説明

自動倉庫

【課題】上下方向に重ねられた複数段の棚を有する自動倉庫における搬送能力を向上させる。
【解決手段】自動倉庫1は、複数段のベルトコンベア3と、複数の物品保管棚2aと、移載装置4とを備えている。複数段のベルトコンベア3は、上下方向に重ねて設けられ、物品Wを搬送するための装置である。複数の物品保管棚2aは、ベルトコンベア3の搬送方向に沿って設けられている。移載装置4は、物品保管棚2aとは別に設けられ、ベルトコンベア3と物品保管棚2aとの間で物品Wを出入りさせるための装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫、特に、上下方向に重ねられた複数段の棚を有する自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動倉庫は、例えば、一対のラックと、スタッカークレーンと、入庫ステーションと、出庫ステーションとを有している。一対のラックは、前後方向に所定間隔を空けて設けられている。スタッカークレーンは、前後のラック間において左右方向に移動自在に設けられている。入庫ステーションは、一方のラックの側方に配置されている。出庫ステーションは、他方のラックの側方に配置されている。ラックは、上下・左右に並んだ多数の物品保管棚を有する。スタッカークレーンは、走行台車と、それに設けられたマストに昇降自在となされた昇降台と、それに設けられた物品移載装置(例えば、前後方向に摺動自在に設けられたスライドフォーク)とを有している。
また、近年は、自動倉庫の処理能力すなわち搬送能力を向上することが強く求められている。特に、限られた時間内で大量の物品を出庫するときには、高い搬送能力が必要である。しかし、スタッカークレーンを用いた場合は、一度に取り扱い可能な物品は1〜2個に限られている。
そこで、棚の各段に搬送車を走行させるようにした自動倉庫も知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−19212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の自動倉庫は、スタッカークレーンを用いる自動倉庫に比べて搬送能力が高い。しかし、各段に1台の搬送車を走らせているだけなので、搬送能力に限界がある。
【0005】
本発明の課題は、上下方向に重ねられた複数段の棚を有する自動倉庫における搬送能力を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
自動倉庫は、複数段のコンベアと、複数の棚と、移載装置とを備えている。複数段のコンベアは、上下方向に重ねて設けられ、物品を搬送するための装置である。複数の棚は、コンベアの搬送方向に沿って設けられている。移載装置は、棚とは別に設けられ、コンベアと棚との間で物品を出入りさせるための装置である。
この自動倉庫では、複数段のコンベアによってコンベアと棚の間で物品を移載可能である。このように、複数段の棚で物品を同時に入出庫できるので、従来より搬送能力が高い。
【0007】
移載装置は、コンベアの段ごとに設けられていても良い。この場合、移載装置は、コンベアと棚との間で両者の下方に配置されている。移載装置は、コンベアの搬送方向に移動する走行機構と、走行機構に設けられた摩擦ローラと、走行機構に設けられ摩擦ローラをコンベアおよび棚よりも上方へ上下動可能な昇降機構とを有する。
この自動倉庫では、移載装置の走行機構が移載作業の必要な棚の位置まで走行し、そこで、昇降機構が摩擦ローラを上昇させて物品の端部に当接させ、さらに摩擦ローラが回転することで物品をコンベアと棚との間で移載する。
このように移載装置が自ら走行するので、移載装置の数が少なくなり、その結果、自動倉庫が安価になる。
【0008】
コンベアは、一方向にのみ物品を搬送するようになっていても良い。この場合、自動倉庫は、コンベアの一方端に設けられた入庫口と、コンベアの他方端に設けられた出庫口とをさらに備えている。
この自動倉庫では、コンベアが一方向にのみ物品を搬送することによって、同じ段のコンベアに複数の物品を載せることができる。また、前述の複数の物品は入庫用のものと出庫用のものが混ざっていても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上下方向に重ねられた複数段の棚を有する自動倉庫における搬送能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態としての自動倉庫の部分側面図。
【図2】自動倉庫の部分平面図。
【図3】自動倉庫の部分正面図。
