説明

自動車のオーディオシステム

【課題】音源を含む、乗り物用のオーディオシステムを提供する。
【解決手段】制御器は、ユーザー入力に応じて、音源からの音声信号を、第1及び第2の信号処理動作で変更する。第1信号処理動作は、乗り物内部の聴取に対して音声信号を構成し、第2信号処理動作は、乗り物外部の聴取に対して音声信号を構成する。第1の複数の変換器は、第1信号処理動作によって乗り物内部で聴取するために構成される音声信号によって駆動される。第2の複数の変換器は、第2信号処理動作によって乗り物外部で聴取するために構成される音声信号によって駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2002年11月8日出願の"Automobile Audio System"という名称の特許文献1の一部継続出願であり、その開示全ては、ここに参照のために組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
オーディオシステムは、今日製造される自動車の実質的に全てに含まれる。これらのオーディオシステムは、典型的には、扉やテールゲートや乗員区画への他の開口部が閉じている間に使用されるように設計される。しかし、自動車のオーディオシステムを聴くことを選択するのは、しばしば、キャンプをしている際や、スポーツの催しでテールゲートを開けているなどの、乗り物の外部にいる時である。従来の自動車のオーディオシステムは、この種の用途に対して設計されていないので、システムが戸外の用途に設計されている場合ほどの良質の音で楽しむことはできない。
【0003】
全ての扉が閉じた状態での典型的な乗り物の音響特性は、一般的に、テールゲート(或いは扉の一枚)が開いた状態の同じ乗り物の音響特性とは、著しく異なるだろう。例えば、各変換器要素から様々な聴取位置への線形伝達関数は、それぞれの環境において明らかに異なるだろう。さらに、テールゲートが開いているか閉じているかによって、居室空間の音響特性は、著しく異なる。
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第10/290,989号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第09/886,868号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、乗り物用のオーディオシステムで具現化される。このオーディオシステムには、音声信号を生成する音源が含まれる。制御器が音源に結合されて、ユーザーの入力に応じて、音声信号を、第1及び第2の信号処理動作の1つによって変更する。第1の信号処理動作は、乗り物内部で聴取する音声信号を作り、第2の信号処理動作は、乗り物の外部での音声信号を作る。第1の複数の変換器が、制御器に結合される。第1の複数の変換器は、第1信号処理動作による乗り物内部での聴取に対して作られる音声信号によって駆動される。第2の複数の変換器が、制御器に結合される。第2の複数の変換器は、第2信号処理動作による乗り物の外部での聴取に対して作られる音声信号によって駆動される。
【0006】
一実施形態では、第2の複数の変換器の少なくとも1つが、乗り物の乗員区画の外側の位置に置かれる。例えば、変換器は、車体パネルに搭載するか、機械的に乗り物に結合される収納空間に搭載することができる。
【0007】
第1及び第2の複数の変換器は、少なくとも1つの共通の変換器あるいは異なる変換器を含んでいて良い。第1及び第2の複数の変換器は、異なる組合わせの変換器も含んでいて良い。オーディオシステムは、音声信号が複数の変換器を駆動していることを示す視覚的な表示器も含んでいて良い。視覚的な表示器は、ブレーキ灯、照明装置、LED(light emitting diode)、ストロボスコープ、駐車灯、方向指示灯、後退灯を含んでいて良い。
【0008】
一実施形態において、第1の信号処理動作には、第2の信号処理動作とは異なる等化パラメータ(equalization parameter)が含まれる。第1および/または第2の信号処理動作は、第1及び第2の複数の変換器の内の1つ或いは2つ以上に結合される前に、音声信号を十分に減衰させることができる。
【0009】
一実施形態において、制御器には増幅器が含まれる。増幅器は、音声信号の利得と等化の内の少なくとも1つを制御することができる。制御器は、音源と一体化することもできる。制御器は、音源と、GPIOバス、或いはRS232バス、或いはSCSIバス、或いはシリアルバス、或いはパラレルバス、或いはファイバーチャネルバス、或いは光バス、或いはCANバス、或いはMOSTバスを通して結合させることができる。
【0010】
音源には、予備装置を音源に結合するための、予備入力端子を含んでいて良い。予備装置には、ラジオ、テレビ、XMチューナ、SATチューナ、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、カセットプレーヤー、MP3プレーヤー、MDプレーヤー、ハードドライブ、PDA、ビデオプレーヤー、携帯用音響プレーヤー、マイク、楽器が含まれて良い。視覚的な指示器は、予備装置が音源に結合されていることを示すことができる。
【0011】
一実施形態では、ユーザー入力に、スイッチの操作が含まれる。スイッチには、手動スイッチや、自動スイッチや、センサーや、遠隔制御スイッチや、音源と統合されたスイッチや、制御器と統合されたスイッチであって良い。ユーザー入力には、乗り物の、扉と窓とテールゲートとハッチとムーンルーフとサンルーフとトランクと収納空間の少なくとも1つを開くことも含まれて良い。
【0012】
音源の中には、AMチューナー、及び/またはFMチューナー、及び/またはTVチューナー、及び/またはXMチューナー、及び/またはSATチューナー、及び/またはCDプレーヤー、及び/またはDVDプレーヤー、及び/またはカセットプレーヤー、及び/またはMP3プレーヤー、及び/またはMDプレーヤー、及び/またはビデオプレーヤー、及び/またはハードドライブが含まれよう。一実施形態では、ビデオ表示装置が、音源に結合されている。ビデオ表示装置は、ビデオ映像を乗り物の外部に導くように構成することができる。ビデオ表示装置の中には、液晶表示装置(LCD)や、発光ダイオード表示装置(LED)や、プラズマ表示装置や、プロジェクション表示装置や、陰極線管(CRT)表示装置が含まれよう。
【0013】
音声信号の中には、ステレオ音声信号、及び/またはマトリックスサラウンドサウンド音声信号、及び/または5.1サラウンドサウンド音声信号、及び/または6.1サラウンドサウンド音声信号、及び/または7.1サラウンドサウンド音声信号、及び/または2チャネルダウンミックス音声信号が含まれよう。第1および第2の複数の変換器には、一組の変換器が含まれようし、音源は、この組になった変換器に完全なサラウンド情報を提供することができる。サラウンド情報は、この組になった変換器へ提供される前に混合される。
【0014】
オーディオシステムには、遠隔制御受信器が含まれよう。遠隔制御受信器は、乗り物のテールライトのアセンブリに置かれた遠隔制御のセンサーに結合される。遠隔制御受信器は、赤外線(IR)受信器或いは無線周波数(RF)受信器で良い。遠隔制御受信器は、乗り物が動いている時には、使用禁止(disable)にすることができる。乗り物の状態を決定するために、センサーは、乗り物のタコメーターに結合しても良い。センサーは、乗り物のエンジンの状態を検出することができる。別のセンサーを、乗り物のサイドブレーキに結合することもできる。このセンサーは、乗り物のサイドブレーキの状態を検出することができる。一実施形態では、音源は、乗り物の通信バスから、乗り物の状態を決定することができる。システムは、乗り物のバッテリの状態を観察するバッテリモニターを含むこともできる。
【0015】
遠隔制御送信器は、遠隔制御受信器と通信することができる。遠隔制御送信器は、独自の送信器信号を持っていよう。遠隔制御送信器は、乗り物内の、扉の施錠、及び/または乗り物の点火、及び/または窓、及び/または電動ドア、及び/または電動シート、及び/または電動ムーンルーフ、及び/またはトランクの蓋、及び/または通信システム、及び/または車内灯、及び/または警報装置を制御することができる。加えて、遠隔制御送信器は、オーディオシステムに対して、システム構成、及び/または入力源の選択、及び/または音量、及び/または等化機能、及び/または選局機能、及び/または帯域選択、及び/またはトラック選択、及び/またはシーク機能、及び/またはスキャン機能、及び/または早送り機能、及び/または巻き戻し機能、及び/または前方向への曲飛ばし機能、及び/または後方向への曲飛ばし機能、及び/またはフェーダー機能、及び/または左右バランス機能を制御することができる。遠隔制御送信器は、車庫扉の開閉器、及び/または電動ゲート、及び/または照明、及び/または電器製品、及び/または家庭の安全システムを制御することもできる。
【0016】
他の態様において、本発明は、乗り物内のオーディオシステムの操作に対する方法において具現化される。本方法は、音声信号を生成する過程が含まれる。本方法は、ユーザー入力に応答して、第1及び第2信号処理動作の内の1つで、音声信号を変更する過程も含まれる。第1信号処理動作は、乗り物内部で聴取するための音声信号を構成し、第1信号処理動作は、乗り物外部で聴取するための音声信号を構成する。本方法は、乗り物内部での聴取用に構成された音声信号を、第1の複数の変換器で変換する過程を含む。本方法は、さらに、乗り物外部での聴取用に構成された音声信号を、第2の複数の変換器で変換する過程を含む。
【0017】
第1及び第2の複数の変換器は、少なくとも1つの共通の変換器を含むだろう。本方法は、音声信号が第2の複数の変換器へ送信された時を視覚的に示す過程を含むだろう。本方法は、第1及び第2の信号処理動作の内の少なくとも1つに応答して、音声信号内の等化パラメータを変更する過程も含むだろう。本方法は、オーディオシステムを遠隔制御する過程も含むだろう。一実施形態において、本方法は、予備機器をオーディオシステムに結合する過程と、予備機器が音源に結合された時を視覚的に示す過程を含む。
【0018】
本方法は、完全なサラウンド情報を、第1及び第2の複数の変換器の中の一組の変換器へ提供する過程も含むだろう。サラウンド情報は、サラウンド情報を前記変換器の組へ提供する前に混合することができる。
【0019】
ユーザー入力は、乗り物の、扉と窓とテールゲートとハッチとムーンルーフとサンルーフとトランクと収納空間の少なくとも1つを開ける過程を含むだろう。ユーザー入力は、スイッチを操作する過程を含む。本方法は、扉の施錠、及び/または乗り物の点火、及び/または空調、及び/またはヒーター、及び/または霜取り装置、及び/またはトランクの蓋、及び/または通信システム、及び/または窓、及び/または電動ドア、及び/または電動シート、及び/または電動ムーンルーフ、及び/または室内灯、及び/または乗り物内の警告装置を遠隔制御する過程も含むだろう。本方法は、システム構成、及び/または入力源の選択、及び/または音量、及び/または等化機能、及び/または選局機能、及び/または帯域選択、及び/またはトラック選択、及び/またはシーク機能、及び/またはスキャン機能、及び/または早送り機能、及び/または巻き戻し機能、及び/または前方向への曲飛ばし機能、及び/または後方向への曲飛ばし機能、及び/またはフェーダー機能、及び/またはオーディオシステムの左右バランス機能を制御することができる。
【0020】
一態様において、本発明は、乗り物用のオーディオシステム内で具現化される。オーディオシステムは、音声信号を生成する音源を含む。音源は、乗り物と統合されている。オーディオシステムは、音源の機能を制御する遠隔制御受信器も含んでいる。また、遠隔制御送信器からの信号を受信して、遠隔制御受信器が音源の機能を制御するよう導く遠隔制御センサーを含んでいる。遠隔制御センサーは、乗り物の乗員区画の外側にある場所に置かれる。
【0021】
遠隔制御センサーは、乗り物の外部照明アセンブリ内に置くことができる。外部照明アセンブリは、左のテールライトアセンブリ、及び/または右のテールライトアセンブリ、及び/または左の方向指示灯アセンブリ、及び/または右の方向指示灯アセンブリ、及び/または駐車灯アセンブリ、及び/または後退灯アセンブリ、及び/またはナンバープレート照明アセンブリ、及び/またはハイマウントブレーキ灯アセンブリ、及び/または室内灯アセンブリ、及び/または走行灯アセンブリ、及び/またはヘッドライトアセンブリ、及び/またはフォグライトアセンブリであろう。外部照明アセンブリは、遠隔制御送信器からの信号を集める曲面反射器を含むだろう。遠隔制御センサーは、赤外線(IR)センサーあるいは無線周波数(RF)センサーであろう。遠隔制御センサーは、乗り物の車体パネルに装着される。
【0022】
本機能は、システム構成の選択と、入力源、及び/または音量、及び/または等化機能、及び/または選局機能、及び/または帯域選択、及び/またはトラック選択、及び/またはシーク機能、及び/またはスキャン機能、及び/または早送り機能、、及び/またはトラック選択巻き戻し、及び/または前方向への曲飛ばし機能、及び/または後方向への曲飛ばし機能、及び/またはフェーダー機能、及び/または音源の左右バランス機能を含むだろう。遠隔制御送信器は、扉の施錠、及び/または乗り物の点火、及び/またはヒーター、及び/または空調、及び/または霜取り装置、及び/または窓、及び/または電動ドア、及び/または電動シート、及び/または電動ムーンルーフ、及び/またはコンバーチブルの屋根、及び/または室内灯、及び/または乗り物のテレマティックス、及び/または通信システム、及び/またはトランクの蓋、及び/またはサスペンションの負荷平準化システム、及び/または乗り物内の警告装置を制御することができる。遠隔制御受信器は、乗り物が動いている時には使用禁止にすることができる。
