部11aがユーザの耳介E上部に掛かり、さらに第2の湾曲部11bが耳垂E1を挟み込んで装着されるため、耳介装着具1に対する外力の方向が一定でない場合にも耳介Eからの脱落を抑制することができ、安定した体温計測を行うことができる。さらに、耳介装着具1を軽量に構成することができるため、長時間の装着でもユーザの負担を軽減することができる。したがって、例えば、活動時や、就寝中の体温計測など、長時間かつ多方向からの外力が負荷され得る条件での体温計測にも用いることができる。
【0034】
次に、耳介装着具1における体温計測方法について説明する。
【0035】
(耳介装着具における体温計測方法)
図4は、耳介装着具1の非接触型体温計としての回路構成を示す図である。信号処理部13は、増幅器131と、フィルタ132と、A/D変換部133と、解析部134と、記憶部135と、通信部136とを有する。
【0036】
まず、非接触温度センサ12は、ユーザの鼓膜から放射された赤外線を検知し、それを電気信号に変換して信号処理部13の増幅器131に出力する。増幅器131は出力された電気信号を増幅する。さらにフィルタ132において所定帯域のノイズを除去し、補正する。
【0037】
次にA/D変換部133において電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、解析部134に出力する。解析部134は、典型的には集積回路からなり、デジタル信号を解析して測定温度を決定する。この測定温度は、記憶部135によって信号処理部13内に記憶されてもよいし、通信部136に送られてもよい。
【0038】
通信部136では、得られた測定温度の信号を図示しないコンピュータ等の外部機器へ出力する。この出力は、無線通信で行ってもよいし、有線通信で行ってもよい。無線通信で行う場合は、例えばユーザが耳介装着具1を装着しながら体温の測定結果をコンピュータ等に送信することが可能である。また、有線通信で行う場合は、例えば測定した結果を記憶部135に記憶させておき、測定の終了後、耳介から外された耳介装着具1とコンピュータ等とをケーブル等で接続し、記憶部135に記憶された測定結果をコンピュータ等に送信することが可能である。
【0039】
以上のような方法によって、耳介装着具1によってユーザの鼓膜の体温が計測される。また、耳介装着具1は、長時間の装着においてもユーザの耳介Eを圧迫することなくその装着状態を維持できることから、例えば耳介装着具1を長時間装着しながら一定間隔で体温を計測し、体温の日内変動の解析等を行うことが可能となる。
【0040】
なお、通信部136と接続された表示部(図示せず)を耳介装着具1にさらに設け、得られた測定温度を表示させることもできる。さらに、信号処理部13に電力を供給する電池等を有していてもよい。表示部や電池等を設ける際、これらが配置される場所については特に限られない。たとえば、電池および表示部が信号処理部とともに第2の端部112に接続される構成とすることもできるし、表示部および電池が第1の湾曲部11aと第2の湾曲部11bとの間に形成される構成とすることもできる。
【0041】
<第2の実施形態>
図5は、本技術の第2の実施形態に係る耳介装着具2の構成を示す図であり、図6は、耳介装着具2をユーザの左の耳介Eに装着し、その状態をユーザの耳介Eの裏側から示す図である。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0042】
本実施形態において、耳介装着具2は第1の実施形態の耳介装着具1と同様に、ユーザの鼓膜の体温を計測するための非接触温度計であり、本体21と、非接触温度センサ(素子)22と、イヤーピース24とを有する。なお、信号処理部については図示を省略しているが、本体21の、ユーザの装着の妨げにならない位置に接続することができる。
【0043】
本体21は、塑性変形可能な形状保持材料で構成され、第1の端部211と、第2の端部212と、ユーザの耳介E上部に装着されることが可能な第1の湾曲部21aと、耳垂E1に装着されることが可能な第2の湾曲部21bとを有する。さらに、非接触温度センサ22を支持する支持部220が第1の湾曲部21aと第2の湾曲部21bとの間に形成されている。
【0044】
本実施形態において、図6のように、第1の端部211と第2の端部212がともにユーザの耳介Eの裏側に配置される。したがって、ユーザの耳介Eの形状によって第1の端部211と第2の端部212との間隔を調節することができ、例えば、耳介Eが小さいユーザの場合は、第1の端部211と第2の端部212とを重複させた形状とすることもできる。このような耳介装着具2によって、本体21をユーザの耳介Eの大きさ、形状によって変形させることがより容易になる。
【0045】
また、以上の効果に加えて、第1の実施形態に係る耳介装着具1と同様の作用効果も得ることができる。
【0046】
