説明

腐食評価装置及び腐食評価方法

【課題】評価対象となる磁性材料が非磁性材料で覆われている場合であっても、正確に腐食の定量的評価を行う。
【解決手段】非磁性材料に覆われた磁性材料または未被覆の磁性材料の減肉量を測定することで腐食の定量的評価を行う腐食評価装置であって、磁路に前記磁性材料を含むような磁界を発生する磁界発生手段と、前記磁性材料から漏洩する磁束を検出するGMR(Giant Magnet-Resistive effect)素子を有し、前記磁束の変化を電気信号に変換するGMRセンサと、前記電気信号に基づいて磁性材料の減肉量を算出する減肉量算出手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐食評価装置及び腐食評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、石油やガスのパイプライン、原油タンクの底板等に使用される鋼材(磁性材料)における腐食の進行状況を定量的に評価する方法の1つとして、上記鋼材に磁界を加え、漏洩磁束の変化を検出することによって鋼材の減肉量を測定する磁束漏洩法(MFL:Magnetic Flux Leakage)が用いられている。このような磁束漏洩法において、漏洩磁束を検出するセンサとしては、一般的にホール素子が利用されている。
【0003】
例えば、特開2005−3405号公報には、非磁性材料であるコンクリートで覆われた鉄筋の破断部を検知する技術が開示されている。この技術は、磁気センサによって鉄筋が有する残留磁気を検出し、非常に大きな漏洩磁束が生じている箇所を破断部として検知するものである。
【特許文献1】特開2005−3405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようにホール素子を磁気センサとして使用した磁束漏洩法では、ホール素子の磁気感度が弱いため、評価対象となる鋼材がコンクリート等の非磁性材料で覆われている場合に、漏洩磁束を精度良く検出することができず、腐食の定量的な評価を行うことが困難であった。すなわち、コンクリート等の非磁性材料で覆われた鋼材の破断部を検知することはできるが、腐食の定量的な評価を行うことはできない。
【0005】
さらに、非磁性材料で覆われた鋼材の腐食を検知する方法としては、自然電位法や分極抵抗法等の電気化学的測定方法が挙げられるが、これらの方法は腐食の有無を判定することはできるが、定量的な評価を行うことはできない。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、評価対象となる磁性材料が非磁性材料で覆われている場合であっても正確に腐食の定量的評価を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、腐食評価装置に係る第1の解決手段として、非磁性材料に覆われた磁性材料または未被覆の磁性材料の減肉量を測定することで腐食の定量的評価を行う腐食評価装置であって、磁路に前記磁性材料を含むような磁界を発生する磁界発生手段と、前記磁性材料から漏洩する磁束を検出するGMR(Giant Magnet-Resistive effect)素子を有し、前記磁束の変化を電気信号に変換するGMRセンサと、前記電気信号に基づいて磁性材料の減肉量を算出する減肉量算出手段とを具備する、という手段を採用する。
【0008】
また、本発明では、腐食評価装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記GMRセンサは、GMR素子を用いたブリッジ回路からなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明では、腐食評価装置に係る第3の解決手段として、上記第1または2の解決手段において、前記磁性材料に沿って2次元的に移動しつつ、所定の測定位置毎に減肉量を測定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明では、腐食評価装置に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、前記磁性材料の表面とGMRセンサとの間の距離を一定に保持しつつ移動することを特徴とする。
【0011】
