自動検針システム
【課題】多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムを提供する。
【解決手段】料金処理を行う事業所側管理システム10と、計量器42の計量データを無線送信する複数の需要家側管理システム40と、事業所側管理システム10から送信された顧客データと、需要家側管理システム40から無線送信された計量データと、による検針データを登録する検針員側管理システム20と、を備え、事業所側管理システム10は、検針員側管理システム20から読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行うような自動検針システム1とした。
【解決手段】料金処理を行う事業所側管理システム10と、計量器42の計量データを無線送信する複数の需要家側管理システム40と、事業所側管理システム10から送信された顧客データと、需要家側管理システム40から無線送信された計量データと、による検針データを登録する検針員側管理システム20と、を備え、事業所側管理システム10は、検針員側管理システム20から読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行うような自動検針システム1とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルカメラを介した自動検針装置や無線通信を用いて遠隔箇所から計量器に対する自動検針を行う自動検針システムに関する。
【背景技術】
【0002】
点在する住宅や集合住宅の各需要家、あるいは工場敷地内等の分散したエリアに配設される計量器として、例えば、電力量計がある。電力会社では、各管内多数の需要家ごとに電力量計を配設して、需要家の消費電力を検針して電気料金を徴収している。電力量計の検針は、検針員が定期的に計量値を読み取って集計する方法が採られている。
【0003】
工場敷地内等の分散したエリアにおける検針員による計測では、広範囲にわたる多数の電力量計を同一時に限られた人数で、目視読み取り、帳票記載、集計等をしなければならず、多大な負担となり、検針員の錯誤や注意不足等のため、誤認、誤記が併発することがあった。
それと、電力量計の検針が必ずしも容易にできない場合があった。例えば、敷地内での犬の放し飼い、オートロックマンション、屋内設置や計器盤内収納、あるいは積雪などのため直接目視検針できない、という場合である。
また、特に、都市部においては、機能の集中化、防犯化、防災化に伴い施設の集積化と相俟って、電力設備が屋上設置のキュービクルや地下電気室等、比較的建屋のデッドスペースとなりやすい劣悪な位置に配置されることが多くなっている。
電力会社従業員は、電力設備の巡回/点検はもとより、検針についても電力量計本体に容易に近づきにくい不便な業務を強いられることになる。
【0004】
検針データ処理の高速化と省力化をはかるため、センタ側と、パルス発信器付電力量計と接続する検針端末を設置した複数の子局側とで、搬送信号あるいは無線信号を介して指令/応答信号を交信する自動検針システムが本発明の特許出願人により特許文献1(特許公報第3202005号、発明の名称「電力用自動検針システム」)として提案されている。
それと、直接目視検針できないような各種メータ指針値に対し、そのメータに端末装置を付設して無線通信を用いることにより、離れた場所から確実に読み取って巡回/検針業務の省力化を図ることができる無線検針システムが先行技術として知られている。無線検針システムの従来技術として例えば特許文献2(特許公報第3264642号,発明の名称「無線検針に使用する通信方式とこれを実施した無線検針システム」)に記載のものが知られている。
【0005】
この従来技術はメータに接続される無線子局が間欠動作を行いながら親局装置の送信する識別信号を認識することにより回線確立を行う信号認識方式において、システム固有の周期信号を使用し、無線子局がこのシステム固有の周期信号を検出することにより、自システム内の有意通信であるか否かを認識し、システム固有の周期信号に後続する個別のアドレス信号を認識することにより、自局に対する通信要求であるか否かの認識を段階的に行うことにより、必要最小限の時間内に回路の動作を限定する、というものである。
【0006】
【特許文献1】特許第3202005号公報
【特許文献2】特許第3264642号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の電力用自動検針システムを構築する際に、多数の検針端末とパルス発信器付電力量計を必要として、コストアップの要因の一つとなっている。
それと、従来技術の無線検針システムでは特定小電力無線通信を用いた場合には、100m〜300mの通信可能距離を有するものの、端末装置間が直線上障害物のない位置条件に限定されていた。つまり、一般検針業務を行う際に見通せる場所等通信上の制約があった。このような問題は特許文献2に記載の無線検針システムでも同様の制約があった。
【0008】
また、無線検針システムを構築するためには、現状のシステムの急激な変更の回避およびコスト低減のため、従来より用いているシステムを活用したいという事情もあった。例えば現状用いている営料システムでは、クレードルを介して営料端末とハンディターミナルとを接続しているが、営料システムおよび営料端末を今後も使用するため、ハンディターミナルを用いたり、あるいはハンディターミナルを用いない場合であっても、営料端末へデータを読み込ませるため光磁気媒体など限られた外部装置を用いざるを得ないという事情があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、工場敷地内等の分散したエリアに広範囲にわたり多数設置される電力量計、防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できるような自動検針システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る自動検針システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データをとりこむ自動検針装置を用いた需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムからとりこまれた計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
前記自動検針装置は、
検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマークが付されて識別番号および計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるようになされた計量機器に対し、枠あるいはマークとともに計量値および計量機器を識別する識別番号を同一画面に撮像して画像データを出力するディジタルカメラと、
ディジタルカメラの画像データを入力し、撮像画像に含まれる枠あるいはマークに基づいて判読して文字データによる計量値と識別番号を生成する画像処理部と、
画像処理部からの撮像画像、計量値および識別番号を、需要家の氏名とともに記憶する記憶部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を表示する表示部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を印刷する出力部と、
を備えて需要家に配設された計量機器の計量値を集中管理し、自動的に検針処理を行い、
事業所側管理システムは、
検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る自動検針システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データをとりこむ自動検針装置を用いた需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムからとりこまれた計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
前記自動検針装置は、
検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマークが付されて識別番号および計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるようになされた計量機器に対し、枠あるいはマークとともに計量値および計量機器を識別する識別番号を同一画面に撮像して画像データを出力するディジタルカメラと、
ディジタルカメラから出力された画像データを用いて検針処理を行うコンピュータと、
ディジタルカメラとコンピュータとを接続するデータ伝送手段と、
を備えてコンピュータからディジタルカメラへ指令/応答信号を交信することによりディジタルカメラが画像データを送信するようになされ、
このコンピュータは、
ディジタルカメラの画像データを入力し、撮像画像に含まれる枠あるいはマークに基づいて判読して文字データによる計量値と識別番号を生成する画像処理部と、
画像処理部からの撮像画像、計量値および識別番号を、需要家の氏名とともに記憶する記憶部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を表示する表示部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を印刷する出力部と、
を備えてデータ伝送手段から出力された画像データを用いて需要家に配設された計量機器の計量値を集中管理し、自動的に検針処理を行い、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る自動検針システムは、
請求項2記載の自動検針システムにおいて、
データ伝送手段として、簡易形携帯電話(PHS)通信網を用いたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る自動検針システムは、
請求項2記載の自動検針システムにおいて、
データ伝送手段として、小電力無線通信を用いたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5に係る自動検針システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項6に係る自動検針システムは、
請求項5記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続されるクレードルと、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
ハンディターミナル(Handy Terminal)と、
ハンディターミナルと通信可能になされ、検針データベースを備えるPDA(Personal Digital Assistants)と、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
ハンディターミナルと通信可能になされ、検針データから生成された印刷データに基づいて印刷するプリンタと、
を有し、
前記検針員側管理システムと前記事業所側管理システムとは、前記検針員側管理システム側のハンディターミナルを前記事業所側管理システム側のクレードルに接続してデータの授受を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項7に係る自動検針システムは、
料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
顧客データベースおよび検針データベースを備え、顧客データベースから読み出した顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項8に係る自動検針システムは、
請求項7記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続され、光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置と、
光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う他の光磁気記憶媒体読み書き装置と、
他の光磁気記憶媒体読み書き装置と接続される一般業務PCと、
一般業務PCと接続され、メモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うメモリ媒体記憶装置と、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
検針データベースおよび顧客データベースを備え、メモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うPDAと、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
を有し、
前記検針員側管理システムのPDAと前記事業所側管理システムのメモリ媒体記憶装置とはメモリ媒体を介してデータの授受を行い、また前記事業所側管理システムの営料端末と一般業務PCとでは光磁気記憶媒体を介してデータの授受を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項9に係る自動検針システムは、
顧客データベースおよび検針データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて検針データを生成する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針データを検針員側管理システムから授受して検針データベースに登録し、検針データベースから読み出した検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項10に係る自動検針システムは、
請求項9記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続され、光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置と、
光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う他の光磁気記憶媒体読み書き装置と、
他の光磁気記憶媒体読み書き装置と接続され、検針データベースおよび顧客データベースを備える検針サーバと、
検針サーバと接続されるクレードルと、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
PDAと、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
を有し、
前記検針員側管理システムと前記事業所側管理システムとは、検針員側管理システム側のPDAを事業所側管理システム側のクレードルに接続してデータの授受を行い、また前記事業所側管理システムの営料端末と検針サーバとでは光磁気記憶媒体を介してデータの授受を行うことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項11に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項10の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記複数の需要家側管理システムのうちある需要家側管理システム付近にある前記検針員側管理システムとその需要家側管理システムとは特定小電力無線通信により直接的に無線通信され、
前記複数の需要家側管理システムのうち他の需要家側管理システム付近にある前記検針員側管理システムとその需要家側管理システムは一または複数の無線中継器を介して特定小電力無線通信により間接的に無線通信されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項12に係る自動検針システムは、
請求項11に記載の自動検針システムにおいて、
前記検針員側管理システムは、ある需要家側管理システムからの直接の通信と、ある需要家側管理システムからの無線中継器を介した間接の通信と、を同時に受信したときには受信したデータをキャンセルすることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項13に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項12の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記顧客データには計量器についての識別データが含まれており、前記検針員側管理システムは、予め選定された計量器についての識別データに基づいて検針対象とする計量器を特定し、その計量器を有する需要家側管理システムのみから計量データを取得して検針データを生成することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項14に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項13の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記需要家側管理システムは、前記検針データに加えて前記需要家側管理システムの点検に係る点検データを送信し、前記検針員側管理システムは点検データの内容を表示することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項15に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項14の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記需要家側管理システムは、
計量器に接続される無線子機を備え、
無線子機は、計量器とカレントループを介して通信することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項16に係る自動検針システムは、
請求項15に記載の自動検針システムにおいて、
識別データが他の需要家側管理システムの計量器を指す場合に無線子機は無線中継器として機能することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項17に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項16の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記計量器は電子式電力量計又は/及びパルス発振器付電力量計であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の自動検針システムによれば、電力量計、ガスメータ、水道メータ等計量機器の計量値を、ディジタルカメラで撮像し、集中管理し自動的に検針処理を可能としたことで、目視による読み取り、帳票記載での集計等、検針員の業務負担を低減できると共に、検針時の誤認、誤記等も併発することがなくなる。
また、本発明の自動検針システムによれば、防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の自動検針システムを実施するための最良の形態について図に基づき説明する。 まず、本発明の自動検針システムのなかで用いられる自動検針装置について説明する。図1は請求項1の発明に係る自動検針システムのなかで用いられる自動検針装置の概略構成を示す図であり、図2はその内部の構成を示すブロック図である。図1において、電力量計100は、需要家識別番号110(お客さま番号)が計量値を示す検針窓120の近傍に、例えば、テープ状のラベルにより貼り付けられている。この自動検針装置は、後に示す図5の自動検針システムの概略図のうち、主に、複数の需要家側管理システムを形成する際に適用される。
