説明

肥満治療に有用なMAO−B阻害剤

【課題】
肥満症、糖尿病および/または心血管代謝疾患(例えば高血圧、異脂肪血症、高血圧症およびインシュリン耐性)を治療するために有用な化合物等を提供すること。
【解決手段】
本発明は、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤である式(I)及び(II)の新規化合物を提供し、この化合物は、肥満症、糖尿病および/または心血管代謝疾患(例えば高血圧、異脂肪血症、高血圧症およびインシュリン耐性)を治療するのに有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥満症治療のための化合物およびその医薬組成物、およびその使用方法に関する。特に、本発明は、MAO−B阻害剤を使用する肥満症治療のための新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
L−セレジリンは、神経疾患の治療のために開発されたものであり、主にパーキンソン病の治療に用いるモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤である。MAOは、セロトニン、ドーパミン、ヒスタミンおよびフェニルエチルアミンを含む生体モノアミンの新陳代謝を担う酵素である。中枢神経系(CNS)にあるMAOを阻害することによって、モノアミン酸化酵素阻害薬およびそれらの類縁体は、脳シナプシスの中に存在するモノアミンの濃度を増加させる。これは、モノアミンによって媒介される神経刺激伝達を強化し、神経疾患(例えばパーキンソン病およびうつ病)を効果的に治療する。
【0003】
MAO酵素は、脂肪細胞(体脂肪を含む細胞)を含む多くの末梢(非CNS)組織にもある。脂肪細胞中のMAO酵素の機能は確かめられていない。現在のところ、L−セレジリンおよび他のモノアミン酸化酵素阻害薬の唯一の承認された臨床用途は、神経疾患(例えばパーキンソン病およびうつ病)の治療用である。
【0004】
肥満症は、脂肪組織(すなわち体脂肪)の全体的な量の増加と関係しており、特に脂肪組織が腹部の領域に集中する。肥満症は、米国においては流行病的な規模に達している。肥満症の罹患率は、あらゆる人種グループおよび民族グループの間で長年にわたって着実に増加してきている。米国の公衆衛生局長官によると、成人人口の61%および児童の14%が肥満または太りすぎである。4千4百万人のアメリカ人が肥満であり、さらに8千万人が医学的に太りすぎであると考えられる。肥満症は、毎年30万人以上の死因であり、米国における予防可能な死亡の主因として、喫煙をまもなく追い越すであろう。肥満症は、II型糖尿病、心臓血管疾患、炎症性疾患、早期老化およびガンの一部の型を含む多数の危険な併存疾患に直接関与する慢性疾患である。II型糖尿病(成人人口および児童人口における罹患率が増大している深刻で致命的な疾患)は、現在、米国で7番目に主要な死因である。II型糖尿病患者の80%以上は太りすぎであるので、肥満症はII型糖尿病を発病する最も大きな危険因子である。II型糖尿病を管理する最高の方法が体重を減らすことであることを示す臨床所見が増加している。
【0005】
肥満治療のための最も人気のある一般用医薬品であるフェニルプロパノールアミンおよびエフェドリン、および最も人気のある処方薬であるフェンフルラミンは、安全面の懸念によって市場から一掃された。肥満症の長期的治療のために現在承認されている薬物は、2つのカテゴリーに分類される。すなわち、(a)中枢神経系(CNS)食欲抑制剤(例えばシブトラミン)、および(b)腸リパーゼ阻害剤(例えばオルリスタット)である。CNS食欲抑制剤は、脳の「満腹中枢」の活性化および/または脳の「飢餓中枢」の阻害によって摂食行動を抑える。腸リパーゼ阻害剤は、胃腸(GI)管からの食事脂肪の吸収を抑える。シブトラミンおよびオルリスタットは、非常に異なるメカニズムによって作用するが、それらは共に体循環に達するカロリーの量を抑えることを補助して体重を抑えるという同じ全体的目的を共有する。残念なことに、これらの間接的な治療法は、最初にささやかな減量を生じるのみであって(プラシーボによるほぼ2%と比較してほぼ5%)、その減量は通常は維持されない。1〜2年の治療後に、大部分の患者は、開始時の体重に戻るかあるいはそれを上回ってしまう。また、大部分の承認された抗肥満治療法は、望ましくないしばしば危険な副作用を生じ、副作用は治療を複雑にしたり、患者の生活の質を妨げたりすることがある。
【0006】
治療の有効性が欠如していることは、急上昇する肥満症の流行とあいまって、「肥満治療」を最も大きく最も切迫した未対処の医療ニーズのうちの1つに位置づけている。従って、肥満症の治療または予防をする改善された薬物療法を開発するという、現実の継続的なニーズがある。
【0007】
セレジリンのような一般的なMAO−B阻害剤は、CNS疾患の治療において臨床的に有用である。現在、それらが抗肥満活性をも有するということが予想外に発見されている。さらに驚くべきことは、これらの薬剤によって媒介される抗肥満活性がCNSの外にあるということである。この新規な発見は、肥満の予防または治療に対して新規な方法を提供する。さらに、これらの化合物のCNS効果を除去できる場合には、それらの末梢的に媒介された抗肥満特性は、治療薬に対してより大きな安全性を与えるはずである。CNS効果が無いかまたは限定的なMAO−B阻害剤を見いだすことは、結果としてたいへん望ましいこととなった。この種類の化合物は、肥満症およびそれが寄与する多様な併存疾患の治療に有用であると思われる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、一態様において、本発明は、肥満症、糖尿病および/または心血管代謝疾患(例えば高血圧、異脂肪血症、高血圧症およびインシュリン耐性)を治療するために有用な、新規なMAO−B阻害剤、または薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0009】
別の態様において、本発明は、新規な医薬組成物を提供し、該医薬組成物は、薬理学的に許容できる担体、および本発明の治療上有効量の少なくとも1つの化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の形態を含む。
【0010】
別の態様において、本発明は、肥満症、糖尿病および/または心血管代謝疾患(例えば高血圧、異脂肪血症、高血圧症およびインシュリン耐性)を治療する新規な方法を提供し、該方法は、本発明の治療上有効量の少なくとも1つの化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の形態を、必要とする患者に投与することを含む。
【0011】
別の態様において、本発明は、CNS疾患を治療する新規な方法を提供し、該方法は、本発明の治療上有効量の少なくとも1つの化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の形態を、必要とする患者に投与することを含む。
【0012】
別の態様において、本発明は、新規な化合物を調製する方法を提供する。
【0013】
別の態様において、本発明は、治療に用いられる新規な化合物または薬理学的に許容できる塩類を提供する。
【0014】
別の態様において、本発明は、肥満、糖尿病および/または心血管代謝疾患を治療する薬物の製造のための新規な化合物の使用法を提供する。
【0015】
これらの目的および他の目的は、下記の詳細な説明によって明らかにされ、本明細書によって請求される化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の形態は、有効なMAO−B阻害剤であると思われる、という本発明者の発見によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、MAO−B阻害剤が温血哺乳類の脂肪組織(すなわち体脂肪)の量を低減することができるという予想外の発見に基づく。この発見は予想外であった。なぜなら、摂食の付随的削減がほとんどないにもかかわらず、体脂肪を低減できるからである。
【0017】
一実施形態において、本発明は、新規な化合物Aまたは立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化1】

【0018】
式中、Q、R、R、W、X、X、XおよびXの全ては、Hおよび化合物AのCNS活動を低下または制限できる基から独立して選択される。
【0019】
ただし、Q、R、R、W、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、H以外である。
【0020】
〔1〕別の実施形態において、本発明は、式IまたはIIの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化2】

【0021】
式中、各々のRは、独立にH、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、及びC2−6アルキニルから選択され、Rは、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、(CHCOR、C2−6アルケニル−COR、CHCH(NHAc)COR、CHCH(NHR)COR、及び(CHPO(OR)から選択され、Aは対イオンであり、VはO、Cアルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、X、X、X、及びXは、独立にH、OR、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、N(R)2、(CH−テトラゾール、(CHCOR、(CHCONR、(CHCN、O(CHCN、O(CH−テトラゾール、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−6アルケニル−COR、O(CHPO(OR)、NR−C2−4アルケニル、NRSOCH、NR(CHCOR、NR(CHCON(R)、NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CHPO(OR)、NR(CHSOORNR(CH−テトラゾール、SONRCH、OCHCHMCONRCHCOR、CH−アリール、O(CHPO(OR)、O(CHSOOROCH(CH(CH、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−(CHCOR、O(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、O(CH−ビフェニル−(CHCN、O(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−(CHCOR、NR(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、NR(CH−ビフェニル−(CHCN、NR(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCOR、O(CH−アリール−C2−6アルケニル−COR、O(CH−アリール(CH−テトラゾール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CH2)CON(R)、O(CH−アリール(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−O(CHCOR、O(CH−アリール−O−C2−6アルケニル−COR、O(CH−アリールO(CH−テトラゾール、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−NR(CHCOR、O(CH−アリール−NRC2−6アルケニル−COR、O(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−アリール−NR(CHCN、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール(CHCOR、NR(CH−アリール−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−アリール(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール−NR(CHCOR、NR(CH−アリール−NR−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)2、NR(CH−アリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−アリールO(CHCOR、NR(CH−アリール−O−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−アリール−O(CHn−テトラゾール、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHPO(OR)、O(CH−ヘテロアリール(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−C2−6アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCN、O(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−O−C2−6アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリールO(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリールO(CHCN、O(CH−ヘテロアリールO(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリールO(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−NR−C2−6アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCN、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−NR−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHn−テトラゾール、NR(CHヘテロアリール−NR(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−NR(C
CON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−O−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリールO(CHPO(OR)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5〜12員環系である)、及びN、O及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、テトラゾールは0−1個のRで置換され、Xは、H、OR、O−C2−6アルケニル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、QはH、OH、C1−6アルコキシ、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−6アルケニル、O−C2−6アルケニル−COR、OCHCHCONRCHCOR、OCHCHMCONRCHCOR、O(CHPO(OR)、O(CHSOOROCHCH(NHA)COR、OCHCH(NHR)COR、O(CH−アリール、O(CH−5−12員の炭素原子からなるヘテロアリール、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、Wは、H、COR、CON(R)、CHOH、CHOC1−6アルキル、CHOC2−6アルケニル、CHO(CHCOR、CHO(CHCON(R)、CHO−C2−6アルケニル−COR、CHOCHCHCONRCHCOR、CHOCHCHMCONRCHCOR、CHO(CHPO(OR)、CHO(CHSOORCHOCHCH(NHA)COR、CHOCHCH(NHR)COR、CHO−C2−6アルケニル、CHO(CHCONH2、CHO(CH−アリール、CHO(CH−5−12員の炭素原子からなるヘテロアリール、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、ヘテロアリールは1−2個のXで置換され、Mは、独立にH、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、アリール、(CH−アリール、ヘテロアリール、(CH−ヘテロアリール(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、mは、0、1、2、3、及び4から独立に選択され、nは、1、2、3、及び4から選択され、ただし、X、X、X、及びXの少なくとも1つは、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0022】
別の変種において、本発明の化合物は、1つ以下の酸性官能基を有する。
【0023】
〔2〕別の実施形態において、本発明は、式またはIIの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化3】

