説明

脂肪、油及び食品のための抗酸化剤

【課題】脂肪、油及び食品のための抗酸化剤の提供。
【解決手段】3−アリールベンゾフラノン、長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、置換ヒドロキシルアミン、ニトロン及びアミンオキシドからなる群から選択された1つ以上の化合物の組合せは、酸化による分解を受け易い食用有機物質と使用するために非常に効果的な抗酸化剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
本発明は、酸化による分解を受け易い食用有機物質の安定化に関する。抗酸化剤は、脂肪酸グリセリドのような食用脂肪及び脂肪油中、及び食用脂肪及び脂肪油を用いて製造された食品中に非常に重要なものである。抗酸化剤は、望ましくない風味及び臭気を生じさせ、脂肪可溶性のビタミン及び基本脂肪酸を破壊し、そして毒性作用を生じさせる酸化酸敗を防止又は軽減するために使用される。食品抗酸化剤は、不快な臭気又は着色等の望ましくない特徴を付与せず、焼くこと又は揚げることに耐える能力である良好な耐性(carry−through)を有し、かつ、安定化された食用有機物質から製造された食品に改善された保存性を提供すべきである。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、脂肪可溶性抗酸化剤を基質へ添加することによる、多くの脂質酸化抑制方法を示している。従来技術は、以下に定義するような3−アリールベンゾフラノン、長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、置換ヒドロキシルアミン、ニトロン及びアミンオキシドからなる群から選択される1種以上の抗酸化剤を使用した、脂肪、油、脂肪食品及び食品の有効成分の安定化を示していない。
【0003】
フェノールは、通常、有機材料を安定化するために抗酸化剤として使用され、酸化停止におけるフェノール基の有効性が、環置換基の性質により影響されることから、置換フェノールが改善された抗酸化有効性を有することが発見された。いくつかの既知のフェノール系抗酸化剤は、多くの種類の動物に対し毒性であるため、食品中に使用するには適当ではない。例えば、p−アミノフェノールは、毒性が高く、肌刺激性である。
【0004】
ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を含むいくつかのフェノール系が、食物中の抗酸化剤として使用されている。今や、これら抗酸化剤が、正式な機関で検査されているとはいえ、消費者活動及びこれらの開発により、食品用途において使用するための抗酸化剤の新たな供給源を開発する必要に迫られている。また、プロピルガレート(PG)、t−ブチルヒドロキシキノン(TBHQ)、イソ−アスコルビン酸、クロロ−イソ−アスコルビン酸及びアスコルビルパルミテートが、食品用途において使用するために許可されている。
【0005】
ヤングによる米国特許第2,654,722号明細書は、酸化により分解する傾向にある、合成ゴム等の固体有機物質を安定化するための、アシル−p−アミノフェノールの使用を開示している。これらの抗酸化剤中のアシル置換基は、少なくとも3つの炭素原子を有し、食品安定剤として使用され得る。
【0006】
ドイル及びバクスターによる米国特許第3,492,349号明細書は、ジ−低級アルキル−アルコキシ−及びヒドロキシアセトアニリドを開示している。該特許は、これらの化合物が、鎮痛性及び解熱性及び低い毒性を有することを教示している。式
【化1】

(式中、R3は、炭化水素基を表わす。)で表わされるこの特許の化合物は、p−アミノフェノール及び他のフェノール系の有効性が、一般的に、遊離ヒドロキシル基の存在に依存し、かつこれらフェノールのエーテル及びエステルは、一般的に、重要な効果を有さないため、抗酸化活性を有し得ない。
【0007】
ヤングによる米国特許第4,038,434号明細書は、特定のN−アシル−2,6−ジアルキル−p−アミノフェノールが、食用有機物質との使用のために非常に効果的な抗酸化剤であることを開示している。
【0008】
コヘン及びオーコネルによる米国特許第4,094,999号明細書は、少量のジアルキルペンタエリトリトールジホスフィットの存在によって安定化された食品組成物を開示している。
【0009】
アンブルス,スザボレシ及びフタスによる米国特許第4,363,910号明細書は、飼料を安定化するための抗酸化剤として有用な2,2−ジメチル−1,2−ジヒドロキノリン誘導体の使用を開示している。
【0010】
シン,ハン及びイによる米国特許第5,084,289号明細書は、トコフェロール及びアスコルビン酸を含む水性溶液の混合物を界面活性剤及び食用油又は脂肪と混合することにより逆ミセルを形成することによる食用油及び脂肪の酸化抑制方法を開示している。
【0011】
クレムチュクによる米国特許第3,778,464号明細書は、式R78NOH(式中、R7又はR8は、1ないし3個の炭素原子を含むアルキル基、ベンジル基、クロロベンジル基、ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基又はトリフェニルメチル基を表わすが、但し、R7又はR8のただ1つだけがアルキル基を表わし、R7がベンズヒドリル基又はトリフェニルメチル基を表わす場合、R8は水素原子を表わし、又は、R7及びR8は、窒素原子と一緒になって、モルホリノ基、ピペリジノ基又はピペラジノ基のような複素環基を形成する。)で表わされる置換ヒドロキシルアミン抗酸化剤を開示している。該化合物は、動物脂肪の脂肪及び油、及びそれらで製造された食品を含む有機物質のために有用であることが示されている。
【0012】
食品のために他の抗酸化剤は、トッド,ジュニアによる米国特許第5,527,552号明細書に開示されたもの、緑茶カテキン、マイ,チャンバース及びマクドナルドによる米国特許第4,925,681号明細書に開示されたもの、紅茶からの抽出物を含む。
【特許文献1】米国特許第2,654,722号明細書
【特許文献2】米国特許第3,492,349号明細書
【特許文献3】米国特許第4,038,434号明細書
【特許文献4】米国特許第4,094,999号明細書
【特許文献5】米国特許第4,363,910号明細書
【特許文献6】米国特許第5,084,289号明細書
【特許文献7】米国特許第3,778,464号明細書
【特許文献8】米国特許第5,527,552号明細書
【特許文献9】米国特許第4,925,681号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
改善された安定性を有し、かつここで開示される1種以上の抗酸化剤を含む抗酸化剤組成物を含む食品組成物を提供することは、本発明の対象である。
【0014】
本発明の1種以上の抗酸化剤を含む抗酸化剤組成物の食品への添加による食品の安定化方法を提供することは本発明の関連対象である。
【0015】
改善された安定性を有し、かつここで開示される1種以上の抗酸化剤を含む抗酸化剤組成物を含む食用脂肪及び油組成物を提供することはまた、本発明の他の対象である。
【0016】
本発明の1種以上の抗酸化剤を含む抗酸化剤組成物の食用脂肪及び油組成物への添加による食用脂肪及び油組成物の安定化方法を提供することはまた、本発明の更なる対象である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の概要
以下に定義するような3−アリールベンゾフラノン、長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、置換ヒドロキシルアミン、ニトロン及びアミンオキシドからなる群から選択される1種以上の化合物の組合せは、酸化による分解を受け易い食用有機物質と使用するために、非常に効果的な抗酸化剤であることが今や発見された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
詳細な説明
酸化に対して安定化され得る食用有機物質は、ヒト又は動物が消費するのに適当な炭化水素含有物質、例えば、揚げ物用油及び脂肪、ポテトフレーク、パン製品、肉エマルジョン、下ごしらえされた穀物、インスタント麺、豆乳、チキン製品、ソーセージ、マヨネーズ及びマーガリンのようなエマルジョン製品、冷凍魚、冷凍ピザ、チーズ及び飼料を含む。
【0019】
本発明の抗酸化剤は、室温で本質的に固体又は液体であり得りかつ水素化され得る又は未水素化の脂肪、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸のエステル、及び脂肪油の安定化に非常に有用であり、並びにこのような生成物を含む又はこのような生成物で製造される様々な食品の安定化に非常に有用である。油又は脂肪は、動物脂肪又は植物脂肪のような天然由来のものか又は合成物質であり得る。例示的な物質は、牛脂、豚脂、ピーナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ベニバナ油、大豆油、ココナッツ油、ショートニング、調理油、サラダ油及びドレッシング、マヨネーズ、マーガリン等である。このような物質の脂肪酸部分は、一般的に、エステル部分1つ当りに少なくとも約12個の炭素原子、例えば約24個まであるいはそれ以上の炭素原子を有し、そして該エステル部分は、しばしばグリセリドであるが、該物質は、様々なモノ及びポリヒドロキシアルキルアルコールの他の種類のエステルであり得る。一般的に、分子のエステル部分は、約12個未満の炭素原子、好ましくは約6個未満の炭素原子を有し、例えば、グリセリド又は他の低級アルキルエステルである。
【0020】
本発明の3−アリールベンゾフラノン抗酸化剤は、例えば、米国特許第4,325,863号明細書、米国特許第4,388,224号明細書、米国特許第5,175,312号明細書、米国特許第5,252,643号明細書、米国特許第5,216,052号明細書、米国特許第5,369,159号明細書、米国特許第5,488,117号明細書
、米国特許第5,356,966号明細書、米国特許第5,367,008号明細書、米国特許第5,428,162号明細書、米国特許第5,428,177号明細書及び米国特許第5,516,920号明細書に開示されているものであり、これらは、参照文献としてここに組込まれる。
【0021】
本発明において特に適当な3−アリールベンゾフラノンは、式(I)
【化2】

