説明

臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器

【課題】本発明は、現在の多段増幅器に存在する多くの欠点を解決する臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器を提供する。
【解決手段】本発明の臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器は、その1個の入力端には高インピーダンスの生物信号が入力され、他の1個の入力端には基準信号が入力される少なくとも2個のインピーダンス・コンバータと、入力端が前記インピーダンス・コンバータの出力端と結合されるA/D変換器と、入力端には前記A/D変換器から出力されるデジタル化生物信号を受信され、予め設定された制御プログラム又はユーザの制御コマンドに従って前記生物信号を制御処理して出力するデジタル信号処理器とを備える。従って、本発明の回路構造は簡単で内部ノイズが小さく、出力信号に歪みがなく、耐干渉性が強い等の利点があり、各種類の周波数範囲の生物信号の記録に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯式医用増幅器に関し、特に、臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床又は非臨床の生物信号として、血圧、脈拍、ときめき、心電図、脳電図、筋電図、網膜電図、眼電図、胃電図、誘発電位、事象関連電位、動作電位、膜電位、イオン電位/電流、蛍光電流、微弱光電信号等があり、その振幅はマイクロボルトからミリボルトにわたって異なり、周波数は3万Hz以下が一般であり、且つその多くが0.1−100Hzの範囲内にある。
【0003】
現在、臨床診断及び生物医学研究においてこれらの信号を記録するためのアナログ増幅器であって、多段増幅に構造されており、一般に、入力インピーダンス変換段、前置増幅段、分離増幅段、ハイパスフィルタリング段、ローパスフィルタリング段、交流ノッチ段、及び後置増幅/減衰段を含み、生物信号の表示、計測、記録及び収集等の要求を満足するように、その倍率は通常に1000から500000倍の間にあり、出力振幅は+/−0.1から+/−10.0Vに達することができる。
【0004】
しかし、上記した増幅器には、以下のような欠点がある。
【0005】
1、内部ノイズは大きく、信号歪みは大きく、動的範囲は小さい。各段毎のアナログ増幅器/フィルタはいずれも内部ノイズを発生するため、同じ部品であるという条件においても、多段カスケード接続されたアナログ増幅回路は単/双段アナログ増幅回路よりも内部ノイズがはるかに大きい。多極アナログ増幅回路に必要な周辺素子(例えば抵抗・容量素子等)もダイナミックノイズを増加するのである。その外、多極アナログ増幅は単/双段アナログ増幅よりもパワー損失が大きく、その回路基板のディザインはより大きな空間を必要とし、信号リード線はより長くて、ノイズをより導入しやすく、商用周波を受けやすい。1つのディザインのよいアナログ増幅器であっても、その内部ノイズのレベルが5−50マイクロボルト(RMS)又はさらに高い場合が多い。各段毎のアナログ増幅器/フィルタはいずれも歪みを発生するため、多段アナログ増幅回路の信号歪みは著しく増加される。そして、高倍率により、普通の小生物信号に対する動的範囲は十ミリボルトよりも小さく、マイクロボルトオーダーの信号の動的範囲は数十マイクロボルトしかない。
【0006】
2、フィルタリングパラメータは改変されない。現在、従来のアナログ増幅器フィルタリング回路は、多段に構成され、ローパスフィルタリング、ハイパスフィルタリング、ノッチフィルタリング等があり、そのフィルタリングパラメータは電子素子により決められ、増幅器が製品に形成された後にはさらに改変することができない。例えば、50Hzのノッチフィルタリング回路のパラメータは、60Hzの商用周波の干渉に用いられなく、ローパスフィルタリング及びハイパスフィルタリング回路のパラメータも随時に変更することができなくて、応用の範囲に制限されるようになる。増幅器は異なるフィルタリングパラメータのために、異なるハードウェアにより設計された回路基板を採用する必要がある。
【0007】
3、リアルタイムなデータ処理及び信号解析能力を備えていない。アナログ信号はデータ処理及び信号解析することが難く、これらの処理及び解析を実現するために、各種類の生物信号をデジタル化、すなわち、A/D変換によってデジタル信号とする必要がある。デジタル化された生物信号データは、多くの場合にリアルタイム及び非リアルタイムなデジタル信号処理や多種類の信号解析等の演算を行う必要があり、この演算であって、ローパスフィルタリング、ハイパスフィルタリング、バンドパスフィルタリング、ノッチフィルタリング、データの合併及び分解、データの圧縮及び解凍、データの変調及び復調等、及び時間域解析、周波数域解析、波形識別、画像処理、結果判断等がある。これらの演算は、データ処理器の計算能力に対する要求が高く、数msの時間内に演算動作を済ませる必要がある。現在の各種類の医用増幅器は、リアルタイムなフィルタリング等のデータ処理及び信号解析機能を持っていない。
【0008】
