説明

自動変速機の流体圧制御装置

【課題】停車時に原動機の停止と始動とが短時間の間で行なわれるものとしても、発進用の摩擦係合要素の係合を素早く行なう。
【解決手段】リニアソレノイドSLC1を、出力ポート82bを閉塞してクラッチC1の油室58に作動油を閉じ込め可能に構成し、ライン圧PLが設定圧以上のときにリニアソレノイドSLC1の出力ポート82bとクラッチC1の油室58とを連通すると共に電磁ポンプ60の吐出ポート62bとクラッチC1の油室58との連通を遮断しライン圧PLが設定圧未満のときにリニアソレノイドSLC1の出力ポート82bとクラッチC1の油室58との連通を遮断すると共に電磁ポンプ60の吐出ポート62bとクラッチC1の油室58とを連通するC1リレーバルブ70を設ける。そして、自動停止条件が成立してエンジン12が停止する際にリニアソレノイドSLC1の閉じ込め制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間欠運転が可能な原動機を備える車両に搭載され、流体圧により作動する摩擦係合要素を介して前記原動機からの動力を変速して車軸側に伝達する自動変速機の流体圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動変速機の流体圧制御装置としては、アイドルストップ機能付きの自動車に搭載され、エンジンの動力により作動する機械式ポンプと、機械式ポンプからの吐出圧を調圧するリニアソレノイドバルブSLC1と、電磁ポンプと、モジュレータ圧を信号圧として入力して作動し信号圧が設定圧以上のときにはリニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートと発進用のクラッチC1のクラッチ油室とを連通すると共に電磁ポンプの吐出ポートとクラッチC1のクラッチ油室との連通を遮断し信号圧が設定圧未満のときにはリニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートとクラッチC1のクラッチ油室との連通を遮断すると共に電磁ポンプの吐出ポートとクラッチC1のクラッチ油室とを連通する切替バルブと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、エンジンのアイドルストップ中には、エンジンの運転停止に伴って作動を停止している機械式ポンプに代えて電磁ポンプを駆動して油圧(ストロークエンド圧)をクラッチC1のクラッチ油室に作用させておくことにより、次のエンジン始動時に機械式ポンプからの油圧が立ち上がったときに直ちにクラッチC1を係合させることができ、車両の発進をスムーズに行なうことができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−175039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の装置では、切替バルブは、スプールがスプリングの付勢力により一端側に押し付けられており、スプリングの付勢力に打ち勝つ油圧(設定圧以上の油圧)が信号圧として入力されるとスプールが他端側に移動してクラッチC1のクラッチ油室にリニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートを連通させ、機械式ポンプが停止して信号圧がスプリングの付勢力に打ち勝つ油圧よりも低下すると、スプールが一端側に戻ってクラッチC1のクラッチ油室を電磁ポンプの吐出ポートに連通させる。このため、電磁ポンプからクラッチC1のクラッチ油室への油圧の供給は、エンジンが停止してからモジュレータ圧が設定圧未満に低下するまで行なわれず、その間にクラッチC1のクラッチ油室に作用している油圧がストロークエンド圧よりも大きく低下し、クラッチC1のピストン位置がストロークエンドから離れる場合が生じる。この場合、エンジンを停止してから比較的短時間の間にエンジンが始動されると、クラッチC1の係合が間に合わなくなり、エンジンの吹き上がりやクラッチ滑りが生じる場合も考えられる。
【0005】
本発明の自動変速機の流体圧制御装置は、停車時に原動機の停止と始動とが短時間の間で行なわれるものとしても、発進用の摩擦係合要素の係合を素早く行なえるようにすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動変速機の流体圧制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の自動変速機の流体圧制御装置は、
間欠運転が可能な原動機を備える車両に搭載され、流体圧により作動する摩擦係合要素を介して前記原動機からの動力を変速して車軸側に伝達する自動変速機の流体圧制御装置であって、
前記原動機からの動力により作動する第1のポンプと、
前記第1のポンプからの吐出圧を調圧する第1の調圧器と、
電力の供給を受けて作動する第2のポンプと、