【0024】
〔3〕別の実施形態において、本発明は、式Iaの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化4】

【0025】
式中、各々のRは、独立にH及びC1−4アルキルから選択され、RはH及びC1−4アルキルから選択され、X及びXは、独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF3、ニトロ、−CN、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール−(CHCON(R)、O(CH−アリール−O(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−(CHCON(R)、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、及びNR(CH−ビフェニル−CONH(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXから選択され、XはH、OH、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、nは独立に1、2、及び3から選択され、ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0026】
[3a]別の実施形態において、本発明は、式Iaの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0027】
X及びXの一方はHであり、他方は、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C1−4アルコキシ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリールCH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール−(CHCON(R)、O(CH−アリール−O(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−(CHCON(R)、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0028】
〔4〕別の実施形態において、本発明は、式Iaの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化5】

【0029】
〔5〕別の実施形態において、本発明は、式Ibの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化6】

【0030】
式中、各々のRは、独立にH及びC1−4アルキルから選択され、Rは、H、C1−4アルキル、(CHCOR、C2−4アルケニル−COR、CHCH(NHAc)COR、CHCH(NHR)COR、及び(CHPO(OR)から選択され、X及びXは、独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF3、ニトロ、−CN、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール−(CHCON(R)、O(CH−アリール−O(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−(CHCON(R)、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、Xは、H、OH、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、Wは、H、CHOH、CHOC1−4アルキル、CHOC2−4アルケニル、CHO(CHCOR、CHO−C2−4アルケニル−COR、CHO(CHCON(R)、CHO(CHPO(OR)、CHO(CH−アリール、CHO(CH−5−10員の炭素原子からなるヘテロアリール、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、mは独立に0、1、及び2から選択され、nは独立に1、2、及び3から選択され、ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロから選択される。
【0031】
[5a]別の実施形態において、本発明は、式Ibの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0032】
X及びXの一方はHであり、他方は、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C1−4アルコキシ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール−(CHCON(R)、O(CH−アリール−O(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−(CHCON(R)、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、ただし、X及びXの少なくとも一方はH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0033】
〔6〕別の実施形態において、本発明は、式Ibの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化7】

【0034】
〔7〕別の実施形態において、本発明は、式Icの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化8】

【0035】
式中、各々のRは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、RはH及びC1−4アルキルから選択され、X、X、X、及びXは独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、N(R)、(CH−テトラゾール、(CHCOR、(CHCONR2、(CHCN、O(CHCN、O(CH−テトラゾール、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル−COR、O(CHPO(OR)、NR−C2−4アルケニル、NRSOCH、NR(CHCOR、NR(CHCON(R)、NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CHPO(OR)、NR(CHSOOR、NR(CH−テトラゾール、SONRCH、OCHCHMCONRCHCOR、CH−アリール、O(CHPO(OR)、O(CHSOOR、OCH(CH(CH、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−(CHCOR、O(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、O(CH−ビフェニル−(CHCN、O(CH−ビフェニル−(CHCON(R),NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−(CHCOR、NR(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、NR(CH−ビフェニル−(CHCN、NR(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCOR、O(CH−アリール−C2−4アルケニル−COR、O(CH−アリール(CH−テトラゾール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリール(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−O(CHCOR、O(CH−アリール−O−C2−4アルケニル−COR、O(CH−アリールO(CH−テトラゾール、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−NR(CHCOR、O(CH−アリール−NRC2−4アルケニル−COR、O(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−アリール−NR(CHCN、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール(CHCOR、NR(CH−アリール−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール−NR(CHCOR、NR(CH−アリール−NR−C2−4、アルケニル−COR、NR(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−アリールO(CHCOR、NR(CH−アリール−O−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHPO(OR)、O(CH−ヘテロアリール(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCN、O(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−O−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリールO(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリールO(CHCN,O(CH−ヘテロアリールO(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリールO(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−NR−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCN、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CHヘテロアリール−NR(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−O−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−O(CH−テト
ラゾール、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリールO(CHPO(OR)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、テトラゾールは0−1個のRで置換され、XはH、OR、Cアルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、AはCl及びBrから選択され、Mは独立にH、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、(CH−アリール、ヘテロアリール、(CH−ヘテロアリール(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、mは独立に0、1、及び2から選択され、nは独立に1、2、及び3から選択され、ただし、X、X、X、及びXの少なくとも一つはH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0036】
[7a]別の実施形態において、本発明は、式Icの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0037】
X、X、X、及びXのうちの3つはHであり、第4はOH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、C1−4アルコキシ、−CN、N(R)、(CH−テトラゾール、(CHCOR、(CHCONR2、(CHCN、O(CHCN、O(CH−テトラゾール、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル−COR、O(CHPO(OR)、NR−C2−4アルケニル、NRSOCH、NR(CHCOR、NR(CHCON(R)、NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CHPO(OR)、NR(CHSOOR、NR(CH−テトラゾール、SONRCH、OCHCHMCONRCHCOR、CH−アリール、O(CHPO(OR)、O(CHSOOR、OCH(CH(CH、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−(CHCOR、O(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、O(CH−ビフェニル−(CHCN、O(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−(CHCOR、NR(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、NR(CH−ビフェニル−(CHCN、NR(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCOR、O(CH−アリール−C2−4アルケニル−COR、O(CH−アリール(CH−テトラゾール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリール(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−O(CHCOR、O(CH−アリール−O−C2−4アルケニル−COR、O(CH−アリールO(CH−テトラゾール、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−NR(CHCOR、O(CH−アリール−NRC2−4アルケニル−COR、O(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−アリール−NR(CHCN、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール(CHCOR、NR(CH−アリール−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール−NR(CHCOR、NR(CH−アリール−NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−アリールO(CHCOR、NR(CH−アリール−O−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHPO(OR)、O(CH−ヘテロアリール(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCN、O(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−O−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリールO(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリールO(CHCN、O(CH−ヘテロアリールO(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリールO(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−NR−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCN、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CHヘテロアリール−NR(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−O−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCN、NR(CH
−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリールO(CHPO(OR)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、N、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXから選択され、テトラゾールは0−1個のRから選択され、ただし、X、X、X、及びXは、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0038】
〔8〕別の実施形態において、本発明は、式Icの新規な化合物またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化9】

【0039】
〔9〕別の実施形態において、本発明は、式Idの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化10】

【0040】
式中、
【0041】
各々のRは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、
【0042】
はH、C1−4アルキル、(CHCOR、(CHPO(OR)、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、
【0043】
X、X、及びXは独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF3,ニトロ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXから選択され、XはH、OH、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)Cアルキルから選択され、Qは、OH、C1−4アルコキシ、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、O−C2−4アルケニル−COR、OCHCHCONRCHCOR、OCHCHMCONRCHCOR、O(CHPO(OR)、O(CHSOOR、OCHCH(NHAc)COR、OCHCH(NHR)COR、O(CH−アリール、O(CH−5−10員の炭素原子からなるヘテロアリール、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、Mは独立にH、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、(CH−アリール、ヘテロアリール、(CH−ヘテロアリール(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、mは独立に0、1、及び2から選択され、nは独立に1、2、及び3から選択され、ただし、X、X、及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0044】
[9a]別の実施形態において、本発明は、式Idの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0045】
X、X、及びXのうちの2つはHであり、第3はOH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF,ニトロ、C1−4アルコキシ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、ただし、X、X、及びXの少なくとも1つは、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0046】
〔10〕別の実施形態において、本発明は、式Idの新規な化合物、または立体異性体またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【化11】

【0047】
〔11〕別の実施形態において、本発明は、式IIaの新規な化合物またはその立体異性体を提供する。
【化12】

【0048】
式中、各々のRは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、RはH及びC1−4アルキルから選択され、AはCl及びBrから選択され、VはO、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、X及びXは独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF,ニトロ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、NRSOCH、SONRCH、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH、0(CH−ヘテロアリール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、XはH、OR、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、nは独立に1、2、及び3から選択され、ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0049】
[11a]別の実施形態において、本発明は、式IIaの新規な化合物またはその立体異性体を提供する。
【0050】
X及びXの一方はHであり、他方はOH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、C1−4アルコキシ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、NRSOCH、SONRCH、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。
【0051】
〔12〕別の実施形態において、本発明は、式IIaの新規な化合物を提供する。
【化13】

