脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための装置
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素Rに接続するための装置20は、コネクタ本体22、少なくとも1つのクランプ要素24および少なくとも1つの固定要素26を含む。コネクタ本体は、それを通って延び、その外面に通じる受け部30を画定する。コネクタ本体はまた、受け部と横方向に連通する通路50を画定する。クランプ要素は、開放端94を有する空間Sをその間に画定する少なくとも2つのアーム部72a、72bを含む。クランプ要素は、一般にアーム部の間の空間Sが、受け部、および開放端を通して受け入れられ、空間S内に保持される構成要素Rと並べられた状態で、コネクタ本体の通路の中に配置される。構成要素Rの少なくとも一部を受け部の中に配置するために、固定要素はクランプ要素と相互作用して、クランプ要素をコネクタ本体に対して移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、脊柱を治療するための器具に関し、より詳細には、脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱の治療に使用する、より具体的には脊柱の各部分を安定化および支持するための、いくつかの技術およびシステムが開発されている。脊柱側弯症や他の状態に関連する脊椎の変形または湾曲を矯正する試みでは、脊柱の各部分を安定化および支持するために細長いロッドが使用されることがある。脊椎の障害または変性状態を伴う特定の場合には、その治療技術およびシステムが、脊椎融合技術と共に1対または複数対の隣接する椎骨の間の融合を促進するために用いられる。
【0003】
一部の技術およびシステムでは、脊柱の相対する側に沿って細長いロッドが配置される。細長いロッドは、ねじおよび/または鉤など、いくつかのアンカー要素によって2つ以上の椎骨に係合され、脊柱の少なくとも一部を安定化および支持する働きをする脊椎構造体を形成する。ロッドの長さに沿った1つまたは複数の位置で細長いロッドを相互接続する、1つまたは複数の横方向のコネクタを提供することによって、脊椎構造体の全体的な構造上の完全性および安定性が高められることがある。横方向のコネクタはロッドを互いに連結して、ロッドの移動を防ぎ、脊椎構造体の全体的な剛性を高める。脊椎融合を伴う場合には、横方向のコネクタの使用は、脊椎構造体を安定化/剛性化して、1対または複数対の隣接する椎骨の間の融合を高める、または促進するのに特に有益である。
【0004】
従来の横方向のコネクタの多くは、脊椎外科医に対して1つまたは複数の困難を生じさせる。例えば従来の横方向のコネクタには、軟部組織の外傷や外科手術の複雑さを増大させる可能性のある、比較的高い輪郭を有するものがある。さらに従来の横方向のコネクタには、患者の体内に移植する前に、細長いロッドに前負荷が加えられなければならないものもある。そのように前負荷を加えることは、手術前の重要な立案を必要とする場合があり、また横方向のコネクタをin situで細長いロッドに係合する機会を排除する。さらに、外科処置中に横方向のコネクタの位置調整を実施することが難しくなる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、業界では一般に、脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための改善された装置を提供することが求められている。本発明はこの要求を満たし、新規な自明ではない方法で他の利益および利点を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は一般に、脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための装置に関する。本明細書に包含される本発明の実際の性質は、本明細書に添付された特許請求の範囲を基準としてのみ決定され得るものであるが、以下では、本明細書に開示される好ましい実施形態の特徴である本発明のいくつかの形態が簡潔に記述される。
【0007】
本発明の一形態では、コネクタ本体、クランプ要素および固定要素を含む、脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置が提供される。コネクタ本体は、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、受け部は相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含む。コネクタ本体はさらに、受け部と横方向に連通する通路を画定する。クランプ要素は、開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含む。クランプ要素は、アーム部の間の空間が受け部にほぼ位置合わせされまた構成要素が開放端を通して受け入れられて空間内に保持された状態で、コネクタ本体の通路の中に配置される。固定要素は、構成要素をテーパ状の係合面に対して係合するために、クランプ要素と相互作用してクランプ要素をコネクタ本体に対して移動させる。
【0008】
本発明の他の形態では、コネクタ本体、クランプ要素および固定要素を含む、脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置が提供される。コネクタ本体は、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定する。コネクタ本体はさらに、受け部と横方向に連通する通路を画定する。クランプ要素は、開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含み、空間が受け部にほぼ位置合わせされ、また構成要素が開放端を通して空間内に受け入れられた状態で、コネクタ本体の通路の中に配置される。コネクタ本体およびクランプ要素は、通路内でのクランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む。さらに、コネクタ本体およびクランプ要素のアーム部の少なくとも1つがテーパ状領域を画定する。構成要素が少なくとも部分的に受け部の中に配置された状態で構成要素を空間内に保持するために、固定要素はクランプ要素と相互作用して、アーム部を構成要素のまわりに押し付けるように、クランプ要素をコネクタ本体に対してテーパ状領域に沿って移動させる。
【0009】
本発明の他の形態では、コネクタ本体、クランプ要素および固定要素を含む、脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置が提供される。コネクタ本体は、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定する。コネクタ本体はさらに、受け部と横方向に連通する通路を画定する。クランプ要素は、開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含み、また空間が受け部にほぼ位置合わせされ、また構成要素が開放端を通して空間内に受け入れられた状態で、コネクタ本体の通路内に位置付けられる上側部分、および受け部に隣接して位置付けられる下側部分も含む。。コネクタ本体およびクランプ要素の上側部分は、通路内でのクランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む。固定要素はクランプ要素と相互作用して、クランプ要素をコネクタ本体に対して移動させ、構成要素の少なくとも一部を受け部の中に配置する。
【0010】
本発明の他の形態では、コネクタ本体、クランプ要素および固定要素を含む、脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置が提供される。コネクタ本体は、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定する。コネクタ本体はさらに、受け部と横方向に連通する通路を画定し、また通路に沿って配置された係合面も画定する。クランプ要素は、ねじ付き開口部を画定する基部、および基部から延び、開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含む。クランプ要素は、空間が受け部にほぼ位置合わせされ、また構成要素が開放端を通して受け入れられ空間内に保持された状態で、コネクタ本体の通路の中に配置される。固定要素はクランプ要素のねじ付き開口部内に螺合されるねじ部を含み、ねじ部はコネクタ本体の係合面に隣接して配置された端面を有し、それにより、固定要素の回転がこれに応じてクランプ要素をコネクタ本体に引き込み、構成要素の少なくとも一部を受け部の中に配置するようになる。
【0011】
本発明の一目的は、脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための改善された装置を提供することである。本発明の他の目的、特徴、利点、利益および態様は、本明細書に含まれる図面および記述から明らかになるであろう。
【0012】
本発明の原理について理解を深めるために、次に図面に示された実施形態に言及し、それを記述するために特定の用語を使用する。しかし、それよって本発明の範囲を限定するものではなく、本発明が関係する分野の技術者には通常案出されるであろう、示された装置の変更および他の修正、ならびに本明細書に示された本発明の原理の他の適用法も企図されることが理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1を参照すると、それには脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素を相互接続するための、本発明の一形態による接続装置20が示されている。図示された実施形態では、接続装置20は、1対の細長い脊椎ロッドRを横方向に接続するために用いられる。細長い脊椎ロッドRは、ねじまたは鉤など、いくつかのアンカー要素(図示せず)によって脊柱の相対する側に取り付けられ、脊柱を安定化および支持する脊椎構造体を形成し、また場合によっては、1対または複数対の隣接する椎骨の間の脊椎融合を促進する働きをする。
【0014】
本発明の一実施形態では、脊椎構造体は脊柱の後方側に取り付けられる。しかし、脊柱の他の側または他の部分への脊椎構造体の取り付けも、本発明の範囲に含まれるものとして企図される。細長いロッドRの脊柱への取り付けに関する詳細は当分野の技術者にはよく知られており、したがって本明細書において特に論じられる必要はない。しかし、1対の細長いロッドの脊柱への取り付けについての一例が、Van Hoeck等に対する米国特許第6402751号に図示および記述されており、その内容を参照によって本明細書に援用する。図示された接続装置20の実施形態は1対の細長い脊椎ロッドRを相互接続するために用いられているが、他のタイプの脊椎インスツルメンテーションの構成要素を相互接続するために、本発明の他の形態による接続装置が用いられてもよいことを理解すべきである。例えばロッドをプレートに、ロッドをねじまたは鉤に、ロッドをインプラントに、あるいは脊椎構造体または組立体に関連する任意の構成要素または装置を、他の任意の脊椎用の構成要素または装置に相互接続するために、本発明の他の形態による接続装置が用いられてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態では、接続装置20は一般に、コネクタ本体22、1つまたは複数のクランプ要素または鉗子24、および脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素のまわりにクランプ要素24を押し付けるように構成された、1つまたは複数の固定要素または留め具26を含んでいる。先に示されたように、図示された実施形態では、接続装置20は1対の細長い脊柱ロッドRを横方向に相互接続するために用いられる。したがって、接続装置20は、コネクタ本体22、脊椎ロッドRのそれぞれを内部に受け入れるように構成された1対のクランプ要素24a、24b、および細長いロッドRのそれぞれのまわりにクランプ要素24a、24bを係合するように構成された1対の固定要素26a、26bを含んでいる。しかし、本発明の他の形態による接続装置は、単一のクランプ要素および対応する固定要素、あるいは3つ以上のクランプ要素および対応する数の固定要素を含むことができることを理解すべきである。さらに図示された本発明の実施形態では、接続装置20は、脊椎ロッドRを実質的に平行な構成および同一平面上の配置として相互接続するように構成されている。しかし他の実施形態では、接続装置は、脊椎ロッドを非平行な構成もしくは傾斜した構成、および/または同一平面上にない配置として相互接続するように構成されてもよい。さらに図示された実施形態では、接続装置20は、脊椎ロッドRの間の距離dが固定された形で脊椎ロッドRを相互接続するように構成されている。しかし他の実施形態では、接続装置20は、脊椎ロッドRの間の距離dが変更可能または調節可能な形で脊椎ロッドRを相互接続するように構成されてもよい。
【0016】
図2および3を参照すると、そこには2つの異なる動作構成における接続装置20が示されている。図2を参照すると、接続装置20を脊椎ロッドRに対して移動させることができるようにクランプ要素24a、24bが一時的に脊椎ロッドRに係合された、第1の動作構成における接続装置20が示されている。一実施形態では、図2に示された第1の動作構成のときに、接続装置20を脊椎ロッドRの長さに沿って軸方向に移動させることが可能である。さらに第1の動作構成のときには、接続装置20を、一方または両方の脊椎ロッドRの長手方向の軸のまわりで回転させることが可能である。以下でさらに詳しく論じられるように、第1の動作構成のときには、クランプ要素24a、24bは脊椎ロッドRのまわりに緩く係合されている。しかしクランプ要素24a、24bは、固定要素26a、26bとクランプ要素24a、24bとの間の係合に応答してコネクタ本体22の方へ引き寄せられ、接続装置20を図3に示される第2の動作構成へ移行させる。第2の動作構成に移行されると、接続装置20の脊椎ロッドRに対する変位を実質的に防ぐために、クランプ要素24a、24bは、接続装置20を脊椎ロッドRに確実に係合するように脊椎ロッドRのまわりに押し付けられるが、その詳細は後で論じられる。
【0017】
図示された本発明の実施形態では、コネクタ本体22のブリッジ部28は、実質的に剛性かつ調整不能である。したがって、接続装置20は調整不能な長さlを有し、それに対応して脊椎ロッドRの間の距離dが固定された形で脊椎ロッドRを相互接続する。しかし、図16に関連して後で論じられるように、コネクタ本体の長さが調整可能であり、それに対応して脊椎ロッドRの間の距離dが調整可能になる、接続装置の他の実施形態も企図される。さらに、やはり図16に示されるように、脊椎ロッドRに、共通の面および/または異なる面に沿って互いに角度をもたせることができる接続装置も企図される。患者の脊椎の構造に一致し、かつ/あるいは脊椎ロッドRに共通の面および/または異なる面に沿って互いに角度をもたせることが求められるときには、コネクタ本体のブリッジ部が、コネクタ本体の形状合わせまたは曲げを可能にする(縮小された断面領域など)強度を低下させた領域を含むことができる、接続装置の他の実施形態も企図される。
