説明

自動車の圧縮空気供給システムの制御のための方法

本発明は自動車(10)の圧縮空気供給システムの制御の方法に関する、その際、前記システムは前記自動車(10)の駆動のための駆動エンジンを含み、それは動力結合(2)を通じて空気圧縮機(3)を駆動するか、または空気圧縮機を駆動するためにその様な前記動力結合(2)に切り替えが可能である。
本発明による方法は以降の段階を踏む:供給状態において、空気圧縮機は圧縮空気を圧縮空気システム(5)に供給するために駆動エンジンに駆動され、その空気排出側(3.1)が自動車(10)の前記圧縮空気システムと結合している。非供給状態において、空気圧縮機は駆動されず、また圧縮空気システムと結合もしていない、またはそのいずれかの状態である。その際、供給状態または非供給状態の設定は、少なくとも一つの切替圧力値の、圧縮空気システム(5)内の圧力(25)との比較に依存して実施され、そして自動車(10)が移動する走行区間(11)のトポロジーが捕捉される、その際、前記トポロジーは、自動車(10)が既定の直近に迫る期間内および既定の走行目標区間内またはそのいずれかの内に走行する必要がある区間プロフィール(12)を含む。捕捉されたトポロジーに依存して少なくとも一つの切替圧力値(20、30)が決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気供給システムの制御のための方法に関する、その際、前記システムは自動車の駆動エンジンすなわち自動車の移動に使われる駆動エンジン、さらに車両の圧縮空気システムに供給する空気圧縮機、および特に前記駆動エンジンと前記空気圧縮機と動力結合に結合されている流体式クラッチを含む。流体式クラッチはそこで空気圧縮機を空気圧縮システム内の圧力状態に依存して入り切りするために充填および空にすることが可能である。空気圧縮機は特に往復動空気圧縮機として造られている。
【0002】
本発明が該当する圧縮空気供給システムは、中間に接続された流体式クラッチによって、一方では、空気圧縮機のエネルギー的に有利な切り離しが可能であるという長所を有す。車両圧縮空気システムの供給がその中の十分な圧力レベルの理由で必要ない場合、流体式クラッチを空にすることだけによって切り離しが可能である。他方では駆動エンジンと空気圧縮機の間の流体式クラッチの中間接続によって効率的な振動減衰の達成が可能であり、往復動空気圧縮機を使用することによる負トルク、すなわち圧縮機から発生し、往復動空気圧縮機の上死点の範囲で起こることがあって、往復動空気圧縮機から駆動エンジンおよびそれに接続された変速機に帰還するトルクを信頼性高く防止する。
【背景技術】
【0003】
その様な圧縮空気供給システムには、圧縮空気供給システムの様々な部品が、エネルギー的に有利で部品に負担をかけない稼動が保証しながら適切に活動しなければならない様々な境界条件による様々な状態がある。様々な境界条件の例として車両の静止状態に対して走行、登山または下山など車両が走行したばかりの区間プロフィール、車両の圧縮空気供給システム内の様々な圧力状況、例えば最大許容圧力の上回る値、最低許容圧力を下回る値、車両制動システム内のばねアクチュエーターが解除され、それ未満では車両が走行できないいわゆる解除圧などが挙げられる、前記解除圧はブレーキの実施形態によってフェールセーフ(fail-safe)として知られる。これは圧縮空気装置が故障した際にブレーキパッドが例えば、ばねによって加圧され、ブレーキがかかる。特定の空気圧からブレーキパッドがアクティブに解除され、前記圧力未満では車両は走行できなくなる。
【0004】
空気圧縮機が駆動エンジンで駆動される自動車の圧縮空気供給システムの制御のためのすべての周知の方法では、自動車の様々な走行状態に対して固定既定最低圧力値および圧縮空気システム内の圧力に対して固定既定最大値を設定することが一般である。その際、圧縮空気システム内の圧力は常に両方の値の間を移動しなければならない。すなわち圧縮空気システム内の圧力が最低値に一致する場合、空気圧縮機が起動し圧縮空気システムが供給を受ける、圧縮空気システム内の圧力が前記先行の供給によって既定最大圧に達した場合、供給は終わる。両方の境界値が固定して与えられていることで、車両が急坂を登ると、駆動エンジンの最大出力にも係わらず、極端に遅い車両速度に至り、同時に圧縮空気システム内の圧力は接続された空気消費機の理由で既定最低値を下回り、空気圧縮機が起動する。同様に空気圧縮機が車両の駆動エンジンによって駆動されることによって、そのために必要な空気圧縮機の動力供給量は車両の駆動機には残っておらず車両はさらに速度を落とす。
