説明

自動車の車載部品取付構造

【課題】インストルメントパネル支持メンバに車載部品が取付ブラケットを介して取り付けられる自動車の車載部品取付構造において、車両の製造時及び点検修理時に車載部品の取付部に対して作業者の目や手が届きやすくすることにより、生産性の向上とサービス性の向上とを両立させる。
【解決手段】空調ユニット10(車載部品)を、取付ブラケット12に対し車両前方(第1の方向)から取り付ける。この取付ブラケット12をインストルメントパネル支持メンバ11に対して第1の方向とは異なる車両下方(第2の方向)から取り付ける。このことで、空調ユニット10をインストルメントパネル支持メンバ11に対し、下方から取り付けると共に、後方から取り外し可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調ユニットや駐車支援コントローラなどの自動車の車載部品をインストルメントパネル支持メンバに取り付ける構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車の車載部品としての空調ユニットをインストルメントパネル支持メンバに取り付けることが行われている。通常、車体にインストルメントパネルを組み付けるときには、空調ユニットのような車載部品をインストルメントパネル支持メンバに取り付けて、インストルメントパネルモジュールとしてサブ組立した後、このインストルメントパネル支持メンバをダッシュパネルに取り付ける。
【0003】
例えば、特許文献1では、空調機ユニットの底部と車体フロアとに、空調機ユニットの前側部をダッシュインシュレータを撓ませてダッシュパネルに押し当てた際に反力によって相互に係合する仮止め手段を設け、ステアリングメンバと空調機ユニットとを予め締結固定しておいて、空調機ユニットを仮止め手段によって仮止めした状態でステアリングメンバの両側端部をダッシュサイドパネルに締結固定するようにしている。このことによって、空調機ユニットの前後方向の位置決めを行って空調機ユニットの上側部をダッシュパネルとステアリングメンバとに容易に固定するようにしている。
【特許文献1】特開平8−295159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ダッシュパネルに取付後、インストルメントパネル内の車載部品の修理や交換を行うためには、ダッシュパネルがあるために前方から作業者の目や手が届かず、後方から作業する必要がある。また、特に空調ユニットは、冷媒がエンジン側にも流れるため、空調ユニットを取り外さないとインストルメントパネルを外すことができない場合、冷媒配管を切り離して冷媒が漏れないようにするという余計な作業が必要となるという問題がある。
【0005】
上記特許文献1では、取付方向と取外し方向とが同じであり、いずれの作業も可能とする構造であるために空調ユニット側の取付ブラケットが斜め上後方に伸びる形状となっている。このため、特にダッシュパネルに取付後、空調ユニットを残したままインストルメントパネルを取り外そうとすると、下方からの作業が困難となる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の製造時及び点検修理時に車載部品とインストルメントパネル支持メンバとの取付部に対して作業者の目や手が届きやすくすることにより、生産性の向上とサービス性の向上とを両立させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明では、製造時と点検修理時とで異なる取付方向で車載部品をインストルメントパネル支持メンバに取り付けるようにした。
【0008】
具体的には、第1の発明では、インストルメントパネル支持メンバに車載部品が取付ブラケットを介して取り付けられる自動車の車載部品取付構造を対象とする。
【0009】
そして、上記車載部品は、上記取付ブラケットに対し第1の方向から取り付けられると共に、該取付ブラケットは、上記インストルメントパネル支持メンバに対して上記第1の方向とは異なる第2の方向から取り付けられている。
【0010】
