説明

自動変速機のリバース機構

【課題】自動変速機のリバースシフト操作を円滑にする選択摺動式のリバース機構を提供すること。
【解決手段】リバースインプットギヤ13とリバースアウトプットギヤ19とリバースアイドラギヤ29とを備え、リバースアイドラギヤ29を中立位置と、リバースインプットギヤ13とリバースアウトプットギヤ19の双方に噛み合うリバース位置と、に切り換える自動変速機のリバース機構30であって、リバースインプットギヤ13をリバースアイドラギヤ29と常時噛み合う長さに設定し、リバースアイドラギヤ29を中立位置からリバース位置とは反対側へも移動可能となし、リバースアイドラギヤ29を中立位置からリバース位置へ移動させる場合、リバースアイドラギヤ29を一旦、中立位置からリバース位置とは反対側へ移動させた後、リバース位置へ移動させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の自動変速機のリバース機構に関し、さらに詳しくは、選択摺動式のリバース機構に関する。
【背景技術】
【0002】
デュアルクラッチトランスミッション(DCT)において、リバースギヤのシフトは一般的にシンクロ機構を有する常時噛み合い式が採用されている。マニュアルトランスミッション(MT)のリバースギヤのシフトは、コスト低減を考慮して選択摺動式を使う場合が多い。このようなマニュアルトランスミッションの場合、最も問題になることはシフトの入り易さである。
【0003】
従来の選択摺動式の変速機において、リバースシフトを入り易くする技術として、リバースアイドラシャフトの外径が、リバースアイドラギヤとリバースアウトプットギヤとが噛合しないニュートラル位置と、リバースアイドラギヤとリバースアウトプットギヤとが噛合する噛合位置とで異なるように設定し、リバースシフト時に、リバースシフトの操作開始時まではリバースアイドラギヤがリバースアウトプットギヤに対して、通常よりも少ない回転角で押し分けてリバースシフト入りを容易にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
マニュアルトランスミッションでは、リバースアイドラギヤがリバースアウトプットギヤへ噛合しない(ブロックアウト)状態になった場合、一旦ニュートラル位置へ戻し、早い速度で再度シフトし直すことでギヤシフトを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−277891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、デュアルクラッチトランスミッションなどの自動変速機において選択摺動式を採用する場合、ブロックアウト状態を回避できるようマニュアルトランスミッションと同様に再度シフトをやり直す制御を入れる必要があり、その制御が困難であるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、リバースシフト操作の円滑な自動変速機のリバース機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の態様は、インプットシャフトと一体に回転するように設けられたリバースインプットギヤと、アウトプットシャフトと一体に回転するように設けられたリバースアウトプットギヤと、リバースアイドラシャフトに軸方向へ移動可能に設けられたリバースアイドラギヤと、を備え、リバースアイドラギヤを、ニュートラル位置と、リバースインプットギヤとリバースアウトプットギヤの双方に噛み合う噛合位置と、に選択的に切り換える自動変速機のリバース機構であって、リバースインプットギヤをリバースアイドラギヤと常時噛み合う長さに設定するとともに、リバースアイドラギヤをニュートラル位置から噛合位置とは反対側へも移動可能となし、リバースアイドラギヤをニュートラル位置から噛合位置へ移動させる場合、リバースアイドラギヤを一旦、ニュートラル位置から噛合位置とは反対側へ移動させた後、噛合位置へ移動させるシフトアームを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記態様としては、シフトアームが、リバースアイドラギヤに係合されてシフターシャフトに沿って移動するとともに、ロケーティング機構によってシフターシャフトに対してニュートラル位置および噛合位置のみで位置決めされる構造としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