説明

脱塩素化タンパク質遺伝子、細菌の検出方法、並びにPCE汚染土壌および汚染水の浄化方法

【課題】 本発明は、PCEをTCEまで脱塩素化する酵素をコードする遺伝子の塩基配列を提供し、更に、当該配列を利用して、PCEに汚染された土壌や地下水などを浄化するための方法を提供するものである。
【解決手段】 本発明の遺伝子は、配列番号1に示される塩基配列等からなる。本発明に係るPCEをTCEまで脱塩素化する細菌の検出方法は、当該遺伝子を利用するものであり、また、本発明のPCE汚染土壌等の浄化方法は、当該検出方法の結果に応じて土壌等を処理するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラクロロエチレン(以下、「PCE」という)をトリクロロエチレン(以下、「TCE」という)まで脱塩素化するタンパク質(酵素)をコードする遺伝子、それを用いた特定細菌の検出方法、および当該検出方法の結果に応じたPCE汚染土壌または汚染水の浄化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機塩素系溶剤であるPCEは、その優れた溶解能や揮発性、不燃性といった特性によって、ドライクリーニングやフロンガスの製造原料、金属部品の脱脂洗浄用途、繊維の精錬加工等に使用されてきた。その一方で、PCEには動物実験により発ガン性が確認されており、また、中枢神経や肝臓・腎臓に障害を与えることなども報告されている。
【0003】
この様に、使用量が多い一方で毒性の高いPCEには、化学的に安定であり環境中で分解され難いという欠点もある。そこで、これまでにも吸引吸着法など様々な処理方法が検討されてきたが、近年では、より穏和な条件で安価に実施でき、省エネルギーの観点からも優れている微生物による処理(バイオレメディエーション)が注目されており、開発が行なわれている。
【0004】
このバイオレメディエーションでは、処理すべきPCE汚染土壌等の微生物分布をできる限り乱さないという観点から、被処理土壌等に元来存在する脱塩素化微生物によりPCEを処理させるという考え方がある。しかしながら、被処理土壌等における脱塩素化微生物の有無によって、その処理結果は当然に異なる。そこで、特許文献1に記載の技術では、脱塩素化微生物の塩素化エチレン分解遺伝子にハイブリダイズする核酸を利用して、被処理土壌等中における脱塩素化微生物の存在を検出している。
【0005】
しかし、特許文献1で具体的に開示されている核酸は、tceAおよびtceAに相補的な核酸(KWI−Dhalo 1〜46)であるが、tceAは非特許文献1の通り、TCEやジクロロエチレン、ビニルクロライドをエチレンまで脱塩素化する酵素をコードする遺伝子である。従って、特許文献1では、その処理対象について「塩素化エチレン」と概念的な記載がされており、その例としてPCEも挙げられているものの、実際には、PCEを脱塩素化する手段は具体的に開示されていない。
【0006】
また、特許文献2には、同様の脱塩素化微生物の検出方法と、当該方法に用いる核酸が開示されている。しかし、この核酸によればTCEと共にPCEを分解できる微生物を検出できるものの、脱塩素化の結果、メタンの他にcis−1,2−ジクロロエチレンやビニルクロライドも得られる。これらは、PCEやTCEよりもかえって毒性が高いため、処理の結果、土壌汚染を更に進めてしまうことにもなりかねない。
【0007】
斯かる事情は特許文献3に記載の技術でも同様であり、当該文献に開示されている酵素はPCEをTCEまで分解するとされているが(特許文献3の請求項1)、実際にはTCEから更にcis−1,2−ジクロロエチレンまで分解してしまう(特許文献3の段落[0019])。
【特許文献1】特開2002−345473号公報(特許請求の範囲、段落[0025]〜[0026]、実施例2)
【特許文献2】国際公開第00/63443号パンフレット(クレーム、第19頁15〜17行)
【特許文献3】特開2002−17358号公報(特許請求の範囲、段落[0019])
【非特許文献1】Jon K.Magnusonら他3名,「Dehalococcoides ethenogenes由来のトリクロロエチレンリダクティブデハロゲナーゼ:tceAの塩基配列と基質範囲の同定(Trichloroethene Reductive Dehalogenase from Dehalococcoides ethenogenes:Sequence of tceA and Substrate Range Characterization)」,Applied and Environmental Microbiology,Vol.66,No.12,pp5141−5147(2000年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、塩素化炭化水素に汚染された土壌や地下水などを処理するために、脱塩素化微生物の存在の有無を判断する方法は従来でも知られており、また、脱塩素化微生物や脱塩素化酵素の遺伝子の中にはその塩基配列が公知のものもある。しかし、PCEを分解するに当たっては、いったん比較的毒性の低いTCEまで脱塩素化してから、好気性細菌により無毒化することが好ましく、毒性の高いcis−1,2−ジクロロエチレンやビニルクロライドの発生は極力避けるべきである。また、PCEを比較的毒性の低いTCEまで特異的に脱塩素化する酵素をコードする遺伝子は知られていなかったため、その塩基配列情報を利用することはできなかった。