<第3の実施形態>
図7は、本技術の第3の実施形態に係る耳介装着具3の構成を示す模式図であり、図8は、耳介装着具3をユーザの左の耳介Eに装着した状態を示す模式図である。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0047】
本実施形態において、耳介装着具3は第1の実施形態の耳介装着具1と同様に、ユーザの体温を計測するための非接触温度計であり、本体31と、非接触温度センサ(素子)32と、イヤーピース34とを有する。なお、信号処理部については図示を省略しているが、本体31の、ユーザの装着の妨げにならない位置に接続することができる。
【0048】
本体31は、塑性変形可能な形状保持材料で構成され、本実施形態において環状に形成されている。本体31は、第1の湾曲部31aと、第2の湾曲部31bとを有し、第1の湾曲部31aは、ユーザの耳介E上部に装着されることが可能であり、第2の湾曲部31bは、ユーザの耳垂E1に装着されることが可能である。また、本体31は、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの間に、非接触温度センサ32を支持する支持部320をさらに有している。
【0049】
本体31は、第1の湾曲部31aおよび第2の湾曲部31bの湾曲形状を変化させることができることに加えて、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの距離を変化させることができ、さらにそれらの形状を維持できるように形成されている。また、支持部320を変形させ、その形状を維持させることができ、例えば図8のように、ユーザの外耳道Cにあわせて湾曲させ、非接触温度計32をユーザの外耳道Cに装着させることができる。
【0050】
以上のような耳介装着具3をユーザの耳介Eに装着する方法の例について説明する。まず、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの距離を耳介Eの上端から耳垂E1の下端までの距離より大きい第1の距離に広げつつ、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとを緩やかに湾曲させることができ(第1の湾曲形状)、さらにこの形状を維持することができる(第1の状態)。
【0051】
そして、支持部320をユーザの外耳道Cにあわせて、例えば図8のように下方へ湾曲させ、非接触温度センサ32を外耳道Cへ挿入し、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの距離を、およそ耳介Eの上端から耳垂E1の下端までの第2の距離に狭めることができる。さらに、第1の湾曲部31aの湾曲形状を、耳介E上部に掛けるような形状とし、第2の湾曲部31bの湾曲形状を、ユーザの耳介Eを軽く挟むような形状に変形させることができる。この際、第1の湾曲部11aおよび第2の湾曲部11bは、これらの湾曲形状(第2の湾曲形状)を維持することができる(第2の状態)。
【0052】
このような本体31を形成する材料として、例えば、図7において破線で示すように、端部が重複した1本の針金310を用いることができる。このことによって、針金310の端部が重複する長さを調整し、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの距離およびこれらの湾曲形状を変化させ、その形状を維持することができる。さらに、針金310の端部を、針金310との間に摩擦を発生させることが可能なゴム等の材料に刺し込んだ構成とするによって、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの距離を維持することがより容易になる。
【0053】
なお、本体31の構成材料は塑性変形可能な針金等の材料に限らず、変形させた形状を維持することができるコイル体や蛇腹形状の樹脂等を用いて本体31を構成することも可能である。また、50℃以下で軟化するような低融点合金(例えば、「U アロイ」(商品名)、株式会社大阪アサヒメタル工場製)等を用いてもよい。このような低融点合金を用いることで、軟化する温度に温めた本体31の形状を変化させて装着し、そのまま冷却させて形状を維持させることが可能である。
【0054】
さらに、図9のように、本体31が、矢印方向に伸縮し、その形状を維持する変形部315をさらに有し、変形部315のみコイル体や蛇腹形状の樹脂等を用いて、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの距離を変化させる構成とすることもできる。この場合、変形部315以外の部分は塑性変形可能な針金310等で形成されることができる。
【0055】