4、アナログ出力信号の品質が悪い。アナログ増幅器から出力されるアナログ信号は、多段増幅及び/又はフィルタリングされてから、パワー増幅段を介して最終的に出力されるため、ノイズが大きく、信号歪みが大きく、動的範囲が小さく、直流が遷移し、効率が低く、パワー損失が大きい等の問題が生じることを避けることができない。同時に、電気的結合方式は極めて関連機器の干渉を受けやすいため、このような増幅器の信号品質は関連機器によってさらに悪くなることが多く、リニア光分離器を用いて関連機器を分離する必要がある。アナログ増幅器の電気的分離を実現するための他の提案として、アナログの生物信号をデジタル化した後に、デジタル電気分離器を介してD/A変換器に伝送され、さらにアナログ信号を出力するが、上記したアナログ信号の出力に関する全ての問題の上さらに回路が複雑で、コストが高い等の問題を生じる欠点があり、携帯機器に不適である。
【0009】
5、信号伝送の効率が低い。マルチチャネルのアナログ信号について、アナログ増幅器の電気的結合経路もマルチチャネルとなり、且つ、信号のクロストークの問題を避けるために、チャネル間の絶縁は良好でなければならないが、これは、信号の経路を煩雑にし、伝送経路の使用効率を低下させることになる。同時に、アナログ信号は、データ圧縮を実行して生物信号データの伝送レートを高めることができず、信号伝送の効率の低下を招くことになる。
【0010】
6、信号伝送距離に限界性がある。アナログ増幅器の出力はアナログ信号であり、電気的結合経路方式を用いて伝送させると、信号品質は伝送距離によって速やかに悪くなり、無線電方式を用いて伝送させると、信号は必ず変調や復調過程を経過して伝送されるようになり、周波数成分やシグナルノイズ比等の信号品質はいずれもある程度に損失される。現在において、デジタル信号だけが無損失でハイファイデリティの遠距離伝送を実現することができる。
【0011】
7、信号の秘匿性が悪い。臨床の生物信号は患者の敏感的情報に関する可能性があり、秘匿することがその原則である。しかしながら、アナログ信号自身では有効な暗号化案がなく、アナログ増幅器に記録されたアナログ信号の遠距離伝送中に傍受され利用されるようになる。アナログ信号の変調後の無線電伝送方式でも同じ秘匿性の問題が存在し、RF信号は空間で無方向的に伝送されるため、その秘匿性はさらに低くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器を提供することにより、現在の多段増幅器に存在する多くの欠点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するために、本発明の臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器は、
一方の入力端には高インピーダンスの生物信号が入力され、他方の入力端には基準信号が入力される少なくとも2個のインピーダンス・コンバータと、
入力端が前記インピーダンス・コンバータの出力端と結合されるA/D変換器と、
入力端には前記A/D変換器から出力されるデジタル化生物信号を受信され、予め設定された制御プログラム又はユーザの制御コマンドに従って、前記生物信号を制御処理して出力するデジタル信号処理器とを備える。
【0014】
前記デジタル信号処理器は、
前記生物信号の入力を制御する1個又は複数個のチャネルを選択するためのチャネルセレクタと、
前記チャネルセレクタに接続され、対応するチャネルを選択するように、データ出力制御インターフェースを介してデータ収集制御コマンドを前記チャネルセレクタに伝送し、前記A/D変換器を制御して高精密度のA/D変換を完成するデータ収集制御ユニットと、
前記A/D変換器の入力端に接続され、データ入力インターフェースからデジタル化された生物信号データを取り得て保存する記憶ユニットと、
前記記憶ユニットに接続され、デジタル化された前記生物信号に対してデータ処理を行うための信号データ処理ユニットとを備えることが好ましい。
【0015】
前記信号データ処理ユニットの生物信号データに対する処理方式であって、
デジタルフィルタリング処理は、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後、直にデジタルフィルタリング処理を行う、その時延が50ms以内であるリアルタイムなフィルタリングアルゴリズム、或いは、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後に前記記憶ユニット内に記憶して、デジタルフィルタリング処理を集めて行う、その時延が任意長さであることができる非リアルタイムなフィルタリングアルゴリズムを採用し、
データ加工処理は、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後、直にデータ加工処理を行う、その時延が50ms以内であるリアルタイムなデータ加工アルゴリズム、或いは、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後に前記記憶ユニット内に記憶して、データ加工処理を集めて行う、その時延が任意長さであることができる非リアルタイムなデータ加工アルゴリズムを採用し、
