説明

臓器輪郭抽出方法

【課題】臓器輪郭抽出方法において、位置的に連続した複数枚の各断面画像における臓器の輪郭を抽出する際の処理効率を低下させることなく臓器輪郭をより正確に抽出する。
【解決手段】1枚目の断層画像における臓器の輪郭を任意の方法で抽出した後、N枚目の断層画像Gnにおけるエッジ検出により臓器1Aの輪郭の一部を成す輪郭部分の候補となる多数の候補輪郭部分Rn(1)〜Rn(v)を検出し、N−1枚目の断層画像Gn−1において既に抽出された臓器1Aの輪郭Rn−1を形状を保持しつつ変形や移動をさせ、多数の候補輪郭部分Rn(1)〜Rn(v)のうち、前記形状を保持しつつ変形や移動をさせた輪郭と略一致する複数の候補輪郭部分Rn(3)、Rn(5)、Rn(6)・・・を含む輪郭をN枚目における臓器1Aの輪郭Rnとして抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は臓器輪郭抽出方法に関し、詳しくは、臓器中の互に異なる断面を表す画像を表す各断層画像それぞれについて臓器の輪郭を抽出する臓器輪郭抽出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、診断対象となる臓器中の同一断面を表す断層画像を時系列的に取得し、各断層画像について臓器の輪郭を効率良く抽出する手法が知られている。この手法は、1枚目の断層画像に示される臓器の輪郭を利用して、2枚目以降の断層画像における臓器の輪郭を抽出するものである(特許文献1参照)。より具体的には、この手法は、1枚目の断層画像における臓器の輪郭(以後、省略して臓器輪郭ともいう)の中心点の位置を、これに続く2枚目の断層画像における対応位置に転写してこの2枚目の断層画像における臓器輪郭の中心点の予想位置を先に仮設定しておき、その後、この仮設定された中心点の位置を基準にして2枚目の断層画像における臓器輪郭を抽出するものである。
【0003】
また、その手法を、診断対象となる臓器の位置的に連続した互に異なる断面を表す各断層画像(スライス画像ともいう)について臓器輪郭を抽出する際に適用することが検討されている。例えば、1枚目の断層画像における臓器輪郭を任意の方法で抽出した後、この抽出された輪郭の中心点を2枚目の断層画像中の対応位置に転写してこの2枚目の断層画像における臓器輪郭の中心点の予想位置を先に仮設定しておく。そして、この仮設定された中心点の位置を基準にして2枚目の断層画像における臓器輪郭を抽出する方式が検討されている。
【0004】
なお、診断対象となる臓器の断層画像は、被験者の身長方向に対して直交する断面を表す画像を採用するのが一般的である。
【特許文献1】特開平07−249115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、位置的に連続した各断層画像間において臓器輪郭の大きさや位置は大きく変化する。そのため、1枚目の断層画像中の臓器輪郭の中心点を2枚目の断層画像中の対応位置に転写してこの2枚目の断層画像における臓器輪郭の中心点の予想位置を仮設定する際に大きな位置ずれが生じることがある。
【0006】
すなわち、1枚目の臓器輪郭の中心点を2枚目の断層画像中の対応位置に転写したときに、この2枚目の断層画像に転写され仮設定された中心点の位置が、2枚目の断層画像における臓器輪郭の正しい中心点の位置から大きくずれたり、あるいは臓器輪郭内の領域から外れたりすることがある。このように、仮設定された中心点に大きな位置ずれが生じると、この位置を基準に抽出される臓器輪郭にも誤差が生じたり、さらに臓器輪郭を抽出できないこともある。
【0007】