【0029】
検針員は、点在する住宅や集合住宅の各需要家、あるいは工場敷地内等に分散したエリアに配設された広範囲にわたる多数の電力量計100を巡回しながら、順次ディジタルカメラで計量値と識別番号を同一画面に撮像する。次いで、管理部門事務所などのセンタ側に持ち帰り、ディジタルカメラをコンピュータ(CPU)130と接続する。ここではフラッシュや自動焦点機能を有するディジタルカメラが使用されるので、撮像信号に対し、計量値と識別番号(数字とアルファベット)を鮮明化したり、気象変化による補正処理やノイズ除去処理をすることを不要としている。
【0030】
そして、ディジタルカメラの撮像信号は、CPU画像処理部で計量値と識別番号が抽出され、OCR機能により文字に変換される。次いで変換された文字データが一括収集され、記憶部で記憶されると共に、変換データを図1の画面イメージのように、識別番号に対応した計量値を画面表示したり、印刷出力の処理をする。図示例では、識別番号に対応した需要家の氏名がファイルから呼び出されて表示される他、今回の計量値と前回の計量値から使用量が算出され表示されている。
【0031】
図2は、同じく請求項1の発明に係る自動検針システムのなかで用いられる自動検針装置の内部の構成を示すブロック図である。図において、電力量計100(撮像対象計量機器210)の計量値と識別番号が、ディジタルカメラ220により撮像され、その撮像信号がセンタ側のコンピュータ(CPU)230の入力部231に入力される。CPU230の画像処理部232では、例えば複合類似度法やマッチング法等により、計量値と識別番号を認識対象文字と辞書(参照文字)との類似度の高低で認識し文字変換している。画像処理部232は、辞書収納部233と画素領域の閾値比較判断部234とから構成されている。画像処理部232の処理結果は、記憶部236に記憶されてから表示部235に表示され、さらに出力部237から印刷出力される。
【0032】
又、電力量計100の計量値各桁の繰り上がり途中、つまり前数字下部と後数字上部各々半々の指示値状態で撮像された場合、画素領域の閾値比較や指示値固有の回転数字連続性等により、計量値を判断している。これらの判断方法は特開平7−325880号公報等により公知であるので詳細な説明は省略する。また、ディジタルカメラ220で電力量計100(撮像対象計量機器210)を撮像する際に、撮像対象との遠近や方向等の条件の違いにより、計量値と識別番号の大きさや撮像角度が異なり誤認識や認識不可となることがある。そのため、識別番号が計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるように、ディジタルカメラ220の撮像範囲の目安として、検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマーク(図示せず)を設けている。
【0033】
又、センタ側とディジタルカメラとの間にデータ伝送手段を備え、撮像信号を遠隔の管理部門事務所などで一括集中管理するセンタ側へ伝送すれば、リアルタイムに検針処理が行える。データ伝送手段としては、PHS通信網を利用することが可能である。特に、検針員は画像送信機能を備えたPHS通話機に、ディジタルカメラを直結して、その場からセンタ側へ撮像信号を伝送することもできる。こうして、検針員は、計量機器の計量値と識別番号をディジタルカメラで撮像することにより、目視による読み取り、帳票記載、集計等から解放され、誤認、誤記を併発することがなくなる。なお、本発明は、電力量計に限らず、ガスメータや水道メータ等の回転式カウンタ文字メータの検針はもとより、指示計器や記録計の指針表示等の監視に適用できることは言うまでもない。
【0034】
次に、不特定多数の人間の立ち入りが制限される工場敷地内に分散した各エリア等の広範囲にわたり多数配設される電力量計100の計測例として、コンピュータを設置したセンタ側から、子局側と指令/応答信号を交信することにより、子局側に配設された計量機器の計量値を集中管理して自動的に遠隔検針処理を行う自動検針装置に、ディジタルカメラを用いた場合について説明する。図3は、請求項2の発明に係る自動検針システムのなかで用いられる自動検針装置の実施形態の概略構成を示す図である。センタ側は複数の子局側との信号伝送が可能であるが、図示例では、便宜上一組のセンタ側と子局側でのPHS通信網を介した構成例としている。図4はセンタ側及び子局側に設けたインターフェイス交換器のブロック図を示す。
【0035】
センタ側は、全エリア管理部門に設置されたメインコンピュータ230と主変電所(図示せず)や各エリア事務所等に設置されたサブコンピュータ240,250等が、LAN(Local Area Network)で結ばれており、サブコンピュータ240,250からのリモートコントロールでメインコンピュータ230と同一処理を実行することが可能であり、各エリア毎に使用電力量を把握し管理できるようにしている。そしてネットワーク回線から分岐して、データ変換を行い信号中継するインターフェイス交換器270を設置している。図4に示すように、インターフェイス交換器270は、無線通信手段としてPHS通信網を介して子局側と接続するPHSアダプタ通信用コネクタを内蔵しており、PHS通話機を備えたアダプタが付属している。
【0036】
図4において、271はCPUであり、272がセンタ装置用のコネクタであり、273,274がディジタルカメラが接続される端末機器用コネクタであり、275がPHSアダプタ通信用コネクタ、276がPHSアダプタ電源用コネクタである。また、277,278,280がインターフェイス、279が選択回路、281がメモリ制御部、282がEEPROM、283がLED制御部、284が電源監視部、285,286が電源回路、287がジャンパ接続端子、288,289がLED表示部、290が装置電源用コネクタである。
【0037】
一方、図3の子局側にも、データ変換を行い信号中継するインターフェイス交換器260を設置し、電力量計100(撮像対象計量機器210)を撮像するディジタルカメラ220と通信線で接続している。又、インターフェイス交換器260にもPHSアダプタ通信用コネクタを内蔵しており、PHS通話機を備えたアダプタを付属し、PHS通信網を介して信号伝送可能としている。そして、センタ側からの指令に応じて、撮像対象とする電力量計100のディジタルカメラ撮像信号が子局側インターフェイス交換器260に入力され、センタ側のインターフェイス交換器270を介して、センタ側のCPUに伝送される。
【0038】
その他に、この実施形態は、撮像対象の計量機器側に計量機器を特定する識別番号を備え、ディジタルカメラ220により撮像された撮像信号から計量値と識別番号を判読する画像処理部と、画像処理部からの判読結果を記憶する記憶部と、判読結果を一括収集し、識別番号に対応した計量値をリアルタイムに画面表示する表示部と、それらを印刷出力する出力部とを備えており、これらは図2の実施形態と同じ構成である。
【0039】
こうして、センタ側と子局側との間にPHS通信網を介することで、新たに通信線を敷設することなく検針情報収集の遠隔制御が行える。また、データ伝送手段としては、上述のPHS通信網に限定されるものでは無く、既設通信設備のRS485回線、RS282C回線あるいは配電線搬送を流用することも可能である。無線通信もPHS通信範囲外のエリアでは、電波法に低触しない小電力無線通信の各種通信方式を採用したり、それらを組み合わせたりして、需要家の立地条件や通信設備、電力設備等の固有の設備状態に相応しい信号伝送手段を選定できる。
【0040】
更に、この自動検針装置は、後に示す図5自動検針システム概略図のうち、例えば、センタ側として検針員側管理システムにコンピュータを設置し、子局側として複数の需要家側管理システムに配設された計量機器に対応させ、指令/応答信号を交信することにより、子局側の計量値を集中管理して自動的に遠隔検針処理を行い、事業所側管理システムともネットワークして、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理に適用してもよい。
【0041】
次に、本発明の自動検針システムを実施するための最良の形態について、小電力無線通信方式を採用した第二の実施例として、図に基づき説明する。図5は本形態の自動検針システムの概略図である。図6は無線子機(無線中継機)の外観説明図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は右側面図である。図7は無線子機(無線中継機)の内部ブロック図である。図8はデータの説明図であり、図8(a)は顧客データの説明図、図8(b)は検針データの説明図である。
【0042】
自動検針システム1は、図5で示すように、事業所側管理システム10、検針員側管理システム20、無線中継器30、需要家側管理システム40を備えている。
事業所側管理システム10は、さらに営料端末11、顧客データベース12、クレードル13を備えている。
営料端末11は、従来より用いられている営料システムの端末であって、ネットワーク等を介して接続されており、営業所やお客さまサービスセンター等に設けられたコンピュータ(営料コンピュータ)である。
顧客データベース12は、後述するが顧客に関するデータベースであり、例えば、外部のデータベースサーバに構築されていたり、営料端末11内のハードディスク上に構築されている。
クレードル13は、スタンド型の拡張機器であり、後述するハンディターミナル21をクレードル13に載せるだけで営料端末11とハンディターミナル21とをデータを通信可能に接続することができる。またハンディターミナル21を充電する。
【0043】
検針員側管理システム20は、ハンディターミナル(H/T)21、PDA22、検針データベース23、通信アダプタ24、プリンタ25を備えている。検針員側管理システム20は、従来では目視により計量器の指針を読み取っていた検針作業に代えて、特定小電力無線通信により遠隔で取得するような無線検針を実現する。また、事業所、個人宅等需要家先現場では、現状と同様に目視の検針作業を行うこともできる。このうちハンディターミナル21、プリンタ25、検針票用紙、バッテリ(図示せず)等は手検針携行品であり、また、PDA22、通信アダプタ24、バッテリ(図示せず)等は無線検針携行品となる。
【0044】
ハンディターミナル(H/T)21は、従来より用いられている営料システムのターミナルであって、顧客データと検針データとに基づいて検針票用紙に印刷する印刷データを生成する。手検針を行うためにはハンディターミナル(H/T)21とプリンタ25とがあれば良い。
PDA22は、ハンディターミナル(H/T)21と通信できるようになされている。後述するが、顧客データと計量データとに基づいて検針データを生成する。
検針データベース23は、PDA22内の記憶部に構築されており、検針データを登録する。
通信アダプタ24は、PDA22に接続されており、通信アダプタ24を介してPDA22は外部と通信する。
プリンタ25は、ハンディターミナル(H/T)21と通信可能になされており、図示しない検針票用紙もセットされている。印刷データを受信すると、検針票用紙に対して印刷する。
【0045】
無線中継機30は、図6の三面図でも示すように、本体31、アンテナ32を備える。本体31は、硬質プラスチック製ボックスに一体収納して携帯可能に形成している。プラスチックとしては、ABS(アクリロニトル・ブタジェン・スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)など、価格、形成加工処理、耐荷重、コストを考慮して適宜選択すればよい。
【0046】
本体31の内部は、さらに図7で示すように、CPU部33、記憶部34、識別データ設定部35、I/Oインターフェース部36、送受信部37、中継器38、電源装置39を備える。電源装置39は建屋のコンセントから供給される交流電力を電源入力部39aを介して入力し、AC/DC変換部39bにより直流電源が生成され、各部に供給される。各構成要素に電力を供給してもよいし、蓄電池等内蔵し直流電源から直接供給するようにしてもよい。
【0047】
また、アンテナ32、送受信部37、中継器38、CPU部33により無線通信を行う。さらにCPU部33、I/Oインターフェース部36により有線通信を行う。記憶部34は、各種データを保存したり、プログラムが搭載されている。識別データ設定部35は、無線中継器30や無線子機41として一意に決定するための識別データを設定する。なお、信号処理等の詳しい動作については後述する。
【0048】
需要家側管理システム40は、図5に示すように、無線子機41、計量器42を備えている。
無線子機41は、詳しくは図6,図7の無線中継器30と同じ構成であるが、I/Oインターフェース部36に計量器42がケーブルを介して接続される。I/Oインターフェース部36は通信するための各種種類のインターフェースであり、本形態ではカレントループ用のインターフェースを含む。
計量器42は、需要家に設置している電力量計(以下、電子式、誘導式、パルス発振器付、計器用変圧器と変流器との組合せ計量器その他あらゆる形態の電力量計を含む。例えば、電子式電力量計やパルス発振器付電力量計)である。計量器42は計量データを出力し、無線子機41が計量データを無線送信する。なお、無線子機41と計量器42とはカレントループを介して通信する。
自動検針システム1はこのような構成である。
【0049】
続いて、自動検針システム1による検針について説明する。
検針員は現場へ出向く前に、ハンディターミナル21に対して、検針予定となっている顧客についての顧客データをダウンロードしておく。クレードル13にハンディターミナル21を載置し、営料端末11を操作して顧客データベース12から検針予定となっている顧客についての顧客データを読み出し、営料端末11がこの顧客データをハンディターミナル21に書き込む。検針区域が異なる複数の検針員別に複数のハンディターミナル21に対し適切な顧客データを振り分ける。このようにして、ハンディターミナル21には、当該検針員の当日分の顧客データだけが格納される。
【0050】
顧客データは、例えば、図8(a)で示すように、識別データ、経路データ、氏名データ、住所データ、契約内容データを含む。図8(a)では横一列に並ぶデータが、ある計量器について関連するデータである。このような顧客データの利用方法については後述する。ハンディターミナル21はさらに顧客データをPDA22へ送信する。このようにハンディターミナル21やPDA22には顧客データが入力されているため、検針員は現場へ出向く前や現場での入力作業を不要としている。
【0051】
続いて、自動検針を行うことになる。例えば、検針対象である需要家側管理システム40が構築されている需要家の付近まで来て、PDA22上で顧客データの中の氏名データ、住所データから氏名・住所を表示させ、検針対象の需要家であるか否かを確認する。検針員が検針対象の需要家であることを確認した上で予め定められた最適な立ち位置にて検針開始ボタンを押下すると、PDA22は顧客データの中の識別データを読み出し、通信アダプタ24に識別データを含む読み出しコマンドを送信する。この識別データとして、一意の計量器文字コードや計量器番号などを用いることができる。通信アダプタ24は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変調して送信する。
【0052】
図7に示す無線子機41では特定小電力の無線信号をアンテナ32で受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し、中継器38を経てCPU部33へ識別データを含む読み出しコマンドを入力する。そして識別データが自らに割り当てられて識別データ設定部35にて設定された識別データと同じか否かについて比較し、異なっていれば読み出しコマンドを破棄し、同じであれば、CPU部33はI/Oインターフェース部36およびケーブルを介してカレントループにより読み出しコマンドを計量器42へ送信する。
【0053】
計量器42はその時点の電力量についての計量データを生成して返信する。無線子機41のCPU部33はケーブルおよびI/Oインターフェース部36を介して計量データを取得する。無線子機41では計量データを、中継器38を経て送受信部37へ送信し、送受信部37は特定小電力の無線信号に変調してアンテナ32から無線送信する。
通信アダプタ24では特定小電力の無線信号を受信後に復調して、計量データを生成する。そして計量データをPDA22へ送信する。
【0054】
PDA22は、検針についての各種情報を表す検針データを計量器42別に生成する。この検針データはPDA22にて表示される。検針データは、例えば、図8(b)のように、経路データ、検針態様データ、検針値データ、検針結果データ、検針票データが登録される。検針態様データにより直接検針か自動検針かいずれであるかが判別できるため、検針員が直接検針か自動検針かいずれであるか判別できないという事態の発生を防止する。検針結果データにより検針終了か未検針かいずれであるかが判別できるため、検針忘れを防止する。検針票データにより印刷したか未印刷かいずれであるかが判別できるため、検針票の印刷忘れや配布忘れを防止する。図8(b)では横一列に並ぶデータが、ある計量器について関連するデータである。
これら検針データは、複数ある需要家側管理システム40の計量器別に決定される。検針データベース23では、表形式で保存される。この場合、顧客データの計量器データを主キーとして検針データを生成すれば、顧客データと検針データとは、照合しやすいデータとなる。このような検針データはPDA22に蓄積されるため、次回検針時等に参照することも可能となる。
【0055】
さらに、この特定の検針データをハンディターミナル21へ送信すると、ハンディターミナル21は、検針データおよび対応する顧客データに基づいて検針票用紙に印刷する印刷データを生成する。印刷データはプリンタ25へ送信される。
プリンタ25は、印刷データを受信すると、図示しない検針票用紙に対して印刷する。検針員は印刷した検針票をプリントアウトし、需要家宅に投函してもよい。
【0056】
PDA22は検針データをハンディターミナル21へ送信した後に印刷状態等も含む最終的な検針データを登録する。たとえば、図8(b)の表における計量器2については経路データ・検針態様データから直接送受がなされた直接検針であり、検針値はb[kWh]で検針終了し、検針票も印刷済みであるような検針データが上書き登録される。
以下、同様にして多数ある需要家側管理システム40を回って検針を行っていく。
【0057】
なお、ある需要家側管理システム40では、直線上障害物を回避するため、無線中継器30を介して通信する場合がある。この点について説明する。なお、通信アダプタ24、無線中継器30および無線子機41間で通信する以外は上記検針作業は同じであり、重複する説明を省略する。
【0058】
検針対象である需要家側管理システム40が構築されている需要家の付近まで来て、PDA22上で顧客データの中の氏名データ、住所データから氏名・住所を表示させ、検針対象の需要家であるか否かを確認する。検針対象の需要家であることを確認した場合、検針員が予め定められた最適な立ち位置にて検針開始ボタンを押下すると、PDA22は顧客データの中の識別データを読み出し、通信アダプタ24に識別データを含む読み出しコマンドを送信する。この識別データとして、計量器文字コードや計量器番号などを用いることができる。通信アダプタ24は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変調して送信する。
