説明

自動プローブ構成ステーション及びその方法

被試験デバイスの検査を容易にするプローブ・システム。システムは、ストレージ・ラック、プローブ・バー・ガントリー・アセンブリ、被試験デバイスに電気的に合わさるように構成されるプローブ・アセンブリ、及びプローブ・アセンブリをストレージ・ラックから取出し、プローブ・アセンブリをプローブ・バー・ガントリーに引渡すロボット・システムを組込む。ロボット・システムは、プローブ・バー・ガントリーからプローブ・アセンブリを取出し、プローブ・アセンブリをストレージ・ラックに引渡すことも可能である。プローブ・アセンブリは、プローブ・アセンブリをプローブ・バー・ガントリー又はストレージ・ラックに取付けるクランプ・アセンブリを含む。プローブ・アセンブリは、プローブ・アセンブリがプローブ・バー・ガントリー・アセンブリ上に設置されると、被試験デバイス上の導電性パッドに合わさるように構成されたコンタクト・ピンのアレイを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月8日に出願された米国特許仮出願第61/293,610に関し、かつそれに基づく優先権を主張するものであり、同出願の開示内容全てをここに援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して大規模電子デバイスの電気的検査の分野に関し、特に液晶(Liquid Crystal)(LC)及び有機発光ダイオード(OLED)(Organic Light Emitting Diode)表示装置の検査、並びにこの検査に使用される光学的及び電子的システムに関する。
【背景技術】
【0003】
液晶表示装置(Liquid crystal display)(LCD)パネルは、電界依存性の光変調特性を示す液晶を内蔵する。液晶は、ファックス機械やラップトップ・コンピュータ・スクリーンから大画面高解像度TVに至るさまざまな装置において、画像及び他の情報を表示するために最も頻繁に使用される。アクティブ・マトリックス方式のLCDパネルは、幾つかの機能層、すなわち、偏光膜、薄膜トランジスタと蓄電キャパシタと画素電極と結線用配線とを組込んだTFTガラス基板、ブラック・マトリックス及びカラー・フィルタ・アレイと透明共通電極とを組込んだカラー・フィルタ・ガラス基板、ポリイミド製の配向薄膜、並びに適切なLCDセル厚さを維持するようにプラスチック/ガラス・スペーサを組入れた実際の液晶材料、からなる複雑な層状構造をしている。
【0004】
LCDパネルは、歩留まりが最大になるよう、高度に制御された条件の下、クリーン・ルーム環境中で生産される。それでもなお、生産上の欠陥のため、多くのLCDが廃棄されなければならない。
【0005】
上述のように、LCDパネル等の複雑な電子デバイスの製造歩留まりを向上させるために、さまざまな検査工程が実施され、製作プロセスの工程で発生しうる欠陥を特定するようにしている。前述の検査工程は、製作工程と製作工程の間、又は全製作プロセスが完了した後に実施してよい。前述の検査プロセスの一例は、電気的な欠陥について、LC及びOLED表示装置に使用されるTFTアレイの試験である。前述の試験は、さまざまな検査装置を使用して実施される。この目的で使用されうる例示的な装置には、米国カリフォルニア州サンホセのオルボテック(Orbotech)社から発売されているアレイチェッカ(Array Checker)AC5080がある。その他にも、TFTアレイ試験は、当業者に知られている、市販の電子ビーム検査システムを使用して実施してもよい。
【0006】
一般に、電気的検査システムでは、被試験デバイス(device under test)(DUT)は、欠陥の検出を容易にする電気信号又はパターンで駆動されることが必要である。これらの信号は、パターン発生装置サブシステムから、DUTの活性領域(active area)の周辺部に位置するコンタクト・パッドに物理的に接触するプローブ・ピンを備える構造体によって、DUTに伝達される。TFTアレイの電気的検査の場合、アレイの試験(テスト)に使用されるコンタクト・パッドとパネル駆動ラインとの間に、1つ又は複数の短絡バー(アレイと同じ基板上に実装される)が配置されることが多い。これらの短絡バーは駆動ラインの部分集合に接続され(たとえば、1つの短絡バーがゲート・ライン1つ置きに接続される)、これによって、必要なコンタクトの数を減らし、プローブ・アセンブリが簡単になる。
【0007】
デバイスが異なれば、一般に、テスト・パッドのレイアウト(配置)が異なる。テスト・パッドのレイアウトは、DUTの大きさ、同じ基板上で隣接し試験されるデバイス間の距離、基板上のDUTの配向、及びその他の要因によって決まる。このため、同じ電気的検査システム上で異なるデバイスを試験する場合には、プローブ構造体(probing structure)をDUTの構成に適合するよう修正しなければならない。現在、プローブ構造体の再構成(reconfiguration)は、集中的な手作業を含む手順を使用して達成される。例えば、手作業で構成された(形作られた)プローブ構造体を使用する電気的検査システムにおいて、異なる回路レイアウト(配置)を試験するときには、機械の作業者が新しいプローブ構造体を設置し、較正し、構成する(形作る)(configure)必要がある。このプロセスでは、長期間にわたり試験機械を停止することが必要であり、機械の使用率を下げる結果になる。プロセス制御室を必要とするプロセスでは、再構成を実行するために作業者がこの部屋に入ることが必要であり、これは、この部屋がプロセス条件に戻るまでの間、さらに機械を停止させ、作業者を危険に曝す可能性がある。新しいパネル・レイアウトを試験する際には、顧客のコストを追加してカスタマイズされたプローブ構造体を開発しなければならない。使用していないプローブ構造体は機械の外部に保存されるため、保管に追加的な床スペースが必要である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の方法論は、従来の技術に関連する上記及びその他の問題の1つ又は複数を実質的に除去し、大規模な電子デバイスの検査を容易にする方法及びシステムを目指す。
【0009】
本発明の一態様によると、被試験デバイスの検査のためのプローブ・システムを提供する。このプローブ・システムは、ストレージ・ラック、プローブ・バー・ガントリー・アセンブリ、および被試験デバイスと電気的に合わさる(対合する、組合わされる、適合する)(electrically mate)ように構成されたプローブ・アセンブリ、及びストレージ・ラックからプローブ・アセンブリを取出し、プローブ・アセンブリをプローブ・バー・ガントリーに引渡す(届ける、運ぶ、送り込む)(deliver)ように構成されるロボット・システムを組込む。ロボット・システムは、さらに、プローブ・バー・ガントリーからプローブ・アセンブリを取出し、プローブ・アセンブリをストレージ・ラックに引渡すように構成される。
【0010】
実施形態では、プローブ・アセンブリをプローブ・バー・ガントリー又はストレージ・ラックに取付けるように構成されたクランプ・アセンブリ(clamping assembly)を組込むプローブ・アセンブリを含む。
