説明

肥満症を治療するための神経ペプチドY5(NPY5)リガンドとしての2−4’−(2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン1−イル!−N−(9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド誘導体および関連化合物

本発明は、一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物、それらの調製方法、これらの化合物を含む薬剤、ならびにヒトまたは動物を治療するための薬剤を調製するためのそれらの使用に関する。置換基は現行の請求項1に定義されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物、それらの調製方法、これらの化合物を含む薬剤、ならびにヒトまたは動物を治療するための薬剤を調製するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ブタ脳抽出物から最初に単離された神経ペプチドY(NPY)(Tatemoto et.al.Nature 1982,296,659)は、膵臓ポリペプチドファミリーに属する36アミノ酸ペプチドであり、脳および中枢神経系中で最も豊富なペプチドの1つである。数件の試験は、NPYが認識機能、例えば記憶の調節(Flood J.F.et.al.Brain Res.1987,421,280;Redrobe J.P.et.Al.Brain Res.1999,848,153)、ならびに不安(Heilig M.et.al.Reg.Peptides 1992,41,61)およびうつ病(Heilig M.et.al.Eur.J.Pharmacol.1988,147,465)の発生において重大な役割を果たすことを示唆している。
【0003】
さらに、NPYは末梢神経系にも分布しており、一部の試験はNPYが特に高血圧性(Michel M.C:et.al.J.Hypertens.1995,13,385)、および鎮痛性(Gehlert D.R.Life Sci.1994,55,551)プロセスに関係していることを示唆している。
【0004】
NPY結合受容体を構成する内因性タンパク質については広範囲に研究されてきた。数種についてはクローニングされ、発現させられている。現在は、Y1からY6と称された6種の受容体サブタイプが認識されている(Hispkind P.A.et.al.Annu.Rep.Med.Chem.1996,31,1;Grundemar L.et.al.TIPS Reviews.,15,153,1994)。各NPY受容体サブタイプは、一般に様々な生物活性に関連付けられている。
【0005】
最も近年に同定された受容体はY5である(Hu et.al.J.Biol.Chem.1996,271,26315)。Y5受容体は他の受容体サブタイプと比較して固有の薬理学的プロファイルを有するという十分な証拠があるので、最初はY5受容体が肥満症などの食物摂取関連障害の治療にとって適切な標的であろうと予想された。だがこの考えは変更され、現在では、Y5受容体は一般に肥満症などの食物摂取関連障害の治療にとって適切な標的ではないというのが当業者間に共通した見解である。考え方におけるこの変化は、これまでに試験されたNPY5受容体に対する親和性を備える化合物が経口投与では有効ではなかったという事実に起因すると思われる。例えばCurrent Opinion in Investigational Drugs 2003,4,1198;Diabetes Vol.51,August 2002,2441およびInternational Journal of Obesity 2004,28,628を参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、食物摂取を調節するため、ならびに肥満症、食欲不振、悪液質、過食症またはII型(非インスリン依存型)糖尿病などの食物摂取関連障害を予防および/または治療するための、薬剤中の、好ましくは神経ペプチドY受容体、特に好ましくは神経ペプチドY5(NPY5)受容体を調節するための薬剤中の有効成分として特に適切である新規化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、以下に示す一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物は、神経ペプチドY受容体、特に神経ペプチドY5(NPY5)受容体に対する親和性を有することが見いだされている。さらに、本発明による化合物は、驚くべきことに重大な食欲抑制作用を示すことが見いだされている。
【0008】
このため、その態様の1つでは、本発明は一般式(I)
【化1】