また、本発明では、腐食評価装置に係る第5の解決手段として、上記第1〜4のいずれかの解決手段において、前記磁性材料は鉄筋または鋼板であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明では、腐食評価装置に係る第6の解決手段として、上記第1〜5のいずれかの解決手段において、前記非磁性材料はコンクリートであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明では、腐食評価方法に係る第1の解決手段として、非磁性材料に覆われた磁性材料または未被覆の磁性材料の減肉量を測定することで腐食の定量的評価を行う腐食評価方法であって、磁路に前記磁性材料を含むような磁界を発生し、GMRセンサによって前記磁性材料から漏洩する磁束を検出し、前記GMRセンサから出力される電気信号に基づいて磁性材料の減肉量を算出する、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ホール素子を用いた磁気センサよりも高磁気感度を有するGMRセンサを用いることにより、評価対象となる磁性材料が非磁性材料で覆われている場合であっても、高精度に漏洩磁束を検出することができる。その結果、鉄筋や鋼板等の磁性材料の減肉量を精度良く算出できるため、正確に腐食の定量的評価を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る腐食評価装置の構成ブロック図である。なお、本腐食評価装置Dは、コンクリートC(非磁性材料)で覆われた鉄筋S(磁性材料)の減肉量を測定することで腐食の定量的評価を行うものである。
【0016】
図1に示すように、本腐食評価装置Dは、N極側磁石1、S極側磁石2、GMR
(Giant Magnet-Resistive effect)センサ3、直流電源4、電圧測定部5、減肉量算出部6、表示部7及びデータレコーダ8から構成されている。
【0017】
N極側磁石1及びS極側磁石2(磁界発生手段)は、例えば永久磁石であり、両磁石の間において鉄筋Sを含む磁路を形成する磁界Mが発生するように、離間してコンクリートC上に各々配置されている。
【0018】
GMRセンサ3は、巨大磁気抵抗効果により高磁気感度(つまり磁気の変化に対して大
きな抵抗変化を示す)を有するGMR素子を用いたブリッジ回路から構成されるものである。図2に、このようなGMRセンサ3の等価回路を示す。この図に示すように、GMRセンサ3は、第1のGMR素子3a、第2のGMR素子3b、第3のGMR素子3c、第4のGMR素子3d、正極電源端子3e、負極電源端子3f、第1の出力端子3g及び第2の出力端子3hから構成されている。なお、GMR素子は抵抗素子として表記することができる。
【0019】
第1のGMR素子3aの一端は第2のGMR素子3bの一端及び正極電源端子3eに接続され、他端は第3のGMR素子3cの一端及び第1の出力端子3gに接続されている。第2のGMR素子3bの一端は第1のGMR素子3aの一端及び正極電源端子3eに接続され、他端は第4のGMR素子3dの一端及び第2の出力端子3hに接続されている。第3のGMR素子3cの一端は第1のGMR素子3aの他端及び第1の出力端子3gに接続され、他端は第4のGMR素子3dの他端及び負極電源端子3fに接続されている。第4のGMR素子3dの一端は第2のGMR素子3bの他端及び第2の出力端子3hに接続され、他端は第3のGMR素子3cの他端及び負極電源端子3fに接続されている。
【0020】
第1のGMR素子3a、第2のGMR素子3b、第3のGMR素子3c及び第4のGMR素子3dは、同一の特性を有しており、この内、第2のGMR素子3b及び第3のGMR素子3cには磁気シールド処理が施されている。なお、正極電源端子3eは直流電源4の正極に接続され、負極電源端子3fは直流電源4の負極に接続されている。また、第1の出力端子3g及び第2の出力端子3hは電圧測定部5に接続されている。
【0021】
図1に戻って説明すると、このように構成されたGMRセンサ3は、離間して設置されているN極側磁石1及びS極側磁石2の略中央部に配置され、その磁気感度軸が鉄筋Sに対して垂直になるように配置される。
【0022】