また、図10のように、本体31は、第1の本体311と第2の本体312とを有してもよい。この場合、例えば第1の本体311が第1の湾曲部31aと支持部320とを有し、第2の本体312が第2の湾曲部31bを有する。第1の本体311と第2の本体312とが第1の接続点J1および第2の接続点J2とを介して相互に嵌合することによって、本体31が環状に形成されている。また、第1の本体311および第2の本体312が、それぞれ内部に針金310a、針金310bを有することも可能である。
【0056】
図10に示す例では、第1の接続点J1および第2の接続点J2において第1の本体311と第2の本体312とが嵌合する長さを図10の矢印方向に調整することによって、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの距離を変化させることが可能とある。よって、第1の湾曲部31aと第2の湾曲部31bとの距離およびそれぞれの湾曲形状を変化させ、その形状を維持することができる。
【0057】
以上のような耳介装着具3によっても、第1の実施形態に係る耳介装着具1と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
<第4の実施形態>
図11は、本技術の第4の実施形態に係る耳介装着具4の構成を示す図である。耳介装着具4は、第3の実施形態に係る耳介装着具3と同様に、環状に形成された本体41と、非接触温度センサ(素子)42と、イヤーピース44と、図示しない信号処理部とを有する。本実施形態では、第1の実施形態および第3の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、これらの実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0059】
本体41は、塑性変形可能な形状保持材料で構成され、第1の湾曲部41aと、第2の湾曲部41bとを有する。さらに、本実施形態においては、本体41がタブ(タブ部)416を有する点で第3の実施形態に係る耳介装着具3と異なる。
【0060】
タブ416は、ユーザの耳垂E1に装着される第2の湾曲部41bに形成されている。また、タブ416は、本体41と同様に針金410で形成されているため、ユーザが耳介装着具4を装着した際、耳垂と対向するように本体41の内方へ突出させた状態を維持することが可能である。したがって、例えば耳介装着具4に対して外力が加わった際にも、タブ416が耳垂を支持することが可能であり、本体41の耳介からの脱落を抑制することができる。
【0061】
また、以上の効果に加えて、第1の実施形態に係る耳介装着具1および第3の実施形態に係る耳介装着具3と同様の作用効果も得ることができる。
【0062】
<第5の実施形態>
図12は、本技術の第5の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。本実施形態に係る耳介装着具はユーザが携帯音楽プレーヤー等を用いて音楽等を聴くためのイヤホン5であり、本体51と、スピーカ(素子)52と、イヤーピース54と、携帯音楽プレーヤー等の外部機器(図示せず)と接続されたケーブルLがさらに接続された外部接続端子55を有する。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0063】
本体51は、塑性変形可能な形状保持材料で構成され、第1の端部511と、第2の端部512と、第1の湾曲部51aと、第2の湾曲部51bとを有する。第1の端部511は、スピーカ52を支持する支持部520が形成され、第2の端部512には、外部接続端子55が接続されている。また、第1の湾曲部51aはユーザの耳介上部に装着されることが可能であり、第2の湾曲部51bは、ユーザの耳垂に装着されることが可能である。
【0064】
本体51の内部には、第1の実施形態と同様に、図示しない針金と、配線とが配置されて、これらがカバーによって被覆されている。配線は、スピーカ52と、外部接続端子55とを接続しており、図示しない携帯音楽プレーヤー等の外部機器からケーブルLを介して外部接続端子55に出力された電気信号が、配線を介してスピーカ52へ出力される。
【0065】
スピーカ52は、典型的にはセラミック型のスピーカで構成されており、出力された電気信号を音声信号に変換する電気機械変換素子である。なお、スピーカ52の構造はこれに限られない。
【0066】
以上のような構成のイヤホン5は、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、イヤホン5は、ユーザの耳介周囲に圧力を加えることなく、その装着状態を維持することができ、さらにイヤホン5に対する外力の方向が一定でない場合にも耳介からの脱落を抑制することができる。このことから、ユーザが歩行や走行等の運動を行っている際でも、長時間安定した装着状態を維持することができる。
