自動検査室システムで使用するためのプログラム制御可能なランダム・アクセス・サンプル操作装置
高優先順位のサンプルを、たとえ別のサンプルが先にコンベヤから取り出されていて分析予定の列に存在しても、主コンベアから取り出し、そのサンプルを直接分析装置のサンプル採取位置に搬送する方法及び装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ又はそれ以上の独立した処理ステーションを備え、検査するサンプルをコンベヤでそこに供給する、自動臨床サンプル処理及び搬送システムに関する。より具体的には、本発明は、サンプルを、優先順位の付いた独立した順番で、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルから遅れることなく、コンベヤから処理ステーションへの提示を可能にするサンプル操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床診断分析装置は、尿、血清、血漿、脳脊髄液などの生体由来液体サンプルであって、殆ど例外なく開口された又はキャップをしたサンプルチューブに入れられた液体サンプルの化学アッセイ及びイムノアッセイの遂行を完全自動化するために、ますます高度なレベルの複雑性および精巧性を持たせて開発されつつある。一般に、患者の生体サンプル中の被検物質とアッセイに使用される試薬の間の化学反応は、分析装置によって測定可能な種々の信号を発生する。これらの信号から、サンプル中の被検物質の濃度を算出することができる。
【0003】
多種多様な自動化学分析装置は当業界で公知であり、そしてそれらは、分析のメニュー及び処理量を増大させ、所要時間を短縮し、必要なサンプル量を減らすために、絶えず改善されている。例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照されたい。そのような改善は、それら自体必要であるが、分析前のサンプル調製及び仕分け、バッチ調製、サンプル構成成分を分離するためのサンプル管の遠心、流体へのアクセスを容易にするキャップの除去などの取り扱い操作の自動化において十分な相応の前進が為されなければ、妨げられる可能性がある。
【0004】
自動臨床サンプル処理及び搬送システムは、一般に臨床検体を処理ステーションに搬送するための、例えば、特許文献4及び5に記載される様なコンベヤシステムを含む。そのようなシステムの典型的なものでは、サンプルは、主コンベアによって分析装置に搬送され、そしてサンプルは、置かれた順番に、隣接する分析装置のサンプル採取領域に搬送させる分析装置固有の緩衝レーン上を折り返し移動させられる。そのようなシステムの問題は、到着サンプルが、既に主コンベア上又は処理ステーション固有の緩衝レーンにあるサンプルよりも高い検査優先度を有する場合に生じる。一つの解決策は、高い優先度のサンプルがさらに遅延することなく処理されるために、高い優先度のサンプルの前にある全てのサンプルを強制的に標的の処理ステーションを迂回させるように、及び/又は、既に特定の緩衝レーンにあるサンプルを主コンベヤ上に戻すように、コンベヤをコントロールすることである。これら両者の解決策は、サンプルを主コンベアの周囲を非効率的に何度も通過させた場合、サンプル操作処理及び搬送システムの全体の処理量が低減するので望ましくない。
【0005】
特許文献6には、分析装置固有のサンプル採取レーンに一部分を提供しているラックからラック保管域まで、サンプルラックを搬送するための主要搬送ラインに沿って配置された、血清、血漿及び尿用の複数の分析ユニットを有する自動分析装置が記載されている。それぞれの新規追加のサンプルは、先に主要搬送ラインに加えられたサンプル及び/又は分析装置固有のサンプル採取レーン内のサンプルの後になる。高い優先度のサンプルの場合には、サンプルは作業の優先順位が割り当てられている分析ユニットに直接に送られるが、しかし、どのようにして主要搬送ライン上のあるサンプルが別のサンプルを迂回できるのかは明確でない。
【0006】
特許文献7は、サンプルラックを搬送するための搬送ライン、搬送ラインを搭載するためのラック搭載装置、搬送ラインによって運ばれたサンプルラックを保管するためのラック保管装置、サンプルラックに保持されているサンプルを処理するための複数の処理ユニットを備えたサンプル操作システムが記載されている。搬送ラインは、分割ラインユニットと処理ユニットの複数の対を含む。高い優先度のサンプルの場合には、そのようなサンプルは、オペレーターが緊急サンプル装着位置にセットし、通常サンプル装着領域の通常サンプルラックを飛び越える優先度を与える。この場合もやはり、高い優先度のサンプルには、既に搬送ライン上にあるサンプル及び分析装置内のサンプル処理領域で緩衝されたサンプルラックを飛び越える優先度は与えられない。
【0007】
特許文献8は、開放容器内で前処理したサンプルを、独立した単独型の分析装置と連動させたロボット装置に自動的に提示する。高い優先度のサンプルに対する特別な対策は行われない。
【0008】
特許文献9は、ラック供給ユニット及びラック供給ユニットから供給されるサンプルラックを、分析ユニット中のサンプル採取位置に搬送するための搬送ラインを有する自動分析装置を開示している。緊急(高い優先度の)サンプル投入ユニットが備えられていて、高い優先度のサンプルラックは、ラック供給ユニットの通常のサンプルラックよりも優先性が得られる搬送ラインの入り口に置くことができる。しかし、高い優先度のサンプルラックには、既に搬送ライン上にあるサンプル及び分析装置内のサンプル処理領域で緩衝されたサンプルラックを飛び越える優先性は与えられない。
【0009】
これらの先行技術のシステムは、サンプル操作及び処理の技術を進展させているけれども、対処されていないのは、サンプルが、同じ処理ステーションで処理される予定スケジュールの他のサンプルから遅延することなく、優先的に独立した順番で、コンベヤから処理ステーションに提示されることを可能にするという課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,103,193号
【特許文献2】米国特許第6,027,691号
【特許文献3】米国特許第5,482,861号
【特許文献4】米国特許第6,060,022号
【特許文献5】米国特許第5,972,295号
【特許文献6】米国特許第7,011,792号
【特許文献7】米国特許第6,290,907号
【特許文献8】米国特許第6,060,022号
【特許文献9】米国特許第5,972,295号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、たとえ別のサンプルが先にコンベヤから取り出されていても、優先度の高いサンプルを主コンベアから取り出し、そのサンプルを直接分析装置のサンプル採取場所に搬送させる方法及び装置を提供する。コンベヤから取り出されたすべてのサンプルは、サンプル保存バッファに搬送され、そして保存バッファは最も優先度の高いサンプルを分析装置のサンプル採取場所に提示するようにコントロールされる。或いは、サンプルがコンベアから取り出された順番で分析装置のサンプル採取位置に提示されるように、保存バッファをコントロールすることができる。別の実施態様では、サンプルの分析に必要な時間に従って、又は他の任意の好ましい順番でサンプルを分析装置のサンプル採取場所に提示するように、保存バッファをコントロールすることができる。この新しい方法は、コンベヤから取り出されたサンプルに「優先的アクセス(preferred access)」を付けて分析装置のサンプル採取位置に提供することによって、臨床検査室の自動サンプル処理及び搬送システムの操作能力を改善する。
【0012】
本発明、並びに他の目的及びそのさらなる特徴のより良い理解のために、添付の図面に関連して取られた、以下のさまざまな好ましい実施態様の詳細な説明について言及する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術の自動サンプル操作システムの簡略化した模式的平面図であり、本発明を有利に使用することができる、いくつかの化学分析前処理装置及び分析装置と協力してコントロールされるコンベヤを含む。
【図2】図1のサンプル操作システムで使用されるサンプルチューブ及びサンプルチューブ運搬体の簡略化した透視図である。
【図3】図1のサンプル操作システムの図であり、本発明が対処しようとするサンプル操作の課題を説明している。
【図4】図1の従来技術の自動サンプル操作システムの図であり、本発明の典型的なサンプル操作バッファを示している。
【図5】図4のサンプル操作バッファの簡略化した透視図であり、図1の自動サンプル操作システム内で軌道上に搬送されるサンプルチューブ運搬体を捕獲している図である。
【図6】本発明のサンプル操作バッファの簡略化した透視図であり、図5で捕獲されているように示したサンプルチューブ運搬体を、本発明の運搬体カルーセル部分の方へ搬送している図である。
【図7】本発明のサンプル操作バッファの簡略化した透視図であり、図6のサンプルチューブ運搬体を本発明の運搬体カルーセル部分上に搬送している図である。
【図8】本発明の運搬体カルーセル部分の簡略化した透視図であり、図5で捕獲されたサンプルチューブ運搬体を、図1の分析装置のサンプル採取部分の方へ搬送している図である。
【図9】本発明の運搬体カルーセル部分の簡略化した透視図であり、図5で捕獲されたサンプルチューブ運搬体が、図1の分析装置のサンプル採取部分又は近接した位置に置かれた図である。
【図10】本発明において有利に使用される、「捕獲」位置における一対の移動可能な搬送つめの簡略化した透視図である。
【図10A】本発明において有利に使用される、「サンプル採取」位置における図10の搬送つめの簡略化した透視図である。
【図11】本発明において有利に使用される、最初の位置における運搬体シャトルの簡略化した透視図である。
【図12A】図10の運搬体シャトル部分の簡略化した断面図であり、運搬体シャトル捕獲作業状態を示す図である。
【図12B】図10の運搬体シャトル部分の簡略化した断面図であり、運搬体シャトル取出作業状態を示す図である。
【図13A】図10の運搬体シャトル部分の簡略化した断面図であり、運搬体シャトルを元に戻す作業状態を示す図である。
【図13B】図10の運搬体シャトル部分の簡略化した断面図であり、運搬体シャトルを解放する作業状態を示す図である。
【図14A】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14B】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14C】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14D】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14E】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14F】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14G】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図15A】図10の運搬体シャトル部分を示しており、図1の自動サンプル操作システム上でのサンプルチューブ運搬体の取出し及び戻しを示す。
【図15B】図10の運搬体シャトル部分を示しており、図1の自動サンプル操作システム上でのサンプルチューブ運搬体の取出し及び戻しを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に言及するに、図示されているのは、複数のサンプル容器(12)、典型的には分析しようとする患者サンプルを収容し、キャップされても又は脱キャップされていてもよい、システム(10)に提示される複数サンプルラック(14)内の検査チューブ(12)を、自動的に前処理し及び必要に応じて操作することができる自動臨床化学サンプル操作システム(10)である。それぞれのサンプル容器(12)には、患者識別を表示したバーコードのような容器識別標識、並びに、場合により、その中のサンプルに対して遂行されるべきその他の手順が与えられる。サンプルラック(14)は、付加的な識別標識を有してもよい。
【0015】