、選択摺動式のリバース機構におけるリバースシフト操作を円滑にする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構に用いる自動変速機の構成を示すスケルトン図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構におけるリバースアイドラギヤとリバースインプットギヤとリバースアウトプットギヤとの関係を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構におけるシフトアームとスリーブとロケーティング機構を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構におけるロケーティング機構36を示す部分断面図である。
【図5−1】図5−1は、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構においてリバースアイドラギヤが中立位置(N)に位置する場合を示す斜視図である。
【図5−2】図5−2は、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構においてリバースアイドラギヤがオーバーストローク位置(OS)に位置する場合を示す斜視図である。
【図5−3】図5−3は、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構においてリバースアイドラギヤがリバース位置(R)に位置する場合を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施の形態に係るリバース機構におけるシフターシャフトに形成する凹部の形状を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構の詳細を図面に基づいて説明する。
【0013】
(自動変速機の概略構成)
先ず、図1のスケルトン図を用いて本実施の形態に用いるデュアルクラッチ式の自動変速機100について説明する。図1に示すように、自動変速機100は、第1変速段群(奇数変速段グループ)1と第2変速段群(偶数変速段グループ)2とにそれぞれ複数の変速段を備えている。
【0014】
また、自動変速機100は、第1変速段群1に属する変速段を選択するための第1クラッチ3と、第2変速段群2に属する変速段を選択するための第2クラッチ4を備えている。
【0015】
この自動変速機100は、第1クラッチ3と第2クラッチ4のうちの一方のクラッチを締結して対応する変速段群内の所定の変速段を選択している間は、他方のクラッチを非締結状態にするとともに、対応する歯車伝動系を動力が伝達されない中立状態にすることで上記所定の変速段が選択された状態での動力伝達を可能にする。
【0016】
図1に示すように、第1クラッチ3と第2クラッチ4は、内燃機関の機関出力軸としての図示しないエンジン出力軸から回転駆動力(入力1、入力2)が入力されるようになっている。第1クラッチ3の出力側は第1インプットシャフト5に連結され、第2クラッチ4の出力側は第2インプットシャフト6に連結されている。第1インプットシャフト5と第2インプットシャフト6は、平行をなすように配置されている。
【0017】
第1インプットシャフト5には、1速ドライブギヤ7、3速ドライブギヤ8、および5速ドライブギヤ9が設けられている。第2インプットシャフト6には、2速ドライブギヤ10、4速ドライブギヤ11、6速ドライブギヤ12、およびリバースインプットギヤ13が設けられている。
【0018】
自動変速機100は、上記第1インプットシャフト5および第2インプットシャフト6に平行なアウトプットシャフト14を備えている。このアウトプットシャフト14には、1速ドリブンギヤ15、2−3速ドリブンギヤ16、4−5速ドリブンギヤ17、6速ドリブンギヤ18、リバースアウトプットギヤ19、およびアウトプットギヤ20が一体に設けられている。
【0019】
第1インプットシャフト5には、中立状態と1速ドライブギヤ選択状態とを切り換えるワンウェイクラッチ21が設けられている。また、第1インプットシャフト5には、中立位置と3速ドライブギヤ選択位置と5速ドライブギヤ選択位置とを切り換える3−5速シンクロ機構22を備えている。第2インプットシャフト6には、中立位置と2速ドライブギヤ選択位置と4速ドライブギヤ選択位置とを切り換える2−4速シンクロ機構23と、中立状態と6速ドライブギヤ選択状態とを切り換える6速シンクロ機構24を備えている。