(式中、
aは、0、1、2、3もしくは4を表す、
bは、0、1、2もしくは3を表す、
cは、0、1、2、3もしくは4を表す、
1、R2、R3、R4は、各々独立して、水素;ハロゲン;−CN;−NO2;−OR8;直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された脂肪族ラジカル;アルキレン基を介して結合されていてよい、脂環式ラジカルを含有する環員としての飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された、任意で少なくとも1つのヘテロ原子;またはアルキレン基を介して結合されていてよい、および/または任意で少なくとも一置換された、飽和もしくは不飽和の単環もしくは二環系とともに縮合されていてよい、任意で少なくとも一置換されたアリールもしくはヘテロアリールラジカルからなる群から選択される、
5は、水素、直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された脂肪族ラジカル、または飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された脂環式ラジカルを表す、
6、R7およびR8は、同一もしくは相違して、各々が水素もしくはプロドラッグ成分を表す、
Aは、−CH2−もしくは−CH2−CH2−基を表す)の1,4−二置換ピペリジン化合物であって、
任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはその塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物に関する。
【0009】
好ましいのは上述した一般式(I)(式中、
aは、0、1、2、3もしくは4を表す、
bは、0、1、2もしくは3を表す、
cは、0、1、2、3もしくは4を表す、
1、R2、R3、R4は、各々独立して、H;F;Cl;Br;−CN;−NO2;−OR8;直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換されたC1-6−脂肪族ラジカル;C1-3−アルキレン基を介して結合されていてよい、C3-8−脂環式ラジカルを含有する環員としての飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された、任意で少なくとも1つのヘテロ原子;またはC1-3−アルキレン基を介して結合されていてよい、および/または任意で少なくとも一置換された、飽和もしくは不飽和の単環もしくは二環系とともに縮合されていてよい、任意で少なくとも一置換されたアリールもしくはヘテロアリールラジカルからなる群から選択される、
5は、水素、直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換されたC1-6−脂肪族ラジカル、または飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換されたC3-8−脂環式ラジカルを表す、
6、R7およびR8は、同一もしくは相違して、各々が水素もしくはプロドラッグ成分を表す、
Aは、−CH2−もしくは−CH2−CH2−基を表す)の1,4−二置換ピペリジン化合物であって、
任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはその塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0010】
本発明の意味におけるプロドラッグ成分は、一般式Iの各化合物の薬理学的に活性な代謝産物をインビボで生じさせるであろう成分である。
【0011】
上記に定義した一般式Iの化合物を生じさせるために適切なプロドラッグ成分、それらの調製方法、出発化合物中へそれらを導入する方法ならびにインビボで形成された代謝産物を決定する方法は、例えばKrogsgaard−Larsen,Povl,「A textbook of drug design and development」 Harwood Academic(ISBN 3−7186−5100−9)などの教科書およびBernard Testa and Joachim B.Mayer,「Hydrolysis in drug and prodrug metabolism:Chemistry,biochemistry and enzymology,Wiley−VCH,2003,Weinheim(ISBN−3−906390−25−X)から、当業者にはよく知られている。文献の説明の各部分は、本明細書によって参照して組み込まれ、本開示の一部を形成する。
【0012】
本発明による単環もしくは二環系は、飽和、不飽和もしくは芳香族であってよい単環もしくは二環式炭化水素環系を意味する。環系が二環式である場合は、その相違する環の各々が相違する飽和度を示してよい、すなわち環は飽和、不飽和もしくは芳香族であってよい。任意で前記単環もしくは二環系の各々は、同一もしくは相違していてよい、好ましくはN、O、SおよびPからなる群、より好ましくはN、OおよびSからなる群から選択できる環員として1つ以上のヘテロ原子を含有していてよい。前記単環もしくは二環系は、好ましくは上述した群から選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有していてよい、好ましくは上述した群から選択される0もしくは1個のヘテロ原子を含有する。単環もしくは二環系の環は、好ましくは5もしくは6員環である。
【0013】
当業者であれば、用語「縮合した」は縮合環が2個以上の原子を共有することを示すことを理解している。用語「環状化(された)」または「融合(した)」もまたこのタイプの結合に対して使用することができる。
【0014】
1つ以上の残基R1−R5が1つ以上の置換基によって置換されている脂肪族ラジカルを表す場合は、他に規定していない限り、これらの置換基の各々は、好ましくはヒドロキシ、ハロゲン、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルコキシ、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルコキシ、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルキル、アミノ、カルボキシ、アミド、シアノ、ニトロ、−SO2NH2、−CO−C1-4−アルキル、−SO−C1-4−アルキル、−SO2−C1-4−アルキル、−NH−SO2−C1-4−アルキルからなる群から選択されてよく、このときC1-4−アルキルは各場合において分枝状もしくは直鎖状の、未置換もしくは一置換されたフェニルもしくはナフチルラジカルおよび未置換もしくは少なくとも一置換されたフラニル−、チエニル−、ピロリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、ピリジニル−、ピリミジニル−、キノリニル−およびイソキノリニルラジカルであってよく、より好ましくはヒドロキシ、F、Cl、Br、メトキシ、エトキシ、CF3および未置換フェニルラジカルからなる群から選択されてよい。これらの置換基自体のいずれか1つが少なくとも一置換されている場合は、前記置換基は好ましくはF、Cl、メチルおよびメトキシからなる群から選択されてよい。好ましくは、置換アルキルラジカルは、1、2、3、4もしくは5個、より好ましくは1、2もしくは3個の上記の置換基と置換されてよい。
【0015】
1つ以上の残基R1−R5が1つ以上の置換基によって置換されている脂環式ラジカルを表す、もしくは含む場合は、他に規定していない限り、これらの置換基の各々は、好ましくはヒドロキシ、ハロゲン、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキル、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルコキシ、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルコキシ、フェノキシ、ベンゾイル、シクロヘキシル、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルキル、−NRAB(式中、RA、RBは、各々独立して、H、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキルラジカル、−CH2−CH2−OHおよびフェニルからなる群から選択される)、カルボキシ、アミド、シアノ、ニトロ、−SO2NH2、−CO−C1-4−アルキル、−CO−OC1-4−アルキル、−SO−C1-4−アルキル、−SO2−C1-4−アルキル、−NH−SO2−C1-4−アルキル、からなる群から選択されてよく、このときC1-4−アルキルは各場合に分枝状もしくは直鎖状の、未置換もしくは少なくとも一置換されたフェニルもしくはナフチルおよび未置換もしくは少なくとも一置換されたフラニル−、チエニル−、ピロリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、ピリジニル−、ピリミジニル−、キノリニル−およびイソキノリニルラジカルであってよく、より好ましくはヒドロキシ、F、Cl、Br、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ベンゾイル、フェノキシ、シクロヘキシル、−CF3、−CO−CH3、−CO−OCH3、−NRAB(式中、RA、RBは、各々独立して、H、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキルラジカル、−CH2−CH2−OHおよびフェニルからなる群から選択される)、および未置換フェニルラジカルからなる群から選択されてよい。これらの置換基自体のいずれか1つが少なくとも一置換されている場合は、前記置換基は、好ましくはF、Cl、メチルおよびメトキシからなる群から選択されてよい。好ましくは、置換脂環式ラジカルは、1、2、3、4もしくは5個、より好ましくは1、2もしくは3個の上記の置換基と置換されてよい。
【0016】
1つ以上の残基R1−R4が1つ以上の置換基によって置換されている単環もしくは二環系を含む場合は、他に規定していない限り、これらの置換基の各々は、好ましくはヒドロキシ、ハロゲン、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキル、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルコキシ、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルコキシ、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルキル、アミノ、カルボキシ、アミド、シアノ、ケト、ニトロ、−SO2NH2、−CO−C1-4−アルキル、−SO−C1-4−アルキル、−SO2−C1-4−アルキル、−NH−SO2−C1-4−アルキルからなる群から選択されてよく、このときC1-4−アルキルは分枝状もしくは直鎖状の、未置換もしくは少なくとも一置換されたフェニルもしくはナフチルラジカルおよび未置換もしくは少なくとも一置換されたフラニル−、チエニル−、ピロリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、ピリジニル−、ピリミジニル−、キノリニル−およびイソキノリニルであってよく、より好ましくはヒドロキシ、F、Cl、Br、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、CF3、ケト(=O)、シアノおよび未置換フェニルラジカルからなる群から選択されてよい。これらの置換基自体のいずれか1つが少なくとも一置換されている場合は、前記置換基は好ましくはF、Cl、メチルおよびメトキシからなる群から選択されてよい。好ましくは、置換単環もしくは二環系は、1、2、3、4もしくは5個、より好ましくは1、2もしくは3個の上記の置換基と置換されてよい。