【0018】
図4〜8を参照すると、さらにコネクタ本体22に関する細部が示されている。一実施形態では、コネクタ本体22は、例えばTi−6Al−4Vなどのチタン合金材料で形成される。しかし、チタン、ステンレス鋼、または当分野の技術者には周知の他の材料も企図される。図示された実施形態では、コネクタ本体22は、一般には長手方向の軸Lに沿って延びる長方形の構成を有している。隣接する組織の損傷または外傷を防ぐ、あるいは少なくとも最小限に抑えるために、コネクタ本体22の上方のコーナー部は丸くなっている。脊椎ロッドRの間の様々な距離dに適応するために、コネクタ本体22は異なる全長lとして提供され得る。
【0019】
図示された本発明の実施形態では、コネクタ本体22は、相対する側面32a、32bの間をコネクタ本体22の幅wを横切って横方向に延びる、1つまたは複数の受け部30を画定している。受け部30はそれぞれ、コネクタ本体22の下面36に隣接する開口部34を画定している。受け部30および開口部34はそれぞれ、内部に脊椎ロッドRを受け入れるように大きさを定められ、構成される。図示された実施形態では、コネクタ本体22は、1対の脊椎ロッドRのそれぞれを内部に受け入れるようにそれぞれが大きさを定められ、構成された1対の受け部または溝30a、30bを含んでいる。しかし先に示されたように、単一の脊椎ロッドRまたは3つ以上の脊椎ロッドRと係合するように構成された接続装置の他の実施形態も企図され、その場合、接続装置は単一の受け部30、または3つ以上の受け部30を画定する。
【0020】
受け部30はそれぞれ、コネクタ本体22の下面36から上面42へ延びる1対のテーパ状の側壁40a、40bによって画定される。一実施形態では、テーパ状の側壁40a、40bはその間に約30度のテーパ角度を画定するが、本発明の範囲に含まれる他のテーパ角度も企図される。図示された実施形態では、テーパ状の側壁40a、40bは、弓形または円形の面43a、43bによって上面42へ移行する。しかし、本発明の範囲に含まれる他の構成の受け部30も企図されることを理解すべきである。コネクタ本体22は、受け部30のそれぞれに隣接する内側のテーパ状領域44(図8)も画定する。内側のテーパ状領域44はコネクタ本体22の幅w全体に延びてはおらず、側面32a、32bに達することなく終わっている。内側のテーパ状領域44は、受け部30によって画定されたテーパ状の側壁40a、40bに対して軸方向外側にオフセットされた、1対のテーパ状の係合面46a、46bを画定する。一実施形態では、テーパ状の係合面46a、46bは、その間に約40度のテーパ角度を画定するが、本発明の範囲に含まれる他のテーパ角度も企図される。テーパ状の係合面46a、46bの目的は後で論じられる。
【0021】
コネクタ本体22はさらに、コネクタ本体22の上面38から延び、受け部30および内側のテーパ状領域44のそれぞれと連通する通路50を画定する。先に示されたように、図示された実施形態では、コネクタ本体22は1対の受け部30a、30bを含み、したがって、受け部30a、30bのそれぞれと連通する1対の通路50a、50bも含んでいる。通路50a、50bはそれぞれ、一般には円形の構成を有する上側部分52を含むが、他の形および構成も企図される。また通路50a、50bはそれぞれ、中間の内壁またはブリッジ部材58を通って延びる、一般には長方形の1対の開口56a、56bによって画定される下側部分54を含んでいる。しかし、他の形および構成の開口56a、56bも企図される。内壁またはブリッジ部材58は一般に、通路50a、50bの上側部分52と受け部30a、30bとの間に配置され、上向きの面または肩部60を画定する。通路50a、50bの上側部分52はさらに、一般にブリッジ部材58を通って延びる開口56a、56bと並べられた1対の相対する凹部領域または溝66a、66bを画定する。しかし、凹部領域66a、66bは必ずしも開口56a、56bと並べられる必要はなく、その代わりにそれらに対して角度的にオフセットされてもよいことを理解すべきである。凹部領域66a、66bはそれぞれ、一般にテーパ状の係合面46a、46bに隣接する外壁68を含んでいる。
【0022】
図9〜13を参照すると、さらにクランプ要素24に関する細部が示されている。一実施形態では、クランプ要素24は、例えばTi−6Al−4Vなどのチタン合金材料で形成される。しかし、チタン、ステンレス鋼、プラスチックまたは高分子材料、あるいは当分野の技術者には周知の他の材料も企図される。図示された実施形態では、クランプ要素24は、基部70、および基部70から延びる1対の相対するアーム部または鉗子部72a、72bを含んでいる。基部70とアーム72a、72bとの間の相互接続は、クランプ要素24が脊椎ロッドRの1つを覆うように配置され、そのまわりに押し付けられる、またはクランプされることを可能にする形で、アーム72a、72bを互いに進退移動させることができるように構成される。
【0023】
一実施形態では、アーム72a、72bを互いに対して内側および外側に撓ませることができるように、アーム72a、72bは基部70に柔軟に接続される。しかし、本発明の範囲に含まれる、基部70とアーム72a、72bとの間の他の接続配置も企図される。図示された実施形態では、アーム72a、72bは、単一の一体型のクランプ要素24を画定するように基部70と一体成形されている。しかし、アーム72a、72bが互いに別個に成形され、後で基部70に接続される他の実施形態も企図される。例えば別の一実施形態では、アーム72a、72bが、ヒンジまたはピボットピンによって基部70に接続されてもよい。
【0024】
図示された本発明の実施形態では、基部70は、一般にコネクタ本体22内の通路50a、50bの上側部分52の内側輪郭に対応するように大きさを定められ、成形された外側輪郭を画定する、環状リングのような構成を有している。結果として、基部70は通路50a、50bの上側部分52の中に受け入れられ、それに沿って移動することが可能になる(図2および3)。基部70はまた、それを貫通してアーム72a、72bの全体的な方向に延びる開口部76を画定する。一実施形態では、開口部76は、固定要素26の外面に沿って画定された外側のねじ山と係合するように構成された内側のねじ山78を画定するが、その機能は後で論じられる。
【0025】
アーム72a、72bはそれぞれ、基部70から延びる上側部分80、および脊椎ロッドRの1つと係合するように構成された下側部分82を含む。アーム72a、72bの上側部分80は、基部70の外面を超えて延びる突出部84a、84bを含んでいる。突出部84a、84bはそれぞれ、一般にコネクタ本体22内の通路50a、50bによって画定された凹部領域66a、66bの内側輪郭に対応するように大きさを定められ、成形された外側輪郭を有している。結果として、突出部84a、84bを凹部領域66a、66bの中に配置することによって、クランプ要素24がコネクタ本体22に対して回転するのを実質的に防ぎながら、依然としてクランプ要素24を、コネクタ本体22内の通路50a、50bに沿って軸方向に移動させることが可能になる。一実施形態では、アームの上側部分80の内面は、基部70によって画定された内側のねじ山78と協働して、固定要素26の外面に沿って画定された外側のねじ山と係合するように構成された実質的に連続的かつ均一なねじ山のパターン88を形成する、内側のねじ山86を画定するが、その機能は後で論じられる。
【0026】
図示された本発明の実施形態では、アーム72a、72bの下側部分82は、一般にコネクタ本体22によって画定されたテーパ状の係合面46a、46bに対応する、外向きのテーパ状の係合面90a、90bを画定している。さらにアーム72a、72bの下側部分82は、一般に脊椎ロッドRの外側輪郭に対応し、内部に脊椎ロッドRの1つを受け入れるように大きさを定められた空間Sをその間に画定する、内向きの曲面92a、92bを画定している。特に内向きの曲面92a、92bはそれぞれ、脊椎ロッドRの外面のまわりでクランプ係合するように大きさを定められ、構成される。アーム72a、72bの遠位端は、脊椎ロッドRの外径よりやや小さい大きさに定められた開口部94を形成するように、互いに隔てられる。さらにクランプ要素24a、24bは、アーム72a、72bのそれぞれの外面98から延びる1対の表面の突起部96a、96bを画定するが、その目的は後で論じられる。
【0027】
図14および15を参照すると、さらに固定要素26に関する細部が示されている。一実施形態では、固定要素26は、例えばTi−6Al−4Vなどのチタン合金材料で形成される。しかし、チタン、ステンレス鋼、または当分野の技術者には周知の他の材料を含めた、他の材料も企図される。先に示されたように、固定要素26は、クランプ要素24a、24bを脊椎ロッドRのそれぞれのまわりに押し付ける形でクランプ要素24a、24bを係合するように構成される。図示された本発明の実施形態では、固定要素26は、留め具または止めねじ100として構成されている。しかし、クランプ要素24a、24bをそれぞれの脊椎ロッドRのまわりに押し付けることができる、本発明の範囲に含まれる他のタイプおよび構成の固定要素も企図される。
【0028】
図示された本発明の実施形態では、止めねじ100は一般に、本体部102およびヘッド部104を含んでいる。本体部102は、クランプ要素24a、24bの基部70内の開口部76に沿って、アーム72a、72bの間に形成された内側のねじ山のパターン88と螺合するように構成された外側のねじ山106を画定する。本体部102はまた、コネクタ本体22内のブリッジ部材58の上面60と係合するための、実質的に平坦または平面的な構成を有する下端面110を画定する。
【0029】
一実施形態では、止めねじ100のヘッド部104は、六角形の上側部分112、および上側部分112とねじ付きの本体部102との間に延びる、テーパ状の中間部分114を含んでいる。六角形の上側部分112は、止めねじ100のヘッド部104を本体部102から選択的に取り外すことを可能にするために、外科用機器(図示せず)の端部と係合するように構成される。しかし当分野の技術者には明らかであるように、他の形および構成の上側部分112および中間部分114も企図される。通路116は、ヘッド部104の上面118から、本体部102とヘッド部104との間の接続点に隣接する位置まで延びている。ねじ付きの本体部102の中に、通路116と連通した工具係合用の陥凹部120が形成される。工具係合用の陥凹部120は、止めねじ100に回転駆動力を加えるために、対応する駆動用工具(図示せず)の端部と係合するように大きさを定められ、構成される。図示された実施形態では、工具係合用の陥凹部120は、駆動用工具の六角形の端部を内部に受け入れるような大きさに定められた六角形の構成を有している。しかし当分野の技術者には明らかであるように、他の形および構成の工具係合用の陥凹部120も企図される。上面118に隣接する通路116の上側部分は、駆動用工具の端部を内部に挿入することを容易にするために、面取り部122を画定する。
【0030】
図示された本発明の実施形態では、止めねじ100のヘッド部104は、ヘッド部104の選択的な分離を可能にするように、本体部102に取り外し可能に取り付けられている。図示された実施形態では、ヘッド部104は、ヘッド部104を本体部102から破断させる、または折り取ることを可能にするために、強度を低下させた領域130によって本体部102に取り付けられている。特定の実施形態では、強度を低下させた領域130は、本体部102とヘッド部104との間の接続位置に隣接する、縮小された断面領域132によって形成される。図15に示されるように、縮小された断面領域132は、内向きにテーパの付いた中間部分114によって画定される外側断面の縮小と、本体部102とヘッド部104との間の接続点に隣接する、通路116の(工具係合用の陥凹部120の内側断面と比べて)相対的に大きい内側断面とを組み合わせることによって形成される。ヘッド部104を本体部102から選択的に取り外すことができるように、止めねじ100のヘッド部104に対して選択された量の回転トルクを加えることによって、縮小された断面領域132に隣接する中間部分114を破断させることを理解すべきである。さらに、ヘッド部104を止めねじ100の残りの部分から取り外すと、接続装置20の全体的な輪郭高さが低くなることを理解すべきである。さらにヘッド部104を取り外した後、本体部102が全体的にコネクタ本体22の上面38より下に配置されることが好ましく、それによって隣接する組織の損傷または外傷の危険を低減させる。
【0031】
本明細書において止めねじ100の特定の構成が図示および記述されてきたが、他のタイプおよび構成の止めねじも企図されることを理解すべきである。例えば、ヘッド部104の本体部102からの選択的な取り外しを可能にする、本発明の範囲に含まれる他の機能も企図される。さらに、本発明の他の実施形態では、ヘッド部104が本体部102から選択的に取り外されるように構成される必要はない。さらに他の実施形態では、止めねじ100は必ずしもヘッド部104を含む必要はなく、その代わりにねじ付きの本体部102のみを含むことができる。
【0032】
接続装置20の各構成要素に関連する様々な構造および機能上の特徴が図示および記述されてきたが、次に本発明の一実施形態による接続装置20の組立ておよび使用について言及する。総括的に図1〜15を参照すると、本発明の一実施形態では、接続装置20の各構成要素が外科的処置の開始前にあらかじめ組み立てられている。結果として、外科医は、脊椎ロッドRが距離dだけ隔てられるように脊椎ロッドRを相互接続するために大きさを定められ、構成されたコネクタ本体22を有する、適切な接続装置20を選択するだけでよい。
【0033】
一実施形態では、最初に、アーム72a、72bを互いに向かってわずかに押し付け、アーム72a、72bの端部を開口56a、56bを通してコネクタ本体22のブリッジ部材58に挿入することによって、クランプ要素または鉗子24a、24bがコネクタ本体22と組み立てられ、アーム72a、72bの突出部84a、84bが、コネクタ本体22内の通路50a、50bによって画定された凹部領域66a、66bの中に配置される。表面の突起部96a、96bに隣接するクランプ要素24a、24bの外側の断面寸法は、コネクタ本体22の凹部領域66a、66bの外壁68の間の内側寸法よりわずかに大きいため、クランプ要素24a、24bをコネクタ本体22内の通路50a、50bの上側部分52を通して挿入する間に、さらにアーム72a、72bの内側への撓みが生じる。しかし、クランプ要素24a、24bをコネクタ本体22内の通路50a、50bを通してさらに移動させると、アーム72a、72bは弾性的に跳ね返り、押し付けられていない元の構成に戻る。先に示されたように、アーム72a、72bの突出部84a、84bをコネクタ本体22の凹部領域66a、66bの中に配置することによって、クランプ要素24a、24bのコネクタ本体22に対する回転運動を実質的に防ぎながら、依然としてクランプ要素24a、24bをコネクタ本体22内の通路50a、50bに沿って軸方向に移動させることが可能になる。