【0009】
そこで、本発明が解決すべき課題は、PCEをTCEまで脱塩素化する酵素をコードする遺伝子の塩基配列を提供し、更に、当該配列を利用して、PCEに汚染された土壌や地下水などを安全に浄化するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、独自に見出したDesulfitobacterium属細菌であって、PCEをTCEまで特異的に脱塩素化できるKBC−1株(FERM BP−08573)の遺伝子配列を解析したところ、脱塩素化酵素をコードする全く新規な脱塩素化遺伝子を見出して本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明の遺伝子は、以下の(a)または(b)のDNAからなる。(a)配列番号1(SEQ ID NO:1)に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜1892からなるDNA、(b)配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜1892からなる塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、且つPCEをTCEまで脱塩素化するタンパク質をコードするDNA。
【0012】
また、本発明のもう一つの遺伝子は、以下の(a)または(b)のDNAからなる。(a)配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜2217からなるDNA、(b)配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜2217からなる塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、且つPCEをTCEまで脱塩素化するタンパク質をコードするDNA。
【0013】
上記ストリンジェントな条件としては、例えば、室温において、2×SSC(塩化ナトリウムとクエン酸ナトリウムの混合水溶液)および0.1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム水溶液)に相当する塩濃度で洗浄を行なうものを挙げることができる。
【0014】
本発明に係る細菌は、上記遺伝子を有し、PCEをTCEまで脱塩素化する能力を有するものである。
【0015】
また、本発明に係るタンパク質は、以下の(a)または(b)である。(a)配列番号2(SEQ ID NO:2)に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ酸配列からなり、且つPCEをTCEまで脱塩素化するタンパク質。
【0016】
本発明のDNAは、以下の(a)または(b)のDNAである。(a)上記本発明遺伝子の全部または一部に相補的な配列を有するDNA、(b)上記本発明遺伝子の全部または一部とストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA。また、当該DNAで好適には、配列番号3〜16(SEQ ID NO:3 to 16)から選択される1または2以上のDNAである。斯かるDNAは、以下の検出方法で使用できるものとして有用である。
【0017】
本発明に係る細菌の検出方法は、PCEをTCEまで脱塩素化する細菌の検出方法であって、PCEに汚染された汚染土壌または汚染水由来の被検試料からDNAサンプルを得、当該DNAサンプル中に上記本発明遺伝子が含まれるか否か判断することを特徴とする。
【0018】
上記検出方法においては、上記本発明遺伝子の存在を定量的に測定し、また、定量的な測定によって、上記細菌の数を算出するものが好ましい。定性的ではなく定量的な測定を行なうことによって、PCEに汚染された土壌等を浄化するに当たって、より効率的な処理が可能になるからである。
【0019】
また、上記検出方法において判断を行なう手段としては、PCR(Polymerase Chain Reaction)が便利である。更に、上記DNAサンプルを10倍段階希釈し、各希釈液についてPCRを行なうことによって上記細菌数を算出すれば、より正確な細菌数を効率的に求めることができる。
【0020】
本発明に係るPCE汚染土壌または汚染水の浄化方法は、上記細菌検出方法の結果によって、上記細菌が検出された場合に、上記汚染土壌または汚染水を上記細菌が増殖できる条件にすることを特徴とする。また、上記細菌が検出されなかった場合には、上記細菌を汚染土壌または汚染水に添加し、当該細菌が増殖できる条件にする。
【0021】
上記浄化方法においては、PCEをTCEまで脱塩素化する細菌としてDesulfitobacterium属細菌を使用することが好ましく、更に、Desulfitobacterium属細菌の中でもKBC−1株(FERM BP−08573)を用いることが好ましい。斯かる細菌は、本発明に用いることができるものとして特に優れているからである。