【0023】
他の態様では、本発明は、乗り物内の電子機器を制御するための装置において具現化される。本装置は、乗り物内の電子機器に結合される遠隔制御受信器と、遠隔制御受信器に結合される遠隔制御センサーとを含む。本遠隔制御センサーは、照明アセンブリ内に搭載され、少なくとも1つの照明アセンブリが乗り物の外側に置かれる。遠隔制御送信器は、遠隔制御センサーに制御信号を送信する。遠隔制御受信器は、遠隔制御センサーからの制御信号の受信に応答して、電子機器を制御する。
【0024】
遠隔制御センサーは、赤外線(IR)センサーあるいは無線周波数(RF)センサーであって良い。照明アセンブリは、左のテールライトアセンブリ、及び/または右のテールライトアセンブリ、及び/または左の方向指示灯アセンブリ、及び/または右の方向指示灯アセンブリ、及び/または駐車灯アセンブリ、及び/または後退灯アセンブリ、及び/またはナンバープレート照明アセンブリ、及び/またはハイマウントブレーキ灯アセンブリ、及び/または室内灯アセンブリ、及び/または走行灯アセンブリ、及び/またはヘッドライトアセンブリ、及び/またはフォグライトアセンブリを含むであろう。
【0025】
電子機器は、扉の施錠、及び/または乗り物の点火、及び/またはヒーター、及び/または空調、及び/または霜取り装置、及び/または窓、及び/または電動ドア、及び/または電動シート、及び/または電動ムーンルーフ、及び/またはコンバーチブルの屋根、及び/または室内灯、及び/または乗り物のテレマティックス、及び/または通信システム、及び/またはトランクの蓋、及び/またはサスペンションの負荷平準化システム、及び/または警告装置を含むだろう。
【0026】
遠隔制御送信器は、乗り物内のオーディオシステムの機能を制御することができる。その機能には、システム構成の選択と、入力源、及び/または音量、及び/または等化機能、及び/または選局機能、及び/または帯域選択、及び/またはトラック選択、及び/またはシーク機能、及び/またはスキャン機能、及び/または早送り機能、、及び/またはトラック選択巻き戻し、及び/または前方向への曲飛ばし機能、及び/または後方向への曲飛ばし機能、及び/またはフェーダー機能、及び/または音源の左右バランス機能が含まれるだろう。
【0027】
本発明の、上記のそして後述の利点は、添付の図面と共に以下の説明を参照することによって、より良く理解されよう。そこで、様々な図面において、類似の数字は、類似の構成要素と特徴を示している。図面は、本発明の原理を説明するのに使われる代わりに、必ずしも縮尺を変えたり強調されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の一面による乗り物のオーディオシステムは、2つのモードで動作することができる。1つのモードは、オーディオシステムの1つあるいは2つ以上のパラメータが、扉(例えば、SUV(sport utility vehicle)車とバンとピックアップトラックのテールゲートと、ハッチバック車のハッチを含む)が閉じている時に音質をより最適化するように構成され、2番目のモードは、オーディオシステムの1つ或いは2つ以上のパラメータが、テールゲートなどの扉が開いている時に音質をより最適化するように構成される。
【0029】
加えて、ユーザーは、エンジンが動いていない時、よって、乗り物のバッテリから電力を引く時に、自動車のオーディオシステムを動作させることができる。従って、乗り物のオーディオシステムは、バッテリの1つ或いは2つ以上の動作状態を観察して、オーディオシステムバッテリの電力から動作できる最大時間を延ばすために、システム性能を調整するのが望ましい。また、バッテリの1つ或いは2つ以上の動作状態を観察して、オーディオシステムの動作が十分なバッテリ電荷(乗り物が再発進できるような)が最早利用できないような状態にならないように保証するのが望ましい。
【0030】
自動車と乗り物という用語は、本明細書では同意語として用いられ、陸上輸送用に用いられる自動推進型乗用車を意味し、その中には、車やトラックやピックアップやSUV等が含まれる。加えて、テールゲートという用語は、乗り物の蝶番による扉を意味し、乗り物の後部開口部へアクセスできるか、荷室へアクセスできる。テールゲートは、蝶番によって、乗り物の骨格の天井や底部や側部に付けられる。
【0031】
図1Aに示すように、乗り物(例えば、SUV)10には、通常のモードと開放モードの2つのモードで動作するように構成されたオーディオシステム20が含まれる。
【0032】
オーディオシステムには、第1システム構成と第2システム構成が含まれる。第1システム構成は、通常のモードに対応する。通常のモードは、オーディオシステム20が、乗り物の全ての扉が閉じられて、件の主な聴取位置が乗員区画内の着座位置である時の演奏に対して構成されるような、動作モードである。このモードでは、音響は、従来の自動車オーディオシステムにおけるように、乗員区画内部に放射される。通常のモードには、乗り物内部での聴取に対して音響を放射するような位置に置かれた、第1の複数の変換器が含まれる。
【0033】
第2構成は、開放モードあるいはテールゲートモードに対応する。開放モードは、オーディオシステム20が、テールゲート11が開いている時の演奏に対して構成されるような、動作モードである。このモードでは、音響は、開いたテールゲート及び/または乗り物の車体パネルを通して放射される。一実施形態では、第2の複数の変換器が、テールゲートやハッチや後部扉などの、乗り物の後部に置かれる。第2の複数の変換器は、例えばピックアップトラックの荷台あるいはライナーに置くこともできる。開放モードには、乗り物の外部での聴取に対して音響を放射するように置かれた、第2の複数の変換器が含まれる。一実施形態では、第1及び第2の複数の変換器に、1つ或いは2つ以上の共通する変換器が含まれよう。
【0034】
開放モードにおける件の主な聴取位置は、乗り物の外部であり、典型的には開いたテールゲート11に沿っている。他の実施形態では、動作の開放モードは、1つ或いは2つ以上の扉(テールゲートも含む)が開いている時の演奏に対して構成することができる。実施形態のいくつかでは、動作の開放モードは、乗り物の窓やテールゲートやハッチやムーンルーフやサンルーフやトランクや収納空間が開放位置にある時の動作に対して構成することができる。
【0035】
乗り物の音響特性は、全ての扉が閉じている時と、1つ或いは2つ以上の扉が開いている時とでは、著しく異なり、また、一番大事な聴取位置が別のモードでは異なることから、オーディオシステム20は、各モードで性能をより最適にするために、システム構成を調整する。以下で、より詳細に説明されるように、システム構成の調整の中には、等化や信号の混合や増幅やダイナミックレンジの制御や空間改良(spatial enhancement)処理や、動作の各モードにおける音声データのチャネル上での他の信号処理技術などの別の信号処理動作を実行するだけでなく、動作の各モードでシステムのトポロジーを変更することが含まれる。システムのトポロジーは、音源によって提供される別の信号が、オーディオシステムの別の変換器へと、どのように経路決定されるかを決める。
【0036】
加えて、オーディオシステム20は、バッテリ観察処理を特徴としており、自動車のバッテリ30の1つ或いは2つ以上の動作状態を観察して、システム20が第1にバッテリで動いているのかによって、また観察した動作状態の1つ或いは2つ以上の状態に基づいて、1つ或いは2つ以上の作用を行う。以下に、より詳細に説明するように、バッテリ観察処理は、警報を起こしたりバッテリ電力を保存するためにシステム構成を変更したりと行ったことを含む様々な作用を行う。
【0037】
再び図1Aを参照すると、オーディオシステム20は、ステレオラジオ、及び/またはCDプレーヤー、及び/またはDVDプレーヤー、及び/またはMP3プレーヤーなどの(図示せず)を含んでおり、これらは、前部の制御卓21,あるいは後部の制御卓22,あるいは自動車10内部の他の位置の近く、またはその中に搭載されよう。前部あるいは後部の制御卓21,22の各々は、システム20内部に含まれる音源に対する一組の制御部(例えば、音量調節、音源選択、トラック選択、再生、休止等)を含むだろう。
【0038】
オーディオシステム20は、二組の前部変換器24a−24b,24c−24dと、一組の側部変換器26a−26bと、一組の後部変換器28a−28bと、ウーファー29も含む。例えば、第1システム構成に対応する第1の複数の変換器には、前記二組の前部変換器24a−24b,24c−24dと、前記一組の側部変換器26a−26bと、前記一組の後部変換器28a−28bと、前記ウーファー29が含まれよう。第2システム川迫に対応する第2の複数の変換器には、前記一組の後部変換器28a−28bと、ウーファー29が含まれよう。しかし、変換器のいずれの組み合わせも、第1および/または第2のシステム構成の中に含まれよう。
【0039】
図1Aに示される多くの要素だけでなく、変換器を含めた要素の選択は、本発明の新規な特徴を示すように選ばれたことに注意したい。本発明は、ここに示した変換器の特定の構成と配置を使用することに限定していないことを理解されたい。例えば、図1Bに示されるように、他の2重モードのオーディオシステム20’には、前部制御卓21の近く或いは乗り物10’のダッシュボード内に置かれた前部中央変換器25’、および乗り物10’の後部の近くに置かれた後部中央変換器23’だけでなく、図1Aに示されたのと同じ変換器を含むだろう。図1Aと図1Bのオーディオシステム20,20’は、サラウンドサウンドオーディオシステムとして、構成することができる。サラウンドサウンドオーディオシステムは、マトリックスサラウンドサウンドシステムや、5.1サラウンドサウンドシステムや、6.1サラウンドサウンドシステムや、7.1サラウンドサウンドシステムや、2チャネルダウンミックスサラウンドサウンドシステムであろう。
【0040】
図2Aと図3は、図1Aに示されるオーディオシステム20の動作を示している。
【0041】
図2Aに示すように、オーディオシステム20は、いつシステム20が始動されるか(102)と、第1システム構成と第2システム構成の間でシステム20を切り換える切り換えイベントがいつ起こるか(108,114)を検出するモード検出処理(100)を含む。切り換えイベント(108,114)は、ユーザーがシステム20内部に与えられるスイッチの状態を変更する時に起こる。1つ或いは2つ以上の手動スイッチが、前部制御パネル21(図1Aに示される)上、あるいは後部制御パネル22上、あるいは遠隔制御機器上、あるいは鍵の鎖21上、あるいは他の位置に置かれるだろう。モードが変化した時に、システム動作に大きな変化があり得るので、乗員が乗り物内部にいる間は、手動スイッチを劇的にシステム動作を変えないように保持する。
【0042】
他の実施形態において、切り換えイベントは自動的に起こり得る。例えば、切り換えイベントは、テールゲート或いは扉が開いていて、乗り物のエンジンが動いていないことをシステムが検出した時(点火のインターロックの状態、あるいはエンジンの回転数、あるいは何か他の手段で検知できる)に、自動的に起こり得る。乗員が乗り物の居室内に留まっているかどうかを検知するのも望ましく、これはシートスイッチ、あるいは超音波動き検知器、あるいは何か他の方法を用いて実行することができる。従って、他の実施形態において、システムは、テールゲート或いは扉が開いていたり、エンジンがオフであったり、乗員が乗り物の居室に居ない時に、通常のモードから開放モードへモードを自動的に切り換えるだろう。
【0043】
再び図2Aを参照すると、システム20がオンした(102)ことをモード検出処理100が検出すると、処理100は、システム20を通常の動作モードとする(104)。システム20がオンしたときに、自動的に通常のモードに立ち戻ることで、システム20は、開放モードに切り替わった後に運転者が乗り物の中に入ってシステムをオンするような状況を避ける。しかし、他の実施形態では、2重モードオーディオシステム内のモード検出処理を、システムがどのようにオンしたか、あるいはスイッチの状態によって、異なるモードで開始するように構成することができる。例えば、もしシステムが乗り物の前部に搭載される制御部を用いてオンされると、システムは、誰かが乗り物内部にいると考えて、システムは通常のモードで開始するはずである。もし、システムが乗り物外部から容易にアクセスできる制御部を用いてオンされると(後部制御卓22内に置かれる制御部、あるいは遠隔制御部の上に置かれる制御部など)、システムは、開放モードで始動するだろう。
【0044】
システム20が通常モードの動作104に置かれた際、システム20は、第1システム構成106内にあるが、こらは、以下により詳細に説明されるように、第1システムトポロジーを持ち、かつ、乗り物の扉が閉じて主な聴取位置が乗員区画内部にあるような状態での演奏に対して構成されて第1の組の信号処理動作を実行する。システム20は、切り換えイベントが検出される(108)まで、第1システム構成内に留まる。
【0045】