【0034】
クランプ要素24a、24bがコネクタ本体22内の通路50a、50bを通して完全に挿入されると、基部70はコネクタ本体22のブリッジ58に支えられるようになり、表面の突起部96a、96bは、テーパ状の係合面46a、46bの上端部に隣接する凹部領域66a、66bの外壁68をちょうど超えたところに配置されるようになる。この初期位置では、クランプ要素24a、24bは、クランプ要素24a、24bが通路50a、50bから誤って脱落することを防ぐように、一時的にコネクタ本体22に係合される。クランプ要素24a、24bをコネクタ本体22と組み立てた後、止めねじ100の下端面110がブリッジ部材58の上面60に隣接して配置されるまで、止めねじ100のねじ付きの本体部102がクランプ要素24a、24bの基部70内の開口部76にねじ込まれる。最初に組み立てられた接続装置20の構成が図2に示されている。
【0035】
図2に示された構成に組み立てられた後、接続装置20は一時的に脊椎ロッドRに係合されることが可能になる。本発明の一実施形態では、接続装置20を脊椎ロッドRに係合する前に、ロッドRが脊柱に固定される。しかしロッドRを脊柱に固定する前に、接続装置20が脊椎ロッドRに係合されることも企図される。特に接続装置20の構成によって、ロッドRを脊柱に固定した後、接続装置20を脊椎ロッドRの上に載せることが可能になる。これによって外科的処置が簡単になる傾向があり、また必要とされる外科的切開、およびその結果生じる患者の外傷の大きさが低減される可能性がある。
【0036】
クランプ要素24a、24bを脊椎ロッドRに係合する前に、アーム72a、72bを十分な距離をおいて広げ、脊椎ロッドRを端部の開口部94を通して空間Sに受け入れることができるように、止めねじ100が基部70内のねじ付き開口部76の外へわずかに戻されなければならない場合がある。コネクタ本体22の受け部30a、30b、およびクランプ要素24a、24bの開口部94がそれぞれの脊椎ロッドRの上に並べられた状態で、外科医は、脊椎ロッドRが横方向に端部の開口部94を通して空間Sに受け入れられるように、クランプアーム72a、72bを十分な距離をおいて広げるのに十分な力で(固定要素26a、26bを下方へ押すことなどによって)接続装置20を下方へ押す。
【0037】
図2に示されるように、脊椎ロッドRがアーム72a、72bの間の空間Sの中に配置された後、クランプ要素24a、24bの弾性的な性質によって、アーム72a、72bが跳ね返って元の変形されていない構成に戻り、それによって一時的に脊椎ロッドRをアーム72a、72bの間に捕捉し、一時的に接続装置20をロッドRに係合する。しかし、この第1の動作構成に配置されているときには、クランプ要素24a、24bは脊椎ロッドRのまわりに緩く係合されているため、接続装置20を脊椎ロッドRから外す必要なしに、接続装置20を脊椎ロッドRの長さに沿って軸方向に移動させる、かつ/または脊椎ロッドRの一方もしくは両方の長手方向の軸のまわりを回転させること可能である。そのように移動できることは特に、ロッドRを脊柱に固定するために用いられるアンカー要素(例えば、骨ねじまたは鉤)の圧縮および/または伸延中に有利になる可能性がある。
【0038】
接続装置20が脊椎ロッドRに沿った適切な位置に配置された後、クランプ要素24a、24bを脊椎ロッドRのまわりに押し付けるために、固定要素26a、26bが使用される。特に止めねじ100は、止めねじ100の下端面110がコネクタ本体22内のブリッジ部材58の上面60を係合するまで、ねじ付き開口部76に沿ってクランプ要素24a、24bの基部70内にねじ込まれる。止めねじ100をさらに締めつけると、クランプ要素24a、24bがコネクタ本体22の中に引き寄せられることを理解すべきである。特に、引き続き止めねじ100を基部70内のねじ付き開口部76を通してアーム72a、72bの内側のねじ山86に沿って螺合させると、クランプ要素24a、24bがコネクタ本体22内の通路50a、50bに沿って上方へ移動する。先に示されたように、表面の突起部96a、96bに隣接するクランプ要素24a、24bの外側断面の寸法は、コネクタ本体22内の凹部領域66a、66bの外壁68の間の内側寸法よりわずかに大きい。したがって、表面の突起部96a、96bが凹部領域66a、66bの外壁68に沿って移動すると、クランプアーム72a、72bが互いに向かって内側に撓み、次にそれが脊椎ロッドRの周縁部のまわりでクランプアーム72a、72bの最初の圧縮をもたらす。
【0039】
またクランプ要素24a、24bがコネクタ本体22の中へ上向きに移動すると、脊椎ロッドRがコネクタ本体22内の下側開口部34を通り、受け部30の中へ上向きに移動する。止めねじ100をさらに締めつけることによって、脊椎ロッドRを受け部30のテーパ状の側壁40a、40bに対してしっかりと係合し、それによって、コネクタ本体22と脊椎ロッドRのそれぞれとの間に2つの接触点が生じる。止めねじ100をさらに締めつけると、クランプアーム72a、72の外側のテーパ状の面90a、90bと、コネクタ本体22の内側のテーパ状の係合面46a、46bとの間の摺動係合も生じる。外側のテーパ状の面90a、90bと内側のテーパ状の係合面46a、46bとの間の摺動係合によって、クランプアーム72a、72が互いに向かって移動するようになり、次にそれがクランプアーム72a、72bの曲面92a、92bを脊椎ロッドRの周縁部のまわりにしっかりと押し付け、それによって、クランプ要素24a、24bのそれぞれと脊椎ロッドRとの間に2つの面接触が生じる。接続装置20が図3に示された動作構成に移行された後、接続装置20が脊椎ロッドRに確実に係合された状態で、止めねじ100のヘッド部104が本体部102から外され、選択的に取り除かれることが可能になり、それによって、全体的に縦方向の輪郭が低くなった接続装置20を提供する。
【0040】
脊椎ロッドRを受け部30のテーパ状の側面40a、40bに対して係合し、クランプ要素24a、24bを脊椎ロッドRのまわりにしっかりと押し付けることによって、接続装置20を脊椎ロッドRに対して確実に係止し、それによって接続装置20のロッドRの長さに沿ったさらなる軸方向変位、および接続装置20のロッドRの長手方向の軸のまわりでのさらなる回転変位が実質的に防止されることを理解すべきである。接続装置20は、ロッドの移動を防ぎ、脊椎構造体の全体的な剛性および安定性を高めるために、脊椎ロッドRを相互接続する。脊椎融合を伴う場合には、接続装置20は、1対または複数対の隣接する椎骨の間の融合を高める、または促進するのに特に有益である。図3に示されるように、接続装置20には脊椎ロッドRより下に延びる部分がなく、それによって、より多量の骨移植片、あるいは他の構成要素または装置を接続装置20の直下に配置することが可能になる。さらに、接続装置20の縦方向の輪郭が比較的低いため、隣接する組織の損傷または外傷の危険を最小限に抑える。本発明の一実施形態では、脊椎ロッドRを相互接続するために1対の接続装置20が用いられる。しかし他の実施形態では、脊椎ロッドRを相互接続するために、単一の接続装置20または3つ以上の接続装置20が用いられてもよいことを理解すべきである。
【0041】
図16を参照すると、それには脊椎インスツルメンテーションの構成要素を相互接続するための、本発明の他の形態による接続装置200が示されている。先に図示および記述された接続装置20と同様に、接続装置200は、1対の細長い脊椎ロッドR(図示せず)を横方向に相互接続するように構成されている。細長いロッドRは、ねじまたは鉤など、いくつかのアンカー要素(図示せず)によって脊柱の相対する側に取り付けられ、脊柱を安定化および支持する脊椎構造体を形成し、また場合によっては、1対または複数対の隣接する脊柱の間の脊椎融合を促進する働きをする。しかし、脊椎ロッドRを実質的に平行な構成および同一平面上の配置として相互接続するように構成された接続装置20とは異なり、接続装置200は、脊椎ロッドRを非平行もしくは傾斜した構成、および/または同一平面上にない配置として可変的に相互接続するように適合される。さらに、ロッドR間の距離が固定された形で脊椎ロッドRを相互接続するように構成された接続装置20とは異なり、接続装置200は、脊椎ロッド間の距離が変更可能または調整可能な形で脊椎ロッドRを相互接続するように適合される。
【0042】
図示された実施形態では、接続装置200は一般に、コネクタ本体222、1対のクランプ要素または鉗子224a、224b、および接続装置200を脊椎ロッドに確実に係合するために、クランプ要素224a、224bを脊椎ロッドのまわりに押し付けるように構成された1対の固定要素または留め具226a、226bを含んでいる。本発明の一実施形態では、クランプ要素224a、224bは、クランプ要素24a、24bと実質的に同様に構成され、固定要素226a、226bは、固定要素26a、26bと実質的に同様に構成される。さらに、接続装置200を脊椎ロッドに係合するために、クランプ要素224a、224bおよび固定要素226a、226bと相互作用および協働するコネクタ本体222の各部分は、コネクタ本体22の対応する各部分と実質的に同様に構成される。結果として、装置の脊椎ロッドへの係合に関する接続装置200の動作は、接続装置20の動作と実質的に同様になる。したがって、これらの特徴および動作を接続装置200に関して再び論じる必要はない。しかし、コネクタ本体22に関連する調整不能なブリッジ部28とは異なり、コネクタ本体222は、脊椎ロッド間の距離および角度関係を選択的に変えるように構成された、調整可能なブリッジ部228を含んでおり、その詳細は後で論じられる。
【0043】
図示された本発明の実施形態では、コネクタ本体222は、第1の脊椎ロッドと係合するために、クランプ要素224aおよび固定要素226aと相互作用および協働する第1のレシーバ部230aを含んでいる。さらにコネクタ本体222は、第2の脊椎ロッドと係合するために、クランプ要素224bおよび固定要素226bと相互作用および協働する第2のレシーバ部230bを含んでいる。ブリッジ部228は、第1の軸L1に沿ったレシーバ部230a、230bの間の比較的直線的な変位を可能にし、それに対応して、第1脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の距離を調整するように、第1および第2のレシーバ部230a、230bを互いに連結する。さらにブリッジ部228は、第1の軸L1に対するレシーバ部230a、230bの間の角変位を可能にし、それに対応して、第1の面に対する第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係を調整する。さらにブリッジ部228は、第1の軸L1を横切るように配置される第2の軸L2に対するレシーバ部230a、230bの間の角変位を可能にし、それに対応して、第1の面を横切るように配置される第2の面に対する第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係を調整する。図示された実施形態では、第1の軸L1は第2の軸L2に対して実質的に垂直である。
【0044】
一実施形態では、ブリッジ部228は、第1のレシーバ部230aから延び、全体的に第1の軸L1に沿って配置されたスタッド部材240、および第2のレシーバ部230bから延び、全体的に第2の軸L2に沿って配置された貫通開口部(図示せず)を含むリング部材242を含んでいる。しかし、スタッド部材240が第2のレシーバ部230bから延び、リング部材242が第1のレシーバ部230aから延びるように、スタッド部材240およびリング部材242の位置が反対でもよいことを理解すべきである。ブリッジ部228はさらに、全体的に第2の軸L2に沿って延び、リング部材242の貫通開口部内に配置されたねじ付きステム部246、およびスタッド部材240を内部に受け入れる貫通開口部250を含むつば部248を含む、連結部材244を含んでいる。
【0045】
第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の距離が、連結部材244のつば部248の、スタッド部材240に沿った(すなわち、第1の軸L1に沿った)直線変位によって調整され得ることを理解すべきである。スタッド部材240の端部は、つば部248によるスタッド部材240の滑落および離脱を防止する肩部254を画定する、拡張された部分252を含んでいる。第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係は、つば部248の、スタッド部材240のまわり(すなわち、第1の軸L1のまわり)の回転によって調整され得ることも理解すべきである。第1の軸L1に沿ったさらなる直線変位、および第1の軸L1のまわりのさらなる回転変位を防ぐために、止めねじ(図示せず)をつば部248内のねじ付き開口に通し、スタッド部材240と係合した状態にしてもよい。第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係は、リング部材242の、結合部材244のステム部246のまわり(すなわち、第2の軸L2のまわり)の回転によって調整され得ることをさらに理解すべきである。ナット260が結合部材244のねじ付きステム部246の上にねじ込まれ、ワッシャ262に対して係合した状態になり、ワッシャ262はリング部材242の面に対して係合されて、第2の軸L2のまわりのさらなる回転変位を防ぐ。ここで、接続装置200は、第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の距離の選択的な調整、および2つの回転軸に対する第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係の選択的な調整を可能にするように構成されることを理解すべきである。ブリッジ部228は、第1および第2のレシーバ部230a、230bを互い選択された距離をおいて、選択された角度方向に係止する機構も含み、それに対応して、第1および第2の脊椎ロッドを互いに選択された距離をおいて、選択された角度方向に相互接続する。
【0046】
図面およびこれまでの記述において、本発明が詳しく図示および記述されてきたが、それは特徴について例示するものであり、限定するものではないと考えられるべきであり、また好ましい実施形態が示され、記述されたにすぎず、本発明の趣旨に含まれる変更および修正はすべて保護されることが望ましいことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】1対の細長い脊椎ロッドを相互接続するための、本発明の一形態による接続装置の側面図である。
【図2】第1の動作構成として示された、図1に図示された接続装置の側面断面図である。
【図3】第2の動作構成として示された、図1に図示された接続装置の側面断面図である。
【図4】図1に図示された接続装置と共に使用するための、本発明の一実施形態によるコネクタ本体の斜視図である。
【図5】図4に図示されたコネクタ本体の側面図である。
【図6】図4に図示されたコネクタ本体の上面図である。
【図7】図4に図示されたコネクタ本体の端面図である。
