説明

胃腸の健康を改善するための方法および組成物

胃腸の健康を維持または改善する量の少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実を、不健康な胃腸状態に罹患しやすい動物または罹患している動物に投与することにより、動物の胃腸の健康を維持または改善する方法。1態様においては、下痢を予防もしくは治療し、または糞便の質を改善するために、動物にバナナを投与する。他の態様においては、バショウ属バナナ果実を食物、プレバイオティック、プロバイオティックおよび下痢止め薬のうち1種類以上と組み合わせて投与する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の引照
[0001] 本出願は、米国仮特許出願No. 60/728,151(2005年10月19日出願)に基づく優先権を主張し、その開示内容を本明細書に援用する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
[0002] 本発明は、一般に胃腸の健康を維持および改善するための方法および組成物、特に胃腸の健康を維持および改善するためのバショウ属バナナ果実(banana musa fruit)の使用に関する。
【0003】
関連技術の記述
[0003] バショウ属バナナ果実、特にバナナおよびプランテーン(plantain)の一群は、有史以来ヒトに食物、衣服、道具および住まいを提供してきた。バナナおよびプランテーンは今日ではあらゆる湿潤熱帯地域に生育し、世界で4番目に大きな果実収穫高を構成している。世界のバナナの消費量は、2010年には約1500万トンになると予想される。バナナは、バナナの栽培変種、成熟度および生育条件に応じて約74%の水、23%の炭水化物、1%のタンパク質、0.5%の脂肪および2.6%の繊維を含有する。バナナは良好なエネルギー源および豊富なカリウム源であることが知られている。
【0004】
[0004] 米国特許出願No. 20010022986には、スポーツドリンクとしてまたは電解質損失を置換するための療法薬として有用な電解質飲料中に、バナナ香味剤を使用することが開示されている。USP No. 4,597,970には、チューインガム中に香味剤としてバナナ油を使用することが開示されている。USP No. 6,093,425には、バナナフレーバードミルク組成物が開示されている。
【0005】
[0005] 動物が普通の体調であるためには胃腸の健康状態が良好であることが必要であるが、残念ながら不健康な胃腸が一般的にみられる。胃腸の不健康はきわめて重大であって医学的に注意を要する可能性がある;たとえばクローン病、過敏性大腸症候群、およびそのような他の慢性状態。他の形の不健康な胃腸は重大性がより低く、本質的に自己制限することができる;たとえば、しばしば下痢、糞便の質の低下、その他の不健康な胃腸の症状をもたらす食物媒介ウイルス疾患および腸インフルエンザ。不健康な胃腸は多様な原因で起きる。たとえば小腸細菌過剰増殖(small intestinal bacterial overgrowth、IBO)は、ヒト、ならびに愛玩動物、たとえばイヌ、ネコおよびウマに起きる。IBOは運動性不良、食物貯留または胃液酸度低下により起きる可能性がある。さらに、動物は良好な健康を維持するために効率的かつ適正に食物を消化しなければならない。しかし、不健康な胃腸は普通の食物消化を妨げ、動物の健康および体調に有害な影響を及ぼす。
【0006】
[0006] 多くの胃腸障害が下痢、すなわちゆるい水様糞便を伴い、これは動物またはその介護者にとってきわめて不快となる可能性がある。さらに、ある種の食物は下痢を生じ、または悪化させる傾向がある。たとえばUSP No. 6,280,779には、チャンク・アンド・グレービー(chunks and gravy)飼料を摂取するペットについて下痢が著しい問題となる可能性があると開示されている。糞便の質の低下も、下痢を生じない、より軽症の不健康な胃腸の指標となる場合がしばしばある。
【0007】
[0007] 胃腸の健康を維持および改善するための現在の方法は、食事の改変、胃腸の健康に効果があると考えられる多様な食物成分の投与、または胃腸の健康を維持および改善するのに有用であると考えられる多様な薬物の投与を伴う場合が多い。これらの方法は有用ではあるが、問題を解決してはいない。したがって、動物の胃腸の健康を維持および改善するための新規な方法および組成物が求められている。
【0008】
発明の概要
[0008] したがって本発明の目的は、胃腸の健康を維持または改善するのに有用な方法および組成物を提供することである。
【0009】
[0009] 本発明の他の目的は、下痢を予防または治療するのに有用な方法および組成物を提供することである。
[0010] 本発明の他の目的は、糞便の質を改善するのに有用な方法および組成物を提供することである。
【0010】
[0011] 本発明の他の目的は、胃腸の健康を維持または改善するのに有用な組成物および他の構成要素の組合わせを収容したキットの形の製品を提供することである。
