自動焼物機
【課題】自動焼物機そのものの設置場所が広くなくても、搬送手段や、ヒータ、水盤の清掃作業を行うことができ、しかも人手や力を要する機台の移動作業をともなわずに、前記清掃作業を簡単に行うことができる自動焼物機を提供する。
【解決手段】機台1に設置された搬送ユニット2、駆動ユニット3、加熱ユニット4および水盤5からなり、焼物を搬送ユニット2の搬送手段によって、次々に加熱ユニット4の加熱領域に搬送し、これら焼物を焼成するようにしたものとし、前記機台1に設置された搬送ユニット2を出し入れ可能とし、機台1から搬送ユニット2を取り出したときに、加熱ユニット4に配置したヒータ43および水盤5が露出するものとしている。
【解決手段】機台1に設置された搬送ユニット2、駆動ユニット3、加熱ユニット4および水盤5からなり、焼物を搬送ユニット2の搬送手段によって、次々に加熱ユニット4の加熱領域に搬送し、これら焼物を焼成するようにしたものとし、前記機台1に設置された搬送ユニット2を出し入れ可能とし、機台1から搬送ユニット2を取り出したときに、加熱ユニット4に配置したヒータ43および水盤5が露出するものとしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鳥獣肉や魚介類、野菜類などを受皿や焼網の上に載せたりして自動的に焼くようにした自動焼物機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動焼物機においては、鳥獣肉や魚介類、野菜類など焼くにしたがい、これらから肉汁や水分などが垂れ落ち、機台は勿論、機台に備え付けられた搬送手段、ヒータ、水盤なども汚れてしまうが、これら搬送手段、ヒータ、水盤は機台の内部に備え付けられているため、清掃作業がし難いという問題点を有していた。
【0003】
そこで、このような問題点を解決するために、例えば図13〜16に示したように、焼物を搬送手段101によってヒータ102領域に搬送し、この焼物をヒータ102で焼成するようにした自動焼物機において、前記搬送手段101を機台103に設置したものとし、前記ヒータ102を機台104に設置したものとすると共にこれら機台103、104を別体として構成し、焼物を焼成するときには両機台103、104を互いに接近自在とし、焼物を焼成しないときには両機台103、104を互いに離間自在としたものとしている。前記焼物は、搬送手段101に突設されたピン101aによって押されてローラコンベア105上を端から端まで搬送される焼網106に載せたものとしている。さらに、前記ヒータ102の下方には、焼物から垂れ落ちた肉汁や水分を溜めておくための水盤107が設けられたものとしている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−342458号公報(第2頁、第3頁、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の自動焼物機では、焼物を焼成するときには両機台103、104を図13、14に示したように互いに接近させる。このような状態では、焼網106に載せた焼物から垂れ落ちる肉汁や水分などによって、搬送手段101や、ヒータ102、水盤107が汚れてしまうが、これら搬送手段101や、ヒータ102、水盤107は機台103、104の内部に備え付けられているため、清掃作業が行えない。しかし、焼物を焼成した後に、両機台103、104を図15、16に示したように互いに離間させると、その接近していた互いの側面が開放されるので、清掃作業者が近寄ることができ、機台104から焼網106を外した状態で搬送手段101や、ヒータ102、水盤107の清掃作業を簡単に行うことできる。
【0005】
しかしながら、従来の自動焼物機では、自動焼物機そのものの設置場所が広くないと、両機台103、104を図15、16に示したように互いに離間させることができず、前記清掃作業が行えないという問題点を有していた。
【0006】
