説明

脊椎動物の初期発生における中胚葉形成を支配する新規遺伝子BrachyuryExpressionbyNuclearInhibitor,BENI

【課題】本発明は、アクチビンAに早期に応答する遺伝子を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明者は、網羅的マイクロアレイ法を用いて、アフリカツメガエルの胚を検討したところ、アクチビンAに応答して早期にその発現が大きく低下する遺伝子として、Unigene code Xl. 7756(BENI, Brachyury Expression by Nuclear Inhibitorと命名)を発見し、これが中胚葉特異的な因子であるBrachyuryの発現を核の中で抑制しながら、中胚葉の分化誘導を調節することを見出した。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
Brachyury Expression by Nuclear Inhibitor(BENI)をコードする核酸配列またはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項2】
前記BENIは、
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、18または20に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6、8、10、12、18または20に記載のアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5、7、9、11、17または19に記載の塩基配列の対立遺伝子変異体またはスプライス変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6、8、10、12、18または20に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
をコードする、請求項1に記載の核酸分子またはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項3】
前記BENIは、配列番号2、4、6、8、10、12、18または20に示される配列をコードする、請求項1に記載の核酸分子またはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項4】
前記BENIは、配列番号1、3、5、7、9、11、17または19に示される配列を含む、請求項1に記載の核酸分子またはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項5】
前記生物学的活性は、中胚葉の分化誘導の調節活性である、請求項1に記載の核酸分子またはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項6】
前記生物学的活性は、中胚葉分化誘導因子Brachyuryを調節する活性を有する、請求項1に記載の核酸分子またはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項7】
Brachyury Expression by Nuclear Inhibitor(BENI)ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項8】
前記BENIは、
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、18または20に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6、8、10、12、18または20に記載のアミノ酸配列において、1以上のまたは1もしくは数個のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5、7、9、11、17または19に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6、8、10、12、18または20に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド
である、請求項7に記載のポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項9】
前記BENIは、配列番号2、4、6、8、10、12、18または20に示される配列を有する、請求項7に記載のポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項10】
前記BENIは、配列番号1、3、5、7、9、11、17または19に示される配列を含む、請求項7に記載のポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項11】
前記生物学的活性は、中胚葉の分化誘導の調節活性である、請求項7に記載のポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項12】
前記生物学的活性は、中胚葉分化誘導因子Brachyuryを調節する活性を有する、請求項7に記載のポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメント。
【請求項13】
中胚葉分化誘導因子Brachyuryを調節する活性を調節することができる因子であって、該因子は、請求項1に記載の核酸分子またはその改変体もしくはフラグメント、あるいは請求項7に記載のポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントの機能を阻害する機能を有する、因子。
【請求項14】
前記因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項13に記載の因子。
【請求項15】
前記因子は、請求項1に記載の核酸分子またはその改変体もしくはフラグメント、あるいは請求項7に記載のポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントと相互作用することを特徴とする、請求項13に記載の因子。
【請求項16】
前記因子は、請求項1に記載の核酸分子またはその改変体もしくはフラグメントのアンチセンス核酸分子またはRNAi分子であるか、あるいは請求項7に記載のポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントに対する抗体であることを特徴とする、請求項13に記載の因子。
【請求項17】
前記因子を特異的部位に送達させる手段をさらに含む、請求項13に記載の因子。
【請求項18】
前記手段は、前記特異的部位に特異的に前記核酸分子を発現させるものである、請求項17に記載の因子。
【請求項19】
前記手段は、プロモーターである、請求項18に記載の因子。
【請求項20】
前記手段は、指向性リポソームである、請求項17に記載の因子。
【請求項21】
請求項1に記載の核酸分子を含む、ベクター。
【請求項22】
請求項1に記載の核酸分子の機能を阻害する阻害核酸分子を含む、ベクター。
【請求項23】
中胚葉分化誘導の調節因子をスクリーニングする方法であって、
A)候補物質を提供する工程、
B)該候補物質がBENIの活性を調節するかどうかを決定するためのアッセイ系に供する工程;
C)該候補物質の内、BENIを調節する因子を同定し、該調節する因子を、BENIの調節因子であると決定する工程
を包含する、方法。
【請求項24】
前記候補物質は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法によって同定された、BENIの調節因子。
【請求項26】
中胚葉分化誘導の調節因子を生産する方法であって、
A)候補物質を提供する工程、
B)該候補物質がBENIの活性を調節するかどうかを決定するためのアッセイ系に供する工程;
C)該候補物質の内、BENIを調節する因子を同定し、該調節する因子を、BENIの調節因子であると決定する工程;
D)該BENIの調節因子を生産する工程、
を包含する、方法。
【請求項27】
前記候補物質が、コンビナトリアルケミストリのライブラリーから選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項26または27に記載の方法によって同定された、BENIの調節因子。
【請求項29】
中胚葉分化に関連する状態の診断方法であって、
A)BENIのレベルを測定する工程
を包含する、方法。
【請求項30】
さらに、B)前記BENIのレベルの変化を指標として、中胚葉分化の状態を決定する工程を包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
中胚葉分化に関連する状態の診断試薬であって、BENIに特異的な因子を含む、診断試薬。
【請求項32】
中胚葉分化に関連する状態の処置または予防の方法であって、
A)BENIのレベルを調節する工程
を包含する、方法。
【請求項33】
前記調節する工程は、BENIに特異的な因子を用いて達成される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記BENIに特異的な因子は、BENIまたはその改変体をコードする核酸配列を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
中胚葉分化に関連する状態の処置または予防のシステムであって、
A)BENIのレベルを調節する手段
を備える、システム。
【請求項36】
BENIをコードする核酸分子もしくはBENIポリペプチドまたはそれらに特異的な因子の、中胚葉分化状態の診断薬の製造のための、使用。
【請求項37】
BENIをコードする核酸分子もしくはBENIポリペプチドまたはそれらに特異的な因子の、中胚葉分化に関連する状態、障害または疾患の処置または予防のための医薬の製造のための、使用。
【請求項38】
BENIをコードする核酸分子もしくはBENIポリペプチドまたはそれらに特異的な因子の、中胚葉分化状態の診断薬の製造のための、使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−312716(P2007−312716A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147470(P2006−147470)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】