前記第1の調圧器により調圧された流体圧に基づいて生成される信号圧により作動し、前記信号圧が設定圧以上のときに前記第2のポンプから発進用の摩擦係合要素の流体圧室に至る第1の経路を遮断し、前記信号圧が前記設定圧未満のときに前記第1の経路を開放する切替器と、
前記第1の調圧器により調圧された流体圧を調圧して前記流体圧室に供給可能で、該流体圧室内に作動流体の閉じ込めが可能な第2の調圧器と、
運転している前記原動機が停止したときには、前記流体圧室内に作動流体が閉じ込められると共に前記切替器が前記第1の経路を遮断した状態から該第1の経路を開放した状態に切り替わったときに前記第2のポンプからの吐出圧が該流体圧室へ供給されるよう前記第2の調圧器と該第2のポンプとを制御する制御部と
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の自動変速機の流体圧制御装置では、原動機からの動力により作動する第1のポンプと、第1のポンプからの吐出圧を調圧する第1の調圧器と、電力の供給を受けて作動する第2のポンプと、第1の調圧器により調圧された流体圧に基づいて生成される信号圧により作動し信号圧が設定圧以上のときに第2のポンプから発進用の摩擦係合要素の流体圧室に至る第1の経路を遮断し信号圧が設定圧未満のときに第1の経路を開放する切替器と、第1の調圧器により調圧された流体圧を調圧して流体圧室に供給可能で流体圧室内に作動流体の閉じ込めが可能な第2の調圧器と、を備え、運転している原動機が停止したときには、流体圧室内に作動流体が閉じ込められると共に切替器が第1の経路を遮断した状態から第1の経路を開放した状態に切り替わったときに第2のポンプからの吐出圧が流体圧室へ供給されるよう第2の調圧器と第2のポンプとを制御する。これにより、切替器が第2のポンプから発進用の摩擦係合要素の流体圧室に至る第1の経路を開放するまでの間は第2の調圧器による流体圧室内の作動流体の閉じ込めにより流体圧室内の流体圧が低下するのを抑制し、第1の経路が開放されると、第2のポンプからの吐出圧を流体圧室に供給することができる。この結果、原動機を停止させた直後でも発進用の摩擦係合要素の流体圧室を次回の係合に適した流体圧で待機させることができるから、停車時に原動機の停止と始動とが短時間の間で行なわれるものとしても、発進用の摩擦係合要素の係合を素早く行なうことができる。
【0009】
こうした本発明の自動変速機の流体圧制御装置において、前記第2の調圧器は、前記第1の調圧器により調圧された流体圧を入力する入力ポートと、前記流体圧室に流路を介して接続された出力ポートと、ドレンポートとを有し、前記入力ポートと前記出力ポートとを連通すると共に該出力ポートと前記ドレンポートとを連通する第1の状態と、前記入力ポートと前記出力ポートとの連通を遮断すると共に該出力ポートと前記ドレンポートとを連通する第2の状態と、前記入力ポートと前記出力ポートとの連通を遮断すると共に該出力ポートと前記ドレンポートとの連通を遮断する第3の状態と、を切り替え可能な調圧弁であり、前記制御部は、前記流体圧室内に作動流体が閉じ込められるよう前記調圧弁を前記第3の状態に設定するものとすることもできる。こうすれば、簡易な構成により流体圧室に作動流体を閉じ込めることができる。
【0010】
また、本発明の自動変速機の流体圧制御装置において、前記切替器は、さらに、前記信号圧が設定圧以上のときに前記第2の調圧器から発進用の摩擦係合要素の流体圧室に至る第2の経路を開放し、前記信号圧が設定圧未満のときに前記第2の経路を遮断するよう形成されてなるものとすることもできる。
【0011】
さらに、本発明の自動変速機の流体圧制御装置において、前記第2のポンプは、電磁力のオンオフによりピストンを往復動させることにより流体圧を吐出する電磁ポンプであるものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】自動車10の構成の概略を示す構成図である。
【図2】変速機構30の作動表を示す説明図である。
【図3】変速機構30の各回転要素の回転速度の関係を示す共線図である。
【図4】油圧回路40の構成の概略を示す構成図である。
【図5】リニアソレノイドSLC1の動作の様子を示す説明図である。
【図6】ATECU16により実行される自動停止制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図7】エンジン12を自動停止する際のエンジン回転速度Neとライン圧PLとC1リレーバルブ70の状態と電磁ポンプ60の状態とクラッチC1の油圧(C1圧)とリニアソレノイドバルブSLC1のソレノイド電流Islc1の時間変化の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0014】
図1は自動変速機20を搭載する自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は変速機構30の作動表を示す説明図である。
【0015】
