説明

脱水ケーキの連続造粒システム

【課題】 効率的に改質処理できる脱水ケーキの連続造粒システムを提供する。
【解決手段】 建設現場や、砂利や砕石の製造現場などで発生する汚泥を脱水した脱水ケーキMmは、脱水ケーキ供給装置100によって解砕混合装置200へ定量的に供給される。解砕混合装置200は、回転駆動されるシャフト261,262のパドル250で脱水ケーキMmを解砕するとともに、固化材投入装置300から定量的に供給された固化材SDと混合して微細粒状の粉砕脱水ケーキMpを生成して、造粒装置400の内部に直接投入する。造粒装置400は、投入された微細粒状の粉砕脱水ケーキMpを、回転駆動される回転筒420の内部で送り羽根423に案内されながら摺動および転動することで、造粒物製品Mを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場などで発生する汚泥を脱水した脱水汚泥の処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場で発生する建設汚泥や、砕石場で発生する砕石汚泥などを再利用できるように改質する装置が知られている。この装置では、縦型円筒形のドラム内に設けられ公転する攪拌翼と公転しながら自転する回転羽根とによって、ドラム内に投入された脱水ケーキと添加剤とを攪拌、混合することで造粒物が得られる(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−140820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この装置では、脱水ケーキの改質処理がバッチ処理で行われているため、処理能力を増やすには1バッチ当たりの処理量を増やすか、1バッチ当たりの処理時間を短縮することとなる。しかし、この方法では所用動力が大幅に増加してしまうため、効率的な改質処理ができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による脱水ケーキの連続造粒システムは、脱水ケーキを微細な土粒子状の土砂に解砕する解砕装置と、解砕装置で解砕された土粒子状の土砂を転動させながら移動させて造粒する造粒機とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、解砕装置の前段に設けられて、解砕装置へ脱水ケーキを定量供給する脱水ケーキ供給装置と、解砕装置に設けられ、脱水ケーキ供給装置から供給された脱水ケーキに対して、固化材を添加する固化材供給装置とをさらに備えることを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項2に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、固化材供給装置は、固化材が解砕装置の内部で解砕装置によって土粒子状の土砂と混合されるように固化材供給口が配設されていることを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、解砕装置は、ケーシングの上流から下流にかけて延在して、ケーシング内で回転する回転軸と、回転軸の外周面に設けられて、回転軸が一方の方向に回転した際に脱水ケーキおよび土粒子状の土砂をケーシングの上流から下流に向かって移動させるように、回転軸の軸方向に垂直な平面に対して所定の角度だけ傾斜した第1の羽根と、回転軸の外周面に設けられて、回転軸が回転した際に脱水ケーキを土粒子状の土砂に解砕する第2の羽根とを備えることを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、造粒機は、略横型の筒形状を呈し、内周面に螺旋部材が連続的に立設されて、筒の軸を中心に回転駆動される回転筒を備え、解砕装置で解砕された土粒子状の土砂を螺旋部材により回転筒の内部で連続的に転動させながら移動させて造粒することを特徴とする。
(6) 請求項6の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、造粒機は、略横型の筒形状を呈し、内周面に螺旋部材が断続的に立設されて、筒の軸を中心に回転駆動される回転筒を備え、解砕装置で解砕された土粒子状の土砂を螺旋部材により回転筒の内部で連続的に転動させながら移動させて造粒することを特徴とする。
(7) 請求項7の発明は、請求項5または請求項6に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、回転筒には、中央に開口を有する堰が設けられていることを特徴とする。
(8) 請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、造粒機の下流には、造粒された土砂を外部に排出する排出装置が設けられていることを特徴とする。
(9) 請求項9の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、造粒機の下流には、造粒された土砂を、粒径に応じて分級して外部に排出する分級装置が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、解砕装置で脱水ケーキを微細な土粒子状の土砂に解砕し、造粒機で解砕された土粒子状の土砂を転動させながら移動させて造粒するように脱水ケーキの連続造粒システムを構成した。これにより、所用動力の増加を抑制して脱水ケーキを連続的に処理できるので、脱水ケーキの改質処理能力を効率的に向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜7を参照して、本発明による脱水ケーキの連続造粒システムの第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムを構成する各機器の断面を図示したものである。脱水ケーキの連続造粒システムは、脱水ケーキ供給装置100と、解砕混合装置200と、固化材投入装置300と、造粒装置400とを備えている。なお、以下の説明では、処理される前の脱水ケーキの投入側を上流と呼び、処理された後の造粒物が排出される排出側を下流と呼ぶ。たとえば、図1では、図面の左側が上流であり、図面の右側が下流となる。
