説明

自動変速機の変速制御装置

【課題】ドグクラッチの解放と摩擦クラッチの締結とによる自動変速機の変速に際し、ニュートラル状態の発生無しに当該変速を行わせて、変速品質の向上を実現する。
【解決手段】係合式変速要素8の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えと、摩擦式変速要素9の解放状態から締結状態への切り替えとにより変速可能な自動変速機において、係合式変速要素8の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えに先行して前記摩擦式変速要素9の解放状態から締結状態への切り替えを進行させる摩擦式変速要素切り替え進行手段21と、該手段21による前記摩擦式変速要素9の解放状態から締結状態への切り替え進行に伴って前記係合式変速要素8の伝達トルクが所定値まで低下したとき、該係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えを行わせる係合式変速要素切り替え手段21とを具備してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機の変速制御装置に関し、特に、ドグクラッチのような係合式変速要素を噛み合い状態から非噛み合い状態へ切り替えると共に、摩擦クラッチや摩擦ブレーキのような摩擦式変速要素を解放状態から締結状態へ切り替える、所謂変速要素の掛け替えによって行う変速の品質を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドグクラッチのような係合式変速要素を噛み合い状態から非噛み合い状態へ切り替えると共に、摩擦クラッチや摩擦ブレーキのような摩擦式変速要素を解放状態から締結状態へ切り替えて行う変速を有した自動変速機としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが提案されている。
【0003】
この自動変速機は、ハイブリッド車両のモータ伝動系に用いられ、電動モータの回転を高速で伝達する高速伝動系、および電動モータの回転を低速で伝達する低速伝動系のいずれを選択して用いるかを決定するためのものである。
概略説明すると、ドグクラッチの噛み合い状態と、摩擦クラッチの解放状態とにより、低速伝動系を選択することができ、ドグクラッチの非噛み合い状態と、摩擦クラッチの締結状態とにより、高速伝動系を選択することができる。
【0004】
かかる自動変速機の場合、低速伝動系を用いている状態から、高速伝動系用いる状態への切り替え(変速)に際しては、ドグクラッチを噛み合い状態から非噛み合い状態へ切り替えると共に、摩擦クラッチを解放状態から締結状態へ切り替えて行う当該変速(アップシフト)を行うこととなる。
【0005】
特許文献1に記載の発明では、この変速に際し、先ずドグクラッチを噛み合い状態から非噛み合い状態へ切り替え、その後に摩擦クラッチを解放状態から締結状態へ切り替えることにより当該変速(アップシフト)を行うこととしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−188795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、かように先にドグクラッチを非噛み合い状態に切り替え、その後に摩擦クラッチを締結状態に切り替えるのでは、これらドグクラッチおよび摩擦クラッチが共に動力伝達不能である時間が発生し、この間、自動変速機がニュートラル状態(中立状態)となっている。
【0008】
かかる自動変速機の一時的なニュートラル状態(中立状態)は、駆動トルクを一時的に0になして減速感を与えるほか、自動変速機の入力側回転数(電動モータの回転数)を一時的に上昇させ、この入力回転変化に起因した変速ショックが発生し、いずれにしても変速品質が悪くなるという問題を生ずる。
【0009】
本発明は、係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えと、摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替えとによる変速であっても、上記したニュートラル状態(中立状態)が発生することのないような変速制御となすことで、上記の問題を解消して変速品質の向上を実現し得るようにした自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のため、本発明による自動変速機の変速制御装置は、以下のごとくにこれを構成する。
先ず、本発明の前提となる自動変速機を説明するに、これは、
係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えと、摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替えとにより変速可能なものである。
【0011】
本発明は、かかる自動変速機に対し、以下のような摩擦式変速要素切り替え進行手段と、係合式変速要素切り替え手段とを設けた構成に特徴づけられる。