【0052】
別の実施形態において、本発明は、新規な医薬組成物を提供し、該医薬組成物は、薬理学的に許容できる担体、および本発明の治療上有効量の化合物、または立体異性体、またはその薬理学的に許容できる塩の形態を含む。
【0053】
別の実施形態において、本発明は、疾患を治療する新規な方法を提供し、該方法は、本発明の治療上有効量の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の形態を、必要とする患者に投与することを含み、上記疾患は、肥満症、糖尿病、心血管代謝疾患およびそれらの組み合わせから選択される。
【0054】
別の実施形態において、心血管代謝疾患は、高血圧症、異脂肪血症(例えば望ましくない血液脂質レベル、高いコレステロール値および低下したLDLレベル)、高血圧症およびインシュリン耐性から選択される。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、肥満症の併存疾患を治療する新規な方法を提供し、該方法は、本発明の治療上有効量の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の形態を、必要とする患者に投与することを含む。
【0056】
別の実施形態において、本発明は、肥満症の併存疾患を治療する新規な方法を提供し、該方法は、本発明の治療上有効量の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の形態を、必要とする患者に投与することを含む。
【0057】
別の実施形態において、併存疾患は、糖尿病、メタボリックシンドローム、認知症および心疾患から選択される。
【0058】
別の実施形態において、併存疾患は、高血圧症、胆嚢疾患、胃腸性疾患、生理不順、変性性関節炎、静脈の潰瘍、肺性低換気症候群、睡眠時無呼吸、いびき、冠疾患、動脈硬化性疾患、偽脳腫瘍、事故多発性、外科による増加するリスク、変形性関節症、高コレステロール、および子房、子宮頸、子宮、乳房、ほふく性、胆嚢の悪性腫瘍の増加する発病から選択される。
【0059】
別の実施形態において、本発明は、CNS疾患を治療する新規な方法を提供し、該方法は、本発明の治療上有効量の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の形態を、必要とする患者に投与することを含む。
【0060】
別の実施形態において、CNS疾患は、急性および慢性の神経疾患、認知障害および記憶障害から選択される。これらの疾患の例は、神経系の慢性または外傷性の変性過程を含み、アルツハイマー病、他のタイプの認知症、軽微な認知障害およびパーキンソン氏病を含む。CNS疾患の他の例は、精神疾患を含み、うつ病、不安症、パニック発作、対人恐怖症、統合失調症および食欲不振症を含む。CNS疾患のさらなる例は、アルコール、ニコチンおよび他の習慣性薬物によって引き起こされる禁断症候群を含む。CNS疾患のさらなる例は、神経障害性の疼痛および神経炎症性疾患(例えば多発性硬化症)を含む。
【0061】
別の実施形態において、本発明はまた、MAO−B阻害剤の投与によって哺乳類の脂肪組織の堆積を予防または逆転させる方法を提供する。脂肪組織の堆積を予防または逆転させることによって、MAO−B阻害剤は、肥満症の発病率または重症度を低下させ、それによって、関連する併存疾患の発病率または重症度を低下させると思われる。
【0062】
別の実施形態において、本発明は、治療に使用するための本発明の化合物を提供する。
【0063】
別の実施形態において、本発明は、肥満症、糖尿病、心血管代謝疾患およびそれらの組み合わせを治療する薬剤を製造するための本発明の使用を提供する。
【0064】
本発明は、本発明の思想または基本的特質から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。本発明は、本明細書に示される本発明の態様のあらゆる組合せを含む。本発明の任意およびすべての実施形態は、任意の他の実施形態またはさらなる実施形態を説明するための実施形態と併せることができることが理解される。好ましい実施形態の個々の構成要素は、それ自身の独立した実施形態として個々にとられることを意図することも理解されるべきである。さらにまた、実施形態の任意の構成要素は、さらなる実施形態を説明するための任意の実施形態からの任意のおよびすべての他の構成要素と組み合わされるように意図される。
【0065】
定義本出願の中にある定義において与えられる例は、特に明記しない限り非限定である。例は、限定されないが、詳述された例を含む。
【0066】
本明細書に記載される化合物は、不斉中心、幾何中心(例えば二重結合)、または両方とも有することができる。特定の立体化学または異性体の形態が特に示されない限り、構造のあらゆるキラル、ジアステレオ異性、ラセミ体およびあらゆる幾何学的な異性体の形態が意図される。非対称的に置換原子を含む本発明の化合物は、光学活性またはラセミの形態において分離することができる。例えばラセミ体の溶解によって、光学活性の出発材からの合成によって、またはキラル補助を用いることによって、光学活性の形態を調製する方法は、公知技術である。オレフィン、C=N二重結合または他のタイプの二重結合の幾何異性体は、本明細書に記載される化合物中に存在してもよく、すべてのかかる安定した異性体は本発明に含まれる。具体的には、本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体はさらに、異性体の混合物として、または分離された異性体の形態として、存在および分離することができる。本発明の化合物を調製するために使用されるすべてのプロセス、およびその中で作られる中間体は、本発明の一部であると考えられる。示されたり記載されたりする化合物のすべての互変異性体もまた、本発明の一部であると考えられる。
【0067】
「アルキル」は、指定された炭素原子数を有する分枝および直鎖の脂肪族飽和炭化水素基を含む。C1−6アルキルとしては、例えばC、C、C、C、C、及びCアルキル基が挙げられる。アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、及びs−ペンチルが挙げられる。
【0068】
「アルケニル」は、分子鎖(例えばエテニルおよびプロペニル)に沿って任意の安定した位置で起こる1つ以上の不飽和炭素炭素結合を有する直鎖または分枝の構成において、特定数の炭化水素原子を含む。C2−6アルケニルとしては、C、C、C、C、及びCアルケニル基が挙げられる。
【0069】
「アルキニル」は、分子鎖(例えばエチニルおよびプロピニル)に沿って任意の安定した位置で起こる1つ以上の不飽和炭素炭素結合を有する直鎖または分枝の構成において、特定数の炭化水素原子を含む。C2−6アルキニルとしては、C、C、C、C、及びCアルキニル基が挙げられる。
【0070】
「シクロアルキル」は、飽和環内に特定数の炭化水素原子を含み、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルである。C3−8シクロアルキルとしては、C、C、C、C、C、及びCシクロアルキル基が挙げられる。
【0071】
「アルコキシ」は、酸素橋で結合した示された数の炭化水素原子を有する、上記のように定義されるアルキル基を意味する。C1−6アルコキシとしては、C、C、C、C、C、及びCアルコキシ基が挙げられる。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、及びs−ペントキシが挙げられる。
【0072】
「ハロ」又は「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。
【0073】
「対イオン」は、塩化物、ブロマイド、水酸化物、アセテート、及び硫酸塩のような小さい負電荷種をを示すために用いる。
【0074】
「アリール」は安定な6、7、8、9、10、11、12、又は13員の単環、二環式、又は三環式のあらゆる環を指し、それが1以上存在する場合にはその少なくとも1つの環は芳香族である。アリールの例としては、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、及びテトラハイドロナフチルが挙げられる。
【0075】
「ヘテロアリール」は安定な5、6、7、8、9、10、11、又は12員の単環、二環式、又は三環式の芳香族である複素環を指し、炭素原子、及びN、O、及びSから独立に選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子からなる。ヘテロアリール基が二環式または三環式である場合、2つまたは3つの環のうちの少なくとも1つはヘテロ原子を含有しなければならないが、両方ともまたは3つすべてが1つ以上のヘテロ原子を各々含有することができる。ヘテロアリール基が二環式または三環式である場合、環のうちの1つのみは芳香族でなければならない。N基は、選択される環に依存し、置換基が列挙される場合には、N、NHまたはN−置換基でもよい。窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意に酸化することができる(例えばS、S(O)、S(O)およびN−O)。ヘテロアリール環は、いずれかのヘテロ原子または炭素原子においてそのペンダント基に結合されていてもよく、これが安定構造を生じる。結果として生じる化合物が安定している場合、本明細書に記載されているヘテロアリール環は、炭素または窒素原子に置換することができる。
【0076】
ヘテロアリールの例としては、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズサイアゾニル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンジソキサゾリル、ベンジソチアゾリル、ベンジミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3Η−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキザジニル、ペンタラジニル、プテリジニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキザゾール、ピリドミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チェニル、チエンノチアゾリル、チエノオキザゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルが挙げられる。
【0077】
脂肪組織の堆積を予防することは、治療する方法を包含し、被験者の脂肪組織のレベルは、本発明に従って治療する前とほぼ同じままであるか(すなわち投与前のレベル)、あるいは投与前のレベルから約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10%以下の増加である(特に被験者の脂肪組織レベルを増加しやすくさせる場合)。
【0078】
脂肪組織の堆積を逆転させることは、治療する方法を包含し、被検者の脂肪組織のレベルは、本発明に従って治療する前のレベル(すなわち投与前のレベル)より低い。低い方の例としては、投与前のレベルより1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20%以上低いレベルが挙げられる。
【0079】
哺乳類および患者は、一般に医療を受ける温血性哺乳類(例えばヒトおよび家畜化された動物)を包含する。哺乳類の例としては、(a)ネコ、イヌ、ウマ、ウシおよびヒト、および(b)ヒトが挙げられる。
【0080】
「治療すること」または「治療」は、哺乳類の疾病状態の治療を包含し、以下を含む。すなわち、(a)特に、かかる哺乳類が疾病状態になりやすくさせられても、いまだ疾病状態を有するとは診断されていない場合に、哺乳類に疾病状態が起こることを予防すること、(b)疾病状態を阻害すること(例えば発症を止めること)、および/または(c)疾病状態を軽減すること(例えば所望の最終結果に達するまで疾病状態の退行を引き起こすこと)。治療はさらに、疾患の症状の改善(例えば疼痛または不快感を減らすこと)を含み、かかる改善は、疾患(例えば原因、伝染、発現、その他)に直接的に影響を及ぼすこともあり及ぼさないこともある。
【0081】
「薬理学的に許容できる塩類」は、開示される化合物の誘導体を指し、親化合物は、酸または塩基の塩類を作ることによって改質される。薬理学的に許容できる塩類の例は、限定されないが、塩基性残基(例えばアミン)の無機または有機酸塩、アルカリまたは酸性の残留物(例えばカルボン酸)の有機の塩類などを含む。薬理学的に許容できる塩類は、従来の非毒性の塩類、または例えば非毒性の無機または有機の酸から形成される親化合物の第四級アンモニウム塩を含む。例えば、かかる従来の非毒性の塩類は、限定されないが、1,2−エタンジスルホン酸、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリアルサリン、ヘキシルレゾルシン、ヒドラバミン、臭化水素、塩化水素、ヨウ化水素、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシリン、硝酸、蓚酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、塩基性酢酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン、酒石酸、およびトルエンスルホン酸から選択される無機および有機の酸に由来するものを含む。