[0012] これらおよび他の目的は、動物の胃腸の健康を改善するための新規な方法および組成物により達成される。これらの方法は、不健康な胃腸状態に罹患しやすい動物または罹患している動物に、胃腸の健康を改善する量の少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実を投与することを含む。これらの組成物は、胃腸の健康を維持または改善するのに十分な量の、少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実、ならびに(1)動物が摂取するのに適切な成分、(2)プロバイオティック(probiotic)、プレバイオティック(prebiotic)および下痢止め薬よりなる群から選択される少なくとも1種類の、胃腸の健康を改善する物質、ならびに(3)少なくとも1種類の微生物細胞外多糖よりなる群から選択される、少なくとも1種類の成分を含む。
【0011】
[0013] 本発明のバショウ属バナナ果実および組成物は、胃腸の健康の維持または改善、特に下痢の予防または治療、および糞便の質の改善に予想外に有効であり、したがって動物の健康および体調を改善するために使用できる。
【0012】
[0014] さらに本発明の他の目的、特色および利点は当業者に容易に認識されるであろう。
発明の詳細な記述
定義
[0015] 用語”動物”は、不健康な胃腸状態に罹患しやすい動物または罹患している動物を意味する。動物がある状態または疾患を発現する可能性があることの指標となる症状を示す場合、その動物はその疾患または状態”に罹患しやすい(susceptible to)”。動物がある状態または疾患を発現していることの指標となる症状を示す場合、その動物はその疾患または状態”に罹患している(suffering from)”。
【0013】
[0016] 用語”組み合わせて”は、本発明の1以上の組成物または配合物(たとえば下痢止め薬または組成物成分)を、(1)食物組成物中で一緒に、または(2)別個に、同一もしくは異なる頻度で、同一もしくは異なる投与経路を用いて、ほぼ同時もしくは周期的に、動物に投与することを意味する。”周期的に”は、組成物、食物組成物および配合物を、特定の組成物、食物組成物および配合物について許容できる投与計画で投与すること、および動物に食物組成物をその動物に適合させてルーティンに投与または供給することを意味する。”ほぼ同時に”は、一般に組成物、組成物成分、下痢止め薬および食物組成物を同時に、または互いに約72時間以内に投与することを意味する。組み合わせては、具体的には下痢止め薬を処方期間投与し、本発明組成物を不定期に投与する投与計画を含む。
【0014】
[0017] 用語”単一パッケージ”は、キットの構成要素が1以上の容器内に、または容器により、物理的にまとめられており、製造、流通、販売または使用のための単位とみなされることを意味する。容器にはバッグ、ボックス、ボトル、収縮ラップパッケージ、ホチキス留めその他の形で固定された構成要素、またはその組合わせが含まれるが、これらに限定されない。単一パッケージは、個々の食物組成物の容器が製造、流通、販売または使用のための単位とみなされる状態で物理的にまとめられたものであってもよい。
【0015】
[0018] 用語”仮想パッケージ”は、キットの構成要素が、1以上の物理的または仮想のキット構成要素に関して他の構成要素を入手する方法を利用者に指令する指示によりまとめられていることを意味する;たとえば下記のものを収容したバッグ:1つの構成要素、およびキットの使用方法に関する指令を得るために、ウェブサイトを訪れる、記録されたメッセージに接触する、ビジュアルメッセージを見る、または医療関係者もしくはインストラクターと連絡をとるように利用者に指令する指示。
【0016】
[0019] 用語”下痢止め薬”は、下痢を予防または治療するのに有用ないずれかの配合物、組成物または薬物を意味する。
[0020] 用語”バショウ属バナナ果実”は、動物に投与するのに適切ないずれかの形態の果実を意味し、これには生の果実、調理した果実、果実抽出物、果実チップなどが含まれる。
【0017】
本発明
[0021] 1観点において、本発明は動物の胃腸の健康を維持または改善する方法を提供する。本発明方法は、不健康な胃腸状態に罹患しやすい動物または罹患している動物に、胃腸の健康を維持または改善する量の少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実を投与することを含む。1態様において、本発明方法は、下痢を予防または治療することにより胃腸の健康を維持または改善することを含む。他の態様において、本発明方法は、糞便の質を改善することにより胃腸の健康を改善することを含む。
【0018】
[0022] 本発明に有用なバショウ属バナナ果実は、胃腸の健康を維持または改善しうるいずれかのバショウ属バナナ果実である。本発明に使用するのに適切なバショウ属バナナ果実の例には、プランテーン、バナナおよびその組合わせが含まれる。好ましくは、バショウ属バナナ果実はバナナである。
【0019】
[0023] 一般に、バショウ属バナナ果実を一日当たり約0.02〜約3 g/kg体重、好ましくは一日当たり約0.2〜約1.5 g/kg体重の量で動物に投与する。
[0024] バショウ属バナナ果実をいずれか適切な手段で、たとえば経口的に動物に投与する。経口投与に適切ないずれかの形態、たとえば錠剤、丸剤、懸濁液剤、液剤、乳剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、および美味な食物組成物、たとえばヒトのための菓子、または飼育動物用のおやつ(褒美、treat)もしくはフレーバー付きおやつの形で、バショウ属バナナ果実を動物に経口投与する。
【0020】