また、2枚目の断層画像への中心点の転写を利用することなく臓器輪郭を抽出しようとすると、画像処理の計算量が増大する等のことにより臓器輪郭を抽出する処理の効率が低下してしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、臓器輪郭を抽出する際の処理効率を低下させることなくより正確に臓器輪郭を抽出することができる臓器輪郭抽出方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の臓器輪郭抽出方法は、診断対象となる臓器中の位置的に連続した互に異なる断面を表す複数枚の各断層画像について臓器の輪郭を抽出する際、1枚目の断層画像における臓器の輪郭を任意の方法で抽出した後、2枚目以降の断層画像における臓器の輪郭を、この2枚目以降のN枚目の断層画像に隣接する既に輪郭が抽出されたN−1枚目の断層画像における輪郭を利用して抽出する臓器輪郭抽出方法において、N枚目の断層画像におけるエッジ検出により臓器の輪郭の一部を成す輪郭部分の候補となる多数の候補輪郭部分を検出し、N−1枚目の断層画像において抽出された臓器の輪郭を、形状を保持しつつ変形および/または移動させて、N枚目の断層画像で抽出された多数の候補輪郭部分のうち、前記変形および/または移動させた臓器の輪郭と略一致する複数の候補輪郭部分を含む輪郭をN枚目における臓器の輪郭として抽出することを特徴とするものである。
【0010】
前記N−1枚目の断層画像から抽出された臓器の輪郭を含むこの輪郭近傍の領域に対応するN枚目の断層画像中の領域を、N−1枚目の断層画像から抽出された臓器の輪郭を形状を保持しつつ変形および/または移動させる領域とすることが望ましい。すなわち、N−1枚目の断層画像から抽出された臓器の輪郭を含むこの輪郭の近傍の領域をN枚目の断層画像へ転写して形成した領域を、N−1枚目の断層画像から抽出された臓器の輪郭を形状を保持しつつ変形および/または移動させる領域とすることが望ましい。
【0011】
なお、N−1枚目の断層画像中の領域とN枚目の断層画像中の領域との対応付けは、例えば、N−1枚目とN枚目の各断層画像中に示される背骨、あるいは体内と外部との境界等を基準にして行うことができる。
【0012】
前記変形は相似拡大または相似縮小とすることができ、前記移動は平行移動および/または回転とすることができる。
【0013】
前記診断対象となる臓器中の位置的に連続した互に異なる断面としては、例えば被験者の身長方向や被験者の背骨の延びる方向に対して直交する断面を採用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の臓器輪郭抽出方法によれば、N枚目の断層画像におけるエッジ検出により臓器の輪郭の一部を成す輪郭部分の候補となる多数の候補輪郭部分を検出し、N−1枚目の断層画像において抽出された臓器の輪郭を、形状を保持しつつ変形および/または移動させて、N枚目の断層画像で抽出された多数の候補輪郭部分のうち、前記変形および/または移動させた臓器の輪郭と略一致する複数の候補輪郭部分を含む輪郭をN枚目における臓器の輪郭として抽出するようにしたので、臓器輪郭を抽出する際の処理効率を低下させることなくより正確に臓器輪郭を抽出することができる。
【0015】
すなわち、従来の方式では、各断層画像間における臓器輪郭の大きさや位置の変化等を考慮することなく一方の断層画像の臓器輪郭の中心点を他方の断層画像に転写し、この転写された中心点の予想位置を基準にして他方の断層画像における臓器輪郭の抽出を行なっていた。そのため、中心点の予想位置が正しい位置から大きくずれたときには抽出された臓器輪郭に大きな誤差が生じることがあった。
【0016】
これに対して、本願発明は、各断層画像間において臓器輪郭の大きさや位置は大きく変化するが、その輪郭の大きさや位置の変化に比して形状の変化は小さく、臓器輪郭の形状には臓器固有の特徴があることに着目して臓器輪郭を抽出するものである。
【0017】
すなわち、一方の断層画像中から既に抽出された臓器輪郭を、形状を保持しつつ変形および/または移動させてこの臓器輪郭と形状が略一致する複数の候補輪郭部分を含む輪郭を他方の断層画像における臓器輪郭として抽出するようにしたので、各断層画像間における臓器輪郭の大きさや位置の変化の影響を受けることなく他方の断層画像における臓器輪郭の予想位置を抽出することができる。この他方の断層画像における臓器輪郭の予想位置を利用して、例えば他方の断層画像中に臓器輪郭の中心点をより正確に仮設定することができ、この仮設定された中心点を基準にして従来より知られている手法等を適用することにより臓器輪郭を抽出することができる。これにより、臓器輪郭を抽出する際の処理効率を低下させることなくより正確に臓器輪郭を抽出することができる。
【0018】
