説明

自動発呼ルーティング

本発明は、カンファレンス・ネットワークシステムに関し、特に、カンファレンス・ネットワークにおいて第1と第2のカンファレンス・ネットワーク装置の間にルートを確立する方法と装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カンファレンス・ネットワーク・システムに関し、特に、カンファレンス・ネットワークにおいて、複数のカンファレンス・ネットワーク装置間でルートを確立する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ・カンファレンス・ミーティング(テレビ電話会議)を設定することは、複雑である。ユーザが、資源、バンド幅の設定、プロトコル、ISDNダイヤル・ルール(エリア・コード・ルール、プレフィックス、正確なISDNコール番号等)、IPダイアル・ルール、ゲートキーパー、ゲートウェイ等を考慮して、高品質なテレビ会議を進めなければならない時には、特にそうである。呼びを設定する際に、ゲートウェイの機能を利用することは特に困難である。本発明は、ゲートウェイの機能を利用することを容易にする。
【0003】
本発明の方法は、複数のMCU(Multi-point Control Unit:マルチポイント制御ユニット)が分散しているカンファレンス・コールを手動で設定する際の問題点を回避し、且つタイムラグの問題及び必要以上の資源を用いる問題を減らす。タイムラグが表れるのは、複数のエンド・ポイント(ビデオ/オーディオ端末/電話、またはゲートウェイ)が、異なるスレーブMCUにあり、互いに通信する時である。必要以上の資源が用いられる場合とは、全体のカンファレンスを保持するには十分な資源があるのに、例えば2個のMCUを用いるだけで十分なのに、カンファレンス・システムが3個以上のMCUに分散している場合である。これは、極めて非効率的で、タイムラグの問題を増加させる。
【0004】
本発明は、ビデオ・カンファレンス(テレビ会議)を自動的に設定するルーティング・ソリューション(経路設定法)を有する。本発明によれば、ユーザは、呼びを設定するために、ネットワーク構成、ゲートウェイ、ゲートキーパー等の知識を必要とすることはない。これは自動的に行われる。ユーザは、単に、自分が利用しようとするシステムを、好ましくはユーザ・インターフェース(例えばウェブ・インターフェース)を介して、選択するだけでよく、ルーティング・ソリューションが、カンファレンスを設定してくれる。この自動的なコール(呼び)・ルーティングは、ダイレクトIPコールを使用するか否か、ダイレクトISDNコールを使用するか否か、またはゲートウェイを介して呼びをルーティングをするか否かを決定するが、これは、ISDNのコストと、エンド・ポイントの品質計算と、バンド幅の資源とに基づいて行われる、
【0005】
本明細書は、新規で且つ技術的に高度なルーティングと、ゲートウェイが、呼びで必要とされた場合には如何に自動的に用いられるかを記載している。
【0006】
いくつかの文献が、会議用装置を接続するさまざまな技術的態様を記載している。
【0007】
特許文献1は、複数のインターネット・プロトコルの利用が可能となるコール・センターを管理する装置と方法を記載している。この文献の主な特徴は、INPT(Interner Protocol Network Telephony)コールを受信するのに適した専用のコンピュータを用いて、IP電話システムからの呼びをエージェント局にルーティングすることである。コール・センターにある各コンピュータに接続されたルータは、ルーティング・ポイントで受信した発呼(呼び)を転送するために、エージェント局を選択するルーティング・ルールを実行するよう構成されている。
【0008】
【特許文献1】米国特許第6175564号明細書
【特許文献2】米国特許第6100918号明細書
【特許文献3】米国特許第5280583号明細書
【特許文献4】米国特許第5999966号明細書
【特許文献5】米国特許第5642156号明細書
【特許文献6】米国特許第5812652号明細書
【0009】
特許文献2は、画像の一方向伝送のみが必要とされるようなビデオ・カンファレンスを最適化するビデオ・システムと方法を記載している。
【0010】
特許文献3は、ISDN通信ネットワークに接続された複数の端末における会話を実行するシステムと方法を記載している。プログラムは、ユーザによりワーク・ステーション上のユーザ・インターフェースを介して実行される。ワーク・ステーションは、プログラムを制御するユーザによる操作に従って、複数のステーションの間に制御通信ルートを確立する。