【0008】
−−−脱水ケーキ供給装置100−−−
脱水ケーキ供給装置100は、スクリューコンベア型の供給装置であり、ケーシング101と、スクリューシャフト102と、減速機付き電動機103とを備えている。ケーシング101の上流側上面には開口が設けられ、この開口に投入ホッパ104が取り付けられている。ケーシング101の下流側下面には、排出開口部105が設けられている。
【0009】
スクリューシャフト102は、ケーシング101の上流から下流にかけて延在する軸の外周に螺旋状に立設するスクリュー羽根が設けられたものであり、ケーシング101の上流側および下流側の端面で回動可能に軸支され、減速機付き電動機103によって回転駆動される。脱水ケーキ供給装置100のスクリューシャフト102は1本であるが、2本以上の多連型の構造であってもよい。スクリューシャフト102が回転駆動されると、投入ホッパ404に投入された脱水ケーキMmを下流側へ搬送して、排出開口部105から排出して解砕混合装置200へ投入する。スクリューシャフト102の回転数、すなわち、減速機付き電動機103の回転数は、不図示のインバータによって適宜変更可能である。
【0010】
−−−解砕混合装置200−−−
解砕混合装置200は、2本のシャフトを有し、各シャフトに取り付けられたパドルによって脱水ケーキMmの解砕と、固化材SDとの撹拌・混合および移送を行う、2軸パドル式混合機と類似した構造を有する装置である。解砕混合装置200で脱水ケーキMmの解砕と、固化材SDとの撹拌・混合を行うことで微細粒状の粉砕脱水ケーキMpが得られる。図2は、図1のII−II矢視図である。図1,2に示すように、解砕混合機200は、本体210がフレーム500に搭載されている。本体210は、ケーシング220と、減速機付き電動機230と、後述する2種類のパドル240,250が取り付けられたシャフト261および262とを有する。なお、図1,2では、解砕混合装置200の構造を模式的に表しているため、シャフト261,262に取り付けられたパドル240,250の位置および形状は、他図を用いて後に詳述する。
【0011】
図3に示すように、ケーシング220は、水平な底面と、底面からシャフト261,262の回転軸を中心とする円弧状に湾曲しながら垂直に立ち上がる左右の側面とを有する。ケーシング220の上面には上板221が取り付けられている。図2に示すように、ケーシング220の上流側の上板221には、シュート223が取り付けられる脱水ケーキ投入口222と、固化材投入口224とが設けられ、ケーシング220の底面の下流側には、排出口225が設けられている。
【0012】
固化材投入口224は、排出口225の上流側端部から上流側に距離Lだけ遡った位置、すなわち解砕混合装置200のケーシング220の途中に設けられている。なお、ケーシング220は、下流側の一部が造粒装置400の内部に挿入されるように配設されており、排出口225から排出される微細粒状の粉砕脱水ケーキMpが造粒装置400の内部に直接投入される。
【0013】
シャフト261および262の回転軸に垂直なケーシング220の上流側および下流側の端面には、軸受け226が設けられている。シャフト261および262は、それぞれその両端が、軸受け226によって軸支され、ケーシング220の内部に並列して配設されている。
【0014】
減速機付き電動機230の不図示の出力軸は、一方のシャフト261の一端に接続されて、これを回転させる。シャフト261および262のそれぞれの軸端の一方には、タイミングギヤ(不図示)が設けられている。このタイミングギヤは、減速機付き電動機230によって駆動される一方のシャフト261の回転を他方のシャフト262へ伝達するとともに、シャフト261および262の回転を同期させる。図3に示すように、解砕混合装置200を下流側から見た場合、シャフト261は反時計方向に回転し、シャフト262は時計方向に回転する。シャフト261,262の回転数、すなわち、減速機付き電動機230の回転数は、不図示のインバータによって適宜変更可能である。
【0015】
図4は、シャフト262に取り付けられたパドル240,250を示す図である。なお、シャフト261には、シャフト262と対称となるようにパドル240,250が取り付けられているので、シャフト261についての図示は省略する。パドル240は、各シャフト261,262を中心として半径方向に1対ずつ、回転軸AX1の方向に所定の間隔で複数段設けられている。パドル240は、主に脱水ケーキMmの攪拌と移送を行うパドルであり、表面がシャフト261,262の回転方向、すなわち回転軸AX1に垂直な平面に対して斜めに傾斜した状態でシャフト261,262に取り付けられる。これにより、各シャフト261,262が回転駆動されると、後述するように、パドル240によって脱水ケーキMmが固化材SDと混合されながら排出口225へ向かって移送される。
【0016】
パドル250は、主に脱水ケーキMmの解砕を行うパドルであり、各シャフト261,262を中心として半径方向に1対ずつ、各シャフト261,262の回転軸AX1の方向に複数段設けられている各パドル240の略中間となる位置に、パドル240と位相を90度ずらした状態で複数段設けられている。パドル250は、パドル250の表面がシャフト261,262の回転方向と平行になるように、すなわち、パドル250の表面がシャフト261,262の回転軸AX1に対して垂直となるようにシャフト261,262に取り付けられる。これにより、各シャフト261,262が回転駆動されると、後述するように、パドル250によって脱水ケーキMmが解砕される。なお、パドル250の厚さは、脱水ケーキMmの解砕を容易にするため、パドル240よりも薄い。
【0017】
各シャフト261,262には、パドル240,250が同じように取り付けられている。そのため、隣り合うシャフト261,262のパドル240,250が互いに干渉しないように、シャフト261とシャフト262とは、位相を90度ずらした状態で取り付けられている(図3)。