自動車10は、図1に示すように、ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料の爆発燃焼により動力を出力する内燃機関としてのエンジン12と、エンジン12を運転制御するエンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)15と、エンジン12のクランクシャフト14に接続されると共に左右の車輪19a,19bの車軸18a,18bに接続されてエンジン12からの動力を変速して車軸18a,18bに伝達する自動変速機20と、自動変速機20を制御する自動変速機用電子制御ユニット(ATECU)16と、車両全体をコントロールするメイン電子制御ユニット(メインECU)90とを備える。なお、メインECU90には、シフトポジションセンサ92からのシフトポジションSPやアクセルペダルポジションセンサ94からのアクセル開度Acc,ブレーキスイッチ96からのブレーキスイッチ信号BSW,車速センサ98からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、メインECU90は、エンジンECU15やATECU16と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU15やATECU16と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、本発明の自動変速機の流体圧制御装置としては、油圧回路40とATECU16とが該当する。
【0016】
自動変速機20は、図1に示すように、エンジン12のクランクシャフト14に接続された入力側のポンプインペラ24aと出力側のタービンランナ24bとからなるロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ24と、トルクコンバータ24のタービンランナ24bに接続された入力軸21と車軸18a,18bにギヤ機構26とデファレンシャルギヤ28とを介して接続された出力軸22とを有し入力軸21に入力された動力を変速して出力軸22に出力する有段の変速機構30と、この変速機構30を駆動するアクチュエータとしての油圧回路40(図4参照)と、を備える。なお、実施例では、エンジン12のクランクシャフト14と変速機構30との間にトルクコンバータ24を介在させるものとしたが、これに限られず、種々の発進装置を採用し得る。
【0017】
変速機構30は、6段変速の有段変速機構として構成されており、シングルピニオン式の遊星歯車機構とラビニヨ式の遊星歯車機構と三つのクラッチC1,C2,C3と二つのブレーキB1,B2とワンウェイクラッチF1とを備える。シングルピニオン式の遊星歯車機構は、外歯歯車としてのサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車としてのリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31はケースに固定されており、リングギヤ32は入力軸21に接続されている。ラビニヨ式の遊星歯車機構は、外歯歯車の二つのサンギヤ36a,36bと、内歯歯車のリングギヤ37と、サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bとを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア39とを備え、サンギヤ36aはクラッチC1を介してシングルピニオン式の遊星歯車機構のキャリア34に接続され、サンギヤ36bはクラッチC3を介してキャリア34に接続されると共にブレーキB1を介してケースに接続され、リングギヤ37は出力軸22に接続され、キャリア39はクラッチC2を介して入力軸21に接続されている。また、キャリア39は、ワンウェイクラッチF1を介してケースに接続されると共にワンウェイクラッチF1と並列に設けられたブレーキB2を介してケースに接続されている。
【0018】
変速機構30は、図2に示すように、クラッチC1〜C3のオンオフ(係合と非係合)とブレーキB1,B2のオンオフとの組み合わせにより前進1速〜6速と後進とニュートラルとを切り替えることができるようになっている。後進の状態は、クラッチC3とブレーキB2とをオンとすると共にクラッチC1,C2とブレーキB1とをオフとすることにより形成することができる。また、前進1速の状態は、クラッチC1をオンとすると共にクラッチC2,C3とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。この前進1速の状態では、エンジンブレーキ時には、ブレーキB2がオンとされる。前進2速の状態は、クラッチC1とブレーキB1とをオンとすると共にクラッチC2,C3とブレーキB2とをオフとすることにより形成することができる。