【図4】自動倉庫の制御構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)自動倉庫
図1〜図3を用いて、本発明に係る一実施形態としての自動倉庫1を説明する。図1は自動倉庫1の部分側面図であり、図2は自動倉庫1の部分平面図であり、図3は自動倉庫1の部分正面図である。なお、以下の説明では、図2左右方向を「移載方向」といい、図2上下方向を「搬送方向」という。
【0012】
自動倉庫1は、主に、一対のラック2と、ベルトコンベア3と、移載装置4とから構成されている。
【0013】
一対のラック2は、搬送通路10を挟むように配置されている。ラック2は、支柱や物品支承部材によって構成された多数の物品保管棚2aを有している。
【0014】
ベルトコンベア3は、入庫用の物品搬送コンベア25および出庫用物品搬送コンベア(図示せず)と、ラック2の物品保管棚2aとの間で物品を搬送するための装置である。すなわち、ベルトコンベア3は、物品搬送コンベア25から搬入された物品Wをラック2まで搬送し、さらにラック2から物品Wを出庫用物品搬送コンベア(図示せず)まで搬送する。
ベルトコンベア3は、物品保管棚2aの各段に対応して複数配置されている。ベルトコンベア3は、ベルト5と、駆動ローラ(図示せず)と、従動ローラ6と、複数の支持ローラ7を有している。
【0015】
移載装置4は、ベルトコンベア3のベルト5とラック2の物品保管棚2aとの間で、物品Wを移載するための装置である。移載装置4は、複数の移載走行車8から構成されている。
【0016】
移載走行車8は、図3に示すように、ベルトコンベア3の移載方向両側すなわち物品保管棚2aの床面とベルト5の上面との間の真下に、それぞれ配置されている。移載走行車8は、ベルトコンベア3の搬送方向に延びるレール9上を走行可能になっている。なお、この実施形態では、一つの段のレール9上には、一台の移載走行車8が走行するようになっている。
【0017】
移載走行車8は、車輪12を有する走行機構13と、走行機構13の上方に設けられたローラ装置14と、昇降機構15とを有している。
【0018】
走行機構13の車輪12は、一対のレール9の上に載置されている。走行機構13には、車輪12を駆動するための走行用モータ(図示せず)が配置されている。
昇降機構15は、走行機構13に設けられ、ローラ装置14を上下動させるための機構である。昇降機構15は、例えば、各種シリンダを有している。
【0019】
ローラ装置14は、物品Wに接触して物品Wを移載するための装置である。ローラ装置14は、昇降機構15の上方に設けられている。ローラ装置14は、ローラ16と、一対の摩擦ローラ17と、ローラ16を駆動するための回転用モータ(図示せず)とを有している。一対の摩擦ローラ17は、ローラ16より小径であり、ローラ16の上側でかつ移載方向両側に当接している。これにより、ローラ16が回転駆動されると、一対の摩擦ローラ17も回転駆動される。摩擦ローラ17は、摩擦係数が高い特殊ゴムから形成されている。
【0020】
なお、以下の説明では、ベルト5側の摩擦ローラを第1摩擦ローラ17aとして、物品保管棚2a側の摩擦ローラを第2摩擦ローラ17bとして説明する。
【0021】
自動倉庫1は、さらに、物品Wを複数のベルトコンベア3に搬入するための昇降装置20を有している。昇降装置20は、具体的には、物品Wを昇降させて各ベルトコンベア3の入口に供給する。昇降装置20は、ベルトコンベア3の一端に近接して設けられている。昇降装置20は、駆動帯21と、多数の昇降台22と、駆動コンベア23とを有している。駆動帯21は、複数のホイールに掛け渡された無端状の部材である。昇降台22は、常に水平状態を保持し得るように駆動帯21に連結されている。駆動コンベア23は、昇降台22の上面に設けられており、搬送方向に正逆駆動可能となっている。
【0022】
なお、ベルトコンベア3は、さらに、プッシャー装置24(図2)と第1位置センサ42(図4)を有している。プッシャー装置24は、ベルトコンベア3の移載方向両側に配置されている。これにより、プッシャー装置24は物品Wのベルトコンベア3上の移載方向位置を変更可能である。第1位置センサ42は、物品Wのベルトコンベア3上の移載方向位置を検出するためのセンサである。第1位置センサ42は、例えば、複数の光電センサである。
【0023】
自動倉庫1は、さらに、物品搬送コンベア25を有している。物品搬送コンベア25は、物品Wを昇降装置20の昇降台22に搬入するための装置である。物品搬送コンベア25は、昇降装置20に近接して設けられている。
【0024】
