自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法
【課題】 衝撃に対する強度を損なうことなく後方からの視認性を高め、かつ装着が容易な自動二輪車用ブレーキ灯や方向指示灯を付けたヘルメットを提供すること。
【解決手段】 ヘルメットに設けた孔に発光体を挿入して表面に拡散溝を設けた光拡散体で覆うか、あるいはあらかじめ光拡散体で覆った発光組立体を挿入し固定する。挿入する孔位置の間隔を30mm以上に設定する。また自動二輪車のブレーキペダル、ブレーキハンドル、方向転換スイッチ以外の位置から点灯信号を引き出し、ヘルメット以外の位置に点灯制御器を配置する。
【解決手段】 ヘルメットに設けた孔に発光体を挿入して表面に拡散溝を設けた光拡散体で覆うか、あるいはあらかじめ光拡散体で覆った発光組立体を挿入し固定する。挿入する孔位置の間隔を30mm以上に設定する。また自動二輪車のブレーキペダル、ブレーキハンドル、方向転換スイッチ以外の位置から点灯信号を引き出し、ヘルメット以外の位置に点灯制御器を配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動二輪車の運転者が安全のため着用するヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車がブレーキ操作や方向転換操作をした時に後続の車両に警告を与えるブレーキ警告等や方向指示灯は自動二輪車自体に設置されている。自動二輪車では通常これらの灯の位置は後続する車両の運転者の目線よりも下部に位置することから、後続車両運転者にとって視認性が充分ではない。この問題解決のために自動二輪運転者が着用するヘルメットに上記ブレーキ警告等や方向指示灯を取り付けて視認性を向上させることが提案されている。
【0003】
上記ヘルメットの例として特開昭61−160370には車体とヘルメットを電線で結びヘルメット側の補助ブレーキ灯を点灯させることが記されている。また特開平3−119103には電力供給を無線で行うブレーキ灯付きヘルメットが開示されている。この他にも実開平2−78525、特開2003−260983、実用登録3085102、特開平10−168636、実開平4−130987、特開平11−329003および実開平5−19322にも同様の技術が開示されている。
【0004】
点灯させる発光体としては電球、ルミネッセンス灯ELや発光ダイオードLEDが公知であるが中でもLEDが発光強度や消費電力の点で優れることから、特開平10−8319、特開平10−168636および特開2005−126879にはLEDを発光体とすることが記されている。また特開2003−227023には発光体として薄い帯状やロール状のものをヘルメットに外貼りする方法が記されている。
【特許文献1】特開昭61−160370号公報
【特許文献2】特開平3−119103号公報
【特許文献3】実開平2−78525号公報
【特許文献4】特開2003−260983号公報
【特許文献5】実用登録3085102号公報
【特許文献6】特開平10−168636号公報
【特許文献7】実開平4−130987号公報
【特許文献8】特開平11−329003
【特許文献9】実開平5−19322号公報
【特許文献10】特開平10−8319号公報
【特許文献11】特開2005−126879号公報
【特許文献12】特開2003−227023号公報
【0005】
しかしながらブレーキ灯付きのヘルメットとしては、上記公知例では以下に示すような幾つかの課題を残しており実用するに当たり充分満足の行くものは得られていないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ブレーキ灯あるいはブレーキ灯と方向指示灯を取り付けたヘルメットを充分実用に耐えるものとするには幾つかの課題がある。発光体としては上記公知のものの内、発光ダイオードLEDが輝度や小型の点で最も好ましいが、大量安価に入手できるLEDは直径が3または5mmであり必ずしも発光面積が大きくなく後方からの視認性が充分ではない。従ってLEDを用いたときの実質的な発光面積を拡大する必要がある。さらにLED灯表面は脆いガラスであるから何らかの部材で保護しておくのが実用上好ましい。
【0007】
また発光体のヘルメットへの取り付けに関しては振動等により発光体が脱落しないような工夫が必要である。この点では以下に詳細に述べるように本発明が採用したヘルメットに孔部を設け、該孔部に発光体を挿入固定する方法が好ましいが、この場合には転倒等非常時の衝撃に対するヘルメットの強度が低下しやすいので、強度を如何に確保するかが課題となる。
【0008】
更にブレーキや方向指示灯を点灯させる点灯信号を自動二輪車のどの部位から取り出すか、かつ点灯制御器をどの位置に取り付けるかも解決せねばならない課題である。該部位や位置は自動二輪車の大幅な改造を伴うことなく容易に取り付けることが可能な位置が望ましい。更には、例えば上記点灯制御器をヘルメット内部の空間部に設置しようとするとその実現には困難を伴う。上記の公知例ではいずれも信号の取り出しは車体から引き出すとのみ記載されており、最適なかつ具体的な部位の特定はなされていないのが現状である。点灯制御器は例として特開平11−329003にヘルメットの外側に装着した例があるがヘルメットが重くなる等の欠点がある。従って本発明はこれらの課題の解決を図り、後続車両運転者からの視認性が良好で、振動による脱落がなくかつ衝撃に対する強度を確保でき、大幅な改造を伴うことなくブレーキ操作や方向転換操作がなされたとの信号を検出して、ヘルメットのブレーキ灯や方向指示灯を点灯させることが可能な技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため本発明では発光体をヘルメットに設けた孔部に挿入しかつ発光体を光を拡散し同時に発光体を保護することの出来る部材で覆うことを特徴とする。これには2通りの構成があり発光体と光拡散材をあらかじめ組立てた発光組立て体を該孔部に挿入固定する方法と、発光体のみを挿入固定した後に発光体上部を光拡散材で覆う方法がある。このことにより振動による脱落を生ぜず、視認性が良好な灯の実現が可能となる。
【0010】
上記の様にヘルメットに孔部を設けた際のヘルメットの衝撃に対する強度の確保のために本発明では該孔の間隔を25mm以上に設定することを特徴とする。
【0011】
更にブレーキ操作や、方向転換の操作を検出する位置を自動二輪車のブレーキペダルやブレーキハンドルあるいは方向転換スイッチ以外の位置と選択することにより、自動二輪車の改造を軽微に留めることが可能となる。またヘルメット側の発光体を点灯させる点灯制御器をヘルメット側ではなくて自動二輪車側に設置したことに特徴がある。以下にその技術の詳細を述べる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の技術によりヘルメットに取り付けたブレーキ灯や方向指示灯の後方からの視認性が高まると同時にヘルメットにこれらの灯をヘルメットの強度を損なうことなく強固に取り付けることが可能であり、かつ自動二輪車の大幅な改造を必要とせず発光体を点灯させる信号検出や点灯制御器設置が可能なことから該ヘルメットの採用が広まるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明を以下に具体的に説明する。図1は本発明の全体の構成を示す図であり、1は自動二輪車、2は運転席、3は運転席後部のカバー、4および5は車体の後部に取り付けてあるブレーキ灯と方向指示灯、6はヘルメット、7、8はヘルメットに取り付けたブレーキ灯や方向指示灯、9は一例としての有線伝送の場合であり、ヘルメットの発光体を自動二輪車体からの点灯信号で点灯させるための電線である。該発光体の点灯用電力は自動二輪車体からの供給あるいは図示しないヘルメットに内蔵した電池により供給することも出来る。運転席2とカバー3は一体的に設けられている場合が多いが、独立している場合もある。