【0011】
実施形態では、プローブ・アセンブリがプローブ・バー・ガントリー・アセンブリ上に設置される(取付けられる、置かれる)と被試験デバイス上の導電性パッドに合わさるように構成されたコンタクト・ピンのアレイを組込んだプローブ・アセンブリを含む。
【0012】
実施形態では、複数(多数)のコンタクト(multiple contacts)を含むコンタクト・アセンブリを組込んだプローブ・アセンブリを含む。プローブ・バー・ガントリー・アセンブリは、ガントリー構造とガントリー構造上に装着された(設けられた)電気バス(電気的バス)(electrical bus)とを組込んでおり、電気バスは複数(多数)の線状体(multiple traces)を含み、コンタクト・アセンブリの複数(多数)のコンタクトは、プローブ・アセンブリがプローブ・バー・ガントリー・アセンブリ上に設置されると、電気バスの複数の線状体に電気的に合わさるように構成される。
【0013】
実施形態では、電気バス上の所定のプローブ・アセンブリを検出するように構成されたコントローラを含む。
【0014】
実施形態では、電気バス中に正しいプローブ・アセンブリが存在することを確認し、プローブ・アセンブリの誤配置を特定するように構成されたコントローラを含む。
【0015】
実施形態では、被試験デバイスのための電気テスト・パターンを発生するように構成されたテスト・パターン発生装置を含む。前述のテスト・パターン発生装置は、プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの電気バスに電気的に接続され、これによって電気テスト・パターンが電気バスの線状体を通してコンタクト・アセンブリの複数のコンタクトの少なくとも1つに印加される。
【0016】
実施形態では、テスト・パターンを電気バスからコンタクト・アセンブリを通して受信し(受取り)、その電気テスト・パターンをコンタクト・ピン(contact pim)のアレイを通して被試験デバイスに印加するように構成されたプローブ・アセンブリを含む。
【0017】
実施形態では、プローブ・アセンブリがプローブ・バー・ガントリー・アセンブリの長さに沿った任意の場所に設置されるときに、プローブ・アセンブリのコンタクト・アセンブリの複数のコンタクトが電気バスの複数の線状体と合わさる(mate)ように、プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの長さに沿って配列される電気バスの複数の線状体を含む。
【0018】
実施形態では、プローブ・アセンブリを被試験デバイス上の特定の位置に位置決めするための自動作動軸(automated axis of motion)を備えるように構成されるプローブ・バー・ガントリーを含む。
【0019】
実施形態では、プローブ・アセンブリを握持するように動作するグリップ・アセンブリ(gripping assembly)を組込んだロボット・システムを含む。
【0020】
実施形態では、グリップ装置(gripping device)に対して回転(ピボット)移動可能(pivotally movable)なグリップ・アーム(gripping arm)を組込んだグリップ・アセンブリと、グリップ・アセンブリのグリップ・アームを作動させるためのアクチュエータを組込んだロボット・システムとを含む。
【0021】
実施形態では、プローブ・アセンブリがグリップ・アセンブリによって握持されると、プローブ・アセンブリのクランプ・アセンブリ(clamping assembly)を開かせて、ストレージ・ラック又はプローブ・バー・ガントリー・アセンブリを解放するように作動するグリップ・アセンブリを含む。
【0022】
実施形態では、プローブ・アセンブリを識別し位置を特定するように構成された少なくとも1つのセンサを組込んだロボット・システムを含む。
【0023】
実施形態では、RFID読取り装置(リーダー)(reader)であるセンサを含む。プローブ・アセンブリは、RFID読取り装置によって読取られるように構成されたRFIDタグを含み、RFIDタグは、固有のプローブ・アセンブリ識別子、プローブ種類(タイプ)情報及び較正(calibration)情報の内の少なくとも1つを保存(記憶、ストア)する。
【0024】
実施形態では、プローブ・アセンブリのエッジを検出するように構成されたエッジ検出センサであるセンサを含む。
【0025】
実施形態では、プローブ・アセンブリの配置又は移動(placement or removal)の間に、プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの表面の歪み(distortion)を補償(compensate)するために必要な補正量を決定するように構成されたコントローラを含む。
【0026】
実施形態では、プローブ・アセンブリは、被試験デバイス上の導電性パッドと合わさるように構成されたコンタクト・ピンのアレイと、複数(多数)のコンタクトを有するコンタクト・アセンブリと、複数(多数)のコンタクトの内の1つ又は複数から、1つ又は複数のコンタクト・ピンに、1つ又は複数の信号を経路づける(route)ように構成されるプローブ・アセンブリ・コントローラとを含む。
【0027】
実施形態では、コンタクト・アセンブリと結合した(結びついた)(coupled to)シリアル・プロトコル・インターフェースを有するプローブ・アセンブリ・コントローラを含み、コンタクト・アセンブリはプローブ・バー・ガントリー・アセンブリの電気バスに電気的に合わさるように構成され、これによりシリアル・プロトコル・インターフェースがシリアル・プロトコルを使用してプローブ・バー・ガントリー・アセンブリの電気バスを通して制御可能となる。
【0028】
実施形態では、電気バスを通してプローブ・アセンブリのシリアル・プロトコル・インターフェースにシリアル・プロトコル命令(コマンド、command)を送信するように動作可能なプローブ・アセンブリ・コントローラ・サーバを含む。
【0029】
実施形態では、被試験デバイスのための複数(群)グループ(多数グループ)の電気テスト・パターン信号を発生させるように構成された複数(多数)のテスト・パターン発生装置を含む。コンタクト・アセンブリはプローブ・バー・ガントリー・アセンブリの電気バスと電気的に合わさるように構成され、複数グループの電気テスト・パターン信号が電気バスに印加される。プローブ・アセンブリ・コントローラは、複数グループの電気テスト・パターン信号の内の1つを複数(多数)のコンタクト・ピンに経路づけるように構成される。
【0030】
実施形態では、被試験デバイスから検知された1つ又は複数の信号を、1つ又は複数のコンタクト・ピンから、コンタクト・アセンブリの複数(多数)のコンタクトの内の1つ又は複数に、経路づけるように構成されるプローブ・アセンブリ・コントローラを含む。
【0031】
実施形態では、プローブ・アセンブリの固有の識別子を記憶(保存)するメモリ装置を有するプローブ・アセンブリのプローブ・アセンブリ・コントローラを含み、プローブ・アセンブリの固有の識別子は、命令(コマンド)をプローブ・アセンブリ・コントローラに送信するために使用される。
