説明

膜分離活性汚泥処理装置およびその方法

【課題】運転動力の削減を可能とした膜分離活性汚泥処理装置およびその方法を提供する。
【解決手段】本発明の膜分離活性汚泥処理装置10は、活性汚泥によって被処理水を処理する好気槽を複数に分割し、前記被処理水を好気的に処理する第一好気槽20と、前記第一好気槽20からの前記被処理水が流入し、前記活性汚泥を膜分離する膜ユニット34を備えて、活性汚泥濃度が前記第一好気槽20よりも高く設定された第二好気槽30と、を備え、前記第二好気槽30には、少なくとも前記第一好気槽20よりも上流側に硝化液を循環させる循環ライン37を設けたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜分離活性汚泥処理装置およびその方法に関し、特に好気槽内に保持した活性汚泥によって被処理水を好気的に処理する膜分離活性汚泥処理装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は従来の膜分離活性汚泥処理装置の構成概略を示す図である。図示のように、膜分離活性汚泥処理装置100は、上流側から無酸素槽101と好気槽102を備えている。無酸素槽101では、無酸素条件下で活性汚泥中の脱窒菌によって脱窒処理が行われる。好気槽102では、好気条件下で活性汚泥中の硝化菌によって硝化処理が行われる。そして好気槽102の処理液の一部を無酸素槽101に循環させている。ここで好気槽102は単一の槽であり、槽内には、膜ユニット104および散気手段を取り付けている。膜ユニット104は槽内に浸漬させて、膜ユニット104の下方には粗大気泡散気手段106を設置している。そして粗大気泡散気手段106から粗大気泡を発生させて、膜ユニット104の膜表面に付着する活性汚泥を洗浄するとともに、好気槽102内の処理水に酸素を供給している。好気槽102の槽内ではNH−N(アンモニア態窒素)が硝化細菌により酸化されてNO−N(硝酸態窒素)となる。
【0003】
このとき粗大気泡散気手段106からの送風量のみではNH−Nの酸化が不十分な場合があり、好気槽102内に新たに微細気泡散気装置108を設置している。微細気泡散気手段108は、粗大気泡よりも比表面積が大きい微細気泡を好気槽102内に送風することにより、NH−Nを十分に酸化することができる。
【0004】
そして従来のNH−N酸化の判断としては、好気槽102内にDOセンサを設置し、DO値が一定の範囲に収まるように微細気泡散気手段108の送風量を制御している。(例えば特許文献1に示す。)あるいはDOセンサの検出結果によらず、計算や経験から好気槽内に流入する被処理水中のNH−N濃度に対応できる微細気泡散気手段の送風量を固定値としてあらかじめ設定して汚泥処理を行っていた。
【0005】
このように膜分離活性汚泥装置100では、従来の活性汚泥処理装置に比べて省スペースで処理できるという特徴を有している。その理由としては槽内の活性汚泥を高濃度に保持することにより、単位容積あたりの活性汚泥の汚水浄化能力を高めているためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−103381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、好気槽内に保持する活性汚泥が高濃度化すると、次のような問題が生じる。まず活性汚泥の高濃度化によって、酸素を必要とする微生物量が増加するため、反応に必要な溶存酸素の消費量が増加する。また活性汚泥の高濃度化により被処理水の液粘性が増加し、散気手段から供給された気泡が粗大化するので、酸素が被処理水中へ溶け込み難くなり、送気量に対して汚水浄化へ作用する酸素量が少なくなる。その結果、粗大気泡散気手段の送風量を増加することになり、運転能力が高くなっている。
【0008】
そこで送風量を削減するための取組みとして、膜ユニットの物理洗浄と活性汚泥への酸素供給を兼ねた粗大気泡散気手段からの送風のみでは酸素量が不足する場合に、前述の酸素溶解効率の高い微細気泡散気手段が採用されてきているが、微細気泡散気手段を用いても活性汚泥濃度が高く、供給された酸素が被処理水中へ溶け込み難いという状況は変わらないため、酸素溶存効率を向上する手段が必要であった。また好気槽へ流入する汚水中のNH−N濃度の変化に対して、必要酸素量の不足を補うために設ける微細気泡散気手段が過剰な送風を行わないような制御手段が必要であった。