【0012】
前者の摩擦式変速要素切り替え進行手段は、上記係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えに先行して上記摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替えを進行させるものである。
【0013】
また後者の係合式変速要素切り替え手段は、上記摩擦式変速要素切り替え進行手段による上記摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替え進行に伴って上記係合式変速要素の伝達トルクが所定値まで低下したとき、該係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えを行わせるものである。
【発明の効果】
【0014】
かかる本発明による自動変速機の変速制御装置にあっては、
係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えに先行して摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替えを進行させ、
該摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替え進行に伴って係合式変速要素の伝達トルクが所定値まで低下したとき、該係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えを行わせて上記の変速を遂行することから、以下の効果を奏し得る。
【0015】
つまり、係合式変速要素および摩擦式変速要素が共に動力伝達不能である時間が存在せず、このため、自動変速機が変速中に動力伝達不能なニュートラル状態(中立状態)になることがない。
従って、変速中に一瞬も駆動トルクが0になることがなく、変速中の減速感を皆無となし得る。
【0016】
また同様な理由から、自動変速機の入力側回転数が一時的に上昇されることがなく、この入力回転変化に起因した変速ショックを回避することができる。
【0017】
これらにより本発明によれば、いずれにしても、従来の変速制御装置が抱えていた変速品質の悪化に関する問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例になる変速制御装置を具えた自動変速機を内包するハイブリッド車両の駆動装置を、自動変速機の変速制御システムと共に示す略線図である。
【図2】図1におけるコントローラが実行する変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図3】図2の変速制御プログラムによる変速制御を示す動作タイムチャートである。
【図4】図1におけるドグクラッチの伝達トルクと、該ドグクラッチを噛み合い状態から非噛み合い状態に切り替えるのに必要な抜き力との関係を示す特性線図である。
【図5】本発明の第2実施例になる変速制御装置の変速制御プログラムを示す、図2と同様なフローチャートである。
【図6】図5の変速制御プログラムによる変速制御を示す動作タイムチャートである。
【図7】本発明の第3実施例になる変速制御装置の変速制御プログラムを示す、図2と同様なフローチャートである。
【図8】図7の変速制御プログラムによる変速制御を示す動作タイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になる変速制御装置を具えた自動変速機を内包するハイブリッド車両の駆動装置を示し、これを以下に説明するような構成となす。
【0020】
この駆動装置は動力源として、内燃機関であるエンジン(ENG)1と、主に発電機として用いる第1のモータ/ジェネレータMG1と、電動モータとして用いる第2のモータ/ジェネレータMG2とを有する。
エンジン1および第1のモータ/ジェネレータMG1は相互に同軸にして向かい合わせに配置し、これら両者間に動力分配装置2を、同軸に配して介在させる。
【0021】
動力分配装置2は、中心のサンギヤSGと、これを包囲する同心のリングギヤRGと、これらサンギヤSGおよびリングギヤRGに噛合する複数個のピニオンPGと、これらピニオンPGを回転自在に支持するピニオンキャリアPCとから成る単純遊星歯車組で構成する。
【0022】
エンジン1は、その出力軸(クランクシャフト)4を動力分配装置2のピニオンキャリアPCに結合し、第1のモータ/ジェネレータMG1は、その出力軸5を動力分配装置2のサンギヤSGに結合する。
【0023】
上記のごとく同軸に配置したエンジン1、動力分配装置2およびモータ/ジェネレータMG1の配列軸線に平行に配置して第1軸6および第2軸7をそれぞれ並置する。
電動モータとして用いる第2のモータ/ジェネレータMG2は第2軸7に駆動結合し、該モータ/ジェネレータMG2から第2軸7および第1軸6を順次経てモータ動力を出力する際に用いる自動変速機を以下のようなものとする。
【0024】