【0018】
−−−固化材投入装置300−−−
固化材投入装置300は、脱水ケーキMmを改質するための固化材SDを所定量貯留しておく固化材ホッパ310と、固化材ホッパ310の下部に取り付けられた固化材切り出し装置320とを備えている。固化材SDは、脱水ケーキMmの水分を吸収するとともに、脱水ケーキMmと混合されることで、混合物の強度を増加させるものであり、たとえば、生石灰、セメント、石膏粉、あるいはこれらの混合物などが用いられる。
【0019】
固化材切り出し装置320は、放射状に複数の羽根が設けられたロータ322をケーシング321の内部で回転させることによって、固化材ホッパ310に貯留されている固化材SDを定量的に切り出す装置であり、いわゆるロータリーバルブと同様の構造を有する。ロータ322は不図示の減速機付き電動機によって回転駆動される。ロータ322の回転数、すなわち、減速機付き電動機の回転数は、不図示のインバータによって適宜変更可能である。固化材切り出し装置320の下部には、解砕混合装置200の固化材投入口224に接続される固化材供給口323が設けられている。ロータ322の回転によって定量的に切り出された固化材SDは、固化材投入口224から解砕混合装置200の内部に投入される。
【0020】
−−−造粒装置400−−−
図1,2に示すように、造粒装置400は、解砕混合装置200から供給される微細粒状の粉砕脱水ケーキMpを回転する回転筒の内部で連続的に転動させながら移動させて造粒する装置であり、ローラ410と、回転筒420とを備えている。ローラ410は、フレーム500に取り付けられており、回転筒420を略水平に保ち、回転筒420の軸AX2を中心に回転可能に支持する。ローラ410は、回転筒420の上流側に一対、下流側に一対設けられており、回転筒420を4点で回転可能に支持する。4つのローラ410のうち、少なくとも一つには、減速機付き電動機(不図示)が設けられており、回転筒420を回転駆動する。回転筒420の回転数、すなわち、減速機付き電動機の回転数は、不図示のインバータによって適宜変更可能である。
【0021】
回転筒420は、円筒形状の筒状部421と、筒状部421の上流側の端面に取り付けられた後端板422と、筒状部421の内周面に筒状部421の略全長にわたって連続的に立設された螺旋状の板部材である送り羽根423とを備えている。なお、図1,2では、造粒装置400の構造を模式的に表しているため、回転筒420の各部の寸法比や送り羽根423の巻き数などは、図1,2に図示したものに限られない。後端板422の中央には開口422aが設けられており、上述のように、解砕混合装置200のケーシング220の下流側の一部が開口422aから回転筒420の内部に挿入される。筒状部421の下流側の端面は開口端となっている。なお、図5は、図1のV−V矢視図であり、造粒装置400について下流側から上流側を見た図である。
【0022】
−−−脱水ケーキMmの処理−−−
建設現場や、砂利や砕石の製造現場などで発生する汚泥は、フィルタープレスなどの圧搾装置(不図示)で脱水されて脱水ケーキMmとなる。この脱水ケーキMmは、本実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムによって、次のように処理される。脱水ケーキMmは、図1に示すように重機10などによって、脱水ケーキ供給装置100の投入ホッパ104に投入される。
【0023】
脱水ケーキ供給装置100は、投入ホッパ104に投入された脱水ケーキMmを、回転駆動されるスクリューシャフト102によって排出開口部105へ搬送して解砕混合装置200のシュート223へ投入する。減速機付き電動機103の回転数をインバータによって適宜調節することで、解砕混合装置200への脱水ケーキMmの投入量が調節される。これにより、脱水ケーキMmが定量的に解砕混合装置200へ供給される。
【0024】
解砕混合装置200では、シュート223に投入された脱水ケーキMmが回転駆動されるシャフト261,262のパドル250で解砕されながら、パドル240によって下流へ搬送される。図6は、図3のVI−VI矢視図であり、シャフト262に取り付けられた各パドル240,250が脱水ケーキMmを搬送および解砕する様子を示している。上述のように、パドル240は、パドル240の表面がシャフト261,262の回転方向に対して斜めに傾斜した状態でシャフト261,262に取り付けられている。すなわち、パドル240は、パドル240の表面がシャフト261,262の回転軸AX1に対してα度の傾斜角度でシャフト261,262に取り付けられている。脱水ケーキMmは、パドル240から下流への搬送力Fxと、掻き上げ力Fnとを受けながら攪拌される。搬送力Fxおよび掻き上げ力Fnは、上述の傾斜角度に依存する。
【0025】
上述したように、パドル250は、表面がシャフト261,262の回転軸AX1に対して垂直となるようにシャフト261,262に取り付けられている。パドル250のシャフト261,262に対する取り付け角度を上述の傾斜角度で表せば、α=90度となる。脱水ケーキMmは、回転するパドル250からせん断力を受けて、解砕および切削されて細かくされる。シャフト261,262には、パドル240とパドル250とが回転軸AX1の方向に沿って交互に配設されているので、脱水ケーキMmは、各パドル240,250から搬送力Fxと、掻き上げ力Fnと、せん断力とを受けて、攪拌および解砕されながら下流へ搬送される。
【0026】
上述のように、排出口225の上流側端部から上流側に距離Lだけ遡った位置に固化材投入口224が設けられており、固化材投入装置300から固化材SDが脱水ケーキMmに添加される。解砕混合装置200に投入された固化材SDは、パドル240で巻き込まれながら脱水ケーキMmと混合される。固化材SDの投入量は、解砕混合装置200における脱水ケーキMmの処理量、すなわち、解砕混合装置200における脱水ケーキMmの搬送量に合わせて決定される。固化材SDの投入量の調節は、ロータ322を回転駆動する減速機付き電動機の回転数を不図示のインバータによって変更することで行われる。なお、脱水ケーキMmと固化材SDとの混合比率は、固化材SDの種類や脱水ケーキMmの含水率などによって適宜決定される。
