説明

育毛作用を有する化粧料

【課題】 本発明は、育毛を促進する化粧料を提供するものである。
【解決手段】 動物プランクトンのエキスおよび、海藻のエキス、ステビアとウドの混合物のエキス、アガリクス茸のエキスのうちのいずれか1種または複数種を含有していることを特徴とする、育毛用粧料。 動物プランクトンとしてオキアミ、海藻としてヒトエグサ(Monostroma nitidum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ(Ulva pertusa)の混合物を用いることを特徴とする、育毛用化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育毛作用を有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
育毛作用を有する化粧料については、すでにいろいろなものが研究され報告されている。
ステビアとウドの混合物のエキスは、夫々が有する抗酸化活性が相乗的に高まるという知見がある。なお、このステビアとウドの抽出液中の抗酸化活性物質はポリフェノール群と考られている。緑藻としては、ヒトエグサ(Monostroma nitidum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ(Ulva pertusa)のエキスも育毛効果が知られている。ステビアとウド混合物のエキスも育毛効果がしられている。また、アガリクス茸のエキスも古くから、育毛効果が知られている。
【0003】
特開2003−160486号公報(特許文献1)には、下記(A)成分、乃至は(E)成分から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有する経口摂取により毛髪成長促進作用を有する経口養育毛剤。(A)炭素数が奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸及びその誘導体(B)炭素数が奇数の炭素鎖長を有するアルコール及びその誘導体(C)コレウス(Coleus)属、プティコペタルム(Ptychopetalum)属、アネモパエグマ(Anemopaegma)属、ナス(Solanum)属、ストリフノデンドロン(Styphnodendron)属、ツルサイカチ(Dalbergia)属、チョウセンアザミ(Cynara)属、アニバ(Aniba)属、ハッカ(Mentha)属、ヤンバルツルハッカ(Leucas)属、センダングサ(Bidens)属、ポトルモフェ(Pothomorphe)属、ヒヨドリバナ(Eupatorium)属、ブロシムム(Brosimun)属、ツルギク(Mikania)属、カラパ(Carapa)属、トンカマメ(Dipteryx)属、シマルバ(Simarouba)属、イチジク(Ficus)属、ホオズキ(Physalis)属、ナハカノコソウ(Boerhavia)属、グアズマ(Guazuma)属及びナツメ(Zizyphus)属から選択される植物及びその抽出物(D)ヒトエグサ(Monostroma)属、アオサ(Ulva)属、ジュズモ(Caetomorpha)属、ハネモ(Bryopsis)属、イワヅタ(Caulerpa)属、ミル(Codium)属、マツモ(Analipus)属、オキナワモヅク(Cladosiphon)属、モヅク(Nemacystis)属、レッソニア(Lessonia)属、ダービリア(Durvillea)属、アイヌワカメ(Alaria)属、アスコフィラム(Ascophyllum)属、アラメ(Eisenia)属、シオミドロ(Ectocarpus)属、ホンダワラ(Sargassum)属、マクロシスティス(Macrocystis)属、カニノテ(Amphiroa)属、ヘリトリカニノテ(Marginisporum)属、アマノリ(Porphyra)属、イギス(Ceramium)属、アカバギンナンソウ(Rhodoglossum)属、イリディア(Iridaea)属、オゴノリ属(Gracilaria)、オバクサ(Pterocladia)属、ユイキリ(Acanthopeltis)属、カギノリ属(Bonnemaisonia)、ダルス(Rhodymenia)属、トサカモドキ(Callophyllis)属、ヒラクサ(Becherella)属、フノリ(Gloiopeltis)属、マクサ(Gelidium)属、イソノハナ(Halymenia)属、サイミ(Ahnfeltia)属、エゴノリ(Campylaephora)属及びマクリ(Digenea)属から選択される海藻及びその抽出物(E)トコトリエノール、更に、(F)5α−レダクターゼ阻害作用を有する物質及び/又は(G)細胞賦活剤を含有する経口養育毛剤が開示されている。
【0004】
特開2003−40790号公報(特許文献2)には、草木植物ステビアの茎の乾燥粉砕物と草木植物ウドの根の乾燥粉砕物とを、重量比6〜8:4〜2の割合でよく攪拌混合した後、重量比10〜15倍のミネラル水にて2〜5倍等量まで加熱濃縮して得られたステビアウド混合濃縮液を育毛原料とすることを特徴とする育毛剤。上記ステビアウド混合濃縮液は、ヘアパック、石鹸、ヘアシャンプ又はヘアローションの育毛原料として使用されることを特徴とする育毛剤。
