説明

膜加工方法

【課題】より低エネルギーで行われ、かつ、加工精度や加工品質にもより優れた、膜加工方法を提供する。
【解決手段】第1主面と当該第1主面に対向する第2主面とを有するガラス基板の前記第1主面上に形成された膜の除去予定部位にレーザ光を照射し、除去部を形成する膜加工方法であって、前記除去予定部位の側面部分を、ピコ秒レーザ光またはフェムト秒レーザ光の照射によって除去する第1工程と、前記第1工程によって側面部分が除去された前記除去予定部位を、ナノ秒レーザ光の照射によって除去し、前記除去部を形成する第2工程と、を備える膜加工方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、プラズマディスプレイパネル(以下「PDP」ともいう。)前面基板を製造する場合においては、ガラス基板上に配置された透明電極用薄膜等にレーザ光を照射してパターニングを行い、電極を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
レーザ光を利用した膜加工方法は、フォトリソグラフィー工程と比較して、工程数を少なくすることができる等の利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−108668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
産業用レーザとしては、COレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザなどが挙げられる。ガラス基板上の薄膜を加工する際には、ガラス基板に与える影響の小さなYAG基本波レーザを用いることが多い。
YAG基本波レーザ光等のナノ秒レーザ光は、膜に与えるエネルギー量が大きい。そのため、レーザ光を照射して除去部を形成した際に、除去部に隣接する膜に熱が拡散し剥がれが生じたり、レーザ加工で除去した金属などが周辺に飛散し残渣(デブリ)を発生させたりするなど、加工品質や加工精度に問題が有った。
そのため、膜厚数μmの金属膜のレーザパターニングは非常に困難であり、より低エネルギーで加工を行いたいという要求があった。
周辺への熱影響やデブリなどの問題を解決する方法として、パルス幅を非常に小さくしたピコ秒レーザやフェムト秒レーザが開発されている。しかし、ピコ秒レーザやフェムト秒レーザはYAGナノ秒レーザほど高出力では発信できないため、非常に小さな面積しか加工できず、比較的大面積加工時には、速度効率が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、以上の点を鑑みてなされた発明であり、より低エネルギーで行われ、かつ、加工精度や加工品質にもより優れた、膜加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した。その結果、まず、膜の除去予定部位の側面部分を除去することで、その後、ナノ秒レーザ光を照射した際に熱が隣接する膜へ逃げにくくなり、膜の除去予定部位にエネルギーを集中させることができ、また、ピコ秒レーザ光またはフェムト秒レーザ光の照射によって側面部分を除去することで、除去予定部位に隣接する膜への熱的影響を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供する。
【0007】
(1)第1主面と当該第1主面に対向する第2主面とを有するガラス基板の前記第1主面上に形成された膜の除去予定部位にレーザ光を照射し、除去部を形成する膜加工方法であって、前記除去予定部位の側面部分を、ピコ秒レーザ光またはフェムト秒レーザ光の照射によって除去する第1工程と、前記第1工程によって側面部分が除去された前記除去予定部位を、ナノ秒レーザ光の照射によって除去し、前記除去部を形成する第2工程と、を備える膜加工方法。
【0008】
(2)前記除去部の幅の長さが、20〜1000μmである、前記(1)に記載の膜加工方法。
【0009】
(3)前記ナノ秒レーザ光を、前記第1主面側から前記膜に照射する、前記(1)または(2)に記載の膜加工方法。
【0010】
(4)前記ナノ秒レーザを、前記第2主面側から前記膜に照射する、前記(1)または(2)に記載の膜加工方法。
【0011】
(5)前記膜が、前記ガラス基板の前記第1主面上に形成された金属層と、当該金属層上に形成されたアシスト層とを有する積層膜であって、前記金属層は金属を含有する層であり、前記アシスト層は、前記金属層が含有する金属よりも光吸収性が高い金属を含有する層である、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の膜加工方法。
【0012】
(6)前記膜が、前記ガラス基板の前記第1主面上に形成されたアシスト層と、当該アシスト層上に形成された金属層とを有する積層膜であって、前記金属層は金属を含有する層であり、前記アシスト層は、前記金属層が含有する金属よりも光吸収性が高い金属を含有する層である、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の膜加工方法。
【0013】