【0014】
図2は広く採用されている運転席後部のカバー3を開けた状態を示しており、カバー3の下には車載電池10やブレーキ、方向指示の信号を伝送する電線11とブレーキ灯4、方向指示灯5を結ぶ配線中継接続部12である。配線中継接続部には電線を固定するための端子13a、13bが内蔵されている。該端子を利用して後述するようにブレーキ灯、方向指示灯を点灯させる信号を検出することを後で最も好ましい例として示す。
【0015】
ヘルメットへ送信された点灯信号を通じてヘルメット内に設けた発光体を点灯させるため一例として図3に示したようにヘルメット20には発光体21が取り付けられる。ヘルメットには電池22を内蔵することも出来る。この構成を採用する場合、電池22はヘルメットの外材と頭部への衝撃を吸収する柔軟材との隙間に配置させることが出来るので、これらの部品の収納はヘルメット外材の強度には影響を与えない。なお自動二輪車本体から有線で電力を供給する場合はヘルメットへの電池22の設置を省略することが出来る。
【0016】
図3の構成において点灯制御器23は後述するように自動二輪車側に配置させられており、比較的大きな体積となる点灯制御器をヘルメット内に収納しなくて済む。替わりに接続端子23が必要となるがこれは点灯制御器より小型であり、ヘルメットの構成上特に支障とはならない。
【0017】
図4は無線で点灯信号を伝送する場合のヘルメット内の部品配置の一例である。ヘルメット20内には電池22、発光体21が設けられる。点灯信号26は図示しない二輪自動車運転者後方のカバー内に収納された点灯制御器から送信され、ヘルメット内の受信器26で受信され制御回路24を介して点灯される。無線で信号を受信する際の構成については特開平6−57511、特開平10−168636に示されたような構成を適用することが出来る。また特開2000−227023に示されたような光信号で送受信することも可能である。このように点灯信号を有線あるいは無線で伝送するか、また電力供給を自動二輪車からの有線供給あるいはヘルメット内臓の電池からとするかの方法があるが、本発明ではいずれを採用するかは限定しない。
【0018】
発光体はヘルメットに設けた孔部に挿入固定される。該孔はあらかじめ孔を設けるようにヘルメットを成形しても良いし、あるいは成形後に加工により設けても良い。孔に挿入する発光物は発光体と光拡散部材を一体化した発光組立体を挿入しても良いし、発光体を挿入固着後に該発光体を覆うように光拡散部材を取り付けても良い。発光体としては電球やルミネッセンス素子の他に発光ダイオードLEDを用いることが出来る。特にLEDは輝度が高く消費電力も少ないことから好適である。このLEDも既知の市販仕様の中から必要とする輝度、大きさ、形状等を考慮して適したものを選択すれば良い。現時点で一般的に大量安価に入手できるのは直径3mmおよび5mmの仕様であり、これらを用いるのが現実的であるが、利用しやすい他の仕様のものがあればそれらでも差し支えない。
【0019】
図5はあらかじめ発光体30と光拡散体31を組立てた発光組立体をヘルメットの孔部に挿入後間隙に接着剤32を流入させ固定した例である。この接着剤はエポキシ系等さまざまなものを用いることが出来るので特に限定はしない。
【0020】
図6は好ましい発光体としてLEDを使用した場合の発光組立体の拡大図である。LED41の上には光拡散材42が配置される。遮蔽材43はLEDの側面に配置され、該LEDと該光拡散材、遮蔽材の間の空間には既知の接着剤が注入され全体を固定している。この例ではLEDが3個(41a、41b、41c)の場合を示したが必要なLEDの数は必要な輝度、LEDの大きさや電流値により決定される。例えばLEDが直径5mm程度の場合は1個であっても自動二輪車から離間した後方から視認可能である。その直径が3mm程度になると3個配列することで一層の視認性改善が可能となる。
【0021】
図7は発光体41をヘルメットの孔部30に挿入した後に、位置合わせを行った後LED表面を光拡散材42で覆い、ヘルメットの外材とLED,光拡散材との間隙を接着剤で固定した例である。図7ではヘルメットの外材から光拡散材42は距離xだけ突出しているが、光拡散材がヘルメットの外材と同一面になるように取り付けても良い。視認性の一層の向上やファッション性等を考慮して外材から突出する距離xを選択すれば良い。
【0022】
光拡散材としてはガラスや樹脂、LED拡散シートを用いることが出来る。中でもLEDの拡散板、液晶デバイスの光拡散板として広く用いられているLED拡散シートが全面に渡って均一に光を拡散でき、LEDの実質的な発光面積を拡大するのに適しており、視認性の向上に効果的である。また拡散材は実質的な発光面積を拡大し視認性を高めると共に、雨水、風からLED素子を保護する役割を併せ持つ。
【0023】
上記ガラスや樹脂、LED拡散シートとしてはその表面に窪みを設けて光を拡散する能力を持たせたものを用いることができる。ガラスの場合は微小な窪みは高価となり、数百ミクロンから1mm程度の深さの窪みのものが現実的である。樹脂の場合は更に浅い窪みが可能であり、好ましい。中でもシート状のポリカーボネートやポリスチレン等の表面に数ミクロンから数百ミクロンの窪みを多数形成したLED拡散シートが、全体の厚さが数mm以下であり、特には最も薄いもので200ミクロン程度、光透過率98%のものも容易に入手でき好ましい。これらの光拡散材を使用することで狭い発光面積光のLEDの光を拡散させ、実質的な点灯面積を拡大でき視認性の向上に寄与できる。
【0024】
ヘルメットへの発光体の配置はさまざまな配置が採用することが出来るが、ヘルメットに孔を設けるために生じやすいヘルメットの強度低下を避けることが重要である。事故等の不測の事態にヘルメットに衝撃あるいは機械力が加わった場合、ヘルメットに複数の孔が存在する場合設計に工夫を要する。特にヘルメットの場合、頭部の保護が重要であるから、ヘルメットの上部先端から下部に向かって加わる衝撃に対するヘルメットの強度維持が重要である。別の表現をすればヘルメットの垂直方向に加わる衝撃に対する強度が確保されなければならない。またヘルメット下部は頭部を通すために穴あき構造なので横からの衝撃に弱いという性質がある。
【0025】