切り換えイベントが検出される(108)と、モード検出処理100がシステムを開放モード動作110に置き、システム20は、第2システム構成112へと移るが、これは、第2システムトポロジーを持ち、乗り物のテールゲートが開いて主な聴取位置が乗り物の外部にあるような状態での演奏に対して構成された第2の組の演奏を実行する。一実施形態では、この位置は、乗り物の後部開口部の近くである。他の実施形態では、この位置は、乗り物の側部開口部の近くである。
【0046】
もし他の切り換えイベントが検出されると、モード検出処理100は、システム20を通常の動作モード104に戻し、システムは、第1システム構成106に置かれる。
【0047】
各システム構成106,112において、システム20は、音源から提供された別々の信号がシステム内の様々な変換器にどのように送られるのかを決定する、一つのシステムトポロジーを持っている。第1システム構成106では、本システムトポロジーは、乗り物の扉が閉じて主な聴取位置が乗り物の乗員区画内部にあるような状態での演奏に対してより最適化するために準備されている。同様に、第2システム構成112では、本システムトポロジーは、窓や扉やムーンルーフや後部テールゲートが開いて主な聴取位置が乗り物の外部の開口部付近にあるような状態での演奏に対してより最適化するために準備されている。例えば、図1Aの配置に近い変換器構成と、5.1チャネルの音声データを作り出す音源(例えば、音声データ全帯域幅(20−20kHz)の左前部、右前部、前中央部、左サラウンド、右サラウンド、それに加えて低域周波数の音声データの第6チャネル)とを持ったオーディオシステム20において、第1及び第2のシステム構成106,112は、表Iに示すようなシステムトポロジーを持つだろう。
【0048】
【表1】

【0049】
他の別個の実施形態では、多くの他の変換器の配置および音声データの送信が可能である。例えば、ある音声システムは、図1Bに示すような変換器の配置をしており、6.1チャネルの音声データを作り出すが、その中には、音声データ全帯域幅(20−20kHz)の左前部と右前部と前中央と左サラウンドと右サラウンドと中央サラウンド、それに加えて低域周波数の音声データの第6チャネルが含まれる。この例では、システム構成106,112は、表IIに示すようなシステムトポロジーを持つだろう。
【0050】
【表2】

【0051】
他の実施形態において、あるシステム構成には、異なる動作モードにおいて一つ或いは二つ以上の変換器が止められるようなトポロジーが含まれるだろう。例えば、再び図1Aを参照すると、左前部変換器と右前部変換器24a−24dは、開放モードにおいては止められて、側部変換器に左と右のサラウンドサウンドを出力させたままの演奏となる。別の場合には、側部変換器は、開放モードでは止められて、前部変換器に左と右のサラウンドサウンドを出力させたままにする。同様に、後部変換器28a−28bは、通常のモードでは止められて、側部変換器にサラウンドサウンドを出力させたままにする。
【0052】
他の実施形態は、前部変換器24a−24d(図1Aに示す)と側部変換器26a−26bを、開放モードでは止める。この配置では、左と右と中央のサラウンド信号は、変換器28a−28bに与えられる左と右と中央の前部信号と混合されるだろう。
【0053】
実施形態のいくつかでは、音源は完全なサラウンド情報を右後部28aと左後部の変換器28bへ提供することができる。実施形態のいくつかでは、音源はDVD音源であり、ディジタルビデオディスク(DVD)は右後部28aと左後部の変換器28bへ与えられる、2チャネルのダウンミックスされた音声トラックを含んでいる。あるいは音源は、サラウンド情報を、右後部28aと左後部の変換器28bへ与えられる2チャネルへダウンミックスすることができる。
【0054】
各動作モードでシステムトポロジーを変えることに加えて、第1及び第2システム構成106,112は、各モードで異なる信号処理動作を実行することもできる。信号処理動作には、各動作モードで各変換器チャネルに送られた信号の周波数応答(周波数の関数として大きさと位相の両方)と極性と電圧レベルの大きさを変えるために、音声データの一つ或いは二つ以上のチャネルでの、等価と増幅と信号の混合と空間改良とダイナミックレンジ制御と他の信号処理技術のような動作が含まれる。
【0055】
第1及び第2システム構成106,112は、各動作モードにおいてシステム20の異なる周波数応答に備えるために、異なる等価の信号処理動作を実行するだろう。等価の信号処理は、当業者には既知の様々な技術を用いて実行することができる。例えば、等価信号処理は、データを、そのフィルター係数がメモリ内に記憶されディジタル信号プロセッサに供給される一つ或いは二つ以上のディジタルフィルターを通過させるとによって、音声データの各チャネル上で実行することができる。各動作モードに対応する、組になったフィルター係数は、メモリ内に記憶され、システムは、モード検出処理100(図2A)が発する命令に従って係数の組を切り換えることができる。
【0056】
等価の処理動作は、物理的に別の回路に、動作モードごとに別の組のフィルターを与えることで、アナログ領域内で実施することもできる。異なる回路は、モード制御処理100が発した命令に従った信号経路の中へ或いはそこから切り替わる。あるいは、その性能が、可変利得回路、あるいは電圧制御フィルター、あるいは切り換え可能な電子部品値、あるいはスイッチキャパシタフィルター、あるいは調整可能もしくはプログラム可能なアナログフィルターもしくは信号プロセッサの何か別の形態を使用することで、動的に調整することができる。
【0057】
等化信号処理動作は、ディジタルであれアナログであれ、各演奏モードにおいて、等化無しのシステムの周波数応答に比べて、オーディオシステムの周波数応答がより滑らかになるように設計されるべきである。さらに、開放動作モードに対して希望する聴取位置(開いた扉或いはテールゲートに沿った乗り物の外部)で測定されたシステムの周波数応答は、通常のモードの信号処理が使用された場合の応答よりも、開放モードでの動作に対して設計された信号処理を用いてより滑らかであるべきである。各動作モードに対して、希望する各聴取位置で測定されたシステムの全体的な測定済み周波数応答は、一般的に、特徴が似ている。しかし、各モードに対して使用される信号処理の周波数応答は、一般的に、非常に異なっている。考察できるように、本明細書では、時に、等化に使用する信号処理を‘等化のチャネル’と呼ぶであろうことに注意したい。等化のチャネルは、アナログ或いはディジタルの技法を用いて行われるであろう。また、時に、信号処理の周波数応答を‘等化のチャネルの周波数応答’と呼ぶであろう。
【0058】
第1及び第2のシステム構成106,112には、各動作モードに対して変換器に加えられる音声信号の異なる増幅処理動作が含まれるだろう。言い換えると、第1システム構成106には、音声信号の増幅を1つの方法で調整する信号処理動作が含まれ、第2システム構成には、異なる方法で音声信号の増幅を調整する信号処理動作が含まれるだろう。音声信号の増幅の調整は、当業者には既知のいくつかの技術を用いて実行されるだろう。利得の調整は、音声信号の信号経路内の多くの場所で行うことが可能で、システムは、利得の調整が起きる場所に限定されるものではない。例えば、変換器に与えられる音声信号の増幅は、特定の変換器の信号経路内の増幅の利得を変更することによって調整することができる。ディジタルシステムにおいて、各チャネルと各動作モードに対する利得は、メモリ内に記憶される乗算係数あるいは組になったフィルター係数によって決定されて、各動作モードで1つ或いは2つ以上の変換器に与えられる信号のレベルを制御するためにディジタル信号プロセッサに与えられる。この利得は、音声データの各チャネルの信号経路内に置かれた可変利得アナログ増幅器(或いは、アナログシステム内の利得を制御する他の既知の方法)を制御することで、アナログ領域において調整することもできる。
【0059】
第1および第2システム構成106,112は、各動作モードにおいて異なる信号混合処理の機能を実行することができる。信号混合処理には、様々な比率で様々な信号を互いに加算することが含まれる。混合は、動作の1つ或いは2つのモードで起きるだろう。加算は、アナログ領域内のオペアンプ加算回路を用いて達成できるし、またはデータ値は、マイクロプロセッサあるいはディジタル信号プロセッサによって直接に加算することができる。
【0060】
第1および第2システム構成106,112には、各動作モードにおいて異なる空間改良信号処理が含まれるだろう。空間改良信号処理は、一般的に、システムが作った音響領域の空間的特徴を改善し、当業者には既知の何らかの技術を用いて実施することができる。2チャネルオーディオの空間改良技術の1つに、第1信号と第2信号を互いに加算と減算を交互に行うこと(以下で、マトリックス処理と呼ぶ)によって、第1の和と差信号を決定することが含まれる。次に、何らかの形態の信号処理が、少なくとも差信号に与えられ(或いは、おそらく和信号と差信号に加えられる処理は異なる)、その後、第2マトリックス処理(処理済みの和信号と差信号の和と差を取る)が実行されて第3及び第4の信号が生成される。これら第3及び第4信号は、今や、第1及び第2信号の空間的に改良されたバージョンである。他の改良手法は、差信号に対してのみ作用するだろう。これらの方法において、2つの信号の差が取られる。差信号は、いくつかの方法で変更され、その後、元のチャネルの1つに加え戻され、また元のチャネルの他のものから減算される。
【0061】
開放動作モードにおいて、空間改良は、後部変換器(例えば、図1Aの変換器28a−28b)へ与えられる信号上で実行することができるが、それは、これらの変換器が音響を乗り物の外部の聴取者へ提供する主なる変換器として最も適当であろうからである。空間改良は、後部変換器に与えられる完全な信号上で実行することができるか、あるいは後部変換器に与えられる信号の一部にのみ与えることができる。例えば、サラウンドサウンド信号源の再生に対して、中央チャネル情報が、いかなる空間改良処理も無しに、各後部変換器に等しく与えられるだろう。同時に、左チャネル信号と右チャネル信号が、それぞれ左変換器と右変換器とに与えられるだろう。これらは、空間処理を行って、あるいは行わずに与えることができる。同様に、左と右のサラウンド信号は、空間改良処理を行って、あるいは行わずに、それぞれ左と右の変換器に与えることができ、ここで、使用する空間改良処理は、同じであるか、または左及び右のチャネル信号に加えるものとは異なるかのいずれかであろう。特定の一実施形態において、第2構成は、中央チャネル信号を空間改良せずに等しく後部変換器28a−28b(図1A参照)に与え、左前部と右前部の信号を、空間改良無しに左後部と右後部の変換器28a−28bにそれぞれ与え、空間改良した左と右のサラウンド信号を、それぞれ左後部と右後部の変換器28a−28bに与える。
【0062】
様々な信号の空間改良処理を実行する他の組み合わせも可能である。例えば、2001年6月21日に同時係属出願し、Bose Corporationに譲渡した、特許文献2"Audio Signal Processing"に記載されるようなシステムをここに参考のために組み入れ、それは、乗り物の後部に使用することができ、そこでは空間改良処理が、開示された変換器の構成で使用される。
【0063】
空間改良は、開放動作モードの間は第2システム構成に限定されないが、通常の動作モードの間に第1システム構成において1つ或いは2つ以上の組の変換器(例えば、図1Aに示される、前部の変換器の組24a−24b,24c−24dあるいは後部の変換器の組26a−b,28a−b)に提供される音響信号上で実行されるだろうことは理解されたい。
【0064】
システムの機能や性能属性に影響する他の信号処理動作は、従来のモードあるいは開放動作モードにおいて変わるだろう。例えば、1つ或いは2つ以上の変換器に供給される音響信号のダイナミックレンジは、動作のモードによって変化するだろう。加えて、バランス/フェード(fade)の設定は、動作によって変えられるだろう(例えば、フェード制御は、開放モードにおいて、止められるか何らかの固定した位置に設定されるだろう)。
【0065】
等化処理と、増幅と、空間改良と、信号混合と、ダイナミックレンジ調整と、他の信号処理は、ディジタル信号プロセッサ、あるいはマイクロプロセッサ、あるいはディジタル増幅器、あるいは他の適当なディジタル装置などの機器を用いてディジタル領域で行われるか、動的に調整された要素(例えば、可変利得増幅器、電圧制御フィルター等)を備えた別々の物理的回路、あるいは単一の物理的回路を用いてアナログ領域で行われるだろう。
【0066】
加えて、図2Aに2重モードのオーディオシステムが図示されるが、その考えは、3重あるいはそれ以上の動作モードで動作するオーディオシステムに拡張することができる。例えば、図2Bに示されるように、モード検出処理150が、システム20がオンした(151)ことを検出した時に、処理150は、システム20を第1動作モード152に置くだろう。オーディオシステムは、乗り物の全ての扉が閉じている通常のモードにおいて第1システム構成154(第1トポロジーと第1の組の信号処理動作を備える)となり、扉の1枚(例えば、テールゲートのみ)が開いている時に第2システム構成(第2トポロジーと第2の組の信号処理動作を備える)となり、別の扉(例えば、側部の扉)が開いている時に第3システム構成168(第3トポロジーと第3の組の信号処理動作)となる。
【0067】