【図8】図6の線8−8に沿って得られる、図4に図示されたコネクタ本体の横断面図である。
【図9】図1に図示された接続装置と共に使用するための、本発明の一実施形態によるクランプ要素の斜視図である。
【図10】図9に図示されたクランプ要素の側面図である。
【図11】図9に図示されたクランプ要素の上面図である。
【図12】図9に図示されたクランプ要素の端面図である。
【図13】図11の線13−13に沿って得られる、図9に図示されたクランプ要素の横断面図である。
【図14】図1に図示された接続装置と共に使用するための、本発明の一実施形態による固定要素の側面図である。
【図15】図14に図示された固定要素の側面断面図である。
【図16】1対の細長い脊椎ロッドを相互接続するための、本発明の他の形態による接続装置の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、脊柱を治療するための器具に関し、より詳細には、脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱の治療に使用する、より具体的には脊柱の各部分を安定化および支持するための、いくつかの技術およびシステムが開発されている。脊柱側弯症や他の状態に関連する脊椎の変形または湾曲を矯正する試みでは、脊柱の各部分を安定化および支持するために細長いロッドが使用されることがある。脊椎の障害または変性状態を伴う特定の場合には、その治療技術およびシステムが、脊椎融合技術と共に1対または複数対の隣接する椎骨の間の融合を促進するために用いられる。
【0003】
一部の技術およびシステムでは、脊柱の相対する側に沿って細長いロッドが配置される。細長いロッドは、ねじおよび/または鉤など、いくつかのアンカー要素によって2つ以上の椎骨に係合され、脊柱の少なくとも一部を安定化および支持する働きをする脊椎構造体を形成する。ロッドの長さに沿った1つまたは複数の位置で細長いロッドを相互接続する、1つまたは複数の横方向のコネクタを提供することによって、脊椎構造体の全体的な構造上の完全性および安定性が高められることがある。横方向のコネクタはロッドを互いに連結して、ロッドの移動を防ぎ、脊椎構造体の全体的な剛性を高める。脊椎融合を伴う場合には、横方向のコネクタの使用は、脊椎構造体を安定化/剛性化して、1対または複数対の隣接する椎骨の間の融合を高める、または促進するのに特に有益である。
【0004】
従来の横方向のコネクタの多くは、脊椎外科医に対して1つまたは複数の困難を生じさせる。例えば従来の横方向のコネクタには、軟部組織の外傷や外科手術の複雑さを増大させる可能性のある、比較的高い輪郭を有するものがある。さらに従来の横方向のコネクタには、患者の体内に移植する前に、細長いロッドに前負荷が加えられなければならないものもある。そのように前負荷を加えることは、手術前の重要な立案を必要とする場合があり、また横方向のコネクタをin situで細長いロッドに係合する機会を排除する。さらに、外科処置中に横方向のコネクタの位置調整を実施することが難しくなる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、業界では一般に、脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための改善された装置を提供することが求められている。本発明はこの要求を満たし、新規な自明ではない方法で他の利益および利点を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は一般に、脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための装置に関する。本明細書に包含される本発明の実際の性質は、本明細書に添付された特許請求の範囲を基準としてのみ決定され得るものであるが、以下では、本明細書に開示される好ましい実施形態の特徴である本発明のいくつかの形態が簡潔に記述される。
【0007】
本発明の一形態では、コネクタ本体、クランプ要素および固定要素を含む、脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置が提供される。コネクタ本体は、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、受け部は相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含む。コネクタ本体はさらに、受け部と横方向に連通する通路を画定する。クランプ要素は、開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含む。クランプ要素は、アーム部の間の空間が受け部にほぼ位置合わせされまた構成要素が開放端を通して受け入れられて空間内に保持された状態で、コネクタ本体の通路の中に配置される。固定要素は、構成要素をテーパ状の係合面に対して係合するために、クランプ要素と相互作用してクランプ要素をコネクタ本体に対して移動させる。
【0008】
本発明の他の形態では、コネクタ本体、クランプ要素および固定要素を含む、脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置が提供される。コネクタ本体は、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定する。コネクタ本体はさらに、受け部と横方向に連通する通路を画定する。クランプ要素は、開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含み、空間が受け部にほぼ位置合わせされ、また構成要素が開放端を通して空間内に受け入れられた状態で、コネクタ本体の通路の中に配置される。コネクタ本体およびクランプ要素は、通路内でのクランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む。さらに、コネクタ本体およびクランプ要素のアーム部の少なくとも1つがテーパ状領域を画定する。構成要素が少なくとも部分的に受け部の中に配置された状態で構成要素を空間内に保持するために、固定要素はクランプ要素と相互作用して、アーム部を構成要素のまわりに押し付けるように、クランプ要素をコネクタ本体に対してテーパ状領域に沿って移動させる。
【0009】
本発明の他の形態では、コネクタ本体、クランプ要素および固定要素を含む、脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置が提供される。コネクタ本体は、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定する。コネクタ本体はさらに、受け部と横方向に連通する通路を画定する。クランプ要素は、開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含み、また空間が受け部にほぼ位置合わせされ、また構成要素が開放端を通して空間内に受け入れられた状態で、コネクタ本体の通路内に位置付けられる上側部分、および受け部に隣接して位置付けられる下側部分も含む。。コネクタ本体およびクランプ要素の上側部分は、通路内でのクランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む。固定要素はクランプ要素と相互作用して、クランプ要素をコネクタ本体に対して移動させ、構成要素の少なくとも一部を受け部の中に配置する。
【0010】
本発明の他の形態では、コネクタ本体、クランプ要素および固定要素を含む、脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置が提供される。コネクタ本体は、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定する。コネクタ本体はさらに、受け部と横方向に連通する通路を画定し、また通路に沿って配置された係合面も画定する。クランプ要素は、ねじ付き開口部を画定する基部、および基部から延び、開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含む。クランプ要素は、空間が受け部にほぼ位置合わせされ、また構成要素が開放端を通して受け入れられ空間内に保持された状態で、コネクタ本体の通路の中に配置される。固定要素はクランプ要素のねじ付き開口部内に螺合されるねじ部を含み、ねじ部はコネクタ本体の係合面に隣接して配置された端面を有し、それにより、固定要素の回転がこれに応じてクランプ要素をコネクタ本体に引き込み、構成要素の少なくとも一部を受け部の中に配置するようになる。
【0011】
本発明の一目的は、脊椎インスツルメンテーションにおいて構成要素を相互接続するための改善された装置を提供することである。本発明の他の目的、特徴、利点、利益および態様は、本明細書に含まれる図面および記述から明らかになるであろう。
【0012】
本発明の原理について理解を深めるために、次に図面に示された実施形態に言及し、それを記述するために特定の用語を使用する。しかし、それよって本発明の範囲を限定するものではなく、本発明が関係する分野の技術者には通常案出されるであろう、示された装置の変更および他の修正、ならびに本明細書に示された本発明の原理の他の適用法も企図されることが理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1を参照すると、それには脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素を相互接続するための、本発明の一形態による接続装置20が示されている。図示された実施形態では、接続装置20は、1対の細長い脊椎ロッドRを横方向に接続するために用いられる。細長い脊椎ロッドRは、ねじまたは鉤など、いくつかのアンカー要素(図示せず)によって脊柱の相対する側に取り付けられ、脊柱を安定化および支持する脊椎構造体を形成し、また場合によっては、1対または複数対の隣接する椎骨の間の脊椎融合を促進する働きをする。
【0014】
本発明の一実施形態では、脊椎構造体は脊柱の後方側に取り付けられる。しかし、脊柱の他の側または他の部分への脊椎構造体の取り付けも、本発明の範囲に含まれるものとして企図される。細長いロッドRの脊柱への取り付けに関する詳細は当分野の技術者にはよく知られており、したがって本明細書において特に論じられる必要はない。しかし、1対の細長いロッドの脊柱への取り付けについての一例が、Van Hoeck等に対する米国特許第6402751号に図示および記述されており、その内容を参照によって本明細書に援用する。図示された接続装置20の実施形態は1対の細長い脊椎ロッドRを相互接続するために用いられているが、他のタイプの脊椎インスツルメンテーションの構成要素を相互接続するために、本発明の他の形態による接続装置が用いられてもよいことを理解すべきである。例えばロッドをプレートに、ロッドをねじまたは鉤に、ロッドをインプラントに、あるいは脊椎構造体または組立体に関連する任意の構成要素または装置を、他の任意の脊椎用の構成要素または装置に相互接続するために、本発明の他の形態による接続装置が用いられてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態では、接続装置20は一般に、コネクタ本体22、1つまたは複数のクランプ要素または鉗子24、および脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素のまわりにクランプ要素24を押し付けるように構成された、1つまたは複数の固定要素または留め具26を含んでいる。先に示されたように、図示された実施形態では、接続装置20は1対の細長い脊柱ロッドRを横方向に相互接続するために用いられる。したがって、接続装置20は、コネクタ本体22、脊椎ロッドRのそれぞれを内部に受け入れるように構成された1対のクランプ要素24a、24b、および細長いロッドRのそれぞれのまわりにクランプ要素24a、24bを係合するように構成された1対の固定要素26a、26bを含んでいる。しかし、本発明の他の形態による接続装置は、単一のクランプ要素および対応する固定要素、あるいは3つ以上のクランプ要素および対応する数の固定要素を含むことができることを理解すべきである。さらに図示された本発明の実施形態では、接続装置20は、脊椎ロッドRを実質的に平行な構成および同一平面上の配置として相互接続するように構成されている。しかし他の実施形態では、接続装置は、脊椎ロッドを非平行な構成もしくは傾斜した構成、および/または同一平面上にない配置として相互接続するように構成されてもよい。さらに図示された実施形態では、接続装置20は、脊椎ロッドRの間の距離dが固定された形で脊椎ロッドRを相互接続するように構成されている。しかし他の実施形態では、接続装置20は、脊椎ロッドRの間の距離dが変更可能または調節可能な形で脊椎ロッドRを相互接続するように構成されてもよい。
【0016】
図2および3を参照すると、そこには2つの異なる動作構成における接続装置20が示されている。図2を参照すると、接続装置20を脊椎ロッドRに対して移動させることができるようにクランプ要素24a、24bが一時的に脊椎ロッドRに係合された、第1の動作構成における接続装置20が示されている。一実施形態では、図2に示された第1の動作構成のときに、接続装置20を脊椎ロッドRの長さに沿って軸方向に移動させることが可能である。さらに第1の動作構成のときには、接続装置20を、一方または両方の脊椎ロッドRの長手方向の軸のまわりで回転させることが可能である。以下でさらに詳しく論じられるように、第1の動作構成のときには、クランプ要素24a、24bは脊椎ロッドRのまわりに緩く係合されている。しかしクランプ要素24a、24bは、固定要素26a、26bとクランプ要素24a、24bとの間の係合に応答してコネクタ本体22の方へ引き寄せられ、接続装置20を図3に示される第2の動作構成へ移行させる。第2の動作構成に移行されると、接続装置20の脊椎ロッドRに対する変位を実質的に防ぐために、クランプ要素24a、24bは、接続装置20を脊椎ロッドRに確実に係合するように脊椎ロッドRのまわりに押し付けられるが、その詳細は後で論じられる。
【0017】
図示された本発明の実施形態では、コネクタ本体22のブリッジ部28は、実質的に剛性かつ調整不能である。したがって、接続装置20は調整不能な長さlを有し、それに対応して脊椎ロッドRの間の距離dが固定された形で脊椎ロッドRを相互接続する。しかし、図16に関連して後で論じられるように、コネクタ本体の長さが調整可能であり、それに対応して脊椎ロッドRの間の距離dが調整可能になる、接続装置の他の実施形態も企図される。さらに、やはり図16に示されるように、脊椎ロッドRに、共通の面および/または異なる面に沿って互いに角度をもたせることができる接続装置も企図される。患者の脊椎の構造に一致し、かつ/あるいは脊椎ロッドRに共通の面および/または異なる面に沿って互いに角度をもたせることが求められるときには、コネクタ本体のブリッジ部が、コネクタ本体の形状合わせまたは曲げを可能にする(縮小された断面領域など)強度を低下させた領域を含むことができる、接続装置の他の実施形態も企図される。
【0018】