以上に述べたように、昇降装置20と物品搬送コンベア25の組み合わせは、ベルトコンベア3への物品Wを搬入する構造として用いられている。なお、図示しないが、ベルトコンベア3からの物品Wを搬出する構造にも同様の組み合わせが用いられている。
【0025】
(2)制御構成
図4は、自動倉庫1の制御構成を示すブロック図である。この制御構成は、入出庫コントローラ31、昇降装置コントローラ36、ベルトコンベアコントローラ39、および移載装置コントローラ46を有している。これらコントローラは、CPUやメモリ等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアからなるコンピュータである。また、これらコントローラの機能のいくつかまたは全ては、一つのコンピュータによって実現されていても良い。
【0026】
入出庫コントローラ31は、物品搬送コンベア25の入庫ローラ駆動部32および出庫ローラ駆動部33に接続されている。入庫ローラ駆動部32は、物品搬送コンベア25のローラを駆動するための駆動モータ(図示せず)を駆動する機能を有している。出庫ローラ駆動部33は、搬出側の物品搬送コンベア(図示せず)のローラを駆動するための駆動モータ(図示せず)を駆動する機能を有している。
【0027】
昇降装置コントローラ36は、昇降装置20を制御するための制御部である。昇降装置コントローラ36は、ベルト駆動部37と、昇降台ローラ駆動部38とに接続されている。ベルト駆動部37は、駆動帯21を駆動するためのモータ(図示せず)を駆動する機能を有している。昇降台ローラ駆動部38は、駆動コンベア23を駆動するためのモータ(図示せず)を駆動する機能を有している。
【0028】
ベルトコンベアコントローラ39は、ベルトコンベア3を制御するための制御部である。ベルトコンベアコントローラ39は、ベルト駆動部40と、位置決め駆動部41と、第1位置センサ42とに接続されている。ベルト駆動部40は、ベルトコンベア3の駆動ローラを回転させる機能を有している。位置決め駆動部41は、プッシャー装置24を駆動する機能を有している。第1位置センサ42は、物品搬送コンベア25の入口に置かれた物品Wの移載方向位置を検出する機能を有している。
【0029】
移載装置コントローラ46は、移載走行車8を制御するための制御部である。移載装置コントローラ46は、走行駆動部47と、昇降駆動部48と、ローラ駆動部49と、第2位置センサ50とに接続されている。走行駆動部47は、走行機構13の走行用モータ(図示せず)を駆動する機能を有している。昇降駆動部48は、昇降機構15のエアシリンダ(図示せず)を駆動する機能を有している。ローラ駆動部49は、ローラ装置14の回転用モータ(図示せず)を駆動するための機能を有している。第2位置センサ50は、物品Wのローラ装置14上の移載方向位置を検出するためのセンサである。第2位置センサ50は、例えば、複数の光電センサである。
上記に述べられた複数のコントローラの機能は、1つのコントローラによって実現されていても良い。
【0030】
(3)搬送・移載動作
自動倉庫1における物品Wの搬送・移載動作について説明する。これら動作は、入出庫コントローラ31、昇降装置コントローラ36、ベルトコンベアコントローラ39、および移載装置コントローラ46が各装置を制御することによって行われる。なお、物品Wが物品搬送コンベア25に置かれた時点では、物品Wが入庫される物品保管棚2aの情報は得られているとする。
【0031】
最初に入庫時の動作について説明する。
物品Wは、例えば、フォークリフトによって、物品搬送コンベア25に置かれる。物品搬送コンベア25は、物品Wを昇降装置20に搬送する。昇降装置20は、物品Wを昇降台22に載せた状態で駆動帯21を回して、昇降台22および物品Wを目的とする物品保管棚2aの段に移動させる。その状態で、駆動コンベア23が駆動して、物品Wをベルトコンベア3のベルト5の端部にまで移動させる。この状態で、第1位置センサ42からの検出情報に基づいて、位置決め駆動部41がプッシャー装置24を駆動して、物品Wの移載方向の位置決めを行う。このときの条件は、物品Wの移載方向棚側端が、ローラ装置14の第1摩擦ローラ17aに当接可能な位置にあることである。具体的には、物品Wの端部が、図2に示すラインAまたはラインBの一方の位置にあることが条件になる。
【0032】
続いて、ベルトコンベア3のベルト5が駆動されて、ベルト5が物品Wを入庫先の物品保管棚2aの位置まで移動させ、その位置で停止する。一方、移載走行車8は、レール9上を走行して、物品Wおよび入庫先の物品保管棚2aの位置まで走行する。
【0033】