上記ステビアウド混合濃縮液を5〜30%とミネラル水95〜70%を混合してヘアローションとして使用されることを特徴とする請求項1又は2記載の育毛剤。上記ステビアウド混合濃縮液を乳酸発酵させ1ケ月以上熟成して得られることを特徴とする育毛剤。上記ミネラル水は、ケイ酸を50%以上、アルミナを10%以上含む水であることを特徴とする育毛剤。草木植物ステビアの茎の乾燥粉砕物と草木植物ウドの根の乾燥粉砕物とを、重量比6〜8:4〜2の割合でよく攪拌混合した後、重量比10〜15倍のミネラル水にて2〜5倍等量まで加熱濃縮し、育毛原料であるステビアウド混合濃縮液を製造することを特徴とする育毛剤の製造方法。上記ミネラル水は、ケイ酸を50%以上、アルミナを10%以上含む水を使用することを特徴とする育毛剤の製造方法が開示されている。
【0005】
特開2002−338489号公報(特許文献3)には、海苔から得られた揮発性成分と葉緑素の組み合わせからなる経口育毛剤。海苔と葉緑素の組み合わせからなる経口育毛剤。紅藻類、褐藻類、緑藻類の内、一種類から蒸留された揮発性成分と葉緑素の組み合わせからなる経口育毛剤。紅藻類、褐藻類、緑藻類の内、数種類から蒸留された揮発性成分を混合したものと葉緑素の組み合わせからなる経口育毛剤。焙焼香気を含む経口育毛剤。焼き海苔を加えた経口育毛剤。栄養剤とパラチノースを加えた経口育毛剤。海藻から蒸留された揮発性成分からなる経口育毛剤が開示されている。
【0006】
特開2002−29935号公報(特許文献4)には、アルテア、ヨクイニン、アイビー、アルニカ、オドリコソウ、ヤグルマギク、シナノキ、クレマティス、海藻、クララ、シルク、カシュウ及びチクセツニンジンの抽出物、カミツレ油、ピロリドンカルボン酸又はその塩、尿素、L−アルギニン並びにL−アスパラギン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上とミノキシジルを含有する育毛剤。アルテア、ヨクイニン、アイビー、アルニカ、オドリコソウ、ヤグルマギク、シナノキ、クレマティス、海藻、クララ、シルク、カシュウ及びチクセツニンジンの抽出物、カミツレ油、ピロリドンカルボン酸又はその塩、L−アルギニン並びにL−アスパラギン酸の配合量が、0.01〜3%である育毛剤。尿素の配合量が、5〜20%であるの育毛剤。抽出物がエタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール及び精製水からなる群から選ばれる1種又は2種以上の溶媒で抽出して得られたものである育毛剤。ミノキシジルの配合量が1〜5%である育毛剤。エタノール及び水を含有する育毛剤が開示されている。
【0007】
特開2001−342145号公報(特許文献5)には、緑藻類に属する海藻の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする外用又は内用育毛剤。前記海藻がヒトエグサ(Monostroma nitidum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ(Ulva pertusa)から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の外用又は内用育毛剤。緑藻類に属する海藻の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする外用又は内用潰瘍治癒剤。前記海藻がヒトエグサ(Monostroma nitidum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ(Ulva pertusa)から選ばれた少なくとも1種である外用又は内用潰瘍治癒剤が開示されている。
【0008】
特開平11−21213号公報(特許文献6)には、頭部の血管の拡大をはかれて育毛効果の高いセンブリまたはゲンチアナと、血流の留帯を除去して血液の流れを阻帯させない清熱涼血薬の中で上記センブリまたはゲンチアナと相性のよい牡丹を配合したことを特徴とする育毛剤。脾胃を温め心陽を温めて血脈を通じさせる温裏薬の生姜、乾姜、附子、炮附子、川椒のいずれかと、活血去お薬の川きゅう、当帰、桃仁、紅花のいずれかと、血虚を補養して脾胃を強壮にする補気薬の人参、黄耆、甘草のいずれかを配合した育毛剤。活血去お薬の丹参を配合した育毛剤。温裏薬の生姜、活血去お薬の川きゅう、桃仁、補気薬の人参、甘草とを配合した請求項1に記載の育毛剤。温裏薬の生姜、附子、活血去お薬の川きゅう、桃仁、丹参、補気薬の人参、解表薬の桂枝を配合した育毛剤。
【0009】
特開平10−194936号公報(特許文献7)には、鳳仙花(Imptience
balsamina L.)のアルコール抽出液を有効成分とする事を特徴とする育毛剤。鳳仙花(Imptience balsamina L.)のアルコール抽出液を有効成分とし飲む事を特徴とする育毛剤。鳳仙花アルコール抽出液は、10度以上のエチルアルコール含有水溶液100重量部に対して、20〜50重量部の鳳仙花全草が浸漬され、残査を分離されたものからなる育毛剤が開示されている。
【0010】