[式中、nが1を表わす場合、
1は、未置換の、又は、炭素原子数1ないし4のアルキル−、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ−、ヒドロキシ−、ハロ−、アミノ−、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ−、フェニルアミノ−もしくはジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ−で置換されたナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル基、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、ジベンゾフリル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基又はフェノキサジニル基を表わすか、又は、R1は、式(II)
【化3】

で表わされる基を表わし、
nが2を表わす場合、
1は、未置換の、又は、炭素原子数1ないし4のアルキル−又はヒドロキシ−置換フェニレン基もしくはナフチレン基を表わすか;又は−R12−X−R13−を表わし、
2、R3、R4及びR5は、互いに独立して、水素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし25のアルキル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基;炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数1ないし18のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基、炭素原子数1ないし25のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1ないし25のアルカノイルアミノ基、炭素原子数3ないし25のアルケノイルオキシ基、酸素原子、硫黄原子又は
【化4】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイルオキシ基;炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基又は炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイルオキシ基を表わすか;又は、基R2及びR3もしくは基R3及びR4もしくは基R4及びR5は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、ベンゾ環を形成し、R4は、更に、−(CH2p−COR15又は−(CH2q−OHを表わすか、又は、R3、R5及びR6が水素原子を表わす場合、R4は、更に、
式(III)
【化5】

(式中、R1は、n=1のために上記した通りである。)
で表わされる基を表わし、
6は、水素原子又は式(IV)
【化6】

(式中、R4は、式(III)で表わされる基を表わさず、R1は、n=1のために上記した通りである。)で表わされる基を表わし、
7、R8、R9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし25のアルキル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化7】

で中断された炭素原子数2ないし25のアルキル基;炭素原子数1ないし25のアルコキシ基、酸素原子、硫黄原子又は
【化8】

で中断された炭素原子数2ないし25のアルコキシ基、炭素原子数1ないし25のアルキルチオ基、炭素原子数3ないし25のアルケニル基、炭素原子数3ないし25のアルケニルオキシ基、炭素原子数3ないし25のアルキニル基、炭素原子数3ないし25のアルキニルオキシ基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルコキシ基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニル基;
未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェノキシ基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルコキシ基;炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基、炭素原子数1ないし25のアルカノイル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化9】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイル基;炭素原子数1ないし25のアルカノイルオキシ基、酸素原子、硫黄原子又は
【化10】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイルオキシ基;炭素原子数1ないし25のアルカノイルアミノ基、炭素原子数3ないし25のアルケノイル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化11】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルケノイル基;炭素原子数3ないし25のアルケノイルオキシ基、酸素原子、硫黄原子又は
【化12】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルケノイルオキシ基;炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニル基、炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイル基又は炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイル基;ベンゾイルオキシ基又は炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイルオキシ基;
【化13】

を表わすか、又は、
式(II)において、基R7及びR8もしくは基R8及びR11は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、ベンゾ環を形成し、
12及びR13は、互いに独立して、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニレン基もしくはナフチレン基を表わし、
14は、水素原子又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表わし、
15は、ヒドロキシル基、
【化14】

、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基又は
【化15】

を表わし、
16及びR17は、互いに独立して、水素原子、CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基を表わすか、又は、
16及びR17は、それらが結合されるところのC原子と一緒になって、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し;
18及びR19は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表わし、
20は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
21は、水素原子、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニル基;炭素原子数1ないし25のアルキル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化16】

で中断された炭素原子数2ないし25のアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回、フェニル基上を置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回、フェニル基上を置換され、かつ酸素原子、硫黄原子又は
【化17】

で中断された炭素原子数7ないし25のフェニルアルキル基を表わすか、又は、
基R20及びR21は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン環を形成し;
22は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
23は、水素原子、炭素原子数1ないし25のアルカノイル基、炭素原子数3ないし25のアルケノイル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化18】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイル基;ジ(炭素原子数1ないし6のアルキル)ホスホネート基で置換された炭素原子数2ないし25のアルカノイル基;炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニル基、テノイル基、フロイル基、ベンゾイル基又は炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイル基;
【化19】

を表わし、
24及びR25は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わし、
26は、水素原子又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表わし、
27は、直接結合、炭素原子数1ないし18のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子又は
【化20】

で中断された炭素原子数2ないし18のアルキレン基;炭素原子数2ないし18のアルケニレン基、炭素原子数2ないし20のアルキリデン基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキリデン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基、炭素原子数7ないし8のビシクロアルキレン基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニレン基、
【化21】