【0011】
特許文献4は、ネットワークが指示するビデオ・カンファレンス・スイッチングを制御するシステムと方法を記載している。
【0012】
特許文献5は、各サイトと、ビデオ・カンファレンスに関連するスケジュールとを管理する機能を有する、ビデオ・カンファレンス・ネットワーク・マネージングのシステムを記載している。
【0013】
特許文献6は、ミート・ミー(meet-me)・カンファレンス・サービス用の通信ネットワークにおけるブリッジに対する、集中管理と割り当てを記載している。
【0014】
上記の引用文献は、本発明に関連したカンファレンスを設定する態様に多少とも関連している。特許文献4、5、6は、ビデオ・カンファレンス技術における一般的な従来技術を含んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、ビデオ・カンファレンス・ネットワークにおいて、複数のカンファレンス・ネットワーク装置間で、ルートを自動的に確立する方法と装置を提供することである。
【0016】
本発明の目的は、複雑に絡み合ったネットワーク(例、H320およびH323)内で最適のルートを自動的に決定し、ルーティングすることを含む。
【0017】
ネットワーク装置は、複数のビデオ・カンファレンス装置の呼びの設定で使用されるいかなる要素でもよい、即ち、MCU、ゲートウェイ(異なるネットワーク、例えばIPとISDNとを接続する)、ゲートキーパー(中央制御ポイントとして機能し、呼び制御サービスを、登録されたエンド・ポイントに提供する)、エンド・ポイント(EP)等である。
【0018】
上記の目的は、特許請求の範囲に記載した方法と装置により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記したように、本発明の目的は、カンファレンス・ネットワーク内で、複数のカンファレンス・ネットワーク装置の間にルートを確立することである。このカンファレンス・ネットワークは、複数のカンファレンス・ネットワーク装置と少なくとも1個のゲートキーパーを含む。このカンファレンス・ネットワークは、ISDNのサブネットワークのような回路切り換えサブネットワークと、IPサブネットワークのようなパケット交換サブネットワークを含んでもよい。少なくとも1個のカンファレンス・ネットワーク装置は、MCU内に動作可能に含まれるゲートウェイである。少なくとも1個のカンファレンス・ネットワーク装置は、エンド・ポイント内に動作可能に含まれるMCUである。
【0020】
本発明の方法は、ネットワークに動作可能に接続されたユーザ端末上のユーザ・インターフェース、すなわちMSインターネット・エクスプローラ(MS Internet Explorer)(登録商標)を動作させることにより、実行される。
【0021】
本発明の方法は、複数のステップを含む。
【0022】
第1ステップは、エンド・ポイントと、MCUと、ゲートウェイとからなるグループから選択されたカンファレンス・ネットワーク装置に関する登録データを収集することである。好ましい実施例においては、ネットワーク装置に対するさまざまな登録データは、中間データベース記憶媒体から具備される。各ビデオ・カンファレンスに関する情報をデータベース内で最新のものに維持しておくことにより、複数のネットワーク装置間にルートを確立することは、各装置からこの情報を収集して行うよりも、速くなる。
【0023】
第2ステップは、この登録データを用いて、候補ルートのセットを生成することである。
【0024】
このルートのセットは、次のステップにおいて、ネットワークを介した候補ルートの絞られた組となる。そこでルートは、重み付き関数に基づいて、あるいはコスト関数のセットに基づいて絞られる。コスト関数は、ネットワーク・タイプのパラメータ、遅延パラメータ、バンド幅パラメータ、コストレート・パラメータからなるグループから選択された少なくとも1個のパラメータに関連する。
【0025】
重要なパラメータは、遅延パラメータすなわちタイム・ラグ・パラメータ(後で定義する)である。それ故に、ゲートウェイに関与するルートは、このルートがゲートウェイの関与なしに確立された場合には、排除される。これは、カンファレンス・ネットワーク装置が同一のゲートキーパーに登録された場合に、行われる。
【0026】