【0027】
固化材投入口224から排出口225までの間の距離Lを搬送される間に、脱水ケーキMmが解砕されながら固化材SDと攪拌、混合されると、微細粒状の粉砕脱水ケーキMpが生成される。微細粒状の粉砕脱水ケーキMpは、排出口225から排出されて、造粒装置400の内部に直接投入される。
【0028】
造粒装置400に投入された微細粒状の粉砕脱水ケーキMpが、回転駆動される回転筒420の内部で送り羽根423に案内されながら摺動および転動されると、微細粒状の粉砕脱水ケーキMpの粒子同士が結合することで造粒される。このようにして造粒される造粒物は、微細粒状の粉砕脱水ケーキMpの粒子同士の結合が進行することで徐々に大きくなるとともに、造粒物の強度が増す。そして、送り羽根423に案内されて、回転筒420の筒状部421の下流側の端面から造粒物製品Mとして排出される。
【0029】
造粒物製品Mの粒径は、微細粒状の粉砕脱水ケーキMpの性質が略一定であれば、造粒装置400における転動距離に略比例する。この転動距離は、図2に示した筒状部421の内径Dd、長さLd、送り羽根423のピッチPなどで決定される。また、造粒装置400における処理能力は、回転筒420の回転数に略比例する。ただし、図7に示すように、造粒物が回転筒420の回転により巻き上げられて、宙を舞うような状態となるまで回転筒420の回転数を増加させると、造粒物を砕く効果が生じてしまう。そのため、回転筒420の回転数は、図7に示すような現象が生じないように一定の回転数以下に抑制されることが好ましい。
【0030】
造粒装置400で造粒される造粒物製品Mは、固化材SDと混合されて改質されているので、水分が加えられても、元の汚泥に戻ることがない。そのため、路盤材、埋め戻し土、宅地造成土、土手の盛土などの種々の用途に再利用できる。
【0031】
上述した第1の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムでは、次の作用効果を奏する。
(1) 解砕混合装置200で脱水ケーキMmを解砕して微細粒状の粉砕脱水ケーキMpとし、微細粒状の粉砕脱水ケーキMpを造粒装置400で転動させながら造粒するように構成した。これにより、所用動力の増加を抑制して脱水ケーキMmを連続的に処理できるので、脱水ケーキMmの改質処理能力を効率的に向上できる。
(2) 解砕混合装置200の前段に脱水ケーキ供給装置100を設けるように構成した。これにより、解砕混合装置200に脱水ケーキMmを定量的に供給できるので、脱水ケーキMmの改質処理を安定化できる。
【0032】
(3) 解砕混合装置200で解砕した脱水ケーキMmに、固化材投入装置300から固化材SDを添加するように構成した。これにより、脱水ケーキMmに含まれる水分を吸収するとともに、造粒物製品Mの強度を増加できる。したがって、造粒物製品Mの品質を向上できる。また、脱水ケーキMmの水分が吸収されるので、解砕混合装置200や造粒装置400の内部における土砂の付着が抑制されて、解砕混合装置200や造粒装置400の処理能力低下を防止できるとともに、解砕混合装置200や造粒装置400の内部の付着土砂の掻き取り作業などのメンテナンスが不要となり、ランニングコストを抑制できる。
【0033】
(4) 固化材投入装置300によって、固化材SDを定量的に添加するように構成した。これにより、脱水ケーキMmに対する固化材SDの添加割合を一定に保つことができるので、造粒物製品Mの品質を安定化できる。
(5) 解砕混合装置200の排出口225の上流側端部から上流側に距離Lだけ遡った位置に固化材投入口224を設けて、固化材投入装置300を取り付けるように構成した。これにより、解砕混合装置200の内部で固化材SDが脱水ケーキMmと混合されるので、脱水ケーキMmと固化材SDとの混合装置を別途設ける必要がなく、脱水ケーキの連続造粒システムの製造コストを抑制できる。
【0034】
(6) 解砕混合装置200の各シャフト261,262に、主に攪拌と移送を行うパドル240と、主に脱水ケーキMmの解砕を行うパドル250とを取り付けるように構成した。これにより、脱水ケーキMmが解砕されながら固化材SDと攪拌、混合されるので、固化材SDを効率的に脱水ケーキMmと混合できる。したがって、解砕混合装置200で生成される微細粒状の粉砕脱水ケーキMpの性状にムラがなくなって均質なものとなるので、造粒物製品Mの品質を向上できる。
【0035】
(7) 造粒装置400は、解砕混合装置200から供給される微細粒状の粉砕脱水ケーキMpを回転する回転筒420の内部で連続的に転動させながら移動させて造粒するように構成されている。これにより、小さな所用動力で微細粒状の粉砕脱水ケーキMpを連続的に造粒できるので、効率的である。
(8) 造粒装置400の回転筒420は、筒状部421の内周面に連続的に立設された螺旋状の板部材である送り羽根423を備えている。これにより、造粒装置400における造粒物の転動距離が略一定となるので、造粒物製品Mの品質を安定化できる。
【0036】
−−−第2の実施の形態−−−
図8〜10を参照して、本発明による脱水ケーキの連続造粒システムの第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して相違点を主に説明する。図8は、第2の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムを構成する各機器の断面を図示したものであり、図9は、図8のIX−IX矢視図であり、図10は図9のX−X矢視図である。第2の実施の形態では、造粒装置600の下流に排出装置700が設けられている。
【0037】
第2の実施の形態の造粒装置600は、上流側の構造が第1の実施の形態の造粒装置400と同じである。造粒装置600の下流側の構造は、第1の実施の形態の造粒装置400と異なり、筒状部421の下流側の端面に前端板624が設けられている。また、筒状部421の下流側の内周面には、送り羽根423が設けられず、掻き上げ羽根625が回転筒420の軸AX2と平行に立設されている。