【0009】
このような従来技術の問題点を解決するため、本発明は、好気槽内の散気に係わる運転動力を削減できる膜分離活性汚泥処理装置およびその方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の膜分離活性汚泥処理装置は、活性汚泥によって被処理水を処理する好気槽を複数に分割し、前記被処理水を好気的に処理する第一好気槽と、前記第一好気槽からの前記被処理水が流入し、前記活性汚泥を膜分離する膜ユニットを備えて、活性汚泥濃度が前記第一好気槽よりも高く設定された第二好気槽と、を備え、前記第二好気槽には、少なくとも前記第一好気槽よりも上流側に硝化液を循環させる循環ラインを設けたことを特徴としている。
【0011】
この場合において、前記第一好気槽は、槽内に微細気泡を供給する微細気泡散気手段を取り付けたことを特徴としている。
第一好気槽は、槽内にNH−N濃度センサを設け、当該NH−N濃度センサの検出値に基づいて、前記微細気泡散気手段の送風量を調節することを特徴としている。
【0012】
本発明の膜分離活性汚泥処理方法は、好気槽内の活性汚泥によって被処理水を好気的に処理し膜分離する膜分離活性汚泥処理方法であって、前記好気槽を第一好気槽と第二好気槽に分割し、前記第一好気槽により前記被処理水を好気的に処理し、槽内に膜ユニットを備えた前記第二好気槽により前記第一好気槽から流入した前記被処理水の前記活性汚泥を膜分離し、前記第二好気槽から少なくとも前記第一好気槽よりも上流側に硝化液を循環させて、前記第一好気槽内の活性汚泥濃度を前記第二好気槽よりも低くすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
上記構成による本発明によれば、活性汚泥濃度が第一好気槽よりも高く設定された第二好気槽と、を備え、第二好気槽には、少なくとも第一好気槽よりも上流側に硝化液を循環させる循環ラインを設けている。
【0014】
これにより、第一好気槽では第二好気槽30に比べ、被処理水中へ酸素が溶け込み易い状態を形成でき、散気量を低減することができ、過剰な空気を送ることがなく、装置全体の運転動力を低減することができる。
【0015】
第二好気槽から少なくとも第一好気槽よりも上流側へ硝化液を循環させることにより、第一好気槽の活性汚泥濃度は第二好気槽の活性汚泥濃度よりも低くなる。そのため、微細気泡を供給する第一散気手段は低出力で酸素供給が可能となり、散気手段に必要な運転動力を低減することができる。
【0016】
また好気槽を2槽に分割し、微細気泡散気手段と、膜ユニットおよび粗大気泡散気手段とを第一好気槽、第二好気槽の各槽に別々に設置している。このため、好気槽を空にして実施する必要がある設備機器の修理あるいはメンテナンスが安易となり、施設規模が大きくなるほどその効果も高くなる。
【0017】
検出手段にNH−N濃度センサを用いている。NH−N濃度センサはイオン選択電極式であるため、NH−N濃度の測定値を迅速に検出することができる。よって好気槽内のNH−N濃度を速やかに調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の膜分離活性汚泥処理装置の構成概略を示す図である。
【図2】本発明の膜分離活性汚泥処理装置の運転条件を示すグラフである。
【図3】本発明の膜分離活性汚泥処理装置の変形例を示す図である。
【図4】従来の膜分離活性汚泥処理装置の構成概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の膜分離活性汚泥処理装置およびその方法の実施形態を添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1は本発明の膜分離活性汚泥処理装置の構成概略を示す図である。活性汚泥処理は、主に無酸素槽11と好気槽12で行っている。本発明の膜分離活性汚泥処理装置10は、好気槽12を複数の処理槽に分割している。本実施形態では一例として、好気槽12を二分割し第一好気槽20と第二好気槽30を設けている。好気槽12は第一好気槽20と第二好気槽30の間に仕切板14を設けて二分割している。仕切板14は第一好気槽20と第二好気槽30との間を底面から水面に向けて垂直方向に遮る一枚または複数のプレートであり、プレートの一部に開口を形成してあり、第一好気槽20からの被処理水を第二好気槽へ30流入させることができる。
【0020】