【0082】
本発明の薬理学的に許容できる塩類は、従来の化学法によって塩基または酸の成分を含有する親化合物から合成することができる。通常、かかる塩類は、これらの化合物の遊離酸または塩基の形態を、水または有機溶媒あるいはその2つの混合物中で、計算量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができる。通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水溶媒質が好ましい。適切な塩類のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,1990,p.1445)に見いだされ、その開示は参照によって本明細書に援用されている。
【0083】
「治療上有効量」は、本明細書に記載される肥満症または別の適応症を治療するために単独でまたは共に投与するときに効果的である本発明の化合物の量を含む。「治療上有効量」はまた、所望の適応症を治療するのに効果的であると主張される化合物の組合せの量を含む。化合物の組合せは、好ましくは相乗的組み合わせである。相乗作用は、例えばChouおよびTalalay(Adv.Enzyme Regul.1984,22:27−55)に記載されるように、組み合わせて投与される場合の化合物の効果が、単剤として単独で投与される場合の化合物の相加効果よりも大きいときに生ずる。一般に、相乗効果は、化合物の最適以下の濃度において最も明らかに示される。相乗作用は、個々の構成成分と比較して、組合せた場合におけるより低い細胞毒性、増大効果、または一部の他の有益効果に関することがある。
【0084】
有用性肥満症は、30以上の肥満度指数(BMI)を有するものとして定義される。この指数は、身長と関連する個人の体重の測定である。BMIは、体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割ることによって算出される。正常で健康な体重は、20と24.9との間のBMIを有するものとして定義される。過体重は、25以上のBMIを有するものとして定義される。肥満症はアメリカの流行病的規模に達しており、4千4百万人のアメリカ人が肥満であり、さらに8千万人が医学的に太りすぎであると判断される。
【0085】
肥満症は、脂肪組織の過剰な蓄積から生じる状態として特徴づけられる疾患であり、特に脂肪組織が腹部の領域に集中する。脂肪組織の量を低下させることによって太りすぎまたは肥満の患者を治療することは望ましく、それによって全体的な体重を性別および身長に対する正常範囲内に低下させる。このようにして、糖尿病および循環器病のような併存疾患に対するリスクが低下する。正常体重の個人が更に過剰な脂肪組織を蓄積することを予防し、体重をBMI<25に効果的に維持して、併存疾患の発症を予防することも望ましい。肥満症を管理して、太りすぎおよび肥満の個人が更に過剰な脂肪組織を蓄積することを効果的に予防し、併存疾患を更に悪化させるリスクを低下させることも望ましい。
【0086】
MAO−AおよびMAO−Bとして指定される2つのMAOの形態が存在する。2つの形態は、基質および阻害剤特異性およびアミノ酸番号およびシークエンスに関して異なる。MAO−Bのための好ましい基質は、ベータ−フェニルエチルアミンである。対照的に、MAO−Aのための好ましい基質は、セロトニンである。一部のMAO阻害薬は、MAO−AまたはMAO−Bに対する選択性を示すが、他のMAO阻害薬は選択性をほとんど示さない。例えば、MAO阻害薬クロルジリンは、MAO−Aを優先的に阻害する。MAO阻害薬L−セレジリンは、MAO−Bを優先的に阻害する。MAO阻害薬イプロクロジドは、非選択性である(すなわち両方に対して同様の親和性を有する)。選択性の例としては、MAOの1つの形態について、他の形態よりも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000倍またはさらに何倍も高い親和性を有する化合物が挙げられる。当業者は、MAO阻害薬を分類することがいくらか困難であることを認識する。一部の化合物は、in vitroでMAOの1つの形態を選択的に阻害し、in vivoでその選択性を失うことがある。また、化合物の選択性は、種ごとまたは組織ごとに異なることがある。本発明の状況では、哺乳類においてin vivoでMAO−B活動を阻害することが望ましい。したがって、選択性および親和性は、MAO阻害薬のin vivoの活動、およびMAO阻害薬が投与される哺乳類の種に基づく。本発明のMAO−B阻害剤の選択性の例としては、(a)治療される哺乳類の種(例えばヒト)におけるMAO−Aよりも少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100倍大きなMAO−B親和性、および(b)治療される哺乳類の種(例えばヒト)におけるMAO−Aよりも少なくとも100倍大きなMAO−B親和性が挙げられる。
【0087】
本発明の化合物の一部は、血液脳関門を貫通する能力がないかまたは限定されていることによって(例えば第四級塩または酸性置換基)、または能動輸送系に関与することによって、CNS露出を低下するように設計されており、したがって中枢に媒介される副作用(多くの抗肥満剤の潜在的な問題)を低下させる。
【0088】
本発明の他の化合物は、血液脳関門を貫通すると思われるので、CNS疾患(例えばパーキンソン氏病、うつ病およびアルツハイマー病)を治療するために有用であると思われる。
【0089】
MAO酵素は、脂肪細胞(体脂肪を含む細胞)を含む多くの末梢(非CNS)組織にもある。非CNS疾患(例えば肥満症、糖尿病および/または心血管代謝疾患)を治療するために、末梢組織のMAOを阻害するのに十分な量の薬物を投与する必要がある。種々の精神疾患および神経疾患を治療するために現在使用されているMAO阻害薬は、投与経路に関係なく、体循環からCNSに入る。かかる薬物は、体循環中に存在している間に、脂肪組織、肝臓および筋肉を含む末梢組織にアクセスする。当業者は、精神疾患および神経疾患を治療するために体循環からCNSに入るように意図されるMAO阻害薬が、脂肪組織、肝臓および筋肉を含む末梢組織のMAOにもアクセスすることを認識する。したがって、非CNS疾患を治療するために有用なMAO阻害薬は、体循環からCNSへの何らかのアクセスを有する。
【0090】
薬物は、血液脳関門(BBB)を越えることによって体循環からCNSに入る。BBBは、多くの潜在的に有害な物質が体循環からCNSに入ることを予防することによって脳を保護する、非常に特殊化した「門番」である。BBBについて、およびBBBを越えて運ばれる化合物に必要な物理化学的性質については、多くのことが公知である。
【0091】
CNSの中へとBBBを越えない薬物、または輸送メカニズムを通して容易に除去される薬物(J Clin Invest.97,2517(1996))は、文献において公知であり、薬理作用に必要な脳レベルを発現する能力がないために、低いCNS活性を有する。BBBは、薬物がCNSに蓄積する前に薬物を取り除くために、少なくとも1つのメカニズムを有する。BBBの形質膜に集中するP−糖蛋白質(P−gp)は、膜を越える移動を通して多くの薬物の脳浸透および薬理活性に影響することがある。一部の薬物が脳の中に蓄積しないことは、BBBに存在するP−gpが脳から薬物を能動的に除去することによって説明できる。例えば、代表的なオピオイド薬物ロペラミド(臨床的に下痢止め薬として使用する)は、P−gpによって脳から能動的に除去されるので、アヘン剤的なCNS効果がないことが説明される。別の例は、ドンペリドン、すなわちP−gp輸送に関与するドーパミン受容体遮断剤である(J Clin Invest.97,2517(1996))。BBBを越えるドーパミン受容体遮断薬は、統合失調症を治療するために使用できるのに対して、容易に除去されるドンペリドンは、CNS副作用を生じる可能性なしに、嘔吐を予防するために使用することができる。
【0092】
上記の化合物に加えて、BBB貫通を遅らせもしくは予防する、あるいは能動的な除去プロセスへの関与に貢献する構造的特性を有する薬剤は、治療法のさまざまな種類において特定されている。これらに含まれるものは、抗ヒスタミン剤(Drug Metab. Dispos. 31、312 (2003))、βアドレナリン作用性レセプタ拮抗剤(B−遮断剤)(Eur.J.Clin.Pharmacol.28,Suppl:21−3(1985);Br.J.Clin.Pharmacol.,11(6),549−553(1981))、非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)(J.Pharm Sci.,88(10)950−954(1999))、およびオピオイド拮抗薬である。この後者の群は、消化管における活性に関してテストされている。これらの末梢性に選択的なオピオイド拮抗薬は、哺乳類の非CNS症状(特に消化管の症状)の治療に有用であるとして、さまざまな米国特許に記載されている(米国特許第5,260,542号明細書、米国特許第5,434,171号明細書、米国特許第5,159,081号明細書、および米国特許第5,270,238号明細書を参照)。
【0093】
他の種類の非脳貫通化合物は、分子の中に電荷を生成することによって調製できる。したがって、薬物スコポラミンまたはアトロピンの三級アミン官能性にメチル基を追加することは、親分子とは異なり、正電荷の存在によってBBBにわたる通過を防止する。しかしながら、新規な分子(メチルスコポラミンおよびメチルアトロピン)は、それらの完全な抗コリン薬理特性を保持する。このように、これらの薬物は、CNS副作用の懸念なしに、末梢疾患を治療するために使用することもできる。第四級アンモニウム化合物メチルナルトレキソンは、オピオイド投与に関連する非オピオイド誘発およびオピオイド誘発の副作用の予防および/または治療のためにも使用される。
【0094】
セレジリンのようなMAO−B阻害剤は、CNS疾患の治療に有用である。これらの薬剤によって媒介される抗肥満活性が非CNSメカニズムによって媒介されるということが予想外に発見されたので、非CNS疾患を治療する場合に、本発明の化合物が、末梢性に制限されること、すなわちBBBを越える能力が無いかまたは制限されていること、あるいは能動的な輸送系を通して脳から容易に除去されることが、望ましいものになる。本発明の化合物は末梢性に制限されることが望ましく、その結果としてCNS効果が無いかまたは非常に限定される。末梢性に媒介された抗肥満特性を提供する化合物は、末梢性に制限された古い種類の薬剤において以前に証明されたように、より大きな安全性を有する治療剤になるべきである。本発明の化合物は、治療上有効量において投与される際に、CNS効果が無いかまたは非常に制限されていることが望ましい。CNS効果が無いことが、本発明の化合物が治療上有効量において投与されるときに最小限の脳内濃度を有する結果であることもまた望ましい。この状況において、最小限の脳内濃度とは、CNS適応症を治療するには治療的効果が無いほど低いレベル、あるいは顕著なまたは測定可能な有害なまたは望ましくない副作用を引き起こさないほど低いレベルを意味する。なお、CNS疾患の治療を試みるときには、CNS活性が望ましい。
【0095】
化合物Aは、Q、R、R、W、X、X、XおよびXがすべてHである場合に、ラサギリンである。ラサギリンは、BBBを越えて、パーキンソン氏病のために必要とされる薬物である。化合物Aにおいて、R、R、R、X、X、YおよびZのうちの1つは、化合物AのCNS活動を低減または制限することができる基である。この低減または制限は、R、(R)、R、X、X、YおよびZの群のうちの少なくとも1つを介して発生し、この群は、ラサギリンのそれと関連してBBBを越える化合物Aの能力を制限し、あるいはラサギリンより高いレベルで能動的にそれを除去することを可能にする。化合物Aの脳内レベルの例は、(a)同じ投与量で投与されるときにラサギリンよりも50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%低いレベル、(b)同じ投与量で投与されるときにラサギリンよりも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%低いレベル、および(c)同じ投与量で投与されるときにラサギリンより98、99、100%低いレベルを含む。
【0096】
肥満症を治療するほとんどの方法は、摂食の減少(例えばシブトラミン)によって、または脂肪吸収の阻害(例えばオルリスタット)によって、エネルギー摂取量を顕著に削減することに依存している。本発明において、摂食を顕著に削減することなく脂肪組織が著しく減少することは望ましい。体重減少は、本発明の結果として、MAO−B阻害剤による治療によってもたらされるものであり、主に食欲および摂食とは無関係である。脂肪組織が減少する間の摂食レベルの例としては、(a)摂食が、本発明に従って治療される前の被験者の通常範囲に関して、維持されるか、増加するか、あるいは約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20%下回る場合、(b)摂食が、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15%下回る場合、(c)摂食が、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10%下回る場合、および(d)摂食レベルが、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約0、1、2、3、4または5%下回る場合が挙げられる。