を表わし、
28は、ヒドロキシル基、
【化22】

、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基又は
【化23】

を表わし、
29は、酸素原子、−NH−又は
【化24】

を表わし、
30は、炭素原子数1ないし18のアルキル基又はフェニル基を表わし、
31は、水素原子又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わし、
Mは、r−価の金属カチオンを表わし、
Xは、直接結合、酸素原子、硫黄原子又は−NR31−を表わし、
nは、1又は2を表わし、
pは、0、1又は2を表わし、
qは、1、2、3、4、5又は6を表わし、
rは、1、2又は3を表わし、
sは、0、1又は2を表わす。]で表わされる化合物である。
【0022】
未置換の、又は、炭素原子数1ないし4のアルキル−、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ−、ヒドロキシ−、ハロ−、アミノ−、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ−、フェニルアミノ−もしくはジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ−で置換されたナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル基、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、ジベンゾフリル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基又はフェノキサジニル基は、例えば、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フェニルアミノ−4−ナフチル基、1−メチルナフチル、2−メチルナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、1−ジメチルアミノ−2−ナフチル基、1,2−ジメチル−4−ナフチル基、1,2−ジメチル−6−ナフチル基、1,2−ジメチル−7−ナフチル基、1,3−ジメチル−6−ナフチル基、1,4−ジメチル−6−ナフチル基、1,5−ジメチル−2−ナフチル基、1,6−ジメチル−2−ナフチル基、1−ヒドロキシ−2−ナフチル基、2−ヒドロキシ−1−ナフチル基、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフチル基、7−フェナントリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、3−ベンゾ[b]チエニル基、5−ベンゾ[b]チエニル基、2−ベンゾ[b]チエニル基、4−ジベンゾフリル基、4,7−ジベンゾフリル基、4−メチル−7−ジベンゾフリル基、2−キサンテニル基、8−メチル−2−キサンテニル基、3−キサンテニル基、2−フェノキサチイニル基、2,7−フェノキサチイニル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、5−メチル−3−ピロリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−メチル−4−イミダゾリル基、2−エチル−4−イミダゾリル基、2−エチル−5−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、1−メチル−3−ピラゾリル基、1−プロピル−4−ピラゾリル基、2−ピラジニル基、5,6−ジメチル−2−ピラジニル基、2−インドリジニル基、2−メチル−3−イソインドリル基、2−メチル−1−イソインドリル基、1−メチル−2−インドリル基、1−メチル−3−インドリル基、1,5−ジメチル−2−インドリル基、1−メチル−3−インダゾリル基、2,7−ジメチル−8−プリニル基、2−メトキシ−7−メチル−8−プリニル基、2−キノリジニル基、3−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、イソキノリル基、3−メトキシ−6−イソキノリル基、2−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、2−メトキシ−3−キノリル基、2−メトキシ−6−キノリル基、6−フタラジニル基、7−フタラジニル基、1−メトキシ−6−フタラジニル基、1,4−ジメトキシ−6−フタラジニル基、1,8−ナフチリジニ−2−イル基、2−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、2,3−ジメチル−6−キノキサリニル基、2,3−ジメトキシ−6−キノキサリニル基、2−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、2−ジメチル
アミノ−6−キナゾリニル基、3−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、3−メトキシ−7−シンノリニル基、2−プテリジニル基、6−プテリジニル基、7−プテリジニル基、6,7−ジメトキシ−2−プテリジニル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、9−メチル−2−カルバゾリル基、9−メチル−3−カルバゾリル基、β−カルボリニ−3−イル基、1−メチル−β−カルボリニ−3−イル基、1−メチル−β−カルボリニ−6−イル基、3−フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、2−ペリミジニル基、1−メチル−5−ペリミジニル基、5−フェナントロリニル基、6−フェナントロリニル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、10−メチル−3−フェノチアジニル基、3−イソキサゾリル基、4−イソキサゾリル基、5−イソキサゾリル基、4−メチル−3−フラザニル基、2−フェノキサジニル基又は10−メチル−2−フェノキサジニル基である。
【0023】
特に好ましいものは、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ−、ヒドロキシル−、フェニルアミノ−又はジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ−で置換されたナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル基、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、ジベンゾフリル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、ピロリル基、イソインドリル基、インドリル基、フェノチアジニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基又はフェノキサジニル基、例えば、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フェニルアミノ−4−ナフチル基、1−メチルナフチル、2−メチルナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、1−ジメチルアミノ−2−ナフチル基、1,2−ジメチル−4−ナフチル基、1,2−ジメチル−6−ナフチル基、1,2−ジメチル−7−ナフチル基、1,3−ジメチル−6−ナフチル基、1,4−ジメチル−6−ナフチル基、1,5−ジメチル−2−ナフチル基、1,6−ジメチル−2−ナフチル基、1−ヒドロキシ−2−ナフチル基、2−ヒドロキシ−1−ナフチル基、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフチル基、7−フェナントリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、3−ベンゾ[b]チエニル基、5−ベンゾ[b]チエニル基、2−ベンゾ[b]チエニル基、4−ジベンゾフリル基、4,7−ジベンゾフリル基、4−メチル−7−ジベンゾフリル基、2−キサンテニル基、8−メチル−2−キサンテニル基、3−キサンテニル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、10−メチル−3−フェノチアジニル基等である。
【0024】
ハロゲン原子(ハロ)は、例えば、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。好ましいものは、塩素原子である。
【0025】
25個までの炭素原子を有するアルカノイル基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基又はドコサノイル基等である。好ましいものは、2ないし18個、特に2ないし12個、例えば2ないし6個の炭素原子を有するアルカノイル基である。特に好ましいものは、アセチル基である。
【0026】
ジ(炭素原子数1ないし6のアルキル)ホスホネート基で置換された炭素原子数2ないし25のアルカノイル基は、例えば、(CH3CH2O)2POCH2CO−、(CH3O)2
POCH2CO−、(CH3CH2CH2CH2O)2POCH2CO−、(CH3CH2O)2POCH2CH2CO−、(CH3O)2POCH2CH2CO−、(CH3CH2CH2CH2O)2POCH2CH2CO−、(CH3CH2O)2PO(CH24CO−、(CH3CH2O)2PO(CH28CO−又は(CH3CH2O)2PO(CH217CO−である。
【0027】
25個までの炭素原子を有するアルカノイルオキシ基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、ウンデカノイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、トリデカノイルオキシ基、テトラデカノイルオキシ基、ペンタデカノイルオキシ基、ヘキサデカノイルオキシ基、ヘプタデカノイルオキシ基、オクタデカノイルオキシ基、エイコサノイルオキシ基又はドコサノイルオキシ基等である。好ましいものは、2ないし18個、特に2ないし12個、例えば2ないし6個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ基である。特に好ましいものは、アセトキシ基である。
【0028】
3ないし25個の炭素原子を有するアルケノイル基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、プロペノイル基、2−ブテノイル基、3−ブテノイル基、イソブテノイル基、n−2,4−ペンタジエノイル基、3−メチル−2−ブテノイル基、n−2−オクテノイル基、n−2−ドデセノイル基、イソ−ドデセノイル基、オレオイル基、n−2−オクタデセノイル基又はn−4−オクタデセノイル基等である。好ましいものは、3ないし18個、特に3ないし12個、例えば3ないし6個、とりわけ3ないし4個の炭素原子を有するアルケノイル基である。
【0029】
酸素原子、硫黄原子又は
【化25】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルケノイル基は、例えば、CH3OCH2CH2CH=CHCO−又はCH3OCH2CH2OCH=CHCO−である。
【0030】
3ないし25の炭素原子を有するアルケノイルオキシ基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、プロペノイルオキシ基、2−ブテノイルオキシ基、3−ブテノイルオキシ基、イソブテノイルオキシ基、n−2,4−ペンタジエノイルオキシ基、3−メチル−2−ブテノイルオキシ基、n−2−オクテノイルオキシ基、n−2−ドデセノイルオキシ基、イソ−ドデセノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、n−2−オクタデセノイルオキシ基又はn−4−オクタデセノイルオキシ基等である。好ましいものは、3ないし18個、特に3ないし12個、例えば3ないし6個、とりわけ3ないし4個の炭素原子を有するアルケノイルオキシ基である。
【0031】
酸素原子、硫黄原子又は
【化26】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルケノイルオキシ基は、例えば、CH3OCH2CH2CH=CHCOO−又はCH3OCH2CH2OCH=CHCOO−である。
【0032】
酸素原子、硫黄原子又は
【化27】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイル基は、例えば、CH3−O−CH2CO−、CH3−S−CH2CO−、CH3−NH−CH2CO−、CH3−N(CH3)−CH2CO−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2CO−、CH3−(O−CH2CH2−)2O−CH2CO−、CH3−(O−CH2CH2−)3O−CH2CO−又はCH3−(O−CH2CH2−)4O−CH2CO−である。
【0033】
酸素原子、硫黄原子又は
【化28】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイルオキシ基は、例えば、CH3−O−CH2COO−、CH3−S−CH2COO−、CH3−NH−CH2COO−、CH3−N(CH3)−CH2COO−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2COO−、CH3−(O−CH2CH2−)2O−CH2COO−、CH3−(O−CH2CH2−)3O−CH2COO−又はCH3−(O−CH2CH2−)4O−CH2COO−である。
【0034】
炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニル基は、例えば、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、シクロヘプチルカルボニル基又はシクロオクチルカルボニル基である。シクロヘキシルカルボニル基が好ましい。
【0035】
炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニルオキシ基は、例えば、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、シクロヘプチルカルボニルオキシ基又はシクロオクチルカルボニルオキシ基である。シクロヘキシルカルボニルオキシ基が好ましい。
【0036】
好ましくは、1ないし3個、特に1又は2個のアルキル基を有する炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイル基は、例えば、o−、m−又はp−メチルベンゾイル基、2,3−ジメチルベンゾイル基、2,4−ジメチルベンゾイル基、2,5−ジメチルベンゾイル基、2,6−ジメチルベンゾイル基、3,4−ジメチルベンゾイル基、3,5−ジメチルベンゾイル基、2−メチル−6−エチルベンゾイル基、4−第三ブチルベンゾイル基、2−エチルベンゾイル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル基、2,6−ジメチル−4−第三ブチルベンゾイル基又は3,5−ジ−第三ブチルベンゾイル基である。好ましい置換基は、炭素原子数1ないし8のアルキル基、特に炭素原子数1ないし4のアルキル基である。
【0037】
好ましくは、1ないし3個、特に1又は2個のアルキル基を有する炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイルオキシ基は、例えば、o−、m−又はp−メチルベンゾイルオキシ基、2,3−ジメチルベンゾイルオキシ基、2,4−ジメチルベンゾイルオキシ基、2,5−ジメチルベンゾイルオキシ基、2,6−ジメチルベンゾイルオキシ基、3,4−ジメチルベンゾイルオキシ基、3,5−ジメチルベンゾイルオキシ基、2−メチル−6−エチルベンゾイルオキシ基、4−第三ブチルベンゾイルオキシ基、2−エチルベンゾイルオキシ基、2,4,6−トリメチルベンゾイオキシル基、2,6−ジメチル−4−第三ブチルベンゾイルオキシ基又は3,5−ジ−第三ブチルベンゾイルオキシ基である。好ましい置換基は、炭素原子数1ないし8のアルキル基、特に炭素原子数1ないし4のアルキル基である。
【0038】
25個までの炭素原子を有するアルキル基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基又はドコシル基等である。R2及びR4の好ましい意味の1つは、例えば、炭素原子数1ないし18のアルキル基である。R4の特に好ましい意味は、炭素原子数1ないし4のアルキル基である。
【0039】
3ないし25の炭素原子を有するアルケニル基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−2,4−ペンタジエニル基、3−メチル−2−ブテニル基、n−2−オクテニル基、n−2−ドデセニル基、イソ−ドデセニル基、オレイル基、n−2−オクタデセニル基又はn−4−オクタデセニル基等である。好ましいものは、3ないし18個、特に3ないし12個、例えば3ないし6個、とりわけ3ないし4個の炭素原子を有するアルケニル基である。
【0040】
3ないし25の炭素原子を有するアルケニルオキシ基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、プロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、イソブテニルオキシ基、n−2,4−ペンタジエニルオキシ基、3−メチル−2−ブテニルオキシ基、n−2−オクテニルオキシ基、n−2−ドデセニルオキシ基、イソ−ドデセニルオキシ基、オレイルオキシ基、n−2−オクタデセニルオキシ基又はn−4−オクタデセニルオキシ基等である。好ましいものは、3ないし18個、特に3ないし12個、例えば3ないし6個、とりわけ3ないし4個の炭素原子を有するアルケニルオキシ基である。
【0041】
3ないし25の炭素原子を有するアルキニル基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、プロピニル基(−CH2−C≡CH)、2−ブチニル基、3−ブチニル基、n−2−オクチニル基又はn−2−ドデシニル基等である。好ましいものは、3ないし18個、特に3ないし12個、例えば3ないし6個、とりわけ3ないし4個の炭素原子を有するアルキニル基である。
【0042】
3ないし25の炭素原子を有するアルキニルオキシ基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、プロピニルオキシ基(−OCH2−C≡CH)、2−ブチニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、n−2−オクチニルオキシ基又はn−2−ドデシニルオキシ基等である。好ましいものは、3ないし18個、特に3ないし12個、例えば3ないし6個、とりわけ3ないし4個の炭素原子を有するアルキニルオキシ基である。
【0043】
酸素原子、硫黄原子又は
【化29】

で中断された炭素原子数2ないし25のアルキル基は、例えば、CH3−O−CH2−、CH3−S−CH2−、CH3−NH−CH2−、CH3−N(CH3)−CH2−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)2O−CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)3O−CH2−又はCH3−(O−CH2CH2−)4O−CH2−である。
【0044】
炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基は、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基又は2−フェニルエチル基である。ベンジル基及びα,α−ジメチルベンジル基が好ましい。
【0045】
未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回、フェニル基上を置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基は、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、2−フェニルエチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4−ジメチルベンジル基、2,6−ジメチルベンジル基又は4−第三ブチルベンジル基である。ベンジル基が好ましい。
【0046】
未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回、フェニル基上を置換され、かつ酸素原子、硫黄原子又は
【化30】