複数のカンファレンス・ネットワーク装置が、カンファレンス・ネットワークとIP通信が利用可能になった場合には、ダイレクトIPルートが前記の候補ルートの絞られたセット内に含まれる。
【0027】
他方で、複数のカンファレンス・ネットワーク装置が、カンファレンス・ネットワークとのISDN通信が利用可能となった場合には、ダイレクトISDNルートが前記の候補ルートの絞られたセット内に含まれる。
【0028】
1つあるいは複数のネットワーク装置が、カンファレンス・ネットワークとのIP通信が利用可能となり、1つあるいは複数のネットワーク装置が、ISDN通信が利用可能となった場合には、前記ネットワーク内に含まれる、ISDNサブネットワークとIPサブネットワークとの間の少なくとも1個のゲートウェイに関連するルートが、前記ネットワーク内に含まれる。
【0029】
次のステップは、上記の重み付けステップで生成された候補ルートのセットから1つあるいは複数のルートを選択することである。この選択されたルートは、トータルコストが最低のルートである。
【0030】
本発明の方法は、さらに、前記の選択されたルートをユーザに提示し、ユーザからの確認を受領するステップを含む。ユーザからの確認を受領した後、選択したルートを確立する。
【実施例】
【0031】
前述したように、本発明の原理は、ウェブ・インターフェースのようなユーザ・インターフェースを用いてビデオ・カンファレンスを創設することを容易にすること、および呼びにおいてゲートウェイを用いる(これだけで十分な場合)ことを容易にすることである。ユーザは、カンファレンス内で自分が望むビデオ・カンファレンス・ユニットを選択するだけでよい。ユーザは、カンファレンスの設定に関し、何の考慮も払う必要がない。これにより、ゲートウェイの機能を利用して、ビデオ・カンファレンスを設定することが非常に単純となる。
【0032】
一例として、ゲートウェイを用いて呼びをルーティングするために、本発明の方法がシステム内で如何に実行されるかを以下記載する。
【0033】
第1実施例は、ISDNを用いたビデオ・カンファレンスシステムから、ゲートウェイを介して、IP専用システムへ通る(ISDN−ゲートウェイ−IP)呼びに関して説明する。
【0034】
第2実施例は、IP専用システムから、ゲートウェイからISDNを介して、さらに別のゲートウェイを介して、別のIP専用システムを通る(IP−ゲートウェイ−ISDN−ゲートウェイ−IP)呼びに関して説明する。
【0035】
ISDN−ゲートウェイ−IP 呼び(発呼)。
図1は、タンベルグ・ミーティング・スケジューラ(Tandberg Meeting Scheduler (TMS))内でビデオ・カンファレンスミーティングを行うグラフィカル・ユーザ・インターフェース(graphical user interface (GUI))を示す。これは、呼びの自動ルーティングを行う本発明の方法を実行する。この第1実施例は、2個のビデオ・カンファレンスシステムが選択される、すなわち、システム「ステーション24(Station 24)」とシステム「ルーンラース・ベガード(RuneLars Vegard)」が選択される。
【0036】
図2に示すように、RuneLars Vegardは、米国内の「Dallas事務所」と称するTMSロケーションにある。Station24は、ノルウェーの「Lysaker事務所」にTMSロケーションを有する。「RuneLars Vegard」は、ISDNのバンド幅を有する。「Station24」は、IP専用システムである。TMSロケーション「Lysaker事務所」においては、それらは同一事務所内のゲートウェイとゲートキーパーに登録されている。
【0037】
システム「RuneLars Vegard」と「Station24」の間でこの呼びを設定する際に、考慮に入れなければならないいくつかの状況がある。これらの状況には、どのシステムが呼びを発し、どのプロトコルを用い、ダイヤル・ストリング(電話番号)がどのようになっているかを含む。TMSルーティングは、これらを全て自動で設定する。この実施例においては、TMSルーティングは、ロケーション「Dallas事務所」でシステム「RuneLars Vegard」からの呼びを開始すると決定する。
【0038】