さらに、従来の自動焼物機では、両機台103、104を互いに離間させた状態にするには、少なくと両機台103、104の一方を移動させなければならないが、その移動作業には人手や力を要し、手間がかかるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、自動焼物機そのものの設置場所が広くなくても、搬送手段や、ヒータ、水盤の清掃作業を行うことができ、しかも人手や力を要する機台の移動作業をともなわずに、前記清掃作業を簡単に行うことができる自動焼物機を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の自動焼物機は、機台1に設置された搬送ユニット2、駆動ユニット3、加熱ユニット4および水盤5からなり、焼物を搬送ユニット2の搬送手段によって、次々に加熱ユニット4の加熱領域に搬送し、これら焼物を焼成するようにしたものとし、前記機台1に設置された搬送ユニット2を出し入れ可能とし、機台1から搬送ユニット2を取り出したときに、加熱ユニット4に配置したヒータ43および水盤5が露出するものとしている。
【0009】
そして、この発明の自動焼物機は、前記搬送ユニット2を、長尺状の枠体21の内部に搬送チェーン24を長さ方向に平行に配し、この搬送チェーン24上を、焼物を載せた受皿6または焼網が搬送するようにしている。
【0010】
さらに、この発明の自動焼物機は、前記加熱ユニット4を、前方開閉カバー41と上方閉鎖カバー42に囲まれた空間S内に、前記搬送ユニット2の設置空間をあけて、搬送チェーン24上を搬送する受皿6または焼網の上方に位置するようにヒータ43が配置され、搬送チェーン24上を搬送する受皿6または焼網の下方に位置するヒータ43が配置されるようにしている。
【0011】
また、この発明の自動焼物機は、前記前方開閉カバー41を、下端部41aを機台1の端部に軸着し、上端部41bを前記上方閉鎖カバー42の端部に係脱するようにして、作業者の手動操作で上方から下方に向かって開放できるようにしている。
【0012】
さらに、この発明の自動焼物機は、前記ヒータ43を、加熱ユニット4に着脱自在に取り付けたものとしている。
【0013】
また、この発明の自動焼物機は、前記水盤5を、加熱ユニット4に配置したヒータ43の下方に設置したものとしている。
【発明の効果】
【0014】
この発明の自動焼物機は、以上に述べたように構成されているので、自動焼物機そのものの設置場所が広くなくても、搬送手段や、ヒータ、水盤の清掃作業を行うことができ、しかも人手や力を要する機台の移動作業をともなわずに、前記清掃作業を簡単に行うことができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の自動焼物機の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
この発明の自動焼物機は、機台1に設置された搬送ユニット2、駆動ユニット3、加熱ユニット4および水盤5からなり、受皿6や焼網(図示せず)に載せた焼物を搬送ユニット2の搬送手段によって、次々に加熱ユニット4の加熱領域に搬送し、これら焼物を焼成するようにしている。
【0017】
そして、この発明の自動焼物機は、前記機台1に設置された搬送ユニット2を出し入れ可能とし、機台1から搬送ユニット2を取り出したときに、加熱ユニット4に配置したヒータ43および水盤5が露出するようにしている。
【0018】
機台1は、略長方形状の台板11の四隅を支柱(図示せず)で支持したものとしており、各支柱間の前後および両側面を平板体12で取り囲んだものとしている。平板体12には、通気のための多数の通気孔13が設けられている。なお、機台1の底部には必要に応じ、移動用のキャスター14を取り付けたものとしている。さらに、前記支柱の下端には必要に応じ、高低調整具付きの支持脚15を取り付けたものとしている。
【0019】
搬送ユニット2は、長尺状の枠体21の両端部に設けられた駆動スプロケット22と従動スプロケット23の間に掛け渡すことにより、この枠体21の内部に搬送手段としての搬送チェーン24を長さ方向に平行に配し、この搬送チェーン24上を、焼物を載せた受皿6や焼網が搬送するようにしている。搬送ユニット2を出し入れ可能とするには、図示したものでは、機台1の両端部に設けたレール25に長尺状の枠体21の両端部を載せ、このレール25に枠体21を摺動するようにして引き出したり、押し込めるようにしているが、このような構造に限定されるものではない。例えば、枠体21の両端部に送りローラ等を取り付け、機台1を転がるようにするなどしてもよい。なお、枠体21の両端の外側には、必要に応じて、焼物を載せた受皿6や焼網が搬送チェーン24上を搬送する前後に、この受皿6や焼網を載せておくための載置板26を着脱自在として取り付けておくこともできる。