[0025] 他の観点において、本発明方法はさらに、バショウ属バナナ果実を動物が摂取するのに適切な1種類以上の成分と組み合わせて投与することを含む。好ましい態様においては、バショウ属バナナ果実と成分を動物に投与する前に混合する。一般に、バショウ属バナナ果実は混合物の約0.1〜約5重量%、好ましくは組成物の約0.2〜約3重量%、最も好ましくは約0.3〜約1.5重量%を構成する。バショウ属バナナ果実は、毒性を有さないかあるいは動物の健康に有害ではない量で投与すべきである。別途明示しない限り、本発明組成物の重量はすべて、構成要素および成分をすべて混合した後の組成物の乾燥重量を基準とする。
【0021】
[0026] 動物が摂取するのに適切な成分はいずれも本発明に使用できる。1態様において、成分は当業者に既知の食物成分、好ましくは動物の健康を増進することが知られている成分である。一般的な食物成分には、脂肪、炭水化物、タンパク質、繊維、ならびに栄養剤、たとえばビタミン、無機質および微量要素が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、その動物の食事要求、たとえば動物の種、年齢、体格、体重、健康状態および機能に基づいて、食物成分の量および種類を選択することができる。
【0022】
[0027] 他の観点において、本発明方法はさらに、バショウ属バナナ果実を、プロバイオティック、プレバイオティックおよび下痢止め薬よりなる群から選択される少なくとも1種類の、胃腸の健康を改善する物質と組み合わせて投与することを含む。
【0023】
[0028] 本発明に有用なプロバイオティックは、摂取した場合に特定の病的状態の予防および治療に有益な効果をもつ生存微生物である。プロバイオティックは、定着抵抗性(colonization resistance)として知られる現象により生物学的作用を及ぼすと考えられている。プロバイオティックは、嫌気性常在細菌叢が潜在的に有害な(大部分は好気性)細菌の消化管内濃度を制限するプロセスを促進する。他の作用様式、たとえば胃腸管内での酵素の供給または酵素活性への影響も、プロバイオティックに起因するとされている他の機能のうちあるものを説明することができる。プレバイオティックは、結腸内の細菌の増殖および/または活性を選択的に刺激することによりホストの健康に有益な効果を与える非消化性食物成分である。プレバイオティックであるフルクトオリゴ糖(FOS)は、コムギ、タマネギ、バナナ、蜂蜜、ガーリックおよびリーキ(セイヨウニラネギ、leek)など多数の食物中に天然にみられる。FOSはチコリ(キクニガナ、chicory)根から単離することもでき、あるいはショ糖から酵素合成することもできる。FOSが結腸内で発酵すると、結腸内のビフィズス菌数の増加、カルシウム吸収の増大、糞便重量の増加、胃腸内通過時間の短縮、およびおそらく血中脂質濃度の低下を含めた、多数の生理的効果が得られる。ビフィズス菌の増加は、潜在病原体を阻害する化合物の産生、血中アンモニア濃度の低下、ならびにビタミンおよび消化酵素の産生により、ヒトの健康に有益であると推定されている。プロバイオティック細菌、たとえば乳酸杆菌属(Lactobacilli)またはビフィドバクテリウム属(ビフィズス菌、Bifidobacteria)の菌は、腸管微生物バランスを改善して抗体産生および白血球の食細胞(食いつくす、または殺す)活性を高めることにより、免疫反応にプラスの影響を与えると考えられている。ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)は、高齢者において細胞性免疫のある面を増強するのに有効なプロバイオティック食事サプリメントであろう。プロバイオティックは全身の細胞性免疫反応を増強し、他の点では健康な成体の自然免疫を追加免疫する食事サプリメントとして使用できる。プロバイオティックには多数のタイプの細菌が含まれるが、一般に4つの細菌属から選択される:アシドフィルス菌(好酸性乳酸杆菌、Lactobacilllus acidophilus)、ビフィドバクテリウム属、ラクトコッカス属(Lactococcus)およびペディオコッカス属(Pediococcus)。動物に投与するプロバイオティックおよびプレバイオティックの量は、プロバイオティックおよびプレバイオティックのタイプおよび性質、ならびに動物のタイプおよび性質、たとえば年齢、体重、全般的健康状態、性別、微生物枯渇の程度、有害細菌の存在、ならびに動物の食事に基づいて、当業者により決定される。一般にプロバイオティックは、腸管微生物叢を健全に維持するために一日当たり約10〜約200億コロニー形成単位(CFU)の量、好ましくは一日当たり約50〜約100億個の生菌数で動物に投与される。一般にプレバイオティックは、健全な腸管微生物叢にプラスの刺激を与えてこれらの”善玉”細菌を増殖させるのに十分な量で投与される。一般的な量は、1回当たり約1〜約10g、または動物について推奨される一日の食事性繊維の約5〜約40%である。プロバイオティックおよびプレバイオティックをいずれか適切な手段で本発明組成物の一部にすることができる。一般にこれらの物質を本発明組成物と混合し、または本発明組成物の表面に、たとえば散布により付与する。これらの物質がキットの一部である場合、これらの物質を他の材料と混合してもよく、またはそれら自身のパッケージ中にあってもよい。
【0024】