続いて、移載走行車8は、昇降機構15によってローラ装置14を上昇させて、摩擦ローラ17の第1摩擦ローラ17aを物品Wの底面に当接させる。さらに、ローラ16を駆動して、摩擦ローラ17を回転させ、それにより物品Wを目的の物品保管棚2a側に移動させる。このときに、第2位置センサ50からの検出情報に基づいて、物品Wの移載方向ベルト側端が第2摩擦ローラ17bに当接する位置に来たときローラ16の回転を停止する。
【0034】
次に出庫時の動作について説明する。
ベルト駆動部40は、ベルト5上の空き場所が出庫予定の物品Wがある物品保管棚2aの前に来るように、駆動モータ(図示せず)を制御する。ベルト5上の空き場所が目的の物品保管棚2aの前に来ると、ベルト5の駆動を停止する。一方、ローラ装置14は、レール9上を走行して、出庫予定の物品Wおよび物品保管棚2aの位置まで走行する。
【0035】
続いて、昇降機構15によってローラ装置14を上昇させて、第2摩擦ローラ17bを物品Wの底面に当接させる。さらに、ローラ16を駆動して、摩擦ローラ17を回転させ、それにより物品Wをベルト5側に移動させる。
【0036】
続いて、ベルトコンベア3のベルト5が駆動されて、ベルト5が物品Wを出庫側の昇降装置(図示せず)まで搬送する。
【0037】
(4)ベルトコンベアおよびラックの棚における物品の位置関係の説明
以下、大きさが異なる二種類の大物品W(1)と小物品W(2)を用いて、ベルトコンベア3のベルト5およびラック2の物品保管棚2aにおける物品Wの位置関係を説明する。
【0038】
大物品W(1)は、移載方向ベルト側の端部がローラ装置14の第2摩擦ローラ17b上に位置した状態で、移載方向棚側端部が物品保管棚2aの移載方向外側端に近接する大きさを有している。この状態は、図2において図上下方向真ん中位置の図右側の物品保管棚2aおよび第1物品Wによって示されている。また、この状態は、図3において図上段の図右側の物品保管棚2aおよび第1物品W(1)によって示されている。以上より、第1物品W(1)は、ベルト5に対して移載方向中心が一致している。また、第1物品W(1)は、移載方向両端がベルト5の端部からさらに移載方向に延びている。
【0039】
小物品W(2)は、移載方向ベルト側の端部がローラ装置14の第2摩擦ローラ17b上に位置した状態で、移載方向棚側端部が物品保管棚2aの移載方向外側端から大きく離れる大きさを有している。この状態は、図2において図上下方向両側位置の図左側の物品保管棚2aおよび第2物品W(2)によって示されている。また、この状態は、図3において図上段の図右側の物品保管棚2aおよび第1物品W(1)によって示されている。
【0040】
第1物品W(1)の入庫動作は、図3において中段に示されている。第1物品W(1)の出庫動作は、図3において上段に示されている。
第2物品W(2)の入庫動作は、図3において下段に示されている。
【0041】
以上のように、本発明に係る自動倉庫1は、幅が異なる物品に対してもスムーズに移載が可能である。したがって、自動倉庫1は、搬送能力が高いだけではなく、フリーサイズ対応となっている。
【0042】
(5)特徴
自動倉庫1は、複数段のベルトコンベア3と、複数の物品保管棚2aと、移載装置4とを備えている。複数段のベルトコンベア3は、上下方向に重ねて設けられ、物品Wを搬送するための装置である。複数の物品保管棚2aは、ベルトコンベア3の搬送方向に沿って設けられている。移載装置4は、物品保管棚2aとは別に設けられ、ベルトコンベア3と物品保管棚2aとの間で物品Wを出入りさせるための装置である。
この自動倉庫1では、複数段のベルトコンベア3によってベルトコンベア3と物品保管棚2aの間で物品Wを移載可能である。このように、複数段の棚で物品Wを同時に入出庫できるので、従来より搬送能力が高い。
【0043】
移載装置4は、ベルトコンベア3の段ごとに設けられている。移載装置4は、ベルトコンベア3と物品保管棚2aとの間で両者の下方に配置されている。移載走行車8は、ベルトコンベア3の搬送方向に移動する走行機構13と、走行機構13に設けられた摩擦ローラ17と、走行機構13に設けられ摩擦ローラ17をベルトコンベア3および物品保管棚2aよりも上方へ上下動可能な昇降機構15とを有する。
この自動倉庫1では、移載装置4の走行機構13が移載作業の必要な物品保管棚2aの位置まで走行する。そこで、昇降機構15が摩擦ローラ17を上昇させて物品Wの端部に当接させ、さらに摩擦ローラ17が回転することで物品Wをベルトコンベア3と物品保管棚2aとの間で移載する。
このように移載装置4が自ら走行するので、移載装置の数が少なくなり、その結果、自動倉庫1が安価になる。
【0044】
ベルトコンベア3は、一方向にのみ物品Wを搬送するようになっている。自動倉庫1は、ベルトコンベア3の一方端に設けられた入庫口(昇降装置20と物品搬送コンベア25)と、コンベアの他方端に設けられた出庫口(図示せず)とをさらに備えている。