つまり上記モータ動力の出力に際し、ロー側伝動経路を選択するためのロー側変速機構8、およびハイ側伝動経路を選択するためのハイ側変速機構9をそれぞれ、第1軸6上および第2軸7上に配置して設ける。
【0025】
ロー側変速機構8は、第1軸6上に回転自在に支持した歯車8a、および第2軸7と共に回転する歯車8bより成る低速段歯車組が第1軸6および第2軸7間を駆動結合するよう、歯車8aを第1軸6に回転係合させたり、この回転係合を解くためのもので、以下のような係合式変速要素としてのドグクラッチ8cにより構成する。
【0026】
ドグクラッチ8cは、歯車8aに設けたクラッチギヤ8dと、第1軸6に結合したクラッチハブ8eと、カップリングスリーブ8fとを具え、クラッチギヤ8dおよびクラッチハブ8eの外周に同仕様のクラッチ歯を形成する。
【0027】
カップリングスリーブ8fが、クラッチギヤ8dおよびクラッチハブ8eの外周クラッチ歯の双方に噛合した図示の噛み合い位置にあるとき、ドグクラッチ8cは、歯車8dを第1軸6に結合して、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力を歯車8b,8aにより第2軸7から第1軸6へ伝達して出力可能な噛み合い状態となる。
【0028】
カップリングスリーブ8fが図示位置から軸線方向へのシフトにより、クラッチギヤ8dおよびクラッチハブ8eの外周クラッチ歯の一方と噛合しなくなった非噛み合い位置になるとき、ドグクラッチ8cは、歯車8dを第1軸6から切り離して、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力を歯車8b,8aにより第2軸7から第1軸6へ伝達することができない非噛み合い状態となる。
【0029】
カップリングスリーブ8fの軸線方向シフトは、図示せざる油圧アクチュエータによりこれを行うこととする。
【0030】
ハイ側変速機構9は、第2軸7上に回転自在に支持した歯車9a、および第1軸6と共に回転する歯車9bより成る高速段歯車組が、第1軸6および第2軸7間を駆動結合するよう、歯車9aを第2軸7に結合したり、歯車9aを第2軸7から切り離すためのもので、以下のような摩擦式変速要素としての摩擦クラッチ9cにより構成する。
摩擦クラッチ9cは、歯車9aと共に回転するドリブン側クラッチディスク9dと、第2軸7と共に回転するドライブ側クラッチディスク9eと、油圧式クラッチピストン9fとを具え、以下のように機能するものである。
【0031】
クラッチピストン9fが油圧により、クラッチディスク9d, 9eを相互に摩擦接触させるよう作動するとき、摩擦クラッチ9cは歯車9aを第2軸7に駆動結合させることにより、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力を歯車9a,9bにより第2軸7から第1軸6へ伝達して出力可能な締結状態となる。
クラッチピストン9fが作動油圧の消失により作動しないことによって、クラッチディスク9d, 9eが相互に摩擦接触されないとき、摩擦クラッチ9cは歯車9aを第2軸7に駆動結合させないことにより、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力を歯車9a,9bにより第2軸7から第1軸6へ伝達することができない解放状態となる。
【0032】
なお、歯車9a,9bのギヤ比は高速段歯車組として機能するよう、低速段歯車組を構成する歯車8b,8a間のギヤ比よりも小さく設定すること勿論である。
そして、動力分配装置2を構成するリングギヤRGの外周に歯車を設定し、この歯車に、高速段歯車組を構成する歯車9bを噛合させて、第1軸6と動力分配装置2のリングギヤRGとの間で動力伝達を行い得るようになす。
【0033】
第1軸6に歯車11を結着し、この歯車11と、これに噛合する歯車12とからなるファイナルドライブギヤ組を介して、ディファレンシャルギヤ装置13を第1軸6に駆動結合する。
これにより、第1軸6に達したモータ/ジェネレータMG2のモータ動力がファイナルドライブギヤ組11,12およびディファレンシャルギヤ装置13を経て左右駆動車輪14(図1では一方の駆動車輪のみを示した)に伝達されるようにする。
【0034】
<第1実施例の作用>
エンジン1は動力分配装置2を介してモータ/ジェネレータMG1を駆動し、このモータ/ジェネレータMG1が発電した電力を図示せざるバッテリに蓄電する。
モータ/ジェネレータMG2は上記バッテリの電力を得て駆動され、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力が以下のように伝達される。
【0035】
ドグクラッチ8cが、歯車8aを第1軸6に回転係合させない非噛み合い状態であって、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力を歯車8b,8aにより第2軸7から第1軸6へ伝達し得ず、且つ、摩擦クラッチ9cが歯車9aを第2軸7に駆動結合させない解放状態であって、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力を歯車9a,9bにより第2軸7から第1軸6へ伝達し得ない場合、