[0029] 本発明に有用な下痢止め薬は、下痢に対処するのに有用であることが当業者に知られているいずれかの下痢止め薬、たとえばロペラミド(loperamide)、ジフェノキシラート(diphenoxylate)、パンクレリパーゼ(pancrelipase)、およびアヘンチンキである。全体観的(holistic)な下痢止め薬および組成物、たとえばペパーミントおよびショウガ(生姜)も本発明に含まれる。下痢止め薬は、その下痢止め薬に適切ないずれかの方法を用いて、下痢を治療または予防するのに十分なことが当業者に知られている量で動物に投与される。下痢止め薬は、下痢の発症率または重症度を低下させることにより胃腸管に有益な効果を与える。
【0025】
[0030] 他の観点において、本発明方法はさらに、バショウ属バナナ果実を少なくとも1種類の微生物細胞外多糖と組み合わせて投与することを含む。
[0031] 本発明に有用な微生物細胞外多糖は、下痢を予防または治療することができるいずれかの微生物細胞外多糖である。本発明に使用するのに適切な微生物細胞外多糖の例には、一般にスフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)、アグロバクテリウム・ビオバル(Agrobacterium biovar)、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)菌種、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、アセトバクター・キシリウム(Acetobacter xylinum)、スクレロチウム・ロルフシィ(Sclerotium rolfsii)、シゾフィラム・コムーネ(スエヒロタケ、Schizophyllum commune)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)およびスクレロチウム・グルカニカム(Sclerotium glucanicum)よりなる群から選択される菌が合成した微生物細胞外多糖が含まれる。ある態様において、微生物細胞外多糖はラムサン(rhamsan)、クルドラン(curdlan)、キサンタンガム、スクレログルカン(scleroglucan)、PS-10ガム、PS-21ガム、PS-53ガム、アルカリゲネス属菌種由来の多糖、PS-7ガム、ゲランガム、クルドラン、細菌性アルギナート、デキストラン、プルラン(pullulan)、パン酵母グリカン、細菌性セルロース、6-デオキシ-ヘキソース含有多糖、およびその組合わせよりなる群から選択される。
【0026】
[0032] 好ましい態様において、微生物細胞外多糖にはゲランガムが含まれる。ゲランガムはスフィンゴモナス・パウシモビリス(エロデア(elodea))(ATCC31461)による発酵で作られる線状多糖である。ゲランガムの工業的製造は、グルコース、グルクロン酸およびラムノースを含有する発酵ブロスにスフィンゴモナス・パウシモビリスを接種して、2:1:1の比率の四糖反復単位を形成させることにより実施できる。ゲランガムはその天然の形では、反復単位当たり1.5個のアシル基(アセチルおよびグリセラート)で高度にアシル化されている。ゲランガムの基本的な下痢止め活性が著しく低下しない限り、アシル基の数およびタイプを共に変更できる。これらの種々の形のものを、CP Kelcoから下記を含めた種々の商品名で入手できる;Gelrite(登録商標)、K9A50、および他のKelcoゲランガム:Kelcogel LT(登録商標)、Kelcogel F、およびKelcogel LT100(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書全体を通して用いる”ゲラン”は、下痢止め機能が維持される限り、天然ガムまたはアシル修飾ガムを表わす。
【0027】
[0033] 一般に、微生物細胞外多糖は一日当たり約0.05〜約2 g/kg体重の量で投与される。
[0034] バショウ属バナナ果実を多様な組合わせの食物成分、プロバイオティック、プレバイオティック、下痢止め薬および微生物細胞外多糖と組み合わせて投与できる。たとえば、胃腸の健康を維持するために、バショウ属バナナ果実をプレバイオティックと組み合わせて投与できる。同様に、下痢を治療し、胃腸の健康を改善するために、バショウ属バナナ果実をプロバイオティックおよび下痢止め薬と組み合わせて投与できる。
【0028】
[0035] 他の観点において、本発明は動物の胃腸の健康を維持または改善するのに有用な組成物を提供する。本発明組成物は、胃腸の健康を維持または改善する量の、少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実、ならびに(1)動物が摂取するのに適切な成分、(2)プロバイオティック、プレバイオティックおよび下痢止め薬よりなる群から選択される少なくとも1種類の、胃腸の健康を改善する物質、ならびに(3)少なくとも1種類の微生物細胞外多糖よりなる群から選択される、少なくとも1種類の成分を含む。
【0029】