【0032】
実施形態では、複数(多数)のコンタクトの内の任意の1つから、複数(多数)のコンタクト・ピンの内の任意の1つに、信号を経路づけるように構成されるプローブ・アセンブリ・コントローラを含む。
【0033】
実施形態では、所定の被試験デバイスの構成(configuration)に従って予め位置決めされる(pre-positioned)プローブ・アセンブリのコンタクト・ピンを含む。
【0034】
実施形態では、光学的プローブ(optical probing)装置、電気的プローブ装置、熱的プローブ(thermal probing)装置、及び整列プローブ(alignment probing)装置の内の少なくとも1つを有するプローブ・アセンブリを含む。
【0035】
実施形態では、被試験デバイス上の任意の場所にプローブ・アセンブリを位置決めするように動作するプローブ・バー・ガントリー・アセンブリを含む。
【0036】
本発明の他の態様により、被試験デバイスの検査のためのプローブ・システム(probe system)を提供する。このプローブ・システムは、第1のレールを有するストレージ・ラック、および第2のレールを有するガントリー構造(gantry structure)とガントリー構造に取り付けられ複数(多数)の線状体(multiple traces)を有する電気バス(電気的バス)(electrical bus)とを有するプローブ・バー・ガントリー・アセンブリを組込む。プローブ・システムはさらにプローブ・アセンブリを組込み、このプローブ・アセンブリは、被試験デバイス上の接触パッドと電気的に合わさるように構成された複数のピンと、プローブ・アセンブリがプローブ・バー・ガントリー・アセンブリ上で位置決めされると電気バスの線状体に合わさるように構成された複数(多数)のコンタクト(multiple contacts)と、第1のレールおよび第2のレールに係合するように構成されたクランプ・アセンブリとを有する。プローブ・システムはロボット・システムをさらに組込んでおり、このロボット・システムはストレージ・ラックからプローブ・アセンブリを取出し、プローブ・アセンブリをプローブ・バー・ガントリーに引渡すように構成され、プローブ・バー・ガントリーからプローブ・アセンブリを取出し、プローブ・アセンブリをストレージ・ラックに引渡すように構成される。
【0037】
さらに本発明の他の態様により、ストレージ・ラックと、第1のガントリー・アセンブリと、第2のガントリー・アセンブリと、第1のガントリー・アセンブリにアクセス可能なアクセス・エリアと、第1のロボット・システムと、第2のロボット・システムとを組込んだシステムを提供する。第2のロボット・システムは、ストレージ・ラック、第1のガントリー・アセンブリ及び第2のガントリー・アセンブリのいずれかの中の搭載物(payload)を再位置決めする(reposition)ように構成される。第2のロボット・システムは、搭載物の少なくとも1つのエッジを検出することによって、搭載物を識別し位置を特定する(identify and locate)ように構成された少なくとも1つのエッジ検出センサを組込んでいる。
【0038】
以下の説明において、本発明に関する追加の態様を幾つか述べるが、これらの態様は説明から明白であろうし、本発明を実施することにより分かるであろう。本発明の態様は、要素、及びさまざまな要素の組み合わせを用い、特に以下の詳細な説明で挙げられる態様及び付属の特許請求の範囲を用いて実現及び達成できるであろう。
【0039】
前述及び後述の説明はいずれも例示的であり、説明を行うことのみを目的とし、請求項の発明又はその出願を、いかなる態様においても、限定する意図のないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本明細書には添付図面が含まれ、明細書の一部を構成するが、本発明の実施形態を例証し、記述と共に、本発明の技術の原理を説明し例示する。具体的には、以下の通りである。
【0041】
【図1】本発明のプローブ構成ステーション(probe configuration station)(PCS)とその主要な部品の例示的実施形態の一部を示す斜視図である。
【図2】PCSバスの線状体(trace)に対して合わさる(mate)コンタクトを備えるプローブ・アセンブリの例示的実施形態を示す図である。
【図3A】PCSグリッパ・アセンブリの例示的実施形態を異なった方向から見た図面である。
【図3B】PCSグリッパ・アセンブリの例示的実施形態を異なった方向から見た図面である。
【図4】PCSバスを通して駆動パターン信号群(グループ)を送出する複数(多数)のパターン発生装置(multiple pattern generators)を備える例示的な構成を示す図である。
【図5】本発明のPCSの実施形態で使用されるRFIDリード/ライト・システム(書込み/読取りシステム)及びエッジ検出センサを示す。
【図6】PCSバス・ボードと、プローブ・アセンブリ・コントローラ(probe assembly controller)(PAC)と、プローブ・ノーズ(probe nose)との間を相互に接続する回路の例示的実施形態を示す図である。
【図7】駆動チャンネル(driving channels)の切換えバンク(switching bank)の例示的実施形態を示す図である。
【図8】検知ピン及び検知チャンネル切換え構成の例示的実施形態を示す図である。
【図9】柔軟なピン指定が可能な24×24切り換え構成の例示的実施形態を示す図である。
【詳細な説明】
【0042】
以下の詳細な説明において、添付図面を参照するが、図面中で同一機能要素は同様の数字で示す。前述の添付図面は例示を目的として示すものであり、本発明の原理に矛盾しない特定の実施例及び実施形態に限定することを目的としない。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるよう、十分詳細に説明しているが、本発明の範囲及び思想を逸脱することなく、他の実施形態も利用可能であること、及び構造上の変更及び/又はさまざまな要素の置換が可能であることを理解されたい。従って、以下の詳細な説明は限定目的で解釈されるべきではない。
【0043】
本発明の概念の1つ又は複数の実施例によると、異なるデバイス(device)(具体的にはTFTアレイ)が電気的に試験される場合に必要な、現在の手作業のプローブ構造体の交換手順、及び関連する複数のプローブ構造体は、DUTのレイアウト(配置)に従って、遠隔的に(かつ自動的に)使用し、プローブ構造体を再構成可能な革新的な手順及び関連する機構に置き換えられる。
【0044】