【0067】
なお、外部接続端子55を有さず、携帯音楽プレーヤー等を直接本体51に接続する構成とすることで、イヤホン5を携帯音楽プレーヤーとして使用することができる。また、スピーカ52と接続可能な信号処理部を設けることによって、外部機器からの音声信号を無線で受信し、スピーカ52に出力させることもできる。これらのような構成とすることで、外部接続端子55と外部機器とを接続するケーブルL等が不要となり、より携帯し易く、安定した装着感が得られるイヤホン5を提供することができる。
【0068】
<第6の実施形態>
図13は、本技術の第6の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。本実施形態に係る耳介装着具は補聴器6であり、本体61と、スピーカ(素子)62と、信号処理部63と、イヤーピース64と、マイクロホン66とを有する。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0069】
本体61は、塑性変形可能な形状保持材料で構成され、第1の端部611と、第2の端部612と、第1の湾曲部61aと、第2の湾曲部61bとを有する。第1の端部611はスピーカ62を支持する支持部620が形成され、かつ信号処理部63が接続されており、第2の端部612にはマイクロホン66が接続されている。また、第1の湾曲部61aはユーザの耳介上部に装着されることが可能であり、第2の湾曲部61bは、ユーザの耳垂に装着されることが可能である。
【0070】
スピーカ62は、典型的には、バランスド・アーマチュア型等のスピーカで構成されており、出力された電気信号を音声信号に変換する電気機械変換素子として構成されている。また、マイクロホン66は、典型的には、コンデンサマイク等のマイクロホンで構成されており、出力された音声信号を電気信号に変換する電気機械変換素子として構成されている。なお、スピーカ62およびマイクロホン66の構成はこれらに限られない。
【0071】
図14は、補聴器6の回路構成を示す図である。信号処理部63は、増幅器631と、音声信号処理部632と、増幅器633とを有する。マイクロホン66から出力された電気信号は、まず増幅器631に出力され、増幅される。増幅された電気信号は、音声信号処理部632に出力される。音声信号処理部632で、例えばノイズの除去や所定帯域の増幅等を行い、その信号をさらに増幅器633によって増幅する。そして、増幅器633からスピーカ62へ電気信号を入力し、音声信号としてスピーカ62から出力する。
【0072】
また、補聴器6は、信号処理部63と接続される操作部67をさらに有する構成とすることができる。例えば、操作部67によって、増幅器631,633のゲイン調節や音質等の調節をユーザの聴力等にあわせて行うことが可能である。さらに、補聴器6は、信号処理部63に電力を供給する電池68を有してもよい。
【0073】
なお、操作部67および電池68の配置に関しては、いずれも信号処理部63と接続することができれば、特に限られない。
【0074】
以上のような構成の補聴器6は、第1の実施形態に係る耳介装着具1と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、補聴器6は、ユーザの耳介周囲に圧力を加えることなくその装着状態を維持することができ、さらに補聴器6に対する外力の方向が一定でない場合にも耳介からの脱落を抑制することができる。
【0075】
<第7の実施形態>
図15は、本技術の第7の実施形態に係る耳介装着具の構成を示す図である。本実施形態に係る耳介装着具は無線音声レシーバ7であり、本体71と、スピーカ(素子)72と、信号処理部73と、イヤーピース74と、マイクロホン76とを有する。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0076】
本体71は、塑性変形可能な形状保持材料で構成され、第1の端部711と、第2の端部712と、第1の湾曲部71aと、第2の湾曲部71bとを有する。第1の端部711はスピーカ72を支持する支持部720が形成され、第2の端部712にはマイクロホン76が接続されている。信号処理部73は、第1の湾曲部71aと第2の湾曲部71bとの間に形成されている。また、第1の湾曲部71aはユーザの耳介上部に装着されることが可能であり、第2の湾曲部71bは、ユーザの耳垂に装着されることが可能である。
【0077】
スピーカ72は、典型的には、セラミック型のスピーカで構成されており、出力された電気信号を音声信号に変換する電気機械変換素子である。また、マイクロホン76は、典型的には、コンデンサマイク等のマイクロホンで構成されており、出力された音声信号を電気信号に変換する電気機械変換素子である。なお、スピーカ72およびマイクロホン76の構成はこれらに限られない。
【0078】