しかし検討の結果ヘルメットに設ける単独発光体を挿入する場合、孔間の距離を30mm以上に保つように配置すれば著しい強度低下はないことが判った。また発光体の発光面積を拡大する目的で後述のように複数個の発光体を用いたり、あるいは単独の発光体であっても該発光体を覆う光拡散材を大きくした発光組立体を挿入するような場合でも、同様に30mm以上の間隔を保てば著しい強度低下は認められないことが判った。これらの点を以下に更に説明する。
【0026】
図8はヘルメット20の孔部に、例えばブレーキ灯として1個のLEDを孤立した3個の孔51a、51b、51cに挿入固定した例である。同様に孔52a、52b、52c、52dにそれぞれ1個の方向指示灯合計4個を配置してある。これらの7個の孔は直径が10mm以下である。直径5mmのLEDを用いる場合には、孔径は7mm程度で充分LEDの挿入が出来る。孔51a、51b、51cはいずれも25mm以上の間隔を持って配置してある。また方向指示灯も51aと51b間、51bと51c間を同様に25mm以上に設定してある。更に上の3個と下の4個の孔も25mm以上の間隔を保っている。このように単独LEDの場合それら孔の間隔を25mm以上に保てばヘルメットの強度低下はない。なおブレーキ灯の場合、例えば常時点灯させブレーキ操作時には強く点灯させる方式を採用しても良い。LEDを用いた場合は常時点灯電流を6mA、ブレーキ操作時には20mAとすることが実用的である。なお図8ではブレーキ灯と方向指示灯を取り付ける例を示したが全てのLEDがブレーキ灯であっても良い。
【0027】
図9は前記LEDの実質的な発光面積を拡大するために孔部61に縦長の発光組立体63を、孔部62a、62bに横長の発光組立体64a、64bを挿入固定した他の実施例である。縦長発光組立体は赤色のLEDを使用するかおよびまたは赤色の拡散材を使用することにより赤色表示のブレーキ灯の役割を担わせることが出来る。同様に横長発光組立体は黄色を採用することで方向指示灯として機能する。縦長および横長の発光組立体はLEDの数を増やしても良いし、あるいは1個のLEDで光拡散材の長さを長くしても良いが、前者の方が発光強度がより強いので好ましい。孔の大きさは発光面積拡大が目的であるので、上記単独LEDの場合より大きい長手方向20mm以上が採用される。図9ではヘルメットの垂直方向で見て孔61と穴62間の距離L1を25mm以上にしてある。また水平方向で見ても同様に62aと62bの距離L2を25mm以上に保っている。このような設計を行えば強度低下が認められない。
【0028】
更に他の実施例として掲げた図10では赤色発光組立体63は横長の長さX1の孔部に挿入固定されている。該横長孔も視認性をさらに向上させるためにその長さX1を20mm以上最大150mm程度にまで拡大し、複数個のLEDを配することが好ましい。64a、64bは黄色の方向指示灯であり、その長さも上記ブレーキ灯と同様に選択される。孔間の距離は上記例と同様にL3、L4が共に25mm以上になるように設計される。
【0029】
上記の例では、ブレーキ灯と方向指示灯の間の関係として説明したが、ブレーキ灯を複数設ける場合、これら複数のブレーキ灯の間にも同様の関係がある。赤色のブレーキ灯や方向指示灯を複数取り付けて視認性をさらに高めたりするような構成も本発明の対象である。
【0030】
次に点灯信号を引き出す位置について説明する。ヘルメットに取り付けたブレーキ灯や方向指示灯を、二輪車本体の灯の点灯に連動して点灯させるためには自動二輪車本体の点灯指示系統のいずれかの位置から点灯信号を引き出し、それをヘルメット側に伝える必要がある。その位置として例えばブレーキペダル、ブレーキハンドル、ハンドル部に設けた方向転換スイッチの近傍が考えられるが、ハンドル部は高密度に電気系統が配置されておりここに新たに他の接続部を設けることは著しい改造につながり好ましくない。またブレーキペダルの周辺に設ける場合も同様に好ましくない。
【0031】
そこで本発明ではブレーキペダル、ブレーキハンドル、ハンドル部以外の自動二輪車の位置から点灯信号を引き出すことが特徴である。この場合には自動二輪車の著しい改造は必要でない。引き出し位置は上記ブレーキや方向指示の信号を伝送する配線の途中からであり、その位置は大幅な改造が必要なければいずこからでも可能である。例えば二輪車本体後部のブレーキ灯の位置からでも良い。中でも運転席後方のカバー(通常運転席のシートを兼ねる場合が多い)の下に設けられている結線部の結線端子を利用して簡便に点灯信号を引き出すことは、次に述べる点灯制御器を該結線部周辺に配置可能なことと合わせて、最も好ましい。
【0032】
図11はその詳細を示す図である。運転席後方のカバー3を開けた下部には比較的大きな空間60がある。二輪自動車本体からのブレーキ灯、方向指示灯の点灯信号は配線11を通り配線中継接続部12を介して後方のブレーキ灯4、方向指示灯5へ伝送される。そこで該配線中継部にある接続端子13a、13bから点灯信号を引き出すことで簡便に信号引き出しが可能である。信号検出は配線11に加わる電圧を検出する方法が最も簡便であるが、電流を検出する方法でも差し支えない。
【0033】
またLEDの点灯を制御するための点灯制御器はヘルメットのいずれかの一、例えばヘルメット外材と衝撃吸収材の間に設置しても良いが、さらに好ましくはヘルメット以外の位置に設置することでヘルメットの製造がより容易になる。その位置としては運転者が携行するような位置でも良いし、自動二輪車本体にあっても良い。好ましくは図11に示すようにカバー下60内の空間60を利用して、該空間に配置するのがスペース的な余裕がある。この点灯制御器は信号処理回路と点灯回路で構成され既知の技術を適用することが出来る。
【0034】
点灯信号を有線でヘルメット側へ伝送する場合に伝送線の配置はさほどの支障がない。信号引き出し部から空間的に余裕のある適切な経路を選択すれば良い。上記のようにカバー下の空間に点灯制御器を配置する場合は、伝送線を通す細い穴をカバー本体あるいはカバー下部のいずれかの、他の機能に影響を及ぼさない位置に設ければ容易に伝送が可能である。また無線で点灯信号を伝送する場合も同様に端子13a、13bから信号を引き出し、点灯制御器14、図示しない送信器を自動二輪車側に、そして受信機をヘルメット側に備えればヘルメット側の点灯が出来る。この場合いうまでも無く送信機をカバー下部に収納が可能である。
【実施例1】
【0035】
市販ヘルメットに直径7mm円形および縦長の5×15mmの孔を加工し、該孔に発光組立体あるいは発光体を挿入した。直径7mmの孔に挿入する発光体は直径5mmの白色LEDを用い、上記直径7mmの孔に挿入後、ヘルメット表面側に多数の窪みを設けた波上の表面を持つ黄色のガラスで覆いLED、ヘルメット外材、黄色ガラスの間隙を接着剤(商品名エポキシパテ)で固定した。5×15mmの孔に挿入する発光組立体はガラス管直径3mmの赤色LEDを3個連結し、該3個の連結がずれを生じないように上記接着剤で固定し、該連結体の上に厚さ140ミクロン、光透過率99%の拡散シートをあてがい側面から上記接着剤で固定して得た。該発光組立体を挿入後、間隙を上記接着剤で固定してヘルメットを得た。
【0036】
ヘルメットの孔部の構成は図8に示したような配置であり、ヘルメット下部の左右が直径7mmの孔であり、該孔部に黄色ガラス装着白色LEDをそれぞれ挿入した。中央の縦長5×15mmの孔には3個の赤色LED発光組立体を配置した。これら3つの孔は水平方向の黄色灯間の間隔を50mm、垂直方向の赤色と黄色灯の間隔を50mmとした。