図1は、本発明の1つ又は複数の実施形態による本発明のプローブ構成(配置、形成、適合)(プローブを形造る)ステーション(PCS)の例示的な機械的実施態様100を示す。図1に示すように、PCSは、その一部に、ピック・アンド・プレース・ロボット・システム(pick and place robotic system)(PCSロボット)100と、1つ又は複数のプローブ・アセンブリ(probe assembly)102と、プローブ・アセンブリ・ストレージ・ラック(storage rack)103と、プローブ・バー・ガントリー(probe bar gantry)104とを含む。PCSロボット101は、プローブ・バー・ガントリー104とプローブ・アセンブリ・ストレージ・ラック103との間でプローブ・アセンブリ102を移動するために使用される。1つ又は複数の実施形態では、プローブ・アセンブリ・ストレージ・ラック103は少なくとも1つのストレージ・ラック・レール(rail)を内蔵する。
【0045】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、ストレージ・ラック103は、支持フレーム・アセンブリ105上でプローブ・バー・ガントリー104に対して静的な形態で装着(mount)されるが、一方、PCSロボット101は、コンピュータ制御のアクチュエータ(図1に図示せず)を用いて、自身のトラック・アセンブリ(track assembly)106上で移動可能である。
【0046】
プローブ・アセンブリ102は、カスタマイズ可能なモジュールであり、電気試験動作中にDUTを駆動するために、DUT上の信号受信導電性パッドと係合する(engage)ように設計されたコンタクト・ピンのフル・アレイ(full array)を備える。多くの場合、前述の導電性パッドはDUTの周辺部に位置する。DUTがTFTパネルである場合には、プローブ・アセンブリ102は、電気試験動作を可能にするために、駆動及び/又はデータ信号をDUTに送出(deliver)しうる。
【0047】
前述のコンタクト・ピンに加え、プローブ・アセンブリは、プローブ・アセンブリをプローブ・バー・ガントリー104及びプローブ・アセンブリ・ストレージ・ラック103上に位置決めし、確実に固定するように設計されたクランプ機構を含む。1つ又は複数の実施形態では、前述のクランプ機構は、プローブ・バー・ガントリー104及びプローブ・アセンブリ・ストレージ・ラック103中のレール又は溝に係合するように構成される。
【0048】
プローブ・アセンブリ102は、前述のコンタクト・ピンに対して電気信号を送受信するように構成された支援電子装置(support electronics)を含む。プローブ・アセンブリ102の支援電子装置は、プローブ・バー・ガントリー104に取り付けられたプローブ構成ステーション(Probe Configuration Station)のバスに(対して)、電気的に合わさる(対合する、組合わさる、接する、適合する)(electrically mate with)ように設計された一式の電気(的)コンタクト(電気コンタクトの1セット)(a set of electrical contacts)に電気的に接続される。図2は、PCSバス203の線状体(trace)202と合わさるコンタクト201を備えるプローブ・アセンブリ102を示す。前述の合わせ(対合)は、プローブ・アセンブリ102がプローブ・バー・ガントリー104上に配置される際(置かれるときに)に発生する。
【0049】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、PCSバス203は、プローブ・アセンブリ102がプローブ・バー・ガントリー104の長さに沿った任意の場所に配置されると、PCSバス203とプローブ・アセンブリ102の電気コンタクト201との間で電気(的)接続が確立されるような態様で、プローブ・バー・ガントリー104の底側に取り付けられる。このために、PCSバス203の電気線状体(electrical trace)202はプローブ・バー・ガントリー104の長さに沿って配列される。本発明の他の実施形態では、PCSバス203はプローブ・バー・ガントリー104の上側に取付けられる。本発明のPCSの1つ又は複数の実施形態では、PCSバス203は、プローブ・アセンブリ102を介してDUTに電力を供給するように構成される。
【0050】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、プローブ・バー・ガントリー104は、DUTの構成(configuration)に従って、プローブ・アセンブリ102をLCDガラスの長さに沿った特定の位置に位置決めするために使用される自動作動軸(automated axis of motion)を備える。最後に、ストレージ・ラック103は、予備のプローブ・アセンブリ102又は他のDUTレイアウト用に使用されるアセンブリを保管するために使用される。
【0051】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、PCSロボット101は高度に一体化された機構であるPCSグリッパ・アセンブリ(PCS gripper assembly)300を使用し、その例示的実施形態が図3A及び図3Bに示されている。PCSグリッパ・アセンブリ300は、ストレージ・ラック103からプローブ・ガントリー104まで、及びプローブ・ガントリー104からストレージ・ラック103までプローブ・アセンブリ102を「ピック・アンド・プレース(pick and place)」するために使用される。PCSグリッパ・アセンブリ300はグリップ・アーム(gripping arm)301を組込み、それは、PCSグリッパ・アセンブリ300の残りの部分に対して回転移動可能(pivotally movable)であり、例えば空気(圧)シリンダ(図示せず)を使用して作動させられる。グリップ・アーム301が動作する(engage)と、プローブ・アセンブリのクランプ機構(probe assembly clamping mechanism)を開き、プローブ・アセンブリ102の本体を握持するように設計される。グリップ・フィンガー(gripping finger)302及び303は、再位置決め動作中にプローブ・アセンブリ102をグリッパ・アセンブリ300の中に保持可能に設計される。グリップ・アーム301が動作を止めると(係合が外されると)(disengage)と、プローブ・アセンブリ102のクランプ機構は自動的に閉じ、プローブ・アセンブリ102はPCSグリッパ・アセンブリ300から解放される。
【0052】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、グリッパ・アセンブリ300は、グリッパ空気シリンダの作動によってグリッパ・フィンガー302及び303の開閉を可能とする一体的、機械的リンク機構を組込む。これにより、グリッパ・フィンガー302がプローブ・アセンブリ102を確実に握持できるようになる。同じ又は他の実施形態では、前述の一体的、機械的リンク機構は、プローブ・アセンブリ102のクランプ機構を開閉するレバーを上下させることができる。
【0053】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、グリッパ・アセンブリ300は並置シリンダ(banking cylinder)306を内蔵し、これは、握持したプローブ・アセンブリ102を、プローブ・バー・ガントリー104もしくはストレージ・ラック103上に並置(載置)(bank)する、又はプローブ・バー・ガントリー104もしくはストレージ・ラック103から引き出すように動作する。