(7)前記膜が、前記ガラス基板の前記第1主面上に形成された低反射層と、当該低反射層上に形成された金属層と、当該金属層上に形成されたアシスト層とを有する積層膜であって、前記低反射層は、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムを含有する層であり、前記金属層は金属を含有する層であり、前記アシスト層は、前記金属層が含有する金属よりも光吸収性が高い金属を含有する層である、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の膜加工方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より低エネルギーで行われ、かつ、加工精度にもより優れた、膜加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】基板1の一例を示す側断面図である。
【図2A】基板1の別の一例を示す側断面図であり、アシスト層40が金属層30上に形成されている状態を示す。
【図2B】基板1の別の一例を示す側断面図であり、アシスト層40がガラス基板10の第1主面12上に形成されている状態を示す。
【図3】基板1のさらに別の一例を示す側断面図である。
【図4】本発明の膜加工方法によって膜60が加工された状態の基板1の一例を示す側断面図である。
【図5】本発明の膜加工方法によって膜60が加工された状態の基板1の一例を示す平面図である。
【図6A】第1工程の一例を示す側断面図であり、除去予定部位65の一方の側面部分65aを除去している状態を示す。
【図6B】第1工程の一例を示す側断面図であり、除去予定部位65の他方の側面部分65bを除去している状態を示す。
【図7】第2工程の一例を示す側断面図である。
【図8】第2工程の別の一例を示す側断面図である。
【図9】エッジ形状の評価方法を模式的に示す側断面図である。
【図10】デブリ発生状況の評価方法を模式的に示す平面図である。
【図11】膜剥がれの評価方法を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[本発明の膜加工方法が用いられる対象]
まず、以下では、図1に基いて、本発明の膜加工方法が用いられる対象の一例として、膜付き基板(以下、単に「基板」ともいう)1について説明する。
【0017】
図1は、基板1の一例を示す側断面図である。基板1は、第1主面12と当該第1主面12に対向する第2主面14とを有するガラス基板10を有し、その第1主面12上に膜60が形成されている。なお、基板1をPDP前面基板として用いる場合、PDP鑑賞側は第2主面14側となる。
【0018】
〔ガラス基板〕
ガラス基板10は、強度および耐久性が他の材質に比べて優れている。ガラス基板10の種類は特に限定されず、例えば、従来公知の各種ガラス基板(ソーダライムガラス、無アルカリガラス等)を用いることができる。好ましい具体的態様の1つとして、PDP用高歪点ガラスを挙げることができる。また、その大きさや厚さも特に限定されない。例えば、縦横の長さとして、各々、400〜3000mm程度のものを好ましく用いることができる。また、その厚さは0.7〜3.0mmが好ましく、1.5〜3.0mmがより好ましい。
【0019】
〔膜〕
ガラス基板10の第1主面12上に形成される膜60は、単一の層からなる単層膜であっても、異なる層が積層してなる積層膜であってもよいが、少なくとも、金属材料で構成された金属層30を有する。すなわち、膜60が単層膜である場合、膜60は金属層30のみからなる。なお、図1においては、膜60が単一の金属層30のみからなる基板1について示している。
【0020】
<金属層>
金属層30を構成する金属材料としては、金属であれば特に限定されない。もっとも、基板1がPDP前面基板として用いられる場合には、金属層30によって電極が構成されることから、金属材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金(Al合金)等、シート抵抗が0.01Ω/□以下の金属材料が挙げられる。
これらの金属材料のうち、金属層30上に誘電体を設けた場合に、当該誘電体に泡を発生させてしまうことがなく、また、焼成前後における寸法精度(パターニングされた電極層30の寸法が焼成前後で変化し難い特性)に優れ、さらに、焼成後の抵抗維持性(焼成後に抵抗値が焼成前と比較して多大にならない特性)にも優れる等の理由から、AlまたはAl合金であるのが好ましい。
なかでも、レーザ光が照射された際に、より蒸発しやすく、より低エネルギーでの加工が可能になるという理由から、Al合金がより好ましい。
【0021】
Alに添加されるAl以外の金属としては、例えば、Zr、Nb、Mo、Si、Mn等が挙げられる。このようなAl合金としては、例えば、Al−Nd、Al−Zr−Nb、Al−Mo−Si、Al−Mn−Si等が挙げられ、高温焼成後の耐酸化性と低抵抗維持性が両立できる観点から、Al−Nd、Al−Zr−Nbであるのが好ましい。
【0022】
