説明

肺癌に対する予後マーカーおよび治療標的

本発明は、肺癌の検出のための診断マーカーを提供する。特に本発明は、肺癌マーカー遺伝子、すなわちKIF4A、MAPJD、NPTX、またはFGFR1OPを提供する。本発明はさらに、肺癌を治療する化合物を同定するための方法およびキット、ならびに肺癌の予後または診断を予測するための方法を提供する。特に本発明は、肺癌の治療および予防において有用性が認められるKIF4A/ZNF549、KIF4A/ZNF553、MAPJD/MYC、またはFGFR1OP/WRNIP1の間の相互作用の阻害物質を同定するための方法およびキットを提供する。あるいは本発明は、治療標的としてのHAT複合体に結合したMAPJDを提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象由来の生体試料におけるKIF4A遺伝子の発現レベルを検出する段階を含む、対象において肺癌または肺癌を発症する素因を診断するための方法であって、該遺伝子の正常対照レベルと比較して該発現レベルが増大していることにより、該対象が肺癌に罹患しているかまたは肺癌の発症リスクを有することが示される、方法。
【請求項2】
発現レベルが正常対照レベルを少なくとも10%上回る、請求項1記載の方法。
【請求項3】
発現レベルが、以下からなる群より選択される方法のいずれかによって決定される、請求項1記載の方法:
(a) KIF4A遺伝子のmRNAの検出;
(b) KIF4A遺伝子によってコードされるタンパク質の検出;および
(c) KIF4A遺伝子によってコードされるタンパク質の生物学的活性の検出。
【請求項4】
対象由来の生体試料が上皮細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
対象由来の生体試料が癌細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
対象由来の生体試料が癌性上皮細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
癌がSCLCおよびNSCLCである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
KIF4A遺伝子の転写産物または翻訳産物に結合する検出試薬を含む、キット。
【請求項9】
(a) 診断されるべき対象から血液試料を採取する段階;
(b) 血液試料におけるNPTX1レベルを決定する段階;
(c) 段階(b)において決定されたNPTX1レベルを正常対照のNPTX1レベルと比較する段階;および
(d) 正常対照と比較して血液試料におけるNPTX1レベルが高いことにより対象が癌に罹患していることが示されると判断する段階
を含む、対象において肺癌を診断するための方法。
【請求項10】
癌がSCLCおよびNSCLCである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
血液試料が全血、血清、および血漿からなる群より選択される、請求項9記載の方法。
【請求項12】
NPTX1レベルが血清中のNPTX1タンパク質の検出によって決定される、請求項9記載の方法。
【請求項13】
NPTX1タンパク質が免疫測定法によって検出される、請求項9記載の方法。
【請求項14】
免疫測定法がELISAである、請求項13記載の方法。
【請求項15】
免疫測定法が、検出抗体として抗NPTX1ポリクローナル抗体を用いるサンドイッチ法である、請求項13記載の方法。
【請求項16】
(e) 血液試料におけるCEAレベルおよびproGRPレベルの一方または両方を決定する段階;
(f) 段階(b)において決定されたCEAレベルおよびproGRPレベルの一方または両方のレベルを正常対照レベルと比較する段階;ならびに
(g) 正常対照と比較して血液試料におけるCEAレベルが高いことにより対象がNSCLCに罹患していることが示され、かつ、正常対照と比較して血液試料におけるproGRPレベルが高いことにより対象がSCLCに罹患していることが示されると判断する段階
をさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項17】
(a) 血液試料におけるNPTX1レベルを決定するための免疫測定試薬;および
(b) NPTX1に対する陽性対照試料
を含む、肺癌を検出するためのキット。
【請求項18】