【0059】
無線中継器30では、図7で示すように、アンテナ32で受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し中継器38へ送信する。しかしながら、識別データ設定部35で特別な識別データを設定すること(あるいは図示しないディップスイッチを設定すること)で無線中継器30として設定されている場合、CPU部33は中継器38を制御して中継器38が読み出しコマンドをそのまま送受信部37へ送信して、送受信部37は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変調してアンテナ32を介して送信する。
【0060】
無線子機41では特定小電力の無線信号をアンテナ32で受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し、中継器38を経てCPU部33へ識別データを含む読み出しコマンドを入力する。そして識別データが自らに割り当てられて識別データ設定部35にて設定された識別データと同じか否かについて比較し、異なっていれば読み出しコマンドを破棄し、同じであれば、読み出しコマンドを計量器42へ送信する。
【0061】
計量器42はその時点の電力量についての計量データを生成して送信する。無線子機41では計量データを、中継器38を経て送受信部37へ送信し、送受信部37は特定小電力の無線信号に変調してアンテナ32から無線送信する。
無線中継器30ではアンテナ32で受信して、送受信部37にて計量データを復調し中継器38へ送信する。中継器としての設定のため、CPU部33は中継器38を制御し、中継器38が読み出しコマンドを送受信部37へ送信させ、送受信部37は計量データを特定小電力の無線信号に変調してアンテナ32を介して送信する。
通信アダプタ24では特定小電力の無線信号を受信後に復調して、計量データを生成する。そして計量データをPDA22へ送信する。以下同様の処理が行われる。
このように無線中継機30を用いたり、また、検針員が適宜ポジションを確保することで、最小個数の中継装置配設で障害物回避が可能となり、部品点数も低減できる。
【0062】
さて、全ての検針が終了したとき、確定した検針データが検針データベース23に蓄積されている。この検針データベース23に蓄積された最終的な検針データをハンディターミナル21へ送信しておく。
検針員は事業所まで戻ってきた後で、クレードル13にハンディターミナル21を載置し、営料端末11を操作して検針データを読み出して検針データを営料端末11に取り込む。営料端末11はこの検針データを用いて料金計算や経理処理などを行うこととなる。
【0063】
このような自動検針システムでは、直線上障害物があるような場合でも通信可能となり、業務の省力化を実現する。
また、自動検針システムを構築する際に、現状使用している、クレードルを介して営料端末とハンディターミナルとを接続する営料システムを活用することで、現状のシステムの大幅な変更の回避およびコスト低減を実現している。
このように防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムとしている。
【0064】
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図9は他の形態の自動検針システムの概略図である。自動検針システム2は、図9で示すように、事業所側管理システム10’、検針員側管理システム20’、無線中継器30、需要家側管理システム40を備えている。
この形態では、先に図5〜図8を用いて説明した自動検針システム1と比較すると、事業所側管理システム10’、検針員側管理システム20’の構成を代えている点が相違する。なお、無線中継器30、需要家側管理システム40については同様であるとして重複する説明を省略する。
【0065】
この自動検針システム2は、PDA22が顧客データベース26および検針データベース23を備えて顧客データおよび検針データを管理し、検針データをメモリ媒体であるメモリカード50に出力する方法である。使用できる外部記憶装置はPDA22がメモリカード50、営料端末11はMO60のため、通常のパソコンである一般業務PC15によりメモリカード50の検針データをMO60に書き込むメディア変換を行い、MO60を介して営料端末11へ検針データを読み込ませる。
【0066】
事業所側管理システム10’は、さらに営料端末11、MOドライブ14、一般業務PC15、メモリカードリーダ/ライタ16を備えている。
営料端末11は、先の説明と同様であるが営業所やお客さまサービスセンター等に設けられたコンピュータ(営料コンピュータ)である。
MOドライブ14は、光磁気記憶媒体であるMO60に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置である。MOドライブ14は二台あり、一方は営料端末11と接続され、他方は一般業務PC15と接続される。
一般業務PC15は、通常のパーソナルコンピュータである。
メモリカードリーダ/ライタ16は、一般業務PC15と接続され、メモリカード50というメモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うようなメモリ媒体記憶装置である。
【0067】
検針員側管理システム20’は、PDA22、検針データベース23、通信アダプタ24、顧客データベース26を備えている。
PDA22、通信アダプタ24、バッテリ(図示せず)等は無線検針携行品となる。これにより、検針員側管理システム20’は、従来では目視により計量器の指針を読み取っていた検針作業に代えて、特定小電力無線通信により遠隔で取得する無線検針を実現する。また、事業所、個人宅等需要家先現場では、現状と同様に目視による検針作業とすることもできる。
【0068】
PDA22は、メモリカード50というメモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うことができる。
検針データベース23は、PDA22内の記憶部に構築されており、検針データを登録する。
通信アダプタ24は、PDA22に接続されており、通信アダプタ24を介してPDA22は外部と通信する。
顧客データベース26は、PDA22内の記憶部に構築されており、顧客データを登録する。
【0069】
続いて、自動検針システム2による検針について説明する。
PDA22には顧客データが入力されているため、検針員は現場へ出向く前や現場における入力作業を不要としている。顧客データが変更となった場合(営料端末11の顧客データが変更された場合)は、逐次PDA22の顧客データも一致させるためメモリカード50を介してデータを読み込んで更新する。
【0070】
続いて、無線検針を行うことになる。例えば、検針対象である需要家側管理システム40が構築されている需要家の付近まで来て、PDA22上で顧客データの中の氏名データ、住所データから氏名・住所を表示させ、検針対象の需要家であるか否かを確認する。検針員が検針対象の需要家であることを確認した上で予め定められた最適な立ち位置にて検針開始ボタンを押下すると、PDA22は顧客データの中の識別データを読み出し、通信アダプタ24に識別データを含む読み出しコマンドを送信する。この識別データとして、計量器文字コードや計量器番号などを用いることができる。通信アダプタ24は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変調して送信する。
【0071】
無線子機41では、図7で示すように、特定小電力の無線信号をアンテナ32で受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し、中継器38を経てCPU部33へ識別データを含む読み出しコマンドを入力する。そして識別データが自らに割り当てられて識別データ設定部35にて設定された識別データと同じか否かについて比較し、異なっていれば読み出しコマンドを破棄し、同じであれば、読み出しコマンドを計量器42へ送信する。計量器42はその時点の電力量についての計量データを生成して送信する。無線子機41では計量データを特定小電力の無線信号に変換して送信する。
通信アダプタ24では特定小電力の無線信号を受信後に復調して、計量データを生成する。そして計量データをPDA22へ送信する。
【0072】
PDA22は、検針についての各種情報を表す検針データを計量器42別に生成する。この検針データはPDA22にて表示される。検針データは、例えば、図8(b)のように、経路データ、検針態様データ、検針値データ、検針結果データ、検針票データが登録される。このように検針データは計量器について纏められたデータである。これら検針データは、複数ある需要家側管理システム40の計量器42別に決定される。検針データベース23では、表形式で保存される。この場合、顧客データの計量器データを主キーとして検針データを生成すれば、顧客データと検針データとは、照合しやすいデータとなる。
【0073】
PDA22は検針データを検針データベース23に登録する。無線検針による検針データはPDA22に蓄積し、次回検針時に参照できる。
本形態では、さらに印刷機能を持たせたPDA22を採用すれば、PDA22により検針時に検針票をプリントアウトし、需要家宅に投函してもよい。
なお、ある需要家側管理システム40では、直線上障害物を回避するため、無線中継器介して通信するが、それは先に説明した通信方式と同じであり、重複する説明を省略する。以下、同様にして多数ある需要家側管理システム40を回って検針を行っていく。
【0074】
そして全ての検針が終了したとき、確定した本日分の検針データが検針データベース23に蓄積されている。
この検針データベース23に蓄積された検針データから本日分の検針データを一般業務PC15が読み込める形式で、メモリカード50に出力する。検針員は事業所まで戻ってきた後で、PDA22からメモリカード50を取り出してメモリカードリーダ/ライタ16に接続して一般業務PC15に検針データを読み込ませる。そして、メモリカード50から読み出された検針データの内容をそのままMOドライブ14によりMO60へコピーする。メディア変換に使用する一般業務PC15は通常のパソコンでよい。そして、営料端末11に接続されたMOドライブ14にMO60をセットし、営料端末11を操作して検針データを読み出して検針データを営料端末11に取り込む。営料端末11はこの検針データを用いて料金計算や経理処理などを行うこととなる。
なお、メモリカード50の検針データをMOにコピーする際一般業務PC15という通常のパソコンを使用しているが、ファイルコピーに特化した装置(メモリカードバックアップ装置)で代替してもよい。
【0075】
このような自動検針システムでは、直線上障害物があるような場合でも通信可能となり、業務の省力化を実現する。
また、自動検針システムの構築に際し、現状使用している営料端末を用いる営料システムを活用することにより、現状のシステムの急激な変更の回避およびコスト低減を実現している。
このように防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムとしている。
【0076】
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図10は他の形態の自動検針システムの概略図である。自動検針システム3は、事業所側管理システム10”、検針員側管理システム20”、無線中継器30、需要家側管理システム40を備えている。
この形態では、先に図5〜図8を用いて説明した自動検針システム1と比較すると、事業所側管理システム10”、検針員側管理システム20”の構成を代えている点が相違する。なお、無線中継器30、需要家側管理システム40については同様であるとして重複する説明を省略する。
【0077】
この自動検針システム3は、検針サーバ17が顧客データベース12および検針データベース18を備えて顧客データおよび検針データを管理し、検針サーバ17を中核に、PDA22への顧客データの格納やMO60への検針データの格納を行う方法である。検針サーバ17は専用のパソコンで、PDA22とはクレードル19を介してデータの授受を行う。
【0078】
事業所側管理システム10”は、さらに営料端末11、顧客データベース12、MOドライブ14、検針サーバ17、検針データベース18、クレードル19を備えている。
営料端末11は、先の説明と同様であるが営業所やお客さまサービスセンター等に設けられたコンピュータ(営料コンピュータ)である。
顧客データベース12は、検針サーバ17内のハードディスク等の記憶部に構築されており、顧客データを登録する。
MOドライブ14は、光磁気記憶媒体であるMO60に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置である。MOドライブ14は二台あり、一方は営料端末11と接続され、他方は検針サーバ17と接続される。
検針サーバ17は、通常のパーソナルコンピュータであるが、特に検針に関するデータ処理を行うように特化されている。
検針データベース18は、検針サーバ17内のハードディスク等の記憶部に構築されており、検針データを登録する。
クレードル19は、スタンド型の拡張機器であり、後述するPDA22をクレードル19に載せるだけで営料端末11とPDA22とをデータを通信可能に接続することができる。またPDA22を充電する。
【0079】
検針員側管理システム20”は、PDA22、通信アダプタ24を備えている。
PDA22、通信アダプタ24、バッテリ(図示せず)等は無線検針携行品となる。これにより、検針員側管理システム20”は、従来では目視により計量器の指針を読み取っていた検針作業に代えて、特定小電力無線通信により遠隔で取得する無線検針を実現する。また、事業所、個人宅等需要家先現場では、現状と同様に目視による検針作業とすることもできる。
【0080】
PDA22は、クレードル19に載置されて検針サーバ17と通信してデータの書き込み・読み出しを行うことができる。
通信アダプタ24は、PDA22に接続されており、通信アダプタ24を介してPDA22は外部と通信する。
【0081】
続いて、自動検針システム3による検針について説明する。
検針員は現場へ出向く前にPDA22に検針予定となっている顧客についての顧客データをダウンロードしておく。クレードル19にPDA22を載置し、検針サーバ17を操作して顧客データベース12から検針予定となっている顧客についての顧客データを読み出し、顧客データをPDA22に書き込む。検針区域が異なる複数の検針員別に複数のPDA22に対し適切な顧客データを振り分ける。このため、PDA22には、当該検針員の当日分の顧客データだけが格納される。PDA22には顧客データが入力されているため、検針員は現場へ出向く前や現場での入力作業を不要としている。
【0082】
続いて、無線検針を行うことになる。例えば、検針対象である需要家側管理システム40が構築されている需要家の付近まで来て、PDA22上で顧客データの中の氏名データ、住所データから氏名・住所を表示させ、検針対象の需要家であるか否かを確認する。検針員が検針対象の需要家であることを確認した上で予め定められた最適な立ち位置にて検針開始ボタンを押下すると、PDA22は顧客データの中の識別データを読み出し、通信アダプタ24に識別データを含む読み出しコマンドを送信する。この識別データとして、計量器文字コードや計量器番号などを用いることができる。通信アダプタ24は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変換して送信する。
【0083】
無線子機41では特定小電力のアンテナ32で無線信号を受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し、中継器38を経てCPU部33へ識別データを含む読み出しコマンドを入力する。そして識別データが自らに割り当てられて識別データ設定部35にて設定された識別データと同じか否かについて比較し、異なっていれば読み出しコマンドを破棄し、同じであれば、読み出しコマンドを計量器42へ送信する。計量器42はその時点の電力量についての計量データを生成して送信する。無線子機41では計量データを特定小電力の無線信号に変換して送信する。
通信アダプタ24では特定小電力の無線信号を受信して、計量データを生成する。そして計量データをPDA22へ送信する。
【0084】
PDA22は、計量器別に検針についての各種情報を表す検針データを生成する。検針データは、例えば、図8(b)のように、経路データ、検針態様データ、検針値データ、検針結果データ、検針票データが登録される。このように検針データは計量器について纏められたデータである。この検針データはPDA22にて表示される。これら検針データは、複数ある需要家側管理システム40別に決定される。検針データベース23では、表形式で保存される。この場合、顧客データの計量器データを主キーとして検針データを生成すれば、顧客データと検針データとは、照合しやすいデータとなる。このような検針データは検針が終わるまでPDA22に一時的に保存されることとなる。
【0085】
本形態では、さらに印刷機能を持たせたPDA22を採用すれば、PDA22により検針時に検針票をプリントアウトし、需要家宅に投函してもよい。
なお、ある需要家側管理システム40では、直線上障害物を回避するため、無線中継器を介して通信するが、それは先に説明した通信方式と同じであり、重複する説明を省略する。以下、同様にして多数ある需要家側管理システム40を回って検針を行っていく。
【0086】
そして全ての検針が終了したとき、確定した検針データがPDA22上で一時的に保存されている。検針員は事業所まで戻ってきた後で、クレードル19にPDA22を載置し、検針サーバ17を操作して検針データを読み出し、この検針データを検針サーバ17が取り込む。そして、検針サーバ17は、クレードル19を介してPDA22から読み出された検針データの内容をそのままMOドライブ14によりMO60へコピーする。メディア変換に使用する検針サーバ17は通常のパソコンでよい。そして、営料端末11に接続されたMOドライブ14にMO60をセットし、営料端末11を操作して検針データを読み出して検針データを営料端末11に取り込む。営料端末11はこの検針データを用いて料金計算や経理処理などを行うこととなる。
なお、検針サーバ17という通常のパソコンを使用しているが、検針サーバ17とは別にファイルコピーに特化した装置(メモリカードバックアップ装置)を準備してもよい。
【0087】
このような自動検針システムでは、直線上障害物があるような場合でも通信可能となり、業務の省力化を実現する。
また、自動検針システムの構築に際し、現状使用している営料端末を用いる営料システムを活用することで、現状のシステムの大幅な変更の回避およびコスト低減を実現している。
このように防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムとしている。
【0088】
続いて自動検針システム1,2,3における無線中継器30の処理について説明する。図11,図12,図13,図14は、無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
無線中継器30は、ある無線中継器30の通信可能な位置にある他の無線中継器30へ単に中継するというものである。
