説明

自動車のインストルメントパネル装置

【課題】内部に大きな物収納空間を確保できると共に、インストルメントパネル装置よりも前方に格納された空調用ユニットを支障なく補修できるようにする。
【解決手段】奥壁部2を有するパネル体5と、そのパネル体5に形成された物出し入れ開口6を開閉するリッド8と、パネル体5の下部に着脱可能に装着された下部収納ケース10とを有し、パネル体5内の上部と閉位置を占めたリッド8とによって区画された上部空間S1と、下部収納ケース10内の下部空間S2とを連通させて大きな物収納空間Sを形成し、下部収納ケース10を引き出して、奥壁部2に形成された作業孔17を通して、空調用ユニット16に対する補修作業を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内前部に設けられていて、内部に物収納空間が区画形成されている自動車のインストルメントパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂製のパネルにより構成された上記形式のインストルメントパネル装置は従来より周知である(特許文献1参照)。従来のこの種のインストルメントパネル装置においては、その内部の物収納空間が、上下に離間した状態に2分されている。このように物収納空間を2つに分けた理由は以下のとおりである。
【0003】
インストルメントパネル装置よりも奥側、すなわち、インストルメントパネル装置よりも前方の内部空間には、例えば空調用ユニットなどの機器が搭載されている。かかる機器に対しては、定期的又は必要に応じて補修作業が行われる。例えば、その機器が空調用ユニットである場合には、当該ユニットのフィルタを交換する作業が行われるのである。従って、インストルメントパネル装置の内部に1つの大きな物収納空間を形成してしまうと、その物収納空間の奥側を区画する奥壁部が邪魔となって、その前方に位置する機器に対して補修作業を行うことができない。このため、従来はインストルメントパネル装置の内部の物収納空間を上下に2分し、機器に対する補修が必要となったときは、上部の物収納空間と下部の物収納空間の間の隙間を通して機器にアクセスし、その補修作業を行っていたのである。
【0004】
ところが、上述のように、インストルメントパネル装置の内部に、上下2つの物収納空間を区画すると、その各物収納空間の容積が小さくなり、そのいずれの物収納空間にも大きな物を収納することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−67116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、奥側に配置された機器に対する補修作業を支障なく行うことができると共に、内部に大きな容積の物収納空間を確保することのできる自動車のインストルメントパネル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、車室内前部に設けられていて、内部に物収納空間が区画形成されている自動車のインストルメントパネル装置において、奥壁部を備えたパネル体と、前記物収納空間に車室内から物を出し入れするために前記パネル体に形成された物出し入れ開口を閉鎖する閉位置と該物出し入れ開口を開放する開位置との間を回動可能に、前記パネル体の上部にヒンジを介して連結されたリッドと、前記パネル体の上方に位置していて、インストルメントパネル装置の上面を構成するアッパパネルと、前記リッドの下方に配置されていて、上部が開放された箱状に形成されている下部収納ケースとを具備し、前記パネル体とアッパパネルは車体に固定され、前記下部収納ケースは車室内側に引き出すことができるように、前記パネル体に着脱可能に装着され、該下部収納ケースが前記パネル体に装着された状態で、前記パネル体の上部と閉位置を占めたリッドとによって区画された上部空間と、前記下部収納ケース内の下部空間とによって、一体に連通した前記物収納空間が区画され、前記下部収納ケースよりも奥側に位置する前記パネル体の奥壁部部分には作業孔が形成され、前記下部収納ケースを引き出して、該下部収納ケースを前記パネル体から離脱することによって、車室内から、前記作業孔を通して、パネル体の奥壁部よりも前方に配置された機器に対する補修作業を行えるように構成したことを特徴とする自動車のインストルメントパネル装置を提案する(請求項1)。
【0008】