また、N−1枚目の断層画像から抽出された臓器輪郭を含むこの輪郭近傍の領域に対応するN枚目の断層画像の領域を、N−1枚目の断層画像から抽出された臓器輪郭を形状を保持しつつ変形および移動させる領域として定めるようにすれば、不要な領域にまで臓器輪郭を変形させたり移動させたりすることなく臓器輪郭の抽出を実施できるので、臓器輪郭を抽出する際の処理効率を高めることができる。
【0019】
前記変形を相似拡大または相似縮小としたり、前記移動を平行移動や回転とすれば、より確実に臓器輪郭の抽出を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は診断対象となる被験者とこの被験者の臓器中の位置的に連続した互に異なる断面を表す複数枚の各断層画像を示す概念図、図2から図5は断層画像から臓器の輪郭を抽出する様子を示す概念図、図6は臓器輪郭を変形させたり移動させたりする領域を示す図である。
【0021】
ここで、図2(a1)は1枚目の断層画像G1を示す図、図2(a2)は1枚目の断層画像G1中の臓器1Aの輪郭R1を表す輪郭画像H1を示す図である。図3(b1)はN−1枚目の断層画像Gn−1を示す図、図3(b2)はN−1枚目の断層画像Gn−1中の臓器1Aの輪郭Rn−1を表す輪郭画像Hn−1を示す図である。
【0022】
また、図4(c1)はN枚目の断層画像Gnを示す図、図4(c2)はN枚目の断層画像Gnをエッジ検出(輪郭検出)して得たエッジ検出画像Jnを示す図、図4(c3)はN枚目の断層画像Gn中の臓器1Aの輪郭Rnを表す輪郭画像Hnを示す図である。なお、図4(b2)は図3(b2)と同じ図である。
【0023】
さらに、図5(d1)はN+1枚目の断層画像Gn+1を示す図、図5(d2)はN+1枚目の断層画像Gn+1をエッジ検出(輪郭検出)して得たエッジ検出画像Jn+1を示す図、図5(d3)はN+1枚目の断層画像Gn+1中の臓器1Aの輪郭Rn+1を表す輪郭画像Hn+1を示す図である。なお、図5(c3)は図4(c3)と同じ図である。
【0024】
本発明の実施の形態による臓器輪郭抽出方法は、診断対象となる被験者1の臓器、例えば脾臓1Aについて位置的に連続した互に異なる断面D1・・・Dn-1、Dn・・・Deを表す複数枚の各断層画像G1・・・Gn-1、Gn・・・Geそれぞれにおける脾臓1Aの輪郭を抽出するものである。
【0025】
ここで、診断対象となる臓器中の位置的に連続した互に異なる断面は、各断面間における臓器輪郭の大きさや位置の変化に比してこれらの断面間における臓器輪郭の形状の変化が小さい。例えば、被験者の身長方向や被験者の背骨の延びる方向に対して直交する臓器中の位置的に連続した互に異なる各断面は、各断面間における臓器輪郭の大きさや位置の変化に比してこれらの断面間における臓器輪郭の形状の変化が極めて小さいので、ここでは、被験者の身長方向(背骨の延びる方向)に対して直交する各断面を表す断層画像を採用する。
【0026】
この臓器輪郭抽出方法は、脾臓1Aの輪郭を抽出する際、はじめに、1枚目の断層画像G1(図2(a1)参照)における脾臓1Aの正しい輪郭R1を任意の方法で抽出する(図2(a2)参照)。
【0027】
その後、2枚目以降の断層画像における脾臓1Aの輪郭を、2枚目以降のN枚目の断層画像Gnに対して位置的に隣接するN−1枚目の断層画像Gn−1(図3(b1)参照)中の脾臓1Aの臓器輪郭Rn−1(図3(b2)参照)を利用して抽出するものである。
【0028】
ここで、この臓器輪郭抽出方法では、N枚目の断層画像Gn(図4(c1)参照)におけるエッジ検出(輪郭検出)により、断層画像Gn中の脾臓1Aにおける臓器輪郭Rnの一部を示す輪郭部分の候補となる多数の候補輪郭部分Rn(1)〜Rn(v)を検出する(図4(c2)参照)。
【0029】
そして、N−1枚目の断層画像Gn−1において既に抽出された脾臓1Aの臓器輪郭Rn−1(図3(b2)、図4(b2)参照)を、形状を保持しつつ変形させたり移動させたりして、N枚目の断層画像Gnから抽出された多数の候補輪郭部分Rn(1)〜Rn(v)(図4(c2)参照)のうち上記変形させたり移動させたりした臓器輪郭Rn−1と略一致する複数の候補輪郭部分Rn(3)、Rn(5)、Rn(6)、Rn(8)等を含む輪郭をN枚目における脾臓1Aの輪郭Rnとして抽出する(図4(c3)参照)。
【0030】