上記第1〜第3の形態では、一個の無線中継器30を採用して検針員側管理システム20(20’,20”)と需要家側管理システム40との間を中継するというものであった。これに加えて、さらに図11で示すようにPDA22・通信アダプタ24が複数の無線中継器30を介して長距離にわたり通信できるようにして、遠隔箇所にある無線子機41・計量器42と通信するようにしても良い。
【0089】
また、図12で示すように、ある一個の無線中継器30の通信範囲に複数の無線子機41・計量器42が入っている場合、PDA22・通信アダプタ24は両方の無線子機41・計量器42と通信するが、先に述べたように読み出しコマンドの中に含まれる識別データにより識別されるため、一対一での通信を可能としている。
【0090】
なお、集合住宅などでは、複数の需要家側管理システム40が近接して形成されることもあり、混信対策なども必要となってくる。例えば、図13で示すように、ある無線子機41から直接的に通信された読み出しコマンドと、同じ無線子機41から無線中継器30を介して間接的に通信された読み出しコマンドと、を検針員側管理システム20(20’,20”)で同時に受信したときには検針員側管理システム20(20’,20”)では両方のデータをキャンセルすることで誤動作を防止することが可能となる。そして検針員が検針員側管理システム20(20’,20”)を混信しない他の位置へ移動することで対処することができる。
【0091】
また、図14で示すように、マンションや団地のような多数の居室500がある集合住宅において、ある階(例えば6階)において複数の需要家側管理システム40が形成されていることもあり、多数の計量器42から効率的に検針データを取得したいという要請もある。そこで、無線子機41に中継機能も持たせて、例えばエレベータ600の前に検針員が立ち、PDA22を操作してある階における複数の需要家側管理システム40の顧客データを選択の上一回通信すれば全ての計量器から検針データを取得すれば効率的である。そこで、図7の識別データ設定部35にて設定し、自らの識別データに該当する場合は読み出しコマンドに応答して検針データを送信し、自らの識別データに該当しない場合は単に中継するような機能を持たせれば良い。
【0092】
このような無線子機41では、エレベータ600付近の通信アダプタ24から一番遠い箇所にある無線子機41を指定するような識別データも含めた読み出しコマンドを送信すると、隣接する無線子機は送信された識別データと自らの識別データとを比較して、異なっていれば破棄し、単に中継器として機能する。このようにして無線子機41間で順次送信していく。そして、一番遠い箇所にある無線子機41が送信された識別データと自らの識別データとを比較して、一致すれば計量器から計量データを読み出して送信する。そして、他の無線子機41は計量データを受信した場合は単に中継するようにして通信アダプタ24を介してPDA22まで送信される。そしてPDA22が識別データを変更して新しい読み出しコマンドを生成して通信により計量データを取得し、以下自動的に順次行っていけば一カ所で計量データを取得することも可能となる。このような機能を持たせても良い。この場合無線子機41も中継機能を有するものとして実現される。
【0093】
続いて、業務の省力化を実現するためのさらなる工夫について図を参照しつつ説明する。図15は点検データの説明図である。例えば、電力量計などの計量器42は配電線とほぼ直接に接がるので、雷サージなどの外乱の影響を受けやすい。先に説明したように、電子式電力量計などでは、内蔵する電子回路が微小な電力により動作するので、雷サージのような強力な信号が入ってくるとその影響で動作が乱れるおそれもあった。つまり、仮に回路部品の破損にいたらなくても、カウンタの計量値がリセットしたり、マイコンを使っているものではマイコンが暴走するおそれもある。さらには、地震や台風等の災害が発生して電力量計が設置されている家屋等が損傷して計量器42が強い衝撃を受けた場合なども異常を来すおそれがある。しかしながら、ここで問題にしている計量器42は容易に近づきにくい不便な箇所にあるため、検針員は、電力設備の巡回/点検がしにくくなっている。
【0094】
そこで、上記の自動検針システム1,2,3における計量器42のCPUあるいは無線子機41のCPUに自己点検するプログラム処理を定期的に行わせて、計量器42あるいは無線子機41の記憶部に計量器42・無線子機41(または中継器30)についての点検データを登録させておき、計量データを読み出しとともに点検データも付随させてPDA22に送ることで、簡易的な点検機能も持たせることができる。点検データは、例えば、図15で示すように、CPU異常、メモリ異常、カウンタ異常、積算値異常、無線中継器異常が発生しているか否かを表す各種データとし、PDA22が表示することで簡易的に点検を行えるようにすれば、本来の点検作業/巡回作業に加えて、異常発生の検知能力が高まり、電力設備の巡回/点検を容易にする。
【0095】
以上本発明の各種形態について説明した。本発明の自動検針システム1,2,3によれば、アクセスしにくい電力量計に対して無線通信可能な需要家側管理システムを構築し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで構築できるシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】自動検針装置の概略構成を示す図である。
【図2】自動検針装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図3】自動検針装置の実施形態の概略構成を示す図である。
【図4】インターフェイス交換器のブロック図を示す。
【図5】本発明を実施するための最良の形態の自動検針システムの概略図である。
【図6】無線子機(無線中継機)の外観説明図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は右側面図である。
【図7】無線子機(無線中継機)の内部ブロック図である。
【図8】データの説明図であり、図8(a)は顧客データの説明図、図8(b)は検針データの説明図である。
【図9】他の形態の自動検針システムの概略図である。
【図10】他の形態の自動検針システムの概略図である。
【図11】無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
【図12】無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
【図13】無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
【図14】無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
【図15】点検データの説明図である。
【符号の説明】
【0097】
100:電力量計(撮像対象計量機器)
110:需要家識別番号
120:検針窓
130:コンピュータ(CPU)
210:撮像対象計量機器
220:ディジタルカメラ
230:メインコンピュータ
240,250:サブコンピュータ
260,270:インターフェイス交換器
231:入力部
232:画像処理部
233:辞書収納部
234:画素領域の閾値比較判断部
235:表示部
236:記憶部
237:出力部
271:CPU
272:センタ装置用コネクタ
273,274:端末機器用コネクタ
275:PHSアダプタ通信用コネクタ
276:PHSアダプタ電源用コネクタ
277,280:RS232CI/F
278:RS485I/F
279:選択回路
281:メモリ制御部
282:EEPROM
283:LED制御部
284:電源監視部(WDT)
285,286:電源回路
287:ジャンパ
288,289:LED表示部
290:電源装置用コネクタ
1,2,3:自動検針システム
10,10’,10”:事業所側管理システム
11:営料端末
12:顧客データベース
13:クレードル
14:MOドライブ
15:一般業務PC
16:メモリカードリーダ/ライタ
17:検針サーバ
18:検針データベース
19:クレードル
20,20’,20”:検針員側管理システム
21:ハンディターミナル
22:PDA
23:検針データベース
24:通信アダプタ
25:プリンタ
26:顧客データベース
30:無線中継器
31:本体
32:アンテナ
33:CPU部
34:記憶部
35:識別データ設定部
36:I/Oインターフェース部
37:送受信部
38:中継器
39:電源装置
39a:電源入力部
39b:AC/DC変換部
40:需要家側管理システム
41:無線子機
42:計量器
50:メモリカード
60:MO
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルカメラを介した自動検針装置や無線通信を用いて遠隔箇所から計量器に対する自動検針を行う自動検針システムに関する。
【背景技術】
【0002】
点在する住宅や集合住宅の各需要家、あるいは工場敷地内等の分散したエリアに配設される計量器として、例えば、電力量計がある。電力会社では、各管内多数の需要家ごとに電力量計を配設して、需要家の消費電力を検針して電気料金を徴収している。電力量計の検針は、検針員が定期的に計量値を読み取って集計する方法が採られている。
【0003】
工場敷地内等の分散したエリアにおける検針員による計測では、広範囲にわたる多数の電力量計を同一時に限られた人数で、目視読み取り、帳票記載、集計等をしなければならず、多大な負担となり、検針員の錯誤や注意不足等のため、誤認、誤記が併発することがあった。
それと、電力量計の検針が必ずしも容易にできない場合があった。例えば、敷地内での犬の放し飼い、オートロックマンション、屋内設置や計器盤内収納、あるいは積雪などのため直接目視検針できない、という場合である。
また、特に、都市部においては、機能の集中化、防犯化、防災化に伴い施設の集積化と相俟って、電力設備が屋上設置のキュービクルや地下電気室等、比較的建屋のデッドスペースとなりやすい劣悪な位置に配置されることが多くなっている。
電力会社従業員は、電力設備の巡回/点検はもとより、検針についても電力量計本体に容易に近づきにくい不便な業務を強いられることになる。
【0004】
検針データ処理の高速化と省力化をはかるため、センタ側と、パルス発信器付電力量計と接続する検針端末を設置した複数の子局側とで、搬送信号あるいは無線信号を介して指令/応答信号を交信する自動検針システムが本発明の特許出願人により特許文献1(特許公報第3202005号、発明の名称「電力用自動検針システム」)として提案されている。
それと、直接目視検針できないような各種メータ指針値に対し、そのメータに端末装置を付設して無線通信を用いることにより、離れた場所から確実に読み取って巡回/検針業務の省力化を図ることができる無線検針システムが先行技術として知られている。無線検針システムの従来技術として例えば特許文献2(特許公報第3264642号,発明の名称「無線検針に使用する通信方式とこれを実施した無線検針システム」)に記載のものが知られている。
【0005】
この従来技術はメータに接続される無線子局が間欠動作を行いながら親局装置の送信する識別信号を認識することにより回線確立を行う信号認識方式において、システム固有の周期信号を使用し、無線子局がこのシステム固有の周期信号を検出することにより、自システム内の有意通信であるか否かを認識し、システム固有の周期信号に後続する個別のアドレス信号を認識することにより、自局に対する通信要求であるか否かの認識を段階的に行うことにより、必要最小限の時間内に回路の動作を限定する、というものである。
【0006】
【特許文献1】特許第3202005号公報
【特許文献2】特許第3264642号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の電力用自動検針システムを構築する際に、多数の検針端末とパルス発信器付電力量計を必要として、コストアップの要因の一つとなっている。
それと、従来技術の無線検針システムでは特定小電力無線通信を用いた場合には、100m〜300mの通信可能距離を有するものの、端末装置間が直線上障害物のない位置条件に限定されていた。つまり、一般検針業務を行う際に見通せる場所等通信上の制約があった。このような問題は特許文献2に記載の無線検針システムでも同様の制約があった。
【0008】
また、無線検針システムを構築するためには、現状のシステムの急激な変更の回避およびコスト低減のため、従来より用いているシステムを活用したいという事情もあった。例えば現状用いている営料システムでは、クレードルを介して営料端末とハンディターミナルとを接続しているが、営料システムおよび営料端末を今後も使用するため、ハンディターミナルを用いたり、あるいはハンディターミナルを用いない場合であっても、営料端末へデータを読み込ませるため光磁気媒体など限られた外部装置を用いざるを得ないという事情があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、工場敷地内等の分散したエリアに広範囲にわたり多数設置される電力量計、防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できるような自動検針システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る自動検針システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データをとりこむ自動検針装置を用いた需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムからとりこまれた計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
前記自動検針装置は、
検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマークが付されて識別番号および計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるようになされた計量機器に対し、枠あるいはマークとともに計量値および計量機器を識別する識別番号を同一画面に撮像して画像データを出力するディジタルカメラと、
ディジタルカメラの画像データを入力し、撮像画像に含まれる枠あるいはマークに基づいて判読して文字データによる計量値と識別番号を生成する画像処理部と、
画像処理部からの撮像画像、計量値および識別番号を、需要家の氏名とともに記憶する記憶部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を表示する表示部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を印刷する出力部と、
を備えて需要家に配設された計量機器の計量値を集中管理し、自動的に検針処理を行い、
事業所側管理システムは、
検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る自動検針システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データをとりこむ自動検針装置を用いた需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムからとりこまれた計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
前記自動検針装置は、
検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマークが付されて識別番号および計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるようになされた計量機器に対し、枠あるいはマークとともに計量値および計量機器を識別する識別番号を同一画面に撮像して画像データを出力するディジタルカメラと、
ディジタルカメラから出力された画像データを用いて検針処理を行うコンピュータと、
ディジタルカメラとコンピュータとを接続するデータ伝送手段と、
を備えてコンピュータからディジタルカメラへ指令/応答信号を交信することによりディジタルカメラが画像データを送信するようになされ、
このコンピュータは、
ディジタルカメラの画像データを入力し、撮像画像に含まれる枠あるいはマークに基づいて判読して文字データによる計量値と識別番号を生成する画像処理部と、
画像処理部からの撮像画像、計量値および識別番号を、需要家の氏名とともに記憶する記憶部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を表示する表示部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を印刷する出力部と、
を備えてデータ伝送手段から出力された画像データを用いて需要家に配設された計量機器の計量値を集中管理し、自動的に検針処理を行い、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る自動検針システムは、
請求項2記載の自動検針システムにおいて、
データ伝送手段として、簡易形携帯電話(PHS)通信網を用いたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る自動検針システムは、
請求項2記載の自動検針システムにおいて、
データ伝送手段として、小電力無線通信を用いたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5に係る自動検針システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項6に係る自動検針システムは、
請求項5記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続されるクレードルと、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
ハンディターミナル(Handy Terminal)と、
ハンディターミナルと通信可能になされ、検針データベースを備えるPDA(Personal Digital Assistants)と、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
ハンディターミナルと通信可能になされ、検針データから生成された印刷データに基づいて印刷するプリンタと、
を有し、
前記検針員側管理システムと前記事業所側管理システムとは、前記検針員側管理システム側のハンディターミナルを前記事業所側管理システム側のクレードルに接続してデータの授受を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項7に係る自動検針システムは、
料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
顧客データベースおよび検針データベースを備え、顧客データベースから読み出した顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項8に係る自動検針システムは、
請求項7記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続され、光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置と、
光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う他の光磁気記憶媒体読み書き装置と、
他の光磁気記憶媒体読み書き装置と接続される一般業務PCと、