また上記請求項1に記載の自動車のインストルメントパネル装置において、前記パネル体は、奥壁部を備えたロアパネルと、同じく奥壁部を備えた上部収納ケースとによって構成され、前記パネル体の奥壁部は、前記ロアパネルの奥壁部と上部収納ケースの奥壁部とによって構成されていて、前記ロアパネルの奥壁部には前記作業孔が形成され、前記上部収納ケースには、前記物出し入れ開口が形成されていると共に、前記リッドが回動可能に連結され、前記上部収納ケースと前記ロアパネルは、車体に固定されたインストルメントパネルリインホースメントに固定され、前記上部収納ケース内の上部空間が前記下部収納ケース内の下部空間に連通するように、当該上部収納ケースの下部は開放されていると有利である(請求項2)。
【0009】
さらに上記請求項1又は2に記載の自動車のインストルメントパネル装置において、前記下部収納ケースは、クリップによって前記パネル体に連結されると共に、該下部収納ケースに形成されたブリッジが、前記パネル体に突設されたピン上に載ることにより、当該下部収納ケースが前記パネル体に支持されるように構成されていると有利である(請求項3)。
【0010】
また、上記請求項2又は3に記載の自動車のインストルメントパネル装置において、前記アッパパネルと、前記上部収納ケースと、前記ロアパネルのうちの少なくとも2つが、一体の1つの成形品により構成されていると有利である(請求項4)。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インストルメントパネル装置の内部に、パネル体の上部と閉位置を占めたリッドとにより区画された上部空間と、下部収納ケース内の下部空間とによって大きな容積の物収納空間が形成されるので、その物収納空間に大きな物を収納することができる。しかも下部収納ケースを引き出して、これをパネル体から離脱すれば、パネル体の奥壁部に形成された作業孔を通して、車室内側から機器に対する補修作業を支障なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】インストルメントパネル装置の一部を示す外観斜視図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図であって、アッパパネルも示した図である。
【図3】リッドを開き、かつ下部収納ケースを引き出したときの様子を示す、図2と同様な断面図である。
【図4】インストルメントパネル装置の分解斜視図である。
【図5】下部収納ケースに形成されたブリッジと上部収納ケースに突設されたピンを示す斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】物収納空間内に間仕切板を設けた例を示す、図2と同様な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
【0014】
図1は、車室内の前部に設けられた自動車のインストルメントパネル装置の助手席前方に位置する部分を示す斜視図であり、図2は図1のII−II線拡大断面図である。各図における矢印Frは自動車の前進方向を示し、矢印Wは自動車の車幅方向を示している。本明細書における「前」又は「後」なる文言は、自動車の前進方向を基準とした前後を意味する。
【0015】
図2に示すように、インストルメントパネル装置1の内部には物収納空間Sが区画形成されている。図1及び図2に示すように、インストルメントパネル装置1は、樹脂により成形されたパネル体5を有し、このパネル体5は、奥壁部2と、車幅方向各側部の側壁部3,4を有している。図1には一方の側壁部3と他方の側壁部4が示され、図2には他方の側壁部4のみが示されている。かかるパネル体5は、後述するように、図示していない車体に固定されている。
【0016】
また、パネル体5の車室内Iを向いた側の部分には、物出し入れ開口6が形成され、パネル体5の上部には、樹脂製のリッド8が枢着されている。このリッド8は、図2に示したように、物収納空間Sに車室内Iから物を出し入れするためにパネル体5に形成された物出し入れ開口6を閉鎖する閉位置と、図3に示したように物出し入れ開口6を開放する開位置との間を回動可能にパネル体5の上部にヒンジ7を介して連結されている。
【0017】
また、パネル体5の上方には、図2及び図3に示した樹脂製のアッパパネル9(図1には示さず)が配設され、そのアッパパネル9は、インストルメントパネル装置1の上面を構成している。かかるアッパパネル9も、図示していない車体に固定されている。
【0018】
