説明

能動素子アレイ基板

【課題】 能動素子アレイ基板を提供する。
【解決手段】 スキャンラインおよびデータラインが基板の表示領域に配設され、複数のピクセル領域が表示領域上に形成される。スイッチ素子がピクセル領域に配設され、各スイッチ素子はスキャンラインおよびデータラインと電気的に接続される。ピクセル電極がピクセル領域に配設され、各ピクセル電極はスイッチ素子と電気的に接続される。ワイヤは基板の非表示領域に配設され、各ワイヤの少なくとも一部分は第1導電体層および第2導電体層を含む。ここで、第2導電体層は第1導電体層の上に配設され、第1導電体層と第2導電体層は並列に接続される。第1導電体層は、スキャンライン、データラインおよびピクセル電極のいずれかと同じ層に形成される。第2導電体層は、スキャンライン、データラインおよびピクセル電極のいずれかであって第1導電体層とは異なるものと、同じ層に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子アレイ基板、特に能動素子アレイ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイに対する需要がますます高まっている中、ディスプレイメーカーは関連ディスプレイの開発に力を注いでいる。ディスプレイには多くの種類があるが、そのなかでディスプレイ市場のトップを走ってきたのは、優れた表示画質と高度な技術を持つ陰極線管(CRT)であった。しかし、環境保護の概念が広まるに従って、電力消費量や放熱量が大きいCRTは、設置する平坦なスペースがある程度必要なこともあり、軽量、薄型、小型で高さが低くおしゃれ且つ省エネタイプが求められている市場のトレンドに合うものではなくなってきた。このため、高精細で、スペース利用効率が高く、消費電力が少ない上に放熱がないという利点を持つ薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT LCD)が徐々に主流となってきている。しかし現在、液晶ディスプレイのサイズが次第に大型化するにつれて、液晶ディスプレイ中に設けられる金属ワイヤの長さも徐々に長くなり、金属ワイヤのインピーダンスの増加および信号遅延がますます深刻な問題となってきている。
【0003】
図1は、従来の薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基板を示す上面図である。同図によれば、従来のTFTアレイ基板100は、基板110、複数のスキャンライン120、複数のデータライン130、複数のTFT140、複数のピクセル電極150、複数のワイヤ160および複数のパッド170を備える。なお、基板110は表示領域110aと非表示領域110bに分割される。また、スキャンライン120およびデータライン130は表示領域110aに配設される。スキャンライン120およびデータライン130によって、表示領域110aは複数のピクセル領域110cに分割される。さらに、TFT140はそれぞれピクセル領域110cに設けられ、スキャンライン120およびデータライン130によって制御される。
【0004】
ピクセル電極150はそれぞれピクセル領域110cに配設され、各ピクセル電極150は対応するTFT140と電気的に接続されている。パッド170とワイヤ160は非表示領域110bに配設され、各ワイヤ160は対応するスキャンライン120またはデータライン130およびパッド170に接続されている。例えば、電子信号は通常、パッド170、ワイヤ160、データライン130、TFT140を順番に通過して、ピクセル電極150に入力される。しかし、ワイヤ160はそれぞれ長さが異なるので、ワイヤ160間でインピーダンスが異なってしまう。ワイヤ160のうち任意の2本のインピーダンスの差を具体的に表すと、次のようになる。
【0005】
【数1】

【0006】