【0038】
前端板624の構造は、後端板422と略同じであり、中央には開口624aが設けられている。図8,9に示すように、後述する排出装置700の上流側の一部が開口624aから回転筒420の内部に挿入される。掻き上げ羽根625は、回転筒420の軸AX2を中心とした所定の角度毎に、軸AX2と平行に立設された複数の羽根である。軸AX2と平行な方向に延在する掻き上げ羽根625の長さは、造粒装置600の内部に挿入される排出装置700の上流側の長さに略等しい。なお、図8〜10では、造粒装置600の構造を模式的に表しているため、回転筒420の各部の寸法比や送り羽根423の巻き数、掻き上げ羽根625の枚数などは、図8〜10に図示したものに限られない。
【0039】
排出装置700は、スクリューコンベア型の搬送装置であり、ケーシング701と、スクリューシャフト702と、減速機付き電動機703とを備えている。ケーシング701の上流側上面には開口704が設けられている。ケーシング701の下流側下面には、スクリューシャフト702で搬送された造粒物製品Mを排出する排出開口部705が設けられている。
【0040】
スクリューシャフト702は、ケーシング701の上流から下流にかけて延在する軸の外周に螺旋状に立設するスクリュー羽根が設けられたものであり、ケーシング701の上流側および下流側の端面で回動可能に軸支され、減速機付き電動機703によって回転駆動される。排出装置700のスクリューシャフト702は1本であるが、2本以上の多連型の構造であってもよい。スクリューシャフト702の回転数、すなわち、減速機付き電動機703の回転数は、不図示のインバータによって適宜変更可能である。
【0041】
−−−造粒物製品Mの排出について−−−
造粒装置600の上流側で造粒された造粒物製品Mは、図10に示すように、造粒装置600の下流側に配設された掻き上げ羽根625によって回転筒420の内部で掻き上げられる。掻き上げ羽根625によって掻き上げられた造粒物製品Mは、造粒装置600の内部に挿入された排出装置700の開口704へ投入される。開口704へ投入された造粒物製品Mは、スクリューシャフト702が回転駆動されると、ケーシング701の下流側へ搬送されて、排出開口部705から排出される。
【0042】
上述した第2の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムでは、第1の実施の形態の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) 造粒装置600の下流に造粒物製品Mを排出する排出装置700を配設した。これにより、造粒物製品Mを造粒装置600から離れた場所に搬送できるので、造粒物製品Mの回収、保管が容易となり、利便性が高まる。
【0043】
(2) 回転筒420の内部に掻き上げ羽根625を配設し、造粒装置600の内部に挿入された排出装置700の開口704へ造粒物製品Mを投入するように構成した。したがって、排出装置700の設置高さを高くすることができるので、排出開口部705の下部に、移動可能なコンテナや、他の搬送装置などを設けることが容易となる。これにより、造粒物製品Mのハンドリングの自由度が増して、設計の自由度が向上する。
【0044】
−−−第3の実施の形態−−−
図11を参照して、本発明による脱水ケーキの連続造粒システムの第3の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1および第2の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して相違点を主に説明する。図11は、第3の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムを構成する各機器の断面を図示したものである。
【0045】
造粒物製品Mの強度は、造粒の際の転動距離が長いほど増加する。また、造粒装置を大型化することなく転動距離を増やすためには、造粒装置における造粒物の滞留時間を増やせばよい。そこで、本実施の形態の造粒装置800では、造粒装置800の内部に堰を設けて、造粒装置800における造粒物の滞留量を増やすことで、滞留時間を増やすこととしている。
【0046】
造粒装置800は、第1の実施の形態の造粒装置400に、堰801を追加したものである。堰801は、中央に開口801aを有する円盤上の部材であり、筒状部421の内部に軸AX2に対して垂直となるように取り付けられている。なお、図11では、造粒装置800の構造を模式的に表しているため、回転筒420の各部の寸法比や送り羽根423の巻き数、堰801の設置位置、枚数、開口801aの直径などは、図11に図示したものに限られない。
【0047】
解砕混合装置200の排出口225から微細粒状の粉砕脱水ケーキMpが造粒装置800に投入されると、回転駆動される回転筒420の内部で摺動および転動されることで、微細粒状の粉砕脱水ケーキMpの粒子同士が結合して造粒される。微細粒状の粉砕脱水ケーキMpおよびその造粒物は、堰801にせき止められて、摺動および転動されながら堰801の上流側で滞留する。そして、堰801の上流側の滞留量が増加すると、造粒物は開口801aから溢流して堰801の下流側に移動する。このように、堰801を設けることで、回転筒420を大型化することなく、造粒装置800における造粒物の滞留量を増やして、滞留時間を増やすことができる。
【0048】
上述した第3の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムでは、第1および第2の実施の形態の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) 造粒装置800の内部に堰801を設けるように構成した。これにより、造粒装置800における造粒物の滞留量が増加するので、造粒装置800における造粒物の滞留時間を増やすことができる。したがって、転動距離を増やして造粒物製品Mの強度を増加することができるので、造粒物製品Mのハンドリング時の破砕が少なくなり、ハンドリング性が向上するとともに、造粒物製品Mの品質を向上できる。