図4は、インストルメントパネル装置1の構成要素を分解して示す斜視図であり、この図4と図1と図2に示すように、リッド8の下方には樹脂製の下部収納ケース10が配置されている。この下部収納ケース10は、正面壁11と、側壁12,13と、奥壁14と、底壁15とによって、上部が開放された箱状に形成されている。
【0019】
上述のように、パネル体5とアッパパネル9は車体に対して固定されているが、下部収納ケース10は、図2に矢印Aで示すように、車室内Iの側に引き出すことができるように、パネル体5の下部に着脱可能に装着されている。図3は、下部収納ケース10をパネル体5から引き出したときの様子を示している。図3に矢印Bで示すように、下部収納ケース10を前方側に押し込むことによって、その下部収納ケース10を、図2に示したようにパネル体5に組み付けて装着することができる。
【0020】
また、後述するように、本例のパネル体5は、図1乃至図4に示したロアパネル18と上部収納ケース19とによって構成され、そのパネル体5の奥壁部2は、ロアパネル18の奥壁部2Aと上部収納ケース19の奥壁部2Bとによって構成されている。同じく、パネル体5の側壁部3は、ロアパネル18の側壁部3Aと、上部収納ケース19の側壁部3Bとにより構成され、同様にパネル体5の側壁部4は、ロアパネル18の側壁部4Aと、上部収納ケース19の側壁部4Bとによって構成されている。
【0021】
図2に示したように、下部収納ケース10をパネル体5に装着した状態で、パネル体5内の上部と閉位置を占めたリッド8とによって区画された上部空間S1と、下部収納ケース10内の下部空間S2とによって、一体に連通した物収納空間Sが区画される。このように、物収納空間Sは、上部空間S1と下部空間S2とが連通した大きな1つの空間となっているので、リッド8を図3に示したように開くことによって、物出し入れ開口6から大きな物を物収納空間Sに入れて収納しておくことができる。
【0022】
一方、図2及び図3に示すように、パネル体5の奥壁部2よりも前方の空間には、機器の一例である空調用ユニット16が配置されており、この空調用ユニット16に対して補修作業を行えるように、下部収納ケース10よりも奥側に位置するパネル体5の奥壁部2の部分には、作業孔17が形成されている。図2に示したように下部収納ケース10がパネル体5に装着されているとき、その下部収納ケース10の奥壁14が、作業孔17の一部又は全体を覆った状態で位置する。
【0023】
空調用ユニット16に対して補修作業を行うときは、図3に示したように、パネル体5から下部収納ケース10を車室内Iの側の引き出して、その下部収納ケース10をパネル体5から離脱する。すると、パネル体5の奥壁部2に形成された作業孔17が車室内Iに向けて開放されるので、車室内の作業者が、その作業孔17に工具又は手などを入れて、空調用ユニット16に対する補修作業を行うことができる。例えば空調用ユニット16のフィルタの交換作業を支障なく行うことができるのである。
【0024】
以上のように、本例の自動車においては、下部収納ケース10をパネル体5に対して装着した状態では、インストルメントパネル装置1の内部に大きな物収納空間Sを確保できるので、ここに大きな物を収納することができる。その反面、下部収納ケース10を引き出して、その下部収納ケース10をパネル体5から離脱すれば、車室内I側に作業孔17が開放されるので、車室内Iから、その作業孔17を通して、パネル体5の奥壁部2よりも前方に配置された機器に対する補修作業を行うことができるのである。
【0025】
上述したパネル体5は、適宜な形態に形成することができるが、本例のパネル体5は、先にも簡単に説明し、かつ図2乃至図4に明示するように、樹脂製のロアパネル18と、前述のリッド8が連結された樹脂製の上部収納ケース19とによって構成されている。図4に示すように、ロアパネル18は、奥壁部2Aと、その奥壁部2Aに一体に形成された側壁部3A,4Aとから成り、その奥壁部2Aに前述の作業孔17が形成されている。また、上部収納ケース19は、図1乃至図4に示すように、奥壁部2Bと、その奥壁部2Bに一体に形成された側壁部3B,4Bと、その両側壁部3B,4Bに一体に連結された正面側の連結部22とから構成されている。前述のように、パネル体5の奥壁部2は、ロアパネル18の奥壁部2Aと、上部収納ケース19の奥壁部2Bとにより構成され、パネル体5の側壁部3,4は、ロアパネル18の側壁部3A,4Aと、上部収納ケース19の側壁部3B,4Bによって構成されている。また、上部収納ケース19には、前述の物出し入れ開口6が形成され、この上部収納ケース19の奥壁部2Bの上部に前述のリッド8がヒンジ7を介して回動開閉可能に枢着されている。
