育毛剤及び頭髪化粧料
【課題】 イロハモミジの抽出物を含有する育毛剤及び該育毛剤を配合した頭髪化粧料の提供。
【解決手段】 カエデ科カエデ属の落葉亜高木であるイロハモミジの抽出物を含有することを特徴とする育毛剤である。該育毛剤がテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する態様が好ましい。前記イロハモミジ抽出物を有効成分として含有することを特徴とするヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンス等の頭髪化粧料である。
【解決手段】 カエデ科カエデ属の落葉亜高木であるイロハモミジの抽出物を含有することを特徴とする育毛剤である。該育毛剤がテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する態様が好ましい。前記イロハモミジ抽出物を有効成分として含有することを特徴とするヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンス等の頭髪化粧料である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、イロハモミジの抽出物を含有する育毛剤及び該育毛剤を有効成分として配合した頭髪化粧料に関する。
【背景技術】
【０００２】
男性ホルモンの１種であるテストステロンは、還元酵素であるテストステロン−５α−リダクターゼにより還元され、ジヒドロテストステロンとなる。この生成されたジヒドロテストステロンは頭皮に蓄積すると、毛根を萎縮させて、脱毛を誘発する原因となることが知られている。従って、ジヒドロテストステロンの生成を抑制乃至阻害することによって、脱毛を予防及び治療できると考えられている。
前記テストステロン−５αリダクターゼ阻害作用を有する生薬の抽出物としては、例えば、ウルシ科Ｃｈｏｅｒｏｓｐｏｎｄｉａｓ属植物の抽出物（特許文献１参照）、マジトの抽出物及びカチュア抽出物（特許文献２参照）、五斂子の抽出物（特許文献３参照）、紅豆杉、鳥欖、幌傘楓、及び穿心蓮から選択されるいずれかの抽出物（特許文献４参照）、などが提案されている。
【０００３】
このように安全性及び生産性に優れ、かつ安価でありながら優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する天然系の育毛剤及び該育毛剤を配合した頭髪化粧料に対する需要者の要望は極めて強く、未だ十分要望に応えることができるものは提供されていないのが現状である。
【０００４】
【特許文献１】特開２００３−０５５１６２号公報
【特許文献２】特開２００２−２４１２９７号公報
【特許文献３】特開２００２−２４１２９６号公報
【特許文献４】特開２００２−０８７９７６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する育毛剤、該育毛剤を配合してなる優れた育毛作用を有する頭髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、イロハモミジの抽出物が、優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有し、育毛剤として有用であることを知見した。また、イロハモミジの抽出物を有効成分として配合した頭髪化粧料が、優れた育毛作用を有することを知見した。
【０００７】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
＜１＞ イロハモミジの抽出物を含有することを特徴とする育毛剤である。
＜２＞ テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する前記＜１＞に記載の育毛剤である。
＜３＞ 前記＜１＞から＜２＞のいずれかに記載の育毛剤を有効成分として含有することを特徴とする頭髪化粧料である。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の育毛剤によると、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を通じて、男性ホルモンの作用を抑制することができ、男性型脱毛症等の予防及び治療に極めて有用である。また、本発明の育毛剤は、使用感と安全性に優れているので頭髪化粧料に配合するのに好適なものである。
本発明の頭髪化粧料は、本発明の前記育毛剤を配合してなるので、優れた育毛効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
（育毛剤）
本発明の育毛剤は、イロハモミジの抽出物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【００１０】
前記イロハモミジ（学名：Ａｃｅｒ ｐａｌｍａｔｕｍ）は、カエデ科カエデ属の落葉亜高木であって、イロハカエデ、タカオモミジ、タカオカエデとも呼ばれる。このイロハモミジは、本州、四国、九州、朝鮮南部、中国東部などの地域に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
前記イロハモミジは、葉が５〜９つの掌状に分かれ、やや荒い鋸歯がある。秋に葉が真っ赤に紅葉し、大変美しいので、江戸時代から多くの園芸品種が作られ、昔から親しまれている植物の一つである。このイロハモミジの抽出物が、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有し、育毛剤として有効であることは、これまで全く知られておらず、これらのことは、本発明者らによる新知見である。