直流電源4は、上記のようにGMRセンサ3の正極電源端子3e及び負極電源端子3fに接続されており、直流電圧をこれら電源端子を介してブリッジ回路に供給する。電圧測定部5は、上記のようにGMRセンサ3の第1の出力端子3g及び第2の出力端子3hに接続されており、これら出力端子間の電圧を測定し、その電圧値を示すデジタルデータ(電圧データ)を減肉量算出部6に出力する。減肉量算出部6は、上記電圧データに基づいて鉄筋Sの減肉量を算出し、当該減肉量を示す減肉量データを表示部7及びデータレコーダ8に出力する。表示部7は、例えば液晶モニタであり、上記減肉量データに基づいて減肉量の測定結果を表示する。データレコーダ8は、上記減肉量データを測定位置毎に記憶する。
【0023】
次に、このように構成された本腐食評価装置Dの動作について説明する。
図3(a)は、鉄筋Sに減肉が発生していない、つまり腐食が発生していない場合の磁界MとGMRセンサ3の出力端子間電圧を示したものである。この図に示すように、鉄筋Sに減肉が発生していない場合、磁界Mは鉄筋Sに沿って均一に形成されており、つまり漏洩磁束は発生しない。
【0024】
この場合、図2に示すGMRセンサ3のブリッジ回路において、第1のGMR素子3a、第2のGMR素子3b、第3のGMR素子3c及び第4のGMR素子3dは全て同一の抵抗値を示す。従って、第1の出力端子3gと第2の出力端子3hとの間の電圧値、つまりGMRセンサ3の出力端子間電圧は零となる。この時、減肉量算出部6は出力端子間電圧=0を示す電圧データに基づいて減肉量=0と算出し、その算出結果を減肉量データとして表示部7及びデータレコーダ8に出力する。
【0025】
一方、図3(b)は、鉄筋Sに減肉が発生している場合、つまり腐食が発生している場合の磁界MとGMRセンサ3の出力端子間電圧を示したものである。この図に示すように、鉄筋Sに減肉が発生している箇所において磁界Mに変化が生じる、つまり漏洩磁束が発生することになる。この漏洩磁束は減肉量が大きくなるほど大きく変化する。
【0026】
この場合、図2に示すGMRセンサ3のブリッジ回路において、第1のGMR素子3a及び第4のGMR素子3dの抵抗値は上記漏洩磁束の変化に応じて変化するが、第2のGMR素子3b及び第3のGMR素子3cには磁気シールド処理が施されているため抵抗値は変化しない。従って、ブリッジ回路に不平衡が生じ、GMRセンサ3の出力端子間に漏洩磁束の変化に応じた(つまり減肉量に比例した)電圧が生じることになる。すなわち、GMRセンサ3の出力端子間電圧Vと減肉量Δdとの間には、下記関係式(1)が成立する。なお、下記関係式(1)において、kは比例定数である。
Δd=k・V ・・・・・・(1)
よって、減肉量算出部6は上記関係式(1)より減肉量Δdを算出し、その算出結果を減肉量データとして表示部7及びデータレコーダ8に出力する。
なお、鉄筋Sが破断していた場合、非常に大きな漏洩磁束が発生し、GMRセンサ3の出力端子間電圧Vも非常に大きな値となるため、所定の閾値を予め設定しておき、当該閾値を超えるような出力端子間電圧Vが生じた場合は、鉄筋Sは破断していると判定し、その結果を表示部7に表示させ、データレコーダ8に記憶させる。
【0027】
上記GMRセンサ3は、例えばシリコンを材料とするホール素子の50〜100倍もの磁気感度を有しているため、鉄筋SがコンクリートCで覆われている場合であっても漏洩磁束を高精度で検出することが可能である。その結果、上記のようにGMRセンサ3の出力端子間電圧を基に算出される減肉量Δdも信頼度の高い値となる。以上のように、本実施形態の腐食評価装置Dによれば、評価対象となる鉄筋SがコンクリートC等の非磁性材料で覆われている場合であっても、漏洩磁束を精度良く検出することができ、正確に腐食の定量的評価を行うことが可能である。
【0028】
次に、本腐食評価装置Dを用いて、鋼とコンクリートとの複合構造体である合成床版の腐食評価実験を行った結果について説明する。
図4(a)は、リファレンスとして使用した合成床版の試験体100の側面図及び正面図である。この試験体100は、高さ266mm、横523.6mm、縦143.6mmのコンクリート片100aに直径16mmの異型鉄筋100bを導入したものである。なお、異型鉄筋100bは、コンクリート片100aの最上面から深さ50mmの位置に導入した。一方、図4(b)は、腐食による減肉を模擬するために、予め機械加工によってノッチN1(深さ2mm)、N2(深さ3mm)、N3(深さ4mm)を付与した異型鉄筋200bとコンクリート片200aとの複合構造体である試験体200の側面図及び正面図である。この試験体200の外形寸法は上記試験体100と同様である。