ここで、ω1はワイヤ160の表面抵抗、Lはワイヤ160の長さ、Wはワイヤ160の幅である。この式から、幅Wを一定とすると、インピーダンスの差は2本のワイヤ160の長さの差に正比例することが分かる。任意の2本のワイヤ160間でインピーダンスの差が非常に大きくなれば、このような従来のTFTアレイ基板100を持つ液晶ディスプレイで画像表示を行う場合、画像表示が不均一になりがちである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上より、本発明は非表示領域に設けられるワイヤ間でのインピーダンスの差を低減できる能動素子アレイ基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上またはその他の目的を達成するべく、本発明は以下の特徴を有する能動素子アレイ基板を提供する。該能動素子アレイ基板は、基板、複数のスキャンライン、複数のデータライン、複数のスイッチ素子、複数のピクセル電極および複数の第1ワイヤを有する。基板は表示領域および非表示領域を有する。スキャンラインは表示領域に配設される。データラインも表示領域に配設され、スキャンラインおよびデータラインによって表示領域が複数のピクセル領域に分割される。スイッチ素子は、それぞれピクセル領域に配設され、スキャンラインおよびデータラインと電気的に接続される。ピクセル電極は、それぞれピクセル領域に配設され、対応するスイッチ素子と電気的に接続される。第1ワイヤは、非表示領域に配設される。第1ワイヤのそれぞれの少なくとも一部分は、第1導電体層および第2導電体層を有する。第1導電体層は基板上に配設され、第2導電体層は第1導電体層上に配設され、第1導電体層と並列に電気接続される。第1導電体層はスキャンライン、データラインおよびピクセル電極のうちいずれかと同じ層に設けられる。第2導電体層はスキャンライン、データラインおよびピクセル電極のうち第1導電体層とは異なるものと同じ層に設けられている。
【0009】
本発明の実施形態によれば、第1ワイヤはそれぞれ、スキャンラインのうち1本またはデータラインのうち1本と接続されるとしてもよい。
【0010】
本発明の実施形態によれば、当該能動素子アレイ基板は、非表示領域に配設された複数の第2ワイヤをさらに備え、第2ワイヤはそれぞれ、スキャンラインまたはデータラインと同じ層に設けられている。
【0011】
本発明の実施形態によれば、第1ワイヤは第2ワイヤより長い。
【0012】
本発明の実施形態によれば、第2ワイヤはそれぞれ、スキャンラインのうち1本またはデータラインのうち1本と接続されている。
【0013】
本発明の実施形態によれば、第1ワイヤはそれぞれ、第1導電体層と第2導電体層の間に設けられた第1誘電体層をさらに有する。第1誘電体層は、第1導電体層の一部を露出させる複数の第1コンタクトホールを含む。第2導電体層は第1コンタクトホールを被覆し、第1導電体層と並列に電気接続されている。
【0014】
本発明の実施形態によれば、第1ワイヤはそれぞれ、第2導電体層上に配設された第3導電体層をさらに有する。第1導電体層、第2導電体層および第3導電体層は並列に電気接続される。第1導電体層はスキャンラインと同じ層に設けられ、第2導電体層はデータラインと同じ層に設けられ、第3導電体層はピクセル電極と同じ層に設けられる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、第1ワイヤはそれぞれ、第1導電体層と第2導電体層の間に設けられた第1誘電体層、および第2導電体層と第3導電体層の間に設けられた第2誘電体層をさらに有する。第2誘電体層は、第2導電体層の一部を露出させる複数の第2コンタクトホールを含む。第3導電体層は第2コンタクトホールを被覆し第2導電体層と並列に電気接続される。第1誘電体層および第2誘電体層には第1導電体層の一部を露出させる複数の第1コンタクトホールが設けられる。第3導電体層は第1コンタクトホールを被覆し第1導電体層と並列に電気接続されている。
【0016】
本発明の実施形態によれば、第1ワイヤはそれぞれ、第1導電体層と第2導電体層の間に配設された第1誘電体層をさらに有する。第1誘電体層は第1導電体層の一部を露出させる複数の第1コンタクトホールを含む。第2導電体層は第1コンタクトホールを被覆し第1導電体層と並列に電気接続されている。
【0017】
本発明の実施形態によれば、第1ワイヤはそれぞれ、第2導電体層と第3導電体層の間に配設された第2誘電体層をさらに有する。第2誘電体層は第2導電体層の一部を露出させる複数の第2コンタクトホールを含む。第3導電体層は第2コンタクトホールを被覆し第2導電体層と並列に電気接続されている。
【0018】
本発明の実施形態によれば、当該能動素子アレイ基板は、非表示領域に配設された複数のパッドをさらに備える。第1ワイヤのそれぞれの一端はパッドのうちの1つに接続されている。
【0019】
本発明の実施形態によれば、スイッチ素子はTFTであってもよい。
【発明の効果】
【0020】