【0005】
他方で、これまで空気圧縮機の入り切りのための固定既定境界値の理由で空気圧縮機の動力供給量はエネルギー的に目標を持って消費されていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は導入部に記述した車両のエネルギー的に有利な圧縮空気供給システムの制御のための方法を提示する課題を基礎とする。
【0007】
発明の課題は、請求項1の属性による方法で解決する。副請求項には有利性のある特別に目的にかなった発明による方法の実施形態が記述されている。
【0008】
ここに提示する発明に関連する圧縮空気供給システムの概念は、要求に応じて圧縮空気を車両圧縮空気システムにポンピングする、自動車に配備されたシステムを意味する。前記ポンピングは、空気圧縮機、例えば往復動空気圧縮機として形成され、自動車の駆動エンジンによって駆動されるポンプによって実施される。
【0009】
例えば、2つの相違する切替レイアウトが可能である。第一の切替レイアウトにおいては、空気圧縮機は常時、自動車の駆動エンジンによって駆動されていて、空気圧縮機の空気排出側には、要求に応じて車両の圧縮空気システムに接続されている、それによって圧縮空気システム内に圧力低下が検出された場合には、供給が必要であると評価ができる。空気圧縮機が圧縮空気システムに供給する状態は本発明の範囲においては供給状態と呼ぶ。圧縮空気システム内の捕捉圧力状態において供給を停止すべきと判断された場合、非供給状態に切替される、すなわち圧縮空気システムへの以降の圧縮空気の供給が空気圧縮機によって結紮される。第一の切替レイアウトにおいては、前記結紮は圧縮空気システムの空気放出側と圧縮空気システムとの結合が遮断され、空気圧縮機は例えば周囲に供給する。
【0010】
現発明の範囲で使用できる第二の切替レイアウトにおいて、圧縮空気システムへの供給が必要である場合のみ空気圧縮機は駆動される。前記切替レイアウトにおいて空気排出側は常時、車両の圧縮空気システムと結合されていることが可能ではあるが、その必要はない。都合の良いことに空気圧縮機の入り切りは、駆動エンジンと空気圧縮機との間の動力結合に配置された流体式クラッチによって実施される。流体式クラッチが充填される際には、回転トルクは例えば回転動力は駆動エンジンから空気圧縮機に伝動される。他方で、完全に空にされた、または作動媒体の残渣に至るまで空にされたくかっちにおいては駆動動力は空気圧縮機に伝動されない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明による供給状態または非供給状態の設定は、当然、双方の状態は相反するが、少なくとも一つの切替圧力値に依存して実施される。特に二つの切替圧力値が与えられ、下切替圧力値とも呼ばれる供給状態への切替が起こる第一の切替圧力値、上切替圧力値とも呼ばれる供給状態への切替が起こる第二の切替圧力値がある。圧縮空気システムの圧力は、少なくとも一つの切替圧力値または好ましくはすべての切替圧力値と比較され、前記比較値に依存して供給状態への設定または非供給状態への設定が実施される。例えば二つの切替圧力値が与えられていて圧縮空気システム内の圧力が第一の下切替圧力値に達するか、または下回る場合、供給状態に切替される、そして圧縮空気システム内の圧力が第二の上切替圧力値に達するか、または上回る場合、非稼動状態に切替される。
【0012】
発明によれば、走行区間のトポロジーすなわち車両が走行した、または走行する道路の高さプロフィールが捕捉される。前記トポロジー捕捉は読み取りができる記憶媒体内に入ったトポロジーで提供されるか、または例えば、専門家の間では周知であり運転者を目標地に案内するナビゲーションシステムを使用することによって実施する。
【0013】