データ解析処理は、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後、直にデータ解析処理を行う、その時延が50ms以内であるリアルタイムな解析アルゴリズム、或いは、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後に前記記憶ユニット内に記憶して、データ解析処理を集めて行う、その時延が任意長さであることができる非リアルタイムな解析アルゴリズムを採用し、
データの変調及び出力は、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後、直にデータの変調を行う、その時延が50ms以内であるリアルタイムな変調アルゴリズム、或いは、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後に前記記憶ユニット内に記憶して、データの変調及び出力を集めて行う、その時延が任意長さであることができる非リアルタイムな変調アルゴリズムを採用することが好ましい。
【0016】
前記信号データ処理ユニットは、
前記記憶ユニットに接続され、デジタル化された前記生物信号に対して、ローパスフィルタリング、又は/及びハイパスフィルタリング、又は/及びバンドパスフィルタリング、又は/及びノッチフィルタリングを含むデジタルフィルタリング処理を行うためのデジタルフィルタリングモジュールと、
前記記憶ユニットに接続され、デジタル化された前記生物信号に対して、データの合併及び補間、又は/及びデータの圧縮及び解凍、又は/及び暗号化及び復号化、又は/及びデータの変調及び復調を含むデータ加工処理を行うためのデータ処理モジュールと、
前記記憶ユニットに接続され、デジタル化された前記生物信号に対して、時間域解析、又は/及び周波数域解析、又は/及び波形識別、又は/及び画像処理を含むデータ解析処理を行うためのデータ解析モジュールと、
前記記憶ユニットに接続され、前記生物信号データをパルス幅変調して出力、又は/及び前記生物信号データを前記信号データ処理ユニットの出力端へ出力されるように制御するデータ変調及び出力モジュールと、のモジュールの中のいずれか1つ又は複数を備えることが好ましい。
【0017】
本発明の臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器は、前記インピーダンス・コンバータの出力端と前記A/D変換器の入力端との間に接続され、前記インピーダンス・コンバータの出力端から出力される生物信号に対して無フィルタリングの低倍率の増幅処理を行う全差分増幅器をさらに備えることが好ましい。
【0018】
本発明の臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器は、
入力端が前記デジタル信号処理器のPWM出力ポートに接続される変調出力モジュールと、
入力端が前記デジタル信号処理器のUARTインターフェース又はSPIインターフェースに接続され、他の関連電子機器に無線電接続される無線電通信モジュールと、
入力端が前記デジタル信号処理器の直行インターフェースであるSPIインターフェース、UARTインターフェース、I2Cインターフェース、USBインターフェース又はイーサネット(登録商標)インターフェースに接続され、デジタル信号処理及び解析を経た生物信号を他の関連電子機器に無線電伝送するための直行通信モジュールと、
入力端が前記デジタル信号処理器の平行インターフェースに接続され、デジタル信号処理及び解析を経た生物信号を他の関連電子機器に無線電伝送するための平行通信モジュールとをさらに備えることが好ましい。
【0019】
前記変調出力モジュールは、光電分離器、磁電分離器、光ファイバ通信転送器、発光ダイオード、又はワイヤであることが好ましい。
【0020】
前記デジタル信号処理器は、パルス幅変調レベル信号を前記変調出力モジュールに出力し、デジタル信号処理を経た後の前記生物信号データにより前記パルス幅を変調し、前記変調出力モジュールの出力端は前記生物信号に応じたアナログ信号を出力することが好ましい。
【0021】
前記変調出力モジュールの出力端は、アナログ生物信号を記録又は表示するためのアナログ記録機器又は表示機器に接続されることが好ましい。
【0022】
前記デジタル信号処理器は、無線電通信モジュール、直行通信モジュール、及び平行通信モジュールを介して、デジタルフィルタリング処理、又は/及びデジタル加工処理、又は/及びデータ解析処理されたデジタル化生物信号を無線電又は有線電気通信方式により他の関連電子機器に遠距離伝送することが好ましい。
【0023】
また、本発明に係る他の臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器は、
入力端に生物信号が結合されるA/D変換器と、
入力端が前記A/D変換器から出力されるデジタル化生物信号を受信し、予め設定された制御プログラム又はユーザの制御コマンドに従って、前記生物信号を制御処理して出力するデジタル信号処理器とを備える。
【0024】
本発明の臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器は、出力端が前記A/D変換器の入力端と接続され、入力端には前記生物信号が入力され、入力された前記生物信号に対して無フィルタリングの低倍率の増幅処理を行うための全差分増幅器をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、従来の技術と比べて、以下のような利点がある。