図12は、無線音声レシーバ7の回路構成を示す図である。信号処理部73は、増幅器731と、音声信号処理部732と、変調部733と、制御部734と、無線通信部735と、復調部736と、増幅器737と、記憶部738とを有する。また、信号処理部部73は、操作部77と接続されている。
【0079】
他の無線音声レシーバ等へ音声を送信する場合は、以下のように行う。まず、マイクロホン76から出力された電気信号は、増幅器731を介して音声信号処理部732に出力される。音声信号は、音声信号処理部732から変調部733、制御部734を介して無線通信部735へ出力され、所定のレシーバへ送信される。一方、レシーバから送信された信号は、無線通信部735を介して受信される。受信信号は、制御部734、復調部736、音声信号処理部732、増幅器737を介してスピーカ72に出力される。制御部734は、操作部77の操作に応じて、送信と受信とを切り替える等の、信号処理部73の全体を制御する。信号処理部73は、送受信信号(例えば、音声に関する信号)を記憶する記憶部738を備えているが、必要に応じて記憶部738は省略されてもよい。
【0080】
さらに、無線音声レシーバ7は、信号処理部73に電力を供給する電池78を有してもよい。なお、操作部77および電池78の配置に関しては、いずれも信号処理部73と接続することができれば、特に限られない。
【0081】
以上のような構成の無線音声レシーバ7は、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、無線音声レシーバ7は、ユーザの耳介周囲に圧力を加えることなくその装着状態を維持することができ、さらに無線音声レシーバ7に対する外力の方向が一定でない場合にも耳介からの脱落を抑制することができる。
【0082】
<変形例>
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0083】
以上の実施形態では、本体の構成材料として、塑性変形可能な形状保持材料である針金で形成されていると説明したが、図10のように、本体が複数の針金で構成されていてもよい。また、他の塑性変形可能な形状保持材料として、例えば、繊維状に形成された塑性変形性ポリエチレン材料等の樹脂材料を用いることができる(特許第3582854号参照)。このような材料は、金属製の材料と比較して先端が鈍く、安全性が高いという特徴があることから、ユーザの装着感をより高めることが期待できる。
【0084】
また、第1の湾曲部と第2の湾曲部が第1の状態および第2の状態においてその形状を維持することが可能な材料であれば特に限られず、例えば第3の実施形態で説明したコイル体や蛇腹形状の樹脂等、50℃以下で軟化する低融点合金等を用いてもよい。
【0085】
本体は複数の材料から形成されることも可能であり、さらに、本体の第1の湾曲部および第2の湾曲部以外の部分は、変形可能な形状保持材料でなく、剛体で形成されることも可能である。
【0086】
また、本体が針金や配線等を被覆するカバーを有するとして説明したが、これに限らず、カバーを用いない構成とすることも可能である。一方、複数のカバーを用いる構成とすることも可能である。
【0087】
信号処理部が形成される場所は特に限られず、さらに、信号処理部は必要に応じて省略することができる。この場合、例えば素子に入力または出力される信号は、外部機器等に設けられた信号処理部と無線通信によって受信または送信されることも可能である。また、素子と信号処理部とは配線によって接続されていると説明したが、この構成に限られず、例えば無線通信によって信号の送受信を行ってもよい。
【0088】
以上の実施形態では、いずれも耳介装着具がイヤーピースを有するとして説明したが、必要に応じて省略することもできる。
【0089】
以上の実施形態では、素子がユーザの外耳道に向けて配置される構成としたが、これに限られない。例えば、耳垂付近に配置可能な第2の端部や耳垂に装着される第2の湾曲部等に支持部を形成して、血中酸素濃度や脈波等を検出する光電変換素子を耳垂に配置することもできる。このような光電変換素子は、例えば耳垂を挟むように配置される投光部と受光部とを有し、投光部はユーザの耳垂に赤色光を透過させ、受光部は透過光を検出することによって、透過光の透過度から血中酸素濃度や脈波を検出することができる。
【0090】
第3の実施形態および第4の実施形態のように、本体が環状で形成される場合は、本体の一部を着脱自在に形成することも可能である。例えば、本体が、第1の湾曲部と第2の湾曲部とを有する第1の本体と、第1の本体から着脱可能であり支持部を有する第2の本体とを有した場合、第2の本体に、予め右耳または左耳の外耳道の形状に湾曲した支持部を形成することができる。そして、反対側の耳に装着する場合は、第2の本体を第1の本体から取り外し、支持部を装着する耳にあわせた向きに付け変えることが可能となる。第2の本体を形成する材料は特に制限されず、例えば剛体で形成されていてもよい。このような耳介装着具によって、両耳に装着する場合でも違和感なく、ユーザの装着感をより高めることができる。