【0022】
本発明の環境影響評価方法は、上記浄化方法の実施中または実施後において、PCEをTCEまで脱塩素化する細菌の存在を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の遺伝子は、PCEを比較的毒性の弱いTCEまで特異的に脱塩素化できる酵素をコードするものである。従って、この塩基配列情報を利用すれば、PCEに汚染された土壌や地下水などにおいてPCEをTCEまで脱塩素化できる細菌の有無を判断することができ、更に、得られた情報を汚染土壌等の浄化のために用いることができる。よって、本発明は、PCEに汚染された土壌等を効率的に浄化できるものとして、産業上極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の遺伝子は、PCEをTCEまで特異的に脱塩素化できるDesulfitobacterium属細菌であるKBC−1株のDNA塩基配列情報から、PCE脱塩素化酵素をコードしているものと推定される塩基配列として見出され、この推定の正しさが実験により確認された新規なものである。従って、本発明の遺伝子によりコードされたタンパク質は、PCEをTCEまで特異的に脱塩素化する反応を触媒するものであり、また、本発明遺伝子を有する細菌は同様の能力を有する。
【0025】
本発明の遺伝子は、以下の(a)または(b)のDNAからなる遺伝子である。(a)配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜1892若しくは塩基番号501〜2217からなるDNA、(b)配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜1892若しくは塩基番号501〜2217からなる塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、且つPCEをTCEまで脱塩素化するタンパク質をコードするDNA。
【0026】
塩基番号1906〜2217からなる遺伝子は、必ずしもその機能は明らかでないが、既知のデハロゲナーゼ遺伝子の上流または下流に共通して存在する。従って、この遺伝子にコードされているタンパク質は、デハロゲナーゼと結合して或いは結合しないまま、協同的にPCEを脱塩素化する作用を発揮すると考えられる。例えば、塩基番号1906〜2217の塩基配列に対応するペプチドには疎水性アミノ酸が連続する部分があることから、デハロゲナーゼを細胞膜表面に存在せしめるためのアンカーである可能性がある。
【0027】
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、室温において2×SSCおよび0.1%SDSに相当する塩濃度で洗浄を行なうものを挙げることができ、「ストリンジェントな条件でハイブリダイズ」するとは、斯かる条件で洗浄してもなおハイブリダイズしていることを意味するものとする。この条件を相同性で表すと、好ましくは約80%以上、更に好ましくは約90%以上、特に好ましくは約95%以上の相同性を有するDNAがハイブリダイズする条件ということができる。
【0028】
本発明のタンパク質は、以下の(a)または(b)のタンパク質である。(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ酸配列からなり、且つPCEをTCEまで脱塩素化するタンパク質。ここで、「1または数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加」とは、公知の変異タンパク質調製方法による欠失等であって、タンパク質の主要機能を失わせないものをいう。また、ここでの「置換」は、極性・非極性アミノ酸、疎水性・親水性アミノ酸、陽性・陰性荷電アミノ酸、芳香族アミノ酸、脂肪族アミノ酸などの分類において、同様のカテゴリーに属するアミノ酸による置換であることが好ましい。但し、活性中心など、そのタンパク質の機能発現のために極めて重要な部位においては、これら変異を起こさないことが好ましい。或いは、天然に存在するタンパク質であって、同様の変異を起こしたものを単離精製したものであってもよい。
【0029】
本発明のタンパク質は、本発明遺伝子の配列から導き出されたものである。また、本発明遺伝子がPCEをTCEまで特異的に脱塩素化するタンパク質(酵素)をコードすることは、後述する実施例により確認されている。従って、本発明タンパク質は、PCEをTCEまで特異的に脱塩素化するものと考えられる。
【0030】
本発明の遺伝子の情報は、PCEに汚染された土壌等の浄化に利用することができる。具体的には、先ず、PCEに汚染された汚染土壌または汚染水由来の被検試料からDNAサンプルを得、当該DNAサンプル中に本発明遺伝子が含まれるか否か判断することによって、PCEを脱塩素化してTCEとする能力を有する細菌の有無を判断する。
【0031】