1、本発明の回路は単純であり、電子部品で生じるノイズを最大限に減少させることができ、また、本発明において、光電/磁電又は発光ダイオード等の分離出力を採用しているため、他の機器による前記増幅器に対する干渉導入の問題がない。
2、本発明において、デジタルフィルタリング技術を使用しているため、増幅器はデジタル信号の出力に対して周波数帯域幅を柔軟に設定することができ、異なる生物信号を直流から30KHzの異なる周波数範囲で記録させる要求を満たし、高安定で高精密度にフィルタリングする特徴があり、必要に応じて随時にフィルタリング周波数範囲を変化することができ、更に本発明の単純デジタルの医用増幅器のデジタルフィルタリング方法も従来のアナログフィルタリングによる部品のノイズの問題を避けることになる。
3、本発明の単純デジタルの医用増幅器の生物信号データ出力は単純なデジタルであり、マルチチャネルのデータの単一チャネルの出力ポートを介する伝送を完成することができ、その伝送効率が圧縮後に著しく高め、単位時間内の生物信号データの伝送量を高めるばかりでなく、本来リアルタイムに伝送されなかったマルチチャネル及び/又は高サンプリングレートによる大量データをリアルタイムに伝送させるようになり、さらに、データ伝送中のパワー損失を低下させて、省電力の目的を達することができる。生物信号データは暗号化後に伝送され、患者の敏感的情報をより安全に保護するに便利である。
4、本発明の単純デジタルの医用増幅器は、ブルートゥース・モジュールやGPRS/CDMAモジュール等の無線電通信モジュールを通してデジタル化生物信号を伝送することができ、有線的接続の制限を脱し、伝送距離を大幅に増加させる。
5、本発明の単純デジタルの医用増幅器は、電気絶縁されたアナログ信号出力をさらに備えるため、本発明の増幅器は、DSP処理前後のデジタル化生物信号データを出力することができるばかりでなく、従来でのDSP処理されたアナログ生物信号も出力することができ、モニタ、オシロスコープ、レコーダ、プロッタ等のような多種類の従来の表示及び記録機器に接続することができる。出力レベルはパルス幅変調(PWM)方式を採用しているため、ハイファイデリティ、高効率、強い耐干渉性、強い耐負荷性、出力インピーダンスが整合しやすい等の利点がある。
6、本発明は、従来のアナログ増幅器よりも耐商用周波干渉性がはるかに強く、救急室や手術室等の複雑な環境においても特別にアースライン安置する必要がなく、マイクロボルトオーダーの微小信号を好ましく記録することができる。
7、本発明の増幅器は、各種類の周波数範囲での生物信号の記録に柔軟に用いられるばかりでなく、現在のアナログ増幅器ままではできなかった信号の記録を可能にする。
8、本発明の増幅器回路は簡単であり、組合せた電子部品が少なく、デジタル信号処理及び解析機能が強大であり、データ伝送効率は高く、データを安全に保護するため、小型、軽量、省電力の利点があり、携帯しやすくて、患者の遠距離記録、遠距離診断、及び遠距離後見等の医療分野に広く用いられることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して、実施例に基づいて本発明の単純デジタルの医用増幅器について詳しく説明する。
【0027】
図1に示すように、本発明の単純デジタル式医用増幅器の構造を示す図である。本発明の単純デジタル式医用増幅器は、インピーダンス・コンバータ110と、全差分増幅器120と、A/D変換器130と、デジタル信号処理器 (Digital Signal Controller、DSC)140と、変調出力モジュール150と、無線電通信モジュール160とを備える。
【0028】
図2に示す回路構造を参照されたい。同図において、前記インピーダンス・コンバータ110は、複数の低ノイズ演算増幅器210からなる。例えば、前記低ノイズ演算増幅器210は、TLC274型の電子部品を用いて実現ができる。前記低ノイズ演算増幅器210の件数は、本発明の増幅器のチャネル数と基準電極チャネルの合計数で決まる。例えば、本発明の増幅器のチャネルの総数が4であると、上記した低ノイズ演算増幅器210は5個になる。前記低ノイズ演算増幅器210の正入力端は生物信号の入力端であり、負入力端は出力端に接続されて、インピーダンス・コンバータを構成し、入力インピーダンスを10―1000Mオームまで上昇させ、さらにより高くに上昇させるもことができる。
【0029】
前記インピーダンス・コンバータ110は、生物信号源の高インピーダンス入力ニーズを満足するためになるものである。入力される生物信号が低インピーダンスの生物信号源からのものである場合には、前記インピーダンス・コンバータ110を省略してもよい。
【0030】
また、前記低ノイズ演算増幅器210の出力端は、前記全差分増幅器120の5個のアナログ入力端にそれぞれ接続される。前記全差分増幅器120は、生物信号を直流から30KHzまでの周波数範囲において、どんなフィルタリング・増幅も行わないために用いられる。一般に、その倍率は10倍程度に設定されるが、若干のmV台の大きい生物信号に対しては、倍率を1倍に設定することもできる。つまり、mVオーダー以上の大きい生物信号に対しては、前記全差分増幅器120を省くことができる。