【0017】
1つ以上の残基R1−R4が1つ以上の置換基によって置換されているアリールラジカルを表す、もしくは含む場合は、他に規定していない限り、これらの置換基の各々は、好ましくはヒドロキシ、ハロゲン、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルコキシ、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキル、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルコキシ、未置換もしくは少なくとも一置換されたフェノキシ、未置換もしくは少なくとも一置換されたベンゾイル、シクロヘキシル、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルキル、−NRAB(式中、RA、RBは、各々独立して、H、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキルラジカル、−CH2−CH2−OHおよびフェニルからなる群から選択される)、カルボキシ、アミド、シアノ、ニトロ、−C(H)(OH)(フェニル)、−C(H)(OH)(CH3)、−SO2NH2、−CO−C1-4−アルキル、−CO−OC1-4−アルキル、−SO−C1-4−アルキル、−SO2−C1-4−アルキル、−NH−SO2−C1-4−アルキルからなる群から選択されてよく、このときC1-4−アルキルは分枝状もしくは直鎖状の、未置換もしくは少なくとも一置換されたフェニルもしくはナフチルラジカルおよび未置換もしくは少なくとも一置換されたフラニル−、チエニル−、ピロリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、ピリジニル−、ピリミジニル−、キノリニル−およびイソキノリニルラジカルであってよく、より好ましくはヒドロキシ、F、Cl、Br、メチル、エチル、シアノ、−C(H)(OH)(フェニル)、−C(H)(OH)(CH3)、メトキシ、エトキシ、未置換もしくは少なくとも一置換されたベンゾイル、未置換もしくは少なくとも一置換されたフェノキシ、シクロヘキシル、−CF3、−CO−CH3、−CO−OCH3、−NRAB(式中、RA、RBは、各々独立して、H、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキルラジカル、−CH2−CH2−OHおよびフェニルからなる群から選択される)、および未置換フェニルラジカルからなる群から選択されてよい。これらの置換基自体のいずれか1つが少なくとも一置換されている場合は、前記置換基は好ましくはF、Cl、メチルおよびメトキシからなる群から選択されてよい。好ましくは、置換アリールラジカルは、1、2、3、4もしくは5個、より好ましくは1、2もしくは3個の上記の置換基と置換されてよい。
【0018】
1つ以上の残基R1−R4が1つ以上の置換基によって置換されているヘテロアリールラジカルを表す、もしくは含む場合は、他に規定していない限り、これらの置換基の各々は、好ましくはヒドロキシ、ハロゲン、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルコキシ、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキル、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルコキシ、未置換もしくは少なくとも一置換されたフェノキシ、未置換もしくは少なくとも一置換されたベンゾイル、シクロヘキシル、分枝状もしくは直鎖状C1-4−パーフルオロアルキル、NRAB(式中、RA、RBは、各々独立して、H、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキルラジカル、−CH2−CH2−OHおよびフェニルからなる群から選択される)、カルボキシ、アミド、シアノ、−C(H)(OH)(フェニル)、−C(H)(OH)(CH3)、ニトロ、−SO2NH2、−CO−C1-4−アルキル、−CO−OC1-4−アルキル、−SO−C1-4−アルキル、−SO2−C1-4−アルキル、−NH−SO2−C1-4−アルキル、からなる群から選択されてよく、このときC1-4−アルキルは分枝状もしくは直鎖状の、未置換もしくは少なくとも一置換されたフェニルもしくはナフチルラジカルおよび未置換もしくは少なくとも一置換されたフラニル−、チエニル−、ピロリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、ピリジニル−、ピリミジニル−、キノリニル−およびイソキノリニルラジカルであってよく、より好ましくはヒドロキシ、F、Cl、Br、メチル、エチル、シアノ、メトキシ、エトキシ、未置換もしくは少なくとも一置換されたベンゾイル、未置換もしくは少なくとも一置換されたフェノキシ、シクロヘキシル、CF3、−C(H)(OH)(フェニル)、−C(H)(OH)(CH3)、−CO−CH3、−CO−OCH3、−NRAB(式中、RA、RBは、各々独立して、H、分枝状もしくは直鎖状C1-4−アルキルラジカル、−CH2−CH2−OHおよびフェニルからなる群から選択される)、および未置換フェニルラジカルからなる群から選択されてよい。これらの置換基自体のいずれかが少なくとも一置換されている場合は、前記置換基は好ましくはF、Cl、メチルおよびメトキシからなる群から選択されてよい。好ましくは、置換ヘテロアリールラジカルは、1、2、3、4もしくは5個、より好ましくは1、2もしくは3個の上記の置換基と置換されてよい。
【0019】
本発明によるアルキレン基は、好ましくは−CH2−、−CH2−CH2−、−CH(CH3)−、−CH2−CH2−CH2−、−CH(−CH3)−CH2−CH2−、−CH2−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH2−CH(CH3)−、−C(CH32−CH2−CH2−、−CH2−CH2−C(CH32−および−CH2−CH2−CH2−CH2からなる群から選択されてよい。
【0020】
1つ以上の残基R1−R5が環員として1つ以上のヘテロ原子を含有する脂環式ラジカルを表す、もしくは含む場合は、他に規定していない限り、これらのヘテロ原子の各々は、好ましくはN、O、SおよびPからなる群から、より好ましくはN、OおよびSからなる群から選択されてよい。前記脂環式ラジカルは、好ましくは上述した群から選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有していてよく、より好ましくは上述した群から選択される0もしくは1個のヘテロ原子を含有する。
【0021】
1つ以上の残基R1−R4が、環員として1つ以上のヘテロ原子を含有するヘテロアリールラジカルを表す、もしくは含む場合は、他に規定していない限り、これらのヘテロ原子の各々は、好ましくはN、O、SおよびPからなる群から、より好ましくはN、OおよびSからなる群から選択されてよい。前記ヘテロアリールラジカルは、好ましくは上述した群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有していてよく、好ましくは上述した群から選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有する。
【0022】
好ましいのは一般式(I)(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、H;F;Cl;Br;−CN;−NO2;−OR8;直鎖状もしくは分枝状の、任意で少なくとも一置換されたC1-4−アルキルラジカル、任意で少なくとも一置換されたC1−もしくはC2−アルキレン基を介して結合されていてよい、飽和の、任意で少なくとも一置換された、C5−もしくはC6−脂環式ラジカルを含有する環員として、任意で少なくとも1つのヘテロ原子からなる群から選択される;
【0023】
より好ましくは、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、H;F;Cl;Br;−CN;−NO2;−CH3;−CH2CH3;−CHF2;−CH2F;−CF3;−CF2CF3;OR8;シクロペンチルおよびシクロヘキシルからなる群から選択される、
【0024】
さらに好ましくは、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、H;F;Cl;Br、CH3およびOR8からなる群から選択され、そしてR5−R8、A、a、bおよびcは上述した意味を有する)の化合物であって、任意でそれらの立体異性体形の1つ、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、ラセミ化合物の形態にある、あるいは任意の混合比で、その立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0025】
さらに好ましいのは一般式(I)(式中、R5はHまたは直鎖状もしくは分枝状C1-6アルキルラジカルを表す、
【0026】
より好ましくは、R5はHまたはメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルからなる群から選択されるアルキルラジカルを表す、そしてR1−R4、R6−R8、A、a、bおよびcは上述した意味を有する)の化合物であって、任意でそれらの立体異性体形の1つ、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、それらのラセミ化合物の形態にある、あるいは任意の混合比でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、または対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0027】
また、好ましいのは、一般式(I)(式中、R6、R7およびR8は、同一もしくは相違して、各々Hまたは
直鎖状もしくは分枝状C1-3−アルキル、
P(=O)(OR92基(式中、R9は直鎖状もしくは分枝状C1-4−アルキルラジカルを表す)、
−(C=O)−O−R10基(式中、R10は直鎖状もしくは分枝状C1-5−アルキルラジカルを表す)、
−(C=O)−NH−R11基(式中、R11は直鎖状もしくは分枝状C1-3−アルキルラジカルと一置換されているフェニル基を表す)、
−(C=O)−R12基(式中、R12は、−O−(C=O)−C1-3−アルキルラジカル、−CH2−N(C1-4−アルキル)2基と一置換されているフェニル基または
【化2】


