説明

脱硝装置および脱硝方法

【課題】ロータリキルンで発生する排ガス中のNOxを安価に低減すること。
【解決手段】ロータリキルン10の窯内へ原料供給装置20から原料を投入し、この窯内におけるNOx低減効果の高い適正温度域APの箇所へ、回転継手90を介して連結された第1および第2配管部70,80を介して脱硝用添加剤供給装置によって脱硝用添加剤を噴霧する。第1配管部70は、キルン回転軸Pと同軸配置され、第2配管部80は、窯尻12側にてキルン回転軸P側からキルン外周側へ延設されるとともに、このキルン外周側からロータリキルン10の長さ方向に沿って固定され、かつ適正温度域APの箇所でキルン外周側から窯内へ貫通配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種プラントや製造ラインなどに用いられる回転型加熱処理炉(ロータリキルン)における脱硝装置および脱硝方法に関し、特にロータリキルンで発生する排ガス中のNOxを低減することができる脱硝装置および脱硝方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製紙会社などのパルプ製造ラインにおいては、パルプの原料である木材チップ等を水酸化ナトリウム(NaOH)などの薬品を使用して蒸解することによってパルプを製造することが行われている。これとともに、蒸解で発生した廃液(いわゆる「黒液」と称されることもある)を処理して蒸解に使用した薬品を再生することも行われる。
【0003】
このような廃液処理の工程については、周知であるため説明は割愛するが、例えばその工程の一例として、廃液を変化させた緑液中に加熱処理炉(キルン)で焼成した生石灰(CaO)を添加する、すなわち、緑液中の炭酸ナトリウム(NaCO)を水酸化ナトリウムと炭酸カルシウム(CaCO)に反応させる石灰焼成工程を含むものが知られている。なお、この炭酸カルシウム(CaCO3)はキルンで脱炭されて、再度生石灰(CaO)となる。
【0004】
前述のキルンとしては、いわゆる回転型加熱処理炉(ロータリキルン)が多く使用されているが、運転時の窒素化合物(NOx)の発生量がそれほど多くはないという理由から、ロータリキルンにNOxの低減を図るための専用の脱硝装置が設置されている例は少なかった。
【0005】
しかし、近年のNOxに対する規制強化に対応すべく、ロータリキルンにおいても脱硝装置を設置する必要性が高まってきている。そして、ロータリキルンに設置される脱硝装置としては、下記特許文献1に開示されているような脱硝装置が知られている。
【0006】
この脱硝装置は、ロータリキルン内に挿入された液体噴霧ノズルと、この液体噴霧ノズルから脱硝用添加剤を噴霧する噴霧装置と、液体噴霧ノズルの先端に設けられた温度センサと、液体噴霧ノズルをロータリキルンの長さ方向に移動させる駆動装置とを備えている。
【0007】
そして、ロータリキルンにおける脱硝用添加剤の最適な化学反応温度の場所を温度センサで検知し、液体噴霧ノズルをロータリキルンの長さ方向に移動させてノズル口をその場所へ移動させ、尿素水溶液等の脱硝用添加剤を噴霧するようにしている。
【特許文献1】特許第3681130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年の燃料の多様化に伴い、上述したロータリキルンなどにおいては、従来の重油燃焼(専焼)からプラスチック、再生油、オイルコークス等の種々の燃料が利用可能となっており、NOxの制限値は年々厳しい数値となってきている。そして、このような事態に対する対策としては、プラントに上述したような脱硝装置を設けたり、ロータリキルンの排ガスラインに脱硝装置を設置したりすることが考えられるが、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、(1)脱硝用添加剤である尿素の化学反応温度として適正な温度域は、約800℃〜900℃であるが、ロータリキルンにおいては窯尻温度は約600℃〜700℃になるため、化学反応が適正に行われない場合がある。また、(2)脱硝する(化学反応を起こさせる)場合、ロータリキルンの排ガスが石灰石や生石灰などの微粉を多量に含んでおり、これらが触媒に付着する特性を利用した触媒法が最も知られている。しかし、この場合であると短時間で触媒を交換しなくてはならないため、経費が嵩んでしまうことがある。
