説明

自動分析装置

【課題】クロスコンタミネーションを抑制しつつ同一栓体に対する開栓処理および閉栓処理を行うことができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】開口部1aを栓体2により閉じた検体容器1を検体容器キャリア3に立位状態で保持し、搬送装置によって、検体容器1が保持された複数の検体容器キャリア3を保管する検体容器キャリア保管部と、検体容器1の開口部1aから栓体2を取り除く開栓処理と、栓体2を保持する栓体保持と、検体容器1の開口部1aに検体容器1から取り除いた元の栓体2を取り付ける閉栓処理とを行う開閉栓装置と、開栓処理が施された検体容器に対して所定の処理を行う処理装置の間で検体容器1を保持した検体容器キャリア3を搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿などの試料の定性・定量分析を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿などの試料(以下、検体と称する)の定性・定量分析を行う臨床検査の現場においては、検査の省力化や高速化のために、検体の前処理や搬送、分析などを自動で実施する自動分析装置が用いられている。このような自動分析装置では、検体容器などに収容されて投入された検体に対して種々の処理を実施しており、これらの処理に関する技術として、例えば、特許文献1(特許第4210306号公報)には、試験管ラックに一列で立位状態に保持された複数本の試験管のうち、1本置きの複数本の試験管の栓体を同時に咬持した状態で、上方へ移動して開栓した後、残りの複数本の試験管の栓体を同時に咬持した状態で、上方へ移動して開栓する自動開栓装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4210306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、開栓処理により試験管から取り外した栓体は廃棄するように構成されている。しかしながら、近年、分析処理において生じる種々の廃棄物の低減が望まれており、開栓処理により生じる栓体についても、再利用等によってその廃棄量を低減することが期待されている。また、栓体の再利用においては、異なる検体間での混入(所謂、クロスコンタミネーション)の発生を抑制することが必須の課題となっている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、クロスコンタミネーションを抑制しつつ同一栓体に対する開栓処理および閉栓処理を行うことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、検体容器及びその開口部を閉じる栓体と、前記検体容器を立位状態で保持する検体容器キャリアと、前記検体容器が保持された複数の前記検体容器キャリアを保管する検体容器キャリア保管部と、前記検体容器の開口部から栓体を取り除く開栓処理と、前記栓体を保持する栓体保持と、前記検体容器の開口部に該検体容器から取り除いた元の栓体を取り付ける閉栓処理とを行う開閉栓装置と、前記開栓処理が施された前記検体容器に対して所定の処理を行う処理装置と、前記検体容器キャリア保管部と前記開閉栓装置と前記処理装置の間で前記検体容器を保持した検体容器キャリアを搬送する搬送装置とを備えたものとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クロスコンタミネーションを抑制しつつ同一栓体に対する開栓処理および閉栓処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る搬送装置を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る開閉栓機構を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係る検体容器及び検体容器キャリアを示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る開閉栓装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図であり、図2は搬送装置、図3は開閉栓機構をそれぞれ模式的に示す図である。また、図4は、検体容器及びそれを保持する検体容器キャリアを示す図である。
【0011】
図1において、本実施の形態に係る自動分析装置100は、検体容器キャリア保管部4、搬送装置5、開閉栓装置6、処理装置7、及び、自動分析装置全体の動作を制御する制御装置15により概略構成されている。
【0012】
検体容器キャリア保管部4は、検体容器1を保持する検体容器キャリア3を保管する保管部であるとともに、オペレータが自動分析装置100とその外部との間での検体容器1の授受(すなわち、投入や搬出)を行う投入部や搬出部としての機能を有している。検体容器キャリア3に保持されて検体容器キャリア保管部4の投入領域4bに投入された検体容器1は、移載機構4aによって検体容器キャリア3と一体的に、搬送装置5の搬入部5A(後述)に移送される。また、搬送装置5の搬出部5B(後述)に搬送されてきた検体容器1は、移載機構4aによって検体容器キャリア3と一体的に、検体容器キャリア保管部4の収納領域4cに移送される。
【0013】