サンプル操作システム(10)は、操作基部を含み、その上で、第1の、例えば、ベルト様の又はローラ若しくは連接ロッドの移動コンベア軌道(16)が、図2に見られるようなサンプルチューブ運搬体(18)で運ばれる多くの個々のサンプルチューブ(12)を、矢印(16A)で示される第1の方向で、サンプルチューブ搬入/搬出ステーション(17)から自動遠心分離機(20)に、キャップされたサンプルチューブ(12)からキャップを自動的に取り除くための自動チューブ脱キャップ装置(22)に、そして少なくとも1つの従来の臨床分析装置(24)、(26)、(28)及び(30)に、第2のベルト様コンベヤ軌道(32)が、それぞれのサンプルチューブ(12)を、(16A)の方向と反対の第2の方向(32A)でロボット式サンプルチューブ搬入/搬出ステーション(17)に戻す前に、搬送する。サンプルチューブ運搬体搬送及び緩衝ステーション(34)及び(36)は、サンプルチューブ運搬体(18)を軌道(16)及び(32)の間を転送するために、並びにサンプルチューブ運搬体(18)を一時的な緩衝在庫に保留するために備えられる。サンプルチューブ運搬体(18)は、起こり得る再検査又は追加検査を含めた多くの理由で、優先度の高いサンプルの検査を容易にする、分析待ちの分析装置未処理サンプルなどを減らすために一時的在庫で緩衝される。4個以上の分析装置(24)、(26)、(28)及び(30)が互いにリンクされ、コンベヤ軌道(16)及び(32)によってアクセス可能であることは当然のことと理解されるであろう。サンプル操作システム(10)は、各サンプルチューブ運搬体(18)の上又は中に付けた標識を識別することによってサンプルチューブ(12)の位置を検知するための多数のセンサ(38)を有する。従来のバーコード読み取り機又は高周波位置決め装置が、その様な追跡操作に使用されてもよい。
【0016】
遠心分離機(20)及び各分析装置(24)、(26)、(28)及び(30)は一般的に、コンベヤ軌道(16)及び(32)からサンプルチューブ運搬体(18)の除去のための、サンプルチューブ運搬体(18)の、コンベヤ軌道(16)及び(32)から及びへの、遠心分離機(20)から及びへの、分析装置(24)、(26)、(28)及び(30)への及びからの、又は中へ及び外への移動のための、適切なロボット機構(40)及び(42)、又は分析装置軌道(44)を装備する。典型的には、搬入/搬出ステーション(17)も同様に、ラック(14)からサンプルチューブ(12)を取り除くため及びチューブ(12)をチューブ運搬体(18)に置くためにクランプ機構を従来通り備えたX−Y−Zロボットアーム(46)を含む。サンプルチューブ(12)内のサンプルについて行われるすべての検査が完了した後、X−Y−Zロボットアーム(46)はサンプルチューブ(12)をチューブ運搬体(18)から取り出し、そしてシステム(10)から除去するためにラック(14)内のチューブ(12)を戻す。
【0017】
サンプル操作システム(10)は、サンプルチューブ運搬体(18)を、様々な種類の処理が発生するそれぞれの操作装置(20)、(24)、(26)、(28)及び(30)に移動させるために、従来のコンピュータ、好ましくはシステム(10)の一部として、又はそれとは別個に収容されたマイクロプロセッサを用いた中央演算処理装置CPUによってコントロールされる。CPUは、ソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアの指令、又はDade Behring Inc. of Deerfield, IL. から販売されているDimension(登録商標)臨床化学分析装置に使われており、コンピュータを使った電気機械コントロールプログラミングの当業者に一般的な回路によって、サンプル操作システム(10)をコントロールする。
【0018】
図1は、サンプルチューブ(12)をコンベヤ軌道(16)及び(32)から取り出し、そして戻すためのロボット機構(40)及び(42)の2つの異なる配置、特に離れたロボット機構(40)及び(42)はそれぞれサンプルチューブ(12)を遠心分離機(20)内に、そして次にそこから移動するように示されているが、しかし一方、サンプルチューブ運搬体(18)を軌道(32)から分析装置(28)内に及びそこから軌道(32)移動させるために、単一のロボット機構(44)しか使われないことを図示している。同様に、分析装置(24)は、軌道(16)から分析装置(24)の中に、そしてそこから外にサンプルチューブ運搬体(18)を並行して運行させる1対の分析装置軌道(41)を有するように示されている。或いは、分析装置(26)は、1対の第1及び第2分析装置軌道(44F)及び(44S)を有し、分析装置(26)の中に、そしてそこから外に、及び軌道(16)からそして軌道(32)にサンプルチューブ運搬体(18)をそれぞれ搬送するように操作されることが示されている。さらに、分析装置(30)は、軌道(32)から分析装置(30)の中に、そしてそこから外にサンプルチューブ運搬体(18)を搬送するために操作可能な単一分析装置軌道(45)を有する様に示されている。最後に、分析装置(28)は、軌道(32)から分析装置(28)の中に、そしてそこからサンプルチューブ運搬体(18)を搬送するために操作可能なロボット装置(39)を有するように示されている。これらの構成のすべては、従来技術のシステムで知られており、その全ては、多くのサンプルチューブ運搬体(18)を軌道(16)又は(32)から取り出し、そしてサンプルチューブ運搬体(18)を「ランダム」の順番で、そのランダムの順番がそこでサンプルチューブ運搬体(18)が軌道(16)又は(32)から取り出されるのが逐次的な順番ではない順番で、分析装置に提示する能力を欠いている。多数のサンプルチューブ運搬体(18)を簡単にそして容易に緩衝し、そして次にサンプルチューブ運搬体(18)を望ましい順番で分析装置に提示する能力は、システム(10)のような自動サンプル操作システム内で検査するサンプルに対して優先度を割り当てる従来の方法においては、明らかに望ましい改善である。
【0019】
図2は、サンプルチューブ容器(12)を搬送するための典型的なサンプルチューブ運搬体(18)の立面図であり、運搬体(18)が、運搬体本体(48)の上面に従属する中央の円筒孔、一段高い中心部(19)及び運搬体本体(48)の上方に伸びている少なくとも2本の垂直に向いたアーム(50)を有する略円筒形の低い運搬体本体(48)を含む立面図であり、アーム(50)は略垂直で同心配置でチューブ(12)を拘束するように適合される。
【0020】
図3は、従来技術において、それにより特殊なサンプルチューブ(12S)が、例えば、優先度の高さ又は緊急性に基づいて、臨床分析装置(26)で分析されるように対処される典型的な例を示す。従来技術のシステムでは、たとえサンプルチューブ(12S)が、優先度の高いラック又は搬入レーン内で搬入/搬出ステーション(17)によってコンベヤ軌道(16)に置かれ、直接分析装置(26)に搬送されたとしても、サンプルチューブ運搬体(18S)が分析装置(26)に到着した際には、多数のサンプルチューブ運搬体(18)に入った「通常」サンプルチューブ(12R)は、分析装置(26)に付随したサンプル採取部分又は位置(26SP)でサンプル採取を待機するように第1分析装置軌道(44F)で緩衝すべきことが見出され得る。この場合、特殊なサンプルチューブ(12S)を処理するための1つの選択肢は、全ての「通常」サンプルチューブ運搬体(18R)を第2の分析装置軌道(44S)及び軌道(32)に送り込むように軌道(44F)をコントロールし、その結果サンプル採取部分(26SP)への接近が達成できるようにすることであるが;しかし、この選択肢が用いられた場合、放出されたすべての「通常」サンプルチューブ運搬体(18R)は、分析される前に軌道(32)及び(16)上を分析装置(26)に遡らなければならず、全体的に不利になる。別の選択肢は、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を軌道(32)上又はバッファ(44F)内に、「通常」サンプルチューブ(12R)がサンプル採取部分(26SP)で処理されるまで留まらせ、そして次に特殊なサンプルチューブ(12S)を通常の時間経過で処理するものであり、その選択肢は特殊なサンプルチューブ(12S)がサンプル採取され処理される前の時間を不利に増加させる。これら選択肢の解決のどちらも、性能及び/又は処理量の理由で望ましくない。上記の従来技術のシステムで経験する性能及び/又は処理量の問題が、分析装置(26)のような特定の分析装置に限定されないことは当然のことと理解すべきである。同様の問題は、また、サンプル調製が必要な場合の遠心分離器(20)に、及び/又はサンプルチューブ運搬体(18S)を分析装置(24)内に及びそこから並行に搬送するために操作する軌道(41)を有する分析装置(24)にも存在する。同様に、問題は、分析装置(30)内に及びそこからサンプルチューブ運搬体(18S)を搬送するための単一分析装置軌道(45)を有する分析装置(30)にも、そしてサンプルチューブ運搬体(18S)を軌道(16)内に及びそこから、並びに軌道(32)上に搬送するロボット装置(39)を有する分析装置(28)にも存在する。
【0021】
図4に見られるように、本発明は、単一のサンプルチューブ運搬体(18)、例えば、特定のサンプルチューブ運搬体(18S)が、コンベヤ(32)から処理ステーション、この例では分析装置(26)に、ランダムで、独立した、「順番を狂わせた」順序で、既に同じ分析装置(26)による処理が予定されている他の定常的なサンプルチューブ運搬体(18R)からの遅延ない提示を可能にするサンプル操作バッファ(52)を提供する。処理ステーションは、分析前サンプル処理装置、例えば遠心分離機(24)と同様に良好であってよいと認識すべきである。サンプル操作バッファ(52)は、サンプルチューブ運搬体(18)を、例えば、サンプルチューブ運搬体(18)が軌道(16)又は(32)から取出される順番から独立した順番で、軌道(16)又は(32)の何れかから取り出しそしてサンプルチューブ運搬体(18)を分析装置(26)に付随したサンプル採取部分又は位置(26SP)に提示するように操作される。サンプル操作バッファ(52)は、それによって、高い優先度又は緊急性に基づいて、臨床分析装置(26)で分析しようとする特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)が、先に軌道(32)から取り出されてサンプル採取位置(26SP)でサンプル採取を待機している多くの「通常の」サンプルチューブ運搬体(18R)を迂回することができる方法を提供する。以下に説明するように、本発明は、このようにして上記の従来技術のシステムで経験する性能及び/又は処理量の不利を克服する。
【0022】
図5は、サンプル運搬体保持器(54)(実施態様に示されたカルーセルの形態)がサンプル運搬体(18)をサンプル採取位置(26SP)の最も近くに置くのに適するように概略的に示された作動装置(43)を含むサンプル操作バッファ(52)を図示する。サンプル運搬体保持器カルーセル(54)は、その中に形成された多数の運搬体保持区域(56)を有する。運搬体保持区域(56)は、サンプルチューブ(12)を保持するサンプルチューブ運搬体(18)を受容するサイズを有する。サンプルチューブ運搬体(18)を「ランダム」の順序で分析装置に提示させるために、カルーセル(54)の重要な特性は、サンプルチューブ運搬体(18)が運搬体保持区域(56)内に置かれている逐次的な順番以外の順番で、運搬体保持区域(56)をサンプル採取位置(26SP)の最も近くに整列させる能力である。カルーセル(54)が略円形の例では、これは、カルーセル(54)を二方向に回転するように作動装置(43)を適合させることによって行うことができる。カルーセル(54)がこれと異なる構造、例えば、連続した軌道状の構造を有する場合には、同様に作動装置(43)を軌道状のカルーセルを二方向に駆動するように適合させることになる。カルーセル(54)並びに軌道(16)及び(32)上に配置された運搬体シャトル(58)は、その遠位末端に、運搬体エスケープメント装置(61)を備えたシャトル作動装置(60)を含み、エスケープメント装置(61)は、一対の運搬体シャトル・ロッド(62)及び軌道(16)又は(32)上のサンプル運搬体(18)をその中に捕獲するのに適切なサイズに運搬体捕獲区域(67)を規定するために置かれた運搬体押し板(65)を含む。開口部(63)は、運搬体シャトル(58)が、図5、6及び7の運転状態の進行に見られるように、シャトル作動装置(60)を完全に又は部分的に伸長した状態から閉じた状態に動かすことによって、サンプルチューブ運搬体(18)を軌道(16)又は(32)の何れかから運搬体保持区域(56)内に可動的にスライド出来るように、軌道(16)及び(32)に並行して、それらを分離している軌道レール(64)に形成される。