上流側の第一好気槽20は、無酸素条件下で活性汚泥中の脱窒菌によって脱窒処理が行われる無酸素槽11からの被処理水が流入する。第一好気槽20は、槽内に第一散気手段22を備えている。第一散気手段22は、槽内に微細気泡を発生させている。微細気泡は、比表面積が小さいので被処理水に対する酸素溶存効率が高い。このため被処理水への溶存酸素の供給源として有効である。
【0021】
下流側の第二好気槽30は、前述の第一好気槽20からの被処理水が仕切板14を介して流入する構成とし、無酸素槽11からの被処理水が直接導入されることがない。第二好気槽30は槽内に第二散気手段32と膜ユニット34を備えている。膜ユニット34は、槽内に浸漬させている。第二散気手段32は、膜ユニット34の下方に取り付けている。
【0022】
第二散気手段32は、槽内に粗大気泡を発生させている。第二散気手段32から散気される粗大気泡は、浮力によって浮上する際に被処理水を巻き込んだクロスフロー流速を生じ、分離膜の膜面を洗浄している。また粗大気泡の浮上によって第二好気槽30内に被処理水の旋回流が生じて活性汚泥と被処理水との混合攪拌が促進する。また粗大気泡中の酸素が被処理水と接触することによって被処理液に溶存酸素として溶け込む。なお粗大気泡はその比表面積が小さいので、微細気泡に比べて被処理水に対する酸素溶存効率が低い。
【0023】
膜ユニット34は、分離膜の二次側に配管35が接続されている。配管35には吸引ポンプ36を取り付けている。吸引ポンプ36を可動させると、膜ユニット34の分離膜の二次側が負圧となり、被処理水と活性汚泥との膜分離が行われる。分離膜を透過した透過水は、配管35から外部へ排出される。
【0024】
また第二好気槽30は循環ライン37が接続されている。循環ライン37は、第二好気槽30の硝化液を少なくとも第一好気槽20よりも上流側に循環させる配管である。本実施例の循環ライン37は、一例として第二好気30槽と無酸素槽11を接続させている。循環ライン37には循環ポンプ38を取り付けてあり、循環ライン37を介して第二好気槽30内の硝化液を無酸素槽11に循環させている。
【0025】
検出手段となるNH−N濃度センサ40は、第一好気槽20内に設けている。NH−N濃度センサ40は一例としてイオン選択電極式を用いることができ、後述する制御手段50と電気的に接続されている。NH−N濃度センサ40は、第一好気槽20の槽内のNH−N濃度を検出して、後述する制御手段50に測定値を送っている。
【0026】
制御手段50は、NH−N濃度センサ40と第一散気手段22と電気的に接続されている。制御手段50は、NH−N濃度センサ40の測定値に基づいて、第一散気手段22の送風量を調整して、第一好気槽20のNH−N濃度を第二好気槽30のNH−N濃度を処理可能なNH−N濃度に制御している。
【0027】
次に上記構成による本発明の膜分離活性汚泥処理方法について、以下説明する。
被処理水が無酸素槽11に供給されると、無酸素槽11では、無酸素条件化で活性汚泥中の脱窒菌により脱窒処理が行われている。
【0028】
次に無酸素槽11からの被処理水が好気槽12に供給される。本発明の好気槽12は二分割してあり、無酸素槽11からの被処理水は、まず第一好気槽20に供給される。第一好気槽20では活性汚泥中の硝化菌によって硝化反応が行われている。そして第一好気槽20の被処理水は仕切板14を越流して第二好気槽30へ供給される。第二好気槽30では、上記活性汚泥中の硝化菌によって硝化反応と、膜ユニット34による活性汚泥の膜分離が行われる。膜ユニット34で膜分離された透過水は、配管35を介して外部に排出される。一方、第二好気槽30の活性汚泥と硝化液の一部は、循環ライン37を介して無酸素槽11へ循環させている。
【0029】
このとき本発明の第一好気槽20の活性汚泥濃度は、第二好気槽30の濃度よりも低く設定している。活性汚泥濃度を低く設定しすぎると汚泥の液粘性が低下し、分離膜の洗浄効果が低下してしまう。よって本発明では、一例として第一好気槽と第二好気槽の活性汚泥濃度範囲をそれぞれ0.2〜1.7mg/l、0.5〜2.0mg/lに設定している。また無酸素槽11へ流入する被処理水の流入量と、第二好気槽から無酸素槽11へ循環させる硝化液の循環量との比を、1:1〜5に設定している。これにより第一好気槽20では第二好気槽30に比べ、被処理水中へ酸素が溶け込み易い状態を形成でき、散気量を低減することができる。
【0030】