検体容器1には、分析対象である血液や尿などの試料(以下、検体16と称する)が収容されており、その開口部1aは検体16が漏出しないように栓体2により閉じられている。検体容器1の側面には、その検体容器1に収容された検体16を識別するための個体識別情報の標識1b(例えば、バーコード)が配置されている。検体容器1は、検体容器キャリア3の上方に立位状態で保持されており、検体容器キャリア3の下部には、検体容器キャリア3を識別する(即ち、検体容器キャリア3に保持された検体容器1を識別する)ための識別標識(例えば、RFID)が設けられている。なお、本実施の形態において、基本的に、検体容器1は検体容器キャリア3の上方に立位状態で保持して一体的に取り扱うため、以下において特に記載の無い場合は、検体容器1と検体容器キャリア3を合わせて、単に、検体容器1と記載する。
【0014】
処理装置7は、反応ディスク10と、搬送装置5上に設けられた検体分注位置14と、検体分注位置14に搬送された検体容器1(検体容器キャリア3を含む)から反応ディスク10の反応セル10aに検体16を分注する検体分注機構14aと、第1及び第2試薬ディスク8,9と、第1及び第2試薬ディスク8,9から反応ディスク10の反応セル10aに試薬を分注する第1及び第2試薬分注機構8a,9aと、反応セル10aに収容された検体16と試薬とを攪拌する攪拌機構12と、反応セル10aに収容された検体16と試薬の混合反応液の光学的性質の測定を行う検出機構11と、測定の終了した反応セル10aを洗浄する洗浄機構13とを備えている。
【0015】
開閉栓装置6は、検体容器1の開口部1aを塞ぐ栓体2を取り除く処理(開栓処理)と、取り除いた栓体2の保持(栓体保持)と、検体容器1の開口部1aに栓体2を取り付ける処理(閉栓処理)とを行うものである。開閉栓装置6は、複数(本実施の形態では5つ)の開閉栓機構6A〜6Eから構成されており、開閉栓機構6A〜6Eのそれぞれが開栓処理、栓体保持、閉栓処理を行う。
【0016】
図4を用いて、開閉栓機構6Aの詳細を説明する。なお、開閉栓機構6A〜6Eは同様の構成を有しており、開閉栓機構6B〜6Eの説明は省略する。
【0017】
図4において、開閉栓機構6Aは、検体容器キャリア3に保持された検体容器1が第1の搬送路51(後述)から搬入される搬入部6Af側に設けられた栓体廃棄領域6Adと、検体容器1が第2の搬送路52(後述)に搬出される搬出部6Ag側に設けられた栓体供給領域6Aeと、栓体廃棄領域6Adと栓体供給領域6Aeの間に設けられた開閉栓領域6Ahと、これらの領域6Ad,6Ae,6Ahの上方を図示しない駆動装置によって移動可能に設けられた搬送アーム6Aaと、検体容器1を把持するためのクランプ6Abと、栓体2を把持するためのチャック機構6Acとを備えている。
【0018】
栓体2により閉栓された検体容器1の場合、開閉栓機構6Aの搬入部6Afから搬入された検体容器1は、開閉栓領域6Ahまで運ばれ、検体容器キャリア3の識別標識が開閉栓領域6Ahの下方に配置された識別標識読取装置50i(開閉栓機構6B〜6Eにおいては識別標識読取装置50j〜50mとする。図2参照。)により読み取られる。続いて、クランプ6Abにより検体容器1を把持した状態で、チャック機構6Acにより栓体2を把持して上方に引き抜く(開栓処理)。開栓処理を施した検体容器1を再度閉栓する必要がある場合、引き抜いた栓体2はチャック機構6Acにより保持される(栓体保持)。また、開栓処理を施した検体容器1を再度閉栓する必要がない場合、引き抜いた栓体2は、搬送アーム6Aaを移動することにより、上部を開放した栓体廃棄領域6Adに廃棄される。そして、開栓処理の施された検体容器1は、開閉栓機構6Aの搬出部6Agから搬出される。
【0019】
また、開口部1aが開栓された検体容器1の場合、開閉栓機構6Aの搬入部6Afから搬入された検体容器1(検体容器キャリア3を含む)は、開閉栓領域6Ahまで運ばれ、検体容器キャリア3の識別標識が開閉栓領域6Ahの下方に配置された識別標識読取装置50iにより読み取られる。続いて、クランプ6Abにより検体容器1を把持した状態で、チャック機構6Acにより把持した栓体2を検体容器1の開口部1aに取り付けて閉じる(閉栓処理)。そして、閉栓処理の施された検体容器1は、開閉栓機構6Aの搬出部6Agから搬出される。
【0020】
なお、チャック機構6Acにより保持して閉栓処理に用いる栓体2は、その閉栓処理対象の検体容器1から直前の開栓処理で取り除いたものであり、かつ、その栓体2の保持中(栓体保持中)は開閉栓機構6Aに他の検体容器1を搬入しないので、したがって、ある検体容器1に収容された検体16に、栓体2に付着した他の検体が混入すること(クロスコンタミネーション)は抑制される。また、はじめから栓体2の無い状態で検体容器キャリア保管部4に投入された検体容器1に閉栓処理を施す場合、搬送アーム6Aaを移動することにより、上部を開放した栓体供給領域6Aeに予めストックした無汚染の栓体2をチャック機構6Acにより把持し、閉栓処理に用いる。
【0021】
図2を用いて、搬送装置5の詳細について説明する。搬送装置5は、検体容器キャリア保管部4と開閉栓装置6と処理装置7との間で検体容器1を保持した検体容器キャリア3を搬送するものである。
【0022】