[0036] 本発明は、バショウ属バナナ果実を含む多様な組成物、たとえば食物、サプリメント、おやつおよび玩具を提供する。1態様において、本発明組成物には、1種類以上の食物成分および1種類以上のバショウ属バナナ果実を含む、動物が摂取するための食物が含まれる。多様な態様において、食物成分は食肉、食肉副産物、乳製品、卵製品、およびその組合わせよりなる群から選択される。一般に食物成分は、動物、たとえばネコまたはイヌの栄養要求を満たすのに十分なものである。液体食および固形食の両方が提供されるが、固形食の方が一般に好ましい。食物が固形である場合、バショウ属バナナ果実を食物上にコーティングし、食物中に取り込ませ、または両方であってもよい。他の態様において、本発明組成物には動物用食物サプリメントが含まれる。サプリメントには、たとえば全体的な栄養バランスまたは性能を改善するために他の食料と共に用いられる食料が含まれる。使用できるサプリメントには、他の食料に対する補助食物として希釈せずに供給される組成物、別個に入手される動物用規定食の他の部分と共に自由選択して与えられる組成物、または動物の通常の食料で希釈および混合して完成した食料を調製する組成物が含まれる。たとえばAAFCOは、サプリメントに関する考察をAmerican Feed Control Officials, Inc. Official Publication, p.220 (2003)に示している。サプリメントは、たとえば散剤、液剤、シロップ剤、丸剤、カプセル化組成物などを含めた多様な形態であってよい。他の態様において、本発明組成物には動物用おやつが含まれる。おやつには、たとえば動物に与えて食事時間以外に食べるように動物を仕向ける組成物が含まれる。イヌ類に考慮されるおやつには、たとえばイヌ用の骨が含まれる。おやつは栄養性のものであってもよく、その場合、本発明組成物は1種類以上の栄養素を含み、たとえば前記に食物について記載した組成をもつことができる。非栄養性のおやつには、毒性のない他のおやつがいずれも含まれる。バショウ属バナナ果実をおやつ上にコーティングし、おやつ中に取り込ませ、または両方であってもよい。他の態様において、本発明組成物には玩具が含まれる。玩具には、咀しゃく玩具および摂取できる(食べられる)玩具が含まれる。イヌ用として可能な玩具には、人造の骨が含まれる。バショウ属バナナ果実は玩具の表面もしくは玩具構成部品の表面のコーティングを形成し、玩具の一部もしくは全体に取り込まれ、または両方であってもよい。ある態様においては、使用する対象がバショウ属バナナ果実を経口摂取できる。広範な適切な玩具が現在市販されている。たとえばUSP No. 5,339,771(およびUSP No. 5,339,771に開示された参考文献)を参照。たとえばUSP No. 5,419,283(およびUSP No. 5,419,283に開示された参考文献)も参照されたい。本発明には、部分的に摂取できる玩具(たとえばプラスチック構成要素を含む玩具)および完全に摂取できる玩具(たとえば生皮および種々の人造の骨)が共に含まれる。本発明には、ヒト用、ならびにヒト以外、特に愛玩動物、農場動物および動物園の動物、特にイヌまたはネコ用の玩具も共に含まれる。
【0030】
[0037] 動物へのバショウ属バナナ果実の投与は、動物の胃腸の健康を維持または改善するために、特に下痢の予防または治療、および糞便の質の改善のために有用である。具体的には、動物へのバショウ属バナナ果実の投与は、時折り下痢をする傾向のある動物において下痢を予防し、既に下痢が起きている動物において下痢を軽減することが示された。動物へのバショウ属バナナ果実の投与は、下痢にまで進行していない不健康な胃腸状態にある動物において糞便の質を改善することも示された。
【0031】
[0038] 本発明の方法および組成物は、不健康な胃腸状態に罹患しやすい、または罹患している、ヒトおよびヒト以外の多様な動物に有用であり、これには鳥類、ウシ類、イヌ類、ウマ類、ネコ類、ヤギ類、ネズミ類、ヒツジ類、およびブタ類などの動物が含まれる。ある態様において、動物は愛玩動物、たとえばイヌ類またはネコ類、特にイヌまたはネコである。
【0032】
[0039] 他の観点において、本発明はバショウ属バナナ果実を動物に投与するのに適切なキットを提供する。本発明のキットは、キット構成要素に適合させて単一パッケージ内の別個の容器中または仮想パッケージ内の別個の容器中に、少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実、ならびに(1)異なるバショウ属バナナ果実、(2)動物が摂取するのに適切な1種類以上の成分、(3)1種類以上の微生物細胞外多糖、(4)プロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の、胃腸管を改善する物質、(5)1種類以上の下痢止め薬、(6)バショウ属バナナ果実と他のキット構成要素を組み合わせて、胃腸の健康を維持または改善するための、特に下痢の予防もしくは治療または糞便の質の改善に有用な組成物を調製するための方法に関する指示、ならびに(7)バショウ属バナナ果実および本発明の他の成分を、特に動物に有益であるように使用する方法に関する指示のうち少なくとも1つを含む。キットが仮想パッケージを含む場合、キットは1以上の物理的キット構成要素と組み合わせた仮想環境における指示に制限される。キットは、胃腸の健康を維持または改善するのに十分な量のバショウ属バナナ果実および他の成分を含む。一般に、バショウ属バナナ果実と他の適切なキット構成要素を動物が摂取する直前に混合する。1態様において、キットは、1種類以上のバショウ属バナナ果実を収容したパケットおよび動物が摂取する食物の容器を含む。キットは追加品目、たとえばバショウ属バナナ果実と成分を混合する器具または混合物を収容する器具、たとえば食物ボウルを含むことができる。他の態様においては、バショウ属バナナ果実を、動物の良好な健康を促進する追加の栄養サプリメント、たとえばビタミンおよび無機質と混合する。