このDNAサンプルの取得は、メーカーより様々なDNAサンプルの調製キットが市販されているので、適宜選択して用いればよい。そして本発明では、得られたDNAサンプル中に本発明遺伝子が含まれているか否かは、本発明遺伝子とハイブリダイスできるDNAを用いることにより判断できる。
【0032】
ここで用いられるDNAとしては、以下の(a)または(b)のDNAを挙げることができる。(a)本発明遺伝子の全部または一部に相補的な配列を有するDNA、(b)本発明遺伝子の全部または一部とストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA。好ましくは、10〜30塩基程度(より好ましくは、15塩基以上、25塩基以下)のものを使用し、具体的には配列番号3〜16から選択される1または2以上のDNAを用いることができる。ここでの「ストリンジェントな条件」は、前述したものと同様の条件とすることができる。
【0033】
判断のための手段としては、公知のDNA検出手段を用いることができる。例えば、DNAサンプルを電気泳動により分離した上で、放射性同位元素や蛍光発色基等により標識した上記DNAを作用させ、これとハイブリダイズするものがあるか否かによって、本発明遺伝子の有無を判断することができる。
【0034】
また、上記DNAのうち適切なもの2本を選択し、これらをフォワードプライマーとリバースプライマーとして用いてPCRを行なうことによって、これらとハイブリダイズする本発明遺伝子の全部または一部がサンプル中に存在すればそれを特異的に増幅できるので、本発明遺伝子の有無を判断できる。PCRの実施方法は一般的なものであればよく、また、その後に電気泳動によりDNAを分離して増幅されたものがあるか否かを確認する。或いは、リアルタイムPCR法を用いれば、電気泳動を行なう必要がないため解析時間を大幅に短縮することができる。
【0035】
また、上記DNAサンプルを、例えば10〜10に10倍段階希釈してPCRを行なった上でアガロースゲル電気泳動し、増幅の有無を判定することによって、本発明遺伝子DNAの存在を定量的に測定でき、ひいてはPCEをTCEまで脱塩素化できる能力を有する細菌の数を算出できる。即ち、血球計算版やフローサイトメーター等により目的遺伝子を有する細胞の数を計測した培養液を、オートクレーブ滅菌した土壌へ一定量(一定菌数)添加することによって、細菌数が明らかとなっている土壌サンプルを得る。この土壌サンプルから、被検試料よりDNAサンプルを得た手段と同様の手段によってDNAサンプルを得、この細菌数が明らかとなっているDNAサンプルについてPCRを行なって増幅の有無を観察する。PCRでは、もとのDNA量が少な過ぎると増幅されない。従って、この結果から、PCRによりDNAが増幅される場合と増幅されない場合の細菌数が明らかとなるので、段階希釈した試料から得られたPCR結果と照らし合わせることによって、試料中に含まれる細菌数を知ることができる。
【0036】
本発明に係る細菌検出方法の結果によって、PCEをTCEまで脱塩素化する細菌が検出された場合には、浄化処理すべき汚染土壌または汚染水を当該細菌が増殖できる条件とすることによって、PCEをTCEへ脱塩素化することができる。ここでの「増殖できる条件」は、本発明遺伝子を有する細菌、例えばDesulfitobacterium属細菌であるKBC−1株が増殖できる条件とする。即ち、KBC−1株の至適条件は、pH 7.5で34℃であるので、好適にはpH 7.0〜9.0の10〜42℃とする。また、KBC−1株は嫌気性菌であるので、好ましくは嫌気条件とするが、微好気条件でもよい。更に、必要に応じて脱塩素微生物の生育に必要な炭素源や窒素源、ビタミン等の栄養源も添加する。KBC−1株の他にPCEをTCEまで脱塩素化できる細菌が存在すれば、その細菌の増殖条件に合わせてもよい。
【0037】
本発明に係る細菌検出方法の結果によって、PCEをTCEまで脱塩素化できる細菌が検出されなかった場合には、斯かる能力を有する細菌(好適にはKBC−1株)を被処理土壌等に添加して、その細菌の増殖条件とすることにより処理する。この様に、本発明に係る細菌の検出方法を実施した後にPCE汚染土壌等の処理を行なえば、より効率的な浄化が可能となる。また、当該細菌が検出された場合であってもその細菌数がPCTを分解処理するに十分でなければ、当該細菌を添加してもよい。
【0038】
処理すべき土壌や地下水においては、たとえPCEで汚染されたものではあっても、元来の微生物分布をできる限り乱さないことが望ましい。そこで、本発明の浄化方法において、特にPCEをTCEへ脱塩素化できる細菌を添加した場合には、浄化方法の実施中または実施後において、当該細菌の存在を測定することにより環境への影響を評価すべきである。
【0039】
以下に、実施例を示すことによって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0040】
実施例1 遺伝子配列の解析
(1) 液体培地の調製
先ず、嫌気性培養のための液体培地を、以下に示す通り調製した。即ち、表1の成分を水に溶解し、1N KOH水溶液でpHを7.2に調整し、更に水を添加して500mLにメスアップしたものを20%CO2−80%N2ガスで液相パージした後、オートクレーブ滅菌した。
【0041】
【表1】

