説明

聴覚障害の処置用のsGC刺激剤、sGC活性化剤およびそれらの組合せ

本発明は、聴覚障害、即ち、難聴および耳鳴りの処置用の、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の刺激剤または活性化剤を単独または組合せで含む医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野
本発明は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)並びにsGC刺激剤およびsGC活性化剤の薬理学に関する。より具体的には、本発明は、聴覚障害、即ち、難聴および耳鳴りの処置用の医薬を製造するための、単独または組合せでのsGC刺激剤およびsGC活性化剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
聴覚障害、即ち、難聴および耳鳴りは、世界中で2億5千万人を超える患者を冒しており、従って非常に一般的な疾患である。聴覚障害は、患者の生活の質を劇的に低下させ、現在のところ、適切に処置できない。難聴は、しばしば、伝音性難聴、感音性難聴、および、伝音性難聴と感音性難聴の組み合わせである混合性難聴に分類される。伝音性難聴は、外耳または中耳の障害に起因し、即ち、耳感染により引き起こされる。感音性難聴には、蝸牛障害により引き起こされる感覚性の難聴が含まれる。神経性難聴は、内耳神経の損傷に起因する。難聴の症例の殆どが感音性であり、即ち、蝸牛の損傷または有毛細胞の喪失により引き起こされる。聴覚刺激の非存在下での音の知覚と定義される耳鳴りは、しばしば、感音性難聴と関連する。耳鳴りの病態生理学は、十分に理解されていない。耳鳴りの原因は、例えば、音響性外傷、聴覚毒性薬物および感染などの難聴の原因と同様であり得るが、心理社会的要因およびストレス関連要因も含む。上記の通り、耳鳴りは、メニエール病の症状でもある。感音性難聴と同様に、耳鳴りは、最も一般的には内耳と関連し、処置するのは非常に難しい。
【0003】
現在のところ、耳鳴りおよび難聴(感音性および神経性)の処置用の臨床的に証明された薬物療法はなく、薬物療法は非常に望ましいであろう。
【0004】
可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)は、一酸化窒素(NO)により活性化される重要なシグナル伝達酵素である。内在性NOに対するバイオアベイラビリティーおよび/または反応性の障害は、心血管、内皮、腎臓、肝臓、性および泌尿器の機能不全の病因に示唆されてきた。対応して、硝酸塩および様々な「NOドナー」薬が、これらの症状のいくつかを処置するために使用されてきた。しかしながら、これらの治療には、NOの他の生体分子との非特異的相互作用を含む重大な限界がある。従って、NO非依存的にsGCを活性化する化合物は、聴覚障害の処置にかなりの利益を与え得る。sGCをNO非依存的に活性化する2つのクラスの化合物、即ち、ヘム依存的sGC刺激剤、例えば、BAY41−2272、BAY41−8543、BAY63−2521、BAY60−4552、および、ヘム非依存的sGC活性化剤、例えば、BAY58−2667およびHMR−1766が最近同定された(概説には、Evgenov et al., 2006 参照)。
【発明の概要】
【0005】
発明の開示
用語「聴覚障害」は、音を知覚する能力の欠陥を表し、部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)を含み、用語耳鳴りは、存在しない音の知覚を表す。聴覚障害は、有毛細胞または神経細胞の損傷に起因することがあり、その損傷は、遺伝的障害、大きい音、聴器毒性、または、本願で記載される他のそのようなストレス要因により引き起こされる。聴覚障害には、感音性難聴、伝音性難聴、複合型難聴、軽度(25ないし40dB)、中度(41ないし55dB)、中重度(56ないし70dB)、重度(71ないし90dB)および最重度(90dB以上)の難聴、先天性難聴、言語習得前および言語習得後難聴、片側性(一方の耳を冒す)および両側性(両方の耳を冒す)難聴、または、これら、即ち、感音性/重度/言語習得後/両側性の任意の組み合わせが含まれる。
【0006】
本発明は、聴覚障害の処置に有用な、単独または組合せでのsGC刺激剤およびsGC活性化剤を提供する。
グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤およびsGC活性化剤は、好ましくは、
・2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、出典明示により本明細書の一部とするWO00/06569の実施例16としても記載されている、
・2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、出典明示により本明細書の一部とするWO02/42301の実施例1としても記載されている、
・メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、出典明示により本明細書の一部とするWO03/095451の実施例8としても記載されている、
・メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、出典明示により本明細書の一部とするWO03/095451の実施例5としても記載されている、
および、
4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)
からなる群から選択される化合物である。
【0007】
【化1】