【0031】
前記全差分増幅器120の出力端には、高速で高精密度の前記A/D変換器130の入力端が接続されている。前記A/D変換器130の変換速度は200sps以上であり、120ksps、さらにその以上に達することもでき、そのA/D変換の精密度は16ビット又はその以上である。
【0032】
また、前記A/D変換器130は、入力するチャネル数の要求と生物信号の周波数範囲の要件によって選択される。例えば、1―4個のチャネル数が要求され、且つ信号周波数が15000Hzより低い場合は、前記A/D変換器130は、ADS1255型のA/D変換器を選択することができる。16―32個のチャネル数が要求され、或いは信号周波数が30000Hzに達すると、前記A/D変換器130は、ADS1258型のA/D変換器を選択することができる。生物信号の変動幅が50uVより大きいと、前記A/D変換器130はADS8341型等の16ビットA/D変換器を選択することができる。
【0033】
若干のA/D変換器の内部にも増幅回路(例えば、ADS1255型、ADS1256型のA/D変換器)が付属しており、その内部の増幅回路を前記全差分増幅器120として用いることができる。つまり、図1の中の前記全差分増幅器120と前記A/D変換器130は1つの封止電子部品に集めて配置することができる。例えば、前記全差分増幅器120と前記A/D変換器130を、図2に示すようなA/D変換回路220の内部に集めて配置することができる。
【0034】
前記A/D変換器130のデジタル信号の出力端には、高性能の前記デジタル信号処理器140のデータ入力インターフェースが接続されている。前記デジタル信号処理器140は16ビット(例えばdsPIC33シリーズ)又は32ビットDSC(例えばPIC32シリーズ、TMS320F28シリーズ及びARM9シリーズ)であり、2種類のDSCの外部経路は同一に接続されているが、内部構造は異なっている。そのうち、16ビットDSCのコマンド速度は低いがパワー損失は小さくて、デジタル信号処理量が小さく、小型の機器に適合するが、32ビットDSCのコマンド速度は高いが代わりにパワー損失が大きくて、演算量の大きい場合に適合する。
【0035】
一方、前記デジタル信号処理器140のパルス幅変調(Pulse Width Modulation 、PWM)インターフェースには、デジタル変調出力モジュール150の入力端が接続されている。前記変調出力モジュール150は、例えばPS9113型の光電分離器、又はIL260型のような磁電分離器、又はAPTX179型のような光ファイバ通信転送器、又は発光ダイオードLEDであってもよい。前記変調出力モジュール150は、本発明の単純デジタルの医用増幅器と他の知能型機器が接続される時に、完全に電気分離されたアナログ信号の出力を実現するためのものである。理論上に、このような接続に干渉や信号クロストークの問題がない場合に、前記変調出力モジュール150を省略可能ことは言うまでもない。
【0036】
また、前記デジタル信号処理器140のUART(Universal
Asynchronous Receiver/Transmitter、汎用非同期送受信器)インターフェースは、前記無線電通信モジュール160に接続され、この接続はSPI(Serial Peripheral interface、シリアル・ペリフェラル・インタフェース)インターフェースによっても実現することができ、それは、単純デジタルの医用増幅器と他の知能型機器が接続される時のコマンド制御及びデータ伝送を実現することを目的とする場合である。
【0037】
また、図2において、前記集積回路チップ240は、図1の中の前記デジタル信号処理器140に対応し、図2における素子250及び260は、図1の中の前記変調出力モジュール150及び前記無線電通信モジュール160にそれぞれ対応している。
【0038】
本発明の単純デジタル式医用増幅器の動作原理は、以下のようである。
【0039】
前記デジタル信号処理器140は、UARTインターフェース又は他のインターフェースを介してユーザの要求コマンドを受け取り、A/D変換及びデータ収集過程を制御する。そのうち、当該生物信号の入力は単一チャネル又はマルチチャネルであってもよく、開放されるチャネル数は前記デジタル信号処理器140の制御コマンドにより決められる。また、データ収集が始まった後に、前記デジタル信号処理器140は、データ出力制御インターフェースを介して、対応するチャネルを選択するようにデータ収集制御コマンドをチャネルセレクタに伝送し、高精密度のA/D変換を完成する。前記デジタル信号処理器140は、データ入力インターフェースからデジタル化された生物信号データを取得して、接続されているランダムアクセスメモリ(RAM)に記憶する。
【0040】
要求したデータサンプル周波数がチャネルセレクタの最高サンプル周波数より低い時(即ち、遅いサンプル周波数である時)、チャネルセレクタは、1組のデータを収集する度毎に対応するチャネルのデータに累加し、RAMに記憶させ、そのチャネル間の遅れ時間(lag time)は、
T = A/D変換時間T1 + チャネル変換時間T2
の関係式により計算される。
また、開放チャネルの総数をNとし、チャネルごとの累加回数をMとすると、マルチチャネルのサンプル周波数SPS = 1/(T * N * M)。