自動車が走行する走行区間の前記捕捉トポロジーは、自動車が既定の直近に迫る期間内および既定の走行目標区間内またはそのいずれかの内に走行する必要がある区間プロフィールを含む。すなわち自動車が、捕捉されたトポロジー上をさらに走行した際のその瞬間の実際のポジションが求められる。例えば車両が現在、連続傾斜の半分の道程上にある場合、前記トポロジーに含まれる区間プロフィール、例えば前期傾斜の残りの半分を含む。発明による切替圧力値、およびそれに依存して供給状態または非供給状態に設定される切替圧力値は、捕捉トポロジーに依存して、特に前期トポロジーに含まれ、自動車が現在のポジションに続き走行するトポロジープロフィールに依存して決定される。
【0014】
以降に本発明を、一つの実施形態の範囲で図および図上の注釈を用いて説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1には、作動媒体、特にエンジン循環油で流体式クラッチ4を充填することによって空気圧縮機3と動力結合2に切替できる自動車の駆動エンジン1が認識できる。空気圧縮機3は、駆動エンジン1に駆動されると、すなわち本発明による方法が供給状態に切り替わると、その空気排出側3.1を通じて自動車の圧縮空気システム5に供給をする。
【0016】
空気排出側3.1上の圧縮空気導管、すなわち空気圧縮機3を圧縮空気システム5と空気導通させている導管に切替可能および制御可能またはいずれかが可能な絞り6が設けられている。前記しぼりは、自動車の制動中に可能な限り多くの駆動動力を駆動エンジン1から空気圧縮機3に伝動したい場合、発明による方法の優れた実施形態に基づけば、供給空気流を絞ることによって、空気圧縮機3が供給している背圧を意図的に高めるためにある。別選択肢として、絞り6の替わりに遮断弁(表示なし)を設けることもできる。空気圧縮機3から圧縮空気システム5への空気流を遮断し、空気圧縮機3が供給する背圧の絶え間ない上昇を招き、それが空気圧縮機3の最大許容圧力に達する。その際、例えば過圧弁(表示なし)が開き、そしてそれに応じて圧縮空気が抜かれる。空気圧縮機3の出力側が完全に遮断されると、当然に空気圧縮機3の流出側の収容能力に依存して、急激な圧力上昇が起こる。これは圧縮容器の充填の際の現象と比較し得る。このように絞り弁による空気流量にも係わらず、空気圧縮機3の背圧の上昇は空気圧縮システム5内の圧力に対して達成されるため供給空気流の絞りは完全な遮断に勝る。
【0017】
空気圧縮機3が供給する背圧の前記の意図的な圧力上昇は、自動車が山道を上るおよび坂道を下りる際に設定される。空気圧縮機3の動力入力が上昇するため、相応の駆動動力を駆動エンジンから消費し、駆動エンジンの制動を導き、停止ブレーキを軽減させる。自動車が下る際には駆動エンジンは、押し駆動の状態にあり、より高いトルクに対する空気圧縮機の付加的な動力入力によって駆動エンジンが押され、その回転数が抑制される。
【0018】
図2に、まさに傾斜を登ろうとする車両10を示す。全表示区間の高さプロフィールは、捕捉されたトポロジー11に含まれる。ここからわかる様に区間プロフィール12は自動車10が現在の位置を基にしてさらに走行した場合に進むであろうトポロジー11に個別に含まれる。前記区間プロフィール12を用いて、継続的な制動が、限定した間近の時間周期、または限定した間近の走行すべき区間には見込まれないというひとつの評価がされる。図示された区間プロフィール12の終了に達すると、自動車10が降下走行する傾斜区間にさしかかり、継続制動が期待される、圧縮空気システム5内に前記制動に必要な圧縮空気が十分に存在する様に調整される。
【0019】
図3は、概要グラフを示す。横軸には自動車の走行の区間経過を、縦軸には圧縮空気システム5内の圧力25、動的および変化させて設定した切替圧力値20、30、様々な圧力限界値22から24および32から33、ならびに切替圧力値20、30のための境界値範囲21、31を示す。ここで横軸は、経過区間の略語として「s」と、縦軸は圧力の略語として「p」と示す。さらに横軸の下の文字「N」は通常走行、すなわち継続した登り、または下り走行区間、「U」は登り走行「Up」、すなわち既定の最低長さを連続的に登ること、「D」は下り走行「Down」、すなわち既定の最低長さを連続的に下ることを示す。
【0020】