図2において、搬送装置5は、搬入部5A及び搬出部5Bにおいて検体容器キャリア保管部4に接続されており、開閉栓装置6の複数の開閉栓機構6A〜6Eにおける検体容器1(検体容器キャリア3)の搬入部に沿って設けられ、検体容器キャリア保管部4から開閉栓装置6に検体容器1を保持した検体容器キャリア3を搬送する第1の搬送路51と、第1の搬送路51と複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬入部との間に設けられ、第1の搬送路上の検体容器1を複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬入部の何れかに選択的に導く搬入部切換機構55(搬入部切換機能部55a〜55e)と、開閉栓装置6の複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬出部に沿って設けられ、搬出部から処理装置7を構成する検体分注位置14に検体容器1を搬送する第2の搬送路52と、第1の搬送路51に沿って設けられ、処理装置7を構成する検体分注位置14からの検体容器1を搬送する第3の搬送路53と、第2の搬送路52に沿って設けられ、検体容器1を検体容器キャリア保管部4に搬送する第4の搬送路54と、第1の搬送路51と第3の搬送路53の間に設けられ、第3の搬送路53上の検体容器1の搬送路を第1の搬送路51に切り換える第1の搬送路切換機構56(搬送路切換機能部56a〜56e)と、第2の搬送路52と第4の搬送路54の間に設けられ、第2の搬送路52上の検体容器1の搬送路を第4の搬送路54に切り換える第2の搬送路切換機構57(搬送路切換機能部57a〜57e)とを備えている。
【0023】
第1〜第5の搬送路51〜54,51aは、例えば、ベルト式コンベヤで構成されている。
【0024】
第1の搬送路51は、その上流側端部が搬入部5Aとして検体容器キャリア保管部4に接続されており、中流部分から下流側に向って、複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬入部が順に接続されている。第1の搬送路51の上流側端部の搬入部5Aには、検体容器キャリア3の識別標識を読み取る識別標識読取装置50aが設けられている。また、第1の搬送路51の搬入部5Aには、検体容器1の側面に設けられた個体識別情報の標識1b(例えば、バーコード)を読み取る個体識別標識読取装置5Aaと、検体容器1の画像を取得して解析することにより検体容器1の開栓状況(栓体2の有無)の判断およびその検体容器1の開口部形状に合致する栓体2の種別の特定を行う栓体形状識別装置5Abとが備えられている。なお、栓体形状識別装置5Abは画像の取得のみを行い、制御装置15において画像の解析を行うように構成しても良い。
【0025】
搬入部切換機構55は、第1の搬送路51上における複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬入部との接続部にそれぞれ設けられた複数の搬入部切換機能部55a〜55eにより構成されている。搬入部切換機能部55a〜55eは、それぞれ、第1の搬送路51上における検体容器1の移動方向を第1の搬送路51に沿う方向(通過方向)と開閉栓機構6A〜6Eの方向(切換方向)の何れかに切り換えることが可能であり、この2つを切り換えることにより、第1の搬送路51上を搬送される検体容器1を複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬入部の何れかに選択的に導く。第1の搬送路51における複数の搬入部切換機能部55a〜55dの上流側に隣接する位置には、それぞれ、検体容器キャリア3の識別標識を読み取る識別標識読取装置50e〜50hが設けられている。
【0026】
第1の搬送路51における上流側端部(搬入部5A)と複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬入部のうち最も上流側の搬入部(つまり、開閉栓機構6Aの搬入部6Af)との間にはストッパ58が設けられている。ストッパ58は、第1の搬送路51上における検体容器1の移動の可否を切り換えるものであり、ストッパ58より下流方向への検体容器1の進入の遮断と通過とを切り換えることができる。第1の搬送路51におけるストッパ58の上流側に隣接する位置には、検体容器キャリア3の識別標識を読み取る識別標識読取装置50cが設けられている。
【0027】
第1の搬送路51におけるストッパ58と複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬入部のうち最も上流側の搬入部(つまり、開閉栓機構6Aの搬入部6Af)との間には、第3の搬送路切換機構59が設けられている。また、第1の搬送路51における第3の搬送路切換機構59の位置と、第2の搬送路52の上流側端部は、第5の搬送路51aにより接続されている。第3の搬送路切換機構59は、第1の搬送路51上における検体容器1の移動方向を第1の搬送路51に沿う方向と第5の搬送路51aに沿う方向(つまり、第2の搬送路52の方向)の何れかに切り換えることが可能である。第1の搬送路51における第3の搬送路切換機構59の上流側に隣接する位置には、検体容器キャリア3の識別標識を読み取る識別標識読取装置50dが設けられている。
【0028】
第2の搬送路52は、その上流側端部が第5の搬送路51aの下流側端部に接続されており、下流部に向って複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬出部が順に接続され、その下流側端部が処理装置7を構成する検体分注位置14に接続されている。第2の搬送路52における複数の開閉栓機構6A〜6Eの搬出部との接続部には、それぞれ、検体容器キャリア3の識別標識を読み取る識別標識読取装置50n〜50rが設けられている。また、検体分注位置14には、検体容器キャリア3の識別標識を読み取る識別標識読取装置50sが設けられている。
【0029】