【0020】
自動変速機100は、これらシンクロ機構22,23,24や第1クラッチ3、第2クラッチ4などを駆動させる図示しないシフト・クラッチアクチュエータを備えている。なお、アウトプットシャフト14に設けられたアウトプットギヤ20は、ディファレンシャル装置25のリングギヤ26に噛合している。アウトプットシャフト14からリングギヤ26に伝達された回転駆動力は、ディファレンシャル装置25を介して駆動輪27に伝達されるようになっている。
【0021】
(リバース機構の構成)
図1に示すように、リバース機構30は、リバースインプットギヤ13と、このリバースインプットギヤ13に常時噛合するリバースアイドラギヤ29と、リバースアウトプットギヤ19とを備えている。リバースアイドラギヤ29は、リバースアイドラ軸28に軸方向に移動可能であり、かつ回転自在に設けられている。
【0022】
図1および図2に示すように、リバースインプットギヤ13は、噛合位置としてのリバース位置(R)と、中立位置(N)と、オーバーストローク位置(OS)とに亘って軸方向へ移動するリバースアイドラギヤ29と常時噛み合い可能な長さに設定されている。なお、リバース位置(R)は、リバースアイドラギヤ29がリバースアウトプットギヤ19と噛合する位置である。本実施の形態では、リバースインプットギヤ13の一方の端部(図中右側の端部)とリバースアウトプットギヤ19が対向する位置にある。中立位置(N)は、リバースアイドラギヤ29がこのリバース位置(R)と隣接する、リバースアウトプットギヤ19と噛合しない位置である。オーバーストローク位置(OS)は、中立位置(N)に対してリバース位置(N)と反対方向(図中左側)に向けて所定の距離(Los)だけ離れた位置である。なお、リバースアイドラギヤ29は、リバース位置(R)、中立位置(N)、オーバーストローク位置(OS)に対して、歯幅方向の中央が位置するようになっている。
【0023】
図2に示すように、リバースアイドラギヤ29は、軸方向(図中、右方向)に突出した側部の外周面にシフトアーム収納溝29Aが周回するように設けられている。シフトアーム収納溝29Aには、一対のシフトアーム31が収納されている。これら一対のシフトアーム31は、シフトアーム収納溝29Aの外周に沿って略U字形状に形成されている。図3に示すように、シフトアーム31の基部は、円筒状のスリーブ32に取り付けられている。
【0024】
スリーブ32は、リバースアイドラ軸28と平行をなすシフターシャフト33に、軸方向に沿ってスライド可能に設けられている。シフトアーム31には、シフトヨーク部34が一体に設けられ、シフトヨーク部34の端部に油圧アクチュエータ35が連結されている。油圧アクチュエータ35は、シフターシャフト33と平行をなす方向(図中、矢印Aで示す)にシフトヨーク部34を所定の荷重で押して往復動作させるようになっている。
【0025】
スリーブ32には、ロケーティング機構36が設けられている。図4に示すように、このロケーティング機構36は、スリーブ32に形成された開口部32Aと、開口部32A内に配置されたボール37と、ボール37をスリーブ32の内側へ向けて付勢するスプリング38と、ボール37およびスプリング38を収納する筒部32Bとを備えている。
【0026】
また、スリーブ32が嵌合するシフターシャフト33には、ボール37を収納する凹部33N,33Rが形成されている。凹部33Nは、シフトアーム31が係合するリバースアイドラギヤ29が中立位置(N)に位置するときに、ボール37を収納してスリーブ32の位置決めを行うようになっている。また、凹部33Rは、シフトアーム31が係合するリバースアイドラギヤ29がリバース位置(R)に位置するときに、ボール37を収納してスリーブ32の位置決めを行うようになっている。なお、これら凹部33N,33Rは、スリーブ32の移動に伴いボール37が外れる程度の深さに設定されている。したがって、ロケーティング機構36は、スリーブ32の移動に伴って、クリック動作を行うようになっている。
【0027】
(リバース機構の動作)
以下、リバース機構30の動作について説明する。