を表す)からなる群から選択されるプロドラッグ成分を表す)、
そしてR1−R5、A、a、bおよびcは上述した意味を有する)の化合物であって、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0028】
また、好ましいのは、一般式(I)(式中、R6、R7およびR8は、同一もしくは相違して、各々Hまたは
直鎖状もしくは分枝状C1-3−アルキル、
P(=O)(OR92基(式中、R9はメチルもしくはエチルを表す)、
−(C=O)−O−R10基(式中、R10は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルからなる群から選択されるアルキルラジカルを表す)、
−(C=O)−NH−R11基(式中、R11はメチルもしくはエチルと一置換されているフェニル基を表す)、
−(C=O)−R12基(式中、R12はオルト位置において−O−(C=O)−C1-3−アルキルラジカルと、またはメタ位もしくはパラ位において−CH2−N(C1-4−アルキル)2と、またはメタ位もしくはパラ位において
【化3】


と一置換されているフェニル基を表す)からなる群から選択されるプロドラッグ成分を表す)、そしてR1−R5、A、a、bおよびcは上述した意味を有する)、の化合物であって、任意でそれらの立体異性体形の1つ、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、それらのラセミ化合物の形態にある、あるいは任意の混合比でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0029】
また、好ましいのは一般式(I)(式中、R6、R7およびR8は、各々が水素を表す、そしてR1−R5、A、a、bおよびcは上述した意味を有する)の化合物であって、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、もしくそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、または対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0030】
また、好ましいのは一般式(I)(式中、Aは−CH2−基を表す、そしてR1−R4、R5、R6−R8、a、bおよびcは上述した意味を有する)の化合物であって、任意でそれらの立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0031】
また、好ましいのは一般式(I)(式中、aは1、2もしくは3、より好ましくは1もしくは2、さらに好ましくは1を表す、そしてR1−R4、R5、R6−R8、A、bおよびcは上述した意味を有する)化合物であって、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0032】
また、好ましいのは一般式(I)(式中、bは0、1もしくは2、より好ましくは0もしくは1を表す、そしてR1−R4、R5、R6−R8、A、aおよびcは上述した意味を有する)化合物であって、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比にあるそれらの立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0033】
また、好ましいのは一般式(I)(式中、cは0、1もしくは2、より好ましくは0もしくは1を表す、そしてR1−R4、R5、R6−R8、A、aおよびbは上述した意味を有する)化合物であって、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0034】
また、好ましいのは一般式(I)(式中、置換基R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは−OR8を表す、そしてR1、R2、R3およびR4ならびにR5、R6−R8、A、a、bおよびcの他の置換基は上述した意味を有する)化合物であって、任意でそれらの立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0035】
また、好ましいのは一般式(I)(式中、置換基R1、R2、R3およびR4の1つもしくは2つは−OR8を表す、そしてR1、R2、R3およびR4ならびにR5、R6−R8、A、aおよびbの他の置換基は上述した意味を有する)の化合物であって、任意でそれらの立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0036】
また、好ましいのは一般式(I)(式中、置換基R1、R2、R3およびR4のうちの1つもしくは2つは−OR8を表す、bおよびcは各々0を表す、
より好ましくは、置換基R1、R2、R3およびR4の1つは−OR8を表す、bおよびcは0を表す、そして各場合にR1、R2、R3およびR4ならびにR5、R6−R8、Aおよびaの他の置換基は上述した意味を有する)の化合物であって、任意でそれらの立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはそれらの塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物各々の形態にある化合物である。
【0037】
最も好ましいのは、
[1] 2−[4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[2] 2−[4−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[3] 2−[4−(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[4] 2−[4−(6−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[5] 2−[4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[6] 2−[4−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[7] 2−[4−(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、および
[8] 2−[4−(6−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、からなる群から選択される一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物であって、
任意で塩、好ましくは生理学的に許容される塩の形態にある、より好ましくは生理学的に許容される酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩、または対応する溶媒和物の形態にある化合物である。
【0038】
また別の態様では、本発明はまた一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物を調製するための方法であって、このとき一般式(II)、
【化4】

(式中、R5、R6およびR7、bおよびcは上述した意味を有する)の少なくとも1つの化合物が一般式(III)、
【化5】

(式中、Aは上述した意味を有する、Fはハロゲン、好ましくは塩素、ヒドロキシもしくはO−アシル基を表す、そしてGはハロゲン、好ましくは塩素を表す)の少なくとも1つの化合物と、適切な反応媒体中で、そして好ましくは少なくとも1つの塩基および/または少なくとも1つの補助剤の存在下で反応させられ、そしてその結果として得られた式(IV)、
【化6】

(式中、A、G、R5、R6およびR7、bおよびcは上述した意味を有する)の化合物が一般式(V)
【化7】

(式中、R1からR4およびaは上記に規定した意味を有する)の少なくとも1つのピペリジン化合物および/または塩、好ましくはその塩酸塩と、適切な反応媒体中で、任意で少なくとも1つの塩基および/または少なくとも1つの補助剤の存在下で、一般式(I)(式中、R1−R7、A、a、bおよびcは上述した意味を有する)の化合物を生成するために反応させられる方法を提供する。
【0039】
本発明によると、本方法は実施例として下記の反応スキーム1によって例示することができる:
スキーム1:
【化8】

式中、R1−R7、A、a、bおよびcは上述した意味を有する。
【0040】
適切な反応媒体には、例えばエーテル、好ましくはジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルグルコールエーテル、もしくは例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール、もしくは炭化水素、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、またはハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼンなどの有機溶媒である、および/または他の溶媒、好ましくは酢酸エチル、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、アセトニトリル、アセトンもしくはニトロメタンが含まれる。上述した溶媒の1つ以上に基づく混合物もまた使用できる。
本発明による方法において使用できる塩基は、一般に有機もしくは無機塩基、好ましくはアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムである、または水酸化バリウムもしくは様々な炭酸塩、好ましくは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、などの他の金属、またはアルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドもしくはカリウムtert−ブトキシド、または有機アミン、好ましくはトリエチルアミン、diisopropyethylamine、もしくは複素環、例えば1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンピリジン、ジアミノピリジン、ジメチルアミノピリジン、メチルピペリジンもしくはモルホリンから入手される。ナトリウムまたはその水素化物、例えば水素化ナトリウムなどのアルカリ金属およびそれらの水素化物もまた使用できる。上述した塩基の1つ以上に基づく混合物もまた使用できる。
【0041】
上述した塩基は、適切な場合は補助剤として本方法のために使用できる。上述した反応のために他の適切な補助剤は、例えば、カルボジイミド類、例えばジイソプロピルカルボジイミド、シクロヘキシルカルボジイミドもしくはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩のような脱水剤、またはカルボニル化合物、例えばカルボニルジイミダゾール、もしくは特にイソブチルクロロホルミエートもしくはメタンスルホニルクロリドのようなカルボニル化合物である。これらの試薬は、一般に1モルの対応する反応物に対して0.5〜5モルの量で使用される。これらの塩基は、一般に1モルの対応する反応物に対して0.05〜10モルの量で使用される。
【0042】
上述した一部の合成反応中、または一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、および(V)の化合物を調製する間には、感受性基または試薬の保護が必要である、および/または所望であることがある。これは例えばProtective groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;T.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Chemistry,John Wiley & Sons,1991におけるように、文献に記載された保護基のような従来型保護基を用いることによって実施できる。保護基は、さらにまた当業者によく知られている手段によって好都合に除去することもできる。文献の説明の各部分は、本命最初によって参照して組み込まれ、本開示の一部を形成する。
【0043】
一般式(II)、(III)、(IV)および(V)の化合物は市販で入手できる、または当業者に知られている方法によって生成することができる。一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物を生成するための一般式(IV)および(V)の化合物の反応は、さらにまた当業者に知られている従来型方法によって促進することができる。
【0044】
一般式(IV)の化合物は市販で入手できる、または当業者に知られている従来型方法によって生成することができる。詳細には、スキーム2に描出したように、一般式(II)の各化合物をクロロアセチルクロリドまたは一般式(III)の各化合物と、有機反応媒体、好ましくはジクロロメタンおよび塩基、好ましくはトリエチルアミンおよび/またはジイソプロピルエチルアミンの存在下で反応させることができる。
【0045】
スキーム2:
【化9】

【0046】
一般式(Va)(式中、R1−R4は上述した意味を有する)の化合物の調製および一般式(I)の化合物を調製するためのそれらの使用を下記に示すスキーム3に例示する:
スキーム3:
【化10】