【0049】
−−−第4の実施の形態−−−
図12を参照して、本発明による脱水ケーキの連続造粒システムの第4の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1〜3の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して相違点を主に説明する。図12は、第4の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムを構成する各機器の断面を図示したものである。
【0050】
造粒装置で生成される造粒物製品Mの粒径は、脱水ケーキMmの性状、特に含水率によって変化する。一般的に、脱水ケーキMmの含水率が高いと造粒物製品Mの粒径が大きくなりやすく、脱水ケーキMmの含水率が低いと造粒物製品Mの粒径が小さくなりやすい。造粒物製品Mの粒径を一定の範囲内で管理するためには、脱水ケーキMmの含水率を調べるとともに、脱水ケーキMmの含水率に合わせて固化材SDの添加量を変更する必要がある。しかし、運転管理上、脱水ケーキMmの含水率を頻繁に測定することは煩わしいため、脱水ケーキMmの外観などの観察によって脱水ケーキMmの含水率がある範囲内に収まっていると推定される場合には、固化材SDの添加量は変更しない。そのため、造粒物製品Mの粒度が変動するが、ある程度の粒度の変動は許容されている。
【0051】
このように、造粒装置で生成される造粒物製品Mの粒度の変動を許容するなかで、所定の粒度の造粒物製品Mを得るためには、造粒装置で生成される造粒物製品Mを分級する必要がある。そこで、本実施の形態では、造粒装置900が造粒機能とともに分級機能を備えるように構成することで、造粒物製品Mを生成するとともに、生成した造粒物製品Mを分級する。
【0052】
第4の実施の形態の造粒装置900は、回転筒420の筒状部421から下流側に延在する分級筒910を備えている。分級筒910は、所定の目開きを有する網状部材を筒状部421と略同一径の筒状に形成した多孔筒であり、筒状部421から下流側に延在するように配設されている。分級筒910は、上流側から順に、略5mmの目開きである細網部911と、略25mmの目開きである中網部912と、略40mmの目開きである粗網部913とを備えている。送り羽根423は、筒状部421の上流端部近傍から分級筒910の下流側端部まで連続的に立設されている。
【0053】
なお、図12では、造粒装置900の構造を模式的に表しているため、回転筒420の各部の寸法比や送り羽根423の巻き数、分級筒910の各部の寸法などは、図12に図示したものに限られない。また、分級筒910は、異なる3種類の目開きの各網部911〜913を有するが、目開きの種類は3種類に限らず、1種類および2種類でもよく、4種類以上でもよい。さらに、分級筒910の各網部911〜913の目開きの寸法は、本実施の形態で説明するものに限定されない。
【0054】
本実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムは、分級された造粒物製品Mをそれぞれ分けて貯留できるように、複数の仕切が設けられたピット20の上に造粒装置900分級筒910が位置するように配設される。
【0055】
−−−造粒物製品Mの分級について−−−
造粒装置900の筒状部421で造粒された造粒物製品Mは、送り羽根423に案内されながら分級筒910の細網部911に送られる。細網部911では、造粒物製品Mのうち粒径が5mm以下のもの(造粒物M1)が篩い落とされて、ピット21に排出される。
造粒物製品Mのうち粒径が5mmより大きいものは、細網部911から中網部912に送られる。中網部912では、造粒物製品Mのうち粒径が5〜25mmのもの(造粒物M2)が篩い落とされて、ピット22に排出される。
【0056】
造粒物製品Mのうち粒径が25mmより大きいものは、中網部912から粗網部913に送られる。粗網部913では、造粒物製品Mのうち粒径が25〜40mmのもの(造粒物M3)が篩い落とされて、ピット23に排出される。造粒物製品Mのうち粒径が40mmより大きいものは、粗網部913の下流側端面からピット24に排出される。
【0057】
このようにして分級された各造粒物M1〜M4は、それぞれの粒度毎に建設資材として販売されたり、別途生成されたクラッシャランと混合されて再生クラッシャランとして販売されたりする。
【0058】
上述した第4の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムでは、第1〜3の実施の形態の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) 造粒装置900の筒状部421で造粒された造粒物製品Mを分級筒910で分級するように構成した。これにより、高強度であり、かつ所定の粒度に揃えられた高品質の造粒品を得ることができるとともに、脱水ケーキMmの含水率を頻繁に測定する必要がないので、運転管理が容易となる。
【0059】
(2) 造粒物製品Mを分級する分級筒910を回転筒420の筒状部421から下流側に延在するように設けた。これにより、別途分級装置を設けることなく造粒と分級とを実施できるので、脱水ケーキの連続造粒システム運転管理が容易になるとともに、脱水ケーキの連続造粒システムの製造コストを低減できる。
【0060】
(3) 分級筒910は、所定の目開きを有する網状部材を筒状部421と略同一径の筒状に形成した多孔筒であり、筒状部421から下流側に延在するように配設されている。これにより、簡便な構造で製作が容易であるとともに、可動部分がないため故障が少ない。したがって、造粒装置900の製造コスト増が僅かで済み、かつ、ランニングコストが安価であるので、経済的である。