なお、活性汚泥の濃度調整は、被処理水の供給量、第二好気槽30から無酸素槽11へ循環する被処理水および活性汚泥の循環量によって調整することができる。例えば、第一好気槽20の活性汚泥濃度が高い場合には、第二好気槽30から無酸素槽11へ循環する被処理水および活性汚泥の循環量を循環ポンプ38を介して低下することにより濃度を低くすることができる。
【0031】
また本発明の好気槽のNH−N酸化の判断は、NH−N濃度を基準としている。第二好気槽において酸化できる最大NH−N量は、処理槽の大きさなどの要因によって定まる。第二好気槽で処理可能なNH−N濃度は、計算もしくは経験的に把握することができる。
【0032】
ここで散気手段から供給された酸素は好気槽内で有機物酸化、活性汚泥の内生呼吸、NH−N酸化、DO維持として消費される。そのため、酸素溶解効率の向上を目的とし、好気槽を第一好気槽20と第二好気槽30に分割した状態では、後段の第二好気槽30で酸化できるNH−Nを残存させる必要があり、これを第一好気槽20にDOセンサを設けて制御しようとしても、NH−NとDOの関係が明確ではないため制御は困難である。
【0033】
送風量を固定する方式では、好気槽へ流入する被処理水中のNH−N量が一定の場合のみ、必要酸素量を予め予測することができるので、有効な手法である。しかし供給される被処理水の濃度を一定に維持することは現状困難である。したがって、例えば、被処理水中のNH−N濃度の最大値に対応するように送風量を設定した場合には、NH−N濃度の最小値が流入すると過剰に送風することとなる。よって運転動力が無駄となり最適な送風量の制御とならない。
【0034】
そこで本発明では、第一好気槽にNH−N濃度センサ40を取り付け、NH−N濃度を制御している。具体的には、第二好気槽30におけるNH−Nを酸化できる最大のNH−N量を計算により、または経験的に予め設定している。ここで第二好気槽の酸素供給能力を一定とした場合、供給酸素量から活性汚泥の内生呼吸と、DO維持として消費される酸素量を差し引いた残りがNH−Nの硝化に利用される酸素量となる。このため本発明では、この酸素量からNH−N濃度を、一例として0.1〜10mg/lの濃度範囲に設定している。
【0035】
前述のように第一好気槽20へ流入する被処理水中のNH−N濃度は変動している。第一好気槽20では、NH−N濃度センサ40により、処理槽内のNH−N濃度を検出している。供給された被処理水のNH−N濃度が増加した場合には、第一好気槽20内の散気手段22による微細気泡の送風量を増加させてNH−N濃度が設定濃度範囲に収まるように低下させている。このように第一好気槽では、NH−Nセンサと散気量の制御機構によりNH−N濃度を任意に制御することができる。
【0036】
第二好気槽30には、被処理水中のNH−N濃度に変動が生じた場合であっても、NH4−N濃度が設定範囲に制御された被処理水が供給される。このため第二好気槽内で残存するNH−N濃度を一定とすることができる。
【0037】
図2は本発明の膜分離活性汚泥処理装置の運転条件を示すグラフである。図2において横軸は、運転の経過時間(時間)を、左縦軸はNH−N濃度(mg/l)を、右縦軸は第一好気槽送風量(m/h)をそれぞれ示している。またプロット□は第一好気槽に流入するNH4−N濃度を、プロット○は、第一好気槽から流出するNH−N濃度を、プロット+は、第一好気槽の空気流量をそれぞれ示している。図示のように膜分離活性汚泥処理装置10の第一好気槽は、槽内に流入する被処理水のNH−N濃度が3〜5mg/lである。一例として槽内のNH−N濃度を1.5〜2.5mg/lの濃度範囲に設定した場合、第一好気槽20から流出するNH−N濃度が2.0mg/lを超えたとき、第一散気手段22による微細気泡の供給量を増加させている。微細気泡の増加は、槽内のNH−N濃度が2.0mg/lよりも低下するまで行う。これにより第一好気槽から流出する被処理水のNH−N濃度は、設定濃度の範囲内に維持させることができる。第二好気槽には、設定濃度の範囲内の被処理水のみ流入するため、NH−N濃度変化の影響を受けることがない。第二好気槽におけるあらかじめ設定した活性汚泥処理に必要な溶存酸素濃度を維持することができ、溶存酸素が不足することがない。よって必要最小限の散気送風量でNH−Nの処理が可能となる。
【0038】
なおNH−N濃度センサは、第二好気槽に設けて第二好気槽のNH−N濃度を測定し、第二好気槽内のNH−N濃度を監視するように構成してもよい。