【0054】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、前述のピック・アンド・プレース動作の間に、PCSグリッパ・アセンブリ300は、グリップ・アーム301を作動させる前述の空気シリンダの単一ストロークにて、以下の逐次動作を実行する。すなわち、プローブ・アセンブリ102を握持する、プローブ・アセンブリのクランプ機構を開閉する、及びフル・アレイ・コンタクタ(contactor)を収縮及び伸張する。プローブ・アセンブリのクランプ機構は、自身をストレージ・ラック103及び/又はプローブ・バー・ガントリー104に取付け可能である。本発明の1つ又は複数の実施形態では、プローブ・アセンブリ102のコンタクトがPCBバス203の線状体に対して常に整列するように、グリッパ・アセンブリ300の並置シリンダ306を用いて、PAがプローブ・バー・ガントリー104又はストレージ・ラック103に並置される。1つ又は複数の実施形態では、プローブ・バー・ガントリー104とストレージ・ラック103の双方とも、厳密に制御された並置及びクランプ面を有する。
【0055】
1つ又は複数の実施形態では、プローブ・アセンブリ102は一体的、機械的リンク機構を組込み、この機構はクランプを開閉させ、プローブ・バー・ガントリー104又はストレージ・ラック103上にクランプする及びクランプ解除すると共に、PCBバス203の線状体に電気的接触(コンタクト)を得るためにプローブ・アセンブリ102のコンタクトを上下させることができる。
【0056】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、プローブ・バー・ガントリー104は、少なくとも一部に、プローブ・アセンブリ102が配置される剛体のガントリー構造107と、縦に長い導電性線状体のアレイを備えるPCBバス203(図2)とを組込み、図4に示すように、電気信号を、プローブ・バー・ガントリー104に沿う、その位置にかかわらず、プローブ・アセンブリ102に供給できる。
【0057】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、電気検査のためのLCDガラス又は他のDUT上の駆動回路を作動させるために、1つ又は複数の電気テスト信号が、本発明の電気試験システムのパターン発生装置401〜404の1つ又は複数で発生する。図4を参照されたい。図4に示すように、前述の1つ又は複数の電気テスト信号はプローブ・バー・ガントリー104上のPCSバス203に経路づけられる(ルートが形成される)(routed)。プローブ・アセンブリは、プローブ・アセンブリ102のフル・アレイ・コンタクタ204のコンタクト201を通して、PCSバス203から電気信号を受信する(受取る)。プローブ・バー・ガントリー104上に適切に位置決めされたプローブ・アセンブリ102のプローブ・ピン(probing pin)を通して、電気信号がLCDガラス又は他のDUTに渡されると、電気回路が完成する(を形成する)(completed)。
【0058】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、プローブ・アセンブリ102に関連する位置(location)、構成(configuration)及び/又は他の情報を常に把握(監視)し、ストレージ・ラック103又はプローブ・バー・ガントリー104上のプローブ・アセンブリの位置を特定するために、図5に示すように、PCSロボット101はRFIDリード/ライト・システム501とエッジ検出センサ502とを装備する。それぞれのプローブ・アセンブリ102はRFIDタグ503を有し、ロボットのRFIDリード/ライト・システム501によって、読出し又は書込み(リード/ライト)がなされる。RFIDタグ503は、固有のプローブ・アセンブリID、プローブ種類(タイプ)、及びXYオフセット較正値に加え、その他関連パラメータを保存(ストア)する。カメラ、照明装置、レーザー、他のセンサ(有線/無線)等、整列(アライメント)、計測、エネルギー動作、基板への熱移動等を行うため、運転時に他の任意の装置を本発明のシステムの実施形態に付加可能である。本発明の1つ又は複数の実施形態では、本発明のシステムはまた、プローブ・アセンブリ102存在センサ(有無センサ)(図5に図示せず)を組込み、これは、失敗なく再構成(re-configuration)を行うために、グリッパ・アセンブリ300上のプローブ・アセンブリ102の存否を検出するように動作する。
【0059】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、PCSロボット101のエッジ検出センサ502を使用して、プローブ・バー・ガントリー104表面の任意の平面度又は歪みに対して補償するために垂直方向のソフトウェア補正を行い、プローブ・アセンブリの交換を失敗なく実施できるようにする。1つ又は複数の実施形態では、革新的なソフトウェア・アルゴリズムは、PACへの、及びPACからの信号を駆動してPCBバス203上のそれぞれのプローブ・アセンブリ内にあるPAC IDを探知することによって、プローブ・バー・ガントリー104上の固有のプローブ・アセンブリを検出する。このアルゴリズムは、PCBバス203上で不足物が在れば検出し、かつ誤配置されたプローブ・アセンブリの位置を特定する。
【0060】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、傾斜したチャックの後方に装着されるプローブ・ピン・テスター・モジュールを使用し、プローブ・アセンブリのノーズ(nose)上で欠落又は破損ピンを検出し、従って、DUTの検査に必要な時間を節約する。プローブ・バー・ガントリー104上に装着されたプローブ・アセンブリは、プローブ・ピン・テスター・モジュール上で駆動され、プローブ・ピンはピン・テスター・プレート上に下降し、その後、ソフトウェア・アルゴリズムは各ピンにわたる電気回路を形成し、欠落又は破損ピンを検出する。
【0061】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、電気アレイ検査の電気的刺激信号(stimulus signal)は、検知機能を備える複数の独立駆動チャンネルによって供給される。これらの信号は、図6に概略的に示すように、プローブ・アセンブリ102上に配置されうるプローブ・アセンブリ・コントローラ(probe assembly controller)(PAC)601によって構成されパネルに印加される。本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、複数(多数)の前述のプローブ・アセンブリ・コントローラ601は、ホスト・コンピュータ406によってPACサーバ405を通して制御することが可能である。PACサーバ405は、ホスト・コンピュータからの高水準の命令(instruction)をプローブ・アセンブリ・コントローラ601の信号に翻訳する。プローブ・アセンブリ・コントローラ601は、例えばプローブ・アセンブリ・コントローラ601の不揮発メモリ中に保存された固有の識別子を使用し、PACサーバ405によってアドレスされる。