で中断された炭素原子数7ないし25のフェニルアルキル基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、フェノキシメチル基、2−メチルフェノキシメチル基、3−メチルフェノキシメチル基、4−メチルフェノキシメチル基、2,4−ジメチルフェノキシメチル基、2,3−ジメチルフェノキシメチル基、フェニルチオメチル基、N−メチル−N−フェニルメチル基、N−エチル−N−フェニルメチル基、4−第三ブチルフェノキシメチル基、4−第三ブチルフェノキシエトキシメチル基、2,4−ジ−第三ブチルフェノキシメチル基、2,4−ジ−第三ブチルフェノキシエトキシメチル基、フェノキシエトキシエトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルオキシエトキシメチル基、N−ベンジル−N−エチルメチル基又はN−ベンジル−N−イソプロピルメチル等である。
【0047】
炭素原子数7ないし9のフェニルアルコキシ基は、例えば、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、α,α−ジメチルベンジルオキシ基又は2−フェニルエトキシ基である。ベンジルオキシ基が好ましい。
【0048】
好ましくは、1ないし3個、特に1又は2個のアルキル基を含む炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニル基は、例えば、o−、m−又はp−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、2−エチルフェニル基又は2,6−ジエチルフェニル基である。
【0049】
好ましくは、1ないし3個、特に1又は2個のアルキル基を含む炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェノキシ基は、例えば、o−、m−又はp−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2−メチル−6−エチルフェノキシ基、4−第三ブチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基又は2,6−ジエチルフェノキシ基である。
【0050】
未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、第三ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基である。好ましいものは、シクロヘキシル基及び第三ブチルシクロヘキシル基で
ある。
【0051】
未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルコキシ基は、例えば、シクロペントキシ基、メチルシクロペントキシ基、ジメチルシクロペントキシ基、シクロヘキソキシ基、メチルシクロヘキソキシ基、ジメチルシクロヘキソキシ基、トリメチルシクロヘキソキシ基、第三ブチルシクロヘキソキシ基、シクロヘプトキシ基又はシクロオクトキシ基である。好ましいものは、シクロヘキソキシ基及び第三ブチルシクロヘキソキシ基である。
【0052】
25個までの炭素原子を有するアルコキシ基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、デシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基又はオクタデシルオキシ基等である。好ましいものは、1ないし12個、特に1ないし8個、例えば1ないし6個の炭素原子を有するアルコキシ基である。
【0053】
酸素原子、硫黄原子又は
【化31】

で中断された炭素原子数2ないし25のアルコキシ基は、例えば、CH3−O−CH2CH2O−、CH3−S−CH2CH2O−、CH3−NH−CH2CH2O−、CH3−N(CH3)−CH2CH2O−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2CH2O−、CH3−(O−CH2CH2−)2O−CH2CH2O−、CH3−(O−CH2CH2−)3O−CH2CH2O−又はCH3−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2O−である。
【0054】
25個までの炭素原子を有するアルキルチオ基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、テトラデシルチオ基、ヘキサデシルチオ基又はオクタデシルチオ基等である。好ましいものは、1ないし12個、特に1ないし8個、例えば1ないし6個の炭素原子を有するアルキルチオ基である。
【0055】
4個までの炭素原子を有するアルキルアミノ基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基又は第三ブチルアミノ基等である。
【0056】
ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基はまた、該2つの基が、互いに独立して、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチル−n−プロピルアミノ基、メチルイソプロピルアミノ基、メチル−n−ブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、エチルイソプロピルアミノ基、エチル−n−ブチルアミノ基、エチルイソブチルアミノ基、エチル−第三ブチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、イソプロピル−n−ブチルアミノ基、イソプロピルイソブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基又はジイソブチルアミノ基等であることを意味する。
【0057】
25個までの炭素原子を有するアルカノイルアミノ基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブタノイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、ヘプタノイルアミノ基、オ
クタノイルアミノ基、ノナノイルアミノ基、デカノイルアミノ基、ウンデカノイルアミノ基、ドデカノイルアミノ基、トリデカノイルアミノ基、テトラデカノイルアミノ基、ペンタデカノイルアミノ基、ヘキサデカノイルアミノ基、ヘプタデカノイルアミノ基、オクタデカノイルアミノ基、エイコサノイルアミノ基又はドコサノイルアミノ基等である。好ましいものは、2ないし18個、特に2ないし12個、例えば2ないし6個の炭素原子を有するアルカノイルアミノ基である。
【0058】
炭素原子数1ないし18のアルキレン基は、枝分かれした又は未枝分かれの基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基又はオクタデカメチレン基等である。好ましいものは、炭素原子数1ないし12のアルキレン基、特に炭素原子数1ないし8のアルキレン基である。
【0059】
好ましくは、1ないし3個、特に1又は2個の枝分かれした又は未枝分かれのアルキル基を含む炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン環は、例えば、シクロペンチレン基、メチルシクロペンチレン基、ジメチルシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、ジメチルシクロヘキシレン基、トリメチルシクロヘキシレン基、第三ブチルシクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基又はシクロデシレン基である。好ましいものは、シクロヘキシレン基及び第三ブチルシクロヘキシレン基である。
【0060】
酸素原子、硫黄原子又は
【化32】

で中断された炭素原子数2ないし18のアルキレン基は、例えば、−CH2−O−CH2−、−CH2−S−CH2−、−CH2−NH−CH2−、−CH2−N(CH3)−CH2−、−CH2−O−CH2CH2−O−CH2−、−CH2−(O−CH2CH2−)2O−CH2−、−CH2−(O−CH2CH2−)3O−CH2−、−CH2−(O−CH2CH2−)4O−CH2−又は−CH2CH2−S−CH2CH2−である。
【0061】
炭素原子数2ないし18のアルケニレン基は、例えば、ビニレン基、メチルビニレン基、オクテニルエチレン基又はドデセニルエチレン基である。好ましいものは、炭素原子数2ないし8のアルケニレン基である。
【0062】
2ないし20個の炭素原子を有するアルキリデン基は、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基、ペンチリデン基、4−メチルペンチリデン基、ヘプチリデン基、ノニリデン基、トリデシリデン基、ノナデシリデン基、1−メチルエチリデン基、1−エチルプロピリデン基又は1−エチルペンチリデン基である。好ましいものは、炭素原子数2ないし8のアルキリデン基である。
【0063】
7ないし20個の炭素原子を有するフェニルアルキリデン基は、例えば、ベンジリデン基、2−フェニルエチリデン基又は1−フェニル−2−ヘキシリデン基である。好ましいものは、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキリデン基である。
【0064】
炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基は、2つの遊離原子価及び少なくとも1つの環単位を有する飽和炭化水素基であり、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基又はシクロオクチレン基である。好ましいものは、シクロヘキシレン基である。
【0065】
炭素原子数7ないし8のビシクロアルキレン基は、例えば、ビシクロヘプチレン基又はビシクロオクチレン基である。
【0066】
未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニレン基又はナフチレン基は、例えば、1,2−、1,3−、1,4−フェニレン基、1,2−、1,3−、1,4−、1,6−、1,7−、2,6−又は2,7−ナフチレン基である。1,4−フェニレン基が好ましい。
【0067】
好ましくは、1ないし3個、特に1又は2個の枝分かれした又は未枝分かれのアルキル基を含む炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環は、例えば、シクロペンチリデン基、メチルシクロペンチリデン基、ジメチルシクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、メチルシクロヘキシリデン基、ジメチルシクロヘキシリデン基、トリメチルシクロヘキシリデン基、第三ブチルシクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基又はシクロオクチリデン基である。好ましいものは、シクロヘキシリデン基及び第三ブチルシクロヘキシリデン基である。
【0068】
1価、2価又は3価の金属カチオンは、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムカチオン、例えば、Na+、K+、Mg++、Ca++又はAl+++である。
【0069】
本発明の特に好ましい組成物は、n=1の場合、R1は、未置換の又は炭素原子数1ないし18のアルキルチオ基又はジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基によってパラ位を置換されたフェニル基;1ないし5個のアルキル置換基中に合計で最大18個の炭素原子を一緒に含む1ないし5置換アルキルフェニル基;ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、チエニル基、ピロリル基、フェノチジニル基又は5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基を表わし、その各々が未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基又はアミノ基によって置換される少なくとも1つの式(I)で表わされる化合物を含む。
【0070】
好ましいものは、nが2を表わす場合、R1が−R12−X−R13−[式中、R12及びR13はフェニレン基を表わし、Xは酸素原子又は−NR31−(式中、R31は、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。)を表わす。]を表わす式(I)で表わされる化合物である。
【0071】
好ましいものはまた、nが1を表わす場合、
1は、未置換の、又は、炭素原子数1ないし4のアルキル−、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ−、ヒドロキシ−、ハロ−、アミノ−、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ−もしくはジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ−で置換されたナフチル基、フェナントリル基、チエニル基、ジベンゾフリル基、カルバゾリル基、フルオレニル基又は式(II)
【化33】

で表わされる基を表わし、
7、R8、R9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヒ
ドロキシル基、炭素原子数1ないし18のアルキル基、酸素原子又は硫黄原子によって中断された炭素原子数2ないし18のアルキル基;炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、酸素原子又は硫黄原子によって中断された炭素原子数2ないし18のアルコキシ基;炭素原子数1ないし18のアルキルチオ基、炭素原子数3ないし12のアルケニルオキシ基、炭素原子数3ないし12のアルキニルオキシ基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルコキシ基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニル基;フェノキシ基、シクロヘキシル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基、炭素原子数1ないし12のアルカノイル基、酸素原子又は硫黄原子によって中断された炭素原子数3ないし12のアルカノイル基;炭素原子数1ないし12のアルカノイルオキシ基、酸素原子又は硫黄原子によって中断された炭素原子数3ないし12のアルカノイルオキシ基;炭素原子数1ないし12のアルカノイルアミノ基、炭素原子数3ないし12のアルケノイル基、炭素原子数3ないし12のアルケノイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ベンゾイル基又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換ベンゾイル基;ベンゾイルオキシ基又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換ベンゾイルオキシ基;
【化34】