図3は本発明の膜分離活性汚泥処理装置の変形例を示す図である。図示のように変形例の膜分離活性汚泥処理装置10Aは、第一の循環ライン37の途中で分岐して第一好気槽20に接続する第二の循環ライン39を設けている。その他の構成は図1と同様であり詳細な説明を省略する。本発明の第二好気槽30の硝化液は、少なくとも第一好気槽20よりも上流側に循環させるとよい。本実施例では、第二好気槽30の硝化液の一部を無酸素槽11に循環させるとともに、第二の循環ライン39により硝化液の一部を第一好気槽20にも循環させている。このとき各循環比および活性汚泥濃度は、一例として以下のように設定することができる。無酸素槽11へ流入する被処理水の流入量と、第二好気槽30から無酸素槽11へ循環させる硝化液の循環量との比を1:1〜5とする。無酸素槽11へ流入する被処理水の流入量と、第二好気槽30から第一好気槽20へ循環させる硝化液の循環量との比を、1:0〜5に設定している。また第一好気槽20と第二好気槽30の活性汚泥濃度範囲をそれぞれ0.2〜1.8mg/l、0.5〜2.0mg/lに設定している。
【0039】
このような変形例の膜分離活性汚泥処理装置10Aによれば、第一好気槽20と第二好気槽30との間で活性汚泥濃度に濃度差を設けることができる。第一好気槽20では第二好気槽30に比べ、被処理水中へ酸素が溶け込み易い状態を形成でき、散気量を低減することができる。
【符号の説明】
【0040】
10………膜分離活性汚泥処理装置、11………無酸素槽、12………好気槽、14………仕切板、20………第一好気槽、22………第一散気手段、30………第二好気槽、32………第二散気手段、34………膜ユニット、35………配管、36………吸引ポンプ、37………循環ライン、38………循環ポンプ、39………第二の循環ライン、40………NH−N濃度センサ、50………制御手段、100………膜分離活性汚泥処理装置、101………無酸素槽、102………好気槽、104………膜ユニット、106………粗大気泡散気手段、108………微細気泡散気手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性汚泥によって被処理水を処理する好気槽を複数に分割し、前記被処理水を好気的に処理する第一好気槽と、
前記第一好気槽からの前記被処理水が流入し、前記活性汚泥を膜分離する膜ユニットを備えて、活性汚泥濃度が前記第一好気槽よりも高く設定された第二好気槽と、
を備え、
前記第二好気槽には、少なくとも前記第一好気槽よりも上流側に硝化液を循環させる循環ラインを設けたことを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置。
【請求項2】
前記第一好気槽は、槽内に微細気泡を供給する微細気泡散気手段を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の膜分離活性汚泥処理装置。
【請求項3】
第一好気槽は、槽内にNH−N濃度センサを設け、当該NH−N濃度センサの検出値に基づいて、前記微細気泡散気手段の送風量を調節することを特徴とする請求項2に記載の膜分離活性汚泥処理装置。
【請求項4】
好気槽内の活性汚泥によって被処理水を好気的に処理し膜分離する膜分離活性汚泥処理方法であって、
前記好気槽を第一好気槽と第二好気槽に分割し、
前記第一好気槽により前記被処理水を好気的に処理し、
槽内に膜ユニットを備えた前記第二好気槽により前記第一好気槽から流入した前記被処理水の前記活性汚泥を膜分離し、
前記第二好気槽から少なくとも前記第一好気槽よりも上流側に硝化液を循環させて、前記第一好気槽内の活性汚泥濃度を前記第二好気槽よりも低くすることを特徴とする膜分離活性汚泥処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−76081(P2012−76081A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271123(P2011−271123)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【分割の表示】特願2008−141550(P2008−141550)の分割
【原出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】