つづいて、N枚目の断層画像Gnにおいて抽出された輪郭画像Hn中の臓器輪郭Rnを、形状を保持しつつ変形させたり移動させたりして、N+1枚目の断層画像Gn+1(図5(d1)参照)で抽出された多数の候補輪郭部分Rn+1(1)〜Rn+1(w)(図5(d2)参照)のうち上記変形させたり移動させたりした臓器輪郭Rn(図4(c3)、図5(c3)参照)と略一致する複数の候補輪郭部分を含む輪郭をN+1枚目における脾臓1Aの輪郭Rn+1(図5(d3)参照)として抽出する。
【0031】
このように、1枚目の断層画像G1から最後の断層画像Geまで、上記と同様の臓器輪郭を抽出する作用を繰り返すことにより、断層画像G1から断層画像Geまでの各断層画像において予想されるより正確な脾臓1Aの輪郭を抽出することができる。
【0032】
各断層画像について抽出した脾臓1Aの輪郭は、1枚目の画像で抽出した脾臓1Aの輪郭の形状と相似な形状を有するものであり、各断層画像における脾臓1Aの正しい輪郭とは多少のずれがある。
【0033】
そのため、各断層画像について正確な輪郭が必要な場合には、予想される脾臓1Aの各輪郭について仮の中心点の位置を求め、その仮の中心点の位置を基準にして脾臓1Aの輪郭を従来より知られている手法(例えば、特開平07−249115号公報参照)を用いて正確に定めることができる。
【0034】
なお、N−1枚目の断層画像Gn−1から抽出された臓器輪郭Rn−1を、形状を保持しつつ変形させたり移動させたりする領域の範囲を以下のように定めるようにしてもよい。図6(a)は断層画像Gn−1から抽出された輪郭画像Hn−1上に臓器輪郭Rn−1を含むこの臓器輪郭Rn−1の近傍の領域Sn−1を合成して表す領域合成画像KHn−1示す図、図6(b)は断層画像Gnにエッジ検出を施して得られたエッジ検出画像Jn上に上記断層画像Gn−1における領域Sn−1に対応する領域Snを合成して表す領域合成画像KJnを示す図である。
【0035】
上記臓器輪郭を抽出する際に、N−1枚目の断層画像Gn−1から抽出された臓器輪郭Rn−1を含んだこの臓器輪郭Rn−1の近傍の領域Sn−1に対応するN枚目の断層画像中の領域Snを、臓器輪郭Rn−1を形状を保持しつつ変形させたり移動させたりする領域として定めるようにすることができる。これにより、不要な領域にまで臓器輪郭を変形させたり移動させたりすることなく上記臓器輪郭の抽出を実施することができる。
【0036】
ここで、N−1枚目の断層画像中の領域とN枚目の断層画像中の領域との対応付けは、例えば、N−1枚目とN枚目の各断層画像中に示される背骨、あるいは体内と外部との境界等を基準にして実施することができる。
【0037】
なお、本発明における臓器輪郭の変形は、相似拡大および相似縮小とすることができる。また、臓器輪郭の移動は、平行移動または回転とすることができる。
【0038】
なお、断層画像におけるエッジ検出(輪郭検出)は、この断層画像を差分フィルタ(例えば、Sobelフィルタ、ラプラシアンフィルタ)に通すことにより実施することができる。
【0039】
また、臓器輪郭Rn−1の形状を保持しつつこの臓器輪郭Rn−1を変形および移動させる領域Snを表す基準画像JKnは、既に抽出された臓器輪郭Rn−1を表す断層画像である輪郭画像Hn−1に対してエッジをぼかすスムージング処理を施したりこの輪郭画像Hn−1に対して距離マップ処理を施すことによってその範囲を定めることができる。
【0040】
なお、上記スムージング処理には、Gaussian smoothingを採用することができる。また、距離マップ処理には、ユークリッド距離変換を採用することができる。このユークリッド距離変換については以下の文献を参考にすることができる。
【0041】
「斉藤豊文、鳥脇潤一郎著「3次元デジタル画像に対するユークリッド距離変換」 電子情報通信学会論文誌 J76-D-II, No3 pp.445-453 1993年出版」
ここで、断層画像において抽出された臓器輪郭を、形状を保持しつつ変形および/または移動させて、多数の候補輪郭部分のうち上記変形および/または移動させる臓器輪郭と略一致させる処理においては以下のような手法を採用することができる。すなわち、上記形状を保持しつつ変形および/または移動させるパラメータの最適化について、拡大縮小、平行移動、回転移動等の各パラメータを変化させながら最適なパラメータを求める手法、あるいはPowell法(方向集合を用いた多変数関数の極小値の探索方法)等を採用することができる。このPowell法については以下の文献を参照することができる。