横軸の左からスタートして車両は先ず、通常の、すなわち継続的な登りまたは下りがない区間を移動する。例えば、その様な継続的な登りおよび下りは、通常走行(「U」または「D」)以外の区間プロフィールとしてクラス分けされ、登り値に対する限界値および登り値を超過してはならない区間の長さに対する限界値を参照することによってそれと断定することができる。ここで例えば登り値は登りに対しても下りに対しても45度の登坂角を100%とする正のパーセンテージで示す。この様に相応の境界値によって、それぞれの区間プロフィールは通常区間の「N」、下山と下りの「D」そして登山と登りの「U」にクラス分けされる。
【0021】
図3に表示したグラムでは、車両は正に通常区間を移動しようとしている、そのため第一の切替圧力値20は圧縮空気システム5内の通常の最低圧に設定されている。前記通常の最低圧は下限値22と上限値23を有す既定の第一の圧力範囲21にある、より詳しくは下限値22と上限値23の算術平均値24上にある。圧縮空気システム5内の圧力25が一つまたは複数の空気消費機への供給のため下がり、第一の切替圧力値20に達すると供給状態に切り替わり、そのため空気圧縮機3は圧縮空気を圧縮空気システム5へポンピングする。それに相応して、図3における左側の領域内の曲線でわかる様に、最初に切替圧20に達した点の後方で圧縮空気システム5内の圧力25が上昇する。
【0022】
丁度走行した通常区間に対して圧縮空気システム5内の圧力25の上限値に一致する第二の切替圧力値30が与えられる。前期上限値は既定の第二の圧力範囲31内に決めることができる。前記第二の圧力範囲31は、もちろん本質的に第一の圧力範囲21に対して既定の間隔を持つ。当面、圧力32は圧縮空気システム5の通常の上限圧力を示すとする。後述する特別な走行状態において特定の時間帯に超過圧33、すなわち圧縮空気システム5内の第二の圧力範囲31の上限値33は許容される。
【0023】
空気圧縮システム5の圧力25が第二の切替圧力値30に達すると供給状態から非供給状態に切り替わり、消費機の空気消費の理由で圧縮空気システム5内の圧力25は切り替えへの接点において、第一の切替圧力値20に達するまで再び下がる、それによって供給状態へ切り替わる、等々。
【0024】
車両が斜面を上に移動すると、実施された区間プロフィール12の自動評価のため、少なくとも車両が区間プロフィール12上を移動する限り、圧縮空気システム5内に相応の圧縮空気の溜めを必要とする連続制動が見込まれないことが確実になると、圧縮空気システム5内の圧力25は、下がった最低圧に降下することが許容される。それによって空気圧縮機3の切り替えを遅らせ、いずれにせよ自動車10が山を登って移動することによって強い負荷を受けている駆動エンジン1に、空気圧縮機3を駆動することによってさらに負荷がかること(これは車両10の速度低下を起こす)を少なくとも特定の期間だけ防ぐことができる。相応して、図3の範囲「U」内の曲線からわかるように第一の切替圧力値20は、既定の第一の圧力範囲21の下限値22に設定される。
【0025】
圧縮空気システム5内の圧力25が、現在比較的低く設定されている切替圧力値20に達すると、初めて空気圧縮機3が起動し、圧縮空気システム5内の圧力25が再び上昇する。車両はさらに登り坂を走行するため、連続制動が見込まれないことが区間プロフィール12の評価で確実になると、第二の切替圧力値30を第一の圧力範囲21の上限値23に設定することによって、空気圧縮機3の駆動による車両10の駆動エンジン1の負荷を可能な限り軽減させる。図3からわかる様に、空気圧縮機3は比較的短い期間だけ駆動され、圧縮空気システム5内の圧力25が第二の切替圧力値30に達した後、空気圧縮機3は切断される、すなわち非供給状態に切り替わり、圧縮空気システム5内の圧力25は再び第一の切替圧力値20に向かって除々に降下する。
【0026】
下り区間への接点において車両10は再び通常区間上を移動し、第一の切替圧力値20は再び値24に、および第二の切替圧力値30は再び値32にそれぞれ設定される。
【0027】