【0042】
表1中、微量元素溶液は、表2に示す組成を有する。因みに、成分中FeCl2・4H2Oは溶解し難かったため、先ず塩酸に溶解させた後に蒸留水を加え、更に他の成分を加えて均一溶液とした。
【0043】
【表2】

【0044】
また、表1中のビタミン溶液は、表3に示す組成の均一溶液を200mLにメスアップした後、フィルター滅菌したものを用いた。
【0045】
【表3】

【0046】
次に、別途表4に示す溶液を調製して滅菌後、嫌気的に混合した。更に、適当量の飽和PCE溶液(150ppm)と滅菌した嫌気水を加えて約1Lとし、最終PCE濃度が50ppmである液体培地を得た。
【0047】
【表4】

【0048】
(2) ファージライブラリーの作製
上記液体培地100mLを125mL容のガラスバイアルビンへ嫌気的に注入した。ここへ、KBC−1株の菌液を終濃度が0.1%となる様に添加し、テフロン(登録商標)コートされたブチルゴム栓を介してアルミシールで密閉し、30℃で3日間静置培養した。培養後の細胞を、4000×G、4℃で8分間遠心分離した。次いで、QIAGEN社製のGenomic−tipを用いてKBC−1株の染色体DNAを分離した。
【0049】
得られた染色体DNAを、制限酵素であるSau3AIにより部分消化した。部分消化することにより生じたDNA断片をエタノール沈殿により精製・濃縮し、TOYOBO製のλEMBL3/BamH I Vectorキットを用いて、λファージDNAのLeft armとRight armとの間にライゲーションした。ライゲーション後のファージDNAは、TOYOBO製のGigapack III Packaging Extracts Goldキットを用いてパッケージングし、ファージライブラリーとした。
【0050】
(3) 塩基配列情報の解析
上記ファージライブラリー中、5クローンについてファージDNAを調製し、挿入されたDNA断片のシークエンシングを行ない、10〜15kbの5種類の塩基配列(合計:約70kb)を決定した。読み取ったDNA配列は、DNA配列解析ソフトであるGenetyx−win ver.6を用いて解析した。その結果、配列番号1中塩基番号501〜1892からなる塩基配列が、以下の特徴を有することを見出した。
(i) 対応するアミノ酸配列のC末端付近に、4Fe−4Sクラスタを2箇所持つというデハロゲナーゼの特徴に対応する配列が存在している。
(ii) その分子量が、既知のデハロゲナーゼ遺伝子とほぼ同じである。
(iii) 既知デハロゲナーゼに共通して存在するシグナルペプチドに対応する配列を有する。
(iv) その下流に、既知デハロゲナーゼに共通して存在する膜アンカープロテインに対応する配列が存在する。
【0051】
以上の特徴より、配列番号1中塩基番号501〜1892からなる塩基配列は、デハロゲナーゼをコードしていると推定した。
【0052】
実施例2 ノーザン解析
上記実施例1の推定遺伝子領域(Open Reading Frame、以下、「ORF」という)がデハロゲナーゼをコードしていることを、実施例2と3の実験により確認した。
【0053】
上記実施例1(1)の液体培地500mLにKBC−1株の菌液を添加し、30℃で2日間静置培養した。OD600が0.1付近に達した時点で終濃度50ppmになる様にPCEを添加し、更に30℃で3時間静置培養した。その後、4000×G、4℃で8分間遠心分離し、細胞を回収した。次いで、ナカライテスク社のセパゾールRNAを用いて、全RNAを抽出した。この全RNA10μgを変性アガロース電気泳動にかけ、分離した。これをメンブラン(アマシャムバイオサイエンス社製、Hybond N+)へブロッティングし、固定化した。
【0054】
プローブのラベリング、ハイブリダイゼーションおよび検出は、アマシャムバイオサイエンス社製のAlkPhos Direct Labelling and Detection System with CDP−Starを用いた。詳しくは、上記実施例1のORFのN末端部分に相補的な以下に示す2つのプライマー(配列番号3と4)を用いて、KBC−1株の染色体DNAを鋳型にしたPCR増幅を行なった。
5’−AGGAGAAGCGAAGCGTTGG、 5’−TTAAAACAGCGACTCCGTG
増幅されたDNA断片を、アマシャム社製のカラム(S−400 HR)を用いて精製した。DNAの濃度測定後、マニュアルに従ってプローブのラベリングを行なった。標識プローブとのハイブリダイゼーションは、指定されたバッファーを用いて55℃で20時間行なった。その後、表5の組成のバッファーを用いて、55℃で10分ずつ2回洗浄した。
【0055】
【表5】