【0091】
また、本体が第1の端部および第2の端部を有する場合は、形状を変形してその形状を維持することが可能な1本の線状構造を有しているため、ユーザの耳介以外の部位に装着する装着具とすることも可能である。例えば、装着具を手首に装着する脈拍測定器とすることも可能であるし、本体を大型に形成すれば、頭部に装着して脳波測定器とすることも可能である。このような装着具によっても、長時間の装着でもユーザに圧迫感を与えることなく、脱落を抑制できるという効果を得ることができる。
【0092】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)ユーザの耳に取り付けられることが可能な電気変換機能を有する素子と、
前記素子を支持する支持部と、ユーザの耳介にそれぞれ装着されることが可能な第1の湾曲部及び第2の湾曲部とを有し、前記第1の湾曲部及び前記第2の湾曲部はそれぞれ、第1の湾曲形状を維持する第1の状態と、前記第1の湾曲形状とは異なる第2の湾曲形状を維持する第2の状態とを有する本体と
を具備する耳介装着具。
(2)前記(1)に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、第1の端部と第2の端部とをさらに有し、
前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成される
耳介装着具。
(3)前記(2)に記載の耳介装着具であって、
前記支持部が、前記第1の端部に形成される
耳介装着具。
(4)前記(1)に記載の耳介装着具であって、
前記素子に入力され、または前記素子から出力される信号を処理する信号処理部をさらに具備し、
前記信号処理部は、前記本体に接続される
耳介装着具。
(5)前記(4)に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、第1の端部と第2の端部とをさらに有し、
前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成され、
前記支持部は、前記第1の端部に形成され、
前記信号処理部は、前記第2の端部に接続される
耳介装着具。
(6)前記(4)または(5)のいずれかに記載の耳介装着具であって、
前記本体の内部に配置され、前記素子と前記信号処理部とを接続する配線をさらに具備する
耳介装着具。
(7)前記(1)または(4)に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、環状に形成され、
前記第1の湾曲部は、ユーザの耳介上部に装着されることが可能であり、
前記第2の湾曲部は、ユーザの耳垂に装着されることが可能である
耳介装着具。
(8)前記(7)に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、前記第1の状態で、前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部との距離が第1の距離を維持し、前記第2の状態で、前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部との距離が前記第1の距離とは異なる第2の距離を維持する
耳介装着具。
(9)前記(7)または(8)に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、前記第2の湾曲部に形成され、ユーザの耳垂と対向するように前記本体の内方へ突出させた状態を維持することが可能なタブ部をさらに有する
耳介装着具。
(10)前記(1)から(9)のうちいずれか1つに記載の耳介装着具であって、
前記素子は、光電変換素子である
耳介装着具。
(11)前記(10)に記載の耳介装着具であって、
前記光電変換素子は、非接触温度センサである
耳介装着具。
(12)前記(1)から(9)のうちいずれか1つに記載の耳介装着具であって、
前記素子は、電気機械変換素子である
耳介装着具。
(13)前記(12)に記載の耳介装着具であって、
前記電気機械変換素子は、スピーカである
耳介装着具。
(14)前記(13)に記載の耳介装着具であって、
前記本体に接続され、前記スピーカに入力される音声信号を処理する信号処理部と、
前記本体に接続され、前記信号処理部に音声信号を出力するマイクロホンとをさらに具備する
耳介装着具。
(15)前記(1)から(14)のうちいずれか1つに記載の耳介装着具であって、
前記本体は、金属または樹脂からなり塑性変形可能な形状保持材料で形成される
耳介装着具。
【符号の説明】
【0093】
1,2,3、4・・・耳介装着具