第2648618号公報(特許文献8)には、人参(ニンジン)、黒豆(クロマメ)、何首鳥(カシュウ)、補骨脂(ホコッシ)、当帰(トウキ)、鶏血藤(ケイケットウ)、センキュウ、丹参(タンジン)、紅花(コウカ)、桃仁(トウニン)、防風(ボウフウ)、茜草
根(セイソウコン)、側柏葉(ソクヘクヨウ)を含む生薬混合物を75%(V/V)エタノールに浸漬し、5℃〜10℃程度の冷温で3週間放置して得た抽出液と75℃程度の高温で10時間抽出して得た液とを混合調整した育毛有効成分含有の和漢薬育毛剤が開示されている。
【0011】
特開2000−159788号公報(特許文献9)には、トレハロースと共に、食品、医薬品、化粧品、及び工業化学品の原材料並びに加工中間体から選ばれる一種又は二種以上の成分を含んでなるトレハロース含有組成物。エキス類が、酵母エキス、プロポリスエキス、薬用人参エキス、スッポンエキス、野菜エキス、カキエキス、カツオエキス、ミートエキス、昆布エキス、チキンエキス、ビーフエキス、きのこエキス、甘草エキス、ステビアエキス、クロレラエキス、アロエエキス、及びこれらの酵素処理物から選ばれる一種又は二種以上のものであるトレハロース含有組成物。トレハロース含有組成物が、食品、医薬品、化粧品、工業化学品、疲労回復剤、強壮・強精剤、育毛剤、保存料、呈味料、乳化剤、着料、着色料、増量剤、安定化剤、賦形剤、担体、呈味改良剤、品質改良剤、防腐剤、脱水剤、ボディー賦与剤、照り賦与剤、粘性賦与剤、保水性賦与剤、食用乾燥剤、微生物汚染防止剤、澱粉老化防止剤、又は加水分解・酸敗・褐変又は褐変反応による変質・劣化防止剤であることを特徴とするトレハロース含有組成物が開示されている。
【0012】
特開2002−322073号公報(特許文献10)には、亜鉛を多く含む乾燥状態の良い海藻類、野菜類等の多くの食材の中の単品目、または多品目を用いて、これを水とともに煮鍋に入れて、よく沸騰させたのち、出来上がった抽出液を、浴湯の中に投入して攪拌したのち、これに入浴し、頭皮をはじめとして、全身の皮下組織にまで、亜鉛を多く含む抽出液を浸透させて、頭髪の脱毛防止をはかる育毛剤が開示されている。尚、この剤に、保存料や香料を加えてもよい。アガリスク茸(できれば乾燥したもの)も加える。
【0013】
特開2002−238495号公報(特許文献11)には、サンゴハリタケ属のキノコの顆粒に、少なくとも1種類の育毛、脱毛防止用養毛材料の顆粒を添加し、カフ゜セル、オブラート袋等易溶解性容器に充填した育毛、脱毛防止等を意図する養毛食品。サンゴハリタケ属のキノコの乾燥した顆粒に、少なくとも1種類の育毛、脱毛防止用養毛材料の乾燥した顆粒を添加し、カプセル、オブラート袋等易溶解性容器に充填した育毛、脱毛防止等を意図する養毛食品。
上記の養毛材料は、ぶなしめじ、しめじ、椎茸、まいたけ、桂皮、柏葉、生姜、朝鮮人参、センブリ、根昆布、ハッカ、クルミ等の材料の一種又は数種の組合せで構成するヤキブシタケを利用した育毛、脱毛防止等を意図する養毛食品が開示されている。
【0014】
特開2001−139430号公報(特許文献12)には、アガリクス菌糸の溶剤抽出物及び/又はカンレンボクの溶剤抽出物を有効成分として含むことを特徴とする育毛・養毛用組成物が開示されている。
【0015】
このように育毛については、種々のものがその効果について、すでに研究されてきている。しかしながら、未だ決め手となる効果を感じとれるものは現れていないのも事実である。
【特許文献1】特開2003−160486号公報
【特許文献2】特開2003−40790号公報
【特許文献3】特開2002−338489号公報
【特許文献4】特開2002−29935号公報
【特許文献5】特開2001−342145号公報
【特許文献6】特開平11−21213号公報
【特許文献7】特開平10−194936号公報
【特許文献8】第2648618号公報
【特許文献9】特開2000−159788号公報
【特許文献10】特開2002−322073号公報
【特許文献11】特開2002−238495号公報
【特許文献12】特開2001−139430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、効果の高い育毛用化粧料を提供することにある。
【0017】
本発明の発明者らは、プランクトン、そのうちの動物プランクトン、とりわけ、オキア
ミ類の持つ栄養成分に注目した。植物プランクトンには1ミクロン(1ミリの千分の1)に満たない原始的な藻類から、1ミリを越える大型の珪藻までさまざまなものがいる。一方、動物プランクトンにもさまざまな形や大きさのものがいて、それぞれの生活に合ったやり方で植物プランクトンを食べる。甲殻類のオキアミ類(数センチ)やカイアシ類(数ミリ)は口のまわりの脚を使って大型の藻類(数十〜数百ミクロン)をこしたり捉えたりして食べる。 原生生物のように非常に小さい動物プランクトン(数十〜数百ミクロン)は、さらに小さい藻類やバクテリアを餌にする。また、オタマボヤのように餌をこし分けるための特別なフルイを使って小さなプランクトンだけを食べるものもいる。
【0018】
オキアミ類は現在世界中で85種類が分類される。オキアミの「オキ」は「沖」を意味し、海洋の沿岸から沖合水域に広く分布し、基本的には終生浮遊生活を送る。オキアミ類は分類学上は甲殻類上綱、軟甲綱、真軟甲亜綱、ホンエビ上目、オキアミ目に属し、外観はアミ類やエビ類と類似していますが、分類学上は全く異なる動物群である。オキアミ類は他の甲殻類と同様に、脱皮変態して形が異なる発育段階を経て、成体となる。まず、卵が産み落とされて、それが孵化してノープリウス幼生となる。