一般業務PCと接続され、メモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うメモリ媒体記憶装置と、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
検針データベースおよび顧客データベースを備え、メモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うPDAと、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
を有し、
前記検針員側管理システムのPDAと前記事業所側管理システムのメモリ媒体記憶装置とはメモリ媒体を介してデータの授受を行い、また前記事業所側管理システムの営料端末と一般業務PCとでは光磁気記憶媒体を介してデータの授受を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項9に係る自動検針システムは、
顧客データベースおよび検針データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて検針データを生成する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針データを検針員側管理システムから授受して検針データベースに登録し、検針データベースから読み出した検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項10に係る自動検針システムは、
請求項9記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続され、光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置と、
光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う他の光磁気記憶媒体読み書き装置と、
他の光磁気記憶媒体読み書き装置と接続され、検針データベースおよび顧客データベースを備える検針サーバと、
検針サーバと接続されるクレードルと、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
PDAと、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
を有し、
前記検針員側管理システムと前記事業所側管理システムとは、検針員側管理システム側のPDAを事業所側管理システム側のクレードルに接続してデータの授受を行い、また前記事業所側管理システムの営料端末と検針サーバとでは光磁気記憶媒体を介してデータの授受を行うことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項11に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項10の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記複数の需要家側管理システムのうちある需要家側管理システム付近にある前記検針員側管理システムとその需要家側管理システムとは特定小電力無線通信により直接的に無線通信され、
前記複数の需要家側管理システムのうち他の需要家側管理システム付近にある前記検針員側管理システムとその需要家側管理システムは一または複数の無線中継器を介して特定小電力無線通信により間接的に無線通信されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項12に係る自動検針システムは、
請求項11に記載の自動検針システムにおいて、
前記検針員側管理システムは、ある需要家側管理システムからの直接の通信と、ある需要家側管理システムからの無線中継器を介した間接の通信と、を同時に受信したときには受信したデータをキャンセルすることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項13に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項12の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記顧客データには計量器についての識別データが含まれており、前記検針員側管理システムは、予め選定された計量器についての識別データに基づいて検針対象とする計量器を特定し、その計量器を有する需要家側管理システムのみから計量データを取得して検針データを生成することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項14に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項13の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記需要家側管理システムは、前記検針データに加えて前記需要家側管理システムの点検に係る点検データを送信し、前記検針員側管理システムは点検データの内容を表示することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項15に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項14の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記需要家側管理システムは、
計量器に接続される無線子機を備え、
無線子機は、計量器とカレントループを介して通信することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項16に係る自動検針システムは、
請求項15に記載の自動検針システムにおいて、
識別データが他の需要家側管理システムの計量器を指す場合に無線子機は無線中継器として機能することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項17に係る自動検針システムは、
請求項5〜請求項16の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記計量器は電子式電力量計又は/及びパルス発振器付電力量計であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の自動検針システムによれば、電力量計、ガスメータ、水道メータ等計量機器の計量値を、ディジタルカメラで撮像し、集中管理し自動的に検針処理を可能としたことで、目視による読み取り、帳票記載での集計等、検針員の業務負担を低減できると共に、検針時の誤認、誤記等も併発することがなくなる。
また、本発明の自動検針システムによれば、防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の自動検針システムを実施するための最良の形態について図に基づき説明する。 まず、本発明の自動検針システムのなかで用いられる自動検針装置について説明する。図1は請求項1の発明に係る自動検針システムのなかで用いられる自動検針装置の概略構成を示す図であり、図2はその内部の構成を示すブロック図である。図1において、電力量計100は、需要家識別番号110(お客さま番号)が計量値を示す検針窓120の近傍に、例えば、テープ状のラベルにより貼り付けられている。この自動検針装置は、後に示す図5の自動検針システムの概略図のうち、主に、複数の需要家側管理システムを形成する際に適用される。
【0029】
検針員は、点在する住宅や集合住宅の各需要家、あるいは工場敷地内等に分散したエリアに配設された広範囲にわたる多数の電力量計100を巡回しながら、順次ディジタルカメラで計量値と識別番号を同一画面に撮像する。次いで、管理部門事務所などのセンタ側に持ち帰り、ディジタルカメラをコンピュータ(CPU)130と接続する。ここではフラッシュや自動焦点機能を有するディジタルカメラが使用されるので、撮像信号に対し、計量値と識別番号(数字とアルファベット)を鮮明化したり、気象変化による補正処理やノイズ除去処理をすることを不要としている。
【0030】
そして、ディジタルカメラの撮像信号は、CPU画像処理部で計量値と識別番号が抽出され、OCR機能により文字に変換される。次いで変換された文字データが一括収集され、記憶部で記憶されると共に、変換データを図1の画面イメージのように、識別番号に対応した計量値を画面表示したり、印刷出力の処理をする。図示例では、識別番号に対応した需要家の氏名がファイルから呼び出されて表示される他、今回の計量値と前回の計量値から使用量が算出され表示されている。
【0031】
図2は、同じく請求項1の発明に係る自動検針システムのなかで用いられる自動検針装置の内部の構成を示すブロック図である。図において、電力量計100(撮像対象計量機器210)の計量値と識別番号が、ディジタルカメラ220により撮像され、その撮像信号がセンタ側のコンピュータ(CPU)230の入力部231に入力される。CPU230の画像処理部232では、例えば複合類似度法やマッチング法等により、計量値と識別番号を認識対象文字と辞書(参照文字)との類似度の高低で認識し文字変換している。画像処理部232は、辞書収納部233と画素領域の閾値比較判断部234とから構成されている。画像処理部232の処理結果は、記憶部236に記憶されてから表示部235に表示され、さらに出力部237から印刷出力される。
【0032】
又、電力量計100の計量値各桁の繰り上がり途中、つまり前数字下部と後数字上部各々半々の指示値状態で撮像された場合、画素領域の閾値比較や指示値固有の回転数字連続性等により、計量値を判断している。これらの判断方法は特開平7−325880号公報等により公知であるので詳細な説明は省略する。また、ディジタルカメラ220で電力量計100(撮像対象計量機器210)を撮像する際に、撮像対象との遠近や方向等の条件の違いにより、計量値と識別番号の大きさや撮像角度が異なり誤認識や認識不可となることがある。そのため、識別番号が計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるように、ディジタルカメラ220の撮像範囲の目安として、検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマーク(図示せず)を設けている。
【0033】
又、センタ側とディジタルカメラとの間にデータ伝送手段を備え、撮像信号を遠隔の管理部門事務所などで一括集中管理するセンタ側へ伝送すれば、リアルタイムに検針処理が行える。データ伝送手段としては、PHS通信網を利用することが可能である。特に、検針員は画像送信機能を備えたPHS通話機に、ディジタルカメラを直結して、その場からセンタ側へ撮像信号を伝送することもできる。こうして、検針員は、計量機器の計量値と識別番号をディジタルカメラで撮像することにより、目視による読み取り、帳票記載、集計等から解放され、誤認、誤記を併発することがなくなる。なお、本発明は、電力量計に限らず、ガスメータや水道メータ等の回転式カウンタ文字メータの検針はもとより、指示計器や記録計の指針表示等の監視に適用できることは言うまでもない。
【0034】
次に、不特定多数の人間の立ち入りが制限される工場敷地内に分散した各エリア等の広範囲にわたり多数配設される電力量計100の計測例として、コンピュータを設置したセンタ側から、子局側と指令/応答信号を交信することにより、子局側に配設された計量機器の計量値を集中管理して自動的に遠隔検針処理を行う自動検針装置に、ディジタルカメラを用いた場合について説明する。図3は、請求項2の発明に係る自動検針システムのなかで用いられる自動検針装置の実施形態の概略構成を示す図である。センタ側は複数の子局側との信号伝送が可能であるが、図示例では、便宜上一組のセンタ側と子局側でのPHS通信網を介した構成例としている。図4はセンタ側及び子局側に設けたインターフェイス交換器のブロック図を示す。
【0035】
センタ側は、全エリア管理部門に設置されたメインコンピュータ230と主変電所(図示せず)や各エリア事務所等に設置されたサブコンピュータ240,250等が、LAN(Local Area Network)で結ばれており、サブコンピュータ240,250からのリモートコントロールでメインコンピュータ230と同一処理を実行することが可能であり、各エリア毎に使用電力量を把握し管理できるようにしている。そしてネットワーク回線から分岐して、データ変換を行い信号中継するインターフェイス交換器270を設置している。図4に示すように、インターフェイス交換器270は、無線通信手段としてPHS通信網を介して子局側と接続するPHSアダプタ通信用コネクタを内蔵しており、PHS通話機を備えたアダプタが付属している。
【0036】
図4において、271はCPUであり、272がセンタ装置用のコネクタであり、273,274がディジタルカメラが接続される端末機器用コネクタであり、275がPHSアダプタ通信用コネクタ、276がPHSアダプタ電源用コネクタである。また、277,278,280がインターフェイス、279が選択回路、281がメモリ制御部、282がEEPROM、283がLED制御部、284が電源監視部、285,286が電源回路、287がジャンパ接続端子、288,289がLED表示部、290が装置電源用コネクタである。
【0037】
一方、図3の子局側にも、データ変換を行い信号中継するインターフェイス交換器260を設置し、電力量計100(撮像対象計量機器210)を撮像するディジタルカメラ220と通信線で接続している。又、インターフェイス交換器260にもPHSアダプタ通信用コネクタを内蔵しており、PHS通話機を備えたアダプタを付属し、PHS通信網を介して信号伝送可能としている。そして、センタ側からの指令に応じて、撮像対象とする電力量計100のディジタルカメラ撮像信号が子局側インターフェイス交換器260に入力され、センタ側のインターフェイス交換器270を介して、センタ側のCPUに伝送される。
【0038】
その他に、この実施形態は、撮像対象の計量機器側に計量機器を特定する識別番号を備え、ディジタルカメラ220により撮像された撮像信号から計量値と識別番号を判読する画像処理部と、画像処理部からの判読結果を記憶する記憶部と、判読結果を一括収集し、識別番号に対応した計量値をリアルタイムに画面表示する表示部と、それらを印刷出力する出力部とを備えており、これらは図2の実施形態と同じ構成である。
【0039】
こうして、センタ側と子局側との間にPHS通信網を介することで、新たに通信線を敷設することなく検針情報収集の遠隔制御が行える。また、データ伝送手段としては、上述のPHS通信網に限定されるものでは無く、既設通信設備のRS485回線、RS282C回線あるいは配電線搬送を流用することも可能である。無線通信もPHS通信範囲外のエリアでは、電波法に低触しない小電力無線通信の各種通信方式を採用したり、それらを組み合わせたりして、需要家の立地条件や通信設備、電力設備等の固有の設備状態に相応しい信号伝送手段を選定できる。
【0040】
更に、この自動検針装置は、後に示す図5自動検針システム概略図のうち、例えば、センタ側として検針員側管理システムにコンピュータを設置し、子局側として複数の需要家側管理システムに配設された計量機器に対応させ、指令/応答信号を交信することにより、子局側の計量値を集中管理して自動的に遠隔検針処理を行い、事業所側管理システムともネットワークして、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理に適用してもよい。
【0041】
次に、本発明の自動検針システムを実施するための最良の形態について、小電力無線通信方式を採用した第二の実施例として、図に基づき説明する。図5は本形態の自動検針システムの概略図である。図6は無線子機(無線中継機)の外観説明図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は右側面図である。図7は無線子機(無線中継機)の内部ブロック図である。図8はデータの説明図であり、図8(a)は顧客データの説明図、図8(b)は検針データの説明図である。
【0042】
自動検針システム1は、図5で示すように、事業所側管理システム10、検針員側管理システム20、無線中継器30、需要家側管理システム40を備えている。
事業所側管理システム10は、さらに営料端末11、顧客データベース12、クレードル13を備えている。
営料端末11は、従来より用いられている営料システムの端末であって、ネットワーク等を介して接続されており、営業所やお客さまサービスセンター等に設けられたコンピュータ(営料コンピュータ)である。
顧客データベース12は、後述するが顧客に関するデータベースであり、例えば、外部のデータベースサーバに構築されていたり、営料端末11内のハードディスク上に構築されている。
クレードル13は、スタンド型の拡張機器であり、後述するハンディターミナル21をクレードル13に載せるだけで営料端末11とハンディターミナル21とをデータを通信可能に接続することができる。またハンディターミナル21を充電する。
【0043】
検針員側管理システム20は、ハンディターミナル(H/T)21、PDA22、検針データベース23、通信アダプタ24、プリンタ25を備えている。検針員側管理システム20は、従来では目視により計量器の指針を読み取っていた検針作業に代えて、特定小電力無線通信により遠隔で取得するような無線検針を実現する。また、事業所、個人宅等需要家先現場では、現状と同様に目視の検針作業を行うこともできる。このうちハンディターミナル21、プリンタ25、検針票用紙、バッテリ(図示せず)等は手検針携行品であり、また、PDA22、通信アダプタ24、バッテリ(図示せず)等は無線検針携行品となる。
【0044】
ハンディターミナル(H/T)21は、従来より用いられている営料システムのターミナルであって、顧客データと検針データとに基づいて検針票用紙に印刷する印刷データを生成する。手検針を行うためにはハンディターミナル(H/T)21とプリンタ25とがあれば良い。
PDA22は、ハンディターミナル(H/T)21と通信できるようになされている。後述するが、顧客データと計量データとに基づいて検針データを生成する。
検針データベース23は、PDA22内の記憶部に構築されており、検針データを登録する。
通信アダプタ24は、PDA22に接続されており、通信アダプタ24を介してPDA22は外部と通信する。
プリンタ25は、ハンディターミナル(H/T)21と通信可能になされており、図示しない検針票用紙もセットされている。印刷データを受信すると、検針票用紙に対して印刷する。
【0045】
無線中継機30は、図6の三面図でも示すように、本体31、アンテナ32を備える。本体31は、硬質プラスチック製ボックスに一体収納して携帯可能に形成している。プラスチックとしては、ABS(アクリロニトル・ブタジェン・スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)など、価格、形成加工処理、耐荷重、コストを考慮して適宜選択すればよい。
【0046】
本体31の内部は、さらに図7で示すように、CPU部33、記憶部34、識別データ設定部35、I/Oインターフェース部36、送受信部37、中継器38、電源装置39を備える。電源装置39は建屋のコンセントから供給される交流電力を電源入力部39aを介して入力し、AC/DC変換部39bにより直流電源が生成され、各部に供給される。各構成要素に電力を供給してもよいし、蓄電池等内蔵し直流電源から直接供給するようにしてもよい。
【0047】