【0056】
更に、表6のバッファーを用いて、室温で5分ずつ2回洗浄した。
【0057】
【表6】

【0058】
そして、所定量のCDP−Star溶液を添加後、室温にて30分程度静置し、X線フィルムを用いて検出した。
【0059】
また、比較のために、PCEを添加しない培地で培養したKBC−1株から得た全RNAサンプルについても、同様の処理を行なった。結果を図1に示す。図1中、(i)はPCEを添加した培地で培養したKBC−1株の全RNAサンプルの結果であり、(ii)はPCEを添加しなかった場合のサンプルの結果である。当該結果から明らかな様に、上記実施例1のORFの発現はPCEの存在により誘導され、対応するmRNA量が増加することが実証された。
【0060】
実施例3
含塩素化合物(chlorinated compound)の脱塩素活性を有する酵素は基質の添加により誘導される場合が多い。そこで、KBC−1株のPCE脱塩素酵素がPCEの添加により誘導されるか否かを実験により確認した。
【0061】
(1) 粗酵素溶液の調製
上記実施例1(1)の液体培地にKBC−1株の菌液を添加した後、終濃度が50ppmになる様にPCEを添加し、30℃で3日間静置培養した。その後、4000×G、4℃で8分間遠心分離した。次いで、嫌気条件下で100mMリン酸バッファー(pH7.5)を加え、細胞を懸濁した。この懸濁液中の細胞に、バイオラプター(コスモバイオ社製)を用いて、4℃、200Wで105秒間の超音波破砕処理を行なった。その後、4000×G、4℃で10分間遠心分離し、上清を粗酵素液とした。また、比較のために、PCEを添加しないで同様の処理を行なった粗酵素液も得た。
【0062】
(2) 酵素活性の測定
デハロゲナーゼのアッセイは、Neumanの方法(Neuman,A.,et al,J.Biol.Chem.,271,pp16515−16519(1996年))を用いた。詳しくは、20mLのアルミシール用試験管に、表7の組成を有する酵素アッセイ溶液を添加し、テフロン(登録商標)コートのブチルゴム栓とアルミシールで密栓した。
【0063】
【表7】

【0064】
このアッセイ溶液に100μLの粗酵素溶液を添加して、反応を開始した。また、別途ネガティブコントロールとして、粗酵素溶液の代わりに100mMリン酸バッファーを100μL添加したものを作成した。これらを30℃で1〜20時間インキュベートした。その後、エレクトロンキャプチャー検出器付ガスクロマトグラフィー(GC/ECD)により生成したTCE量(nmol)を測定した。また、粗酵素溶液に含まれる全タンパク質の定量は、バイオラッド社製のプロテインアッセイキットを用いたBradford法により行なった。結果を表8に示す。
【0065】
【表8】

【0066】
当該結果の通り、PCEを添加してKBC−1株を培養した場合と添加しなかった場合とでは、全タンパク質に対する脱塩素化能は約60倍も異なっていた。従って、KBC−1株のデハロゲナーゼは、PCEの添加によって発現することが明らかとなった。
【0067】
以上の結果より、配列番号1中塩基番号501〜1892からなる塩基配列がデハロゲナーゼをコードしているのではないかとの上記実施例1での推定は、当該ORFがPCEの存在により発現すること(実施例2)、また、デハロゲナーゼの発現が同じくPCEにより誘導されることから(実施例3)、正しいことが証明された。
【0068】
実施例4 本発明細菌の検出
表9の通り、上記実施例1のORFの一部に相補的なプライマー(配列番号3〜6)と、PCEをcis−DCEまで脱塩素化するデハロゲナーゼをコードする遺伝子に相補的なプライマーを調製した。
【0069】
【表9】

【0070】
次に、下記微生物の培養液サンプルまたは土壌のサンプルから500μLをサンプリングした。培養液サンプルの場合はQbiogene社製のFast DNA SPIN Kitを用いて、土壌サンプルの場合はQbiogene社製のFast DNA SPIN Kit for Soilを用いて、メーカーの指示通りの方法でDNAサンプルを調整した。
【0071】
【表10】