【0020】
駆動ユニット3は、機台1に設置した軸受32に軸支した駆動軸33に駆動ベルトを介して動力を伝達するようにした、駆動手段としてのモータ31を機台1に設置したものとしている。前記駆動軸33の一端には、カップリング34を取り付けている。そして、前記搬送ユニット2を機台1に入れたときには、駆動軸33の一端のカップリング34に設けた溝35に搬送ユニット2の駆動スプロケット22の駆動軸27の一端に取り付けたピン28が入り込み、駆動ユニット3の駆動軸33と駆動スプロケット22の駆動軸27が連結するようにして、駆動軸33の駆動力を駆動軸27に伝達するようにしている。また、前記搬送ユニット2を機台1から取り出すときには、図12(a)(b)に示したように、駆動軸33の一端のカップリング34の溝35から前記駆動軸27の一端に取り付けたピン28が抜け、駆動ユニット3の駆動軸33から駆動スプロケット22の駆動軸27が離間するようにして、駆動軸33の駆動力を駆動軸27に伝達するのを遮断するようにしている。
【0021】
加熱ユニット4は、前方開閉カバー41と上方閉鎖カバー42に囲まれた空間S内に、前記搬送ユニット2の設置空間をあけて、搬送チェーン24上を搬送する受皿6や焼網の上方に位置するようにヒータ43が配置され、搬送チェーン24上を搬送する受皿6や焼網の下方に位置するヒータ43が配置されるようにしている。ヒータ43は、図示したものでは、ニクロム線ヒータとしているが、ガスバーナなど、任意のものとすることができる。なお、図示したヒータ43は、前記受皿6や焼網の上下方に配置され、焼物を上下両面から焼成できるようにしているが、前記受皿6や焼網の上方または下方に配置されるようにして、焼物を上片面または下片面から焼成できるようにしてもよい。また、前記ヒータ43は、加熱ユニット4にボルト止めするなどして着脱自在に取り付けたものとし、清掃作業時には、必要に応じて取り外せるものとしている。
【0022】
水盤5は、前記加熱ユニット4に配置したヒータ43の下方に設置されており、焼物から垂れ落ちた肉汁や水分を溜めておくためのものである。この水盤5の排水口には、オーバーフロー管51を取り付けたものとしており、焼物から垂れ落ちた肉汁や水分はこのオーバーフロー管51から排出される。そして、水盤5に貯留された水が汚れたり、水盤5の清掃時には、オーバーフロー管51を排水口から外し、水盤5に貯留された水を完全に排水するようにしている。
【0023】
前方開閉カバー41は、下端部41aを機台1の端部に軸着し、上端部41bを前記上方閉鎖カバー42の端部に係脱するようにして、作業者の手動操作で上方から下方に向かって開放できるようにしている。すなわち、前方開閉カバー41は、図示したように、下端部41aの両端近辺と機台1の端部の間にヒンジ44を介在させて軸着され、上端部41bにハンドル45を設けると共に上端部41bの両端に形成した止孔46に上方閉鎖カバー42の端部に設けたラッチ47を係脱するようにして、作業者が手動操作で上方から下方に向かって開放できると共に下方から上方に向かって閉鎖できるようにしている。
【0024】
上方閉鎖カバー42は、加熱ユニット4の上方を覆うように機台1に設置されている。この上方閉鎖カバー42には、通気のための多数の通気孔48が設けられている。さらに、前記上方閉鎖カバー42の前方開閉カバー41寄りには、必要に応じ着脱自在とした前板49を取り付けたものとしている。この前板49は、ヒータ43の熱が前方開閉カバー41に直接、当たらないようにするためのものである。
【0025】