また、アンテナ32、送受信部37、中継器38、CPU部33により無線通信を行う。さらにCPU部33、I/Oインターフェース部36により有線通信を行う。記憶部34は、各種データを保存したり、プログラムが搭載されている。識別データ設定部35は、無線中継器30や無線子機41として一意に決定するための識別データを設定する。なお、信号処理等の詳しい動作については後述する。
【0048】
需要家側管理システム40は、図5に示すように、無線子機41、計量器42を備えている。
無線子機41は、詳しくは図6,図7の無線中継器30と同じ構成であるが、I/Oインターフェース部36に計量器42がケーブルを介して接続される。I/Oインターフェース部36は通信するための各種種類のインターフェースであり、本形態ではカレントループ用のインターフェースを含む。
計量器42は、需要家に設置している電力量計(以下、電子式、誘導式、パルス発振器付、計器用変圧器と変流器との組合せ計量器その他あらゆる形態の電力量計を含む。例えば、電子式電力量計やパルス発振器付電力量計)である。計量器42は計量データを出力し、無線子機41が計量データを無線送信する。なお、無線子機41と計量器42とはカレントループを介して通信する。
自動検針システム1はこのような構成である。
【0049】
続いて、自動検針システム1による検針について説明する。
検針員は現場へ出向く前に、ハンディターミナル21に対して、検針予定となっている顧客についての顧客データをダウンロードしておく。クレードル13にハンディターミナル21を載置し、営料端末11を操作して顧客データベース12から検針予定となっている顧客についての顧客データを読み出し、営料端末11がこの顧客データをハンディターミナル21に書き込む。検針区域が異なる複数の検針員別に複数のハンディターミナル21に対し適切な顧客データを振り分ける。このようにして、ハンディターミナル21には、当該検針員の当日分の顧客データだけが格納される。
【0050】
顧客データは、例えば、図8(a)で示すように、識別データ、経路データ、氏名データ、住所データ、契約内容データを含む。図8(a)では横一列に並ぶデータが、ある計量器について関連するデータである。このような顧客データの利用方法については後述する。ハンディターミナル21はさらに顧客データをPDA22へ送信する。このようにハンディターミナル21やPDA22には顧客データが入力されているため、検針員は現場へ出向く前や現場での入力作業を不要としている。
【0051】
続いて、自動検針を行うことになる。例えば、検針対象である需要家側管理システム40が構築されている需要家の付近まで来て、PDA22上で顧客データの中の氏名データ、住所データから氏名・住所を表示させ、検針対象の需要家であるか否かを確認する。検針員が検針対象の需要家であることを確認した上で予め定められた最適な立ち位置にて検針開始ボタンを押下すると、PDA22は顧客データの中の識別データを読み出し、通信アダプタ24に識別データを含む読み出しコマンドを送信する。この識別データとして、一意の計量器文字コードや計量器番号などを用いることができる。通信アダプタ24は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変調して送信する。
【0052】
図7に示す無線子機41では特定小電力の無線信号をアンテナ32で受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し、中継器38を経てCPU部33へ識別データを含む読み出しコマンドを入力する。そして識別データが自らに割り当てられて識別データ設定部35にて設定された識別データと同じか否かについて比較し、異なっていれば読み出しコマンドを破棄し、同じであれば、CPU部33はI/Oインターフェース部36およびケーブルを介してカレントループにより読み出しコマンドを計量器42へ送信する。
【0053】
計量器42はその時点の電力量についての計量データを生成して返信する。無線子機41のCPU部33はケーブルおよびI/Oインターフェース部36を介して計量データを取得する。無線子機41では計量データを、中継器38を経て送受信部37へ送信し、送受信部37は特定小電力の無線信号に変調してアンテナ32から無線送信する。
通信アダプタ24では特定小電力の無線信号を受信後に復調して、計量データを生成する。そして計量データをPDA22へ送信する。
【0054】
PDA22は、検針についての各種情報を表す検針データを計量器42別に生成する。この検針データはPDA22にて表示される。検針データは、例えば、図8(b)のように、経路データ、検針態様データ、検針値データ、検針結果データ、検針票データが登録される。検針態様データにより直接検針か自動検針かいずれであるかが判別できるため、検針員が直接検針か自動検針かいずれであるか判別できないという事態の発生を防止する。検針結果データにより検針終了か未検針かいずれであるかが判別できるため、検針忘れを防止する。検針票データにより印刷したか未印刷かいずれであるかが判別できるため、検針票の印刷忘れや配布忘れを防止する。図8(b)では横一列に並ぶデータが、ある計量器について関連するデータである。
これら検針データは、複数ある需要家側管理システム40の計量器別に決定される。検針データベース23では、表形式で保存される。この場合、顧客データの計量器データを主キーとして検針データを生成すれば、顧客データと検針データとは、照合しやすいデータとなる。このような検針データはPDA22に蓄積されるため、次回検針時等に参照することも可能となる。
【0055】
さらに、この特定の検針データをハンディターミナル21へ送信すると、ハンディターミナル21は、検針データおよび対応する顧客データに基づいて検針票用紙に印刷する印刷データを生成する。印刷データはプリンタ25へ送信される。
プリンタ25は、印刷データを受信すると、図示しない検針票用紙に対して印刷する。検針員は印刷した検針票をプリントアウトし、需要家宅に投函してもよい。
【0056】
PDA22は検針データをハンディターミナル21へ送信した後に印刷状態等も含む最終的な検針データを登録する。たとえば、図8(b)の表における計量器2については経路データ・検針態様データから直接送受がなされた直接検針であり、検針値はb[kWh]で検針終了し、検針票も印刷済みであるような検針データが上書き登録される。
以下、同様にして多数ある需要家側管理システム40を回って検針を行っていく。
【0057】
なお、ある需要家側管理システム40では、直線上障害物を回避するため、無線中継器30を介して通信する場合がある。この点について説明する。なお、通信アダプタ24、無線中継器30および無線子機41間で通信する以外は上記検針作業は同じであり、重複する説明を省略する。
【0058】
検針対象である需要家側管理システム40が構築されている需要家の付近まで来て、PDA22上で顧客データの中の氏名データ、住所データから氏名・住所を表示させ、検針対象の需要家であるか否かを確認する。検針対象の需要家であることを確認した場合、検針員が予め定められた最適な立ち位置にて検針開始ボタンを押下すると、PDA22は顧客データの中の識別データを読み出し、通信アダプタ24に識別データを含む読み出しコマンドを送信する。この識別データとして、計量器文字コードや計量器番号などを用いることができる。通信アダプタ24は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変調して送信する。
【0059】
無線中継器30では、図7で示すように、アンテナ32で受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し中継器38へ送信する。しかしながら、識別データ設定部35で特別な識別データを設定すること(あるいは図示しないディップスイッチを設定すること)で無線中継器30として設定されている場合、CPU部33は中継器38を制御して中継器38が読み出しコマンドをそのまま送受信部37へ送信して、送受信部37は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変調してアンテナ32を介して送信する。
【0060】
無線子機41では特定小電力の無線信号をアンテナ32で受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し、中継器38を経てCPU部33へ識別データを含む読み出しコマンドを入力する。そして識別データが自らに割り当てられて識別データ設定部35にて設定された識別データと同じか否かについて比較し、異なっていれば読み出しコマンドを破棄し、同じであれば、読み出しコマンドを計量器42へ送信する。
【0061】
計量器42はその時点の電力量についての計量データを生成して送信する。無線子機41では計量データを、中継器38を経て送受信部37へ送信し、送受信部37は特定小電力の無線信号に変調してアンテナ32から無線送信する。
無線中継器30ではアンテナ32で受信して、送受信部37にて計量データを復調し中継器38へ送信する。中継器としての設定のため、CPU部33は中継器38を制御し、中継器38が読み出しコマンドを送受信部37へ送信させ、送受信部37は計量データを特定小電力の無線信号に変調してアンテナ32を介して送信する。
通信アダプタ24では特定小電力の無線信号を受信後に復調して、計量データを生成する。そして計量データをPDA22へ送信する。以下同様の処理が行われる。
このように無線中継機30を用いたり、また、検針員が適宜ポジションを確保することで、最小個数の中継装置配設で障害物回避が可能となり、部品点数も低減できる。
【0062】
さて、全ての検針が終了したとき、確定した検針データが検針データベース23に蓄積されている。この検針データベース23に蓄積された最終的な検針データをハンディターミナル21へ送信しておく。
検針員は事業所まで戻ってきた後で、クレードル13にハンディターミナル21を載置し、営料端末11を操作して検針データを読み出して検針データを営料端末11に取り込む。営料端末11はこの検針データを用いて料金計算や経理処理などを行うこととなる。
【0063】
このような自動検針システムでは、直線上障害物があるような場合でも通信可能となり、業務の省力化を実現する。
また、自動検針システムを構築する際に、現状使用している、クレードルを介して営料端末とハンディターミナルとを接続する営料システムを活用することで、現状のシステムの大幅な変更の回避およびコスト低減を実現している。
このように防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムとしている。
【0064】
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図9は他の形態の自動検針システムの概略図である。自動検針システム2は、図9で示すように、事業所側管理システム10’、検針員側管理システム20’、無線中継器30、需要家側管理システム40を備えている。
この形態では、先に図5〜図8を用いて説明した自動検針システム1と比較すると、事業所側管理システム10’、検針員側管理システム20’の構成を代えている点が相違する。なお、無線中継器30、需要家側管理システム40については同様であるとして重複する説明を省略する。
【0065】
この自動検針システム2は、PDA22が顧客データベース26および検針データベース23を備えて顧客データおよび検針データを管理し、検針データをメモリ媒体であるメモリカード50に出力する方法である。使用できる外部記憶装置はPDA22がメモリカード50、営料端末11はMO60のため、通常のパソコンである一般業務PC15によりメモリカード50の検針データをMO60に書き込むメディア変換を行い、MO60を介して営料端末11へ検針データを読み込ませる。
【0066】
事業所側管理システム10’は、さらに営料端末11、MOドライブ14、一般業務PC15、メモリカードリーダ/ライタ16を備えている。
営料端末11は、先の説明と同様であるが営業所やお客さまサービスセンター等に設けられたコンピュータ(営料コンピュータ)である。
MOドライブ14は、光磁気記憶媒体であるMO60に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置である。MOドライブ14は二台あり、一方は営料端末11と接続され、他方は一般業務PC15と接続される。
一般業務PC15は、通常のパーソナルコンピュータである。
メモリカードリーダ/ライタ16は、一般業務PC15と接続され、メモリカード50というメモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うようなメモリ媒体記憶装置である。
【0067】
検針員側管理システム20’は、PDA22、検針データベース23、通信アダプタ24、顧客データベース26を備えている。
PDA22、通信アダプタ24、バッテリ(図示せず)等は無線検針携行品となる。これにより、検針員側管理システム20’は、従来では目視により計量器の指針を読み取っていた検針作業に代えて、特定小電力無線通信により遠隔で取得する無線検針を実現する。また、事業所、個人宅等需要家先現場では、現状と同様に目視による検針作業とすることもできる。
【0068】
PDA22は、メモリカード50というメモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うことができる。
検針データベース23は、PDA22内の記憶部に構築されており、検針データを登録する。
通信アダプタ24は、PDA22に接続されており、通信アダプタ24を介してPDA22は外部と通信する。
顧客データベース26は、PDA22内の記憶部に構築されており、顧客データを登録する。
【0069】
続いて、自動検針システム2による検針について説明する。
PDA22には顧客データが入力されているため、検針員は現場へ出向く前や現場における入力作業を不要としている。顧客データが変更となった場合(営料端末11の顧客データが変更された場合)は、逐次PDA22の顧客データも一致させるためメモリカード50を介してデータを読み込んで更新する。
【0070】
続いて、無線検針を行うことになる。例えば、検針対象である需要家側管理システム40が構築されている需要家の付近まで来て、PDA22上で顧客データの中の氏名データ、住所データから氏名・住所を表示させ、検針対象の需要家であるか否かを確認する。検針員が検針対象の需要家であることを確認した上で予め定められた最適な立ち位置にて検針開始ボタンを押下すると、PDA22は顧客データの中の識別データを読み出し、通信アダプタ24に識別データを含む読み出しコマンドを送信する。この識別データとして、計量器文字コードや計量器番号などを用いることができる。通信アダプタ24は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変調して送信する。
【0071】
無線子機41では、図7で示すように、特定小電力の無線信号をアンテナ32で受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し、中継器38を経てCPU部33へ識別データを含む読み出しコマンドを入力する。そして識別データが自らに割り当てられて識別データ設定部35にて設定された識別データと同じか否かについて比較し、異なっていれば読み出しコマンドを破棄し、同じであれば、読み出しコマンドを計量器42へ送信する。計量器42はその時点の電力量についての計量データを生成して送信する。無線子機41では計量データを特定小電力の無線信号に変換して送信する。
通信アダプタ24では特定小電力の無線信号を受信後に復調して、計量データを生成する。そして計量データをPDA22へ送信する。
【0072】
PDA22は、検針についての各種情報を表す検針データを計量器42別に生成する。この検針データはPDA22にて表示される。検針データは、例えば、図8(b)のように、経路データ、検針態様データ、検針値データ、検針結果データ、検針票データが登録される。このように検針データは計量器について纏められたデータである。これら検針データは、複数ある需要家側管理システム40の計量器42別に決定される。検針データベース23では、表形式で保存される。この場合、顧客データの計量器データを主キーとして検針データを生成すれば、顧客データと検針データとは、照合しやすいデータとなる。
【0073】
PDA22は検針データを検針データベース23に登録する。無線検針による検針データはPDA22に蓄積し、次回検針時に参照できる。
本形態では、さらに印刷機能を持たせたPDA22を採用すれば、PDA22により検針時に検針票をプリントアウトし、需要家宅に投函してもよい。
なお、ある需要家側管理システム40では、直線上障害物を回避するため、無線中継器介して通信するが、それは先に説明した通信方式と同じであり、重複する説明を省略する。以下、同様にして多数ある需要家側管理システム40を回って検針を行っていく。
【0074】
そして全ての検針が終了したとき、確定した本日分の検針データが検針データベース23に蓄積されている。
この検針データベース23に蓄積された検針データから本日分の検針データを一般業務PC15が読み込める形式で、メモリカード50に出力する。検針員は事業所まで戻ってきた後で、PDA22からメモリカード50を取り出してメモリカードリーダ/ライタ16に接続して一般業務PC15に検針データを読み込ませる。そして、メモリカード50から読み出された検針データの内容をそのままMOドライブ14によりMO60へコピーする。メディア変換に使用する一般業務PC15は通常のパソコンでよい。そして、営料端末11に接続されたMOドライブ14にMO60をセットし、営料端末11を操作して検針データを読み出して検針データを営料端末11に取り込む。営料端末11はこの検針データを用いて料金計算や経理処理などを行うこととなる。
なお、メモリカード50の検針データをMOにコピーする際一般業務PC15という通常のパソコンを使用しているが、ファイルコピーに特化した装置(メモリカードバックアップ装置)で代替してもよい。
【0075】
このような自動検針システムでは、直線上障害物があるような場合でも通信可能となり、業務の省力化を実現する。
また、自動検針システムの構築に際し、現状使用している営料端末を用いる営料システムを活用することにより、現状のシステムの急激な変更の回避およびコスト低減を実現している。
このように防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムとしている。
【0076】
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図10は他の形態の自動検針システムの概略図である。自動検針システム3は、事業所側管理システム10”、検針員側管理システム20”、無線中継器30、需要家側管理システム40を備えている。
この形態では、先に図5〜図8を用いて説明した自動検針システム1と比較すると、事業所側管理システム10”、検針員側管理システム20”の構成を代えている点が相違する。なお、無線中継器30、需要家側管理システム40については同様であるとして重複する説明を省略する。
【0077】
この自動検針システム3は、検針サーバ17が顧客データベース12および検針データベース18を備えて顧客データおよび検針データを管理し、検針サーバ17を中核に、PDA22への顧客データの格納やMO60への検針データの格納を行う方法である。検針サーバ17は専用のパソコンで、PDA22とはクレードル19を介してデータの授受を行う。
【0078】
事業所側管理システム10”は、さらに営料端末11、顧客データベース12、MOドライブ14、検針サーバ17、検針データベース18、クレードル19を備えている。
営料端末11は、先の説明と同様であるが営業所やお客さまサービスセンター等に設けられたコンピュータ(営料コンピュータ)である。