第1の切り換えイベントが起こる(156)時、モード検出処理150は、システムはどの動作モードに移るのかを決定する(158)。次の動作モード152,160,166は、スイッチの状態および/または乗り物の1つ或いは2つ以上の物理的状態(例えば、扉が開いて/閉じている、エンジンが止まって/動いている、運転席に/以外に乗員がいる等)に基づいて決定され、音声データをこれに従って変更する。他の切り換えイベントが起こると(156,164,170)、モード検出処理150は、次の動作モードを決定する(152,160,166)。
【0068】
図3に示すように、オーディオシステム20は、乗り物から、乗り物のエンジンが動いているかどうかを示す入力202を受け取るバッテリ観察処理200も含んでおり、これによって、オーディオシステムが主な電源は乗り物のバッテリか、あるいはオルタネータ等の別の電源なのかを知らせる。可能性のある多くの信号が、エンジンが動いているか否かを示すのに提供することができ、その信号とは、エンジンのRPMを示すタコメータの信号(すなわち、RPMがゼロならばエンジンは動いておらず、電力は主にバッテリから引き出されている)や、点火ロックの状態を示す信号(すなわち、点火がロックされていれば、乗り物は走っていない)や、乗り物の電気システムに含まれるだろう通信バス上で利用可能な多くのディジタル信号のいずれかなどがある。
【0069】
もし、バッテリ状態観察処理200が、エンジンが動いていると検出する(203)と(従って電力は主にバッテリから引き出されていない)、バッテリ電力204を節約するために、システム構成に調整は加えられない(204)。
【0070】
バッテリ状態観察処理200が、エンジンが動いていないと検出する(203)と(従って電力は主にバッテリから引き出されている)、システム20は、実質的にシステムの性能を落とさずに、様々な技術を用いてバッテリの電力を節約するようにシステム構成(即ち、システムトポロジー、信号処理動作あるいはその両方)を調整するだろう。例えば、前部変換器(例えば、図1Aの24a−b,24c−d)は電力を消費するが、乗り物の後部の外部のシステム性能に目に付くほど影響しないので、システムは、開放モードでバッテリ電力で動作している時には、前部の変換器の組を止めるように構成される。同様に、後部変換器(図1Aの28a−28b)は、通常のモードで動作中は、止めることができる。このように、電力を節約するように信号処理を調整すること(206)は、オーディオシステム20の動作モードによって異なるだろう。バッテリ観察処理が、エンジンが動いていない事を検出したときに電力を節約するためにシステム構成を調整することで、システムは、バッテリの電力で動作できる時間の長さを延ばすことができる。
【0071】
変換器は様々な方法で止める事ができるが、その中には、特定の変換器に提供している増幅器の出力を弱めることで、増幅器を待機モードに置いたり(Philips(登録商標)Semiconductorで製造されるTDA8567Qのような商用の増幅器集積回路が、弱めるモードと待機モードの両方を備えて構成される)、増幅器に与える音響信号を実質的にゼロに減らしたり、増幅器と変換器の間の信号経路を妨げたり、特定の回路や変換器に与える電力を増幅器から除いたりすることが含まれる。
【0072】
かなりの量の電力が音楽の低域周波数領域に集中しているので、本システムは、節電のために変換器に送られる信号のうちの1つ或いは2つ以上の信号経路内に置かれるだろう高域通過フィルターの遮断周波数を上げる(或いは、周波数の関数として減衰の次数を増加させるか、もしくは両方)ことができる。
【0073】
電力は、1つ或いは2つ以上の変換に与えられる音声信号の電圧の大きさを減らすことによっても節約することができる。電圧の大きさを減らすための技法の1つは、音声信号の信号経路内の利得を減らすこと(これは、増幅器の利得あるいはアナログ器具内の受動的減衰器の減衰を変更することによって、またはディジタルシステム内のディジタルフィルターもしくはディジタル乗算動作における係数を変更することによって可能となる)である。音声信号の電圧の大きさを減らすもう一つの技法は、音声信号の信号経路内でダイナミックレンジ制御機器を使用することによる。ダイナミックレンジ制御機器は、音声信号のダイナミックレンジを制限するか、または圧縮するか、または拡大するか、さもなければ変更する機器である。
【0074】
ダイナミックレンジ制御機器の使用法の1つは、機器(典型的には電力増幅器)の出力が歪まないように保つことである。この種の用途に使用されるダイナミックレンジ制御機器は、リミッタとして知られており、増幅器に与えられる最大電圧を全ての動作条件下で設定値以下に保つように構成される。
【0075】
ダイナミックレンジ制御機器は、典型的には、可変利得の要素(アナログで実現した場合の増幅器、あるいはディジタルで実現した場合の乗算器)と、制御要素と、いくつかの型の信号検出器(典型的には、信号の最大値または平均値またはRMSを検出するレベル検出器だが、他の種類の検出器も可能である)を用いて構成され、ここで、可変利得要素の利得は、件の検出済み信号を関数として制御要素によって変化する。この関数は、可変利得要素の利得と、件の信号の検出済み品質の間の関係を決める。関数の性質は、検出した品質によって変化するかも知れず、あるいは検出した値の範囲全体に渡って一定であるかも知れない。例えば、検出した量の閾値を決定することができるが、ここで、可変利得要素の利得は、検出された量が閾値以下にある限り変化しないが、利得は、もし検出した量が閾値レベルを超えれば、指定した関数に従って変化する。リミッタは、信号の検知したパラメータがいくつかの組の閾値を超えた時に、可変利得要素の利得を減らすことによって動作するが、これによって通常は、歪まずに機器(例えば電力増幅器)の最大出力を可能にするように選ばれる。こうして、一実施形態において、バッテリ観察処理は、バッテリ観察処理200がオーディオシステム20が主にバッテリで動いていることを検出した時に、リミッタの閾値を下げることによって、1つ或いは2つ以上の変換器に与えられる音声信号の最大電圧を減らすことができる。
【0076】
図3を参照すると、バッテリ状態観察処理200は、バッテリの様々な動作状態に関する入力208を受け取って、バッテリ内に残っているエネルギーのおおよその量を推定するが、これは、自動車を再始動するために十分な電荷がバッテリ内に残っているかを確かめるためである。もし推定したバッテリの容量が所定の閾値209に達しているか、もしくはそれ未満ならば、システム20は、ユーザーに、バッテリのエネルギーが下がっていることを知らせ(210)、さらなる電力維持の措置を取る(212)だろう。
【0077】
バッテリ状態観察処理200は、バッテリの電流の動作状態に関する様々な因子を示す入力208を受け取る。これらの状態の中には、放電電流の大きさ及び速度と、放電が起こった累計時間と、環境温度と、バッテリ出力電圧と、当業者ならばバッテリの残容量を推定するために観察したいであろう他の状態が含まれるだろう。これらの状態から、処理200は、バッテリの残容量を推定する。
【0078】
バッテリの電圧プロファイルは、バッテリ出力電圧と放電状態(バッテリが放電した時間の長さと、放電の速度と、放電電流の大きさと、温度)の間の関係である。第2(再充電可能)バッテリの出力電圧は、放電状態に従って、時間と共に減っていく。鉛酸バッテリのような、自動車で普通使用されるバッテリは、全ての動作温度と放電電流に対して、唯一の放電曲線を持っているのではない。むしろ、特定のバッテリの電圧プロファイル曲線は、上述した動作状態の関数である。特定のバッテリに対するバッテリ電圧プロファイル曲線の組は、製造元から容易に手に入れることができる。製造元は、動作条件の関数としてのバッテリ容量を示す曲線も提供する。バッテリの残容量を推定するための技法の1つに、観察した動作状態の下で、適当な放電(プロファイル)曲線上のどこでバッテリが動作しているかを決定することが含まれる。製造元から入手可能な、この情報と容量の情報から、バッテリの残容量を推定することができる。
【0079】
バッテリの残容量を推定するための他の手法は、どれほどのエネルギーが充電中に入れられたか、そしてどれほどのエネルギーが使用中に引き出されたかを計算することによって、バッテリの充電の状態を推定することである。これは、時に、クーロン計数法と呼ばれる。別の実施形態では、バッテリ観察処理は、バッテリを充電する電流量だけでなくバッテリから放電される電流量を測定し、測定値からバッテリ内の残容量を推定することになる。
【0080】
推定した容量が、乗り物を再始動させるのに必要な最小レベルより大きい所定の値(これは、バッテリ容量閾値として設定される)に達すると、バッテリ状態観察処理200は、ユーザー210に警告を発するが、これは、聴くことができる(例えば、オーディオシステムを通した出力)か、見ることができる(例えば、ディスプレイ画面上で)か、触れることができる(例えば、紙のような振動材料を作動させる)もので良い。他の別実施形態では、バッテリ観察処理200は、オーディオシステムを止めるか、オーディオシステムを、全ての増幅器を含んだ不要の機器が、推定された容量がバッテリ容量閾値に達する時に止まる待機(或いはスリープ)モードにすることができる。また、遠隔開始ができるようにした乗り物では、バッテリ状態監視処理は、遠隔開始処理にトリガーをかけて、推定した容量がバッテリ容量閾値に達する時に、周期的に乗り物にバッテリを再充電させることができる。
【0081】
他の別実施形態では、バッテリ状態監視処理は、システムに別の所定の閾値で別の電力保存措置(例えば、変換器を止めたり、等化処理を調整したり、乗り物を自動的に発車させたり、変換器に加えられる音声信号の電圧の大きさを減らしたり、システムを待機モードにしたり、システムを止めたり等)を取らせる、いくつかの所定の閾値を持っているだろう。
【0082】
他の実施形態では、オーディオシステムには、バッテリの残容量を推定しないが、放電電流、またはオーディオシステムが引き出す電流、または温度、またはバッテリの電圧のような、バッテリの1つあるいは2つ以上の動作状態を観察する、バッテリ観察処理が含まれるだろう。バッテリの動作状態を観察するバッテリ観察処理は、1つ或いは2つ以上の動作を行うが、それは、バッテリの動作状態が所定の状態に達すると、警告を発したり、または電力消費を減らしたり、またはシステムを待機モードにしたり、またはシステムを完全に止めたりすることである。所定の状態は、バッテリ電圧、または放電電流、または環境温度、または状態の組み合わせのような、1つ或いは2つ以上の観察状態であろう。
【0083】
バッテリの残容量を推定したり、バッテリの動作状態を観察したりする全ての既知の手法は、他の実施形態において使用することができ、本発明は、上述した特定の実施形態に制限されるものではないことに注意したい。
【0084】
他の別実施形態では、オーディオシステムは、高域通過フィルターの遮断周波数を上げるか、または変換器を止めるか、または増幅器の利得を制限するか、または音声信号のダイナミックレンジを小さくするか、または他のエネルギー節約手段を取ることができるが、それは、バッテリ電力による動作が検出された時(図2Aを参照)、または残りのバッテリエネルギーが所定の閾値まで下がった時である。バッテリ観察処理は、2重モードオーディオシステム(図1A〜1Bで示したオーディオシステム20のような)あるいは、純粋に通常のオーディオシステムにおいて実現することができるということを理解されたい。
【0085】
モード選択と、バッテリ状態観察処理と、図2A,図2B,図3に示したシステム構成100,200,106,112,206,210,212を実現する回路は、ハードウェア、またはソフトウェア、またはファームウェア、またはオーディオシステム20内の1つ或いは2つ以上の場所にあるようなもので実現されよう。例えば、処理の全てに対する回路は、物理的に、前部の制御卓21、または後部の制御卓22(図1Aの)に置かれるか、またはシステムのいくつかの機器に配られるだろう。
【0086】
通常の乗り物用オーディオシステムにおいて、音源は、典型的には、乗り物の前に置かれるか、あるいは音源に対する少なくとも1つの制御インターフェイスが前部に置かれる。オーディオシステムが開放モードで動作する時、便宜上、音源又は音源に対する少なくとも1つの制御装置は、開けられたテールゲート(あるいは扉)からアクセスでき、通常これは、聴取者がいる乗り物の後部にある。図4に示すように、後部の制御卓22にある一組のユーザー制御部の複製は、後部テールゲート50の開口部近くの乗り物10の居室内に提供される。これは、音源の選択や音量調節や音源の駆動制御(例えば、再生、停止、休止、曲飛ばし、早送り、戻し、事前設定選択、同調等)のような一揃えの組になった制御部の複製であろう。あるいは、後部制御卓は、乗り物の前にある、完全な制御インターフェイスのいくつかのサブセットであろう。加えて図4は、放射主軸70が、テールゲート50が開いた時に乗り物10の位置の平面に対して約45°の角度に向けられ、放射主軸70が、テールゲート50が閉じた時に乗り物10の乗員区画の中に向くような、乗り物のテールゲート50上に搭載される一組の変換器を示している。
【0087】