第2の搬送路52における複数の識別標識読取装置50n〜50rの下流側に隣接する位置には、第2の搬送路切換機構57を構成する複数の搬送路切換機能部57a〜57eがそれぞれ設けられている。複数の搬送路切換機能部57a〜57eは、それぞれ、第2の搬送路52と第4の搬送路54を接続して検体容器1の移動を可能とする機能と、第2の搬送路52上における検体容器1の移動方向を第2の搬送路52に沿う方向(通過方向)と第4の搬送路54の方向(切換方向)の何れかに切り換える機能とを有しており、検体容器1の移動方向を切り換えることにより、第2の搬送路52上を搬送される検体容器1の搬送路を第4の搬送路54に切り換える。
【0030】
第3の搬送路53の下流端部は、第1の搬送路51のストッパ58より下流側で、かつ、第5切換機構59(識別標識読取装置50dを含む)の上流側に接続されている。第3の搬送路53には、第1の搬送路切換機構56を構成する複数の搬送路切換機能部56a〜56eが下流部から上流部に向って順に設けられている。
【0031】
複数の搬送路切換機能部56a〜56eは、それぞれ、第3の搬送路53と第1の搬送路51を接続して検体容器1の移動を可能とする機能と、第3の搬送路53上における検体容器1の移動方向を第3の搬送路53に沿う方向(通過方向)と第1の搬送路51の方向(切換方向)の何れかに切り換える機能とを有しており、検体容器1の移動方向を切り換えることにより、第3の搬送路53上を搬送される検体容器1の搬送路を第1の搬送路51に切り換える。搬送路切換機構56の複数の搬送路切換機能部56a〜56eは、それぞれ、第1の搬送路51における搬入部切換機構55の複数の搬入部切換機能部55a〜55eの上流側に隣接する位置において、第3の搬送路53上を搬送される検体容器1の搬送路を第1の搬送路51に切り換える。
【0032】
第3の搬送路53における複数の搬送路切換機能部56a〜56eの上流側に隣接する位置には、それぞれ、検体容器キャリア3の識別標識を読み取る識別標識読取装置50t〜50xが設けられている。
【0033】
第4の搬送路54は、その下流側端部が搬出部5Bとして検体容器キャリア保管部4に接続されている。第4の搬送路54の下流側端部の搬出部5Bには、検体容器キャリア3の識別標識を読み取る識別標識読取装置50bが設けられている。
【0034】
制御装置15は、自動分析装置100全体の動作を制御するものであり、CRTなどの表示装置やキーボードなどの入力装置、ハードディスクなどの記憶装置などを有している。制御装置15は、個体識別標識読取装置5Aaや栓体形状識別装置5Ab、識別標識読取装置50a〜50x、検出機構11などからの情報と、記憶装置に記憶された検体情報や設定情報などに基づいて、自動分析装置100全体の動作を制御して分析処理を実施する。
【0035】
以上のように構成した本実施の形態における動作を説明する。
【0036】
オペレータは、予め入力装置等により、分析項目に関するパラメータの設定や、検体の識別情報や検査項目等の検体情報の登録を行い、分析対象である検体16を収容した検体容器1を栓体2により閉栓し検体容器キャリア3に保持させて検体容器キャリア保管部4の投入領域4bに載置し、分析処理の実施指示を入力する。
【0037】
分析処理の実施が指示されると、分析対象の検体16が収容された検体容器1が移載機構4aによって検体容器キャリア3とともに搬送装置5の搬入部5Aに移送される。搬入部5Aでは、個体識別標識読取装置5Aaによる検体容器1の個体識別情報の読み取り、栓体形状識別装置5Abによる検体容器1の画像の取得、識別標識読取装置50aによる検体容器キャリア3の識別標識の読み取りが行われ、それらの情報が制御装置15に送られる。
【0038】
次に、検体容器1は、第1の搬送路51により識別標識読取装置50a及びストッパ58の位置に搬送され、識別標識読取装置50cによる検体容器キャリア3の識別標識の読み取りが行われる。このとき、開閉栓装置6の開閉栓機構6A〜6Eの全てが稼働中の場合(開栓処理、栓体保持、閉栓処理の何れかを行っている場合)、ストッパ58が閉じることにより、検体容器1の下流方向への進入を遮断する。また、開閉栓装置6の開閉栓機構6A〜6Eの何れかが非稼働中(待機中)の場合、ストッパ58が開くことにより、検体容器1の下流方向への侵入を許可する。なお、検体容器1の開栓処理が不要な場合、つまり、栓体形状識別装置5Abによる検体容器1の画像解析により栓体2が無いと判定された場合は、ストッパ58が開くことにより、検体容器1の下流方向への侵入を許可する。
【0039】
次に、検体容器1は、第1の搬送路51により識別標識読取装置50d及び第3の搬送路切換機構59の位置に搬送され、識別標識読取装置50dによる検体容器キャリア3の識別標識の読み取りが行われる。このとき、検体容器1の開栓処理が不要であると判定されている場合、第3の搬送路切換機構59が開くことにより、検体容器1の移動方向が第5の搬送路51aに沿う方向(つまり、第2の搬送路52の方向)に切り換えられ、検体容器1は第5の搬送路51aを介して第2の搬送路52の上流端部に搬送される。また、それ以外の場合は、第3の搬送路切換機構59が閉じることにより、検体容器1の移動方向が第1の搬送路51に沿う方向に切り換えられる。
【0040】