顧客データベース12は、検針サーバ17内のハードディスク等の記憶部に構築されており、顧客データを登録する。
MOドライブ14は、光磁気記憶媒体であるMO60に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置である。MOドライブ14は二台あり、一方は営料端末11と接続され、他方は検針サーバ17と接続される。
検針サーバ17は、通常のパーソナルコンピュータであるが、特に検針に関するデータ処理を行うように特化されている。
検針データベース18は、検針サーバ17内のハードディスク等の記憶部に構築されており、検針データを登録する。
クレードル19は、スタンド型の拡張機器であり、後述するPDA22をクレードル19に載せるだけで営料端末11とPDA22とをデータを通信可能に接続することができる。またPDA22を充電する。
【0079】
検針員側管理システム20”は、PDA22、通信アダプタ24を備えている。
PDA22、通信アダプタ24、バッテリ(図示せず)等は無線検針携行品となる。これにより、検針員側管理システム20”は、従来では目視により計量器の指針を読み取っていた検針作業に代えて、特定小電力無線通信により遠隔で取得する無線検針を実現する。また、事業所、個人宅等需要家先現場では、現状と同様に目視による検針作業とすることもできる。
【0080】
PDA22は、クレードル19に載置されて検針サーバ17と通信してデータの書き込み・読み出しを行うことができる。
通信アダプタ24は、PDA22に接続されており、通信アダプタ24を介してPDA22は外部と通信する。
【0081】
続いて、自動検針システム3による検針について説明する。
検針員は現場へ出向く前にPDA22に検針予定となっている顧客についての顧客データをダウンロードしておく。クレードル19にPDA22を載置し、検針サーバ17を操作して顧客データベース12から検針予定となっている顧客についての顧客データを読み出し、顧客データをPDA22に書き込む。検針区域が異なる複数の検針員別に複数のPDA22に対し適切な顧客データを振り分ける。このため、PDA22には、当該検針員の当日分の顧客データだけが格納される。PDA22には顧客データが入力されているため、検針員は現場へ出向く前や現場での入力作業を不要としている。
【0082】
続いて、無線検針を行うことになる。例えば、検針対象である需要家側管理システム40が構築されている需要家の付近まで来て、PDA22上で顧客データの中の氏名データ、住所データから氏名・住所を表示させ、検針対象の需要家であるか否かを確認する。検針員が検針対象の需要家であることを確認した上で予め定められた最適な立ち位置にて検針開始ボタンを押下すると、PDA22は顧客データの中の識別データを読み出し、通信アダプタ24に識別データを含む読み出しコマンドを送信する。この識別データとして、計量器文字コードや計量器番号などを用いることができる。通信アダプタ24は読み出しコマンドを特定小電力の無線信号に変換して送信する。
【0083】
無線子機41では特定小電力のアンテナ32で無線信号を受信して、送受信部37にて読み出しコマンドを復調し、中継器38を経てCPU部33へ識別データを含む読み出しコマンドを入力する。そして識別データが自らに割り当てられて識別データ設定部35にて設定された識別データと同じか否かについて比較し、異なっていれば読み出しコマンドを破棄し、同じであれば、読み出しコマンドを計量器42へ送信する。計量器42はその時点の電力量についての計量データを生成して送信する。無線子機41では計量データを特定小電力の無線信号に変換して送信する。
通信アダプタ24では特定小電力の無線信号を受信して、計量データを生成する。そして計量データをPDA22へ送信する。
【0084】
PDA22は、計量器別に検針についての各種情報を表す検針データを生成する。検針データは、例えば、図8(b)のように、経路データ、検針態様データ、検針値データ、検針結果データ、検針票データが登録される。このように検針データは計量器について纏められたデータである。この検針データはPDA22にて表示される。これら検針データは、複数ある需要家側管理システム40別に決定される。検針データベース23では、表形式で保存される。この場合、顧客データの計量器データを主キーとして検針データを生成すれば、顧客データと検針データとは、照合しやすいデータとなる。このような検針データは検針が終わるまでPDA22に一時的に保存されることとなる。
【0085】
本形態では、さらに印刷機能を持たせたPDA22を採用すれば、PDA22により検針時に検針票をプリントアウトし、需要家宅に投函してもよい。
なお、ある需要家側管理システム40では、直線上障害物を回避するため、無線中継器を介して通信するが、それは先に説明した通信方式と同じであり、重複する説明を省略する。以下、同様にして多数ある需要家側管理システム40を回って検針を行っていく。
【0086】
そして全ての検針が終了したとき、確定した検針データがPDA22上で一時的に保存されている。検針員は事業所まで戻ってきた後で、クレードル19にPDA22を載置し、検針サーバ17を操作して検針データを読み出し、この検針データを検針サーバ17が取り込む。そして、検針サーバ17は、クレードル19を介してPDA22から読み出された検針データの内容をそのままMOドライブ14によりMO60へコピーする。メディア変換に使用する検針サーバ17は通常のパソコンでよい。そして、営料端末11に接続されたMOドライブ14にMO60をセットし、営料端末11を操作して検針データを読み出して検針データを営料端末11に取り込む。営料端末11はこの検針データを用いて料金計算や経理処理などを行うこととなる。
なお、検針サーバ17という通常のパソコンを使用しているが、検針サーバ17とは別にファイルコピーに特化した装置(メモリカードバックアップ装置)を準備してもよい。
【0087】
このような自動検針システムでは、直線上障害物があるような場合でも通信可能となり、業務の省力化を実現する。
また、自動検針システムの構築に際し、現状使用している営料端末を用いる営料システムを活用することで、現状のシステムの大幅な変更の回避およびコスト低減を実現している。
このように防犯設備等により直接目視できない状態にある電力量計、都市部ビル群のように集積的に高度利用される用途地域で電力設備とともに付設される電力量計、あるいは集合住宅など一括して配置される多数の電力量計に対し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで実現できる自動検針システムとしている。
【0088】
続いて自動検針システム1,2,3における無線中継器30の処理について説明する。図11,図12,図13,図14は、無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
無線中継器30は、ある無線中継器30の通信可能な位置にある他の無線中継器30へ単に中継するというものである。
上記第1〜第3の形態では、一個の無線中継器30を採用して検針員側管理システム20(20’,20”)と需要家側管理システム40との間を中継するというものであった。これに加えて、さらに図11で示すようにPDA22・通信アダプタ24が複数の無線中継器30を介して長距離にわたり通信できるようにして、遠隔箇所にある無線子機41・計量器42と通信するようにしても良い。
【0089】
また、図12で示すように、ある一個の無線中継器30の通信範囲に複数の無線子機41・計量器42が入っている場合、PDA22・通信アダプタ24は両方の無線子機41・計量器42と通信するが、先に述べたように読み出しコマンドの中に含まれる識別データにより識別されるため、一対一での通信を可能としている。
【0090】
なお、集合住宅などでは、複数の需要家側管理システム40が近接して形成されることもあり、混信対策なども必要となってくる。例えば、図13で示すように、ある無線子機41から直接的に通信された読み出しコマンドと、同じ無線子機41から無線中継器30を介して間接的に通信された読み出しコマンドと、を検針員側管理システム20(20’,20”)で同時に受信したときには検針員側管理システム20(20’,20”)では両方のデータをキャンセルすることで誤動作を防止することが可能となる。そして検針員が検針員側管理システム20(20’,20”)を混信しない他の位置へ移動することで対処することができる。
【0091】
また、図14で示すように、マンションや団地のような多数の居室500がある集合住宅において、ある階(例えば6階)において複数の需要家側管理システム40が形成されていることもあり、多数の計量器42から効率的に検針データを取得したいという要請もある。そこで、無線子機41に中継機能も持たせて、例えばエレベータ600の前に検針員が立ち、PDA22を操作してある階における複数の需要家側管理システム40の顧客データを選択の上一回通信すれば全ての計量器から検針データを取得すれば効率的である。そこで、図7の識別データ設定部35にて設定し、自らの識別データに該当する場合は読み出しコマンドに応答して検針データを送信し、自らの識別データに該当しない場合は単に中継するような機能を持たせれば良い。
【0092】
このような無線子機41では、エレベータ600付近の通信アダプタ24から一番遠い箇所にある無線子機41を指定するような識別データも含めた読み出しコマンドを送信すると、隣接する無線子機は送信された識別データと自らの識別データとを比較して、異なっていれば破棄し、単に中継器として機能する。このようにして無線子機41間で順次送信していく。そして、一番遠い箇所にある無線子機41が送信された識別データと自らの識別データとを比較して、一致すれば計量器から計量データを読み出して送信する。そして、他の無線子機41は計量データを受信した場合は単に中継するようにして通信アダプタ24を介してPDA22まで送信される。そしてPDA22が識別データを変更して新しい読み出しコマンドを生成して通信により計量データを取得し、以下自動的に順次行っていけば一カ所で計量データを取得することも可能となる。このような機能を持たせても良い。この場合無線子機41も中継機能を有するものとして実現される。
【0093】
続いて、業務の省力化を実現するためのさらなる工夫について図を参照しつつ説明する。図15は点検データの説明図である。例えば、電力量計などの計量器42は配電線とほぼ直接に接がるので、雷サージなどの外乱の影響を受けやすい。先に説明したように、電子式電力量計などでは、内蔵する電子回路が微小な電力により動作するので、雷サージのような強力な信号が入ってくるとその影響で動作が乱れるおそれもあった。つまり、仮に回路部品の破損にいたらなくても、カウンタの計量値がリセットしたり、マイコンを使っているものではマイコンが暴走するおそれもある。さらには、地震や台風等の災害が発生して電力量計が設置されている家屋等が損傷して計量器42が強い衝撃を受けた場合なども異常を来すおそれがある。しかしながら、ここで問題にしている計量器42は容易に近づきにくい不便な箇所にあるため、検針員は、電力設備の巡回/点検がしにくくなっている。
【0094】
そこで、上記の自動検針システム1,2,3における計量器42のCPUあるいは無線子機41のCPUに自己点検するプログラム処理を定期的に行わせて、計量器42あるいは無線子機41の記憶部に計量器42・無線子機41(または中継器30)についての点検データを登録させておき、計量データを読み出しとともに点検データも付随させてPDA22に送ることで、簡易的な点検機能も持たせることができる。点検データは、例えば、図15で示すように、CPU異常、メモリ異常、カウンタ異常、積算値異常、無線中継器異常が発生しているか否かを表す各種データとし、PDA22が表示することで簡易的に点検を行えるようにすれば、本来の点検作業/巡回作業に加えて、異常発生の検知能力が高まり、電力設備の巡回/点検を容易にする。
【0095】
以上本発明の各種形態について説明した。本発明の自動検針システム1,2,3によれば、アクセスしにくい電力量計に対して無線通信可能な需要家側管理システムを構築し、検針値など必要な情報が遠隔地から得られるようにして、業務の省力化を低コストで構築できるシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】自動検針装置の概略構成を示す図である。
【図2】自動検針装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図3】自動検針装置の実施形態の概略構成を示す図である。
【図4】インターフェイス交換器のブロック図を示す。
【図5】本発明を実施するための最良の形態の自動検針システムの概略図である。
【図6】無線子機(無線中継機)の外観説明図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は右側面図である。
【図7】無線子機(無線中継機)の内部ブロック図である。
【図8】データの説明図であり、図8(a)は顧客データの説明図、図8(b)は検針データの説明図である。
【図9】他の形態の自動検針システムの概略図である。
【図10】他の形態の自動検針システムの概略図である。
【図11】無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
【図12】無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
【図13】無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
【図14】無線中継器による無線中継例を説明する説明図である。
【図15】点検データの説明図である。
【符号の説明】
【0097】
100:電力量計(撮像対象計量機器)
110:需要家識別番号
120:検針窓
130:コンピュータ(CPU)
210:撮像対象計量機器
220:ディジタルカメラ
230:メインコンピュータ
240,250:サブコンピュータ
260,270:インターフェイス交換器
231:入力部
232:画像処理部
233:辞書収納部
234:画素領域の閾値比較判断部
235:表示部
236:記憶部
237:出力部
271:CPU
272:センタ装置用コネクタ
273,274:端末機器用コネクタ
275:PHSアダプタ通信用コネクタ
276:PHSアダプタ電源用コネクタ
277,280:RS232CI/F
278:RS485I/F
279:選択回路
281:メモリ制御部
282:EEPROM
283:LED制御部
284:電源監視部(WDT)
285,286:電源回路
287:ジャンパ
288,289:LED表示部
290:電源装置用コネクタ
1,2,3:自動検針システム
10,10’,10”:事業所側管理システム
11:営料端末
12:顧客データベース
13:クレードル
14:MOドライブ
15:一般業務PC
16:メモリカードリーダ/ライタ
17:検針サーバ
18:検針データベース
19:クレードル
20,20’,20”:検針員側管理システム
21:ハンディターミナル
22:PDA
23:検針データベース
24:通信アダプタ
25:プリンタ
26:顧客データベース
30:無線中継器
31:本体
32:アンテナ
33:CPU部
34:記憶部
35:識別データ設定部
36:I/Oインターフェース部
37:送受信部
38:中継器
39:電源装置
39a:電源入力部
39b:AC/DC変換部
40:需要家側管理システム
41:無線子機
42:計量器
50:メモリカード
60:MO
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データをとりこむ自動検針装置を用いた需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムからとりこまれた計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
前記自動検針装置は、
検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマークが付されて識別番号および計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるようになされた計量機器に対し、枠あるいはマークとともに計量値および計量機器を識別する識別番号を同一画面に撮像して画像データを出力するディジタルカメラと、
ディジタルカメラの画像データを入力し、撮像画像に含まれる枠あるいはマークに基づいて判読して文字データによる計量値と識別番号を生成する画像処理部と、
画像処理部からの撮像画像、計量値および識別番号を、需要家の氏名とともに記憶する記憶部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を表示する表示部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を印刷する出力部と、
を備えて需要家に配設された計量機器の計量値を集中管理し、自動的に検針処理を行い、
事業所側管理システムは、
検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項2】
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データをとりこむ自動検針装置を用いた需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムからとりこまれた計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
前記自動検針装置は、
検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマークが付されて識別番号および計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるようになされた計量機器に対し、枠あるいはマークとともに計量値および計量機器を識別する識別番号を同一画面に撮像して画像データを出力するディジタルカメラと、
ディジタルカメラから出力された画像データを用いて検針処理を行うコンピュータと、
ディジタルカメラとコンピュータとを接続するデータ伝送手段と、
を備えてコンピュータからディジタルカメラへ指令/応答信号を交信することによりディジタルカメラが画像データを送信するようになされ、
このコンピュータは、
ディジタルカメラの画像データを入力し、撮像画像に含まれる枠あるいはマークに基づいて判読して文字データによる計量値と識別番号を生成する画像処理部と、
画像処理部からの撮像画像、計量値および識別番号を、需要家の氏名とともに記憶する記憶部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を表示する表示部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を印刷する出力部と、
を備えてデータ伝送手段から出力された画像データを用いて需要家に配設された計量機器の計量値を集中管理し、自動的に検針処理を行い、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項3】
請求項2記載の自動検針システムにおいて、
データ伝送手段として、簡易形携帯電話(PHS)通信網を用いたことを特徴とする自動検針システム。
【請求項4】
請求項2記載の自動検針システムにおいて、
データ伝送手段として、小電力無線通信を用いたことを特徴とする自動検針システム。
【請求項5】