肺癌がSCLCおよびNSCLCである、請求項17記載のキット。
【請求項19】
陽性対照試料がNPTX1に対して陽性である、請求項17記載のキット。
【請求項20】
陽性対照試料が液体形態である、請求項17記載のキット。
【請求項21】
センス鎖およびアンチセンス鎖を含む二本鎖分子であって、センス鎖がSEQ ID NO: 32、33、36、および37からなる群より選択される標的配列に対応するリボヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖が該センス鎖に相補的なリボヌクレオチド配列を含み、該センス鎖および該アンチセンス鎖が互いにハイブリダイズして該二本鎖分子を形成し、かつ、KIF4A、NPTX1、またはFGFR1OP遺伝子を発現する細胞に導入された場合に該二本鎖分子が該遺伝子の発現を阻害する、二本鎖分子。
【請求項22】
請求項21記載の二本鎖分子をコードする、ベクター。
【請求項23】
二次構造を有する転写物をコードしかつセンス鎖およびアンチセンス鎖を含む、請求項22記載のベクター。
【請求項24】
転写物が、センス鎖およびアンチセンス鎖を連結している一本鎖リボヌクレオチド配列をさらに含む、請求項23記載のベクター。
【請求項25】
センス鎖核酸とアンチセンス鎖核酸の組み合わせを含むポリヌクレオチドを含むベクターであって、該センス鎖核酸がSEQ ID NO: 32、33、36、および37のヌクレオチド配列を含み、かつ該アンチセンス鎖核酸がセンス鎖に相補的な配列からなる、ベクター。
【請求項26】
ポリヌクレオチドが一般式
5'-[A]-[B]-[A']-3'
を有し、
式中、[A]がSEQ ID NO: 32、33、36、および37のヌクレオチド配列であり;[B]が3〜23ヌクレオチドからなるヌクレオチド配列であり;かつ[A']が[A]に相補的なヌクレオチド配列である、請求項25記載のベクター。
【請求項27】
有効成分としての、KIF4A、NPTX1、FGFR1OP、またはWRNIP1の発現を阻害する低分子干渉RNA(siRNA)の薬学上有効量、および薬学的に許容される担体を含む、肺癌を治療または予防するための薬学的組成物。
【請求項28】
siRNAがSEQ ID NO: 32、33、36、37、96、および97からなる群より選択されるヌクレオチド配列を標的配列として含む、請求項27記載の薬学的組成物。
【請求項29】
siRNAが一般式
5'-[A]-[B]-[A']-3'
を有し、
式中、[A]がSEQ ID NO: 32、33、36、37、96、および97のヌクレオチド配列に対応するリボヌクレオチド配列であり;[B]が3〜23ヌクレオチドからなるリボヌクレオチド配列であり;かつ[A']が[A]に相補的なリボヌクレオチド配列である、請求項36記載の組成物。
【請求項30】
肺癌がSCLCおよびNSCLCである、請求項27〜29のいずれか一項記載の組成物。
【請求項31】
癌患者の予後を評価するための方法であって、
(a) 患者由来の生体試料におけるKIF4A、NPTX1、またはFGFR1OP遺伝子の発現レベルを検出する段階;
(b) 検出した発現レベルを対照レベルと比較する段階;および
(c) (b)の比較に基づいて患者の予後を判定する段階
を含む、方法。
【請求項32】
対照レベルが予後良好の対照レベルであり、対照レベルと比較して増大した発現レベルが予後不良と判定される、請求項31記載の方法。
【請求項33】
増大が対照レベルを少なくとも10%上回る、請求項32記載の方法。
【請求項34】
他の癌関連遺伝子の発現レベルを決定する段階を含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
発現レベルが、以下からなる群より選択されるいずれか一つの方法によって決定される、請求項34記載の方法:
(a) KIF4A、NPTX1、またはFGFR1OP遺伝子のmRNAの検出;
(b) KIF4A、NPTX1、またはFGFR1OPタンパク質の検出;および
(c) KIF4A、NPTX1、またはFGFR1OPタンパク質の生物学的活性の検出。
【請求項36】
プローブとKIF4A、NPTX1、またはFGFR1OP遺伝子の遺伝子転写物とのハイブリダイゼーションの検出によって発現レベルが決定される、請求項35記載の方法。
【請求項37】
ハイブリダイゼーション段階がDNAアレイ上で行われる、請求項36記載の方法。