【0047】
また別の態様では、本発明はさらにまた一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物を調製するための方法であって、このとき一般式(I)の少なくとも1つの化合物が、好ましくは適切な反応媒体の存在下で、無機および/または有機酸と少なくとも1つの反応させられる方法を提供する。適切な反応媒体は上記に示した反応媒体である。適切な無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸であり、適切な有機酸は、例えばクエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、またはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸もしくは樟脳スルホン酸などのそれらの誘導体である。
【0048】
さらにまた別の態様では、本発明はさらにまた一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物の塩を調製するための方法であって、このとき一般式(I)の少なくとも1つの化合物が、好ましくは適切な反応媒体の存在下で、1つ以上の適切な塩基と反応させられる方法を提供する。適切な塩基は、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくは有機カチオン、例えば[NHn4-n+(式中、nは0、1、2、3もしくは4であり、Rは分枝状もしくは非分枝状C1-4−アルキルラジカルである)に由来する適切なカチオンを含む、例えば水酸化物、炭酸塩もしくはアルコキシドである。
【0049】
一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物、または対応する立体異性体、または対応する塩の溶媒和物、好ましくは水和物もまた当業者には知られている標準方法によって入手することもできる。
【0050】
一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物が立体異性体、特にはエナンチオマーもしくはジアステレオマーの混合物の形態で入手される場合は、前記混合物は、例えばクロマトグラフィー法またはキラル試薬を用いた結晶化のような、当業者に知られている標準方法によって分離することができる。
【0051】
一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物または対応する立体異性体、もしくは対応する塩、もしくは対応する溶媒和物各々の精製および単離は、必要とされる場合は、例えばクロマトグラフィー法または結晶化などの当業者に知られている従来型方法によって実施されてよい。
【0052】
一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物、それらの立体異性体または各々の塩もしくは溶媒和物は毒物学的に許容可能であり、このために薬剤を調製するための医薬的有効成分として適切である。
【0053】
驚くべきことに、一般式(I)の1,4−二置換ピペリジン化合物は、神経ペプチドY受容体、特に神経ペプチドY5(NPY5)受容体に対する親和性を有することが見いだされている。さらに、本発明による化合物は、驚くべきことに、ラットにおいて経口または非経口投与された場合に、重大な食欲抑制作用を示すことが見いだされている。特に驚くべきことに、一般式(I)の化合物は経口投与された場合に薬理学的に活性である。
【0054】
このため本発明は、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはその生理学的に許容される塩、もしくは溶媒和物各々の形態にある一般式(I)の少なくとも1つの1,4−二置換ピペリジン化合物、および任意で1つ以上の医薬上許容されるアジュバントを含む薬剤をさらに提供する。
【0055】
さらに、本発明は、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはその生理学的に許容される塩、もしくは溶媒和物各々の形態にある、一般式(I)の少なくとも1つの1,4−二置換ピペリジン化合物、および任意で1つ以上の医薬上許容されるアジュバントを含む、まだ薬剤には処方されていない医薬組成物をさらに提供する。
【0056】
好ましくは、本薬剤は、神経ペプチドY受容体、好ましくは神経ペプチドY5(NPY5)受容体を調節するため、食欲を調節するため、体重を調節するため、好ましくは肥満症、食欲不振、悪液質、過食症、糖尿病(特にII型糖尿病)からなる群から選択される食物摂取に関連する障害を予防および/または治療するため、認識を改善するため(認識の強化);末梢神経系障害を予防および/または治療するため;中枢神経系障害を予防および/または治療するため;関節炎を予防および/または治療するため;てんかんを予防および/または治療するため;不安症を予防および/または治療するため;うつ病を予防および/または治療するため;認識障害、より好ましくは記憶障害を予防および/または治療するため;心血管疾患を予防および/または治療するため;疼痛を予防および/または治療するため;高血圧症候群を予防および/または治療するため;炎症性疾患を予防および/または治療するため;免疫疾患を予防および/または治療するため;パニック発作を予防および/または治療するため;双極性障害を予防および/または治療するために適切である。
【0057】
本発明は、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはその生理学的に許容される塩、もしくは溶媒和物各々の形態にある、一般式(I)の少なくとも1つの1,4−二置換ピペリジン化合物の使用であって、神経ペプチドY受容体、好ましくは神経ペプチドY5(NPY5)受容体を調節するため、食欲を調節するため、体重を調節するため、好ましくは肥満症、食欲不振、悪液質、過食症、糖尿病(特にII型糖尿病)からなる群から選択される食物摂取に関連する障害を予防および/または治療するため、認識を改善するため(認識増強);末梢神経系障害を予防および/または治療するため;中枢神経系障害を予防および/または治療するため;関節炎を予防および/または治療するため;てんかんを予防および/または治療するため;不安症を予防および/または治療するため;うつ病を予防および/または治療するため;認識障害、より好ましくは記憶障害を予防および/または治療するため;心血管疾患を予防および/または治療するため;疼痛を予防および/または治療するため;高血圧症候群を予防および/または治療するため;炎症性疾患を予防および/または治療するため;免疫疾患を予防および/または治療するため;パニック発作を予防および/または治療するため;双極性障害を予防および/または治療するための薬剤を製造するための化合物の使用をさらに提供する。
【0058】
本発明による薬剤は、ヒトを含む哺乳動物への投与に特に適切である。本薬剤は、すべての年齢の患者、つまり小児、青少年および成人へ投与することができる。本薬剤の組成は、投与経路に依存して変動する可能性がある。
【0059】
対応する医薬組成物ならびに処方された薬剤の調製は、例えば「Pharmaceutics:The Science of Dosage Forms」,Second Edition,Aulton,M.E.(ED.Churchill Livingstone,Edinburgh(2002));「Encyclopedia of Pharmaceutical Technology」,Second Edition,Swarbrick,J.and Boylan,J.C.(Eds.),Marcel Dekker,Inc.New York(2002);「Modern Pharmaceutics」,Fourth Edition,Banker G.S.and Rhodes C.T.(Eds.)Marcel Dekker,Inc.New York(2002)、および「The Theory and Practice of Industrial Pharmacy」,LachmanL.,Lieberman H.and Kanig J.(Eds.),Lea & Febiger,Philadelphia(1986)の指針からなどの先行技術において知られている従来型方法によって実施できる。各文献の説明は参照して組み込まれるので、本開示の一部である。
【0060】
本発明によって調製された医薬組成物ならびに処方薬剤は、任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、または対応する生理学的に許容されるその塩もしくはその対応する溶媒和物の形態にある一般式(I)の少なくとも1つの化合物に加えて、先行技術において知られている他の従来型補助物質、好ましくは賦形剤、充填剤、溶媒、希釈剤、色素、コーティング剤、マトリックス形成剤および/または結合剤を含むことができる。
【0061】
また、当業者には公知のように、補助物質の選択およびその量は、企図された投与経路、例えば直腸、静脈内、腹腔内、筋肉内、鼻腔内、経口、経口腔または局所投与に依存する。
【0062】