乗り物の後部から音源を制御するさらに別の方法は、遠隔操作を用いて制御機能を実現することである。別個の遠隔制御部を使用することもできるし、遠隔操作キーレスエントリーと同様に、オーディオシステム制御機能を乗り物の鍵鎖(key fob)の遠隔操作装置に統合することもできる。鍵鎖の遠隔操作装置を用いて、複数のボタンを鍵鎖に付けて、音量調節とか音源選択などの限られた音響機能の制御を提供することができる。あるいは、乗り物が通常のモードで動作するのに固定したり解除したりするような、普通の機能の動作をする既存の鍵鎖遠隔操作ボタンは、乗り物が開放モードで動作する時に、音響機能の動作をするよう再マッピングすることができる。再マッピングは、スイッチやボタンやボタンの列を起動して、遠隔操作機能を通常の乗り物機能からオーディオシステム機能へ変更することによって発生させることができる。例えば、これを行う方法の1つは、他のボタンの機能を遠隔操作に切り替えるシフトボタンを追加することによる。あるいは、乗り物は、モードを検知することができ、鍵鎖の遠隔操作装置によって送られた命令の解釈を変更する。例えば、システムが開放モードで動作している時には、固定と解除を音量の増減とすることができる。
【0088】
加えて、1つ或いは2つ以上の外部オーディオシステム入力を、乗り物の後部に提供することができる。例えば、1つの入力をマイクの出力を受けるのに最適化することができる。この場合、追加した前置増幅(別の音量調節かも知れない)が必要となろう。これによって、乗り物は、移動可能な拡声システムとして使用することができるようになる。ラインレベルの入力も提供されるだろう。これによって、携帯用のMP3あるいはCDプレイヤーのような、さらなる音源をシステムに接続して、後部から容易にアクセスできるようになる。
【0089】
他の特徴を後部制御卓に加えることができる。例えば、乗り物が統合されたビデオ供給源(DVDビデオ、VHS等)を備える時、ビデオ出力ジャックを乗り物の後部からアクセスできるようにすることができ、従ってビデオ表示装置を付けることができる。
【0090】
図5A〜図5Bは、両方の動作モードに高音質を提供するために、後部の変換器が搭載されるだろういくつかの位置を示している。図5A〜図5Bに示された変換器は、高域周波数変換器(例えば、ツィーター、中域)であるか、または実質的にフルレンジの変換器(音を、人間の聴覚系の可聴周波数帯域のほとんどに渡って放射する)であろう。加えて、図5A、図5B、図5C、図5Dに示した変換器60,62,64,66は、それぞれ別個の変換器として図示されているが、これらの変換器は筐体の中に搭載することもできることを理解されたい。
【0091】
変換器の放射の主軸は、変換器が最大エネルギーを動作範囲の大部分に放射する方向である。この方向は、典型的には、軸対称変換器の物理的中心の対称軸と一致する。理解し易いように、ここでは軸対称変換器が使われると仮定し、主要な放射の軸は、変換器の対称軸と一直線になるように揃えられ、変換器の主要な放射面の前表面から離れて置かれると仮定するが、ここで、前表面は、聴取環境に結合されるものとする。しかし、本発明は軸対称変換器を使用すると制限されるものではないことに注意したい。ここに記載する方針は、音響の放射が望む方向に導かれるように、必要に応じて調整できる。
【0092】
図5Aに示されるように、自動車10には、開いたものとして示されている、上部に蝶番を持った後部テールゲート50が含まれる。一組の変換器60(例えば、中域の変換器)は、テールゲート50が開いている時に変換器60の組が居室から外へ向くように、テールゲート50の開口部近くの自動車の居室内部に搭載される。テールゲート50が閉じた時に、変換器の組60からの音響がテールゲートに反射して、自動車の居室内部に返ってくる。変換器60が搭載することのできる場所が、自動車の居室の後部に多くあり、本発明は、図5Aに示される特定の場所に限定されるものではない。加えて、変換器の組60は、テールゲート50が閉じた時にテールゲート50に直接向かないように方向が決められるが、テールゲート50に対して角度を曲げることができる。例えば、別の実施形態では、変換器の組60は、居室の床や、居室の天井や、居室の壁や、居室の後部デッキや、自動車10内の最後尾の席の後ろに搭載することができる。最後に、サブウーファーのような追加の変換器を、テールゲート近くの乗員区画内部に搭載することもできる。
【0093】
図5Bと図5Cは、後部変換器の組を、テールゲート50を持った自動車10上に搭載する、追加の別の実施形態を示している。特に、図5Bは、自動車居室内部でテールゲート50の最上部の蝶番51近くに搭載される、一組の後部変換器62を示している。
【0094】
図5Cは、左の変換器がテールゲートの左上部に置かれ、右の変換器がテールゲートの右上部の置かれるように、テールゲート50に搭載される一組の後部変換器64を示している。変換器64は、テールゲート50の枠の内側に搭載することができる。変換器は、バックミラーをフロントガラスに取り付けるのと同じ方法を使って、テールゲート50の上の窓に搭載することもできる。変換器を搭載した窓は、さらに、構造上の支持を追加するために窓の周囲の枠につけることもできる。後部の変換器64は、変換器64の放射主軸70が実質的に自動車10の後部へ向くように、またテールゲートが開いた時に地面と平行な面に対して約45度の角度を持つような向きにすることもできる。同様に、変換器64の放射主軸70は、テールゲートが開いたときに、実質的に乗員居室に向けられる。この変換器の向きは、テールゲートが閉じた時に音を乗り物の中に導き、テールゲートが開いた時に音を乗り物から外へ導くために、特に有利である。このように、この変換器の向きは、オーディオシステムの両動作モードに対応するのに非常に適したものである。
【0095】
図5Dは、後部変換器66の別の組が、テールゲートの、上部蝶番51とテールゲートの下端52のほぼ中間に搭載される様を示している。この変換器の向きは、テールゲートが閉じた時に音が乗員居室内に導かれるために、通常の動作モードにおける動作に非常に適しており、この向きは、聴取者が自動車10の後ろのテールゲートから離れたところにいる場合には最適ではない、なぜならこれら聴取者は、変換器66の放射主軸に対して著しく外れた角度になるからである。
【0096】
図5A〜図5Dは、後部変換器の単一の組の様々な位置を示しており、別の追加した実施形態には、多数の組の変換器が自動車居室とテールゲート内の多くの場所に搭載されるオーディオシステムが含まれる。加えて、図5A,図5B,図5C,図5Dに示される変換器60,62,64,66は、それぞれ、自動車内部に対称的に置かれた一組の変換器を表しており、その対称軸は、自動車10の中央の線であることに注意したい。
【0097】
図6は、本発明によるオーディオシステム300のブロック図を示している。このオーディオシステム300には、音源302と制御器304とが含まれる。制御器304は増幅器で良い。音源302は、音声信号を生成する。制御器304は、音声信号を変更する。例えば、第1システム構成において、制御器304は、第1の複数の変換器306に音声信号を送ることができる。第1の複数の変換器306は、通常のモードで動作するオーディオシステム300に対応する。制御器304は、音声信号の等化パラメータおよび/または音声信号の増幅のような、信号処理動作を調整することで、音声信号を変更することもできる。当業者ならば、図6に示した音源302と制御器304の間には区切りは、例示的な実施形態のためであることを理解されよう。音源302と制御器304の中の様々な要素は、移動することもでき、かつ/あるいは変更することもできる。一実施形態において、制御器304は、音源302と統合される。
【0098】
第2システム構成において、制御器304は、第2の複数の変換器308に音声信号を送ることができる。第2の複数の変換器308は、開放モードで動作するオーディオシステム300に対応する。一実施形態において、第1の複数の変換器306は、第2の複数の変換器308と同じであり、信号処理動作(例えば、音声信号の等化パラメータ)は、動作モードによって変更される。例えば、第1システム構成におけるオーディオシステム300の等化パラメータは、第2システム構成におけるオーディオシステム300の等化パラメータとは異なっていて良い。
【0099】
音源302には、マイクロコントローラ310が含まれる。マイクロコントローラ310は、電気的な導電経路314を通して表示装置312に結合される。表示装置312は、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)表示装置、プラズマ表示装置、陰極線管(CRT)表示装置などの何らかの適切な表示装置で良い。表示装置は、音源の状態および/またはシステムの動作モード(例えば、2重モードシステムにおける通常のモードまたは開放モード)および/または追加情報例えば周波数帯域や音声トラックの名称などに限定はされないが、これらを含むオーディオシステム300の状態を表示することができる。マイクロコントローラ310は、オーディオシステム300を制御する一組のユーザー制御装置316に結合することもできる。例えば、ユーザー制御装置316は、ボタンやスイッチやノブやマイクやキーパッドや他の適当な制御機構で良い。一実施形態において、表示装置312は、タッチスクリーン表示装置であり、ユーザー制御装置316は、タッチスクリーン表示装置に付いたソフトキーである。ユーザー制御装置316は、ユーザー入力に基づいて、通常のモードあるいは開放モードのような、動作モードを選択するのに使用することができる。
【0100】
マイクロコントローラ310は、コンパクトディスク(CD)および/またはディジタルビデオディスク(DVD)および/またはミニディスク(MD)および/またはハードディスク(HD)および/またはMPEG1レイヤー3(MP3)のような音声データの1つ或いは2つ以上の供給源に結合することもできる。音声データの供給源318は、送信経路320を通してマイクロコントローラ310によって制御される。送信経路320は、GPIOバスやRS232バスやSCSIバスやシリアルバスやパラレルバスやファイバーチャネルバスや光バスやCANバスやMOSTバスや制御情報を送信するための他の適当な通信方法で良い。一実施形態において、送信経路320は、制御情報と同様にデータを送信することができる。
【0101】
マイクロコントローラ310は、1つ或いは2つ以上のチューナー322にも結合される。チューナー322には、振幅変調(AM)チューナーと周波数変調(FM)チューナーとテレビ(TV)チューナーとXMチューナーと衛星チューナーが含まれ得る。チューナー322は、送信経路324を通してマイクロコントローラ310によって制御される。制御経路324は、GPIOバスやRS232バスやSCSIバスやシリアルバスやパラレルバスやファイバーチャネルバスや光バスやCANバスやMOSTバスや制御情報を送信するための他の適当な通信方法で良い。
【0102】
マイクロコントローラ310は、制御インターフェイス326を通して制御器304にも結合される。制御器304の1つ或いは2つ以上の機能は、マイクロコントローラ310によって制御される。例えば、ユーザー入力に応答して、マイクロコントローラ310は、命令を制御器304に送って、第1システム構成か第2システム構成を選択することができる。マイクロコントローラ310は、命令を制御器304に送って、第1および/またはだい2システム構成における等化パラメータのような一組の信号処理動作を調整することもできる。
【0103】
赤外線(IR)受信回路328は、送信経路330を通してマイクロコントローラ310に結合される。IR受信回路328は、送信経路334を通してIRセンサー332に結合される。または、IRセンサー332は、IR受信回路328と統合することもできる。IRセンサー332は、遠隔制御送信器336からIR信号を受信する。遠隔制御送信器336は、オーディオシステム300および/または乗り物の様々な機能を制御することができる。例えば、遠隔制御送信器336は、システム構成の選択および/または供給源(例えば、CD、ステレオラジオ、DVD等)の選択および/または音量の制御および/または等化機能の制御および/または同調機能の制御および/または帯域の選択および/またはトラックの選択および/またはシーク機能の制御および/またはスキャン機能の制御および/または早送り機能の制御および/または巻き戻し機能の制御および/または曲飛ばし早送り機能の制御および/または曲飛ばし戻り機能の制御および/またはフェーダー機能の制御および/またはバランス機能の制御および/またはオーディオシステム300の他の何かの機能の制御を行うことができる。ビデオ供給源を含む一実施形態において、遠隔制御送信器336は、チャプターの選択、検索、スキップ、早送り、巻き戻し、ズーム、休止等の、ビデオ供給源の機能を制御することができる。遠隔制御送信器336は、乗り物に関する制御機能を制御することもできる。例えば、遠隔制御送信器336は、扉の施錠または乗り物の点火または窓または電動扉または電動シートまたは電動ムーンルーフまたはコンバーチブルの屋根または室内灯または乗り物の警報または乗り物のテレマティックスまたは通信システムまたはトランクの蓋またはサスペンション負荷平準化システムまたは、乗り物内のヒーターまたはエアコンまたは霜取り装置による車内環境設定の制御などの他の何か希望する機能を行うことができる。遠隔制御送信器336は、例えば、車庫の扉の開閉器や電動ゲートや照明や電気器具や家庭セキュリティシステムなどの、乗り物の外にあるシステムの制御に使用することもできる。一実施形態において、遠隔制御送信器336の機能は、ユーザーがプログラムすることが可能である。
【0104】
当業者ならば、他の形式の遠隔制御送信器及び受信器をオーディオシステム300において使用することが可能であることを理解されよう。例えば、無線周波数(RF)送信器とRF受信器は、IR遠隔制御送信器336とIR受信回路328の代わりに使用することができる。一実施形態において、各オーディオシステム300は、2つの送信器が同じオーディオシステム300を制御することができないように、独自の送信器信号を送信する遠隔制御送信器を含むことができる。他の実施形態において、オーディオシステム300は、ユーザーが選択可能な送信器コードを持った遠隔制御送信器を含むことができる。遠隔制御送信器と遠隔制御受信器の間で通信プロトコルをプログラムするための様々な技術を使用することができる。