リバースアイドラギヤ29が中立位置(N)にあるときは、図4に示すように、ロケーティング機構36のボール37がシフターシャフト33の凹部33Nに係合して位置決めされている。このとき、図2において中立位置(N)にリバースアイドラギヤ29が位置する。図5−1は、リバースインプットギヤ13とリバースアウトプットギヤ19と、中立位置(N)に配置されたリバースアイドラギヤ29との配置関係を示す斜視図である。図2に示した、中立位置(N)、リバース位置(R)、およびオーバーストローク位置(OS)は、各状態におけるリバースアイドラギヤ29の歯幅の中央が配置される位置を示している。また、図4に示した、中立位置(N)、リバース位置(R)、およびオーバーストローク位置(OS)は、各状態におけるボール37の位置を示している。
【0028】
次に、自動変速機100においてリバースシフトの操作が行われると、図3に示す油圧アクチュエータ35がシフトヨーク部34を駆動して、スリーブ32を軸方向にスライドさせ、ロケーティング機構36のボール37が凹部33Nから外れてオーバーストローク位置(OS)へ移動させる(図4参照)。このとき、ボール37は、シフターシャフト33の外周面に接触している。
【0029】
このとき、図2に示すように、リバースアイドラギヤ29は、中立位置(N)から矢印Bの方向に移動してオーバーストローク位置(OS)に配置される(図2の一点鎖線で示す位置および図5−2参照)。図2および図3に示す、中立位置(N)からオーバーストローク位置(OS)までの長さLosは、予め設定された長さである。長さL1、L2、Losは、図2においてリバースアイドラギヤ29の移動距離を表し、図3においてはシフトアーム31の移動距離を表している。
【0030】
その後、油圧アクチュエータ35により、所定の荷重でシフトヨーク部34が押圧される。すると、ロケーティング機構36のボール37は、図3および図4において矢印Cで示すように、凹部33Nにボール37が落ち込む前に凹部33Nを飛び越えて凹部33Rに向けて移動する。このとき、リバースアイドラギヤ29は、リバースインプットギヤ13に常時噛合しているため、リバース位置(R)へ向けて加速しながらリバースアウトプットギヤ19に対して高い速度で押しつけられる。これにより、リバースアイドラギヤ29は、リバースアウトプットギヤ19から受ける大きな反力でリバースアウトプットギヤ19に対して相対回転して、図5−3に示すように、リバースインプットギヤ13とリバースアウトプットギヤ19の歯を噛み合わせることができる。
【0031】
上述のように、本実施の形態のリバース機構30によれば、リバースシフトを円滑かつ確実に行うことが可能となる。なお、リバースアイドラギヤ29をリバース位置(R)から中立位置(N)へ移動させる場合は、油圧アクチュエータ35を作動させてロケーティング機構36のボール37をシフターシャフト33の凹部33Nまで移動させればよい。
【0032】
本実施の形態に係る自動変速機のリバース機構30では、リバースアイドラギヤ29を中立位置(N)からリバース位置(R)とは反対側のオーバーストローク位置(OS)に移動させた場合に、ボール37はシフターシャフト33に位置決めされずにシフターシャフト33の外周面に接触するだけの構成としたため、リバースアイドラギヤ29はロケーティング機構36からの抵抗を受けずにリバース位置(R)へ移動させることができる。このため、リバースアイドラギヤ29をより高い速度に加速してリバースアイドラギヤ19と衝突させ、その際に作用する反力でリバースアイドラギヤ29をリバースアウトプットギヤ19と噛み合い易い位置に確実に回転させることができる。
【0033】
以上、本発明の実施の形態に係る自動変速機のリバース機構について説明したが、本実施の形態のリバース機構によれば、リバースインプットギヤ13をリバースアイドラギヤ29と常時噛み合う長さに形成したため、リバースアイドラギヤ29を中立位置(N)から噛合位置であるリバース位置(R)へ移動させる場合に、リバースアイドラギヤ29をリバースインプットギヤ13とリバースアウトプットギヤ19に順次噛み合わせる従来のリバース機構のようにリバースアイドラギヤ29の移動がリバースインプットギヤ13によって阻止されることが回避できる。
【0034】
また、本実施の形態の自動変速機のリバース機構によれば、リバースアイドラギヤ29を一旦、中立位置(N)からリバース位置(R)とは反対側のオーバーストローク位置(OS)へ移動させた後、油圧アクチュエータ35がシフトアーム31を介してリバースアイドラギヤ29を所定の荷重で押してリバース位置(R)へ向けて移動させるため、リバースアイドラギヤ29の移動距離が長くでき、リバースアイドラギヤ29をより高い速度に加速してリバースアウトプットギヤ19に押し付けることができる。これにより、リバースアイドラギヤ29をリバースアウトプットギヤ19から受ける反力でリバースアウトプットギヤ19に対して相対回転させて両者の歯を噛み合わせ、リバースシフト操作の円滑化を図ることができる。