上記の構成によると、車載部品をインストルメントパネル支持メンバに取り付ける場合に、予め車載部品と取付ブラケットとをサブ組立した状態で取付ブラケットごと車載部品をインストルメントパネル支持メンバに取り付ける場合と、予め取付ブラケットをインストルメントパネル支持メンバに取り付け、車載部品を取付ブラケットに取り付ける場合の2通りの方法がある。予め車載部品と取付ブラケットとをサブ組立する場合には、車載部品は、取付ブラケットに第1の方向から取り付けられ、サブ組立された車載部品が第2の方向からインストルメントパネル支持メンバに取り付けられる。車載部品とインストルメントパネル支持メンバとを取り外すときには、取付ブラケットをインストルメントパネル支持メンバ側に残して第1の方向から車載部品とインストルメントパネル支持メンバとを取り外せば、車載部品の組付方向は第2の方向で、取外し方向は第1の方向となる。同様に、予め取付ブラケットをインストルメントパネル支持メンバに取り付ける場合には、取付ブラケットは、インストルメントパネル支持メンバに第2の方向から取り付けられ、第1の方向から車載部品がインストルメントパネル支持メンバに取り付けた取付ブラケットに組み付けられる。車載部品とインストルメントパネル支持メンバとを取り外すときには、取付ブラケットを車載部品側に残して第2の方向から車載部品とインストルメントパネル支持メンバとを取り外せば、車載部品の組付方向は第1の方向で、取外し方向は第2の方向となる。このように、いずれの場合でも組付方向と取外し方向とが第1の方向と第2の方向とで異なることから、製造時と点検修理時とで車載部品に対して作業者の目や手が届きやすい方向が異なる場合に、作業が容易な方向から組付又は取外しを行えばよいので、生産性が向上すると共に、サービス性が向上する。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、
上記車載部品は空調ユニットで、かつ上記第1の方向は車両前方であり、
上記取付ブラケットは、上記空調ユニットに対してサブ組立されて該空調ユニットと共に上記インストルメントパネル支持メンバに取り付けられ、取付ブラケット近傍かつ後方のインストルメントパネル部位が取外し可能であり、
上記取外し可能な部位を取り外してできた開口を通して車両後方側から上記空調ユニットと取付ブラケットとの取付を取り外し可能に構成されている。
【0012】
上記の構成によると、組立時には、空調ユニットと取付ブラケットとを第1の方向である車両前方側からサブ組立し、取付ブラケットごと第2の方向から空調ユニットとインストルメントパネル支持メンバとが組み付けられる。修理時に空調ユニットを車体側に残して、インストルメントパネル支持メンバを取り外すときには、まず、インストルメントパネルの取外し可能な部位を取り外す。そして、この取外し可能な部位を取り外してできた開口を通し、第1の方向と反対側の車両後方側から作業者の目や手が届きやすくなり、容易に空調ユニットと取付ブラケットとの取付が取り外される。このことで、取付ブラケットごとインストルメントパネル支持メンバが取り外される。このようにすることで、組み付けやすい組付方向で組付が行われると共に、修理時には空調ユニットを残したままインストルメントパネル支持メンバがダッシュパネルのない後方から取り外されるので、冷却水の処理などの余計な作業を行わずに容易にインストルメントパネルが取り外される。
【0013】
第3の発明では、第2の発明において、
上記取外し可能なインストルメントパネル部位がグローブボックスである。
【0014】
上記の構成によると、グローブボックスを取り外すことで、取付ブラケットに対して作業者の目や手が届きやすくなり、後方からの取外し作業が容易である。
【0015】
第4の発明では、第2又は第3の発明において、
上記取外し可能なインストルメントパネル部位がステアリングコラムカバーである。
【0016】
上記の構成によると、ステアリングコラムカバーを取り外すことで、取付ブラケットに対して作業者の目や手が届きやすくなり、後方からの取外し作業が容易である。
【0017】
第5の発明では、第2乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記第2の方向は、車両下方であり、
上記取付ブラケットは、上記インストルメントパネル支持メンバが取り付けられるメンバ取付部と該メンバ取付部に垂直で上記車載部品が取り付けられる部品取付部とを有し、該インストルメントパネルを上下反転させた状態で、上方から上記空調ユニットと共に上記インストルメントパネル支持メンバに取り付けられる構成とする。
【0018】
上記の構成によると、取付ブラケットの形状が簡素化されると共に、インストルメントパネルを上下反転させた状態で上方からインストルメントパネル支持メンバに取付ブラケットごと空調ユニットが容易に取り付けられる。