自動変速機は、モータ動力を駆動車輪に向かわせることのないニュートラル状態であって、車両を停止させることができる。
【0036】
ドグクラッチ8cが、歯車8aを第1軸6に回転係合させた噛み合い状態であって、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力を歯車8b,8aにより第2軸7から第1軸6へ伝達し得る低速段選択時は、
第2軸7へのモータ動力が歯車8b,8a、噛み合い状態のドグクラッチ8c、第1軸6、ファイナルドライブギヤ組11,12、およびディファレンシャルギヤ装置13を経て駆動車輪14に向かうこととなり、自動変速機は低速段で車輪14を駆動して車両を低速走行させることができる。
【0037】
摩擦クラッチ9cが、歯車9aを第2軸7に駆動結合させた締結状態であって、モータ/ジェネレータMG2からのモータ動力を歯車9a,9bにより第2軸7から第1軸6へ伝達し得る高速段選択時は、
第2軸7へのモータ動力が歯車9a,9b、締結状態の摩擦クラッチ9c、第1軸6、ファイナルドライブギヤ組11,12、およびディファレンシャルギヤ装置13を経て駆動車輪14に向かうこととなり、自動変速機は高速段で車輪14を駆動して車両を高速走行させることができる。
【0038】
上記の低速・高速走行中における回生制動時はモータ/ジェネレータMG1に発電負荷を与えることで、車輪14に常時結合されている第1軸6と共に回転する歯車9bにより動力分配装置2を介して駆動されるモータ/ジェネレータMG1が、発電負荷に応じた発電を行って所定の回生制動を行うと共に、このときの発電電力を前記のバッテリに蓄電することができる。
なお、モータ/ジェネレータMG1はかように発電機として用いるだけでなく、モータ/ジェネレータMG2からの動力のみでは動力不足になる運転状態であるとき、動力不足を補完するよう電動モータとしても機能するものとする。
このとき、必要に応じてエンジン1も、当該動力不足を補完するよう運転するものとする。
【0039】
<変速制御時の問題点と対策>
上記した自動変速機において、低速段選択状態から高速段選択状態へのアップシフトは、ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えと、摩擦クラッチ9cの解放状態から締結状態への切り替えとにより、つまり両クラッチ8c,9cの掛け替えにより当該変速を行うことになる。
【0040】
しかして当該変速に際し、ドグクラッチ8cを噛み合い状態から非噛み合い状態へ切り替え、その後に摩擦クラッチ9cを解放状態から締結状態へ切り替えたのでは、
これらドグクラッチ8cおよび摩擦クラッチ9cが共に動力伝達不能である時間が発生し、この間、自動変速機がニュートラル状態にされる。
【0041】
かかる自動変速機の一時的なニュートラル状態は、エンジン1が停止中であってモータ/ジェネレータMG1がトルクを発生していない場合、車輪14への駆動トルクを一時的に0となして乗員に減速感を与えるほか、自動変速機の入力側回転数(モータ/ジェネレータMG2の回転数)を一時的に上昇させ、その後、摩擦クラッチ9cが締結状態に切り替わった時に、自動変速機の入力側回転数(モータ/ジェネレータMG2の回転数)が、車速と高速伝動系(歯車9a,9b)のギヤ比とで決まる変速後回転数まで低下される結果、この入力回転変化に起因した変速ショックが発生し、いずれにしても変速品質が悪くなるという問題を生ずる。
【0042】
本実施例では、ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えと、摩擦クラッチ9cの解放状態から締結状態への切り替えとによる変速であっても、上記した一時的なニュートラル状態が発生することのない以下に説明するような変速制御となすことで、上記の問題を解消して変速品質の向上を図る。
【0043】
先ず図1に基づき、そのための変速制御システムを説明するに、ドグクラッチ8c(カップリングスリーブ8f)の噛み合い状態および非噛み合い状態間におけるシフト切り替え制御と、摩擦クラッチ9c(クラッチピストン9f)の解放状態および締結状態間における油圧作動制御とを行うコントローラ21を設ける。
【0044】
そしてこのコントローラ21には、基本的な変速制御に際して必要な車速VSPやアクセル開度APOなどの変速制御情報を検出するセンサ群22からの信号と、本実施例の目的達成のために必要なドグクラッチ8cの伝達トルクTdcを検出する伝達トルクセンサ23(伝達トルク検出手段)からの信号とを入力する。
【0045】
コントローラ21はこれら入力情報を基に図2の制御プログラムを実行して、上記したアップシフトを図3のごとくに遂行する。
ステップS11においては、上記アップシフト(変速)の指令が発生したか否かにより、図3の変速開始瞬時t1に至ったか否かをチェックする。
変速指令が発生しなければ、図3の変速開始瞬時t1よりも前で、図2の制御プログラムを実行する必要がないから、制御をそのまま終了する。
【0046】