【0061】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、解砕混合装置200の各シャフト261,262に取り付けられたパドル240,250によって脱水ケーキMmの解砕と、固化材SDとの撹拌・混合および移送を行うように構成しているが、パドル240の傾斜角度や、パドル240,250の取り付け枚数、ピッチなどは上述の説明に限定されず、種々変更してもよい。このように、パドル240,250の取り付け状態を変更することで、様々な性状の脱水ケーキに対応できる。たとえば、一部のパドル240については、パドル250と同様に上述した傾斜角度を90度にすることとしてもよい。このように構成することで、シャフト261,262の回転数を増加させて解砕、混合能力を増加させても、移送能力の増加を抑制できるので、解砕および混合を十分に行うことができる。
【0062】
また、一部のパドル240については、図6に示した回転軸AX1に垂直な線分yに関して、図6に図示したパドル240とは対称となる角度になるように配設してもよい。このように、一部のパドル240をその回転方向に対して他のパドル240とは逆の傾斜角度となるように配設することで、脱水ケーキMmを上流側へ戻す搬送力が生じて、脱水ケーキMmの解砕混合装置200における滞留時間が増加できる。これにより、より十分な脱水ケーキMmの解砕および固化材SDとの混合が実現できる。
【0063】
(2) 上述の説明では、造粒装置400,600,800,900は円筒形状を呈しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、各造粒装置400,600,800,900の筒状部421や分級筒910の断面形状が多角形であってもよい。また、筒状部421と分級筒910との断面形状や直径が異なっていてもよい。いずれの場合であっても、上述の説明と同様の作用効果を奏する。
【0064】
(3) 上述の説明では、造粒装置400,600,800,900の送り羽根423は連続的に形成されているが、本発明はこれに限らず、送り羽根423が不連続に形成されていてもよく、上流側だけに形成されていたり、下流側だけに形成されていたり、上流側と下流側の中間部分だけに形成されていたりしてもよい。いずれの場合であっても、上述の説明と同様の作用効果を奏する。
【0065】
(4) 上述の説明では、脱水ケーキ供給装置100は、スクリューコンベア型の供給装置であり、解砕混合装置200は、2軸パドル式混合機と類似した構造を有する装置であるが、本発明はこれに限定されない。また、上述の説明では、固化材切り出し装置320は、いわゆるロータリーバルブと同様の構造を有する装置であり、造粒装置400,600,800,900は、回転する横型円筒形状の回転筒の内部で連続的に転動させながら移動させて造粒する装置であるが、本発明はこれに限定されない。上述の説明の機器と同様の作用効果を奏する機器であれば、各機器の種類は、上述の説明の機器でなくてもよい。たとえば、脱水ケーキ供給装置100や排出装置700は、ベルトコンベアなど、他の種類の搬送機器であってもよい。
【0066】
たとえば、解砕混合装置200は、脱水ケーキMmの解砕と固化材SDとの混合とが連続的に実施できるものであれば、リボン型混合機のようにパドルを用いない混合機であってもよい。たとえば、固化材切り出し装置320は、固化材SDが定量的に供給できる機器であれば、スクリューフィーダや振動フィーダ、テーブルフィーダなどであってもよい。また、解砕混合装置の混合性能によっては、ダブルダンパなどのように間欠的に固化材SDを供給するものであってもよい。この場合、固化材SDが間欠的に供給されても、解砕混合装置で固化材SDが脱水ケーキMmに均一に分散されて混合されればよい。造粒装置400,600,800,900は、連続的に転動させながら移動させて造粒する装置であれば、たとえば、傾斜パン型転動式造粒機であってもよい。
【0067】
(5) 上述の説明では、解砕混合装置200で生成された微細粒状の粉砕脱水ケーキMpは、造粒装置400,600,800,900の内部に挿入された解砕混合装置200の排出口225から造粒装置400,600,800,900へ直接投入されるように構成されているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、解砕混合装置200の排出口225と造粒装置400,600,800,900の開口422aとの間にシュートを設けたり、他の搬送機器を設置したりしてもよい。
【0068】
(6) 上述の説明では、解砕混合装置200に固化材SDを直接添加するように構成したが、本発明はこれに限定されない。また、固化材SDの投入位置が上述の説明のような解砕混合装置200のケーシング220の途中に設けられているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、解砕混合装置200に投入される前の脱水ケーキMmに固化材SDを添加して、解砕混合装置200で混合するようにしてもよい。また、解砕混合装置200と造粒装置400,600,800,900との間に混合装置を設けて、この混合装置で解砕された脱水ケーキMmと固化材SDとを混合するように構成してもよい。
【0069】
(7) 上述の説明では、造粒装置900の筒状部421に対して下流側に向かって延在するように分級筒910を設けるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、筒状部421と分級筒910とが離間していてもよく、分級筒910がローラ410とは異なる別の支持・駆動部材で支持および駆動されていてもよい。また、送り羽根423が分級筒910に設けられていなくてもよい。さらに、分級筒910のように回転する多孔筒でなくてもよく、他の種類の分級装置であってもよい。この場合、筒状部421と、他の種類の分級装置との間に、造粒物製品Mを搬送するための排出装置や搬送装置を設けてもよい。
(8) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0070】