【0023】
図5は、サンプル運搬体取出工程の第1段階であって、軌道(16)上の特殊なサンプル運搬体(18S)が、レール(57)の開口部(63)に最も近い位置で、運搬体エスケープメント装置(61)によって捕獲又は拘束される工程を具体的に図示する。図6は、サンプル運搬体取出工程のさらに進んだ段階であって、シャトル作動装置(60)が部分的に引っ込み、サンプル運搬体(18S)を軌道(16)から開口部(63)を通って軌道(32)上にスライド移動させる工程を具体的に図示する。次に図7は、サンプル運搬体取出工程のよりさらに進んだ段階であって、シャトル作動装置(60)がより完全に引っ込み、サンプル運搬体(18S)を、軌道(32)から開口部(59)を通って回転可能な運搬体カルーセル(54)の運搬体保持区域(56)上にスライド移動させる段階を具体的に説明する。最後に、図8は、サンプル運搬体取出工程のよりさらに進んだ段階であって、シャトル作動装置(60)がサンプル運搬体(18S)を回転可能な運搬体カルーセル(54)の運搬体保持区域(56)内に解放し、それは次にサンプル採取位置(26SP)に向けて「反時計回り」で回転する段階を具体的に図示する(簡潔にするため、「通常の」サンプルチューブ運搬体(18R)は示されていない)。図12と併せて説明して、運搬体エスケープメント装置(61)は、必要に応じて選択された又は特殊なサンプル運搬体(18S)を軌道(16)又は(32)のいずれかから及びそこに、並びに回転可能な運搬体カルーセル(54)内の運搬体保持区域(56)の数の1つに及びそれから搬送を可能にするために、捕獲、保持及び解放することができる。
【0024】
サンプル運搬体保持器カルーセル(54)は、図9に示す分析装置(26)のサンプル採取部分(26SP)の最も近くに位置し、有利に円形プレートに成形され、そして好適な従来の回転運動源を使用して回転できる。従って、カルーセル(54)上のどの運搬体保持区域(56)もサンプル採取部分(26SP)と並ぶように回転させることができ、そして整列した配向で、特殊なサンプルチューブ(12S)を保持しているサンプルチューブ運搬体(18S)は、次に、例えば、以下に記載される搬送つめ(69)(図10)によって、整列した運搬体保持区域(56)からサンプル採取部分(26SP)のサンプル採取位置に搬送される。或いは、サンプルチューブ(12S)が整列した運搬体保持区域(56)からサンプル採取部分(26SP)に搬送される必要がないようにするため、分析装置(26)は、カルーセル(54)上の運搬体保持区域(56)からチューブ(12S)を取り出さないで、チューブ(12S)から液体を吸引することができる可動サンプル採取針を装備してもよい。ロボット補助の可動サンプル採取針であるが、そのようなシステムの一例である。
【0025】
カルーセル(54)が、多数のサンプルチューブ運搬体(18)を支持することができ、いかなるサンプルチューブ運搬体(18)も分析装置(26)のサンプル採取部分(26SP)に迅速に運ぶためにどちらの方向にもランダムに回転することができる結果として、本発明のサンプル処理バッファ(52)は、サンプルチューブ(12)を分析装置(26)のような分析装置によって検査することを可能にする優先度をコントロールするための装置及び方法を提供する。明らかに、カルーセル(54)は、本発明の範囲を逸脱することなく、図3に例示された何れかのサンプル処理装置又はその同等品と併せて設置されてもよい。これは、従来技術システムの多くの欠点を克服する本発明の重要な特色であり、そこでは、サンプルが軌道(16)又は(32)から取り除かれた順番で検査される、或いは、優先度の低いサンプルが検査場所から取り除かれて優先度の高いサンプルがより迅速に分析される。
【0026】
好適な量のサンプルを、サンプルチューブ運搬体(18)内のサンプルチューブ(12)から抜き取った後、サンプルチューブ運搬体(18)を軌道レール(64)の開口部(59)に再整列させるために、カルーセル(54)を回転してもよい。サンプルチューブ運搬体(18)を軌道(16)又は(32)に戻すために、運搬体シャトル(58)を作動して、シャトル作動装置(60)を伸長しそれによって運搬体押し板(65)及びサンプルチューブ運搬体(18)が、開口部(59)及び(63)を通るように促してもよい。カルーセル(54)が、サンプルチューブ(12)を検査に利用可能にする優先度のコントロールを操作可能であるのと同じ方式で、カルーセル(54)は、また、異なる分析装置による検査のために、サンプルチューブ(12)が軌道(16)又は(32)上に戻されるように優先度をコントロールすることができる。所定のサンプルチューブ(12)について、サンプル操作システム(10)内の何れの分析装置によっても行おうとする追加検査が予定されていない場合、追加検査が必要に応じてサンプル処理システム(10)に接続していない分析装置によって行なうべき事象におけるシステム(10)の「オンボード」時間を最短にするために運搬体(18)を軌道(32)上に置くことができる。
【0027】
図10に見られるような典型的な実施態様では、サンプル運搬体(18)を保持するための間隔を空けた一対の搬送つめ(69)は、運搬体保持区域(56)の底面に形成された開いた運搬体保持区域の溝(70)内を、従来の直線的な運動源(71)を使用して直線的に並進可能である。つめ(69)は、1つのつめ(69)が運搬体保持区域(56)から運搬体(18)を促すことができ、もう1つつめ(69)がサンプル採取位置(26SP)から運搬体(18)を促すことができるように、運搬体の対立する側に係合する。つめ(69)は、従って、図10Aに見られるように、説明のためにサンプル採取位置(26SP)が除かれているが、サンプルチューブ運搬体(18)と係合し、そしてそれを運搬体保持区域(56)とサンプル採取部分(26SP)の間スライドできるようにする。図9では、サンプル採取部分(26SP)は、市販の多くの典型的分析装置のような分析装置(26)の要素として図示されている。しかし、上述のように、分析装置(28)のような分析装置は、ロボット式サンプル採取針を装備してもよく、カルーセル(54)からサンプルチューブ運搬体(18)を取り出さないで、サンプルチューブ運搬体(18)中のサンプルチューブ(12)から直接サンプル液体を吸引するように操作することができ、その結果つめ(69)及び直線運動源(71)は必要なくなる。
【0028】
エスケープメント装置(61)は、そして軌道(16)又は(32)で搬送されている単一のサンプル運搬体(18)を捕獲するために間隔をおいて適切に配向された、一対の可動ロッド(62)を含む。当業者に公知のように、サンプル運搬体(18)の設計寸法は、エスケープメント装置(61)の設計寸法に影響する。図11は、駆動装置(68)が、例えば、軌道(16)上のサンプルチューブ運搬体(18)を拘束及び解放するために、矢印(68A)で示した様式で運搬体シャトル・ロッドを二方向に回転させる動作が可能な、簡単だが効果的な構造を示す。多くの異なる拘束作用を使用することはできるが、例示的な動作は、サンプルチューブ運搬体(18)が矢印で示すように軌道(32)上を左から右に動くように示された図12Aで説明される。図12Aでは、駆動装置(68)は、運搬体シャトル・ロッド(62)を軌道(32)に並行な向きから時計回りに僅かに回転させ、その結果サンプルチューブ運搬体(18)の一段高い中心部(19)は左端の運搬体シャトル・ロッド(62)を「すり抜ける」が、しかし中心部(19)は右端の運搬体シャトル・ロッド(62)と接触してサンプルチューブ運搬体(18)の運行は停止する。図12Bでは、サンプル運搬体(18)を軌道(32)から開口部(59)を通って、回転する運搬体カルーセル(54)内の運搬体保持区域(56)に可動的にスライドさせるために、シャトル作動装置(60)が引っ込められている。先に論じたように、サンプルチューブ(12)からサンプルが抜き取られた後、サンプルチューブ運搬体(18)を開口部(59)に再整列させるためにカルーセル(54)を回転させることができ、そして図13Aに見られるように、サンプルチューブ運搬体(18)を元の軌道(32)に戻すためにシャトル作動装置(60)が伸ばされる。続いて、図13Bの軌道(32)で、サンプルチューブ運搬体(18)の一段高い中心部(19)が、サンプルチューブ運搬体(18)の中心部(19)と接触する右端の運搬体シャトル・ロッド(62)によってもはや拘束されなくなるように、駆動装置(68)は運搬体シャトル・ロッド(62)を僅かに反時計回りに回転させる。その結果、サンプルチューブ運搬体(18)は、右端の運搬体シャトル・ロッド(62)を「すり抜け」、矢印で示されるように、軌道(32)に沿って右方向に移動する。エスケープメント装置(61)の設計は、チューブ運搬体(18)の性質及び寸法に依存して変化する、従って、軌道(16)及び(32)に沿ってチューブ運搬体を捕獲し、取出し及び戻す又は解放するために、異なる機構が使われてもよい。
【0029】
図14Aは図4の部分であり、本発明のサンプル操作バッファ(52)は、「迅速」分析が必要な「高優先」サンプルを有する特殊なサンプルチューブ(12S)を携えた特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)が、ロボット式サンプルチューブ搬入/搬出ステーション(17)によって軌道(16)上に置かれるように、そして次にコンベヤ軌道(16)から順番を狂わせて、既に同じ分析装置(26)で処理されるように予定された他の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)から遅れることなく、分析装置(26)に提示されるように図示している。この例では、4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)は、軌道(32)上のサンプルチューブ運搬体(18S)の「前方」にあり、従来技術のシステムでは、サンプルチューブ運搬体(18S)は軌道(16)に沿って搬送し、サンプルチューブ運搬体転送及びバッファ(36)によって軌道(32)上に置かれ、そして軌道(32)上を分析装置(26)に近づく。本発明の教示内容を踏まえて、前の図に見られるように運搬体エスケープメント装置(61)が設置され操作可能であるが、しかし明瞭にするために、エスケープメント装置(61)は点線内に見られ、そして運搬体シャトル(58)の他の部分は含まれていない。
【0030】