を表わすか、又は、
式(II)において、基R7及びR8もしくは基R8及びR11は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、ベンゾ環を形成し、
15は、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし12のアルコキシ基又は
【化35】

を表わし、
18及びR19は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
20は、水素原子を表わし、
21は、水素原子、フェニル基、炭素原子数1ないし18のアルキル基、酸素原子又は硫黄原子によって中断された炭素原子数2ないし18のアルキル基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回、フェニル基上を置換され、かつ酸素原子、硫黄原子
で中断された炭素原子数7ないし18のフェニルアルキル基を表わすか、又は、
基R20及びR21は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回置換されたシクロヘキシレン環を形成し;
22は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
23は、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルカノイル基、炭素原子数3ないし18のアルケノイル基、酸素原子又は硫黄原子で中断された炭素原子数3ないし12のアルカノイル基;ジ(炭素原子数1ないし6のアルキル)ホスホネート基で置換された炭素原子数2ないし12のアルカノイル基;炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニル基、ベンゾイル基又は
【化36】

を表わし、
24及びR25は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、
26は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
27は、炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数2ないし8のアルケニレン基、炭素原子数2ないし8のアルキリデン基、炭素原子数7ないし12のフェニルアルキリデン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基又はフェニレン基を表わし、
28は、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし12のアルコキシ基又は
【化37】

を表わし、
29は、酸素原子又は−NH−を表わし、
30は、炭素原子数1ないし18のアルキル基又はフェニル基を表わし、
sは1又は2を表わす式(I)で表わされる化合物である。
【0072】
好ましいものは、同様に、nが1を表わす場合、
1は、フェナントリル基、チエニル基、ジベンゾフリル基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換カルバゾリル基を表わすか;又はフルオレニル基を表わすか;又は、R1は、式(II)
【化38】

で表わされる基を表わし、
7、R8、R9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数1ないし18のアルキルチオ基、炭素原子数3ないし4のアルケニルオキシ基、
炭素原子数3ないし4のアルキニルオキシ基、炭素原子数2ないし18のアルカノイルオキシ基、フェニル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基又は
【化39】

を表わし、
20は、水素原子を表わし、
21は、水素原子、フェニル基又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わすか、又は、基R20及びR21は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回置換されたシクロヘキシレン環を形成し、
22は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
23は、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルカノイル基又はベンゾイル基を表わす式(I)で表わされる化合物である。
【0073】
特に好ましいものは、nが1を表わす場合、R7、R8、R9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基又はフェニル基を表わす式(I)で表わされる化合物である。
【0074】
特に興味深いものは、R2、R3、R4及びR5は、互いに独立して、水素原子、塩素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、ベンジル基、フェニル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数1ないし18のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし18のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1ないし18のアルカノイルアミノ基、炭素原子数3ないし18のアルケノイルオキシ基又はベンゾイルオキシ基を表わすか;又は、基R2及びR3もしくは基R3及びR4もしくは基R4及びR5は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、ベンゾ環を形成し、R4は、更に、−(CH2p−COR15又は−(CH2q−OHを表わすか、又は、R3、R5及びR6が水素原子を表わす場合、R4は、更に、
式(III)で表わされる基を表わし、
15は、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし12のアルコキシ基又は
【化40】

を表わし、
16及びR17は、メチル基を表わすか、又はそれらが結合されるところのC原子と一緒になって、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し、
24及びR25は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、
pは、1又は2を表わし、
qは、2、3、4、5又は6を表わす少なくとも1つの式(I)で表わされる化合物を含む組成物である。
【0075】
特に興味深いものはまた、基R2、R3、R4及びR5の少なくとも2つが、水素原子を表わす少なくとも1つの式(I)で表わされる化合物を含む組成物である。
【0076】
特に興味深いものは、R3及びR5が水素原子を表わす少なくとも1つの式(I)で表わされる化合物を含む組成物である。
【0077】
非常に特に興味深いものは、R2が炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、R3が水素原子を表わし、R4が炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又はR6が水素原子を表わす場合、R4は、更に式(III)で表わされる基を表わし、R5が水素原子を表わし、R16及びR17が、それらが結合されるところのC原子と一緒になって、シクロヘキシリデン環を形成する少なくとも1つの式(I)で表わされる化合物を含む組成物である。
【0078】
以下の化合物が、本発明の組成物に特に適当なベンゾフラノ−2−オン類の例である:3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシ−フェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−フェニルベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−(2,3−ジメチルフェニル)−ベンゾフラノ−2−オン。
【0079】
特に興味深いものはまた、少なくとも1つの式(V)
【化41】

(式中、
2は、水素原子又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わし、
3は、水素原子を表わし、
4は、水素原子又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わし、
5は、水素原子を表わし、
7、R8、R9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表わすが、但し、基R7、R8、R9、R10又はR11の少なくとも2つは水素原子を表わす。)で表わされる化合物を含む組成物である。
【0080】
非常に特に興味深いものは、少なくとも1つの式(Va)又は(Vb)
【化42】

で表わされる化合物、又は式(Va)及び(Vb)で表わされる2つの化合物の混合物を含む組成物である。
【0081】
本発明の組成物において有用な長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン抗酸化剤は、米国特許第4,876,300号明細書に開示されているものであり、これは、参照文献としてここに組込まれる。
【0082】
本発明の組成物において有用な長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン抗酸化剤は、式(VI)
【化43】

(式中、T1及びT2は、独立して、6ないし36個の炭素原子、好ましくは12ないし36個の炭素原子、最も好ましくは16ないし18個の炭素原子を有するアルキル基を表わす。)で表わされるものを含む。特に興味深いものは、T1及びT2が同じものを表わし、かつ18個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表わす式(VI)で表わされる長鎖ヒドロキシルアミンである。
【0083】
本発明の組成物及び方法におけるヒドロキシルアミン抗酸化剤は、例えば、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジドデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−テトラデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−ヘプタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン及びN,N−ジ(水素化牛脂)ヒドロキシルアミンである。特に興味深い化合物は、T1及びT2が、互いにドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基又はオクタデシル基を表すもの;又は、T1がヘキサデシル基を表わし、T2がテトラデシル基、ヘプタデシル基又はオクタデシル基を表わすもの;又は、T1がヘプタデシル基を表わし、T2がオクタデシル基を表すものである。
【0084】
本発明における長鎖ヒドロキシルアミン抗酸化剤は、例えば、N,N−ジ(水素化牛脂)アミンの直接酸化により製造されるN,N−ジ(アルキル)ヒドロキシルアミン(イルガスタブ(登録商標:Irgastab)FS−042、チバ スペシャルティ ケミカルズ コーポレーション)であり得る。
【0085】
本発明の置換ヒドロキシルアミン抗酸化剤は、例えば、米国特許第4,666,962号明細書、米国特許第4,666,963号明細書、米国特許第4,678,826号明細書、米国特許第4,753,972号明細書、米国特許第4,757,102号明細書、米国特許第4,760,179号明細書、米国特許第4,929,657号明細書、米国特許第5,057,563号明細書、米国特許第5,021,479号明細書、米国特許第5,045,583号明細書及び米国特許第5,185,448号明細書に記載されるものであり、これらの開示は、参照としてここに組込まれる。これらは、式(VI)で表わされるヒドロキシルアミンといかなるα,β−不飽和ケトン、エステル、アミド又はホスホネートの反応からのマイケル付加生成物を含み;及びまた、式(VI)で表わされるヒドロキシルアミンとホルムアルデヒド及び第二アミンの反応からのマンニッヒ型縮合生成物も含む。また、含まれるものは、米国特許第5,045,583号明細書に開示されるようなヒドロキシルアミンのO−アルケニル置換類似体である。また、米国特許第5,185,448号明細書に開示されるような非障害性置換ヒドロキシルアミン及び未置換ヒドロキシルアミン抗酸化剤のアセチル誘導体、例えば、米国特許第5,021,479号明細書に開示されるもの等も含む。
【0086】
置換ヒドロキシルアミンは、上記の式(VI)で表わされるヒドロキシルアミン又は式(VII)
【化44】

(式中、
Qは、5−又は6−員環を形成している基を表わし;
1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基又はフェニル基を表わす。)で表わされるヒドロキシルアミンの誘導体であり得るが、但し、式(VII)で表わされるヒドロキシルアミンの誘導体である場合、米国特許第5,185,448号明細書及び米国特許第5,235,056号明細書に記載されるようなヒドロキシルアミンの誘導体に制限される。
【0087】
本発明の置換ヒドロキシルアミンは、例えば、式(VIII)又は(IX)
【化45】