金属層30の厚さは、用途に応じて種々の厚さであってよいが、一般的な半導体電子デバイスの配線膜としては、必要な抵抗基準に合わせて、0.1〜10μmの範囲から選択するのが好ましく、特にフラットパネルディスプレイの電極配線としては、0.5〜6μmであるのがより好ましく、プラズマパネルディスプレイの電極配線限定として使用する際、低抵抗維持するには2〜5μmであるのがさらに好ましい。
【0023】
<アシスト層>
図2は、基板1の別の一例を示す側断面図である。積層膜である場合の膜60は、金属層30上またはガラス基板10の第1主面12上に、アシスト層40を有していてもよい。なお、アシスト層40については、特願2010−089595の明細書に詳しい。
【0024】
図2Aは、アシスト層40が金属層30上に形成されている状態を示し、図2Bは、アシスト層40がガラス基板10の第1主面12上に形成されている状態を示している。
アシスト層40は、金属層30が含有する金属とは異なる金属であって、金属層30が含有する金属よりも光吸収性が高い金属を含有しており、金属層30とは光吸収性が異なっている。
【0025】
アシスト層40が金属層30上に形成されている場合には、後述する第2工程で用いられるナノ秒レーザ光はガラス基板10の第1主面12側から照射されるのが好ましい。また、アシスト層40がガラス基板10の第1主面12上に形成されている場合には、後述する第2工程で用いられるナノレーザ光はガラス基板10の第2主面14側から照射されるのが好ましい。
アシスト層40が形成されていることによって、金属層30の光吸収性が低いためにレーザ光を十分に吸収して蒸発しにくい場合であっても、照射されたレーザ光が十分に金属層30に伝達されて、金属層30が除去されやすくなる。
なお、アシスト層40は、レーザ光の照射によって、金属層30とともに除去される。
【0026】
アシスト層40の構成材料である金属としては、金属層30に効率良くレーザ光の熱エネルギーを伝達できる金属であるのが好ましい。
例えば、金属層30がAlまたはAl合金を含有する場合、アシスト層40の構成材料は、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)であるのが好ましく、クロム(Cr)であるのがより好ましい。これにより、アシスト層40が形成されていない場合と比較して、より低いパワーのレーザ光によって、金属層30を蒸発させることができる。
アシスト層40の厚さは、金属層30の厚さに応じて種々の厚さであってよいが、5〜200nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。アシスト層40の厚さが5nm以上であれば、金属層30をパターニングするために必要な量のレーザ光を吸収できる膜厚として十分であり、200nm以下であればレーザ光を吸収するための膜厚が必要以上にならず、効率良く金属層30をパターニングできる。
【0027】
<低反射層>
図3は、基板1のさらに別の一例を示す側断面図である。図3に示すように、ガラス基板10の第1主面12上に形成されるアシスト層40に代えて、光吸収性が高く反射率が低い低反射層20が形成されていてもよい。
基板1がPDP前面基板として用いられる場合、ガラス基板10の第2主面14側からの入射光を反射しないようにするために、低反射層20を要する。
低反射層20の反射率は、例えば10%以下であるのが好ましい。なお、低反射層20の反射率とは、第2主面14の法線方向に対して入射角5°で第2主面14側から入射された波長350〜800nmの光に対する反射率(%)のうち、この波長範囲で最低値を示す反射率(%)のことをいう。
低反射層20は、その構成材料として、少なくとも酸化チタン(TiO,x>0)または酸化ジルコニウム(ZrO,x>0)を含有しているのが好ましい。これにより、低反射層20においては、低い反射率が実現されるとともに、ガラス基板10および/または金属層30に対する優れた密着性が実現される。
低反射層20の厚さは、用途に応じた種々の厚さであってよいが、金属層30に合わせて必要な低反射率を得るには、25〜200nmであるのが好ましく、さらに反射率10%以下を得るには、50〜100nmであるのがより好ましい。
【0028】
低反射層20がガラス基板10の第1主面12上に形成されている場合には、後述する第2工程で用いられるナノレーザ光はガラス基板10の第2主面14側から照射されるのが好ましい。アシスト層40が形成されている場合と同様に、照射されたレーザ光が十分に金属層30に伝達されて、金属層30が除去されやすく、より低エネルギーでの加工が可能となる。
【0029】
積層膜である場合の膜60は、さらに別の層を有していてもよく、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)の前面板電極として使用される場合、誘電体の侵食を防ぐために、金属層30上に形成されたアシスト層40上に、保護層構成材料として酸化スズ(SnO)を含有する層(図示せず)を有していてもよい。
【0030】
[本発明の膜加工方法]
次に、図4および図5に基いて、本発明の膜加工方法の概要を説明する。図4は、本発明の膜加工方法によって膜60が加工された状態の基板1の一例を示す側断面図であり、図5は、その平面図である。
【0031】