化合物(1)、(2)、(3)および(4)は、安定狭心症または勃起機能不全の処置用に過去に記載された既知の可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤である。
【0008】
【化2】

化合物(5)は、sGC活性化剤として知られている。
【0009】
本発明の医薬組成物を、その企図する投与経路に適合するように製剤化する。投与経路の例には、静脈内、皮内、皮下などの非経腸、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与が含まれる。注射可能な用途に適する医薬組成物には、滅菌水性溶液(水溶性の場合)または分散物、および、無菌の注射可能な溶液または分散物の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。担体は、例えば、水、エタノール、医薬的に許容し得るポリオール、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、および、これらの適する混合物を含有する、溶媒または分散媒体であり得る。例えば、レシチンなどのコーティングを使用することにより、分散物の場合に必要とされる粒子サイズを維持することにより、そして、界面活性剤の使用により、適当な流動性を維持できる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどにより、達成できる。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば、糖類、ポリアルコール類、例えば、マイトール(maitol)、ソルビトール、塩化ナトリウムを含むのが好ましいであろう。
【0010】
経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または食用担体を含む。それらは、ゼラチンカプセル剤に封入でき、または、錠剤に圧縮できる。経口治療的投与の目的で、活性化合物を補助剤と共に組み込み、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態で使用できる。経口組成物は、また、口腔洗浄薬として使用するための流体担体を使用して製造でき、その場合、流体担体中の化合物を経口投与し、うがいして吐き出すか、または飲み込む。
【0011】
医薬的に適合する結合剤、および/または、補助物質を、組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または同様の性質の化合物のいずれも含有できる:結合剤、例えば、結晶セルロース、トラガントゴムまたはゼラチン;賦形剤、例えば、スターチまたはラクトース、崩壊剤、例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)またはコーンスターチ;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステロテ(sterote);流動剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素;甘味料、例えば、スクロースまたはサッカリン;または、香味料、例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料。
【0012】
吸入投与のために、化合物をエアロゾルスプレーの形態で、適する噴霧剤、例えば、二酸化炭素などの気体を含む加圧容器またはディスペンサー、または、噴霧器から送達する。
【0013】
全身的投与は、経粘膜または経皮の手段によることもできる。経粘膜または経皮投与のために、浸透すべき障壁にふさわしい浸透剤を製剤中で使用する。そのような浸透剤は、当分野で一般的に知られており、例えば、経粘膜投与のために、洗浄剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、点鼻スプレー剤または坐剤の使用により達成できる。経皮投与のために、当分野で一般的に知られている通り、活性化合物を軟膏、膏薬、ゲルまたはクリームに製剤化する。
【0014】
これらの化合物を、坐剤(例えば、常套の坐剤基剤、例えば、カカオバターおよび他のグリセリド類を用いる)、または、直腸送達のための停留浣腸の形態に製造することもできる。
【0015】
ある実施態様では、インプラントおよび微小カプセル化送達システムを含めて、制御放出製剤のように、身体からの迅速な排出から化合物を保護する担体と共に活性化合物を製造する。エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの、生体分解可能な、生体適合し得るポリマーを使用できる。
【0016】
他の実施態様では、本発明は、単独または組合せでのsGC刺激剤およびsGC活性化剤、および、聴覚障害の処置用の医薬組成物を製造するためのそれらの使用を提供し、ここで、これらの組合せは、i)sGC刺激作用を有する化合物を含む医薬組成物、ii)sGC活性化作用を有する化合物を含む医薬組成物、または、iii)1種のsGC刺激剤および1種のsGC活性化剤を、1つの投与単位内に固定された組合せとして含む医薬組成物、または、iv)少なくとも2組の医薬組成物を含む部分からなるキットであって、各組は、少なくとも1つの用量を含む少なくとも1種の医薬製剤を含み、少なくとも1種の医薬製剤は少なくとも1つの用量の単位でsGC活性化剤を含むか、またはsGC刺激剤を含み、ここで、該医薬組成物の各投与単位は、組み合わせて、連続的に、単回投与として、または、複数回投与で投与される、のいずれかを含む。
【0017】
特に、本発明は、以下のものを提供する:
部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害、哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性を調節する治療剤を含む医薬組成物。
【0018】
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、
メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、
メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、
および
4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)
からなるsGC活性化剤および刺激剤の群からの可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤または活性化剤である治療物質を含む、哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物。
【0019】
哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するためのsGC刺激剤および活性化剤の使用。
【0020】
哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、少なくとも1種のsGC刺激剤および1種のsGC活性化剤の組合せの使用。