【００１１】
前記イロハモミジの抽出物のテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する物質の詳細については不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている方法により容易に得ることができる。なお、前記イロハモミジの抽出物には、イロハモミジの抽出液、該抽出液の希釈液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
【００１２】
前記イロハモミジの抽出原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、茎部、種子部、根部などの構成部位を用いることができ、これらの中でも、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用が高い点から、葉部が特に好ましい。
【００１３】
前記抽出原料であるイロハモミジの葉部は、乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。なお、前記イロハモミジの葉部は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。なお、脱脂等の前処理を行うことにより、イロハモミジの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【００１４】
前記抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【００１５】
前記親水性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数１〜５の低級アルコール；アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン；１，３−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数２〜５の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
なお、前記水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水１０質量部に対して１〜９０質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水１０質量部に対して１〜４０質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水１０質量部に対して１〜９０質量部添加することが好ましい。
【００１６】
本発明において、抽出原料であるイロハモミジからテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する物質を抽出するにあたって特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
【００１７】
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料としてのイロハモミジの葉部を投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、３０分間〜２時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の５〜１５倍量（質量比）である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常５０〜９５℃にて１〜４時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常４０〜８０℃にて３０分〜４時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明の育毛剤として用いることができる。
【００１８】
得られるイロハモミジの抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【００１９】
なお、得られたイロハモミジの抽出液はそのままでも育毛剤として使用することができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。抽出液の乾燥物を得るにあたっては、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを添加してもよい。また、前記イロハモミジは特有の匂いを有しているが、不快なものではなく、そのまま頭髪化粧料の原料として利用できる。なお、必要に応じて、生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であり、任意の助剤と混合して製剤化してもよい。
【００２０】
本発明の育毛剤は、優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を通じて、男性ホルモンの作用を抑制することができ、男性型脱毛症等の予防及び治療に有用であり、直接頭髪に適用してもよいが、各種化粧料に配合して用いることが好ましく、以下の本発明の頭髪化粧料に特に好適に使用することができる。
【００２１】
（頭髪化粧料）
本発明の頭髪化粧料は、本発明の前記育毛剤を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
前記育毛剤に含まれるイロハモミジの抽出物は、優れた育毛作用を有すると共に、使用感や安全性に優れているため、該イロハモミジの抽出物を頭髪化粧料に配合することによって、該頭髪化粧料に優れた育毛作用を付与することができる。