図2は、自動的に行われた呼びのルートを示す。TMSルーティングは、システム「RuneLars Vegard」21(これは、最大1472kbpsのバンド幅のISDNを用いて米国の「Dallas事務所」にあるシステム)が、「Lysaker事務所」内のゲートウェイに呼びを発するとを決定する。システム「Station24」22は、「Lysaker事務所」(ノルウェー)のロケーションを有する。このシステムは、ISDNのバンド幅を有さない。「Lysaker事務所」のロケーションにはゲートウェイがある。TMSルーティングは、コール・ストリングの末尾に、「Station24」の延長(内線)番号を付加する。この番号は、自動的に、00114767838770*1124となるようルーティングされる。このコール・ストリングは、「Dallas事務所」と「Lysaker事務所」に関するTMSロケーション情報に基づいている。
【0039】
TMSは、2つのビデオ・カンファレンス・システム間で直接IPを呼び出すことを決定しない。その理由は、ノルウェーと米国の間には公衆IPネットワークに頼らなければならず、これはビデオ・カンファレンス・コールに対して低品質しか与えないからである。ISDNは、米国から「Lysaker事務所」のロケーションにあるゲートウェイまで用いられる。その理由は、ISDNは安定したバンド幅の品質を与えるからである。
【0040】
TMSは、ゲートウェイのゲートキーパー状態とシステム「Station24」をチェックして、ゲートウェイから「Station24」へ、E164アリアス(alias)延長番号が通ることを確認する。ゲートウェイが不正の(正しくない)ゲートキーパー状態を有する場合には、TMSルーティングは別のゲートウェイを使用することを試みる。「Station24」が不正のゲートキーパー状態を有する場合には、TMSはE164アリアス(alias)コールを全く設定しない。
【0041】
ゲートウェイと「Station24」が、同一のゲートキーパーに登録されていない場合には、TMSはゲートキーパー上の近隣情報をチェックして、E164アリアス(alias)コールがゲートウェイから「Station24」に通るかを見る。
【0042】
TMSが2カ所のTMSロケーションの間での呼びに対し、IPを使用すると決定することもできる。すると、これら2カ所ののロケーション間においては、IPが好ましいものになるよう構成される。これは、それらの間に高品質のIPラインを具備したロケーション間で当てはまる。
【0043】
IP−ゲートウェイ−ISDN−ゲートウェイ−IP 呼び
第2実施例は、第1実施例とほとんど同じであるが、この実施例においては、「Dallas事務所」内のTMSロケーションにあるIPのみのビデオ・カンファレンス・システム「Espresso」から、TMSロケーション「Lysaker事務所」内のIPのみの「Station24」システムへ、呼びが流れることになる。
【0044】
図3は、TMSがこの呼びを如何に設定するかを示す。コール・ストリング(call string)は、第1実施例のコール・ストリングと同一であるが、「23」のプレフィックスがある点で異なる。これは、ロケーション「Dallas事務所」内にあるゲートウェイの自動バンド幅品質プレフィックスである。参加者「Espresso」31は、米国の「Dallas事務所」内にある。それは、ISDNバンド幅を有さない。参加者「Station24」32は、ロケーション「Lysaker事務所」(ノルウェー)を有する。これは、ISDNバンド幅を有さない。「Lysaker事務所」ロケーションにもゲートウェイがある。
【0045】
TMSは、呼びに2個のゲートウェイを関与させると決定し、2カ所のIP専用システムの間のIPを直接用いた呼びを行わない。その理由は、呼びは、ノルウェーと米国の間の公衆IPネットワークによらなければならず、これは、ビデオ・カンファレンス・コールに対し低品質しか与えないからである。
【0046】
第1実施例と同様に、ゲートウエイ上と2個のビデオ・カンファレンス・システム上のゲートキーパーの状態が検査され、呼びが流れることを確認する。
【0047】
第1実施例と同様に、TMSは、2カ所のTMSロケーションの間での呼びに対しては、IPを使用すると決定することができる。この場合、IPはこれら2カ所ロケーションの間で好ましいものであるよう、構成される。これは、それらの間の高品質のIPラインを具備したロケーション間での場合も当てはまる。
【0048】
ISDNの呼びを、ISDN機能を具備しないビデオ・カンファレンス・システムへゲートウェイでルーティングするソルーションは、ビデオ・カンファレンス・システムと同一のロケーションにゲートウェイがあるか否か、あるいはビデオ・カンファレンス・システムへの良好なIPラインを有すると規定されたロケーション上にゲートウェイがあるか否かを特定することである。次のステップは、ゲートウェイがE164延長番号を用いて、ビデオ・カンファレンス・システムを呼びを出すことができるか否かを特定することである。これは、ビデオ・カンファレンス・システムとゲートウェイに関するゲートキーパー情報を用いて行われる。