前進3速の状態は、クラッチC1,C3をオンとすると共にクラッチC2とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進4速の状態は、クラッチC1,C2をオンとすると共にクラッチC3とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進5速の状態は、クラッチC2,C3をオンとすると共にクラッチC1とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進6速の状態は、クラッチC2とブレーキB1とをオンとすると共にクラッチC1,C3とブレーキB2とをオフとすることにより形成することができる。また、ニュートラルの状態は、クラッチC1〜C3とブレーキB1,B2のすべてをオフとすることにより形成することができる。なお、図3に、変速機構30の各変速段における各回転要素の回転速度の関係を説明する説明図を示す。図中のS1軸はサンギヤ33の回転速度を示し、CR1軸はキャリア34の回転速度を示し、R1軸はリングギヤ32の回転速度を示し、S2軸はサンギヤ36bの回転速度を示し、S3軸はサンギヤ36aの回転速度を示し、CR2軸はキャリア39の回転速度を示し、R2軸はリングギヤ37の回転速を示す。
【0019】
変速機構30におけるクラッチC1〜C3のオンオフ(係合と非係合)とブレーキB1,B2のオンオフは、油圧回路40により行なわれる。油圧回路40は、図4に示すように、エンジン12からの動力により作動しストレーナ42を介して作動油を吸引してライン圧用油路51に圧送する機械式オイルポンプ44と、機械式オイルポンプ44から圧送された作動油を調圧してライン圧PLを生成するレギュレータバルブ46と、ライン圧PLから図示しないモジュレータバルブを介して生成されるモジュレータ圧PMODを調圧して信号圧として出力することによりレギュレータバルブ46を駆動するリニアソレノイドバルブSLTと、ライン圧用油路51に接続された入力ポート48aとドライブ圧用油路52に接続されたD(ドライブ)ポジション用出力ポート48bとR(リバース)ポジション用出力ポート48cなどが形成されDポジションにシフト操作されているときには入力ポート48aとDポジション用出力ポート48bとを連通すると共に入力ポート48aとRポジション用出力ポート48cとの連通を遮断しRポジションにシフト操作されているときには入力ポート48aとDポジション用出力ポート48bとの連通を遮断すると共に入力ポート48aとRポジション用出力ポート48cとを連通しN(ニュートラル)ポジションにシフト操作されているときには入力ポート48aとDポジション用出力ポート48bおよびRポジション用出力ポート48cとの連通を遮断するマニュアルバルブ48と、ドライブ圧用油路52からの出力圧であるドライブ圧PDを入力ポート82aから入力し調圧して出力ポート82bから出力するリニアソレノイドバルブSLC1と、吸入ポート用油路54を介してストレーナ42に接続された吸入ポート62aと吐出ポート用油路55に接続された吐出ポート62bとが形成されソレノイド部61を間欠的にオンオフして電磁力によりピストン66を往復動させることにより作動油を吸入ポート62aから内蔵する吸入用逆止弁64を介して吸入すると共に吸入した作動油を内蔵する吐出用逆止弁68を介して吐出ポート62bから吐出する電磁ポンプ60と、ライン圧PLにより作動してリニアソレノイドバルブSLC1からの出力圧であるSLC1圧をクラッチC1の油室58に供給するモードと電磁ポンプ60からの吐出圧をクラッチC1の油室58に供給するモードとを選択的に切り替えるC1リレーバルブ70などにより構成されている。なお、図4では、他のクラッチC2,C3やブレーキB1,B2に対する油圧の供給系については図示していないが、クラッチC1と同様に、周知のソレノイドバルブやリレーバルブにより構成することができる。
【0020】
リニアソレノイドバルブSLC1は、コイルへの通電を伴って電磁力を発生させるソレノイド部81と、ドライブ圧用油路52に接続された入力ポート82aと出力ポート用油路53に接続された出力ポート82bとドレンポート82cとが形成された中空円筒状のスリーブ82と、電磁力からの押圧を受けてスプール84内を摺動して各ポート間の継断を行なうスプール84と、スプール84を電磁力の押圧方向とは反対方向に付勢するスプリング86とを備え、ソレノイド部81への通電をオフしているときに開弁するノーマルオープン型のリニアソレノイドバルブとして構成されている。このリニアソレノイドバルブSLC1では、入力ポート82aから入力した油圧を調圧して出力ポート82bから出力する調圧機能と出力ポート82b側の作動油をドレンポート82cからドレンするドレン機能の他に、入力ポート82aとドレンポート82cとを閉塞し出力ポート82b側の作動油を閉じ込める閉じ込め機能を有している。図5に、リニアソレノイドバルブSLC1の動作の様子を示す。リニアソレノイドバルブSLC1は、図示するように、ソレノイド部81のコイルへの通電がオフ、即ちコイルへ印加される電流Islc1が値0のときには、スプリング86の付勢力によりスプール84が図中右端に押し付けられた状態となり、入力ポート82aと出力ポート82bとを連通すると共にドレンポート82cを閉塞する(図5(a)参照)。