【００２２】
ここで、前記頭髪化粧料の用途としては、特に制限はなく、各種用途から適宜選択することができ、例えば、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンス、等が挙げられる。
【００２３】
前記育毛剤の前記頭髪化粧料全体に対する配合量は、特に制限はなく、頭髪化粧料の種類や抽出物の生理活性等によって適宜選択することができるが、前記イロハモミジ抽出物に換算して０．０００１〜１０質量％が好ましく、０．００１〜１質量％がより好ましい。
【００２４】
前記育毛剤を配合する頭髪化粧料は、更に必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、その頭髪化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他成分を添加することができる。
【００２５】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、育毛作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記イロハモミジ抽出物と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた作用効果をもたらすことがある。
【００２６】
本発明の頭髪化粧料は、高い安全性を有し、有効成分であるイロハモミジ抽出物の優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を通じて、男性ホルモンの作用を抑制することができ、男性型脱毛症等の予防及び治療にきわめて有用である。
【００２７】
なお、本発明の育毛剤及び頭髪化粧料は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り特に制限はなく、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【実施例】
【００２８】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【００２９】
（製造例１）
−イロハモミジの水抽出物の製造−
イロハモミジの葉部の乾燥物を細切りしたもの１００ｇに水１０００ｍＬを加え、還流抽出器で８０℃にて２時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について同様の抽出処理を行った。得られたそれぞれの抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、更に乾燥して、イロハモミジの水抽出物を得た。抽出物の収率を表１に示す。
【００３０】
（製造例２）
−イロハモミジの５０質量％エタノール抽出物の製造−
イロハモミジの葉部の乾燥物を細切りしたもの１００ｇに５０質量％エタノール（水とエタノールとの質量比１：１）１０００ｍＬを加え、還流抽出器で８０℃にて２時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について同様の抽出処理を行った。得られたそれぞれの抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、更に乾燥して、イロハモミジの５０質量％エタノール抽出物を得た。抽出物の収率を表１に示す。
【００３１】
（製造例３）
−イロハモミジのエタノール抽出物の製造−
イロハモミジの葉部の乾燥物を細切りしたもの１００ｇにエタノール１０００ｍＬを加え、還流抽出器で８０℃にて２時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について同様の抽出処理を行った。得られたそれぞれの抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、更に乾燥して、イロハモミジのエタノール抽出物を得た。抽出物の収率を表１に示す。
【００３２】
【表１】
【００３３】
（実施例１）
−テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用試験−
製造例１〜３で得られた各イロハモミジ抽出物について、以下のようにして、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を試験した。
まず、蓋付Ｖ底試験管にて、プロピレングリコールで調製した４．２ｍｇ／ｍＬのテストステロン２０μＬ、及び１ｍｇ／ｍＬのＮＡＤＰＨ含有５ｍｍｏｌ／ｍＬのＴｒｉｓ−ＨＣｌ緩衝液（ｐＨ７．１３）８２５μＬを混合した。これに、製造例１〜３の抽出物（以下、「被験試料」と称する）８０μＬ、及びラット肝ホモジネート（Ｓ−９）７５μＬを加え再び混合し、３７℃にて３０分反応させた後、塩化メチレン１ｍＬを加えて反応を停止した。これを遠心（１６００×ｇ、１０分）し、塩化メチレン層を下記の条件でガスクロマトグラフィー分析した。同様の方法で空試験を行った。
【００３４】
−ガスクロマトグラフィー分析−
予め、３α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン（ＤＨＴ）、及びテストステロンの標準品の塩化メチレン溶液を同様にガスクロマトグラフィー分析し、これら３化合物の精秤量とピーク面積よりピーク面積あたりの化合物量を算出しておき、Ｓ−９による反応後の３α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン（ＤＨＴ）、及びテストステロンのピーク面積あたりの濃度をそれぞれ求めた（下記数式１参照）。その後、下記数式２に従って、各被験試料の変換率を求めた。得られた変換率に基づいて、テストステロン５α−リダクターゼ活性阻害率を下記数式３により求めた。