以上のように構成されたこの発明の自動焼物機では、図9に示したように、前方開閉カバー41を開放し、前板49を取り付けたものでは、この前板49を外して、図10に示したように、機台1から搬送ユニット2を取り出せば、図11に示したように、加熱ユニット4のヒータ43および水盤5が露出するようになる。したがって、作業者は、この機台1から取り出した搬送ユニット2の搬送チェーン24や、加熱ユニット4のヒータ43、水盤5の清掃作業を行うことができるものとなる。なお、この場合、ボルト止めするなどしたヒータ43を加熱ユニット4から取り外せば、前記水盤5がより露出したものとなるので、この水盤5の清掃作業がし易くなると共に、取り外したヒータ43の清掃作業も容易に行うことができる。そして、これらの清掃作業は、人手や力を要する機台1の移動作業をともなわないので、簡単に行えるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の自動焼物機の斜視図である。
【図2】この発明の自動焼物機の正面図である。
【図3】この発明の自動焼物機の平面図である。
【図4】この発明の自動焼物機の側面図である。
【図5】この発明の自動焼物機の一部切欠正面図である。
【図6】この発明の自動焼物機の一部切欠平面図である。
【図7】この発明の自動焼物機の搬送ユニットの搬送チェーンに受皿を載せる状態を示す説明図である。
【図8】この発明の自動焼物機の前方開閉カバーを開放しようとしている状態を示す説明図である。
【図9】この発明の自動焼物機の前方開閉カバーを開放し終わった状態を示す説明図である。一部切欠平面図である。
【図10】この発明の自動焼物機の搬送ユニットを取り出そうとしている状態を示す説明図である。
【図11】この発明の自動焼物機の搬送ユニットを取り出し終わった状態を示す説明図である。
【図12】(a)はこの発明の自動焼物機の搬送ユニットの駆動軸と駆動ユニットの駆動軸の離間状態を示す説明図であり、(b)は搬送ユニットの駆動軸の一端と駆動ユニットの駆動軸の一端を示す説明図である。
【図13】従来の自動焼物機のヒータを設けた機台と搬送手段を設けた機台を互いに接近させた状態の平面図である。
【図14】図13中のA−A線による断面図である。
【図15】図13に示す従来の自動焼物機のヒータを設けた機台と搬送手段を設けた機台を互いに離間させた状態の平面図である。
【図16】図15中のB−B線による断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 機台
2 搬送ユニット
3 駆動ユニット
4 加熱ユニット
5 水盤
6 受皿
21 枠体
24 搬送チェーン
41 前方開閉カバー
41a 下端部
41b 上端部
42 上方閉鎖カバー
43 ヒータ
S 空間
【技術分野】
【0001】
この発明は、鳥獣肉や魚介類、野菜類などを受皿や焼網の上に載せたりして自動的に焼くようにした自動焼物機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動焼物機においては、鳥獣肉や魚介類、野菜類など焼くにしたがい、これらから肉汁や水分などが垂れ落ち、機台は勿論、機台に備え付けられた搬送手段、ヒータ、水盤なども汚れてしまうが、これら搬送手段、ヒータ、水盤は機台の内部に備え付けられているため、清掃作業がし難いという問題点を有していた。
【0003】
そこで、このような問題点を解決するために、例えば図13〜16に示したように、焼物を搬送手段101によってヒータ102領域に搬送し、この焼物をヒータ102で焼成するようにした自動焼物機において、前記搬送手段101を機台103に設置したものとし、前記ヒータ102を機台104に設置したものとすると共にこれら機台103、104を別体として構成し、焼物を焼成するときには両機台103、104を互いに接近自在とし、焼物を焼成しないときには両機台103、104を互いに離間自在としたものとしている。前記焼物は、搬送手段101に突設されたピン101aによって押されてローラコンベア105上を端から端まで搬送される焼網106に載せたものとしている。さらに、前記ヒータ102の下方には、焼物から垂れ落ちた肉汁や水分を溜めておくための水盤107が設けられたものとしている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−342458号公報(第2頁、第3頁、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の自動焼物機では、焼物を焼成するときには両機台103、104を図13、14に示したように互いに接近させる。このような状態では、焼網106に載せた焼物から垂れ落ちる肉汁や水分などによって、搬送手段101や、ヒータ102、水盤107が汚れてしまうが、これら搬送手段101や、ヒータ102、水盤107は機台103、104の内部に備え付けられているため、清掃作業が行えない。しかし、焼物を焼成した後に、両機台103、104を図15、16に示したように互いに離間させると、その接近していた互いの側面が開放されるので、清掃作業者が近寄ることができ、機台104から焼網106を外した状態で搬送手段101や、ヒータ102、水盤107の清掃作業を簡単に行うことできる。