【0049】
ゲートウェイとビデオ・カンファレンス・システムが同一のゲートキーパーを用いていない場合には、TMSルーティングは、ビデオ・カンファレンス・システムのゲートキーパーがゲートウェイのゲートキーパーの近隣にあるか否か、及びE164アリアス・コールが2つのゲートキーパーの間を通るか否かをチェックする。
【0050】
上記のテストがOKの場合には、TMSルーティングは、ISDN機能を有さないビデオ・カンファレンス・システム内へのISDN呼びを、ゲートウェイISDNポートにルーティングし、その後、TSC4を用いて、ビデオ・カンファレンス・システムに到達する。
【0051】
ISDN機能を具備しないシステムからのISDNコール(ISDN呼び)に対しては、全てのTMSロケーションは、LAN上のゲートウェイの電話バンド幅プレフィックスと自動バンド幅サービス・プレフィックスとでて登録することができる。
TMSルーティングは、これらのゲートウェイサービス・プレフィックスのうちの1つを用いて、ISDN機能を有さないビデオ・カンファレンス・システムからのISDNコール(呼び)を設定する。ISDN電話の呼びがなされた場合には、電話バンド幅サービス・プレフィックスが用いられる。ビデオ・カンファレンス・コールがなされた場合には、自動バンド幅サービス・プレフィックスが用いられる。
【0052】
図4は、本発明の方法の機能を表すフローチャート図である。
【0053】
図4は、本発明の方法により、複数の異なるシステムとこれらを相互に接続する方法を示す。
【0054】
システムは、次のように定義される。
システムA.A: エンド・ポイント、MCU、ゲートキーパAに接続されたゲートウェイ
システムA.B: エンド・ポイント、MCU、ゲートキーパAに接続されたゲートウェイ
ゲートウェイA.G(図示せず): ゲートキーパAに接続されたゲートウェイ
システムB.A: エンド・ポイント、MCU、ゲートキーパBに接続されたゲートウェイ
システムB.B: エンド・ポイント、MCU、ゲートキーパBに接続されたゲートウェイ
ゲートウェイB.G(図示せず): ゲートキーパA(GK.A)に接続されたゲートウェイ
システムC.A: エンド・ポイント、MCU、ISDNの接続機能を具備したゲートウェイ
【0055】
本発明の方法は、同一のゲートキーパー(ゲートキーパーA)上にあるシステムA.AとシステムA.Bに関する情報を用いて、システムA.AとシステムA.Bとの間の呼びを自動的にルーティングする。
【0056】
本発明の方法は、システムA.Aと、システムB.Aと、ゲートキーパーAおよび/またはゲートキーパーBに関する情報を用いて、システムA.AとシステムB.Aとの間の呼びを、自動的にルーティングする。例えば、これらは内部通信(近隣通信)が可能なゲートキーパーに登録されている。
【0057】
本発明の方法は、ゲートウエイA.Gを用いたシステムA.AとシステムC.Aとの間の呼びを、自動的にルーティングする。これは、同一のゲートキーパーに登録され、ゲートウェイが外部の呼びが可能なようなシステムA.AとゲートウエイA.Gに関する情報を用いて行う。
【0058】
本発明の方法は、ゲートウエイB.Gを用いたシステムA.AとシステムC.Aとの間の呼びを自動的にルーティングする。これは、システムA.AとゲートウエイA.Gに関する情報とゲートキーパーAおよび/ゲートキーパーBを用いて行う。これらは、内部通信(近隣通信)が行えるゲートキーパーと、外部呼びが行えるゲートウエイに登録されている。
【0059】
本発明の方法は、ゲートウエイA.GとゲートウエイB.Gを用いたシステムA.AとシステムB.Aとの間の呼びを自動的にルーティングする。これは、同一のゲートキーパーあるいは内部通信が可能なゲートキーパー上にあるシステムA.AとゲートウエイA.Gに関する情報を用いて、および同一のゲートキーパーあるいは内部通信が可能なゲートキーパーにあるシステムB.AとゲートウエイB.Gに関する情報を用いて行う。
【0060】
本発明の方法は、上記の基本的方法を用いて、呼びを自動的にルーティングするが、但し、ゲートキーパーの階層(例えば、A−>B−>C−>D複数のレベル)が与えられた場合である。
【0061】