【0019】
第6の発明では、第1の発明において、
上記第1の方向は車両前方で、かつ上記第2の方向は車両下方であり、
上記車載部品の下方にグローブボックスが隣接されている。
【0020】
上記の構成によると、インストルメントパネル支持メンバを車体に組み付ける前には、車載部品が、取付ブラケットのサブ組立されたインストルメントパネル支持メンバの取付ブラケットに前方から取り付けられるので、グローブボックスが取り付けられていてもその組付が容易である。車載部品を取り外すときにはダッシュパネルのために前方から作業者の目や手が届かないが、グローブボックスを取り外すことで、車載部品に下方から作業者の目や手が届きやすくなり、取付ブラケットごと車載部品が取り外される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、車載部品を取付ブラケットに対し取り付ける方向と、取付ブラケットをインストルメントパネル支持メンバに対して取り付ける方向とを異なる方向とすることで、組付作業と取外し作業とを別々の方向から行えるようにすることにより、車両の製造時及び点検修理時のいずれにおいても、車載部品とインストルメントパネル支持メンバとの取付部に対して作業者の目や手が届きやすくするなるので、生産性の向上とサービス性の向上とを両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の自動車の車載部品取付構造1を内部に備えたインストルメントパネル2を示し、このインストルメントパネル2は、運転席側の下方がステアリングコラムカバー3で覆われ、助手席側の下方がグローブボックス4で覆われている。インストルメントパネル2の左右端部には、車載部品としての空調ユニット10の吹出口5が形成されている。図2に示すように、ステアリングコラムカバー3を取り外すと、ステアリング側開口6が現れ、グローブボックス4を取り外すと、ボックス側開口7が現れる。なお、ステアリング側開口6からはステアリング固定用ブラケット25が露出している。
【0024】
図3に示すように、インストルメントパネル2の裏面側には助手席エアバッグ8などが装着され、図示しないブラケットで左右に延びる剛性部材としてのインストルメントパネル支持メンバ11に固定されている。このインストルメントパネル支持メンバ11に各種部品がサブ組立されたインストルメントパネルモジュールを、エンジンルームと車室内とを区切るダッシュパネル9に組み付けるようになっている。
【0025】
図4及び図5に示すように、インストルメントパネル支持メンバ11には、上記空調ユニット10が取付ブラケット12を介して取り付けられている。空調ユニット10の前面からは冷媒を図示しないエンジン側へ循環させるための冷媒配管10aが延びている。図6に拡大して示すように、インストルメントパネル支持メンバ11には、中央にセンタステイ13が連結され、このセンタステイ13は図示しないフロアトンネルに取り付けられている。センタステイ13の前方には、ブラケット固定部14が突出して形成されている。このブラケット固定部14の底面から下方へ植え込みボルト15が突出している。グローブボックス4の右側上方にも同様のブラケット固定部14が形成され、取付ブラケット12が取り付けられている。
【0026】
取付ブラケット12は、前後に水平に延びるメンバ取付部16と、このメンバ取付部16に垂直な部品取付部17とを有し、これらメンバ取付部16及び部品取付部17の両側面が補強板18で補強された簡単な構成となっている。メンバ取付部16及び部品取付部17には、それぞれボルト挿入孔16a,17aが形成されている。メンバ取付部16のボルト挿通孔16aにブラケット固定部14の植え込みボルト15が挿通されて第2の方向としての車両下方からナット19が締結されている。なお、メンバ取付部16と部品取付部17とは、必ずしも垂直である必要はなく、側面視で角度が90°よりも大きかったり小さかったりしてもよい。
【0027】
図4及び図5に示すように、空調ユニット10の後方上側には、2つの空調側取付板20が左右に突出して形成されている。また、前方側には、フロアトンネルに載置するための脚部21が下方に向かって延びている。各空調側取付板20の前面には、溶接ナット22が溶着されている。部品取付部17のボルト挿通孔17aに車両後方からボルト23が挿通され、空調側取付板20の溶接ナット22に締め付けられている。
【0028】