これにより、入力ポート82aに入力される作動油はそのまま出力ポート82bから出力されるから、出力圧は最大となる。ソレノイド部81のコイルへの通電がオンされると、ソレノイド部81の電磁力によりスプール84が図中左方向に移動し、コイルへ印加される電流Islc1が所定値I1を超えたときに、入力ポート82aと出力ポート82bとを連通すると共に出力ポート82bとドレンポート82cとを連通する(図5(b)参照)。このとき、スプール84の移動量が大きいほど入力ポート82aと出力ポート82bとの連通面積が狭くなると共に出力ポート82bとドレンポート82cとの連通面積が広くなるため、入力ポート82aからの油圧を調圧して出力ポート82cに出力する調圧機能を奏することになる。そして、コイルへ印加される電流Islc1が所定値I1よりも大きい所定値I2に至ると、スプール84が図中左方向に更に移動し、入力ポート82aを閉塞すると共に出力ポート82bとドレンポート82cとを連通する(図5(c)参照)。これにより、入力ポート82aに作用する油圧の伝達が遮断され、出力ポート82bに作用している油圧がドレンポート82cからドレンされるドレン機能を奏し、出力圧は値0となる。さらに、コイルへ印加される電流Islc1が所定値I2よりも大きい所定値I3に至ると、スプール84が図中左方向に更に移動し、出力ポート82bが閉塞されるため、入力ポート82aと出力ポート82bとの連通を遮断すると共に出力ポート82bとドレンポート82cとの連通を遮断する(図5(d)参照)。これにより、出力ポート82bに作用する油圧は閉じ込められた状態となり、閉じ込め機能を奏することになる。
【0021】
C1リレーバルブ70は、図4に示すように、各種ポートが形成されたスリーブ72と、スリーブ72内を摺動して各ポート間の継断を行なうスプール74と、スプール端面を押圧するスプリング76と、を備える。スリーブ72には、各種ポートとして、ライン圧用油路51に接続されライン圧PLをスプール端面がスプリング76の付勢力と逆方向に押圧される信号圧として入力する信号圧用ポート72aと、出力ポート用油路53aに接続されSLC1圧を入力する入力ポート72bと、吐出ポート用油路55に接続され電磁ポンプ60からの吐出圧を入力する入力ポート72cと、クラッチC1の油室58に接続されたクラッチ用油路56に接続された出力ポート72dとが形成されている。
【0022】
このC1リレーバルブ70では、信号圧用ポート72aにスプリング76の付勢力に打ち勝つ圧力(設定圧)以上のライン圧PLが作用しているときには、ライン圧PLによりスプリング76が収縮する方向(図4中の右半分に示す位置)にスプール74を移動させる。この状態では、入力ポート72bと出力ポート72dとを連通すると共に入力ポート72cと出力ポート72dとの連通を遮断するため、リニアソレノイドバルブSLC1の出力ポート84aが出力ポート用油路53,入力ポート72b,出力ポート72d,クラッチ用油路56を順に介してクラッチC1の油室58に連通されると共に電磁ポンプ60の吐出ポート62bとクラッチC1の油室58との連通が遮断される。一方、信号圧用ポート72aにスプリング76の付勢力に打ち勝つ圧力(設定圧)以上のライン圧PLが作用していないときには、スプリング76の付勢力によりスプリング76が伸張する方向(図4中の左半分に示す位置)にスプール74を移動させる。この状態では、入力ポート72bと出力ポート72dとの連通を遮断すると共に入力ポート72cと出力ポート72dとを連通するため、リニアソレノイドバルブSLC1の出力ポート48bとクラッチC1の油室58との連通が遮断されると共に電磁ポンプ60の吐出ポート62bが吐出ポート用油路55,入力ポート72c,出力ポート72d,クラッチ用油路56を順に介してクラッチC1の油室58に連通される。
【0023】
こうして構成された実施例の自動車10では、シフトレバーをDポジションとして走行しているときに、車速Vが値0,アクセルオフ,ブレーキスイッチ信号BSWがオンなど予め設定された自動停止条件の全てが成立したときにエンジン12を自動停止する。エンジン12が自動停止されると、その後、ブレーキスイッチ信号BSWがオフなど予め設定された自動始動条件が成立したときに自動停止したエンジン12を自動始動する。こうしたエンジン12の自動始動制御や自動停止制御は、メインECU90が各種検出信号を入力して自動始動条件の成立や自動停止条件の成立を判定し、判定結果に応じた制御指令をエンジンECU15やATECU16に送信することにより行なわれる。
【0024】
図6は、ATECU16により実行される自動停止制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、前述した自動停止条件が成立してメインECU90から自動停止指令を受信したときに実行される。
【0025】