【0035】
さらに、本実施の形態の自動変速機のリバース機構によれば、リバースアイドラギヤ29を中立位置(N)からリバース位置(R)とは反対側へ移動させた場合に、シフトアーム31側は、シフターシャフト33側に位置決めされないため、ロケーティング機構36からの抵抗を受けずにシフトアーム31をリバース位置(R)へ移動させることができる。このため、リバースアイドラギヤ29をリバースアウトプットギヤ19へ向けて移動させる速度をさらに高め、リバースアイドラギヤ29をリバースアウトプットギヤ19と噛み合い易い位置に確実に回転させることができる。
【0036】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、この実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0037】
例えば、上記実施の形態では、デュアルクラッチ方式の自動変速機に本発明を適用したが、他の方式の自動変速機に適用することも可能である。
【0038】
また、上記実施の形態では、図4に示したように、シフターシャフト33に設けた凹部33Nを略V字状の凹部としたが、オーバーストローク位置(OS)に移動したボール37が凹部33Rへ向けて移動する際に抵抗とならないように、図6に示すように、凹部33Nにおける凹部33R側の斜面33Nrをアール面としてボール37の衝突による抵抗を小さくする構造としてもよい。さらに、凹部33Nにおける斜面33Nrの傾斜を緩く設定してボール37が凹部33Rへ向けて移動する際に抵抗とならないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
13 リバースインプットギヤ
14 アウトプットシャフト
19 リバースアウトプットギヤ
20 アウトプットギヤ
28 リバースアイドラ軸
29 リバースアイドラギヤ
29A シフトアーム収納溝
30 リバース機構
31 シフトアーム
32 スリーブ
32A 開口部
32B 筒部
33 シフターシャフト
33N,33R 凹部
34 シフトヨーク部
35 油圧アクチュエータ
36 ロケーティング機構
37 ボール
38 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプットシャフトと一体に回転するように設けられたリバースインプットギヤと、アウトプットシャフトと一体に回転するように設けられたリバースアウトプットギヤと、リバースアイドラシャフトに軸方向へ移動可能に設けられたリバースアイドラギヤと、を備え、
前記リバースアイドラギヤを、ニュートラル位置と、前記リバースインプットギヤと前記リバースアウトプットギヤの双方に噛み合う噛合位置と、に選択的に切り換える自動変速機のリバース機構であって、
前記リバースインプットギヤを前記リバースアイドラギヤと常時噛み合う長さに設定するとともに、前記リバースアイドラギヤを前記ニュートラル位置から前記噛合位置とは反対側へも移動可能となし、
前記リバースアイドラギヤを前記ニュートラル位置から前記噛合位置へ移動させる場合、前記リバースアイドラギヤを一旦、前記ニュートラル位置から前記噛合位置とは反対側へ移動させた後、前記噛合位置へ移動させるシフトアームを備えたことを特徴とする自動変速機のリバース機構。
【請求項2】
前記シフトアームは、前記リバースアイドラギヤに係合されてシフターシャフトに沿って移動するとともに、ロケーティング機構によって前記シフターシャフトに対して前記ニュートラル位置および前記噛合位置のみで位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機のリバース機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−53708(P2013−53708A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193576(P2011−193576)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】