ステップS11で変速の指令が発生したと判定する時(図3の変速開始瞬時t1に至る時)、先ずステップS12において、解放状態であった摩擦クラッチ9cの締結進行を開始させ、この締結進行を摩擦クラッチ9cが完全締結するまで継続して、摩擦クラッチ9cの伝達トルクTfcを図3に示すごとく変速開始時t1における0から最大値まで所定勾配で漸増させる。
従ってステップS12は、本発明における摩擦式変速要素切り替え先行手段に相当する。
【0047】
次のステップS13においては、変速開始瞬時t1(摩擦クラッチ9cの締結進行開始時)からの経過時間を計測するためにタイマTMをインクリメント(歩進)させ、
ステップS14においては、このタイマTMが設定時間TMs以上を示しているか否かを、つまり変速開始瞬時t1(摩擦クラッチ9cの締結進行開始時)から設定時間TMsが経過したか否かをチェックする。
【0048】
ここで上記の設定時間TMsについて説明する。
ステップS12での摩擦クラッチ9cの締結進行により摩擦クラッチ伝達トルクTfcが漸増すると、ドグクラッチ8cの伝達トルクTdcが変速機入力トルクであるモータ/ジェネレータMG2のモータトルクTmから摩擦クラッチ伝達トルクTfcを差し引いた値であるため、ドグクラッチ伝達トルクTdcは図3に示すごとく変速開始時t1における最大値から所定勾配で漸減する。
【0049】
一方、ドグクラッチ8cを上記の変速に際し噛み合い状態から非噛み合い状態へとシフト操作するのに必要なドグクラッチ抜き力Fdcは、ドグクラッチ伝達トルクTdcに応じて図4に例示するごとくに変化し、ドグクラッチ伝達トルクTdcが大きいほどドグクラッチ抜き力Fdcは大きくなる。
【0050】
ところで、ドグクラッチ8cを噛み合い状態から非噛み合い状態へシフト操作したことにより発生する変速ショックは、ドグクラッチ伝達トルクTdc(従って、ドグクラッチ抜き力Fdc)が大きいときほど大きくなり、変速ショックを許容レベル以下にするには、ドグクラッチ伝達トルクTdc(ドグクラッチ抜き力Fdc)を、図4に例示した変速ショック上の許容上限値Tdc_L(Fdc_L)以下にする必要がある。
【0051】
従って、ステップS14における設定時間TMsの決定に際しては、図3に示すごとくに変速開始時t1から所定勾配で漸減するドグクラッチ伝達トルクTdc(ドグクラッチ抜き力Fdc)が、図4に例示した変速ショック上の許容上限値Tdc_L(Fdc_L)となるのに必要な時間よりも任意の余裕代分だけ短い、図3に例示するような時間を設定時間TMsと定める。
【0052】
ステップS14でタイマTMがTM≧TMsを示していると判定する図3の瞬時t2よりも前においては、制御をステップS13に戻してタイマTMによる計時を継続しながら待機する。
ステップS14でタイマTMがTM≧TMsを示していると判定する図3の瞬時t2より、制御をステップS15に進め、ドグクラッチ抜き力Fdcを0から許容上限値Fdc_L(これ未満でもよい)となす。
【0053】
かように予め瞬時t2よりドグクラッチ8cに許容上限値Fdc_L以下の抜き力Fdcを付与しておくと、瞬時t2以降も図3のように低下し続けるドグクラッチ伝達トルクTdcが、ドグクラッチ抜き力Fdc(≦Fdc_L)に対応したトルク値に低下した瞬時t3に、ドグクラッチ8cが抜き力Fdc(≦Fdc_L)により自動的に噛み合い状態から非噛み合い状態へと切り替わる。
従ってステップS15は、本発明における係合式変速要素切り替え手段に相当する。
【0054】
ステップS16においては、かかるドグクラッチ8cの状態切り替えによりドグクラッチ8cが非噛み合い状態になったか否かをチェックする。
ドグクラッチ8cが未だ非噛み合い状態になっていない間は、制御をステップS15に戻して待機し、ドグクラッチ8cが非噛み合い状態になった図3の瞬時t3に制御をステップS17に進めてドグクラッチ抜き力Fdcを0にする。
【0055】
次のステップS18においては、ステップS12における摩擦クラッチ9cの締結進行と、ステップS15およびステップS16におけるドグクラッチ8cの非噛み合い状態への切り替えとによるトルクフェーズが終了した図3の瞬時t4以後に発生するイナーシャフェーズが終了した変速終了瞬時t5であるか否かをチェックする。
【0056】
ステップS18で変速終了瞬時t5に至る前であると判定する間は、制御を直前に戻して瞬時t4以後におけるイナーシャフェーズを進行させ、このイナーシャフェーズが完了して変速終了瞬時t5に至ったと判定するとき、ステップS19において、ステップS13で用いたタイマTMを次回の変速制御用に0にリセットする。
【0057】
<第1実施例の効果>
上記した図2,3に示す第1実施例の変速制御によれば、
ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えと、摩擦クラッチ9cの解放状態から締結状態への切り替えとで行う変速に際し、
ドグクラッチ8cの非噛み合い状態への切り替えに先行して、摩擦クラッチ9cの締結状態への切り替えを進行させ(ステップS12)、