図4〜8を参照すると、さらにコネクタ本体22に関する細部が示されている。一実施形態では、コネクタ本体22は、例えばTi−6Al−4Vなどのチタン合金材料で形成される。しかし、チタン、ステンレス鋼、または当分野の技術者には周知の他の材料も企図される。図示された実施形態では、コネクタ本体22は、一般には長手方向の軸Lに沿って延びる長方形の構成を有している。隣接する組織の損傷または外傷を防ぐ、あるいは少なくとも最小限に抑えるために、コネクタ本体22の上方のコーナー部は丸くなっている。脊椎ロッドRの間の様々な距離dに適応するために、コネクタ本体22は異なる全長lとして提供され得る。
【0019】
図示された本発明の実施形態では、コネクタ本体22は、相対する側面32a、32bの間をコネクタ本体22の幅wを横切って横方向に延びる、1つまたは複数の受け部30を画定している。受け部30はそれぞれ、コネクタ本体22の下面36に隣接する開口部34を画定している。受け部30および開口部34はそれぞれ、内部に脊椎ロッドRを受け入れるように大きさを定められ、構成される。図示された実施形態では、コネクタ本体22は、1対の脊椎ロッドRのそれぞれを内部に受け入れるようにそれぞれが大きさを定められ、構成された1対の受け部または溝30a、30bを含んでいる。しかし先に示されたように、単一の脊椎ロッドRまたは3つ以上の脊椎ロッドRと係合するように構成された接続装置の他の実施形態も企図され、その場合、接続装置は単一の受け部30、または3つ以上の受け部30を画定する。
【0020】
受け部30はそれぞれ、コネクタ本体22の下面36から上面42へ延びる1対のテーパ状の側壁40a、40bによって画定される。一実施形態では、テーパ状の側壁40a、40bはその間に約30度のテーパ角度を画定するが、本発明の範囲に含まれる他のテーパ角度も企図される。図示された実施形態では、テーパ状の側壁40a、40bは、弓形または円形の面43a、43bによって上面42へ移行する。しかし、本発明の範囲に含まれる他の構成の受け部30も企図されることを理解すべきである。コネクタ本体22は、受け部30のそれぞれに隣接する内側のテーパ状領域44(図8)も画定する。内側のテーパ状領域44はコネクタ本体22の幅w全体に延びてはおらず、側面32a、32bに達することなく終わっている。内側のテーパ状領域44は、受け部30によって画定されたテーパ状の側壁40a、40bに対して軸方向外側にオフセットされた、1対のテーパ状の係合面46a、46bを画定する。一実施形態では、テーパ状の係合面46a、46bは、その間に約40度のテーパ角度を画定するが、本発明の範囲に含まれる他のテーパ角度も企図される。テーパ状の係合面46a、46bの目的は後で論じられる。
【0021】
コネクタ本体22はさらに、コネクタ本体22の上面38から延び、受け部30および内側のテーパ状領域44のそれぞれと連通する通路50を画定する。先に示されたように、図示された実施形態では、コネクタ本体22は1対の受け部30a、30bを含み、したがって、受け部30a、30bのそれぞれと連通する1対の通路50a、50bも含んでいる。通路50a、50bはそれぞれ、一般には円形の構成を有する上側部分52を含むが、他の形および構成も企図される。また通路50a、50bはそれぞれ、中間の内壁またはブリッジ部材58を通って延びる、一般には長方形の1対の開口56a、56bによって画定される下側部分54を含んでいる。しかし、他の形および構成の開口56a、56bも企図される。内壁またはブリッジ部材58は一般に、通路50a、50bの上側部分52と受け部30a、30bとの間に配置され、上向きの面または肩部60を画定する。通路50a、50bの上側部分52はさらに、一般にブリッジ部材58を通って延びる開口56a、56bと並べられた1対の相対する凹部領域または溝66a、66bを画定する。しかし、凹部領域66a、66bは必ずしも開口56a、56bと並べられる必要はなく、その代わりにそれらに対して角度的にオフセットされてもよいことを理解すべきである。凹部領域66a、66bはそれぞれ、一般にテーパ状の係合面46a、46bに隣接する外壁68を含んでいる。
【0022】
図9〜13を参照すると、さらにクランプ要素24に関する細部が示されている。一実施形態では、クランプ要素24は、例えばTi−6Al−4Vなどのチタン合金材料で形成される。しかし、チタン、ステンレス鋼、プラスチックまたは高分子材料、あるいは当分野の技術者には周知の他の材料も企図される。図示された実施形態では、クランプ要素24は、基部70、および基部70から延びる1対の相対するアーム部または鉗子部72a、72bを含んでいる。基部70とアーム72a、72bとの間の相互接続は、クランプ要素24が脊椎ロッドRの1つを覆うように配置され、そのまわりに押し付けられる、またはクランプされることを可能にする形で、アーム72a、72bを互いに進退移動させることができるように構成される。
【0023】
一実施形態では、アーム72a、72bを互いに対して内側および外側に撓ませることができるように、アーム72a、72bは基部70に柔軟に接続される。しかし、本発明の範囲に含まれる、基部70とアーム72a、72bとの間の他の接続配置も企図される。図示された実施形態では、アーム72a、72bは、単一の一体型のクランプ要素24を画定するように基部70と一体成形されている。しかし、アーム72a、72bが互いに別個に成形され、後で基部70に接続される他の実施形態も企図される。例えば別の一実施形態では、アーム72a、72bが、ヒンジまたはピボットピンによって基部70に接続されてもよい。
【0024】
図示された本発明の実施形態では、基部70は、一般にコネクタ本体22内の通路50a、50bの上側部分52の内側輪郭に対応するように大きさを定められ、成形された外側輪郭を画定する、環状リングのような構成を有している。結果として、基部70は通路50a、50bの上側部分52の中に受け入れられ、それに沿って移動することが可能になる(図2および3)。基部70はまた、それを貫通してアーム72a、72bの全体的な方向に延びる開口部76を画定する。一実施形態では、開口部76は、固定要素26の外面に沿って画定された外側のねじ山と係合するように構成された内側のねじ山78を画定するが、その機能は後で論じられる。
【0025】
アーム72a、72bはそれぞれ、基部70から延びる上側部分80、および脊椎ロッドRの1つと係合するように構成された下側部分82を含む。アーム72a、72bの上側部分80は、基部70の外面を超えて延びる突出部84a、84bを含んでいる。突出部84a、84bはそれぞれ、一般にコネクタ本体22内の通路50a、50bによって画定された凹部領域66a、66bの内側輪郭に対応するように大きさを定められ、成形された外側輪郭を有している。結果として、突出部84a、84bを凹部領域66a、66bの中に配置することによって、クランプ要素24がコネクタ本体22に対して回転するのを実質的に防ぎながら、依然としてクランプ要素24を、コネクタ本体22内の通路50a、50bに沿って軸方向に移動させることが可能になる。一実施形態では、アームの上側部分80の内面は、基部70によって画定された内側のねじ山78と協働して、固定要素26の外面に沿って画定された外側のねじ山と係合するように構成された実質的に連続的かつ均一なねじ山のパターン88を形成する、内側のねじ山86を画定するが、その機能は後で論じられる。
【0026】
図示された本発明の実施形態では、アーム72a、72bの下側部分82は、一般にコネクタ本体22によって画定されたテーパ状の係合面46a、46bに対応する、外向きのテーパ状の係合面90a、90bを画定している。さらにアーム72a、72bの下側部分82は、一般に脊椎ロッドRの外側輪郭に対応し、内部に脊椎ロッドRの1つを受け入れるように大きさを定められた空間Sをその間に画定する、内向きの曲面92a、92bを画定している。特に内向きの曲面92a、92bはそれぞれ、脊椎ロッドRの外面のまわりでクランプ係合するように大きさを定められ、構成される。アーム72a、72bの遠位端は、脊椎ロッドRの外径よりやや小さい大きさに定められた開口部94を形成するように、互いに隔てられる。さらにクランプ要素24a、24bは、アーム72a、72bのそれぞれの外面98から延びる1対の表面の突起部96a、96bを画定するが、その目的は後で論じられる。
【0027】
図14および15を参照すると、さらに固定要素26に関する細部が示されている。一実施形態では、固定要素26は、例えばTi−6Al−4Vなどのチタン合金材料で形成される。しかし、チタン、ステンレス鋼、または当分野の技術者には周知の他の材料を含めた、他の材料も企図される。先に示されたように、固定要素26は、クランプ要素24a、24bを脊椎ロッドRのそれぞれのまわりに押し付ける形でクランプ要素24a、24bを係合するように構成される。図示された本発明の実施形態では、固定要素26は、留め具または止めねじ100として構成されている。しかし、クランプ要素24a、24bをそれぞれの脊椎ロッドRのまわりに押し付けることができる、本発明の範囲に含まれる他のタイプおよび構成の固定要素も企図される。
【0028】
図示された本発明の実施形態では、止めねじ100は一般に、本体部102およびヘッド部104を含んでいる。本体部102は、クランプ要素24a、24bの基部70内の開口部76に沿って、アーム72a、72bの間に形成された内側のねじ山のパターン88と螺合するように構成された外側のねじ山106を画定する。本体部102はまた、コネクタ本体22内のブリッジ部材58の上面60と係合するための、実質的に平坦または平面的な構成を有する下端面110を画定する。
【0029】
一実施形態では、止めねじ100のヘッド部104は、六角形の上側部分112、および上側部分112とねじ付きの本体部102との間に延びる、テーパ状の中間部分114を含んでいる。六角形の上側部分112は、止めねじ100のヘッド部104を本体部102から選択的に取り外すことを可能にするために、外科用機器(図示せず)の端部と係合するように構成される。しかし当分野の技術者には明らかであるように、他の形および構成の上側部分112および中間部分114も企図される。通路116は、ヘッド部104の上面118から、本体部102とヘッド部104との間の接続点に隣接する位置まで延びている。ねじ付きの本体部102の中に、通路116と連通した工具係合用の陥凹部120が形成される。工具係合用の陥凹部120は、止めねじ100に回転駆動力を加えるために、対応する駆動用工具(図示せず)の端部と係合するように大きさを定められ、構成される。図示された実施形態では、工具係合用の陥凹部120は、駆動用工具の六角形の端部を内部に受け入れるような大きさに定められた六角形の構成を有している。しかし当分野の技術者には明らかであるように、他の形および構成の工具係合用の陥凹部120も企図される。上面118に隣接する通路116の上側部分は、駆動用工具の端部を内部に挿入することを容易にするために、面取り部122を画定する。
【0030】
図示された本発明の実施形態では、止めねじ100のヘッド部104は、ヘッド部104の選択的な分離を可能にするように、本体部102に取り外し可能に取り付けられている。図示された実施形態では、ヘッド部104は、ヘッド部104を本体部102から破断させる、または折り取ることを可能にするために、強度を低下させた領域130によって本体部102に取り付けられている。特定の実施形態では、強度を低下させた領域130は、本体部102とヘッド部104との間の接続位置に隣接する、縮小された断面領域132によって形成される。図15に示されるように、縮小された断面領域132は、内向きにテーパの付いた中間部分114によって画定される外側断面の縮小と、本体部102とヘッド部104との間の接続点に隣接する、通路116の(工具係合用の陥凹部120の内側断面と比べて)相対的に大きい内側断面とを組み合わせることによって形成される。ヘッド部104を本体部102から選択的に取り外すことができるように、止めねじ100のヘッド部104に対して選択された量の回転トルクを加えることによって、縮小された断面領域132に隣接する中間部分114を破断させることを理解すべきである。さらに、ヘッド部104を止めねじ100の残りの部分から取り外すと、接続装置20の全体的な輪郭高さが低くなることを理解すべきである。さらにヘッド部104を取り外した後、本体部102が全体的にコネクタ本体22の上面38より下に配置されることが好ましく、それによって隣接する組織の損傷または外傷の危険を低減させる。
【0031】
本明細書において止めねじ100の特定の構成が図示および記述されてきたが、他のタイプおよび構成の止めねじも企図されることを理解すべきである。例えば、ヘッド部104の本体部102からの選択的な取り外しを可能にする、本発明の範囲に含まれる他の機能も企図される。さらに、本発明の他の実施形態では、ヘッド部104が本体部102から選択的に取り外されるように構成される必要はない。さらに他の実施形態では、止めねじ100は必ずしもヘッド部104を含む必要はなく、その代わりにねじ付きの本体部102のみを含むことができる。
【0032】
接続装置20の各構成要素に関連する様々な構造および機能上の特徴が図示および記述されてきたが、次に本発明の一実施形態による接続装置20の組立ておよび使用について言及する。総括的に図1〜15を参照すると、本発明の一実施形態では、接続装置20の各構成要素が外科的処置の開始前にあらかじめ組み立てられている。結果として、外科医は、脊椎ロッドRが距離dだけ隔てられるように脊椎ロッドRを相互接続するために大きさを定められ、構成されたコネクタ本体22を有する、適切な接続装置20を選択するだけでよい。
【0033】
一実施形態では、最初に、アーム72a、72bを互いに向かってわずかに押し付け、アーム72a、72bの端部を開口56a、56bを通してコネクタ本体22のブリッジ部材58に挿入することによって、クランプ要素または鉗子24a、24bがコネクタ本体22と組み立てられ、アーム72a、72bの突出部84a、84bが、コネクタ本体22内の通路50a、50bによって画定された凹部領域66a、66bの中に配置される。表面の突起部96a、96bに隣接するクランプ要素24a、24bの外側の断面寸法は、コネクタ本体22の凹部領域66a、66bの外壁68の間の内側寸法よりわずかに大きいため、クランプ要素24a、24bをコネクタ本体22内の通路50a、50bの上側部分52を通して挿入する間に、さらにアーム72a、72bの内側への撓みが生じる。しかし、クランプ要素24a、24bをコネクタ本体22内の通路50a、50bを通してさらに移動させると、アーム72a、72bは弾性的に跳ね返り、押し付けられていない元の構成に戻る。先に示されたように、アーム72a、72bの突出部84a、84bをコネクタ本体22の凹部領域66a、66bの中に配置することによって、クランプ要素24a、24bのコネクタ本体22に対する回転運動を実質的に防ぎながら、依然としてクランプ要素24a、24bをコネクタ本体22内の通路50a、50bに沿って軸方向に移動させることが可能になる。
【0034】