【請求項38】
KIF4A、NPTX1、またはFGFR1OP遺伝子の発現レベルとしてのKIF4A、NPTX1、またはFGFR1OPタンパク質に対する抗体の結合の検出によって発現レベルが決定される、請求項31記載の方法。
【請求項39】
生体試料が痰または血液を含む、請求項31記載の方法。
【請求項40】
癌が肺癌である、請求項31記載の方法。
【請求項41】
以下からなる群より選択される試薬を含む、癌患者の予後を評価するためのキット:
(a) KIF4A、NPTX1、またはFGFR1OP遺伝子のmRNAを検出するための試薬;
(b) KIF4A、NPTX1、またはFGFR1OPタンパク質を検出するための試薬;および
(c) KIF4A、NPTX1、またはFGFR1OPタンパク質の生物学的活性を検出するための試薬。
【請求項42】
試薬がKIF4A、NPTX1、およびFGFR1OPタンパク質に対する抗体である、請求項41記載のキット。
【請求項43】
癌が肺癌である、請求項41記載のキット。
【請求項44】
(1) 標的分子のパートナー分子結合ドメインを含むポリペプチドと、パートナー分子の標的分子結合ドメインを含むポリペプチドとを、試験化合物の存在下で接触させる段階;
(2) ペプチド間の結合を検出する段階;および
(3) 結合を阻害する試験化合物を選択する段階
を含む、結合の阻害物質をスクリーニングする方法であって、
標的分子とそのパートナー分子の組み合わせがKIF4A/ZNF549、KIF4A/ZNF553、MAPJD/MYC、FGFR1OP/WRNIP1、FGFR1OP/ABL1、およびFGFR1OP/WRNIP1/ABL1からなる群より選択される、方法。
【請求項45】
(1) 標的分子のパートナー分子結合ドメインを含むポリペプチドと、パートナー分子の標的分子結合ドメインを含むポリペプチドとを、試験化合物の存在下で接触させる段階;
(2) ペプチド間の結合を検出する段階;および
(3) 結合を阻害する試験化合物を選択する段階
を含む、肺癌を治療または予防するのに有用な化合物をスクリーニングする方法であって、
標的分子とそのパートナー分子の組み合わせがKIF4A/ZNF549、KIF4A/ZNF553、MAPJD/MYC、FGFR1OP/WRNIP1、FGFR1OP/ABL1、およびFGFR1OP/WRNIP1/ABL1からなる群より選択される、方法。
【請求項46】
パートナー分子結合ドメインを含むポリペプチドが、KIF4Aポリペプチド、MAPJDポリペプチド、およびFGFR1OPポリペプチドからなる群より選択されるいずれか一つのペプチドを含む、請求項44または45記載の方法。
【請求項47】
標的分子結合ドメインを含むポリペプチドが、ZNF549ポリペプチド、ZNF553ポリペプチド、MYCポリペプチド、WRNIP1ポリペプチド、およびFGFR1OPポリペプチドからなる群より選択されるいずれか一つのペプチドを含む、請求項44または45記載の方法。
【請求項48】
(a) 標的分子のパートナー分子結合ドメインを含むポリペプチド;
(b) パートナー分子の標的分子結合ドメインを含むポリペプチド;および
(c) ポリペプチド間の相互作用を検出するための試薬
を含む、結合の阻害物質をスクリーニングするためのキットであって、
標的分子とそのパートナー分子の組み合わせがKIF4A/ZNF549、KIF4A/ZNF553、MAPJD/MYC、FGFR1OP/WRNIP1、FGFR1OP/ABL1、およびFGFR1OP/WRNIP1/ABL1からなる群より選択される、キット。
【請求項49】
(a) 標的分子のパートナー分子結合ドメインを含むポリペプチド;
(b) パートナー分子の標的分子結合ドメインを含むポリペプチド;および
(c) ポリペプチド間の相互作用を検出するための試薬
を含む、肺癌の治療または予防に有用な化合物をスクリーニングするためのキットであって、
標的分子とそのパートナー分子の組み合わせがKIF4A/ZNF549、KIF4A/ZNF553、MAPJD/MYC、FGFR1OP/WRNIP1、FGFR1OP/ABL1、およびFGFR1OP/WRNIP1/ABL1からなる群より選択される、キット。
【請求項50】
パートナー分子結合ドメインを含むポリペプチドが、KIF4Aポリペプチド、MAPJDポリペプチド、およびFGFR1OPポリペプチドからなる群より選択されるいずれか一つのペプチドを含む、請求項48または49記載のキット。