次に、検体容器1は、第1の搬送路51により識別標識読取装置50e〜50h及び搬入部切換機構59(搬入部切換機能部55a〜55e)の位置に搬送され、識別標識読取装置50e〜50hによる検体容器キャリア3の識別標識の読み取りが行われる。このとき、各開閉栓機構6A〜6Eに対応する搬入部切換機能部55a〜55e(すなわち、開閉栓機構6A〜6Eの各搬入部との接続部のそれぞれに設けられた搬入部切換機能部55a〜55e)は、その対応する開閉栓機構6A〜6Eが稼働中かどうかにより、それぞれ個別に動作する。すなわち、開閉栓機構6Aが稼働中である場合(開栓処理、栓体保持、閉栓処理の何れかを行っている場合)、対応する搬入部切換機能部55aが開くことにより、検体容器1の移動方向が第1の搬送路51に沿う方向に切り換えられる。また、開閉栓機構6Aが非稼働中(待機中)である場合、搬入部切換機能部55aが閉じることにより、検体容器1の移動方向が開閉栓機構6Aの方向に切り換えられ、検体容器1が開閉栓機構6Aの搬入部に導かれる。その他の開閉栓機構6B〜6Eにそれぞれ対応する搬入部切換機能部55b〜55eについても同様に動作する。これにより、連続的に侵入してくる検体容器1は、開閉栓機構6A〜6Eの非稼働中のもののうち、上流側のものから順に搬入される。なお、搬送対象である開閉栓機構6A〜6Eが決まっている場合は、その位置の搬入部切換機能部55a〜55eが閉じることにより、検体容器1が対象となる開閉栓機構6Aの搬入部に導かれる。
【0041】
開閉栓機構6A〜6Eの搬入部から搬入された検体容器1は、各開閉栓機構6A〜6Eによって栓体2が引き抜かれ(開栓処理)、搬出部から第2の搬送路52上に搬出される。各開閉栓機構6A〜6Eで開栓処理を施した検体容器1を再度閉栓する必要がある場合は、引き抜いた栓体2は保持され(栓体保持)、再度閉栓する必要がない場合は廃棄される。
【0042】
開閉栓機構6A〜6Eの搬入部から搬出された検体容器1は、第2の搬送路52により識別標識読取装置50n〜50r及び第2の搬送路切換機構57(搬送路切換機能部57a〜57e)の位置に搬送され、識別標識読取装置50n〜50rによる検体容器キャリア3の識別標識の読み取りが行われる。このとき、検体容器1が処理装置7(すなわち、検体分注位置14)への搬送対象である場合、搬送路切換機能部57a〜57eが開くことにより、検体容器1の移動方向が第2の搬送路52に沿う方向(つまり、検体分注位置14の方向)に切り換えられる。なお、それ以外の場合は、搬送路切換機能部57a〜57eが閉じることにより、検体容器1の搬送路が第4の搬送路54に切り換えられる。
【0043】
第2の搬送路52により検体分注位置14に搬送された検体容器1は、識別標識読取装置50sによる検体容器キャリア3の識別標識の読み取りが行われる。続いて、検体分注機構14aにより、検体容器1に収容された検体16が反応ディスク10の反応セル10aに分注され、その検体16に対して依頼されている検査項目に応じて、第1及び第2試薬分注機構8a,9aにより、第1及び第2試薬ディスク8,9に収容された試薬が反応セル10aに分注される。その後、反応セル10aに収容された検体16と試薬とが攪拌機構12により攪拌され、検出機構11によって混合反応液の光学的性質の測定が行われて、測定結果が制御装置15に送られる。なお、測定の終了した反応セル10aは洗浄機構13により洗浄される。
【0044】
検体分注位14での検体16の分注が終了した検体容器1は、第3の搬送路53により識別標識読取装置50t〜50x及び第1の搬送路切換機構56(搬送路切換機能部56a〜56e)の位置に搬送され、識別標識読取装置50t〜50xによる検体容器キャリア3の識別標識の読み取りが行われる。このとき、検体容器1が開閉栓機構6A〜6Eへの搬送対象(つまり、開閉栓機構6A〜6E処理による開栓処理や閉栓処理の対象)ではない場合、搬送路切換機能部56a〜56eが開くことにより、検体容器1の移動方向が第3の搬送路53に沿う方向に切り換えられ、検体容器1は第1の搬送路51における第5切換機構59(識別標識読取装置50dを含む)の上流側に搬送される。
【0045】
また、検体容器1が開閉栓機構6A〜6Eへの搬送対象(つまり、開閉栓機構6A〜6E処理による開栓処理や閉栓処理の対象)である場合、搬送対象である開閉栓機構6A〜6Eへの搬送対象に対応する搬入部切換機能部55a〜55e(搬入部切換機構55)の上流側に隣接する位置において搬送路を第1の搬送路51に切り換える搬送路切換機能部56a〜56eが閉じることにより、検体容器1の搬送路が第1の搬送路51に切り換えられる。さらに、検体容器1の搬送対象となる開閉栓機構6A〜6Eの位置の搬入部切換機能部55a〜55eが閉じることにより、検体容器1が対象となる開閉栓機構6A〜6Eの搬入部に導かれる。すなわち、検体容器1の搬送対象が開閉栓機構6Aである場合、対応する搬送路切換機能部56aが閉じることにより、検体容器1の搬送路が第1の搬送路51に切り換えられ、さらに、対応する搬入部切換機能部55aが閉じることにより、検体容器1が対象となる開閉栓機構6Aの搬入部に導かれる。その他の搬送路切換機能部56b〜56e及び搬入部切換機能部55b〜55eについても同様に動作する。
【0046】
開閉栓機構6A〜6Eの搬入部から搬入された検体容器1は、各開閉栓機構6A〜6Eによって栓体2が取り付けられ(閉栓処理)、搬出部から第2の搬送路52上に搬出される。なお、開栓処理により保持した栓体2を用いて閉栓処理を行う場合は、対象の検体容器1から取り除いた元の栓体2を取り付ける場合のみである。つまり、開閉栓装置6の開閉栓機構6A〜6Eにより保持して閉栓処理に用いる栓体2は、その閉栓処理対象の検体容器1から直前の開栓処理で取り除いたものであり、かつ、その栓体2の保持中(栓体保持中)の開閉栓機構6A〜6Eに他の検体容器1を搬入しないので、したがって、ある検体容器1に収容された検体16に、栓体2に付着した他の検体が混入すること(クロスコンタミネーション)が抑制される。