【0033】
[0040] 他の観点において、本発明は、(1)バショウ属バナナ果実を胃腸の健康の維持または改善に使用すること、(2)バショウ属バナナ果実を糞便の質の改善に使用すること、(3)バショウ属バナナ果実を本発明の他の成分と混合すること、(4)バショウ属バナナ果実を、単独で、または本発明の他の要素と組み合わせて、動物に投与すること、および(5)本発明のキットを下痢の予防もしくは治療または糞便の質の改善のために使用することのうち1以上に関する情報または指示を伝達するための手段であって、これらの情報または指示を収容した文書、ディジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオプレゼンテーションまたはビジュアルディスプレーを含む手段を提供する。ある態様において、伝達手段はこれらの情報または指示を収容した文書、ディジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオプレゼンテーションまたはビジュアルディスプレーを含む。好ましくは、伝達手段はこれらの情報または指示を収容した表示されたウェブサイト、またはパンフレット、製品ラベル、パッケージ挿入物、広告、またはビジュアルディスプレーである。有用な情報には、(1)バショウ属バナナ果実および/または他の成分を混和および投与するための方法および技術、ならびに(2)動物またはその介護者が本発明およびそれの使用に関する質問がある場合に利用するための連絡情報のうち1以上が含まれる。有用な指示には、混合量ならびに投与の量および頻度が含まれる。伝達手段は、本発明を使用することの有益性を指摘し、本発明を動物に投与するための承認された方法を伝達するのに有用である。
【0034】
[0041] 他の観点において、本発明は、医薬を調製するための、胃腸の健康を維持または改善する量の少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実を含む組成物の使用を提供する。他の観点において、本発明は、動物の胃腸の健康を維持または改善する医薬を調製するための、そのような組成物の使用を提供する。一般に医薬は、配合物または組成物を賦形剤、緩衝剤、結合剤、可塑剤、着色剤、希釈剤、圧縮剤、滑沢剤、着香剤、湿潤剤、および医薬の調製に有用なことが当業者に知られている他の成分と混和し、動物に投与するのに適切な医薬を配合することにより調製される。多様な態様において、医薬はさらに、(1)動物が摂取するのに適切な成分、(2)プロバイオティック、プレバイオティックおよび下痢止め薬よりなる群から選択される少なくとも1種類の、胃腸の健康を改善する物質、ならびに(3)少なくとも1種類の微生物細胞外多糖よりなる群から選択される、少なくとも1種類の成分を含む。
【0035】
[0042] 本明細書に記載する特定の方法、プロトコルおよび試薬は変更することができるので、本発明はそれらに限定されない。さらに、本明細書中で用いた用語は特定の態様を記述するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するためものではない。本明細書および特許請求の範囲で用いる単数形には、そうではないことが状況から明示されない限り、複数表示が含まれる。たとえば”バショウ属バナナ果実”という表現には、複数のそのようなバショウ属バナナ果実が含まれる。用語”含む(comprise、comprises、comprising)”は除外ではなく包括と解釈すべきである。
【0036】
[0043] 別途定義しない限り、本明細書中で用いるすべての技術用語および科学用語および頭字語は、本発明の分野の当業者が一般に理解しているものと同じ意味をもつ。本明細書に記載したものと類似または均等な方法および材料をいずれも本発明の実施に使用できるが、好ましい方法、器具および材料を本明細書に記載する。
【0037】
[0044] 本明細書中に報告した本発明により使用できる組成物、配合物、方法およびこれらに類する情報を記載および開示するために、本明細書中で述べたすべての特許、特許出願および刊行物を、法律が許す範囲で本明細書に援用する。ただし、本明細書中のいずれも、本発明が先の発明によるそのような開示に先行する資格がないと認めるものと解釈すべきでない。
【0038】
実施例
[0045] 以下の本発明の好ましい態様により本発明をさらに説明することができるが、これらの例は説明のために含まれるにすぎず、別途明示しない限り、本発明の範囲を限定するためのものではないことは理解されるであろう。
【0039】
実施例1
[0046] 炎症性腸疾患(IBD)または慢性下痢を伴うネコにおいてバナナが下痢の抑制補助に及ぼす効果を調べるために、3つの異なる試験を実施した。これは慢性疾患であり、下痢の抑制は生涯にわたる処置となる。試験計画は3つの試験について同じである。慢性下痢を伴うネコ11匹についての試験を、陽性対照飼料を与えた5匹のネコおよび被験飼料を与えた6匹のネコについて、交差計画で2週間実施した。胃腸窮迫に対して指示される市販の治療食による1週間のウォッシュアウト期間後、陽性対照飼料を与えたネコを次いで被験飼料に切り替え、被験飼料を与えたネコを対照飼料に切り替えた。ネコを定期的にグルーミングした。バナナフレークを含まない陽性対照飼料は、下痢を止めることが示されている成分であるゲランガム(米国特許出願No. 20040180079A1)を配合物中0.3% (または乾燥材料基準で1.2%)濃度で含有し、したがってネコは試験期間全体を通して良好な糞便の質を維持するのに役立つ食物で飼育された。3つの試験についての被験飼料は下記のものであった:
a. 試験1:0.2%のゲランガムを含む対照飼料に0.1%のバナナフレークを加えたもの。この試験を12日間実施した;
b. 試験2:ゲランガムを含まない対照飼料に、代わりに0.3% (または乾燥材料基準で1.2%)のバナナフレークを加えたもの。この試験を各期間につき14日間実施した;および
c. 試験3:ゲランガムを含まない対照飼料に、代わりに0.3%のグリーンバナナ(green banana)粉末を加えたもの。
【0040】
試験期間全体にわたって糞便の質をモニターした。表1は、この試験で調べた食物(そのまま)の組成を示す。
【0041】
【表1】

【0042】
[0047] 試験1:0.1%のバナナフレークおよび0.2%のゲランガムを含む被験飼料。表2は、ネコを対照飼料、ウォッシュアウト飼料または被験飼料で飼育した場合の糞便の質の平均を示す。糞便の質を1〜5の尺度でモニターした;1はゆるい下痢便であり、5は硬い固形便である。許容できる良好な形態とみなされる糞便は4および5の糞便である。許容できるとみなされる糞便を3の糞便と採点し、許容できないとみなされる糞便を1および2の糞便と採点する。次いで一日の糞便の質の数値を平均して試験期間の平均評点を求めた。
【0043】
【表2】

【0044】
[0048] 表3は、試験期間にわたる糞便評点の頻度を示す。これらのデータは、ネコを被験飼料で飼育した場合の79.9%と比較して、対照飼料の場合は71.7%の糞便が4および5の糞便と採点されたことを示す。両飼料とも1または2の糞便と採点される糞便は生じなかった。
【0045】
【表3】

【0046】
[0049] 試験2:0.3%のバナナフレークを含む被験飼料。試験2は、ゲランガムを含まずに0.3%のバナナフレークのみを含有する被験飼料について、試験1と同様に実施された。表4および5のデータも、対照飼料および被験飼料が慢性下痢を伴うネコの下痢を抑制するためにきわめて良好な性能をもち、対照飼料について91.5%、被験飼料について98%の糞便が4および5の糞便と採点されたことを示した。実際には、被験飼料の方が被験飼料よりわずかに有効な可能性があると思われた。
【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
[0050] 試験3:0.3%のグリーンバナナ粉末を含む被験飼料。試験3では、ゲランガムを含まずに0.3%のグリーンバナナ粉末を含む被験飼料を調製した。結果を表6および7に示す。これらのデータは、対照飼料および0.3%のグリーンバナナ粉末を含む被験飼料の両方とも、慢性下痢を伴うネコにおいて下痢を抑制できることを示した。糞便頻度データは、対照飼料について94.1%の糞便が4および5の糞便と採点され、被験飼料について92.8%の糞便が4および5の糞便と採点されたことを示した。
【0050】
【表6】

【0051】
【表7】

【0052】
[0051] まとめると、これらのデータはバナナ(バナナフレークまたはグリーンバナナ粉末)を用いて調製した飼料が、慢性下痢を伴うネコにおいて下痢を抑制することが示されているゲランガムと類似の下痢止め特性を及ぼすことを示す。これら2成分はウォッシュアウト飼料より有意に糞便の質を改善した。これらのデータは、被験飼料が対照飼料と同様な、時には対照飼料よりわずかに良好な性能であったことを示す(試験2、表4および5)。
【0053】
[0052] 本明細書には、本発明の代表的な好ましい態様を開示し、特定の用語を用いたが、それらは一般的に説明の意味で用いたにすぎず、限定のためのものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲に述べられている。明らかに、以上の教示からみて本発明の多数の改変および変更が可能である。したがって、特許請求の範囲の記載の範囲内で、具体的に記載した以外の形で本発明を実施できることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不健康な胃腸状態に罹患しやすい動物または罹患している動物の胃腸の健康を維持または改善する方法であって、胃腸の健康を維持または改善する量の少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実を動物に投与することを含む方法。
【請求項2】
胃腸の健康の維持または改善が、下痢の予防または治療を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
胃腸の健康の改善が、糞便の質の改善を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
バショウ属バナナ果実がバナナである、請求項1の方法。
【請求項5】
バショウ属バナナ果実を動物に一日当たり約0.1〜約2 g/kg体重の量で投与する、請求項1の方法。
【請求項6】
動物がイヌ類またはネコ類である、請求項1の方法。
【請求項7】
さらに、バショウ属バナナ果実を、動物が摂取するのに適切な1種類以上の成分と組み合わせて投与することを含む、請求項1の方法。
【請求項8】
バショウ属バナナ果実と成分を動物に投与する前に混合する、請求項7の方法。