経口投与のために適切な薬剤は、例えば錠剤、コーティング剤、カプセル剤もしくは多微粒子剤、好ましくは任意で錠剤に圧縮成形した、カプセル内に充填した、もしくは適切な液体中に懸濁させた顆粒剤もしくはペレット剤である。
【0063】
経口、局所もしくは吸入器投与のために適切な薬剤は、好ましくは、液剤、懸濁剤、迅速に再構成可能な乾燥調製物およびさらにスプレーからなる群から選択されてよい。
【0064】
経口もしくは経皮的使用のために適切な薬剤は、持続的方法で一般式(I)の化合物を放出することができ、これらの持続的放出型薬剤の調製は、一般に先行技術において知られている。
【0065】
適切な持続的放出型剤形、ならびにそれを調製するための材料および方法は、例えば「Modified−Release Drug Delivery Technology」,Rathbone,J.JI,Hadgraft,J.and Roberts,M.S.(Eds.),Marcel Dekker,Inc.,New York(2002);「Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology」,Wise,D.L.(Ed.),Marcel Dekker,Inc.New York(2000);「Controlled Drug Delivery」,Vol.I,Basic Concepts,Bruck,S.D.(Ed.),CRD Press,Inc.,Boca Raton(1983),and by Takada,K.and Yoshikawa,H.,「Oral Drug Delivery」,Encyclopedia of Controlled Drug Delivery,Mathiowitz,E.(Ed.),John Wiley & Sons,Inc.,New York(1999),Vol.2,728−742;Fix,J.,「Oral drug delivery,small intestine and colon」,Encyclopedia of Controlled Drug Delivery,Mathiowitz,E.(Ed.),John Wiley & Sons,Inc.,New York(1999),Vol.2,698−728の指針から、先行技術において知られている。各文献の説明は参照して組み込まれ、本開示の一部を構成する。
【0066】
本発明の薬剤は、さらにまたpHによって溶解する少なくとも1つの腸溶コーティングを有していてよい。このコーティングの結果として、本薬剤は溶解せずに胃を通過することができ、そして一般式Iの化合物は腸管内でしか放出されない。この腸溶コーティングは、好ましくは5〜7.5のpHで溶解する。腸溶コーティングを調製するために適切な材料および方法もまた先行技術において知られている。
【0067】
上述した組成物には、好ましくは任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはその生理学的に許容される塩、もしくは溶媒和物各々の形態にある、重量で1〜60%の一般式(I)の少なくとも1つの1,4−二置換ピペリジン化合物、および重量で40〜99%の適切な1つ以上の製薬的溶剤が含まれる。
【0068】
ヒトおよび動物の1日投与量は、各種において根拠を有する要素、または例えば年齢、体重もしくは疾患重症度などの他の要素に依存して変動する可能性がある。ヒトを含む動物の1日投与量は、1回もしくは数回の摂取中に投与される物質の、通常は1mgから5,000mg、好ましくは1から3,000mg、より好ましくは1から2,000mgの範囲である。
【0069】
薬理学的方法:
神経ペプチドY5受容体結合試験:
膜の調製および結合のために使用される方法は、修正を加えて、Y.Hu,B.T.Bloomquist et al.in Y.Hu,B.T.Bloomquist et al.,The Journal of Biological Chemistry,1996,271,26315−26319によって記載された方法に類似する。前記文献の説明は本明細書に参照により組み込まれ、本開示の一部を構成する。ラットY5受容体を用いて細胞C6をトランスフェクトした。これらの細胞を150cm2培養皿内において標準培養条件下で増殖させ、ゴム製へらおよび10mLのPBSを用いてそれらを播種した。5枚の培養皿から細胞を採取し、2,500gで5分間(4℃)で遠心した。ペレットを3mLのバッファー(トリス−HCl 10mM、pH7.4)に再懸濁させることによって洗浄し、600rpmで10ストロークに設定したPotter Sホモジナイザーを使用して均質化させ、20分間にわたり48,000gで遠心(4℃)した。このペレットを8mLのメンブレンバッファー(25mMのトリス−HCl、120mMのNaCl、5mMのKCl、1.2mMのKH2PO4、2.5mMのCaCl2、1.2mMのMgSO4、0.15mg/mLのBSA、0.5mg/mLのバシトラシン、pH7.4)中に再懸濁させ、600rpmで10ストロークに設定したPotter Sを使用して再均質化した。インキュベーションにおけるタンパク質濃度は40μg/mLであった。放射リガンドは、200μLの総インキュベーション容量中で[125I]−PYY(100pM)であった。25℃で2時間にわたるインキュベーション後に、5mLの氷冷バッファー(25mMのトリス−HCl、120mMのNaCl、5mMのKCl、1.2mMのKH2PO4、2.5mMのCaCl2、1.2mMのMgSO4、pH7.4)の添加により反応を停止させ、そして0.5%ポリエチレンイミンを用いて2時間をかけて前処理したフィルター(Schleicher & Schuell GF 3362)を用いるHarvester Brandell Cell内で迅速に濾過した。フィルターは5mLの氷冷バッファーを用いて1回洗浄した。これらのフィルターをプラスチック製シンチレーションバイアル内に設置し、5mLのシンチレーションカクテルEcoscint Hを添加した。存在する放射能の量をWallac Winspectral 1414測定器で測定した。非特異的結合は、1μMのde pNPYの存在下で測定した。全結合アッセイは3回ずつ実施した。
【0070】
挙動モデル(食物摂取量の測定)
本試験では、一般式(I)の化合物が雄性ラットにおける食物および水の摂取量に及ぼす作用を決定できる。
【0071】
動物:
128匹の雄性Sprague Dawley系ラット(6週齢、約190g;Charles River社(ドイツ)から入手した)を使用した。これらのラットは1度に32匹ずつ到着した。到着後、それらを1ケージ当たり3匹ずつ1週間にわたり収容し、引き続いて粉末飼料を含有する餌箱を取り付けた個別ケージに移した。1回の収容期間中、ラットが注射方法へ順応するように毎日取り扱った。到着日から、ラットは午前3時から12/12時間の明暗サイクルならびに温度および湿度が調節された室内で維持した。
【0072】
処置群および無作為割り付け
到着から2週間後に、ラットをMANI Feedwinケージへ移し、1群当たりラット8匹の4つの体重適合群に無作為割り付けした。ラットは、粉末飼料(Atromin齧歯類用飼料、C.Petersen Ringsted)および水道水を自由に接近することができた。さらに、体重を毎日監視した。
【0073】
ラットには、各々を少なくとも3日間あけて、最高4回の注射を実施した。その時点にキャリーオーバー作用がまだ存在した場合は、注射をさらに延期した。全化合物を5、30および60mg/kgの3種の用量で投与した。全化合物は、胃管栄養法によって経口投与した(5−8mL/kgの胃管容量は化合物の溶解度によって決定した)。
【0074】
第1群 溶剤
第2群 試験化合物(I)5mg/kg
第3群 試験化合物(I)30mg/kg
第4群 試験化合物(I)60mg/kg
【0075】
実験方法
MANI Feedwinケージへ移す前の2日間に、毎日の取り扱い方法に加えて、ラットには胃管によって溶剤を毎日投与した。ベースライン時食物摂取量(デジタル式天秤)およびリッキング数を第1日から第3日まで監視した。注射初日は第3日であった。消灯(PM 14:30)前に、ラットには胃管によって試験化合物および溶剤を投与した。食物摂取量(デジタル式天秤)および水分摂取量(リッキング(舐めた)回数として記録)は、注射後48時間にわたり、または薬物の作用が消滅するまで、5分毎にオンラインで監視した。
【0076】
有意な食欲抑制作用を備える試験化合物(I)すなわち有効化合物は、同一用量を2度摂取するマウスがいないように、無作為割り付け方法で同一群のラットに注射から1、4、6、12、18、24、48時間後のいずれかの時点に再投与した。
【0077】
さらに、有効試験化合物については下記の分析も実施した:
試験化合物の投与後48時間にわたり、食物摂取を記録すると同時に運動活性(連続的ビーム光線)を分析した。
5分間隔での実験からの食物およびリッキングデータに基づいた摂食微細構造分析。投与後初期24時間中の食餌のサイズ、食餌の期間、2回の食餌間の間隔および食餌回数を分析した。
以下の実施例は、本発明を例示するために提供するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0078】
[実施例A]
2−クロロ−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド
【化11】