概略的には、本発明の膜加工方法は、ガラス基板10の第1主面12上に形成された膜60の不要部位である除去予定部位65を、レーザ光源(図4および図5では図示せず)によって生成されるレーザ光(図4および図5では図示せず)の照射によって除去し、除去部71を形成する膜加工方法である。
図4および図5においては、膜60の加工が一部終了しており、複数の除去部71が形成され、除去部71はガラス基板10を露出させている。
このとき、ガラス基板10の第1主面12側から膜60にレーザ光を照射させる場合は、膜60とレーザ光源との間に、ガラス基板10の第2主面14側から膜60にレーザ光を照射させる場合は、第2主面14とレーザ光源との間に、所定のパターンが形成されたマスク(図示せず)を配置し、当該マスクを介して膜60にレーザ光を照射させることで、膜60が所定のパターンを描くように、レーザ光を照射してもよい。
膜60のパターンは、用途に応じて種々のパターンとすることができる。例えば、金属層30(図4および図5では図示せず)がPDP前面基板用の電極を形成する場合、図4および図5に示すように、所定幅を有するライン状の除去部71が所定間隔をもって形成されるようにしてもよい。これにより、除去されずに残された膜60が、除去部71を介して、平行配置された複数本のライン状パターンを形成する。
【0032】
次に、このような本発明の膜加工方法の詳細について説明する。本発明の膜加工方法は、後述する第1工程および第2工程を、この順に備える。
【0033】
〔第1工程〕
図6は、第1工程の一例を示す側断面図である。第1工程は、ガラス基板10の第1主面12上に形成された膜60の除去予定部位65の側面部分65aおよび側面部分65bを、レーザ光源80が生成したレーザ光81の照射によって除去する工程である。
【0034】
より詳細には、まず、図6Aに示すように、除去予定部位65の一方の側面部分65aを、膜60が形成されている第1主面12側からのレーザ光81の照射によって蒸発させて除去する。続けて、図6Bに示すように、除去予定部位65の他方の側面部分65bを、同様に、膜60が形成されている第1主面12側からのレーザ光81の照射によって蒸発させて除去する。
こうして、まず、除去部71(図4等参照)の側面部分である側面除去部71aおよび側面除去部71b(図7参照)が形成される。
【0035】
第1工程に用いられるレーザ光81は、パルス幅がピコ秒(ps:10−12秒)であるピコ秒レーザ光、または、パルス幅がフェムト秒(fs:10−15秒)であるフェムト秒レーザ光である。
【0036】
このようなレーザ光81としては、ピコ秒レーザ光またはフェムト秒レーザ光であって膜60を除去できるものであれば特に限定されないが、ピコ秒レーザ光としては、パルス幅が1〜500psであるのが好ましく、パルスエネルギーが100μJ〜1mJであるのが好ましく、波長が532〜1064nmであるのが好ましく、繰り返し周波数が50kHz〜50MHzであるのが好ましく、レーザ平均出力が2〜50Wであるのが好ましい。
また、フェムト秒レーザ光としては、パルス幅が15〜800fsであるのが好ましく、パルスエネルギーが5μJ〜1mJであるのが好ましく、波長が800〜1552nmであるのが好ましく、繰り返し周波数が50kHz〜80MHzであるのが好ましく、レーザ平均出力が200mW〜15Wであるのが好ましい。
【0037】
レーザ光源80は、このようなレーザ光81を生成して発射できるものであれば、特に限定されず、種々のレーザ光源を用いることができる。
【0038】
〔第2工程〕
図7は、第2工程の一例を示す側断面図であり、図8は、第2工程の別の一例を示す側断面図である。
第2工程は、第1工程によって側面部分65aおよび側面部分65bが除去された除去予定部位65を、レーザ光源90が生成したレーザ光91の照射によって除去し、除去部71(図4等参照)を形成する工程である。
【0039】
第2工程においては、図7に示すように、除去予定部位65に、膜60が形成されている第1主面12側からレーザ光91を照射してもよいし(以下「膜面照射」ともいう)、図8に示すように、ガラス基板10の第2主面14側からレーザ光91を照射してもよい(以下「ガラス面照射」ともいう)。
【0040】
第2工程に用いられるレーザ光91は、パルス幅がナノ秒(ns:10−9秒)であるナノ秒レーザ光である。
レーザ光91としては、例えば、YAG基本波レーザ光が挙げられ、ナノ秒レーザ光であって膜60を除去できるものであれば特に限定されない。ナノ秒レーザ光としては、パルス幅が10〜500nsであるのが好ましく、フルエンスが3〜17J/cmであるのが好ましく、波長が1060〜1064nmであるのが好ましく、繰り返し周波数が1〜10kHzであるのが好ましく、レーザ平均出力が100〜800Wであるのが好ましい。
【0041】
もっとも、後述するように従来のレーザ加工(後述)よりも、膜60の除去に要するエネルギー(フルエンス)を低減できる。
【0042】
レーザ光源90は、ナノ秒レーザ光であるレーザ光91を生成して発射できるものであれば、特に限定されず、種々のレーザ光源を用いることができる。
【0043】