【0062】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、前述のプローブ・アセンブリ・コントローラ601の主機能は、電気刺激をLCD又は他のDUTパッド・レイアウトにも印加できるように、多数の駆動チャンネル群の中で構成可能なピン指定を可能にする(enable configurable pin assignment)ことである。本発明の実施形態では、ホスト・コンピュータ406からPAC601への通信は、例えば物理層としてRS485信号を用いるシリアル・プロトコル・インターフェース(SPI)を介して達成される(シングル・マスター、マルチプル・スレーブ)。しかし、当業者には理解されるように、本発明は、特定の通信プロトコルに限定されるものではなく、他の適するプロトコルも利用してもよい。1つ又は複数の実施形態では、図4に示すように、PACサーバ405を通してこの通信を実行する。
【0063】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、LCDパネル又は他のDUTの駆動パターンは、遠隔地にある1つ又は複数のパターン発生装置401〜404から発生する。実施形態では、パターンの単一チャンネルは、所定の値の、例えばプラス・マイナス50ボルトの間の振幅範囲の、一連の電気パルスとして定義される。
【0064】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、単一のPAC601に入力可能な1つ又は複数の駆動チャンネル群(グループ)602を備える。次に、PAC601は、例えば3×1マルチプレクサ702を含むリレー切換え(スイッチング)マトリックスを通して、図7に示すように、プローブ・アセンブリ102のプローブ・ノーズにある個々の任意の駆動ピン701に、それぞれの駆動チャンネルPG1.1〜PG3.24をマルチプレクスする。PAC601はSPIインターフェースを使用し、PACサーバ405から、切換え(スイッチング)、IDプログラミング等の命令(command)を得る。実施形態では、それぞれのPACは個々にアドレス指定できるように固有のIDを有し、例えば不揮発メモリ装置中に保存(ストア)する。前述のIDは同じSPIインターフェースを通して再プログラム可能である。
【0065】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態では、本発明のPACシステムはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field-programmable gate array)(FPGA)を備え、これは、命令(command)を解釈し複雑なマルチプレクサのマトリックスを制御するよう動作するSPIインターフェースを提供し、テスト電気信号の経路づけを行えるように構成される。1つの例示的な実施形態では、前述のシステムは、例えば固体(solid state)リレーを使用して実装する。
【0066】
前述の駆動チャンネルに加え、本発明のシステムは、追加的に、パネル又は他のDUTの検査中に電気的測定を可能にするように構成された複数(多数)の電気信号検知(センス)チャンネルを含む。1つ又は複数の実施形態では、検知(センス)チャンネル(sense channel)が検知ピンの切換えをできるように、上述した駆動チャンネルの切換え(スイッチング)マトリックスと同様の切換えマトリックスを備える。そのような切換えマトリックス800の例示的実施形態を図8に示す。図示の実施形態では、ピン指定制御において、3×1マルチプレクサ802及び24×1マルチプレクサ801を使用し、実質的に柔軟なチャンネル指定を達成しており、任意のチャンネルPG1.SENSE〜PG3.SENSEが任意のピンSENSE_PIN1〜SENSE_PIN24に経路づけることを可能にする。
【0067】
図9では、前述の柔軟なピン指定制御機構の例示的な1つの実施形態を示す。ピン制御は、当業者にはよく知られた、2×2及び3×3の4層901、902、903及び904のマルチプレクサを使用して達成される。当業者には理解されるように、本発明の概念は、図9に示す切換えマトリックスの実施形態に限定されず、他の適する実施形態を使用して、柔軟なフォース(出力)(force)ピン又は検知ピン指定と同じ目的を達成することができる。
【0068】
本発明の概念の1つ又は複数の実施形態によると、このシステムは、(システムの前方に配置される前述のロボット及び(第1の)ガントリーに加え、)システムの後方に配置される第2のロボットを含む。また、後方に配置されるものは、窓や他の開口部等のアクセス・エリア、及びシステムの作業者(オペレータ)又はアクセス・エリアを通し任意の自動化された手段によってアクセス可能な、第2の可動ガントリーがある。第2の可動ガントリーは、自身が(第1の、前方の)ロボット・システムによってアクセスできるように、((第1の)ガントリー越しに)再位置決めする。この前方のロボット・システムは、ストレージ・ラック、第1のガントリー・アセンブリ、及び第2のガントリー・アセンブリの任意のいずれかで、中の搭載物(payload)を再位置決めするよう構成される。搭載物のエッジを検出することにより、搭載物を識別し位置を特定するように構成された1つ又は複数のエッジ検出センサを備える。
【0069】
プローブ・アセンブリをストレージ・ラック又は(第1の)ガントリー上に装填(載せる、移す)(load)するには、以下のステップを伴う。
【0070】
第2のロボット(後方)が既定位置で静止する。
【0071】
作業者が、アクセス・エリアを通して、第2のガントリー(後方)上にプローブ・アセンブリを、手作業で装填する。
【0072】
第2のガントリー(後方)が(第1の)ロボット(前方)の上に移動し、(第1の)ロボットがプローブ・アセンブリを取り出す。
【0073】
(第1の)ロボット(前方)が、プローブ・アセンブリをストレージ・ラック(前方)又は(第1の)ガントリー(前方)上に保管する。
【0074】
脱装填(unloading)の手順は逆の順番で達成可能である。
【0075】
当業者には理解されるように、本明細書に説明した本発明のPCSシステムの利点には、製品交換のための停止時間を減少させること、新製品の試験のための電気検査システムを採用するためのコストを減少させること、及び作業者が安全上の危険にさらされることを減少させることが含まれる。
【0076】