【0041】
前記デジタル信号処理器140は、予め設定されたパラメータ又は制御コマンドによって、RAM中の生物信号データに対してさまざまな処理及び信号解析を行い、その結果をさらにRAMに記憶する。それらの処理及び解析であって、ローパスフィルタリング、ハイパスフィルタリング、バンドパスフィルタリング、ノッチフィルタリング、データの合併及び補間、データの圧縮及び解凍、データの暗号化及び復号化、データの変調及び復調等、及び時間域解析、周波数域解析、波形識別、画像処理、結果判断等があるが、これに制限されるものではない。
【0042】
また、前記デジタル信号処理器140は、予め設定されたパラメータ又は制御コマンドによって、RAM中の生物信号データに対してリアルタイムのフィルタリングを行う時に、デジタル化された生物信号データ毎に1回のフィルタリング演算操作を行い、フィルタリング後のデータはさらにRAMに記憶され、且つ、予め設定されたパラメータ又は制御コマンドによって、対応するインターフェースにデータを伝送するが、そのフィルタリング過程はデータのサンプリングを妨げることはない。前記デジタル信号処理器140は、RAM中の生物信号データに対して非リアルタイムのフィルタリングを行う時に、1組のデジタル化された生物信号データに対してフィルタリング演算操作を行い、フィルタリング後のデータをさらにRAMに記憶し、予め設定されたパラメータ又は制御コマンドによって、対応するインターフェースにフィルタリング後のデータを伝送するが、そのフィルタリング過程はデータ組の大きさにより決められ、データ組の大きさはRAMの大きさに制限される。
【0043】
前記デジタル信号処理器140は、予め設定された数又は制御コマンドによって、他の知能型機器にRAM中の生物信号データを伝送する。データ伝送の効率を高めるために、前記デジタル信号処理器140は、生物信号データに対して無損失圧縮処理を行い、その圧縮アルゴリズムであって、Huffman、ACE、ARC、ARJ、CAB、LZ、LZH、LZW、GZIP、ZIP、7―ZIP、RAR等のフォーマットがあるが、それに制限されることはない。チャネル毎に200spsの生物信号データについて、16個のチャネルのデータ流量は200x16x4= 12800バイト/秒であり、圧縮後のデータ流量が2000バイト/秒より小さいと、20kbps又はその以上の順調なネットワークの伝送データを満たすことができる。比較的に少ないチャネルが応用される場合に、このネットワーク伝送速度はより高いチャネル毎の生物信号データのサンプリング率を満たすことができる。例えば、サンプリング率が1600spspの2個チャネルの生物信号データを伝送することができる。
【0044】
前記デジタル信号処理器140は、予め設定されたパラメータ又は制御コマンドによって、パルス幅変調(PWM)出力をオンし、デジタル化された生物信号データを用いてPWMインターフェースから出力されるパルス幅をリアルタイムに変調する。PWMインターフェースは、固定周波数でパルス方形波を出力し、生物信号の幅によってデューティ比が変える。受信端は、簡単なローパスフィルタリングを経てハイファイデリティのアナログ出力を得ることができ、きわめて低い周波数(<0.5Hz)の信号であっても著しい歪みはない。
【0045】
本発明の単純デジタル式医用増幅器は、従来の技術と比べて、以下のような利点がある。
1、本発明の回路は簡単であり、且つ、電子部品で生じるノイズを最大限に減少させることができ、また、本発明において、光電/磁電又は発光ダイオード等の分離出力を採用しているため、他の機器による前記増幅器に対する干渉導入の問題がない。
2、本発明において、デジタルフィルタリング技術を使用しているため、一方に、増幅器はデジタル信号の出力に対して周波数帯域幅を柔軟に設定することができ、異なる生物信号を直流から30KHzの異なる周波数範囲で記録させる要求を満たし、高安定で高精密度にフィルタリングする特徴があり、必要に応じて随時にフィルタリング周波数範囲を変化することができる。他方に、本発明の単純デジタルの医用増幅器のデジタルフィルタリング方法も従来のアナログフィルタリングによる部品のノイズの問題を避けることができる。
3、本発明の単純デジタルの医用増幅器の生物信号データ出力は単純なデジタルであり、マルチチャネルのデータの単一チャネルの出力ポートを介する伝送を完成することができ、その伝送効率が圧縮後に著しく高め、単位時間内の生物信号データの伝送量を高めるばかりでなく、本来リアルタイムに伝送されなかったマルチチャネル及び/又は高サンプリングレートによる大量データをリアルタイムに伝送させるようになり、さらに、データ伝送中のパワー損失を低下させて、省電力の目的を達することができる。生物信号データは暗号化後に伝送され、患者の敏感的情報をより安全に保護するに便利である。
4、本発明の単純デジタルの医用増幅器は、ブルートゥース・モジュールやGPRS/CDMAモジュール等の無線電通信モジュールを通してデジタル化生物信号を伝送することができ、有線的接続の制限を脱し、且つ、伝送距離を大幅に増加させる。