このように、空調ユニット10は、取付ブラケット12に対し第1の方向としての車両前方から取り付けられると共に、この取付ブラケット12は、インストルメントパネル支持メンバ11に対して第2の方向としての車両下方から取り付けられている。
【0029】
次いで、空調ユニット10のインストルメントパネル支持メンバ11に対する組み付け手順について説明する。
【0030】
まず、図7に簡略化して示すように、部品取付部17のボルト挿通孔17aにボルト23を挿通して空調側取付板20の溶接ナット22に締め付けることで、空調ユニット10の空調側取付板20に取付ブラケット12を締結しておく。
【0031】
次いで、インストルメントパネル2を上下反転させた状態で、ブラケット固定部14の植え込みボルト15をメンバ取付部16のボルト挿通孔16aに挿通し、その先端にナット19をねじ込み、このナット19を上方からインパクトレンチ50で締め付ける。このことで、空調ユニット10を取付ブラケット12と共にインストルメントパネル支持メンバ11に取り付ける。
【0032】
次に、インストルメントパネル2の取り外し方法について説明する。
【0033】
まず、ダッシュパネル9があるために、車両前方からは作業者の目や手は届かない。そこで、ステアリングコラムカバー3をインストルメントパネル2から取り外すと、図2に示すように、ステアリング側開口6から右側の取付ブラケット12が露出する。また、グローブボックス4をインストルメントパネル2から取り外すと、ボックス側開口7から左側の取付ブラケット12が露出する。
【0034】
次いで、図8に示すように、取付ブラケット12をインストルメントパネル支持メンバ11側に残したまま、ステアリング側開口6からインパクトレンチ50を挿入し、後方からボルト23を取り外す。また、ボックス側開口7からインパクトレンチ50を挿入し、後方からボルト23を取り外す。このことで、図9に示すように、インストルメントパネル支持メンバ11が左右の取付ブラケット12から外れるので、空調ユニット10を車体側に残したまま、インストルメントパネル2が取り外される。
【0035】
このように、製造時と点検修理時とで空調ユニット10(取付ブラケット12)に対して作業者の目や手が届きやすい方向が異なる場合に、組み付けやすい組付方向で組付が行われると共に、修理時には空調ユニット10を残したままインストルメントパネル支持メンバ11が取り外されるので、冷却水の処理などの余計な作業を行わなくてもよい。
【0036】
−実施形態1の効果−
したがって、本実施形態にかかる自動車の車載部品取付構造1によると、空調ユニット10を取付ブラケット12に対し取り付ける方向と、取付ブラケット12をインストルメントパネル支持メンバ11に対して取り付ける方向とを異なる方向とすることで、組付作業と取外し作業とを別々の方向から行えるようにすることにより、車両の製造時及び点検修理時に空調ユニット10とインストルメントパネル支持メンバ11との取付部に対して作業者の目や手が届きやすくなり、作業が容易な方向から組付又は取り外しすればよいので、生産性の向上とサービス性の向上とを両立させることができる。
【0037】
(実施形態2)
図10〜図14は本発明の実施形態2にかかる自動車の車載部品取付構造101を示し、車載部品が駐車支援コントローラ110であり、その組付方向が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、以下の図1〜図9と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0038】
インストルメントパネル支持メンバ11の助手席側には、下方に向かってコントローラ固定用ブラケット114が突出して形成されている。このコントローラ固定用ブラケット114には、一対の植え込みボルト115がボックス側開口7に向けて突出するように設けられている。この植え込みボルト115に取付ブラケット112が取り付けられている。なお、ボックス側開口7の下側には、インストルメントパネル支持メンバ11と平行に剛性部材111が設けられている。
【0039】