プローブ構造体を遠隔的(及び/又は自動的)に再構成(reconfigure)しDUTの構成(configuration)に適合させるようにするための本発明の手順及び関連する機構は、特定の試験装置、又は特定の試験システムもしくは方法にも限定されないことに留意されたい。説明した概念は、電子ビーム、ボルテージ・イメージング又は任意の他の既知のもしくは後に開発された試験技術を含む、任意の既知の試験技術を用いて、LCD又はOLEDパネル及び任意の他の電子デバイスの試験に使用してもよい。さらに、本発明のシステムは、プローブ・アセンブリ又は特定の試験機器の取扱いにのみ限定されるものではなく、また、限定されないが、カメラ、センサ又は任意の他の機器を含む任意の搭載物の取り扱いに対して、試験又はそれ以外かを問わず使用してもよい。
【0077】
最後に、本明細書に説明したプロセス(方法)及び技術は、本質的に特定の機器に関連するものではなく、任意の適する部品の組み合わせによって実現してよいことを理解されたい。さらに、本明細書に説明した教示内容に従って、さまざまな種類の汎用装置を使用できる。本明細書に説明した方法ステップを実行する特別な機器を構築することもまた、利点があるだろう。具体的な実施例に関連して本発明を説明したが、すべての面で、限定ではなく、例示を目的としたものである。
【0078】
さらに、本発明の他の実施形態は、本明細書に開示された本発明の詳細を考慮し実施することで、当業者には自明であろう。説明した実施形態の態様及び/又は部品は、電子デバイスの試験のシステムにおいて、単体又は任意の組み合わせで使用してよい。詳細な説明及び実施例は、例示としてのみ考慮されることを意図しており、本発明の真の範囲や思想は以下の請求項に示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスの検査のためのプローブ・システムであって、
a.ストレージ・ラック、
b.プローブ・バー・ガントリー・アセンブリ、
c.前記被試験デバイスと電気的に合わさるように構成されたプローブ・アセンブリ、および
d.前記ストレージ・ラックから前記プローブ・アセンブリを取出し、前記プローブ・アセンブリを前記プローブ・バー・ガントリーに引渡すように構成され、さらに、前記プローブ・バー・ガントリーからプローブ・アセンブリを取出し、前記プローブ・アセンブリを前記ストレージ・ラックに引渡すように構成されるロボット・システム
を含むプローブ・システム。
【請求項2】
前記プローブ・アセンブリが、前記プローブ・アセンブリを前記プローブ・バー・ガントリー又は前記ストレージ・ラックに取付けるように構成されたクランプ・アセンブリを含む、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項3】
前記プローブ・アセンブリは、前記プローブ・アセンブリが前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリ上に設置されるときに、前記被試験デバイス上の導電性パッドに合わさるように構成されたコンタクト・ピンのアレイを含む、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項4】
前記プローブ・アセンブリは複数のコンタクトを含むコンタクト・アセンブリを含み、前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリはガントリー構造と前記ガントリー構造上に装着された電気バスとを含み、前記電気バスは複数の線状体を含み、前記コンタクト・アセンブリの前記複数のコンタクトは、前記プローブ・アセンブリが前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリ上に設置されるときに、前記電気バスの前記複数の線状体に電気的に適合するように構成される、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項5】
前記電気バス上の所定のプローブ・アセンブリを検出するように構成されたコントローラをさらに含む、請求項4に記載のプローブ・システム。
【請求項6】
前記コントローラが、さらに前記電気バス中に正しいプローブ・アセンブリが存在することを確認し、プローブ・アセンブリの誤配置を特定するように構成される、請求項5に記載のプローブ・システム。
【請求項7】
前記被試験デバイスのための電気テスト・パターンを発生するように構成されたテスト・パターン発生装置をさらに含み、前記テスト・パターン発生装置は、前記電気テスト・パターンが前記電気バスの前記線状体を通して前記コンタクト・アセンブリの前記複数のコンタクトの少なくとも1つに印加されるように、前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの前記電気バスに電気的に接続される、請求項4に記載のプローブ・システム。
【請求項8】
前記プローブ・アセンブリは、前記テスト・パターンを前記電気バスから前記コンタクト・アセンブリを通して受信し、前記電気テスト・パターンをコンタクト・ピンの前記アレイを通して前記被試験デバイスに印加するように構成される、請求項7に記載のプローブ・システム。
【請求項9】
前記プローブ・アセンブリが前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの長さに沿った任意の場所に設置されるときに、前記プローブ・アセンブリの前記コンタクト・アセンブリの前記複数のコンタクトが前記電気バスの前記複数の線状体と合わさるように、前記電気バスの前記複数の線状体が前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの長さに沿って配列される、請求項4に記載のプローブ・システム。
【請求項10】
前記プローブ・バー・ガントリーは、前記プローブ・アセンブリを前記被試験デバイス上の特定の位置に位置決めするための自動作動軸を備えるように構成される、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項11】
前記ロボット・システムが、前記プローブ・アセンブリを握持するように動作可能なグリップ・アセンブリを含む、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項12】
前記グリップ・アセンブリは前記グリップ装置に関して回転移動可能なグリップ・アームを含み、前記ロボット・システムは、前記グリップ・アセンブリの前記グリップ・アームを作動させるためのアクチュエータを含む、請求項11に記載のプローブ・システム。
【請求項13】
前記プローブ・アセンブリが前記グリップ・アセンブリによって握持されると、前記グリップ・アセンブリは、前記プローブ・アセンブリの前記クランプ・アセンブリを開かせて、前記ストレージ・ラック又は前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリを解放するように動作可能な、請求項11に記載のプローブ・システム。
【請求項14】
前記ロボット・システムが、プローブ・アセンブリを識別し位置を特定するように構成された少なくとも1つのセンサを含む、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項15】