【0037】
点灯信号は図11に示したカバー下の端子13から取り出した。該端子に電圧が印加された時に、該電圧を検知してLEDを点灯させる点灯制御器をカバー下に配置した。またLED点灯電力用として1.5VのLi電池3を直列接続した電池パックをカバー内の空間に設置した。実験に用いた250ccの二輪自動車のカバー下の空間60にはこれら点灯制御器を電池パックの収納が可能であった。LEDに送信する信号と電力はカバー脇の樹脂ケースに孔をあけ、該孔から電線で引き出した。
【0038】
以上で得られたヘルメットにブレーキを操作して、電流値20mAでヘルメット側のブレーキ灯を点灯させ、後方からの視認性を確認したところ曇天下、後方180mからの赤色検知が可能であった。また方向指示操作をし、同様に黄色灯の視認性を確認したところ160m後方から確認できた。さらに該ヘルメットを高さ20mから落下させて試験したところ、ヘルメットには亀裂は発生しなかった。
【実施例2】
【0039】
赤色LEDとして直径5mmのものを4個連結した長さ50mmの連結体の上にLED用の実施例1の光拡散シートを貼り付け、該発光組立体を長さがヘルメットの水平方向55mmの孔に挿入固定した。また方向指示灯として同じく直径5mmの白色LEDを4個連結した発光体を用い、該連結発光体をヘルメット水平方向長さ40mmの孔部に挿入し、表面を実施例1と同様のガラスで覆った。
【0040】
赤色灯用と黄色灯用の孔は図9の配置とした。即ちX1=55mm、X2=X3=40mmである。赤色用と黄色用の孔の間隔は水平方向L3=45mm、垂直方向L4=50mmとした。点灯信号の引き出しや点灯制御器の配置は実施例1と同様にした。実際に電流値20mAで点灯試験をしたところ、赤色、黄色灯共に晴天下、少なくとも後方250mから認識が可能であった。また、落下試験では赤色用孔の角部に肉眼では識別が難しい亀裂を生じた程度であり、実用上問題は無かった。比較例としてL4を25mmにしたところ、黄色灯用孔の角部亀裂が認められ実用上問題を生じる懸念が大であった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のブレーキ灯、方向指示灯付きヘルメットは二輪自動車および運転者にとって容易に取り付け、装着が可能であり、ヘルメットの衝撃に対する強度を損なうことなく後方からの視認性に優れるので、採用が増し安全の促進に期待するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明での二輪自動車とヘルメットの関係を示す全体図
【図2】すでに広く採用されている運転席後方のカバー下部の構成を示す図
【図3】本発明のブレーキ灯付きヘルメットの概略を示す図
【図4】本発明の一例としての無線伝送方式におけるヘルメットの構成を示す図
【図5】本発明のヘルメットにおける発光組立体とそれらを挿入する孔部の関係を示す図
【図6】本発明におけるLEDを用いた場合の発光組立体の構成を示す概略図
【図7】本発明における発光体の挿入と発光体を覆う光拡散体の構成を示す図
【図8】本発明の一実施例における発光体、発光組立体を挿入する孔の位置関係を示す図
【図9】本発明の他の実施例として発光体、発光組立体を挿入する孔の位置関係を示す図
【図10】本発明の他の実施例として発光体、発光組立体を挿入する孔の位置関係を示す図
【図11】本発明におけるヘルメットへの点灯信号の引き出しと点灯制御器の配置例を示す図
【符号の説明】
【0043】
1 二輪自動車、 3 カバー、 4 二輪自動車本体のブレーキ灯、
5 二輪自動車本体の方向指示灯、 6 ヘルメット、 7 ヘルメットのブレーキ灯、
8 ヘルメットの方向指示灯、 9 信号伝送線、
13a、13b 二輪自動車本体の配線中継接続部の端子、 14 点灯制御器、
21 発光体、 30 孔部、 41 LED、 42 光拡散材、 44 接着剤、
51,52 挿入孔、 L1,L2、L3、L4 孔の間隔、
X1、X2、X3 孔の長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は自動二輪車の運転者が安全のため着用するヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車がブレーキ操作や方向転換操作をした時に後続の車両に警告を与えるブレーキ警告等や方向指示灯は自動二輪車自体に設置されている。自動二輪車では通常これらの灯の位置は後続する車両の運転者の目線よりも下部に位置することから、後続車両運転者にとって視認性が充分ではない。この問題解決のために自動二輪運転者が着用するヘルメットに上記ブレーキ警告等や方向指示灯を取り付けて視認性を向上させることが提案されている。
【0003】
上記ヘルメットの例として特開昭61−160370には車体とヘルメットを電線で結びヘルメット側の補助ブレーキ灯を点灯させることが記されている。また特開平3−119103には電力供給を無線で行うブレーキ灯付きヘルメットが開示されている。この他にも実開平2−78525、特開2003−260983、実用登録3085102、特開平10−168636、実開平4−130987、特開平11−329003および実開平5−19322にも同様の技術が開示されている。
【0004】
点灯させる発光体としては電球、ルミネッセンス灯ELや発光ダイオードLEDが公知であるが中でもLEDが発光強度や消費電力の点で優れることから、特開平10−8319、特開平10−168636および特開2005−126879にはLEDを発光体とすることが記されている。また特開2003−227023には発光体として薄い帯状やロール状のものをヘルメットに外貼りする方法が記されている。
【特許文献1】特開昭61−160370号公報
【特許文献2】特開平3−119103号公報
【特許文献3】実開平2−78525号公報
【特許文献4】特開2003−260983号公報
【特許文献5】実用登録3085102号公報
【特許文献6】特開平10−168636号公報
【特許文献7】実開平4−130987号公報
【特許文献8】特開平11−329003
【特許文献9】実開平5−19322号公報
【特許文献10】特開平10−8319号公報
【特許文献11】特開2005−126879号公報
【特許文献12】特開2003−227023号公報
【0005】
しかしながらブレーキ灯付きのヘルメットとしては、上記公知例では以下に示すような幾つかの課題を残しており実用するに当たり充分満足の行くものは得られていないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ブレーキ灯あるいはブレーキ灯と方向指示灯を取り付けたヘルメットを充分実用に耐えるものとするには幾つかの課題がある。発光体としては上記公知のものの内、発光ダイオードLEDが輝度や小型の点で最も好ましいが、大量安価に入手できるLEDは直径が3または5mmであり必ずしも発光面積が大きくなく後方からの視認性が充分ではない。従ってLEDを用いたときの実質的な発光面積を拡大する必要がある。さらにLED灯表面は脆いガラスであるから何らかの部材で保護しておくのが実用上好ましい。