(式中、
1は、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、5ないし12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7ないし9個の炭素原子を有するアラルキル基、又は、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基1又は2個によってもしくはハロゲン原子1又は2個によって置換された前記アラルキル基を表わし、
2は、水素原子を表わすか、又は、独立して、T1と同じ意味を有し、
3は、アリル基、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、5ないし18個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5ないし18個の炭素原子を有するシクロアルケニル基、又は、フェニル基によって、もしくは1ないし4個の炭素原子
を有するアルキル基1又は2個で置換されたフェニル基によって、もしくは1又は2個のハロゲン原子によって置換された1ないし4個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基を表わす。)で表わされるものであり得る。
【0088】
置換ヒドロキシルアミンは、例えば、O−アリル−N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン又はO−n−プロピル−N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン又はN,N−ジ(水素化牛脂)アセトキシアミンであり得る。
【0089】
ニトロンは、例えば、米国特許第4,898,901号明細書に記載されたものであり得り、これは、参照文献としてここに組込まれる。
【0090】
ニトロンは、例えば、式(X)
【化46】

(式中、
1は、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、5ないし12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7ないし9個の炭素原子を有するアラルキル基、又は、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基1又は2個によってもしくはハロゲン原子1又は2個によって置換された前記アラルキル基を表わし、
2及びL3は、独立して、水素原子、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、5ないし12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7ないし9個の炭素原子を有するアラルキル基、又は、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基1又は2個によってもしくはハロゲン原子1又は2個によって置換された前記アラルキル基を表わすか、
又は、L1及びL2は、一緒になって、窒素原子を含む5−又は6−員環を形成する。)で表わされるものである。
【0091】
ニトロンは、未置換のヒドロキシルアミンの対応する酸化生成物であり得る。即ち、ニトロンは、未置換のヒドロキシルアミンのニトロン類似体であり得る。ニトロンは、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル−α−ヘプタデシルニトロン及びN,N−ジ(水素化牛脂)ヒドロキシルアミンから誘導されたニトロンであり得る。
【0092】
アミンオキシドは、例えば、米国特許第5,081,300号明細書、米国特許第5,162,408号明細書、米国特許第5,844,029号明細書、米国特許第5,880,191号明細書及び米国特許第5,922,794号明細書に開示されるものであり、その各々の関連部分は、参照文献としてここに組込まれる。
【0093】
アミンオキシドは、例えば、一般式(XI)
【化47】

{式中、
1及びG2は、独立して、6ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、6ないし12個の炭素原子を有するアリール基、7ないし36個の炭素原子を有するアラルキル基、7ないし36個の炭素原子を有するアルカリール基、5ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6ないし36個の炭素原子を有するアルクシクロアルキル基又は6ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル基を表わし、G3は、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、6ないし12個の炭素原子を有するアリール基、7ないし36個の炭素原子を有するアラルキル基、7ないし36個の炭素原子を有するアルカリール基、5ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6ないし36個の炭素原子を有するアルクシクロアルキル基又は6ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル基を表わすが、但し、G1、G2及びG3の少なくとも1つは、炭素−水素結合を含み、
前記アリール基は、1ないし3個の、ハロゲン原子、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基、1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基又はそれらの組合せで置換され得り、
前記アルキル基、前記アラルキル基、前記アルカリール基、前記シクロアルキル基、前記アルクシクロアルキル基及び前記シクロアルキルアルキル基は、1ないし16個の、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−CO−、−NG4−、−CONG4−及び−NG4CO−基によって中断され得るか、又は前記アルキル基、前記アラルキル基、前記アルカリール基、前記シクロアルキル基、前記アルクシクロアルキル基及び前記シクロアルキルアルキル基は、−OG4、−SG4、−COOG4、−OCOG4、−COG4、−N(G42、−CON(G42、−NG4COG4、及び−C(CH3)(CH2x)NL(CH2x)(CH3)C−基を含む5−及び6−員環から選択された1ないし16個の基によって置換され得るか、又は前記アルキル基、前記アラルキル基、前記アルカリール基、前記シクロアルキル基、前記アルクシクロアルキル基及び前記シクロアルキルアルキル基は、上記した基で中断も置換もされ、
ここで、G4は、独立して、水素原子又は1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を表わし、
xは、水素原子又はメチル基を表わし、
Lは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし30の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル部分、−C(O)R部分[式中、Rは、炭素原子数1ないし30の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基を表わす。]又は−ORy部分[式中、Ryは、炭素原子数1ないし30の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし10のビシクロアルキル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルケニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし9のアラルキル基、アルキル基又はアリール基によって置換された炭素原子数7ないし9のアラルキル基、又はC(O)D(式中、Dは、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、フェニル基、ヒドロキシ基で、アルキル基で又はアルコキシ基で置換されたフェニル基、もしくは、アミノ基、又は、アルキル基又はフェニル基によって一又は二置換されたアミノ基を表わす。)を表わす。]を表わす。]で表わされる飽和第三アミンオキシドである。
【0094】
式(XI)で表わされる構造の例は、G1及びG2が、独立して、ベンジル基又は置換ベンジル基を表わすものである。G1、G2及びG3の各々が、同じ残基を表わすこともまた可能である。G1及びG2はまた、独立して、8ないし26個の炭素原子を有するアルキル基、例えば、10ないし26個の炭素原子を有するアルキル基も表わし得る。G3は、1ないし22個の炭素原子を有するアルキル基、例えば、メチル基又は置換メチル基を表わし得る。また、本発明のアミンオキシドは、G1、G2及びG3が、6ないし36個の炭素原子を有する同じアルキル基を表わすものも含む。G1、G2及びG3のために上記で言及した残基は、例えば、飽和炭化水素残基又は上記で言及した−O−、−S−、−SO−、−CO2−、−CO−又は−CON−部分を少なくとも1つ含む飽和炭化水素残基である。当業者は、本発明からそれることなく、G1、G2及びG3の各々のための他の有用な残基を想像することができ得る。
【0095】
飽和アミンオキシドはまた、ポリ(アミンオキシド)を含み得る。ポリ(アミンオキシド)は、1分子当りに少なくとも2つの第三アミンオキシドを含む第三アミンオキシドを意味する。‘‘ポリ(第三アミンオキシド)’’とも称される実例的なポリ(アミンオキシド)は、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノへキサン、1,10−ジアミノデカン及び1,4−ジアミノシクロヘキサンのような脂肪族及び脂環式ジアミンの、及び、例えば、ジアミノアントラキノン及びジアミノアニソールのような芳香族ベースのジアミンの第三アミンオキシド類似体を含む。
【0096】
また、含まれるものは、上記で言及したジアミンのオリゴマー及びポリマーから誘導された第三アミンオキシドである。有用なアミンオキシドはまた、ポリマー、例えば、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン等に結合されたアミンオキシドを含む。アミンオキシドがポリマーに結合される場合、1ポリマー当りのアミンオキシドの平均数は、全てのポリマー鎖がアミンオキシドを含む必要がないため、広く変化し得る。上記で言及した全てのアミンオキシドは、任意に、−O−、−S−、−SO−、−CO2−、−CO−又は−CONG4−部分を少なくとも1つ含み得る。例えば、ポリマー状第三アミンオキシドの各第三アミンオキシドは、炭素原子数1の残基を含み得る。
【0097】
本発明の好ましい抗酸化剤の特定の例は、
i.)N,N−ジ(水素化牛脂)アミンの直接酸化によって製造されるN,N−ジ(アルキル)ヒドロキシルアミン(イルガスタブ(登録商標:Irgastab)FS−042)、
ii.)O−アリル−N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、
iii.)N−オクタデシル−a−ヘプタデシルニトロン、及び
iv.)ジ(炭素原子数16ないし18)アルキルメチルアミンオキシド(ゲノックス(登録商標:Genox)EP)
から選択される1つ以上の化合物である。
【0098】
イルガスタブ(登録商標:Irgastab)FS−042は、チバ スペシャルティ
ケミカルズから入手できる。ゲノックス(登録商標:Genox)EPは、ジーイー スペシャルティ ケミカルズから入手できる。O−アリル−N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミンは、米国特許第5,045,583号明細書の実施例3において製造されるものである。N−オクタデシル−a−ヘプタデシルニトロンは、米国特許第4,898,901号明細書の実施例3において製造されるものである。
【0099】
本発明の抗酸化剤は、食用有機物質の質量に基づき少量で本発明の組成物中に供給され、そして該量は、抗酸化剤として効果的な量、即ち、一般的で許容可能な方法で貯蔵される及び食品を製造するために使用される食用有機物質を安定化するため又は前記食用有機
物質の分解を抑制するために十分な量である。使用される抗酸化剤の量は、一般的に、有意な安定化効果を有し得るいかなる量でもある。本発明の化合物の量は、食用有機物質の所望の安定期間及び食用有機物質の分解速度に依存し得る。従って、使用前の食用有機物質の貯蔵期限の増加が望まれる場合、使用され得る本発明の化合物の量は増加する。しばしば、本発明の化合物は、食用有機物質の質量に基づき、少なくとも約0.005質量%、好ましくは少なくとも約0.01質量%、最大5質量%まで、好ましくは約1質量%までの量で供給され得る。食用有機物質に基づき約0.1質量%以上の濃度の本発明の化合物が、しばしば、本発明に従って使用され得る。食用有機物質の質量に基づき約5質量%を超える濃度においては、安定性の増加における利益は、一般的にほとんど観察されない。
【0100】
本発明の化合物の存在は、通常、食用有機物質が配合される又は食品を製造するために使用される方法に、物質的に影響を及ぼさない。本発明の化合物は、好ましくは、食用有機物質中に均一に混合される。本発明の化合物は、食品製造時に添加され得るか、又は食品製造の前に食用脂肪又は脂肪油を安定化するために該食用脂肪又は脂肪油と完全にプレミックスされ得る。
【0101】
特に、食用脂肪又は脂肪油組成物が、食品製品中に使用するために移動されるべき場合、該製品の量を容易に操作し得る食用脂肪又は脂肪油組成物を提供することは、しばしば都合が良い。他方で、本発明は、多量の食用有機物質が貯蔵及び食品製造に使用されるところの大規模食品加工プラントにも適用可能である。本発明の化合物は、効果的に使用され得る低毒性及び低濃度のため、ベーキング産業において使用されるようなペストリー、ケーキ及びビスケットプレミックス等の多量の生地の安定化のために特に適当である。また、ペットフード及び他の飼料等の他の大規模食品製造プラントにおける使用は、本発明の化合物が特に適当である他の適用である。
【0102】
抗酸化剤の組合せが食用脂肪及び脂肪油及びそれらを含む食品中にしばしば使用される。所望の安定性及び耐性の組合せを得るために、本発明の化合物は、他の食品抗酸化剤と組合せて利用され得る。他の食品抗酸化剤は、食用有機物質の質量に基づき、約0.01−0.1質量%の量で使用され得る。それらはまた、最終食品製品に所望の品質を提供するために、乳化剤、懸濁剤及び着色剤のような他の食品添加剤とも組合せられ得る。このような更なる食品抗酸化剤の例は、以下のものを含む:
【0103】
1.BHA及びBHT等のフェノール系。
2.トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
3.ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
4.b−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ
−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
5.b−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
6.b−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
7.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
8.アスコルビン酸(ビタミンC)
9.ホスフィット及びホスホナイト、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスホナイト、フェニルジアルキルホスホナイト、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジアルキルペンタエリトリトールジホスホナイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット(ウルトラノックス(登録商標:Ultranox)626,ジーイー ケミカルズ,配合(D))、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(イルガフォス(登録商標:Irgafos)P−EPQ、チバ スペシャルティ ケミカルズ コーポレーション、配合(H))、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,
3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット。
10.ローズマリー抽出物。
【実施例】
【0104】
以下の実施例は、説明目的のためのみのものであり、いかなる方法においても本発明の範囲を制限するようには構成されない。