【００３５】
＜数式１＞
濃度（％）＝（被験試料のピーク面積×標準品濃度）／標準品のピーク面積
【００３６】
＜数式２＞
変換率（％）＝（Ａ＋Ｂ）／（Ａ＋Ｂ＋Ｃ）
ただし、前記数式２中、Ａは、３α−アンドロスタンジオールの濃度を表す。Ｂは、ジヒドロテストステロン（ＤＨＴ）の濃度を表す。Ｃは、テストステロンの濃度を表す。
【００３７】
＜数式３＞
テストステロン５α−リダクターゼ活性阻害率（％）＝（１−Ｅ／Ｄ）×１００
ただし、前記数式３中、Ｄは、空試験での変換率を表す。Ｅは、被験試料添加での変換率を表す。
【００３８】
＜ガスクロマトグラフィーの条件＞
使用機器：Ｓｈｉｍａｄｚｕ ＧＣ−７Ａ（株式会社島津製作所製）
カラム：ＤＢ−１７０１（直径０．５３ｍｍ×３０ｍ、膜厚：１．０μｍ）
カラム温度／注入温度：２４０℃／３００℃
検出器：ＦＩＤ
キャリアガス：窒素ガス
【００３９】
次いで、被験試料の試料濃度を段階的に減少させて、上記テストステロン５α−リダクターゼ活性阻害率の測定を行い、テストステロン５α−レダクターゼの活性を５０％阻害する試料濃度（μｇ／ｍＬ）を内挿法により求めた。結果を表２に示す。
【００４０】
【表２】
表２の結果から、製造例１〜３の各イロハモミジの抽出物は、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有することが分かった。また、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用の程度は、抽出物の濃度によって調節できることが確認できた。
【００４１】
（配合実施例１）
−ヘアトニック−
下記組成の養毛作用を有するヘアトニックを常法により製造した。
塩酸ピリドキシン ０．１ｇ
レゾルシン ０．０１ｇ
Ｄ−パントテニルアルコール ０．１ｇ
グリチルリチン酸ジカリウム ０．１ｇ
ｌ−メントール ０．０５ｇ
１，３−ブチレングリコール ４．０ｇ
ニンジンエキス ０．５ｇ
エタノール ２５．０ｇ
イロハモミジの５０質量％エタノール抽出物（製造例２） ０．２ｇ
香料 適量
精製水 残部
合計 １００．０ｇ
【００４２】
（配合実施例２）
−シャンプー−
下記組成の養毛作用を有するシャンプー（クリームシャンプー）を常法により製造した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム ３０．０ｇ
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム ２０．０ｇ
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン ６．０ｇ
ヤシ油脂肪酸モジエタノールアミド ４．０ｇ
ジステアリン酸エチレングリコール ２．０ｇ
防腐剤（パラオキシ安息香酸メチル） ０．１５ｇ
イロハモミジの水抽出物（製造例１） ０．２ｇ
ムクロジエキス ０．２ｇ
黄杞エキス ０．５ｇ
オウバクエキス ０．３ｇ
ローズマリーエキス ０．５ｇ
香料 ０．０１ｇ
１，３−ブチレングリコール ３．０ｇ
精製水 残部
全量 １００．０ｇ
【００４３】
（配合実施例３）
−リンス−
下記組成の養毛作用を有するリンスを常法により製造した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム １．５ｇ
ポリオキシエチレンセチルエーテル １．０ｇ
セチルアルコール ２．０ｇ
オクチルドデカノール １．０ｇ
カチオン化セルロース ０．５ｇ
プロピレングリコール ５．０ｇ
イロハモミジの水抽出物（製造例１） ０．２ｇ
ムクロジエキス ０．２ｇ
黄杞エキス ０．５ｇ
オウバクエキス ０．３ｇ
ローズマリーエキス ０．５ｇ
香料 ３．０ｇ
精製水 残部
全量 １００．０ｇ
【００４４】
（配合実施例４）
−リンス−
下記組成の養毛作用を有するリンスを常法により製造した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム １．５ｇ
ポリオキシエチレンセチルエーテル １．０ｇ
セチルアルコール ２．０ｇ
オクチルドデカノール １．０ｇ
カチオン化セルロース ０．５ｇ
プロピレングリコール ５．０ｇ
イロハモミジのエタノール抽出物（製造例３） ０．２ｇ
ムクロジエキス ０．２ｇ
黄杞エキス ０．５ｇ
オウバクエキス ０．３ｇ
ローズマリーエキス ０．５ｇ
香料 ３．０ｇ
精製水 残部
全量 １００．０ｇ
【産業上の利用可能性】
【００４５】
本発明の育毛剤及びこれを配合した頭髪化粧料は、優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有し、該テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を通じて、男性ホルモンの作用を抑制することができ、男性型脱毛症等の予防及び治療の少なくともいずれかに有用であり、例えば、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンス等に幅広く用いられる。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、イロハモミジの抽出物を含有する育毛剤及び該育毛剤を有効成分として配合した頭髪化粧料に関する。
【背景技術】
【０００２】