【請求項51】
標的分子結合ドメインを含むポリペプチドが、ZNF549ポリペプチド、ZNF553ポリペプチド、MYCポリペプチド、WRNIP1ポリペプチド、およびABL1ポリペプチドからなる群より選択されるいずれか一つのペプチドを含む、請求項48または49記載のキット。
【請求項52】
MAPJD/HAT複合体を介したアセチル化の調節物質をスクリーニングする方法であって、
(1) 試験化合物を、HAT複合体に結合したMAPJDポリペプチドおよび該ポリペプチドによりアセチル化される基質に、基質のアセチル化を可能にする条件下で接触させる段階;
(2) 基質のアセチル化レベルを検出する段階;ならびに
(3) 試験化合物の非存在下で検出された対照アセチル化レベルと比較して、アセチル化されるべき基質のアセチル化レベルを低下させる試験化合物を阻害物質として選択する段階;試験化合物の非存在下で検出された対照アセチル化レベルと比較して、アセチル化されるべき基質のアセチル化レベルを増大させる試験化合物を促進物質として選択する段階
を含む、方法。
【請求項53】
肺癌を治療または予防するのに有用な化合物をスクリーニングする方法であって、
(1) 試験化合物を、HAT複合体に結合したMAPJDポリペプチドおよび該ポリペプチドによりアセチル化される基質に、基質のアセチル化を可能にする条件下で接触させる段階;
(2) 基質のアセチル化レベルを検出する段階;ならびに
(3) 試験化合物の非存在下で検出された対照アセチル化レベルと比較して、アセチル化されるべき基質のアセチル化レベルを低下させる試験化合物を選択する段階
を含む、方法。
【請求項54】
アセチル化されるべき基質がヒストンH4である、請求項52または53記載の方法。
【請求項55】
MAPJDポリペプチドおよびHAT複合体が生細胞中で発現される、請求項52または53記載の方法。
【請求項56】
(a) MAPJDポリペプチドおよびHAT複合体を発現する細胞、ならびに
(b) ヒストンH4のアセチル化レベルを検出するための試薬
を含む、MAPJD/HAT複合体を介したアセチル化の調節物質をスクリーニングするためのキット。
【請求項57】
(a) MAPJDポリペプチドおよびHAT複合体を発現する細胞、ならびに
(b) ヒストンH4のアセチル化レベルを検出するための試薬
を含む、肺癌の治療または予防に有用な化合物をスクリーニングするためのキット。
【請求項58】
MAPJD/HAT複合体およびMAPJD/MYC複合体からなる群より選択される複合体とEボックスモチーフとの間の結合の阻害物質をスクリーニングする方法であって、
(1) 試験化合物を、HAT複合体またはMYCに結合したMAPJDポリペプチドまたはその機能的同等物およびEボックスモチーフを含むポリヌクレオチドに接触させる段階;
(2) ポリペプチドとポリヌクレオチドとの間の結合を検出する段階;ならびに
(3) 結合を阻害する試験化合物を選択する段階
を含む、方法。
【請求項59】
肺癌を治療または予防するのに有用な化合物をスクリーニングする方法であって、
(1) 試験化合物を、HAT複合体またはMYCに結合したMAPJDポリペプチドまたはその機能的同等物およびEボックスモチーフを含むポリヌクレオチドに接触させる段階;
(2) ポリペプチドとポリヌクレオチドとの間の結合を検出する段階;ならびに
(3) 結合を阻害する試験化合物を選択する段階
を含む、方法。
【請求項60】
ポリヌクレオチドが、転写調節領域と該転写調節領域の制御下で発現されるレポーター遺伝子とを含むベクターであり、該転写調節領域がEボックスモチーフを含み、かつ該レポーター遺伝子の発現レベルまたは活性を測定することにより結合が検出される、請求項58または59記載の方法。
【請求項61】
ポリヌクレオチドが、SBNO1、TGFBRAP1、RIOK1、およびRASGEF1Aからなる群より選択される遺伝子の5'隣接領域より選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項58または59記載の方法。
【請求項62】
EボックスモチーフとMAPJD/HAT複合体およびMAPJD/MYC複合体からなる群より選択される複合体との間の結合に対する阻害物質をスクリーニングするためのキットであって、