25mLの乾燥ジクロロメタン中の3−アミノ−9−メチル−9H−カルバゾール(10mmol)、トリエチルアミン(2.07mL、15mmol)の溶液を10℃へ冷却し、次に10mL中の乾燥ジクロロメタン中の塩化クロロアセチル(10.5mmol)の溶液を滴下法で添加した。結果として生じた混合液を一晩、室温で1時間攪拌し続けた。2×30mLの水を用いてこの混合液を洗浄し、硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、蒸発させて2.5gの2−クロロ−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミドを得た。
【実施例1】
【0079】
2−[4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド
【化12】

【0080】
ステップa)
乾燥トルエン(50mL)中の1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4−ピペリジノン(0.01mol)、3−アミノ−2−ヒドロキシメチル−フェノール(0.011mol)および酢酸(1.4mL、0.022mol)を環流するまで加熱し、30時間にわたりDean−Starkを用いた共沸蒸留によって水を除去した。次に、混合液を冷却し、真空下で容量が半分になるまで濃縮した。結果として生じた溶液へNaBH3CN(2g、0.032mol)および乾燥THF(30mL)を添加した。
【0081】
その後、酢酸(1mL、0.017mol)を緩徐に添加し、反応混合液を室温で24時間にわたり攪拌した。この混合液を真空下で濃縮し、残基を酢酸エチル(75mL)中に溶解させ、飽和NaHCO3(4×25mL)および飽和NaCL溶液(25mL)を用いて洗浄し、乾かし、乾燥するまで蒸発させた。この生材料を次のステップに使用した。
【0082】
ステップb)
40mLの乾燥酢酸エチル中に溶解させた先行ステップa)において入手した生材料3.2gの溶液を0℃まで冷却した。次に、エチルエーテル(40mL)中の5M塩化水素溶液を添加し、結果として生じた混合液を4時間にわたり0℃で保存した。溶媒を蒸発させて、残留物を水に懸濁させ、水酸化ナトリウムを用いてアルカリ化し、そしてクロロホルム(3×20mL)を用いて抽出し、結合した有機抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムに通して乾燥させ、蒸発させた。生材料は、9:1(容積/容積)のクロロホルム:メタノールを用いて溶出させるカラムクロマトグラフィーによって生成した。この方法で1.3gの黄色固体を入手した。
【0083】
ステップc)
DMF(40mL)中に溶解させた3−N−(4−アミノ−ピペリジノン)−2−ヒドロキシメチル−フェノール(4.70mmol)、2−クロロ−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド(5mmol)およびK2CO3(1380mg、10mmol)の混合液を10℃で2時間、そして次に室温で一晩攪拌した。この反応混合液を50mLの水および100mLの酢酸エチルに添加し、有機相をデカンテーションして水(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムに通して乾燥し無水エタノール(1.80mL)中の2.8M塩化水素溶液を添加して塩酸塩を沈降させ、これを濾過して取り出して酢酸エチルを用いて洗浄すると収率70%で化合物2−[4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミドが得られた。
【0084】
以下の実施例2〜8に記載した化合物は実施例1に記載の化合物について上述したとおりに調製した。
【実施例2】
【0085】
2−[4−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド
【実施例3】
【0086】
2−[4−(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド
【実施例4】
【0087】
2−[4−(6−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド
【実施例5】
【0088】
2−[4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド
【実施例6】
【0089】
2−[4−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド
【実施例7】
【0090】
2−[4−(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド
【実施例8】
【0091】
2−[4−(6−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

(式中、
aは、0、1、2、3もしくは4を表す、
bは、0、1、2もしくは3を表す、
cは、0、1、2、3もしくは4を表す、
1、R2、R3、R4は、各々独立して、水素;ハロゲン;−CN;−NO2;−OR8;直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された脂肪族ラジカル;アルキレン基を介して結合されていてよい、脂環式ラジカルを含有する環員としての飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された、任意で少なくとも1つのヘテロ原子;またはアルキレン基を介して結合されていてよい、および/または任意で少なくとも一置換された、飽和もしくは不飽和の単環もしくは二環系とともに縮合されていてよい、任意で少なくとも一置換されたアリールもしくはヘテロアリールラジカルからなる群から選択される、
5は、水素、直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された脂肪族ラジカル、または飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された脂環式ラジカルを表す、
6、R7およびR8は、同一もしくは相違して、各々が水素もしくはプロドラッグ成分を表す、
Aは、−CH2−もしくは−CH2−CH2−基を表す)の1,4−二置換ピペリジン化合物、または
任意でその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマー、そのラセミ化合物のうちの1つの形態にある、あるいは任意の混合比におけるその立体異性体、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物、またはその塩、好ましくは生理学的に許容される塩、もしくは対応する溶媒和物という各々の形態にある化合物。
【請求項2】
1、R2、R3、R4は、各々独立して、H;F;Cl;Br;−CN;−NO2;−OR8;直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換されたC1-6−脂肪族ラジカル;C1-3−アルキレン基を介して結合されていてよい、C3-8−脂環式ラジカルを含有する環員としての飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換された、任意で少なくとも1つのヘテロ原子;またはC1-3−アルキレン基を介して結合されていてよい、および/または任意で少なくとも一置換された、飽和もしくは不飽和の単環もしくは二環系とともに縮合されていてよい、任意で少なくとも一置換されたアリールもしくはヘテロアリールラジカルからなる群から選択される、
5は、水素、直鎖状もしくは分枝状の、飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換されたC1-6−脂肪族ラジカル、または飽和もしくは不飽和の、任意で少なくとも一置換されたC3-8−脂環式ラジカルを表す、
6、R7およびR8は、同一もしくは相違して、各々が水素もしくはプロドラッグ成分を表す、
Aは、−CH2−もしくは−CH2−CH2−基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1、R2、R3、R4は、各々独立して、H;F;Cl;Br;−CN;−NO2;−OR8;直鎖状もしくは分枝状の、任意で少なくとも一置換されたC1-4−アルキルラジカル、任意で少なくともC1−もしくはC2−アルキレン基を介して結合されていてよい、C5−もしくはC6−脂環式ラジカルを含有する環員としての、飽和の、任意で少なくとも一置換された、任意で少なくとも1つのヘテロ原子からなる群から選択される;
好ましくは、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、H;F;Cl;Br;−CN;−NO2;−CH3;−CH2CH3;−CHF2;−CH2F;−CF3;−CF2CF3;OR8;シクロペンチルおよびシクロヘキシルからなる群から選択される、
より好ましくは、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、H;F;Cl;Br;−CH3およびOR8からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
5は、Hまたは直鎖状もしくは分枝状C1-6アルキルラジカルを表す、
好ましくは、R5は、Hまたはメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルからなる群から選択されるアルキルラジカルを表すことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
6、R7およびR8は、同一もしくは相違して、各々Hまたは
直鎖状もしくは分枝状C1-3−アルキル、
P(=O)(OR92基(式中、R9は直鎖状もしくは分枝状C1-4−アルキルラジカルを表す)、
−(C=O)−O−R10基(式中、R10は直鎖状もしくは分枝状C1-5−アルキルラジカルを表す)、
−(C=O)−NH−R11基(式中、R11は直鎖状もしくは分枝状C1-3−アルキルラジカルと一置換されているフェニル基を表す)、
−(C=O)−R12基(式中、R12は、−O−(C=O)−C1-3−アルキルラジカル、−CH2−N(C1-4−アルキル)2基もしくは
【化2】