男性ホルモンの１種であるテストステロンは、還元酵素であるテストステロン−５α−リダクターゼにより還元され、ジヒドロテストステロンとなる。この生成されたジヒドロテストステロンは頭皮に蓄積すると、毛根を萎縮させて、脱毛を誘発する原因となることが知られている。従って、ジヒドロテストステロンの生成を抑制乃至阻害することによって、脱毛を予防及び治療できると考えられている。
前記テストステロン−５αリダクターゼ阻害作用を有する生薬の抽出物としては、例えば、ウルシ科Ｃｈｏｅｒｏｓｐｏｎｄｉａｓ属植物の抽出物（特許文献１参照）、マジトの抽出物及びカチュア抽出物（特許文献２参照）、五斂子の抽出物（特許文献３参照）、紅豆杉、鳥欖、幌傘楓、及び穿心蓮から選択されるいずれかの抽出物（特許文献４参照）、などが提案されている。
【０００３】
このように安全性及び生産性に優れ、かつ安価でありながら優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する天然系の育毛剤及び該育毛剤を配合した頭髪化粧料に対する需要者の要望は極めて強く、未だ十分要望に応えることができるものは提供されていないのが現状である。
【０００４】
【特許文献１】特開２００３−０５５１６２号公報
【特許文献２】特開２００２−２４１２９７号公報
【特許文献３】特開２００２−２４１２９６号公報
【特許文献４】特開２００２−０８７９７６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する育毛剤、該育毛剤を配合してなる優れた育毛作用を有する頭髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、イロハモミジの抽出物が、優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有し、育毛剤として有用であることを知見した。また、イロハモミジの抽出物を有効成分として配合した頭髪化粧料が、優れた育毛作用を有することを知見した。
【０００７】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
＜１＞ イロハモミジの抽出物を含有することを特徴とする育毛剤である。
＜２＞ テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する前記＜１＞に記載の育毛剤である。
＜３＞ 前記＜１＞から＜２＞のいずれかに記載の育毛剤を有効成分として含有することを特徴とする頭髪化粧料である。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の育毛剤によると、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を通じて、男性ホルモンの作用を抑制することができ、男性型脱毛症等の予防及び治療に極めて有用である。また、本発明の育毛剤は、使用感と安全性に優れているので頭髪化粧料に配合するのに好適なものである。
本発明の頭髪化粧料は、本発明の前記育毛剤を配合してなるので、優れた育毛効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
（育毛剤）
本発明の育毛剤は、イロハモミジの抽出物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【００１０】
前記イロハモミジ（学名：Ａｃｅｒ ｐａｌｍａｔｕｍ）は、カエデ科カエデ属の落葉亜高木であって、イロハカエデ、タカオモミジ、タカオカエデとも呼ばれる。このイロハモミジは、本州、四国、九州、朝鮮南部、中国東部などの地域に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
前記イロハモミジは、葉が５〜９つの掌状に分かれ、やや荒い鋸歯がある。秋に葉が真っ赤に紅葉し、大変美しいので、江戸時代から多くの園芸品種が作られ、昔から親しまれている植物の一つである。このイロハモミジの抽出物が、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有し、育毛剤として有効であることは、これまで全く知られておらず、これらのことは、本発明者らによる新知見である。
【００１１】
前記イロハモミジの抽出物のテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する物質の詳細については不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている方法により容易に得ることができる。なお、前記イロハモミジの抽出物には、イロハモミジの抽出液、該抽出液の希釈液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
【００１２】
前記イロハモミジの抽出原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、茎部、種子部、根部などの構成部位を用いることができ、これらの中でも、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用が高い点から、葉部が特に好ましい。
【００１３】
前記抽出原料であるイロハモミジの葉部は、乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。なお、前記イロハモミジの葉部は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。なお、脱脂等の前処理を行うことにより、イロハモミジの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【００１４】