【0007】
また発光体のヘルメットへの取り付けに関しては振動等により発光体が脱落しないような工夫が必要である。この点では以下に詳細に述べるように本発明が採用したヘルメットに孔部を設け、該孔部に発光体を挿入固定する方法が好ましいが、この場合には転倒等非常時の衝撃に対するヘルメットの強度が低下しやすいので、強度を如何に確保するかが課題となる。
【0008】
更にブレーキや方向指示灯を点灯させる点灯信号を自動二輪車のどの部位から取り出すか、かつ点灯制御器をどの位置に取り付けるかも解決せねばならない課題である。該部位や位置は自動二輪車の大幅な改造を伴うことなく容易に取り付けることが可能な位置が望ましい。更には、例えば上記点灯制御器をヘルメット内部の空間部に設置しようとするとその実現には困難を伴う。上記の公知例ではいずれも信号の取り出しは車体から引き出すとのみ記載されており、最適なかつ具体的な部位の特定はなされていないのが現状である。点灯制御器は例として特開平11−329003にヘルメットの外側に装着した例があるがヘルメットが重くなる等の欠点がある。従って本発明はこれらの課題の解決を図り、後続車両運転者からの視認性が良好で、振動による脱落がなくかつ衝撃に対する強度を確保でき、大幅な改造を伴うことなくブレーキ操作や方向転換操作がなされたとの信号を検出して、ヘルメットのブレーキ灯や方向指示灯を点灯させることが可能な技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため本発明では発光体をヘルメットに設けた孔部に挿入しかつ発光体を光を拡散し同時に発光体を保護することの出来る部材で覆うことを特徴とする。これには2通りの構成があり発光体と光拡散材をあらかじめ組立てた発光組立て体を該孔部に挿入固定する方法と、発光体のみを挿入固定した後に発光体上部を光拡散材で覆う方法がある。このことにより振動による脱落を生ぜず、視認性が良好な灯の実現が可能となる。
【0010】
上記の様にヘルメットに孔部を設けた際のヘルメットの衝撃に対する強度の確保のために本発明では該孔の間隔を25mm以上に設定することを特徴とする。
【0011】
更にブレーキ操作や、方向転換の操作を検出する位置を自動二輪車のブレーキペダルやブレーキハンドルあるいは方向転換スイッチ以外の位置と選択することにより、自動二輪車の改造を軽微に留めることが可能となる。またヘルメット側の発光体を点灯させる点灯制御器をヘルメット側ではなくて自動二輪車側に設置したことに特徴がある。以下にその技術の詳細を述べる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の技術によりヘルメットに取り付けたブレーキ灯や方向指示灯の後方からの視認性が高まると同時にヘルメットにこれらの灯をヘルメットの強度を損なうことなく強固に取り付けることが可能であり、かつ自動二輪車の大幅な改造を必要とせず発光体を点灯させる信号検出や点灯制御器設置が可能なことから該ヘルメットの採用が広まるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明を以下に具体的に説明する。図1は本発明の全体の構成を示す図であり、1は自動二輪車、2は運転席、3は運転席後部のカバー、4および5は車体の後部に取り付けてあるブレーキ灯と方向指示灯、6はヘルメット、7、8はヘルメットに取り付けたブレーキ灯や方向指示灯、9は一例としての有線伝送の場合であり、ヘルメットの発光体を自動二輪車体からの点灯信号で点灯させるための電線である。該発光体の点灯用電力は自動二輪車体からの供給あるいは図示しないヘルメットに内蔵した電池により供給することも出来る。運転席2とカバー3は一体的に設けられている場合が多いが、独立している場合もある。
【0014】
図2は広く採用されている運転席後部のカバー3を開けた状態を示しており、カバー3の下には車載電池10やブレーキ、方向指示の信号を伝送する電線11とブレーキ灯4、方向指示灯5を結ぶ配線中継接続部12である。配線中継接続部には電線を固定するための端子13a、13bが内蔵されている。該端子を利用して後述するようにブレーキ灯、方向指示灯を点灯させる信号を検出することを後で最も好ましい例として示す。
【0015】
ヘルメットへ送信された点灯信号を通じてヘルメット内に設けた発光体を点灯させるため一例として図3に示したようにヘルメット20には発光体21が取り付けられる。ヘルメットには電池22を内蔵することも出来る。この構成を採用する場合、電池22はヘルメットの外材と頭部への衝撃を吸収する柔軟材との隙間に配置させることが出来るので、これらの部品の収納はヘルメット外材の強度には影響を与えない。なお自動二輪車本体から有線で電力を供給する場合はヘルメットへの電池22の設置を省略することが出来る。
【0016】
図3の構成において点灯制御器23は後述するように自動二輪車側に配置させられており、比較的大きな体積となる点灯制御器をヘルメット内に収納しなくて済む。替わりに接続端子23が必要となるがこれは点灯制御器より小型であり、ヘルメットの構成上特に支障とはならない。
【0017】
図4は無線で点灯信号を伝送する場合のヘルメット内の部品配置の一例である。ヘルメット20内には電池22、発光体21が設けられる。点灯信号26は図示しない二輪自動車運転者後方のカバー内に収納された点灯制御器から送信され、ヘルメット内の受信器26で受信され制御回路24を介して点灯される。無線で信号を受信する際の構成については特開平6−57511、特開平10−168636に示されたような構成を適用することが出来る。また特開2000−227023に示されたような光信号で送受信することも可能である。このように点灯信号を有線あるいは無線で伝送するか、また電力供給を自動二輪車からの有線供給あるいはヘルメット内臓の電池からとするかの方法があるが、本発明ではいずれを採用するかは限定しない。
【0018】
発光体はヘルメットに設けた孔部に挿入固定される。該孔はあらかじめ孔を設けるようにヘルメットを成形しても良いし、あるいは成形後に加工により設けても良い。孔に挿入する発光物は発光体と光拡散部材を一体化した発光組立体を挿入しても良いし、発光体を挿入固着後に該発光体を覆うように光拡散部材を取り付けても良い。発光体としては電球やルミネッセンス素子の他に発光ダイオードLEDを用いることが出来る。特にLEDは輝度が高く消費電力も少ないことから好適である。このLEDも既知の市販仕様の中から必要とする輝度、大きさ、形状等を考慮して適したものを選択すれば良い。現時点で一般的に大量安価に入手できるのは直径3mmおよび5mmの仕様であり、これらを用いるのが現実的であるが、利用しやすい他の仕様のものがあればそれらでも差し支えない。
【0019】
図5はあらかじめ発光体30と光拡散体31を組立てた発光組立体をヘルメットの孔部に挿入後間隙に接着剤32を流入させ固定した例である。この接着剤はエポキシ系等さまざまなものを用いることが出来るので特に限定はしない。
【0020】