有利な実施態様では、軌道(32)上の特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)の「前を行く」4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)は、分析装置(26)を迂回し緩衝ステーション(34)によって軌道(16)上に戻すことができ、特殊なサンプル(12S)の処理が完了した後に処理される。或いは、4個の通常サンプルチューブ運搬体(18R)は、特殊なサンプルチューブ(12S)がサンプル採取部分(26SP)に搬送される間、分析装置(26)の上流に保留されてもよい。軌道(16)上の特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)が、(図14Bに図解されるように)レール(57)の開口部(63)に最も近い位置で、運搬体エスケープメント装置(61)によって捕獲又は拘束される位置にある場合、次に、図14C及び14Dに見られるように、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)は軌道(16)から取り出され、軌道(32)を横切ってレール(64)の開口部(59)を通って搬送され、運搬体カルーセル(54)上の運搬体保持区域(56)に置かれる。運搬体カルーセル(54)は、次に図5〜8に関して説明したように、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を分析装置(26)のサンプル採取部分(26SP)にまっすぐに整列し(図14E)、そして次に運搬つめ(69)によってサンプル採取位置(26SP)の中に移動されるように操作される(図14F)。その間に、前に特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)の「前方」だった4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)は、緩衝ステーション(34)によって軌道(16)に戻されており、通常の処理のために分析装置(26)に向かう。基本的に、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を、直接的に、ロボット式サンプルチューブ搬入/搬出ステーション(17)から軌道(16)上を、及び軌道(16)から運搬体カルーセル(54)へ、並びにそこからサンプル採取位置(26SP)内へ搬送することを含む本発明のこの能力は、図1で説明したような従来技術の状態を凌ぐ著しい改善である。適切な量のサンプルが特殊なサンプルチューブ(12S)から抽出された後、図15A及び15Bは、運搬体保持区域(56)から取り出され、そして軌道(32)上に戻された特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)(破線)、及び特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)(実線)を軌道(32)上に解放するために僅かに反時計回りに回転されたエスケープメント装置(62)を説明する。
【0031】
特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)がサンプル採取位置(26SP)に滞留する間に、最初の4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)、又は軌道(16)若しくは(32)上の任意の他のサンプルチューブ運搬体(18)は、前にカルーセル(54)上の運搬体保持区域(56)及び転送時間の両者が利用可能である場合の例で説明した手法を用いて、運搬体エスケープメント装置(61)によって捕獲され、そして運搬体カルーセル(54)上の運搬体保持区域(56)に置くことができる。或いは、既に運搬体保持区域(56)にあるサンプルチューブ運搬体(18)は、記載された捕獲手順を逆にすることによって、軌道(16)又は(32)上に戻すことができる。明らかに、作動装置(43)は、運搬体保持区域(56)を、最初にサンプルチューブ運搬体(18)が運搬体保持区域(56)に置かれる順序とは別の順番で、最も近いサンプル採取位置(26SP)に整列するように適合されているため、作動装置(43)は、カルーセル(54)に、どのサンプルチューブ運搬体(18)でも、サンプルチューブ運搬体(18)が運搬体保持区域(56)に搬送された順序と同じ又は異なる任意の順序で、最も近い分析装置(26)の処理部分に置かせることができる。本発明の「ランダムの操作」の態様の故に、サンプルチューブ(12)は、軌道(16)及び(32)から連続して「ランダム・アクセス」カルーセル(54)に入って来る。一旦カルーセル(54)に入ったチューブ(12)は、チューブ(12)が軌道(16)及び(32)から到着した順番に拘束されることなく、どの順番ででもサンプル採取位置(26SP)に提示させることができる。サンプルチューブ(12)がサンプル採取位置(26SP)で処理されている間、カルーセル(54)は必要に応じて自由に移動することができ、そしてサンプルチューブ(12)をカルーセル(54)内に又はそこから移動させることができる。また、サンプルチューブ(12)は、カルーセル(54)から、それらが受け入れられた順番とは異なる順番で、そして場合によってはチューブ(12)が処理された順番とは異なる順番で移動させることも可能である。また、サンプルチューブ(12)は、材料の変化によってサンプルチューブ(12)を分析装置(26)で処理出来なくなった結果、又は材料が、代わりの分析装置でサンプルを処理する方がより有利であるようになった結果、未処理で軌道(16)又は(32)に戻すことも可能である。
【0032】
適切な量のサンプルが特種なサンプルチューブ(12S)から抽出された後、図15A及び15Bは、運搬体保持区域(56)から除かれそして軌道(32)上に戻された特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)(破線)、及び特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)(実線)を軌道(32)上に解放するために僅かに反時計回りに回転されたエスケープメントロッド(62)を図示する。
【0033】
代わりの事例では、サンプル操作バッファ(52)は、図6〜8と関連して記載されるように、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)の「前の」4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)を、分析装置(26)のサンプル採取位置(26SP)に提示しないで軌道(32)から取り出すように操作することができた。この操作の間、サンプルが既に吸引されたサンプルチューブ(12)を有するどのサンプルチューブ運搬体(18)も、カルーセル(54)及び/又はサンプル採取位置(26SP)から除去され、軌道(32)上に戻される。サンプル操作バッファ(52)は、次に特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を軌道(32)からカルーセル(54)上に搬送させるように、及び特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を分析装置(26)のサンプル採取位置(26SP)に運ぶために、カルーセル(54)が作動するように操作される。その様な例では、サンプル操作バッファ(52)は、特殊なサンプルチューブ(12S)を受容するために少なくとも1つの運搬体保持区域(56)が空の状態に維持されるように操作される。サンプル操作バッファ(52)は、それによって、優先度の高さ又は緊急性に基づいて臨床分析装置(26)で分析されるべき特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)が、行列待ちの又は特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)より前方の多数の「通常の」サンプルチューブ運搬体(18R)を迂回することができ、従来技術システムで経験する遅延なしに、サンプル採取位置でのサンプル採取のために提示されることが可能な方法を提供する。
【0034】
本発明が広範な有用性及び応用の余地があることは、当業者によって容易に当然のことと理解されるはずである。本明細書に記載された以外の多くの実施態様及び適合、並びに多くの変更、改善及び等価の配列は、本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなく、本発明及び上記のその記述から明白になり又は合理的に示唆されるであろう。例えば、サンプル運搬体保持器は、略円形で回転可能なカルーセルであるとして説明された;しかし、別の実施態様では、サンプル運搬体保持器は連続的な、そこに形成された多数の運搬体保持区域(56)有する細長い軌道、又は従来の平ベルトであり、チューブ運搬体(18)を軌道(16)及び(32)から迅速に取り出す及び戻すために交互に駆動される。また、運搬体保持区域(56)が回転可能な運搬体カルーセル(54)に形成される必要はなく、好適な代替品として、例えば、上部の平面内のうね又はピンが同等の機能を提供することができる。
【0035】
従って、本発明は、具体的な実施態様に関して本明細書に詳細に説明されているが、当然ながら、この開示は単に本発明の説明及び例示であり、単に本発明の十分で可能にする開示を提供する目的で為されているに過ぎない。上述の開示は、本発明を限定し、或いは任意のそのような他の実施態様、適応、変更、改善及び等価の配列を排除することを意図するものでも、又は解釈されるべきものでもなく、本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ又はそれ以上の独立した処理ステーションを備え、検査するサンプルをコンベヤでそこに供給する、自動臨床サンプル処理及び搬送システムに関する。より具体的には、本発明は、サンプルを、優先順位の付いた独立した順番で、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルから遅れることなく、コンベヤから処理ステーションへの提示を可能にするサンプル操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床診断分析装置は、尿、血清、血漿、脳脊髄液などの生体由来液体サンプルであって、殆ど例外なく開口された又はキャップをしたサンプルチューブに入れられた液体サンプルの化学アッセイ及びイムノアッセイの遂行を完全自動化するために、ますます高度なレベルの複雑性および精巧性を持たせて開発されつつある。一般に、患者の生体サンプル中の被検物質とアッセイに使用される試薬の間の化学反応は、分析装置によって測定可能な種々の信号を発生する。これらの信号から、サンプル中の被検物質の濃度を算出することができる。
【0003】
多種多様な自動化学分析装置は当業界で公知であり、そしてそれらは、分析のメニュー及び処理量を増大させ、所要時間を短縮し、必要なサンプル量を減らすために、絶えず改善されている。例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照されたい。そのような改善は、それら自体必要であるが、分析前のサンプル調製及び仕分け、バッチ調製、サンプル構成成分を分離するためのサンプル管の遠心、流体へのアクセスを容易にするキャップの除去などの取り扱い操作の自動化において十分な相応の前進が為されなければ、妨げられる可能性がある。
【0004】
自動臨床サンプル処理及び搬送システムは、一般に臨床検体を処理ステーションに搬送するための、例えば、特許文献4及び5に記載される様なコンベヤシステムを含む。そのようなシステムの典型的なものでは、サンプルは、主コンベアによって分析装置に搬送され、そしてサンプルは、置かれた順番に、隣接する分析装置のサンプル採取領域に搬送させる分析装置固有の緩衝レーン上を折り返し移動させられる。そのようなシステムの問題は、到着サンプルが、既に主コンベア上又は処理ステーション固有の緩衝レーンにあるサンプルよりも高い検査優先度を有する場合に生じる。一つの解決策は、高い優先度のサンプルがさらに遅延することなく処理されるために、高い優先度のサンプルの前にある全てのサンプルを強制的に標的の処理ステーションを迂回させるように、及び/又は、既に特定の緩衝レーンにあるサンプルを主コンベヤ上に戻すように、コンベヤをコントロールすることである。これら両者の解決策は、サンプルを主コンベアの周囲を非効率的に何度も通過させた場合、サンプル操作処理及び搬送システムの全体の処理量が低減するので望ましくない。
【0005】
特許文献6には、分析装置固有のサンプル採取レーンに一部分を提供しているラックからラック保管域まで、サンプルラックを搬送するための主要搬送ラインに沿って配置された、血清、血漿及び尿用の複数の分析ユニットを有する自動分析装置が記載されている。それぞれの新規追加のサンプルは、先に主要搬送ラインに加えられたサンプル及び/又は分析装置固有のサンプル採取レーン内のサンプルの後になる。高い優先度のサンプルの場合には、サンプルは作業の優先順位が割り当てられている分析ユニットに直接に送られるが、しかし、どのようにして主要搬送ライン上のあるサンプルが別のサンプルを迂回できるのかは明確でない。
【0006】
特許文献7は、サンプルラックを搬送するための搬送ライン、搬送ラインを搭載するためのラック搭載装置、搬送ラインによって運ばれたサンプルラックを保管するためのラック保管装置、サンプルラックに保持されているサンプルを処理するための複数の処理ユニットを備えたサンプル操作システムが記載されている。搬送ラインは、分割ラインユニットと処理ユニットの複数の対を含む。高い優先度のサンプルの場合には、そのようなサンプルは、オペレーターが緊急サンプル装着位置にセットし、通常サンプル装着領域の通常サンプルラックを飛び越える優先度を与える。この場合もやはり、高い優先度のサンプルには、既に搬送ライン上にあるサンプル及び分析装置内のサンプル処理領域で緩衝されたサンプルラックを飛び越える優先度は与えられない。