【0047】
開閉栓機構6A〜6Eの搬入部から搬出された検体容器1は、第2の搬送路52により識別標識読取装置50n〜50r及び第2の搬送路切換機構57(搬送路切換機能部57a〜57e)の位置に搬送され、識別標識読取装置50n〜50rによる検体容器キャリア3の識別標識の読み取りが行われる。そして、搬送路切換機能部57a〜57eが閉じることにより、検体容器1の搬送路が第4の搬送路54に切り換えられる。
【0048】
第4の搬送路54に搬送路を切り換えられた検体容器1は、第4の搬送路54により搬送装置5の搬出部5Bに搬送される。搬出部5Bでは、個体識別標識読取装置5Abによる検体容器1の個体識別情報の読み取りが行われ、それらの情報が制御装置15に送られる。そして、検体容器1は、移載機構4aによって検体容器キャリア3とともに検体容器キャリア保管部4の収納領域4cに移送される。
【0049】
以上のように構成した本実施の形態における効果を説明する。
【0050】
従来技術における自動分析装置としては、例えば、試験管ラックに一列で立位状態に保持された複数本の試験管のうち、1本置きの複数本の試験管の栓体を同時に咬持した状態で、上方へ移動して開栓した後、残りの複数本の試験管の栓体を同時に咬持した状態で、上方へ移動して開栓するものが知られている。この従来技術においては、試験管から取り外した栓体は廃棄するように構成されている。しかしながら、近年、分析処理において生じる種々の廃棄物の低減が望まれており、開栓処理により生じる栓体についても、再利用等によってその廃棄量を低減することが期待されている。また、栓体の再利用においては、異なる検体間での混入(所謂、クロスコンタミネーション)の発生を抑制することが必須の課題となっていた。
【0051】
これに対し、本実施の形態においては、開口部1aを栓体2で閉じた検体容器1を検体容器キャリア3に立位状態で保持し、開閉栓装置6により、検体容器1の開口部1aから栓体2を取り除く開栓処理と、栓体2を保持する栓体保持と、検体容器1の開口部1aに検体容器1から取り除いた元の栓体2を取り付ける閉栓処理とを行うように構成したので、クロスコンタミネーションを抑制しつつ同一栓体に対する開栓処理および閉栓処理を行うことができる。
【0052】
また、開閉栓機構6A〜6Eのうちの非稼働中のものに検体容器1を順次割り当てるように構成したので、複数の開閉栓機構6A〜6Eによる並列処理における非可動時間の大幅な短縮を実現することができ、したがって、自動分析装置における処理能力を大幅に向上させることができる。
【0053】
以上、本発明の第1の実施の形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、異なる種類(例えば、シール栓、スクリュー栓、ヘモガード栓、など)の栓体をそれぞれ用いる複数種類の検体容器に対して、栓体の種類に応じた開閉栓機構をそれぞれ1つ以上ずつ適用することにより、処理能力の向上を図ることも可能である。
【0054】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図5及び図6を参照しつつ説明する。
【0055】
図5は、本実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図であり、図6は開閉栓装置を含む搬送装置全体を抜き出して示す図である。図中第1の実施の形態で示した構成と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0056】
図5において、本実施の形態に係る自動分析装置100Aは、検体容器キャリア保管部104、搬送装置105、開閉栓装置106、処理装置107、及び、自動分析装置全体100Aの動作を制御する制御装置115により概略構成されている。
【0057】
検体容器キャリア保管部104は、検体容器1を保持する検体容器キャリア103を保管する保管部であるとともに、オペレータが自動分析装置100Aとその外部との間での検体容器1の授受(すなわち、投入や搬出)を行う投入部や搬出部としての機能を有している。検体容器キャリア103に保持されて検体容器キャリア保管部104に投入された検体容器1は、図示しない移載機構によって検体容器キャリア103と一体的に、搬送装置105の搬入搬出部105A(後述)に移送される。また、搬送装置105の搬入搬出部105Aに搬送されてきた検体容器1は、図示しない移載機構によって検体容器キャリア103と一体的に、検体容器キャリア保管部104に移送される。
【0058】
検体容器キャリア103の上方には、複数(例えば、5本)の検体容器1が立位状態で一列に配置されて保持されている。なお、本実施の形態において、基本的に、複数の検体容器1は検体容器キャリア103の上方に立位状態で保持して一体的に取り扱うため、以下において特に記載の無い場合は、検体容器1と検体容器キャリア103を合わせて、単に、検体容器1と記載する。
【0059】
処理装置107は、反応ディスク10と、搬送装置105上に設けられた検体分注位置114と、検体分注位置114に搬送された複数の検体容器1(検体容器キャリア103を含む)から反応ディスク10の反応セル10aに検体16を分注する検体分注機構114aと、第1及び第2試薬ディスク8,9と、第1及び第2試薬ディスク8,9から反応ディスク10の反応セル10aに試薬を分注する第1及び第2試薬分注機構8a,9aと、反応セル10aに収容された検体16と試薬とを攪拌する攪拌機構12と、反応セル10aに収容された検体16と試薬の混合反応液の光学的性質の測定を行う検出機構11と、測定の終了した反応セル10aを洗浄する洗浄機構13とを備えている。