【0019】
このノープリウス幼生は1、2期があり、その次にメタノープリウス幼生となる。メタノープリウス幼生が脱皮して、エビ型のカリプトピス幼生となる。カリプトピス幼生期は3期からなり、この期で体は基本的に二つに分かれ、口器が完成し餌が取れるようになる。続くファーシリア幼生は6期あり、この期間で腹脚や胸脚が発達し、鰓も出現し、発光器、尾節、複眼の発達もみられる。ジュベニルになると全ての脚が完成し、尾節も明確になり、体形は成体型となる。ただし、生殖腺が未発達で、第2次性徴はみられず、雌雄の判別は因難である。ナンキョクオキアミの場合、表層で産み落とされた卵は沈んでいく過程で、孵化までのステージが進んでいき、水深数千メートル付近で孵化する。孵化後ノープリウス幼生、メタノープリウス幼生と発育段階が進むに連れ、徐々に上層に上がっていき、餌の摂食が可能となるカリプトピス幼生、ファーシリア幼生のころには、餌となる植物プランクトン等がいる表層付近にたどり着くようになる。卵が沈降途中、水深500メートルくらいの大陸棚等に着いた場合はその場で卵の発育が進行し、幼生も大陸棚の海底付近で発育段階が進み、水深数千メートル付近で孵化したものと同様に、摂食できるころに表層付近に上昇することになる。
【0020】
一般的にオキアミ類は幼生期には植物プランクトンを餌としている。ジュベニルや成体のものは種類や生息環境によって、多少の違いがあるが、胸脚を用いた摂食が基本となる。最も多く見られる摂食方法はろ過摂食である。これは胸脚を広げて、海水中の植物プランクトンや小型の動物プランクトンをろ過する方法である。また、胸脚を使って、中型の動物プランクトン等を捕まえて食べる方法もある。氷の下についた植物プランクトンを胸脚を使って、掻き取ったり、泥中の生物を捕まえたり、海中のデトライタスを摂食したりと様々な摂食パターンがある。
【0021】
このようにオキアミ類は植物プランクトン等を食べ、そのオキアミを魚類等が餌とし、生体内部には豊富な栄養分がある。すなわち、EPA(やDHA)を含む植物プランクトンを動物プランクトンが食べ、それをいわしなどの小型魚がエサにし、さらにまぐろなどの大型回遊魚がいわしなどを食べる”、という食物連鎖の結果、これらの魚の体内に蓄積されていると考えられている。EPAの主な作用は、血液の凝固を防ぎ、血流をよくする(血液サラサラ効果)悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす。その結果、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、高脂血症、高血圧、肥満といった生活習慣病の予防・改善に効果を発揮する。また
・アレルギー症状の予防・改善・抗がん作用 があることも知られている。血液の凝固を防ぎ、血流をよくする(血液サラサラ効果) ・悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすでも酸化を防ぐ成分と一緒に摂らないとすぐに酸化してパワーを発揮できない。 “血液サラサラ効果”をはじめ、数々の優れた作用をもつEPA、DHAであるが、実は弱点もある。それは“体内で酸化されやすい”という性質。酸化されたEPA、DHAは体内の活性酸素を増やしてしまうので、からだにとってはかえってマイナスに働いてしまう。そこで、強力な抗酸化物質であるビタミンEやビタミンCとの併用が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
さらに、本発明者は、動物プランクトンのエキスと、海藻のエキス、ステビアとウドの混合物のエキス、アガリクス茸のエキスの相乗的作用に注目し、それらのエキスを含有した化粧料を作ることを試みた。
【発明の効果】
【0023】
副作用のない顕著な効果を呈する育毛用化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、以下の構成要件を要旨とする。(1)動物プランクトンのエキスおよび、海藻のエキス、ステビアとウドの混合物のエキス、アガリクス茸のエキスのうち、1種または複数種を含有していることを特徴とする、育毛用粧料。(2)動物プランクトンとしてミジンコ、海藻としてヒトエグサ(Monostroma nitidum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ(Ulva pertusa)の混合物を用いることを特徴とする化粧料。
【実施例】
【0025】
以下に実施例により、本発明を説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0026】
[動物プランクトンであるオキアミのエキスの製造法]