上記より、本発明によれば、非表示領域に設けられるワイヤの一部またはすべてを、並列に接続された複数の導電体層によって構成する。このような構成とすることで、すべてのワイヤを1層の導電体層から構成している従来技術に比べると、本発明はワイヤ間のインピーダンスの差を小さくできる。従って、より均一な画像表示を実現できる。
【0021】
以下において、上記およびその他の目的ならびに本発明の特徴および効果を明らかにするべく、添付の図面を参照しつつ望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0022】
上述の一般的な説明および以下に述べる具体的な説明は例示にすぎず、必要に応じて本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来のTFTアレイ基板を示す上面図である。
【0024】
【図2A】本発明の第1の実施の形態に係る能動素子アレイ基板を示す、上面図である。
【0025】
【図2B】図2Aに示すラインA−A’に沿った断面図である。
【0026】
【図2C】本発明の第1の実施の形態に係る別の第1ワイヤを示す断面図である。
【0027】
【図3A】本発明の第2の実施の形態に係る第1ワイヤを示す断面図である。
【0028】
【図3B】本発明の第2の実施の形態に係る第1ワイヤを示す断面図である。
【0029】
【図3C】本発明の第2の実施の形態に係る第1ワイヤを示す断面図である。
【0030】
【図3D】本発明の第2の実施の形態に係る第1ワイヤを示す断面図である。
【0031】
【図3E】本発明の第2の実施の形態に係る第1ワイヤを示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
<第1の実施の形態>
図2Aは、本発明の第1の実施の形態に係る能動素子アレイ基板を示す上面図、図2Bは図2Aに示すラインA−A’に沿った断面図である。図2Aおよび図2Bに示すように、本実施の形態に係る能動素子アレイ基板200は、基板210、複数のスキャンライン220、複数のデータライン230、複数のスイッチ素子240、複数のピクセル電極250、複数の第1ワイヤ260、複数の第2ワイヤ280および複数のパッド270を備える。基板210は、表示領域210aおよび非表示領域210bを有する。また、スキャンライン220およびデータライン230は、表示領域210aに配設される。スキャンライン220およびデータライン230は、表示領域210aを複数のピクセル領域210cに分割する。さらに、スイッチ素子240はそれぞれ、ピクセル領域210cに配設され、スキャンライン220およびデータライン230によって制御される。なお、スイッチ素子240は例えば、TFTであってもよい。
【0033】
ピクセル電極250はそれぞれ、ピクセル領域210cに配設され、対応するスイッチ素子240と電気的に接続される。また、パッド270、第1ワイヤ260および第2ワイヤ280はすべて、非表示領域210bに配設されており、各第2ワイヤ280は1層の導電体層から形成される。例えば、各第2ワイヤ280は、スキャンライン220またはデータライン230と同じ層に形成されている。さらに、第1ワイヤ260は第2ワイヤ280よりも長い。本実施形態によれば、各第1ワイヤ260および各第2ワイヤ280は、スキャンライン220またはデータライン230およびパッド270に接続されるとしてもよい。さらに詳細に説明すると、各第1ワイヤ260の少なくとも一部分は第1導電体層262aおよび第2導電体層262bを備える。第1導電体層262aは基板210の上に設けられ、第2導電体層262bは第1導電体層262aの上に設けられ、第1導電体層262aと並列に電気接続される。例えば、電子信号は、パッド270、第1ワイヤ260、データライン230およびスイッチ素子240を順番に通過し、ピクセル電極250に入力されるとしてもよい。または、パッド270、第2ワイヤ280、データライン230およびスイッチ素子240を順番に通過し、ピクセル電極250に入力されるとしてもよい。
【0034】
本実施形態によれば、第1導電体層262aはスキャンライン220と同じ層に設けられ、第2導電体層262bはデータライン230と同じ層に設けられるとしてもよい。または、第1導電体層262aはスキャンライン220と同じ層に設けられ、第2導電体層262bはピクセル電極250と同じ層に設けられるとしてもよい。または、第1導電体層262aはデータライン230と同じ層に設けられ、第2導電体層262bはピクセル電極250と同じ層に設けられるとしてもよい。以上の説明から明らかであるが、第1導電体層262aおよび第2導電体層262bを形成する処理は、現在用いられている処理による対応が可能で、別の処理を追加する必要はない。