5・・・イヤホン(耳介装着具)
6・・・補聴器(耳介装着具)
7・・・無線音声レシーバ(耳介装着具)
11,21,31,41,51,61,71・・・本体
11a・・・第1の湾曲部
11b・・・第2の湾曲部
12,22,32,42・・・非接触温度センサ
13,63,73・・・信号処理部
14・・・イヤーピース
52,62,72・・・スピーカ
55・・・外部接続端子
66,76・・・マイクロホン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの耳に取り付けられることが可能な電気変換機能を有する素子と、
前記素子を支持する支持部と、ユーザの耳介にそれぞれ装着されることが可能な第1の湾曲部及び第2の湾曲部とを有し、前記第1の湾曲部及び前記第2の湾曲部はそれぞれ、第1の湾曲形状を維持する第1の状態と、前記第1の湾曲形状とは異なる第2の湾曲形状を維持する第2の状態とを有する本体と
を具備する耳介装着具。
【請求項2】
請求項1に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、第1の端部と第2の端部とをさらに有し、
前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成される
耳介装着具。
【請求項3】
請求項2に記載の耳介装着具であって、
前記支持部が、前記第1の端部に形成される
耳介装着具。
【請求項4】
請求項1に記載の耳介装着具であって、
前記素子に入力され、または前記素子から出力される信号を処理する信号処理部をさらに具備し、
前記信号処理部は、前記本体に接続される
耳介装着具。
【請求項5】
請求項4に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、第1の端部と第2の端部とをさらに有し、
前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成され、
前記支持部は、前記第1の端部に形成され、
前記信号処理部は、前記第2の端部に接続される
耳介装着具。
【請求項6】
請求項4に記載の耳介装着具であって、
前記本体の内部に配置され、前記素子と前記信号処理部とを接続する配線をさらに具備する
耳介装着具。
【請求項7】
請求項1に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、環状に形成され、
前記第1の湾曲部は、ユーザの耳介上部に装着されることが可能であり、
前記第2の湾曲部は、ユーザの耳垂に装着されることが可能である
耳介装着具。
【請求項8】
請求項7に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、前記第1の状態で、前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部との距離が第1の距離を維持し、前記第2の状態で、前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部との距離が前記第1の距離とは異なる第2の距離を維持する
耳介装着具。
【請求項9】
請求項7に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、前記第2の湾曲部に形成され、ユーザの耳垂と対向するように前記本体の内方へ突出させた状態を維持することが可能なタブ部をさらに有する
耳介装着具。
【請求項10】
請求項1に記載の耳介装着具であって、
前記素子は、光電変換素子である
耳介装着具。
【請求項11】
請求項10に記載の耳介装着具であって、
前記光電変換素子は、非接触温度センサである
耳介装着具。
【請求項12】
請求項1に記載の耳介装着具であって、
前記素子は、電気機械変換素子である
耳介装着具。
【請求項13】
請求項12に記載の耳介装着具であって、
前記電気機械変換素子は、スピーカである
耳介装着具。
【請求項14】
請求項13に記載の耳介装着具であって、
前記本体に接続され、前記スピーカに入力される音声信号を処理する信号処理部と、
前記本体に接続され、前記信号処理部に音声信号を出力するマイクロホンとをさらに具備する
耳介装着具。
【請求項15】
請求項1に記載の耳介装着具であって、
前記本体は、金属または樹脂からなり塑性変形可能な形状保持材料で形成される
耳介装着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−13540(P2013−13540A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147979(P2011−147979)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】