【0060】
搬送装置105は、検体容器キャリア保管部104と開閉栓装置106の間で検体容器キャリア103を搬送する保管部側搬送路105Aと、検体容器キャリア103と処理装置107を構成する検体分注位置114の間で検体容器キャリア103を搬送する処理装置側搬送路105Bとを備えている。
【0061】
開閉栓装置106は、検体容器1の開口部1aを塞ぐ栓体2を取り除く処理(開栓処理)と、取り除いた栓体2の保持(栓体保持)と、検体容器1の開口部1aに栓体2を取り付ける処理(閉栓処理)とを行うものである。図6に示すように、開閉栓装置106は、周方向に回動可能に設けられた円板形状を有し、検体容器キャリア103を保持する検体容器キャリア保持部120aをその平面部の回転中心周りに周方向に複数並べて設けたキャリアロータ120と、キャリアロータ120上に設けられ、開栓処理、栓体保持、閉栓処理の何れかの処理を選択的に、かつ、検体容器キャリア103に保持された複数の検体容器1に対して同時に行うことのできる開閉栓機構106Aとを備えている。
【0062】
開閉栓機構106Aは、キャリアロータ120の回転中心に設けられた支持支柱に設けられており、図示しない駆動装置により上下方向に駆動可能に設けられている。搬送装置105により搬送され、キャリアロータ120の検体容器キャリア保持部120aに保持された検体容器キャリア103は、キャリアロータ120の回転により、開閉栓機構106Aの下方に移動される。この状態で、開閉線機構106Aにより栓体2を把持して上方に引き抜く開栓処理と、開栓処理を施した検体容器1を再度閉栓する必要がある場合に引き抜いた栓体2を開閉栓機構106Aにより保持する栓体保持と、検体容器1を再度閉栓する閉栓処理とを行う。
【0063】
以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
【0064】
オペレータは、予め入力装置等により、分析項目に関するパラメータの設定や、検体の識別情報や検査項目等の検体情報の登録を行い、分析対象である検体16を収容した検体容器1を栓体2により閉栓し検体容器キャリア103に保持させて検体容器キャリア保管部4に載置し、分析処理の実施指示を入力する。
【0065】
分析処理の実施が指示されると、分析対象の検体16が収容された複数の検体容器1が図示しない移載機構によって検体容器キャリア103とともに搬送装置105の保管部側搬送路105Aに移送される。続いて、検体容器キャリア103は、保管部側搬送路105Aにより開閉栓装置106に搬送される。
【0066】
キャリアロータ120の検体容器キャリア保持部120aに保持された検体容器キャリア103は、キャリアロータ120の回転により、開閉栓機構106Aの下方に移動される。この状態で、開閉線機構106Aにより複数の検体容器1の全ての栓体2が一度に把持されて上方に引き抜かれ(開栓処理)、引き抜いた複数の栓体2はそのまま開閉栓機構106Aにより保持される(栓体保持)。
【0067】
開栓処理の施された複数の検体容器1を保持した検体容器キャリア103は、処理装置側搬送路105Bにより処理装置107を構成する検体分注位置114に搬送される。続いて、検体分注機構114aにより、検体容器1に収容された検体16が反応ディスク10の反応セル10aに分注され、その検体16に対して依頼されている検査項目に応じて、第1及び第2試薬分注機構8a,9aにより、第1及び第2試薬ディスク8,9に収容された試薬が反応セル10aに分注される。その後、反応セル10aに収容された検体16と試薬とが攪拌機構12により攪拌され、検出機構11によって混合反応液の光学的性質の測定が行われて、測定結果が制御装置115に送られる。なお、測定の終了した反応セル10aは洗浄機構13により洗浄される。
【0068】
検体分注位置114での検体16の分注が終了した検体容器1は、処理装置側搬送路105Bにより再びキャリアロータ120の検体容器キャリア保持部120aに搬送される。そして、開閉線機構106Aにより把持されていた複数の栓体2が、複数の検体容器1の開口部1aに一度に挿入される(閉栓処理)。その後、検体容器キャリア103は、キャリアロータ120の回転により、保管部側搬送路105A側に移動され、保管部側搬送路105Aによって検体容器キャリア保管部104に搬送される。
【0069】
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0070】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 検体容器
2 栓体
3,103 検体容器キャリア
4,104 検体容器キャリア保管部
5,105 搬送装置
6,106 開閉栓装置
6A〜6E,106A 開閉栓機構
7,107 処理装置
8,9 試薬ディスク
10 反応ディスク
11 検出機構
12 攪拌機構
13 洗浄機構
14,114 検体分注位置
15,115 制御装置
16 検体
50a〜50x 識別標識読取装置
51〜54 搬送路
55 搬入部切換機構
55a〜55e 搬入部切換機能部
56 第1の搬送路切換機構
56a〜56e 搬送路切換機能部
57 第2の搬送路切換機構
57a〜57e 搬送路切換機能部
58 ストッパ
59 第3の搬送路切換機構
100,100A 自動分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体容器及びその開口部を閉じる栓体と、