【0005】
しかしながら、従来の自動焼物機では、自動焼物機そのものの設置場所が広くないと、両機台103、104を図15、16に示したように互いに離間させることができず、前記清掃作業が行えないという問題点を有していた。
【0006】
さらに、従来の自動焼物機では、両機台103、104を互いに離間させた状態にするには、少なくと両機台103、104の一方を移動させなければならないが、その移動作業には人手や力を要し、手間がかかるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、自動焼物機そのものの設置場所が広くなくても、搬送手段や、ヒータ、水盤の清掃作業を行うことができ、しかも人手や力を要する機台の移動作業をともなわずに、前記清掃作業を簡単に行うことができる自動焼物機を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の自動焼物機は、機台1に設置された搬送ユニット2、駆動ユニット3、加熱ユニット4および水盤5からなり、焼物を搬送ユニット2の搬送手段によって、次々に加熱ユニット4の加熱領域に搬送し、これら焼物を焼成するようにしたものとし、前記機台1に設置された搬送ユニット2を出し入れ可能とし、機台1から搬送ユニット2を取り出したときに、加熱ユニット4に配置したヒータ43および水盤5が露出するものとしている。
【0009】
そして、この発明の自動焼物機は、前記搬送ユニット2を、長尺状の枠体21の内部に搬送チェーン24を長さ方向に平行に配し、この搬送チェーン24上を、焼物を載せた受皿6または焼網が搬送するようにしている。
【0010】
さらに、この発明の自動焼物機は、前記加熱ユニット4を、前方開閉カバー41と上方閉鎖カバー42に囲まれた空間S内に、前記搬送ユニット2の設置空間をあけて、搬送チェーン24上を搬送する受皿6または焼網の上方に位置するようにヒータ43が配置され、搬送チェーン24上を搬送する受皿6または焼網の下方に位置するヒータ43が配置されるようにしている。
【0011】
また、この発明の自動焼物機は、前記前方開閉カバー41を、下端部41aを機台1の端部に軸着し、上端部41bを前記上方閉鎖カバー42の端部に係脱するようにして、作業者の手動操作で上方から下方に向かって開放できるようにしている。
【0012】
さらに、この発明の自動焼物機は、前記ヒータ43を、加熱ユニット4に着脱自在に取り付けたものとしている。
【0013】
また、この発明の自動焼物機は、前記水盤5を、加熱ユニット4に配置したヒータ43の下方に設置したものとしている。
【発明の効果】
【0014】
この発明の自動焼物機は、以上に述べたように構成されているので、自動焼物機そのものの設置場所が広くなくても、搬送手段や、ヒータ、水盤の清掃作業を行うことができ、しかも人手や力を要する機台の移動作業をともなわずに、前記清掃作業を簡単に行うことができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の自動焼物機の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
この発明の自動焼物機は、機台1に設置された搬送ユニット2、駆動ユニット3、加熱ユニット4および水盤5からなり、受皿6や焼網(図示せず)に載せた焼物を搬送ユニット2の搬送手段によって、次々に加熱ユニット4の加熱領域に搬送し、これら焼物を焼成するようにしている。
【0017】
そして、この発明の自動焼物機は、前記機台1に設置された搬送ユニット2を出し入れ可能とし、機台1から搬送ユニット2を取り出したときに、加熱ユニット4に配置したヒータ43および水盤5が露出するようにしている。
【0018】