【0035】
上述した通り、第2ワイヤ280は1層の導電体層から成り、第1ワイヤ260は複数の導電体層から成るので、第2ワイヤ280と第1ワイヤ260間のインピーダンスの差は以下の式で表せる。
【0036】
【数2】

【0037】
ここで、ω2は並列に接続された第1導電体層262aおよび第2導電体層262bの表面抵抗、ω1は1層の導電体層から成る第2ワイヤ280の表面抵抗、L3は第2ワイヤ280の長さ、W3は第2ワイヤ280の幅、L4は第1ワイヤ260の長さ、W4は第1ワイヤ260の幅である。通常の条件下であれば、上記の式で表されるインピーダンスの差は、従来より小さくなるはずである。上記の式で表されるインピーダンスの差が従来より大きくなる場合は、導電ワイヤの多層構造の長さや積層される導電体層の数などのパラメータを変化させて、インピーダンスの差がそれ以上大きくならないように調整することができる。
【0038】
従来のワイヤは1層の導電体層から成っているが、本発明によればワイヤの一部が並列に接続された複数の導電体層から成っている。このため、本発明の実施の形態に係る第1ワイヤ260は従来技術より低い表面抵抗を持つ。つまり、本発明の実施の形態においては、第2ワイヤ280と第1ワイヤ260のインピーダンスの差が従来に比べ小さくなっている。このため、インピーダンスの差が過剰に大きくなることに起因する不均一な画像表示という問題を改善することができる。また、本発明に係る第1ワイヤ260は、パッド270およびスキャンライン220またはデータライン230と接続される構成に限定されない。並列に接続された複数の導電体層から成る第1ワイヤ260は、信号遅延や信号減衰などを低減するために、非表示領域210bに配設されるほかの回路に使用するとしてもよい。
【0039】
本発明によれば、第1ワイヤ260のみの構成を並列に接続された複数の導電体層から成るとし、第2ワイヤ280は1層の導電体層から成るとしたが、第2ワイヤ280も並列に接続された複数の導電体層から成るとしてもよい。このような構成としても、ワイヤ間のインピーダンスの差を小さくできる。
【0040】
図2Cは、本発明の第1の実施の形態に係る別の第1ワイヤを示す断面図である。同図によれば、第1ワイヤ260は第1導電体層262aと第2導電体層262bの間に第1誘電体層264をさらに含む。ここで、第1誘電体層264は、第1導電体層262aの一部を露出させるコンタクトホール264aを複数含む。第2導電体層262bはコンタクトホール264aを被覆し、第1導電体層262aと並列に電気接続されている。この実施形態において、第1誘電体層264はゲート絶縁層またはパッシベーション層であってもよい。第1誘電体層264がパッシベーション層である場合、コンタクトホール264aの形成はスイッチ素子240のコンタクトホール(不図示)の形成と一緒に行われる。
【0041】
<第2の実施の形態>
図3Aから図3Eは、本発明の第2の実施の形態に係る第1ワイヤを示す断面図である。図3Aは図2Bと類似しており、唯一の相違点は、インピーダンスをさらに低減するべく第1ワイヤ260が第2導電体層262b上に配設された第3導電体層262cをさらに含むことにある。第1導電体層262a、第2導電体層262bおよび第3導電体層262cは、並列に電気接続されている。本実施形態においては、第1導電体層262aはスキャンライン220と同じ層に形成され、第2導電体層262bはデータライン230と同じ層に形成され、第3導電体層262cはピクセル電極250と同じ層に形成されるとしてもよい。
【0042】
図3Bは図2Cと類似しており、唯一の相違点は、第2導電体層262bを形成後、第2導電体層262b上に第3導電体層262cが形成されていることにある。第2導電体層262bはコンタクトホール264aを介して第1導電体層262aと並列に電気接続され、第3導電体層262cは第2導電体層262b上に配設されているので、第1導電体層262a、第2導電体層262bおよび第3導電体層262cは、並列に電気接続される。
【0043】