自動停止制御ルーチンが実行されると、ATECU16は、まず、電磁ポンプ60の駆動を開始し(ステップS100)、自動停止指令を受信してからエンジン12がアイドリング回転速度(例えば、800rpmや1000rpmなど)で安定するのに要する所定時間T1が経過するのを待つ(ステップS110)。電磁ポンプ60の駆動は、ソレノイド部61のコイルへの通電のオンオフを一定周期で繰り返すことにより行なわれる。所定時間T1が経過すると、次に、エンジン12の燃料噴射を停止する(ステップS120)。燃料噴射の停止は、実施例では、燃料噴射停止指令をメインEUC90に送信することにより、メインECU90が受信した燃料噴射停止指令をエンジンECU15に転送することにより行なわれる。そして、リニアソレノイドバルブSLC1が前述した図5(b)の状態となるようソレノイド部81のコイルに印加する電流Islc1を所定値I3とする閉じ込め制御を実行し(ステップS130)、ライン圧PL(信号圧)がC1リレーバルブ70の設定圧を下回るのに要する所定時間T2が経過するのを待つ(ステップS140)。これにより、リニアソレノイドバルブSLC1によってクラッチC1の油室58内の作動油が閉じ込められるが、実際には、リニアソレノイドバルブSLC1や油室58から作動油の若干の漏れが生じるため、油室58内の油圧はゆっくりと低下する。所定時間T2が経過すると、ソレノイド部81のコイルに印加する電流Islc1を値0とすることによりリニアソレノイドバルブSLC1を開弁して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。ここで、C1リレーバルブ70が設定圧を下回ると、C1リレーバルブ70はクラッチC1の油室58との連通をリニアソレノイドSLC1の出力ポート82bから電磁ポンプ60の吐出ポート62bへ切り替えるため、電磁ポンプ60の吐出圧がクラッチC1の油室58に伝達される。なお、電磁ポンプ60は、本実施例では、クラッチC1のピストン位置をストロークエンドで保持するために必要な油圧が吐出されるようその吐出能力を定めるものとした。
【0026】
なお、エンジン12の停止時にクラッチC1をストロークエンド圧で待機させている状態で前述した自動始動条件が成立すると、エンジン12をクランキングして始動し、エンジン12のクランキングに伴って機械式オイルポンプ44が作動を開始し、ライン圧PLが上昇する。ライン圧PLがC1リレーバルブ70の設定圧を上回ると、C1リレーバルブ70がクラッチC1の油室58をリニアソレノイドSLC1の出力ポート82bに連通させるため、電磁ポンプ60の吐出圧に代わってSLC1圧がクラッチC1の油室58に導入され、クラッチC1が完全に係合される。このようにエンジン12が自動停止している最中に電磁ポンプ60からクラッチC1に油圧を供給してクラッチC1をストロークエンド圧で待機させておくことにより、エンジン12が自動始動した直後にクラッチC1を迅速に係合させることができるから、発進をスムーズに行なうことができる。
【0027】
図7は、エンジン12を自動停止する際のエンジン回転速度Neとライン圧PLとC1リレーバルブ70の状態と電磁ポンプ60の状態とクラッチC1の油圧(C1圧)とリニアソレノイドバルブSLC1のソレノイド電流Islc1の時間変化の様子を示す説明図である。なお、図中、一点鎖線はリニアソレノイドSLC1を開弁させた状態でエンジン12を停止させた場合(比較例)におけるC1圧の時間変化の様子を示す。図示するように、時刻t1にエンジン12の自動停止条件が成立すると、電磁ポンプ60の駆動を開始し、時刻t1から所定時間T1経過した後の時刻t2にエンジン12の燃料噴射を停止すると共にリニアソレノイドSLC1の閉じ込め制御を行なう。このため、エンジン12の停止による機械式オイルポンプ44の停止に伴ってライン圧PLは低下するが、クラッチC1の油室58内の作動油がリニアソレノイドバルブSLC1により閉じ込められるため、油室58内の油圧はゆっくりとしか低下しない。そして、時刻t3ライン圧PLが設定圧を下回ると、C1リレーバルブ70はクラッチC1の油室58との連通をリニアソレノイドSLC1の出力ポート82bから電磁ポンプ60の吐出ポート62bへ切り替えるため、電磁ポンプ60の吐出圧がクラッチC1の油室58に供給される。これにより、エンジン12を停止させた直後から、クラッチC1の油室58内の油圧がストロークエンド圧よりも大きく低下することがない。したがって、エンジン12を停止してから如何なるタイミングで次のエンジン12の自動始動条件が成立するものとしても、エンジン12が自動始動した直後にクラッチC1を迅速に係合させることができる。一方、比較例では、リニアソレノイドSLC1の開弁によりライン圧用油路51とクラッチC1の油室58とが連通しており、油室58内の油圧は、ライン圧PLがC1リレーバルブ70の設定圧を下回るまでライン圧PLの低下に伴って低下するため、ストロークエンド圧よりも大きく低下する。電磁ポンプ60は機械式オイルポンプ42に比して吐出性能が低く、クラッチC1の油室58の油圧の立ち上がりに長時間を要するため、この間にエンジン12が始動されると、クラッチC1の係合に遅れが生じる。