最後に車両10は傾斜区間を下り(セクションD)、両方の切替圧力値20および30は、空気圧縮機3の動力集中の駆動による摩擦のない強化された制動効果が駆動エンジン1に働く様に設定する。図3からわかる様に、車両が傾斜を下って移動すると(セクション「D」を参照)、第一の切替圧力値20は第二の既定圧力範囲31の上限値32に設定され、一方、第二の切替圧力値30は第二の既定圧力範囲31の上限値33に設定される。それによって、空気圧縮機3が比較的頻繁に駆動され、圧縮空気システム5の圧力経過25のセクション上で、第一の切替圧力20から第二の切替圧力30にかけて、同時にあ圧縮空気システム5内の残留圧力25の理由もあって、空気圧縮機3は比較的高い背圧に対して作動し、空気圧縮機の動力吸収を高める。
【0028】
既に示した様に、空気圧縮機3の直後、すなわち空気圧縮機3の空気排出側3.1上の背圧は、空気導管内への絞り6を絞ることによっても高めることができる。絞り効果によって、空気圧縮機3の作動目標である背圧はもう一度、圧縮空気システム5内の図3に示す圧力25に対して規定の差分圧だけ高められる。
【0029】
本発明の特別な実施形態においては、走行特性データは区間プロフィール12の評価のために分析される。ここで前記走行特性データとは、同一区間上またはトポグラフィーに関して類似した区間上を自動車10が過去に走行して捕捉および記録されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】発明に基づいて制御された圧縮空気供給システムの概要図である。
【図2】ある走行区間上の自動車の移動とそのために捕捉されたトポロジーを示す原理図である。
【図3】捕捉トポロジーおよび区間プロフィールに依存して、二つの切替圧力値を求める実施例である。
【符号の説明】
【0031】
1 駆動エンジン
2 動力結合
3 空気圧縮機
3.1 空気排出側
4 流体式クラッチ
5 圧縮空気システム
6 絞り弁
10 自動車
11 走行区間
12 区間プロフィール
20、30 切替圧力値
22、32 下限値
23、33 上限値
24 算術平均値
25 圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(10)の圧縮空気供給システムの制御の方法であって、その際、前記システムは前記自動車(10)の駆動のための駆動エンジン(1)を含み、それは動力結合(2)を通じて空気圧縮機(3)を駆動するか、または空気圧縮機を駆動するためにその様な前記動力結合(2)に切替が可能であり、以降の段階を踏む前記方法:
1.1 供給状態において、空気圧縮機(3)は圧縮空気を圧縮空気システム(5)に供給するために駆動エンジン(1)によって駆動され、その空気排出側(3.1)が自動車(10)の前記圧縮空気システム(5)と結合している。
1.2 非供給状態において、空気圧縮機(3)は駆動されず、また圧縮空気システム(5)と結合もしていない、またはそのいずれかと結合していない状態であり、その際
1.3 供給状態または非供給状態の設定は、少なくとも一つの切替圧力値(20、30)の、圧縮空気システム(5)内の圧力(25)との比較に依存して実施され、そして
1.4 自動車(10)が移動する走行区間(11)のトポロジーが捕捉される、その際、前記トポロジーは、自動車(10)が既定の直前に迫る期間内および既定の走行目標区間内またはそのいずれかの内に走行する必要がある区間プロフィール(12)を含む。
1.5 捕捉されたトポロジーに依存して少なくとも一つの切替圧力値(20、30)が決定する。
【請求項2】
2.1 前記圧縮空気システム(5)内の最低圧に対する第一の圧力範囲(21)が決められ、その際、第一の既定圧力範囲(21)が下限値(22)および上限値(23)を有し、そして
2.2 自動車(10)が傾斜を登って移動し、そして区間プロフィール(12)の自動評価値が、継続的に期待する制動を排除する場合、切替圧力値(20)が下限値(22)に設定され、そして
2.3 自動車(10)が傾斜を登って移動せず、そして区間プロフィール(12)の自動評価値が、継続的に期待する制動を排除しない場合、またはそのいずれかの場合、切替圧力値(20)が下限値(22)を超える値、特に下限値(22)と上限値(23)の算術平均値(24)に設定され、その際
2.4 圧縮空気システム(5)内の圧力(25)が切替圧力値(20)を下回る場合、供給状態に切り替る、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