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項6】
請求項5記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続されるクレードルと、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
ハンディターミナル(Handy Terminal)と、
ハンディターミナルと通信可能になされ、検針データベースを備えるPDA(Personal Digital Assistants)と、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
ハンディターミナルと通信可能になされ、検針データから生成された印刷データに基づいて印刷するプリンタと、
を有し、
前記検針員側管理システムと前記事業所側管理システムとは、前記検針員側管理システム側のハンディターミナルを前記事業所側管理システム側のクレードルに接続してデータの授受を行うことを特徴とする自動検針システム。
【請求項7】
料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
顧客データベースおよび検針データベースを備え、顧客データベースから読み出した顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項8】
請求項7記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続され、光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置と、
光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う他の光磁気記憶媒体読み書き装置と、
他の光磁気記憶媒体読み書き装置と接続される一般業務PCと、
一般業務PCと接続され、メモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うメモリ媒体記憶装置と、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
検針データベースおよび顧客データベースを備え、メモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うPDAと、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
を有し、
前記検針員側管理システムのPDAと前記事業所側管理システムのメモリ媒体記憶装置とはメモリ媒体を介してデータの授受を行い、また前記事業所側管理システムの営料端末と一般業務PCとでは光磁気記憶媒体を介してデータの授受を行うことを特徴とする自動検針システム。
【請求項9】
顧客データベースおよび検針データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて検針データを生成する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針データを検針員側管理システムから授受して検針データベースに登録し、検針データベースから読み出した検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項10】
請求項9記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続され、光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置と、
光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う他の光磁気記憶媒体読み書き装置と、
他の光磁気記憶媒体読み書き装置と接続され、検針データベースおよび顧客データベースを備える検針サーバと、
検針サーバと接続されるクレードルと、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
PDAと、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
を有し、
前記検針員側管理システムと前記事業所側管理システムとは、検針員側管理システム側のPDAを事業所側管理システム側のクレードルに接続してデータの授受を行い、また前記事業所側管理システムの営料端末と検針サーバとでは光磁気記憶媒体を介してデータの授受を行うことを特徴とする自動検針システム。
【請求項11】
請求項5〜請求項10の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記複数の需要家側管理システムのうちある需要家側管理システム付近にある前記検針員側管理システムとその需要家側管理システムとは特定小電力無線通信により直接的に無線通信され、
前記複数の需要家側管理システムのうち他の需要家側管理システム付近にある前記検針員側管理システムとその需要家側管理システムは一または複数の無線中継器を介して特定小電力無線通信により間接的に無線通信されることを特徴とする自動検針システム。
【請求項12】
請求項11に記載の自動検針システムにおいて、
前記検針員側管理システムは、ある需要家側管理システムからの直接の通信と、ある需要家側管理システムからの無線中継器を介した間接の通信と、を同時に受信したときには受信したデータをキャンセルすることを特徴とする自動検針システム。
【請求項13】
請求項5〜請求項12の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記顧客データには計量器についての識別データが含まれており、前記検針員側管理システムは、予め選定された計量器についての識別データに基づいて検針対象とする計量器を特定し、その計量器を有する需要家側管理システムのみから計量データを取得して検針データを生成することを特徴とする自動検針システム。
【請求項14】
請求項5〜請求項13の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記需要家側管理システムは、前記検針データに加えて前記需要家側管理システムの点検に係る点検データを送信し、前記検針員側管理システムは点検データの内容を表示することを特徴とする自動検針システム。
【請求項15】
請求項5〜請求項14の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記需要家側管理システムは、
計量器に接続される無線子機を備え、
無線子機は、計量器とカレントループを介して通信することを特徴とする自動検針システム。
【請求項16】
請求項15に記載の自動検針システムにおいて、
識別データが他の需要家側管理システムの計量器を指す場合に無線子機は無線中継器として機能することを特徴とする自動検針システム。
【請求項17】
請求項5〜請求項16の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記計量器は電子式電力量計又は/及びパルス発振器付電力量計であることを特徴とする自動検針システム。
【請求項1】
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データをとりこむ自動検針装置を用いた需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムからとりこまれた計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
前記自動検針装置は、
検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマークが付されて識別番号および計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるようになされた計量機器に対し、枠あるいはマークとともに計量値および計量機器を識別する識別番号を同一画面に撮像して画像データを出力するディジタルカメラと、
ディジタルカメラの画像データを入力し、撮像画像に含まれる枠あるいはマークに基づいて判読して文字データによる計量値と識別番号を生成する画像処理部と、
画像処理部からの撮像画像、計量値および識別番号を、需要家の氏名とともに記憶する記憶部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を表示する表示部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を印刷する出力部と、
を備えて需要家に配設された計量機器の計量値を集中管理し、自動的に検針処理を行い、
事業所側管理システムは、
検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項2】
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データをとりこむ自動検針装置を用いた需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムからとりこまれた計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
前記自動検針装置は、
検針窓近傍に画像処理範囲を設定する枠あるいはマークが付されて識別番号および計量値を示す指示値数字列と一定の位置関係となるようになされた計量機器に対し、枠あるいはマークとともに計量値および計量機器を識別する識別番号を同一画面に撮像して画像データを出力するディジタルカメラと、
ディジタルカメラから出力された画像データを用いて検針処理を行うコンピュータと、
ディジタルカメラとコンピュータとを接続するデータ伝送手段と、
を備えてコンピュータからディジタルカメラへ指令/応答信号を交信することによりディジタルカメラが画像データを送信するようになされ、
このコンピュータは、
ディジタルカメラの画像データを入力し、撮像画像に含まれる枠あるいはマークに基づいて判読して文字データによる計量値と識別番号を生成する画像処理部と、
画像処理部からの撮像画像、計量値および識別番号を、需要家の氏名とともに記憶する記憶部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を表示する表示部と、
撮像画像、計量値、識別番号および需要家の氏名を印刷する出力部と、
を備えてデータ伝送手段から出力された画像データを用いて需要家に配設された計量機器の計量値を集中管理し、自動的に検針処理を行い、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項3】
請求項2記載の自動検針システムにおいて、
データ伝送手段として、簡易形携帯電話(PHS)通信網を用いたことを特徴とする自動検針システム。
【請求項4】
請求項2記載の自動検針システムにおいて、
データ伝送手段として、小電力無線通信を用いたことを特徴とする自動検針システム。
【請求項5】
顧客データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
検針データベースを備え、事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項6】
請求項5記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
顧客データベースを備え、料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続されるクレードルと、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
ハンディターミナル(Handy Terminal)と、
ハンディターミナルと通信可能になされ、検針データベースを備えるPDA(Personal Digital Assistants)と、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
ハンディターミナルと通信可能になされ、検針データから生成された印刷データに基づいて印刷するプリンタと、
を有し、
前記検針員側管理システムと前記事業所側管理システムとは、前記検針員側管理システム側のハンディターミナルを前記事業所側管理システム側のクレードルに接続してデータの授受を行うことを特徴とする自動検針システム。
【請求項7】
料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
顧客データベースおよび検針データベースを備え、顧客データベースから読み出した顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて生成した検針データを、検針データベースに登録する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針員側管理システムの検針データベースから読み出された検針データを授受し、この検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項8】
請求項7記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続され、光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置と、
光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う他の光磁気記憶媒体読み書き装置と、
他の光磁気記憶媒体読み書き装置と接続される一般業務PCと、
一般業務PCと接続され、メモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うメモリ媒体記憶装置と、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
検針データベースおよび顧客データベースを備え、メモリ媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行うPDAと、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
を有し、
前記検針員側管理システムのPDAと前記事業所側管理システムのメモリ媒体記憶装置とはメモリ媒体を介してデータの授受を行い、また前記事業所側管理システムの営料端末と一般業務PCとでは光磁気記憶媒体を介してデータの授受を行うことを特徴とする自動検針システム。
【請求項9】
顧客データベースおよび検針データベースを備え、料金処理を行う事業所側管理システムと、
計量器から計量データを読み出して無線送信する複数の需要家側管理システムと、
事業所側管理システムの顧客データベースから読み出されて送信された顧客データと、需要家側管理システムから無線送信された計量データと、を関連させて検針データを生成する検針員側管理システムと、
を備える自動検針システムであって、
事業所側管理システムは、検針データを検針員側管理システムから授受して検針データベースに登録し、検針データベースから読み出した検針データを用いて料金処理を行う、
ことを特徴とする自動検針システム。
【請求項10】
請求項9記載の自動検針システムにおいて、
前記事業所側管理システムは、
料金処理を行う営料端末と、
営料端末に接続され、光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う光磁気記憶媒体読み書き装置と、
光磁気記憶媒体に対してデータの書き込み・読み出しを行う他の光磁気記憶媒体読み書き装置と、
他の光磁気記憶媒体読み書き装置と接続され、検針データベースおよび顧客データベースを備える検針サーバと、
検針サーバと接続されるクレードルと、
を有し、
前記検針員側管理システムは、
PDAと、
PDAに接続され、需要家側管理システムと無線通信する通信アダプタと、
を有し、
前記検針員側管理システムと前記事業所側管理システムとは、検針員側管理システム側のPDAを事業所側管理システム側のクレードルに接続してデータの授受を行い、また前記事業所側管理システムの営料端末と検針サーバとでは光磁気記憶媒体を介してデータの授受を行うことを特徴とする自動検針システム。
【請求項11】
請求項5〜請求項10の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記複数の需要家側管理システムのうちある需要家側管理システム付近にある前記検針員側管理システムとその需要家側管理システムとは特定小電力無線通信により直接的に無線通信され、
前記複数の需要家側管理システムのうち他の需要家側管理システム付近にある前記検針員側管理システムとその需要家側管理システムは一または複数の無線中継器を介して特定小電力無線通信により間接的に無線通信されることを特徴とする自動検針システム。
【請求項12】
請求項11に記載の自動検針システムにおいて、
前記検針員側管理システムは、ある需要家側管理システムからの直接の通信と、ある需要家側管理システムからの無線中継器を介した間接の通信と、を同時に受信したときには受信したデータをキャンセルすることを特徴とする自動検針システム。
【請求項13】
請求項5〜請求項12の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記顧客データには計量器についての識別データが含まれており、前記検針員側管理システムは、予め選定された計量器についての識別データに基づいて検針対象とする計量器を特定し、その計量器を有する需要家側管理システムのみから計量データを取得して検針データを生成することを特徴とする自動検針システム。
【請求項14】
請求項5〜請求項13の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記需要家側管理システムは、前記検針データに加えて前記需要家側管理システムの点検に係る点検データを送信し、前記検針員側管理システムは点検データの内容を表示することを特徴とする自動検針システム。
【請求項15】
請求項5〜請求項14の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記需要家側管理システムは、
計量器に接続される無線子機を備え、
無線子機は、計量器とカレントループを介して通信することを特徴とする自動検針システム。
【請求項16】
請求項15に記載の自動検針システムにおいて、
識別データが他の需要家側管理システムの計量器を指す場合に無線子機は無線中継器として機能することを特徴とする自動検針システム。
【請求項17】
請求項5〜請求項16の何れか一項記載の自動検針システムにおいて、
前記計量器は電子式電力量計又は/及びパルス発振器付電力量計であることを特徴とする自動検針システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−147844(P2008−147844A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330601(P2006−330601)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(000220907)東光電気株式会社 (73)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(000220907)東光電気株式会社 (73)
【Fターム(参考)】
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