図6は好ましい発光体としてLEDを使用した場合の発光組立体の拡大図である。LED41の上には光拡散材42が配置される。遮蔽材43はLEDの側面に配置され、該LEDと該光拡散材、遮蔽材の間の空間には既知の接着剤が注入され全体を固定している。この例ではLEDが3個(41a、41b、41c)の場合を示したが必要なLEDの数は必要な輝度、LEDの大きさや電流値により決定される。例えばLEDが直径5mm程度の場合は1個であっても自動二輪車から離間した後方から視認可能である。その直径が3mm程度になると3個配列することで一層の視認性改善が可能となる。
【0021】
図7は発光体41をヘルメットの孔部30に挿入した後に、位置合わせを行った後LED表面を光拡散材42で覆い、ヘルメットの外材とLED,光拡散材との間隙を接着剤で固定した例である。図7ではヘルメットの外材から光拡散材42は距離xだけ突出しているが、光拡散材がヘルメットの外材と同一面になるように取り付けても良い。視認性の一層の向上やファッション性等を考慮して外材から突出する距離xを選択すれば良い。
【0022】
光拡散材としてはガラスや樹脂、LED拡散シートを用いることが出来る。中でもLEDの拡散板、液晶デバイスの光拡散板として広く用いられているLED拡散シートが全面に渡って均一に光を拡散でき、LEDの実質的な発光面積を拡大するのに適しており、視認性の向上に効果的である。また拡散材は実質的な発光面積を拡大し視認性を高めると共に、雨水、風からLED素子を保護する役割を併せ持つ。
【0023】
上記ガラスや樹脂、LED拡散シートとしてはその表面に窪みを設けて光を拡散する能力を持たせたものを用いることができる。ガラスの場合は微小な窪みは高価となり、数百ミクロンから1mm程度の深さの窪みのものが現実的である。樹脂の場合は更に浅い窪みが可能であり、好ましい。中でもシート状のポリカーボネートやポリスチレン等の表面に数ミクロンから数百ミクロンの窪みを多数形成したLED拡散シートが、全体の厚さが数mm以下であり、特には最も薄いもので200ミクロン程度、光透過率98%のものも容易に入手でき好ましい。これらの光拡散材を使用することで狭い発光面積光のLEDの光を拡散させ、実質的な点灯面積を拡大でき視認性の向上に寄与できる。
【0024】
ヘルメットへの発光体の配置はさまざまな配置が採用することが出来るが、ヘルメットに孔を設けるために生じやすいヘルメットの強度低下を避けることが重要である。事故等の不測の事態にヘルメットに衝撃あるいは機械力が加わった場合、ヘルメットに複数の孔が存在する場合設計に工夫を要する。特にヘルメットの場合、頭部の保護が重要であるから、ヘルメットの上部先端から下部に向かって加わる衝撃に対するヘルメットの強度維持が重要である。別の表現をすればヘルメットの垂直方向に加わる衝撃に対する強度が確保されなければならない。またヘルメット下部は頭部を通すために穴あき構造なので横からの衝撃に弱いという性質がある。
【0025】
しかし検討の結果ヘルメットに設ける単独発光体を挿入する場合、孔間の距離を30mm以上に保つように配置すれば著しい強度低下はないことが判った。また発光体の発光面積を拡大する目的で後述のように複数個の発光体を用いたり、あるいは単独の発光体であっても該発光体を覆う光拡散材を大きくした発光組立体を挿入するような場合でも、同様に30mm以上の間隔を保てば著しい強度低下は認められないことが判った。これらの点を以下に更に説明する。
【0026】
図8はヘルメット20の孔部に、例えばブレーキ灯として1個のLEDを孤立した3個の孔51a、51b、51cに挿入固定した例である。同様に孔52a、52b、52c、52dにそれぞれ1個の方向指示灯合計4個を配置してある。これらの7個の孔は直径が10mm以下である。直径5mmのLEDを用いる場合には、孔径は7mm程度で充分LEDの挿入が出来る。孔51a、51b、51cはいずれも25mm以上の間隔を持って配置してある。また方向指示灯も51aと51b間、51bと51c間を同様に25mm以上に設定してある。更に上の3個と下の4個の孔も25mm以上の間隔を保っている。このように単独LEDの場合それら孔の間隔を25mm以上に保てばヘルメットの強度低下はない。なおブレーキ灯の場合、例えば常時点灯させブレーキ操作時には強く点灯させる方式を採用しても良い。LEDを用いた場合は常時点灯電流を6mA、ブレーキ操作時には20mAとすることが実用的である。なお図8ではブレーキ灯と方向指示灯を取り付ける例を示したが全てのLEDがブレーキ灯であっても良い。
【0027】
図9は前記LEDの実質的な発光面積を拡大するために孔部61に縦長の発光組立体63を、孔部62a、62bに横長の発光組立体64a、64bを挿入固定した他の実施例である。縦長発光組立体は赤色のLEDを使用するかおよびまたは赤色の拡散材を使用することにより赤色表示のブレーキ灯の役割を担わせることが出来る。同様に横長発光組立体は黄色を採用することで方向指示灯として機能する。縦長および横長の発光組立体はLEDの数を増やしても良いし、あるいは1個のLEDで光拡散材の長さを長くしても良いが、前者の方が発光強度がより強いので好ましい。孔の大きさは発光面積拡大が目的であるので、上記単独LEDの場合より大きい長手方向20mm以上が採用される。図9ではヘルメットの垂直方向で見て孔61と穴62間の距離L1を25mm以上にしてある。また水平方向で見ても同様に62aと62bの距離L2を25mm以上に保っている。このような設計を行えば強度低下が認められない。
【0028】
更に他の実施例として掲げた図10では赤色発光組立体63は横長の長さX1の孔部に挿入固定されている。該横長孔も視認性をさらに向上させるためにその長さX1を20mm以上最大150mm程度にまで拡大し、複数個のLEDを配することが好ましい。64a、64bは黄色の方向指示灯であり、その長さも上記ブレーキ灯と同様に選択される。孔間の距離は上記例と同様にL3、L4が共に25mm以上になるように設計される。
【0029】
上記の例では、ブレーキ灯と方向指示灯の間の関係として説明したが、ブレーキ灯を複数設ける場合、これら複数のブレーキ灯の間にも同様の関係がある。赤色のブレーキ灯や方向指示灯を複数取り付けて視認性をさらに高めたりするような構成も本発明の対象である。
【0030】
次に点灯信号を引き出す位置について説明する。ヘルメットに取り付けたブレーキ灯や方向指示灯を、二輪車本体の灯の点灯に連動して点灯させるためには自動二輪車本体の点灯指示系統のいずれかの位置から点灯信号を引き出し、それをヘルメット側に伝える必要がある。その位置として例えばブレーキペダル、ブレーキハンドル、ハンドル部に設けた方向転換スイッチの近傍が考えられるが、ハンドル部は高密度に電気系統が配置されておりここに新たに他の接続部を設けることは著しい改造につながり好ましくない。またブレーキペダルの周辺に設ける場合も同様に好ましくない。
【0031】
そこで本発明ではブレーキペダル、ブレーキハンドル、ハンドル部以外の自動二輪車の位置から点灯信号を引き出すことが特徴である。この場合には自動二輪車の著しい改造は必要でない。引き出し位置は上記ブレーキや方向指示の信号を伝送する配線の途中からであり、その位置は大幅な改造が必要なければいずこからでも可能である。例えば二輪車本体後部のブレーキ灯の位置からでも良い。中でも運転席後方のカバー(通常運転席のシートを兼ねる場合が多い)の下に設けられている結線部の結線端子を利用して簡便に点灯信号を引き出すことは、次に述べる点灯制御器を該結線部周辺に配置可能なことと合わせて、最も好ましい。