【0072】
得られたDNAサンプルは、上記プライマーセットA〜Cを用いたPCRに供した。PCRの反応液の組成は、以下の通りである。
【0073】
【表11】

【0074】
また、PCR各工程の条件は、表12の通りである。
【0075】
【表12】

【0076】
PCR後の反応液5μLを1.5%アガロースゲルにて電気泳動し、目的バンドの増幅を確認した。結果を図2(泳動ゲルの写真)と表13に示す。
【0077】
【表13】

【0078】
当該結果の通り、実施例1のORFに相補的なプライマーセットAとBは、KBC−1株のみならず、同じくPCEをTCEへ脱塩素化する微生物の遺伝子に特異的にハイブリダイズした。その一方で、PCEをcis−DCEまで脱塩素化する微生物遺伝子にはハイブリダイズしないことが分かった。従って、実施例1のORFを指標にしたDNA検出方法は、PCEをTCEに脱塩素化する微生物の検出に有用であることが実証された。
【0079】
実施例5 本発明遺伝子の検出
土壌サンプルとして、サンプルA(一般畑土)、サンプルB(油田土壌)、サンプルC(一般畑土)、サンプルD(腐葉土)を取得した。各土壌サンプルA〜D8gを25mL容のバイアルビンに挿入し、さらに、表4に示す溶液の代わりに表14に示す溶液を用いる以外は上記実施例1(1)と同様の条件で調製した液体培地5mLを加えて密栓し、30℃で8日間静置培養を行なった。なお、土壌サンプルや液体培地の添加は全て好気条件で行なったが、密封状態で培養したことから土壌サンプル中に含まれる好気性細菌の働きによりバイアルビン中は次第に嫌気条件になると考えられる。
【0080】
【表14】

【0081】
別途、上記実施例1のORFの一部に相補的な表15のプライマー(配列番号3〜16)を調製した。
【0082】
【表15】

【0083】
これらプライマーを組合せ、培養後の各土壌サンプルについて上記実施例4と同様の条件でPCRを行ない、増幅を確認した。増幅が確認されたものを「○」、確認されなかったものを「×」として結果を表16に示す。
【0084】
【表16】