機台1は、略長方形状の台板11の四隅を支柱(図示せず)で支持したものとしており、各支柱間の前後および両側面を平板体12で取り囲んだものとしている。平板体12には、通気のための多数の通気孔13が設けられている。なお、機台1の底部には必要に応じ、移動用のキャスター14を取り付けたものとしている。さらに、前記支柱の下端には必要に応じ、高低調整具付きの支持脚15を取り付けたものとしている。
【0019】
搬送ユニット2は、長尺状の枠体21の両端部に設けられた駆動スプロケット22と従動スプロケット23の間に掛け渡すことにより、この枠体21の内部に搬送手段としての搬送チェーン24を長さ方向に平行に配し、この搬送チェーン24上を、焼物を載せた受皿6や焼網が搬送するようにしている。搬送ユニット2を出し入れ可能とするには、図示したものでは、機台1の両端部に設けたレール25に長尺状の枠体21の両端部を載せ、このレール25に枠体21を摺動するようにして引き出したり、押し込めるようにしているが、このような構造に限定されるものではない。例えば、枠体21の両端部に送りローラ等を取り付け、機台1を転がるようにするなどしてもよい。なお、枠体21の両端の外側には、必要に応じて、焼物を載せた受皿6や焼網が搬送チェーン24上を搬送する前後に、この受皿6や焼網を載せておくための載置板26を着脱自在として取り付けておくこともできる。
【0020】
駆動ユニット3は、機台1に設置した軸受32に軸支した駆動軸33に駆動ベルトを介して動力を伝達するようにした、駆動手段としてのモータ31を機台1に設置したものとしている。前記駆動軸33の一端には、カップリング34を取り付けている。そして、前記搬送ユニット2を機台1に入れたときには、駆動軸33の一端のカップリング34に設けた溝35に搬送ユニット2の駆動スプロケット22の駆動軸27の一端に取り付けたピン28が入り込み、駆動ユニット3の駆動軸33と駆動スプロケット22の駆動軸27が連結するようにして、駆動軸33の駆動力を駆動軸27に伝達するようにしている。また、前記搬送ユニット2を機台1から取り出すときには、図12(a)(b)に示したように、駆動軸33の一端のカップリング34の溝35から前記駆動軸27の一端に取り付けたピン28が抜け、駆動ユニット3の駆動軸33から駆動スプロケット22の駆動軸27が離間するようにして、駆動軸33の駆動力を駆動軸27に伝達するのを遮断するようにしている。
【0021】
加熱ユニット4は、前方開閉カバー41と上方閉鎖カバー42に囲まれた空間S内に、前記搬送ユニット2の設置空間をあけて、搬送チェーン24上を搬送する受皿6や焼網の上方に位置するようにヒータ43が配置され、搬送チェーン24上を搬送する受皿6や焼網の下方に位置するヒータ43が配置されるようにしている。ヒータ43は、図示したものでは、ニクロム線ヒータとしているが、ガスバーナなど、任意のものとすることができる。なお、図示したヒータ43は、前記受皿6や焼網の上下方に配置され、焼物を上下両面から焼成できるようにしているが、前記受皿6や焼網の上方または下方に配置されるようにして、焼物を上片面または下片面から焼成できるようにしてもよい。また、前記ヒータ43は、加熱ユニット4にボルト止めするなどして着脱自在に取り付けたものとし、清掃作業時には、必要に応じて取り外せるものとしている。
【0022】
水盤5は、前記加熱ユニット4に配置したヒータ43の下方に設置されており、焼物から垂れ落ちた肉汁や水分を溜めておくためのものである。この水盤5の排水口には、オーバーフロー管51を取り付けたものとしており、焼物から垂れ落ちた肉汁や水分はこのオーバーフロー管51から排出される。そして、水盤5に貯留された水が汚れたり、水盤5の清掃時には、オーバーフロー管51を排水口から外し、水盤5に貯留された水を完全に排水するようにしている。
【0023】
前方開閉カバー41は、下端部41aを機台1の端部に軸着し、上端部41bを前記上方閉鎖カバー42の端部に係脱するようにして、作業者の手動操作で上方から下方に向かって開放できるようにしている。すなわち、前方開閉カバー41は、図示したように、下端部41aの両端近辺と機台1の端部の間にヒンジ44を介在させて軸着され、上端部41bにハンドル45を設けると共に上端部41bの両端に形成した止孔46に上方閉鎖カバー42の端部に設けたラッチ47を係脱するようにして、作業者が手動操作で上方から下方に向かって開放できると共に下方から上方に向かって閉鎖できるようにしている。