圧縮空気システム(5)内の圧力(25)と比較される第二の切替圧力値(30)が決定されること、そしてその際、圧縮空気システム(5)の前記圧力(25)が第二の切替圧力値(30)に上昇していると非供給状態に切り替り、そして
3.1 自動車(10)が傾斜を登って移動し、そして区間プロフィール(12)の自動評価値が、継続的に期待する制動を排除する場合、第二切替圧力値(30)が上限値(23)に設定され、そして
3.2 自動車(10)が傾斜を登って移動せず、そして区間プロフィール(12)の自動評価値が、継続的に期待する制動を排除しない場合、またはそのいずれかの場合、第二切替圧力値(30)が圧縮空気システム(5)内の最大圧力に対する下限値(32)と上限値(33)を有す規定圧力範囲(31)に設定されるか、または規定最大圧力値に設定される、ことを特徴とする請求項2に記載の方法、
【請求項4】
4.1 圧縮空気システム(5)内の最低圧に対して下限値(32)と上限値(33)が既定され、その際、上限値(33)は圧縮空気システム(5)内の既定最大許容圧に一致し、そして特に下限値が請求項2に挙げた上限値(23)を上回り、そして
4.2 自動車(10)が傾斜を登って移動する場合、切替圧力値(20)が下限値(32)に設定され、そして
4.3 圧縮空気システム(5)内の圧力(25)が切替圧力値(20)に下がる場合、前記システムが供給状態に切替され、そして
4.4 第二切替圧力値(30)が上限値(33)に設定され、そして
4.5 圧縮空気システム(5)の圧力(25)が切替圧力値(30)に上昇する場合、非供給状態に切替される、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
自動車(10)が傾斜を下って移動する場合、常に供給状態に設定され、圧縮空気システム(5)内の圧力が既定の最大許容圧を超える場合、圧縮空気システム(5)からの圧縮空気が放出されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
自動車(10)が傾斜を下って移動する場合、空気圧縮機(3)から供給される空気流が絞られ、空気圧縮機(3)に供給される背圧が高められる様に、空気放出側(3.1)上の空気導管内に絞り弁(6)が切り替わることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
自動車(10)が傾斜を下って移動する場合、空気圧縮機(3)の空気放出側(3.1)が遮断弁で遮断されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
駆動エンジン(1)と空気圧縮機(3)の間に動力結合に、切り替え可能な流体式クラッチ(4)が配備されてあって、供給状態に切替するために前記流体式クラッチ(4)の作動室が作動媒体で充填される、または非供給状態に切替するために、充填された作動媒体の残渣に至るまで空にされることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
区間プロフィール(12)の実施された自動評価に際し、自動車(10)が同じまたは形態的に相似した区間上をそれ以前の走行中に捕捉および保存された走行特殊データが評価されることを特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−522885(P2008−522885A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544746(P2007−544746)
【出願日】平成17年10月8日(2005.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010861
【国際公開番号】WO2006/061056
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(594118017)フォイト・ターボ・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (35)
【氏名又は名称原語表記】Voith Turbo GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】