(a) MAPJDポリペプチドまたはその機能的同等物およびHAT複合体またはMYCを発現する細胞であって、該細胞が転写調節領域と該転写調節領域の制御下で発現されるレポーター遺伝子とを含むベクターでトランスフェクションされ、かつ該転写調節領域がEボックスモチーフを含む、細胞、ならびに
(b) レポーター遺伝子の発現レベルまたは活性を検出するための試薬
を含む、キット。
【請求項63】
肺癌の治療または予防に有用な化合物をスクリーニングするためのキットであって、
(a) MAPJDポリペプチドまたはその機能的同等物およびHAT複合体またはMYCを発現する細胞であって、該細胞が転写調節領域と該転写調節領域の制御下で発現されるレポーター遺伝子とを含むベクターでトランスフェクションされ、かつ該転写調節領域がEボックスモチーフを含む、細胞、ならびに
(b) レポーター遺伝子の発現レベルまたは活性を検出するための試薬
を含む、キット。
【請求項64】
ABL1を介したWRNIP1のリン酸化の調節物質をスクリーニングする方法であって、
(a) 試験化合物を、FGFR1OPポリペプチドまたはその機能的同等物、WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物、およびABL1ポリペプチドまたはその機能的同等物に、WRNIP1ポリペプチドのリン酸化に適した条件で接触させる段階;
(b) WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物のリン酸化レベルを検出する段階;ならびに
(c) 試験化合物の非存在下で検出された対照リン酸化レベルと比較して、リン酸化されていると段階(b)において検出された、リン酸化レベルを増大させる試験化合物を促進物質として選択する段階;試験化合物の非存在下で検出された対照リン酸化レベルと比較して、リン酸化されていると段階(b)において検出された、リン酸化レベルを低下させる試験化合物を阻害物質として選択する段階
を含む、方法。
【請求項65】
肺癌を治療または予防するのに有用な化合物をスクリーニングする方法であって、
(a) 試験化合物を、FGFR1OPポリペプチドまたはその機能的同等物、WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物、およびABL1ポリペプチドまたはその機能的同等物に、WRNIP1ポリペプチドのリン酸化に適した条件で接触させる段階;
(b) WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物のリン酸化レベルを検出する段階;ならびに
(c) 試験化合物の非存在下で検出された対照リン酸化レベルと比較して、リン酸化されていると段階(b)において検出された、リン酸化レベルを増大させる試験化合物を選択する段階
を含む、方法。
【請求項66】
ABL1を介したWRNIP1リン酸化の調節物質をスクリーニングする方法であって、
(a) 試験化合物を、FGFR1OPポリペプチドまたはその機能的同等物、WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物、およびABL1ポリペプチドまたはその機能的同等物を発現する細胞に接触させる段階、
(b) WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物のリン酸化レベルを検出する段階、ならびに
(c) 試験化合物の非存在下で検出された対照リン酸化レベルと比較して、リン酸化されていると段階(b)において検出された、リン酸化レベルを増大させる試験化合物を促進物質として選択する段階;試験化合物の非存在下で検出された対照リン酸化レベルと比較して、リン酸化されていると段階(b)において検出された、リン酸化レベルを低下させる試験化合物を阻害物質として選択する段階
を含む、方法。
【請求項67】
肺癌を治療または予防するのに有用な化合物をスクリーニングする方法であって、
(a) 試験化合物を、FGFR1OPポリペプチドまたはその機能的同等物、WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物、およびABL1ポリペプチドまたはその機能的同等物を発現する細胞に接触させる段階;
(b) WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物のリン酸化レベルを検出する段階;ならびに
(c) 試験化合物の非存在下で検出された対照リン酸化レベルと比較して、リン酸化されていると段階(b)において検出された、リン酸化レベルを増大させる試験化合物を選択する段階