【0007】
特許文献8は、開放容器内で前処理したサンプルを、独立した単独型の分析装置と連動させたロボット装置に自動的に提示する。高い優先度のサンプルに対する特別な対策は行われない。
【0008】
特許文献9は、ラック供給ユニット及びラック供給ユニットから供給されるサンプルラックを、分析ユニット中のサンプル採取位置に搬送するための搬送ラインを有する自動分析装置を開示している。緊急(高い優先度の)サンプル投入ユニットが備えられていて、高い優先度のサンプルラックは、ラック供給ユニットの通常のサンプルラックよりも優先性が得られる搬送ラインの入り口に置くことができる。しかし、高い優先度のサンプルラックには、既に搬送ライン上にあるサンプル及び分析装置内のサンプル処理領域で緩衝されたサンプルラックを飛び越える優先性は与えられない。
【0009】
これらの先行技術のシステムは、サンプル操作及び処理の技術を進展させているけれども、対処されていないのは、サンプルが、同じ処理ステーションで処理される予定スケジュールの他のサンプルから遅延することなく、優先的に独立した順番で、コンベヤから処理ステーションに提示されることを可能にするという課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,103,193号
【特許文献2】米国特許第6,027,691号
【特許文献3】米国特許第5,482,861号
【特許文献4】米国特許第6,060,022号
【特許文献5】米国特許第5,972,295号
【特許文献6】米国特許第7,011,792号
【特許文献7】米国特許第6,290,907号
【特許文献8】米国特許第6,060,022号
【特許文献9】米国特許第5,972,295号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、たとえ別のサンプルが先にコンベヤから取り出されていても、優先度の高いサンプルを主コンベアから取り出し、そのサンプルを直接分析装置のサンプル採取場所に搬送させる方法及び装置を提供する。コンベヤから取り出されたすべてのサンプルは、サンプル保存バッファに搬送され、そして保存バッファは最も優先度の高いサンプルを分析装置のサンプル採取場所に提示するようにコントロールされる。或いは、サンプルがコンベアから取り出された順番で分析装置のサンプル採取位置に提示されるように、保存バッファをコントロールすることができる。別の実施態様では、サンプルの分析に必要な時間に従って、又は他の任意の好ましい順番でサンプルを分析装置のサンプル採取場所に提示するように、保存バッファをコントロールすることができる。この新しい方法は、コンベヤから取り出されたサンプルに「優先的アクセス(preferred access)」を付けて分析装置のサンプル採取位置に提供することによって、臨床検査室の自動サンプル処理及び搬送システムの操作能力を改善する。
【0012】
本発明、並びに他の目的及びそのさらなる特徴のより良い理解のために、添付の図面に関連して取られた、以下のさまざまな好ましい実施態様の詳細な説明について言及する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術の自動サンプル操作システムの簡略化した模式的平面図であり、本発明を有利に使用することができる、いくつかの化学分析前処理装置及び分析装置と協力してコントロールされるコンベヤを含む。
【図2】図1のサンプル操作システムで使用されるサンプルチューブ及びサンプルチューブ運搬体の簡略化した透視図である。
【図3】図1のサンプル操作システムの図であり、本発明が対処しようとするサンプル操作の課題を説明している。
【図4】図1の従来技術の自動サンプル操作システムの図であり、本発明の典型的なサンプル操作バッファを示している。
【図5】図4のサンプル操作バッファの簡略化した透視図であり、図1の自動サンプル操作システム内で軌道上に搬送されるサンプルチューブ運搬体を捕獲している図である。
【図6】本発明のサンプル操作バッファの簡略化した透視図であり、図5で捕獲されているように示したサンプルチューブ運搬体を、本発明の運搬体カルーセル部分の方へ搬送している図である。
【図7】本発明のサンプル操作バッファの簡略化した透視図であり、図6のサンプルチューブ運搬体を本発明の運搬体カルーセル部分上に搬送している図である。
【図8】本発明の運搬体カルーセル部分の簡略化した透視図であり、図5で捕獲されたサンプルチューブ運搬体を、図1の分析装置のサンプル採取部分の方へ搬送している図である。
【図9】本発明の運搬体カルーセル部分の簡略化した透視図であり、図5で捕獲されたサンプルチューブ運搬体が、図1の分析装置のサンプル採取部分又は近接した位置に置かれた図である。
【図10】本発明において有利に使用される、「捕獲」位置における一対の移動可能な搬送つめの簡略化した透視図である。
【図10A】本発明において有利に使用される、「サンプル採取」位置における図10の搬送つめの簡略化した透視図である。
【図11】本発明において有利に使用される、最初の位置における運搬体シャトルの簡略化した透視図である。
【図12A】図10の運搬体シャトル部分の簡略化した断面図であり、運搬体シャトル捕獲作業状態を示す図である。
【図12B】図10の運搬体シャトル部分の簡略化した断面図であり、運搬体シャトル取出作業状態を示す図である。
【図13A】図10の運搬体シャトル部分の簡略化した断面図であり、運搬体シャトルを元に戻す作業状態を示す図である。
【図13B】図10の運搬体シャトル部分の簡略化した断面図であり、運搬体シャトルを解放する作業状態を示す図である。
【図14A】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14B】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14C】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14D】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14E】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14F】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図14G】「高い優先度の」サンプルを、同じ処理ステーションで処理される予定の他のサンプルチューブ運搬体から遅れることなく、分析装置に提示させる本発明のサンプル操作バッファを示す。
【図15A】図10の運搬体シャトル部分を示しており、図1の自動サンプル操作システム上でのサンプルチューブ運搬体の取出し及び戻しを示す。
【図15B】図10の運搬体シャトル部分を示しており、図1の自動サンプル操作システム上でのサンプルチューブ運搬体の取出し及び戻しを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に言及するに、図示されているのは、複数のサンプル容器(12)、典型的には分析しようとする患者サンプルを収容し、キャップされても又は脱キャップされていてもよい、システム(10)に提示される複数サンプルラック(14)内の検査チューブ(12)を、自動的に前処理し及び必要に応じて操作することができる自動臨床化学サンプル操作システム(10)である。それぞれのサンプル容器(12)には、患者識別を表示したバーコードのような容器識別標識、並びに、場合により、その中のサンプルに対して遂行されるべきその他の手順が与えられる。サンプルラック(14)は、付加的な識別標識を有してもよい。
【0015】
サンプル操作システム(10)は、操作基部を含み、その上で、第1の、例えば、ベルト様の又はローラ若しくは連接ロッドの移動コンベア軌道(16)が、図2に見られるようなサンプルチューブ運搬体(18)で運ばれる多くの個々のサンプルチューブ(12)を、矢印(16A)で示される第1の方向で、サンプルチューブ搬入/搬出ステーション(17)から自動遠心分離機(20)に、キャップされたサンプルチューブ(12)からキャップを自動的に取り除くための自動チューブ脱キャップ装置(22)に、そして少なくとも1つの従来の臨床分析装置(24)、(26)、(28)及び(30)に、第2のベルト様コンベヤ軌道(32)が、それぞれのサンプルチューブ(12)を、(16A)の方向と反対の第2の方向(32A)でロボット式サンプルチューブ搬入/搬出ステーション(17)に戻す前に、搬送する。サンプルチューブ運搬体搬送及び緩衝ステーション(34)及び(36)は、サンプルチューブ運搬体(18)を軌道(16)及び(32)の間を転送するために、並びにサンプルチューブ運搬体(18)を一時的な緩衝在庫に保留するために備えられる。サンプルチューブ運搬体(18)は、起こり得る再検査又は追加検査を含めた多くの理由で、優先度の高いサンプルの検査を容易にする、分析待ちの分析装置未処理サンプルなどを減らすために一時的在庫で緩衝される。4個以上の分析装置(24)、(26)、(28)及び(30)が互いにリンクされ、コンベヤ軌道(16)及び(32)によってアクセス可能であることは当然のことと理解されるであろう。サンプル操作システム(10)は、各サンプルチューブ運搬体(18)の上又は中に付けた標識を識別することによってサンプルチューブ(12)の位置を検知するための多数のセンサ(38)を有する。従来のバーコード読み取り機又は高周波位置決め装置が、その様な追跡操作に使用されてもよい。
【0016】
遠心分離機(20)及び各分析装置(24)、(26)、(28)及び(30)は一般的に、コンベヤ軌道(16)及び(32)からサンプルチューブ運搬体(18)の除去のための、サンプルチューブ運搬体(18)の、コンベヤ軌道(16)及び(32)から及びへの、遠心分離機(20)から及びへの、分析装置(24)、(26)、(28)及び(30)への及びからの、又は中へ及び外への移動のための、適切なロボット機構(40)及び(42)、又は分析装置軌道(44)を装備する。典型的には、搬入/搬出ステーション(17)も同様に、ラック(14)からサンプルチューブ(12)を取り除くため及びチューブ(12)をチューブ運搬体(18)に置くためにクランプ機構を従来通り備えたX−Y−Zロボットアーム(46)を含む。サンプルチューブ(12)内のサンプルについて行われるすべての検査が完了した後、X−Y−Zロボットアーム(46)はサンプルチューブ(12)をチューブ運搬体(18)から取り出し、そしてシステム(10)から除去するためにラック(14)内のチューブ(12)を戻す。
【0017】
サンプル操作システム(10)は、サンプルチューブ運搬体(18)を、様々な種類の処理が発生するそれぞれの操作装置(20)、(24)、(26)、(28)及び(30)に移動させるために、従来のコンピュータ、好ましくはシステム(10)の一部として、又はそれとは別個に収容されたマイクロプロセッサを用いた中央演算処理装置CPUによってコントロールされる。CPUは、ソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアの指令、又はDade Behring Inc. of Deerfield, IL. から販売されているDimension(登録商標)臨床化学分析装置に使われており、コンピュータを使った電気機械コントロールプログラミングの当業者に一般的な回路によって、サンプル操作システム(10)をコントロールする。
【0018】