【0024】
上方閉鎖カバー42は、加熱ユニット4の上方を覆うように機台1に設置されている。この上方閉鎖カバー42には、通気のための多数の通気孔48が設けられている。さらに、前記上方閉鎖カバー42の前方開閉カバー41寄りには、必要に応じ着脱自在とした前板49を取り付けたものとしている。この前板49は、ヒータ43の熱が前方開閉カバー41に直接、当たらないようにするためのものである。
【0025】
以上のように構成されたこの発明の自動焼物機では、図9に示したように、前方開閉カバー41を開放し、前板49を取り付けたものでは、この前板49を外して、図10に示したように、機台1から搬送ユニット2を取り出せば、図11に示したように、加熱ユニット4のヒータ43および水盤5が露出するようになる。したがって、作業者は、この機台1から取り出した搬送ユニット2の搬送チェーン24や、加熱ユニット4のヒータ43、水盤5の清掃作業を行うことができるものとなる。なお、この場合、ボルト止めするなどしたヒータ43を加熱ユニット4から取り外せば、前記水盤5がより露出したものとなるので、この水盤5の清掃作業がし易くなると共に、取り外したヒータ43の清掃作業も容易に行うことができる。そして、これらの清掃作業は、人手や力を要する機台1の移動作業をともなわないので、簡単に行えるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の自動焼物機の斜視図である。
【図2】この発明の自動焼物機の正面図である。
【図3】この発明の自動焼物機の平面図である。
【図4】この発明の自動焼物機の側面図である。
【図5】この発明の自動焼物機の一部切欠正面図である。
【図6】この発明の自動焼物機の一部切欠平面図である。
【図7】この発明の自動焼物機の搬送ユニットの搬送チェーンに受皿を載せる状態を示す説明図である。
【図8】この発明の自動焼物機の前方開閉カバーを開放しようとしている状態を示す説明図である。
【図9】この発明の自動焼物機の前方開閉カバーを開放し終わった状態を示す説明図である。一部切欠平面図である。
【図10】この発明の自動焼物機の搬送ユニットを取り出そうとしている状態を示す説明図である。
【図11】この発明の自動焼物機の搬送ユニットを取り出し終わった状態を示す説明図である。
【図12】(a)はこの発明の自動焼物機の搬送ユニットの駆動軸と駆動ユニットの駆動軸の離間状態を示す説明図であり、(b)は搬送ユニットの駆動軸の一端と駆動ユニットの駆動軸の一端を示す説明図である。
【図13】従来の自動焼物機のヒータを設けた機台と搬送手段を設けた機台を互いに接近させた状態の平面図である。
【図14】図13中のA−A線による断面図である。
【図15】図13に示す従来の自動焼物機のヒータを設けた機台と搬送手段を設けた機台を互いに離間させた状態の平面図である。
【図16】図15中のB−B線による断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 機台
2 搬送ユニット
3 駆動ユニット
4 加熱ユニット
5 水盤
6 受皿
21 枠体
24 搬送チェーン
41 前方開閉カバー
41a 下端部
41b 上端部
42 上方閉鎖カバー
43 ヒータ
S 空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機台(1)に設置された搬送ユニット(2)、駆動ユニット(3)、加熱ユニット(4)および水盤(5)からなり、焼物を搬送ユニット(2)の搬送手段によって、次々に加熱ユニット(4)の加熱領域に搬送し、これら焼物を焼成するようにしたものとし、前記機台(1)に設置された搬送ユニット(2)を出し入れ可能とし、機台(1)から搬送ユニット(2)を取り出したときに、加熱ユニット(4)に配置したヒータ(43)および水盤(5)が露出するものとしたことを特徴とする自動焼物機。
【請求項2】
前記搬送ユニット(2)を、長尺状の枠体(21)の内部に搬送チェーン(24)を長さ方向に平行に配し、この搬送チェーン(24)上を、焼物を載せた受皿(6)や焼網が搬送するようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動焼物機。