【0029】
そして、これらリファレンスの試験体100及び減肉を模擬した試験体200の上面に、腐食評価装置DのGMRセンサ3を配置し、図4に示す走査方向に沿ってGMRセンサ3を走査させ、各センサ位置におけるGMRセンサ3の出力端子間電圧Vを測定した。なお、走査を容易にするためにGMRセンサ3を各試験体の上面から5mm浮かせて走査を行った。また、GMRセンサ3の入力電圧、つまり直流電源4から供給される直流電圧は25Vとした。
【0030】
図5は、横軸をセンサ位置、縦軸をGMRセンサ3の出力端子間電圧Vとした出力端子間電圧V−センサ位置特性図である。この図5に示すように、ノッチを付与していないリファレンスの試験体100と比較して、ノッチN1〜N3を付与した試験体200では、各ノッチ位置において出力端子間電圧Vに変動(谷部分)が生じていることがわかる。図6は、各ノッチ位置における出力端子間電圧Vの谷部分を拡大したものである。図6に示すように、ノッチN1(深さ2mm)では出力端子間電圧Vに信号幅約3.0mVの変動が生じ、ノッチN2(深さ3mm)では出力端子間電圧Vに信号幅約3.8mVの変動が生じ、また、ノッチN3(深さ4mm)では出力端子間電圧Vに信号幅約5.4mVの変動が生じていることがわかった。
【0031】
これら各ノッチ位置における出力端子間電圧Vの変動分とノッチ深さとの相関関係を図7に示す。この図7において、横軸はノッチ深さであり、縦軸は出力端子間電圧Vの変動分(信号幅)である。この図7に示すように、ノッチ深さ、つまり減肉量ΔdとGMRセンサ3の出力端子間電圧Vの変動分とはほぼ比例関係にあることが確認できた。すなわち、この腐食評価実験により、評価対象となる磁性材料が非磁性材料で覆われている場合であっても、本腐食評価装置Dを用いて定量的に腐食評価が可能であることが実証された。
【0032】
次に、このような腐食評価装置Dの応用例について説明する。
〔応用例1〕
図8は腐食評価装置Dの応用例1を示したものである。この図に示すように、プログラム制御により自走可能な台車10の内部に腐食評価装置Dを設置する。このような台車10を、鉄筋Sを覆うコンクリートC上に沿って2次元的に移動させ、予め設定した測定位置の減肉量を順次測定させる。そして、各測定位置で測定された減肉量を腐食評価装置Dのデータレコーダ8に順次記憶させる。また、漏洩磁束の検出精度を保持するためには、鉄筋Sの表面とGMRセンサ3との距離(測定ギャップ)を一定に保つことが好ましいが、コンクリートC表面の測定位置によっては必ずしも水平状態になっているとは限らない。そこで、台車10は、測定位置毎に上記測定ギャップを補正する機能を有し、漏洩磁束の検出精度の維持を図っている。
【0033】
上記のような応用例1により、広範囲に亘る腐食評価を短時間で効率良く行うことが可能である。なお、プログラム制御の台車10に限らず、有線又は無線操作によって走行する台車を用いても良い。
【0034】
〔応用例2〕
図9は腐食評価装置Dの応用例2を示したものである。この図に示すように、応用例2
の腐食評価装置Dは、N極側磁石1、S極側磁石2及びGMRセンサ3を備えたプローブ20と、当該プローブ20とケーブル21を介して接続され、直流電源4、電圧測定部5、減肉量算出部6、表示部7及びデータレコーダ8を備えた操作ボックス22とで構成されている。GMRセンサ3と直流電源4及び電圧測定部5とはケーブル21によって接続されている。作業者30は片手に持ったプローブ20を、鉄筋Sを覆うコンクリートC表面に沿って所望の測定位置に移動させ、この時操作ボックス22上の表示部7に表示される減肉量を目視で確認して腐食の進行状況を把握する。
【0035】
上記のような応用例2によれば、応用例1の台車10が走行できないような狭い場所の減肉量を測定したい場合や、複雑な立体構造を有する鉄筋Sの減肉量を測定したい場合、
測定位置の数が少ない場合などに効果的に腐食評価を行うことが可能である。
【0036】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
【0037】
(1)上記実施形態では、コンクリートCに覆われた鉄筋Sを想定したが、その他の非磁性材料に覆われた磁性材料であっても本発明を適用可能である。また、非磁性材料に覆われていない磁性材料の腐食評価を行うことももちろん可能である。