【0042】
「Brent, Richard P. 1973, Algorithms for Minimization without Derivatives (Englewood Cliffs, N.J.: Prentice-Hall), Chapter 7」
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】診断対象となる被験者と被験者の臓器中の位置的に連続した互に異なる断面を表す複数枚の各断層画像を示す概念図
【図2】図2(a1)は1枚目の断層画像を示す図、図2(a2)は1枚目の断層画像中の臓器の輪郭を表す輪郭画像を示す図
【図3】図3(b1)はN−1枚目の断層画像を示す図、図3(b2)はN−1枚目の断層画像中の臓器の輪郭を表す輪郭画像を示す図
【図4】図4(c1)はN枚目の断層画像を示す図、図4(c2)はN枚目の断層画像をエッジ検出して得たエッジ検出画像を示す図、図4(c3)はN枚目の断層画像中の臓器の輪郭を表す輪郭画像を示す図、図4(b2)は図3(b2)を転記した図
【図5】図5(d1)はN+1枚目の断層画像を示す図、図5(d2)はN+1枚目の断層画像をエッジ検出して得たエッジ検出画像を示す図、図5(d3)はN+1枚目の断層画像中の臓器の輪郭を表す輪郭画像を示す図、図5(c3)は図4(c3)を転記した図
【図6】図6(a)は断層画像から抽出された輪郭画像上に臓器輪郭を含むこの臓器輪郭近傍の領域を合成して表す領域合成画像示す図、図6(b)は断層画像にエッジ検出を施して得られたエッジ検出画像上に前記領域に対応する領域を合成して表す領域合成画像を示す図
【符号の説明】
【0044】
1 被験者
1A 臓器
Gn−1 N−1枚目の断層画像
Gn N枚目の断層画像
Rn−1 N−1枚目における臓器の輪郭
Rn N枚目における臓器の輪郭
Rn(1)〜Rn(v) 候補輪郭部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断対象となる臓器中の位置的に連続した互に異なる断面を表す複数枚の各断層画像について前記臓器の輪郭を抽出する際、1枚目の断層画像における前記臓器の輪郭を任意の方法で抽出した後、
2枚目以降の断層画像における前記臓器の輪郭を、該2枚目以降のN枚目の断層画像に隣接するN−1枚目の断層画像において抽出された前記臓器の輪郭を利用して抽出する臓器輪郭抽出方法において、
前記N枚目の断層画像におけるエッジ検出により前記臓器の輪郭の一部を成す輪郭部分の候補となる多数の候補輪郭部分を検出し、
前記N−1枚目の断層画像において抽出された前記臓器の輪郭を、形状を保持しつつ変形および/または移動させて、前記N枚目の断層画像で抽出された多数の候補輪郭部分のうち、前記変形および/または移動させた前記臓器の輪郭と略一致する複数の候補輪郭部分を含む輪郭をN枚目における前記臓器の輪郭として抽出することを特徴とする臓器輪郭抽出方法。
【請求項2】
前記N−1枚目の断層画像から抽出された前記臓器の輪郭を含む該輪郭近傍の領域に対応する前記N枚目の断層画像中の領域を、前記形状を保持しつつ変形および/または移動させる領域とすることを特徴とする請求項1記載の臓器輪郭抽出方法。
【請求項3】
前記変形が、相似拡大または相似縮小であることを特徴とする請求項1または2記載の臓器輪郭抽出方法。
【請求項4】
前記移動が、平行移動および/または回転であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の臓器輪郭抽出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−259677(P2008−259677A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104810(P2007−104810)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】