【0032】
図11はその詳細を示す図である。運転席後方のカバー3を開けた下部には比較的大きな空間60がある。二輪自動車本体からのブレーキ灯、方向指示灯の点灯信号は配線11を通り配線中継接続部12を介して後方のブレーキ灯4、方向指示灯5へ伝送される。そこで該配線中継部にある接続端子13a、13bから点灯信号を引き出すことで簡便に信号引き出しが可能である。信号検出は配線11に加わる電圧を検出する方法が最も簡便であるが、電流を検出する方法でも差し支えない。
【0033】
またLEDの点灯を制御するための点灯制御器はヘルメットのいずれかの一、例えばヘルメット外材と衝撃吸収材の間に設置しても良いが、さらに好ましくはヘルメット以外の位置に設置することでヘルメットの製造がより容易になる。その位置としては運転者が携行するような位置でも良いし、自動二輪車本体にあっても良い。好ましくは図11に示すようにカバー下60内の空間60を利用して、該空間に配置するのがスペース的な余裕がある。この点灯制御器は信号処理回路と点灯回路で構成され既知の技術を適用することが出来る。
【0034】
点灯信号を有線でヘルメット側へ伝送する場合に伝送線の配置はさほどの支障がない。信号引き出し部から空間的に余裕のある適切な経路を選択すれば良い。上記のようにカバー下の空間に点灯制御器を配置する場合は、伝送線を通す細い穴をカバー本体あるいはカバー下部のいずれかの、他の機能に影響を及ぼさない位置に設ければ容易に伝送が可能である。また無線で点灯信号を伝送する場合も同様に端子13a、13bから信号を引き出し、点灯制御器14、図示しない送信器を自動二輪車側に、そして受信機をヘルメット側に備えればヘルメット側の点灯が出来る。この場合いうまでも無く送信機をカバー下部に収納が可能である。
【実施例1】
【0035】
市販ヘルメットに直径7mm円形および縦長の5×15mmの孔を加工し、該孔に発光組立体あるいは発光体を挿入した。直径7mmの孔に挿入する発光体は直径5mmの白色LEDを用い、上記直径7mmの孔に挿入後、ヘルメット表面側に多数の窪みを設けた波上の表面を持つ黄色のガラスで覆いLED、ヘルメット外材、黄色ガラスの間隙を接着剤(商品名エポキシパテ)で固定した。5×15mmの孔に挿入する発光組立体はガラス管直径3mmの赤色LEDを3個連結し、該3個の連結がずれを生じないように上記接着剤で固定し、該連結体の上に厚さ140ミクロン、光透過率99%の拡散シートをあてがい側面から上記接着剤で固定して得た。該発光組立体を挿入後、間隙を上記接着剤で固定してヘルメットを得た。
【0036】
ヘルメットの孔部の構成は図8に示したような配置であり、ヘルメット下部の左右が直径7mmの孔であり、該孔部に黄色ガラス装着白色LEDをそれぞれ挿入した。中央の縦長5×15mmの孔には3個の赤色LED発光組立体を配置した。これら3つの孔は水平方向の黄色灯間の間隔を50mm、垂直方向の赤色と黄色灯の間隔を50mmとした。
【0037】
点灯信号は図11に示したカバー下の端子13から取り出した。該端子に電圧が印加された時に、該電圧を検知してLEDを点灯させる点灯制御器をカバー下に配置した。またLED点灯電力用として1.5VのLi電池3を直列接続した電池パックをカバー内の空間に設置した。実験に用いた250ccの二輪自動車のカバー下の空間60にはこれら点灯制御器を電池パックの収納が可能であった。LEDに送信する信号と電力はカバー脇の樹脂ケースに孔をあけ、該孔から電線で引き出した。
【0038】
以上で得られたヘルメットにブレーキを操作して、電流値20mAでヘルメット側のブレーキ灯を点灯させ、後方からの視認性を確認したところ曇天下、後方180mからの赤色検知が可能であった。また方向指示操作をし、同様に黄色灯の視認性を確認したところ160m後方から確認できた。さらに該ヘルメットを高さ20mから落下させて試験したところ、ヘルメットには亀裂は発生しなかった。
【実施例2】
【0039】
赤色LEDとして直径5mmのものを4個連結した長さ50mmの連結体の上にLED用の実施例1の光拡散シートを貼り付け、該発光組立体を長さがヘルメットの水平方向55mmの孔に挿入固定した。また方向指示灯として同じく直径5mmの白色LEDを4個連結した発光体を用い、該連結発光体をヘルメット水平方向長さ40mmの孔部に挿入し、表面を実施例1と同様のガラスで覆った。
【0040】
赤色灯用と黄色灯用の孔は図9の配置とした。即ちX1=55mm、X2=X3=40mmである。赤色用と黄色用の孔の間隔は水平方向L3=45mm、垂直方向L4=50mmとした。点灯信号の引き出しや点灯制御器の配置は実施例1と同様にした。実際に電流値20mAで点灯試験をしたところ、赤色、黄色灯共に晴天下、少なくとも後方250mから認識が可能であった。また、落下試験では赤色用孔の角部に肉眼では識別が難しい亀裂を生じた程度であり、実用上問題は無かった。比較例としてL4を25mmにしたところ、黄色灯用孔の角部亀裂が認められ実用上問題を生じる懸念が大であった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のブレーキ灯、方向指示灯付きヘルメットは二輪自動車および運転者にとって容易に取り付け、装着が可能であり、ヘルメットの衝撃に対する強度を損なうことなく後方からの視認性に優れるので、採用が増し安全の促進に期待するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明での二輪自動車とヘルメットの関係を示す全体図
【図2】すでに広く採用されている運転席後方のカバー下部の構成を示す図
【図3】本発明のブレーキ灯付きヘルメットの概略を示す図
【図4】本発明の一例としての無線伝送方式におけるヘルメットの構成を示す図
【図5】本発明のヘルメットにおける発光組立体とそれらを挿入する孔部の関係を示す図
【図6】本発明におけるLEDを用いた場合の発光組立体の構成を示す概略図
【図7】本発明における発光体の挿入と発光体を覆う光拡散体の構成を示す図
【図8】本発明の一実施例における発光体、発光組立体を挿入する孔の位置関係を示す図
【図9】本発明の他の実施例として発光体、発光組立体を挿入する孔の位置関係を示す図
【図10】本発明の他の実施例として発光体、発光組立体を挿入する孔の位置関係を示す図
【図11】本発明におけるヘルメットへの点灯信号の引き出しと点灯制御器の配置例を示す図
【符号の説明】
【0043】
1 二輪自動車、 3 カバー、 4 二輪自動車本体のブレーキ灯、
5 二輪自動車本体の方向指示灯、 6 ヘルメット、 7 ヘルメットのブレーキ灯、
8 ヘルメットの方向指示灯、 9 信号伝送線、
13a、13b 二輪自動車本体の配線中継接続部の端子、 14 点灯制御器、
21 発光体、 30 孔部、 41 LED、 42 光拡散材、 44 接着剤、
51,52 挿入孔、 L1,L2、L3、L4 孔の間隔、
X1、X2、X3 孔の長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ灯あるいはブレーキ灯と方向指示灯を取り付けたヘルメットであって、ヘルメットに設けた孔部に発光体および該発光体を覆う該表面に光を拡散する溝を設けた光拡散部材からなる発光組立て体を挿入固定したことを特徴とする自動二輪車用ヘルメット。