当該摩擦クラッチ9cの締結状態への切り替え進行に伴って図3のごとく低下するドグクラッチ8cの伝達トルクTdcが所定値Tdc_Lまで低下したとき(t3)、該ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えが自動的に行われるよう、ドグクラッチ8cに抜き力Fdc=Fdc_Lを予め与えておくため(ステップS15)、以下の効果が奏し得られる。
【0058】
つまり、変速中にドグクラッチ8cおよび摩擦クラッチ9cが共に動力伝達不能である時間が存在せず、このため、自動変速機が変速中に動力伝達不能なニュートラル状態になることがない。
従って、変速中に一瞬も駆動トルクが0になることがなく、変速中の減速感を皆無となし得る。
【0059】
また同様な理由から、自動変速機の入力側回転数(モータ回転数Nm)が図3のトルクフェーズ中において一時的に上昇されることがなく、このトルクフェーズ中における入力回転変化に起因した変速ショックを回避することができる。
【0060】
これらにより本実施例によれば、ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えと、摩擦クラッチ9cの解放状態から締結状態への切り替えとで行う変速の変速品質を大いに向上させることができる。
【0061】
また本実施例においては、ステップS15でドグクラッチ8cに予め与えておく抜き力Fdcを、ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えに伴う変速ショックが許容範囲内の大きさに収まる許容上限値Fdc_L(図4参照)以下に定めたため、
ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えに伴う変速ショックが許容範囲を超えて大きくなるような弊害を生ずることなしに上記の効果を達成することができる。
【0062】
更に、ステップS15でドグクラッチ8cに抜き力Fdc=Fdc_Lを予め与えておくことにより前記の効果が得られるようにしたため、
摩擦クラッチ9cの締結状態への切り替え進行に伴って図3のごとく低下するドグクラッチ8cの伝達トルクTdcが所定値Tdc_Lまで低下したとき(t3)、該ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えが自動的に行われることとなり、
ドグクラッチ8cの当該状態切り替えを、何らの制御も要することなく、安価に且つ正確に生起させることができる。
【0063】
そして、ステップS15でドグクラッチ8cに抜き力Fdc=Fdc_Lを予め与え始めるタイミングを、変速開始瞬時(摩擦クラッチ9cの締結状態への切り替え進行開始時)t1から設定時間TMsが経過した瞬時t2とし、この瞬時t2が、ドグクラッチ8cの伝達トルクTdcが変速ショック上の許容上限値Tdc_Lとなる瞬時t3よりも前となるよう設定時間TMsを定めたため、
瞬時t1〜t2間において無駄にドグクラッチ8cに抜き力Fdc=Fdc_Lが与えられて、エネルギーが無駄に消費されるのを防止しつつ、前記の効果を達成することができる。
【0064】
<第2実施例>
図5は、本発明の第2実施例になる変速制御装置の変速制御プログラムを示し、本実施例は、変速制御システムを図1におけると同様なものとし、コントローラ21が図5の変速制御プログラムを実行して、図3に代わる図6の動作波形で示すような変速制御を遂行するものとする。
【0065】
図5の変速制御プログラムは、図2の変速制御プログラムからステップS13、ステップS14、およびステップS19を除去したもので、その他の、図2におけると同様な処理を行うステップについては、これらに同一符号を付して示し、その重複説明を簡便のためここでは避けた。
【0066】
図5の制御プログラムによる本実施例の変速制御においては、図6に示すように、変速開始瞬時(摩擦クラッチ9cの締結状態への切り替え進行開始時)t1から、ドグクラッチ8cに抜き力Fdc=Fdc_Lを予め与えておく(ステップS15)。
かようにドグクラッチ8cに抜き力Fdc=Fdc_Lを予め与えておく場合も、第1実施例におけると同様に、ドグクラッチ8cの伝達トルクTdcがTdc=Tdc_Lとなる瞬時t3に、ドグクラッチ8cの噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えが自動的に行われることとなる。
【0067】
<第2実施例の効果>
かかる第2実施例の変速制御によれば、第1実施例におけると同様な効果を奏し得るほか、前記したタイマTMによる時間管理や、設定時間TMsの決定が不要になる利点がある。
【0068】
<第3実施例>
図7は、本発明の第3実施例になる変速制御装置の変速制御プログラムを示し、本実施例は、変速制御システムを図1におけると同様なものとし、コントローラ21が図7の変速制御プログラムを実行して、図3に代わる図8の動作波形で示すような変速制御を遂行するものとする。
【0069】