【請求項3】
前記加熱ユニット(4)を、前方開閉カバー(41)と上方閉鎖カバー(42)に囲まれた空間(S)内に、前記搬送ユニット(2)の設置空間をあけて、搬送チェーン(24)上を搬送する受皿(6)または焼網の上方に位置するようにヒータ(43)が配置され、搬送チェーン(24)上を搬送する受皿(6)または焼網の下方に位置するヒータ(43)が配置されるようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動焼物機。
【請求項4】
前記前方開閉カバー(41)を、下端部(41a)を機台(1)の端部に軸着し、上端部(41b)を前記上方閉鎖カバー(42)の端部に係脱するようにして、作業者の手動操作で上方から下方に向かって開放できるようにしたことを特徴とする請求項3記載の自動焼物機。
【請求項5】
前記ヒータ(43)を、加熱ユニット(4)に着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1または3記載の自動焼物機。
【請求項6】
前記水盤(5)を、加熱ユニット(4)に配置したヒータ(43)の下方に設置したことを特徴とする請求項1記載の自動焼物機。
【請求項1】
機台(1)に設置された搬送ユニット(2)、駆動ユニット(3)、加熱ユニット(4)および水盤(5)からなり、焼物を搬送ユニット(2)の搬送手段によって、次々に加熱ユニット(4)の加熱領域に搬送し、これら焼物を焼成するようにしたものとし、前記機台(1)に設置された搬送ユニット(2)を出し入れ可能とし、機台(1)から搬送ユニット(2)を取り出したときに、加熱ユニット(4)に配置したヒータ(43)および水盤(5)が露出するものとしたことを特徴とする自動焼物機。
【請求項2】
前記搬送ユニット(2)を、長尺状の枠体(21)の内部に搬送チェーン(24)を長さ方向に平行に配し、この搬送チェーン(24)上を、焼物を載せた受皿(6)や焼網が搬送するようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動焼物機。
【請求項3】
前記加熱ユニット(4)を、前方開閉カバー(41)と上方閉鎖カバー(42)に囲まれた空間(S)内に、前記搬送ユニット(2)の設置空間をあけて、搬送チェーン(24)上を搬送する受皿(6)または焼網の上方に位置するようにヒータ(43)が配置され、搬送チェーン(24)上を搬送する受皿(6)または焼網の下方に位置するヒータ(43)が配置されるようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動焼物機。
【請求項4】
前記前方開閉カバー(41)を、下端部(41a)を機台(1)の端部に軸着し、上端部(41b)を前記上方閉鎖カバー(42)の端部に係脱するようにして、作業者の手動操作で上方から下方に向かって開放できるようにしたことを特徴とする請求項3記載の自動焼物機。
【請求項5】
前記ヒータ(43)を、加熱ユニット(4)に着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1または3記載の自動焼物機。
【請求項6】
前記水盤(5)を、加熱ユニット(4)に配置したヒータ(43)の下方に設置したことを特徴とする請求項1記載の自動焼物機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−93049(P2008−93049A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275803(P2006−275803)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(390033396)ヒゴグリラー株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(390033396)ヒゴグリラー株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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