【請求項2】
ブレーキ灯あるいはブレーキ灯と方向指示灯を取り付けたヘルメットであって、ヘルメットに設けた孔部に発光体を挿入固定した後に、該発光体を該表面に光を拡散する溝を設けた光拡散部材で覆うことを特徴とする自動二輪車用ヘルメット。
【請求項3】
光を拡散する部材がガラスあるいは樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項4】
光を拡散する部材が点状の光を平面的に拡散させるLED用拡散シートであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかにおいて上記孔の間隔が25mm以上であることを特徴とする自動二輪車用ヘルメット。
【請求項6】
上記発光体あるいは発光組立体が同一の色を表示する複数のものであることを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項7】
上記発光体あるいは発光組立体が異なる色を表示するものであることを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項8】
上記発光体あるいは発光組立体が異なる色のブレーキ灯と方向指示灯であることを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項9】
ヘルメット側のブレーキ灯及び方向指示灯を点灯させる点灯信号をブレーキペダルあるいはブレーキハンドルあるいは方向転換スイッチ以外の位置から引き出すことを特徴とする請求項5から請求項8に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項10】
ヘルメット側のブレーキ灯及び方向指示灯を点灯させる点灯信号を自動二輪車本体の後方に位置するブレーキ灯あるいは方向指示灯に点灯信号を伝送する配線の途中から引き出すことを特徴とする請求項5から請求項8に記載の自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法。
【請求項11】
ヘルメット側のブレーキ灯及び方向指示灯を点灯させる点灯信号を自動二輪車の運転席後方のカバー下部に位置する配線中継接続部から引き出すことを特徴とする請求項5から請求項8に記載の自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法。
【請求項12】
ヘルメット側の発光体を点灯させる点灯制御器を自動二輪車側に設置したことを特徴とする請求項5から請求項11に記載の自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法。
【請求項13】
ヘルメット側の発光体を点灯させる点灯制御器を自動二輪車の運転席後方のカバー下部に位置する空間部に設置したことを特徴とする請求項5から請求項11に記載の自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法。
【請求項1】
ブレーキ灯あるいはブレーキ灯と方向指示灯を取り付けたヘルメットであって、ヘルメットに設けた孔部に発光体および該発光体を覆う該表面に光を拡散する溝を設けた光拡散部材からなる発光組立て体を挿入固定したことを特徴とする自動二輪車用ヘルメット。
【請求項2】
ブレーキ灯あるいはブレーキ灯と方向指示灯を取り付けたヘルメットであって、ヘルメットに設けた孔部に発光体を挿入固定した後に、該発光体を該表面に光を拡散する溝を設けた光拡散部材で覆うことを特徴とする自動二輪車用ヘルメット。
【請求項3】
光を拡散する部材がガラスあるいは樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項4】
光を拡散する部材が点状の光を平面的に拡散させるLED用拡散シートであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかにおいて上記孔の間隔が25mm以上であることを特徴とする自動二輪車用ヘルメット。
【請求項6】
上記発光体あるいは発光組立体が同一の色を表示する複数のものであることを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項7】
上記発光体あるいは発光組立体が異なる色を表示するものであることを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項8】
上記発光体あるいは発光組立体が異なる色のブレーキ灯と方向指示灯であることを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項9】
ヘルメット側のブレーキ灯及び方向指示灯を点灯させる点灯信号をブレーキペダルあるいはブレーキハンドルあるいは方向転換スイッチ以外の位置から引き出すことを特徴とする請求項5から請求項8に記載の自動二輪車用ヘルメット。
【請求項10】
ヘルメット側のブレーキ灯及び方向指示灯を点灯させる点灯信号を自動二輪車本体の後方に位置するブレーキ灯あるいは方向指示灯に点灯信号を伝送する配線の途中から引き出すことを特徴とする請求項5から請求項8に記載の自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法。
【請求項11】
ヘルメット側のブレーキ灯及び方向指示灯を点灯させる点灯信号を自動二輪車の運転席後方のカバー下部に位置する配線中継接続部から引き出すことを特徴とする請求項5から請求項8に記載の自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法。
【請求項12】
ヘルメット側の発光体を点灯させる点灯制御器を自動二輪車側に設置したことを特徴とする請求項5から請求項11に記載の自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法。
【請求項13】
ヘルメット側の発光体を点灯させる点灯制御器を自動二輪車の運転席後方のカバー下部に位置する空間部に設置したことを特徴とする請求項5から請求項11に記載の自動二輪車用ヘルメットおよびヘルメット点灯方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−254937(P2007−254937A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112665(P2006−112665)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(504149867)株式会社ソウケン (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(504149867)株式会社ソウケン (7)
【Fターム(参考)】
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