図7の変速制御プログラムは、図2の変速制御プログラムに対し、ステップS13をステップS23に置換し、ステップS14をステップS24に置換し、ステップS19を除去したもので、その他の、図2におけると同様な処理を行うステップについては、これらに同一符号えお付して示すのみとし、その重複説明を簡便のためここでは避けた。
【0070】
ステップS12での摩擦クラッチ9cの締結進行により摩擦クラッチ伝達トルクTfcの漸増を開始させた後に選択されるステップS23においては、当該摩擦クラッチ伝達トルクTfcの漸増に伴って図8のごとくに低下するドグクラッチ8cの伝達トルクTdc(図1におけるセンサ23で検出)を読み込む。
次のステップS24においては、当該読み込んだドグクラッチ伝達トルクTdcが設定値Tdc_S以下になったか否かをチェックする。
【0071】
ここで、ドグクラッチ伝達トルクTdcに関した上記の設定値Tdc_Sは図8に示すごとく、第1実施例につき前述したドグクラッチ伝達トルクTdcの所定値(図8では、図3と同じく変速ショック上の許容上限値Tdc_L)よりも任意の余裕代分ΔTdcだけ大きな(Tdc_S=Tdc_L+ΔTdc)と定める。
【0072】
ステップS24で、ドグクラッチ伝達トルクTdcが設定値Tdc_S以下になったと判定する図8の瞬時t2よりも前においては、制御をステップS23に戻してドグクラッチ伝達トルクTdcを取得し直しながら待機する。
ステップS24でTdc≦Tdc_Sになったと判定する図8の瞬時t2より、制御をステップS15に進め、ドグクラッチ抜き力Fdcを0から許容上限値Fdc_L(これ未満でもよい)となす。
【0073】
かように予め瞬時t2よりドグクラッチ8cに許容上限値Fdc_L以下の抜き力Fdcを付与しておくと、瞬時t2以降も図8のように低下し続けるドグクラッチ伝達トルクTdcが、ドグクラッチ抜き力Fdc(≦Fdc_L)に対応したトルク値に低下した瞬時t3に、ドグクラッチ8cが抜き力Fdc(≦Fdc_L)により自動的に噛み合い状態から非噛み合い状態へと切り替わり、
当該ドグクラッチ8cの状態切り替えが完了する図8の瞬時t3に(ステップS16)、ドグクラッチ抜き力Fdcを0にする(ステップS17)。
【0074】
<第3実施例の効果>
かかる第3実施例の変速制御によれば、その動作波形が図8に示すように、第1実施例における動作波形と同様なものとなり、第1実施例におけると同様な効果を奏し得るほか、
予めドグクラッチ8cに許容上限値Fdc_L以下の抜き力Fdcを付与し始める図8の瞬時t2を、センサ23で検出したドグクラッチ伝達トルク検出値Tdcに基づき決定するため、上記したドグクラッチ8cの状態切り替えが完了する図8の瞬時t3が個体差や経時変化によりずれることがあっても、ドグクラッチ8cに許容上限値Fdc_L以下の抜き力Fdcを付与し始める瞬時を確実に、瞬時t3よりも前の予定タイミングt2にすることができて、前記の効果を更に顕著なものにすることができる。
【0075】
<その他の実施例>
なお上記した第1〜3実施例の何れにおいても、図3,6,8に示すごとくドグクラッチ伝達トルクTdcが許容上限値Tdc_Lに低下する瞬時t3よりも前からドグクラッチ8cに予め抜き力Fdc_Lを与えておき、ドグクラッチ伝達トルクTdcが許容上限値Tdc_Lに低下するとき自動的にドグクラッチ8cが噛み合い状態から非噛み合い状態に切り替わるようにしたが、
ドグクラッチ伝達トルクTdcが許容上限値Tdc_Lに低下する瞬時t3に調時してドグクラッチ8cに抜き力Fdc_Lを与えることにより、ドグクラッチ8cを噛み合い状態から非噛み合い状態に切り替わるようにすることもできる。
【0076】
この着想を第1実施例に適用する場合、図2のステップS14における設定時間TMsを、実験などにより求めた図3の瞬時t1〜t3間における時間に対応させ、当該着想を第3実施例に適用する場合、図7のステップS24におけるドグクラッチ伝達トルク設定値Tdc_SをTdc_S=Tdc_Lにする。
かようにする場合、ドグクラッチ8cに抜き力Fdc_Lを与えるタイミングが、ドグクラッチ8cを噛み合い状態から非噛み合い状態へ切り替えるタイミングに調時されることとなり、ドグクラッチ8cに抜き力Fdc_Lを予め与えておく必要がないことによって、エネルギーの無駄な消費を回避することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 エンジン
MG1 第1のモータ/ジェネレータ(発電機)
MG2 第2のモータ/ジェネレータ(電動モータ)
2 動力分配装置
6 第1軸
7 第2軸
8 ロー側変速機構
8a,8b 低速段歯車組
8c ドグクラッチ(係合式変速要素)
9 ハイ側変速機構
9a,9b 高速段歯車組
9c 摩擦クラッチ(摩擦式変速要素)
11,12 ファイナルドライブギヤ組
13 ディファレンシャルギヤ装置
14 駆動車輪
21 コントローラ
23 ドグクラッチ伝達トルクセンサ(伝達トルク検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えと、摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替えとにより変速可能な自動変速機において、