【0026】
上述したロアパネル18と、上部収納ケース19と、図2及び図3に示したアッパパネル9などの各要素は、次のようにして車体に組み付けられてインストルメントパネル装置1が構成される。
【0027】
先ず、図2乃至図4に示したように、金属棒から成るインストルメントパネルリインホースメント23を図示していない車体にボルトとナットとによって固定する。次いで、図4に示したロアパネル18の奥壁部2Aを図示していないタッピングスクリューによってインストルメントパネルリインホースメント23に固定する。引き続き、図2及び図3に示したアッパパネル9を車体に固定し、しかる後、リッド8が枢着された上部収納ケース19の奥壁部2Bと、既にインストルメントパネルリインホースメント23に固定されているロアパネル18の奥壁部2Aとを、タッピングスクリュー25によって、インストルメントパネルリインホースメント23に共締めして固定する。このようにして、ロアパネル18と上部収納ケース19とによって、パネル体5が構成され、このとき、図2及び図3から判るように、ロアパネル18の奥壁部2Aと、上部収納ケース19の奥壁部2Bとによってパネル体5の奥壁部2が構成される。
【0028】
上述のように、本例のパネル体5は、奥壁部2Aを備えたロアパネル18と、同じく奥壁部2Bを備えた上部収納ケース19とによって構成され、かかる上部収納ケース19とロアパネル18を、車体に固定されたインストルメントパネルリインホースメント23に固定した後、前述の下部収納ケース10を図3に矢印Bで示したようにパネル体5に対して挿入する。このとき、下部収納ケース10に突設された複数のクリップ26(図4)を、パネル体5を構成するロアパネル18に形成された取付孔(図示せず)にそれぞれ嵌着して、下部収納ケース10をパネル体5に連結する。下部収納ケース10を図2に矢印Aで示したように車室内Iの側に引けば、クリップ26が取付孔から外れ、その下部収納ケース10を引き出すことができる。
【0029】
下部収納ケース10をパネル体5に装着すると、図2に示すように、上部収納ケース19の下部の開口と、下部収納ケース10の上部の開口を介して、上部空間S1と下部空間S2が連通し、インストルメントパネル装置1の内部に大きな物収納空間Sが区画される。このように、上部収納ケース19内の上部空間S1が下部収納ケース10内の下部空間S2に連通するように、上部収納ケース19の下部は開放されているのである。
【0030】
上述のように、下部収納ケース10は、クリップ26によってパネル体5に連結されるのであるが、そのクリップ26による連結だけであると、物収納空間Sに重量の大きな物を収納したとき、下部収納ケース10に大きな荷重が加えられるので、クリップ26が取付孔から外れるなどして、下部収納ケース10が下方に脱落するおそれがある。そこで、本例のインストルメントパネル装置1においては、図4に簡略化して示すように、下部収納ケース10の左右の側壁12,13にはブリッジ28,28がそれぞれ一体に形成され、同じくパネル体5を構成する上部収納ケース19の左右の側壁部3B,4Bには、それぞれ同心状のピン29(図4には一方のみを示す)が突設されている。
【0031】
図5は一方のブリッジ28と一方のピン29の詳細を示す拡大斜視図であり、図6は図5のVI−VI線断面図である。図5に示すように、車体に対して固定されているパネル体5に、下部収納ケース10を矢印B方向に押し込むと、その下部収納ケース10に形成されたブリッジ28の前方側に形成された切欠30がピン29を通過し、図6にも示すように、該ピン29がブリッジ28の下側に入り込む。これによってブリッジ28がピン29の上に載置される。他方のブリッジも全く同様にして、他方のピンに載る。このようにして、下部収納ケース10に形成されたブリッジ28が、パネル体5に突設されたピン29上に載ることによって、下部収納ケース10がパネル体5に支持されるのである。このため、物収納空間Sに重い物を収納したときも、下部収納ケース10がパネル体5から脱落することはない。図2に矢印Aで示したように、下部収納ケース10を車室内Iの側に引いたときも、切欠30がピン29を通過するので、ブリッジ28が下部収納ケース10の引き出し動作を邪魔することはない。
【0032】