を含む、方法。
【請求項68】
ABL1を介したWRNIP1リン酸化の調節物質をスクリーニングするためのキットであって、
(a) FGFR1OPポリペプチドまたはその機能的同等物、WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物、およびABL1ポリペプチドまたはその機能的同等物を発現する細胞、ならびに
(b) WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物のリン酸化レベルを検出するための試薬
を含む、キット。
【請求項69】
肺癌の治療または予防に有用な化合物をスクリーニングするためのキットであって、
(a) FGFR1OPポリペプチドまたはその機能的同等物、WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物、およびABL1ポリペプチドまたはその機能的同等物を発現する細胞、ならびに
(b) WRNIP1ポリペプチドまたはその機能的同等物のリン酸化レベルを検出するための試薬
を含む、キット。
【請求項70】
以下からなる群より選択される作用物質または化合物を対象に投与する段階を含む、対象において肺癌を治療または予防する方法:
(a) 標的分子とパートナー分子との間の結合を阻害する作用物質であって、標的分子とそのパートナー分子の組み合わせがKIF4A/ZNF549、KIF4A/ZNF553、MAPJD/MYC、FGFR1OP/WRNIP1、およびFGFR1OP/ABL1からなる群より選択される、作用物質、
(b) HAT複合体に結合したMAPJDポリペプチドによるヒストンH4のアセチル化を阻害する作用物質、
(c) HAT複合体またはMYCに結合したMAPJDポリペプチドとEボックスモチーフを含むポリヌクレオチドとの間の結合を阻害する作用物質、ならびに
(d) ABL1ポリペプチドによるWRBIP1ポリペプチドのリン酸化を促進する作用物質。
【請求項71】
有効成分としての、請求項52、58、62、および66のいずれか一項記載の方法によって選択された化合物の薬学上有効量、ならびに薬学的に許容される担体を含む、肺癌を治療または予防するための組成物。
【請求項72】
以下からなる群より選択される作用物質または化合物の使用:
(a) 標的分子とパートナー分子との間の結合を阻害する作用物質であって、標的分子とそのパートナー分子の組み合わせがKIF4A/ZNF549、KIF4A/ZNF553、MAPJD/MYC、FGFR1OP/WRNIP1、およびFGFR1OP/ABL1からなる群より選択される作用物質、
(b) HAT複合体に結合したMAPJDポリペプチドによるヒストンH4のアセチル化を阻害する作用物質、
(c) HAT複合体またはMYCに結合したMAPJDポリペプチドとEボックスモチーフを含むポリヌクレオチドとの間の結合を阻害する作用物質、ならびに
(d) ABL1ポリペプチドによるWRBIP1ポリペプチドのリン酸化を促進する作用物質。
【請求項73】
(a) SEQ ID NO: 59(FGFR1OP)のSEQ ID NO: 98(コドン番号7〜173)、SEQ ID NO: 57(NPTX1)の(コドン番号20〜145)、またはSEQ ID NO: 57(NPTX1)のSEQ ID NO: 100(コドン番号297〜430)からなる群より選択される抗原ペプチドによって動物を免疫する段階;および
(b) 段階(a)の抗原ペプチドに特異的に結合する抗体を選択する段階
を含む方法によって産生される、抗体。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−501172(P2010−501172A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525261(P2009−525261)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際出願番号】PCT/JP2007/066825
【国際公開番号】WO2008/023840
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(502240113)オンコセラピー・サイエンス株式会社 (142)
【Fターム(参考)】