前記検体容器を立位状態で保持する検体容器キャリアと、
前記検体容器が保持された複数の前記検体容器キャリアを保管する検体容器キャリア保管部と、
前記検体容器の開口部から栓体を取り除く開栓処理と、前記栓体を保持する栓体保持と、前記検体容器の開口部に該検体容器から取り除いた元の栓体を取り付ける閉栓処理とを行う開閉栓装置と、
前記開栓処理が施された前記検体容器に対して所定の処理を行う処理装置と、
前記検体容器キャリア保管部と前記開閉栓装置と前記処理装置の間で前記検体容器を保持した検体容器キャリアを搬送する搬送装置と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記開閉栓装置は、それぞれ、前記検体容器キャリアを搬入する搬入部と搬出する搬出部とを有し、前記検体容器に対する開栓処理、栓体保持、及び閉栓処理を行うことのできる複数の開閉栓機構を備え、
前記開閉栓装置の複数の開閉栓機構における前記検体容器キャリアの搬入部に沿って設けられ、前記検体容器キャリア保管部から前記開閉栓装置に前記検体容器を保持した前記検体容器キャリアを搬送する第1の搬送路と、
前記第1の搬送路と前記複数の開閉栓機構の搬入部との間に設けられ、前記第1の搬送路上の前記検体容器キャリアを前記複数の開閉栓機構の搬入部の何れかに選択的に導く搬入部切換機構と、
前記開閉栓装置の複数の開閉栓機構の搬出部に沿って設けられ、前記搬出部から前記処理装置に前記検体容器キャリアを搬送する第2の搬送路と、
前記第1の搬送路に沿って設けられ、前記処理装置からの前記検体容器キャリアを搬送する第3の搬送路と、
前記第2の搬送路に沿って設けられ、前記検体容器キャリアを前記検体容器キャリア保管部に搬送する第4の搬送路と、
前記第1の搬送路と前記第3の搬送路の間に設けられ、前記第1の搬送路上の前記検体容器キャリアの搬送路を前記第3の搬送路に切り換える第1の搬送路切換機構と、
前記第2の搬送路と前記第4の搬送路の間に設けられ、前記第2の搬送路上の前記検体容器キャリアの搬送路を前記第4の搬送路に切り換える第2の搬送路切換機構と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記第1〜第4の搬送路に設けられ、搬送される前記検体容器キャリアに設けられた個体識別情報を検出する識別情報検出手段と、
前記識別情報検出手段により検出された前記個体識別情報に基づいて、前記複数の開閉栓機構のうち、開栓処理、栓体保持、及び閉栓処理の何れの処理も行っていない開閉機構の搬入部に前記検体容器キャリアが搬送されるように前記搬入部切換機構を制御する制御装置と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記開閉栓装置に設けられた前記複数の開閉栓機構は、それぞれ、他の開閉栓機構の動作状態によらず、開栓処理、栓体保持、及び閉栓処理の各処理を行うこができることを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記検体容器キャリア保管部の検体容器キャリアが前記第1の搬送路を介して前記検体容器キャリア保管部から前記開閉栓装置に搬送されて開栓処理を施され、前記第2の搬送路を介して前記開閉栓装置から前記処理装置に搬送されて所定の処理を施され、前記第3の搬送路を介して前記処理装置から前記開閉栓装置に搬送されて閉栓処理を施され、前記第3の搬送路を介して前記開閉栓装置から前記検体容器キャリア保管部に搬送されるまでの搬送距離の和は、前記検体容器キャリアにより導かれる前記複数の開閉栓機構の搬入部が何れかによらず同じとなることを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記検体容器キャリア保管部の前記検体容器キャリアに保持された前記検体容器の形状を識別し、その検体容器の開口部形状に合致する栓体を識別する栓体形状識別手段と、
前記栓体形状識別手段により識別された栓体の情報に基づいて、前記複数の開閉栓機構のうち、前記栓体を有する検体容器に対して開栓処理、栓体保持、及び閉栓処理を実行可能な開閉機構の搬入部に前記検体容器キャリアが搬送されるように前記搬入部切換機構を制御する制御装置と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記検体容器キャリアは、複数の前記検体容器を立位状態で一列に配置して保持し、
前記搬送装置は、前記検体容器キャリア保管部と前記開閉栓装置の間で前記検体容器キャリアを搬送する保持部側搬送路と、前記検体容器キャリアと前記処理装置の間で前記検体容器キャリアを搬送する処理装置側搬送路とを備え、
前記開閉栓装置は、
周方向に回動可能に設けられた円板形状を有し、前記検体容器キャリアを保持する検体容器キャリア保持部をその平面部の回転中心周りに周方向に複数並べて設けたキャリアロータと、
前記キャリアロータ上に設けられ、開栓処理、栓体保持、閉栓処理の何れかの処理を選択的に、かつ、前記検体容器キャリアに保持された複数の検体容器に対して同時に行うことのできる開閉栓機構と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−61250(P2013−61250A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199926(P2011−199926)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】