図3Cは図3Aと類似しており、唯一の相違点は、第1ワイヤ260が第2導電体層262bと第3導電体層262cの間に配設された第2誘電体層266をさらに有することにある。第2誘電体層266は、第2導電体層262bの一部を露出させるコンタクトホール266aを複数含む。第3導電体層262cは、コンタクトホール266aを被覆しているので、コンタクトホール266aを介して第2導電体層262bと並列に電気接続される。第2導電体層262bは第1導電体層262a上に積層され、第3導電体層262cはコンタクトホール266aを介して第2導電体層262bに電気的に接続されているので、第1導電体層262a、第2導電体層262bおよび第3導電体層262cは、並列に電気接続されている。第2誘電体層266がパッシベーション層である場合、コンタクトホール266aの形成はスイッチ素子240のコンタクトホール(不図示)の形成と一緒に行われる。
【0044】
図3Dは図3Cと類似しており、唯一の相違点は、第1誘電体層264が第1導電体層262aと第2導電体層262bの間に、第2誘電体層266が第2導電体層262bと第3導電体層262cの間に配設されていることにある。第2誘電体層266は、第2導電体層262bの一部を露出させるコンタクトホール266aを複数含む。また、第1誘電体層264および第2誘電体層266にまたがって複数のコンタクトホール266bが形成され、当該コンタクトホール266bによって、第1導電体層262aの一部が露出している。第3導電体層262cがコンタクトホール266aおよび266bを被覆している。このため、第1導電体層262a、第2導電体層262bおよび第3導電体層262cは、並列に電気接続される。コンタクトホール266aおよび266bの形成は、スイッチ素子240のコンタクトホール(不図示)の形成と一緒に行ってもよい。こうすることによって、本発明は現在使用されている処理を用いて実施することができる。
【0045】
図3Eは図3Dと類似しており、唯一の相違点は、第3導電体層262cの被覆範囲がコンタクトホール266aおよび266bに限定され、第1導電体層262aが第3導電体層262cを介して第2導電体層262bと並列に電気接続されていることにある。コンタクトホール266aおよび266bの形成は、スイッチ素子240のコンタクトホール(不図示)の形成と一緒に行ってもよい。こうすることによって、本発明は現在使用されている処理を用いて実施することができる。
【0046】
本発明に係る能動素子アレイ基板が奏する効果を以下にまとめる。
1.非表示領域に配設するワイヤを1層の導電体層で形成する従来技術とは異なり、本発明においては、1層の導電体層から成るワイヤの一部またはすべてを変形して、並列に接続された複数の導電体層によって形成している。本発明に係る、並列に接続された複数の導電体層から成るワイヤのインピーダンス値は従来に比べて低くなるので、信号遅延や信号減衰を低減することができる。さらに、ワイヤ間のインピーダンスの差も小さくでき、画像表示が不均一になるのを防ぐことができる。
2.本発明に係る能動素子アレイ基板は、現在用いられている処理による対応が可能で、別の処理を追加する必要がない。
【0047】
本発明の範囲または目的を離れることなく本発明に係る構成をさまざまに変形することができるのは、当業者には明らかである。このことから、本願の請求項およびそれに類するものの範囲内にある限り、さまざまな変形例も本発明の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動素子アレイ基板であって、
表示領域および非表示領域を有する基板と、
前記表示領域に配設された複数のスキャンラインと、
前記表示領域に配設された複数のデータラインであって、前記スキャンラインおよび当該データラインによって前記表示領域が複数のピクセル領域に分割される複数のデータラインと、
複数のスイッチ素子であって、それぞれ前記ピクセル領域に配設され、前記スキャンラインおよび前記データラインと電気的に接続されている複数のスイッチ素子と、
複数のピクセル電極であって、それぞれ前記ピクセル領域に配設され、対応する前記スイッチ素子と電気的に接続されている複数のピクセル電極と、
前記非表示領域に配設された複数の第1ワイヤと
を備え、
前記第1ワイヤのそれぞれの少なくとも一部分は、
前記基板上に配設された第1導電体層、および
前記第1導電体層上に配設され、前記第1導電体層と並列に電気接続された第2導電体層
を有し、
前記第1導電体層は前記スキャンライン、前記データラインおよび前記ピクセル電極のうちいずれかと同じ層に設けられ、前記第2導電体層は前記スキャンライン、前記データラインおよび前記ピクセル電極のうち前記第1導電体層とは異なるものと同じ層に設けられている
能動素子アレイ基板。
【請求項2】
前記第1ワイヤはそれぞれ、前記スキャンラインのうち1本または前記データラインのうち1本と接続されている