動物プランクトン(オキアミ)エキスの製造方法は、熱水、有機溶媒いずれによっても可能である。本実施例では、次のように行った。オキアミの乾燥粉砕物乾燥粉砕物100gを1Lの60℃の50%エタノール中に入れ、1昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度約5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものをオキアミ抽出液とし、この抽出液をろ過を行った後、減圧濃縮し、10gのエキスを得た(オキアミエキス)。
【0027】
[海藻エキスの製造法]
海藻エキス(本発明では、ヒトエグサ(Monostroma
nitidum)、アオノリ(Enteromorphasp.)及びアナアオサ(Ulva pertusa)を選択した。)の抽出方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出したものであっても良い。抽出する溶媒としては、例えば、水、低級1価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、プロピルエーテル等)が挙げられる。これらの溶媒は1種でも2種以上を混合して用いても良い。好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコールから1種または2種以上選択される溶媒が良い。また、二酸化炭素等を用いた超臨界抽出を用いることができる。抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過等の処理をして用いても良い。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。本実施例では、次のような方法で抽出を行った。ヒトエグサ(Monostroma nitidum)、アオノリ(Enteromorphasp.及びアナアオサ(Ulva pertusa)の混合乾燥物100gに精製水1Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を冷却し濾過した後、減圧濃縮して抽出液10gを得た(ヒトエグサ(Monostroma nitidum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ(Ulva pertusaのエキス)。
【0028】
[ステビアとウドの混合物のエキスの製造法]
草木植物ステビアの茎を乾燥し粉砕して乾燥粉末100gを得る。同様に、草木植物ウドの根を乾燥し粉砕して乾燥粉末100gを得る。ステビアの乾燥粉末とウドの乾燥粉末よく攪拌混合する。この混合粉末を、重量比10倍量のミネラル水に入れて、2〜5倍等量まで加熱濃縮し、ステビアウド混合濃縮液を得る。ここで使用したミネラル水は、ケイ酸を50%以上、アルミナを10%以上含む岩石に、水道水又は井戸水を24時間以上接触させて得られたミネラル水である。ステビアとウド混合液を乳酸発酵させ1ケ月以上熟成させエキスを完成させる。エキスをろ過し、減圧濃縮して、10gとした。エキスミネラル水は、石川県医王山から採掘された岩石を使用した。直径10mm〜20mmに採石した医王山岩石1kgに、井戸水30リットル、24時間強制循環することでミネラル水を調整した(ステビアとウドのエキス)。
【0029】
[アガリクス茸のエキスの製造法]
アガリクス菌糸の場合、小麦穀粒培地等により培養したアガリクス菌糸体を乾燥し、溶液に0.1〜144時間浸漬させる。次いで、得られた溶剤浸漬後の液を濾過して抽出液を得る方法、また前記抽出液を減圧下に溶剤除去し、抽出固形物を得る方法、更に前記抽出固形物を、吸着、分子ふるい、遠心分離、イオン交換、各種クロマトグラフィー又はこれらの組合せ等の精製工程によって高濃度に精製した抽出精製物を得る方法等が挙げられる。カンレンボクの場合、カンレンボクの樹皮部等の所望部位の乾燥物、若しくはその粉砕物を、溶剤に0.1〜144時間浸漬させる。次いで、得られた溶剤浸漬後の液を濾過して抽出液を得る方法、また前記抽出液を減圧下に溶剤除去し、抽出固形物を得る方法、更に前記抽出固形物を、吸着、分子ふるい、遠心分離、イオン交換、各種クロマトグラフィー又はこれらの組合せ等の精製工程によって高濃度に精製した抽出精製物を得る方法等が挙げられる。前記抽出に用いる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数1〜22の1価のアルコール及び側鎖を有する1価のアルコール;プロピレンアルコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等の3価のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、脂肪酸のエチルエステル等の各種エステル類;トルエン等の芳香族炭化水素等の各種極性有機溶媒又は非極性有機溶媒、水等が挙げられ、使用に際しては単独若しくは混合物として用いることもできる。これらの溶剤は、必要に応じて加温溶融したり、pH調整して使用することもできる。
【0030】
本実施例では、アガリクスの乾燥粉末菌体100gを60℃の10倍量の50%エタルールに2昼夜浸漬し、抽出液をろ過し、減圧濃縮して、10gの抽出液を得た(アガリクス茸エキス)
【0031】
[化粧料の調整]
以下の種類の育毛へアートニックを調製した。数字は重量%。
【0032】
ヘアートニックA