【0105】
一実施形態において、センサー338がマイクロコントローラ310とIR受信回路328との間に結合される。センサー338は、IR受信回路328を特定の状況で使用禁止にするのに使うことができる。例えば、IR受信回路328は、乗り物が動いている時に使用禁止とすることができる。これによって、開放モードに対応する第2システム構成が、乗り物が動いている間に不注意で選択されることを防ぐ。この実施形態において、センサー338は、乗り物内のタコメーター340に結合されてエンジンの状態を検知することができる。または、センサーは、乗り物内の速度計に結合されて乗り物の速度を検知することができる。他の例では、センサー338は、乗り物内のサイドブレーキに結合されてサイドブレーキの状態を検知することができる。センサー338は、これらの何れかの組み合わせに結合させるか、あるいは乗り物が動いていることを示す乗り物内の他のシステムに結合させることができる。例えば、一実施形態において、オーディオシステム300は、乗り物の電気システムに統合される(図示されない)乗り物データバスを通して乗り物の状態を取得する。
【0106】
第2システム構成を選択することは、様々な方法で禁止することもでき、その中には、オーディオシステム300内のヘッドユニット、あるいはオーディオシステム300に結合されるスイッチを通して、第2システム構成を選択するのを手動で禁止することが含まれる。他の実施形態では、第2システム構成を選択することは、扉および/または窓および/またはテールゲートおよび/またはハッチおよび/またはムーンルーフおよび/またはサンルーフおよび/またはコンバーチブルの屋根および/またはトランクおよび/または乗り物の収納空間を閉じることによって自動的に禁止することができる。
【0107】
第2システム構成を選択することは、扉および/または窓および/またはテールゲートおよび/またはハッチおよび/またはムーンルーフおよび/またはサンルーフおよび/またはコンバーチブルの屋根および/またはトランクおよび/または乗り物の収納空間を開けることによって自動的に禁止することができる。または、第1システム構成を選択することは、扉および/または窓および/またはテールゲートおよび/またはハッチおよび/またはムーンルーフおよび/またはサンルーフおよび/またはコンバーチブルの屋根および/またはトランクおよび/または乗り物の収納空間を閉じることによって自動的に禁止することができる。第1及び第2の構成システムを選択するのに使用できる様々な他の方法がある。例えば、第2システム構成を選択することは、スイッチを動作させることによって行うことができる。このスイッチは、マニュアルスイッチおよび/または自動スイッチおよび/またはセンサーおよび/または遠隔制御スイッチおよび/または音源302と統合されるスイッチおよび/または制御器304と統合されるスイッチで良い。
【0108】
オーディオシステム300には、音源302および/または制御器304に結合される視覚的表示器342も含まれよう。視覚的表示器342は、第2システム構成が選択されると、視覚的に表示をする。視覚的表示器342は、ブレーキ灯および/または照明装置および/または発光ダイオード(LED)および/またはストロボスコープおよび/または駐車灯および/または方向指示灯および/または後退灯および/または他の視覚的表示器で良い。
【0109】
視覚的表示器342は、ダイオード346を通してリレー344に結合することができる。一実施形態において、リレー344は、乗り物からバッテリ348を用いて視覚的表示器342に電力を供給する。ブレーキ灯が視覚的表示器342と機能を共有する場合には、ブレーキ灯に結合されるスイッチ350は、ダイオード352を経由して接続され、リレー344は各回路を保護するためにダイオード346を経由して結合される。当業者ならば、様々な他の装置を使用することもできることを理解するであろう。
【0110】
リレー344は、送信経路356を通してリレー制御ユニット354に結合される。リレー制御ユニット354は、送信経路358を通してマイクロコントローラ310に結合される。マイクロコントローラ310は、リレー制御ユニット354に命令して、第2システム構成が選択されると視覚的表示器342を始動させる。
【0111】
オーディオシステム300は、少なくとも1つの予備入力360を含むことができる。予備入力360は、予備機器あるいは外部機器を音源302に結合するのに使用することができる。予備入力360は、例えばラインレベル入力で良い。予備機器は、ラジオおよび/またはテレビおよび/またはXMチューナーおよび/またはSATチューナーおよび/またはCGプレーヤーおよび/またはDVDプレーヤーおよび/またはカセットプレーヤーおよび/またはMP3プレーヤーおよび/またはハードドライブおよび/またはミニディスク(MD)プレーヤーおよび/または携帯情報端末(PDA)および/またはビデオプレーヤおよび/または携帯オーディオプレーヤーおよび/またはマイクおよび/または音楽楽器で良い。カラオケの機械および/またはターンテーブルおよび/またはドラムマシーンのような他の機器を、予備入力360に結合することもできる。オーディオバッファ362は、一般的には、インピーダンスバッファと呼ばれる。オーディオバッファ362は、マルチプレクサ364に結合される。
【0112】
マルチプレクサ364は、音声データの供給源318とチューナー322と予備入力360から音声入力を受信するように構成される。マルチプレクサ364は、選択された音声データを出力バッファ366に送信する。出力バッファ366は、インピーダンスバッファである。
【0113】
制御器304には、出力バッファ366に結合される入力バッファ368が含まれる。制御器304には、音源302内の制御インターフェイス326に結合される制御インターフェイス370も含まれる。制御インターフェイス370は、マイクロコントローラ310から命令を受け取る。命令は、制御器304の様々な機能を制御する。例えば、マイクロコントローラ310は、制御器304に対して音量や低音レベルや高温レベルやフェーダーやバランスなどの、音源302が生成した音声信号の様々なパラメータ372を調整するよう命令することができる。
【0114】
制御器304は、多くのチャネルと切り換え回路を持って、異なるチャネルのオンおよびオフの切り換えをする増幅回路を含んでいよう。一実施形態では、制御器304には、複数の個々のチャネルを含む、等化処理回路のEQ A 374とEQ B 376の少なくとも2つのブロックが含まれる。制御器304には、オーディオシステム300の構成によって決まる音声信号を構成することができる等化処理回路あるいは他の信号処理回路の希望する数のブロックが含まれよう。第1等化ブロック374は、第1システム構成に対応し、第1の組の信号処理動作を持った音声信号を構成する。第2等化ブロック376は、第2システム構成に対応し、第2の組の信号処理動作を持った音声信号を構成する。例えば、第1システム構成の音声信号は、第2システム構成内の音声信号とは異なる組の等化パラメータを要求する可能性がある。A/Bスイッチ378は、第1及び第2のシステム構成の間で、オーディオシステム300を切り替える。この例は、2つのシステム構成を示したが、オーディオシステム300は、希望するあらゆる数のシステム構成を支援することができる。
【0115】
A/Bスイッチ378の出力は、電力増幅器380,382に結合される。第1電力増幅器380は、第1の複数の変換器306に結合される。第2電力増幅器382は、第2の複数の変換器308に結合される。電力増幅器380,382には、多くのチャネルが含まれるだろうし、その各々は、第1の複数の変換器306および第2の複数の変換器308内の一つ或いは2つ以上の変換器に結合することができることに注意したい。
【0116】
他の実施形態において、システムは、システム構成によって“イン”と“アウト”が切り替わる等価回路のブロックの代わりに、異なる等化パラメータをシステム構成に応じて異なる信号へ適用する、(図示しない)プログラム可能なフィルター構成を用いて実現される。
【0117】
一実施形態において、第1の複数の変換器306および第2の複数の変換器308は、それぞれ少なくとも1つの共通の変換器を含むことができる。例えば、第1の複数の変換器306および第2の複数の変換器308は、同じ変換器を含むことができる。この実施形態において、等価回路374,375の2つのチャネルからの等化パラメータのような、信号処理動作は、第1システム構成および第2システム構成の間で異なるものでよい。
【0118】
図7は、図6のオーディオシステム300の一実施形態を含んだ乗り物400の透視図を示している。オーディオシステム300には、乗り物400の後部座席404に搭載される一組の変換器402が含まれる。変換器402の組402は、変換器402の各々の放射主軸が乗り物400の後部に向かうように位置が定められる。この実施形態では、変換器402の各々は、変換器402の動作範囲の大部分に渡って最大エネルギーを放射する。エネルギーは、テールゲート406が開放の位置にある時に、乗り物400の後ろの領域405に向けられる。変換器の他の組408は、テールゲート406の内向きパネル410上に位置を定めることができる。変換器の組408の放射主軸408は、テールゲート406が閉じた位置にある時には乗員区画内部に向けられ、テールゲートが開放の位置にある時には乗り物400の後ろの領域405に向けられる。
【0119】
乗り物400は、テールゲート406の近くの乗り物400の内部に位置する制御パネル412も含む。制御パネル412は、制御ノブおよび/または押しボタンおよび/またはオーディオシステムを制御できるキーパッドのような、ユーザー制御装置を含むことができる。制御パネル412は、予備供給源をオーディオシステムに結合するための予備ジャックのような予備入力414も含むことができる。予備供給源は、ラジオおよび/またはテレビおよび/またはXMチューナーおよび/またはSATチューナーおよび/またはCDプレーヤーおよび/またはDVDプレーヤーおよび/またはカセットプレーヤーおよび/またはMP3プレーヤーおよび/またはMDプレーヤーおよび/またはPDAおよび/またはビデオプレーヤーおよび/またはハードドライブおよび/または携帯オーディオプレーヤーおよび/またはマイクおよび/または音楽楽器で良い。
【0120】
オーディオシステム300には、図6に関連して説明した遠隔制御受信器328が含まれる。赤外線(IR)センサー416は、遠隔制御受信器328に結合される。一実施形態では、IRセンサー416は、乗り物のテールライトアセンブリ418内に置かれる。分かり易さのために、IRセンサー416は実物大では描かれていない。テールライトアセンブリは、例えば、左と右のテールライト/方向指示灯や、後退灯アセンブリや、ナンバープレート照明アセンブリや、走行灯アセンブリや、室内灯や、ハイマウントブレーキ灯アセンブリで良い。いくつかの実施形態では、IRセンサー416は、ヘッドライトアセンブリや、フォグライトアセンブリや、何か他の外部光源アセンブリ内に搭載される。センサー416は、サイドミラーアセンブリのような外部のミラーアセンブリ内にも置かれる。IRセンサー416は、IR遠隔制御送信器336(図6)から信号を受け取る。その信号は、遠隔制御受信器328へ送信され、遠隔制御受信器328に、先述したようにオーディオシステム300の機能を制御させる。その機能には、オーディオシステム300の、システム構成の選択と、供給源の選択と、音量の調節と、等化機能の制御と、同調機能の制御と、帯域の選択と、トラックの選択と、シーク機能の制御と、スキャン機能の制御と、早送り機能の制御と、巻き戻し機能の制御と、曲飛ばし早送り機能の制御と、曲飛ばし戻り機能の制御と、フェーダー機能の制御と、バランス機能の制御を含んで良い。
【0121】
IR遠隔制御送信器336は、扉の施錠と、乗り物の点火の起動と、窓の開閉と、電動扉の開閉と、電動シートの移動と、電動ムーンルーフの開閉と、コンバーチブルの屋根の開放と、室内灯の作動と、乗り物400の警報の起動或いは停止のような、乗り物400の機能を制御するのに使用することもできる。遠隔制御送信器336は、例えば、車庫の扉の開閉器や電動ゲートや照明や電気器具や家庭セキュリティシステムなどの、乗り物の外側にあるシステムの制御に使用することもできる。ビデオ供給源を含んだ一実施形態において、遠隔制御送信器336は、チャプター選択、検索、スキップ、早送り、巻き戻し、ズーム、休止等の、ビデオ供給源の機能を制御することができる。
【0122】
IRセンサー416は、乗り物400の車体パネルあるいはテールライトアセンブリ418内部に搭載することができる。テールライトアセンブリ418の赤色のレンズ420は、IRセンサー416に対して周辺光フィルターを提供することができる。加えて、テールライトアセンブリ418は、光の焦点をぼかしてテールライトアセンブリ418の外側へ反射させる放物面鏡のような、曲面反射鏡を含んでいよう。この放物面鏡は、IR遠隔制御送信器336からの信号を、IRセンサー416の上に焦点を合わせるのに使用することができる。この焦点合わせの特徴によって、IR送信器336の通達範囲を改善することができる。加えて、焦点合わせの特徴によって、周辺範囲(peripheral range)を改善することができる。