実験方法
天然トコフェロールを除去したコーンオイル(3g)を、シェーカーオーブン(イリノイ州、メルロースパークのラボ−ライン インストゥルメント インコーポレーテッド製)中の栓をした50mL三角フラスコ中で酸化させた。液体酸化の後、比色定量分析により過酸化値を、静的ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによりヘキサナールを測定した。過酸化値は、安全理由から、溶媒としてベンゼン:メタノールの代わりにクロロホルム:メタノール(3:1、v/v)を使用することに変更したチオシアン酸鉄法(チャップマン,R.A.;マッケイ,K、チオシアン酸鉄法による脂肪及びオイル中のペルオキシドの推定、J.Am.Oil Chem.Soc、1949年、26、360−363)によって決定した。プロパノールを、静的ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(フランケル,E.N、酸化した魚油と酸化した植物油の熱分解によるヘッドスペース揮発物の形成、J.Am.Oil.Chem.Soc、1993年、70、767−772)によって決定した。アリコートのオイル試料(0.20g)を、22mLヘッドスペースバイアル中で計量し、封止し、そしてHS−40ヘッドスペースオートサンプラー中で80℃において10分間、平衡にさせた。その後、アリコートのヘッドスペースを、長さ30m、内径0.32mm、フィルム厚1μmの細管DB−1701カラム(カリフォルニア州、フォルソムのJ&W サイエンティフィック社製)を備えた自動システムガスクロマトグラフ(コネティカット州、ノルウォークのパーキン−エルマー社製)中に注入した。インジェクター及び検出器温度は、それぞれ、180及び200℃であった。オーブン温度は、65℃で恒温的に制御した。ヘキサナールを、既知の濃度の標準溶液を使用することによって定量した。全ての分析は二度行った。
【0105】
抗酸化剤の活性を、天然トコフェロールを除去したコーンオイルを使用して50及び60℃で酸化した後、過酸化値及びヘキサナールを決定することによって評価した。過酸化値の測定は、抗酸化剤の評価において一般的に許容されるヒドロペルオキシドの典型的な測定である。この測定は、ヒドロペルオキシドが著しく分解されないため、十分に穏やかな本研究で使用される比較的少量の酸化及び温度において有用である。ヘキサナールの決定は、過酸化値より風味の劣化及び悪臭により密接に関連し得るヒドロペルオキシド分解の測定である。試験された本発明に従った抗酸化剤は、(1)042−N,N−ジ(水素化牛脂)アミンの直接酸化により製造されるN,N−ジ(アルキル)ヒドロキシルアミン(チバ スペシャルティ ケミカルズ コーポレーション社製イルガスタブ(登録商標:Irgastab)FS−042)及びイルガノックス(登録商標:Irganox)HP−136:3−(3,4−ジメチルフェノニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オンである。抗酸化剤は、100及び200ppmで試験し、同じ濃度の、市販の抗酸化剤、BHA、BHT及びTBHQ、及び市販の天然抗酸化剤、トコフェロール混合物と、そして、250及び500ppmのローズマリー抽出物と比較した。
50℃での評価において、酸化速度が速められる生長反応段階において、過酸化値及びヘキサナール含有量の双方について終点を8日に選択した。
評価結果を表1−2に示す。
60℃での評価において、酸化速度が速められる生長反応段階において、過酸化値について終点を3日に、ヘキサナール含有量について終点を4日に選択した。
評価結果を表3−4に示す。
表1
【表1】

表2
【表2】

表3
【表3】

表4
【表4】














【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般に酸化分解を受け易い食用有機物質、及び
(i)式(I)
【化1】

[式中、nが1を表わす場合、
1は、未置換の、又は、炭素原子数1ないし4のアルキル−、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ−、ヒドロキシ−、ハロ−、アミノ−、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ−、フェニルアミノ−もしくはジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ−で置換されたナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル基、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、ジベンゾフリル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基又はフェノキサジニル基を表わすか、又は、R1は、式(II)
【化2】

で表わされる基を表わし、
nが2を表わす場合、
1は、未置換の、又は、炭素原子数1ないし4のアルキル−又はヒドロキシ−で置換されたフェニレン基もしくはナフチレン基を表わすか;又は−R12−X−R13−を表わし、R2、R3、R4及びR5は、互いに独立して、水素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし25のアルキル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基;炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数1ないし18のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基、炭素原子数1ないし25のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1ないし25のアルカノイルアミノ基、炭素原子数3ないし25のアルケノイルオキシ基、酸素原子、硫黄原子又は
【化3】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイルオキシ基;炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基又は炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイルオキシ基を表わすか;又は、基R2及びR3もしくは基R3及びR4もしくは基R4及びR5は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、ベンゾ環を形成し、R4は、更に、−(CH2p−COR15又は−(CH2q−OHを表わすか、又は、R3、R5及びR6が水素原子を表わす場合、R4は、更に、
式(III)
【化4】

(式中、R1は、n=1のために上記した通りである。)
で表わされる基を表わし、
6は、水素原子又は式(IV)
【化5】

(式中、R4は、式(III)で表わされる基を表わさず、R1は、n=1のために上記した通りである。)で表わされる基を表わし、
7、R8、R9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし25のアルキル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化6】

で中断された炭素原子数2ないし25のアルキル基;炭素原子数1ないし25のアルコキシ基、酸素原子、硫黄原子又は
【化7】

で中断された炭素原子数2ないし25のアルコキシ基、炭素原子数1ないし25のアルキルチオ基、炭素原子数3ないし25のアルケニル基、炭素原子数3ないし25のアルケニルオキシ基、炭素原子数3ないし25のアルキニル基、炭素原子数3ないし25のアルキニルオキシ基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルコキシ基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニル基;
未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェノキシ基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換炭素原子数5ないし8のシクロアルコキシ基;炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基、炭素原子数1ないし25のアルカノイル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化8】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイル基;炭素原子数1ないし25のアルカノイルオキシ基、酸素原子、硫黄原子又は
【化9】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイルオキシ基;炭素原子数1ないし25のアルカノイルアミノ基、炭素原子数3ないし25のアルケノイル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化10】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルケノイル基;炭素原子数3ないし25のアルケノイルオキシ基、酸素原子、硫黄原子又は
【化11】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルケノイルオキシ基;炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニル基、炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイル基又は炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイル基;ベンゾイルオキシ基又は炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイルオキシ基;
【化12】

を表わすか、又は、
式(II)において、基R7及びR8もしくは基R8及びR11は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、ベンゾ環を形成し、
12及びR13は、互いに独立して、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−で置換されたフェニレン基もしくはナフチレン基を表わし、
14は、水素原子又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表わし、
15は、ヒドロキシル基、
【化13】

、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基又は
【化14】

を表わし、
16及びR17は、互いに独立して、水素原子、CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基を表わすか、又は、
16及びR17は、それらが結合されるところのC原子と一緒になって、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し;
18及びR19は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表わし、
20は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
21は、水素原子、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニル基;炭素原子数1ないし25のアルキル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化15】

で中断された炭素原子数2ないし25のアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回、フェニル基上を置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回、フェニル基上を置換され、かつ酸素原子、硫黄原子又は
【化16】

で中断された炭素原子数7ないし25のフェニルアルキル基を表わすか、又は、
基R20及びR21は、それらが結合されるところの炭素原子と一緒になって、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で1ないし3回置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン環を形成し;
22は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
23は、水素原子、炭素原子数1ないし25のアルカノイル基、炭素原子数3ないし25のアルケノイル基、酸素原子、硫黄原子又は
【化17】