【0097】
場合によっては、脂肪組織の減少は、脂肪の少ない筋肉質量の付随的減少を伴うことがある。このことは、特に体組織構成要素(脂肪組織および除脂肪体重を含む)すべての衰弱を示す癌患者において明白である。しかしながら、本発明において、除脂肪体重が顕著に減少することなく体脂肪が著しく減少することは望ましい。脂肪組織の減少は、MAO−B阻害剤による治療によってもたらされるものであり、除脂肪体重の顕著な変化とは無関係である。脂肪組織が減少する間の除脂肪体重のレベルの例としては、(a)除脂肪体重が、本発明に従って治療される前の被験者の通常の範囲(すなわち投与前のレベル)に関して、維持されるか、増加するか、あるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30%だけ下回る場合、(b)除脂肪体重が、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15%だけ下回る場合、(c)除脂肪体重が、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10%だけ下回る場合、および(d)除脂肪体重が、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約1、2、3、4または5%だけ下回る場合が挙げられる。
【0098】
場合によっては、脂肪組織の減少は、水分体重の付随的減少を伴うことがある。このことは、特に水分欠乏を促進する食事制限養生において明白である。本発明において、水分体重が顕著に減少することなく体脂肪が著しく減少することは望ましい。換言すれば、脂肪組織の減少は、MAO−B阻害剤による治療によってもたらされるものであり、水分体重の顕著な変化とは無関係である。脂肪組織が減少する間の水分体重のレベルの例としては、(a)水分体重が、本発明に従って治療される前の被験者の通常の範囲(すなわち投与前のレベル)に関して、維持されるか、増加するか、あるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30%だけ下回る場合、(b)水分体重が、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15%だけ下回る場合、(c)水分体重が、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10%だけ下回る場合、および(d)水分体重が、投与前のレベルに関して、維持されるか、増加するか、あるいは約1、2、3、4または5%だけ下回る場合が挙げられる。
【0099】
シブトラミンおよびオルリスタットは、肥満治療用に現在市場に出回っている。これらの2つの化合物は、完全に異なるメカニズムによって体重減少を達成する。シブトラミン(CNS食欲抑制剤)は、セロトニンおよびノルアドレナリンのニューロン再取り込みを阻害する。オルリスタットは、摂取された脂肪の分解を担う腸リパーゼ酵素を阻害する。
【0100】
MAO−B阻害剤の作用メカニズムは、食欲抑制剤、腸リパーゼ阻害剤、および類似の効能を有する他の薬剤(例えばセロトニン作用薬、レプチン、脂肪酸合成酵素阻害剤、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤)とは完全に異なると考えられている。上記の適応症(例えば肥満症、糖尿病、心血管代謝疾患およびそれらの組み合わせ)を治療するために有用な1つ以上の他の薬剤を、MAO−B阻害剤と同時投与することは、例えば相乗効果や相加効果をもたらすことによって、有益であると思われる。さらなる薬剤の例としては、食欲抑制剤およびリパーゼ阻害剤が挙げられる。従って、本発明は、肥満症、糖尿病および/または心血管代謝疾患を治療する方法を提供し、該方法は、本発明の治療上有効量の化合物、および食欲抑制剤(例えばシブトラミン、フェンテルミン、フェンフルラミン)および腸リパーゼ阻害剤(例えばオルリスタット)から選択される第2の成分を投与することを含む。
【0101】
MAO−B阻害剤は、摂取を相当に削減することなく体重減少を促進すると思われる。MAO−B阻害剤と食欲抑制剤との同時投与は、相加効果または相乗効果を体重減少にもたらすと思われる。同様に、MAO−B阻害剤とリパーゼ阻害剤との同時投与は、相加効果または相乗効果を体重減少にもたらすと思われる。
【0102】
MAOを阻害する化合物の性能は、下記のR.Uebelhackら(Pharmacopsychiatry 31,1988,p187−192)の方法を使用して測定することができる、
【0103】
血小板浮遊血漿および血小板の製剤。健常者からの静脈血を、一晩の断食後の午前8時〜8時30分の間に、EDTA含有バキュテーナチューブ(11.6mgEDTA/ml血液)の中に収集した。20℃で15分間にわたり250gで血液を遠心分離した後、上澄の血小板浮遊血漿(PRP)を収集し、PRP中の血小板の数を細胞カウンタ(MOIAB、Hilden、Germany)によって計数した。10分間にわたり1500gで2mlのPRPを回転させることによって、血小板ペレットを産生した。ペレットを、氷冷の生理食塩水で3回洗浄し、2mlSoerensenリン酸緩衝剤pH7.4で再懸濁し、18℃で1日間保存した。
【0104】
MAOアッセイ新鮮なPRPまたは凍結した血小板浮遊液(100μL)を、通常、37℃で100μLの0.9%NaCl溶液またはリン酸緩衝液pH7.4において、37℃で、それぞれ10分にわたって薬物の非存在下または存在下で前保温した。50μLの2−フェニルエチルアミン−[エチル1−14C]ハイドロクロライド(PEA)溶液(比活性56Ci/mol、アマシャム)を、5μMの最終濃度に添加し、30分にわたってインキュベートを継続した。50μLの4M HClOの添加によって反応を終了した。MAOの反応生成物(フェニルアセトアルデヒド)を、2mLのn−ヘキサンの中に抽出した。有機相のアリコートを蛍光体反応混液に添加し、液体シンチレーションカウンタを使用して放射能を測定した。生成物形成は、血小板数が適切な60分以上の時間に対して直線的であった。インキュベーションミックスチャ中に2mMパージリンを含めることによって、ブランク値を得た。すべてのアッセイを、繰り返して実行した。
【0105】
MAO活性を阻害する化合物の性能は、以下の方法を使用して測定することもできる。ヒトMAO−BをエンコードするcDNAは、E.J.SchlaegerおよびK.Christensenによって記載される方法を使用して、EBNA細胞に一過性にトランスフェクションすることができる(Transient Gene Expression in Mammalian Cells Grown in Serum−free Suspension Culture;Cytotechnology,15:1−13,1998)。トランスフェクションの後、0.5mMのEGTAおよび0.5mMのフェニルメタンスルホニルフルオリドを含む20mMのトリス塩酸緩衝剤pH8.0中のポリトロンホモジナイザによって、細胞をホモジナイズする。45,000gの遠心分離によって細胞膜を得て、0.5mMのEGTAを含む20mMのトリスHCl緩衝剤pH8.0による2回の洗浄ステップの後、細胞膜を緩衝剤およびアリコートの中に再懸濁し、使用するまで−80℃で保存する。
【0106】
MAO−B酵素活性は、M.ZhouおよびN.Panchuk−Voloshinaによって記載される方法からアレンジされた分光光度的アッセイを使用して分析することができる(A One−Step Fluorometric Method for the Continuous Measurement of Monoamine Oxidase Activity,Analytical Biochemistry,253:169−174,1997)。簡潔には、化合物のさまざまな濃度の有無にかかわらず、膜アリコートを、37℃で30分間の0.1Mのリン酸カリウム緩衝剤pH7.4においてインキュベートする。インキュベートの後、1U/mlホースラディッシュ過酸化酵素(Roche Biochemicals)および80μMのN−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジン(Amplex Red、Molecular Probes)とともにMAO基質チラミンを添加することによって、酵素反応が始まる。サンプルは、200μlの最終的な量で37℃において30分にわたり更にインキュベートし、SpectraMaxプレートリーダ(Molecular Devices)を使用して570nmの波長における吸光度を測定する。バックグラウンド(非特異性)吸光度は、MAO−Bのための10μMのL−デプレニルの存在下で測定する。IC50値は、4パラメータロジスティック方程式にデータを合わせることによって、二重で9つの阻害剤濃度を使用して得られる阻害曲線から測定する。
【0107】
本発明の化合物は、MAO−B阻害剤であると思われる。代表的な化合物は、本明細書に記載されているアッセイにおいて測定されるようにテストし、そのIC50値が<−10μMの範囲であるとわかったので、活性であることが示された。本発明の化合物は、10μM以下のIC50値を有する場合には、MAO−B阻害剤であると考えられる。本発明において有用なMAO−B阻害剤の望ましい活性レベルのさらなる例としては、(a)1μM以下のIC50値、(b)0.1μM以下のIC50値、(c)0.01μM以下のIC50値、(d)0.001μM以下のIC50値、および(e)0.0001μM以下のIC50値が挙げられる。
【0108】
本発明において、MAO−B阻害剤は、経腸的に、非経口的に、経口的に、および経皮的に投与することができる。当業者は、本発明の化合物を投与する経路が著しく変化し得ることを知っている。他の経口投与に加えて、持効性組成物は好ましい。経路の他の例としては、注射剤(例えば、静脈内、筋肉内および腹腔内)、皮下の、皮下植え込みの、口内の、舌下の、局所的な、直腸の、膣の、および鼻腔内の投与が挙げられる。投与については、生体内分解性の、非生体内分解性の、生物分解性の、および非生物分解性のシステムを使用することもできる。
【0109】
錠剤の形態で固体の組成物を調製する場合には、活性成分を賦形薬に混合することが可能であり、賦形薬の例としては、シリカ、デンプン、ラクトース、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクが挙げられる。錠剤は、スクロースまたは別の適切な物質によって被覆することが可能であり、あるいは持続性または後発性の活性を有するように、および所定量の活性成分を連続的に放出するように、処理することが可能である。ゼラチンカプセルは、活性成分に希釈剤を混合し、結果として生じる混合物をソフトまたはハードゼラチンカプセルに組み込むことによって得ることができる。シロップまたはエレキシルは、甘味料(好ましくはカロリーの無いもの)、防腐剤(例えばメチルパラベンおよび/またはプロピルパラベン)、香料および適切な着色料と共に、活性成分を含有することができる。水和剤または顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、あるいはポリビニルピロリドンなどの懸濁剤、ならびに甘味料または味覚中和剤と混合した活性成分を含有することができる。直腸投与は、座剤を使用して遂行されることが可能であり、座剤は、直腸温度で溶解する結合剤(例えばカカオバターおよび/またはポリエチレングリコール)によって調製される。非経口投与は、水懸濁液、等張食塩水液または注射可能な滅菌液を使用して遂行することが可能であり、それらは薬理学的に相溶性のある分散剤および/または湿潤剤(例えばプロピレングリコールおよび/またはポリエチレングリコール)を含有する。活性成分は、任意に1以上の担体または添加物とともに、マイクロカプセルまたはマイクロスフェアとして調製することもできる。活性成分は、例えばα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンまたはγ−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよび/またはメチル−β−シクロデキストリンなどのシクロデキストリンを有する錯体の形を呈することもできる。
【0110】
毎日投与されるMAO−B阻害剤の投与量は、個人ごとに異なり、治療される疾患(例えば肥満症)の重症度によってある程度決定することができる。MAO−B阻害剤の投与量も、投与されるMAO−B阻害剤に依存して異なる。MAO−B阻害剤の投与量の例は、哺乳類体重に対して、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、76、80、85、90、95、100mg/kgである。MAO−B阻害剤は、一回の投与で、または一定期間にわたってより少ない投与量で多数回に投与することができる。MAO−B阻害剤が投与される延べ時間は、個人ごとに異なり、所望の結果(すなわち体脂肪の削減または体脂肪増加の予防)が成し遂げられるまで、続けることができる。従って、治療法は、治療される被検者、所望の結果、および被検者が本発明の治療にどれだけ早く反応するかによって、1日、数週間、数ヶ月または数年にさえわたって継続することがある。
【0111】
本発明の錠剤の可能な例は、以下の通りである。
【表1】