この自動倉庫1では、ベルトコンベア3が一方向にのみ物品Wを搬送することによって、同じ段のベルトコンベア3に複数の物品Wを載せることができる。なお、前述の複数の物品Wは入庫用のものと出庫用のものが混ざっていても良い。
【0045】
(6)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
コンベアと移載方向片側の物品保管棚の間で走行する物品移載装置は、一台に限定されない。物品移載装置は同じレール上に複数台設けられていても良い。
自動倉庫全体が本発明に係る自動倉庫でなくても良い。例えば、自動倉庫の一部が本発明に係る自動倉庫であっても良い。
複数段に配置されたコンベアは、ベルトコンベアに限定されない。例えば、ローラコンベアでも良い。
コンベアの入庫口および出庫口は昇降装置に限定されない。入庫口および出庫口は、コンベアごとに搬入及び搬出が可能な搬送装置でも良い。
入庫時に物品の移載方向位置を調整するのはコンベアの入口に限定されない。物品の移載方向位置は、昇降装置や物品搬送コンベアにおいて調整されても良い。
摩擦ローラの駆動は他のローラによる摩擦駆動に限定されない。摩擦ローラは、ギア等のかみ合いによって駆動されても良い。
移載装置における物品駆動機構は摩擦ローラに限定されない。例えば、プッシャー装置を用いても良い。
移載走行車8が移載動作を行う際には、ベルトコンベア3のベルト5が停止ししていなくても良い。例えば、ベルトコンベア3のベルト5を駆動させながら、移載走行車8が移載動作を行っても良い。
ベルトコンベアの各段に設けられた移載走行車の数は2台に限定されない。例えば、ベルトコンベアの各段に設けられ移載走行車は1台でも良い。その場合、移載走行車には、ローラ装置と昇降機構の組が2組配置される。そして、各昇降機構は各ローラ装置を別々に昇降する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、自動倉庫、特に、上下方向に重ねられた複数段の棚を有する自動倉庫に広く適用される。
【符号の説明】
【0047】
1 自動倉庫
2 ラック
2a 物品保管棚(棚)
3 ベルトコンベア(コンベア)
4 移載装置
5 ベルト
6 従動ローラ
7 支持ローラ
8 移載走行車
9 レール
10 搬送通路
12 車輪
13 走行機構
14 ローラ装置
15 昇降機構
16 ローラ
17 摩擦ローラ
17a 第1摩擦ローラ
17b 第2摩擦ローラ
20 昇降装置(入庫口)
21 駆動帯
22 昇降台
23 駆動コンベア
24 プッシャー装置
25 物品搬送コンベア
31 入出庫コントローラ
32 入庫ローラ駆動部
33 出庫ローラ駆動部
36 昇降装置コントローラ
37 ベルト駆動部
38 昇降台ローラ駆動部
39 ベルトコンベアコントローラ
40 ベルト駆動部
41 位置決め駆動部
42 第1位置センサ
46 移載装置コントローラ
47 走行駆動部
48 昇降駆動部
49 ローラ駆動部
50 第2位置センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に重ねて設けられ、物品を搬送するための複数段のコンベアと、
前記コンベアの搬送方向に沿って設けられた複数の棚と、
前記棚とは別に設けられ、前記コンベアと前記棚との間で前記物品を出入りさせるための移載装置と、
を備えた自動倉庫。
【請求項2】
前記移載装置は、前記コンベアの段ごとに設けられており、
前記移載装置は、前記コンベアと前記棚との間で両者の下方に配置されており、
前記移載装置は、前記コンベアの搬送方向に移動する走行機構と、前記走行機構に設けられた摩擦ローラと、前記走行機構に設けられ前記摩擦ローラを前記コンベアおよび前記棚よりも上方へ上下動可能な昇降機構とを有する、請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記コンベアは、一方向にのみ前記物品を搬送するようになっており、
前記コンベアの一方端に設けられた入庫口と、前記コンベアの他方端に設けられた出庫口とをさらに備えている、請求項1または2に記載の自動倉庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−159118(P2010−159118A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2094(P2009−2094)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】