前記抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【００１５】
前記親水性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数１〜５の低級アルコール；アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン；１，３−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数２〜５の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
なお、前記水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水１０質量部に対して１〜９０質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水１０質量部に対して１〜４０質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水１０質量部に対して１〜９０質量部添加することが好ましい。
【００１６】
本発明において、抽出原料であるイロハモミジからテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する物質を抽出するにあたって特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
【００１７】
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料としてのイロハモミジの葉部を投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、３０分間〜２時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の５〜１５倍量（質量比）である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常５０〜９５℃にて１〜４時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常４０〜８０℃にて３０分〜４時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明の育毛剤として用いることができる。
【００１８】
得られるイロハモミジの抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【００１９】
なお、得られたイロハモミジの抽出液はそのままでも育毛剤として使用することができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。抽出液の乾燥物を得るにあたっては、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを添加してもよい。また、前記イロハモミジは特有の匂いを有しているが、不快なものではなく、そのまま頭髪化粧料の原料として利用できる。なお、必要に応じて、生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であり、任意の助剤と混合して製剤化してもよい。
【００２０】
本発明の育毛剤は、優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を通じて、男性ホルモンの作用を抑制することができ、男性型脱毛症等の予防及び治療に有用であり、直接頭髪に適用してもよいが、各種化粧料に配合して用いることが好ましく、以下の本発明の頭髪化粧料に特に好適に使用することができる。
【００２１】
（頭髪化粧料）
本発明の頭髪化粧料は、本発明の前記育毛剤を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
前記育毛剤に含まれるイロハモミジの抽出物は、優れた育毛作用を有すると共に、使用感や安全性に優れているため、該イロハモミジの抽出物を頭髪化粧料に配合することによって、該頭髪化粧料に優れた育毛作用を付与することができる。
【００２２】
ここで、前記頭髪化粧料の用途としては、特に制限はなく、各種用途から適宜選択することができ、例えば、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンス、等が挙げられる。
【００２３】
前記育毛剤の前記頭髪化粧料全体に対する配合量は、特に制限はなく、頭髪化粧料の種類や抽出物の生理活性等によって適宜選択することができるが、前記イロハモミジ抽出物に換算して０．０００１〜１０質量％が好ましく、０．００１〜１質量％がより好ましい。
【００２４】
前記育毛剤を配合する頭髪化粧料は、更に必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、その頭髪化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他成分を添加することができる。
【００２５】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、育毛作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記イロハモミジ抽出物と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた作用効果をもたらすことがある。