【0028】
以上説明した実施例の自動変速機20の流体圧制御装置によれば、ライン圧PLを入力ポート82aから入力し調圧して出力ポート82bからクラッチC1の油室58に出力可能でクラッチC1の油室58に作動油を閉じ込め可能なリニアソレノイドSLC1と、電磁ポンプ60と、ライン圧PLが設定圧以上のときにリニアソレノイドSLC1の出力ポート82bとクラッチC1の油室58とを連通すると共に電磁ポンプ60の吐出ポート62bとクラッチC1の油室58との連通を遮断しライン圧PLが設定圧未満のときにリニアソレノイドSLC1の出力ポート82bとクラッチC1の油室58との連通を遮断すると共に電磁ポンプ60の吐出ポート62bとクラッチC1の油室58とを連通するC1リレーバルブ70とを設け、自動停止条件が成立してエンジン12が停止する際にリニアソレノイドSLC1の閉じ込め制御を実行するから、C1リレーバルブ70がクラッチC1の油室58との連通をリニアソレノイドSLC1の出力ポート82bから電磁ポンプ60の吐出ポート62bへ切り替えるまでの間にクラッチC1の油室58内の油圧がストロークエンド圧よりも大きく低下するのを抑制することができる。この結果、エンジン12を停止してから如何なるタイミングで次のエンジン12の自動始動条件が成立するものとしても、エンジン12が自動始動した直後にクラッチC1を迅速に係合させることができる。
【0029】
実施例では、リニアソレノイドSLC1の出力ポート82bに接続された出力ポート用油路53とクラッチC1の油室58に接続されたクラッチ用油路56とをC1リレーバルブ70を介して接続するものとしたが、出力ポート用油路53とクラッチ用油路56とを直接に接続するものとしてもよい。
【0030】
実施例では、C1リレーバルブ70の信号圧用ポート72aに入力する信号圧としてライン圧PLを用いるものとしたが、ライン圧PLに基づいて生成される信号圧であれば、これに限定されるものではなく、例えば、モジュレータ圧PMODを信号圧として用いるものとしてもよい。
【0031】
実施例では、変速機構30として前進1速〜6速の6段変速の変速機構を用いるものとしたが、これに限定されるものではなく、4段変速や5段変速,8段変速などの変速機構を用いるものとしてもよい。
【0032】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン12が「原動機」に相当し、クラッチC1〜C3やブレーキB1,B2が「摩擦係合要素」に相当し、クラッチC1が「発進用の摩擦係合要素」に相当し、機械式オイルポンプ44が「第1のポンプ」に相当し、レギュレータバルブ46およびリニアソレノイドバルブSLTが「第1の調圧器」に相当し、電磁ポンプ60が「第2のポンプ」に相当し、C1リレーバルブ70が「切替器」に相当し、リニアソレノイドバルブSLC1が「第2の調圧器」に相当し、図6の自動停止制御ルーチンを実行するATECU16が「制御部」に相当する。また、リニアソレノイドSLC1の図5(b)の状態が第2の調圧器の「第1の状態」に相当し、リニアソレノイドSLC1の図5(c)の状態が第2の調圧器の「第2の状態」に相当し、リニアソレノイドSLC1の図5(d)の状態が第2の調圧器の「第3の状態」に相当する。ここで、「原動機」としては、内燃機関としてのエンジン12に限定されるものではなく、電動機など、如何なるタイプの原動機であっても構わない。「第2のポンプ」としては、電磁ポンプ60に限られず、電動機からの動力により作動する電動ポンプなど、電力の供給を受けて作動するものであれば、如何なるタイプのポンプであっても構わない。「第2の調圧器」としては、ノーマルオープン型のリニアソレノイドバルブSLC1に限定されるものではなく、ノーマルクローズ型のリニアソレノイドバルブとするなど、第1の調圧器により調圧された流体圧を調圧して流体圧室に供給可能で流体圧室内に作動流体の閉じ込めが可能なものであれば如何なるものとしても構わない。また、「第2の調圧器」としては、リニアソレノイドバルブSLC1を、ライン圧PLから最適なクラッチ圧を生成してクラッチをダイレクトに制御するダイレクト制御用のリニアソレノイドバルブとして構成するものとしたが、リニアソレノイドバルブをパイロット制御用のリニアソレノイドとして用いて別途コントロールバルブを駆動することによりこのコントロールバルブによりクラッチ圧を生成してクラッチを制御するものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0033】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、自動車産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 自動車、12 エンジン、14 クランクシャフト、15 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、16 