請求項1に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項3】
前記非表示領域に配設された複数の第2ワイヤ
をさらに備え、
前記第2ワイヤはそれぞれ、前記スキャンラインまたは前記データラインと同じ層に設けられている
請求項1に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項4】
前記第1ワイヤは前記第2ワイヤより長い
請求項3に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項5】
前記第2ワイヤはそれぞれ、前記スキャンラインのうち1本または前記データラインのうち1本と接続されている
請求項3に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項6】
前記第1ワイヤはそれぞれ、前記第1導電体層と前記第2導電体層との間に設けられた第1誘電体層をさらに有し、前記第1誘電体層は、前記第1導電体層の一部を露出させる複数の第1コンタクトホールを含み、前記第2導電体層は前記第1コンタクトホールを被覆し、前記第1導電体層と並列に電気接続されている
請求項1に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項7】
前記第1ワイヤはそれぞれ、前記第2導電体層上に配設された第3導電体層をさらに有し、前記第1導電体層、前記第2導電体層および前記第3導電体層は並列に電気接続され、前記第1導電体層は前記スキャンラインと同じ層に設けられ、前記第2導電体層は前記データラインと同じ層に設けられ、前記第3導電体層は前記ピクセル電極と同じ層に設けられる
請求項1に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項8】
前記第1ワイヤはそれぞれ、
前記第1導電体層と前記第2導電体層との間に設けられた第1誘電体層、
前記第2導電体層と前記第3導電体層との間に設けられた第2誘電体層であって、前記第2導電体層の一部を露出させる複数の第2コンタクトホールを含む第2誘電体層
をさらに有し、
前記第3導電体層は前記第2コンタクトホールを被覆し前記第2導電体層と並列に電気接続され、前記第1誘電体層および前記第2誘電体層には前記第1導電体層の一部を露出させる複数の第1コンタクトホールが設けられ、前記第3導電体層は前記第1コンタクトホールを被覆し前記第1導電体層と並列に電気接続されている
請求項7に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項9】
前記第1ワイヤはそれぞれ、前記第1導電体層と前記第2導電体層との間に配設された第1誘電体層をさらに有し、前記第1誘電体層は前記第1導電体層の一部を露出させる複数の第1コンタクトホールを含み、前記第2導電体層は前記第1コンタクトホールを被覆し前記第1導電体層と並列に電気接続されている
請求項7に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項10】
前記第1ワイヤはそれぞれ、前記第2導電体層と前記第3導電体層との間に配設された第2誘電体層をさらに有し、前記第2誘電体層は前記第2導電体層の一部を露出させる複数の第2コンタクトホールを含み、前記第3導電体層は前記第2コンタクトホールを被覆し前記第2導電体層と並列に電気接続されている
請求項7に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項11】
前記非表示領域に配設された複数のパッドをさらに備え、前記第1ワイヤのそれぞれの一端は前記パッドのうちの1つに接続されている
請求項1に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項12】
前記スイッチ素子は薄膜トランジスタである
請求項1に記載の能動素子アレイ基板。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【公開番号】特開2007−183581(P2007−183581A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315105(P2006−315105)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(599010163)友▲達▼光電股▲ふん▼有限公司 (13)
【Fターム(参考)】