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・1.0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・1.0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・1.0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・1.0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0033】
ヘアートニックB
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・4.0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0034】
ヘアートニックC
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・2.0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・2.0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0035】
ヘアートニックD
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・2.0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・2.0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0036】
ヘアートニックE
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・2.0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・2.0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0037】
ヘアートニックF
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・4.0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・2.0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0038】
ヘアートニックG
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・4.0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0039】
ヘアートニックH
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・4.0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0040】
ヘアートニックI
1.オキアミエキス・・・・・・・・・・0
2.海藻エキス・・・・・・・・・・・・0
3.ステビアとウドのエキス・・・・・・0
4.アガリクス茸のエキス・・・・・・・0
5.プロピレングリコール・・・・・・・5.0
6.ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・0.01
7.ビタミンC・・・・・・・・・・・・0.02
8.75%エタノール 残余
【0041】
本発明に係る育毛剤の効果を確認するために評価実験を行った。頭部頂上が禿げている
男性10名をパネルとして、選抜した。全員に次のようにして、毎朝ヘアートニックを使
用してもらい、3ヶ月後の状況を評価した。頭部を普通シャンプー或いは石鹸にてよく洗
浄する。洗浄後上記育毛ヘアートニックを毎日一回2mlずつ、ふりかけ擦り込んだ。
【0042】
これらの結果は、判定方法の結果に基づく。
脱毛防止効果テストの判定基準は、以下のようにした。
×とは治療にもかかわらず何らの改善もみられないもの。
○とは脱毛の進行がやや減少したもの。
◎とは脱毛が止まったもの。
【0043】
表1 評価結果表
パネル a b c d e f g h i j
ヘアートニックA ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎
ヘアートニックB ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○

ヘアートニックC ◎ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○
ヘアートニックD ○ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○
ヘアートニックE ○ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎

ヘアートニックF ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎
ヘアーとニックG ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○
ヘアートニックH ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ヘアートニックK × × × × × × × × × ×
【0044】
<結果> 動物プランクトンのエキスおよび、海藻のエキス、ステビアとウドの混合物のエキス、アガリクス茸のエキスを併用したもののヘアートニックの育毛効果が一番大であった。
【0045】
本発明の育毛剤を外用育毛剤として用いる場合、その製品形態としては、ローション剤、乳剤、ゲル剤、エアゾール剤、クリーム、軟膏、粉末等の様々な形態で用いることが可能である。また、ヘアーローション、ヘアーミルク、ヘアーミスト、ヘアークリーム、ヘアージェル、ヘアーフォーム、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント等の各種毛髪化粧料に添加して用いることもできる。
【0046】
本発明の育毛化粧料には、基剤成分として通常の毛髪化粧料等に使用される溶剤、可溶化剤、加脂剤、乳化剤、キレート剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、防腐剤等を配合することができる。例えば、溶剤としては、水(精製水)、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール又はそれらの混合液等を用いることができるが、皮膚に必要以上の刺激を与えないようにするため有機溶剤を用いる場合は、水で希釈して用いることが好ましい。
【0047】
また、本発明の育毛化粧料には、育毛効果を増強させるために、必要に応じて、育毛促進効果が期待される他の化合物を配合してもよい。このような化合物としては、例えば、ビタミン類(レチノール、レチナール、ビタミンA1酸、ビタミンA1酸エステル、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、リコペン、チアミン硝酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンジスルフィド化合物、リボフラビン、フラビンヌクレオチド、フラビンテトラブチレート、リボフラビンテトラニコチネート、塩酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン、シアノコバラミン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸、パントテン酸塩、パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、ビオチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸エステル、ビタミンD類、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ユビキノン、プラストキノン、ビタミンK類等)、コリン、必須脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸)、エイコサトリエン酸、女性ホルモン、副腎皮質ホルモン、抗高血圧剤(ミノキシジル、ジアゾキサイド等)、TCA回路関連物質(c−AMP、コハク酸、クエン酸、ATP、FAD、NAD、NADP、L−リンゴ酸、メチルマロニルCoA、フマル酸、サクシニルCoA、コエンザイムA、GDP、GTP、ADP、AMP、オキザロ酢酸、アセチルCoA等)、植物抽出物(ヒノキチオール、チョウジ抽出物、アロエ抽出物、カンゾウ抽出物、サンショウ抽出物、アカヤジオウ抽出物、センブリ抽出液、ホップ抽出液、ローズマリー抽出液、セージ抽出液、タイム抽出液、人参抽出液等)及び合成薬効成分(塩化カプロニウム等)が挙げられる。































【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物プランクトンのエキスおよび、海藻のエキス、ステビアとウドの混合物のエキス、アガリクス茸のエキスのうちのいずれか1種または複数種を含有していることを特徴とする、育毛用粧料。
【請求項2】
動物プランクトンとしてオキアミ、海藻としてヒトエグサ(Monostroma nitidum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ(Ulva pertusa)の混合物を用いることを特徴とする、請求項1記載の育毛用化粧料。










































【公開番号】特開2006−36679(P2006−36679A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218001(P2004−218001)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(304033502)
【Fターム(参考)】