【0112】
本発明のカプセル剤の可能な例は、以下の通りである。
【表2】

【0113】
上記のカプセル剤において、活性成分は、適切な粒度を有する。結晶性ラクトースおよび微結晶性セルロースは互いに均一に混合し、篩にかけ、その後でタルクおよびステアリン酸マグネシウムを混合する。最終的な混合物は、適切なサイズの硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0114】
本発明の注射剤溶液の可能な例は、以下の通りである。
【表3】

【0115】
合成本発明の化合物は、有機合成の当業者に公知の多くの方法で調製することができる。本発明の化合物は、有機合成化学の分野で公知の合成方法と共に、または当業者によって認識されるような方法のバリエーションによって、下記に記載する方法を使用して合成することができる。好ましい方法は、限定されないが、下記に記載するものを含む。反応は、使用される試薬および材料に適切で、なおかつ遂行される変換に適切な溶媒において実行する。分子に存在する官能性が、提案される変換と一致しているべきであることは、有機合成の当業者によって理解される。このことは、本発明の所望の化合物を得るために、合成ステップの順序を修正するか、あるいは別のプロセスに対して1つの特定のプロセス方式を選択するかの判断を必要とすることがある。この分野の任意の合成経路を計画する際の別の主要な考慮としては、本発明に記載される化合物に存在する反応性の官能基を保護するために保護基を使用することが賢明な選択であるとも認識される。訓練された開業医に多くの代替案を述べている権威ある記事は、GreeneおよびWuts(Protective 基 In Organic Synthesis,Wiley and Sons,1991)である。本明細書で参照した全ての文献は、参照によって本明細書にその全体が援用されている。
【0116】
スキーム1
【化14】

【0117】
スキーム1において、ケト酸は、メタノールおよび硫酸を使用してエステル化することが可能であり(ステップa)、弱酸性媒体中のプロパルギルアミンおよびシアノホウ化水素ナトリウムによる後処理は、プロパルギルアミノエステルを生成するはずである(ステップb)。対応する酸は、助溶剤を含む水溶液の水酸化リチウムによる処理によって生成することができる(ステップc)。あるいは、アミノエステルは、臭化メチルで更にアルキル化することによって、第三級のアミノエステルを生成することが可能であり(ステップd)、次の水酸化リチウム処理は、第三級のアミノ酸を生成するはずである(ステップe)。
【0118】
スキーム2
【化15】

【0119】
スキーム2に示すように、低温の溶媒(例えばDMFまたはTHF)中で1当量の水素化ナトリウムおよび臭化ベンジルを使用してヒドロキシインダノンをベンジル化することによって、ベンジルオキシインダノンを生成することができる(ステップa)。ジクロロエタン中の酢酸の存在下でのプロパルギルアミンおよびシアノホウ化水素ナトリウムによるケトンの処理は、二級アミンを生成するはずである(ステップb)。ピリジン溶液中のトリチルクロライドによる二級アミンの保護により、トリチル化された二級アミンが生成するはずである(ステップc)。n−ブチルリチウムを使用する保護化プロパルギルアミンの脱プロトンに続いて、ブロモ酢酸エチルによる処理をすると、エステルが生成するはずである(ステップd)。酢酸中の乾性臭化水素による処理により、トリチル保護基の喪失が生じ、ベンジロキシアミノエステルを生成するはずであり(ステップe)、引き続いてトリフルオロ酢酸に対する露出により、ヒドロキシインダニルアミノエステルが生成するはずである(ステップf)。水酸化リチウム処理により、第二アミノ酸が生成するはずである(ステップg)。あるいは、ステップeのベンジロキシ−インダンアミノエステルは、上記のように加水分解することによって、フェニル環上にハロゲン、CF、アルキルまたはアルコキシの置換基を任意に有するベンジロキシ−インダンアミノ酸を生成することもできる。
【0120】
スキーム2’
【化16】

【0121】
スキーム2’に示すように、ヒドロキシインダノンは、炭酸カリウムの存在下、約60℃でアセトン中でさまざまな基(例えばエステル、アルキルエステル、オキシアルキルエステルニトリル、アルキルニトリル、オキシアルキルニトリル、ハロゲン、CF、その他)によって任意に置換される種々の臭化ベンジルによってベンジル化することによって、置換ベンジルオキシインダノンを生成することができる(ステップa)。ニトリルであるフェニル基上の置換基の場合、約30℃のアセトニトリルおよび酢酸中でのプロパルギルアミンおよびシアノホウ化水素ナトリウムによるこれらのケトンの処理により、二級アミンが生成するはずである(ステップb)。ほぼ室温で炭酸カリウムの存在下でDMSO中の30%過酸化水素を使用するこれらのニトリルの水和により、カルボキサミドが生成するはずである(ステップc)。あるいは、ニトリルは、還流させながらキシレン中のアジ化ナトリウムおよびトリオクチルチンクロリドによる処理によってテトラゾールに変わることが可能であり、トルエン/THF溶液中の無水HClによるトリアルキルスタニル付加体の分割が続く(ステップf)。エステル置換基を有するベンジル基を有するインダノンの場合、30〜50℃のアセトニトリルおよび酢酸中のプロパルギルアミンによる還元性アミノ化は、アミノエステルを生成することができる(ステップd)。水のTHF中の水酸化リチウムを使用するエステル類の加水分解は、酸を生成することができる(ステップe)。ハロゲン、アルキル、アルコキシおよびCF3置換ベンジロキシインダンは、上記のように還元性アミノ化を介してインダノンから生成することができる。
【0122】
スキーム3
【化17】

【0123】
スキーム3は、インダニルプロパルギルアミン(ラサギリン)をトリチルクロライドによって保護することによってトリチル化された二級アミンを生成する方法(ステップa)について記述する。n−ブチルリチウムに続いてクロロギ酸メチルによる処理により、トリチル保護されたアミノエステルが生成するはずであり(ステップb)、このアミノエステルは酢酸中の臭化水素によって脱保護することができる(ステップc)。対応する酸は、水の水酸化リチウム溶液による処理によって生成することができる(ステップd)。
【0124】
スキーム4
【化18】

【0125】
スキーム4にて図示したように、ケト酸は、メタノールおよび硫酸を使用してエステル化することが可能であり(ステップa)、弱酸性の媒体中のプロパルギルアミンおよびシアノホウ化水素ナトリウムによる次の処理は、プロパルギルアミノエステルを生成するはずである(ステップb)。二級アミンは、トリチルクロライドまたは他の適切な保護基によって保護することによって、保護化エステルを生成することができる(ステップc)。エステルは次に、水素化アルミニウムリチウムによって還元することによって第一級アルコールを生成することが可能であり(ステップd)、これに水素化ナトリウムによる脱プロトンおよびブロモプロピオン酸エチルによるアルキル化を行うことによって、エステルを生成するはずである(ステップe)。酢酸中の臭化水素または他の適切な脱保護する試薬を使用した保護基の除去により、第二級アミノエステルが生成するはずであり(ステップf)、水溶液中の水酸化リチウムによるエステルの加水分解により、アミノ酸が生成するはずである(ステップg)。
【0126】
スキーム5
【化19】

【0127】
スキーム5にて図示するように、ケト酸は、メタノールおよび硫酸を使用してエステル化することが可能であり(ステップa)、弱酸性の媒体中のプロパルギルアミンおよびシアノホウ化水素ナトリウムによる次の処理により、プロパルギルアミノエステルがを生成するはずである(ステップb)。二級アミンは、トリチルクロライドまたは他の適切な保護基によって保護することにより、保護されたエステルを生成することができる(ステップc)。エステルは次に、水素化アルミニウムリチウムによって還元することによって第一級アルコールを生成することが可能であり(ステップd)、これに水素化ナトリウムによる脱プロトンおよび臭化メチルによるアルキル化を行うことによって、エーテルを生成するはずである(ステップe)。n−ブチルリチウムによるジメチルエーテルの処理に続いて、ヨード酢酸エチルによるアルキル化を行うことによって、エステルを生成するはずである(ステップf)。酢酸中の臭化水素および他の適切な脱保護する試薬を使用するアミンの次の脱保護(ステップg)、および水溶液中の水酸化リチウムによるエステルの次の加水分解により、アミノ酸エーテルを生成する(ステップh)。
【0128】
スキーム6
【化20】