と一置換されているフェニル基を表す)からなる群から選択されるプロドラッグ成分を表すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
6、R7およびR8は、同一もしくは相違して、各々Hまたは
メチル、エチル、n−プロピルおよびiso−プロピルからなる群から選択される直鎖状もしくは分枝状アルキル、
P(=O)(OR92基(式中、R9はメチルもしくはエチルを表す)、
−(C=O)−O−R10基(式中、R10は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルからなる群から選択されるアルキルラジカルを表す)、
−(C=O)−NH−R11基(式中、R11はメチルもしくはエチルと一置換されているフェニル基を表す)、
−(C=O)−R12基(式中、R12は、オルト位置において−O−(C=O)−C1-3−アルキルラジカルまたはメタもしくはパラ位置において−CH2−N(C1-4−アルキル)2基またはメタもしくはパラ位置において
【化3】


と一置換されているフェニル基を表す)からなる群から選択されるプロドラッグ成分を表すことを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
6、R7およびR8は各々水素を表す、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Aは、−CH2−基を表すことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
aは、1、2もしくは3、好ましくは1もしくは2、より好ましくは1を表すことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
bは、0、1もしくは2、好ましくは0もしくは1を表すことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
cは、0、1もしくは2、好ましくは0もしくは1を表すことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
置換基R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも1つは−OR8を表すことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
置換基R1、R2、R3およびR4の1つもしくは2つは−OR8を表す、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
置換基R1、R2、R3およびR4の1つもしくは2つは−OR8を表す、bおよびcは各々0を表す、
より好ましくは、置換基R1、R2、R3およびR4の1つは−OR8を表す、そしてbおよびcは各々0を表すことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
[1] 2−[4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[2] 2−[4−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[3] 2−[4−(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[4] 2−[4−(6−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−メチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[5] 2−[4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[6] 2−[4−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、
[7] 2−[4−(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミド、および
[8] 2−[4−(6−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アセトアミドからなる群から選択される化合物であって、
任意で塩、好ましくは生理学的に許容される塩の形態にある、より好ましくは生理学的に許容される酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩または対応する溶媒和物の形態にある、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1から15の1つ以上に記載の1,4−二置換ピペリジン化合物を調製するための方法であって、一般式(II)
【化4】

(式中、R5、R6およびR7、bおよびcは、請求項1から15の1つ以上に記載の意味を有する)の少なくとも1つの化合物が、一般式(III)
【化5】

(式中、Aは請求項1から15の1つ以上に記載の意味を有する、Fはハロゲン、好ましくは塩素、ヒドロキシもしくはO−アシル基を表す、そしてGはハロゲン、好ましくは塩素を表す)の少なくとも1つの化合物と、適切な反応媒体中で、そして好ましくは少なくとも1つの塩基および/または少なくとも1つの補助剤の存在下で反応させられ、そしてその結果としてして得られた式(IV)
【化6】

(式中、A、G、R5、R6およびR7、bおよびcは、上記に規定した意味を有する)の化合物が、一般式(V)
【化7】

(式中、R1からR4およびaは請求項1から15の1つ以上に記載の意味を有する)の少なくとも1つのピペリジン化合物および/またはその塩、好ましくは塩酸塩と、適切な反応媒体中で、任意で少なくとも1つの塩基および/または少なくとも1つの補助剤の存在下で反応させられることを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項1から15に記載の1,4−二置換ピペリジン化合物の生理学的に許容される塩を調製するための方法であって、一般式(I)の少なくとも1つの化合物が少なくとも1つの酸と、好ましくは無機酸もしくは有機酸と、好ましくは適切な反応媒体の存在下で反応させられることを特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項1から15に記載の1,4−二置換ピペリジン化合物の生理学的に許容される塩を調製するための方法であって、少なくとも1つの酸性基を有する一般式(I)の少なくとも1つの化合物が少なくとも1つの塩基と、好ましくは適切な反応媒体の存在下で反応させられることを特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項1から15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの1,4−二置換ピペリジン化合物および任意で1つ以上の医薬上許容されるアジュバントを含む、薬剤。
【請求項20】
食欲を調節するため、体重を調節するため、好ましくは肥満症、食欲不振、悪液質、過食症および/または糖尿病(詳細にはII型糖尿病)からなる群から選択される食物摂取に関連する障害を予防および/または治療するための、請求項19に記載の薬剤。
【請求項21】
認識を改善(認識を強化)するため;末梢神経系の障害を予防および/または治療するため;中枢神経系の障害を予防および/または治療するため;関節炎を予防および/または治療するため;てんかんを予防および/または治療するため;不安症を予防および/または治療するため;うつ病を予防および/または治療するため;認識障害、好ましくは記憶障害を予防および/または治療するため;心血管疾患を予防および/または治療するため;疼痛を予防および/または治療するため;高血圧症候群を予防および/または治療するため;炎症性疾患を予防および/または治療するため;免疫疾患を予防および/または治療するため;パニック発作を予防および/または治療するため、および/または双極性障害を予防および/または治療するための、請求項19に記載の薬剤。
【請求項22】
食欲を調節するため、体重を調節するため、好ましくは肥満症、食欲不振、悪液質、過食症および/または糖尿病(詳細にはII型糖尿病)からなる群から選択される食物摂取に関連する障害を予防および/または治療するための薬剤を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの1,4−二置換ピペリジン化合物の使用。
【請求項23】
認識を改善(認識を強化)するため;末梢神経系の障害を予防および/または治療するため;中枢神経系の障害を予防および/または治療するため;関節炎を予防および/または治療するため;てんかんを予防および/または治療するため;不安症を予防および/または治療するため;うつ病を予防および/または治療するため;認識障害、好ましくは記憶障害を予防および/または治療するため;心血管疾患を予防および/または治療するため;疼痛を予防および/または治療するため;高血圧症候群を予防および/または治療するため;炎症性疾患を予防および/または治療するため;免疫疾患を予防および/または治療するため;パニック発作を予防および/または治療するため、および/または双極性障害を予防および/または治療するための薬剤を製造するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの1,4−二置換ピペリジン化合物の使用。

【公表番号】特表2007−500169(P2007−500169A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521533(P2006−521533)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008517
【国際公開番号】WO2005/013990
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(500031124)ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ (55)
【Fターム(参考)】