また、図7に示したように、パネル体5の側壁部3,4の内面に支持ピン31をそれぞれ突設し、その両支持ピン31に、間仕切板32に形成した孔を回動可能に嵌合して、間仕切板32を保持し、その間仕切板32によって物収納空間Sを上下に仕切ることもできる。間仕切板32によって仕切られた下部空間には、例えば、使用頻度の低い車検証などを収納し、上部空間には、使用頻度の高いティッシュペーパの箱などを収納することができる。下部空間に物を出し入れするとき、或いは物収納空間Sを仕切る必要のないときは、間仕切板32を図7に二点鎖線で示した位置に回動させて、これを退避させればよい。
【0033】
以上説明した具体例においては、アッパパネル9と、上部収納ケース19と、ロアパネル18がそれぞれ別々の部材として構成されているが、これらの部材のうちの少なくとも2つが一体の1つの成形品により構成されていると、全体の部品点数を減少でき、その組み付け性も向上する。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、各種形態に改変できるものである。
【符号の説明】
【0035】
1 インストルメントパネル装置
2,2A,2B 奥壁部
5 パネル体
6 物出し入れ開口
7 ヒンジ
8 リッド
9 アッパパネル
10 下部収納ケース
17 作業孔
18 ロアパネル
19 上部収納ケース
23 インストルメントパネルリインホースメント
26 クリップ
28 ブリッジ
29 ピン
I 車室内
S 物収納空間
S1 上部空間
S2 下部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内前部に設けられていて、内部に物収納空間が区画形成されている自動車のインストルメントパネル装置において、奥壁部を備えたパネル体と、前記物収納空間に車室内から物を出し入れするために前記パネル体に形成された物出し入れ開口を閉鎖する閉位置と該物出し入れ開口を開放する開位置との間を回動可能に、前記パネル体の上部にヒンジを介して連結されたリッドと、前記パネル体の上方に位置していて、インストルメントパネル装置の上面を構成するアッパパネルと、前記リッドの下方に配置されていて、上部が開放された箱状に形成されている下部収納ケースとを具備し、前記パネル体とアッパパネルは車体に固定され、前記下部収納ケースは車室内側に引き出すことができるように、前記パネル体に着脱可能に装着され、該下部収納ケースが前記パネル体に装着された状態で、前記パネル体の上部と閉位置を占めたリッドとによって区画された上部空間と、前記下部収納ケース内の下部空間とによって、一体に連通した前記物収納空間が区画され、前記下部収納ケースよりも奥側に位置する前記パネル体の奥壁部部分には作業孔が形成され、前記下部収納ケースを引き出して、該下部収納ケースを前記パネル体から離脱することによって、車室内から、前記作業孔を通して、パネル体の奥壁部よりも前方に配置された機器に対する補修作業を行えるように構成したことを特徴とする自動車のインストルメントパネル装置。
【請求項2】
前記パネル体は、奥壁部を備えたロアパネルと、同じく奥壁部を備えた上部収納ケースとによって構成され、前記パネル体の奥壁部は、前記ロアパネルの奥壁部と上部収納ケースの奥壁部とによって構成されていて、前記ロアパネルの奥壁部には前記作業孔が形成され、前記上部収納ケースには、前記物出し入れ開口が形成されていると共に、前記リッドが回動可能に連結され、前記上部収納ケースと前記ロアパネルは、車体に固定されたインストルメントパネルリインホースメントに固定され、前記上部収納ケース内の上部空間が前記下部収納ケース内の下部空間に連通するように、当該上部収納ケースの下部は開放されている請求項1に記載のインストルメントパネル装置。
【請求項3】
前記下部収納ケースは、クリップによって前記パネル体に連結されると共に、該下部収納ケースに形成されたブリッジが、前記パネル体に突設されたピン上に載ることにより、当該下部収納ケースが前記パネル体に支持される請求項1又は2に記載の自動車のインストルメントパネル装置。
【請求項4】
前記アッパパネルと、前記上部収納ケースと、前記ロアパネルのうちの少なくとも2つが、一体の1つの成形品により構成されている請求項2又は3に記載の自動車のインストルメントパネル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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