【0129】
スキーム6は、ほぼ室温でブロモ酢酸エチルを使用するアセトン中の炭酸カリウムを使用するヒドロキシインダノンのアルキル化を示し、あるいは上記はインダノンエステルを生成することができる(ステップa)。約30℃の酢酸の存在下でのアセトニトリル中のプロパルギルアミンおよびシアノホウ化水素ナトリウムによるケトエステルの処理により、二級アミンを生成することができる(ステップb)。水溶液のエステルを使用する水酸化リチウムの加水分解は、アミノ酸を生成するはずである(ステップc)。あるいは、エステルは、酢酸の存在下でジクロロエタン中のホルマリンおよびトリアセトキシホウ化水素ナトリウムによりアルキル化することによって、Nメチル類縁体を生成することが可能であり、これは上記のように酸に加水分解することができる。室温以上の炭酸カリウムの存在下でのアセトン中のブロモアセトニトリルによるインダノンのアルキル化で、ケトニトリルを生成することができる(ステップd)。約30℃の酢酸の存在下でのアセトニトリル中のプロパルギルアミンおよびシアノホウ化水素ナトリウムによるケトニトリルの処理により、二級アミンを生成するはずである(ステップe)。炭酸カリウムの存在下でDMSO中の30%過酸化水素によるニトリルの次の水和により、カルボキサミドを生成することができる(ステップf)。
【0130】
スキーム7
【化21】

【0131】
スキーム7に示すように、アミノアルコールは、STABASE(1,1,4,4−テトラメチジシリラザ−イクロペンタン)、アリールアルデヒドまたは他の適切な保護剤で処理することによって、保護されたアミノアルコールを生成することができる(ステップa)。アルコールは次に、水素化ナトリウムによって脱プロトンし、ブロモ酪酸エチルによってアルキル化することによって、エステルを生成することができる(ステップb)。メタノール(STABASE)中のトシル酸を使用する保護基の除去、または他の保護基のための他の適切な状態とすることで、中和の後に、一級アミノエステルを生成するはずである(ステップc)。弱酸性の湿性状態におけるプロピオアルデヒドジエチルアセタールおよびシアノホウ化水素ナトリウムによるこのアミンの処理により、プロパルギルアミノエステルを生成するはずである(ステップd)。ホルマリンおよびシアノホウ化水素ナトリウムを使用するこのアミンの更なるアルキル化により、メチル化されたテリアリアミノエステルを生成することができる(ステップe)。水溶液の水酸化リチウムによる第二級(ステップf)または第三級(ステップg)アミノエステルの次の処理により、第二級および第三級のアミノ酸をそれぞれ生成するはずである。
【0132】
スキーム8
【化22】

【0133】
スキーム8は、第三級のアミノインダン(ZがHまたはO(CH−フェニルであり、フェニルがハロゲンまたはCFによって任意に置換できる)が、溶媒(例えばトルエン、エタノールまたはエーテル)中のハロゲン化アルキル(例えば臭化メチルまたはヨウ化メチル)で処理されるときに、対応する第四級アンモニウム塩を生成することができる方法を示す(ステップa)。室温における塩化メチレン中のDavis試薬(フェニルオキサジリジンベンゼン−スルホンアミド)によるこれらの三級アミンの処理により、対応するアミンN−オキシドを生成することができる(ステップb)。
【0134】
本発明の化合物の1つの立体異性体は、その対応物より効力のあるMAO−B阻害剤であり得る。したがって、立体異性体は本発明に含まれる。これらの立体異性体の一部は、スキーム9〜13において下記に示される。必要な場合には、ラセミ材料の分離は、キラルカラムを用いたHPLCによって、あるいはWilen,S.H.(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions 1972,308)に記載されるような分解剤を用いた分解によって、あるいは鏡像異性的に純粋な酸および基剤を用いた分解によって、達成できる。本発明のキラル化合物は、キラル触媒またはキラル配位子(例えばJacobsen,E.Acc.Chem.Res.2000,33,421−431)を用いて、あるいは不斉合成の当業者に公知の他の対称選択的およびジアステレオ選択的な反応および試薬を用いて、直接的に合成することもできる。
【0135】
スキーム9
【化23】

【0136】
スキーム10
【化24】

【0137】
スキーム11
【化25】

【0138】
スキーム12
【化26】

【0139】
スキーム13
【化27】

【0140】
本発明の他の特徴は、例示的な実施形態について下記に説明する過程で明らかになり、実施形態は本発明の説明のために与えられるものであり、本発明を制限することを意図しない。
【実施例】
【0141】
下記の表A〜Cは、合成してテストした本発明の実施例を記載する。化合物の活性は、以下の通りである。+= IC50≦10μM++ = IC50≦1μM+++ = IC50≦100nM
【0142】
実施例は、各実施例に付したスキーム番号の方法に従って調製することができる。
【0143】
表A
【化28】

全ラセミ化合物
【表4】

【0144】
表B
【化29】

全ラセミ化合物
【表5】





【0145】
表C
【化30】

全ラセミ化合物
【表6】



【0146】
表I〜VIは、本発明の化合物の代表例を示す。各表における各例は、本発明の個々の種を意味する。
【0147】
表I
【化31】

【表7】


【0148】
表IIa
【化32】

【表8】




【0149】
表IIb
【化33】

【表9】




【0150】
表III
【化34】

【表10】















【0151】
表IV
【化35】

【表11】












【0152】
表Va
【化36】

【表12】


【0153】
表Vb
【化37】

【表13】


【0154】
表VIa
【化38】

【表14】


【0155】
表VIb
【化39】

【表15】


【0156】
表VIIa
【化40】

【表16】


【0157】
表VIIb
【化41】

【表17】


【0158】
表VIIc
【化42】

【表18】


【0159】
上記教示事項に鑑み、本発明についての多くの変形およびバリエーションが考えられる。従って、請求の範囲内で、さもなければ本明細書に具体的に記載されたように本発明を実施することができるものと理解される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IもしくはIIの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩。
【化1】

(式中、各々のRは、独立にH、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、及びC2−6アルキニルから選択され、
は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、(CHCOR、C2−6アルケニル−COR、CHCH(NHAc)COR、CHCH(NHR)COR、及び(CHPO(OR)から選択され、
は対イオンであり、
VはO、Cアルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、
X、X、X、及びXは、独立にH、OR、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、N(R)2、(CH−テトラゾール、(CHCOR、(CHCONR、(CHCN、O(CHCN、O(CH−テトラゾール、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−6アルケニル−COR、O(CHPO(OR)、NR−C2−4アルケニル、NRSOCH、NR(CHCOR、NR(CHCON(R)、NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CHPO(OR)、NR(CHSOORNR(CH−テトラゾール、SONRCH、OCHCHMCONRCHCOR、CH−アリール、O(CHPO(OR)、O(CHSOOROCH(CH(CH、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−(CHCOR、O(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、O(CH−ビフェニル−(CHCN、O(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−(CHCOR、NR(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、NR(CH−ビフェニル−(CHCN、NR(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCOR、O(CH−アリール−C2−6アルケニル−COR、O(CH−アリール(CH−テトラゾール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CH2)CON(R)、O(CH−アリール(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−O(CHCOR、O(CH−アリール−O−C2−6アルケニル−COR、O(CH−アリールO(CH−テトラゾール、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−NR(CHCOR、O(CH−アリール−NRC2−6アルケニル−COR、O(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−アリール−NR(CHCN、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール(CHCOR、NR(CH−アリール−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−アリール(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール−NR(CHCOR、NR(CH−アリール−NR−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)2、NR(CH−アリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−アリールO(CHCOR、NR(CH−アリール−O−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−アリール−O(CHn−テトラゾール、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHPO(OR)、O(CH−ヘテロアリール(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−C2−6アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCN、O(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−O−C2−6アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリールO(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリールO(CHCN、O(CH−ヘテロアリールO(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリールO(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−NR−C2−6アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCN、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−NR−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHn−テトラゾール、NR(CHヘテロアリール−NR(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−O−C2−6アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R
、NR(CH−ヘテロアリールO(CHPO(OR)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5〜12員環系である)、及びN、O及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、テトラゾールは0−1個のRで置換され、
は、H、OR、O−C2−6アルケニル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、
QはH、OH、C1−6アルコキシ、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−6アルケニル、O−C2−6アルケニル−COR、OCHCHCONRCHCOR、OCHCHMCONRCHCOR、O(CHPO(OR)、O(CHSOOROCHCH(NHA)COR、OCHCH(NHR)COR、O(CH−アリール、O(CH−5−12員の炭素原子からなるヘテロアリール、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、
Wは、H、COR、CON(R)、CHOH、CHOC1−6アルキル、CHOC2−6アルケニル、CHO(CHCOR、CHO(CHCON(R)、CHO−C2−6アルケニル−COR、CHOCHCHCONRCHCOR、CHOCHCHMCONRCHCOR、CHO(CHPO(OR)、CHO(CHSOORCHOCHCH(NHA)COR、CHOCHCH(NHR)COR、CHO−C2−6アルケニル、CHO(CHCONH2、CHO(CH−アリール、CHO(CH−5−12員の炭素原子からなるヘテロアリール、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、ヘテロアリールは1−2個のXで置換され、
Mは、独立にH、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、アリール、(CH−アリール、ヘテロアリール、(CH−ヘテロアリール(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、
mは、0、1、2、3、及び4から独立に選択され、
nは、1、2、3、及び4から選択され、
ただし、X、X、X、及びXの少なくとも1つは、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。)
【請求項2】
式IもしくはIIの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項1記載の化合物。
【化2】