本発明の方法は、上記の基本的方法を用いて、呼びを自動的にルーティングするが、但し、ゲートキーパーの階層(例えば、A−>B−>C−>D複数のネットワーク)が与えられた場合である。
【0062】
本発明の方法は、上記の全てのルートの逆方向のルーティングも形成できる。
【0063】
本発明の方法は、必要な構成要素(エンド・ポイント、MCU、ゲートキーパー、ゲートウェイ)の登録状態および/または実際の状態をチェックすることにより、ルートが形成された場合、確立される。
【0064】
本発明の方法は、最適のルート(最小コスト、最小遅延、最適のバンド幅)を他の候補ルート(例、ISDNダイレクト、IPダイレクト等)と共に見いだすために、上記の方法を1つあるいは複数用いることができる。
【0065】
図4の実施例で行われる別の決定方法は、上記の最も好ましいコスト関数を有する重み付け関数に基づいて行われる。
【0066】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】ユーザがビデオ・カンファレンス・システム(「会議室」)を会議に参加させる際のユーザ・インターフェースの一例を表す図。
【図2】本発明の方法により、ISDN−ゲートウェイ−IP コールを自動的に設定するユーザ・インターフェースを表す図。
【図3】本発明の方法により、自動的に設定されたIP−ゲートウェイ−ISDN−ゲートウェイ−IP コール(呼び)を表す図。
【図4】本発明の方法による機能を表すフローチャート図。
【符号の説明】
【0068】
図4
1 同一のゲートキーパーに登録されたエンド・ポイントC.A、C.Bに関する情報
2 隣り合う2個のゲートキーパーに登録されたエンド・ポイントC.B−D.A、GK.C−GK.Dに関する情報
3 同一のゲートキーパーに登録されたエンド・ポイントB.BとゲートウェイGW.Bに関する情報
4 エンド・ポイントおよびゲートウェイ等に関する情報
5 同一のゲートキーパーに登録されたエンド・ポイントA.AとゲートウェイGW.Aに関する情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議ネットワークにおいて第1と第2の会議ネットワーク装置間のルートを確立する方法において、
前記ネットワークは、複数のカンファレンス・ネットワーク装置と少なくともゲートキーパーを有し、
(a) 第1のカンファレンス・ネットワーク装置と第2のカンファレンス・ネットワーク装置とに関する登録データを収集するステップと、
(b) 前記登録データを用いて、可能なルートのセットを生成するステップと、
(c) 前記可能なルートのセットを、コスト関数のセットに基づいて重み付けする重み付けステップと、
(d) 前記可能なルートのセットから1つあるいは複数のルートを、前記重み付けステップ(c)に基づいて選択するステップと
を有する
ことを特徴とする会議ネットワークにおいて第1と第2の会議ネットワーク装置間のルートを確立する方法。
【請求項2】
(e) 前記選択されたルートをユーザに提示するステップと、
(f) ユーザからの確認を受領するステップと、
(g) ユーザからの受領の確認後、選択されたルートを確立するステップと
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
各カンファレンス・ネットワーク装置は、エンド・ポイント、MCU、ゲートウェイからなるグループから選択される
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記登録データは、中間記憶媒体(データベース)から提供される
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記可能なルートのセットは、ネットワークを介した可能なルートの絞られたセットであり、
前記ルートは、重み関数に基づいて絞られる
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
ステップ(b)は、ルートが前記ゲートウェイに関与せずに確立された場合には、そのゲートウェイを含むルートを排除するステップを有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