【請求項9】
成分が食物成分である、請求項7の方法。
【請求項10】
バショウ属バナナ果実が混合物の約0.1〜約5%を構成する、請求項7の方法。
【請求項11】
さらに、バショウ属バナナ果実を、プロバイオティック、プレバイオティックおよび下痢止め薬よりなる群から選択される少なくとも1種類の、胃腸の健康を改善する物質と組み合わせて投与することを含む、請求項1の方法。
【請求項12】
さらに、バショウ属バナナ果実を、少なくとも1種類の微生物細胞外多糖と組み合わせて投与することを含む、請求項1の方法。
【請求項13】
微生物細胞外多糖が、ラムサン、クルドラン、キサンタンガム、スクレログルカン、PS-10ガム、PS-21ガム、PS-53ガム、アルカリゲネス属(Alcaligenes)菌種由来の多糖、PS-7ガム、ゲランガム、クルドラン、細菌性アルギナート、デキストラン、プルラン、パン酵母グリカン、細菌性セルロース、6-デオキシ-ヘキソース含有多糖、およびその組合わせよりなる群から選択される、請求項12の方法。
【請求項14】
微生物細胞外多糖がゲランガムを含む、請求項12の方法。
【請求項15】
微生物細胞外多糖を一日当たり約0.05〜約2 g/kg体重の量で投与する、請求項12の方法。
【請求項16】
動物の胃腸の健康を維持または改善するのに有用な組成物であって、胃腸の健康を維持または改善する量の、少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実、ならびに(1)動物が摂取するのに適切な成分、(2)プロバイオティック、プレバイオティックおよび下痢止め薬よりなる群から選択される少なくとも1種類の、胃腸の健康を改善する物質、ならびに(3)少なくとも1種類の微生物細胞外多糖よりなる群から選択される、少なくとも1種類の成分を含む組成物。
【請求項17】
微生物細胞外多糖が、ラムサン、クルドラン、キサンタンガム、スクレログルカン、PS-10ガム、PS-21ガム、PS-53ガム、アルカリゲネス属(Alcaligenes)菌種由来の多糖、PS-7ガム、ゲランガム、クルドラン、細菌性アルギナート、デキストラン、プルラン、パン酵母グリカン、細菌性セルロース、6-デオキシ-ヘキソース含有多糖、およびその組合わせよりなる群から選択される、請求項16の組成物。
【請求項18】
微生物細胞外多糖がゲランガムを含む、請求項16の組成物。
【請求項19】
胃腸の健康を改善する物質が下痢止め薬である、請求項16の組成物。
【請求項20】
バショウ属バナナ果実を動物に投与するのに適切なキットであって、適宜、単一パッケージ内の別個の容器中または仮想パッケージ内の別個の容器中に、少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実、ならびに(1)異なるバショウ属バナナ果実、(2)動物が摂取するのに適切な1種類以上の成分、(3)1種類以上の微生物細胞外多糖、(4)プロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の、胃腸管を改善する物質、(5)1種類以上の下痢止め薬、(6)バショウ属バナナ果実と他のキット構成要素を組み合わせて下痢の予防もしくは治療または糞便の質の改善に有用な組成物を調製する方法に関する指示、ならびに(7)バショウ属バナナ果実および本発明の他の成分を使用する方法に関する指示のうち少なくとも1つを含むキット。
【請求項21】
(1)バショウ属バナナ果実を下痢の予防または治療に使用すること、(2)バショウ属バナナ果実を糞便の質の改善に使用すること、(3)バショウ属バナナ果実を本発明の他の成分と混合すること、(4)バショウ属バナナ果実を、単独で、または本発明の他の要素と組み合わせて、動物に投与すること、および(5)本発明のキットを下痢の予防もしくは治療または糞便の質の改善のために使用することのうち1以上に関する情報または指示を伝達するための手段であって、これらの情報または指示を収容した文書、ディジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオプレゼンテーションまたはビジュアルディスプレーを含む手段。
【請求項22】
表示されたウェブサイト、パンフレット、製品ラベル、パッケージ挿入物、広告、またはビジュアルディスプレーよりなる群から選択される、請求項21の手段。
【請求項23】
動物の胃腸の健康を維持または改善する医薬を調製するための医薬を調製するための、少なくとも1種類のバショウ属バナナ果実を含む組成物の使用。
【請求項24】
組成物がさらに、(1)動物が摂取するのに適切な成分、(2)プロバイオティック、プレバイオティックおよび下痢止め薬よりなる群から選択される少なくとも1種類の、胃腸の健康を改善する物質、ならびに(3)少なくとも1種類の微生物細胞外多糖よりなる群から選択される、少なくとも1種類の成分を含む、請求項23の使用。

【公表番号】特表2009−516643(P2009−516643A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536631(P2008−536631)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/060064
【国際公開番号】WO2007/048104
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】