図1は、サンプルチューブ(12)をコンベヤ軌道(16)及び(32)から取り出し、そして戻すためのロボット機構(40)及び(42)の2つの異なる配置、特に離れたロボット機構(40)及び(42)はそれぞれサンプルチューブ(12)を遠心分離機(20)内に、そして次にそこから移動するように示されているが、しかし一方、サンプルチューブ運搬体(18)を軌道(32)から分析装置(28)内に及びそこから軌道(32)移動させるために、単一のロボット機構(44)しか使われないことを図示している。同様に、分析装置(24)は、軌道(16)から分析装置(24)の中に、そしてそこから外にサンプルチューブ運搬体(18)を並行して運行させる1対の分析装置軌道(41)を有するように示されている。或いは、分析装置(26)は、1対の第1及び第2分析装置軌道(44F)及び(44S)を有し、分析装置(26)の中に、そしてそこから外に、及び軌道(16)からそして軌道(32)にサンプルチューブ運搬体(18)をそれぞれ搬送するように操作されることが示されている。さらに、分析装置(30)は、軌道(32)から分析装置(30)の中に、そしてそこから外にサンプルチューブ運搬体(18)を搬送するために操作可能な単一分析装置軌道(45)を有する様に示されている。最後に、分析装置(28)は、軌道(32)から分析装置(28)の中に、そしてそこからサンプルチューブ運搬体(18)を搬送するために操作可能なロボット装置(39)を有するように示されている。これらの構成のすべては、従来技術のシステムで知られており、その全ては、多くのサンプルチューブ運搬体(18)を軌道(16)又は(32)から取り出し、そしてサンプルチューブ運搬体(18)を「ランダム」の順番で、そのランダムの順番がそこでサンプルチューブ運搬体(18)が軌道(16)又は(32)から取り出されるのが逐次的な順番ではない順番で、分析装置に提示する能力を欠いている。多数のサンプルチューブ運搬体(18)を簡単にそして容易に緩衝し、そして次にサンプルチューブ運搬体(18)を望ましい順番で分析装置に提示する能力は、システム(10)のような自動サンプル操作システム内で検査するサンプルに対して優先度を割り当てる従来の方法においては、明らかに望ましい改善である。
【0019】
図2は、サンプルチューブ容器(12)を搬送するための典型的なサンプルチューブ運搬体(18)の立面図であり、運搬体(18)が、運搬体本体(48)の上面に従属する中央の円筒孔、一段高い中心部(19)及び運搬体本体(48)の上方に伸びている少なくとも2本の垂直に向いたアーム(50)を有する略円筒形の低い運搬体本体(48)を含む立面図であり、アーム(50)は略垂直で同心配置でチューブ(12)を拘束するように適合される。
【0020】
図3は、従来技術において、それにより特殊なサンプルチューブ(12S)が、例えば、優先度の高さ又は緊急性に基づいて、臨床分析装置(26)で分析されるように対処される典型的な例を示す。従来技術のシステムでは、たとえサンプルチューブ(12S)が、優先度の高いラック又は搬入レーン内で搬入/搬出ステーション(17)によってコンベヤ軌道(16)に置かれ、直接分析装置(26)に搬送されたとしても、サンプルチューブ運搬体(18S)が分析装置(26)に到着した際には、多数のサンプルチューブ運搬体(18)に入った「通常」サンプルチューブ(12R)は、分析装置(26)に付随したサンプル採取部分又は位置(26SP)でサンプル採取を待機するように第1分析装置軌道(44F)で緩衝すべきことが見出され得る。この場合、特殊なサンプルチューブ(12S)を処理するための1つの選択肢は、全ての「通常」サンプルチューブ運搬体(18R)を第2の分析装置軌道(44S)及び軌道(32)に送り込むように軌道(44F)をコントロールし、その結果サンプル採取部分(26SP)への接近が達成できるようにすることであるが;しかし、この選択肢が用いられた場合、放出されたすべての「通常」サンプルチューブ運搬体(18R)は、分析される前に軌道(32)及び(16)上を分析装置(26)に遡らなければならず、全体的に不利になる。別の選択肢は、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を軌道(32)上又はバッファ(44F)内に、「通常」サンプルチューブ(12R)がサンプル採取部分(26SP)で処理されるまで留まらせ、そして次に特殊なサンプルチューブ(12S)を通常の時間経過で処理するものであり、その選択肢は特殊なサンプルチューブ(12S)がサンプル採取され処理される前の時間を不利に増加させる。これら選択肢の解決のどちらも、性能及び/又は処理量の理由で望ましくない。上記の従来技術のシステムで経験する性能及び/又は処理量の問題が、分析装置(26)のような特定の分析装置に限定されないことは当然のことと理解すべきである。同様の問題は、また、サンプル調製が必要な場合の遠心分離器(20)に、及び/又はサンプルチューブ運搬体(18S)を分析装置(24)内に及びそこから並行に搬送するために操作する軌道(41)を有する分析装置(24)にも存在する。同様に、問題は、分析装置(30)内に及びそこからサンプルチューブ運搬体(18S)を搬送するための単一分析装置軌道(45)を有する分析装置(30)にも、そしてサンプルチューブ運搬体(18S)を軌道(16)内に及びそこから、並びに軌道(32)上に搬送するロボット装置(39)を有する分析装置(28)にも存在する。
【0021】
図4に見られるように、本発明は、単一のサンプルチューブ運搬体(18)、例えば、特定のサンプルチューブ運搬体(18S)が、コンベヤ(32)から処理ステーション、この例では分析装置(26)に、ランダムで、独立した、「順番を狂わせた」順序で、既に同じ分析装置(26)による処理が予定されている他の定常的なサンプルチューブ運搬体(18R)からの遅延ない提示を可能にするサンプル操作バッファ(52)を提供する。処理ステーションは、分析前サンプル処理装置、例えば遠心分離機(24)と同様に良好であってよいと認識すべきである。サンプル操作バッファ(52)は、サンプルチューブ運搬体(18)を、例えば、サンプルチューブ運搬体(18)が軌道(16)又は(32)から取出される順番から独立した順番で、軌道(16)又は(32)の何れかから取り出しそしてサンプルチューブ運搬体(18)を分析装置(26)に付随したサンプル採取部分又は位置(26SP)に提示するように操作される。サンプル操作バッファ(52)は、それによって、高い優先度又は緊急性に基づいて、臨床分析装置(26)で分析しようとする特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)が、先に軌道(32)から取り出されてサンプル採取位置(26SP)でサンプル採取を待機している多くの「通常の」サンプルチューブ運搬体(18R)を迂回することができる方法を提供する。以下に説明するように、本発明は、このようにして上記の従来技術のシステムで経験する性能及び/又は処理量の不利を克服する。
【0022】
図5は、サンプル運搬体保持器(54)(実施態様に示されたカルーセルの形態)がサンプル運搬体(18)をサンプル採取位置(26SP)の最も近くに置くのに適するように概略的に示された作動装置(43)を含むサンプル操作バッファ(52)を図示する。サンプル運搬体保持器カルーセル(54)は、その中に形成された多数の運搬体保持区域(56)を有する。運搬体保持区域(56)は、サンプルチューブ(12)を保持するサンプルチューブ運搬体(18)を受容するサイズを有する。サンプルチューブ運搬体(18)を「ランダム」の順序で分析装置に提示させるために、カルーセル(54)の重要な特性は、サンプルチューブ運搬体(18)が運搬体保持区域(56)内に置かれている逐次的な順番以外の順番で、運搬体保持区域(56)をサンプル採取位置(26SP)の最も近くに整列させる能力である。カルーセル(54)が略円形の例では、これは、カルーセル(54)を二方向に回転するように作動装置(43)を適合させることによって行うことができる。カルーセル(54)がこれと異なる構造、例えば、連続した軌道状の構造を有する場合には、同様に作動装置(43)を軌道状のカルーセルを二方向に駆動するように適合させることになる。カルーセル(54)並びに軌道(16)及び(32)上に配置された運搬体シャトル(58)は、その遠位末端に、運搬体エスケープメント装置(61)を備えたシャトル作動装置(60)を含み、エスケープメント装置(61)は、一対の運搬体シャトル・ロッド(62)及び軌道(16)又は(32)上のサンプル運搬体(18)をその中に捕獲するのに適切なサイズに運搬体捕獲区域(67)を規定するために置かれた運搬体押し板(65)を含む。開口部(63)は、運搬体シャトル(58)が、図5、6及び7の運転状態の進行に見られるように、シャトル作動装置(60)を完全に又は部分的に伸長した状態から閉じた状態に動かすことによって、サンプルチューブ運搬体(18)を軌道(16)又は(32)の何れかから運搬体保持区域(56)内に可動的にスライド出来るように、軌道(16)及び(32)に並行して、それらを分離している軌道レール(64)に形成される。
【0023】
図5は、サンプル運搬体取出工程の第1段階であって、軌道(16)上の特殊なサンプル運搬体(18S)が、レール(57)の開口部(63)に最も近い位置で、運搬体エスケープメント装置(61)によって捕獲又は拘束される工程を具体的に図示する。図6は、サンプル運搬体取出工程のさらに進んだ段階であって、シャトル作動装置(60)が部分的に引っ込み、サンプル運搬体(18S)を軌道(16)から開口部(63)を通って軌道(32)上にスライド移動させる工程を具体的に図示する。次に図7は、サンプル運搬体取出工程のよりさらに進んだ段階であって、シャトル作動装置(60)がより完全に引っ込み、サンプル運搬体(18S)を、軌道(32)から開口部(59)を通って回転可能な運搬体カルーセル(54)の運搬体保持区域(56)上にスライド移動させる段階を具体的に説明する。最後に、図8は、サンプル運搬体取出工程のよりさらに進んだ段階であって、シャトル作動装置(60)がサンプル運搬体(18S)を回転可能な運搬体カルーセル(54)の運搬体保持区域(56)内に解放し、それは次にサンプル採取位置(26SP)に向けて「反時計回り」で回転する段階を具体的に図示する(簡潔にするため、「通常の」サンプルチューブ運搬体(18R)は示されていない)。図12と併せて説明して、運搬体エスケープメント装置(61)は、必要に応じて選択された又は特殊なサンプル運搬体(18S)を軌道(16)又は(32)のいずれかから及びそこに、並びに回転可能な運搬体カルーセル(54)内の運搬体保持区域(56)の数の1つに及びそれから搬送を可能にするために、捕獲、保持及び解放することができる。
【0024】
サンプル運搬体保持器カルーセル(54)は、図9に示す分析装置(26)のサンプル採取部分(26SP)の最も近くに位置し、有利に円形プレートに成形され、そして好適な従来の回転運動源を使用して回転できる。従って、カルーセル(54)上のどの運搬体保持区域(56)もサンプル採取部分(26SP)と並ぶように回転させることができ、そして整列した配向で、特殊なサンプルチューブ(12S)を保持しているサンプルチューブ運搬体(18S)は、次に、例えば、以下に記載される搬送つめ(69)(図10)によって、整列した運搬体保持区域(56)からサンプル採取部分(26SP)のサンプル採取位置に搬送される。或いは、サンプルチューブ(12S)が整列した運搬体保持区域(56)からサンプル採取部分(26SP)に搬送される必要がないようにするため、分析装置(26)は、カルーセル(54)上の運搬体保持区域(56)からチューブ(12S)を取り出さないで、チューブ(12S)から液体を吸引することができる可動サンプル採取針を装備してもよい。ロボット補助の可動サンプル採取針であるが、そのようなシステムの一例である。
【0025】
カルーセル(54)が、多数のサンプルチューブ運搬体(18)を支持することができ、いかなるサンプルチューブ運搬体(18)も分析装置(26)のサンプル採取部分(26SP)に迅速に運ぶためにどちらの方向にもランダムに回転することができる結果として、本発明のサンプル処理バッファ(52)は、サンプルチューブ(12)を分析装置(26)のような分析装置によって検査することを可能にする優先度をコントロールするための装置及び方法を提供する。明らかに、カルーセル(54)は、本発明の範囲を逸脱することなく、図3に例示された何れかのサンプル処理装置又はその同等品と併せて設置されてもよい。これは、従来技術システムの多くの欠点を克服する本発明の重要な特色であり、そこでは、サンプルが軌道(16)又は(32)から取り除かれた順番で検査される、或いは、優先度の低いサンプルが検査場所から取り除かれて優先度の高いサンプルがより迅速に分析される。
【0026】