で中断された炭素原子数3ないし25のアルカノイル基;ジ(炭素原子数1ないし6のアルキル)ホスホネート基で置換された炭素原子数2ないし25のアルカノイル基;炭素原子数6ないし9のシクロアルキルカルボニル基、テノイル基、フロイル基、ベンゾイル基又は炭素原子数1ないし12のアルキル−置換ベンゾイル基;
【化18】

を表わし、
24及びR25は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わし、
26は、水素原子又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表わし、
27は、直接結合、炭素原子数1ないし18のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子又は
【化19】

で中断された炭素原子数2ないし18のアルキレン基;炭素原子数2ないし18のアルケニレン基、炭素原子数2ないし20のアルキリデン基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキリデン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基、炭素原子数7ないし8のビシクロアルキレン基、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換フェニレン基、
【化20】

を表わし、
28は、ヒドロキシル基、
【化21】

、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基又は
【化22】

を表わし、
29は、酸素原子、−NH−又は
【化23】

を表わし、
30は、炭素原子数1ないし18のアルキル基又はフェニル基を表わし、
31は、水素原子又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わし、
Mは、r−価の金属カチオンを表わし、
Xは、直接結合、酸素原子、硫黄原子又は−NR31−を表わし、
nは、1又は2を表わし、
pは、0、1又は2を表わし、
qは、1、2、3、4、5又は6を表わし、
rは、1、2又は3を表わし、
sは、0、1又は2を表わす。]で表わされる化合物である本発明の3−アリールベンゾフラノン、
(ii)式(VI)
【化24】

(式中、T1及びT2は、独立して、6ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基を表わす。)で表わされる長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、(iii)例えば、式(VIII)又は(IX)
【化25】

(式中、
1は、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、5ないし12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7ないし9個の炭素原子を有するアラルキル基、又は、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基1又は2個によってもしくはハロゲン原子1又は2個によって置換された前記アラルキル基を表わし、
2は、水素原子を表わすか、又は、独立して、T1と同じ意味を有し、
3は、アリル基、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、5ないし18個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5ないし18個の炭素原子を有するシクロアルケニル基、又は、フェニル基によって、もしくは1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基1又は2個で置換されたフェニル基によって、もしくは1又は2個のハロゲン原子によって置換された1ないし4個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖の
アルキル基を表わす。)で表わされ得る置換ヒドロキシルアミン、
(iv)式(X)
【化26】

(式中、
1は、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、5ないし12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7ないし9個の炭素原子を有するアラルキル基、又は、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基1又は2個によってもしくはハロゲン原子1又は2個によって置換された前記アラルキル基を表わし、
2及びL3は、独立して、水素原子、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、5ないし12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7ないし9個の炭素原子を有するアラルキル基、又は、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基1又は2個によってもしくはハロゲン原子1又は2個によって置換された前記アラルキル基を表わすか、
又は、L1及びL2は、一緒になって、窒素原子を含む5−又は6−員環を形成する。)で表わされるニトロン、及び
(v)例えば、一般式(XI)
【化27】

{式中、
1及びG2は、独立して、6ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、6ないし12個の炭素原子を有するアリール基、7ないし36個の炭素原子を有するアラルキル基、7ないし36個の炭素原子を有するアルカリール基、5ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6ないし36個の炭素原子を有するアルクシクロアルキル基又は6ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル基を表わし、G3は、1ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、6ないし12個の炭素原子を有するアリール基、7ないし36個の炭素原子を有するアラルキル基、7ないし36個の炭素原子を有するアルカリール基、5ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6ないし36個の炭素原子を有するアルクシクロアルキル基又は6ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル基を表わすが、但し、G1、G2及びG3の少なくとも1つは、炭素−水素結合を含み、
前記アリール基は、1ないし3個の、ハロゲン原子、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基、1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基又はそれらの組合せで置換され得り、
前記アルキル基、前記アラルキル基、前記アルカリール基、前記シクロアルキル基、前記アルクシクロアルキル基及び前記シクロアルキルアルキル基は、1ないし16個の、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−CO−、−NG4−、−CONG4−及び−NG4CO−基によって中断され得るか、又は前記アルキル基、前記アラルキル基、前記アルカリール基、前記シクロアルキル基、前記アルクシクロアルキル基及び前記シクロアルキルアルキル基は、−OG4、−SG4、−COOG4、−OCOG4
、−COG4、−N(G42、−CON(G42、−NG4COG4、及び−C(CH3)(CH2x)NL(CH2x)(CH3)C−基を含む5−及び6−員環から選択された1ないし16個の基によって置換され得るか、又は前記アルキル基、前記アラルキル基、前記アルカリール基、前記シクロアルキル基、前記アルクシクロアルキル基及び前記シクロアルキルアルキル基は、上記した基で中断も置換もされ、
ここで、G4は、独立して、水素原子又は1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を表わし、
xは、水素原子又はメチル基を表わし、
Lは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし30の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル部分、−C(O)R部分[式中、Rは、炭素原子数1ないし30の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基を表わす。]又は−ORy部分[式中、Ryは、炭素原子数1ないし30の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし10のビシクロアルキル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルケニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし9のアラルキル基、アルキル基又はアリール基によって置換された炭素原子数7ないし9のアラルキル基、又はC(O)D(式中、Dは、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、フェニル基、ヒドロキシ基で、アルキル基で又はアルコキシ基で置換されたフェニル基、もしくは、アミノ基、又は、アルキル基又はフェニル基によって一又は二置換されたアミノ基を表わす。)を表わす。]を表わす。]で表わされる飽和第三アミンオキシドであるアミンオキシド
からなる群から選択された1種以上の抗酸化剤として効果的な小量の化合物を含む一般に酸化分解を受け易い物質の組成物。
【請求項2】
ベンゾフラノンが、n=1を表わし、R1は、未置換の又は炭素原子数1ないし18のアルキルチオ基又はジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基によってパラ位を置換されたフェニル基;1ないし5個のアルキル置換基中に合計で最大18個の炭素原子を一緒に含む1ないし5置換アルキルフェニル基;ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、チエニル基、ピロリル基、フェノチジニル基又は5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基を表わし、その各々が未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基又はアミノ基によって置換される少なくとも1つの式(I)で表わされる化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ベンゾフラノンが、nが2を表わし、R1が−R12−X−R13−[式中、R12及びR13はフェニレン基を表わし、Xは酸素原子又は−NR31−(式中、R31は、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。)を表わす。]を表わす式(I)で表わされる化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項4】
ベンゾフラノンが、3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシ−フェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−フェニルベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−(2,3−ジメチルフェ
ニル)−ベンゾフラノ−2−オンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項5】
長鎖ヒドロキシルアミンが、T1及びT2が独立して、12ないし36個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基から選択される式(VI)で表わされる化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項6】
長鎖ヒドロキシルアミンが、T1及びT2が独立して、16ないし18個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基から選択される式(VI)で表わされる化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項7】
長鎖ヒドロキシルアミンが、T1及びT2が同じものを表わし、かつ18個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表わす式(VI)で表わされる化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項8】
置換ヒドロキシルアミンが、O−アリル−N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン及びO−n−プロピル−N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン又はN,N−ジ(水素化牛脂)アセトキシアミンから選択される少なくとも1つの化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項9】
ニトロンが、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル−α−ヘプタデシルニトロン及びN,N−ジ(水素化牛脂)ヒドロキシルアミンから誘導されたニトロンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項10】
アミンオキシドが、トリアルキルアミンオキシドである請求項1記載の組成物。
【請求項11】
アミンオキシドが、トリ(炭素原子数12ないし14)アミンオキシドである請求項1記載の組成物。
【請求項12】
アミンオキシドが、ジ(炭素原子数12ないし14)メチルアミンオキシドである請求項1記載の組成物。
【請求項13】
アミンオキシドが、トリ(炭素原子数16ないし18)アミンオキシドである請求項1記載の組成物。
【請求項14】
抗酸化剤が、食用有機物質の質量に基づいて、約0.005質量%ないし約5質量%の量で存在する請求項1記載の組成物。
【請求項15】
抗酸化剤が、食用有機物質の質量に基づいて、約0.01質量%ないし約1質量%の量で存在する請求項1記載の組成物。
【請求項16】
組成物が、更に、請求項1に記載したもの以外の食品抗酸化剤、乳化剤、懸濁剤及び着色剤から選択される任意の食品添加剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項17】
組成物が、更に、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコ
フェロール、アスコルビン酸、ベンジルホスホネート、b−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールのエステル、b−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールのエステル、b−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールのエステル、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価又は多価アルコールのエステル、ホスフィット及びホスホナイトからなる群から選択される食品抗酸化剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項18】
抗酸化剤が、
i.)N,N−ジ(水素化牛脂)アミンの直接酸化によって製造されるN,N−ジ(アルキル)ヒドロキシルアミン、
ii.)O−アリル−N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、
iii.)N−オクタデシル−a−ヘプタデシルニトロン、及び
iv.)ジ(炭素原子数16ないし18)アルキルメチルアミンオキシド
からなる群から選択される1つ以上の化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項19】
食用有機物質が、脂肪酸グリセリド、食用脂肪及び脂肪油を含む食品である請求項1記載の組成物。
【請求項20】
食用有機物質が、ペットフード又は飼料である請求項1記載の組成物。


【公表番号】特表2006−510362(P2006−510362A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560500(P2004−560500)
【出願日】平成15年12月8日(2003.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2003/050954
【国際公開番号】WO2004/055141
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】