【0010】
さらに、(3)脱硝装置自体が非常に高価なものであるため、設備投資費が嵩んでしまったり、(4)上述した適正な温度域がロータリキルンの長さ方向の中央付近となる場合が多く、この場合には回転するキルン胴体に対して脱硝用添加剤の散布ができないこともある。また、(5)上述した脱硝装置のように液体噴霧ノズルをキルン窯尻フッドからキルン内に挿入して散布する場合、ロータリキルンの長さ如何によっては挿入した液体噴霧ノズルを支持することが困難となる場合もある。
【0011】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、ロータリキルンで発生する排ガス中のNOxを安価に低減することができる脱硝装置および脱硝方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る脱硝装置は、プラントの所定プロセスにおけるロータリキルンの窯内で発生するNOxを低減させる脱硝装置であって、前記ロータリキルンの窯内へ噴霧される脱硝用添加剤を供給する供給手段と、前記供給手段から供給された脱硝用添加剤を前記ロータリキルンの窯内へ搬送する搬送手段とを備え、前記搬送手段は、前記ロータリキルンの窯尻側にて前記供給手段から前記ロータリキルンの長さ方向に延設されてキルン回転軸と同軸配置された第1配管部と、前記ロータリキルンの窯尻側にて前記キルン回転軸側からキルン外周側へ延設されるとともに、前記キルン外周側から前記長さ方向に沿って固定され、かつ前記ロータリキルンの窯内のNOx低減効果の高い適性温度箇所へ前記キルン外周側から貫通配置された第2配管部と、前記第1および第2配管部を前記キルン回転軸と同軸位置で前記脱硝用添加剤を搬送可能に連結する回転継手とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る脱硝装置は、上記のように構成することにより、簡単な構成でロータリキルンの窯内のNOx低減効果の高い適性温度箇所へ脱硝用添加剤を確実に供給することができ、ロータリキルンで発生する排ガス中のNOxを安価に低減することができる。
【0014】
前記脱硝用添加剤は、例えば尿素水溶液および搬送空気からなる。
【0015】
前記適正温度箇所は、例えば前記ロータリキルンの長さ方向の中間近傍箇所である。
【0016】
本発明に係る脱硝方法は、プラントの所定プロセスにおけるロータリキルンの窯内で発生するNOxを低減させる脱硝方法であって、前記ロータリキルンを回転させて窯前から窯尻へ原料を循環させる運転工程と、前記ロータリキルンの窯尻側にて前記ロータリキルンの長さ方向に延設されてキルン回転軸と同軸配置された第1配管部と、前記窯尻側にて前記キルン回転軸側からキルン外周側へ延設されるとともに、前記キルン外周側から前記長さ方向に沿って固定され、かつ前記窯内のNOx低減効果の高い適正温度箇所へ前記キルン外周側から貫通配置された第2配管部と、前記第1および第2配管部を前記キルン回転軸と同軸位置で連結する回転継手とを備える搬送手段を介して、前記運転工程による運転中に前記窯内へNOxの発生量を抑える脱硝用添加剤を噴霧して供給する供給工程とを備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る脱硝方法は、上記のように構成されることにより、簡単な構成の搬送手段を介してロータリキルンの窯内のNOx低減効果の高い適性温度箇所へ脱硝用添加剤を確実に供給することができ、ロータリキルンで発生する排ガス中のNOxを安価に低減することができる。
【0018】
前記運転工程にて循環される原料は例えば石灰石であり、その場合、前記供給工程にて供給される脱硝用添加剤は例えば尿素水溶液および搬送空気からなる。
【0019】
前記供給工程にて脱硝用添加剤が供給され噴霧される適正温度箇所は、例えば前記ロータリキルンの長さ方向の中間近傍箇所である。
【0020】