好適な量のサンプルを、サンプルチューブ運搬体(18)内のサンプルチューブ(12)から抜き取った後、サンプルチューブ運搬体(18)を軌道レール(64)の開口部(59)に再整列させるために、カルーセル(54)を回転してもよい。サンプルチューブ運搬体(18)を軌道(16)又は(32)に戻すために、運搬体シャトル(58)を作動して、シャトル作動装置(60)を伸長しそれによって運搬体押し板(65)及びサンプルチューブ運搬体(18)が、開口部(59)及び(63)を通るように促してもよい。カルーセル(54)が、サンプルチューブ(12)を検査に利用可能にする優先度のコントロールを操作可能であるのと同じ方式で、カルーセル(54)は、また、異なる分析装置による検査のために、サンプルチューブ(12)が軌道(16)又は(32)上に戻されるように優先度をコントロールすることができる。所定のサンプルチューブ(12)について、サンプル操作システム(10)内の何れの分析装置によっても行おうとする追加検査が予定されていない場合、追加検査が必要に応じてサンプル処理システム(10)に接続していない分析装置によって行なうべき事象におけるシステム(10)の「オンボード」時間を最短にするために運搬体(18)を軌道(32)上に置くことができる。
【0027】
図10に見られるような典型的な実施態様では、サンプル運搬体(18)を保持するための間隔を空けた一対の搬送つめ(69)は、運搬体保持区域(56)の底面に形成された開いた運搬体保持区域の溝(70)内を、従来の直線的な運動源(71)を使用して直線的に並進可能である。つめ(69)は、1つのつめ(69)が運搬体保持区域(56)から運搬体(18)を促すことができ、もう1つつめ(69)がサンプル採取位置(26SP)から運搬体(18)を促すことができるように、運搬体の対立する側に係合する。つめ(69)は、従って、図10Aに見られるように、説明のためにサンプル採取位置(26SP)が除かれているが、サンプルチューブ運搬体(18)と係合し、そしてそれを運搬体保持区域(56)とサンプル採取部分(26SP)の間スライドできるようにする。図9では、サンプル採取部分(26SP)は、市販の多くの典型的分析装置のような分析装置(26)の要素として図示されている。しかし、上述のように、分析装置(28)のような分析装置は、ロボット式サンプル採取針を装備してもよく、カルーセル(54)からサンプルチューブ運搬体(18)を取り出さないで、サンプルチューブ運搬体(18)中のサンプルチューブ(12)から直接サンプル液体を吸引するように操作することができ、その結果つめ(69)及び直線運動源(71)は必要なくなる。
【0028】
エスケープメント装置(61)は、そして軌道(16)又は(32)で搬送されている単一のサンプル運搬体(18)を捕獲するために間隔をおいて適切に配向された、一対の可動ロッド(62)を含む。当業者に公知のように、サンプル運搬体(18)の設計寸法は、エスケープメント装置(61)の設計寸法に影響する。図11は、駆動装置(68)が、例えば、軌道(16)上のサンプルチューブ運搬体(18)を拘束及び解放するために、矢印(68A)で示した様式で運搬体シャトル・ロッドを二方向に回転させる動作が可能な、簡単だが効果的な構造を示す。多くの異なる拘束作用を使用することはできるが、例示的な動作は、サンプルチューブ運搬体(18)が矢印で示すように軌道(32)上を左から右に動くように示された図12Aで説明される。図12Aでは、駆動装置(68)は、運搬体シャトル・ロッド(62)を軌道(32)に並行な向きから時計回りに僅かに回転させ、その結果サンプルチューブ運搬体(18)の一段高い中心部(19)は左端の運搬体シャトル・ロッド(62)を「すり抜ける」が、しかし中心部(19)は右端の運搬体シャトル・ロッド(62)と接触してサンプルチューブ運搬体(18)の運行は停止する。図12Bでは、サンプル運搬体(18)を軌道(32)から開口部(59)を通って、回転する運搬体カルーセル(54)内の運搬体保持区域(56)に可動的にスライドさせるために、シャトル作動装置(60)が引っ込められている。先に論じたように、サンプルチューブ(12)からサンプルが抜き取られた後、サンプルチューブ運搬体(18)を開口部(59)に再整列させるためにカルーセル(54)を回転させることができ、そして図13Aに見られるように、サンプルチューブ運搬体(18)を元の軌道(32)に戻すためにシャトル作動装置(60)が伸ばされる。続いて、図13Bの軌道(32)で、サンプルチューブ運搬体(18)の一段高い中心部(19)が、サンプルチューブ運搬体(18)の中心部(19)と接触する右端の運搬体シャトル・ロッド(62)によってもはや拘束されなくなるように、駆動装置(68)は運搬体シャトル・ロッド(62)を僅かに反時計回りに回転させる。その結果、サンプルチューブ運搬体(18)は、右端の運搬体シャトル・ロッド(62)を「すり抜け」、矢印で示されるように、軌道(32)に沿って右方向に移動する。エスケープメント装置(61)の設計は、チューブ運搬体(18)の性質及び寸法に依存して変化する、従って、軌道(16)及び(32)に沿ってチューブ運搬体を捕獲し、取出し及び戻す又は解放するために、異なる機構が使われてもよい。
【0029】
図14Aは図4の部分であり、本発明のサンプル操作バッファ(52)は、「迅速」分析が必要な「高優先」サンプルを有する特殊なサンプルチューブ(12S)を携えた特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)が、ロボット式サンプルチューブ搬入/搬出ステーション(17)によって軌道(16)上に置かれるように、そして次にコンベヤ軌道(16)から順番を狂わせて、既に同じ分析装置(26)で処理されるように予定された他の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)から遅れることなく、分析装置(26)に提示されるように図示している。この例では、4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)は、軌道(32)上のサンプルチューブ運搬体(18S)の「前方」にあり、従来技術のシステムでは、サンプルチューブ運搬体(18S)は軌道(16)に沿って搬送し、サンプルチューブ運搬体転送及びバッファ(36)によって軌道(32)上に置かれ、そして軌道(32)上を分析装置(26)に近づく。本発明の教示内容を踏まえて、前の図に見られるように運搬体エスケープメント装置(61)が設置され操作可能であるが、しかし明瞭にするために、エスケープメント装置(61)は点線内に見られ、そして運搬体シャトル(58)の他の部分は含まれていない。
【0030】
有利な実施態様では、軌道(32)上の特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)の「前を行く」4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)は、分析装置(26)を迂回し緩衝ステーション(34)によって軌道(16)上に戻すことができ、特殊なサンプル(12S)の処理が完了した後に処理される。或いは、4個の通常サンプルチューブ運搬体(18R)は、特殊なサンプルチューブ(12S)がサンプル採取部分(26SP)に搬送される間、分析装置(26)の上流に保留されてもよい。軌道(16)上の特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)が、(図14Bに図解されるように)レール(57)の開口部(63)に最も近い位置で、運搬体エスケープメント装置(61)によって捕獲又は拘束される位置にある場合、次に、図14C及び14Dに見られるように、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)は軌道(16)から取り出され、軌道(32)を横切ってレール(64)の開口部(59)を通って搬送され、運搬体カルーセル(54)上の運搬体保持区域(56)に置かれる。運搬体カルーセル(54)は、次に図5〜8に関して説明したように、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を分析装置(26)のサンプル採取部分(26SP)にまっすぐに整列し(図14E)、そして次に運搬つめ(69)によってサンプル採取位置(26SP)の中に移動されるように操作される(図14F)。その間に、前に特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)の「前方」だった4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)は、緩衝ステーション(34)によって軌道(16)に戻されており、通常の処理のために分析装置(26)に向かう。基本的に、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を、直接的に、ロボット式サンプルチューブ搬入/搬出ステーション(17)から軌道(16)上を、及び軌道(16)から運搬体カルーセル(54)へ、並びにそこからサンプル採取位置(26SP)内へ搬送することを含む本発明のこの能力は、図1で説明したような従来技術の状態を凌ぐ著しい改善である。適切な量のサンプルが特殊なサンプルチューブ(12S)から抽出された後、図15A及び15Bは、運搬体保持区域(56)から取り出され、そして軌道(32)上に戻された特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)(破線)、及び特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)(実線)を軌道(32)上に解放するために僅かに反時計回りに回転されたエスケープメント装置(62)を説明する。
【0031】
特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)がサンプル採取位置(26SP)に滞留する間に、最初の4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)、又は軌道(16)若しくは(32)上の任意の他のサンプルチューブ運搬体(18)は、前にカルーセル(54)上の運搬体保持区域(56)及び転送時間の両者が利用可能である場合の例で説明した手法を用いて、運搬体エスケープメント装置(61)によって捕獲され、そして運搬体カルーセル(54)上の運搬体保持区域(56)に置くことができる。或いは、既に運搬体保持区域(56)にあるサンプルチューブ運搬体(18)は、記載された捕獲手順を逆にすることによって、軌道(16)又は(32)上に戻すことができる。明らかに、作動装置(43)は、運搬体保持区域(56)を、最初にサンプルチューブ運搬体(18)が運搬体保持区域(56)に置かれる順序とは別の順番で、最も近いサンプル採取位置(26SP)に整列するように適合されているため、作動装置(43)は、カルーセル(54)に、どのサンプルチューブ運搬体(18)でも、サンプルチューブ運搬体(18)が運搬体保持区域(56)に搬送された順序と同じ又は異なる任意の順序で、最も近い分析装置(26)の処理部分に置かせることができる。本発明の「ランダムの操作」の態様の故に、サンプルチューブ(12)は、軌道(16)及び(32)から連続して「ランダム・アクセス」カルーセル(54)に入って来る。一旦カルーセル(54)に入ったチューブ(12)は、チューブ(12)が軌道(16)及び(32)から到着した順番に拘束されることなく、どの順番ででもサンプル採取位置(26SP)に提示させることができる。サンプルチューブ(12)がサンプル採取位置(26SP)で処理されている間、カルーセル(54)は必要に応じて自由に移動することができ、そしてサンプルチューブ(12)をカルーセル(54)内に又はそこから移動させることができる。また、サンプルチューブ(12)は、カルーセル(54)から、それらが受け入れられた順番とは異なる順番で、そして場合によってはチューブ(12)が処理された順番とは異なる順番で移動させることも可能である。また、サンプルチューブ(12)は、材料の変化によってサンプルチューブ(12)を分析装置(26)で処理出来なくなった結果、又は材料が、代わりの分析装置でサンプルを処理する方がより有利であるようになった結果、未処理で軌道(16)又は(32)に戻すことも可能である。
【0032】