前記係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えに先行して前記摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替えを進行させる摩擦式変速要素切り替え進行手段と、
該手段による前記摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替え進行に伴って前記係合式変速要素の伝達トルクが所定値まで低下したとき、該係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えを行わせる係合式変速要素切り替え手段とを具備してなることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された、自動変速機の変速制御装置において、
前記係合式変速要素の伝達トルクに関した所定値は、該係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えに伴って発生する変速ショックが許容レベルとなる係合式変速要素の伝達トルク許容上限値以下であることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された、自動変速機の変速制御装置において、
前記係合式変速要素切り替え手段は、前記摩擦式変速要素切り替え進行手段による摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替え進行が開始された時からの経過時間に基づき、前記係合式変速要素の伝達トルクが前記所定値まで低下した時に行うべき該係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えを遂行するものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載された、自動変速機の変速制御装置において、
前記係合式変速要素切り替え手段は、前記摩擦式変速要素切り替え進行手段による摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替え進行が開始された時から所定時間が経過した時に、前記係合式変速要素の伝達トルクが前記所定値まで低下したとして該係合式変速要素の噛み合い状態から非噛み合い状態への切り替えを行うものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載された、自動変速機の変速制御装置において、
前記係合式変速要素切り替え手段は、前記摩擦式変速要素切り替え進行手段による摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替え進行に伴って低下する前記係合式変速要素の伝達トルクが前記所定値まで低下したときに前記係合式変速要素が自動的に噛み合い状態から非噛み合い状態に切り替えられるような切り替え力を係合式変速要素に予め与えておくものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載された、自動変速機の変速制御装置において、
前記係合式変速要素切り替え手段は、前記変速の開始から、前記係合式変速要素の伝達トルクが前記所定値に低下するまでの間における任意の時より、前記切り替え力を前記係合式変速要素に予め与えておくものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載された、自動変速機の変速制御装置において、
前記係合式変速要素切り替え手段は、前記摩擦式変速要素切り替え進行手段による摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替え進行が開始された時から設定時間が経過した時より、前記切り替え力を前記係合式変速要素に与えておくものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載された、自動変速機の変速制御装置において、
前記係合式変速要素切り替え手段は、前記摩擦式変速要素切り替え進行手段による摩擦式変速要素の解放状態から締結状態への切り替え進行に伴って低下する前記係合式変速要素の伝達トルクを検出する伝達トルク検出手段を具え、
該手段により検出した係合式変速要素の伝達トルクが前記所定値に余裕代分を加算した設定値まで低下した時より、前記切り替え力を前記係合式変速要素に与えておくものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−2577(P2013−2577A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135534(P2011−135534)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】