ここで、本発明の膜加工方法(以下「2次レーザ加工法」ともいう。)と、第1工程を経ずに(つまり、レーザ光81の照射によって側面部分65aおよび側面部分65bを除去せずに)、いきなり、レーザ光91の照射だけで除去予定部位65を除去しようとする方法(以下「従来レーザ加工法」ともいう)と、を比較する。
【0044】
2次レーザ加工法においては、第2工程の段階では、除去予定部位65は、側面除去部71aおよび側面除去部71bという空間を介して、隣接する膜60から隔離されている。そのため、レーザ光91を除去予定部位65に照射した場合の熱は、従来レーザ加工法よりも、隣接する膜60に逃げにくく、除去予定部位65にエネルギーを集中させることができる。これにより、2次レーザ加工法においては、従来レーザ加工法よりも、より低エネルギーのレーザ光91で、除去予定部位65を蒸発させて除去することができる。
【0045】
このとき、除去部71(となる当初の除去予定部位65)の幅の長さ(図7および図8中、Wで示す)は、熱が除去予定部位65に拡散せず留まってより蒸発させやすいという観点から、20〜1000μmであるのが好ましく、基板1をPDP前面基板として用いる観点からは、50〜200μmであるのがより好ましい。
【0046】
また、第1工程にて形成される、側面除去部71aおよび側面除去部71bの幅の長さ(WaおよびWbで示す)は、除去予定部位65の幅の長さに応じて適切な長さにすればよいが、側面除去部71aおよび側面除去部71bの幅が長いほど、走査速度(加工速度)が遅くなるため、1〜20μmであるのが好ましく、5〜10μmであるのがより好ましい。
【0047】
そして、2次レーザ加工法においては、側面部分65aおよび側面部分65bを除去する際には、ピコ秒レーザ光またはフェムト秒レーザ光が用いられている。ピコ秒レーザ光またはフェムト秒レーザ光は、熱的影響がナノ秒レーザ光を用いた場合よりも小さい。そのため、除去予定部位65に隣接する膜60の剥がれ等を抑制できるなど、レーザ光91のみを用いる従来レーザ加工法よりも、エッジ形状が良好となり、膜剥がれも少なくなる点で加工精度や加工品質に優れる。
【0048】
また、2次レーザ加工法の第2工程においては、上述したように、図7に示す膜面照射であっても、図8に示すガラス面照射であってもよいが、膜60を除去しやすいという観点からは、ガラス面照射の方が好ましい。すなわち、ガラス面照射であれば、ガラス基板10と膜60との接触部分を優先的に蒸発させることで、膜60がより除去されやすくなる。
【0049】
ここで、膜60が積層膜である場合、具体的には、ガラス基板10の第1主面12上に金属層30が形成され、この金属層30上にアシスト層40が形成されている場合;ガラス基板10の第1主面12上にアシスト層40が形成され、このアシスト層40上に金属層30が形成されている場合;ガラス基板10の第1主面12上に低反射層20が形成され、この低反射層20上に金属層30が形成され、この金属層30上にアシスト層40が形成されている場合;等について考える。この場合、金属層30の単層膜である場合と比較して、除去予定部位65に照射されたレーザ光91の熱はより周囲に伝達されやすい状態にあると考えられる。そのままレーザ光91で照射すると、周囲に伝達される熱の影響により、除去部71の両端のパターン(膜60)のエッジ形状が悪く(盛り上がりが生じる)なったり、膜剥がれや残渣(デブリ)が生じたりするなど、加工精度や加工品質が悪くなる。
しかし、第1工程において、側面除去部71aおよび側面除去部71bが形成されるため、除去予定部位65に隣接する膜60への熱の拡散が遮断される。その一方で、除去予定部位65においては、アシスト層40等から金属層30へ熱が伝達されやすくなっているため、膜60の蒸発(除去)がより容易となる。
したがって、膜60が金属層30の単層膜である場合よりも、上記のような積層膜である場合の方が、より低エネルギーでの除去が可能となる。
さらに、側面部分65aおよび側面部分65bが除去された除去予定部位65を除去する際、除去予定部位65に隣接する膜60への熱の拡散が遮断されるため、側面除去部71aおよび側面除去部71bの両端のパターン(膜60)のエッジ形状に影響がなく、フェムト秒レーザまたはピコ秒レーザで仕上げた後の高精度の形状が保たれる。
【実施例】
【0050】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
<加工対象>
(加工対象1)
ガラス基板(PD200、厚さ:1.8mm、旭硝子社製)の第1主面上に、ArガスとAlターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Alで構成された金属層(厚さ:5μm)を形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された単層の膜(Al)を加工対象1とした。
(加工対象2)
ガラス基板(PD200、厚さ:1.8mm、旭硝子社製)の第1主面上に、ArガスとAl−Nd(Nd:2at%)ターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Al−Ndで構成された金属層(厚さ:5μm)を形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された単層の膜(Al−Nd)を加工対象2とした。