なお、本発明に係る脱硝装置および脱硝方法における前記プラントは、例えば製紙プラントであり、その場合、前記所定プロセスは、例えば苛性プロセスである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ロータリキルンで発生する排ガス中のNOxを安価に低減することができる脱硝装置および脱硝方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る脱硝装置および脱硝方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態に係る脱硝方法を実現する脱硝装置が設けられた製紙プラントの一部を説明するための説明図、図2は同製紙プラントにおけるロータリキルンの一部断面図、図3は図2のA−A’断面図、図4は図2の一部拡大断面図、図5は尿素濃度とNOx値との関係を示す説明図である。
【0024】
図1に示すように、製紙プラントの一部のパルプ製造ライン100における苛性プロセスでは、例えばロータリキルン10が利用される。この苛性プロセスとは、製紙工程のパルプ製造ラインにおいて、パルプを不純物から分離するための蒸解窯にて使用される水酸化ナトリウムを回収して再使用するためのプロセスであり、蒸解窯の廃液(黒液)を炭酸ソーダを主成分とする緑液化し、この緑液に生石灰や水を混合することで、水酸化ナトリウムと石灰石を再生させるプロセスのことをいう。
【0025】
ロータリキルン10は、キルン回転軸Pを中心に図中白抜き矢印Rで示すように躯体13が回転するものであり、その長さ方向の両端部が窯前11および窯尻(窯尻フッド)12となっている。このロータリキルン10の窯内には、例えば窯尻12側に設置され、図2に示すようなスクリューフィーダ21を有する原料供給装置20から上述した石灰石が押し出されて投入され、この石灰石は図中矢印Sで示すように窯尻12側から窯前11側へ加熱されながら流れる。
【0026】
石灰石は、例えば図示しないスラッジフィルタからのブロワ30を介した循環ラインS1と、図示しない湿式の集塵機からの循環ラインS2と、サイクロン40からの循環ラインS3とを介してフィーダ50に集められる。フィーダ50に集められた石灰石は、原料供給装置20側と後述するフラッシュドライヤ(気流乾燥機)60側とに分配供給される。なお、ロータリキルン10の窯内にて石灰石を加熱する加熱ガス(排ガス)は、石灰石の流れとは反対に図中矢印Gで示すように窯前11側から窯尻12側へと流れる。
【0027】
フラッシュドライヤ60には、フィーダ50からの石灰石と、循環ラインG1を介したロータリキルン10からの燃焼ガスとが供給され、これらの加熱乾燥が行われる。そして、乾燥された石灰石を含む燃焼ガスは、循環ラインG2を介してサイクロン40に供給される。サイクロン40では、燃焼ガスから石灰石が分離され、石灰石はフィーダ50へ、燃焼ガスは集塵機へそれぞれ送られる。
【0028】
一方、ロータリキルン10は、その窯尻12側に、ロータリキルン10の窯内へ噴霧して供給される脱硝用添加剤を供給するための図示しない脱硝用添加剤供給装置が設置され、この脱硝用添加剤供給装置は、第1配管部70と、第2配管部80と、これら第1および第2配管部70,80を連結する回転継手90とを備えて構成されている。
【0029】
第1配管部70は、例えば原料供給装置20をキルン回転軸P方向に貫通し、上記脱硝用添加剤供給装置からロータリキルン10の長さ方向に延設されてキルン回転軸Pと同軸となる状態で配置されている。第2配管部80は、窯尻12側にてキルン回転軸P側からキルン外周側へ延設されるとともに、このキルン外周側から上記長さ方向に沿って固定され、かつ所定位置でキルン外周側から窯内へ貫通配置されている。
【0030】
具体的には、第2配管部80は、図2に示すように、キルン外周側においては複数箇所にて固定部材81によって躯体に固定配置され、ロータリキルン10の窯内のNOx低減効果の高い適性温度域APに脱硝用添加剤を供給できる所定位置において、例えば図3に示すように、キルン外周側から窯内へその先端が貫通するように配置され、内部の石灰石99に脱硝用添加剤を噴霧可能となるように設置される。
【0031】
そして、第1および第2配管部70,80は、例えば窯尻12側の窯内に露出する状態で設置され、キルン回転軸Pと同軸位置で脱硝用添加剤を搬送可能に両配管部70,80を連結する回転継手90により連結される。この回転継手90は、図4に示すように、固定部91と可動部92とを有し、第1配管部70の先端は固定部91に連結され、第2配管部80の後端は可動部92に連結されて、固定部91および可動部92のバイパス部95にて両配管部70,80が連通するように結合されている。