以上の実施の形態および変形例において、たとえば、解砕装置は解砕混合装置200に、造粒機は造粒装置400,600,800,900に、脱水ケーキ定量供給装置は脱水ケーキ供給装置100にそれぞれ対応する。固化材供給装置は固化材投入装置300に、回転軸はシャフト261,262に、第1の羽根はパドル240に、第2の羽根はパドル250にそれぞれ対応する。回転筒は回転筒420に、螺旋部材は送り羽根423に排出装置は排出装置700に、分級装置は分級筒910にそれぞれ対応する。さらに、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における機器構成に何ら限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】第1の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムを構成する各機器の断面を図示したものである。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図2のIII−III矢視図である。
【図4】シャフト261,262に取り付けられたパドル240,250を示す図である。
【図5】図1のV−V矢視図である。
【図6】図3のVI−VI矢視図である。
【図7】回転筒420の回転数が上昇して、造粒物が巻き上げられて、宙を舞うよう状態を示す図である。
【図8】第2の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムを構成する各機器の断面を図示したものである。
【図9】図8のIX−IX矢視図である。
【図10】図9のX−X矢視図である。
【図11】第3の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムを構成する各機器の断面を図示したものである。
【図12】第4の実施の形態の脱水ケーキの連続造粒システムを構成する各機器の断面を図示したものである。
【符号の説明】
【0072】
100 脱水ケーキ供給装置 200 解砕混合装置
261,262 シャフト 240,250 パドル
300 固化材投入装置 320 固化材切り出し装置
400,600,800,900 造粒装置 420 回転筒
423 送り羽根 700排出装置
910 分級筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水ケーキを微細な土粒子状の土砂に解砕する解砕装置と、
前記解砕装置で解砕された前記土粒子状の土砂を転動させながら移動させて造粒する造粒機とを備えることを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。
【請求項2】
請求項1に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、
前記解砕装置の前段に設けられて、前記解砕装置へ脱水ケーキを定量供給する脱水ケーキ供給装置と、
前記解砕装置に設けられ、前記脱水ケーキ供給装置から供給された脱水ケーキに対して、固化材を添加する固化材供給装置とをさらに備えることを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。
【請求項3】
請求項2に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、
前記固化材供給装置は、前記固化材が前記解砕装置の内部で前記解砕装置によって前記土粒子状の土砂と混合されるように固化材供給口が配設されていることを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、
前記解砕装置は、ケーシングの上流から下流にかけて延在して、ケーシング内で回転する回転軸と、
前記回転軸の外周面に設けられて、前記回転軸が一方の方向に回転した際に前記脱水ケーキおよび前記土粒子状の土砂を前記ケーシングの上流から下流に向かって移動させるように、前記回転軸の軸方向に垂直な平面に対して所定の角度だけ傾斜した第1の羽根と、
前記回転軸の外周面に設けられて、前記回転軸が回転した際に前記脱水ケーキを前記土粒子状の土砂に解砕する第2の羽根とを備えることを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、
前記造粒機は、略横型の筒形状を呈し、内周面に螺旋部材が連続的に立設されて、筒の軸を中心に回転駆動される回転筒を備え、前記解砕装置で解砕された前記土粒子状の土砂を前記螺旋部材により前記回転筒の内部で連続的に転動させながら移動させて造粒することを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、
前記造粒機は、略横型の筒形状を呈し、内周面に螺旋部材が断続的に立設されて、筒の軸を中心に回転駆動される回転筒を備え、前記解砕装置で解砕された前記土粒子状の土砂を前記螺旋部材により前記回転筒の内部で連続的に転動させながら移動させて造粒することを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、
前記回転筒には、中央に開口を有する堰が設けられていることを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、
前記造粒機の下流には、造粒された土砂を外部に排出する排出装置が設けられていることを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の脱水ケーキの連続造粒システムにおいて、
前記造粒機の下流には、造粒された土砂を、粒径に応じて分級して外部に排出する分級装置が設けられていることを特徴とする脱水ケーキの連続造粒システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−130443(P2006−130443A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323849(P2004−323849)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【出願人】(504212552)株式会社協同テクノス (2)
【Fターム(参考)】