(加工対象3)
ガラス基板(PD200、厚さ:1.8mm、旭硝子社製)の第1主面上に、ArガスとAl−Zr−Nb(Zr:1〜1.5at%、Nb:0.1〜0.5at%)ターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Al−Zr−Nbで構成された金属層(厚さ:5μm)を形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された単層の膜(Al−Zr−Nb)を加工対象3とした。
【0052】
(加工対象4)
加工対象1の金属層上に、ArガスとCoターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Coで構成されたアシスト層(厚さ:50nm)を形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された積層の膜(Al/Co)を加工対象4とした。
(加工対象5)
加工対象2の金属層上に、ArガスとCoターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Coで構成されたアシスト層(厚さ:50nm)を形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された積層の膜(Al−Nd/Co)を加工対象5とした。
(加工対象6)
加工対象2の金属層上に、ArガスとCrターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Crで構成されたアシスト層(厚さ:50nm)を形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された積層の膜(Al−Nd/Cr)を加工対象6とした。
【0053】
(加工対象7)
ガラス基板(PD200、厚さ:1.8mm、旭硝子社製)の第1主面上に、ArガスとCoターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Coで構成されたアシスト層(厚さ:50nm)を形成した。次に、ArガスとAlターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Alで構成された金属層(厚さ:5μm)をアシスト層上に形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された積層の膜(Co/Al)を加工対象7とした。
(加工対象8)
ガラス基板(PD200、厚さ:1.8mm、旭硝子社製)の第1主面上に、ArガスとCrターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Crで構成されたアシスト層(厚さ:50nm)を形成した。次に、ArガスとAlターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Alで構成された金属層(厚さ:5μm)をアシスト層上に形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された積層の膜(Cr/Al)を加工対象8とした。
【0054】
(加工対象9)
ガラス基板(PD200、厚さ:1.8mm、旭硝子社製)の第1主面上に、Ar+COの混合ガス(COガス濃度:10%)とTiターゲットとを用いてスパッタリングを行い、酸化チタン(TiO)で構成された低反射層(厚さ:40nm)を形成した。次に、ArガスとAlターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Alで構成された金属層(厚さ:5μm)を低反射層上に形成した。次に、ArガスとCrターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Crで構成されたアシスト層(厚さ:50nm)を金属層上に形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された積層の膜(TiO/Al/Cr)を加工対象9とした。
(加工対象10)
ガラス基板(PD200、厚さ:1.8mm、旭硝子社製)の第1主面上に、Ar+COの混合ガス(COガス濃度:10%)とTiターゲットとを用いてスパッタリングを行い、酸化チタン(TiO)で構成された低反射層(厚さ:40nm)を形成した。次に、ArガスとAl−Nd(Nd:2at%)ターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Al−Ndで構成された金属層(厚さ:5μm)を低反射層上に形成した。次に、ArガスとCrターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Crで構成されたアシスト層(厚さ:50nm)を金属層上に形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された積層の膜(TiO/Al−Nd/Cr)を加工対象10とした。
(加工対象11)