具体的には、図13に拡大して示すように、取付ブラケット112には、メンバ取付部116と部品取付部117とが側面視く字状に折り曲げ形成されている。メンバ取付部116には、ボルト挿通孔116aが形成されている。このボルト挿通孔116aに、コントローラ固定用ブラケット114の植え込みボルト115挿通されてナット119が締結されている。また、部品取付部117には、先端が前方へ延びるように植え込みボルト122が溶接されている。一方、駐車支援コントローラ110の左右には、コントローラ側取付板120が外側へ突出しするように形成されている。このコントローラ側取付板120には、ボルト挿通孔120aが形成されている。このことで、取付ブラケット112の植え込みボルト122に前方からコントローラ側取付板120のボルト挿通孔120aが挿通されて第1の方向としての車両前方からナット123が締結されている。図12に示すように、駐車支援コントローラ110の下方にグローブボックス4が隣接されている。
【0040】
次いで、駐車支援コントローラ110のインストルメントパネル支持メンバ11に対する組み付け手順について説明する。
【0041】
まず、図12及び図13に示すように、コントローラ固定用ブラケット114の植え込みボルト115にメンバ取付部116のボルト挿通孔116aを挿通してナット119を締結し、インストルメントパネル支持メンバ11に取付ブラケット112を締結しておく。この後、グローブボックス4をインストルメントパネル2に取り付ける。この状態であっても、図11に示すように、車両前方から取付ブラケット112を見ることができる。
【0042】
次いで、車両前方から、左右のコントローラ側取付板120のボルト挿通孔120aをそれぞれ取付ブラケット112の植え込みボルト122に通し、ナット123を締め付けることで、駐車支援コントローラ110がインストルメントパネル支持メンバ11に取り付けられる。
【0043】
次に、駐車支援コントローラ110の取り外し方法について説明する。
【0044】
まず、グローブボックス4をインストルメントパネル2から取り外すと、図10に示すように、取付ブラケット112を下方から見ることができる。図14にボックス側開口7から(斜め下方から)のぞき込んだ様子を示す。作業者は、取付ブラケット112をコントローラ固定用ブラケット114に締結するナット119に下方からインパクトレンチ50を当てることで、容易に駐車支援コントローラ110を取付ブラケット112ごと取り外すことができる。
【0045】
このように、駐車支援コントローラ110は、インストルメントパネル支持メンバ11に対して車両前方から取り付けられると共に、車両下方から取り外される。
【0046】
したがって、インストルメントパネル支持メンバ11を車体に組み付ける前には、駐車支援コントローラ110が、取付ブラケット112のサブ組立されたインストルメントパネル支持メンバ11の取付ブラケット112に前方から取り付けられるので、グローブボックス4が取り付けられていても、容易に組み付けることができる。駐車支援コントローラ110を取り外すときには、グローブボックス4を取り外すことで、駐車支援コントローラ110に下方から作業者の目や手が届きやすくなり、下方から取付ブラケット112ごと駐車支援コントローラ110を極めて容易に取り外すことができる。
【0047】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0048】
すなわち、上記実施形態では、車載部品は、空調ユニット10や駐車支援コントローラ110としたが、これに限定されず、取付ブラケットを介してインストルメントパネル支持メンバ11に取り付けられるものであれば、何でもよい。
【0049】
植え込みボルトとナット又は溶接ナットとボルトの組合せは、上記実施形態に限定されず、いずれの組合せとするかは作業性のし易さから選択すればよい。
【0050】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上説明したように、本発明は、空調ユニットや駐車支援コントローラなどをインストルメントパネル支持メンバに取り付ける自動車の車載部品取付構造について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態1にかかる自動車の車載部品取付構造が内部に設けられたインストルメントパネルを示す斜視図である。
【図2】ステアリングコラムカバー及びグローブボックスを取り外したインストルメントパネルを示す図1相当図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】インストルメントパネル支持メンバ及び空調ユニットを車両斜め前方から見た斜視図である。
【図5】インストルメントパネル支持メンバ及び空調ユニットを車両斜め後方から見た斜視図である。
【図6】インストルメントパネル支持メンバ及び取付ブラケットを拡大して示す斜視図である。