【0032】
なお、この例の回転継手90では、可動部92が固定部91に対してキルン回転軸Pを中心として(すなわち、第1配管部70を中心として)回動可能に構成されており、可動部92の固定部91との摺接面側には、シール材93が複数設置されている。また、回転継手90には、回転継手90を冷却するための冷却液が循環する冷却部94および冷却路96が設けられている。
【0033】
このように構成されたロータリキルン10を利用する苛性プロセスにおいては、ロータリキルン10の窯尻12側の温度は約600℃〜約700℃となり、上記NOx低減効果の高い(すなわち、脱硝用添加剤の反応がよい)適正温度域APにおける温度(約800℃〜約900℃)を下回る温度となっている。さらに、フラッシュドライヤ60の出口付近では、燃焼ガスの温度は200℃前後まで低下することとなってしまう。
【0034】
したがって、例えば脱硝用添加剤を適正温度域APの箇所ではなく循環ラインG1において添加したとしても、温度が低いため思うような脱硝効果を得ることは困難となる。これに対し、上述したように設置された第1および第2配管部70,80を介して脱硝用添加剤を適正温度域APの箇所に供給することで、ロータリキルン10の窯内にて最も効果的にNOxの発生量を抑制することが可能となる。
【0035】
なお、ロータリキルン10における上記適正温度域APの分布は、その長さ方向の中間近傍箇所(すなわち、中間点を含むその近傍箇所)となるので、このように脱硝用添加剤を適正温度域APの箇所に直接噴霧して供給することで、NOxの低減効果を高めることができる。また、第2配管部80をキルン外周側に固定部材81を介して固定する構造を採用するため、窯内に配管する場合などと比べて、配管部を確実に支持することができるとともに、耐熱対策もより容易にすることが可能となる。
【0036】
また、第1および第2配管部70,80、回転継手90を有する脱硝用添加剤供給装置によって脱硝用添加剤を適正温度域APの箇所に直接供給するという簡単な構成でNOxの発生量を抑えることができるので、安価に排ガス(燃焼ガス)中のNOxを低減することが可能となる。
【0037】
なお、この脱硝用添加剤としては、尿素水溶液および搬送空気(圧縮空気)などが挙げられる。この場合、尿素は、約130℃の温度で融解してアンモニアを発生するが、上記脱硝用添加剤供給装置から供給されて第1配管部70、回転継手90および第2配管部80を経て適正温度域APの箇所に噴霧された上でロータリキルン10の窯内にて融解される。このため、本実施の形態に係る脱硝装置および脱硝方法によれば、より適正な反応温度に近づけることができる。
【0038】
図5に示すように、本出願人による実験結果によれば、その脱硝効果は顕著なものとなった。図5は、尿素濃度とNOx値との関係を示すものであるが、上述した脱硝用添加剤を(1)ロータリキルン10の窯尻12側(後面側)の燃焼ガス中に散布した場合(点線で図示)と、(2)ロータリキルン10の窯内の適正温度域APの箇所に散布(噴霧)した場合(実線で図示)とでは、以下のような違いが見られた。
【0039】
すなわち、上記(1)および(2)のいずれの場合でも、尿素濃度が0%のときはNOx値は80ppm程度あったが、尿素濃度を上げるにしたがってNOx値に開きが生じ、尿素濃度40%においては、(1)の場合はNOx値約68ppmであったが、(2)の場合はNOx値約56ppmと12ppmの差が生じる結果となった。つまり(1)の場合は尿素濃度を0%から40%へと変化させてもNOx値として12ppm程度の脱硝作用しか得られなかったが、(2)の場合は同様の条件でNOx値として24ppm程度の脱硝作用を得ることができた。
【0040】
以上述べたように、本実施の形態に係る脱硝装置および脱硝方法によれば、第1および第2配管部70,80、回転継手90を有する脱硝用添加剤供給装置によって、ロータリキルン10の窯内の適正温度域APの箇所に脱硝用添加剤(尿素水溶液など)を噴霧(供給)するという簡単な構成で、ロータリキルン10の窯内にて脱硝用添加剤を上記適性温度域APの箇所へ確実に供給することができ、ロータリキルン10で発生する排ガス(燃焼ガス)中のNOxを安価に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態に係る脱硝方法を実現する脱硝装置が設けられた製紙プラントの一部を説明するための説明図である。