【0021】
哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)および4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)のsGC刺激剤および活性化剤の群から選択されるsGC刺激剤または活性化剤の使用。
【0022】
可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および活性化剤が、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)および4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)からなる化合物の群から選択される、上述の疾患の処置用の医薬組成物の製造方法。
【0023】
哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患を有する哺乳動物における可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激および活性化のための、上述の医薬組成物の使用。
【0024】
sGC刺激剤の群から選択される医薬組成物の群から選択される少なくとも1種の医薬組成物およびsGC活性化剤の群から選択される少なくとも1種の医薬組成物の組合せを含む、哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の部分を含むキット。
【0025】
特に、本発明は:
メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)および/または4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)を含む、聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を提供する。
【0026】
単独および組合せでのsGC刺激剤およびsGC活性化剤の効果を明らかにするために、実験を行う。特に、sGCを半定量し、sGC刺激剤、sGC活性化剤のインビトロでの機能的活性を評価する。sGC刺激剤および活性化剤のインビボでの機能的活性を、ラットの音響性外傷(AT)で誘導される難聴のモデルで評価する。ATに誘導される聴覚障害の発症、進行および緩解に対するsGC活性化剤および刺激剤の効果を半定量する。全ての動物実験を、「実験動物の保護に関するドイツ国の法律(German Law for the Protection of Laboratory animals)」により実施し、承認された動物の健康と福祉(Animal Health and Welfare)のガイドラインにより実行した。体重300−400gのメスの Sprague Dawley ラットで実験を実施した。音響性外傷(AT)の誘導のために、動物を麻酔下で飼育し(ケタミン、キシラジン、ロムプン(Rompun)i.p.注射)、反響チャンバー内の較正した大音響スピーカーを使用して、帯域騒音または純音に曝した。その音は、115dB SPLで提示される連続的な10kHzの純音からなる。全ての音響的刺激を動物の頭部のレベルで較正した。適用量5ml/kgのエタノール/ソルトール(Solutol)/水(10/40/50)に溶解した本発明の実施例p.o.、またはプラセボp.o.[エタノール/ソルトール/水(10/40/50)、適用量5ml/kg]のいずれかで、ラットを1日2回処置した。最初の処置は、ATの1時間前であった。聴性脳幹反応(ABR)の記録により聴覚閾値を測定することにより、聴覚障害の発症および進行/緩解を検出した。ノイズレベルから区別されるARBをもたらす最低の音圧により、閾値を測定した。音響性外傷(AT)の前、ATの3−5時間後およびATの数日後(即ち、AT後6日目)に、閾値レベル分析を実施した。
【0027】
参考文献:
Evgenov OV, Pacher P, Schmidt PM, Hasko G, Schmidt HHHW, Stasch JP. NO-independent stimulators and activators of soluble guanylate cyclase: discovery and therapeutic potential. Nature Rev - Drug Disc. 2006; 5: 755-768.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性を調節する治療剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害の群に含まれる疾患の処置用の、グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤および/またはsGC活性化剤を含む医薬組成物。
【請求項3】
好ましくは2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)および/または4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)からなる群から選択される化合物を含む、哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物。
【請求項4】
哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するためのsGC刺激剤および/または活性化剤の使用。
【請求項5】
哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害からなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、少なくとも1種のsGC刺激剤および少なくとも1種のsGC活性化剤の組合せの使用。
【請求項6】
メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)および/または4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)を含む、哺乳動物の部分的難聴、完全難聴、聴覚消失(完全または部分的)および耳鳴りを含む、音を知覚する能力の欠陥を表す聴覚障害の処置用の医薬組成物。

【公表番号】特表2011−519964(P2011−519964A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508810(P2011−508810)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003073
【国際公開番号】WO2009/138165
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(507113188)バイエル・シェーリング・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】