【００２６】
本発明の頭髪化粧料は、高い安全性を有し、有効成分であるイロハモミジ抽出物の優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を通じて、男性ホルモンの作用を抑制することができ、男性型脱毛症等の予防及び治療にきわめて有用である。
【００２７】
なお、本発明の育毛剤及び頭髪化粧料は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り特に制限はなく、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【実施例】
【００２８】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【００２９】
（製造例１）
−イロハモミジの水抽出物の製造−
イロハモミジの葉部の乾燥物を細切りしたもの１００ｇに水１０００ｍＬを加え、還流抽出器で８０℃にて２時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について同様の抽出処理を行った。得られたそれぞれの抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、更に乾燥して、イロハモミジの水抽出物を得た。抽出物の収率を表１に示す。
【００３０】
（製造例２）
−イロハモミジの５０質量％エタノール抽出物の製造−
イロハモミジの葉部の乾燥物を細切りしたもの１００ｇに５０質量％エタノール（水とエタノールとの質量比１：１）１０００ｍＬを加え、還流抽出器で８０℃にて２時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について同様の抽出処理を行った。得られたそれぞれの抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、更に乾燥して、イロハモミジの５０質量％エタノール抽出物を得た。抽出物の収率を表１に示す。
【００３１】
（製造例３）
−イロハモミジのエタノール抽出物の製造−
イロハモミジの葉部の乾燥物を細切りしたもの１００ｇにエタノール１０００ｍＬを加え、還流抽出器で８０℃にて２時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について同様の抽出処理を行った。得られたそれぞれの抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、更に乾燥して、イロハモミジのエタノール抽出物を得た。抽出物の収率を表１に示す。
【００３２】
【表１】
【００３３】
（実施例１）
−テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用試験−
製造例１〜３で得られた各イロハモミジ抽出物について、以下のようにして、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を試験した。
まず、蓋付Ｖ底試験管にて、プロピレングリコールで調製した４．２ｍｇ／ｍＬのテストステロン２０μＬ、及び１ｍｇ／ｍＬのＮＡＤＰＨ含有５ｍｍｏｌ／ｍＬのＴｒｉｓ−ＨＣｌ緩衝液（ｐＨ７．１３）８２５μＬを混合した。これに、製造例１〜３の抽出物（以下、「被験試料」と称する）８０μＬ、及びラット肝ホモジネート（Ｓ−９）７５μＬを加え再び混合し、３７℃にて３０分反応させた後、塩化メチレン１ｍＬを加えて反応を停止した。これを遠心（１６００×ｇ、１０分）し、塩化メチレン層を下記の条件でガスクロマトグラフィー分析した。同様の方法で空試験を行った。
【００３４】
−ガスクロマトグラフィー分析−
予め、３α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン（ＤＨＴ）、及びテストステロンの標準品の塩化メチレン溶液を同様にガスクロマトグラフィー分析し、これら３化合物の精秤量とピーク面積よりピーク面積あたりの化合物量を算出しておき、Ｓ−９による反応後の３α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン（ＤＨＴ）、及びテストステロンのピーク面積あたりの濃度をそれぞれ求めた（下記数式１参照）。その後、下記数式２に従って、各被験試料の変換率を求めた。得られた変換率に基づいて、テストステロン５α−リダクターゼ活性阻害率を下記数式３により求めた。
【００３５】
＜数式１＞
濃度（％）＝（被験試料のピーク面積×標準品濃度）／標準品のピーク面積
【００３６】
＜数式２＞
変換率（％）＝（Ａ＋Ｂ）／（Ａ＋Ｂ＋Ｃ）
ただし、前記数式２中、Ａは、３α−アンドロスタンジオールの濃度を表す。Ｂは、ジヒドロテストステロン（ＤＨＴ）の濃度を表す。Ｃは、テストステロンの濃度を表す。
【００３７】
＜数式３＞
テストステロン５α−リダクターゼ活性阻害率（％）＝（１−Ｅ／Ｄ）×１００
ただし、前記数式３中、Ｄは、空試験での変換率を表す。Ｅは、被験試料添加での変換率を表す。
【００３８】
＜ガスクロマトグラフィーの条件＞
使用機器：Ｓｈｉｍａｄｚｕ ＧＣ−７Ａ（株式会社島津製作所製）
カラム：ＤＢ−１７０１（直径０．５３ｍｍ×３０ｍ、膜厚：１．０μｍ）
カラム温度／注入温度：２４０℃／３００℃
検出器：ＦＩＤ
キャリアガス：窒素ガス
【００３９】
次いで、被験試料の試料濃度を段階的に減少させて、上記テストステロン５α−リダクターゼ活性阻害率の測定を行い、テストステロン５α−レダクターゼの活性を５０％阻害する試料濃度（μｇ／ｍＬ）を内挿法により求めた。結果を表２に示す。