ステップ(b)は、が前記第1と第2のカンファレンス・ネットワーク装置が同一のゲートキーパーに登録されている場合には、そのゲートウェイを含むルートを排除するステップを有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第1と第2のカンファレンス・ネットワーク装置は、前記カンファレンス・ネットワークとのIP通信用に利用可能であり、前記ステップ(b)は、前記可能なルートの絞られたセット内にIPダイレクトルートを含めるサブステップを有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記第1と第2のカンファレンス・ネットワーク装置は、前記カンファレンス・ネットワークとのIP通信用に利用可能であり、前記ステップ(b)は、前記可能なルートの絞られたセット内にIPダイレクトルートを含めるサブステップを有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワーク装置は、前記カンファレンス・ネットワークとのISDN通信用に利用可能とされ、
前記第2のネットワーク装置は、前記カンファレンス・ネットワークとのIP通信用に利用可能とされ、
前記ステップ(b)は、前記ネットワーク内に含まれるISDNサブネットワークとIPサブネットワークとの間のゲートウェイに関与するルートを含めるサブステップを有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記コスト関数は、ネットワークタイプのパラメータ、遅延パラメータ、バンド幅パラメータ、コスト比率パラメータからなるグループから選択された少なくとも1個のパラメータに関与する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記選択ステップ(d)は、前記重み付けステップ(c)に従って最低のトータルコストのルートを選択するステップを含む
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記カンファレンス・ネットワークは、ISDNサブネットワークのような回路切り換えサブネットワークとIPサブネットワークのようなパケット交換サブネットワークとを含む
ことを特徴とする請求項1−12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1個のカンファレンス・ネットワーク装置は、マルチポイント制御ユニットに動作可能に含まれるゲートウェイである
ことを特徴とする請求項1−12のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1個のカンファレンス・ネットワーク装置は、エンド・ポイント内に動作可能に含まれるマルチポイント制御ユニットである
ことを特徴とする請求項1−12のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
本発明の方法が、ネットワークに動作可能に接続されたユーザ端末上でのユーザ・インターフェースにより実行される
ことを特徴とする請求項1−12のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
2個のカンファレンス・ネットワーク装置の間のルートが、請求項1−12に従って確立される
ことを特徴とする会議ネットワークにおいて複数の会議ネットワーク装置間のルートを確立する方法。
【請求項18】
会議ネットワークにおいて第1と第2の会議ネットワーク装置間のルートを確立する装置において、
前記ネットワークは、複数のカンファレンス・ネットワーク装置と少なくともゲートキーパーを有し、
前記装置は、
登録データ提供モジュールと、
ルート生成モジュールと、
重み付けモジュールと、
ルート選択モジュールと
を請求項1−16による方法を実行するよう構成される
ことを特徴とする会議ネットワークにおいて第1と第2の会議ネットワーク装置間のルートを確立する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−521754(P2007−521754A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518568(P2006−518568)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/NO2004/000191
【国際公開番号】WO2005/004482
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(506009811)
【Fターム(参考)】