適切な量のサンプルが特種なサンプルチューブ(12S)から抽出された後、図15A及び15Bは、運搬体保持区域(56)から除かれそして軌道(32)上に戻された特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)(破線)、及び特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)(実線)を軌道(32)上に解放するために僅かに反時計回りに回転されたエスケープメントロッド(62)を図示する。
【0033】
代わりの事例では、サンプル操作バッファ(52)は、図6〜8と関連して記載されるように、特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)の「前の」4個の通常のサンプルチューブ運搬体(18R)を、分析装置(26)のサンプル採取位置(26SP)に提示しないで軌道(32)から取り出すように操作することができた。この操作の間、サンプルが既に吸引されたサンプルチューブ(12)を有するどのサンプルチューブ運搬体(18)も、カルーセル(54)及び/又はサンプル採取位置(26SP)から除去され、軌道(32)上に戻される。サンプル操作バッファ(52)は、次に特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を軌道(32)からカルーセル(54)上に搬送させるように、及び特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)を分析装置(26)のサンプル採取位置(26SP)に運ぶために、カルーセル(54)が作動するように操作される。その様な例では、サンプル操作バッファ(52)は、特殊なサンプルチューブ(12S)を受容するために少なくとも1つの運搬体保持区域(56)が空の状態に維持されるように操作される。サンプル操作バッファ(52)は、それによって、優先度の高さ又は緊急性に基づいて臨床分析装置(26)で分析されるべき特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)が、行列待ちの又は特殊なサンプルチューブ運搬体(18S)より前方の多数の「通常の」サンプルチューブ運搬体(18R)を迂回することができ、従来技術システムで経験する遅延なしに、サンプル採取位置でのサンプル採取のために提示されることが可能な方法を提供する。
【0034】
本発明が広範な有用性及び応用の余地があることは、当業者によって容易に当然のことと理解されるはずである。本明細書に記載された以外の多くの実施態様及び適合、並びに多くの変更、改善及び等価の配列は、本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなく、本発明及び上記のその記述から明白になり又は合理的に示唆されるであろう。例えば、サンプル運搬体保持器は、略円形で回転可能なカルーセルであるとして説明された;しかし、別の実施態様では、サンプル運搬体保持器は連続的な、そこに形成された多数の運搬体保持区域(56)有する細長い軌道、又は従来の平ベルトであり、チューブ運搬体(18)を軌道(16)及び(32)から迅速に取り出す及び戻すために交互に駆動される。また、運搬体保持区域(56)が回転可能な運搬体カルーセル(54)に形成される必要はなく、好適な代替品として、例えば、上部の平面内のうね又はピンが同等の機能を提供することができる。
【0035】
従って、本発明は、具体的な実施態様に関して本明細書に詳細に説明されているが、当然ながら、この開示は単に本発明の説明及び例示であり、単に本発明の十分で可能にする開示を提供する目的で為されているに過ぎない。上述の開示は、本発明を限定し、或いは任意のそのような他の実施態様、適応、変更、改善及び等価の配列を排除することを意図するものでも、又は解釈されるべきものでもなく、本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤ上のサンプル運搬体で運搬される臨床サンプルを取り出し、そしてそのサンプルを上記コンベヤに近接するサンプル処理ステーションに提示するためのサンプル操作バッファであって、
上記コンベヤに近接し、中に形成された多数の運搬体区域を有し、該区域がサンプル運搬体を受容する大きさである、サンプル運搬体保持器;
コンベヤ上のサンプル運搬体を捕獲するように適合される運搬体エスケープメント装置を有する運搬体シャトルであって、捕獲したサンプル運搬体を一つの運搬体区域内に搬送するために操作可能な運搬体シャトル;
捕獲したサンプル運搬体を近接する上記の処理ステーションに置くように適合された作動装置;
を含むサンプル操作バッファ。
【請求項2】
運搬体シャトルがサンプル運搬体を運搬体区域の一つからコンベヤ上に逆搬送するようにさらに適合される請求項1に記載のバッファ。
【請求項3】
作動装置が、サンプル運搬体保持器に、サンプルチューブ運搬体が運搬体区域内に搬送された順番と同じ又はそれ以外の任意の順番で、処理ステーションに近接する任意の運搬体区域に置かせるように適合される請求項1に記載のバッファ。
【請求項4】
捕獲されたサンプル運搬体を処理ステーションに、及びそこから、搬送するためのつめをさらに含む請求項1に記載のバッファ。
【請求項5】
コンベヤが一対の並行する軌道を含み、そして運搬体シャトルがサンプル運搬体を上記軌道のいずれかから取り出すことがさらに可能な請求項1に記載のバッファ。
【請求項6】
運搬体シャトルがサンプル運搬体を軌道のいずれかに戻し、及び解放することがさらに可能な請求項5に記載のバッファ。
【請求項7】
サンプル運搬体保持器が略円形の、回転可能な平板を有するカルーセルを含み、運搬体区域がその外周に形成される請求項1に記載のバッファ。
【請求項8】
臨床処理ステーションが分析装置又は分析前サンプル処理装置を含む請求項1に記載のバッファ。
【請求項9】
運搬体シャトルが、サンプル運搬体を運搬体区域の一つから元のコンベヤ上に、サンプルチューブ運搬体が運搬体区域に搬送された順番と同じ順番又は異なる順番で、搬送するように適合される請求項2に記載のバッファ。
【請求項10】
サンプル運搬体が処理ステーションに近接している間に、運搬体シャトルがサンプル運搬体を運搬体保持区域の溝内に、又はそこから、搬送するように操作可能な請求項4に記載のバッファ。
【請求項11】
コンベヤ上のサンプル運搬体で運搬される臨床サンプルを取り出し、そしてそのサンプルを上記コンベヤに近接するサンプル処理ステーションに提示するための方法であって、
上記コンベヤに近接するサンプル運搬体保持器を含み、中に形成された多数の運搬体区域を有し、該区域がサンプル運搬体を受容する大きさである、サンプル操作バッファを備え;
捕獲したサンプル運搬体を一つの運搬体区域内に搬送するために、コンベヤ上のサンプル運搬体を捕獲するように適合された運搬体エスケープメント装置を有する運搬体シャトルを操作し;
捕獲したサンプル運搬体を上記処理ステーション近くに置く;
ことを含む、方法。
【請求項12】
運搬体シャトルが、サンプル運搬体を運搬体区域の一つからコンベヤ上に逆搬送するようにさらに適合される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
捕獲されたサンプル運搬体を近接する処理ステーションに置くことが、サンプルチューブ運搬体が最初に運搬体保持区域内に搬送された順番と同じ又はそれ以外の順番で、上記処理ステーションに近接する任意の運搬体区域に置くことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項1】
コンベヤ上のサンプル運搬体で運搬される臨床サンプルを取り出し、そしてそのサンプルを上記コンベヤに近接するサンプル処理ステーションに提示するためのサンプル操作バッファであって、
上記コンベヤに近接し、中に形成された多数の運搬体区域を有し、該区域がサンプル運搬体を受容する大きさである、サンプル運搬体保持器;
コンベヤ上のサンプル運搬体を捕獲するように適合される運搬体エスケープメント装置を有する運搬体シャトルであって、捕獲したサンプル運搬体を一つの運搬体区域内に搬送するために操作可能な運搬体シャトル;
捕獲したサンプル運搬体を近接する上記の処理ステーションに置くように適合された作動装置;
を含むサンプル操作バッファ。
【請求項2】
運搬体シャトルがサンプル運搬体を運搬体区域の一つからコンベヤ上に逆搬送するようにさらに適合される請求項1に記載のバッファ。
【請求項3】
作動装置が、サンプル運搬体保持器に、サンプルチューブ運搬体が運搬体区域内に搬送された順番と同じ又はそれ以外の任意の順番で、処理ステーションに近接する任意の運搬体区域に置かせるように適合される請求項1に記載のバッファ。
【請求項4】
捕獲されたサンプル運搬体を処理ステーションに、及びそこから、搬送するためのつめをさらに含む請求項1に記載のバッファ。
【請求項5】
コンベヤが一対の並行する軌道を含み、そして運搬体シャトルがサンプル運搬体を上記軌道のいずれかから取り出すことがさらに可能な請求項1に記載のバッファ。
【請求項6】
運搬体シャトルがサンプル運搬体を軌道のいずれかに戻し、及び解放することがさらに可能な請求項5に記載のバッファ。
【請求項7】
サンプル運搬体保持器が略円形の、回転可能な平板を有するカルーセルを含み、運搬体区域がその外周に形成される請求項1に記載のバッファ。
【請求項8】
臨床処理ステーションが分析装置又は分析前サンプル処理装置を含む請求項1に記載のバッファ。
【請求項9】
運搬体シャトルが、サンプル運搬体を運搬体区域の一つから元のコンベヤ上に、サンプルチューブ運搬体が運搬体区域に搬送された順番と同じ順番又は異なる順番で、搬送するように適合される請求項2に記載のバッファ。
【請求項10】
サンプル運搬体が処理ステーションに近接している間に、運搬体シャトルがサンプル運搬体を運搬体保持区域の溝内に、又はそこから、搬送するように操作可能な請求項4に記載のバッファ。
【請求項11】
コンベヤ上のサンプル運搬体で運搬される臨床サンプルを取り出し、そしてそのサンプルを上記コンベヤに近接するサンプル処理ステーションに提示するための方法であって、
上記コンベヤに近接するサンプル運搬体保持器を含み、中に形成された多数の運搬体区域を有し、該区域がサンプル運搬体を受容する大きさである、サンプル操作バッファを備え;
捕獲したサンプル運搬体を一つの運搬体区域内に搬送するために、コンベヤ上のサンプル運搬体を捕獲するように適合された運搬体エスケープメント装置を有する運搬体シャトルを操作し;
捕獲したサンプル運搬体を上記処理ステーション近くに置く;
ことを含む、方法。
【請求項12】
運搬体シャトルが、サンプル運搬体を運搬体区域の一つからコンベヤ上に逆搬送するようにさらに適合される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
捕獲されたサンプル運搬体を近接する処理ステーションに置くことが、サンプルチューブ運搬体が最初に運搬体保持区域内に搬送された順番と同じ又はそれ以外の順番で、上記処理ステーションに近接する任意の運搬体区域に置くことを含む、請求項11に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図15A】
【図15B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図15A】
【図15B】
【公表番号】特表2010−526289(P2010−526289A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506181(P2010−506181)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/082546
【国際公開番号】WO2008/133708
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(508147326)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/082546
【国際公開番号】WO2008/133708
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(508147326)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
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