【図7】取付ブラケットが取り付けられたインストルメントパネル支持メンバに空調ユニットを取り付ける様子の概略を示す側面図である。
【図8】インパクトレンチを後方から挿入してインストルメントパネル支持メンバを取付ブラケットごと空調ユニットから取り外す様子の概略を示す側面図である。
【図9】インストルメントパネル支持メンバを取付ブラケットごと空調ユニットから取り外す様子の概略を示す側面図である。
【図10】本発明の実施形態2にかかる自動車の車載部品取付構造が設けられたインストルメントパネルのグローブボックスを取り外した状態を後方から見た斜視図である。
【図11】グローブボックスが取り付けられたインストルメントパネルを前方から見た斜視図である。
【図12】図10のXII−XII線断面図である。
【図13】図12の自動車の車載部品取付構造を拡大して示す断面図である。
【図14】グローブボックスを取り外した状態を図12のXIV方向から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 車載部品取付構造
2 インストルメントパネル
3 ステアリングコラムカバー
4 グローブボックス
7 ボックス側開口
10 空調ユニット(車載部品)
11 インストルメントパネル支持メンバ
12 取付ブラケット
16 メンバ取付部
17 部品取付部
101 車載部品取付構造
110 駐車支援コントローラ(車載部品)
112 取付ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インストルメントパネル支持メンバに車載部品が取付ブラケットを介して取り付けられる自動車の車載部品取付構造であって、
上記車載部品は、上記取付ブラケットに対し第1の方向から取り付けられると共に、該取付ブラケットは、上記インストルメントパネル支持メンバに対して上記第1の方向とは異なる第2の方向から取り付けられている
ことを特徴とする自動車の車載部品取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車の車載部品取付構造において、
上記車載部品は空調ユニットで、かつ上記第1の方向は車両前方であり、
上記取付ブラケットは、上記空調ユニットに対してサブ組立されて該空調ユニットと共に上記インストルメントパネル支持メンバに取り付けられ、取付ブラケット近傍かつ後方のインストルメントパネル部位が取外し可能であり、
上記取外し可能な部位を取り外してできた開口を通して車両後方側から上記空調ユニットと取付ブラケットとの取付を取外し可能に構成されている
ことを特徴とする自動車の車載部品取付構造。
【請求項3】
請求項2に記載の自動車の車載部品取付構造において、
上記取外し可能なインストルメントパネル部位がグローブボックスである
ことを特徴とする自動車の車載部品取付構造。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の自動車の車載部品取付構造において、
上記取外し可能なインストルメントパネル部位がステアリングコラムカバーである
ことを特徴とする自動車の車載部品取付構造。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1つに記載の自動車の車載部品取付構造において、
上記第2の方向は、車両下方であり、
上記取付ブラケットは、上記インストルメントパネル支持メンバが取り付けられるメンバ取付部と該メンバ取付部に垂直で上記車載部品が取り付けられる部品取付部とを有し、該インストルメントパネルを上下反転させた状態で、上方から上記空調ユニットと共に上記インストルメントパネル支持メンバに取り付けられる
ことを特徴とする自動車の車載部品取付構造。
【請求項6】
請求項1に記載の自動車の車載部品取付構造において、
上記第1の方向は車両前方で、かつ上記第2の方向は車両下方であり、
上記車載部品の下方にグローブボックスが隣接されている
ことを特徴とする自動車の車載部品取付構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−179146(P2009−179146A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19149(P2008−19149)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】