5、本発明の単純デジタルの医用増幅器は、電気絶縁されたアナログ信号出力をさらに備えるため、本発明の増幅器は、DSP処理前後のデジタル化生物信号データを出力することができるばかりでなく、従来でのDSP処理されたアナログ生物信号も出力することができ、モニタ、オシロスコープ、レコーダ、プロッタ等のような多種類の従来の表示及び記録機器に接続することができる。出力レベルはパルス幅変調(PWM)方式を採用しているため、ハイファイデリティ、高効率、強い耐干渉性、強い耐負荷性、出力インピーダンスが整合しやすい等の利点がある。
6、本発明は、従来のアナログ増幅器よりも耐商用周波干渉性がはるかに強く、救急室や手術室等の複雑な環境においても特別にアースライン安置する必要がなく、マイクロボルトオーダーの微小信号を好ましく記録することができる。
7、本発明の増幅器は、各種類の周波数範囲での生物信号の記録に柔軟に用いられるばかりでなく、現在のアナログ増幅器ままではできなかった信号の記録を可能にする。
8、本発明の増幅器回路は簡単であり、組合せた電子部品が少なく、デジタル信号処理及び解析機能が強大であり、データ伝送効率は高く、データを安全に保護するため、小型、軽量、省電力の利点があり、携帯しやすくて、患者の遠距離記録、遠距離診断、及び遠距離後見等の医療分野に広く用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の単純デジタルの医用増幅器のブロック図である。
【図2】本発明1つの好ましい実施例の回路構造のブロック図である。
【符号の説明】
【0047】
110 インピーダンス・コンバータ
120 全差分増幅器
130 A/D変換器
140 デジタル信号処理器
150 変調出力モジュール
160 無線電通信モジュール
210 低ノイズ演算増幅器
220 A/D変換回路
240 集積回路チップ




【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 一方の入力端には高インピーダンスの生物信号が入力され、他方の入力端には基準信号が入力される少なくとも2個のインピーダンス・コンバータと、
(B) 入力端が前記インピーダンス・コンバータの出力端と結合されるA/D変換器と、
(C) 入力端には前記A/D変換器から出力されるデジタル化生物信号を受信され、予め設定された制御プログラム又はユーザの制御コマンドに従って、前記生物信号を制御処理して出力するデジタル信号処理器と
を備えることを特徴とする臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタル式医用増幅器。
【請求項2】
前記デジタル信号処理器は、
(C1) 前記生物信号の入力を制御する1個又は複数個のチャネルを選択するためのチャネルセレクタと、
(C2) 前記チャネルセレクタに接続され、対応するチャネルを選択するように、データ出力制御インターフェースを介してデータ収集制御コマンドを前記チャネルセレクタに伝送し、前記A/D変換器を制御して高精密度のA/D変換を完成するデータ収集制御ユニットと、
(C3) 前記A/D変換器の入力端に接続され、データ入力インターフェースからデジタル化された生物信号データを取り得て保存する記憶ユニットと、
(C4) 前記記憶ユニットに接続され、デジタル化された前記生物信号に対してデータ処理を行うための信号データ処理ユニットと
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の医用増幅器。
【請求項3】
前記信号データ処理ユニットは、
(C41) 前記記憶ユニットに接続され、デジタル化された前記生物信号に対して、ローパスフィルタリング、又は/及びハイパスフィルタリング、又は/及びバンドパスフィルタリング、又は/及びノッチフィルタリングを含むデジタルフィルタリング処理を行うためのデジタルフィルタリングモジュールと、
(C42) 前記記憶ユニットに接続され、デジタル化された前記生物信号に対して、データの合併及び補間、又は/及びデータの圧縮及び解凍、又は/及び暗号化及び復号化、又は/及びデータの変調及び復調を含むデータ加工処理を行うためのデータ処理モジュールと、
(C43) 前記記憶ユニットに接続され、デジタル化された前記生物信号に対して、時間域解析、又は/及び周波数域解析、又は/及び波形識別、又は/及び画像処理を含むデータ解析処理を行うためのデータ解析モジュールと、
(C44) 前記記憶ユニットに接続され、前記生物信号データをパルス幅変調して出力、又は/及び前記生物信号データを前記信号データ処理ユニットの出力端へ出力されるように制御するデータ変調及び出力モジュールと
からなる群から選択されたモジュールの中のいずれか1つ又は複数を備えていることを特徴とする請求項2に記載の医用増幅器。
【請求項4】
前記データ処理モジュールが、生物信号データに対する処理は、
デジタルフィルタリング処理は、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後、直にデジタルフィルタリング処理を行う、その時延が50ms以内であるリアルタイムなフィルタリングアルゴリズム、或いは、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後に前記記憶ユニット内に記憶して、デジタルフィルタリング処理を集めて行う、その時延が任意長さであることができる非リアルタイムなフィルタリングアルゴリズムを採用し、