クランプ要素24a、24bがコネクタ本体22内の通路50a、50bを通して完全に挿入されると、基部70はコネクタ本体22のブリッジ58に支えられるようになり、表面の突起部96a、96bは、テーパ状の係合面46a、46bの上端部に隣接する凹部領域66a、66bの外壁68をちょうど超えたところに配置されるようになる。この初期位置では、クランプ要素24a、24bは、クランプ要素24a、24bが通路50a、50bから誤って脱落することを防ぐように、一時的にコネクタ本体22に係合される。クランプ要素24a、24bをコネクタ本体22と組み立てた後、止めねじ100の下端面110がブリッジ部材58の上面60に隣接して配置されるまで、止めねじ100のねじ付きの本体部102がクランプ要素24a、24bの基部70内の開口部76にねじ込まれる。最初に組み立てられた接続装置20の構成が図2に示されている。
【0035】
図2に示された構成に組み立てられた後、接続装置20は一時的に脊椎ロッドRに係合されることが可能になる。本発明の一実施形態では、接続装置20を脊椎ロッドRに係合する前に、ロッドRが脊柱に固定される。しかしロッドRを脊柱に固定する前に、接続装置20が脊椎ロッドRに係合されることも企図される。特に接続装置20の構成によって、ロッドRを脊柱に固定した後、接続装置20を脊椎ロッドRの上に載せることが可能になる。これによって外科的処置が簡単になる傾向があり、また必要とされる外科的切開、およびその結果生じる患者の外傷の大きさが低減される可能性がある。
【0036】
クランプ要素24a、24bを脊椎ロッドRに係合する前に、アーム72a、72bを十分な距離をおいて広げ、脊椎ロッドRを端部の開口部94を通して空間Sに受け入れることができるように、止めねじ100が基部70内のねじ付き開口部76の外へわずかに戻されなければならない場合がある。コネクタ本体22の受け部30a、30b、およびクランプ要素24a、24bの開口部94がそれぞれの脊椎ロッドRの上に並べられた状態で、外科医は、脊椎ロッドRが横方向に端部の開口部94を通して空間Sに受け入れられるように、クランプアーム72a、72bを十分な距離をおいて広げるのに十分な力で(固定要素26a、26bを下方へ押すことなどによって)接続装置20を下方へ押す。
【0037】
図2に示されるように、脊椎ロッドRがアーム72a、72bの間の空間Sの中に配置された後、クランプ要素24a、24bの弾性的な性質によって、アーム72a、72bが跳ね返って元の変形されていない構成に戻り、それによって一時的に脊椎ロッドRをアーム72a、72bの間に捕捉し、一時的に接続装置20をロッドRに係合する。しかし、この第1の動作構成に配置されているときには、クランプ要素24a、24bは脊椎ロッドRのまわりに緩く係合されているため、接続装置20を脊椎ロッドRから外す必要なしに、接続装置20を脊椎ロッドRの長さに沿って軸方向に移動させる、かつ/または脊椎ロッドRの一方もしくは両方の長手方向の軸のまわりを回転させること可能である。そのように移動できることは特に、ロッドRを脊柱に固定するために用いられるアンカー要素(例えば、骨ねじまたは鉤)の圧縮および/または伸延中に有利になる可能性がある。
【0038】
接続装置20が脊椎ロッドRに沿った適切な位置に配置された後、クランプ要素24a、24bを脊椎ロッドRのまわりに押し付けるために、固定要素26a、26bが使用される。特に止めねじ100は、止めねじ100の下端面110がコネクタ本体22内のブリッジ部材58の上面60を係合するまで、ねじ付き開口部76に沿ってクランプ要素24a、24bの基部70内にねじ込まれる。止めねじ100をさらに締めつけると、クランプ要素24a、24bがコネクタ本体22の中に引き寄せられることを理解すべきである。特に、引き続き止めねじ100を基部70内のねじ付き開口部76を通してアーム72a、72bの内側のねじ山86に沿って螺合させると、クランプ要素24a、24bがコネクタ本体22内の通路50a、50bに沿って上方へ移動する。先に示されたように、表面の突起部96a、96bに隣接するクランプ要素24a、24bの外側断面の寸法は、コネクタ本体22内の凹部領域66a、66bの外壁68の間の内側寸法よりわずかに大きい。したがって、表面の突起部96a、96bが凹部領域66a、66bの外壁68に沿って移動すると、クランプアーム72a、72bが互いに向かって内側に撓み、次にそれが脊椎ロッドRの周縁部のまわりでクランプアーム72a、72bの最初の圧縮をもたらす。
【0039】
またクランプ要素24a、24bがコネクタ本体22の中へ上向きに移動すると、脊椎ロッドRがコネクタ本体22内の下側開口部34を通り、受け部30の中へ上向きに移動する。止めねじ100をさらに締めつけることによって、脊椎ロッドRを受け部30のテーパ状の側壁40a、40bに対してしっかりと係合し、それによって、コネクタ本体22と脊椎ロッドRのそれぞれとの間に2つの接触点が生じる。止めねじ100をさらに締めつけると、クランプアーム72a、72の外側のテーパ状の面90a、90bと、コネクタ本体22の内側のテーパ状の係合面46a、46bとの間の摺動係合も生じる。外側のテーパ状の面90a、90bと内側のテーパ状の係合面46a、46bとの間の摺動係合によって、クランプアーム72a、72が互いに向かって移動するようになり、次にそれがクランプアーム72a、72bの曲面92a、92bを脊椎ロッドRの周縁部のまわりにしっかりと押し付け、それによって、クランプ要素24a、24bのそれぞれと脊椎ロッドRとの間に2つの面接触が生じる。接続装置20が図3に示された動作構成に移行された後、接続装置20が脊椎ロッドRに確実に係合された状態で、止めねじ100のヘッド部104が本体部102から外され、選択的に取り除かれることが可能になり、それによって、全体的に縦方向の輪郭が低くなった接続装置20を提供する。
【0040】
脊椎ロッドRを受け部30のテーパ状の側面40a、40bに対して係合し、クランプ要素24a、24bを脊椎ロッドRのまわりにしっかりと押し付けることによって、接続装置20を脊椎ロッドRに対して確実に係止し、それによって接続装置20のロッドRの長さに沿ったさらなる軸方向変位、および接続装置20のロッドRの長手方向の軸のまわりでのさらなる回転変位が実質的に防止されることを理解すべきである。接続装置20は、ロッドの移動を防ぎ、脊椎構造体の全体的な剛性および安定性を高めるために、脊椎ロッドRを相互接続する。脊椎融合を伴う場合には、接続装置20は、1対または複数対の隣接する椎骨の間の融合を高める、または促進するのに特に有益である。図3に示されるように、接続装置20には脊椎ロッドRより下に延びる部分がなく、それによって、より多量の骨移植片、あるいは他の構成要素または装置を接続装置20の直下に配置することが可能になる。さらに、接続装置20の縦方向の輪郭が比較的低いため、隣接する組織の損傷または外傷の危険を最小限に抑える。本発明の一実施形態では、脊椎ロッドRを相互接続するために1対の接続装置20が用いられる。しかし他の実施形態では、脊椎ロッドRを相互接続するために、単一の接続装置20または3つ以上の接続装置20が用いられてもよいことを理解すべきである。
【0041】
図16を参照すると、それには脊椎インスツルメンテーションの構成要素を相互接続するための、本発明の他の形態による接続装置200が示されている。先に図示および記述された接続装置20と同様に、接続装置200は、1対の細長い脊椎ロッドR(図示せず)を横方向に相互接続するように構成されている。細長いロッドRは、ねじまたは鉤など、いくつかのアンカー要素(図示せず)によって脊柱の相対する側に取り付けられ、脊柱を安定化および支持する脊椎構造体を形成し、また場合によっては、1対または複数対の隣接する脊柱の間の脊椎融合を促進する働きをする。しかし、脊椎ロッドRを実質的に平行な構成および同一平面上の配置として相互接続するように構成された接続装置20とは異なり、接続装置200は、脊椎ロッドRを非平行もしくは傾斜した構成、および/または同一平面上にない配置として可変的に相互接続するように適合される。さらに、ロッドR間の距離が固定された形で脊椎ロッドRを相互接続するように構成された接続装置20とは異なり、接続装置200は、脊椎ロッド間の距離が変更可能または調整可能な形で脊椎ロッドRを相互接続するように適合される。
【0042】
図示された実施形態では、接続装置200は一般に、コネクタ本体222、1対のクランプ要素または鉗子224a、224b、および接続装置200を脊椎ロッドに確実に係合するために、クランプ要素224a、224bを脊椎ロッドのまわりに押し付けるように構成された1対の固定要素または留め具226a、226bを含んでいる。本発明の一実施形態では、クランプ要素224a、224bは、クランプ要素24a、24bと実質的に同様に構成され、固定要素226a、226bは、固定要素26a、26bと実質的に同様に構成される。さらに、接続装置200を脊椎ロッドに係合するために、クランプ要素224a、224bおよび固定要素226a、226bと相互作用および協働するコネクタ本体222の各部分は、コネクタ本体22の対応する各部分と実質的に同様に構成される。結果として、装置の脊椎ロッドへの係合に関する接続装置200の動作は、接続装置20の動作と実質的に同様になる。したがって、これらの特徴および動作を接続装置200に関して再び論じる必要はない。しかし、コネクタ本体22に関連する調整不能なブリッジ部28とは異なり、コネクタ本体222は、脊椎ロッド間の距離および角度関係を選択的に変えるように構成された、調整可能なブリッジ部228を含んでおり、その詳細は後で論じられる。
【0043】
図示された本発明の実施形態では、コネクタ本体222は、第1の脊椎ロッドと係合するために、クランプ要素224aおよび固定要素226aと相互作用および協働する第1のレシーバ部230aを含んでいる。さらにコネクタ本体222は、第2の脊椎ロッドと係合するために、クランプ要素224bおよび固定要素226bと相互作用および協働する第2のレシーバ部230bを含んでいる。ブリッジ部228は、第1の軸L1に沿ったレシーバ部230a、230bの間の比較的直線的な変位を可能にし、それに対応して、第1脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の距離を調整するように、第1および第2のレシーバ部230a、230bを互いに連結する。さらにブリッジ部228は、第1の軸L1に対するレシーバ部230a、230bの間の角変位を可能にし、それに対応して、第1の面に対する第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係を調整する。さらにブリッジ部228は、第1の軸L1を横切るように配置される第2の軸L2に対するレシーバ部230a、230bの間の角変位を可能にし、それに対応して、第1の面を横切るように配置される第2の面に対する第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係を調整する。図示された実施形態では、第1の軸L1は第2の軸L2に対して実質的に垂直である。
【0044】
一実施形態では、ブリッジ部228は、第1のレシーバ部230aから延び、全体的に第1の軸L1に沿って配置されたスタッド部材240、および第2のレシーバ部230bから延び、全体的に第2の軸L2に沿って配置された貫通開口部(図示せず)を含むリング部材242を含んでいる。しかし、スタッド部材240が第2のレシーバ部230bから延び、リング部材242が第1のレシーバ部230aから延びるように、スタッド部材240およびリング部材242の位置が反対でもよいことを理解すべきである。ブリッジ部228はさらに、全体的に第2の軸L2に沿って延び、リング部材242の貫通開口部内に配置されたねじ付きステム部246、およびスタッド部材240を内部に受け入れる貫通開口部250を含むつば部248を含む、連結部材244を含んでいる。
【0045】
第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の距離が、連結部材244のつば部248の、スタッド部材240に沿った(すなわち、第1の軸L1に沿った)直線変位によって調整され得ることを理解すべきである。スタッド部材240の端部は、つば部248によるスタッド部材240の滑落および離脱を防止する肩部254を画定する、拡張された部分252を含んでいる。第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係は、つば部248の、スタッド部材240のまわり(すなわち、第1の軸L1のまわり)の回転によって調整され得ることも理解すべきである。第1の軸L1に沿ったさらなる直線変位、および第1の軸L1のまわりのさらなる回転変位を防ぐために、止めねじ(図示せず)をつば部248内のねじ付き開口に通し、スタッド部材240と係合した状態にしてもよい。第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係は、リング部材242の、結合部材244のステム部246のまわり(すなわち、第2の軸L2のまわり)の回転によって調整され得ることをさらに理解すべきである。ナット260が結合部材244のねじ付きステム部246の上にねじ込まれ、ワッシャ262に対して係合した状態になり、ワッシャ262はリング部材242の面に対して係合されて、第2の軸L2のまわりのさらなる回転変位を防ぐ。ここで、接続装置200は、第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の距離の選択的な調整、および2つの回転軸に対する第1の脊椎ロッドと第2の脊椎ロッドとの間の角度関係の選択的な調整を可能にするように構成されることを理解すべきである。ブリッジ部228は、第1および第2のレシーバ部230a、230bを互い選択された距離をおいて、選択された角度方向に係止する機構も含み、それに対応して、第1および第2の脊椎ロッドを互いに選択された距離をおいて、選択された角度方向に相互接続する。
【0046】
図面およびこれまでの記述において、本発明が詳しく図示および記述されてきたが、それは特徴について例示するものであり、限定するものではないと考えられるべきであり、また好ましい実施形態が示され、記述されたにすぎず、本発明の趣旨に含まれる変更および修正はすべて保護されることが望ましいことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】1対の細長い脊椎ロッドを相互接続するための、本発明の一形態による接続装置の側面図である。
【図2】第1の動作構成として示された、図1に図示された接続装置の側面断面図である。
【図3】第2の動作構成として示された、図1に図示された接続装置の側面断面図である。
【図4】図1に図示された接続装置と共に使用するための、本発明の一実施形態によるコネクタ本体の斜視図である。
【図5】図4に図示されたコネクタ本体の側面図である。
【図6】図4に図示されたコネクタ本体の上面図である。
【図7】図4に図示されたコネクタ本体の端面図である。
【図8】図6の線8−8に沿って得られる、図4に図示されたコネクタ本体の横断面図である。
【図9】図1に図示された接続装置と共に使用するための、本発明の一実施形態によるクランプ要素の斜視図である。
【図10】図9に図示されたクランプ要素の側面図である。
【図11】図9に図示されたクランプ要素の上面図である。
【図12】図9に図示されたクランプ要素の端面図である。