【００４０】
【表２】
表２の結果から、製造例１〜３の各イロハモミジの抽出物は、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有することが分かった。また、テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用の程度は、抽出物の濃度によって調節できることが確認できた。
【００４１】
（配合実施例１）
−ヘアトニック−
下記組成の養毛作用を有するヘアトニックを常法により製造した。
塩酸ピリドキシン ０．１ｇ
レゾルシン ０．０１ｇ
Ｄ−パントテニルアルコール ０．１ｇ
グリチルリチン酸ジカリウム ０．１ｇ
ｌ−メントール ０．０５ｇ
１，３−ブチレングリコール ４．０ｇ
ニンジンエキス ０．５ｇ
エタノール ２５．０ｇ
イロハモミジの５０質量％エタノール抽出物（製造例２） ０．２ｇ
香料 適量
精製水 残部
合計 １００．０ｇ
【００４２】
（配合実施例２）
−シャンプー−
下記組成の養毛作用を有するシャンプー（クリームシャンプー）を常法により製造した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム ３０．０ｇ
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム ２０．０ｇ
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン ６．０ｇ
ヤシ油脂肪酸モジエタノールアミド ４．０ｇ
ジステアリン酸エチレングリコール ２．０ｇ
防腐剤（パラオキシ安息香酸メチル） ０．１５ｇ
イロハモミジの水抽出物（製造例１） ０．２ｇ
ムクロジエキス ０．２ｇ
黄杞エキス ０．５ｇ
オウバクエキス ０．３ｇ
ローズマリーエキス ０．５ｇ
香料 ０．０１ｇ
１，３−ブチレングリコール ３．０ｇ
精製水 残部
全量 １００．０ｇ
【００４３】
（配合実施例３）
−リンス−
下記組成の養毛作用を有するリンスを常法により製造した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム １．５ｇ
ポリオキシエチレンセチルエーテル １．０ｇ
セチルアルコール ２．０ｇ
オクチルドデカノール １．０ｇ
カチオン化セルロース ０．５ｇ
プロピレングリコール ５．０ｇ
イロハモミジの水抽出物（製造例１） ０．２ｇ
ムクロジエキス ０．２ｇ
黄杞エキス ０．５ｇ
オウバクエキス ０．３ｇ
ローズマリーエキス ０．５ｇ
香料 ３．０ｇ
精製水 残部
全量 １００．０ｇ
【００４４】
（配合実施例４）
−リンス−
下記組成の養毛作用を有するリンスを常法により製造した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム １．５ｇ
ポリオキシエチレンセチルエーテル １．０ｇ
セチルアルコール ２．０ｇ
オクチルドデカノール １．０ｇ
カチオン化セルロース ０．５ｇ
プロピレングリコール ５．０ｇ
イロハモミジのエタノール抽出物（製造例３） ０．２ｇ
ムクロジエキス ０．２ｇ
黄杞エキス ０．５ｇ
オウバクエキス ０．３ｇ
ローズマリーエキス ０．５ｇ
香料 ３．０ｇ
精製水 残部
全量 １００．０ｇ
【産業上の利用可能性】
【００４５】
本発明の育毛剤及びこれを配合した頭髪化粧料は、優れたテストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有し、該テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を通じて、男性ホルモンの作用を抑制することができ、男性型脱毛症等の予防及び治療の少なくともいずれかに有用であり、例えば、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンス等に幅広く用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
イロハモミジの抽出物を含有することを特徴とする育毛剤。
【請求項２】
テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する請求項１に記載の育毛剤。
【請求項３】
請求項１から２のいずれかに記載の育毛剤を有効成分として含有することを特徴とする頭髪化粧料。
【請求項１】
イロハモミジの抽出物を含有することを特徴とする育毛剤。
【請求項２】
テストステロン５α−リダクターゼ阻害作用を有する請求項１に記載の育毛剤。
【請求項３】
請求項１から２のいずれかに記載の育毛剤を有効成分として含有することを特徴とする頭髪化粧料。
【公開番号】特開２００６−３１２６１１（Ｐ２００６−３１２６１１Ａ）
【公開日】平成１８年１１月１６日（２００６．１１．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１３６４２０（Ｐ２００５−１３６４２０）
【出願日】平成１７年５月９日（２００５．５．９）
【出願人】（５９１０８２４２１）丸善製薬株式会社 (239)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１１月１６日（２００６．１１．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年５月９日（２００５．５．９）
【出願人】（５９１０８２４２１）丸善製薬株式会社 (239)
【Ｆターム（参考）】
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