自動変速機用電子制御ユニット(ATECU)、18a,18b 車軸、19a,19b 車輪、20 自動変速機、21 入力軸、22 出力軸、24 トルクコンバータ、24a ポンプインペラ、24b タービンランナ、26 ギヤ機構、28 デファレンシャルギヤ、30 変速機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、36a,36b サンギヤ、37 リングギヤ、38a ショートピニオンギヤ、38b ロングピニオンギヤ、39 キャリア、40 油圧回路、42 ストレーナ、44 機械式オイルポンプ、46 レギュレータバルブ、48 マニュアルバルブ、48a 入力ポート、48b Dポジション用出力ポート、48c Rポジション用出力ポート、51 ライン圧用油路、52 ドライブ圧用油路、53 出力ポート用油路、54 吸入ポート用油路、55 吐出ポート用油路、56 クラッチ用油路、58 油室、60 電磁ポンプ、61 ソレノイド部、62a 吸入ポート、62b 吐出ポート、64 吸入用逆止弁、66 ピストン、68 吐出用逆止弁、70 C1リレーバルブ、72 スリーブ、72a 信号圧用ポート、72b 入力ポート、72c 入力ポート、72d 出力ポート、74 スプール、76 スプリング、81 ソレノイド部、82 スリーブ、82a 入力ポート、82b 出力ポート、82c ドレンポート、84 スプール、86 スプリング、90 メイン電子制御ユニット(メインECU)、92 シフトポジションセンサ、94 アクセルペダルポジションセンサ、96 ブレーキスイッチ、98 車速センサ、SLT,SLC1 リニアソレノイドバルブ、C1〜C3 クラッチ、B1,B2 ブレーキ、F1 ワンウェイクラッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠運転が可能な原動機を備える車両に搭載され、流体圧により作動する摩擦係合要素を介して前記原動機からの動力を変速して車軸側に伝達する自動変速機の流体圧制御装置であって、
前記原動機からの動力により作動する第1のポンプと、
前記第1のポンプからの吐出圧を調圧する第1の調圧器と、
電力の供給を受けて作動する第2のポンプと、
前記第1の調圧器により調圧された流体圧に基づいて生成される信号圧により作動し、前記信号圧が設定圧以上のときに前記第2のポンプから発進用の摩擦係合要素の流体圧室に至る第1の経路を遮断し、前記信号圧が前記設定圧未満のときに前記第1の経路を開放する切替器と、
前記第1の調圧器により調圧された流体圧を調圧して前記流体圧室に供給可能で、該流体圧室内に作動流体の閉じ込めが可能な第2の調圧器と、
運転している前記原動機が停止したときには、前記流体圧室内に作動流体が閉じ込められると共に前記切替器が前記第1の経路を遮断した状態から該第1の経路を開放した状態に切り替わったときに前記第2のポンプからの吐出圧が該流体圧室へ供給されるよう前記第2の調圧器と該第2のポンプとを制御する制御部と
を備える自動変速機の流体圧制御装置。
【請求項2】
前記第2の調圧器は、前記第1の調圧器により調圧された流体圧を入力する入力ポートと、前記流体圧室に流路を介して接続された出力ポートと、ドレンポートとを有し、前記入力ポートと前記出力ポートとを連通すると共に該出力ポートと前記ドレンポートとを連通する第1の状態と、前記入力ポートと前記出力ポートとの連通を遮断すると共に該出力ポートと前記ドレンポートとを連通する第2の状態と、前記入力ポートと前記出力ポートとの連通を遮断すると共に該出力ポートと前記ドレンポートとの連通を遮断する第3の状態と、を切り替え可能な調圧弁であり、
前記制御部は、前記流体圧室内に作動流体が閉じ込められるよう前記調圧弁を前記第3の状態に設定する
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の流体圧制御装置。
【請求項3】
前記切替器は、さらに、前記信号圧が設定圧以上のときに前記第2の調圧器から発進用の摩擦係合要素の流体圧室に至る第2の経路を開放し、前記信号圧が設定圧未満のときに前記第2の経路を遮断するよう形成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の流体圧制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の自動変速機の流体圧制御装置であって、
前記第2のポンプは、電磁力のオンオフによりピストンを往復動させることにより流体圧を吐出する電磁ポンプである
自動変速機の流体圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−197899(P2012−197899A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63274(P2011−63274)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】