前記センサはRFID読取り装置であり、前記プローブ・アセンブリは、前記RFID読取り装置によって読取られるように構成されたRFIDタグを含み、前記RFIDタグは、固有のプローブ・アセンブリ識別子、プローブ種類情報及び較正情報の内の少なくとも1つを保存する、請求項14に記載のプローブ・システム。
【請求項16】
前記センサが前記プローブ・アセンブリのエッジを検出するように構成されたエッジ検出センサである、請求項14に記載のプローブ・システム。
【請求項17】
前記プローブ・アセンブリの配置又は移動の間に、前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの表面の歪みを補償するために必要な補正量を決定するように構成されたコントローラをさらに含む、請求項16に記載のプローブ・システム。
【請求項18】
前記プローブ・アセンブリが、前記被試験デバイス上の導電性パッドと合わさるように構成されたコンタクト・ピンのアレイと、複数のコンタクトを含むコンタクト・アセンブリと、プローブ・アセンブリ・コントローラとを含み、前記プローブ・アセンブリ・コントローラは、前記複数のコンタクトの内の1つ又は複数から、1つ又は複数のコンタクト・ピンに、1つ又は複数の信号を経路づけるように構成される、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項19】
前記プローブ・アセンブリ・コントローラは前記コンタクト・アセンブリと結合したシリアル・プロトコル・インターフェースを含み、前記コンタクト・アセンブリは前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの電気バスに電気的に合わさるように構成され、これにより前記シリアル・プロトコル・インターフェースがシリアル・プロトコルを使用して前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの前記電気バスを通して制御可能となる、請求項18に記載のプローブ・システム。
【請求項20】
シリアル・プロトコル命令を前記プローブ・アセンブリの前記シリアル・プロトコル・インターフェースに前記電気バスを通して送信実行可能なプローブ・アセンブリ・コントローラ・サーバをさらに含む、請求項19に記載のプローブ・システム。
【請求項21】
前記被試験デバイスのための複数グループの電気テスト・パターン信号を発生させるように構成された複数のテスト・パターン発生装置をさらに含み、前記コンタクト・アセンブリは前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリの電気バスと電気的に合わさるように構成され、前記複数グループの電気テスト・パターン信号が前記電気バスに印加され、前記プローブ・アセンブリ・コントローラが前記複数グループの電気テスト・パターン信号の内の1つを前記複数のコンタクト・ピンに経路づけるように構成される、請求項18に記載のプローブ・システム。
【請求項22】
前記プローブ・アセンブリ・コントローラが、前記被試験デバイスから検知された1つ又は複数の信号を、1つ又は複数のコンタクト・ピンから、前記コンタクト・アセンブリの前記複数のコンタクトの内の1つ又は複数に経路づけるように構成される、請求項18に記載のプローブ・システム。
【請求項23】
前記プローブ・アセンブリの前記プローブ・アセンブリ・コントローラが、前記プローブ・アセンブリの固有の識別子を記憶するメモリ装置を含み、前記プローブ・アセンブリの前記固有の識別子が、命令を前記プローブ・アセンブリ・コントローラに送信するために使用される、請求項18に記載のプローブ・システム。
【請求項24】
前記プローブ・アセンブリ・コントローラは、前記複数のコンタクトの内の任意の1つから、前記複数のコンタクト・ピンの内の任意の1つに、信号を経路づけるように構成される、請求項18に記載のプローブ・システム。
【請求項25】
前記プローブ・アセンブリの前記コンタクト・ピンが、所定の被試験デバイスの構成に従って予め位置決めされる、請求項18に記載のプローブ・システム。
【請求項26】
前記プローブ・アセンブリが、光学プローブ装置、電気プローブ装置、熱的プローブ装置、及び整列プローブ装置の内の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項27】
前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリが、前記被試験デバイス上の任意の場所に前記プローブ・アセンブリを位置決めするように動作可能な、請求項1に記載のプローブ・システム。
【請求項28】
被試験デバイスの検査のためのプローブ・システムであって、前記プローブ・システムは、
a.第1のレールを含むストレージ・ラック、
b.第2のレールを含むガントリー構造と、前記ガントリー構造に取り付けられ複数の線状体を有する電気バスとを含むプローブ・バー・ガントリー・アセンブリ、
c.前記被試験デバイス上のコンタクト・パッドと電気的に合わさるように構成された複数のピンと、前記プローブ・アセンブリが前記プローブ・バー・ガントリー・アセンブリ上で位置決めされると前記電気バスの前記線状体に合わさるように構成された複数のコンタクトと、前記第1のレールと第2のレールに係合するように構成されたクランプ・アセンブリとを含むプローブ・アセンブリ、および
d.前記ストレージ・ラックから前記プローブ・アセンブリを取出し、前記プローブ・アセンブリを前記プローブ・バー・ガントリーに引渡すように構成され、さらに、前記プローブ・バー・ガントリーから前記プローブ・アセンブリを取出し、前記プローブ・アセンブリを前記ストレージ・ラックに引渡すように構成されるロボット・システム
を含む、プローブ・システム。
【請求項29】
a.ストレージ・ラック、
b.第1のガントリー・アセンブリ、
c.第2のガントリー・アセンブリ、
d.前記第1のガントリー・アセンブリにアクセス可能なアクセス・エリア、
e.第1のロボット・システム、並びに
f.前記ストレージ・ラック、前記第1のガントリー・アセンブリ及び前記第2のガントリー・アセンブリのいずれかの中の前記搭載物を再位置決めするように構成され、前記搭載物の少なくとも1つのエッジを検出することによって、前記搭載物を識別し、位置を特定するように構成された少なくとも1つのエッジ検出センサを含む第2のロボット・システム
を含む、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−516628(P2013−516628A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548175(P2012−548175)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020553
【国際公開番号】WO2011/085227
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(503298922)フォトン・ダイナミクス・インコーポレーテッド (19)
【Fターム(参考)】