【0123】
一実施形態において、オーディオシステム300は、視覚的表示器422を含む。視覚的表示器422は、先述したように、開放モードでシステムが動作する時を示すのに使用することができる。視覚的表示器422は、図7に示したように、ハイマウントブレーキ灯でも良い。しかし、視覚的表示器422は、別の、ブレーキ灯または照明装置または発光ダイオード(LED)またはストロボスコープまたは駐車灯または方向指示灯または後退灯または他の適切な視覚的表示器で良い。一実施形態において、視覚的表示器422は、予備入力の動作を示していても良い。
【0124】
乗り物400には、乗り物400内の天井に付けることのできるビデオ表示装置424が含まれて良い。ビデオ表示装置424には、一組の変換器426も含まれて良い。変換器426は、中央チャネル音声信号を出力してビデオ表示装置424からのビデオイメージを整理するように構成することができる。ビデオ表示装置424は、乗り物の外部の聴取領域405内にいる観察者にビデオ映像が見えるような位置に置くことができる。ビデオ表示装置424は、テールゲート406が閉じた位置にある時に、乗り物の中の乗員が表示装置を見ることができるような位置に置き直すこともできる。ビデオ表示装置424には、液晶表示装置(LCD)や発光ダイオード(LED)やプラズマ表示装置やプロジェクション表示装置や陰極線管(CRT)表示装置のような適切なビデオ表示装置が含まれて良い。
【0125】
図8は、図6のオーディオシステムの一実施形態を含んだ乗り物450の側面図を示している。乗り物450には、テールゲート453を持ったピックアップベッド452が含まれる。1つ或いは2つ以上の変換器454は、ピックアップベッド452の中に置かれる。一実施形態において、変換器454は、ピックアップベッド452に機械的に結合される収納空間456内に搭載される。変換器454は、放射主軸が乗り物450の後部に向いているように方向が決められる。この実施形態において、変換器454は、第2システム構成が選択されてシステムが開放モードで動作している時に、乗り物450の後部の領域458へ、動作範囲の大部分に渡って最大エネルギーを放射する。
【0126】
乗り物450は、視覚的表示器460も含んでおり、これは例えばハイマウントブレーキ灯でも良い。視覚的表示器460は、第2システム構成が選択されて、そのシステムが通常モードで動作している時に表示される。オーディオシステム300は、乗り物450のテールライトアセンブリ464内に搭載される赤外センサー462を含むこともできる。
【0127】
図8に示される実施形態において、開放モードで動作するために、乗り物450の扉466またはテールゲート453を開くことは必要ない。オーディオシステムは、ユーザー入力に応じて第2システム構成に移ることができる、というのは、変換器454が、乗り物450の乗員区画468の外側の位置に置かれるからである。他の実施形態では、変換器470は、乗り物450の車体パネルに搭載することができる。この実施形態では、変換器470は、その放射主軸が乗り物450の後部に向かうように置かれる。乗員区画468の外側にある乗り物450上あるいはその周囲の他の位置は、変換器454,470を搭載するのに使用することもできる。
【0128】
図9は、図6のオーディオシステム300の一実施形態を含む。乗り物480は、乗り物480の後部484に向かって横に開く側部扉482を少なくとも1つ備えるミニバン型の乗り物である。側部扉482が開いた位置にある時、放射主軸が、乗り物480の外部にある聴取領域488に向けられるように、乗り物480には、乗員区画487内に置かれる少なくとも1つの変換器486が含まれる。
【0129】
変換器の各々の放射主軸が乗り物480の外部の聴取領域に導かれるように変換器を置くことで、他の実施形態を実現することができる。例えば、もし聴取領域490が、乗り物480の後部484の後ろに定められれば、変換器486の放射主軸は、聴取領域490に向けられない。しかし、乗り物480の後部扉494が開いている時に、放射主軸が乗り物480の外部にある聴取領域490に導かれるように、他の変換器492は乗り物480内に位置する。この実施形態は、聴取領域488へ続く側部扉482が開いた状態で示されるが、本システムは、窓やムーンルーフや他の乗り物480の乗員区画487内のあらゆる開口部と共に使用することもできる。
【0130】
赤外線センサー496が、乗り物480の側部扉482に搭載される。いくつかの実施形態では、聴取領域の特定の位置によって、乗り物480の周囲の様々な位置に多数の赤外線センサーを搭載することができる。
【0131】
オーディオシステム300(図6)は、少なくとも2つの異なる構成で構成することができる。第1構成では、オーディオシステム300は、通常のモードで動作する。このモードは、乗り物480の乗員区画487内でオーディオシステム300を聴くように構成される第1の組の信号処理動作が特徴である。オーディオシステム300は、通常の動作モードでは第1の複数の変換器を使用する。第1の複数の変換器は、乗員区画487の中の様々な位置に置くことができる。
【0132】
第2構成では、オーディオシステム300は、開放モードで動作する。このモードは、乗り物480の乗員区画487の外側もしくは外部にある聴取領域488,490内でオーディオシステム300を聴くように構成される第2の組の信号処理動作が特徴である。オーディオシステム300は、開放動作モードで第2の複数の変換器を使用する。第2の複数の変換器は、乗員区画487の内部および/または乗員区画487の外側の様々な位置に置くことができる。
【0133】
一実施形態において、第1及び第2の複数の変換器は、少なくとも1つの共通の変換器を含む。他の実施形態において、第1及び第2の複数の変換器は、独自の変換器を含む。オーディオシステム300は、第2の複数の変換器内の少なくとも1つの変換器が、乗り物480の乗員区画487の外部に向けられる放射主軸を備えるように構成することができる。
【0134】
多くの実施形態を説明したが、当業者ならば、本発明の思想から逸脱することなく、ここに開示した特定の装置及び技法から多くの変更を行うことができるのは明らかである。従って、本発明は、ここにある特徴の新規な特徴とその組み合わせの各々及び全てを含むと解釈されるか、あるいはここに開示した装置と技法によって決定され、また添付の特許請求の範囲の趣旨と範囲とによってのみ限定されると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1A】2重モードのオーディオシステムを備えた自動車の上面図である。
【図1B】他の2重モードのオーディオシステムを備えた自動車の上面図である。
【図2A】2重モードのオーディオシステムにおけるモード検出処理の動作を示すフローチャートである。
【図2B】3重モードのオーディオシステムにおけるモード検出処理の動作を示すフローチャートである。
【図3】2重モードのオーディオシステムにおける電池観察処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】テールゲートに搭載された後部の一組の制御装置と後部の変換器を持ったSUV車の図である。
【図5A】異なる4カ所に搭載された後部の変換器を持った自動車の側面図である。
【図5B】異なる4カ所に搭載された後部の変換器を持った自動車の側面図である。
【図5C】異なる4カ所に搭載された後部の変換器を持った自動車の側面図である。
【図5D】異なる4カ所に搭載された後部の変換器を持った自動車の側面図である。
【図6】本発明によるオーディオシステムのブロック図である。
【図7】図6のオーディオシステムの一実施形態を含んだ乗り物の斜視図である。
【図8】図6のオーディオシステムの一実施形態を含んだ乗り物の側面図である。
【図9】図6のオーディオシステムの一実施形態を含んだ乗り物の側面図である。
【符号の説明】
【0136】
10,10’…乗り物
11,11’…テールゲート
20,20’…オーディオシステム
21,21’…(前の)制御卓
22,22’…(後ろの)制御卓
23’…後部中央変換器
24a,24b,24c,24d,24a’,24b’,24c’,24d’…前部変換器
26a,26a’,26b,26b’…側部変換器
28a,28a’,28b,28b’…後部変換器
29,29’…ウーファー
30,30’…バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物用のオーディオシステムにおいて、
a)音声信号を生成する音源と、
b)音源に結合される制御器と、
c)制御器に結合される第1の複数の変換器と、
d)制御器に結合される第2の複数の変換器と
を備え、
前記制御器は、ユーザー入力に応じて、第1及び第2の信号処理動作の1つで音声信号を変更し、前記第1の信号処理動作は、乗り物内部で聴取するために音声信号を構成し、前記第2の信号処理動作は、乗り物外部で聴取するために音声信号を構成し、
前記第1の複数の変換器は、第1信号処理動作によって乗り物内部で聴取するように構成された音声信号によって駆動され、
前記第2の複数の変換器は、第2信号処理動作によって乗り物外部で聴取するように構成された音声信号によって駆動されることを特徴とするオーディオシステム。
【請求項2】
前記第2の複数の変換器の内の少なくとも1つの変換器は、乗り物の居住区画の外側にある位置に置かれることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの変換器は、乗り物の車体パネルに搭載されることを特徴とする請求項2記載のオーディオシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの変換器は、乗り物に機械的に結合される収容空間に搭載されることを特徴とする請求項2記載のオーディオシステム。
【請求項5】
前記第1及び第2の複数の変換器は、少なくとも1つの共通の変換器を備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項6】
前記第1信号処理動作は、前記第2信号処理動作とは異なる等化パラメータを備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項7】
音声信号が第2の複数の変換器によって駆動されていることを示す視覚的表示器を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項8】
前記視覚的表示器は、ブレーキ灯と照明装置と発光ダイオード(LED)とストロボスコープと駐車灯と方向指示灯と後退灯を含む集まりから選ばれることを特徴とする請求項7記載のオーディオシステム。
【請求項9】
前記制御器は、増幅器を備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項10】
前記制御器は、音源と統合されることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項11】
前記第1及び第2の信号処理動作の少なくとも1つは、実質的に音声信号を減衰させることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項12】
前記音源は、予備装置を音源に結合するための予備入力端子を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項13】
前記予備装置は、ラジオ、テレビ、XMチューナ、SATチューナ、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、カセットプレーヤー、MP3プレーヤー、MDプレーヤー、ハードドライブ、PDA、ビデオプレーヤー、携帯用音響プレーヤー、マイク、楽器を含む集まりから選ばれることを特徴とする請求項12記載のオーディオシステム。
【請求項14】
予備装置が音源に結合される事を示す前記視覚的表示器を、さらに備えることを特徴とする請求項12記載のオーディオシステム。
【請求項15】
前記ユーザー入力は、乗り物の、扉と窓とテールゲートとハッチとムーンルーフとサンルーフとトランクと収納空間の少なくとも1つを開くことを含む集まりから選ばれることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項16】
前記ユーザー入力は、スイッチの操作を含むことを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項17】
前記スイッチは、手動スイッチと、自動スイッチと、センサーと、遠隔制御スイッチと、音源と統合されたスイッチと、制御器と統合されたスイッチの内の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項16記載のオーディオシステム。
【請求項18】
音声信号の利得と等化の少なくとも1つを制御する増幅器を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項19】
前記制御器は、GPIOバスとRS232バスとSCSIバスとシリアルバスとパラレルバスとファイバーチャネルバスと光バスとCANバスとMOSTバスの内の少なくとも1つを通して音源に結合されることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項20】