ガラス基板(PD200、厚さ:1.8mm、旭硝子社製)の第1主面上に、Ar+COの混合ガス(COガス濃度:10%)とTiターゲットとを用いてスパッタリングを行い、酸化チタン(TiO)で構成された低反射層(厚さ:40nm)を形成した。次に、ArガスとAl−Zr−Nb(Zr:1〜1.5at%、Nb:0.1〜0.5at%)ターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Al−Zr−Nbで構成された金属層(厚さ:5μm)を低反射層上に形成した。次に、ArガスとCrターゲットとを用いてスパッタリングを行い、Crで構成されたアシスト層(厚さ:50nm)を金属層上に形成した。このようにしてガラス基板の第1主面上に形成された積層の膜(TiO/Al−Zr−Nb/Cr)を加工対象11とした。
【0055】
<加工法>
(加工法1:従来レーザ加工法[膜面照射])
YAG基本波レーザ光を照射して、膜にライン状の除去部(幅の長さ:35μm)を形成した。このとき、レーザ光を、ガラス基板の第1主面側から膜に照射した(膜面照射)。YAG基本波レーザ光の条件は、次のとおりである。
波長:1060nm、レーザ最大平均出力:20W、パルス幅:約190ns
【0056】
(加工法2:従来レーザ加工法[ガラス面照射])
上記YAG基本波レーザ光をガラス基板の第2主面側から膜に照射した(ガラス面照射)。それ以外は、加工法1と同様にした。
【0057】
(加工法3:2次レーザ加工法[膜面照射])
上述した2次レーザ加工法を用いて、膜にライン状の除去部(幅の長さ:47μm)を形成した。具体的には、まず、第1工程として、ガラス基板の第1主面側から、フェムト秒レーザ光を、膜の除去予定部位における側面部分に照射して、側面除去部(幅の長さ:6μm)を形成した。次に、第2工程として、上記YAG基本波レーザ光を、ガラス基板の第1主面側から、側面部分が除去された除去予定部位に照射して、除去部を形成した。上記フェムト秒レーザ光の条件は、次のとおりである。
波長:1552nm、レーザ最大平均出力:5W、パルス幅:800fs
【0058】
(加工法4:2次レーザ加工法[ガラス面照射])
第2工程におけるYAG基本波レーザ光をガラス基板の第2主面側から膜に照射した(ガラス面照射)。それ以外は、加工法3と同様にした。
【0059】
<評価>
各加工法により膜の加工を行った。その際、以下の評価を行った。結果を下記第1表に示す。
【0060】
(フルエンス)
膜の除去予定部を完全に除去して除去部を形成するのに要したYAG基本波レーザ光のフルエンス(単位面積当たりのエネルギー量)[J/cm]の値を調べた。値が低いほど、より低エネルギーで膜の加工が可能であることを示す。
【0061】
(エッジ形状)
図9は、エッジ形状の評価方法を模式的に示す側断面図である。図9に示すように、膜60に除去部71が形成される際、レーザ光の照射による熱的影響を受けて、そのエッジ部分に、膜60の表面から突出するような形状(バリ)が出現する場合がある。このようなバリが出現すると加工精度や加工品質に劣ると評価される。
そこで、加工後の膜60のエッジ形状を、レーザ顕微鏡を用いて観察した。図9中、H1がバリの高さを示し、H2が膜60の高さを示している。
「(H1/H2)×100」の値が1%以下である場合は熱的影響が非常に小さく加工精度や加工品質に非常に優れるものとして「A」と評価した。その値が1%超10%以下である場合は熱的影響が小さく加工精度や加工品質に優れるものとして「B」と評価した。その値が10%超100%未満である場合は熱的影響がややあり加工精度や加工品質にやや劣るものとして「C」と評価した。その値が100%以上である場合は熱的影響が大きく加工精度や加工品質に劣るものとして「D」と評価した。
【0062】
(デブリ発生状況)
図10は、デブリ発生状況の評価方法を模式的に示す平面図である。図10に示すように、膜60にレーザ光が照射されて除去部71が形成される際、照射部位から膜60の破片(デブリ)50が飛び散って、周囲の膜60に付着する。レーザ光の照射による熱的影響が大きいほど、デブリ50の付着範囲は広範囲となり、加工品質に劣る。
そこで、加工後の膜60におけるデブリ発生状況を、SEMを用いて観察した。図10中、X1およびX2は、デブリ50が付着した膜60の幅の長さを示している。
X1およびX2の最大値が1μm未満である場合は熱的影響が非常に小さく加工品質に非常に優れるものとして「A」と評価した。その最大値が1μm以上5μm未満である場合は熱的影響が小さく加工品質に優れるものとして「B」と評価した。その最大値が5μm以上10μm以下である場合は熱的影響がややあり加工品質にやや劣るものとして「C」と評価した。その最大値が10μm超である場合は熱的影響が大きく加工品質に劣るものとして「D」と評価した。
【0063】
(膜剥がれ)
図11は、膜剥がれの評価方法を模式的に示す平面図である。図11に示すように、膜60にレーザ光が照射されて除去部71が形成される際、レーザ光の照射による熱的影響が大きいほど、除去部71に隣接する膜60がガラス基板10から剥がれて、形状に異変が生じてしまう。図11中、膜60の剥がれをZで示している。