【図2】同製紙プラントにおけるロータリキルンの一部断面図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【図4】図2の一部拡大断面図である。
【図5】尿素濃度とNOx値との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
10…ロータリキルン、11…窯前、12…窯尻、20…原料供給装置、21…スクリューフィーダ、30…ブロワ、40…サイクロン、50…フィーダ、60…フラッシュドライヤ、70…第1配管部、80…第2配管部、90…回転継手、100…パルプ製造ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの所定プロセスにおけるロータリキルンの窯内で発生するNOxを低減させる脱硝装置であって、
前記ロータリキルンの窯内へ噴霧される脱硝用添加剤を供給する供給手段と、
前記供給手段から供給された脱硝用添加剤を前記ロータリキルンの窯内へ搬送する搬送手段とを備え、
前記搬送手段は、前記ロータリキルンの窯尻側にて前記供給手段から前記ロータリキルンの長さ方向に延設されてキルン回転軸と同軸配置された第1配管部と、
前記ロータリキルンの窯尻側にて前記キルン回転軸側からキルン外周側へ延設されるとともに、前記キルン外周側から前記長さ方向に沿って固定され、かつ前記ロータリキルンの窯内のNOx低減効果の高い適性温度箇所へ前記キルン外周側から貫通配置された第2配管部と、
前記第1および第2配管部を前記キルン回転軸と同軸位置で前記脱硝用添加剤を搬送可能に連結する回転継手とを備える
ことを特徴とする脱硝装置。
【請求項2】
前記脱硝用添加剤は、尿素水溶液および搬送空気からなることを特徴とする請求項1記載の脱硝装置。
【請求項3】
前記適正温度箇所は、前記ロータリキルンの長さ方向の中間近傍箇所であることを特徴とする請求項1または2記載の脱硝装置。
【請求項4】
前記プラントは製紙プラントであり、前記所定プロセスは苛性プロセスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の脱硝装置。
【請求項5】
プラントの所定プロセスにおけるロータリキルンの窯内で発生するNOxを低減させる脱硝方法であって、
前記ロータリキルンを回転させて窯前から窯尻へ原料を循環させる運転工程と、
前記ロータリキルンの窯尻側にて前記ロータリキルンの長さ方向に延設されてキルン回転軸と同軸配置された第1配管部と、前記窯尻側にて前記キルン回転軸側からキルン外周側へ延設されるとともに、前記キルン外周側から前記長さ方向に沿って固定され、かつ前記窯内のNOx低減効果の高い適性温度箇所へ前記キルン外周側から貫通配置された第2配管部と、前記第1および第2配管部を前記キルン回転軸と同軸位置で連結する回転継手とを備える搬送手段を介して、前記運転工程による運転中に前記窯内へ前記NOxの発生量を抑制する脱硝用添加剤を噴霧して供給する供給工程とを備えた
ことを特徴とする脱硝方法。
【請求項6】
前記運転工程にて循環される原料は石灰石であり、前記供給工程にて供給される脱硝用添加剤は尿素水溶液および搬送空気からなることを特徴とする請求項5記載の脱硝方法。
【請求項7】
前記供給工程にて脱硝用添加剤が供給され噴霧される適正温度箇所は、前記ロータリキルンの長さ方向の中間近傍箇所であることを特徴とする請求項5または6記載の脱硝方法。
【請求項8】
前記プラントは製紙プラントであり、前記所定プロセスは苛性プロセスであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の脱硝方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−156523(P2009−156523A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336379(P2007−336379)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(300041192)宇部興産機械株式会社 (268)
【Fターム(参考)】