前記音源は、AMチューナーとFMチューナーとTVチューナーとXMチューナーとSATチューナーとCDプレーヤーとDVDプレーヤーとカセットプレーヤーとMP3プレーヤーとMDプレーヤーとビデオプレーヤーとハードドライブの内の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項21】
音源に結合されるビデオ表示装置を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項22】
前記ビデオ表示装置は、ビデオ映像を乗り物外部に導くように構成されることを特徴とする請求項21記載のオーディオシステム。
【請求項23】
前記ビデオ表示装置は、液晶表示装置(LCD)と発光ダイオード表示装置(LED)とプラズマ表示装置とプロジェクション表示装置と陰極線管(CRT)表示装置を含む集まりから選ばれることを特徴とする請求項21記載のオーディオシステム。
【請求項24】
前記音声信号は、ステレオ音声信号とマトリックスサラウンドサウンド音声信号と5.1サラウンドサウンド音声信号と6.1サラウンドサウンド音声信号と7.1サラウンドサウンド音声信号と2チャネルダウンミックス音声信号の内の1つを備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項25】
前記第1及び第2の複数の変換器の内の少なくとも1つは、一組の変換器を備え、前記音源は、前記組の変換器に完全なサラウンド情報を提供することを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項26】
前記サラウンド情報は、前記組の変換器に提供される前に混合されることを特徴とする請求項25記載のオーディオシステム。
【請求項27】
遠隔制御受信器を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項28】
前記遠隔制御受信器に結合される遠隔制御センサーは、乗り物のテールライトアセンブリ内に置かれることを特徴とする請求項27記載のオーディオシステム。
【請求項29】
前記遠隔制御受信器は、赤外線(IR)受信器と無線周波数(RF)受信器の内の1つを備えることを特徴とする請求項27記載のオーディオシステム。
【請求項30】
前記遠隔制御受信器は、乗り物が動いている時は使用禁止にされることを特徴とする請求項27記載のオーディオシステム。
【請求項31】
乗り物内のタコメーターに結合されるセンサーを、さらに備え、前記センサーは、乗り物のエンジンの状態を検出することを特徴とする請求項30記載のオーディオシステム。
【請求項32】
乗り物内のサイドブレーキに結合されるセンサーを、さらに備え、前記センサーは、乗り物内のサイドブレーキの状態を検出することを特徴とする請求項30記載のオーディオシステム。
【請求項33】
前記音源は、乗り物の通信バスから乗り物の状態を決定することを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項34】
前記遠隔制御受信器と通信する遠隔制御送信器を、さらに備えることを特徴とする請求項27記載のオーディオシステム。
【請求項35】
前記遠隔制御送信器は、独自の送信信号を備えることを特徴とする請求項34記載のオーディオシステム。
【請求項36】
前記遠隔制御送信器は、扉の施錠と乗り物の点火と窓と電動扉と電動シートと電動ムーンルーフとトランクの蓋と通信システムと室内灯と乗り物の警報の内の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項34記載のオーディオシステム。
【請求項37】
前記遠隔制御送信器は、音源の、システム構成と入力源の選択と音量と等化機能と選局機能と帯域選択とトラック選択とシーク機能とスキャン機能と早送り機能と巻き戻し機能と前方向への曲飛ばし機能と後方向への曲飛ばし機能とフェーダー機能と左右バランス機能の内の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項34記載のオーディオシステム。
【請求項38】
前記遠隔制御送信器は、車庫扉の開閉器と電動ゲートと照明と電器製品と家庭の安全システムの内の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項34記載のオーディオシステム。
【請求項39】
乗り物内の状態を観察するバッテリモニターを、さらに備えることを特徴とする請求項1記載のオーディオシステム。
【請求項40】
乗り物内のオーディオシステムを動作させるための方法において、
a)音声信号を生成する過程と、
b)音声信号を、第1および第2の信号処理動作の内の1つで変更する過程と、
c)乗り物内部で聴取するように構成される音声信号を、第1の複数の変換器で変換する過程と、
d)乗り物外部で聴取するように構成される音声信号を、第2の複数の変換器で変換する過程と
を備え、
前記第1の信号処理動作は、乗り物の内部で聴取するための音声信号を構成し、前記第2の信号処理動作は、乗り物の外部で聴取するための音声信号を構成することを特徴とする方法。
【請求項41】
前記第1及び第2の複数の変換器は、少なくとも1つの共通の変換器を備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
音声信号が第2の複数の変換器に送信される時に、視覚的に表示をする過程を、さらに備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記第1及び第2の信号処理動作の少なくとも1つに応じて、音声信号の中の少なくとも1つの等化パラメータを変更する過程を、さらに備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項44】
前記オーディオシステムを遠隔制御する過程を、さらに備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項45】
予備装置を前記オーディオシステムに結合する過程を、さらに備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項46】
前記予備装置が前記音源に結合される時に、視覚的に表示をする過程を、さらに備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項47】
完全なサラウンド情報を、前記第1及び第2の複数の変換器の内の少なくとも1つの一組の変換器に提供する過程を、さらに備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項48】
前記サラウンド情報を前記変換器の組へ提供する前に、前記サラウンド情報を混合する過程を、さらに備えることを特徴とする請求項47記載の方法。
【請求項49】
ユーザー入力は、乗り物の、扉と窓とテールゲートとハッチとムーンルーフとサンルーフとトランクと収納空間の内の少なくとも1つを備える集まりから選ばれることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項50】
ユーザー入力は、スイッチを開く過程を備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項51】
乗り物内の、扉の施錠と乗り物の点火と空調とヒーターと霜取り装置とトランクの蓋と通信システムと窓と電動ドアと電動シートと電動ムーンルーフと室内灯と警告装置の内の少なくとも1つを遠隔制御する過程を、さらに備える事を特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項52】
オーディオシステムの、システム構成と入力源の選択と音量と等化機能と選局機能と帯域選択とトラック選択とシーク機能とスキャン機能と早送り機能と巻き戻し機能と前方向への曲飛ばし機能と後方向への曲飛ばし機能とフェーダー機能と左右バランス機能の内の少なくとも1つを遠隔制御する過程を、さらに備える事を特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項53】
乗り物用のオーディオシステムにおいて、
a)乗り物と統合される、音声信号を生成する音源と、
b)前記音源の機能を制御する、前記音源に結合される遠隔制御受信器と、
c)遠隔制御送信器からの信号を受信し、前記遠隔制御受信器に音源の機能を制御させる遠隔制御センサーと
を備え、
前記遠隔制御センサーは、乗り物の乗員区画の外側の位置に置かれることを特徴とするオーディオシステム。
【請求項54】
前記遠隔制御センサーは、外部照明アセンブリ内に搭載されることを特徴とする請求項53記載のオーディオシステム。
【請求項55】
前記外部照明アセンブリは、左のテールライトアセンブリと右のテールライトアセンブリと左の方向指示灯アセンブリと右の方向指示灯アセンブリと駐車灯アセンブリと後退灯アセンブリとナンバープレート照明アセンブリとハイマウントブレーキ灯アセンブリと室内灯アセンブリと走行灯アセンブリとヘッドライトアセンブリとフォグライトアセンブリを備える集まりから選ばれることを特徴とする請求項54記載のオーディオシステム。
【請求項56】
前記外部照明アセンブリは、遠隔制御送信器からの信号を集める曲面反射器を備えることを特徴とする請求項54記載のオーディオシステム。
【請求項57】
前記遠隔制御センサーは、赤外線(IR)センサーと無線周波数(RF)センサーの内の1つであることを特徴とする請求項53記載のオーディオシステム。
【請求項58】
前記遠隔制御センサーは、乗り物の車体パネルに搭載されることを特徴とする請求項53記載のオーディオシステム。
【請求項59】
前記機能には、音源の、システム構成の選択と入力源の選択と音量と等化機能と選局機能と帯域選択とトラック選択とシーク機能とスキャン機能と早送り機能と巻き戻し機能と前方向への曲飛ばし機能と後方向への曲飛ばし機能とフェーダー機能と左右バランス機能の内の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項53記載のオーディオシステム。
【請求項60】
前記遠隔制御送信器は、乗り物内の、扉の施錠と乗り物の点火とヒーターと空調と霜取り装置と窓と電動扉と電動シートと電動ムーンルーフとコンバーチブルの屋根と室内灯と乗り物のテレマティックスと通信システムとトランクの蓋とサスペンション負荷平準化システムと警報の内の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項53記載のオーディオシステム。
【請求項61】
前記遠隔制御受信器は、乗り物が動いている時には使用禁止にされることを特徴とする請求項53記載のオーディオシステム。
【請求項62】
乗り物内の電気部品を制御するための装置において、
a)乗り物内の電器部品に結合される遠隔制御受信器と、
b)前記遠隔制御受信器に結合される遠隔制御センサーと、
c)制御信号を前記遠隔制御センサーに送る遠隔制御送信器と
を備え、
前記遠隔制御センサーは、照明アセンブリ内に搭載され、該照明アセンブリの少なくとも一部は、乗り物の外側に置かれ、
前記遠隔制御受信器は、前記遠隔制御センサーからの制御信号を受信するのに応じて、前記電気部品を制御することを特徴とする装置。
【請求項63】
前記遠隔制御センサーは、赤外線(IR)センサーと無線周波数(RF)センサーの内の1つを備えることを特徴とする請求項62記載の装置。
【請求項64】
前記照明アセンブリは、左のテールライトアセンブリと右のテールライトアセンブリと左の方向指示灯アセンブリと右の方向指示灯アセンブリと駐車灯アセンブリと後退灯アセンブリとナンバープレート照明アセンブリとハイマウントブレーキ灯アセンブリと室内灯アセンブリと走行灯アセンブリとヘッドライトアセンブリとフォグライトアセンブリを備える集まりから選ばれることを特徴とする請求項62記載の装置。
【請求項65】
前記電気部品は、オーディオシステムと扉の施錠と乗り物の点火とヒーターと空調と霜取り装置と窓と電動扉と電動シートと電動ムーンルーフとコンバーチブルの屋根と室内灯と乗り物のテレマティックスと通信システムとトランクの蓋とサスペンション負荷平準化システムと乗り物の警報を備える集まりから選ばれることを特徴とする請求項62記載の装置。
【請求項66】
前記遠隔制御送信器は、乗り物内のオーディオシステムの少なくとも1つの機能を制御することを特徴とする請求項62記載の装置。
【請求項67】
前記機能には、オーディオシステムの、システム構成の選択と入力源の選択と音量と等化機能と選局機能と帯域選択とトラック選択とシーク機能とスキャン機能と早送り機能と巻き戻し機能と前方向への曲飛ばし機能と後方向への曲飛ばし機能とフェーダー機能と左右バランス機能の内の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項66記載の装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−109479(P2006−109479A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−288549(P2005−288549)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(591009509)ボーズ・コーポレーション (121)
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
【Fターム(参考)】