データ加工処理は、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後、直にデータ加工処理を行う、その時延が50ms以内であるリアルタイムなデータ加工アルゴリズム、或いは、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後に前記記憶ユニット内に記憶して、データ加工処理を集めて行う、その時延が任意長さであることができる非リアルタイムなデータ加工アルゴリズムを採用し、
データ解析処理は、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後、直にデータ解析処理を行う、その時延が50ms以内であるリアルタイムな解析アルゴリズム、或いは、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後に前記記憶ユニット内に記憶して、データ解析処理を集めて行う、その時延が任意長さであることができる非リアルタイムな解析アルゴリズムを採用し、
データの変調及び出力は、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後、直にデータの変調を行う、その時延が50ms以内であるリアルタイムな変調アルゴリズム、或いは、前記デジタル信号処理器が生物信号データを収集した後に前記記憶ユニット内に記憶して、データの変調及び出力を集めて行う、その時延が任意長さであることができる非リアルタイムな変調アルゴリズムを採用する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の医用増幅器。
【請求項5】
(D) 前記インピーダンス・コンバータの出力端と前記A/D変換器の入力端との間に接続され、前記インピーダンス・コンバータの出力端から出力される生物信号に対して無フィルタリングの低倍率の増幅処理を行う全差分増幅器を
さらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の医用増幅器。
【請求項6】
(E) 入力端が前記デジタル信号処理器のPWM出力ポートに接続され、光電分離器、磁電分離器、光ファイバ通信転送器、発光ダイオード、又はワイヤである変調出力モジュールと、
(F) 入力端が前記デジタル信号処理器のUARTインターフェース又はSPIインターフェースに接続され、他の関連電子機器に無線電接続される無線電通信モジュールと、
(G) 入力端が前記デジタル信号処理器の直行インターフェースであるSPIインターフェース、UARTインターフェース、I2Cインターフェース、USBインターフェース又はイーサネット(登録商標)インターフェースに接続され、デジタル信号処理及び解析を経た生物信号を他の関連電子機器に伝送し制御するための直行通信モジュールと、
(H) 入力端が前記デジタル信号処理器の平行インターフェースに接続され、デジタル信号処理及び解析を経た生物信号を他の関連電子機器に伝送するための平行通信モジュールと
をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の医用増幅器。
【請求項7】
前記デジタル信号処理器は、パルス幅変調レベル信号を前記変調出力モジュールに出力し、デジタル信号処理を経た後の前記生物信号データにより前記パルス幅を変調し、前記変調出力モジュールの出力端は前記生物信号に応じたアナログ信号を出力し、
前記変調出力モジュールの出力端は、アナログ生物信号を記録又は表示するためのアナログ記録機器又は表示機器に接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載の医用増幅器。
【請求項8】
前記デジタル信号処理器は、無線電通信モジュール、直行通信モジュール、及び平行通信モジュールを介して、デジタルフィルタリング処理、又は/及びデジタル加工処理、又は/及びデータ解析処理されたデジタル化生物信号を無線電又は有線電気通信方式により他の関連電子機器に遠距離伝送する
ことを特徴とする請求項3に記載の医用増幅器。
【請求項9】
(A) 入力端に生物信号が結合されるA/D変換器と、
(B) 入力端が前記A/D変換器から出力されるデジタル化生物信号を受信し、予め設定された制御プログラム又はユーザの制御コマンドに従って、前記生物信号を制御処理して出力するデジタル信号処理器と
を備えることを特徴とする臨床又は非臨床の生物信号を記録するための単純デジタルの医用増幅器。
【請求項10】
(C) 出力端が前記A/D変換器の入力端と接続され、入力端には前記生物信号が入力され、入力された前記生物信号に対して無フィルタリングの低倍率の増幅処理を行うための全差分増幅器
をさらに備えていることを特徴とする請求項9に記載の医用増幅器。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−18151(P2009−18151A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5611(P2008−5611)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(508014800)ディメテク デジタル メディカル テクノロジーズ,リミティド. (1)
【Fターム(参考)】