【図13】図11の線13−13に沿って得られる、図9に図示されたクランプ要素の横断面図である。
【図14】図1に図示された接続装置と共に使用するための、本発明の一実施形態による固定要素の側面図である。
【図15】図14に図示された固定要素の側面断面図である。
【図16】1対の細長い脊椎ロッドを相互接続するための、本発明の他の形態による接続装置の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置において、
コネクタ本体であって、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、前記受け部が相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含み、前記コネクタ本体が前記受け部と横方向に連通する通路を画定する、コネクタ本体と、
開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含むクランプ要素であって、前記空間が前記受け部とほぼ位置合わせされ、また前記構成要素が前記開放端を通して受け入れられ前記空間内に保持された状態で、前記コネクタ本体の前記通路の中に配置されるクランプ要素と、
前記構成要素を前記テーパ状の係合面に対して係合するために、前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる固定要素と
を備える装置。
【請求項2】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素が、前記通路内での前記クランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記クランプ要素が、前記コネクタ本体の前記通路内に位置付けられる上側部分、および前記受け部に隣接して位置付けられる下側部分を含み、前記回転防止機構が前記クランプ要素の前記上側部分に隣接して配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素の前記アーム部の少なくとも1つがテーパ状領域を画定し、前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けるために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して前記テーパ状領域に沿って移動させる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記テーパ状領域が前記受け部に近接して配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コネクタ本体が前記通路に沿って配置された係合面を画定し、
前記クランプ要素がねじ付き開口部を画定する基部を含み、前記アーム部が前記基部から延び、
前記固定要素が、前記クランプ要素の前記ねじ付き開口部内に螺合されるねじ部を含み、
前記ねじ部が前記コネクタ本体の前記係合面に隣接して配置された端面を有し、これにより、前記固定要素の回転がこれに応じて前記クランプ要素を前記コネクタ本体に引き込み、前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記係合面が、前記通路の少なくとも一部を横切って延びる内壁によって画定される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記内壁が少なくとも2つの開口を画定し、該少なくとも2つの開口が、前記少なくとも2つのアーム部のそれぞれを、該開口を通して受け入れるように大きさを定められた、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記係合面が、前記通路を横切って延びるブリッジ部によって画定される、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記コネクタ装置が、第1のレシーバ部、第2のレシーバ部、および前記第1のレシーバ部と前記第2のレシーバ部との間に延びるブリッジ部を備え、
前記第1および第2のレシーバ部がそれぞれ、前記コネクタ本体の1つ、前記クランプ要素の1つおよび前記固定要素の1つを含み、
前記第1および第2のレシーバ部のそれぞれが、第1および第2の脊椎ロッドのそれぞれに接続するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ブリッジ部が、前記第1の脊椎ロッドと前記第2の脊椎ロッドとの間の距離の選択的な調整を可能にするように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ブリッジ部が、前記第1の脊椎ロッドと前記第2の脊椎ロッドとの間の角度の選択的な調整を可能にするように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させるために、前記固定要素が、前記クランプ要素のねじ付き開口部内に螺合されるねじ付きステム部を含む止めねじを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記止めねじが、前記ねじ付きステム部から選択的に分離可能なヘッド部を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置において、
コネクタ本体であって、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、前記受け部と横方向に連通する通路を画定する、コネクタ本体と、
開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含むクランプ要素であって、前記空間が前記受け部とほぼ位置合わせされまた前記構成要素が前記開放端を通して前記空間内に受け入れられた状態で、前記コネクタ本体の前記通路の中に配置され、前記コネクタ本体および該クランプ要素が、前記通路内での該クランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含み、前記コネクタ本体および該クランプ要素の前記アーム部の少なくとも1つがテーパ状領域を画定する、クランプ要素と、
前記構成要素が少なくとも部分的に前記受け部の中に配置された状態で、前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けて前記構成要素を前記空間内に保持するために、前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して前記テーパ状領域に沿って移動させる固定要素と
を備える装置。
【請求項16】
前記受け部が相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含み、前記構成要素を前記テーパ状の係合面に対して係合するために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記クランプ要素が、前記コネクタ本体の前記通路内に位置付けられる上側部分、および前記受け部に隣接して位置付けられる下側部分を含み、前記回転防止機構が前記クランプ要素の前記上側部分に隣接して配置される、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記コネクタ本体が第1のテーパ状領域を画定し、
前記クランプ要素の前記アーム部が第2のテーパ状領域を画定し、
前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けるために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記第1のテーパ状領域を前記第2のテーパ状領域に沿って移動させる、請求項15の装置。
【請求項19】
前記コネクタ本体が前記通路に沿って配置された係合面を画定し、
前記クランプ要素がねじ付き開口部を画定する基部を含み、前記アーム部が前記基部から延び、
前記固定要素が、前記クランプ要素の前記ねじ付き開口部内に螺合されるねじ部を含み、
前記ねじ部が、前記コネクタ本体の前記係合面に隣接して配置された端面を有し、それにより、前記固定要素の回転がこれに応じて前記クランプ要素を前記コネクタ本体に引き込み、前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置において、
コネクタ本体であって、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、前記受け部と横方向に連通する通路を画定する、コネクタ本体と、
開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含むクランプ要素であって、前記空間が前記受け部とほぼ位置合わせされまた前記構成要素が前記開放端を通して前記空間内に受け入れられた状態で、前記コネクタ本体の前記通路内に位置付けられる上側部分および前記受け部に隣接して位置付けられる下側部分を含み、前記コネクタ本体および該クランプ要素の前記上側部分が、前記通路内での該クランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む、クランプ要素と、
前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置するために、前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる固定要素と
を備える装置。
【請求項21】
前記受け部が相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含み、
前記構成要素を前記テーパ状の係合面に対して係合するために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記回転防止機構が溝の中に配置された突起部を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記突起部が前記クランプ要素の前記上側部分に沿って延び、前記溝が前記コネクタ本体内の前記通路に沿って延びる、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素の前記アーム部の少なくとも1つが、テーパ状領域を画定し、
前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けるために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して前記テーパ状領域に沿って移動させる、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記コネクタ本体が前記通路に沿って配置された係合面を画定し、
前記クランプ要素がねじ付き開口部を画定する基部を含み、前記アーム部が前記基部から延び、
前記固定要素が、前記クランプ要素の前記ねじ付き開口部内に螺合されるねじ部を含み、
前記ねじ部が前記コネクタ本体の前記係合面に隣接して配置された端面を有し、それにより、前記固定要素の回転がこれに応じて前記クランプ要素を前記コネクタ本体に引き込み、前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置する、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記係合面が、前記通路の少なくとも一部を横切って延びる内壁によって画定される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置において、
コネクタ本体であって、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、前記受け部と横方向に連通する通路を画定し、前記通路に沿って配置された係合面を画定する、コネクタ本体と、
ねじ付き開口部を画定する基部、および、前記基部から延び開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含むクランプ要素であって、前記空間が前記受け部とほぼ位置合わせされ、また前記構成要素が前記開放端を通して受け入れられ前記空間内に保持された状態で、前記コネクタ本体の前記通路の中に配置されるクランプ要素と、
前記クランプ要素の前記ねじ付き開口部内に螺合されるねじ付きステム部を含む固定要素であって、前記ねじ付きステム部が、前記コネクタ本体の前記係合面に隣接して配置された端面を有し、それにより、前記固定要素の回転がこれに応じて前記クランプ要素を前記コネクタ本体に引き込み、前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置する、固定要素と
を備える装置。
【請求項28】
前記受け部が相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含み、前記構成要素を前記テーパ状の係合面に対して係合するために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素が、前記通路内での前記クランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記クランプ要素が、前記コネクタ本体の前記通路内に位置付けられる上側部分、および前記受け部に隣接して位置付けられる下側部分を含み、前記回転防止機構が前記クランプ要素の前記上側部分に隣接して配置される、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素の前記アーム部の少なくとも1つがテーパ状領域を画定し、
前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けるために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して前記テーパ状領域に沿って移動させる、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記係合面が、前記通路の少なくとも一部を横切って延びる内壁によって画定される、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記内壁が少なくとも2つの開口を画定し、該少なくとも2つの開口が、前記少なくとも2つのアーム部のそれぞれを、該開口を通して受け入れるように大きさを定められた、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記係合面が、前記通路を横切って延びるブリッジ部によって画定される、請求項27に記載の装置。
【請求項35】
前記固定要素が、前記ねじ付きステム部から選択的に分離可能なヘッド部を含む止めねじを備える、請求項27に記載の装置。
【請求項1】
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置において、