【0085】
上記結果の通り、土壌サンプルAには本発明遺伝子を有する細菌が存在していることが明らかとなった。土壌サンプルBの結果では、増幅されていない場合がある。これは、本発明遺伝子と比較的高い相同性を有しながらも一部配列が異なる遺伝子を有する細菌が存在していることを示す。一方、土壌サンプルCとDには本発明遺伝子を有する細菌は存在しないことが分かる。
【0086】
実施例6 PCE分解実験
上記実施例5の実験において、各バイアルビンのヘッドスペースガスを培養開始直後と2日間ごとに抜き取り、気相中に放散されるPCEとTCEの濃度をガスクロマトグラフィーにより測定した。結果を図3に示す。
【0087】
当該結果の通り、土壌サンプルAでは経時的にPCE濃度が低減されており、5日目以降ではほぼ全量が分解されている。それに対応して、TCE濃度が上昇している。従って、上記実施例5の結果を合わせて考察すれば、本発明遺伝子を有する細菌(以下、「本発明細菌」という)の働きによりPCEがTCEへ特異的に分解されていると考えられる。なお、2日目まではそれ程PCE濃度の低下が見られないのは、十分な嫌気条件に至っていないためである。また、PCEの減少に比してTCEの増加が少ないが、図3の縦軸の単位はppmであり、TCEはPCEよりも塩素数が1つ少なく分子量が小さいので、分解されたPCEはほぼTCEに変換されたものと考えられる。
【0088】
土壌サンプルBでは、同じくPCE濃度は経時的に低減されているものの、TCE濃度はPCE濃度の低下に相当する程に上昇していない。上記実施例5の結果の通り、土壌サンプルBには本発明細菌は少ないか存在せず、本発明遺伝子と類似する遺伝子を有する細菌が優勢であると考えられる。従って、PCEが分解されているにもかかわらずTCEの生成量が少ないのは、検出されたTCEは本発明遺伝子と類似する遺伝子を有する細菌の作用によりPCEがcis−DCE等まで分解される途中の中間生成物であるか、僅かに存在する本発明細菌の働きによるものであると思われる。
【0089】
一方、土壌サンプルCとDではPCE濃度はほとんど低下しておらず、TCEの生成も観察されない。これは、上記実施例5の結果の通り本発明細菌が存在していないことによると考えられる。
【0090】
以上の結果の通り、本発明によればPCEをTCEまで脱塩素化する細菌を検出できることが実証された。また、上記結果から、本発明細菌が検出された土壌サンプルAの場合には、本発明細菌の生育に適した条件とすることによりPCEをTCEへ特異的に分解できる。土壌サンプルBの場合は本発明細菌を他の細菌よりも優勢にし、土壌サンプルCとDの場合には本発明細菌を添加して同様の条件とすることによって、同じくPCEの特異的な分解が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】KBC−1を培養するに当たり、PCEを添加した場合と添加しなかった場合において、本発明遺伝子の発現状態を示す結果である。本発明遺伝子はPCEの添加により発現誘導されることが証明されている。
【図2】本発明遺伝子の塩基配列に相補的なDNAをプライマーとして用いて、サンプルDNAのPCRを行なったアガロースゲル電気泳動結果である。当該結果より、本発明のDNAは、サンプルを得た土壌等にPCEをTCEまで脱塩素化できる細菌が含まれるか否かを判断するのに有用であることが分かる。
【図3】実施例5と6において、PCEを添加した土壌サンプルから放散されるPCEとTCEの濃度をガスクロマトグラフィーにより測定した結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)または(b)のDNAからなる遺伝子。
(a) 配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜1892からなるDNA
(b) 配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜1892からなる塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、且つテトラクロロエチレン(以下、「PCE」という)をトリクロロエチレン(以下、「TCE」という)まで脱塩素化するタンパク質をコードするDNA。
【請求項2】
以下の(a)または(b)のDNAからなる遺伝子。
(a) 配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜2217からなるDNA
(b) 配列番号1に示される塩基配列のうち、少なくとも塩基番号501〜2217からなる塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、且つPCEをTCEまで脱塩素化するタンパク質をコードするDNA。
【請求項3】
上記ストリンジェントな条件が、室温において、2×SSCおよび0.1%SDSに相当する塩濃度で洗浄を行なうものである請求項1または2に記載の遺伝子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の遺伝子を有し、PCEをTCEまで脱塩素化する能力を有する細菌。
【請求項5】
以下の(a)または(b)のタンパク質。
(a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ酸配列からなり、且つPCEをTCEまで脱塩素化するタンパク質。
【請求項6】
以下の(a)または(b)のDNA。
(a) 請求項1〜3のいずれかに記載の遺伝子の全部または一部に相補的な配列を有するDNA
(b) 請求項1〜3のいずれかに記載の遺伝子の全部または一部とストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA。
【請求項7】
配列番号3〜16から選択される1または2以上のDNA。
【請求項8】
PCEをTCEまで脱塩素化する細菌の検出方法であって、
PCEに汚染された汚染土壌または汚染水由来の被検試料からDNAサンプルを得、当該DNAサンプル中に請求項1または2記載の遺伝子が含まれるか否か判断することを特徴とする方法。
【請求項9】
上記遺伝子の存在を定量的に測定する請求項8記載の検出方法。
【請求項10】
定量的な測定によって、上記細菌の数を算出する請求項9記載の検出方法。
【請求項11】
上記判断を行なう手段がPCRである請求項8〜10のいずれかに記載の検出方法。
【請求項12】
上記DNAサンプルを10倍段階希釈し、各希釈液についてPCRを行なうことによって、上記細菌数を算出する請求項10記載の検出方法。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれかに記載の細菌検出方法の結果によって、上記細菌が検出された場合に、上記汚染土壌または汚染水を上記細菌が増殖できる条件にすることを特徴とするPCE汚染土壌または汚染水の浄化方法。
【請求項14】
請求項8〜12のいずれかに記載の細菌検出方法の結果によって、上記細菌が検出されなかった場合に、上記細菌を上記汚染土壌または汚染水に添加し、当該細菌が増殖できる条件にすることを特徴とするPCE汚染土壌または汚染水の浄化方法。
【請求項15】
PCEをTCEまで脱塩素化する上記細菌として、Desulfitobacterium属細菌を使用する請求項13または14に記載の浄化方法。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれかに記載の浄化方法において、上記細菌として、KBC−1株(FERM BP−08573)を使用する方法。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれかに記載の浄化方法の実施中または実施後において、PCEをTCEまで脱塩素化する上記細菌の存在を測定することを特徴とする環境影響評価方法。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−42815(P2006−42815A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196651(P2005−196651)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「生分解・処理メカニズムの解析と制御技術の開発」に係る委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】