そこで、加工後における膜60の剥がれを、SEMを用いて観察した。図11中、Y1およびY2は、剥がれが生じた膜60の幅の長さを示している。
Y1およびY2の最大値が1μm未満である場合は熱的影響が非常に小さく加工精度に非常に優れるものとして「A」と評価した。その最大値が1μm以上5μm未満である場合は熱的影響が小さく加工精度に優れるものとして「B」と評価した。その最大値が5μm以上10μm以下である場合は熱的影響がややあり加工精度にやや劣るものとして「C」と評価した。その最大値が10μm超である場合は熱的影響が大きく加工精度に劣るものとして「D」と評価した。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
前記第1表に示す結果から、2次レーザ加工法(加工法3または4)を用いた場合(各実施例)においては、従来レーザ加工法(加工法1または2)を用いた場合(各比較例)と比較して、低エネルギーで、かつ、加工精度や加工品質に優れた加工が可能になることが分かった。
また、2次レーザ加工法(加工法3または4)を用いた各実施例においては、膜面照射(加工法3)よりもガラス面照射(加工法4)の方が、より低エネルギーでの加工が可能となり、加工精度や加工品質もさらに優れることが分かった。
【0067】
また、Alで構成された金属層を有する加工対象(例えば、加工対象1)を使用した実施例よりも、Al−NdまたはAl−Zr−Nbで構成された金属層を有する加工対象(例えば、加工対象2または3)を使用した実施例の方が、より低エネルギーでの加工が可能になる傾向にあることが分かった。このような傾向は、例えば、実施例3と実施例7と実施例11との対比結果、実施例4と実施例8と実施例12との対比結果等から導かれる。
【符号の説明】
【0068】
1 膜付き基板(基板)
10 ガラス基板
12 第1主面
14 第2主面
20 低反射層
30 金属層
40 アシスト層
50 デブリ
60 膜
65 除去予定部位
65a 側面部分
65b 側面部分
71 除去部
71a 側面除去部
71b 側面除去部
80 レーザ光源
81 レーザ光
90 レーザ光源
91 レーザ光
H1 バリの高さ
H2 膜の高さ
W 除去部の幅の長さ
Wa,Wb 側面除去部の幅の長さ
X1,X2 デブリが付着した膜の幅の長さ
Y1,Y2 剥がれが生じた膜の幅の長さ
Z 膜の剥がれ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と当該第1主面に対向する第2主面とを有するガラス基板の前記第1主面上に形成された膜の除去予定部位にレーザ光を照射し、除去部を形成する膜加工方法であって、
前記除去予定部位の側面部分を、ピコ秒レーザ光またはフェムト秒レーザ光の照射によって除去する第1工程と、
前記第1工程によって側面部分が除去された前記除去予定部位を、ナノ秒レーザ光の照射によって除去し、前記除去部を形成する第2工程と、
を備える膜加工方法。
【請求項2】
前記除去部の幅の長さが、20〜1000μmである、請求項1に記載の膜加工方法。
【請求項3】
前記ナノ秒レーザ光を、前記第1主面側から前記膜に照射する、請求項1または2に記載の膜加工方法。
【請求項4】
前記ナノ秒レーザを、前記第2主面側から前記膜に照射する、請求項1または2に記載の膜加工方法。
【請求項5】
前記膜が、前記ガラス基板の前記第1主面上に形成された金属層と、当該金属層上に形成されたアシスト層とを有する積層膜であって、
前記金属層は金属を含有する層であり、
前記アシスト層は、前記金属層が含有する金属よりも光吸収性が高い金属を含有する層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜加工方法。
【請求項6】
前記膜が、前記ガラス基板の前記第1主面上に形成されたアシスト層と、当該アシスト層上に形成された金属層とを有する積層膜であって、
前記金属層は金属を含有する層であり、
前記アシスト層は、前記金属層が含有する金属よりも光吸収性が高い金属を含有する層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜加工方法。
【請求項7】
前記膜が、前記ガラス基板の前記第1主面上に形成された低反射層と、当該低反射層上に形成された金属層と、当該金属層上に形成されたアシスト層とを有する積層膜であって、
前記低反射層は、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムを含有する層であり、
前記金属層は金属を含有する層であり、
前記アシスト層は、前記金属層が含有する金属よりも光吸収性が高い金属を含有する層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜加工方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−73894(P2013−73894A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214214(P2011−214214)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】