コネクタ本体であって、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、前記受け部が相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含み、前記コネクタ本体が前記受け部と横方向に連通する通路を画定する、コネクタ本体と、
開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含むクランプ要素であって、前記空間が前記受け部とほぼ位置合わせされ、また前記構成要素が前記開放端を通して受け入れられ前記空間内に保持された状態で、前記コネクタ本体の前記通路の中に配置されるクランプ要素と、
前記構成要素を前記テーパ状の係合面に対して係合するために、前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる固定要素と
を備える装置。
【請求項2】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素が、前記通路内での前記クランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記クランプ要素が、前記コネクタ本体の前記通路内に位置付けられる上側部分、および前記受け部に隣接して位置付けられる下側部分を含み、前記回転防止機構が前記クランプ要素の前記上側部分に隣接して配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素の前記アーム部の少なくとも1つがテーパ状領域を画定し、前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けるために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して前記テーパ状領域に沿って移動させる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記テーパ状領域が前記受け部に近接して配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コネクタ本体が前記通路に沿って配置された係合面を画定し、
前記クランプ要素がねじ付き開口部を画定する基部を含み、前記アーム部が前記基部から延び、
前記固定要素が、前記クランプ要素の前記ねじ付き開口部内に螺合されるねじ部を含み、
前記ねじ部が前記コネクタ本体の前記係合面に隣接して配置された端面を有し、これにより、前記固定要素の回転がこれに応じて前記クランプ要素を前記コネクタ本体に引き込み、前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記係合面が、前記通路の少なくとも一部を横切って延びる内壁によって画定される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記内壁が少なくとも2つの開口を画定し、該少なくとも2つの開口が、前記少なくとも2つのアーム部のそれぞれを、該開口を通して受け入れるように大きさを定められた、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記係合面が、前記通路を横切って延びるブリッジ部によって画定される、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記コネクタ装置が、第1のレシーバ部、第2のレシーバ部、および前記第1のレシーバ部と前記第2のレシーバ部との間に延びるブリッジ部を備え、
前記第1および第2のレシーバ部がそれぞれ、前記コネクタ本体の1つ、前記クランプ要素の1つおよび前記固定要素の1つを含み、
前記第1および第2のレシーバ部のそれぞれが、第1および第2の脊椎ロッドのそれぞれに接続するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ブリッジ部が、前記第1の脊椎ロッドと前記第2の脊椎ロッドとの間の距離の選択的な調整を可能にするように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ブリッジ部が、前記第1の脊椎ロッドと前記第2の脊椎ロッドとの間の角度の選択的な調整を可能にするように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させるために、前記固定要素が、前記クランプ要素のねじ付き開口部内に螺合されるねじ付きステム部を含む止めねじを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記止めねじが、前記ねじ付きステム部から選択的に分離可能なヘッド部を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置において、
コネクタ本体であって、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、前記受け部と横方向に連通する通路を画定する、コネクタ本体と、
開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含むクランプ要素であって、前記空間が前記受け部とほぼ位置合わせされまた前記構成要素が前記開放端を通して前記空間内に受け入れられた状態で、前記コネクタ本体の前記通路の中に配置され、前記コネクタ本体および該クランプ要素が、前記通路内での該クランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含み、前記コネクタ本体および該クランプ要素の前記アーム部の少なくとも1つがテーパ状領域を画定する、クランプ要素と、
前記構成要素が少なくとも部分的に前記受け部の中に配置された状態で、前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けて前記構成要素を前記空間内に保持するために、前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して前記テーパ状領域に沿って移動させる固定要素と
を備える装置。
【請求項16】
前記受け部が相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含み、前記構成要素を前記テーパ状の係合面に対して係合するために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記クランプ要素が、前記コネクタ本体の前記通路内に位置付けられる上側部分、および前記受け部に隣接して位置付けられる下側部分を含み、前記回転防止機構が前記クランプ要素の前記上側部分に隣接して配置される、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記コネクタ本体が第1のテーパ状領域を画定し、
前記クランプ要素の前記アーム部が第2のテーパ状領域を画定し、
前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けるために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記第1のテーパ状領域を前記第2のテーパ状領域に沿って移動させる、請求項15の装置。
【請求項19】
前記コネクタ本体が前記通路に沿って配置された係合面を画定し、
前記クランプ要素がねじ付き開口部を画定する基部を含み、前記アーム部が前記基部から延び、
前記固定要素が、前記クランプ要素の前記ねじ付き開口部内に螺合されるねじ部を含み、
前記ねじ部が、前記コネクタ本体の前記係合面に隣接して配置された端面を有し、それにより、前記固定要素の回転がこれに応じて前記クランプ要素を前記コネクタ本体に引き込み、前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置において、
コネクタ本体であって、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、前記受け部と横方向に連通する通路を画定する、コネクタ本体と、
開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含むクランプ要素であって、前記空間が前記受け部とほぼ位置合わせされまた前記構成要素が前記開放端を通して前記空間内に受け入れられた状態で、前記コネクタ本体の前記通路内に位置付けられる上側部分および前記受け部に隣接して位置付けられる下側部分を含み、前記コネクタ本体および該クランプ要素の前記上側部分が、前記通路内での該クランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む、クランプ要素と、
前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置するために、前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる固定要素と
を備える装置。
【請求項21】
前記受け部が相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含み、
前記構成要素を前記テーパ状の係合面に対して係合するために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記回転防止機構が溝の中に配置された突起部を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記突起部が前記クランプ要素の前記上側部分に沿って延び、前記溝が前記コネクタ本体内の前記通路に沿って延びる、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素の前記アーム部の少なくとも1つが、テーパ状領域を画定し、
前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けるために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して前記テーパ状領域に沿って移動させる、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記コネクタ本体が前記通路に沿って配置された係合面を画定し、
前記クランプ要素がねじ付き開口部を画定する基部を含み、前記アーム部が前記基部から延び、
前記固定要素が、前記クランプ要素の前記ねじ付き開口部内に螺合されるねじ部を含み、
前記ねじ部が前記コネクタ本体の前記係合面に隣接して配置された端面を有し、それにより、前記固定要素の回転がこれに応じて前記クランプ要素を前記コネクタ本体に引き込み、前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置する、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記係合面が、前記通路の少なくとも一部を横切って延びる内壁によって画定される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
脊椎インスツルメンテーションに関連して使用される構成要素に接続するための装置において、
コネクタ本体であって、該コネクタ本体を通って延び該コネクタ本体の外面に通じる受け部を画定し、前記受け部と横方向に連通する通路を画定し、前記通路に沿って配置された係合面を画定する、コネクタ本体と、
ねじ付き開口部を画定する基部、および、前記基部から延び開放端を有する空間をその間に画定する少なくとも2つのアーム部を含むクランプ要素であって、前記空間が前記受け部とほぼ位置合わせされ、また前記構成要素が前記開放端を通して受け入れられ前記空間内に保持された状態で、前記コネクタ本体の前記通路の中に配置されるクランプ要素と、
前記クランプ要素の前記ねじ付き開口部内に螺合されるねじ付きステム部を含む固定要素であって、前記ねじ付きステム部が、前記コネクタ本体の前記係合面に隣接して配置された端面を有し、それにより、前記固定要素の回転がこれに応じて前記クランプ要素を前記コネクタ本体に引き込み、前記構成要素の少なくとも一部を前記受け部の中に配置する、固定要素と
を備える装置。
【請求項28】
前記受け部が相対して向き合う1対のテーパ状の係合面を含み、前記構成要素を前記テーパ状の係合面に対して係合するために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して移動させる、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素が、前記通路内での前記クランプ要素の回転を実質的に防ぐように互いに協働する回転防止機構を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記クランプ要素が、前記コネクタ本体の前記通路内に位置付けられる上側部分、および前記受け部に隣接して位置付けられる下側部分を含み、前記回転防止機構が前記クランプ要素の前記上側部分に隣接して配置される、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記コネクタ本体および前記クランプ要素の前記アーム部の少なくとも1つがテーパ状領域を画定し、
前記アーム部を前記構成要素のまわりに押し付けるために、前記固定要素が前記クランプ要素と相互作用して、前記クランプ要素を前記コネクタ本体に対して前記テーパ状領域に沿って移動させる、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記係合面が、前記通路の少なくとも一部を横切って延びる内壁によって画定される、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記内壁が少なくとも2つの開口を画定し、該少なくとも2つの開口が、前記少なくとも2つのアーム部のそれぞれを、該開口を通して受け入れるように大きさを定められた、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記係合面が、前記通路を横切って延びるブリッジ部によって画定される、請求項27に記載の装置。
【請求項35】
前記固定要素が、前記ねじ付きステム部から選択的に分離可能なヘッド部を含む止めねじを備える、請求項27に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2009−504198(P2009−504198A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509242(P2008−509242)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/016747
【国際公開番号】WO2006/119255
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/016747
【国際公開番号】WO2006/119255
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
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