【請求項3】
式Iaの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項1記載の化合物。
【化3】

(式中、各々のRは、独立にH及びC1−4アルキルから選択され、
はH及びC1−4アルキルから選択され、
X及びXは、独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF3、ニトロ、−CN、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール−(CHCON(R)、O(CH−アリール−O(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−(CHCON(R)、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、及びNR(CH−ビフェニル−CONH(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXから選択され、
はH、OH、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、
nは独立に1、2、及び3から選択され、
ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。)
【請求項4】
X及びXの一方はHであり、他方は、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C1−4アルコキシ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリールCH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール−(CHCON(R)、O(CH−アリール−O(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−(CHCON(R)、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、
ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない請求項3記載の化合物。
【請求項5】
式Iaの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項3記載の化合物。
【化4】

【請求項6】
式Ibの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項1記載の化合物。
【化5】

(式中、各々のRは、独立にH及びC1−4アルキルから選択され、
は、H、C1−4アルキル、(CHCOR、C2−4アルケニル−COR、CHCH(NHAc)COR、CHCH(NHR)COR、及び(CHPO(OR)から選択され、
X及びXは、独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF3、ニトロ、−CN、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール−(CHCON(R)、O(CH−アリール−O(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−(CHCON(R)、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、
は、H、OH、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、
Wは、H、CHOH、CHOC1−4アルキル、CHOC2−4アルケニル、CHO(CHCOR、CHO−C2−4アルケニル−COR、CHO(CHCON(R)、CHO(CHPO(OR)、CHO(CH−アリール、CHO(CH−5−10員の炭素原子からなるヘテロアリール、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、
mは独立に0、1、及び2から選択され、
nは独立に1、2、及び3から選択され、
ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロから選択される。)
【請求項7】
X及びXの一方はHであり、他方は、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C1−4アルコキシ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール−(CHCON(R)、O(CH−アリール−O(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−(CHCON(R)、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、
ただし、X及びXの少なくとも一方はH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない請求項6記載の化合物。
【請求項8】
式Ibの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項6記載の化合物。
【化6】

【請求項9】
式Icの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項1記載の化合物。
【化7】

(式中、各々のRは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、
はH及びC1−4アルキルから選択され、
X、X、X、及びXは独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、N(R)、(CH−テトラゾール、(CHCOR、(CHCONR2、(CHCN、O(CHCN、O(CH−テトラゾール、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル−COR、O(CHPO(OR)、NR−C2−4アルケニル、NRSOCH、NR(CHCOR、NR(CHCON(R)、NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CHPO(OR)、NR(CHSOOR、NR(CH−テトラゾール、SONRCH、OCHCHMCONRCHCOR、CH−アリール、O(CHPO(OR)、O(CHSOOR、OCH(CH(CH、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−(CHCOR、O(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、O(CH−ビフェニル−(CHCN、O(CH−ビフェニル−(CHCON(R),NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−(CHCOR、NR(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、NR(CH−ビフェニル−(CHCN、NR(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCOR、O(CH−アリール−C2−4アルケニル−COR、O(CH−アリール(CH−テトラゾール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリール(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−O(CHCOR、O(CH−アリール−O−C2−4アルケニル−COR、O(CH−アリールO(CH−テトラゾール、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−NR(CHCOR、O(CH−アリール−NRC2−4アルケニル−COR、O(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−アリール−NR(CHCN、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール(CHCOR、NR(CH−アリール−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール−NR(CHCOR、NR(CH−アリール−NR−C2−4、アルケニル−COR、NR(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−アリールO(CHCOR、NR(CH−アリール−O−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHPO(OR)、O(CH−ヘテロアリール(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCN、O(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−O−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリールO(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリールO(CHCN,O(CH−ヘテロアリールO(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリールO(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−NR−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCN、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CHヘテロアリール−NR(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−O−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−O(CH
CON(R)、NR(CH−ヘテロアリールO(CHPO(OR)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、テトラゾールは0−1個のRで置換され、
はH、OR、Cアルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、
はCl及びBrから選択され、
Mは独立にH、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、(CH−アリール、ヘテロアリール、(CH−ヘテロアリール(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、
mは独立に0、1、及び2から選択され、
nは独立に1、2、及び3から選択され、
ただし、X、X、X、及びXの少なくとも一つはH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。)
【請求項10】
X、X、X、及びXのうちの3つはHであり、第4はOH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、C1−4アルコキシ、−CN、N(R)、(CH−テトラゾール、(CHCOR、(CHCONR2、(CHCN、O(CHCN、O(CH−テトラゾール、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル−COR、O(CHPO(OR)、NR−C2−4アルケニル、NRSOCH、NR(CHCOR、NR(CHCON(R)、NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CHPO(OR)、NR(CHSOOR、NR(CH−テトラゾール、SONRCH、OCHCHMCONRCHCOR、CH−アリール、O(CHPO(OR)、O(CHSOOR、OCH(CH(CH、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−(CHCOR、O(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、O(CH−ビフェニル−(CHCN、O(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−(CHCOR、NR(CH−ビフェニル−(CHテトラゾール、NR(CH−ビフェニル−(CHCN、NR(CH−ビフェニル−(CHCON(R)、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、NR(CH−アリール、NR(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCOR、O(CH−アリール−C2−4アルケニル−COR、O(CH−アリール(CH−テトラゾール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリール(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−O(CHCOR、O(CH−アリール−O−C2−4アルケニル−COR、O(CH−アリールO(CH−テトラゾール、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CH−PO(OR)、O(CH−アリール−NR(CHCOR、O(CH−アリール−NRC2−4アルケニル−COR、O(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−アリール−NR(CHCN、O(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−アリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール(CHCOR、NR(CH−アリール−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CH−PO(OR)、NR(CH−アリール−NR(CHCOR、NR(CH−アリール−NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−アリールO(CHCOR、NR(CH−アリール−O−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−アリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHPO(OR)、O(CH−ヘテロアリール(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCN、O(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−O−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリールO(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリールO(CHCN、O(CH−ヘテロアリールO(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリールO(CH−PO(OR)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、O(CH−ヘテロアリール−NR−C2−4アルケニル−COR、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCN、O(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ヘテロアリール−NR(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール(CH−PO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−NR−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CH−テトラゾール、NR(CHヘテロアリール−NR(CHCN、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−NR(CHPO(OR)、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCOR、NR(CH−ヘテロアリール−O−C2−4アルケニル−COR、NR(CH−ヘテロアリール−O(CH−テトラゾール、NR(CH−ヘテロアリール−O(CHCN、NR(CH
−ヘテロアリール−O(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリールO(CHPO(OR)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−10員環系である)、N、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXから選択され、テトラゾールは0−1個のRから選択され、
ただし、X、X、X、及びXは、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない請求項9記載の化合物。
【請求項11】
式Icの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項9記載の化合物。
【化8】

【請求項12】
式Idの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項1記載の化合物。
【化9】

(式中、各々のRは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、
はH、C1−4アルキル、(CHCOR、(CHPO(OR)、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、
X、X、及びXは独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF3,ニトロ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXから選択され、
はH、OH、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、
Qは、OH、C1−4アルコキシ、O(CHCOR、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、O−C2−4アルケニル−COR、OCHCHCONRCHCOR、OCHCHMCONRCHCOR、O(CHPO(OR)、O(CHSOOR、OCHCH(NHAc)COR、OCHCH(NHR)COR、O(CH−アリール、O(CH−5−10員の炭素原子からなるヘテロアリール、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、
Mは独立にH、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、(CH−アリール、ヘテロアリール、(CH−ヘテロアリール(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、
mは独立に0、1、及び2から選択され、
nは独立に1、2、及び3から選択され、
ただし、X、X、及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。)
【請求項13】
X、X、及びXのうちの2つはHであり、第3はOH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF,ニトロ、C1−4アルコキシ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、N(R)、NRSOCH、SONRCH、CHN(C1−4アルキル)、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、
ただし、X、X、及びXの少なくとも1つは、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない請求項12記載の化合物
【請求項14】
式Idの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項12記載の化合物
【化10】

【請求項15】
式IIaの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項1記載の化合物。
【化11】

(式中、各々のRは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、
はH及びC1−4アルキルから選択され、
はCl及びBrから選択され、
VはO、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、及びC2−4アルキニルから選択され、
X及びXは独立にH、OR、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF,ニトロ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、NRSOCH、SONRCH、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH、0(CH−ヘテロアリール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、
はH、OR、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、−CN、C(O)NR、NRSOCH、及びSON(R)C1−6アルキルから選択され、
nは独立に1、2、及び3から選択され、
ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない。)
【請求項16】
X及びXの一方はHであり、他方はOH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、ハロゲン、CF、ニトロ、C1−4アルコキシ、O(CHCON(R)、O−C2−4アルケニル、NRSOCH、SONRCH、CH−アリール、CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−アリール(CHCN、O(CH−アリール(CHCON(R)、O(CH−アリールO(CHCN、O(CH−アリールO(CHCON(R)、NR(CH−アリール(CHCN、NR(CH−アリール(CHCON(R)、NR(CH−アリールO(CHCN、NR(CH−アリール−O(CHCON(R)、NR(CH−アリール−NR(CHCN、NR(CH−アリール−NR(CHCON(R)、O(CH−ビフェニル、O(CH−ビフェニル−CN、O(CH−ビフェニル−CONH、NR(CH−ビフェニル、NR(CH−ビフェニル−CN、NR(CH−ビフェニル−CONH、O(CH−ヘテロアリール、O(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)、NR(CH−ヘテロアリール−(CHCON(R)(式中、ヘテロアリールは炭素原子からなる5−12員環系である)、及びN、O、及びSから選択される1−4個のヘテロ原子から選択され、アリール及びヘテロアリールは1−2個のXで置換され、
ただし、X及びXの少なくとも一方は、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、及びハロではない請求項15記載の化合物。
【請求項17】
式Haの化合物又は立体異性体又はその薬理学的に許容できる塩である請求項15記載の化合物。
【化12】

【請求項18】
表I、IIa、IIb、III、IV、Va、Vb、VIa、VIb、VIIa、VIIb、もしくはVIIcから選択される化合物、又はその薬理学的に許容できる塩。
【請求項19】
請求項1から18いずれか記載の化合物と、薬理学的に許容できる担体と、を含有する医薬組成物。
【請求項20】
治療に用いられる請求項1から18いずれか記載の化合物。
【請求項21】
肥満症、糖尿病、心血管代謝疾患およびそれらの組み合わせを治療する医薬品を製造するための請求項1から18いずれか記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−542386(P2008−542386A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514814(P2008−514814)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/021142
【国際公開番号】WO2006/130707
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(507396910)
【Fターム(参考)】