【0038】
(2)上記実施形態では、GMR素子のブリッジ回路からなるGMRセンサ3を想定したが、これに限らず、漏洩磁束の変化を電気信号に変換するものであれば他の回路構成であっても良い。また、ブリッジ回路の電源は直流電源を用いたが、交流電源を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る腐食評価装置Dの構成ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るGMRセンサ3の回路構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る減肉量測定原理の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る腐食評価装置Dを用いた腐食評価実験の第1説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る腐食評価装置Dを用いた腐食評価実験の第2説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る腐食評価装置Dを用いた腐食評価実験の第3説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る腐食評価装置Dを用いた腐食評価実験の第4説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る腐食評価装置Dの応用例1である。
【図9】本発明の一実施形態に係る腐食評価装置Dの応用例2である。
【符号の説明】
【0040】
D…腐食評価装置、1…N極側磁石、2…S極側磁石、3…GMR(Giant Magnet-
Resistive effect)センサ、4…直流電源、5…電圧測定部、6…減肉量算出部、7…表示部、8…データレコーダ、10…台車、20…プローブ、21…ケーブル、22…操作ボックス、30…作業者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性材料に覆われた磁性材料または未被覆の磁性材料の減肉量を測定することで腐食の定量的評価を行う腐食評価装置であって、
磁路に前記磁性材料を含むような磁界を発生する磁界発生手段と、
前記磁性材料から漏洩する磁束を検出するGMR(Giant Magnet-Resistive effect)素子を有し、前記磁束の変化を電気信号に変換するGMRセンサと、
前記電気信号に基づいて磁性材料の減肉量を算出する減肉量算出手段と
を具備することを特徴とする腐食評価装置。
【請求項2】
前記GMRセンサは、GMR素子を用いたブリッジ回路からなることを特徴とする請求項1記載の腐食評価装置。
【請求項3】
前記磁性材料に沿って2次元的に移動しつつ、所定の測定位置毎に減肉量を測定することを特徴とする請求項1または2記載の腐食評価装置。
【請求項4】
前記磁性材料の表面とGMRセンサとの間の距離を一定に保持しつつ移動することを特徴とする請求項3記載の腐食評価装置。
【請求項5】
前記磁性材料は鉄筋または鋼板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の腐食評価装置。
【請求項6】
前記非磁性材料はコンクリートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の腐食評価装置。
【請求項7】
非磁性材料に覆われた磁性材料または未被覆の磁性材料の減肉量を測定することで腐食の定量的評価を行う腐食評価方法であって、
磁路に前記磁性材料を含むような磁界を発生し、
GMRセンサによって前記磁性材料から漏洩する磁束を検出し、
前記GMRセンサから出力される電気信号に基づいて磁性材料の減肉量を算出する
ことを特徴とする腐食評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−192803(P2007−192803A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−309165(P2006−309165)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】